JP2003123983A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
有機エレクトロルミネッセンス素子Info
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Abstract
ロルミネッセンス素子、およびその有機エレクトロルミ
ネッセンス素子を用いた低消費電力、長寿命な表示装置
を提供する。 【解決手段】 構成する有機層の少なくとも1層に、下
記一般式(1)で示される化合物の少なくとも1種を含
有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス
素子。 【化1】
Description
ミネッセンス(以下有機ELと略記する場合もある)素
子および表示装置に関するものであり、詳しくは、発光
輝度・寿命に優れた有機エレクトロルミネッセンス素
子、およびその有機エレクトロルミネッセンス素子を有
する表示装置に関するものである。
て、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)
がある。ELDの構成要素としては、無機エレクトロル
ミネッセンス素子や有機エレクトロルミネッセンス素子
が挙げられる。無機エレクトロルミネッセンス素子は平
面型光源として使用されてきたが、発光素子を駆動させ
るためには交流の高電圧が必要である。有機エレクトロ
ルミネッセンス素子は、発光する化合物を含有する発光
層を、陰極と陽極で挟んだ構成を有し、発光層に電子及
び正孔を注入して、再結合させることにより励起子(エ
キシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の
光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光する素子であ
り、数V〜数十V程度の電圧で発光が可能であり、さら
に、自己発光型であるために視野角に富み、視認性が高
く、薄膜型の完全固体素子であるために省スペース、携
帯性等の観点から注目されている。
ている。たとえば、Appl.Phys.Lett.,
Vol.51、913頁あるいは特開昭59−1943
93号に記載の正孔注入層と有機発光体層とを組み合わ
せたもの、特開昭63−295695号に記載の正孔注
入層と電子注入輸送層とを組み合わせたもの、Jpn.
Journal of Applied Phisyc
s,vol.127,No.2第269〜271頁に記
載の正孔移動層と発光層と電子移動層とを組み合わせた
ものがそれぞれ開示されている。しかしながら、より高
輝度な素子が求められており、エネルギー変換効率、発
光量子効率の更なる向上が期待されている。
いる。こうした経時での輝度劣化の要因は完全には解明
されていないが発光中のエレクトロルミネッセンス素子
は自ら発する光、及びその時に発生する熱などによって
薄膜を構成する有機化合物自体の分解、薄膜中での有機
化合物の結晶化等、有機EL素子材料である有機化合物
に由来する要因も指摘されている。
見が少なく、反結合軌道を利用することも相俟って、実
用に耐える有用なる高性能電子輸送材料は見いだされて
いない。例えば、九州大学の研究グループは、オキサジ
アゾール系誘導体である2−(4−ビフェニル)−5−
(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジゾ
ール(t−BuPBD)をはじめ、薄膜安定性を向上さ
せたオキサジアゾール二量体系誘導体の1,3−ビス
(4−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾ
リル)ビフェニレン(OXD−1)、1,3−ビス(4
−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾリ
ル)フェニレン(OXD−7)(Jpn.J.App
l.Phys.vol.31(1992),p.181
2)を提案している。また、山形大学の研究グループ
は、電子ブロック性に優れたトリアゾール系電子輸送材
料による白色発光素子を提唱している(Scienc
e,3 March 1995,Vol.267,p.
