JP2008012494A - フィルター用シート、フィルター部材およびバグフィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、高温下、酸性ガス雰囲気下において、高強度で寸法安定性に優れる上に、さらに耐摩耗性、耐衝撃性にも優れた特性を有するフィルター材およびバグフィルターを提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明のフィルター用シートは、その繰り返し単位にスルホン基(−SO−)とアミド基(−CONH−)を有するポリスルフォンアミドを含んでなる繊維を有してなることを特徴とするものである。また、本発明のフィルター部材は、かかるフィルター用シートが縫糸により袋状に縫製されてなることを特徴とするものである。また、本発明のバグフィルターは、かかるフィルター部材を有してなることを特徴とするものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高温下、酸性ガス雰囲気下において使用されるフィルター用シート、フィルター材およびバグフィルターに関する。
高温下、酸性ガス雰囲気下において使用されるバグフィルター用途に使用されるフィルター用シートには、高い特性が求められる。具体的には、
(A)機械的強度に優れ破損を生じないこと、
(B)熱による寸法安定性に優れること、
(C)耐熱性が高く熱劣化による破損を生じないこと、
(D)耐薬品性が高く酸性ガス雰囲気下でも劣化による破損を生じないこと、
(E)高温下での摩耗の少ないこと、
(F)耐衝撃性に優れること、
(G)捕集効率が高いこと、
(H)捕集効率が高くかつ圧力損失が低いこと、
などである。
現在、特に200〜250℃程度という高温の雰囲気下で用いられる耐熱バグフィルター用途には、ガラス繊維、アラミド繊維の一種であるポリメタフェニレンイソフタールアミド繊維などの繊維が好適に用いられている。しかしながら、これらの繊維は、耐熱バグフィルター用途に使用される繊維として求められる高い特性を、十分に具備するものではない。
例えば、ガラス繊維は耐屈曲性が悪いので、不織布化が困難である上に、織布であっても逆洗パルスの衝撃で折れ曲がってしまい破損する可能性が高いという問題がある。また、ポリメタフェニレンイソフタールアミド繊維やガラス繊維は、耐薬品性が十分でないため、窒素酸化物ガスや硫黄酸化物ガスといった酸性ガス雰囲気下では劣化により破損する可能性が高いという問題がある。
これらの問題を解決するために、例えば耐薬品性能の弱点を克服するために、アラミド繊維にフッ素樹脂がコーティングされたフィルターが提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、かかる方法では、アラミド繊維をフッ素樹脂により完全に覆いつくせることはできず、また、フィルターとして使用中に、該フッ素樹脂が剥がれ落ちるなどの問題があるために、かかるフッ素樹脂欠損部では、耐薬品性がないという弱点を有するものであった。
特開平09−239211 号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、高温下においても、耐酸性ガスに優れ、かつ、耐屈曲性に優れたフィルター用シート、フィルター部材およびバグフィルターを提供せんとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明のフィルター用シートは、その繰り返し単位にスルホン基(−SO−)とアミド基(−CONH−)を有するポリスルフォンアミドを含んでなる繊維を有してなることを特徴とするものである。
また、本発明のフィルター部材は、かかるフィルター用シートが縫糸により袋状に縫製されてなることを特徴とするものである。
また、本発明のバグフィルターは、かかるフィルター部材を有してなることを特徴とするものである。
