JP2001079319A - 耐久性にすぐれたバグフィルター用フェルト - Google Patents

耐久性にすぐれたバグフィルター用フェルト

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JP2001079319A
JP2001079319A JP26402799A JP26402799A JP2001079319A JP 2001079319 A JP2001079319 A JP 2001079319A JP 26402799 A JP26402799 A JP 26402799A JP 26402799 A JP26402799 A JP 26402799A JP 2001079319 A JP2001079319 A JP 2001079319A
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Hirobumi Sugiyama
博文 杉山
Shigeki Tanaka
茂樹 田中
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】都市ゴミ、産業廃棄物等の焼却炉用集塵機に要
求される、耐熱安定性、耐薬品性、寸法安定性、濾過性
能等を満足し、経済的にもすぐれたバグフィルター用フ
ェルトを提供する。 【解決手段】支持層(スクリム)と短繊維からなる濾過
層を一体化したバグフィルター用フェルトであって、素
材としてスクリム、短繊維とも90%以上がフッ素系繊
維からなり、フェルトとしての240℃での経方向伸度
が20%以下、経方向伸度が緯方向伸度より小さくし、
破裂強度が20 kgf以上のものを使用したバグフィルタ
ー用フェルト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は都市ゴミ等の焼却炉
から発生する排ガスの集塵機等に使用されるバグフィル
ター用フェルトに関するもので、さらに詳しくは、高温
且つ酸性ガスを含む環境下でも長時間の使用に対し、寸
法安定性が良好、フェルト物性低下が少なく耐久性にす
ぐれ、且つコストパフォーマンスの良好なバグフィルタ
ー用フェルトに関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、固体粒子を含む含塵ガスから
固体粒子を分離する作業が色々な場所で行われている。
このための集塵装置としては、各種のものがあるが、大
別すると動力集塵装置、慣性力集塵装置、遠心力集塵装
置、洗浄集塵装置、濾過集塵装置、電気集塵装置等に分
けられるが、特に都市ゴミ焼却炉、産業廃棄物焼却炉な
では環境対策や性能の面でろ過集塵装置としてバグフィ
ルタ−が使用されている。バグフィルタ−はダイオキシ
ンの再合成を抑制できる200℃以下にて高度な集塵機
能を有する設備として使用が増してきている。
【0003】バグフィルターに用いられるろ布は、織物
やフェルトとして用いられている。濾布に要求される特
性は、排ガスの温度、化学的性質、量、さらに集塵装
置、バグフィルター構造、形状及び操業条件等によって
大きく異なるが、素材としては天然素材も含めた繊維か
ら適宜選ばれる。しかし最近は、機械的性質、化学的性
質、熱的特性及び廃棄処理が容易などの面ですぐれた耐
熱性合成繊維が多く用いられている。このような合成繊
維としては、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリエステ
ル系繊維、ポリアミド系繊維等が一般的に用いられてい
る。更に、耐熱性、耐薬品性等を向上させるためにポリ
フェニレンサルファイド系繊維、ポリイミド系繊維、ア
ラミド系繊維、フッ素系繊維等も多く使用されるように
