JP3539627B2 - 耐久性にすぐれたバグフィルター用フェルト - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は都市ゴミ等の焼却炉から発生する排ガスの集塵機等に使用されるバグフィルター用フェルトに関するもので、さらに詳しくは、高温且つ酸性ガスを含む環境下でも長時間の使用に対し、寸法安定性が良好、フェルト物性低下が少なく耐久性にすぐれ、且つコストパフォーマンスの良好なバグフィルター用フェルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで、固体粒子を含む含塵ガスから固体粒子を分離する作業が色々な場所で行われている。このための集塵装置としては、各種のものがあるが、大別すると動力集塵装置、慣性力集塵装置、遠心力集塵装置、洗浄集塵装置、濾過集塵装置、電気集塵装置等に分けられるが、特に都市ゴミ焼却炉、産業廃棄物焼却炉なでは環境対策や性能の面でろ過集塵装置としてバグフィルタ−が使用されている。バグフィルタ−はダイオキシンの再合成を抑制できる200℃以下にて高度な集塵機能を有する設備として使用が増してきている。
【0003】
バグフィルターに用いられるろ布は、織物やフェルトとして用いられている。
濾布に要求される特性は、排ガスの温度、化学的性質、量、さらに集塵装置、バグフィルター構造、形状及び操業条件等によって大きく異なるが、素材としては天然素材も含めた繊維から適宜選ばれる。しかし最近は、機械的性質、化学的性質、熱的特性及び廃棄処理が容易などの面ですぐれた耐熱性合成繊維が多く用いられている。このような合成繊維としては、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維等が一般的に用いられている。更に、耐熱性、耐薬品性等を向上させるためにポリフェニレンサルファイド系繊維、ポリイミド系繊維、アラミド系繊維、フッ素系繊維等も多く使用されるようになってきている。
【0004】
さらに、一般にバグフィルター方式の集塵装置ではバグフィルターに付着した煤塵を、機械的振動や逆気流方式の間欠的払い落とし装置を使用して払い落とす事により、フィルターの使用期間を延長し、且つ高い捕集効率を得ている。このための濾布(フェルト)としては、集塵性、通気性とともに、ダスト剥離性さらに、強度、耐久性、耐磨耗性、寸法安定性及び耐熱性等が必要となる。
【0005】
このような濾布として短繊維をニードルパンチ方式で絡合したフェルトは、前記の集塵性、通気性にすぐれ、更にカレンダー処理等によりダスト剥離性も良好になるが、引裂強度や磨耗性等の機械的性質に問題があるので、スクリムと称する織物に短繊維を絡み合わせたフェルトを使用することが一般的に行われている。しかし濾布に要求されるこれらの性質を同時に満足できるフェルトはなかった。更に、引裂強度や磨耗性等を良くするためにフェルトに対するスクリムの重量比率を大きくすると、フェルト価格が高くなる等の問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来のバグフィルター用フェルトの問題点、特に都市ゴミ、産業廃棄物等の焼却炉のように150℃以上の高温下で連続運転され、且つ強酸性成分、強アルカリ性成分等を含む排ガスを濾過するバグフィルターに必要とされる、寸法安定性(特に縦方向の伸び)、耐熱安定性(収縮小、強度劣化小)、濾過性能、耐薬品性、経済性などを同時に満足し、且つ耐久性にもすぐれたフェルトを提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目標を達成するために次のような手段を採用する。
即ち本発明は、
1.フッ素系モノフィラメント撚糸から構成されてなるスクリムとフッ素系短繊維からなる不織布が絡合一体化したフェルトであって、該フェルトの240℃での経方向伸度が20%以下、240℃での経方向伸度/緯方向伸度が1.0以下、及び240℃での破裂強度が20kgf以上であることを特徴とする耐久性に優れたバグフィルタ−用フェルト。
2.フェルトの目付が500g/m2以上であることを特徴とする上記第1記載の耐久性に優れたバグフィルタ−用フェルト。
