JPH10237720A - 抗菌性ポリエステル短繊維 - Google Patents
抗菌性ポリエステル短繊維Info
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- JPH10237720A JPH10237720A JP9056896A JP5689697A JPH10237720A JP H10237720 A JPH10237720 A JP H10237720A JP 9056896 A JP9056896 A JP 9056896A JP 5689697 A JP5689697 A JP 5689697A JP H10237720 A JPH10237720 A JP H10237720A
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- Japan
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- antibacterial
- fiber
- carding
- silver
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- Artificial Filaments (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 カーディングを施さない状態で長期間保存し
ても変色(着色)することがなく、長期間保存した後で
もカーディング処理を施せば、優れた抗菌性を発現する
抗菌性ポリエステル短繊維を提供する。 【解決手段】 単糸繊度が2〜8デニールであり、リン
酸ジルコニウム銀、リン酸カルシウム銀、銀コーティン
グ酸化チタンのうち、少なくとも1種の銀系抗菌剤を0.
1〜2.0重量%含有するポリエステル短繊維である。こ
の短繊維は、シェイクフラスコ法での黄色ブドウ状球菌
に対する減菌率が26%未満であり、かつカーディング後
に80%以上の減菌率を示すものとなる。
ても変色(着色)することがなく、長期間保存した後で
もカーディング処理を施せば、優れた抗菌性を発現する
抗菌性ポリエステル短繊維を提供する。 【解決手段】 単糸繊度が2〜8デニールであり、リン
酸ジルコニウム銀、リン酸カルシウム銀、銀コーティン
グ酸化チタンのうち、少なくとも1種の銀系抗菌剤を0.
1〜2.0重量%含有するポリエステル短繊維である。こ
の短繊維は、シェイクフラスコ法での黄色ブドウ状球菌
に対する減菌率が26%未満であり、かつカーディング後
に80%以上の減菌率を示すものとなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーディングを施
せば抗菌性が発現し、かつ製造後に変色(着色)しない
抗菌性ポリエステル短繊維に関するものである。
せば抗菌性が発現し、かつ製造後に変色(着色)しない
抗菌性ポリエステル短繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルは、優れた機械的特性と化学的特性を有
しているので広範な分野で使用されており、合成繊維の
中では特に広い用途を有している。そして、近年、消費
者の衛生への関心が高まり、抗菌性を有するポリエステ
ル繊維の需要が増大している。
るポリエステルは、優れた機械的特性と化学的特性を有
しているので広範な分野で使用されており、合成繊維の
中では特に広い用途を有している。そして、近年、消費
者の衛生への関心が高まり、抗菌性を有するポリエステ
ル繊維の需要が増大している。
【0003】ポリエステル繊維などの合成繊維に抗菌性
を付与する方法は、これまでに多くの方法が提案されて
いるが、これらの方法は、後加工法、混合法の二つ
に大別される。
を付与する方法は、これまでに多くの方法が提案されて
いるが、これらの方法は、後加工法、混合法の二つ
に大別される。
【0004】の後加工法は、布帛に後加工で抗菌剤を
固定する方法であり、脂肪族系第4級アンモニウム塩や
シリコン系第4級アンモニウム塩を付与する方法があ
る。しかし、これらの抗菌剤は繊維表面に固着されてい
るだけなので、洗濯や摩耗などにより容易に脱落し、抗
菌性能が低下するという欠点がある。
固定する方法であり、脂肪族系第4級アンモニウム塩や
シリコン系第4級アンモニウム塩を付与する方法があ
る。しかし、これらの抗菌剤は繊維表面に固着されてい
るだけなので、洗濯や摩耗などにより容易に脱落し、抗
菌性能が低下するという欠点がある。
【0005】また、の混合法は、繊維形成性ポリマー
に抗菌剤を混合し、紡糸する方法である。例えば、抗菌
性ゼオライト粒子をポリエステルに混合し、溶融紡糸す
る方法が特開昭59−133235号公報、特公昭63-54103号公
報及び特開昭63−175117号公報に開示されている。抗菌
性ゼオライトを含有する合成繊維は抗菌防臭性能が良好
でその耐久性も優れているが、ゼオライトに担持されて
いる銀イオンの酸化あるいは繊維に塗布する油剤成分や
制電防止剤、柔軟剤などと銀イオンが反応することによ
り繊維の白度が低下し、特に繊維を長期間保存した後、
製品として使用する場合には、抗菌性と白度の低下が著
しいという欠点があった。
に抗菌剤を混合し、紡糸する方法である。例えば、抗菌
性ゼオライト粒子をポリエステルに混合し、溶融紡糸す
る方法が特開昭59−133235号公報、特公昭63-54103号公