1332)。さらに、特開平5−331459号公報や
特開平10−79297号公報には、フェナントロリン
誘導体が電子輸送材料として有用であることが記載され
ている。
らの電子注入が有利(電子親和力が大きい)なものはフ
ェナントロリン誘導体であるが、従来のフェナントロリ
ン化合物(例えば、前記の特開平5−331459号、
および同10−79297号等に記載のフェナントロリ
ン誘導体)では、薄膜形成能が低く、容易に結晶化が起
こるため、発光素子が破壊されてしまう問題があり、耐
熱性や発光寿命が著しく悪く、実用に耐える素子性能を
発現できなかった。
として発光層に使用することも知られている。例えば特
開平7−82551号には正孔輸送材料と積層した有機
層2層構成の有機EL素子を作製した例が記載されてい
る。また、特開平7−82552号にはフェナントロリ
ンの類似体である2,2′−ビピリジル誘導体を発光材
料に用いた例が記載されている。
の一種であるバソキュプロイン(BCP)をリン光ドー
パントとともに発光層に添加(ホスト材料として使用)
し、高効率の青緑発光を得たという報告がなされている
(Appl.Phys.Lett.,vol.77,N
o.6,7August2000p.904〜90
6)。
する熱により、該フェナントロリン誘導体およびビピリ
ジル誘導体が容易に結晶化を起こしてしまうため、電子
輸送材料に用いた場合と同様に耐熱性や発光寿命の点で
大きな問題となっている。
輝度を向上し長寿命化した有機エレクトロルミネッセン
ス素子、およびその有機エレクトロルミネッセンス素子
を用いた低消費電力、長寿命な表示装置を提供するもの
である。
記の構成により達成された。
に、前記一般式(1)で示される化合物の少なくとも1
種を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッ
センス素子。
が、前記一般式(2)で示される化合物であることを特
徴とする(1)記載の有機エレクトロルミネッセンス素
子。
が、前記一般式(3)で示される化合物であることを特
徴とする(1)記載の有機エレクトロルミネッセンス素
子。
を特徴とする(1)〜(3)の何れか1項記載の有機エ
レクトロルミネッセンス素子。
徴とする(1)〜(3)の何れか1項に記載の有機エレ
クトロルミネッセンス素子。
ファー層を有することを特徴とする(1)〜(5)の何
れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有する表示
装置。
に、前記一般式(4)で示される化合物の少なくとも1
種を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッ
センス素子。
が、前記一般式(5)で示される化合物であることを特
徴とする(8)記載の有機エレクトロルミネッセンス素
子。
物が、前記一般式(6)で示される化合物であることを
特徴とする(8)記載の有機エレクトロルミネッセンス
素子。
とを特徴とする(8)〜(10)の何れか1項に記載の
有機エレクトロルミネッセンス素子。
特徴とする(8)〜(10)の何れか1項に記載の有機
エレクトロルミネッセンス素子。
ッファー層を有することを特徴とする(8)〜(12)
の何れか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素
子。
1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有す
る表示装置。
ナントロリン誘導体および2,2′−ビピリジル誘導体
を多量化することにより、従来の問題点であった素子中
での結晶化が防止でき、発光寿命が大幅に改善されるこ
とがわかった。
導体および2,2′−ビピリジル誘導体を電子輸送材料
に用いた場合には、従来の材料を用いた場合に比べ発光
輝度が大きく増大することを見出した。
誘導体および2,2′−ビピリジル誘導体を発光材料、
特に発光ホスト材料として用いた場合には、非常に良好
な発光特性が得られることがわかり、本発明を完成する
に至ったものである。
般式(1)において、L1で表される連結基は、脂肪族
系でも芳香族系でもよく、脂肪族系の場合は鎖状でも環
状でもよい。前記一般式(4)におけるL2もL1と同様
である。
す。
およびL2で表される連結基として、好ましくは、連結
基が単なる結合手である場合と、多価のアリーレン基で
ある場合であり、価数としては2〜4価であることが好
ましい。
て説明する。R1〜R26で表される置換基としては、ア
ルキル基(メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒド
ロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチ
ル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基、ベンジル基等)、アルキルオキシ基(メトキシ
基、エトキシ基、i−プロポキシ基、ブトキシ基等)、
アリールオキシ基(フェノキシ基、1−ナフチルオキ
シ、4−トリルオキシ等)およびハロゲン原子(フッ素
原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アリール
基(フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロ
ロフェニル基等)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エ
チルチオ基、i−プロピルキオ基等)、アリールチオ基
(フェニルチオ基等)、シアノ基、ニトロ基、複素環基
(ピロール、ピロリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、
ピリジル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベ
ンゾオキサゾリル等)等が挙げられる。好ましくは、ア
ルキル基またはハロゲン原子であり、より好ましくは、
メチル基、エチル基、イソプロピル基またはフッ素原子
である。
れるm価のアリーレン基とは、任意の芳香族炭化水素化
合物や芳香族複素環化合物からm個の水素原子または置
換基を取り除いた残基のことであり、具体的には芳香環
からm個の結合手が出ているm価の連結基のことであ
る。
[nは自然数]を満たす環であり、炭化水素芳香環でも
複素芳香環でもよく、π電子の数が4n+2[nは自然
数]を満たす環の代表例としては、ベンゼン環、ナフタ
レン環、アントラセン環、アズレン環、フェナントレン
環、トリフェニレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタ
セン環、ペリレン環、ペンタセン環、ヘキサセン環、コ
ロネン環、トリナフチレン環、フラン環、チオフェン
環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,
2,4−トリアゾール環、1,2,3−トリアゾール
環、オキサゾール環、チアゾール環、イソオキサゾール
環、イソチアゾール環、フラザン環、ピリジン環、ピラ
ジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン
環、キノリン環、イソインドール環、インドール環、イ
ソキノリン環、フタラジン環、プリン環、ナフチリジン
環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プ
テリジン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、ア
クリジン環、ペリミジン環、フェナントロリン環、フェ
ナジン環等が挙げられる。またこれらは任意の置換基を
複数個それぞれ独立に有していてもよく、その複数の置
換基が互いに縮合してさらに環を形成してもよい。
同義であり、価数がq価である以外はAr1と同じであ
る。
2〜4の整数であり、特に好ましいのは2または3であ
る。一般式(3)において、好ましいmの数は2〜4の
整数であり、特に好ましいのは2または3である。一般
式(4)において、好ましいpの数は2〜4の整数であ