3.フェルトの破裂強度が30kgf以上であることを特徴とする上記第1記載の耐久性に優れたバグフィルタ−用フェルト。
4.スクリムの重量比が全体の20%以下であることを特徴とする上記第1記載の耐久性に優れたバグフィルタ−用フェルト。
【0008】
以下本発明を詳述する。
本発明は、前記従来のバグフィルター用フェルトの問題点に鑑み、フェルトを構成するスクリム及び不織布を構成する短繊維とも90%以上がフッ素系繊維からなり、且つ実機に近い240℃での物性を特定範囲にすることにより、かかる目的を容易に達成しうることを見出したのである。
【0009】
まず本発明のバグフィルター用フェルトは、フェルトの熱収縮、強力(耐久性含めて)、クリープ特性などの物性を大きく左右するスクリムを構成する素材の選定が重要であり、耐熱安定性、強力の面から90%以上がフッ素系長繊維からなることが肝要であり、さらに濾過層の耐熱性、耐薬品性、耐久性等を持たせるためにスクリムに組み合わせる不織布短繊維も、90%以上がフッ素系繊維からなることが肝要である。通常都市ゴミ焼却炉はダイオキシン対策の面で前述のように200℃以下での濾過が好ましく、基本的にはこの条件が守られるが、運転開始時、停止時及び突発的トラブル発生時等の際には一時的にしても、更に高温、過酷な条件に曝される事がある。また、間欠運転の運転停止時の保温温度が低い場合には結露の影響を受けたり、ゴミの種類などによっては強酸化性の有害ガスが発生するなどの問題がある。このためこれまで多く使用されてきた、ガラス繊維、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリフェニレンサルファイド系繊維、ポリイミド系繊維、アラミド系繊維では耐熱性、耐薬品性等の面で不十分であり、これらの特性にすぐれたフッ素系繊維に限定される。
【0010】
更に、本フェルトのスクリムに使用されるフッ素系長繊維の強度、伸度、熱収縮率等の物性は、スクリムの組織、構成、スクリムと短繊維の重量比率、短繊維の物性、絡合度及びバグフィルターの構造、形状によって異なる。本発明では、バグフィルター用ろ布が実際に使用される高温下での物性を規定することにより各種特性に優れたバグフィルタ−用フェルトを得るものである。例えば、スクリムに用いるフッ素系長繊維は240℃での糸強度4.5cN/tex以上、伸度10.0%以下、熱収縮率4.0%以下であることが好ましい。更に不織布を構成する短繊維はフェルトの強度、伸度には余り影響しないが、熱収縮が大きいとフェルトが収縮して、ファイバー密度が大きくなって通気度が低下したり、寸法変化によりダスト払い落とし性が悪くなったりする。ゆえに、240℃の熱収縮率はより好ましくは2.0%以下が好ましい。尚、これより熱収縮率の大きい素材を使用する場合は、スクリム 又は短繊維を絡合したフェルトを、フェルトの通気度が熱収縮後であっても充分確保できる構成にして、所定温度で熱処理及びカレンダー処理してフェルト伸度≦20%、240℃フェルト乾熱収縮率2%以下としてもよい。
【0011】
本発明に使用されるフッ素系短繊維としては、所要の物性を有する90%以上がフッ素原子を主鎖又は側鎖に一個以上有する繊維であればよいが、フッ素原子の比率の高いものほど好ましい。特にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)繊維が好ましい。スクリム用長繊維及び濾過層用短繊維には、必要に応じてポリイミド系繊維、アラミド系繊維等の他の繊維を複合、混合してもよいが、少なくともフッ素系繊維が90%(重量比)以上でないとフッ素系繊維のすぐれた耐熱性、耐薬品性、耐久性等を阻害するのでそれ以下のものは本発明からは除外される。
このためフッ素系繊維は例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)繊維で前記の物性が得られるように重合・製糸条件を選択すればよいが、例えばレンチング社製プロフィレン(登録商標)で上記の特性を満足するものを採用してもよい。
【0012】
