JP2003119102A - 殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤、及びこれを用いた殺蠅方法 - Google Patents
殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤、及びこれを用いた殺蠅方法Info
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Abstract
燻焼・加熱蒸散殺虫剤に最適な有効成分を選定し、殺虫
効力、安全性、使用性、製造性など全ての点ですぐれた
殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤、及びこれを用いた殺蠅方
法の提供。 【解決手段】有効成分として式Iのエステル化合物を含
有する殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤、該殺虫剤を用いる
殺蠅方法、及びマット又はリキッドの形態にある上記殺
虫剤。 【化1】
Description
一般式I:
る2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボ
ン酸のプロパルギルフリルメチルアルコールエステル化
合物を含有する殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤、及びこれ
を用いた殺蠅方法に関するものである。
香や電気蚊取マット、液体式電気蚊取(リキッド)の燻
焼・加熱蒸散殺虫剤が一般的で、近年、蚊の発生が減少
しているもののその需要は依然として多い。そして、そ
の有効成分として(±)−2−アリル−3−メチル−シ
クロペント−2−エン−1−オン−4−イル(+)−シ
ス、トランス−クリサンテマート(以降、ピナミンフォ
ルテと称す)や、その立体異性体、例えばエスバイオス
リンやエスビオール、あるいは、(+)−2−プロパル
ギル−3−メチル−シクロペント−2−エン−1−オン
−4−イル、(+)−シス,トランス−クリサンテマー
ト(以降、エトックと称す)、5−プロパルギル−2−
フリルメチル(+)−シス,トランス−クリサンテマー
ト(以降、フラメトリンフォルテと称す)などの菊酸エ
ステル化合物が広く使用されている。
減っているが、漁村、魚介類加工場、ゴミ処理場や畜
舎、鶏舎等の周辺など、局地的には従来以上に悩まされ
る機会が多くなっている。ハエの発生源対策用として乳
剤、油剤、粉剤などの殺虫剤が使用されるほか、一般家
庭で成虫駆除用に空間エアゾールが汎用されているが、
一過性で効果の持続性に乏しいという欠点がある。この
ため、空間処理剤であって、かつ効果が数時間以上持続
し得る燻焼・加熱蒸散殺虫剤(線香,マット,リキッド
タイプ)への要望が高まってきた。
熱板中心部の温度は160〜180℃、リキッドタイプ
の加熱蒸散器の金属リングの温度は120〜140℃
で、蚊取線香の有効成分揮散部と比べると低く、マット
やリキッドタイプは拡散力がやや劣るものの、閉めきっ
た部屋や煙を嫌う場面での使用には適している形態であ
る。
ット等に使用されている前記菊酸エステル化合物の適用
を試みたが、ピナミンフォルテやエトックはハエに対す
る効力が弱く、製剤中の有効成分濃度をアップしても十
分な殺虫効力を得ることができなかった。フラメトリン
フォルテの線香については効力が認められたが、更に効
力をアップさせる必要があり、また経済性の点でも問題
があった。マットあるいはリキッドタイプの殺蠅用加熱
蒸散殺虫剤についても同様で、フラメトリンフォルテが
高濃度で殺蠅効力を示したのに対し、ピナミンフォルテ
やエトックは高濃度でも無効であった。本発明者は、ま
た、有効成分として市販ピレスロイドのなかで最も蒸気
圧の高いエムペントリンを選択し、これを含有するハエ
取線香を既に開発したが、コスト的に不利なうえ、揮散
性が高すぎて製造時乾燥工程でのロスが免れえず、必ず
しも満足のいくものではなかった。従って、殺蠅用燻焼
・加熱蒸散殺虫剤に最適な有効成分の選定は重要な課題
であった。
リキッドの形態で使用される殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫
剤に最適な有効成分を選定し、殺虫効力、安全性、使用
性、製造性など全ての点ですぐれた殺蠅用燻焼・加熱蒸
散殺虫剤、及びこれを用いた殺蠅方法を提供することを
目的とする。
め、本発明者は、2,2,3,3−テトラメチルシクロ
プロパンカルボン酸エステルが、対応する菊酸エステル
