JP2003115410A - 磁心および磁場遮蔽部材、並びにこれらを用いた電子写真装置 - Google Patents

磁心および磁場遮蔽部材、並びにこれらを用いた電子写真装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストでかつ容易に、インダクタンスを設
定することができる磁心、および電磁界漏洩を効率的に
抑制することができる磁場遮蔽部材を提供すること、お
よび、定着あるいは転写定着に電磁誘導加熱方式を採用
した電子写真装置において、より一層の省エネルギー化
を達成し得ると共に、装置の設計に当たっての自由度を
拡張し、かつ、磁場発生手段からの磁場の漏洩を効果的
に遮蔽し得る電子写真装置を提供する。 【解決手段】 発生磁場の電磁気特性に作用する磁気
材料として、磁性粒子14の集合体からなり、かつ、磁
性粒子14の粒子状態が維持されたまま容器12に充填
されて構成されることを特徴とする磁心、磁場発生手
段より発生する磁場を遮蔽する磁場遮蔽部材であって、
磁性粒子の集合体からなり、かつ、該磁性粒子の粒子状
態が維持されたまま容器に充填されて構成されることを
特徴とする磁場遮蔽部材、およびこれらを用いた電子写
真装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁心および磁場遮
蔽部材、並びにこれらを用いた電子写真装置に関し、特
に、磁性体を設置して電磁気特性を生じせしめるコイル
又はトランスなどのインダクタンス素子に用いて好適な
磁心および磁場遮蔽部材、並びにこれらを用いた電子写
真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インダクタンス素子であるコイルやトラ
ンスは、インダクタンスを有する部品として、電子機器
や電化製品の重要な部品の一つである。近年、携帯電話
やPHS、携帯用のコンピュータ等の電子機器は高性能
化・小型化・低コスト化される傾向にあり、それらに用い
られる部品であるコイルやトランスにおいても、高性能
化、小型化、そして低コスト化が要求されている。
【0003】コイルやトランスの大きさや性能・コスト
の多くは、これらに用いられている磁心(コア)により
決定される。磁心材料として、実効透磁率が大きいもの
を用いると、コイルやトランスの自己インダクタンスや
相互インダクタンスを大きくすることができ、部品の小
型化を実現することができる。また、コイルやトランス
において、インダクタンスのQ値で表されるような損失
量は、コイルやトランスのエネルギー効率に直接関与す
るパラメータであり、Q値が大きいもの、すなわち、損
失量が小さいものが良好な性能のものとされている。
【0004】コイルやトランスの磁心材料としては、従
来より、けい素鋼板やフェライト焼結体が用いられてい
る。一般に、けい素鋼板のような金属材料は、導電性が
大きいため変化する磁束中に定位させると、渦電流が生
じて発熱する、所謂渦電流損失が生じる。このため、金
属材料を磁心として用いるためには、金属材料を薄く形
成したけい素鋼板を何枚も重ねた構造に磁心を形成する
ことで渦電流損失を防いでいた。
【0005】このような、けい素鋼板は、高周波数帯域
において損失が増大する。このため、高周波数帯域で
は、けい素鋼板に代えて金属酸化物材料であるフェライ
ト焼結体が用いられていた。
【0006】しかしながら、フェライト焼結体は、所望
の形状に加工することが容易ではなく、柔軟性にも乏し
く高価であるといった欠点があった。そこで、フェライ
ト粒子を樹脂中に分散させた複合材料を用いることが提
案された。この複合材料は、柔軟性があり、損失も比較
的小さい材料として提供できるが、透磁率が小さいため
に、磁心の材料としては満足のいくものではなかった。
【0007】また、コイルやトランスの磁心は、複数の
部分、例えば、E型コアとI型コアとを繋ぎ合わせて1
つの磁心を形成している場合がある。この場合、ほんの
僅かなギャップが存在しても、磁気回路は大きく切断さ
れていることに匹敵する。これは、ギャップが存在する
ことで、磁心の磁気特性を悪化させると共に、磁界の漏
れが生じることで、不要電磁界漏洩の原因となってい
た。コイル又はトランスが設備されている電気製品は多
種多様であるが、最近では多種多様な電気製品を設計す
るときに、このような電気製品から漏洩する磁束による
人体に対する影響を考慮する必要性が生じている。
【0008】ところで、画像形成技術として、印刷速度
が速く、印刷版をその都度用意する必要が無いことから
簡便であり、種々の画像情報から直接画像を得ることが
でき、装置も比較的小型であり、フルカラー化も容易で
あること等、数多くのメリットを有することから、電子
写真方式が広く普及している。
【0009】電子写真方式を採用した画像形成装置(電
子写真装置)は、一般的に、潜像担持体表面に静電潜像
を形成し、帯電されたトナーを前記潜像担持体表面に接
触させることで選択的にトナーを付着させてトナー画像
を形成し、これを中間転写体を介してあるいは介さずに
被記録媒体に転写して、次いで熱および/または圧力等
により前記トナーを被記録媒体表面に定着せしめること
で、画像を得るものである。
【0010】かかる電子写真装置において、通常定着に
は、加熱ロールと加圧ロールとが当接してなる定着装置
が用いられ、両者が当接して形成されるニップ部に未定
着トナー画像が形成された被記録媒体を挿通すること
で、熱および圧力によりトナーを溶融し被記録媒体に永
久画像として定着せしめている。加熱ロールおよび/ま
たは加圧ロールに代えて、エンドレスベルト状の加熱部
材、加圧部材を用いることもある。加熱ロールは、内部
にハロゲンランプ等の熱源を有する金属性のコアに、弾
性層や離型層を設けてなるものであり、前記熱源により
内部から加熱ロール表面を加熱するものである。
【0011】定着装置においては、省エネルギーの観点
や、画像形成装置の使用時にユーザーを待たせないよう
にする等の観点から、加熱ロール等の加熱部材を瞬時に
加熱することができ、待ち時間(ウォームアップタイ
ム)をできる限り少なくすることが望まれている。しか
し、ハロゲンランプ等の熱源を内部に有する加熱ロール
を採用した定着装置では、ハロゲンランプ自身の加熱に
ある程度時間を有すること、加熱ロールの内部から加熱
することになるため表面に熱が伝わるまで時間がかかる
こと、加熱ロールのコアとして、どうしてもある程度熱
容量の大きなものを選択せざるを得ないため、全体を加
熱するのに時間がかかること、等の理由からウォームア
ップタイムを短縮するのには、限界がある。また、熱源
にハロゲンランプを使用すると、当該ハロゲンランプの
ON・OFF時に、通電電流が過渡的に流れる、いわゆ
るフリッカー現象が生ずるという問題点も有している。
【0012】そこで、近年、定着装置において使用され
る加熱手段として、ハロゲンランプ等の熱源に代わり、
電磁誘導加熱方式を利用したものが検討されている(特
開2000−242108号公報等)。当該方式は、導
電性層を有する加熱部材に、磁場発生手段によって発生
させた磁界を作用させることで、電磁誘導作用により加
熱部材の加熱を行う方式であり、前記フリッカーの問題
が無く、加熱対象のみを瞬時に加熱することができるの
で、ウォームアップタイムの短縮を図ることができる。
【0013】かかる電磁誘導加熱方式は、加熱部材とし
て、加熱ロールや加圧ロール等ロール状のものでも、こ
れらの何れかあるいは双方をエンドレスベルト状に代え
たものの何れの部材にも適用することができる。ロール
状のものの場合、定着に寄与する表面近傍のみ加熱すれ
ばよく、コアを加熱する必要がないため、省エネルギー
を達成することができる。一方、エンドレスベルト状の
ものの場合、厚みが薄いため熱容量も小さく、より一層
高い次元での省エネルギー化を達成することができる。
【0014】電子写真装置においては、以上説明したよ
うな、潜像担持体や中間転写体から未定着トナー画像が
転写された被記録媒体を、別途定着装置により定着せし
める方式(以下、単に「転写定着独立方式」という場合
がある。)の他、中間転写体に形成された未定着トナー
画像を加熱させつつ被記録媒体に当接させ、圧力を加え
ることで、転写と定着とを同時に行う転写定着同時方式
がある(特開昭49−78559号公報等)。当該方式
においても、転写定着独立方式と同様の理由から、転写
定着に際し、電磁誘導加熱方式を採用することが提案さ
れている(特開平8−76620号公報、特開2000
−188177号公報、特開2000−268952号
公報等)。
【0015】以上のように、電子写真装置において、電
磁誘導加熱方式の採用が検討されているが、当該方式に
おいては、加熱のための主要構成として磁場発生手段が
含まれる。したがって、かかる電子写真装置における磁
場発生手段においても勿論、渦電流損失を抑制すること
により、低コストでより一層の省エネルギー化を達成す
ることが望まれている。また、近年、電子写真装置の小
型化が進んでおり、定着あるいは転写定着に電磁誘導加
熱方式を採用した電子写真装置においては、磁心の形状
の自由度を高め、装置の設計に当たっての自由度を拡張
すること、さらには、一層の小型化を図ることが望まれ
ている。
【0016】さらに、電子写真装置は、オフィス等に設
置されるものであるため、近接されて設置される各種機
器に影響を与えないようにするため、また、人体への磁
場の影響も近年叫ばれていることから、磁場発生手段か
らの磁場の漏洩を防ぐことが望まれていた。そのため、
磁場発生手段の周辺に設ける磁場遮蔽部材として、磁場
発生手段からの磁場をより一層効果的に遮蔽し得るもの
を採用することが望まれる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を
考慮して、コイルやトランスに設置することにより、低
コストでかつ容易に、インダクタンスを設定することが
できる磁心、および電磁界漏洩を効率的に抑制すること
ができる磁場遮蔽部材を提供することを目的とする。
【0018】また、本発明の他の目的は、定着あるいは
転写定着に電磁誘導加熱方式を採用した電子写真装置に
おいて、磁場発生手段に渦電流損失が抑制され、かつ、
形状の自由度が高い磁心を用いることで、低コストでよ
り一層の省エネルギー化を達成し得ると共に、装置の設
計に当たっての自由度を拡張し得る、さらには、一層の
小型化を図り得る電子写真装置を提供することを目的と
する。さらに、本発明の他の目的は、定着あるいは転写
定着に電磁誘導加熱方式を採用した電子写真装置におい
て、磁場発生手段からの磁場の漏洩を効果的に遮蔽し得
る電子写真装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、コイル又はトランスなどのインダクタンス
素子を構成する磁心やインダクタンス素子に作用する磁
性材料の一部に、磁性体の粒子(磁性粒子)の集合体を
用いて、コイル又はトランスの電磁気特性の改善および
電磁界漏洩の抑制を実現するものである。
【0020】詳細には、本発明の磁心は、磁場発生手段
の少なくとも一部に関係するために設けられ、発生磁場
の電磁気特性に作用する磁気材料として、磁性粒子の集
合体からなり、かつ、該磁性粒子の粒子状態が維持され
たまま容器に充填されて構成されることを特徴とする。
【0021】磁心を構成する磁性材料として、磁性粒子
の集合体からなり、かつ、該磁性粒子の粒子状態が維持
されたまま容器に充填されて構成されることによって、
容器の形状を適宜選択することのみで、磁心の形状を自
由に設定でき、容易に所望する形状の磁心を製造するこ
とができる。
【0022】また、本発明の磁心は、磁心材料に磁性粒
子を採用し、かつ磁性材料が粒子状態のまま維持されて
いるので、磁心に渦電流が生じることを解消することが
できる。このため、渦電流により発熱する損失を解消す
ることができる。
【0023】磁性粒子の粒子状態を維持するにあたって
は、用いる磁性粒子の集合体全体としての形状を維持す
ることが好ましい。このため、容器を用いてその容器に
磁性粒子を充填することで、粒子状態を維持しつつ用い
る磁性粒子の集合体全体としての形状を維持することが
できる。
【0024】前記磁場発生手段は、コイルまたはトラン
スなどのインダクタンス素子を採用することができる。
磁場を発生せしめる素子には、コイルまたはトランスな
どのインダクタンス素子が多く、磁心を自由な形状に設
定することにより、このインダクタンス素子の形状を自
由に設計することが可能となる。
【0025】前記磁性粒子は、鉄粉、フェライト粉末、
およびマグネタイト粉末の少なくとも1つの粉末で構成
することができる。磁性粒子は、粒子状態を維持できれ
ばよく、その種類に限定されない。鉄粉、フェライト粉
末、およびマグネタイト粉末の少なくとも1つの粉末、
すなわち、単一の磁性粒子や複数の磁性粒子の組み合わ
せによる磁性粒子を採用すれば、磁性粒子としての特性
を自在に設定することができる。
【0026】また、前記容器は、前記磁性粒子に作用す
る電磁気によって生じる温度特性に応じた形状を採用す
ることができる。
【0027】磁性材料は、その磁性材料を通過する電磁
気によって生じる熱を利用する場合がある。例えば、画
像形成装置における定着装置などの熱エネルギー源に利
用される場合がある。この場合、生じる熱の特性すなわ
ち温度特性を有する場合には、その温度特性に見合った
特性の磁心を形成することが好ましい。そこで、磁性粒
子の形状を、生じる温度特性に応じた形状とすること
で、発生する温度を考慮した磁心を形成することが可能
となる。
【0028】前記容器としては、非磁性材料からなるも
のとすることができる。非磁性材料からなる容器を採用
することで、当該容器は電磁気特性に影響を与えず、充
填される磁性粒子の集合体や必要に応じて収納される調
整素子の特性を最適化することで所望の磁心を得ること
ができる。
【0029】前記容器には、前記磁性粒子の出し入れが
可能で、かつ、密封可能な蓋が設けられていることが好
ましい。前記容器に、前記磁性粒子の出し入れが可能
で、かつ、密封可能な蓋が設けられることで、前記磁性
粒子あるいは前記容器が使用により劣化した場合に、こ
れらを別々に交換することができ、リサイクル性に優れ
たものとなる。
【0030】前記容器には、前記磁性粒子とともに、該
磁性粒子の充填量を調整するための調整素子を収納する
ことができる。磁性粒子は、粒子状態であるため、形状
変更が容易である。容器に収容するために用いる量によ
っては、余剰空間が生じる場合がある。この余剰空間に
見合う容量の調整素子を収納すれば、一定した容量の容
器を用いて、収容する磁性粒子の量を調整することがで
きる。また、調整素子の形状を変更することで、容器内
における磁性粒子の分布を適宜制御することが可能とな
る。
【0031】このとき、前記調整素子は、固形状態の磁
性体でも構成することができる。また、固形状態で、か
つ非磁性材料からなるものであっても構成することがで
きる。
【0032】磁心として、磁性粒子のみを用いて構成す
ることも可能であるが、予め定められた特性の固形状態