次に、本フェルトの240℃での経伸度は20%以下でなければならない。240℃というのはこれまでに詳述したように、通常の都市ゴミ焼却炉の排ガス集塵機はダイオキシン対策もあって200℃以下で運転されているが、運転開始時や停止時さらに突発的な異常時に高温の排ガスに曝されてもバグフィルターに大きな損傷を与えないように、安全を見込んで採用した試験条件である。ここでいう経方向とはフェルトのマシン方向で、実際のバグフィルターにおいても自重やリテーナー荷重、ダスト荷重の負荷がかかるバグフィルターのつり下げ方向と一致する。240℃での経伸度は240℃の雰囲気下でJIS1096に準じて測定される。ここで、240℃に於ける経伸度が20%以上のフェルトは使用時に経時的に伸びて、弛み、皺も発生してフィルターとしての性能が低下する、さらに集塵ダスト振り落としのためのパルスジェットや振動を与えても剥離性が悪くなるなどの問題も生ずる。更に、過度の振動、パルスジェットによるフェルトの損傷も生じやすいという問題もあり本発明では伸度20%を越えるものは除外されるのであり、更に好ましくは寸法安定性、性能保持、耐久性等の面で18%以下である。
【0013】
次に、本フェルトの240℃での経伸度/緯伸度は1.0以下でなければならない。経方向(バグフィルターフェルト地の吊り下げ方向)に比較して緯方向には荷重はろ過による負荷しかかからないので伸度の影響はあまり大きくなく、スクリム組織、糸物性、短繊維の配向方向、スクリムorフェルトの後熱処理等で調整する。例えば、スクリムの経糸の伸度を緯糸の伸度より小さくする、経糸の張力を高くして製織する、スクリムorフェルトを熱処理する際経糸方向の張力>緯糸方向張力とする、短繊維の配列(配向)を経方向を多くする、後熱処理、カレンダー処理等の際経方向の張力>緯方向の張力とする等の対策をとって所要の物性にする。
【0014】
次に、本フェルトの240℃での破裂強度は20Kgf以上でなければならない。破裂強度は上記の伸度と同じように240℃の雰囲気下でJIS1096に準じて測定される。フェルトの破裂強度はバグフィルターの耐久性に大きく影響するので、高いほうが好ましく耐久性等の面では20Kgf以上、さらに用途によっては30Kgf以上が必要である。しかし破裂強度を高くしようとすると、スクリムの重量比率を高くしたり、糸強度の高いスクリム(高強度のスクリム)を使用する等でいずれも価格アップにつながるので必要最小限ににすべきである。このためにも本発明の経伸度、経伸度/緯伸度の比率を満足するフェルトであることが重要である。
【0015】
次に、本フェルトの目付は500g/m2以上である。フェルトの目付は通気度、濾過速度、濾過効率等のフェルトの性能を決める一つのファクターである。目付が重すぎると同一表面積のバグフィルター重量が重くなり、価格と共にフェルトの経時的な寸法変化、特に伸長(クリープ)が生じやすく好ましくないが、環境基準の強化対策として濾過性能を高くするためには、目付を高くすることが必要であり本発明のフェルトは500g/m2以上に限定される。更に好ましくは550g/m2以上であるが、上述のように重くすると別の問題も生じるので要求性
能に応じて必要な目付を設定する。
【0016】
次に、本フェルトは長繊維織物からなるスクリムとそれに重ね合せ絡合された短繊維からなっているがそのスクリムの重量比率(スクリム重量/フェルト地重量)は20%以下である。前述のようにフェルトの強伸度、熱収縮率、クリープ特性などはほとんどスクリム物性及びスクリムの重量比率によって決まり、スクリムの重量比率が高いほうが好ましいが、一方同一重量の濾布の濾過効率は短繊維比率の高い方がよい。さらにスクリム重量比率が高いとフェルトの価格が高くなるという問題も生じる。本発明では上記のフェルトの物性を確保し、なお且つスクリム重量比率を20%以下とすることにより、捕集効率が良好で、耐久性、コストパフォーマンスにすぐれたフェルトが得られるのである。このためには、スクリム重量比率は20%以下、更に好ましくは18%以下がよいが、フェルト地の特性、耐久性等により決定すればよい。
【0017】
次に、本フェルトのスクリムはモノフィラメントを撚糸したものを経糸/緯糸に使用したものである。本発明のようにモノフィラメント糸つかいのものはマルチフィラメント糸つかいに比較して、短繊維をニードルで絡合する際に、フィラメントへの損傷を少なくしうるので、スクリム重量比率を下げてもフェルトの特性を確保できるのである。
