JP2003117325A - バグフィルター - Google Patents
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Abstract
下で長時間連続運転され、含塵ガスを濾過するバグフィ
ルターの特に縫製部の強力、耐久特性を改良して、長期
使用に耐えるバグフィルターを提供せんとするものであ
る。 【解決手段】ポリフェニレンサルファイド繊維を主成分
とする短繊維ウエブとスクリムが接合された目付が40
0g/m2以上の円筒形状に縫製された直径が120m
m以上380mm以下のフェルト地からなるものであ
る。
Description
ガスの集塵機等に使用されるバグフィルターに関するも
ので、さらに詳しくは、長時間の使用に対し、バグフィ
ルター、特にその縫製部の強力、耐久性を改善した長期
使用に耐えうるバグフィルターに関する。
固体粒子(ダスト)を分離する作業が色々な場所で行わ
れている。このための集塵装置としては、各種のものが
あるが、大別すると動力集塵装置、慣性力集塵装置、遠
心力集塵装置、洗浄集塵装置、濾過集塵装置、電気集塵
装置等に分けられる。このうち都市ゴミ焼却炉、産業廃
棄物焼却炉等ではこれまで電気集塵装置が多く使用され
てきたが、この方式では集塵効率がガス温度で300℃
前後が最も良好であるが、この温度ではダイオキシン類
の発生(再合成)があり、廃棄物処理法で集塵機の入り
口のガス温度が200℃以下に義務づけられ、この影響
もあってこの分野でも濾過集塵装置が、集塵・濾過効率
が高い、設備コストが比較的低廉、集塵効率が温度に大
きく影響されない等といったメリットも大きく、ハ゛ク゛フィ
ルターが主流になってきている。
ーであり、その濾布には織物やフェルト地が用いられて
いる。中でも排気濃度の低減、電気集塵機の置き換えか
らくるろ過面積の低減、高速化などからフェルト地の使
用が増えてきている。更に、一般にバグフィルター方式
の集塵装置ではバグフィルターに付着した煤塵を、機械
的振動や逆気流方式の間欠的払い落とし装置を使用して
払い落とす事により、フィルターの使用期間を延長し、
且つ高い捕集効率と通気性を得ている。
寸法に裁断し、長辺部を重ね合わせて縫製し取付布(取
付具)を介して、バグフィルターが円筒形の状態で保形
されるリテーナーに取り付けられる。
と、バグフィルターのフェルト地の材質、構成、目付、
物性、さらに焼却物、焼却装置、粉塵発生源、装置やそ
れによる排ガス・ダストの種類、温度、化学的性質、
量、そして集塵装置、バグフィルター構造、形状及び運
転条件等によっても大きく影響されるが、縫製部の問題
もあることが判明した。バグを筒状に縫製し、バグ上部
より圧縮空気を吹くことによりタ゛スト払落し操作を行うパ
ルスジェット払落しにおいて、長期の繰返しにより縫製
部が目開きを起し縫製部からのタ゛ストの漏れが確認された
り、さらに長期に渡っては縫製部が破損にいたる場合も
ある。また、製鉄工程において炉頂から発生するカ゛スを
発電に用いる炉頂圧発電用のBFでは、ダスト払い落と
し方式は逆洗式が用いられている。炉頂圧発電用のBF
では発電効率アップのために高温高圧で使用され、さら
に逆洗方式によってダスト払い落としが行われる為、ろ
過運転時あるいは逆洗払い落とし時に非常に大きな負荷
がかかり、もっとも弱いと想定される縫製部が徐々に目
ずれし、ダストが漏れたり、さらには縫製部が破損に至
るといった問題が見られた。縫製部の強力を大きくする
ために重ね合わせ部を大きくする、縫製ピッチを密にし
すぎるといった対策を取るとその部分が変形しやすく、
バグ一本当たりの払い落とし性が悪くなり圧力損失の上
昇を招いたり、変形部からのタ゛ストの漏れの可能性があ
る。
都市ゴミ、産業廃棄物等の焼却炉のように高温下で長時