の磁性体が存在するとき、その磁性体に対して調整する
ために本発明における磁性粒子を用いることも可能であ
る。
【0033】他の本発明の磁場遮蔽部材は、磁場を発生
する磁場発生手段の周辺に設けられ、かつ該磁場発生手
段より発生する磁場を遮蔽する磁場遮蔽部材であって、
磁性粒子の集合体からなり、かつ、該磁性粒子の粒子状
態が維持されたまま容器に充填されて構成されることを
特徴とする。
【0034】コイルやトランスなどのインダクタンス素
子は、外部へ磁場を漏洩する場合がある。この外部へ漏
洩する磁場は、インダクタンス素子の形状や設置場所に
よって変化する。このため、磁場遮蔽部材を磁性粒子の
集合体で構成することで、効率的に磁場発生手段より発
生する磁場を遮蔽することができる。
【0035】前記磁場発生手段としては、コイルまたは
トランスが好適である。また、本発明の磁場遮蔽部材に
おける磁性粒子は、鉄粉、フェライト粉末、およびマグ
ネタイト粉末の少なくとも1種の粉末であることが好ま
しい。
【0036】前記容器には、前記磁性粒子の出し入れが
可能で、かつ、密封可能な蓋が設けられていることが好
ましい。前記容器に、前記磁性粒子の出し入れが可能
で、かつ、密封可能な蓋が設けられることで、前記磁性
粒子あるいは前記容器が使用により劣化した場合に、こ
れらを別々に交換することができ、リサイクル性に優れ
たものとなる。
【0037】一方、本発明の磁心および/または磁場遮
蔽部材は、定着あるいは転写定着に電磁誘導加熱方式を
採用した電子写真装置に、好適に使用することができ
る。採用に好適な電子写真装置の具体的な構成は、以下
に示すおよびの態様である。
【0038】 被記録媒体表面に、電子写真方式によ
り未定着トナー画像を形成する画像形成手段と、定着用
回転体、および、該定着用回転体に当接してニップ部を
形成する加圧用回転体からなり、未定着トナー画像が形
成された面が定着用回転体に接するように前記被記録媒
体を前記ニップ部に挿通することで、該被記録媒体表面
にトナー画像を定着する定着手段と、を含む電子写真装
置であって、前記定着用回転体および/または加圧用回
転体における周面近傍に、導電性層が形成されており、
該導電性層が形成された前記定着用回転体および/また
は加圧用回転体に近接して磁場発生手段が配されてなる
電子写真装置。
【0039】この場合には、前記磁場発生手段におい
て、本発明の磁心を好適に使用することができる。ま
た、前記磁場発生手段から発生する磁場のうち、前記導
電性層に影響を与えない漏洩磁場の少なくとも一部を遮
蔽するために、本発明の磁場遮蔽部材を、前記磁場発生
手段の周辺に設けることも好ましい。勿論、前記磁場発
生手段において本発明の磁心を使用し、さらに本発明の
磁場遮蔽部材を、前記磁場発生手段の周辺に設けること
も好ましい態様である。前記定着用回転体および加圧用
回転体としては、ロール状、エンドレスベルト状から任
意に選ばれる何れの組合せであってもよい。
【0040】 像担持回転体と、該像担持回転体の周
面に、電子写真方式により未定着トナー画像を形成する
画像形成手段と、該加熱部材に前記像担持回転体を介し
て対向配置され、前記像担持回転体との間にニップ部を
形成する加圧部材と、からなり、さらに必要に応じて、
前記像担持回転体に周内で当接し、該像担持回転体を加
熱する加熱部材を有し、前記ニップ部に被記録媒体を挿
通させて、熱および圧力により前記被記録媒体表面にト
ナー画像を転写定着する電子写真装置であって、前記像
担持回転体における周面近傍に、および/または、前記
加熱部材における前記中間転写回転体との当接部近傍
に、導電性層が形成されており、前記像担持回転体に導
電性層が形成されている場合には、該像担持回転体の前
記ニップ部乃至その上流であって、該像担持回転体に近
接して、前記加熱部材に導電性層が形成されている場合
には、該加熱部材に近接して、磁場発生手段が配されて
なる電子写真装置。
【0041】この場合にも、前記磁場発生手段におい
て、本発明の磁心を好適に使用することができる。ま
た、前記磁場発生手段から発生する磁場のうち、前記導
電性層に影響を与えない漏洩磁場の少なくとも一部を遮
蔽するために、本発明の磁場遮蔽部材を、前記磁場発生
手段の周辺に設けることも好ましい。勿論、前記磁場発
生手段において本発明の磁心を使用し、さらに本発明の
磁場遮蔽部材を、前記磁場発生手段の周辺に設けること
も好ましい態様である。前記像担持回転体としては、ロ
ール状およびエンドレスベルト状の何れであってもよ
い。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の一例を詳細に説明する。
【0043】〔第1の実施形態〕まず、容易かつ低コス
トでインダクタンス素子に利用可能で透磁率を調整する
ことが可能な本発明の磁心に関する第1の実施形態につ
いて説明する。
【0044】図1に示すように、本実施形態の磁心10
は、円筒状の容器12と、磁性粒子14の集合体とから
構成される。磁性粒子14の集合体は、粒子状態を維持
したまま、容器12内に充填される。容器12は、プラ
スチックなどの非磁性材料で構成され、その周囲にコイ
ルなどの導電材料を巻き掛けることにより、インダクタ
ンス素子を構成可能である。容器12と磁性粒子14の
集合体とから構成される磁心10は、容器12の外部へ
磁性粒子14が流出しないように、磁性粒子14の出し
入れが可能で、かつ、密封可能な蓋18で密封されてい
る。容器12に、磁性粒子14の出し入れが可能で、か
つ、密封可能な蓋18が設けられることで、磁性粒子1
4あるいは容器12が使用により劣化した場合に、これ
らを別々に交換することができ、さらに、これが用いら
れる装置自体を廃棄する際に、磁性粒子14および容器
14を別々に取り出すこともでき、リサイクル性に優れ
たものとなる。蓋18の密封手段は、特に限定されず、
単なる嵌合、ねじ込みから、特別な結合手段まであらゆ
る方式を採用することができる。また、蓋は、容器にお
ける端部以外の箇所に設けられてもよく、容器の形状に
応じて適宜選択すればよい。なお、蓋18による密封
は、容器12の少なくとも一方で可能である。容器12
の一方のみに蓋を設ける場合には、他方側を貫通しない
ように容器12を形成する。
【0045】また、容器12の内部へ磁性粒子14を収
容する場合、容器12の容積に満たない場合がある。こ
の場合、容器12内部の磁性粒子14の均一性を確保す
るために、容器12内部に生じた空間16に非磁性材料
を調整素子として収容することができる。この空間16
に収容する非磁性材料は、磁性粒子14が容器12内部
でその流動を阻止するためのものであり、微細構造を要
求するものではない。
【0046】このように、インダクタンス素子の磁心と
して必要とする透磁率に見合った量だけ、磁性粒子14
を容器12内部へ収容することで、必要とする透磁率の
インダクタンス素子を形成し得る磁心を製造することが
できる。すなわち、本実施形態では、必要とする透磁率
を得るための磁心として磁性粒子を用いるので、さまざ
まな形状に容易に成型することができ、また、容易に製
造できる。
【0047】また、インダクタンス素子として製品に付
加する場合、容器だけを用意しておいて、その容器のみ
を設置して組み立て、最終的に磁性粒子を充填するよう
にしてもよい。このようにすることで、インダクタンス
素子の形成を製品の製造時に行うことができ、設計値の
調整などを容易に実施することができる。
【0048】さらに、磁心材料として、けい素鋼板やフ
ェライト焼結体などの金属材料を用いた場合、導電性が
大きいために渦電流が生じて発熱する損失(所謂渦電流
損失)が生じる。このため、金属材料を薄く形成して何
枚も重層構造に成型するなどの回避策が必要であった
が、磁心材料に磁性粒子を採用し、かつ磁性材料が粒子
状態のまま維持されているので、磁心に渦電流が生じる
ことを解消することができる。このため、渦電流により
発熱する損失を解消することができる。このように、磁
性粒子を用いた磁心材料を利用することで、高周波数帯
域における損失を減少させることができる。
【0049】ここで、本発明において特徴的な要素であ
る磁性粒子について説明する。磁性粒子には、微細な粉
末のほか、ある程度の粒径を有する粒状物が含まれる。
すなわち、その粒径としては、ごく微細なものから、一
般に粒子としては大きな径に含まれる鉄くずの如きもの
まで、広く選択することができる。具体的には、0.1
μm〜1mm程度の広い範囲の粒径の粒子の中から、任
意に選択することができる。ただし、入手容易性、流動
性、取り扱い性等の観点から、粒径の下限としては、1
μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。同様
に粒径の上限としては、500μm以下が好ましく、2
00μm以下がより好ましい。
【0050】粒子の形状としては、特に制限されずあら
ゆる形状のものを選択することができ、たとえば球形、
針状、塊状、偏平状、ポーラス状、不定形等、あるいは
これらの形状が混在したものを挙げることができる。な
かでも、球形のものが、入手性、流動性の観点から好ま
しい。前記磁性粒子としては、具体的には、鉄粉、フェ
ライト粉末、およびマグネタイト粉末を好適なものとし
て挙げることができ、これらは1種単独で用いてもよい
が、複数混合して用いてもよい。
【0051】例えば、磁性粒子としては、産業用として
利用されているものを使用することができる。具体的に
は、例えば、パウダーテック社から製品化されている電
子写真用の鉄粉キャリアやフェライトキャリアが好適で
ある。鉄粉キャリアとしては、還元鉄粉、アトマイズ鉄
粉、切削くず等あるいはそれを粉砕して粒度調整した鉄
粉、もしくはその表面が極く薄い鉄の酸化被膜で被覆さ
れた酸化被膜鉄粉を用いたものが挙げられる。電気抵抗
を調節するため、これら鉄粉の表面に各種樹脂をコーテ
ィングした樹脂被覆鉄粉も知られている。フェライトキ
ャリアとしては、MOa・M’Ob(Fe23)x(ここ
でM、M’は金属元素、a,b,xは整数を示す)で代
表されるソフトフェライト、例えばNi−Znフェライ
ト、Mn−ZnフェライトあるいはCu−Znフェライ
ト等の粉状フェライト等が挙げられる。
【0052】他の磁性粒子としては、粉末冶金用鉄粉、
ショット用鉄粉、脱酸素剤用鉄粉、カイロ用鉄粉、化学
還元用鉄粉、溶接棒用鉄粉、粉末切断用鉄粉、脱酸素
剤、その他ゴムやプラスチックスに充填する鉄粉などが
挙げられる。
【0053】本発明において、磁性粒子は、集合体の状
態で、かつその粒子状態が維持されたまま容器に充填さ
れて構成される。該磁性粒子の集合体としてのかさ密度
は、およそ1.0〜6.0g/cm3であり、1.5〜
5.0g/cm3程度であることが好ましい。
【0054】ここで、「粒子状態が維持」とは、磁性粒
子個々が粒子として物理的に独立した状態であることを
意味し、加熱等により融合して個々の粒子状態が消失し
てしまったような状態は、含まない。ただし、容器に圧
縮して充填された場合や、圧縮によりあるいは経時によ
り粒子同士が結合して塊を成している場合等、粒子とし
ての流動性が単に失われた状態であっても、粒子個々の
物理的な性質は維持されており、このような状態は「粒
子状態が維持」の概念に含まれる。
【0055】本発明における磁性粒子は、磁心の材料と
するために、以下の磁気的性質および電気的性質のもの
を選択することが望ましい。 <磁気的性質> ・飽和磁化は10〜500emu/g ・残留磁化は15emu/g以下 ・保磁力は500e以下 ・比透磁率は2〜100 <電気的性質> ・電気抵抗は108Ωcm以上(250ボルト印加時)
【0056】これらの仕様の磁性粒子を用いて磁心を構
成することで、例えば、インダクタンス素子として、コ
イル又はトランスを構成する磁心の一部に設置して、そ
の磁気的、電気的特性を狙いの範囲に調整することが可
能である。
【0057】本実施形態において、容器12の形状とし
ては、円筒形状であるが、本発明においてはこれに限定
されるものではなく、目的に応じて各種形状を選択する
ことができる。例えば、楕円筒形、直方体形、三角柱形
や六角柱形等の多角形柱形、円錐形、載頭円錐形、角錐
形、載頭角錐形、その他任意の形状を、使用条件、設置
場所、求める磁気特性等に応じて、適宜選択することが
できる。後述のように、前記磁性粒子に作用する電磁気
によって生じる温度特性に応じた形状を採用することも
できる。
【0058】ここで、図2を参照して、上記磁性粒子1
4を磁心に用いる場合に、容器12の形状などにより磁
性粒子14の収容量を調整する態様を説明する。
【0059】図2(A)には、図1に示した円筒状の容
器12内に、磁性粒子14を収容した一例を示した。図
2(B)には、図1に示した円筒状の容器12の径を調
整することにより、磁性粒子14の収容量を調整可能に
した一例を示した。図2(B)の例では、容器20は、
磁心10を用いる設置部分のスペースなどから容器12
の外径raが設定される。この外径raに対して小さい
内径rbを変更することで、磁心10に収容する磁性粒
子14の量を調整することができる。
【0060】図2(C)には、磁心10に収容する磁性
粒子14の量を、磁心10の軸方向に勾配を有させる場
合の一例を示した。この図では、内径が同一の容器12
と異なり、一方の内径rcに対して他方の内径rdを異
なる直径(rc<rd)の容器22を用いている。この
ようにすることで、磁心10の軸方向に沿って、図面状
左から右に徐々に磁性粒子14が増量する構成となる。
この容器12の内径の勾配は、線形的であってもよい
し、非線形的であってもよい。例えば、構造的に磁性粒
子14を一定量必要とする箇所で内径を維持したり、階
段状に形成したり、容器12の両側をほぼ同一の内径に
して、容器12内部で変化させたりすることができる。
【0061】図2(D)には、容器12内部に、固形状
態の磁性体、または、固形状態で、かつ非磁性材料から
なる調整素子24を設置し、調整素子24の大きさによ
って磁性粒子14の収容量を調整可能にしたものであ
る。図2(D)の例では、円筒形状をしており、容器1
2の内径reに比して小さい外形rfの調整素子24を
用いている。この例では、容器12を同一形状のものを
使用し、調整素子24の直径rfを変更することで、磁
心10として外形を同一にしつつ異なる収容量の磁性材
料を収容することができる。
【0062】ここで「固形状態」とは、固体状態で一定
の形状を保持し、一定の体積を占める塊の状態をいい、
液状や粒子状のように流動性を有し、全体として形状保
持性を有しないものは含まない。なお、調整素子24の
材料として、非磁性材料を用いることにより、磁性粒子
14の収容量を調整できるという物理的作用を生ぜしめ
ることができる。また、一定形状のフェライトコアやソ
フトフェライトなどの固形状態の磁性材料を用いること
により、固形状態の磁性材料の電磁気的性質の作用を、
本発明における磁性粒子の充填量調整によって調節する
ことが可能となる。
【0063】また、本発明においては、この磁性粒子1