に比べて蒸気圧が高く、燻焼・加熱蒸散殺虫剤の形態で
用いた時、殺虫活性が向上し得ることに着目し、先の試
験で効力の認められたフラメトリンフォルテの2,2,
3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボン酸誘導体
(以降、テフラメトリンと称す)を含有する燻焼・加熱
蒸散殺虫剤について試験を行ったところ、高い殺蠅効力
を示すことを認めた。本発明者は、更に鋭意研究を続け
た結果、一般式Iで表される2,2,3,3−テトラメ
チルシクロプロパンカルボン酸のプロパルギルフリルメ
チルアルコールエステル化合物が特異的に有用であるこ
とを知見し、本発明を完成するに至ったものである。す
なわち、2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパン
カルボン酸エステルであっても、例えば、(+)−2−
プロパルギル−3−メチル−シクロペント−2−エン−
1−オン−4−イルや、4−プロパルギルベンジルアル
コールのエステルなどは殺蠅効力が弱く、従って高い殺
蠅効果を奏する殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤は、プロパ
ルギルフリルメチルアルコールと、2,2,3,3−テ
トラメチルシクロプロパンカルボン酸を組み合わせた化
合物を用いて初めて得られることが明らかとなった。
して、前述したとおり、有効成分として、一般式I:
る2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボ
ン酸のプロパルギルフリルメチルアルコールエステル化
合物を含有し、加熱して蒸散させるマット形態又はリキ
ッド形態としたことを特徴とする殺蠅用燻焼・加熱蒸散
殺虫剤に係るものである。
は、エステル合成の常法に従い、2,2,3,3−テト
ラメチルシクロプロパンカルボン酸又はその反応性誘導
体と一般式II:
るプロパルギルフリルメチルアルコール又はその反応性
誘導体とを反応させることにより調製し得る。カルボン
酸の反応性誘導体としては、酸ハライド、酸無水物、ア
ルカリ金属塩などが挙げられ、一方、アルコールの反応
性誘導体としては、ハライドなどが挙げられる。反応は
必要に応じて適当な溶媒中で必要により脱酸剤又は触媒
としての有機又は無機塩基もしくは酸の存在下に、必要
により加熱下に、また必要により不活性雰囲気中で行わ
れる。
の目的に有用なものとして次の化合物を例示することが
できる。本発明では、もちろん、1種だけでなく、2種
以上を混合して用いてもよい。 (1)化合物1(テフラメトリン) 次式:
2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラ
ート (2)化合物2 次式:
メチル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパン
カルボキシラート (3)化合物3 次式:
2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラ
ート
て、厚さ1.0〜3.0mm、表面積7〜15cm2の
パルプ質マットに、有効成分として、一般式Iのエステ
ル化合物を30〜150mg含浸させ、及び揮散調整剤
としてピレスロイド用共力剤もしくは高級脂肪酸エステ
ルの1種又は2種以上を前記有効成分に対して0.5〜
10倍量配合し、並びに少なくとも2個の第三ブチル基
を有するフェノール系安定剤もしくは少なくとも2個の
第三ブチル基を有するハイドロキノン系安定剤の1種又
は2種以上を前記有効成分に対して0.1〜1.0倍量
配合し、放熱板上で加熱して前記有効成分を蒸散させる
マット形態としたものである。
て、有効成分として5−プロパルギル−2−フリルメチ
ル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカル
ボキシラートを用いたものである。
て、有効成分として5−プロパルギル−2−メチル−3
−フリルメチル 2,2,3,3−テトラメチルシクロ
プロパンカルボキシラートを用いたものである。
て、有効成分としての一般式Iのエステル化合物を1〜
6%、及び溶剤として沸点が180〜350℃の範囲に
ある脂肪族炭化水素又は水を含有する薬液をプラスチッ
クボトルに充填し、この薬液に一部浸漬した吸液芯の上
部を加熱して有効成分を蒸散させるリキッド形態とした
ものである。
て、有効成分として5−プロパルギル−2−フリルメチ