【0018】
更に、本発明のフェルト地の240℃の収縮率(経方向、緯方向)は2.0%以下が好ましい。収縮率が高いとバグフィルターの寸法変化による目詰まり、濾過特性の劣化、フェルト地の強度低下、経時変化大、等の問題が発生しやすいので好ましくない。
【0019】
次に主な濾過層である不織布の短繊維は繊維径0.01〜100μm 、更に好ましくは0.1〜20μm である。繊度が細いほうが繊維の表面積(濾過面の表面積)が大きくなり、ダストの捕集効率がよくなる。また、必要に応じて異繊度の短繊維を複合してもよい。更に繊維断面を異形にしても繊維の表面積は大きくなり同様の効果が得られるが、何れもコストが高くなる方向なので必要に応じて適宜採用される。
【0020】
フェルトの見掛けの空隙率は40〜90%、更に好ましくは50〜80%である。40%未満では圧力損失が大きく、目詰まりも早くダスト払い落とし周期も短くなる。逆に90%を越えるとダストが空隙に入り込み濾過効率を著しく低下させるので何れも好ましくない。
ここで見掛け空隙率は次式により求める。バグフィルター用フェルトを2.5cm×10cmにカットし、60g/cm2の荷重下のダイヤルゲージで厚さt(cm)とサンプル重量w(g) を測定する。また、繊維の比重ρから見掛けの空隙率εを次式で求める。
ε= {1−(w/2.5×10×t×ρ)}×100
【0021】
本発明のバグフィルター用フェルトは、支持層としての長繊維からなるスクリムと、短繊維からなる濾過層から構成されているが、短繊維のフェルト成形は、短繊維をカードウエブ等により積層したあとニードルパンチング法やウオーターパンチング法で絡合できるが本発明ではいずれでも構わない。短繊維のスクリムへの積層方法も特に限定はないが、経方向への配向度をあげるためには、例えばカードウェブの供給速度とスクリムの移動速度を調整する事などによって変更できる。また、ダスト剥離性を向上させるために表面を平滑化するために、短繊維を収縮させて緻密化する方法、さらに加熱ローラーに接触プレスするカレンダー仕上げ、表面シャーリング、毛焼きなども適用できる。
【0022】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。
本実施例で用いる物性は下記の方法で測定したものである。
【0023】
目付はJIS1096 6.4単位面積当たりの質量で表す。
20cm×20cm の試料を3枚採り、それぞれの絶乾質量W’ を測定し、次式で求める。
目付(g/m2)=W’×(1+R/100)×1/A
ここで W’:絶乾質量 (g)
R :公定水分率 (%)
A :試験片の面積(m2)
【0024】
通気度はテクノワールド社製高圧型通気度試験器を使用してn=3で測定、その平均値で表す。(測定圧:142Pa)
【0025】
ろ過性評価は、図1のような東洋紡績(株)製フィルターバグ用ろ過試験機にて評価した。ダストはフライアッシュ10種を用い、ろ過面積0.04(m2)、流量0.012(m3/min)、ろ過速度3(m/min)、ダスト濃度15(g/m3)にて、パルスジェット払い落としをパルス圧3(kgf/cm2)、噴射時間100msにて300回行った。300回までの時間を測定し、次式よりトータルの粉塵保持量を測定した。
ろ過面積0.04(m2)あたりの粉塵保持量W1は
W1(g)=粉塵濃度15(g/m3)*流量0.012(m3/min)*300回までの時間(min)そして、ろ布を通過したダストの吹き漏れ量W2(g)は粉塵濃度計(柴田科学社製/粉塵濃度計)にて測定した。以上の粉塵保持量W1と吹き漏れ量W2から次式により捕集効率を計算した。
捕集効率(%)=(W1−W2)×100/W1
【0026】
フェルト伸度の測定はJIS1096カットストリップ法に準拠して240℃の乾熱雰囲気下で測定する。サンプルはチッヤクに挟みこのままの状態で240℃にて10分放置し、その後そのまま引張試験を行った。 試験片幅 5cm、つかみ10(cm)、引張速度10(cm/min)、N=3の平均で表す。
経方向、緯方向とも試料調整方向が異なるだけで他の方法は同じである。
破裂強度の測定もJIS1096 6.16.2(定速伸長形法)で測定し、N=5の平均で表す。