り、特に好ましいのは2または3である。一般式(6)
において、好ましいqの数は2〜4の整数であり、特に
好ましいのは2または3である。
合物例の具体例を示すが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Chem.,EN,61,9,1996,3017〜3
022に記載の条件で例示化合物I−2を合成した。
m.Soc.Dalton Trans.,EN,4,
1990,1405〜1409に記載されている条件で
例示化合物II−17を合成した。
記載の反応条件により容易に合成することができる。
7,1998,6687〜6690 Tetrahedron,EN,50,36,199
4,10685〜10692 J.Chem.Soc.Dalton Trans.,
EN,20,1998,3479〜3488 J.Chem.Soc.Dalton Trans.,
EN,13,1993,1947〜1958 J.Heterocycl.Chem.,1,196
4,112 等がある。
て有効に使用できるし、さらに下記に示すような公知の
発光ドーパントと組み合わせて発光層に用いる(発光ホ
ストとして)こともできる。また、金属電極からの優れ
た電子注入性および電子輸送性に非常に優れているた
め、他の発光材料を用いた素子において、電子輸送材料
として使用した場合、優れた発光効率を示す。
構成する有機層の少なくとも1層に含有されていればよ
く、有機層としては、発光層の他に、正孔輸送層、電子
輸送層、陽極バッファー層および陰極バッファー層等で
あり、陰極と陽極で狭持された構造をとる。
電子輸送層/陰極バッファー層/陰極などの構造があ
る。
れていてもかまわないが、発光層または電子輸送層に含
有されていることが好ましく、電子輸送層に含有されて
いることが特に好ましい。
孔輸送層から注入されてくる電子および正孔が再結合し
て発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であ
っても発光層と隣接層との界面であっても良い。
という)は、蛍光または燐光を発する有機化合物または
錯体であることが好ましく、有機EL素子の発光層に使
用される公知のものの中から適宜選択して用いることが
できる。このような発光材料は、主に有機化合物であ
り、所望の色調により、例えば、Macromol.S
ynth.,125巻,17〜25頁に記載の化合物等
を用いることができる。
能や電子輸送機能を併せ持っていても良く、正孔輸送材
料や電子輸送材料の殆どが、発光材料としても使用でき
る。
やポリフルオレンのような高分子材料でも良く、さらに
前記発光材料を高分子鎖に導入した、または前記発光材
料を高分子の主鎖とした高分子材料を使用しても良い。
質)を併用してもよく、EL素子のドーパントとして使
用される公知のものの中から任意のものを選択して用い
ることができる。ドーパントの具体例としては、例え
ば、キナクリドン、DCM(4−ジシアノメチレン−2
−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H
−ピラン)、クマリン誘導体、ローダミン、ルブレン、
デカシクレン、ピラゾリン誘導体、スクアリリウム誘導
体、ユーロピウム錯体、イリジウム錯体、プラチナ錯体
等がその代表例として挙げられる。
蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公
知の薄膜化法により製膜して形成することができる。発
光層としての膜厚は、特に制限はないが、通常は5nm
〜5μmの範囲で選ばれる。この発光層は、これらの発
光材料一種又は二種以上からなる一層構造であってもよ
いし、あるいは、同一組成又は異種組成の複数層からな
る積層構造であってもよい。
81号公報に記載されているように、樹脂などの結着材
と共に上記発光材料を溶剤に溶かして溶液としたのち、
これをスピンコート法などにより薄膜化して形成するこ
とができる。このようにして形成された発光層の膜厚に
ついては、特に制限はなく、状況に応じて適宜選択する
ことができるが、通常は5nm〜5μmの範囲である。
説明する。正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発
光層に伝達する機能を有し、この正孔輸送層を陽極と発
光層の間に介在させることにより、より低い電界で多く
の正孔が発光層に注入され、そのうえ、発光層に陰極、
陰極バッファー層又は電子輸送層より注入された電子
は、発光層と正孔輸送層の界面に存在する電子の障壁に
より、発光層内の界面に累積され発光効率が向上するな
ど発光性能の優れた素子となる。この正孔輸送層の材料
(以下、正孔注入材料、正孔輸送材料という)について
は、前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限
はなく、従来、光導伝材料において、正孔の電荷注入輸
送材料として慣用されているものやEL素子の正孔輸送
層に使用される公知のものの中から任意のものを選択し
て用いることができる。
輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有
機物、無機物のいずれであってもよい。この正孔輸送材
料としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾ
ール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカ
ン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フ
ェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミ
ノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリル
アントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン
誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン
系共重合体、また、導電性高分子オリゴマー、特にチオ
フェンオリゴマーなどが挙げられる。正孔輸送材料とし
ては、上記のものを使用することができるが、ポルフィ
リン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルア
ミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を用いるこ
とが好ましい。
ルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′
−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニ
ル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン
(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノ
フェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリ
ルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,
N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェ
ニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニ
ル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチ
ルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス
(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタ
ン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキ
シフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,
N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミ
ノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリ
ル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−
〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベ
ン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニル
ビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフ
ェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾー
ル、さらには、米国特許第5061569号明細書に記
載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するも
の、例えば4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N
−フェニルアミノ〕ビフェニル(α−NPD)、特開平
4−308688号公報に記載されているトリフェニル
アミンユニットが3つスターバースト型に連結された
4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)
−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDA
TA)などが挙げられる。
た、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材
料を用いることもできる。
機化合物も正孔輸送材料として使用することができる。
この正孔輸送層は、上記正孔輸送材料を、例えば真空蒸
着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知
の方法により、薄膜化することにより形成することがで
きる。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、
通常は5nm〜5μm程度である。この正孔輸送層は、
上記材料の一種又は二種以上からなる一層構造であって
もよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構
造であってもよい。さらに、必要に応じて用いられる電
子輸送層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達す
る機能を有していればよく、その材料としては従来公知
の化合物の中から任意のものを選択して用いることがで
きる。
電子輸送材料という)の例としては、ニトロ置換フルオ
レン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオ
キシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラ
カルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデン
メタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘
導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、
フェナントロリン誘導体などが挙げられる。さらに、上
記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール
環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導
体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有
するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いる
ことができる。
た、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材
料を用いることもできる。
体、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウム
(Alq3)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリ
ノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8
−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−
8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル
−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリ
ノール)亜鉛(Znq)など、及びこれらの金属錯体の
中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はP
bに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用い
ることができる。その他、メタルフリー若しくはメタル
フタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスル
ホン酸基などで置換されているものも、電子輸送材料と
して好ましく用いることができる。また、発光層の材料
として用いられるジスチリルピラジン誘導体も、電子輸
送材料として用いることができるし、正孔輸送層と同様
に、n型−Si、n型−SiCなどの無機半導体も電子
輸送材料として用いることができる。
真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法など
の公知の薄膜化法により製膜して形成することができ
る。電子輸送層としての膜厚は、特に制限はないが、通
常は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。この電子輸送層
は、これらの電子輸送材料一種又は二種以上からなる一
層構造であってもよいし、あるいは、同一組成又は異種
組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
間、および、陰極と発光層または電子注入層との間には
バッファー層(電極界面層)を存在させてもよい。
率向上のために電極と有機層間に設けられる層のこと
で、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年1
1月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第
2章「電極材料」(第123頁〜第166頁)に詳細に
記載されており、陽極バッファー層と陰極バッファー層
とがある。
9号、同9−260062号、同8−288069号等
にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタ
ロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、
酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモ
ルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラ
ルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた
高分子バッファー層等が挙げられる。
71号、同9−17574号、同10−74586号等
にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチ
ウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、
フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッフ
ァー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類
金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表され
る酸化物バッファー層等が挙げられる。
極バッファー層が存在した場合、駆動電圧低下や発光効
率向上が大きく得られた。
が望ましく、素材にもよるが、その膜厚は0.1〜10
0nmの範囲が好ましい。
その他の機能を有する層を積層してもよく、例えば特開
平11−204258号、同11−204359号、お
よび「有機EL素子とその工業化最前線(1998年1
1月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第237
頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層な
どのような機能層を有していても良い。
る。有機EL素子の電極は、陰極と陽極からなる。
仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導
性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好
ましく用いられる。このような電極物質の具体例として
はAuなどの金属、CuI、インジウムチンオキシド
(ITO)、SnO2、ZnOなどの導電性透明材料が
挙げられる。
パッタリングなどの方法により、薄膜を形成させ、フォ
トリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成して
もよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場
合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やス
パッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターン
を形成してもよい。この陽極より発光を取り出す場合に
は、透過率を10%より大きくすることが望ましく、ま
た、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好まし
い。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μ
m、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選ばれ
る。
(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合
金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質と
するものが用いられる。このような電極物質の具体例と
しては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグ
ネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネ
シウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合
物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/
酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リ
チウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げら
れる。これらの中で、電子注入性及び酸化などに対する
耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の
値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例え
ばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウ
ム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニ
ウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム
/アルミニウム混合物などが好適である。
しては、アルミニウム合金が好ましく、特にアルミニウ
ム含有量が90質量%以上100質量%未満であること
が好ましく、最も好ましくは95質量%以上100質量
%未満である。これにより、有機EL素子の発光寿命
や、最高到達輝度を非常に向上させることができる。
パッタリングなどの方法により、薄膜を形成させること
により、作製することができる。また、陰極としてのシ
ート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10
nm〜1μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選
ばれる。なお、発光を透過させるため、有機EL素子の
陽極又は陰極のいずれか一方が、透明又は半透明であれ
ば発光効率が向上し好都合である。
る基板は、ガラス、プラスチックなどの種類には特に限
定はなく、また、透明のものであれば特に制限はない。
本発明のエレクトロルミネッセンス素子に好ましく用い
られる基板としては例えばガラス、石英、光透過性プラ
スチックフィルムを挙げることができる。
例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン
(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレー
ト、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルロー
ストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプ
ロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げら
れる。
を説明する。例として、前記の陽極/陽極バッファー層
/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極バッファー層
/陰極からなるEL素子の作製法について説明すると、
まず適当な基板上に、所望の電極物質、例えば陽極用物
質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは10〜20
0nmの範囲の膜厚になるように、蒸着やスパッタリン
グなどの方法により形成させ、陽極を作製する。次に、
この上に陽極バッファー層、正孔輸送層、発光層、電子
輸送層、陰極バッファー層の材料からなる薄膜を形成さ
せる。
前記の如くスピンコート法、キャスト法、蒸着法などが
あるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生
成しにくいなどの点から、真空蒸着法またはスピンコー
ト法が特に好ましい。さらに層ごとに異なる製膜法を適
用しても良い。製膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着
条件は、使用する化合物の種類、分子堆積膜の目的とす
る結晶構造、会合構造などにより異なるが、一般にボー
ト加熱温度50〜450℃、真空度10-6〜10-2P
a、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50
〜300℃、膜厚5nm〜5μmの範囲で適宜選ぶこと
が望ましい。
からなる薄膜を、1μm以下好ましくは50〜200n
mの範囲の膜厚になるように、例えば蒸着やスパッタリ
ングなどの方法により形成させ、陰極を設けることによ
り、所望のEL素子が得られる。この有機EL素子の作