ル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカル
ボキシラートを用いたものである。
て、有効成分として5−プロパルギル−2−メチル−3
−フリルメチル 2,2,3,3−テトラメチルシクロ
プロパンカルボキシラートを用いたものである。
式Iのエステル化合物を含有するマット形態又はリキッ
ド形態の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤を加熱して前記有
効成分を蒸散させる殺蝿方法に係る。
て、厚さ1.0〜3.0mm、表面積7〜15cm2の
パルプ質マットに、有効成分として、一般式Iのエステ
ル化合物を30〜150mg含浸させ、及び揮散調整剤
としてピレスロイド用共力剤もしくは高級脂肪酸エステ
ルの1種又は2種以上を前記有効成分に対して0.5〜
10倍量配合し、並びに少なくとも2個の第三ブチル基
を有するフェノール系安定剤もしくは少なくとも2個の
第三ブチル基を有するハイドロキノン系安定剤の1種又
は2種以上を前記有効成分に対して0.1〜1.0倍量
配合するマット形態の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤を放
熱板上で加熱して前記有効成分を蒸散させる殺蝿方法に
係る。
いて、有効成分として5−プロパルギル−2−フリルメ
チル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカ
ルボキシラートを用いたものである。
において、有効成分として5−プロパルギル−2−メチ
ル−3−フリルメチル 2,2,3,3−テトラメチル
シクロプロパンカルボキシラートを用いたものである。
いて、有効成分としての一般式Iのエステル化合物を1
〜6%、及び溶剤として沸点が180〜350℃の範囲
にある脂肪族炭化水素又は水を含有する薬液をプラスチ
ックボトルに充填し、この薬液に吸液芯の一部を浸漬し
たリキッド形態の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤を加熱蒸
散器に装着し、前記吸液芯の上部を加熱して有効成分を
蒸散させたものである。
おいて、有効成分として5−プロパルギル−2−フリル
メチル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパン
カルボキシラートを用いたものである。
おいて、有効成分として5−プロパルギル−2−メチル
−3−フリルメチル 2,2,3,3−テトラメチルシ
クロプロパンカルボキシラートを用いたものである。
化合物の高い殺蠅効力と、この化合物の有する適度な揮
散性から、蚊はもちろん、ハエに有効な殺蠅用燻焼・加
熱蒸散殺虫剤が提供される。なお、これらに従来のピレ
スロイド、例えば、ピナミン、ピナミンフォルテ、バイ
オアレスリン、エスバイオスリン、エスビオール、エト
ック、エムペントリン、あるいはフラメトリンフォルテ
などを適宜配合してもかまわないし、また、必要なら
ば、ピペロニルブトキサイド、MGK−264、サイネ
ピリン500、S−421、リーセン384などのピレ
スロイド用共力剤を加えてもよい。更に、殺菌剤、忌避
剤、消臭剤、芳香剤などを適宜添加して多目的殺蠅用燻
焼・加熱蒸散殺虫剤とすることもできる。
れたマット形態の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤を得るこ
とができる。有効成分として配合される一般式Iのエス
テル化合物の含量は、マットあたり30〜150mg
で、好ましくは40〜150mgである。有効成分の
他、通常、揮散調整剤、安定剤、香料、染料などが配合
され、常法に従いマットを調製し得る。なお、一般式I
のエステル化合物は、ピナミンフォルテやエトックと比
べると揮散性が高いのでマットの厚さを薄くする必要が
なく、厚さは適宜選定しうる。
て、ピレスロイド用共力剤、もしくは高級脂肪酸エステ
ルの1種又は2種以上をさらに配合したので、使用初期
から使用終期まで安定した殺蠅効力を維持することがで
きる。ピレスロイド用共力剤としては、N−(2−エチ
ルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ
〔2.2.2〕オクト−5−エン−2,3−ジカルボキ
シイミド(サイネピリン500)、N−(2−エチルヘ
キシル)−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタ−5−エン−
2,3−ジカルボキシイミド(MGK−264)、ピペ
ロニルブトキサイドなどがあげられ、一方、高級脂肪酸