本発明によれば、高温下においても、耐酸性ガスに優れ、かつ、耐屈曲性に優れたフィルター用シート、フィルター部材およびバグフィルターを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明のフィルター用シートは、その繰り返し単位にスルホン基(−SO−)とアミド基(−CONH−)を有するポリスルフォンアミドを含んでなる繊維(以下、「ポリスルフォンアミド繊維」とも呼ぶ。)を有してなることが重要である。ポリスルフォンアミド繊維を有してなることにより、高温下、酸性ガス雰囲気下において使用される際において必要な、耐熱性、耐薬品性、耐屈曲性のすべてを具備したフィルター用シートを得ることができる。繰り返し単位にスルホン基を有することで耐熱性、耐薬品性に優れ、アミド基を有することで分子間結合を作りやすいことから、樹脂ポリマーの安定性に優れると考えられる。また、ガラス繊維のような無機繊維ではないので、柔軟性があり耐屈曲性に優れる。
前記ポリスルフォンアミドが、さらにフェニル基(−C−)を繰り返し単位として有していると、分子構造としてより安定するため、耐熱性および耐薬品性がより向上し、好ましい。
さらに、前記ポリスルフォンアミドが−C−CONH−C−SO−を繰り返し単位として有していると、より好ましい。耐熱性および耐薬品性、耐屈曲性が十分バランスよく具備されるためである。
本発明に用いられるポリスルフォンアミド繊維は、300℃30分での乾熱収縮率が0%以上5%以下であることが好ましい。乾熱収縮率が5%より大きくなってしまうと、フェルト加工時での熱セットにおいて原反のロスが多くなってしまったり、高温においてフィルターを使用中に大きく寸法変化が起こってしまったりする。ここで言う乾熱収縮率とは、フィラメントであればJIS L1013:1999の8.18.2のB法において、ステープルであればJIS L1015:1999の8.15b)において、測定したものを指す。
本発明のフィルター用シートは、ポリスルフォンアミド繊維の他に、ポリメタフェニレンイソフタールアミド繊維、フッ素繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、炭素繊維等の耐熱性の高い繊維を混合してなることも好ましい。これらの繊維との混合により、高温下での摩耗などに対する機械的強度を向上させることが出来る。本発明の好適な用途であるバグフィルターにおいては、ダストの飛来によるダストの濾布への衝突による衝撃や圧縮空気による逆洗パルスによる衝撃や逆洗パルス噴射後のリテーナへの衝突による衝撃など、多くの衝撃が濾布のウェブ部分に発生する。その衝撃によりウェブ部分の繊維が劣化して脱落して捕集効率が低下するのを防ぐことができる。ガラス繊維は単独で用いると耐薬品性不足や耐屈曲性不足などの欠点があり、ポリメタフェニレンイソフタールアミド繊維は単独で用いると耐薬品性不足などの欠点があるが、ポリスルフォンアミド繊維と混合することによって、かかる欠点を解消しつつ、さらにコスト面でも優れたフィルター用シートとすることができる。
ポリスルフォンアミド繊維のフィルター用シートに対する使用量は、40質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは65質量%以上である。40質量%以上とすることで、上述のような効果の実効を得ることができる。
本発明のフィルター用シートの目付としては、150g/m以上1000g/m以下が好ましい。目付が150g/m以上であればフィルター用シートが薄すぎず十分なダスト捕集効率を得ることができ、また、パルスによる払い落としの衝撃に耐えることができる。1000g/m以下であれば圧力損失が高くなりすぎず、十分使用に耐える。ここで言う目付とは、単位面積当たりの質量のことであり、不織布であればJIS L1913:1999の6.2において測定したものを指し、織物、編物であればJIS L1913:1999の6.2に準じて測定したものを指す。