なってきている。
【0004】さらに、一般にバグフィルター方式の集塵
装置ではバグフィルターに付着した煤塵を、機械的振動
や逆気流方式の間欠的払い落とし装置を使用して払い落
とす事により、フィルターの使用期間を延長し、且つ高
い捕集効率を得ている。このための濾布(フェルト)と
しては、集塵性、通気性とともに、ダスト剥離性さら
に、強度、耐久性、耐磨耗性、寸法安定性及び耐熱性等
が必要となる。
【0005】このような濾布として短繊維をニードルパ
ンチ方式で絡合したフェルトは、前記の集塵性、通気性
にすぐれ、更にカレンダー処理等によりダスト剥離性も
良好になるが、引裂強度や磨耗性等の機械的性質に問題
があるので、スクリムと称する織物に短繊維を絡み合わ
せたフェルトを使用することが一般的に行われている。
しかし濾布に要求されるこれらの性質を同時に満足でき
るフェルトはなかった。更に、引裂強度や磨耗性等を良
くするためにフェルトに対するスクリムの重量比率を大
きくすると、フェルト価格が高くなる等の問題もあっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のバグフィルター用フェルトの問題点、特に都市ゴ
ミ、産業廃棄物等の焼却炉のように150℃以上の高温
下で連続運転され、且つ強酸性成分、強アルカリ性成分
等を含む排ガスを濾過するバグフィルターに必要とされ
る、寸法安定性(特に縦方向の伸び)、耐熱安定性(収
縮小、強度劣化小)、濾過性能、耐薬品性、経済性など
を同時に満足し、且つ耐久性にもすぐれたフェルトを提
供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目標を
達成するために次のような手段を採用する。すなわち本
発明のバグフィルター用フェルトは、フェルトの物性が
各々240℃での経方向伸度≦20%以下、経方向伸度
/緯方向伸度 ≦1.0、破裂強度≧20kgfを満足
し、且つ該フェルトは90%以上がフッ素系長繊維から
なるスクリムと、90%以上がフッ素系繊維からなる短
繊維を絡み合わせたことを特徴とするものであり、さら
に該フェルトの目付が500g/m2以上、フェルトの
破裂強力が30kgf以上であり、さらに該フェルトの
スクリムの重量比が20%以下であることを特徴とする
ものである。
【0008】以下本発明を詳述する。本発明は、前記従
来のバグフィルター用フェルトの問題点に鑑み、フェル
トを構成するスクリム、短繊維とも90%以上がフッ素
系繊維からなり、且つ実機に近い240℃での物性を特
定範囲にすることにより、かかる目的を容易に達成しう
ることを見出したのである。
【0009】まず本発明のバグフィルター用フェルト
は、フェルトの熱収縮、強力(耐久性含めて)、クリー
プ特性などの物性を大きく左右するスクリムを構成する
素材の選定が重要であり、耐熱安定性、強力の面から9
0%以上がフッ素系長繊維からなることが必須であり、
さらに濾過層の耐熱性、耐薬品性、耐久性等を持たせる
ためにスクリムに組み合わせる短繊維も、90%以上が
フッ素系繊維からなることが必須である。通常都市ゴミ
焼却炉はダイオキシン対策の面で前述のように200℃
以下での濾過が好ましく、基本的にはこの条件が守られ
るが、運転開始時、停止時及び突発的トラブル発生時等
の際には一時的にしても、更に高温、過酷な条件に曝さ
れる事がある。また、間欠運転の運転停止時の保温温度
が低い場合には結露の影響を受けたり、ゴミの種類など
によっては強酸化性の有害ガスが発生するなどの問題が
ある。このためこれまで多く使用されてきた、ガラス繊
維、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリエステル系繊