4の量の分布を、容器の形状により調整すること、例え
ば、容器の形状として、既述の如く容器の肉厚を変更す
ることにより適切に調整することで、前記磁性粒子に作
用する電磁気によって生じる温度特性に応じた形状とす
ることもできる。容器自体の形状を前記磁性粒子に作用
する電磁気によって生じる温度特性に応じて変更するこ
とによっても、発生する温度を考慮した磁心を形成する
ことが可能となる。
【0064】次に、上記磁性粒子充填量による電磁気的
性質の作用を説明する。ここでは、図1に示す磁心10
を用い、磁性粒子14として球形で体積平均粒径75μ
m(分布として40〜105μm)のものを用いた場合
を例に挙げて説明する。なお、容器12には、材質がポ
リフェニレンサルファイドで内径14mm、外径17m
m、全長350mmの円筒状のものを用いた。
【0065】図3および図4は、磁性粒子14の充填量
を変更した場合の電磁気的性質の特性値の変化を示す実
験結果である。ここでは、図1に示す磁心10をコイル
コアとして、このコイルコアにコイルを巻き掛け(導線
の材質:銅、太さ:2.5mm、巻回数:125回)、
インダクタンス素子を構成する。そして、コイルに所定
周波数(本実施形態では、25,30,35kHzの3
種類の周波数)で、信号を印加したときの各特性値を得
た。なお、磁性粒子14の集合体の全質量としては、4
8.4g,77.8g,166.3gの3種類について
計測した。磁性粒子14は、容器12の内部に充填した
際空間16が生じる場合には、該容器12における軸方
向に均した状態で配置して各特性を測定した。
【0066】図3(A)は磁性粒子14の充填量に対す
るインダクタンス(μH)変動を示し、図3(B)は磁
性粒子14の充填量に対するインピーダンスZ(Ω)を
示している。図4(A)はコイル抵抗成分R(Ω)を示
し、図4(B)は回路の位相角θ(cosθは力率)を
示している。
【0067】図3(A)に示すように、インダクタンス
素子のインダクタンス(μH)変動は、ここで印加した
信号周波数間ではほぼ周波数の影響はなく(図3(A)
において、各印加周波数ごとの直線およびプロットは重
なっている)、磁性粒子14の収容量の増加に伴ってイ
ンダクタンスも増加する傾向にある。なお、印加する信
号周波数とインダクタンスとの関係の詳細については後
述する。
【0068】図3(B)に示すように、磁性粒子14の
充填量に対するインピーダンスZ(Ω)は、磁性粒子1
4の充填量の増加に伴って増加する傾向にある。また、
このインピーダンス特性は、印加した信号周波数に依存
している。すなわち、インピーダンスZ(Ω)は、印加
した信号周波数が増加するに伴って増加傾向にあり、2
5kHzの周波数印加で特性Za、30kHzの周波数
印加で特性Zb、35kHzの周波数印加で特性Zcと
なっている。
【0069】図4(A)に示すように、磁性粒子14の
充填量に対するコイル抵抗成分R(Ω)は、ここで印加
した信号周波数間ではほぼ平坦な特性傾向または微少増
加傾向にある。このことから、コイル抵抗成分は磁性粒
子14の充填量に対する依存性が低いことが理解され
る。
【0070】図4(B)に示すように、磁性粒子14の
充填量に対する回路の位相角θ(cosθは力率)は、
ここで印加した信号周波数間ではほぼ周波数の影響はな
く、磁性粒子14の充填量の増加に伴って位相角θが微
量増加の傾向にある。
【0071】次に、磁性粒子14の充填量による電磁気
的性質の特性値の変化を顕在化させるため、上記インダ
クタンス素子として、コイルコア(磁心)を有する場合
と有さない場合との双方について、印加する信号周波数
とインダクタンスとの関係を求めた。図5に、その実験
結果を示した。図5においては、コイルに所定周波数
(本実施形態では、1,15,25,50,100kH
zの6種類の周波数)の信号を印加したときのインダク
タンスを求め、最小自乗法などで補完した特性が示され
ている。また、図5では、コイルコア(磁心)を有する
場合の特性Lbと、コイルコア(磁心)を有しない場合
の特性Laとを示した。
【0072】図5から理解されるように、特性La、L
b共に、印加する信号周波数の増加に伴ってインダクタ
ンスは減少する傾向にある。コイルコアを有しないとき
の特性Laはインダクタンスが微減傾向にあるが、コイ
ルコアを有するときの特性Lbは特性Laに比べてイン
ダクタンスの変動傾向が顕著に現れる。
【0073】上記説明した磁心を有するインダクタンス
素子の一例であるコイルやトランスを適用できる機器に
は、電磁コイルを使用している機器、高周波回路又はイ
ンバーター回路を利用した機器、モータ機器などの電気
機器がある。
【0074】例えば、電磁コイルを使用している機器の
一例には、テレビ、ビデオデッキ、電動シェーバー、電
動歯ブラシ、洗浄便座、冷蔵庫、ファクシミリ、ハンド
ミキサー、換気扇、電動ミシン、電動鉛筆削り器、CD
プレイヤー、洗濯機、乾燥機、扇風機、ジューサーミキ
サー、ルームエアコン、空気洗浄機、電子写真複写機、
ファックス機、自動販売機、電磁バルブ等がある。
【0075】また、高周波回路又はインバーター回路を
利用した機器の一例には、電磁調理器、電子レンジ、P
HS、ポケットベル(登録商標)、携帯電話、コードレ
ス電話、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、ノー
トブック型パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ
ー、ゲーム機、加湿器、蛍光灯、アンプやチューナー等
のオーディオ機器等がある。
【0076】また、モータには、サーボモーター、パル
スモーターやステッピングモーターがあり、これらのモ
ータを有する機器の一例には、腕時計、置き時計、掛け
時計、ストップウォッチ等のクオーツ発振式時計、ペー
スメーカー、カメラ、ビデオデッキ、ビデオカメラ、M
D、CD、CD−R、CD−RW、FD、PDおよびM
O等の回転型記憶媒体を扱う機器、定量ポンプ等があ
る。
【0077】さらに、その他の電気機器の一例として
は、電子機器用ACアダプター、レーザー型、熱転写型
およびドットインパクト型プリンター、ブラウン管型、
液晶型およびプラズマ型ディスプレイ、GPSナビゲー
ション機器、磁気検出センサー、補聴器、充電装置等が
ある。
【0078】本実施形態において、磁性粒子の集合体
は、磁性粒子が粒子状であるため、体積や形状を自由に
変えることが可能であり、必要とされる大きさ、形状に
容易に形成することができる。従って、磁性粒子を、コ
イル又はトランスを構成する磁心の一部に用いること
で、インダクタンス素子を用いた回路設計の自由度が増
加する。
【0079】このように、本実施形態では、磁性粒子を
用いることにより、さまざまな形状に容易に成型するこ
とができ、コイルやトランスの磁心の一部に設置するだ
けで、コイルやトランスのインダクタンスを広範囲にわ
たって自由に設計することができ、さらに、磁性粒子自
体が適度な電気抵抗を有しているので、高周波帯域にお
いても、所謂誘導加熱による自己発熱の問題も極めて少
なく、よって高周波数帯域においても損失が少なく、実
効透磁率を高めることができる。
【0080】〔第2の実施形態〕次に、容易かつ低コス
トで電磁界漏洩を抑制する機能を発現し得る本発明の磁
場遮蔽部材に関する第2の実施形態について説明する。
【0081】上記第1の実施形態では、コイル又はトラ
ンスなどのインダクタンス素子を構成する磁心の一部に
磁性粒子の集合体を用いて設置して、コイル又はトラン
スの電磁気特性を改善する例を説明したが、磁性粒子の
集合体を、電磁界漏洩を抑制する機能を発現するものと
して利用することも可能である。例えば、磁心を有する
コイルやトランスにのみならず、巻線のみによる空心の
コイル又はトランス、さらには永久磁石等の磁場発生手
段の周囲に、電磁界漏洩を遮蔽する磁場遮蔽部材とし
て、同様に磁性粒子の集合体を利用することが可能であ
る。
【0082】インダクタンス素子等の磁場発生手段は、
電磁界漏洩を伴うことがある。しかし、インダクタンス
素子を設置する部位には、余剰空間が少ない場合や形状
的に自由度が少ない場合がある。そこで、この電磁界漏
洩を遮蔽する磁場遮蔽部材として、磁性粒子の集合体を
用いることで、体積や形状を適宜調節することが可能な
自由度の高い磁場遮蔽部材とすることができる。
【0083】例えば、磁心と巻線で構成されたコイル又
はトランスを組み立てたときに、電磁界漏洩を遮蔽する
ために、予め電磁界漏洩を遮蔽する部分に磁性粒子を保
持できる空間(容器)を用意しておき、そこに必要量の
磁性粒子を充填することにより磁場遮蔽部材を形成し
て、電磁界漏洩を遮蔽することが可能になる。
【0084】図6は、本実施形態に係る磁場遮蔽部材を
磁場発生手段の周辺に設けた状態を示す模式断面図であ
る。図6において、100は磁場遮蔽部材であり、磁場
発生手段92より発生する漏洩磁場96を遮蔽する機能
を有するものである。ここで磁場発生手段92として
は、コイルやトランス等のインダクタンス素子の他、永
久磁石等が挙げられ、さらにこれらを内蔵する各種電気
・電子機器が全て包含される。磁場発生手段92におい
ては、それ自身の機能を発現する為に、磁場の形成が勿
論必要なのであるが、装置設計上、その機能の発現に影
響を与えない箇所にも磁場が漏洩しやすい。そのような
漏洩磁場96を遮蔽する機能を発現するものが、本実施
形態の磁場遮蔽部材100である。
【0085】磁場遮蔽部材100は、薄板曲面状で内部
に磁性粒子を収容し得る容器90と、該容器90に充填
された磁性粒子14の集合体とから構成される。磁場遮
蔽部材100の磁場発生手段92と対向する面は、磁場
発生手段92を取り囲むような曲面状を成しており、磁
場発生手段92から生ずる漏洩磁場96を有効に遮蔽す
ることができるようになっている。勿論本発明において
は、磁場遮蔽部材100の形状、すなわち容器90の形
状は、このように曲面状のものには限定されず、平板
状、箱型、舟形、コの字型、山形、ドーム状、屋根型
等、さらに、これらを組み合わせた形状等、あらゆる形
状のものを、漏洩磁場の漏洩の仕方、装置の余剰空間、
磁場発生手段の形状等を考慮して適宜選択することがで
きる。
【0086】第1の実施形態と同様、容器90には、磁
性粒子14の出し入れが可能で、かつ、密封可能な蓋
(不図示)が設けられることが好ましい。かかる蓋を設
けることで、磁性粒子14あるいは容器90が使用によ
り劣化した場合に、これらを別々に交換することがで
き、さらに、これが用いられる装置自体を廃棄する際
に、磁性粒子14および容器90を別々に取り出すこと
もでき、リサイクル性に優れたものとなる。蓋の密封手
段は、特に限定されず、単なる嵌合、ねじ込みから、特
別な結合手段まであらゆる方式を採用することができ
る。蓋の設けられる箇所は、容器の形状に応じて適宜選
択すればよい。
【0087】本実施形態において使用できる磁性粒子の
種類、性状(形状、かさ密度、磁気的性質、電気的性
質)については、第1の実施形態において説明したもの
と同様である。充填されて成形される磁性粒子の集合体
の厚みは、漏洩磁場の強度により適宜調整すればよい。
【0088】本実施形態によれば、電磁界漏洩を効果的
に抑制ないし遮蔽することができ、装置全体としての小
型化を損なうことなく、容易かつ安価に性能向上を図る
ことができる。更に、本実施形態の磁場遮蔽部材を用い
た磁束漏洩の抑制の方法は、各種の電気機器に適用する
ことにより、容易かつ安価に、漏洩磁束密度を減少させ
ることができる。
【0089】〔第3の実施形態〕次に、本発明の磁心を
用いたインダクタンス素子を、電気機器として電子写真
装置に適用した場合を説明する。本実施形態では、特
に、電子写真装置における定着装置に本発明の磁心を適
用した場合について説明する。なお、本実施形態は、上
記実施形態とほぼ同様の構成のため、同一部分には同一
符号を付して詳細な説明を省略する。
【0090】一般的に電子写真装置は、被記録媒体表面
に、電子写真方式により未定着トナー画像を形成する画
像形成手段と、未定着トナー画像が形成された前記被記
録媒体表面にトナー画像を定着する定着手段と、を含
む。従来から、複写機、プリンタ等における加熱定着型
の記録装置には、トナーに代表される被定着材を被記録
材料に加熱定着させるための定着手段に定着装置が用い
られている。定着装置の加熱方式として、ハロゲンラン
プ等のランプで加熱するランプ方式と、交番磁界を磁性
導体に鎖交させて渦電流を発生させることで加熱する電
磁誘導加熱方式とがある。
【0091】電磁誘導加熱方式の定着装置は、渦電流に
より発生するジュール熱を利用することにより熱ロール
等の被加熱材を直接加熱することができるため、ランプ
方式に比べて高効率の加熱を実現できる利点がある。
【0092】本実施形態においては、この電磁誘導加熱
方式の定着装置を定着手段に用いた例を示す。また、本
実施形態においては、定着装置として、定着用回転体お
よび加圧用回転体の双方にロール状の部材を用いた、い
わゆるロール−ロールニップ型の定着装置を適用した例
を挙げている。なお、定着装置以外の構成は、本発明に
おいて特に限定されないため、本例においては、電磁誘
導加熱方式の定着装置30についてのみ、図7を参照し
て説明する。
【0093】図7には、本実施形態に係る定着装置30
の概略構成図を示した。定着装置30は、磁性金属(例
えば、鉄)で形成された加熱ロール(定着用回転体)3
2の内部に、この加熱ロール32に対して熱エネルギー
を供給する誘導加熱コイル(磁場発生手段)34が配置
されている。
【0094】なお、本実施形態においては、電磁誘導に
より渦電流を生じさせて発熱する導電性層は、磁性金属
で形成された加熱ロール32自身となっている。本発明
においては、定着用回転体の周面近傍に、導電性層が形
成されていることが必須となる。定着用回転体としての
基材の周面に別途導電性層が形成されていてもよいが、
本実施形態のように、基材自身が導電性層を構成しても
構わない。勿論、何れの場合においても、これら導電性
層の表面に、さらに別途弾性層や離型層等他の層が形成
されていても構わない。導電性層が別途形成される場合
の導電性層やその他の層については、後述の実施形態の
中で説明するものと同様である。また、その場合の基材
としては、発熱に寄与しないので特に制限されず、各種
プラスチック材料、金属、セラミック材料、ガラス材料
等を問題無く使用することができる。
【0095】ここで、本発明で規定する「周面近傍」と
は、電磁誘導により導電性層が発熱した際に、周面に他
の層が形成されている場合であっても当該周面にその熱
が伝わり、周面の温度が、定着(または転写定着)に十
分な程度になり得る程度の近傍であることを意味する。
したがって、「周面近傍」を規定する周面からの深さに
ついては、各種条件により大きく変動し、一律に具体的
な数値を示し得るものではない。また、基材自身が導電
性層を構成し、周面に他の層が形成された状態において
は、周内に当該導電性層が露出した状態となるが、この
場合も周面からの状態のみに着目して「周面近傍」であ