本発明のフィルター用シートの見掛け密度としては、0.20g/cm以上0.80g/cm以下が好ましい。見かけ密度が0.20g/cm以上であればフィルター用シートの空隙が大きすぎず十分なダスト捕集効率を得ることができる。また、0.80g/cm以下であればフィルター用シートが密になりすぎないために圧力損失が高くなりすぎず、十分使用に耐える。また、ここで言う見かけ密度とは、織物であればJIS L1096:1999の8.10.1において、編物であればJIS L1018:1999の8.9.1において、不織布であればJIS L1096:1999の8.10.1に準じ、かつ、厚さとしてJIS L1913:1999の6.1を用いて測定したものを用いて計算するものにおいて、測定したものを指す。
本発明のフィルター用シートの耐薬品性能としては、硝酸処理強度保持率が80%以上であることが好ましい。すなわち、石炭ボイラープラント、ゴミ焼却プラント、セメント焼成プラント、アスファルト製造プラント、都市ごみ焼却炉などにおいては、酸性ガスとして主に窒素酸化物が発生する。この窒素酸化物がフィルター用シート、あるいはフィルター部材を劣化させるといった問題点があるが、本発明のように硝酸処理強度保持率が80%以上であるフィルター用シートを用いれば、通常の窒素酸化物雰囲気であれば劣化がほとんど起こらない優れたフィルター用シートとすることができる。また、窒素酸化物ガス耐性のあるフィルター用シートであれば、その他の酸性ガスである、硫黄酸化物ガスや塩化水素ガスなどにも耐えうる性能を保持するものである。硝酸処理強度保持率の具体的な測定方法については、後述する。
本発明のフィルター用シートの形態としては、織布、編布、および不織布のいずれかであることが好ましい。織布や編布であれば、不織布に比べ、フィルター用シートのろ過前後の圧力損失を低減することができ、かつ、引張剛性が高いので寸法安定性に優れるため、ろ布にかかる負荷を低減することができる。また、不織布であれば、織布や編布に比べ、小さな粒径のダストを捕集する捕集効率に優れるという面で好ましい。ここで言う不織布には、少なくとも布帛面内にランダムな繊維方向を有する繊維構造体であるウェブも含む。
また、フィルター用シートを、不織布と織布の積層体とすることもできる。上記で述べたように、織布や編布では織り目や編み目の部分に大きな空隙が形成されるため、捕集効率の低下が懸念され、それが懸念される箇所には不織布の方が好適に用いられる。ところが不織布は、引張剛性が小さいために、寸法安定性が好適ではなく、織布や編布、特に引張剛性の高い織布が好適に用いられる。この両特性を同時に満足するために、不織布と織布を組み合わせたフィルター用シートとすることが好ましい。不織布と織布の組合せの方法は、不織布/織布/不織布の3層構造としても良いし、不織布/織布の2層構造としても差し支えない。製造方法としては例えば、繊維絡合前のウェブと織布とを積層しておいて、ニードルパンチやウォータージェットパンチなどにより、ウェブの絡合と織物との一体化を達成する製造方法が好ましい。このように、不織布と織布を組み合わせることにより、熱クリープや熱収縮を生じにくいといった寸法安定性の良い、かつ、小さな粒径のダストを捕集するといった捕集効率に優れた、フィルター用シートを得ることが出来る。
また、フィルター用シートのタテ方向の引張強度が、100N/5cm以上であることが好ましい。バグフィルターとして用いる際に吊り下げられ表面にダストが付着することで布帛全体が重くなったとしても、その重さに耐えることができるからである。かつ、3%伸張時のタテ方向の引張強力が、100N/5cm以上であることが好ましい。バグフィルターとして用いる際に圧縮空気を吹き付けられても、大幅に伸長することなく、寸法安定性に優れるためである。ここで言う引張強度、3%伸張時の引張強力とは、JIS L1096:1999の8.12.1のA法において、測定したものを指す。
以上説明した、種々の好ましい態様を有するフィルター用シートを縫糸により袋状に縫製されることによって、フィルター部材を得ることが出来る。縫製方法としては、縫糸を用いた文字通りの縫製が好ましい。縫糸には、耐熱性の良好な縫糸を用いることが好ましい。その中でも、ポリスルフォンアミド繊維、ポリメタフェニレンイソフタールアミド繊維、フッ素繊維から選ばれる少なくとも1種の繊維で構成された縫糸で縫製されていることが好ましい。これらの繊維は、耐熱性が良好であるばかりでなく、耐折性にも優れるため、縫糸として好適に用いられるのである。縫糸は、単一の種類の繊維からなるフィラメント、紡績糸、混繊糸、混合紡績糸などを用いることができる。