報及び特開昭63−175117号公報に開示されている。抗菌
性ゼオライトを含有する合成繊維は抗菌防臭性能が良好
でその耐久性も優れているが、ゼオライトに担持されて
いる銀イオンの酸化あるいは繊維に塗布する油剤成分や
制電防止剤、柔軟剤などと銀イオンが反応することによ
り繊維の白度が低下し、特に繊維を長期間保存した後、
製品として使用する場合には、抗菌性と白度の低下が著
しいという欠点があった。
【0006】この白度の低下を解決するため、種々の着
色防止剤を用いる方法が、特開昭63−265958号公報や、
特開平6−272173号公報、特開平7−207061号公報に開
示されている。しかし、これらの着色防止剤を用いた場
合でも、長期間保存後の白度低下を十分に改善すること
はできない。
色防止剤を用いる方法が、特開昭63−265958号公報や、
特開平6−272173号公報、特開平7−207061号公報に開
示されている。しかし、これらの着色防止剤を用いた場
合でも、長期間保存後の白度低下を十分に改善すること
はできない。
【0007】また、長期間保存後も抗菌性能を持続させ
るために、抗菌剤の含有量を増やす方法もあるが、この
方法を用いると、含有量の増加に比例して変色(着色)
が顕著になるので好ましくない。
るために、抗菌剤の含有量を増やす方法もあるが、この
方法を用いると、含有量の増加に比例して変色(着色)
が顕著になるので好ましくない。
【0008】さらに、長期間保存や、染色などの後加工
工程による種々の処理による抗菌性低下の対策として、
繊維内部に存在する金属イオンを表面にマイグレートさ
せたり、金属イオンを繊維表面に多く露出させる方法が
検討されている。例えば、金属や金属化合物の練り込み
紡糸で液状ポリエステル系化合物を併用し、金属イオン
をマイグレートさせる方法が特開平2−182902号公報
に、また放電加工によるエッチングと熱の作用でマイグ
レーションと表面露出を多くする方法が特開平2−2640
66号公報に開示されている。しかしこれらの方法は、抗
菌剤以外の物質の添加や、通常の練り込み溶融紡糸より
も工程がさらに増加することになり、コスト高となる。
工程による種々の処理による抗菌性低下の対策として、
繊維内部に存在する金属イオンを表面にマイグレートさ
せたり、金属イオンを繊維表面に多く露出させる方法が
検討されている。例えば、金属や金属化合物の練り込み
紡糸で液状ポリエステル系化合物を併用し、金属イオン
をマイグレートさせる方法が特開平2−182902号公報
に、また放電加工によるエッチングと熱の作用でマイグ
レーションと表面露出を多くする方法が特開平2−2640
66号公報に開示されている。しかしこれらの方法は、抗
菌剤以外の物質の添加や、通常の練り込み溶融紡糸より
も工程がさらに増加することになり、コスト高となる。
【0009】また、抗菌剤を含有したポリエステル繊維
をアルカリ減量して表面露出を多くする方法が特開平3
-69665号公報に開示されている。この方法を用いた場
合、通常の紡績糸や長繊維使いの織編物の製造工程数に
比べ、工程数は特に増加することはない。しかし、上記
の処理をした繊維を布団綿などに用いる場合には抗菌性
が弱く、用途が限定されるだけでなく、銀系抗菌剤使い
ではアルカリ減量により変色(着色)するものが多く、
使用可能な抗菌剤の種類も限定される。したがって、良
好な抗菌性と白度の両方を十分に満足する抗菌性繊維
は、未だ提案されていない。
をアルカリ減量して表面露出を多くする方法が特開平3
-69665号公報に開示されている。この方法を用いた場
合、通常の紡績糸や長繊維使いの織編物の製造工程数に
比べ、工程数は特に増加することはない。しかし、上記
の処理をした繊維を布団綿などに用いる場合には抗菌性
が弱く、用途が限定されるだけでなく、銀系抗菌剤使い
ではアルカリ減量により変色(着色)するものが多く、
使用可能な抗菌剤の種類も限定される。したがって、良
好な抗菌性と白度の両方を十分に満足する抗菌性繊維
は、未だ提案されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題を
解決し、そのまま長期間保存しても変色(着色)するこ
とがなく、長期間保存した後にカーディング処理を施せ
ば、優れた抗菌性を発現する抗菌性ポリエステル短繊維
を提供することを技術的な課題とするものである。
解決し、そのまま長期間保存しても変色(着色)するこ
とがなく、長期間保存した後にカーディング処理を施せ
ば、優れた抗菌性を発現する抗菌性ポリエステル短繊維
を提供することを技術的な課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、単糸繊度が2〜8デニールで
あり、リン酸ジルコニウム銀、リン酸カルシウム銀、銀
コーティング酸化チタンのうち、少なくとも1種の銀系
抗菌剤を0.1〜2.0重量%含有するポリエステル短繊維
であって、シェイクフラスコ法での黄色ブドウ状球菌に
対する減菌率が26%未満であり、かつカーディング後に
80%以上の減菌率を示すものとなることを特徴とする抗
菌性ポリエステル短繊維を要旨とするものである。
題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、単糸繊度が2〜8デニールで
あり、リン酸ジルコニウム銀、リン酸カルシウム銀、銀
コーティング酸化チタンのうち、少なくとも1種の銀系