るか否かが判断される。
【0096】誘導加熱コイル34は、絶縁性のボビン3
6によって保持されており、この絶縁性のボビン36の
内側に誘導加熱効率を向上および安定させるための磁性
粒子14が充填されている。本実施形態では、この磁性
粒子14はパウダーテック社の鉄粉キャリアTSV−3
5を用いた。加熱ロール32と誘導加熱コイル34との
間隙は小さく(本実施形態においては1.0mm)なる
ように構成されている。一方、ボビン36の肉厚を厚く
することで(本実施形態においては1.5mm)、ボビ
ン36の外表面と内部に充填された磁性粒子14との間
隙は大きくなるように構成されている。
【0097】また、誘導加熱コイル34は、ボビン36
の一端から線材を螺旋状に捲回して、ボビン36の他端
に達して捲回が終わると、線材を加熱ロール32と誘導
加熱コイル34との間隙を通して捲き始め端側に導出さ
れるように形成されている。このように、誘導加熱コイ
ル34を構成する線材の捲き始め端である導入端34a
と、捲き終わり端である導出端34bとは、加熱ロール
32に対して同じ側に配置されている。
【0098】加圧ロール38は、加熱ロール32に圧接
しており、両者間に形成されたニップ部に、未定着トナ
ーが形成された記録紙(被記録媒体)40を、当該未定
着トナーが形成された面が加熱ロール32に接するよう
に挿通させることにより、トナー画像を定着させる。高
周波電源42には、誘導加熱コイル34の導入端34a
と導出端34bとが接続され、誘導加熱コイル34に高
周波電流を供給する。すなわち、高周波電源42は、誘
導加熱コイル34に高周波電流を供給するためのもので
ある。
【0099】なお、図示は省略したが、本実施形態の電
子写真装置は、定着装置30の他、記録紙を定着装置に
搬送する搬送ロール、感光体ドラム、該感光体ドラムに
電子写真方式により未定着トナー画像を形成する現像装
置、前記感光体ドラムに形成された未定着トナー画像を
記録紙40に転写する転写装置等からなる画像形成装置
(画像形成手段)を備えている。
【0100】次に、本発明の実施形態に係る定着装置3
0の動作を説明する。図示しないスイッチを操作する
と、高周波電源42が誘導加熱コイル34に高周波電流
を供給する。誘導加熱コイル34は、供給された高周波
電流に応じて高周波磁界を発生する。これにより、磁性
金属で形成された加熱ロール32は、生成消滅を繰り返
す交番磁束内に置かれるため、加熱ロール32中に磁界
の変化を妨げる磁界を生じるように渦電流が発生する。
この渦電流と、加熱ロール32が有する電気抵抗によっ
てジュール熱が発生し、加熱ロール32が加熱される。
【0101】このように、本実施形態の定着装置30で
は、ボビン36の外表面と磁性粒子14との間隙は大き
くなるように形成し、このボビン36に誘導加熱コイル
34を捲回しているため、加熱ロール32と誘導加熱コ
イル34との間隙が小さくなり、誘導加熱コイルへの電
磁誘導発熱効率を向上させることができる。
【0102】ここで、本実施形態では、定着装置30に
おいて、定着のための熱(ジュール熱)を、誘導加熱コ
イル34に高周波電流を供給することで発生させている
が、定着装置30は、その固定箇所により、流出熱量が
異なる。すなわち、定着装置30は、記録紙40へ画像
を定着させるため、加熱ロール32における記録紙40
が接触する部位に、定着装置30を外部へ固定する機構
部分が位置することはない。従って、ボビン36の両端
部付近にその機構部分が位置することになるが、その機
構部分への熱流出が生じることになる。このため、発生
するジュール熱は、加熱ロール32上で不均一になり易
い。このジュール熱は、均一に発生されることが好まし
い。
【0103】そこで、本実施形態では、ボビン36内に
収容する磁性粒子14の量に分布を持たせることで、ジ
ュール熱をほぼ均一に発生させることができる構造を提
供する。
【0104】図8には、定着装置30のボビン36にお
ける熱流出量と磁性粒子14の分布との関係を示した。
図8(A)は、ボビン36の軸方向における位置(すな
わち、当該グラフにおける左右端部は、ボビン36の左
右の端部に相当する)と熱流出量との関係を示してい
る。図から理解されるように、ボビン36の両端部に向
かうに従って、熱流出量が増加する特性Caになる。
【0105】図8(B)には、ボビン36の軸方向にお
いてジュール熱をほぼ均一に発生させることができる構
造の一例を示した。図8(B)では、ボビン36の内部
に磁性粒子14を不均一に分布させるための調整素子8
0が設けられている。この調整素子80は、回転対称形
状をしており、その断面外形形状曲線Cbは、上記特性
Caに相当する形状(より正確には、特性Caの曲線の
曲率と、調整素子80により狭められたボビン36内部
の空間の断面積をグラフ化したときに得られる曲線の曲
率と、が略同形状)に構成する。このように構成するこ
とで、磁性粒子14の量の分布は、特性Caに沿う分布
となり、ボビン36の軸方向においてジュール熱をほぼ
均一に発生させることができる。
【0106】なお、調整素子80は、非磁性材料および
磁性材料の何れでもよい。これは、ボビン36の総体と
して得られるジュール熱が均一となる磁束を生じるよう
に材質を選択すればよいためである。また、図8(B)
では、一例として回転対称形状を採用した場合を説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわ
ち、ボビン36の両端部付近で磁性粒子14が増加すよ
うに調整素子80を形成すればよく、例えば、少なくと
も1平面や複数の曲面を有する構成にしてもよい。
【0107】図8(C)には、ボビン36の軸方向にお
いてジュール熱をほぼ均一に発生させることができる構
造の他の例を示した。図8(B)では、調整素子80の
製造が困難な場合もある。そこで、図8(C)では簡便
に製造可能とするため、円筒形状の両端部付近を面取り
した調整素子82を採用している。この調整素子82
は、上記特性Caが最も顕著に現れる部分に相当する部
位(ボビン36の両端部から長さLの領域)について、
磁性粒子14の量の分布が変化(増加)するようにして
いる。これによって、特性Caに対応して最も影響が高
い部位について磁性粒子14の量の分布を調整してい
る。
【0108】図8(D)には、ジュール熱をほぼ均一に
発生させることができる構造のその他の例を示した。図
8(C)では、調整素子82として、その端部付近を加
工しなければならないので、自由度が少ない。図8
(D)の例では、長さの異なる調整素子84,86を用
いて、調整素子84の周囲に円筒状の調整素子86が位
置するように構成する。このようにすることで、調整素
子84,86の長さを変更するのみで、自由に磁性粒子
14の収容量を変更することが可能な態様の調整素子を
容易に形成することができる。
【0109】図9には、磁性粒子14の収容量の変動に
対する昇温スピードの関係を示した。このときの試験条
件としては以下の通りである。 <試験条件>前記ボビン36を軸方向の長さに3等分
し、それぞれに磁性粒子を15g、27g、42g充填
した場合の、各3等分した所におけるロールの温度上昇
率を測定した。詳細な条件は以下の通りである。 ・磁性粒子・・・パウダーテック社の鉄粉キャリアTS
V−35 ・ボビン・・・ポリフェニレンサルファイドで内径14
mm、外径17mm、全長350mmの円筒状のもの ・コイル・・・導線の材質:銅、太さ:2.5mm、巻
回数:125回 ・電力・・・1000W出力(25kHz) ・加熱ロール・・・26mmφ(外径)、スチール(S
TKM13)、長さ400mm
【0110】図9から理解されるように、磁性粒子14
の収容量が増加するに従って昇温スピードも増加する。
これによって、熱流出量が多い部位に、より多くの熱量
が生じるように、すなわち昇温スピードが速くなるだけ
の磁性粒子14の量を収容するように形状を構成すれば
よいことが理解される。
【0111】このように、本実施形態では、定着装置に
おいて発生させる熱に寄与する磁性材料として磁性粒子
を用いているので、磁心を、ひいては磁場発生手段をさ
まざまな形状に容易に成型したり製造したりすることが
できる。従って、定着装置の設計にあたっての自由度を
拡張することができる。
【0112】また、本実施形態では、定着装置において
発生させる熱に寄与する磁性材料として磁性粒子を用
い、かつ、磁性材料が粒子状態のまま維持されているの
で、磁心に渦電流が生じることを解消することができ、
渦電流により発熱する損失を解消することができる。す
なわち、エネルギー効率の高い電子写真装置を得ること
ができる。
【0113】〔第4の実施形態〕次に、電気機器からの
電磁界漏洩を抑制する機能を発現し得る本発明の磁場遮
蔽部材を、定着装置の電磁遮蔽に適用した電子写真装置
に関する第4の実施形態について説明する。なお、本実
施形態は、上記実施形態とほぼ同様の構成のため、同一
部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0114】既述の如く、一般的に電子写真装置は、被
記録媒体表面に、電子写真方式により未定着トナー画像
を形成する画像形成手段と、未定着トナー画像が形成さ
れた前記被記録媒体表面にトナー画像を定着する定着手
段と、を含み、本実施形態においても、第3の実施形態
と構成は異なるが、電磁誘導加熱方式の定着装置を定着
手段に用いた例を示す。
【0115】本実施形態においては、定着装置として、
定着用回転体および加圧用回転体の双方にロール状の部
材を用いた、いわゆるロール−ロールニップ型の定着装
置を適用した例を挙げている。なお、定着装置以外の構
成は、本発明において特に限定されないため、本例にお
いては、電磁誘導加熱方式の定着装置50についての
み、図10を参照して説明する。
【0116】図10は本実施形態にかかる定着装置50
の全体構成を示す概略断面図である。定着装置50は、
加熱ロール(定着用回転体)52(40mmφ)と加圧
ロール(加圧用回転体)54(40mmφ)とを備えた
構成となっている。加圧ロール54は、加圧機構(図示
せず)によって加熱ロール52に対して圧接されて、一
定のニップ幅を有するようにニップ部が形成されてお
り、加熱ロール52は駆動モータ(図示せず)により所
定方向(図10の矢印W方向)に駆動され、加圧ロール
54は従動で所定方向(図10の矢印U方向)に回転す
るようになっている。加熱ロール52の材質は鉄を用い
ており、肉厚1mmとしている。加熱ロール52表面に
は、フッ素樹脂等の離型層が被覆されている。本実施形
態では、ロール材質として鉄を用いているが、そのほ
か、ステンレス、アルミニウム、ステンレスとアルミニ
ウムとの複合材等でもよい。
【0117】加圧ロール54は、芯金の周囲にシリコー
ンゴムあるいはフッ素ゴム等が被覆されて構成されてい
る。これら加熱ロール52と加圧ロール54との圧接部
(ニップ部)である定着ポイントを、未定着トナー画像
が形成された用紙(被記録媒体)Pが通過する(ニップ
部に挿通される)ことで、この用紙P上のトナーを融着
圧着して定着するようになっている。このとき、勿論、
未定着トナーが形成された面が加熱ロール52に接する
ようにニップ部に挿通される。
【0118】加熱ロール52の周りには、加熱ロール5
2と加圧ロール54との接触位置(ニップ部)よりも回
転方向下流側に順に、用紙Pを加熱ロール52から剥離
させる剥離爪56、加熱ロール52表面にオフセットさ
れたトナーや紙屑等のごみを除去するクリーニング部材
58、磁場発生手段としての誘導加熱装置64、オフセ
ット防止用離型剤を塗布する離型剤塗布装置60、およ
び加熱ロール52の温度検出をするサーミスタ62が設
けられている。
【0119】当該装置において、加熱原理は誘導加熱装
置64による電磁誘導加熱方式を用いている。誘導加熱
装置64は、励磁コイル66から構成されており、加熱
ロール52の外周面に配置されている。励磁コイル66
は、線径0.5mmの銅線材を用いており、お互いに絶
縁された線材を複数本束ねたリッツ線として構成されて
いる。リッツ線にすることで浸透深さよりも線径を小さ
くすることができ、交流電流を有効に流すことが可能と
なる。本実施形態では、0.5mmφの線材を16本束
ねている。コイルの被覆は、耐熱性のポリアミドイミド
を用いている。励磁コイル66は、加熱ロール52表面
に対向する状態で近接配置され、磁場発生手段として機
能する。また、励磁コイル66における加熱ロール52
側の反対側には、磁場遮蔽部材68が近接配置されてい
る。磁場遮蔽部材68の詳細動作は後述する。
【0120】本実施形態においても、加熱ロール52は
磁性金属で形成されており、当該加熱ロール52自身
が、電磁誘導により渦電流を生じさせて発熱する導電性
層となる。勿論、第3の実施形態と同様、本発明におい
て、別途導電性層が形成されていても構わないし、これ
ら導電性層の表面に、さらに別途弾性層や離型層等他の
層が形成されていても構わない。
【0121】励磁コイル66は励磁回路(インバータ回
路)72に接続されており、励磁回路72から励磁コイ
ル66に印加される高周波電流で発生する磁束によっ
て、磁界の変化を妨げるように、磁性金属で形成された
加熱ロール52に、磁束と渦電流を発生させる。この渦
電流と加熱ロール52の抵抗とによってジュール熱が発
生し、加熱ロール52が加熱される。本実施形態では、
励磁コイル66に周波数20kHz、出力900Wの高
周波電流を印加した。加熱ロール52の表面温度は、1
80℃に設定し、制御される。表面温度をサーミスタ6
2によって検知し、フィードバック制御によって加熱ロ
ール52の加熱を行っている。このとき、ロール全体の
温度分布を均一にするため、加熱ロール52および加圧
ロール54は回転している。各ロールを回転させること
でロール全面に一定の熱量を与えている。
【0122】この加熱ロール52の表面温度が180℃
に達すると画像形成動作(所謂コピー動作)が開始し、
加熱ロール52と加圧ロール54との圧接部(ニップ
部)である定着ポイントを、未定着トナー画像が形成さ
れた用紙Pが通過することで、この用紙P上のトナーを
融着圧着して定着する。また、励磁回路72への電流
は、加熱ロール52表面に圧接された温度ヒューズであ
るサーモスタット70を介して供給される。このサーモ
スタット70は、加熱ロール52の許容可能な表面温度
が予め設定されており、許容温度を超えた異常温度に達
すると励磁回路72に供給する電流を遮断するものであ
る。
【0123】図11に、本実施形態における加熱ロール
52と誘導加熱装置64とを簡略的に示した斜視図を示
す。図11に示すように、励磁コイル66(図11では
点線で示す)が、加熱ロール52の外周面に対向する状
態で配置されている。加熱ロール52と励磁コイル66
との距離(間隙)は、1mmに設定されている。この励
磁コイル66は空芯コイルとして構成され、この励磁コ
イル66における加熱ロール52側の反対側には、磁場
遮蔽部材68が近接配置されている。磁場遮蔽部材68
は、励磁コイル66を覆う状態で近接配置されたカバー