間連続運転され、含塵ガスを濾過するバグフィルターの
特に縫製部の強力、耐久特性を改良して、長期使用に耐
えるバグフィルターを提供せんとするものである。
達成するために下記の手段を採用する。すなわち本発明
は、 1.ポリアリーレンサルファイド繊維を主成分とする短
繊維ウエブとスクリムが接合された目付が400g/m
2以上のフェルト地が直径120mm以上380mm以
下の円筒形状に縫製されているバグフィルターであっ
て、縫い代がバグ周長の2〜8%、且つ該縫い代の全縫
製部に上記スクリムの経、緯いずれか一方向の糸の5本
以上が縫い込まれていることを特徴とするバグフィルタ
ー。 2.縫製部が間隔2mm以上で、3列以上に縫製されて
いることを特徴とする第1記載のバグフィルター。 3.縫製線が実質的にバグフィルターの円筒の中心線に
平行であることを特徴とする第1又は2記載ののバグフ
ィルター。 4.縫い糸が実質的にフッ素系繊維、あるいはポリアリ
ーレンサルファイド繊維からなることを特徴とする第1
〜3のいずれかに記載のバグフィルター。
ルト地の主成分であるポリアリーレンサルファイドと
は、隣接する環原子間に不飽和基を有する多ハロ置換の
環状化合物とアルカリ金属サルファイドとを有機極性溶
媒中で反応せしめることによって得られる−R−S−基
(ただしR:フェニレン,ビフェニレン,ナフタレン,ビ
フェニレンエーテルまたはそれらの炭素数1〜6の低級
アルキル置換誘導体である)を繰返し単位として有する
重合体であり、代表的にはたとえば米国特許第3354129
号明細書に詳しく述べられているものが使用できるが、
PASの範疇に含められるものは全て本発明の対象に含め
られる。なお本発明においては、Rがフェニレン基であ
るポリフェニレンサルファイド(以下PPSという)が特
に好ましい。
クリムに短繊維ウエブが接合されたものからなり、目付
は400g/m2以上であることが肝要である。フェル
トの目付は通気度、濾過速度、濾過効率等のバグフィル
ターの性能を決める重要なファクターである。目付が重
すぎると同一表面積のバグフィルター重量が重くなり、
価格とともにフェルトの経時的な寸法変化やダスト払い
落とし不良を招き、特に高温時の伸長(クリープ)が生
じやすく好ましくないが、環境基準の強化対策として濾
過性能を高くするためには、目付を高くすることが重要
であり本発明のバグフィルターに使用されるフェルト地
は400g/m2以上である。更に好ましくは500g
/m2以上であるが、上述のように重くすると別の問題
も生ずるので要求性能に応じて必要な目付のフェルト地
を使用する。
に縫製した直径120mm以上380mm以下のバグフ
ィルターの縫製部接合面の縫い代は、バグ周長の2〜8
%である。ここでいう縫い代は重ね縫い、両伏せ縫いの
場合は図2(a),(b)のような状態をいい、同じ重
なりであれば両伏せ縫いは重ね縫いの約2倍になるが、
比較的厚いフェルト地では重ね縫いが推奨される。しか
しこれに限定されるものではない。又その他の縫い方も
縫い代は同様に表し、基本的には重ね縫い、両伏せ縫い
等のように対称形のものは表面、裏面とも同じとし、半
伏せ縫いのように非対称のものは小さい方をいう。(対
称形の縫い方でも表布・裏布に差があるときは小さい方
をいう。)一般に逆洗式バグフィルターのように円筒形
の内側でタ゛スト捕集を行い、タ゛ストの払落しが円筒の外側か
ら逆洗圧をかける方式では、円筒(バグフィルター)の
直径が大きくなるほど円筒(フェルト地、及び縫製部)
にかかる応力は直径と圧力に比例して大きくなるのでフ
ェルト地、縫製部とも強くする必要がある。前述したよ
うな逆洗式の場合は、縫製部の素抜け破損(スクリムの
糸はのこったままで、綿の部分から抜けて破損する)を
防ぐために、縫製部の強力を大きくする必要がある。縫