また、縫糸を用いない場合の縫製方法として、超音波や電気的高周波や熱板による溶融縫製、いわゆるウェルダーも好ましく用いられる。
こうしてできたフィルター部材を用いることにより、高温下、酸性ガス雰囲気下において長期に使用することができる優れたバグフィルターを提供することができる。
以下、本発明に係るフィルター用シート、フィルター部材およびバグフィルターの実施例を記す。ただし、以下の実施例は本発明の一例であって、これに限定されるものではない。
なお、性能評価方法は以下の通りとした。
[測定方法]
(1)乾熱収縮率(フィラメント)
JIS L1013:1999「化学繊維フィラメント糸試験方法」の8.18.2のB法である、フィラメント収縮率の試験方法に基づいて行った。熱処理は、熱風循環型乾燥機において、300℃30分暴露という方法とした。
(2)乾熱収縮率(ステープル)
JIS L1015:1999「化学繊維ステープル試験方法」の8.15b)の乾熱収縮率の試験方法に基づいて行った。熱処理は、熱風循環型乾燥機において、300℃30分暴露という方法とした。
(3)目付(織物、編物、不織布、不織布と織布の積層体も含む)
JIS L1913:1999「一般短繊維不織布試験方法」の6.2である、単位面積当たりの質量の試験方法に基づいて、あるいは、準じて行った。試験雰囲気は標準状態下とした。標準状態とは、JIS L0105:1994の4.1に定めるように、試験室の温度が20±2℃、湿度が65±2%に保たれている状態のことを言う。
(4)見かけ密度(織物)
JIS L1096:1999「一般織物試験方法」の8.10.1である、見掛比重の試験方法に基づいて行った。
(5)見かけ密度(編物)
JIS L1018:1999「ニット生地試験方法」の8.9.1である、見掛比重の試験方法に基づいて行った。
(6)見かけ密度(不織布、不織布と織布の積層体も含む)
JIS L1096:1999「一般織物試験方法」の8.10.1である、見掛比重の試験方法に準じて、厚さをJIS L1913:1999「一般短繊維不織布試験方法」の6.1である、厚さの測定方法に基づいて行った。
(7)硝酸処理強力保持率
63wt%の濃硝酸液中にフィルター材を入れ、21℃で24時間浸漬した。浸漬後のフィルター材を十分洗浄し、引張試験をする。浸漬前の試験片の破断強力と、浸漬後の試験片の破断強力との比を100分率で求め、硝酸処理強力保持率(%)とした。なお、引張試験方法については、後述の方法を採用した。
(8)集塵性能処理
JIS Z 8909−1:2005に基づいて、同規定における試験装置を用い、初期およびエージング・安定化処理後の、出口ダスト濃度および残留圧力損失を測定した。
濾布の試験片を450mm×450mmに3枚切り取り、試験片の両端に1kgのおもりによって張力を与えながらサンプル濾布ホルダに装着し、秤量した。次にホルダからはみ出している濾布部分を切り取り、切り取った濾布の質量を差し引いて、濾布を含むサンプル濾布ホルダの質量とした。
JIS Z 8122に規定するHEPAフィルタを秤量して、HEPAフィルタホルダへ装着した。
試験室の条件は、温度22℃、相対湿度41%、大気圧999hPaであった。
ダストとしては、JIS Z 8901に規定された試験用粉体第10種を110℃で3時間乾燥し、デシケータ内で1時間以上静置したものを使用した。
(濾布の初期集塵性能測定)
入口ダスト濃度を5g/m、濾過速度を2m/minとし、1000Paの払落し圧力損失制御のもとで、集塵と払落し(パルス用圧縮エアータンク圧力500kPa、パルス噴射時間50ms)を30回行った。
試験装置の送風機及びダスト供給機を同時に停止し、垂直管内にダストがなくなるまで待った。その後吸引を再開して残留圧力損失を測定した。
試験装置からHEPAフィルタを取り出して秤量し、次の式から出口ダスト濃度(Cout)を求めた。
out=(C―C')/B
ここに、Cout:出口ダスト濃度(g/m
C':試験前のHEPAフィルタの質量(g)