状の容器の内部に、磁性粒子としてのフェライト粉末が
充填されて構成される。
【0124】本実施形態では、励磁コイル66と磁場遮
蔽部材68との距離(間隙)は5mmに設定している。
磁場遮蔽部材68を配置することによって加熱ロール5
2の外周に近接して空芯コイル(すなわち励磁コイル6
6)を配置しても、外部に漏れる磁場(導電性層として
機能する加熱ロール52に影響を与えない漏洩磁場の少
なくとも一部)が遮蔽される。このため、電磁漏洩によ
り生じるノイズ等の問題を解消することができる。ま
た、磁場遮蔽部材68を配置することによって、励磁コ
イル66自身が加熱ロール52側以外に磁場を発生させ
ても問題にならないので、励磁コイル66として、成形
が容易なコイルを用いることができる。
【0125】一方、磁場遮蔽部材68がなく、加熱ロー
ル52の外周に近接して誘導加熱装置64を配置する場
合は、定着装置50の外側に磁場がもれないような形状
の芯材(励磁コイル66)を用いなければならず、励磁
コイル66の形状が制限されたり、芯材を複雑な形状に
しなければならない。本実施形態では、磁場遮蔽部材6
8は、誘導加熱装置64と全く別に配置すればよく、誘
導加熱装置64に依存しない。また、励磁コイル66を
複雑な形状にする必要がないので、コスト上昇を招くこ
ともない。なお、本実施形態では、磁場遮蔽部材68の
形状として円周面に対応する曲面形状の場合を説明した
が、このような曲面形状に限定されるものではなく、平
板やその他の形状であっても遮蔽効果を得ることができ
る。
【0126】このように磁場遮蔽部材68を配置するこ
とによって、励磁コイル66を加熱ロール52の外周に
近接して配置しても、励磁コイル66における加熱ロー
ル52の反対側である外部に磁場が漏れ出すことがな
い。これにより、誘導加熱装置64を加熱ロール52の
内側に入れる必要がなく、加熱ロール52内の輻射熱に
よって励磁コイル66が発熱して劣化したり、磁心が発
熱して特性が劣化して熱効率が低下することがない。
【0127】本実施形態では、磁場遮蔽部材68におけ
る磁性粒子としてフェライト粉末を用いた場合を説明し
たが、その他の磁性粒子を用いても同様の効果を得るこ
とができる。また、本実施形態では、磁場遮蔽部材と励
磁コイル66の距離を、5mmに設定した場合を説明し
たが、励磁コイル66に磁場遮蔽部材を接触させた構成
でも効果を得られることは言うまでもない。
【0128】このように、本実施形態では磁場遮蔽部材
として磁性粒子の集合体を用いているので、さまざまな
形状に容易に成型することができ、磁場遮蔽部材を容易
に製造できる。従って、これら部品の小型化を損なうこ
となく、容易かつ安価に定着装置、さらには電子写真装
置の性能向上を図ることができる。また、磁束漏洩の抑
制は、各種の電気機器においても求められており、これ
らに本発明の磁場遮蔽部材を適用することにより、容易
かつ安価に、漏洩磁束密度を減少させることができる。
【0129】〔第5の実施形態〕次に、本発明の磁心を
用いたインダクタンス素子を適用すると共に、電磁界漏
洩を抑制する機能を発現し得る本発明の磁場遮蔽部材
を、定着装置の電磁遮蔽に適用した電子写真装置に関す
る第5の実施形態について説明する。
【0130】既述の如く、一般的に電子写真装置は、被
記録媒体表面に、電子写真方式により未定着トナー画像
を形成する画像形成手段と、未定着トナー画像が形成さ
れた前記被記録媒体表面にトナー画像を定着する定着手
段と、を含み、本実施形態においても、第3および第4
の実施形態と構成は異なるが、電磁誘導加熱方式の定着
装置を定着手段に用いた例を示す。
【0131】本実施形態においては、定着装置として、
定着用回転体にエンドレスベルト状の部材を用い、加圧
用回転体にロール状の部材を用いた、いわゆるベルト−
ロールニップ型の定着装置を適用した例を挙げている。
なお、定着装置以外の構成は、本発明において特に限定
されないため、本例においては、電磁誘導加熱方式の定
着装置についてのみ、図12を参照して説明する。
【0132】本実施形態における定着装置は、ウオーム
アップタイムの短縮化、および被記録媒体の剥離性能の
確保を目的とし、定着用回転体としては、熱容量の小さ
い柔軟(フレキシブル)なエンドレスベルト状の部材を
使用し、このエンドレスベルト状の部材の内部には、熱
を奪う部材を極力少なくする(極力部材を配設しない)
ように構成されている。すなわち、上記ベルト状の部材
(加熱ベルト)の内部には、加圧部材に対向して、定着
ニップ部を形成する弾性層を有するパッド部材(押圧部
材)のみしか、基本的には設けない構成を採用してい
る。また、加熱対象となるエンドレスベルト状の部材を
直接加熱できるように、当該部材に導電性層を持たせ、
磁場発生手段が発生する磁界によって誘導加熱させる方
式を用いている。
【0133】図12は、本実施形態における定着装置を
示す概略構成図である。図12において、101は定着
用回転体としての加熱ベルトを示すものであり、この加
熱ベルト101は、導電性層を有する無端状のベルトか
ら構成されている。このように、本発明において「定着
用回転体」には、既述のロール状のものの他、エンドレ
スベルト状のものが含まれる。なお、「加圧用回転体」
においても、ロール状、エンドレスベルト状の双方が含
まれる。
【0134】上記加熱ベルト101は、図13に示すよ
うに、その内側から、耐熱性の高いシート状部材からな
る基材層102と、当該基材層102の上に積層された
導電性層103と、最も上層となる表面離型層104の
少なくとも3層を基本に備えている。本実施形態では、
加熱ベルト101として、シート状の基材層102と、
導電性層103と、表面離型層104の3層からなる直
径30mmφの無端状のベルトが使用されている。
【0135】上記加熱ベルト101の基材層102は、
例えば、厚さ10〜100μm、更に好ましくは厚さ5
0〜100μm(例えば、75μm)の耐熱性の高いシ
ートであることが好ましく、例えばポリエステル、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポ
リエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリ
イミドアミド、ポリアミド等の耐熱性の高い合成樹脂か
らなるものが挙げられる。
【0136】また、本実施形態では、図14に示すよう
に、無端状のベルトからなる加熱ベルト101の両端部
を、エッジガイド105に突き当てることによって、当
該加熱ベルト101の蛇行を規制して使用するように構
成されている。ここで、図14は、筒状となっている加
熱ベルト101の一方の端部開口をエッジガイド105
に突き当てることで規制している状態を説明するため
の、拡大説明図である。図示は省略されているが、加熱
ベルト101の他方の端部開口にも、同様のエッジガイ
ド(以下、単に「不図示のエッジガイド」という場合が
ある。)が突き当てられている。
【0137】このエッジガイド105は、加熱ベルト1
01の内径よりも若干小さな外径を有する円筒状部10
6と、当該円筒状部106の端部に設けられたフランジ
部107と、当該フランジ部107の外側に突設された
円筒状あるいは円柱状の保持部108とから構成されて
いる。上記エッジガイド105および不図示のエッジガ
イドは、フランジ部107の内壁面と、加熱ベルト10
1の他方の端部開口に突き当てられている不図示のエッ
ジガイドにおけるフランジ部の内壁面と、の間の距離
が、加熱ベルト101の軸方向に沿った長さよりも若干
長くなるように、当該加熱ベルト101の両端部が摺動
可能で、かつ装置に固定された状態で配設されている。
そのため、加熱ベルト101における基材層102とし
ては、加熱ベルト101の(図12における矢印A方向
への)回転中に、ニップ部以外の部分では、直径30m
mφの円形状を保ち、当該加熱ベルト101の端部がエ
ッジガイド105に突き当たった場合でも、この加熱ベ
ルト101に座屈等が生じない程度の剛性を有する必要
があり、例えば、厚さ50μmのポリイミド製のシート
が使用されている。
【0138】導電性層103は、後述の磁場発生手段に
よって生じる磁界の電磁誘導作用により、誘導発熱する
層であり、鉄、コバルト、ニッケル、銅、クロム等の金
属層を1〜50μm程度の厚みで形成したものが用いら
れる。ただし、本実施形態では、後述するパッドと加圧
ロールとで形成されるニップ部の内部で、加熱ベルト1
01が当該ニップ部の形状に倣う必要があるため、フレ
キシブルなベルトである必要があり、導電性層103
は、可能な限り薄層にすることが好ましい。
【0139】本実施形態では、導電性層103として、
導電率の高い銅を、発熱効率が高くなるように5μm程
度の極薄い厚さで、上述のポリイミドからなる基材層1
02上に蒸着させたものが用いられている。
【0140】表面離型層104は、被記録媒体である用
紙109上に転写された未定着トナー画像110と直接
接する層であるため、離型性の良い材料を使用すること
が望まれる。この表面離型層104を構成する材料とし
ては、例えば、テトラフルオロエチレンパーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)、シリコーン樹脂、また
はこれらの複合層等が挙げられる。表面離型層104
は、これらの材料のうちから適宜選択されたものを、1
〜50μmの厚さで加熱ベルト101の最上層として設
けたものである。この表面離型層104の厚さは、薄す
ぎると、耐磨耗性の面で耐久性が悪く、加熱ベルト10
1の寿命が短くなってしまい、逆に厚すぎると、加熱ベ
ルト101全体としての熱容量が大きくなり、ウオーム
アップタイムが長くなってしまうため、それぞれ望まし
くない。
【0141】本実施形態では、耐磨耗性と、加熱ベルト
101全体としての熱容量とのパランスを考慮して、加
熱ベルト101の表面離型層104として、厚さ10μ
mのテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニ
ルエーテル共重合体(PFA)が使用されている。
【0142】上記の如く構成される加熱ベルト101の
内部には、例えば、シリコーンゴム等の弾性層111を
有する押圧部材としてのパッド部材112が設けられて
いる。本実施形態では、パッド部材112として、ゴム
硬度がJIS―Aで35°のシリコーンゴムからなる弾
性層111を、ステンレス・鉄等の金属や、耐熱性の高
い合成樹脂等からなる剛性を有する支持部材113に積
層したものが用いられている。上記シリコーンゴムから
なる弾性層111は、例えば、均一な厚さのものが使用
される。また、上記パッド部材112の支持部材113
は、図示しない定着装置のフレームに固定された状態で
配置されているが、弾性層111が所定の押圧力で後述
する加圧ロール114の表面に圧接するように、図示し
ないスプリング等の付勢手段によって、加圧ロール11
4の表面に向けて押圧されていてもよい。
【0143】そして、上記定着装置は、パッド部材11
2と加熱ベルト101を介して対向する部分に、加圧用
回転体としての加圧ロール114が設けられている。こ
の加圧ロール114は、当該加圧ロール114とパッド
部材112とで加熱ベルト101を挟持した状態に保持
してニップ部115を形成し、当該ニップ部115を未
定着トナー画像110が転写された用紙109を通過さ
せることにより、熱および圧力で未定着トナー画像11
0を用紙109上に定着して、定着画像を形成するよう
になっている。
【0144】上記加圧ロール114として、本実施形態
では、直径26mmφの中実の鉄製ロール116の表面
に、離型層117として、厚さ30μmのテトラフルオ
ロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体(PFA)を被覆した加圧ロールが使用されている。
【0145】また、加圧ロール114には、図12に示
されるように、熱伝導性の良いアルミニウムやステンレ
ス等の金属からなる金属ロール118が、離接可能に設
けられている。この金属ロール118は、定着装置に通
電が開始された朝一番など、加熱ベルト101や加圧ロ
ール114の温度が冷えているときには、加圧ロール1
14から離れた位置に停止している。そして、上記定着
装置において、例えば、小サイズ用紙を連続して定着処
理した場合など、当該定着装置が使用されるに連れて、
加熱ベルト101や加圧ロール114において軸方向に
沿った温度差が生じたときには、金属ロール118を加
圧ロール114と当接させるように構成されている。な
お、上記金属ロール118は、加圧ロール114に当接
した際に、当該加圧ロール114と従動するようになっ
ている。本実施形態では、金属ロール118として、直
径10mmφのアルミニウム製の中実ロールが使用され
ている。
【0146】本実施形態では、上記加圧ロール114
は、図示しない加圧手段により、加熱ベルト101を介
してパッド部材112に押圧された状態で、図示しない
駆動手段によって回転駆動されている。
【0147】定着用回転体である加熱ベルト101は、
加圧ロール114の回転に従動して、循環移動するもの
である。そこで、本実施形態では、加熱ベルト101と
パッド部材112との間に、摺動性を良好なものにする
ため、耐摩擦性が強く、摺動性の良いシート材、例えば
フッ素樹脂を含浸させたガラス繊維シート(中興化成工
業:FGF400−4等)を介在させ、さらに潤滑剤と
して、シリコーンオイルなどの離型剤を、加熱ベルト1
01の内面に塗布することで、摺動性を向上させるよう
に構成されている。このようにすることで、実際の加熱
時において、加圧ロール114の空回転時の駆動トルク
を、約6kg・cmから約3kg・cmにまで低減する
ことができる。従って、加熱ベルト101は、加圧ロー
ル114と滑ること無く従動し、加圧ロール114の矢
印B方向への回転速度と等しい速度で循環移動すること
が可能となっている。
【0148】上記加熱ベルト101は、上述したよう
に、その軸方向の両端部において、図14に示すよう
に、エッジガイド105により軸方向の動きが規制され
ており、当該加熱ベルト101の蛇行などの発生が防止
されている。
【0149】本実施形態では、導電性層を有する薄肉の
加熱ベルトを、磁場発生手段が発生する磁界によって誘
導加熱するように構成されている。磁場発生手段120
は、加熱ベルト101の回転方向と直交する方向を長手
方向とする横長に、かつ曲線状に形成された部材であ
り、加熱ベルト101と0.5mm〜2mm程度のギャ
ップを保持して、加熱ベルト101の外側に設置されて
いる。この磁場発生手段20は、本実施形態では、励磁
コイル121と、該励磁コイル121を保持するコイル
支持部材122と、励磁コイル121の中心部に設けら
れる磁心123とで形成されている。また、励磁コイル
121に対して加熱ベルト101の反対側には、磁場遮
蔽部材124が設けられている
【0150】励磁コイル121としては、例えば、相互
に絶縁された直径0.5mmφの銅線材を16本束ねた
