JP3530244B2 - 耐久性向上濾過布 - Google Patents

耐久性向上濾過布

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JP3530244B2
JP3530244B2 JP00704295A JP704295A JP3530244B2 JP 3530244 B2 JP3530244 B2 JP 3530244B2 JP 00704295 A JP00704295 A JP 00704295A JP 704295 A JP704295 A JP 704295A JP 3530244 B2 JP3530244 B2 JP 3530244B2
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忠彦 高田
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、集塵濾過布、特に12
0〜180℃の比較的高温の使用で耐薬品性に優れた集
塵用濾過布に関するものである。 【0002】 【従来の技術】バッグフィルターは、濾過布による集塵
機で、集塵室内に円筒状や封筒状あるいは平板状の濾過
布を吊設しておいて集塵をおこなうもので、一般に複数
室構造として1室づつ濾過布に付着したダストの払い落
としを行い、集塵と払い落としの繰り返しにより、長時
間の集塵が行えるようになっている。バッグフィルター
用濾過布は、大別すると、織布と、ニードルパンチフェ
ルト等の不織布の2種類があり、このうち不織布製の濾
過布の基布およびフェルトには耐熱性等の点からアラミ
ド繊維が用いられてきた。 【0003】例えば、「全芳香族ポリアミド系樹脂繊維
からなるフェルトを、該樹脂のガラス転移点以上の温度
で加圧セットした乾式用濾布」(特開昭58−8531
号公報)「繰り返し構造単位の少なくとも75モル%が
mフェニレンイソフタルアミドからなる芳香族ポリアミ
ドと有機溶媒とを接触させて得られる結晶性錯体を接合
材として使用した耐熱性濾材」(特開昭58−8531
号公報)「耐熱性繊維を抄紙してなる濾過体の繊維相互
がポリシロキサン化合物によって接着されていることを
特徴とする高温用空気濾過体」(特開昭60−8782
2号公報)等が開示されている。 【0004】アラミドとしては、ポリパラフェニレンテ
レフタルアミド(PPTA)等のいわゆるパラ型とポリ
メタフェニレンテレフタルアミド(PMIA)等のいわ
ゆるメタ型とがあるが、従来、120〜200℃の比較
的高温での使用では、不織布として基布、フェルト双方
ともにメタ型アラミド繊維100%の糸条(ヤーン)が
一般に使用されている。しかしながら排ガスが30〜5
0容量%の水分率を含有し、さらにHCl、Sox、N
ox等の酸性ガスを多量に有する場合、あるいは酸性ガ
ス除去の目的で集塵機に到達するまでの配管中にCa
(OH)2 等を投入した場合、メタ型アラミドはこれら
の薬品に弱く、耐久性に問題があった。 【0005】 【発明の目的】本発明の目的は、濾過布として要求され
る耐熱性や難燃性等のみでなく、強度や耐薬品性に優
れ、さらに基布の通気度を高め、さらに長期間使用した
ときのダストの目詰まりによる通気抵抗の上昇を低減し
た耐久性濾過布を提供することにある。 【0006】 【発明の構成】すなわち、本発明は「(請求項1) メ
タ型アラミド繊維フェルトからなる濾過布において、フ
ェルトの補強用基布にポリフェニレンサルファイド繊維
を用いることを特徴とする耐久性向上濾過布。」であ
る。 【0007】フェルトの補強用基布にポリフェニレンサ
ルファイド繊維を用いるとは、基布として、実質的にポ
リフェニレンサルファイドからなる繊維を用いることで
ある。例えば、ポリフェニレンサルファイド80%の共
重合体からなる繊維でもよく、ポリフェニレンサルファ
イド100%からなる繊維と他の繊維との混繊糸を用い
てもよい。「実質的に」とはポリフェニレンサルファイ
ドの混率が本発明の効果を発現できる範囲である。メタ
型アラミドとは芳香族環がそれぞれメタ位でアミド結合
されているものである。典型的な例はポリメタフェニレ
ンイソフタルアミドであり、コーネックス(帝人株式会
社製)、ノーメックス(デユポン株式会社製)等が市販
されている。繰り返し単位の80%以上がメタ位でアミ
ド結合されている共重合体も含まれる。 【0008】ポリフェニレンサルファイドとは芳香族環
がそれぞれパラ位でサルファイド結合されているもので
ある。市販品としては帝人PPSなどがある。繰り返し
単位の80%以上がパラ位でサルファイド結合されてい
る共重合体も含まれる。 【0009】ポリフェニレンサルファイド繊維の単糸繊
度は、好ましくは1.5〜5.0デニール、さらに好ま
しくは1.5〜2.0デニールである。単糸繊度が1.
5デニール未満では、単糸強度にばらつきを生じ、糸条
を形成したときに十分な強力を発現できない。単糸繊度
が5.0デニールを越えると、繊維が硬くなり、ポリフ
ェニレンサルファイド繊維からなる基布を用いて形成さ
れた濾過布も硬くなるので払い落とし性能が低下する。 【0010】ポリフェニレンサルファイド繊維糸条(ヤ
ーン)は500〜2000本、さらに好ましくは500
〜1000本の単糸で構成される。繊維糸条本数が50
0本未満では、強力の発現が不充分となる。繊維糸条本
数が2000本を越えると、繊維糸条が硬くなり、ポリ
フェニレンサルファイド繊維からなる基布を用いて形成
された濾過布も硬くなるので払い落とし性能が低下す
る。 【0011】基布は織物でも編物でも不織布、或いは、
これらの混合でもよいが、濾過布の要求特性からみて織
物が好ましい。織布を用いる場合、ヤーンを経緯それぞ