維、ポリアミド系繊維、ポリフェニレンサルファイド系
繊維、ポリイミド系繊維、アラミド系繊維では耐熱性、
耐薬品性等の面で不十分であり、これらの特性にすぐれ
たフッ素系繊維に限定される。
【0010】更に、本フェルトのスクリムに使用される
フッ素系長繊維の強度、伸度、熱収縮率等の物性は、ス
クリムの組織、構成、スクリムと短繊維の重量比率、短
繊維の物性、絡合度及びバグフィルターの構造、形状に
よって異なる。本発明では、バグフィルター用ろ布が実
際に使用される高温下での物性を規定することにより各
種特性に優れたバグフィルタ−用フェルトを得るもので
ある。例えば、スクリムに用いるフッ素系長繊維は24
0℃での糸強度4.5cN/tex以上、伸度10.0
%以下、熱収縮率4.0%以下であることが好ましい。
更に短繊維はフェルトの強度、伸度には余り影響しない
が、熱収縮が大きいとフェルトが収縮して、ファイバー
密度が大きくなって通気度が低下したり、寸法変化によ
りダスト払い落とし性が悪くなったりする。ゆえに、2
40℃の熱収縮率はより好ましくは2.0%以下が好ま
しい。尚、これより熱収縮率の大きい素材を使用する場
合は、スクリム 又は短繊維を絡合したフェルトを、フ
ェルトの通気度が熱収縮後であっても充分確保できる構
成にして、所定温度で熱処理及びカレンダー処理してフ
ェルト伸度≦20%、240℃フェルト乾熱収縮率2%
以下としてもよい。
【0011】本発明に使用されるフッ素系短繊維として
は、所要の物性を有する90%以上がフッ素原子を主鎖
又は側鎖に一個以上有する繊維であればよいが、フッ素
原子の比率の高いものほど好ましい。特にポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)繊維が好ましい。スクリム
用長繊維及び濾過層用短繊維には、必要に応じてポリイ
ミド系繊維、アラミド系繊維等の他の繊維を複合、混合
してもよいが、少なくともフッ素系繊維が90%(重量
比)以上でないとフッ素系繊維のすぐれた耐熱性、耐薬
品性、耐久性等を阻害するのでそれ以下のものは本発明
からは除外される。このためフッ素系繊維は例えばポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)繊維で前記の物性
が得られるように重合・製糸条件を選択すればよいが、
例えばレンチング社製プロフィレンで上記の特性を満足
するものを採用してもよい。
【0012】次に、本フェルトの240℃での経伸度は
20%以下でなければならない。240℃というのはこ
れまでに詳述したように、通常の都市ゴミ焼却炉の排ガ
ス集塵機はダイオキシン対策もあって200℃以下で運
転されているが、運転開始時や停止時さらに突発的な異
常時に高温の排ガスに曝されてもバグフィルターに大き
な損傷を与えないように、安全を見込んで採用した試験
条件である。ここでいう経方向とはフェルトのマシン方
向で、実際のバグフィルターにおいても自重やリテーナ
ー荷重、ダスト荷重の負荷がかかるバグフィルターのつ
り下げ方向と一致する。240℃での経伸度は240℃
の雰囲気下でJIS1096に準じて測定される。ここ
で、240℃に於ける経伸度が20%以上のフェルトは
使用時に経時的に伸びて、弛み、皺も発生してフィルタ
ーとしての性能が低下する、さらに集塵ダスト振り落と
しのためのパルスジェットや振動を与えても剥離性が悪
くなるなどの問題も生ずる。更に、過度の振動、パルス
ジェットによるフェルトの損傷も生じやすいという問題
もあり本発明では伸度20%を越えるものは除外される
のであり、更に好ましくは寸法安定性、性能保持、耐久
性等の面で18%以下である。