リンツ線を直線状に、所定の本数だけ並列的に配置した
ものが用いられる。
【0151】この励磁コイル121には、図15に示す
ように、励磁回路125によって、所定の周波数の交流
電流を印加することにより、当該励磁コイル121の周
囲には変動磁界Hが発生し、この変動磁界Hが、加熱ベ
ルト101の導電性層103を横切るときに、電磁誘導
作用によって、その磁界Hの変化を妨げる磁界を生じる
ように、加熱ベルト101の導電性層103に渦電流B
が生じる。励磁コイル121に印加する交流電流の周波
数は、例えば、10〜50kHzに設定されるが、本実
施形態では、交流電流の周波数が30kHzに設定され
ている。すると、この渦電流Bが加熱ベルト101の導
電性層103を流れることにより、当該導電性層103
の抵抗に比例した電力(W=IR2)でジュール熱が発
生し、定着用回転体である加熱ベルト101を加熱す
る。
【0152】コイル支持部材122としては、耐熱性の
ある非磁性材料を用いるのが望ましく、例えば、耐熱ガ
ラスや、ポリカーボネート等の耐熱性樹脂が用いられ
る。
【0153】励磁コイル121の中心部には、本発明の
磁心である磁心123が設けられている。磁心123
は、直方体形の容器に磁性粒子が充填されて構成され
る。当該容器は、形状が異なることを除いては、第1の
実施形態において説明したものと同様のものが適用され
る。磁性粒子が当該容器に充填されることで、全体とし
て直方体形状を有する磁性粒子の集合体からなり、か
つ、該磁性粒子の粒子状態が維持された磁心となる。な
お、磁性粒子の詳細についても、第1の実施形態におい
て説明したものと同様のものが適用される。
【0154】本実施形態において、磁性粒子の集合体
は、磁性粒子が粒子状であるため、体積や形状を自由に
変えることが可能であり、必要とされる大きさ、形状に
容易に形成することができる。従って、磁性粒子を、磁
心123の材料として用いることで、磁場発生手段12
0の設計の自由度が増加する。
【0155】また、磁性粒子を用いることにより、磁性
粒子自体が適度な電気抵抗を有しているので、高周波帯
域においても、所謂誘導加熱による自己発熱の問題も極
めて少なく、よって高周波数帯域においても損失が少な
く、実効透磁率を高めることができる。
【0156】本実施形態においては、磁心123を設け
ることで、励磁コイル121で発生する磁束を効率よく
集めることが出来、加熱効率を上昇させることができ
る。そのため、励磁コイル121に交流電流を印加する
高周波電源の周波数を下げたり、励磁コイル121の巻
き数を減少させたりすることが可能となり、電源の小型
化、励磁コイル121の小型化、コストダウンを実現す
ることができる。
【0157】一方、本実施形態において、磁場遮蔽部材
124は、本発明の磁場遮蔽部材が用いられる。磁場遮
蔽部材124は、励磁コイル121で発生した磁束を集
めて、磁路を形成するものであり、効率の良い加熱を可
能とすると同時に、磁束が定着装置外に漏れて、周辺部
材が不本位に加熱されるのを防止するためのものであ
る。
【0158】当該磁場遮蔽部材124は、励磁コイル1
21を覆う状態で近接配置されたカバー状の容器の内部
に、磁性粒子が充填されて構成される。磁場遮蔽部材1
24の具体的な構成は、第4の実施形態と同様である。
【0159】このように、本実施形態では磁場遮蔽部材
として磁性粒子の集合体を用いているので、さまざまな
形状に容易に成型することができ、磁場遮蔽部材を容易
に製造できる。従って、これら部品の小型化を損なうこ
となく、容易かつ安価に定着装置、さらには電子写真装
置の性能向上を図ることができる。
【0160】以上の構成において、本実施形態における
定着装置では、次のように、ウォームアップタイムを殆
どゼロにすることができるとともに、良好な定着性を得
ることができ、しかも剥離不良が生じるのを確実に防止
することが可能となっている。
【0161】すなわち、本実施形態に係る定着装置で
は、図12に示すように、加圧ロール114が100m
m/sのプロセススピードで、図示しない駆動源により
矢印B方向に回転駆動される。また、加熱ベルト101
は、加圧ロール114に圧接しており、当該加圧ロール
114の移動速度と等しい100mm/sの速度で循環
移動するようになっている。
【0162】そして、上記定着装置では、図12に示す
ように、図示しない転写装置により、未定着トナー画像
110が形成された用紙109が、当該未定着トナーが
形成された面が加熱ベルト101に接するように、加熱
ベルト101と加圧ロール114との間に形成されたニ
ップ部115を通過し、当該ニップ部115内を用紙1
09が通過する間に、加熱ベルト101と加圧ロール1
14とによって加熱および加圧されることにより、未定
着トナー画像110がトナー画像として用紙109上に
定着されるようになっている。
【0163】その際、上記定着装置では、加熱ベルト1
01の温度が、励磁コイル121に流す高周波電流の周
波数などにより、定着動作時は、ニップ部115の入口
において、180℃〜200℃程度に制御される。
【0164】本実施形態における定着装置では、画像形
成信号が入力されると同時に、加圧ロール114が回転
を開始すると共に、励磁コイル121に高周波電流が通
電される。励磁コイル121には、例えば、有効電力と
して700Wの電力が投入されると、加熱ベルト101
の温度は、誘導加熱作用によって、室温から約2秒で定
着可能温度に達する。すなわち、用紙109が給紙トレ
イから、定着装置まで移動するのに要する時間内にウォ
ームアップが完了してしまうことになる。よって、上記
定着装置においては、ユーザーを待たせること無く、定
着処理が可能となる
【0165】いま、上記定着装置のニップ部115に、
60gsm程度の薄紙に、カラーのベタ画像などトナー
が多量に転写された用紙109が進入した場合には、ト
ナーと加熱ベルト101表面の表面離型層104との間
で、引き付け合う力が強くなり、加熱ベルト101の表
面から用紙109を剥離するのが難しくなるのが通常で
ある。しかし、本実施形態の構成では、加熱ベルト10
1の形状がニップ部115の外では凸形状であるのに対
して、ニップ部115の内部では凹形状となっている。
すなわち、ニップ部115の内部では用紙109の方向
は、加圧ロール114側に巻き付く方向であり、かつニ
ップ部115の出口部では、加熱ベルト101の方向が
凹形状から凸形状に急激に変化するため、用紙109
は、当該用紙109自体のこし(剛性)により、加熱ベ
ルト101の形状の急激な変化についていくことができ
ず、加熱ベルト101から自然に剥離される。そのた
め、本実施形態における定着装置では、用紙109の剥
離不良の問題が生じるのを確実に防止することができ
る。
【0166】また、小サイズの用紙109を連続して定
着した場合には、非通紙領域の加熱ベルト101、パッ
ド部材112および加圧ロール114などの温度が上昇
してしまうが、加圧ロール114側に設けた金属ロール
118を、加圧ロール114の表面に当接させることに
より、加圧ロール114の高温部の熱を金属ロール11
8によって吸収することができ、その熱を低温部に移動
させるので、軸方向での温度分布は小さくなる方向に移
動し、加圧ロール114の温度および加熱ベルト101
の温度は、ある温度以上の高温になるのを防止すること
ができる。
【0167】さらに、当該定着装置は、ニップ部115
における加熱ベルト101側に、厚さ65μmの加熱ベ
ルト101を挟んで、弾性層111を有するため、定着
時にトナーを包み込んで定着する効果が得られ、良好な
カラー画質が得られる。また、より良好なカラー画質を
得るために、加熱ベルト101の導電性層103と表面
離型層104との間に数10μmのシリコーンゴムなど
の弾性層を設けてもよい。
【0168】以上、第3〜第5の実施形態においては、
電子写真装置における定着装置に本発明の磁心および/
または磁場遮蔽部材を用いた各例を挙げたが、本発明の
電子写真装置は、上記各例の構成に限定されるものでは
なく、本発明の構成を具備する限り、公知の知見によ
り、各種構成の変更、追加を行うことができる。
【0169】例えば、第3あるいは第4の実施形態にお
ける加圧用回転体としての加圧ロールを、エンドレスベ
ルト状の加圧部材(加圧ベルト)として、ロール−ベル
トニップ型の定着装置としたり、第5の実施形態におけ
る加圧用回転体としての加圧ロールを、エンドレスベル
ト状の加圧部材(加圧ベルト)として、ベルト−ベルト
ニップ型の定着装置としたり、等の変更を加えることが
できる。
【0170】また、各実施形態に挙げられた個々の構成
を任意に組み合わせて適用することもできる。例えば、
第5の実施形態における加圧ロールに配された金属ロー
ルを、第3あるいは第4の実施形態における加圧ロール
に対して配することもできる。
【0171】さらに、第3〜第5の実施形態において
は、全て定着用回転体のみを加熱する構成のものを例に
挙げたが、加圧用回転体について予備的に加熱する構成
としても構わない。このときの加熱方式は、一般的なハ
ロゲンランプ等の熱源による加熱でも構わないし、電磁
誘導加熱方式であっても構わない。電磁誘導加熱方式の
場合には、勿論、本発明の磁心や磁場遮蔽部材を適用す
ることができ、この場合であって、定着用回転体側には
本発明の磁心や磁場遮蔽部材を適用しなくても、本発明
の電子写真装置と位置付けられる。
【0172】なお、本実施形態においては、本発明の磁
心および磁場遮蔽部材の何れか一方もしくは双方が配さ
れてなる例を3つ挙げたが、これらの例において、本発
明の電子写真装置においては、本発明の磁心および磁場
遮蔽部材の何れか一方のみ配されてなるものであれば足
り、双方とも配されることが要求されるものではない。
【0173】〔第6の実施形態〕最後に、本発明の磁心
を用いたインダクタンス素子を適用すると共に、電磁界
漏洩を抑制する機能を発現し得る本発明の磁場遮蔽部材
を、転写定着装置の電磁遮蔽に適用した、いわゆる転写
定着同時方式の電子写真装置に関する第6の実施形態に
ついて説明する。
【0174】図16は、第6の実施形態である電子写真
装置を示す概略構成図である。この電子写真装置は、主
として、像担持回転体と、画像形成手段と、加熱部材お
よび加圧部材からなる転写定着部とから構成される。像
担持回転体は、本実施形態では、画像形成手段により周
面に未定着トナー画像が形成される中間転写ベルト20
5であり、一次転写ロール206、テンションロール2
09および駆動ロール210によって、張架されてい
る。なお、本実施形態においては、像担持回転体とし
て、エンドレスベルト状のものを用いたが、本発明にお
いてはロール状のものを用いても構わない。
【0175】画像形成手段は、表面に静電電位の差によ
る潜像が形成される感光ドラム201を備えており、こ
の感光ドラム201の周囲に、感光ドラム201表面を
ほぼ一様に帯電する帯電装置202と、感光ドラム20
1に各色信号に応じたレーザー光を照射して潜像を形成
するレーザースキャナ203およびミラー213等から
なる露光部と、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック
の4色のトナーをそれぞれ収容し、感光ドラム201表
面の潜像を各色トナーにより可視化して未定着トナー画
像を形成する回転式の現像装置204と、中間転写ベル
ト205を挟んで感光ドラム201と対向するように配
置され、感光ドラム201表面の未定着トナー画像を中
間転写ベルト205に転写する一次転写ロール206
と、転写後の感光ドラム表面を清掃するクリーニング装
置207と、感光ドラム201の表面を除電する除電ラ
ンプ208と、から構成される。
【0176】転写定着部は、一次転写ロール206およ
び駆動ロール210とともに中間転写ベルト205を張
架するように配置されたテンションロール209と、中
間転写ベルト205を挟むようにテンションロール20
9と対向して配置された、加圧部材である加圧ロール2
11と、から構成され、中間転写ベルト205と加圧部
材との間にニップ部が形成される。
【0177】さらに装置内には、給紙ユニット215内
に収容された用紙(被記録媒体)を1枚ずつ搬送する給
紙ロール216およびレジストロール217と、テンシ
ョンロール209に巻き回された中間転写ベルト205
および加圧ロール211の間に用紙を供給するための搬
送ガイド218と、が配されている。
【0178】本実施形態の電子写真装置には、本発明に
特徴的な構成として、中間転写ベルト205の周内であ
って、その周回方向における加圧ロール211との対向
位置(ニップ部)の上流側には、中間転写ベルト205
の背面側からトナー画像を加熱する磁場発生手段21
2、および該磁場発生手段212を取り囲む形状の磁場
遮蔽部材230が備えられる。
【0179】感光ドラム201は、円筒状の導電性基材
の表面にOPC(有機感光層)またはa−Si等からな
る感光体層を備えるものであり、導電性基材は電気的に
接地されている。現像装置204は、シアン、マゼン
タ、イエロー、ブラックのトナーをそれぞれ収容する4
台の現像器204C,204M,204Y,204Kを
備えており、各現像器が感光ドラム201と対向し得る
ように回転可能に支持されている。各現像器内には、表
面にトナー層を形成して感光ドラム201との対向位置
に搬送する現像ロールが設けられている。この現像ロー
ルには、交互電圧値VP-Pが2kV、周波数fが2kH
zの矩形波交互電圧に400Vの直流電圧を重畳した電
圧が印加され、電界の作用によりトナーが感光ドラム2
01表面の潜像に転移されるようになっている。また各
現像器204C、204M、204Y、204K内に
は、トナーホッパー214からそれぞれトナーが補給さ
れる。
【0180】中間転写ベルト205は、基材層表面に、
少なくとも導電性層および表面離型層が順次積層された
構成であり、その詳細は第5の実施形態における加熱ベ
ルト101と同様である。そのため、詳細な説明は省略
する。
【0181】中間転写ベルト205は、駆動ロール21
0により駆動されて周回移動するので、中間転写ベルト
205と加圧ロール211との圧接部分、すなわちニッ
プ部では、駆動ロール210の回転にともない、挿通さ
れる被記録媒体と同じ速度で移動する。このとき、被記
録媒体がニップ部に存在している時間(ニップ時間)が
10ms〜50msとなるように、ニップ幅および被記
録媒体の移動速度が設定されている。このニップ時間、
つまり溶融したトナーが被記録媒体に押し付けられた時
から、被記録媒体が中間転写ベルト205から剥離され
るまでの時間が、上記のように50ms以上となってい
ることによって、トナーが記録材に付着するのに充分な
温度まで加熱されていても、ニップの出口では、オフセ
ットが生じない程度までトナーの温度が低下されるもの
である。
【0182】本実施形態における磁場発生手段212
は、全体として直線状に形成されているのに対し、第5
の実施形態における磁場発生手段120は、近接配置さ
れる加熱ベルト101の形状に沿って曲線状に形成され