れ5〜15本/インチの密度で織成して基布を構成する
のが好ましい。織成は平織り、綾織り、多重織り等を用
いることができるが、濾過布の要求特性からみて平織り
が好ましい。濾過布の耐久性を高めるために基布密度を
高めすぎると、通気抵抗が上昇し、さらに長期間の使用
によるダストの目詰まりの原因となる。耐久性と通気抵
抗性とが実用的に両立するように、使用目的に応じて基
布密度を設計する。 【0012】従来のメタ型アラミド繊維100%で構成
された基布は、経緯の織密度が15〜20本/インチの
ものを用いており、ポリフェニレンサルファイド繊維を
用いた方が、通気抵抗性および目詰まり防止の観点から
有利である。 【0013】フェルトを基布で補強する方法としては、
基布に不織布(ウェッブ)をニードルパンチにより交絡
させる方法を用いることが多いが、その場合、ウェッブ
としては上記メタ型アラミド単繊維を用いる。メタ型ア
ラミド単繊維の単糸繊度は、好ましくは0.8〜5.0
デニール、更に好ましくは0.8〜2.0デニールであ
る。メタ型アラミド単繊維の単糸繊度が0.8デニール
未満では、ニードルパンチによる交絡を充分させること
ができなくなり、その結果、目付むらが発生する。メタ
型アラミド単繊維の単糸繊度が5.0デニールを超える
と、濾過布としたときのダスト捕集性能が低下する。 【0014】繊維長は、好ましくは38〜103mm、
更に好ましくは51〜76mmである。繊維長が38m
m未満では、ニードルパンチによる交絡が不充分とな
り、その結果、充分な強力発現が達成されない。繊維長
が103mmを超えると、ウエッブを形成させるときに
繊維糸条の引き揃えが困難となる。 【0015】ポリフェニレンサルファイド繊維100%
からなる基布の両面または片面に、好ましくは両面に、
ニードルパンチ法によってメタ型アラミド短繊維からな
る繊維層(ウェッブ層)を形成せしめる。パンチング密
度は300〜500回/cm 2 が好ましい。更に、上記
繊維層(ウェッブ層)の片面に、バーナーによる毛焼
き、あるいはカレンダーによる表面平滑加工等を施すの
が好ましい。 【0016】 【発明の効果】本発明の濾過布は、高温での使用、例え
ば120〜200℃での使用に適したものである。従来
品に比べて基布強力が非常に強くなり、長期間にわたっ
て使用可能である。更に従来品と比べて、基布が占める
面積が小さいため通気抵抗が少なく、また長期間使用後
のダストによる基布の目詰まりを防ぐことができるので
低圧損の維持可能な濾過布が得られる。 【0017】以下、実施例により本発明について具体的
に説明する。なお、得られた濾過布の特性評価は下記の
方法で行った。 【0018】<引張強力>JIS−L−1096Aの方
法に従った。すなわち、定速長形引張試験機を用い、つ
かみ間隔10cm、引張速度100mm/分で、幅2c
m、長さ20cmの試験片を破断まで伸張させた。 【0019】<耐酸性>減圧可能なビーカーに7%H2
SO4 水溶液を入れ、試料をその水溶液中に完全に浸漬
させる。そしてビーカー内部をアスピレーター又は真空
ポンプで1.5時間減圧し、硫酸水を試料内部に十分含
浸させた後、試料を取り出し、150℃で1時間、熱処
理を行った後、強力保持率を測定した。 【0020】<濾過性能>実効面積が30cm×30c
mの平面型の濾過布サンプルを用いた。濾過速度2.0
m/min.温度200℃において試験粉体(JIS規
格のダスト10種) の濾過を行い、フィルター前後の差
圧が80mm水柱に到達するまでの時間を測定した。払
い落としには3kg/m2 のパルスジェットを用いた。
表中の結果は50回払い落とし後に80mm水柱に到達
するまでの時間で示した。 【0021】 【実施例1〜5】ポリフェニレンサルファイド繊維( 帝
人株式会社製、単糸繊度1.5デニール、繊維糸条本数
500〜2000本) 100%からなる織布(経緯織密
度5〜20本/インチの平織物)の両面に、メタ型アラ
ミド短繊維( コーネックス、帝人株式会社製、2デニー
ル×51mm) からなるウェッブを積層し(ウェッブは
通常のウェッブウォーマーで作成した。)、パンチング
密度460回/cm2 で通常のニードルパンチングを施
し、重さ550g/mm2 、厚さ20mmの濾過布を作
製した。得られた濾過布の評価結果を表1に示す。 【0022】 【比較例1】経糸および緯糸の双方に実施例1で用いた
メタ型アラミド短繊維からなる紡績糸を用い、経糸は1
0番手双糸、打ち込み密度20本/インチ、緯糸は20
番手双糸、打ち込み密度16本/インチとした以外は、
実施例1と同様に実施して重さ500g/m2 、厚さ2
0mmの濾過布を作製した。得られた濾過布の評価結果
を表2に示す。 【0023】 【表1】【0024】 【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−8531(JP,A) 特開 平5−317620(JP,A) 特開 平5−57116(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 39/00 - 39/20

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 メタ型アラミド繊維フェルトからなる濾
    過布において、フェルトの補強用基布にポリフェニレン
    サルファイド繊維を用いることを特徴とする耐久性向上
    濾過布。
JP00704295A 1995-01-20 1995-01-20 耐久性向上濾過布 Expired - Lifetime JP3530244B2 (ja)

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