抗菌剤を0.1〜2.0重量%含有するポリエステル短繊維
であって、シェイクフラスコ法での黄色ブドウ状球菌に
対する減菌率が26%未満であり、かつカーディング後に
80%以上の減菌率を示すものとなることを特徴とする抗
菌性ポリエステル短繊維を要旨とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
する。
【0013】本発明の抗菌性ポリエステル短繊維を構成
するポリエステルとはポリアルキレンテレフタレートで
あり、具体的にはポリエチレンテレフタレート(PE
T)やポリブチレンテレフタレート(PBT)が好まし
い。ポリアルキレンテレフタレートは少量の共重成分を
含有したものでもよく、共重合成分としては、5ーナト
リウムスルホイソフタル酸、イソフタル酸、無水フタル
酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸
成分、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン
酸成分、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4ーシクロヘキサンジメタノール、ペンタエリ
スリトール、ビスフェノールSのアルキレンオキシド付
加物などのグリコール成分、4ーヒドロキシ安息香酸、
εーカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸成分が
挙げられる。 本発明の抗菌性ポリエステル短繊維は、
リン酸ジルコニウム銀、リン酸カルシウム銀、銀コーテ
ィング酸化チタンのうち、少なくとも1種の銀系抗菌剤
を0.1〜2.0重量%含有するものである。上記の抗菌剤
の中では,特に、製糸性、抗菌性、着色防止、コストの
点から、リン酸ジルコニウム銀を主成分とするものが好
ましく、このような抗菌剤としては例えば、東亞合成
(株) 製ノバロンAG-100、AG-300がある。
するポリエステルとはポリアルキレンテレフタレートで
あり、具体的にはポリエチレンテレフタレート(PE
T)やポリブチレンテレフタレート(PBT)が好まし
い。ポリアルキレンテレフタレートは少量の共重成分を
含有したものでもよく、共重合成分としては、5ーナト
リウムスルホイソフタル酸、イソフタル酸、無水フタル
酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸
成分、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン
酸成分、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4ーシクロヘキサンジメタノール、ペンタエリ
スリトール、ビスフェノールSのアルキレンオキシド付
加物などのグリコール成分、4ーヒドロキシ安息香酸、
εーカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸成分が
挙げられる。 本発明の抗菌性ポリエステル短繊維は、
リン酸ジルコニウム銀、リン酸カルシウム銀、銀コーテ
ィング酸化チタンのうち、少なくとも1種の銀系抗菌剤
を0.1〜2.0重量%含有するものである。上記の抗菌剤
の中では,特に、製糸性、抗菌性、着色防止、コストの
点から、リン酸ジルコニウム銀を主成分とするものが好
ましく、このような抗菌剤としては例えば、東亞合成
(株) 製ノバロンAG-100、AG-300がある。
【0014】銀系抗菌剤の含有量は0.1〜2.0重量%,
好ましくは0.5〜1.0重量%が必要であり、抗菌剤の含
有量が0.1%未満になると、カーディング処理を施して
も十分な抗菌性を発現しない。一方、抗菌剤の含有量が
2.0重量%を超えると、製糸性が悪化するだけでなく、
カーディング処理を施さなくても抗菌性が発現し、白度
も低下する。特に長期間保存する場合は白度の低下が著
しい。
好ましくは0.5〜1.0重量%が必要であり、抗菌剤の含
有量が0.1%未満になると、カーディング処理を施して
も十分な抗菌性を発現しない。一方、抗菌剤の含有量が
2.0重量%を超えると、製糸性が悪化するだけでなく、
カーディング処理を施さなくても抗菌性が発現し、白度
も低下する。特に長期間保存する場合は白度の低下が著
しい。
【0015】銀系抗菌剤を繊維に含有させる方法は特に
限定されるものではないが、高濃度の抗菌剤を含有した
マスターポリマーを作製し、このマスターポリマーを通
常の乾燥条件で水分率が100ppm未満になるまで乾燥した
後、公知の溶融紡糸装置を用いて繊維中に添加する方
法、あるいは公知の溶融紡糸装置を用いて、繊維原料ポ
リマーを溶融している際に添加して均一に混練し、分散
させる方法が主として用いられる。
限定されるものではないが、高濃度の抗菌剤を含有した
マスターポリマーを作製し、このマスターポリマーを通
常の乾燥条件で水分率が100ppm未満になるまで乾燥した
後、公知の溶融紡糸装置を用いて繊維中に添加する方
法、あるいは公知の溶融紡糸装置を用いて、繊維原料ポ
リマーを溶融している際に添加して均一に混練し、分散
させる方法が主として用いられる。
【0016】また、本発明の抗菌性ポリエステル短繊維
の単糸繊度は、抗菌剤の含有量にもよるが、2〜8デニ
ール、特に3〜7デニールが好ましい。そして、抗菌剤
の含有量が0.5重量%の時は3〜6デニールが好まし