ている。ただし、形状以外の構成は、両者同一である。
すなわち、磁心として本発明の磁心が用いられている。
なお、その詳細な説明は、第5の実施形態と同一である
ため、省略する。また、磁場発生手段212および中間
転写ベルト205による加熱原理も、第5の実施形態に
おける磁場発生手段120および加熱ベルト101によ
る加熱原理と同様である。
【0183】本実施形態において、磁性粒子の集合体
は、磁性粒子が粒子状であるため、体積や形状を自由に
変えることが可能であり、必要とされる大きさ、形状に
容易に形成することができる。従って、磁性粒子を、磁
心の材料として用いることで、磁場発生手段212の設
計の自由度が増加する。
【0184】また、磁性粒子を用いることにより、磁性
粒子自体が適度な電気抵抗を有しているので、高周波帯
域においても、所謂誘導加熱による自己発熱の問題も極
めて少なく、よって高周波数帯域においても損失が少な
く、実効透磁率を高めることができる。
【0185】本実施形態における磁場遮蔽部材230
は、磁場発生手段212を覆う状態で近接配置されたカ
バー状の容器の内部に、磁性粒子が充填されて構成され
る。本実施形態において、磁場遮蔽部材230の断面形
状は、磁場発生手段212を取り囲むような舟形をして
いる。磁場遮蔽部材230の他の具体的な構成は、第4
の実施形態と同様である。
【0186】このように、本実施形態では磁場遮蔽部材
として磁性粒子の集合体を用いているので、さまざまな
形状に容易に成型することができ、磁場遮蔽部材を容易
に製造できる。従って、これら部品の小型化を損なうこ
となく、容易かつ安価に電子写真装置の性能向上を図る
ことができる。
【0187】次に、上記のような構成の電子写真装置の
動作について説明する。感光ドラム201は、図16中
に示す矢印C方向に回転し、帯電装置202によってほ
ぼ一様に帯電された後、レーザースキャナ203から原
稿のイエロー画像信号に従ってパルス幅変調されたレー
ザー光が照射され、感光ドラム201上にイエロー画像
に相当する静電潜像が形成される。このイエロー画像用
の静電潜像は、現像装置204により予め現像位置に定
置されたイエロー用現像器204Yによって現像され、
感光ドラム201上にイエロー色の未定着トナー画像が
形成される。
【0188】このイエロー色の未定着トナー画像は、感
光ドラム201と中間転写ベルト205との当接部であ
る一次転写部Xにおいて、矢印C方向への感光ドラム2
01の回転速度と同一の線速度(プロセススピード)で
周回移動する中間転写ベルト205の周面に、一次転写
ロール206の作用により静電的に転写される。イエロ
ー色の未定着トナー画像が形成された中間転写ベルト2
05は、表面にイエロー色の未定着トナー画像を保持し
たまま一旦矢印C方向と逆方向に周回移動し、次の色の
マゼンタ像が、イエロー色の未定着トナー画像の上に積
層されて転写される位置に備えられる。
【0189】一方、感光ドラム201は、クリーニング
装置207によって表面が清掃された後、再び帯電装置
202によりほぼ一様に帯電され、次のマゼンタの画像
信号に従ってレーザースキャナ203からレーザー光が
照射される。
【0190】現像装置204は、感光ドラム201上に
マゼンタ用の静電潜像が形成される間に矢印D方向に回
転し、マゼンタ用現像器204Mを現像位置に定置して
マゼンタトナーによる現像を行う。このようにして形成
されたマゼンタ色の未定着トナー画像は、一次転写部X
で中間転写ベルト205の周面に静電的に転写され、イ
エロー色の未定着トナー画像の上に積層される。
【0191】引き続いて、上述のプロセスがそれぞれシ
アンおよびブラックに対して行われ、中間転写ベルト2
05表面へ4色分の転写・積層が終了したとき、もしく
は最終色のブラックの転写途中において、給紙ユニット
15内に収容される用紙(被記録媒体)が給紙ロール2
16により給紙され、レジストロール217および搬送
ガイド218を経由して中間転写ベルト205の二次転
写部Yに搬送される。
【0192】一方、中間転写ベルト205の周面に形成
された4色分の未定着トナー画像は、二次転写部Yの上
流側で、磁場発生手段212と対向する加熱領域Zを通
過する。加熱領域Zでは、磁場発生手段212による磁
場の作用で、中間転写ベルト205の導電層が電磁誘導
加熱により発熱する。これにより導電層は急激に加熱さ
れ、この熱は時間経過とともに表面離型層に伝達され、
二次転写部Yに到達するときには中間転写ベルト205
周面の未定着トナー画像が溶融した状態となる。
【0193】中間転写ベルト205の周面で溶融した未
定着トナー画像のトナーは、二次転写部Yで用紙の搬送
に合わせて圧接される加圧ロール211の圧力により、
用紙と密着される。加熱領域Zでは、中間転写ベルト2
05は局所的に表面近傍だけが加熱されており、溶融し
たトナーは室温と同温度の用紙と接触して急激に冷却さ
れる。つまり、溶融したトナーは二次転写部Yのニップ
部を通過するときに、トナーが持っている熱エネルギー
と圧接力とで瞬時に用紙に浸透して転写定着され、用紙
はトナーおよび表面近傍だけ加熱された中間転写ベルト
205の熱を奪いながらニップ部の出口に向かって搬送
される。このとき、ニップ幅および記録材の移動速度が
適切に設定されていることにより、ニップ部の出口での
トナーの温度は軟化点温度よりも低くなる。このため、
トナーの凝集力が大きくなり、トナー画像はオフセット
を生じることなく、そのままほぼ完全に用紙表面に転写
定着される。その後、トナー画像が転写定着された用紙
は、排出ロール219を通って排出用トレイ220上に
排紙され、フルカラーの画像形成が終了する。
【0194】このように本実施形態の電子写真装置で
は、磁場発生手段212と対向する加熱領域Zにおい
て、電磁波を吸収する中間転写ベルト205の導電層の
近傍だけが加熱され、二次転写部Yにおいては、加熱領
域Zで加熱溶融したトナーが室温と同温度の用紙と加圧
接触することによって転写と同時に定着される。中間転
写ベルト205はごく表面が加熱されているだけなの
で、中間転写ベルト205の温度は転写定着直後に急激
に低下する。このため、装置内での熱の蓄積は極めて少
なくなる。
【0195】一方、転写定着同時方式による従来の電子
写真装置では、装置を連続して使用した場合に熱の蓄積
が起こり、それに伴う装置の温度上昇が顕著になり、感
光ドラムの電位特性が不安定になる。特に、帯電電位の
低下が顕著になり、トナー画像形成方法として例えば反
転現像を用いた場合には、バックグランド部に地かぶり
が発生するようになり、画質の劣化が顕著になる。ま
た、装置の温度上昇により現像装置付近でトナーが溶融
し、クリーニングブレードなどに固着するといった現象
も見られる。これに対し、本実施形態の電子写真装置で
は、連続使用時の装置内の温度上昇は従来方式に比べて
はるかに少なく、感光ドラムやトナー等の特性が変化す
ることがない。このため、長時間の使用によっても画質
劣化はほとんど見られず、高画質の画像が安定して得ら
れる。特にこの効果はカラー画像を形成する際に顕著で
ある。
【0196】以上のことから、本実施形態の電子写真装
置では、具体的に次に示すような利点がある。磁場発生
手段により中間転写ベルトの表面近傍を直接加熱するの
で、中間転写ベルトの基材の熱伝導率、熱容量に左右さ
れずに、急速に加熱することができる。また、転写効率
が中間転写ベルトの厚さに依存しないので、高速化のた
めに中間転写ベルトの剛性を上げる必要がある場合、中
間転写ベルトの基層(基材)を厚くしてもトナーを迅速
に定着温度にまで加熱できる。
【0197】中間転写ベルトの基層は、一般に低熱伝導
性の樹脂のため断熱性がよく、連続プリントを行っても
熱のロスが少ない。また、画像の存在しない領域、例え
ば連続して送られる用紙の間の非画像部が加熱領域Zを
通過する場合などは、励磁回路を制御することにより、
無駄な加熱を停止することも可能であり、これらのこと
と相まってエネルギー効率が非常に高くなる。そして、
熱効率が向上した分、装置内の昇温も抑えられて、感光
ドラムの特性変化やクリーニング部材へのトナーの固着
等も防止できる。
【0198】なお、上記実施形態では、4色の未定着ト
ナー画像がすべて中間転写ベルトの周面に転写された後
に、磁場発生手段により電磁誘導加熱し、トナーを加熱
溶融させた例を示したが、各トナー画像が一色ずつ一次
転写された後に加熱溶融させ、中間転写ベルトの周面に
トナーの仮定着を行ってもよい。このような方式によ
り、一次転写後に、4色の重ね合わされたトナー画像が
乱れるのを防止できるとともに、画像のレジストや倍率
を精度良く合わせることができるといった利点がある。
【0199】上記実施形態では、一次転写部Xにおける
転写方法として、絶縁性の誘電層を有するバイアス印加
ロールを用い、未定着トナー画像を静電的に中間転写ベ
ルト上に転写する静電転写方法を採用したが、弾性を有
する耐熱性の中間転写ベルトを用い、該中間転写ベルト
の内側から一次転写ロールを感光ドラムに押圧し、未定
着トナー画像を中間転写ベルトの周面に転写する粘着転
写等を採用してもよい。その際、転写後の感光ドラム表
面に若干トナーが残留するので、除電装置およびクリー
ニング装置により残留トナーを除電、クリーニングする
ことが望まれる。
【0200】以上、第6の実施形態においては、電子写
真装置における定着装置に本発明の磁心および磁場遮蔽
部材を用いた例を挙げたが、本発明の電子写真装置は、
本実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の
構成を具備する限り、公知の知見により、各種構成の変
更、追加を行うことができる。
【0201】例えば、像担持回転体として、エンドレス
ベルト状の中間転写ベルトを用いた例を挙げたが、ロー
ル状の中間転写ロールや、感光体(ロール状およびエン
ドレスベルト状の双方を含む)を像担持回転体とした構
成であってもよい。感光体を像担持回転体とする場合に
は、既述の現像器が本発明に言う画像形成装置に相当す
る。ただし、電磁誘導加熱により感光体自体が加熱され
るので、耐熱性のある感光体並びに画像形成システムで
あることが要求される。
【0202】本実施形態においては、中間転写ベルト2
05の加熱は、加熱領域Zにおける電磁誘導加熱のみと
したが、テンションロール209を加熱部材として、補
助的にあるいは主として、転写定着用の加熱源としても
よい。この場合、テンションロール209の加熱が、転
写定着用の加熱源として十分な熱量を有するならば、加
熱領域Zにおける電磁誘導加熱を省略してもよい。テン
ションロール209の加熱方法としては、定着ロールと
して従来公知の、ハロゲンランプ等の熱源を内部に配し
たり、第3の実施形態や第4の実施形態における加熱ロ
ールのように、電磁誘導加熱方式を採用してもよく、こ
の場合勿論、本発明の磁心および/または磁場遮蔽部材
を用いることができる。
【0203】また、第3〜第5の実施形態に挙げられた
個々の構成を第6の実施形態に適宜取り込むこともでき
る。なお、本実施形態においては、本発明の磁心および
磁場遮蔽部材の双方が配されてなる例を挙げたが、本発
明の電子写真装置においては、本発明の磁心および磁場
遮蔽部材の何れか一方のみ配されてなるものであれば足
り、双方とも配されることが要求されるものではない。
【0204】以上説明したように、上記第1〜第6の実
施形態では、電磁気が作用する部位の部材として磁性粒
子を用いて体積や形状を自由に変更することが可能であ
るので、必要とされる大きさに容易に形成することがで
きる。なお、上記第1〜第6の実施形態は、あくまでも
例示であり、装置構成において特定される、寸法、形
状、配置、各種特性、組成、条件等(これらの具体的な
数値を含む)は、何ら本発明を制限するものではなく、
当業者は、様々な条件に応じて適宜最適なものを選択す
ることができる。
【0205】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、磁
心として磁性粒子の集合体を用いることにより、さまざ
まな形状に容易に成型することができ、容易に製造で
き、コイルやトランスなどのインダクタンス素子の一部
に設置するだけで、インダクタンスを広範囲にわたって
自由に設計することができ、さらに高周波数帯域におい
ても損失が少なく、実効透磁率を高めることができる、
という効果がある。また、本発明によれば、磁心材料に
磁性粒子を採用し、かつ磁性材料が粒子状態のまま維持
されているので、磁心に渦電流が生じることを解消する
ことができる。このため、渦電流により発熱する損失を
解消することができる。
【0206】さらに、磁場を発生する磁場発生手段の周
囲に、磁性粒子の集合体からなる本発明の磁場遮蔽部材
を設置することにより、電磁界漏洩を抑制することがで
き、粒子状であることから形状を自由に加工することが
でき、部品設計の自由度を向上させることができる。
【0207】一方、本発明の電子写真装置によれば、定
着あるいは転写定着に電磁誘導加熱方式を採用した電子
写真装置において、磁場発生手段に渦電流損失が抑制さ
れ、かつ、形状の自由度が高い磁心を用いることで、低
コストでより一層の省エネルギー化を達成し得ると共
に、装置の設計に当たっての自由度を拡張し得る、さら
には、一層の小型化を図り得る電子写真装置を提供する
ことができる。
【0208】また、本発明の電子写真装置によれば、定
着あるいは転写定着に電磁誘導加熱方式を採用した電子
写真装置において、磁場発生手段からの磁場の漏洩を効
果的に遮蔽し得る電子写真装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態にかかる磁心を示す
斜視図である。
【図2】 磁性粒子調整の態様を説明するための説明図
であり、(A)は容器内に磁性粒子を収容した一例、
(B)は容器の径による磁性粒子収容量調整の一例、
(C)は磁性粒子量を変化させる場合の一例、(D)は
調整素子により磁性粒子を調整する場合の一例を示し
た。
【図3】 磁性粒子の収容量を変更した場合の電磁気的
性質の特性値の変化を示し、(A)はインダクタンス
(μH)変動、(B)はインピーダンスZ(Ω)変動を
示している。
【図4】 磁性粒子の収容量を変更した場合の電磁気的
性質の特性値の変化を示し、(A)はコイル抵抗成分R
(Ω)、(B)は回路の位相角θ(cosθは力率)を
示している。
【図5】 コイルコア(磁心)を有する場合と有さない
場合との双方について、印加する信号周波数とインダク
タンスとの関係を示す特性図である。
【図6】 本発明の第2の実施形態に係る磁場遮蔽部材
を示す概略構成図である。
【図7】 本発明の第3の実施形態に係る電子写真装置
のうち、定着装置の部分のみを示す概略構成図である。
【図8】 定着装置における熱流出量と磁性粒子の分布
の関係を示す特性図および構造図であり、(A)は位置
と熱流出量との関係、(B)は構造の一例、(C)は構
造の他例、(D)は構造のその他の例を示す。
【図9】 磁性粒子の収容量の変動に対する昇温スピー
ドの関係を示した特性図である。