製は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極ま
で作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる製
膜法を施してもかまわない。その際には作業を乾燥不活
性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。
ファー層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、陽極バッ
ファー層、陽極の順に作製することも可能である。この
ようにして得られたEL素子に、直流電圧を印加する場
合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧5〜40
V程度を印加すると、発光が観測できる。また、逆の極
性で電圧を印加しても電流は流れずに発光は全く生じな
い。さらに、交流電圧を印加する場合には、陽極が+、
陰極が−の状態になったときのみ発光する。なお、印加
する交流の波形は任意でよい。
源のような一種のランプとして使用しても良いし、画像
を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像
や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレ
イ)として使用しても良い。動画再生用の表示装置とし
て使用する場合の駆動方式は単純マトリクス(パッシブ
マトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもど
ちらでも良い。また、異なる発光色を有する本発明の有
機EL素子を2種以上使用することにより、フルカラー
表示装置を作製することが可能である。
子から構成される表示装置の一例を図面に基づいて以下
に説明する。
子から構成される表示装置の一例を示した模式図であ
る。有機エレクトロルミネッセンス素子の発光により画
像情報の表示を行う、例えば、携帯電話等のディスプレ
イの模式図である。
示部A、画像情報に基づいて表示部Aの画像走査を行う
制御部B等からなる。
れ、複数の画素それぞれに外部からの画像情報に基づい
て走査信号と画像データ信号を送り、走査信号により走
査線毎の画素が画像データ信号に応じて順次発光して画
像走査を行って画像情報を表示部Aに表示する。
は基板上に、複数の走査線5及びデータ線6を含む配線
部と、複数の画素3等とを有する。表示部Aの主要な部
材の説明を以下に行う。
矢印方向(下方向)へ取り出される場合を示している。
は、それぞれ導電材料からなり、走査線5とデータ線6
は格子状に直交して、直交する位置で画素3に接続して
いる(詳細は図示せず)。
れると、データ線6から画像データ信号を受け取り、受
け取った画像データに応じて発光する。発光の色が赤領
域の画素、緑領域の画素、青領域の画素を、適宜、同一
基板上に並置することによって、フルカラー表示が可能
となる。
3は、アクティブマトリックス回路の模式図である。画
素は、有機エレクトロルミネッセンス素子10、スイッ
チングトランジスタ11、駆動トランジスタ12、コン
デンサ13等を備えている。複数の画素に有機エレクト
ロルミネッセンス素子10として、実施例4、5の赤
色、緑色、青色発光有機エレクトロルミネッセンス素子
を用い、これらを同一基板上に並置することでフルカラ
ー表示を行うことができる。
載)からデータ線6を介してスイッチングトランジスタ
11のドレインに画像データ信号が印加される。そし
て、制御部Bから走査線5を介してスイッチングトラン
ジスタ11のゲートに走査信号が印加されると、スイッ
チングトランジスタ11の駆動がオンし、ドレインに印
加された画像データ信号がコンデンサ13と駆動トラン
ジスタ12のゲートに伝達される。
13が画像データ信号の電位に応じて充電されるととも
に、駆動トランジスタ12の駆動がオンする。駆動トラ
ンジスタ12は、ドレインが電源ライン7に接続され、
ソースが有機エレクトロルミネッセンス素子10の電極
に接続されており、ゲートに印加された画像データ信号
の電位に応じて電源ライン7から有機エレクトロルミネ
ッセンス素子10に電流が供給される。
走査線5に移ると、スイッチングトランジスタ11の駆
動がオフする。しかし、スイッチングトランジスタ11
の駆動がオフしてもコンデンサ13は充電された画像デ
ータ信号の電位を保持するので、駆動トランジスタ12
の駆動はオン状態が保たれて、次の走査信号の印加が行
われるまで有機エレクトロルミネッセンス素子10の発
光が継続する。順次走査により次に走査信号が印加され
たとき、走査信号に同期した次の画像データ信号の電位
に応じて駆動トランジスタ12が駆動して有機エレクト
ロルミネッセンス素子10が発光する。
素子10の発光は、複数の画素それぞれの有機エレクト
ロルミネッセンス素子10に対して、アクティブ素子で
あるスイッチングトランジスタ11と駆動トランジスタ
12を設けて、複数の画素3それぞれの有機エレクトロ
ルミネッセンス素子10の発光を行っている。このよう
な発光方法をアクティブマトリクス方式と呼んでいる。
子10の発光は、複数の階調電位を持つ多値の画像デー
タ信号による複数の階調の発光でもよいし、2値の画像
データ信号による所定の発光量のオン、オフでもよい。
の走査信号の印加まで継続して保持してもよいし、次の
走査信号が印加される直前に放電させてもよい。
トリクス方式に限らず、走査信号が走査されたときのみ
データ信号に応じて有機エレクトロルミネッセンス素子
を発光させるパッシブマトリクス方式の発光駆動でもよ
い。
を厚さ方向から見た断面図である。図中、10aはAl
製の陰極、10bは発光層を含む有機層、10cは陽極
(ITO透明電極)、10dは透明基板である。陰極1
0a及び透明電極10cを介して有機層10bに電流が
供給されると電流量に応じて図中白色矢印方向に光を発
生させる。
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
(NHテクノグラス社製:NA−45)にパターニング
を行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板
をi−プロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガ
スで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。この透明
支持基板を、市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定
し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートに、α―NPD
を200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートに
DPVBiを200mg入れ、また別のモリブデン製抵
抗加熱ボートにAlq3を200mg入れ、また別のモ
リブデン製抵抗加熱ボートに比較化合物(1)を200
mg入れ真空蒸着装置に取付けた。
した後、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電し
て、220℃まで加熱し、蒸着速度0.1〜0.3nm
/secで透明支持基板に膜厚25nmで蒸着し、正孔
注入/輸送層を設けた。さらに、DPVBiの入った前
記加熱ボートに通電して、220℃まで加熱し、蒸着速
度0.1〜0.3nm/secで膜厚20nmで蒸着
し、発光層を設けた。
熱ボートに通電して、220℃まで加熱し、蒸着速度
0.1〜0.3nm/secで30nmの電子輸送層を
設けた。更に、Alq3の入った前記加熱ボートを通電
して、220℃まで加熱し、蒸着速度0.1〜0.3n
m/secで膜厚30nmの電子注入層を設けた。
テンレス鋼製の長方形穴あきマスクを設置し、一方、モ
リブデン製抵抗加熱ボートにマグネシウム3gを入れ、
タングステン製の蒸着用バスケットに銀を0.5g入
れ、再び真空槽を2×10-4Paまで減圧した後、マグ
ネシウム入りのボートに通電して蒸着速度1.5〜2.