く、抗菌剤の含有量が2.0重量%の時は5〜8デニール
が好ましい。抗菌剤の含有量に対して単糸繊度(繊維の
太さ)が小さすぎると、短繊維の製造時や、得られる短
繊維の機械的特性に悪影響を及ぼすだけでなく、カーデ
ィング処理を施す前、すなわち原綿の状態で抗菌性が発
現し、このため保存中に抗菌性が低下したり、変色して
白度が低下する。
の単糸繊度は、抗菌剤の含有量にもよるが、2〜8デニ
ール、特に3〜7デニールが好ましい。そして、抗菌剤
の含有量が0.5重量%の時は3〜6デニールが好まし
く、抗菌剤の含有量が2.0重量%の時は5〜8デニール
が好ましい。抗菌剤の含有量に対して単糸繊度(繊維の
太さ)が小さすぎると、短繊維の製造時や、得られる短
繊維の機械的特性に悪影響を及ぼすだけでなく、カーデ
ィング処理を施す前、すなわち原綿の状態で抗菌性が発
現し、このため保存中に抗菌性が低下したり、変色して
白度が低下する。
【0017】一方、抗菌剤の含有量に対して単糸繊度が
大きすぎると、重量当たりの表面積が少なくなり、菌と
繊維との接触確率が減少するので、カーディング処理を
施しても抗菌性が発現しない。
大きすぎると、重量当たりの表面積が少なくなり、菌と
繊維との接触確率が減少するので、カーディング処理を
施しても抗菌性が発現しない。
【0018】さらに、本発明の抗菌性ポリエステル短繊
維は、シェイクフラスコ法での黄色ブドウ状球菌に対す
る減菌率が26%未満であり、かつカーディング後に80%
以上の減菌率を示すものとなる。すなわち、本発明の抗
菌性ポリエステル短繊維は、上記したように、リン酸ジ
ルコニウム銀、リン酸カルシウム銀、及び銀コーティン
グ酸化チタンという特定の銀系抗菌剤を0.1〜2.0重量
%という低濃度でしか含有していないので、そのままで
はシェイクフラスコ法での黄色ブドウ状球菌に対する減
菌率が26%未満と抗菌性が乏しいが、同時に、保存中や
輸送中に変色(着色)することがない。そして、加工工
程でカーディング処理を受けると、繊維内部の抗菌剤の
表面が露出して80%以上の良好な減菌率を示すものとな
る。
維は、シェイクフラスコ法での黄色ブドウ状球菌に対す
る減菌率が26%未満であり、かつカーディング後に80%
以上の減菌率を示すものとなる。すなわち、本発明の抗
菌性ポリエステル短繊維は、上記したように、リン酸ジ
ルコニウム銀、リン酸カルシウム銀、及び銀コーティン
グ酸化チタンという特定の銀系抗菌剤を0.1〜2.0重量
%という低濃度でしか含有していないので、そのままで
はシェイクフラスコ法での黄色ブドウ状球菌に対する減
菌率が26%未満と抗菌性が乏しいが、同時に、保存中や
輸送中に変色(着色)することがない。そして、加工工
程でカーディング処理を受けると、繊維内部の抗菌剤の
表面が露出して80%以上の良好な減菌率を示すものとな
る。
【0019】本発明の抗菌性ポリエステル短繊維の繊維
断面形状は、丸、異形、中空など、いずれの形状でもよ
い。また、公知のコンジュゲート紡糸技術を利用し、芯
鞘型断面構造糸にしてもよい。この場合、抗菌性は主と
して繊維表面付近における抗菌剤の含有量に左右される
と考えられるので、芯鞘構造断面糸の鞘部分に抗菌剤を
使用するのが好ましく、抗菌剤の含有量に対して適当な
芯鞘比率を採用する必要がある。添加量に対して鞘成分
の比率が少なすぎると、前記した繊度が小さすぎ場合と
同様の結果となり、逆に鞘成分の比率が多すぎると、繊
度が大きすぎる場合と同じ結果となる。
断面形状は、丸、異形、中空など、いずれの形状でもよ
い。また、公知のコンジュゲート紡糸技術を利用し、芯
鞘型断面構造糸にしてもよい。この場合、抗菌性は主と
して繊維表面付近における抗菌剤の含有量に左右される
と考えられるので、芯鞘構造断面糸の鞘部分に抗菌剤を
使用するのが好ましく、抗菌剤の含有量に対して適当な
芯鞘比率を採用する必要がある。添加量に対して鞘成分
の比率が少なすぎると、前記した繊度が小さすぎ場合と
同様の結果となり、逆に鞘成分の比率が多すぎると、繊
度が大きすぎる場合と同じ結果となる。
【0020】
【作用】本発明の抗菌性ポリエステル短繊維は、特定の
銀系抗菌剤を0.1〜2.0重量%という低濃度で含有して
いるので、保存中や輸送中に変色(着色)したり、抗菌
性が発現することがない。しかし、製品加工時にカーデ
ィングを施せば、繊維表面の一部が削られ、繊維の表面
積が増大するとともに、繊維内部の抗菌剤の表面が露出
するので良好な抗菌性を発現するため、長期間にわたっ
て抗菌性と白度を持続することができる。
銀系抗菌剤を0.1〜2.0重量%という低濃度で含有して
いるので、保存中や輸送中に変色(着色)したり、抗菌
性が発現することがない。しかし、製品加工時にカーデ
ィングを施せば、繊維表面の一部が削られ、繊維の表面
積が増大するとともに、繊維内部の抗菌剤の表面が露出
するので良好な抗菌性を発現するため、長期間にわたっ
て抗菌性と白度を持続することができる。
【0021】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、実施例における特性値の測定値は次の通り
である。 (a)極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合液を溶媒と
し、温度20℃で測定した値から求めた。 (b)繊度(デニール:d) 切断前の繊維を弛緩状態で30分放置した後、90cmをサン