エステルとしては、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸
イソプロピルなどをあげることができるが、これらに限
定されるものではない。また、安定剤を更に配合するの
で、有効成分、染料の経時安定性、ならびにマット加熱
蒸散時の安定性を増強することができる。
一般式Iのエステル化合物の中でも有用なテフラメトリ
ンを用いたので、より性能のすぐれたマット形態の殺蠅
用燻焼・加熱蒸散剤を得ることができる。
一般式Iのエステル化合物の中でも有用な化合物2を用
いたので、より性能のすぐれたマット形態の殺蠅用燻焼
・加熱蒸散剤を得ることができる。
め、ピレスロイド系化合物は、有効成分に対して0〜
0.02倍量のジブチルヒドロキシトルエンを配合する
ことによって、原体の状態では長期間安定に保存するこ
とができる。しかしながら、各種製剤中での安定性は、
有効成分の種類、選択する安定剤の種類、量によって著
しく異なり、製剤ごとに有効成分の安定性を評価しなけ
ればならない。一般式Iのエステル化合物の安定性はピ
ナミンフォルテに比べると若干劣るが、経時的安定性の
みならず、加熱蒸散時の安定性も著しく増強し、高い殺
蠅効果を奏し得ることができる。なお、安定剤の種類、
量を種々検討した結果、沸点が250℃以上の少なくと
も2個の第三ブチル基を有するブチル基を有するフェノ
ール系安定剤を、一般式Iのエステル化合物に対して
0.1〜1.0倍量配合することが好ましく、一方、例
えば、3−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシアニソ
ールや2−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシアニソ
ールのようなモノ−ターシャリーブチル−フェノール系
安定剤は効果がなく、また、N,N′−ジフェニル−p
−フェニレンジアミンやフェニル−β−ナフチルアミン
のようなアミン系安定剤についても効果は低かった。沸
点が250℃以上のものが有効な理由は、有効成分の一
般式Iのエステル化合物が200〜250℃付近から揮
散するので、安定剤自身、この温度で揮散しないことが
必要なためと考えられる。
のが挙げられるがもちろんこれらのみに限定されるもの
ではない。 (1)2,6−ジ−ターシャリーブチル−4−メチルフ
ェノール(BHT)〔安定剤A〕 (2)2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−ター
シャリーブチルフェノール)〔安定剤B〕 (3)2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−ター
シャリーブチルフェノール)〔安定剤C〕 (4)4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−タ
ーシャリーブチルフェノール)〔安定剤D〕 (5)4,4′−チオビス(3−メチル−6−ターシャ
リーブチルフェノール)〔安定剤E〕 (6)2−ターシャリーブチル−6−(3−ターシャリ
ーブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4
−メチルフェニル アクリレート〔安定剤F〕 (7)2,4−ジ−ターシャリーブチルフェニル 3,
5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシベンゾエ
ート〔安定剤G〕
目的で配合されるので、保存時、あるいは使用時に変色
しないことが要求される。少なくとも2個の第三ブチル
基を有するフェノール系安定剤としては、前述したもの
が好適であり、少なくとも2個の第三ブチル基を有する
ハイドロキノン系安定剤としては、例えば、2,5−ジ
−ターシャリーブチル−ハイドロキノン〔安定剤H〕の
ようなジ−ターシャリーブチルハイドロキノンを例示す
ることができる。
60日)にわたり吸液芯の目づまりがなく、しかも殺蠅
効果にすぐれたリキッド形態の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺
虫剤を得ることができる。有効成分として配合される一
般式Iのエステル化合物の含量は1〜6%で、好ましく
は2〜6%である。有効成分、溶剤の他、必要ならば、
香料、揮散調整剤、安定剤などが配合される。揮散調整
剤、安定剤などは上記したものが使用できる。薬液を充
填するプラスチックボトルや、薬液吸液芯は何ら限定さ
れるものでなく、例えば吸液芯として、無機質材料を糊