0nm/secでマグネシウムを蒸着し、この際、同時
に銀のバスケットを加熱し、蒸着速度0.1nm/se
cで銀を蒸着し、前記マグネシウムと銀との混合物から
成る陰極(200nm)とすることにより、比較用有機
EL素子OLED1−1を作製した。図5に有機EL素
子OLED1−1の層構成の模式図を示す。
合物(1)を表1に記載の化合物に替えた以外は有機E
L素子OLED1−1と同様にして、有機EL素子OL
ED1−2〜12を作製した。
雰囲気下で10V直流電圧印可による連続点灯を行い、
点灯開始時の発光輝度(cd/m2)、発光効率(lm
/W)および輝度の半減する時間(H)を測定した。発
光輝度、輝度の半減する時間および発光効率は有機EL
素子OLED1−1のそれぞれを100とした相対値で
表した。結果を表1に示す。なお、全ての素子において
発光色は青色だった。
L素子は、点灯開始時の発光輝度、発光効率及び輝度の
半減する時間が改善されているのが分かる。特に、輝度
の半減する時間(半減寿命)が大きく改善されているの
が分かる。
をAlに置き換え、電子輸送層と陰極の間にフッ化リチ
ウムを膜厚0.5nm蒸着して陰極バッファー層を設け
た以外は同様にして有機EL素子OLED2−1を作製
した。
(cd/m2)、発光効率(lm/W)および輝度の半
減する時間を測定したところ、有機エレクトロルミネッ
センス素子OLED1−1との相対比較で、発光輝度1
45、発光効率133、輝度の半減する時間360とな
った。また、有機EL素子OLED1−4〜12につい
ても、同様に、陰極バッファー層を導入するとさらに効
果的であった。
を、実施例1と同条件で洗浄後、実施例1と同じ要領で
図6の模式図に示す材料を用い、同図に示す膜厚で製膜
し、比較用有機EL素子OLED3−1を作製した。
合物(1)を表2に記載の化合物に替えた以外は有機E
L素子OLED3−1と同様にして、有機EL素子OL
ED3−2〜7を作製した。
(1)または本発明の化合物)とリン光ドーパント材料
Ir(ppy)3を質量比で100:7になるように共
蒸着して形成した。
雰囲気下で10V直流電圧印可による連続点灯を行い、
点灯開始時の発光輝度(cd/m2)、発光効率(lm
/W)および輝度の半減する時間(H)を測定した。発
光輝度、輝度の半減する時間および発光効率は有機エレ
クトロルミネッセンス素子OLED3−1のそれぞれを
100とした相対値で表した。結果を表2に示す。
L素子は、点灯開始時の発光輝度、発光効率及び輝度の
半減する時間が改善されていることが分かる。特に、輝
度の半減する時間が改善されているのが分かる。
蒸着した膜厚20nmの発光層を使用する以外は、実施
例1のOLED1−3と同様の方法で有機EL素子OL
ED4−1を作製した。これらの素子を温度23度、乾
燥窒素ガス雰囲気下で10V直流電圧印可すると、赤色
の発光が得られた。上記有機エレクトロルミネッセンス
素子OLED4−1の、DCMをQd−2またはBCz
VBiに替えることによって、それぞれ、緑色または青
色の発光が得られた。
有機EL素子の発光層に用いたDPVBiをそれぞれA
lq3またはAlq3とDCMを100:1の質量比で蒸
着した発光層に置き替えた以外は同様にして、有機EL
素子を作製し、点灯開始時の発光輝度(cd/m2)お
よび輝度の半減する時間を測定した。その結果、実施例
1と同様に、本発明の化合物を電子輸送層に用いた有機
EL素子において、点灯開始時の発光輝度(cd/
m2)および輝度の半減する時間の改善が確認された。
は緑色の発光が得られ、Alq3とDCMを100:1
とした発光層からは赤色の発光が得られた。
発光有機エレクトロルミネッセンス素子を同一基板上に
並置し、図2及び図3に示すアクティブマトリクス方式
フルカラー表示装置を作製した。該フルカラー表示装置
を駆動することにより、輝度の高い鮮明なフルカラー動
画表示が得られた。
光輝度が高く、長寿命化した有機エレクトロルミネッセ
ンス素子、およびその有機エレクトロルミネッセンス素
子を用いた低消費電力、長寿命な表示装置をうることが
できた。
れる表示装置の一例を示した模式図である。
から見た断面図である。
式図である。
式図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 構成する有機層の少なくとも1層に、下
記一般式(1)で示される化合物の少なくとも1種を含
有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス
素子。 【化1】 〔式中、L1は単なる結合手またはn価の連結基を表
し、nは2以上8以下の整数を表し、R1〜R8はそれぞ
れ独立に水素原子または置換基またはL1を表す。ただ
し、R1〜R8のうち少なくとも1つはL1を表す。また
n個の、R1〜R8とフェナントロリン核で形成されるフ
ェナントロリン残基、は同一であっても異なっていても
良く、さらにR1〜R8の隣接する置換基同士は互いに縮