【0013】次に、本フェルトの240℃での経伸度/
緯伸度は1.0以下でなければならない。経方向(バグ
フィルターフェルト地の吊り下げ方向)に比較して緯方
向には荷重はろ過による負荷しかかからないので伸度の
影響はあまり大きくなく、スクリム組織、糸物性、短繊
維の配向方向、スクリムもしくはフェルトの後熱処理等
で調整する。例えば、スクリムの経糸の伸度を緯糸の伸
度より小さくする、経糸の張力を高くして製織する、ス
クリムもしくはフェルトを熱処理する際経糸方向の張力
>緯糸方向張力とする、短繊維の配列(配向)を経方向
を多くする、後熱処理、カレンダー処理等の際経方向の
張力>緯方向の張力とする等の対策をとって所要の物性
にする。
【0014】次に、本フェルトの240℃での破裂強度
は20Kgf以上でなければならない。破裂強度は上記
の伸度と同じように240℃の雰囲気下でJIS109
6に準じて測定される。フェルトの破裂強度はバグフィ
ルターの耐久性に大きく影響するので、高いほうが好ま
しく耐久性等の面では20Kgf以上、さらに用途によ
っては30Kgf以上が必要である。しかし破裂強度を
高くしようとすると、スクリムの重量比率を高くした
り、糸強度の高いスクリム(高強度のスクリム)を使用
する等でいずれも価格アップにつながるので必要最小限
ににすべきである。このためにも本発明の経伸度、経伸
度/緯伸度の比率を満足するフェルトであることが重要
である。
【0015】次に、本フェルトの目付は500g/m2
以上である。フェルトの目付は通気度、濾過速度、濾過
効率等のフェルトの性能を決める一つのファクターであ
る。目付が重すぎると同一表面積のバグフィルター重量
が重くなり、価格と共にフェルトの経時的な寸法変化、
特に伸長(クリープ)が生じやすく好ましくないが、環
境基準の強化対策として濾過性能を高くするためには、
目付を高くすることが必要であり本発明のフェルトは5
00g/m2以上に限定される。更に好ましくは550
g/m2以上であるが、上述のように重くすると別の問
題も生じるので要求性能に応じて必要な目付を設定す
る。
【0016】次に、本フェルトは長繊維織物からなるス
クリムとそれに重ね合せ絡合された短繊維からなってい
るがそのスクリムの重量比率(スクリム重量/フェルト
地重量)は20%以下である。前述のようにフェルトの
強伸度、熱収縮率、クリープ特性などはほとんどスクリ
ム物性及びスクリムの重量比率によって決まり、スクリ
ムの重量比率が高いほうが好ましいが、一方同一重量の
濾布の濾過効率は短繊維比率の高い方がよい。さらにス
クリム重量比率が高いとフェルトの価格が高くなるとい
う問題も生じる。本発明では上記のフェルトの物性を確
保し、なお且つスクリム重量比率を20%以下とするこ
とにより、捕集効率が良好で、耐久性、コストパフォー
マンスにすぐれたフェルトが得られるのである。このた
めには、スクリム重量比率は20%以下、更に好ましく
は18%以下がよいが、フェルト地の特性、耐久性等に
より決定すればよい。
【0017】次に、本フェルトのスクリムはモノフィラ
メントを撚糸したものを経糸/緯糸に使用したものであ
る。本発明のようにモノフィラメント糸つかいのものは
マルチフィラメント糸つかいに比較して、短繊維をニー
ドルで絡合する際に、フィラメントへの損傷を少なくし
うるので、スクリム重量比率を下げてもフェルトの特性
を確保できるのである。
【0018】更に、本発明のフェルト地の240℃の収
縮率(経方向、緯方向)は2.0%以下が好ましい。収
縮率が高いとバグフィルターの寸法変化による目詰ま
り、濾過特性の劣化、フェルト地の強度低下、経時変化
大・・等の問題が発生しやすいので好ましくない。
【0019】次に主な濾過層である短繊維は繊維径0.