C :試験後のHEPAフィルタの質量(g)
B :試験機に供給されたガス量(m
(エージング処理及び安定化処理)
上記測定で使用した濾布及びHEPAフィルタを装着したそのままの状態で、エージング処理として払落しを5秒間隔で5000回繰り返した。
続いて、エージング後の濾布の集塵性能を安定化させるため、1000Paの払落し圧力損失制御のもとで払落しを10回繰り返した。
(エージング・安定化処理をした濾布の集塵性能測定)
エージング・安定化処理をした濾布を含むサンプル濾布ホルダ及び新規に装着したHEPAフィルタの質量を秤量した。
前記と同様にして払落しを30回行い、前記と同様にして残留圧力損失及び出口ダスト濃度を求めた。
n数3の試験片について上記処理・測定を行い、平均値を算出した。
(9)引張強度(織物、編物、不織布、不織布と織布の積層体も含む)
JIS L1096:1999「一般織物試験方法」の8.12.1である、引張強さ及び伸び率の試験方法に基づいて、あるいは、準じて、行った。試験片は、幅5cm、つかみ間隔20cmとし、定速伸長形の装置において、引張速度を100m/minとして行った。
(10)3%伸張時の引張強力
上記引張強度の試験において、3%伸長時の強力の値を読み取った。
(11)繊度(ステープル)
JIS L1015:1999「化学繊維ステープル試験方法」の8.5.1a)の正量繊度の試験方法に基づいて行った。
(12)繊維長(ステープル)
JIS L1015:1999「化学繊維ステープル試験方法」の8.4.1のC法の平均繊維長の試験方法に基づいて行った。
[実施例1]
(繊維)
その繰り返し単位に−C−CONH−C−SO−を有するポリスルフォンアミド繊維のステープルを用意した。このステープル繊維の繊度は1.8dtex、繊維長は51mmであった。この繊維の乾熱収縮率は0.4%であった。
(紡績糸)
上記のステープル繊維を用いて綿番手20/2の双糸からなる紡績糸を作製した。
(織布)
上記の紡績糸を用いて補強布として用いるための目開き織布(タテ24本/2.54cm、ヨコ14本/2.54cm)を作製した。織り組織は平織とした。この織布のタテ方向の引張強度は133N/5cm、3%伸張時の引張強度は121N/5cmであった。
(フィルター用シート)
上述のステープル繊維と上述の織布とを、積層し、フィルター用シートを作製した。方法は、ステープル繊維をカード、クロスラッパー工程を得てウェブ化し、そのウェブを織布上に積層し、ニードルパンチ工程を経て一体化させた。
得られたフィルター用シートの目付は600g/m、見掛け密度は0.35g/cmであった。また集塵性能は、表1に示すように、最終出口ダスト濃度が1mg/m以下、最終残留圧力損失が0.3kPa以下であり、非常にバランスの取れたフィルター用シートであった。また、このフィルター用シートの硝酸処理強力保持率は、90%と非常に高いものであった。
(バグフィルター)
このフィルター用シートを、上述の紡績糸を縫糸として用いて直径15cmφ、長さ6mの袋状に縫製して、フィルター部材とし、さらに、金属製のスナップリングを取り付けてバグフィルターとした。このバグフィルターは、上述のように、耐酸性に優れ、フィルター性能としてバランスの取れたフィルター用シートを用いているため、石炭ボイラープラントに好適に用いることができた。
[実施例2]
(繊維)
実施例1で用いたのと同様のポリスルフォンアミド繊維のステープルを用いた。
(紡績糸)
実施例1で用いたのと同様の紡績糸を用いた。
(織布)
実施例1で用いたのと同様の織布を用いた。
(フィルター用シート)
積層量、およびニードルパンチ工程における針密度を変更した以外は実施例1と同様にして、上記のステープル繊維と、上記の織布とを積層し、フィルター用シートを作製した。得られたフィルター用シートの目付は250g/m、見掛け密度は0.70g/cmであった。また集塵性能は、表1に示すように、最終出口ダスト濃度が1mg/m以下、最終残留圧力損失が0.3kPa以下であり、非常にバランスの取れたフィルター用シートであった。また、このフィルター用シートの硝酸処理強力保持率は、94%と非常に高いものであった。