剤で固めたものの他、これを焼成したもの、あるいは、
フェルト、綿、不織布などの編組、あるいはガラス、無
機繊維、プラスチック、木材、多孔質セラミック、多孔
質蒸散層からなり、好ましくは、その周囲をガラス、無
機繊維、プラスチックなどの保持材で被覆したものなど
を挙げることができる。また溶剤の沸点範囲が有効成分
の加熱蒸散性に適し、高い殺蠅効力を奏しえるととも
に、臭いが少なく毒性学上安全である。特に、n−パラ
フィン、イソパラフィン、ナフテン系の脂肪族炭化水素
が好ましい。さらに溶剤として水を使用するので火気に
対する危険性を解消することができる。この場合、各種
非イオン型界面活性剤、好ましくはポリオキシアルキレ
ンアルキルエーテル系の可溶化剤(ミセル形成の有無に
かかわらず、有効成分を水中で清澄な状態で安定化し得
るものを指し、通常の界面活性剤の他、水および油を相
溶する溶剤をも含む)が併用される。
一般式Iのエステル化合物の中でも有用なテフラメトリ
ンを用いたので、より性能のすぐれたリキッド形態の殺
蠅用燻焼・加熱蒸散剤を得ることができる。
一般式Iのエステル化合物の中でも有用な化合物2を用
いたので、より性能のすぐれたリキッド形態の殺蠅用燻
焼・加熱蒸散剤を得ることができる。
テル化合物を含有する殺蝿用燻焼・加熱蒸散殺虫剤を加
熱蒸散させるので、高い殺蝿効力を有する殺蝿方法を提
供し得る。
テル化合物を含有するマット形態の殺蠅用燻焼・加熱蒸
散殺虫剤を加熱蒸散させるので、閉めきった部屋や、煙
を嫌う条件での使用に適した殺蠅方法を提供する。な
お、マットは、通常放熱板中心部の温度を160〜18
0℃に加熱して用いられる。
て一般式Iのエステル化合物の中でも有用なテフラメト
リンを用いたので、マット形態でのより有効な殺蠅方法
を提供する。
て一般式Iのエステル化合物の中でも有用な化合物2を
用いたので、マット形態でのより有効な殺蠅方法を提供
する。
ステル化合物を含有するリキッド形態の殺蠅用燻焼・加
熱蒸散殺虫剤を加熱蒸散させるので、閉めきった部屋
や、煙を嫌う条件で、長期間(30〜60日)殺蠅効力
を維持できる殺蠅方法を提供する。通常、加熱蒸散器に
収納し、金属リングの温度を120〜140℃に加熱し
て有効成分を蒸散させる。加熱蒸散器の構造、仕様は何
ら制限されず、一般に入手できるものを任意に用いるこ
とができる。
て一般式Iのエステル化合物の中でも有用なテフラメト
リンを用いたので、リキッド形態でのより有効な殺蠅方
法を提供する。
て一般式Iのエステル化合物の中でも有用な化合物2を
用いたので、リキッド形態でのより有効な殺蠅方法を提
供する。
詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこ
れらのみに限定されるものではない。
ットに、化合物2(5−プロパルギル−2−メチル−3
−フリルメチル 2,2,3,3−テトラメチルシクロ
プロパンカルボキシラート)80mg、サイネピリン5
00 100mg、安定剤H(2,5−ジ−ターシャリ
ーブチル−ハイドロキノン)10mg、染料としてジイ
ソプロピルアミノアントラキノン0.6mgを含浸さ
せ、マット形態の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤を得た。
このマットをアルミフィルム袋に収納し、室温で3年間
保存した。開封後マットを取り出し、加熱蒸散器の放熱
板(中央部,約170℃)上に載置して閉めきった部屋
で使用したところ、12時間にわたり、蚊はもちろんハ
エに対して有効であった。また、使用時間経過ととも
に、染料は標準的に退色し、化合物2、染料とも経時安
定性に問題はなかった。
lを内容積50mlのプラスチックボトルに充填し、保
持具付吸液芯(外径7.0mm、長さ75.5mm)を
打込んだ。吸液芯としては、ポリエステル繊維を束ねた
ものに同材質の編組物にシリコーンワニスを塗布したも
ので周囲を保持し、上面は熱により溶封したものを用い
た。なお、n−パラフィンは沸点が250〜280℃の
範囲のものである。得られたリキッドタイプの殺蠅用燻
焼・加熱蒸散殺虫剤を金属リング温度が130℃の加熱
蒸散器に装着し、通電した。1日(12時間)あたりの
揮散量は30日間にわたり約1.5mlで、目づまりも
なく、高い殺蠅効力を維持した。
蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤を調製した。放熱板中心部の
温度が約168℃の加熱蒸散器を用い、下記の連続通気
法により殺蠅効力を評価したところ第1表に示す如くで