破裂強度比率は240℃の雰囲気中にバグフィルター用フェルトを無緊張状態で24時間放置後同様の方法で破裂強度を測定し、未熱処理時の破裂強度との比率で表す。
【0027】
【実施例】
(実施例1〜4)
バグフィルター用フェルトは一般的な不織布加工工程により作成した。フェルトとして用いた短繊維は平均繊度2.7dtex(平均繊維径12.6μm)、平均繊維長60mmのレンチング社製プロフィレンステープルファイバー タイプ803/60を使用して、支持層には同じく400デニールのPTFEモノフィラメント繊維(レンチング社製プロフィレンを400回/mS撚糸したものを平織にして用いた。まず、短繊維を混打綿機で予備開繊しローラーカードにて、開繊、繊維配列を行ったあと、クロスレイヤーによりウエブを積層し、プレニーパン、仕上げパンチをして濾過層を形成し、この濾過層を上記支持層上下に積層してさらにニードルパンチ工程により一体化させフェルトを得た。このフェルトを経方向の収縮<緯方向の収縮の条件で320℃で熱風処理した。次いで、200℃35Kg/cm2の熱カレンダーロールでプレスし、厚さ、見掛け空隙率を調整し表1のバグフィルター用フェルトを得た。
【0028】
(比較例1〜3)
実施例と同様の方法で、スクリムとして実施例のPTFE繊維とPPS繊維(東洋紡プロコン450デニール120フィラメント)を表1の混率になるよう経糸、緯糸に用い平織にて使用。フェルトの短繊維にも同じように実施例のPTFE繊維にPPS繊維(東洋紡(株)製プロコン2デニール、51mm、丸断面)を表1の混率になるように合わせて実施例と同じ工程でバグフィルター用フェルトを得た。
【0029】
実施例1〜4のバグフィルター用フェルトは本発明のもので破裂強度の低下率も問題なく、補集効率、コストも含め良好であった。実施例4は、スクリムの重量比が高く物性の面では問題無かったが、全体として重くなり、さらに性能に比較して価格が高すぎるという問題があった。
【0030】
【表1】
【0031】
比較例−1はフッ素繊維の使用比率が低いために、240℃下での経伸度が非常に大きく、破裂強度比率が小さいため実使用に適さない。
【0032】
比較例−2は経伸度が大きいために比較例1と同様に破裂強度の低下が大きく、経伸度/緯伸度も大きくこの傾向がさらに大きくなった。
【0033】
比較例−3は、空隙率は多少大きいが、厚みが薄く、3(m/min)での評価では、フェルトを通過する吹き漏れ量は最も大きく、その結果捕集効率も最も小さいものとなっており、更に破裂強度も小さいものとなっている。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、高温下で用いるバグフィルター用フェルトにおいて、高温下での強力や破裂強力に優れ、さらに耐薬品性やろ過特性にも優れるバグフィルター用フェルトを提供することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】ろ過試験機の概略図。
【符号の説明】
1:スクリュウフィーダー、2:フライアッシュ10種、3:オーバーフローフィルター、4:テストサンプル、5:パルスエアー、6:粉塵濃度計、7:排気ダストトラップ用フィルター、8:流量計、9:吸引ポンプ、10:ガスメーター、11:排気、12:ダスト吸引
Claims (4)
- .フッ素系モノフィラメント撚糸から構成されてなるスクリムとフッ素系短繊維からなる不織布が絡合一体化したフェルトであって、該フェルトの240℃での経方向伸度が20%以下、240℃での経方向伸度/緯方向伸度が1.0以下、及び240℃での破裂強度が20kgf以上であることを特徴とする耐久性に優れたバグフィルタ−用フェルト。
- フェルトの目付が500g/m2以上であることを特徴とする請求項1記載の耐久性に優れたバグフィルタ−用フェルト。
- フェルトの破裂強度が30kgf以上であることを特徴とする請求項1記載の耐久性に優れたバグフィルタ−用フェルト。
- スクリムの重量比が全体の20%以下であることを特徴とする請求項1記載の耐久性に優れたバグフィルタ−用フェルト。
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