【図10】 本発明の第4の実施形態に係る電子写真装
置のうち、定着装置の部分のみを示す概略構成図であ
る。
【図11】 第4の実施形態における加熱ロールと磁場
発生装置の位置関係を示した斜視図である。
【図12】 本発明の第5の実施形態に係る電子写真装
置のうち、定着装置の部分のみを示す概略構成図であ
る。
【図13】 第5の実施形態における定着装置で使用す
る加熱ベルトの一部を示す拡大断面図である。
【図14】 第5の実施形態における定着装置で使用す
る加熱ベルトの支持構造を示す構成図である。
【図15】 第5の実施形態における定着装置で使用す
る加熱ベルトの加熱原理を示す説明図である。
【図16】 本発明の第6の実施形態に係る電子写真装
置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10、123 磁心 12、20、22、90 容器 14 磁性粒子 15 給紙ユニット 16 空間 18 蓋 20、92、120、212 磁場発生手段 24、80、82、84、86 調整素子 30、50 定着装置 32、52 加熱ロール(定着用回転体) 34 誘導加熱コイル 36 ボビン 38、54、211 加圧ロール(加圧用回転体) 40 記録紙(被記録媒体) 42 高周波電源 56 剥離爪 58 クリーニング部材 60 離型剤塗布装置 62 サーミスタ 64 誘導加熱装置(磁場発生手段) 66、121 励磁コイル 68、100、124 磁場遮蔽部材 70 サーモスタット 72、125 励磁回路 96 漏洩磁場 101 加熱ベルト(加熱部材) 102 基材層 103 導電性層 104 表面離型層 105 エッジガイド 106 円筒状部 107 フランジ部 108 保持部 109 用紙 110 未定着トナー画像 111 弾性層 112 パッド部材 113 支持部材 114 加圧ロール(加圧用回転体) 115 ニップ部 116 鉄製ロール 117 離型層 118 金属ロール 122 コイル支持部材 201 感光ドラム 202 帯電装置 203 レーザースキャナ 204 現像装置 205 中間転写ベルト(像担持回転体) 206 一次転写ロール 207 クリーニング装置 208 除電ランプ 209 テンションロール(加熱部材) 210 駆動ロール 213 ミラー 214 トナーホッパー 215 給紙ユニット 216 給紙ロール 217 レジストロール 218 搬送ガイド 219 排出ロール 220 排出用トレイ 230 磁場遮蔽部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 1/20 H01F 1/36 5E058 1/36 27/36 J 27/36 H05B 6/14 H05B 6/14 H01F 27/24 D (72)発明者 長谷波 茂彦 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 Fターム(参考) 2H033 AA20 AA30 AA41 BA02 BA25 BA26 BB28 BB30 BB33 BE06 2H078 AA04 AA29 BB01 CC06 2H200 FA13 FA15 GA23 GA34 GA47 GB25 GB26 GB40 HA12 HB03 HB12 JA07 JC04 JC13 JC16 MB01 3K059 AB13 AD01 AD07 AD27 CD47 CD55 CD72 5E041 AA01 AB00 CA02 CA06 5E058 CC12

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁場発生手段の少なくとも一部に関係す
    るために設けられ、発生磁場の電磁気特性に作用する磁
    気材料として、磁性粒子の集合体からなり、かつ、該磁
    性粒子の粒子状態が維持されたまま容器に充填されて構
    成されることを特徴とする磁心。
  2. 【請求項2】 前記磁場発生手段が、コイルまたはトラ
    ンスであることを特徴とする請求項1に記載の磁心。
  3. 【請求項3】 前記磁性粒子が、鉄粉、フェライト粉
    末、およびマグネタイト粉末の少なくとも1種の粉末で
    あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    磁心。
  4. 【請求項4】 前記容器の形状が、前記磁性粒子に作用
    する電磁気によって生じる温度特性に応じた形状である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に
    記載の磁心。
  5. 【請求項5】 前記容器が、非磁性材料からなることを
    特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の
    磁心。
  6. 【請求項6】 前記容器に、前記磁性粒子の出し入れが
    可能で、かつ、密封可能な蓋が設けられていることを特
    徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の磁
    心。
  7. 【請求項7】 前記容器に、前記磁性粒子とともに、該
    磁性粒子の充填量を調整するための調整素子が収納され
    てなることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか
    1項に記載の磁心。
  8. 【請求項8】 前記調整素子が、固形状態の磁性体であ
    ることを特徴とする請求項7に記載の磁心。
  9. 【請求項9】 前記調整素子が、固形状態で、かつ非磁
    性材料からなることを特徴とする請求項7に記載の磁
    心。
  10. 【請求項10】 磁場を発生する磁場発生手段の周辺に
    設けられ、かつ該磁場発生手段より発生する磁場を遮蔽
    する磁場遮蔽部材であって、磁性粒子の集合体からな
    り、かつ、該磁性粒子の粒子状態が維持されたまま容器
    に充填されて構成されることを特徴とする磁場遮蔽部
    材。
  11. 【請求項11】 前記磁場発生手段が、コイルまたはト
    ランスであることを特徴とする請求項10に記載の磁場
    遮蔽部材。
  12. 【請求項12】 前記磁性粒子が、鉄粉、フェライト粉
    末、およびマグネタイト粉末の少なくとも1種の粉末で
    あることを特徴とする請求項10または請求項11に記
    載の磁場遮蔽部材。
  13. 【請求項13】 前記容器に、前記磁性粒子の出し入れ
    が可能で、かつ、密封可能な蓋が設けられていることを
    特徴とする請求項10乃至請求項12の何れか1項に記
    載の磁場遮蔽部材。
  14. 【請求項14】 被記録媒体表面に、電子写真方式によ
    り未定着トナー画像を形成する画像形成手段と、定着用
    回転体、および、該定着用回転体に当接してニップ部を
    形成する加圧用回転体からなり、未定着トナー画像が形
    成された面が定着用回転体に接するように前記被記録媒
    体を前記ニップ部に挿通することで、該被記録媒体表面
    にトナー画像を定着する定着手段と、を含む電子写真装
    置であって、 前記定着用回転体および/または加圧用回転体における
    周面近傍に、導電性層が形成されており、該導電性層が
    形成された前記定着用回転体および/または加圧用回転
    体に近接して磁場発生手段が配され、 該磁場発生手段が、請求項1乃至請求項9の何れか1項
    に記載の磁心を含むことを特徴とする電子写真装置。
  15. 【請求項15】 前記定着用回転体および加圧用回転体
    が、それぞれロール状またはエンドレスベルト状である
    ことを特徴とする請求項14に記載の電子写真装置。
  16. 【請求項16】 前記磁場発生手段から発生する磁場の
    うち、前記導電性層に影響を与えない漏洩磁場の少なく
    とも一部を遮蔽するための漏洩磁場遮蔽部材が、前記磁
    場発生手段の周辺に設けられ、かつ、該漏洩磁場遮蔽部
    材が、請求項10乃至請求項13の何れか1項に記載の
    磁場遮蔽部材であることを特徴とする請求項14または
    請求項15に記載の電子写真装置。
  17. 【請求項17】 像担持回転体と、該像担持回転体の周
    面に、電子写真方式により未定着トナー画像を形成する
    画像形成手段と、前記像担持回転体に対向配置され、前
    記像担持回転体との間にニップ部を形成する加圧部材
    と、からなり、前記ニップ部に被記録媒体を挿通させ
    て、熱および圧力により前記被記録媒体表面にトナー画
    像を転写定着する電子写真装置であって、 前記像担持回転体における周面近傍に導電性層が形成さ
    れており、 該像担持回転体の前記ニップ部乃至その上流であって、
    該像担持回転体に近接して、磁場発生手段が配され、 該磁場発生手段が、請求項1乃至請求項9の何れか1項
    に記載の磁心を含むことを特徴とする電子写真装置。
  18. 【請求項18】 像担持回転体と、該像担持回転体の周
    面に、電子写真方式により未定着トナー画像を形成する
    画像形成手段と、前記像担持回転体に周内で当接し、該
    像担持回転体を加熱する加熱部材と、該加熱部材に前記
    像担持回転体を介して対向配置され、前記像担持回転体
    との間にニップ部を形成する加圧部材と、からなり、前
    記ニップ部に被記録媒体を挿通させて、熱および圧力に
    より前記被記録媒体表面にトナー画像を転写定着する電
    子写真装置であって、 前記像担持回転体における周面近傍に、および/また
    は、前記加熱部材における前記中間転写回転体との当接
    部近傍に、導電性層が形成されており、 前記像担持回転体に導電性層が形成されている場合に
    は、該像担持回転体の前記ニップ部乃至その上流であっ
    て、該像担持回転体に近接して、前記加熱部材に導電性
    層が形成されている場合には、該加熱部材に近接して、
    磁場発生手段が配され、 該磁場発生手段が、請求項1乃至請求項9の何れか1項
    に記載の磁心を含むことを特徴とする電子写真装置。
  19. 【請求項19】 前記像担持回転体が、ロール状または
    エンドレスベルト状であることを特徴とする請求項17
    または請求項18に記載の電子写真装置。
  20. 【請求項20】 前記磁場発生手段から発生する磁場の
    うち、前記導電性層に影響を与えない漏洩磁場の少なく
    とも一部を遮蔽するための漏洩磁場遮蔽部材が、前記磁
    場発生手段の周辺に設けられ、かつ、該漏洩磁場遮蔽部
    材が、請求項10乃至請求項13の何れか1項に記載の
    磁場遮蔽部材であることを特徴とする請求項17乃至請
    求項19の何れか1項に記載の電子写真装置。
  21. 【請求項21】 被記録媒体表面に、電子写真方式によ
    り未定着トナー画像を形成する画像形成手段と、定着用
    回転体、および、該定着用回転体に当接してニップ部を
    形成する加圧用回転体からなり、未定着トナー画像が形
    成された面が定着用回転体に接するように前記被記録媒
    体を前記ニップ部に挿通することで、該被記録媒体表面
    にトナー画像を定着する定着手段と、を含む電子写真装
    置であって、 前記定着用回転体および/または加圧用回転体における
    周面近傍に、導電性層が形成されており、該導電性層が
    形成された前記定着用回転体および/または加圧用回転
    体に近接して磁場発生手段が配され、 該磁場発生手段から発生する磁場のうち、前記導電性層
    に影響を与えない漏洩磁場の少なくとも一部を遮蔽する
    ための漏洩磁場遮蔽部材が、前記磁場発生手段の周辺に
    設けられ、かつ、該漏洩磁場遮蔽部材が、請求項10乃
    至請求項13の何れか1項に記載の磁場遮蔽部材である
    ことを特徴とする電子写真装置。
  22. 【請求項22】 前記定着用回転体および加圧用回転体
    が、それぞれロール状またはエンドレスベルト状である
    ことを特徴とする請求項21に記載の電子写真装置。
  23. 【請求項23】 像担持回転体と、該像担持回転体の周
    面に、電子写真方式により未定着トナー画像を形成する
    画像形成手段と、前記像担持回転体に対向配置され、前
    記像担持回転体との間にニップ部を形成する加圧部材
    と、からなり、前記ニップ部に被記録媒体を挿通させ
    て、熱および圧力により前記被記録媒体表面にトナー画
    像を転写定着する電子写真装置であって、 前記像担持回転体における周面近傍に導電性層が形成さ
    れており、 該像担持回転体の前記ニップ部乃至その上流であって、
    該像担持回転体に近接して、磁場発生手段が配され、 該磁場発生手段から発生する磁場のうち、前記導電性層
    に影響を与えない漏洩磁場の少なくとも一部を遮蔽する
    ための漏洩磁場遮蔽部材が、前記磁場発生手段の周辺に
    設けられ、かつ、該漏洩磁場遮蔽部材が、請求項10乃
    至請求項13の何れか1項に記載の磁場遮蔽部材である
    ことを特徴とする電子写真装置。
  24. 【請求項24】 像担持回転体と、該像担持回転体の周
    面に、電子写真方式により未定着トナー画像を形成する
    画像形成手段と、前記像担持回転体に周内で当接し、該
    像担持回転体を加熱する加熱部材と、該加熱部材に前記
    像担持回転体を介して対向配置され、前記像担持回転体
    との間にニップ部を形成する加圧部材と、からなり、前
    記ニップ部に被記録媒体を挿通させて、熱および圧力に
    より前記被記録媒体表面にトナー画像を転写定着する電
    子写真装置であって、 前記像担持回転体における周面近傍に、および/また
    は、前記加熱部材における前記像担持回転体との当接部
    近傍に、導電性層が形成されており、 前記像担持回転体に導電性層が形成されている場合に
    は、該像担持回転体の前記ニップ部乃至その上流であっ
    て、該像担持回転体に近接して、前記加熱部材に導電性
    層が形成されている場合には、該加熱部材に近接して、
    磁場発生手段が配され、 該磁場発生手段から発生する磁場のうち、前記導電性層
    に影響を与えない漏洩磁場の少なくとも一部を遮蔽する
    ための漏洩磁場遮蔽部材が、前記磁場発生手段の周辺に
    設けられ、かつ、該漏洩磁場遮蔽部材が、請求項10乃
    至請求項13の何れか1項に記載の磁場遮蔽部材である
    ことを特徴とする電子写真装置。
  25. 【請求項25】 前記中間転写回転体が、ロール状また
    はエンドレスベルト状であることを特徴とする請求項2
    3または請求項24に記載の電子写真装置。
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