あった。なお、経時安定性は試験例1と同様な規準で評
価し、仰転効果による殺蠅効力はエムペントリン1.0
重量%の線香による効力を1.0とする相対効力で示し
た。 (連続通気法)内径20cm、高さ43cmのプラスチ
ック製円筒を2段に重ね、その上に16メッシュの金網
で上下を仕切った内径、高さ共に20cmの円筒(供試
蠅を入れる場所)をのせ、更に、同径で高さ20cmの
円筒をのせる。この4段重ねの円筒を台にのせ、台の中
央に加熱蒸散器を置いて蒸散させる。そして、上部円筒
に供試蠅約20匹を放ち、時間の経過に伴う仰転数を観
察する。暴露20分後に全供試蠅を清潔なポリエチレン
容器に移し、3%砂糖水を与え、保存24時間後に死虫
率を調べる。
化合物3のような一般式Iのエステル化合物を含有する
マット形態の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤は、対照のピ
ナミンフォルテ、エトックマットに比べて高い仰転効
果、ならびに致死率を示した。ピナミンフォルテやエト
ックの場合、蚊には40mgないし10mgで有効であ
るが、ハエに対しては有効成分量を150mgにしても
効力的に実用化は困難なレベルで、特に仰転効果が劣っ
た。また、ピナミンフォルテやエトックは、一般式Iの
エステル化合物に比べると蒸気圧が低いので含量を増や
しても必ずしも蒸散量につながらず、使用後のマット残
量が増加するだけであった。更に、2,2,3,3−テ
トラメチルシクロプロパンカルボン酸のエステルであっ
ても、例えば、(±)−2−アリル−3−メチル−シク
ロペント−2−エン−1−オン−4−イルのエステルは
殺蠅効力が低く、従って、プロパルギルフリルメチルア
ルコールと、2,2,3,3−テトラメチルシクロプロ
パンカルボン酸を組み合わせたエステルが特に有用であ
ることが明らかとなった。なお、対照有効成分(ピナミ
ンフォルテやエトック)の蒸散量を上げる目的で、マッ
トの厚さを1mm(本試験は2.8mm)のものに替え
て試験したが、効力的にほとんど向上しなかった。
殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤を調製した。金属リングの
温度が約132℃の加熱蒸散器に装着し、吸液芯上部を
加熱した。試験例1に示した連続通気法により殺蠅効力
を評価したところ第2表に示す如くであった。
化合物3のような一般式Iのエステル化合物を含有する
リキッド形態の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤は、対照の
ピナミンフォルテ、エトックリキッドに比べて高い仰転
効果、ならびに致死率を示した。ピナミンフォルテやエ
トックの場合、蚊には2.6%ないし0.7〜1.3%
で有効であるが、ハエに対しては有効成分濃度を6%に
しても仰転効果が劣り、また、致死効果も極めて低かっ
たことから、実用性は全く望めなかった。なお、ピナミ
ンフォルテやエトックについて更に濃度をアップするこ
とは、使用中に吸液芯の目づまりを招き適用は困難であ
った。従って、一般式Iのエステル化合物のリキッド形
態における殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤としての有用性
が確認された。
きは、蚊はもちろん、ハエに対する殺虫効力、安全性、
使用性、製造性など全ての点ですぐれた殺蠅用燻焼・加
熱蒸散殺虫剤を得ることができる。
力にすぐれ、使用初期から使用終期まで安定した殺蠅効
力を維持し、なおかつ有効成分、染料の経時的安定性、
ならびにマット加熱蒸散時の安定性が増強されたマット
形態の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤を得ることができ
る。
(30〜60日)にわたり、吸液芯の目づまりがなく、
しかも殺蠅効力のすぐれ、臭いが少なく毒性学上安全で
あり、なおかつ、火気に対する危険性を解消し得るリキ
ッド形態の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤を得ることがで
きる。
一般式Iのエステル化合物を使用することにより、特に
ハエに対する殺虫効力などに優れた殺蝿方法を提供する
ことができる。
ト形態の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤を加熱蒸散させる
ことにより、閉めきった部屋や、煙を嫌う条件での使用
に適し、かつ高い殺蠅効力を奏する殺蠅方法を提供する
ことができる。