プリングして重量を測定し、9000mに換算した重量値で
ある。 (c)抗菌性 繊維製品衛生加工協議会(SEK)に準拠したシェイク
フラスコ法を用いて抗菌性を評価した。まず、試験片
(抗菌剤を含有する試料の繊維)に試験菌(黄色ブドウ
状球菌)の懸濁緩衝液を注加し、密閉溶液中で 150回/
分、1時間振とうした後、生菌数を計測し、次の式によ
り注加懸濁緩衝液の初発菌数に対する減菌率(%)を求
めた。同様にして求めた抗菌剤を含有しない繊維の減菌
率との差〔減菌率差(%)〕で抗菌性を評価した。 減菌率(%)=(初発菌数−1時間後の生菌数)/初発
菌数 減菌率差が26%以上のものを抗菌性があると評価した。
また、カーディング処理後の抗菌性は、シリンダー直径
457mm、シリンダー回転数250rpm、紡出速度6m/分、
給綿量100g/分の条件でカーディング処理を施した短繊
維を用いて評価した。 (d)変色(着色) 抗菌剤を添加した繊維を製造直後と、温度25℃、相対湿
度80%の条件で暗所に1年間保存したものを、下記の基
準で4段階に評価した。 ◎:変色(着色)なし。 ○:わずかに変色(着色)はあるが、実用上問題なし。 △:若干の変色(着色)があり、実用上やや問題あり。 ×:変色(着色)が著しい。
する。なお、実施例における特性値の測定値は次の通り
である。 (a)極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合液を溶媒と
し、温度20℃で測定した値から求めた。 (b)繊度(デニール:d) 切断前の繊維を弛緩状態で30分放置した後、90cmをサン
プリングして重量を測定し、9000mに換算した重量値で
ある。 (c)抗菌性 繊維製品衛生加工協議会(SEK)に準拠したシェイク
フラスコ法を用いて抗菌性を評価した。まず、試験片
(抗菌剤を含有する試料の繊維)に試験菌(黄色ブドウ
状球菌)の懸濁緩衝液を注加し、密閉溶液中で 150回/
分、1時間振とうした後、生菌数を計測し、次の式によ
り注加懸濁緩衝液の初発菌数に対する減菌率(%)を求
めた。同様にして求めた抗菌剤を含有しない繊維の減菌
率との差〔減菌率差(%)〕で抗菌性を評価した。 減菌率(%)=(初発菌数−1時間後の生菌数)/初発
菌数 減菌率差が26%以上のものを抗菌性があると評価した。
また、カーディング処理後の抗菌性は、シリンダー直径
457mm、シリンダー回転数250rpm、紡出速度6m/分、
給綿量100g/分の条件でカーディング処理を施した短繊
維を用いて評価した。 (d)変色(着色) 抗菌剤を添加した繊維を製造直後と、温度25℃、相対湿
度80%の条件で暗所に1年間保存したものを、下記の基
準で4段階に評価した。 ◎:変色(着色)なし。 ○:わずかに変色(着色)はあるが、実用上問題なし。 △:若干の変色(着色)があり、実用上やや問題あり。 ×:変色(着色)が著しい。
【0022】実施例1 極限粘度が0.64のPETを溶融し、溶融ポリマーに対
し、ノバロンAG-300〔東亞合成(株)製抗菌剤、主成
分;リン酸ジルコニウム銀)を糸中濃度が1重量%にな
るように添加、分散させ単糸繊度が18デニールのポリエ
ステル未延伸糸を作製した。これを3倍に延伸し、単糸
繊度が6デニールの延伸糸を得た。この延伸糸をカッタ
ーで繊維長51mmにカッティングし、得られた短繊維
(綿)を、カード機〔大和機工(株)製、CH-500〕を用
いてカーディング処理を施し、シート状にした。
し、ノバロンAG-300〔東亞合成(株)製抗菌剤、主成
分;リン酸ジルコニウム銀)を糸中濃度が1重量%にな
るように添加、分散させ単糸繊度が18デニールのポリエ
ステル未延伸糸を作製した。これを3倍に延伸し、単糸
繊度が6デニールの延伸糸を得た。この延伸糸をカッタ
ーで繊維長51mmにカッティングし、得られた短繊維
(綿)を、カード機〔大和機工(株)製、CH-500〕を用
いてカーディング処理を施し、シート状にした。
【0023】カーディング処理を施す前後の短繊維の抗
菌性と、同じくカーディング処理を施さない短繊維を1
年間保存した後の変色度合いを測定した。その結果、カ
ーディング前の短繊維では抗菌性が発現せず、1年間保
存した後でも抗菌性の発現や変色(着色)がなかった。
一方、カーディング処理を施した短繊維では抗菌性が発
現し、カーディング前の短繊維を1年間保存してからカ
ーディング処理を施しも抗菌性は発現した。この短繊維
はわずかながら変色(着色)もあったが、この変色(着
色)は実用レベルであった。
菌性と、同じくカーディング処理を施さない短繊維を1
年間保存した後の変色度合いを測定した。その結果、カ
ーディング前の短繊維では抗菌性が発現せず、1年間保
存した後でも抗菌性の発現や変色(着色)がなかった。
一方、カーディング処理を施した短繊維では抗菌性が発
現し、カーディング前の短繊維を1年間保存してからカ
ーディング処理を施しも抗菌性は発現した。この短繊維
はわずかながら変色(着色)もあったが、この変色(着
色)は実用レベルであった。
【0024】実施例2、3、比較例1、2 抗菌剤の含有量を実施例2、3は表1、比較例1、2は
表2のように変更した以外は、実施例1と同様にして短
繊維を製造した。
表2のように変更した以外は、実施例1と同様にして短
繊維を製造した。
【0025】抗菌剤の含有量が0.1重量%未満になる
(比較例1)と、カーディング処理を施しいても抗菌性
は発現しなかった。また、含有量が2.0%を超える(比