製部の強力を強くし素抜け破損を防ぐには、縫い代を大
きく、縫製列を増やし、縫い糸強力の強いものを使用す
ればよいが、過度に大きく取ると重ね合わされた縫い代
部の通気度は低下し、その分有効濾過面積も小さくな
り、且つ縫製部がゴワゴワしてダスト払い落とし操作で
振動を与えると、その部分に応力が集中して逆にこの部
分から破損するといった問題も発生し、種々検討した結
果直径120mm以上380mm以下のバグフィルター
の縫製部接合面縫い代は周長の2〜8%が必要であるこ
とが判った。2%未満では縫製部での破損が発生し易
く、8%を超えると前記の問題が顕在化する。好ましく
は4〜6%である。又、縫製部強力及び縫製部の強力は
スクリムの糸が縫い代部の縫製糸列間に多く含まれる方
が強く経糸が5本以上、好ましくは8〜16本含まれる
ことが望ましい。5本未満だと縫製部の素抜け破損が発
生しやすいからである。
3列以上縫製されていることが好ましい。バグフィルタ
ー用に粗く織ったスクリムに短繊維をニードルパンチ法
やウォーターパンチ法で一体化したものでは、縫製部の
強さは縫製部の構成だけでなく短繊維の絡み強力、及び
スクリムと短繊維の絡み強力によっても左右される。仮
に短繊維ウエブの配行や目付アップを図っても、200
℃程度の高温で払い落とし操作などの物理的疲労を受け
る為、ウエブのみでは容易に目開きし、ダストの漏れや
更には綿だけが素抜けて破損に至ってしまうことがあ
る。よって、縫製部の強さは縫い糸の強度が高くなる、
或いは縫製列を多くするとともに縫製部に短繊維と絡ん
だスクリムの経糸をどれだけ取り込んでいるか、縫込ま
れているかによって大きく左右される。スクリムの織密
度を大きくしたほうが強力は高くなるが、コストアップ
にもつながる為、糸の太さ、物性、更に要求特性によっ
ても異なるが、200〜1200dtexでは経糸が8〜4
0本/in程度のものが良い。また、縫製間隔、縫製列数
など多いほうが良好であるが、過度に大きくすると、前
述と同様の問題が生じてしまう。
のような重ね縫い、図2(b)のように両端部を折り曲
げた両伏せ縫い、さらに一方だけ端部を折り曲げた半伏
せ縫い、平伏せ縫い、その他割り縫い、割り伏せ縫い、
突き合わせ縫い、袋縫いなど各種のものがあるが、縫い
目強度、滑脱性などの面で重ね縫い、両伏せ縫いが好ま
しい。
重縫い、縁かがり縫い、ジグザグ縫いなど各種のものが
あるが、縫い目強度、滑脱性などの面で本縫いが最も好
ましい。ステッチ数は縫い方、ステッチ、縫い糸の太さ
・強さ、フェルト地等によっても異なるが本発明の縫製
部の強さ、耐久性を確保するためには3cm当たり5〜2
0程度が好ましい。
取除くためのパルスジェット方式あるいは逆洗方式など
の除塵処理が行われるが、いずれも高温下でスクリムの
タテ方向に荷重がかかるように使われる。本バグフィル
ターではスクリムの経糸はバグフィルターの円筒の中心
線とほぼ平行、緯糸はそれに直交しており、かつその縫
製線は、バグフィルターの円筒の中心線、およびスクリ
ムの経糸に対してほぼ平行であることが重要となる。例
えば直交する経糸と緯糸からなる2軸織物のバイアス方
向の強力は、同じ物性、太さ、密度の経糸、緯糸からな
る織物でも15度以上の角度では経糸、緯糸方向の強力
の5〜15%の強力しかないことが判った。フェルト地
は短繊維で補強されているので短繊維の配向によっては
若干は高くなるがそれでも5〜25%程度の強力しかな
い。また、バイアス方向で荷重がかかった場合は、スク
リムの変形度が大きく非常に大きな伸びが発生してしま
う。したがってここで言うほぼ平行、直交というのは使
用状態(垂直に吊り下げた状態)で中心線及びそれの直
交に対してズレが10度以下であり、且つ目視で正規な
形状を保っているものをいう。
よる長期疲労によって、縫製部がスクリムを残して素抜