キッド形態の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤を加熱蒸散さ
せることにより、閉めきった部屋や、煙を嫌う条件で、
長期間(30〜60日)殺蠅効力を維持できる殺蠅方法
を提供することができる。
Claims (14)
- 【請求項1】有効成分として、一般式I: 【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す)で表され
る2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボ
ン酸のプロパルギルフリルメチルアルコールエステル化
合物を含有し、加熱して蒸散させるマット形態又はリキ
ッド形態としたことを特徴とする殺蠅用燻焼・加熱蒸散
殺虫剤。 - 【請求項2】請求項1記載の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫
剤において、厚さ1.0〜3.0mm、表面積7〜15
cm2のパルプ質マットに、有効成分として、一般式
I: 【化2】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す)で表され
る2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボ
ン酸のプロパルギルフリルメチルアルコールエステル化
合物を30〜150mg含浸させ、及び揮散調整剤とし
てピレスロイド用共力剤もしくは高級脂肪酸エステルの
1種又は2種以上を前記有効成分に対して0.5〜10
倍量配合し、並びに少なくとも2個の第三ブチル基を有
するフェノール系安定剤もしくは少なくとも2個の第三
ブチル基を有するハイドロキノン系安定剤の1種又は2
種以上を前記有効成分に対して0.1〜1.0倍量配合
し、放熱板上で加熱して前記有効成分を蒸散させるマッ
ト形態としたことを特徴とする殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺
虫剤。 - 【請求項3】請求項2記載の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫
剤において、有効成分が5−プロパルギル−2−フリル
メチル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパン
カルボキシラートであることを特徴とする殺蠅用燻焼・
加熱蒸散殺虫剤。 - 【請求項4】請求項2記載の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫
剤において、有効成分が5−プロパルギル−2−メチル
−3−フリルメチル 2,2,3,3−テトラメチルシ
クロプロパンカルボキシラートであることを特徴とする
殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤。 - 【請求項5】請求項1記載の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫
剤において、有効成分としての一般式I: 【化3】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す)で表され
る2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボ
ン酸のプロパルギルフリルメチルアルコールエステル化
合物を1〜6%、及び溶剤として沸点が180〜350
℃の範囲にある脂肪族炭化水素又は水を含有する薬液を
プラスチックボトルに充填し、この薬液に一部浸漬した
吸液芯の上部を加熱して有効成分を蒸散させるリキッド
形態としたことを特徴とする殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫
剤。 - 【請求項6】請求項5記載の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫
剤において、有効成分が5−プロパルギル−2−フリル
メチル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパン
カルボキシラートであることを特徴とする殺蠅用燻焼・
加熱蒸散殺虫剤。 - 【請求項7】請求項5記載の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫
剤において、有効成分が5−プロパルギル−2−メチル
−3−フリルメチル 2,2,3,3−テトラメチルシ