較例2)と、カーディングを施さなくても抗菌性が発現
したが、1年間保存した後の変色(着色)は実用レベル
以下であった。
(比較例1)と、カーディング処理を施しいても抗菌性
は発現しなかった。また、含有量が2.0%を超える(比
較例2)と、カーディングを施さなくても抗菌性が発現
したが、1年間保存した後の変色(着色)は実用レベル
以下であった。
【0026】実施例4〜6、比較例3、4 抗菌剤をノバロンAG-100(東亞合成(株)製、主成分;
リン酸ジルコニウム)とし、抗菌剤の含有量を実施例4
〜6は表1、比較例3、4は表2のように変更した以外
は実施例1と同様にして短繊維を製造した。
リン酸ジルコニウム)とし、抗菌剤の含有量を実施例4
〜6は表1、比較例3、4は表2のように変更した以外
は実施例1と同様にして短繊維を製造した。
【0027】抗菌剤としてノバロンAG-100を用いた場合
も、ノバロンAG-300を用いた場合と同様に、抗菌剤の含
有量が0.1〜2.0重量%の場合(実施例4〜6)は、製
造直後及び1年間保存後のいずれもカーディング前は抗
菌性の発現がなく、カーディング後に優れた抗菌性を示
した。また、1年間保存したときの変色(着色)も見ら
れなかった。
も、ノバロンAG-300を用いた場合と同様に、抗菌剤の含
有量が0.1〜2.0重量%の場合(実施例4〜6)は、製
造直後及び1年間保存後のいずれもカーディング前は抗
菌性の発現がなく、カーディング後に優れた抗菌性を示
した。また、1年間保存したときの変色(着色)も見ら
れなかった。
【0028】一方、抗菌剤の含有量が0.1重量%未満に
なる(比較例3)と、カーディングしても抗菌性は発現
せず、含有量が2.0重量%を超える(比較例4)とカー
ディング前でも抗菌性を有していた。しかし、抗菌剤の
含有量が2.0重量%を超えると、1年間保存後の繊維の
変色(着色)がひどく、実用レベル以下であった。
なる(比較例3)と、カーディングしても抗菌性は発現
せず、含有量が2.0重量%を超える(比較例4)とカー
ディング前でも抗菌性を有していた。しかし、抗菌剤の
含有量が2.0重量%を超えると、1年間保存後の繊維の
変色(着色)がひどく、実用レベル以下であった。
【0029】実施例7〜9、比較例5、6 抗菌剤をアパサイダーAK(サンギ(株)製、主成分;リ
ン酸カルシウム銀)に変更し、抗菌剤の含有量を実施例
7〜9は表1、比較例5、6は表2のように変更した以
外は、実施例1と同様にして短繊維を製造した。
ン酸カルシウム銀)に変更し、抗菌剤の含有量を実施例
7〜9は表1、比較例5、6は表2のように変更した以
外は、実施例1と同様にして短繊維を製造した。
【0030】抗菌剤の含有量が0.1〜2.0重量%の場合
(実施例7〜9)は、製造直後及び1年間保存後のいず
れもカーディング処理後にのみ抗菌性が発現し、また、
カーディング前の短繊維を1年間保存した後も変色(着
色)がなかった。しかし、この場合の抗菌性は、ノバロ
ンAG-300やAG-100を用いた場合よりも弱いものであっ
た。
(実施例7〜9)は、製造直後及び1年間保存後のいず
れもカーディング処理後にのみ抗菌性が発現し、また、
カーディング前の短繊維を1年間保存した後も変色(着
色)がなかった。しかし、この場合の抗菌性は、ノバロ
ンAG-300やAG-100を用いた場合よりも弱いものであっ
た。
【0031】一方、抗菌剤の含有量が0.1重量%未満
(比較例5)の時は、カーディングを施しても抗菌性は
発現せず、含有量が2.0重量%を超える(比較例6)
と、カーディング後に抗菌性が発現した。また、抗菌剤
の含有量が2.0重量%を超えると、1年間保存後に変色
(着色)が若干見られ、この短繊維は実用レベル以下で
あった。
(比較例5)の時は、カーディングを施しても抗菌性は
発現せず、含有量が2.0重量%を超える(比較例6)
と、カーディング後に抗菌性が発現した。また、抗菌剤
の含有量が2.0重量%を超えると、1年間保存後に変色
(着色)が若干見られ、この短繊維は実用レベル以下で
あった。
【0032】実施例10〜12、比較例7、8 抗菌剤をギンテック(川角技研(株)、主成分;銀コー
ティング酸化チタン)に変更し、抗菌剤の含有量を実施
例10〜12は表1、比較例7、8は表2とした以外は実施
例1と同様にして短繊維を製造した。
ティング酸化チタン)に変更し、抗菌剤の含有量を実施
例10〜12は表1、比較例7、8は表2とした以外は実施
例1と同様にして短繊維を製造した。
【0033】抗菌剤の含有量が0.1〜2.0重量%の場合
(実施例10〜12)は、製造直後及び1年間保存後のいず
れもカーディング処理後にのみ抗菌性が発現し、カーデ
ィング前の繊維を1年間保存した後も変色(着色)がな
かった。
(実施例10〜12)は、製造直後及び1年間保存後のいず
れもカーディング処理後にのみ抗菌性が発現し、カーデ
ィング前の繊維を1年間保存した後も変色(着色)がな
かった。
【0034】一方、抗菌剤の含有量が0.1重量%未満
(比較例7)ではカーディングを施しても抗菌性は発現
せず、また、含有量が2.0重量%を超える(比較例8)
と、カーディング処理を施さなくても抗菌性を有してい
た。しかし、抗菌剤の含有量が2.0重量%を超えると、
1年間保存後に変色(着色)が若干見られ、この短繊維
は実用レベル以下であった。
(比較例7)ではカーディングを施しても抗菌性は発現