け破損したり、縫製糸が破断しろ布が破損する場合があ
る。そこで、縫製部を引張試験のつかみ間隔内に入れた
評価では、縫製部の強力はより高い方がよく、より好ま
しくはフェルト強力と同等以上(フェルト部が先に破断
する)であることがより望ましい。
縫糸は耐熱性、耐薬品性、耐久性を有し、さらに高強
力、収縮も含めた熱安定性が必要で本発明では実質的に
フッ素系繊維、あるいはポリフェニレンサルファイド繊
維よりなる。フッ素系繊維としては90%以上がフッ素
原子を主鎖又は側鎖に一個以上有する繊維であればよい
が、フッ素原子の比率の高いものほど好ましい。特に4
フッ化エチレン(PTFE)繊維が好ましい。このPTFE繊維
としては例えばレンチング社製プロフィレン(登録商
標)があり、また必要に応じてその他の繊維と複合され
ていても構わないが、50%以上フッ素系繊維が含まれ
ている事が望ましい。また、ポリフェニレンサルファイ
ド繊維としては、p−フェニレンサルファイド(−C6
H4−)単位を含有するポリマーからなる繊維で、p−
フェニレンサルファイド繰返し単位を70重量%以上、
さらに好ましくは90重量%以上含む線状ポリマーから
なる繊維であり、例えば東洋紡績株式会社社製プロコン
(登録商標)が挙げられる。その他の繊維としてはポリ
イミド繊維、例えばインスペックファイバーズ社製P8
4等が使用される。又、縫い糸としては前記のマルチフ
ィラメントに下撚りをかけ、更にそれを2〜3本合わせ
て上撚りをかけたものであっても、更には長繊維と短繊
維の複合されたものであってもよい。縫い糸の太さは、
材質、物性、さらに縫い方、ステッチ、ステッチ数、フ
ェルト地等によって適切な条件で使用される。
都市ゴミ焼却炉、産業廃棄物焼却炉等のように高温で且
つ強酸、強アルカリ存在下での濾過ではポリフェニレン
サルファイド繊維に、アラミド繊維、ポリイミド繊維、
フッ素系繊維、ガラス繊維が単独で又はこれらの複合さ
れたものとして使用される。ポリフェニレンサルファイ
ド繊維としては、これらの繊維を用途、目的に応じてス
クリム、短繊維ともまたはいずれか一方に複合又はこれ
らの繊維を混合して使用してもよい。
地と実質的に同等であることが好ましい。縫製部の収縮
が大きいと使用中に波打ち状の皺が発生して煤塵払い落
とし性が悪くなったり、縫糸の収縮によって縫い目が大
きくなってダストの一部が外部に漏洩する、逆に縫糸の
収縮がフェルト地より極端に小さいと縫目ゆるみが生ず
る等の問題が出るので好ましくない。
180℃付近で使われるため本発明でのバグフィルター
は180℃の熱処理で実質的に変形しない事も重要であ
る。使用中に変形するのはフェルト地の切断が不等辺で
あったり、スクリム経糸と斜行していたり、又前記バグ
フィルターの縫糸の収縮率がフェルト地と大きく異なる
場合や、フェルト地の製造時、特に熱セット時に不均一
張力(歪み)が残存する場合に発生しやすい。このバグ
フィルターの形状はこれまでに詳述したように払い落と
し性(通気度)に大きく影響するので使用中にもバグフ
ィルターの直径、長さ等が3%以上変形しないことが必
要となり、フェルト及び縫製糸は各加工工程で熱処理さ
れた180℃程度での寸法変化が小さいものを用いる。
繊度は濾過性に大きく影響し、繊維径の細い(繊度の小
さい)ほうが表面積(濾過面積)が大きくなり繊維間空
隙も小さくなって好ましい。過度に太いとカーディング
工程での繊維の通過性が悪くなったり、ニードルパンチ
ング、ウォーターパンチングでも繊維の絡合性が低下す
るので好ましくない。一般には繊維径は30μm以下が
好ましい。更に都市ゴミ焼却炉の場合の煤塵の粒子径は
焼却物、焼却条件などにもよるが0.1〜200μmと
いった非常に多様なものからなっているため、より繊維
の表面積を大きくするために繊維の断面は丸以外に、