クロプロパンカルボキシラートであることを特徴とする
殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤。 - 【請求項8】有効成分として、一般式I: 【化4】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す)で表され
る2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボ
ン酸のプロパルギルフリルメチルアルコールエステル化
合物を含有するマット形態又はリキッド形態の殺蠅用燻
焼・加熱蒸散殺虫剤を加熱して前記有効成分を蒸散させ
ることを特徴とする殺蝿方法。 - 【請求項9】請求項8記載の殺蝿方法において、厚さ
1.0〜3.0mm、表面積7〜15cm2のパルプ質
マットに、有効成分として、一般式I: 【化5】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す)で表され
る2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボ
ン酸のプロパルギルフリルメチルアルコールエステル化
合物を30〜150mg含浸させ、及び揮散調整剤とし
てピレスロイド用共力剤もしくは高級脂肪酸エステルの
1種又は2種以上を前記有効成分に対して0.5〜10
倍量配合し、並びに少なくとも2個の第三ブチル基を有
するフェノール系安定剤もしくは少なくとも2個の第三
ブチル基を有するハイドロキノン系安定剤の1種又は2
種以上を前記有効成分に対して0.1〜1.0倍量配合
するマット形態の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤を放熱板
上で加熱して前記有効成分を蒸散させることを特徴とす
る殺蝿方法。 - 【請求項10】請求項9記載の殺蠅方法において、有効
成分が5−プロパルギル−2−フリルメチル 2,2,
3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート
であることを特徴とする殺蠅方法。 - 【請求項11】請求項9記載の殺蠅方法において、有効
成分が5−プロパルギル−2−メチル−3−フリルメチ
ル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカル
ボキシラートであることを特徴とする殺蠅方法。 - 【請求項12】請求項8記載の殺蝿方法において、有効
成分としての一般式I: 【化6】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す)で表され
る2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボ
ン酸のプロパルギルフリルメチルアルコールエステル化
合物を1〜6%、及び溶剤として沸点が180〜350
℃の範囲にある脂肪族炭化水素又は水を含有する薬液を
プラスチックボトルに充填し、この薬液に吸液芯の一部
を浸漬したリキッド形態の殺蠅用燻焼・加熱蒸散殺虫剤
を加熱蒸散器に装着し、前記吸液芯の上部を加熱して有
効成分を蒸散させることを特徴とする殺蝿方法。 - 【請求項13】請求項12記載の殺蠅方法において、有
効成分が5−プロパルギル−2−フリルメチル 2,
2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラ
ートであることを特徴とする殺蠅方法。 - 【請求項14】請求項12記載の殺蠅方法において、有
効成分が5−プロパルギル−2−メチル−3−フリルメ
チル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカ
ルボキシラートであることを特徴とする殺蠅方法。
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JP5-254637 | 1993-09-03 | ||
JP25463793 | 1993-09-03 | ||
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JP7446894 | 1994-03-18 | ||
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JP6-120595 | 1994-05-10 | ||
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