01〜100μm 、更に好ましくは0.1〜20μm で
ある。繊度が細いほうが繊維の表面積(濾過面の表面
積)が大きくなり、ダストの捕集効率がよくなる。ま
た、必要に応じて異繊度の短繊維を複合してもよい。更
に繊維断面を異形にしても繊維の表面積は大きくなり同
様の効果が得られるが、何れもコストが高くなる方向な
ので必要に応じて適宜採用される。
【0020】フェルトの見掛けの空隙率は40〜90
%、更に好ましくは50〜80%である。40%未満で
は圧力損失が大きく、目詰まりも早くダスト払い落とし
周期も短くなる。逆に90%を越えるとダストが空隙に
入り込み濾過効率を著しく低下させるので何れも好まし
くない。ここで見掛け空隙率は次式により求める。バグ
フィルター用フェルトを2.5cm×10cmにカットし、
60g/cm2の荷重下のダイヤルゲージで厚さt(cm)とサ
ンプル重量w(g) を測定する。また、繊維の比重ρから
見掛けの空隙率εを次式で求める。 ε= {1−(w/2.5×10×t×ρ)}×100
【0021】本発明のバグフィルター用フェルトは、支
持層としての長繊維からなるスクリムと、短繊維からな
る濾過層から構成されているが、短繊維のフェルト成形
は、短繊維をカードウエブ等により積層したあとニード
ルパンチング法やウオーターパンチング法で絡合できる
が本発明ではいずれでも構わない。短繊維のスクリムへ
の積層方法も特に限定はないが、経方向への配向度をあ
げるためには、例えばカードウェブの供給速度とスクリ
ムの移動速度を調整する事などによって変更できる。ま
た、ダスト剥離性を向上させるために表面を平滑化する
ために、短繊維を収縮させて緻密化する方法、さらに加
熱ローラーに接触プレスするカレンダー仕上げ、表面シ
ャーリング、毛焼きなども適用できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、本発明はこれらの実施例に制約される
ものではない。本実施例で用いる物性は下記の方法で測
定したものである。
【0023】目付はJIS1096 6.4単位面積当
たりの質量で表す。20cm×20cm の試料を3枚採
り、それぞれの絶乾質量W' を測定し、次式で求める。 目付(g/m2)=W’×(1+R/100)×1/A ここで W’:絶乾質量 (g) R :公定水分率 (%) A :試験片の面積(m2
【0024】通気度はテクノワールド社製高圧型通気度
試験器を使用してn=3で測定、その平均値で表す(測
定圧:142Pa)。
【0025】ろ過性評価は、図1のような東洋紡績株式
会社製フィルターバグ用ろ過試験機にて評価した。ダス
トはフライアッシュ10種を用い、ろ過面積0.04(m
2)、流量0.012(m3/min)、ろ過速度3(m/min)、ダ
スト濃度15(g/m3)にて、パルスジェット払い落としを
パルス圧3(kgf/cm2)、噴射時間100msにて300回行
った。300回までの時間を測定し、次式よりトータルの粉塵
保持量を測定した。ろ過面積0.04(m2)あたりの粉塵
保持量W1は W1(g)=粉塵濃度15(g/m3)×流量0.012(m3/min)×300回
までの時間(min) そして、ろ布を通過したダストの吹き漏れ量W2(g)は粉
塵濃度計(柴田科学社製/粉塵濃度計)にて測定した。
以上の粉塵保持量W1と吹き漏れ量W2から次式により捕
集効率を計算した。 捕集効率(%)={(W1−W2)×100}/W1
【0026】フェルト伸度の測定はJIS1096カッ
トストリップ法に準拠して240℃の乾熱雰囲気下で測
定する。サンプルはチッヤクに挟みこのままの状態で24
0℃にて10分放置し、その後そのまま引張試験を行っ
た。 試験片幅 5cm、つかみ10(cm)、引張速度1
0(cm/min)、N=3の平均で表す。経方向、緯方向とも
試料調整方向が異なるだけで他の方法は同じである。破
裂強度の測定もJIS1096 6.16.2(定速伸
長形法)で測定し、N=5の平均で表す。破裂強度比率
は240℃の雰囲気中にバグフィルター用フェルトを無
緊張状態で24時間放置後同様の方法で破裂強度を測定
し、未熱処理時の破裂強度との比率で表す。
【0027】(実施例1〜4)バグフィルター用フェル
トは一般的な不織布加工工程により作成した。フェルト
として用いた短繊維は平均繊度2.7dtex(平均繊維径
12.6μm)、平均繊維長60mmのレンチング社製プ
ロフィレンステープルファイバー タイプ803/60
を使用して、支持層には同じく400デニールのPTF
Eモノフィラメント繊維(レンチング社製プロフィレン
を400回/mS撚糸したものを平織にして用いた。ま
ず、短繊維を混打綿機で予備開繊しローラーカードに
て、開繊、繊維配列を行ったあと、クロスレイヤーによ