(バグフィルター)
上述のフィルターシートを用いた以外は実施例1と同様にしてフィルター部材とし、さらに実施例1と同様にしてバグフィルターとした。このバグフィルターは、上述のように、耐酸性に優れ、フィルター性能としてバランスの取れたフィルター用シートを用いているため、石炭ボイラープラントに好適に用いることができた。
[実施例3]
(繊維)
実施例1で用いたのと同様のポリスルフォンアミド繊維のステープルを用いた。
(紡績糸)
実施例1で用いたのと同様の紡績糸を用いた。
(織布)
実施例1で用いたのと同様の織布を用いた。
(フィルター用シート)
積層量、およびニードルパンチ工程における針密度を変更した以外は実施例1と同様にして、上記のステープル繊維と、上記の織布とを積層し、フィルター用シートを作製した。得られたフィルター用シートの目付は900g/m、見掛け密度は0.35g/cmであった。また集塵性能は、表1に示すように、最終出口ダスト濃度が1mg/m以下、最終残留圧力損失が0.3kPa以下の非常にバランスの取れたフィルター用シートであることが判った。また、このフィルター用シートの硝酸処理強力保持率は、94%と非常に高いものであった。
(バグフィルター)
上述のフィルターシートを用いた以外は実施例1と同様にしてフィルター部材とし、さらに実施例1と同様にしてバグフィルターとした。このバグフィルターは、上述のように、耐酸性に優れ、フィルター性能としてバランスの取れたフィルター用シートを用いているため、石炭ボイラープラントに好適に用いることができた。
[実施例4]
(繊維)
その繰り返し単位に−C−CONH−C−SO−を有するポリスルフォンアミド繊維のフィラメントを用意した。このフィラメント繊維の単糸繊度は1.8dtex、繊維本数は200本、マルチフィラメント繊度は360dtexであった。この繊維の乾熱収縮率は0.4%であった。
(織布・フィルター用シート)
上記フィラメント繊維を用いて、織布を作製した。織り密度はタテ80本/2.54cm、ヨコ50本/2.54cmとした。織り組織は綾織とした。これを、フィルター用シートとした。目付は250g/m、見掛け密度は0.70g/cmであった。この織布の引張強度は410N/5cm、3%伸張時の引張強度は313N/5cmであった。また集塵性能は、表1に示すように、最終出口ダスト濃度が1mg/m以下、最終残留圧力損失が0.3kPa以下であり、非常にバランスの取れたフィルター用シートであった。また、このフィルター用シートの硝酸処理強力保持率は、92%と非常に高いものであった。
(バグフィルター)
上記のフィルターシートを用いた以外は実施例1と同様にしてフィルター部材とし、さらに実施例1と同様にしてバグフィルターとした。このバグフィルターは、上述のように、耐酸性に優れ、フィルター性能としてバランスの取れたフィルター用シートを用いているため、石炭ボイラープラントに好適に用いることができた。
[実施例5]
(繊維)
実施例1で用いたのと同様のポリスルフォンアミド繊維のステープルと、ポリテトラフルオロエチレン繊維(東レ株式会社製トヨフロン(R) T201、単繊維繊度7.4dtex、カット長70mm)を用いた。
(紡績糸)
実施例1で用いたのと同様の紡績糸を用いた。
(織布)
実施例1で用いたのと同様の織布を用いた。
(フィルター用シート)
上記のポリスルフォンアミド繊維70部とフッ素繊維30部を混合したステープル繊維を用いた以外は実施例1と同様にして、上記のステープル繊維と、上記の織布とを積層し、フィルター用シートを作製した。得られたフィルター用シートの目付は600g/m、見掛け密度は0.35g/cmであった。また、集塵性能は、表2に示すように、最終出口ダスト濃度が1mg/m以下、最終残留圧力損失が0.3kPa以下の非常にバランスの取れたフィルター用シートであることが判った。また、このフィルター用シートの硝酸処理強力保持率は、99%と高いものであった。
(バグフィルター)