Y、U、V、Cその他異形断面のものを使用することも
出来る。そして、バグフィルターの濾過ではフェルト地
の繊維間に最初1次ダスト層と呼ばれる煤塵層が形成さ
れ、それによって濾過性能が更に向上するが、更にフェ
ルト地の表面に2次ダスト層と呼ばれるダストが積層さ
れ通気度も低下するので払い落とし操作が行われるが、
払い落とされる煤塵はバグフィルターの表面についた2
次ダスト層だけで、前記の1次ダスト層はそのまま保存
されタ゛ストろ過が継続される。
炉、産業廃棄物焼却炉等のような有害物質を含むものは
色々な方法があるがまずHC1,SOx除去のために消
石灰などを添加する、NOx除去のために触媒層を設け
てアンモニアを吹込んで還元反応させる、更にダイオキ
シン類対策規制もあって濾過域での排ガス温度を200
℃以下にすることが義務付けられており、排ガスを急冷
するために通常水が添加される。このため含煤塵ガスは
前記の未回収、未反応のHC1、SOx、NOx、及び添
加物に多量の水分、廃棄物中の一部の未燃焼油分を含ん
だ状態でダストが濾布に付着することになる。さらに、
運転停止に伴う結露や塩化カルシウムの潮解の影響があるた
め、煤塵払い落とし操作によっても脱落しにくい場合が
ある。(残留HC1、SOx 、NOx等は更に後処理で
無害化する。)この為にはフェルト地に撥水、撥油加工
をするのも好ましい。
これまでに詳述したように支持層としてのスクリムと、
短繊維集合体からなる濾過層から構成されているが、短
繊維のフェルト成形は、短繊維をカードウェブ等により
積層したあとニードルパンチング法やウォーターパンチ
ング法で絡合できるが本発明ではいずれでも構わない。
短繊維ウエブのスクリムへの積層方法も特に限定はない
が、経方向、緯方向の配向度を変更することもできる。
に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に制約され
るものではない。本実施例で用いる物性は下記の方法で
測定したものである。
当たりの質量で表す。20cm×20cmの試料を3枚
採り、それぞれの絶乾質量W'を測定し、次式で求め
る。 目付(g/m2)=W'×(1+R/100)×1/A ここで W' :絶乾質量 (g) R :公定水分率 (%) A :試験片の面積 (m2)
よって測定した。
1096 6.12.1(2)B法(グラブ法)に準拠
して測定した。試料は図3のように縫い代部をほぼ中央
にして長さ30cm、幅15cmとし、7.5cm幅のクラン
プで20cmのつかみ長(縫い代部が長い場合は重ね合わ
せ部+10cm)とし定速伸長形法で伸長速度100%/
分で測定しN=3の平均で表す。縫製部を含まないフェ
ルト地の強力もフェルト地の方向を同じにして同様の方
法で測定する。なお、実際の引張試験における縫製部強
力の測定では、縫製部が破断する場合とフェルト部が破断す
る場合の2種類が挙げられ、さらに縫製部の破断では、
縫製糸から破断するものと、フェルト地から縫製部スク
リムが素抜けるという2種類の破断が存在した。引張試
験での高い強力という事では、フェルト地の破断、縫製
糸の破断、縫製部の素抜けの順で高いことになる。
ては、実際の逆洗ダスト払落し方式のバグフィルターに
投入した。ろ布の長さは10mで、バグ1本あたり25
kgのテンションがかかるようにバグを固定し、筒状ろ布
の内側にダストが含まれた高温・高圧ガスを導入し集塵
を行った。設備条件は、温度180℃、高炉圧2.0kg
/cm2、ガス成分はH2 N2 CO CO2及びH2Oが主成分であ
った。
60フィラメントのPPS繊維(PROCON、東洋紡績株式
会社製)を撚糸機により2本S撚りにて70(T/m)
の撚りを掛け、タテ23本/inch、ヨコ21本/inchの
平織りにして用いた。ろ過層を形成する短繊維は、2.