りウエブを積層し、プレニーパン、仕上げパンチをして
濾過層を形成し、この濾過層を上記支持層上下に積層し
てさらにニードルパンチ工程により一体化させフェルト
を得た。このフェルトを経方向の収縮<緯方向の収縮の
条件で320℃で熱風処理した。次いで、200℃35
Kg/cm2の熱カレンダーロールでプレスし、厚さ、見掛け
空隙率を調整し表1のバグフィルター用フェルトを得
た。
【0028】(比較例1〜3)実施例と同様の方法で、
スクリムとして実施例のPTFE繊維とPPS繊維(東
洋紡プロコン450テ゛ニール120フィラメント)を表1の混率
になるよう経糸、緯糸に用い平織にて使用。フェルトの
短繊維にも同じように実施例のPTFE繊維にPPS繊
維(東洋紡(株)製プロコン2デニール、51mm、丸断
面)を表1の混率になるように合わせて実施例と同じ工
程でバグフィルター用フェルトを得た。
【0029】実施例1〜3のバグフィルター用フェルト
は本発明のもので破裂強度の低下率も問題なく、補集効
率、コストも含め良好であった。実施例4は、スクリム
の重量比が高く物性の面では問題無かったが、全体とし
て重くなり、さらに性能に比較して価格が高すぎるとい
う点で若干問題があった。
【0030】比較例1はフッ素繊維の使用比率が低いた
めに、240℃下での経伸度が非常に大きく、破裂強度
比率が小さいため実使用に適さない。
【0031】比較例2は経伸度が大きいために比較例1
と同様に破裂強度の低下が大きく、経伸度/緯伸度も大
きくこの傾向がさらに大きくなった。
【0032】比較例3は、空隙率は多少大きいが、厚み
が薄く、3(m/min)での評価では、フェルトを通過する
吹き漏れ量は最も大きく、その結果捕集効率も最も小さ
いものとなっており、更に破裂強度も小さいものとなっ
ている。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、高温下で用いるバグフ
ィルター用フェルトにおいて、高温下での強力や破裂強
力に優れ、さらに耐薬品性やろ過特性にも優れるバグフ
ィルター用フェルトを提供することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルターバグ用ろ過試験機の概略図。
【符号の説明】
1:スクリュウフィーダー、2:フライアッシュ10
種、3:オーバーフローフィルター、4:テストサンプ
ル、5:パルスエアー、6:粉塵濃度計、7:排気ダス
トトラップ用フィルター、8:流量計、9:吸引ポン
プ、10:ガスメーター、11:排気、12:ダスト吸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェルトの物性が下記の範囲にあり、且つ
    該フェルトは90%以上がフッ素系長繊維からなるスク
    リムと、90%以上がフッ素系繊維からなる短繊維を絡
    み合わせたことを特徴とする耐久性にすぐれたバグフィ
    ルター用フェルト。 240℃での経方向伸度≦20% 240℃での経方向伸度/緯方向伸度≦1.0 240℃での破裂強度≧20kgf
  2. 【請求項2】フェルトの目付が500g/m2以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の耐久性にすぐれたバ
    グフィルター用フェルト。
  3. 【請求項3】フェルトの破裂強度が30Kgf以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の耐久性にすぐれたバ
    グフィルター用フェルト。
  4. 【請求項4】フェルトのスクリムの重量比が20%以下
    であることを特徴とする請求項1記載の耐久性にすぐれ
    たバグフィルター用フェルト。
  5. 【請求項5】フェルトのスクリムがモノフィラメントを
    撚糸したものであることを特徴とする請求項1記載の耐
    久性にすぐれたバグフィルター用フェルト。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007105645A (ja) * 2005-10-14 2007-04-26 Hitachi Appliances Inc 空気調和機用プレフィルターおよびそれを用いた空気調和機

Cited By (2)

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JP4636990B2 (ja) * 2005-10-14 2011-02-23 日立アプライアンス株式会社 空気調和機用プレフィルターおよびそれを用いた空気調和機

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