上述のフィルターシートを用いた以外は実施例1と同様にしてフィルター部材とし、さらに実施例1と同様にしてバグフィルターとした。このバグフィルターは、上述のように、耐酸性に優れ、フィルター性能としてバランスの取れたフィルター用シートを用いているため、石炭ボイラープラントに好適に用いることができた。
[比較例1]
(繊維)
その繰り返し単位に−C−CONH−C−NHCO−を有するポリメタフェニレンイソフタールアミドを含んでなる繊維(以下メタアラミド繊維)のステープルを用意した。このステープル繊維の繊度は2.2dtex、繊維長は76mmであった。この繊維の乾熱収縮率は6.0%であった。
(紡績糸)
ステープル繊維として上記の繊維を用いた以外としては実施例1で用いたのと同様の紡績糸を用いた。
(織布)
上記の紡績糸を用いた以外としては実施例1で用いたのと同様の織布を用いた。この織布のタテ方向の引張強度は117N/5cm、3%伸張時の引張強度は91N/5cmであった。
(フィルター用シート)
上記のステープル繊維、上記の織布を用いた以外は実施例1と同様にして、フィルター用シートを作製した。得られたフィルター用シートの目付は600g/m、見掛け密度は0.35g/cmであった。しかし、フィルター用シートの硝酸処理強力保持率は56%と、酸により劣化してしまい、酸性ガス下で使用に耐えるフィルター用シートとは成らなかった。
[比較例2]
比較例1の耐酸性ガス性を改善するため、比較例1のフィルター用シートを、アルミナゾルの水分散液に十分浸漬、絞りをした後に、PTFE粒子水分散液85重量部に熱可塑性フッ素系樹脂(ポリパーフルオロアルキルメタクリレート系共重合体)255重量部を配合し水415重量部で希釈した溶液に十分浸漬、絞りをした後に、150℃で乾燥、200℃で熱処理を行った。加工後の目付は650g/m、見掛け密度0.40g/cmとなった。
しかしながら、得られたフィルター用シートの硝酸処理強力保持率は75%と、酸により劣化してしまい、酸性ガス下で使用に耐えるフィルター用シートに改善することはできなかった。
Figure 2008012494
Figure 2008012494
本発明のフィルター用シート、フィルター部材およびバグフィルターは、特に、高温下で固体と気体を分離する、たとえば耐熱集塵装置、特に、石炭ボイラープラント、ゴミ焼却プラント、セメント焼成プラント、アスファルト製造プラント、都市ごみ焼却炉などの、多量の粉塵を高温ガスから分離するためのフィルター用シート、フィルター部材、あるいはバグフィルターに好適に使用される。

Claims (9)

  1. その繰り返し単位にスルホン基(−SO−)とアミド基(−CONH−)を有するポリスルフォンアミドを含んでなる繊維を有してなることを特徴とするフィルター用シート。
  2. 前記ポリスルフォンアミドがさらにフェニル基(−C−)を繰り返し単位として有する請求項1に記載のフィルター用シート。
  3. 前記ポリスルフォンアミドが、−C−CONH−C−SO−を繰り返し単位として有することを特徴とする、請求項2記載のフィルター用シート。
  4. 目付が150g/m以上1000g/m以下で、見掛け密度が0.20g/cm以上0.80g/cm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフィルター用シート。
  5. 硝酸処理強度保持率が80%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフィルター用シート。
  6. 織布、編布、および不織布のいずれかの形態を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフィルター用シート。
  7. 不織布と織布の積層体である請求項1〜6のいずれかに記載のフィルター用シート。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のフィルター用シートが縫糸により袋状に縫製されてなることを特徴とするフィルター部材。
  9. 請求項8記載のフィルター部材を有してなるバグフィルター。
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