2デシテックス51mmのPPS短繊維(PROCON、東洋紡
績株式会社製)を用いた。そして、バグフィルター用の
フェルトは、一般的な不織布加工工程によって作成し
た。まず、予備開繊を経た上記短繊維をローラーカード
に供し、細かな開繊を行った後、クロスレイヤーにより
ウエブを積層し、このろ過層をスクリム上下にニードル
パンチ工程により一体化し462(g/m2)のフェルトを得
た。該フェルトを210℃のカレンダーロールにて厚み
が1.8mmになるようにプレスした。この時に同時に幅
方向に約5%の収縮を入れ、目付508(g/m2)厚さ1.
82(mm)のフェルトが得られた。ろ過面のカ゛ス毛焼きを
行いバグフィルター用のフェルトを得た。そして、縫製
糸には、440デシテックスのPTFE繊維(プロフィ
レン、レンチング社製)を500(T/m)S撚りにしこれ
を4本合わせて360(T/m)Z撚りした縫製糸を用い
た。縫代20mm(縫代の周長に締める割合4.2%)
で、重ね縫い、ステッチ数10(回/3cm)、縫製列3
本、縫製列間隔3mm、縫製列内のスクリム・タテ糸本数
6本である直径150mmの筒状のバグフィルターを得
た。縫製部をつかみ間隔に入れ引張試験を行ったとこ
ろ、87daNの強力を得た。もともとのスクリムの強力
は83daNであった。
ス・モノフィラメントのPTFE繊維(プロフィレン、
レンチング社製)を用い、タテ29本/inch、ヨコ29
本/inchの3本平織りにして用いた。ろ過層を形成する
短繊維は実施例1と同様なPPS繊維を用い、実施例1
と同様にろ過層とスクリムの一体化、210℃のカレン
ダーロール処理、ろ過面のガス毛焼き処理を行い、目付
531(g/m2)、厚さ1.78mm、のバグフィルター用フ
ェルトを得た。そして、実施例1と同様なPTFE縫製
糸を用い、縫代15mm(縫代の周長に締める割合3.2
%)で、重ね縫い、ステッチ数10(回/3cm)、縫製
列3本、縫製列間隔3mm、縫製列内のスクリム・タテ糸
本数8本である直径150mmのバグフィルターを得た。
縫製部をつかみ間隔に入れ引張試験を行ったところ、5
8daNの強力を得た。もともとのスクリムの強力は64d
aNであった。
ター用フェルトを用い、実施例1と同様なPTFE縫製糸を
用いて、縫代40mm(縫代の周長に占める割合4.0
%)で、重ね縫い、ステッチ数10(回/3cm)、縫製
列4本、縫製列間隔3mm、縫製列内のスクリム・タテ糸
本数24本である直径320mmのバグフィルターを得
た。縫製部をつかみ間隔に入れ引張試験を行ったとこ
ろ、93daNの強力を得た。このろ布は実機逆洗方式の
バグフィルターに投入した。
ター用フェルトを用い、実施例1と同様なPTFE縫製糸を
用いて、縫代8mm(縫代の周長に占める割合1.7%)
で、重ね縫い、ステッチ数10(回/3cm)、縫製列3
本、縫製列間隔2mm、縫製列内のスクリム・タテ糸本数
4本である直径150mmのバグフィルターを得た。縫製
部をつかみ間隔に入れ引張試験を行ったところ、26da
Nで縫製糸が破断した。
PPS繊維を用い、タテ15本/inch、ヨコ15本/in
chで平織りにして用いた。ろ過層も実施例1と同様なPP
S短繊維を用いて、スクリムとろ過層の一体化、210
℃でのカレンダーによるプレス、ろ過面のガス毛焼きを
行い目付483(g/m2)、厚さ1.82mmのバグフィルタ
ー用フェルトを得た。実施例1と同様なPTFE縫製糸を用