合して環を形成しても良い。〕 - 【請求項2】 前記一般式(1)で示される化合物が、
下記一般式(2)で示される化合物であることを特徴と
する請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素
子。 【化2】 〔式中、R1〜R16はそれぞれ独立に水素原子または置
換基または単なる結合手を表す。ただし、R1〜R8のう
ちの何れか1つとR9〜R16のうちの何れか1つは単な
る結合手を表す。またR1〜R16の隣接する置換基同士
は互いに縮合して環を形成しても良い。〕 - 【請求項3】 前記一般式(1)で示される化合物が、
下記一般式(3)で示される化合物であることを特徴と
する請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素
子。 【化3】 〔式中、Ar1はm価のアリーレン基を表し、mは2以
上8以下の整数を表し、R1〜R8はそれぞれ独立に水素
原子または置換基またはAr1を表す。ただし、R1〜R
8のうち少なくとも1つはAr1を表す。またm個の、R
1〜R8とフェナントロリン核で形成されるフェナントロ
リン残基、は同一であっても異なっていても良く、さら
にR1〜R8の隣接する置換基同士は互いに縮合して環を
形成しても良い。〕 - 【請求項4】 前記有機層が電子輸送層であることを特
徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の有機エレクト
ロルミネッセンス素子。 - 【請求項5】 前記有機層が発光層であることを特徴と
する請求項1〜3の何れか1項に記載の有機エレクトロ
ルミネッセンス素子。 - 【請求項6】 陰極と電子輸送層の間に、陰極バッファ
ー層を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1
項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項に記載の有機
エレクトロルミネッセンス素子を有する表示装置。 - 【請求項8】 構成する有機層の少なくとも1層に、下
記一般式(4)で示される化合物の少なくとも1種を含
有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス
素子。 【化4】 〔式中、L2は単なる結合手またはp価の連結基を表
し、pは2以上8以下の整数を表し、R11〜R18はそれ
ぞれ独立に水素原子または置換基またはL2を表す。た
だし、R11〜R18のうち少なくとも1つはL2を表す。
またp個の、R11〜R18と2,2′−ビピリジル核で形
成される2,2′−ビピリジル残基、は同一であっても
異なっていても良く、さらにR11〜R18の隣接する置換
基同士は互いに縮合して環を形成しても良い。〕 - 【請求項9】 前記一般式(4)で示される化合物が、
下記一般式(5)で示される化合物であることを特徴と
する請求項8記載の有機エレクトロルミネッセンス素
子。 【化5】 〔式中、R11〜R26はそれぞれ独立に水素原子または置
換基または単なる結合手を表す。ただし、R11〜R18の
うちの何れか1つとR19〜R26のうちの何れか1つは単
なる結合手を表す。またR11〜R26の隣接する置換基同
士は互いに縮合して環を形成しても良い。〕 - 【請求項10】 前記一般式(4)で示される化合物
が、下記一般式(6)で示される化合物であることを特
徴とする請求項8記載の有機エレクトロルミネッセンス
素子。 【化6】 〔式中、Ar2はq価のアリーレン基を表し、qは2以
上8以下の整数を表し、R11〜R18はそれぞれ独立に水
素原子または置換基またはAr2を表す。ただし、R11
〜R18のうち少なくとも1つはAr2を表す。またq個
の、R11〜R18と2,2′−ビピリジル核で形成される
2,2′−ビピリジル残基、は同一であっても異なって
いても良く、さらにR11〜R18の隣接する置換基同士は
互いに縮合して環を形成しても良い。〕 - 【請求項11】 前記有機層が電子輸送層であることを
特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の有機エ
レクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項12】 前記有機層が発光層であることを特徴
とする請求項8〜10の何れか1項に記載の有機エレク
トロルミネッセンス素子。 - 【請求項13】 陰極と電子輸送層の間に、陰極バッフ
ァー層を有することを特徴とする請求項8〜12の何れ
か1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項14】 請求項8〜13のいずれか1項に記載
の有機エレクトロルミネッセンス素子を有する表示装
置。
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