せず、また、含有量が2.0重量%を超える(比較例8)
と、カーディング処理を施さなくても抗菌性を有してい
た。しかし、抗菌剤の含有量が2.0重量%を超えると、
1年間保存後に変色(着色)が若干見られ、この短繊維
は実用レベル以下であった。
【0035】比較例9、10 抗菌剤をゼオミック(品川燃料(株)製、主成分;銀ゼ
オライト)に変更し、抗菌剤の含有量を表2のように変
更した以外は実施例1と同様にして短繊維を製造した。
この短繊維はカーディングを施さなくても抗菌性を有し
ていた。しかし、カーディングの有無に関わらず、製造
直後にすでに変色(着色)が著しく、実用レベルではな
かった。
オライト)に変更し、抗菌剤の含有量を表2のように変
更した以外は実施例1と同様にして短繊維を製造した。
この短繊維はカーディングを施さなくても抗菌性を有し
ていた。しかし、カーディングの有無に関わらず、製造
直後にすでに変色(着色)が著しく、実用レベルではな
かった。
【0036】比較例11、12 抗菌剤としてゼオプラス(松本油脂(株)製、主成分;
銀ゼオライト)を用い、抗菌剤の含有量を表2のように
変更した以外は実施例1と同様にして短繊維を製造し
た。得られた短繊維は、カーディングを施さなくても抗
菌性を有していたが、カーディングの有無に関わらず、
製造直後にすでに変色(着色)が著しく、実用レベルで
はなかった。
銀ゼオライト)を用い、抗菌剤の含有量を表2のように
変更した以外は実施例1と同様にして短繊維を製造し
た。得られた短繊維は、カーディングを施さなくても抗
菌性を有していたが、カーディングの有無に関わらず、
製造直後にすでに変色(着色)が著しく、実用レベルで
はなかった。
【0037】実施例13、14、比較例13,14 構成する繊維の単糸繊度を実施例13、14は表1,比較例
13,14は表2のように変更した以外は、実施例1と同様
にして短繊維を製造した。単糸繊度が8デニール超える
(比較例14)と、カーディングを行っても抗菌性は発現
しなかった。一方、単糸繊度が2デニール未満(比較例
13)では、カーディングを施さなくても抗菌性を有して
いたが、製造直後にすでに変色(着色)が見られ、実用
レベル以下のものであった。
13,14は表2のように変更した以外は、実施例1と同様
にして短繊維を製造した。単糸繊度が8デニール超える
(比較例14)と、カーディングを行っても抗菌性は発現
しなかった。一方、単糸繊度が2デニール未満(比較例
13)では、カーディングを施さなくても抗菌性を有して
いたが、製造直後にすでに変色(着色)が見られ、実用
レベル以下のものであった。
【0038】実施例15〜16、比較例15〜16 構成する繊維の単糸繊度を実施例15〜16は表1,比較例
15〜16は表2のように変更した以外は、実施例4と同様
にして短繊維を製造した。
15〜16は表2のように変更した以外は、実施例4と同様
にして短繊維を製造した。
【0039】実施例17、18、比較例17,18 構成する繊維の単糸繊度を実施例17、18は表1,比較例
17,18は表2のように変更した以外は、実施例7と同様
にして短繊維を製造した。
17,18は表2のように変更した以外は、実施例7と同様
にして短繊維を製造した。
【0040】実施例19、20、比較例19、20 構成する繊維の単糸繊度を実施例19、20は表1,比較例
19、20は表2のように変更した以外は、実施例10と同様
にして短繊維を製造した。
19、20は表2のように変更した以外は、実施例10と同様
にして短繊維を製造した。
【0041】比較例21、22 抗菌剤としてゼオミック(品川燃料(株)製、主成分;
銀ゼオライト)を用い、単糸繊度を表2のように変更し
た以外は実施例1と同様にして短繊維を製造した。単糸
繊度が2デニール未満になる(比較例21)と、製糸性が
悪化するだけでなく、変色(着色)もひどくなった。ま
た、単糸繊度が8デニールを超えても(比較例21)抗菌
性は発現したが、製造直後にすでに変色(着色)が見ら
れ、実用レベル以下のものであった。
銀ゼオライト)を用い、単糸繊度を表2のように変更し
た以外は実施例1と同様にして短繊維を製造した。単糸
繊度が2デニール未満になる(比較例21)と、製糸性が
悪化するだけでなく、変色(着色)もひどくなった。ま
た、単糸繊度が8デニールを超えても(比較例21)抗菌
性は発現したが、製造直後にすでに変色(着色)が見ら
れ、実用レベル以下のものであった。
【0042】実施例1〜20、比較例1〜22で得られた短
繊維中の抗菌剤の含有量と評価結果を表1、2に示す。
繊維中の抗菌剤の含有量と評価結果を表1、2に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、カーディングを施さな
い状態で長期間にわたって保存しても抗菌性の低下や変
色(着色)がなく、かつ製品化の段階でカーディング処
理を施せば、良好な抗菌性を発現する抗菌性ポリエステ
ル短繊維が提供される。
い状態で長期間にわたって保存しても抗菌性の低下や変
色(着色)がなく、かつ製品化の段階でカーディング処
理を施せば、良好な抗菌性を発現する抗菌性ポリエステ
ル短繊維が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D01F 1/10 D01F 1/10 6/62 302 6/62 302Z D04H 1/42 D04H 1/42 T
Claims (1)