いて、縫代20mm(縫代の周長に占める割合4.2%)
で、重ね縫い、ステッチ数10(回/3cm)、縫製列3
本、縫製列間隔4mm、縫製列内のスクリム・タテ糸本数
4本である直径150mmのバグフィルターを得た。縫製
部をつかみ間隔に入れ引張試験を行ったところ、41da
Nにて縫製部が破断した。
ター用フェルトを用い、実施例1と同様なPTFE縫製糸を
用いて、縫代20mm(縫代の周長に占める割合4.2
%)で、重ね縫い、ステッチ数10(回/3cm)、縫製
列2本、縫製列間隔4mm、縫製列内のスクリム・タテ糸
本数が4本である直径150mmのバグフィルターを得
た。縫製部をつかみ間隔に入れ引張試験を行ったとこ
ろ、18daNの縫製部強力であり、スクリムのタテヨコ
糸は破断せず綿の部分から巣抜けた破断であった。
バグフィルターを得、実施例3と同時に逆洗方式の実機
バグフィルターに投入した。
て、加工条件の詳細および引張試験の結果を表1に示
す。
ド繊維を含む短繊維とスクリムが一体成形された目付が
400(g/m2)以上の長方形フェルト地を円筒状に縫製し
てなる直径120mm以上380mm以下のバグフィルター
において、縫代をバグ周長の2〜8%にし、縫製列内に
はスクリムのタテ糸を5本以上含むようにした実施例1
〜3は縫製部をつかみ間隔に入れた引張試験において、
非常に高い強力値を示すことが確認できた。一方、縫代
の周長に占める割合が2%よりも小さい比較例1や、も
ともとのスクリムの織密度が小さく、結果的に縫製列内
のスクリム・タテ糸の本数が4本である比較例2、縫製
列数が2本である比較例3では、縫製部強力が低く巣抜
け破損が確認された。また、逆洗ダスト払落し方式のバ
グフィルターに投入した実施例3と比較例4では約6ヶ
月使用後に比較例4はろ布最上部の縫製部に巣抜け破損
が発生したが、実施例3は良好な状態であった。従っ
て、本発明の範囲外の比較例1〜4の場合などは、長期
使用により縫製部からの素抜け破損などの可能性が大き
いと推測された。
等の焼却炉のように高温下で長時間連続運転され含塵ガ
スを濾過するバグフィルターの特に縫製部の強力、耐久
特性を改良して、長期使用に耐えるバグフィルターを提
供する事を可能とした。
(a)は重ね縫い。(b)は両伏せ縫い。
図。
代、C:列間幅、D:最外側縫製線、E:縫製列内、
F:切断端、G:縫製、H:つかみ部
Claims (4)
- 【請求項1】ポリアリーレンサルファイド繊維を主成分
とする短繊維ウエブとスクリムが接合された目付が40
0g/m2以上のフェルト地が直径120mm以上38
0mm以下の円筒形状に縫製されているバグフィルター
であって、縫い代がバグ周長の2〜8%、且つ該縫い代
の全縫製部に上記スクリムの経、緯いずれか一方向の糸
の5本以上が縫い込まれていることを特徴とするバグフ
ィルター。 - 【請求項2】縫製部が間隔2mm以上で、3列以上に縫
製されていることを特徴とする請求項1記載のバグフィ
ルター。 - 【請求項3】縫製線が実質的にバグフィルターの円筒の
中心線に平行であることを特徴とする請求項1又は2記
載ののバグフィルター。 - 【請求項4】縫い糸が実質的にフッ素系繊維、あるいは
ポリアリーレンサルファイド繊維からなることを特徴と
する請求項1〜3のいずれかに記載のバグフィルター。
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