- 【請求項1】 単糸繊度が2〜8デニールであり、リン
酸ジルコニウム銀、リン酸カルシウム銀、銀コーティン
グ酸化チタンのうち、少なくとも1種の銀系抗菌剤を0.
1〜2.0重量%含有するポリエステル短繊維であって、
シェイクフラスコ法での黄色ブドウ状球菌に対する減菌
率が26%未満であり、かつカーディング後に80%以上の
減菌率を示すものとなることを特徴とする抗菌性ポリエ
ステル短繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9056896A JPH10237720A (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | 抗菌性ポリエステル短繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9056896A JPH10237720A (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | 抗菌性ポリエステル短繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10237720A true JPH10237720A (ja) | 1998-09-08 |
Family
ID=13040219
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9056896A Pending JPH10237720A (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | 抗菌性ポリエステル短繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10237720A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003032734A1 (en) * | 2001-10-15 | 2003-04-24 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Inorganic antimicrobial agent, antimicrobial molded resin articles using the same and process for the production thereof |
KR100573028B1 (ko) * | 2002-05-27 | 2006-04-24 | 주식회사 삼흥 | 은입자가 함유된 은섬유 제조용 칩의 제조방법 |
CN100393926C (zh) * | 2006-07-24 | 2008-06-11 | 刘燕平 | 多功能纳米安全高效抑菌纤维 |
CN100453595C (zh) * | 2005-11-30 | 2009-01-21 | 青岛大学 | 抗菌锦纶母粒、纤维的制备方法 |
CN106087098A (zh) * | 2016-06-12 | 2016-11-09 | 福建百宏聚纤科技实业有限公司 | 一种三维超亮光dty纤维及其加工方法 |
WO2017092233A1 (zh) * | 2015-12-01 | 2017-06-08 | 东华大学 | 一种基于载银磷酸锆的抗菌聚酯纤维及其制备方法 |
CN109234878A (zh) * | 2018-10-16 | 2019-01-18 | 杭州庆业纺织有限公司 | 一种具有抗菌效果纱线的制造方法 |
CN110863278A (zh) * | 2019-11-22 | 2020-03-06 | 段康伟 | 一种框纱高效整理装置的工作方法 |
-
1997
- 1997-02-24 JP JP9056896A patent/JPH10237720A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003032734A1 (en) * | 2001-10-15 | 2003-04-24 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Inorganic antimicrobial agent, antimicrobial molded resin articles using the same and process for the production thereof |
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WO2017092233A1 (zh) * | 2015-12-01 | 2017-06-08 | 东华大学 | 一种基于载银磷酸锆的抗菌聚酯纤维及其制备方法 |
CN106087098A (zh) * | 2016-06-12 | 2016-11-09 | 福建百宏聚纤科技实业有限公司 | 一种三维超亮光dty纤维及其加工方法 |
CN109234878A (zh) * | 2018-10-16 | 2019-01-18 | 杭州庆业纺织有限公司 | 一种具有抗菌效果纱线的制造方法 |
CN109234878B (zh) * | 2018-10-16 | 2020-09-01 | 杭州庆业纺织有限公司 | 一种具有抗菌效果纱线的制造方法 |
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