JPH06333671A - 磁気シールドされた電磁誘導加熱器 - Google Patents

磁気シールドされた電磁誘導加熱器

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JPH06333671A
JPH06333671A JP14017093A JP14017093A JPH06333671A JP H06333671 A JPH06333671 A JP H06333671A JP 14017093 A JP14017093 A JP 14017093A JP 14017093 A JP14017093 A JP 14017093A JP H06333671 A JPH06333671 A JP H06333671A
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Japan
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electromagnetic induction
magnetic
resin
shield material
soft magnetic
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JP14017093A
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English (en)
Inventor
Takanori Endo
貴則 遠藤
Masami Miyake
政美 三宅
Hiroyuki Imai
浩之 今井
Yoshihiko Tokida
芳彦 土木田
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】電磁誘導加熱器の電磁誘導部に、該部分を磁気
的に覆う磁気シールド材を設けたことを特徴とする電磁
誘導加熱器であって、好ましくは樹脂質の磁気シールド
材によって電磁誘導部を覆蔽した電磁誘導加熱器。 【効果】電磁誘導部が磁気シールド材によって覆蔽され
ているので、外部への磁気漏れが遮断され、漏洩磁気に
よる影響を防止することができる。樹脂質の磁気シール
ド材を用いることにより磁気シールド材の発熱も少な
い。さらに磁気シールド材は電磁誘導部の底面および側
面全体を覆うので、これらの保護カバーを兼用でき、機
械的衝撃や水滴の飛散に対して優れた耐久性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】近年、電磁誘導加熱を利用した業
務用および家庭用の各種加熱器が使用されている。その
一例として、トッププレートの裏側に誘導加熱コイルを
設け、プレート自体は加熱せず、その上に置いた鉄製の
鍋等に渦電流を誘導させて加熱する電磁調理器や、釜の
内周内側に誘導加熱コイルを配設し、内釜に渦電流を誘
導して加熱する電磁炊飯器(IH型炊飯器)などが知ら
れている。本発明はこのような電磁誘導加熱器(以下、
本明細書において、電磁調理器および電磁炊飯器などを
含む誘導加熱を利用した各種の加熱器を電磁誘導加熱器
と云う。)について、電磁誘導部分(磁界発生部)から
の磁気漏洩を防止した電磁誘導加熱器に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】交流磁界では連続的に磁化の方
向が変化するため、磁界内の磁性体内部でこれを阻止す
る方向に渦電流が流れてジュール熱を発生する。電磁誘
導加熱器はこの原理を利用したものであり、磁性材料か
らなる加熱部の近傍に誘導加熱コイルからなる電磁誘導
部を設け、該コイルに交流電流を通じて交流磁界を発生
させ、この磁界によって加熱部分に渦電流を誘導し、こ
の渦電流が磁性体の電気抵抗によってジュール熱を発生
して加熱する。従って、誘導加熱コイルから強力な磁界
が発生しており、これが外部に漏れて強力な磁気ノイズ
となっている。このため電磁調理器や電磁炊飯器などで
下部の金属が発熱したり、これらの近傍に置かれた電子
機器が影響を受け、誤動作やモニター画面の乱れなどを
生じ、また電磁誘導加熱器を使用する者が心臓のペース
メーカなどを取り付けている場合には、これに影響を与
える虞があるなどの問題があり、このため磁気漏れを生
じないよう磁気シールドを施す必要が指摘されている。
ところが、従来の電磁誘導加熱器はこのような磁気漏れ
について考慮されておらず、効果的な磁気漏れ防止手段
が設けられていない。因みに、従来の電磁調理器や電磁
炊飯器などの誘導加熱コイル装着部の裏側には軟磁性フ
ェライト部材が装着されているが、これは誘導加熱コイ
ルのインダクタンスを高めるために設けられており、裏
面全体を覆うものではないために磁気漏れ防止の効果は
殆どない。
【0003】一例として、従来の電磁炊飯器の概略を図
5、図6の模式図に示す。図示するように、電磁炊飯器
10は外釜11と該外釜11に嵌着する内釜12を有
し、外釜11の底面と底部内周を囲むように誘導加熱コ
イル13が設置されており、内釜12はステンレスなど
の磁性体によって形成されている。また該コイルの外側
には樹脂製カバー16を介してフェライト製の板材14
が放射状に取付けられている。誘導加熱コイル13に交
流電流を流すと、該コイルを中心として交流磁場が生
じ、該交流磁場の磁力線によって内釜の磁性材内部に渦
電流15が誘導され、この渦電流15が磁性材の電気抵
抗によってジュール熱を発生し、内釜全体を加熱する。
ここで発生する磁束Φの大きさは該コイルに流れる交流
電流IとコイルのインダクタンスLとの積によって表さ
れる(Φ=I×L)。電磁炊飯器や電磁調理器などの電
磁誘導加熱装置では安全性の点から電流を無制限に大き
くすることはできないので、コイルの外側にフェライト
を配置してインダクタンスLを高めて大きな磁束を得て
いる。ところが、該フェライト材14はインダクタンス
Lを高める程度に設ければ良いので図示するように放射
状に配設されており、誘導加熱コイル全体を覆うように
設けられてはいない。一方、従来のものには電磁誘導部
を機械的衝撃などから保護するために、コイル外周を囲
む樹脂製の保護カバー16が設けられいるが、上記フェ
ライト材14は、その形状の都合上、この保護カバー1
6に取り付けられており、取付け工程に手間がかかる。
【0004】
【発明の解決課題】本発明はこのような従来の電磁誘導
加熱器の課題を解決するものであり、磁気漏れを効果的
に防止した電磁誘導加熱器を提供することを目的とす
る。本発明において、電磁誘導加熱コイルを設けた電磁
誘導部を磁気シールド材によって覆うことにより磁気漏
れを大幅に軽減でき、かつ電磁誘導加熱コイルのインダ
クタンスも高まることが確認された。また上記磁気シー
ルド材は該コイル外周を覆うので保護カバーを兼用で
き、機械的衝撃や水滴の飛散に対して耐久性に優れるこ
とも見出だされた。特に磁気シールド材として、軟磁性
材と樹脂とを複合した樹脂質磁気シールド材を用いれ
ば、高い磁気遮蔽効果を有し、しかも磁気シールド材の
発熱がなく、また加工性に優れ、部材の形状に適合して
設けることができるので優れた磁気漏れ防止効果を達成
できることが確認された。
【0005】
【発明の構成】本発明によれば以下の電磁誘導加熱器が
提供される。 (1) 磁界を発生させる電磁誘導部を有し、該磁界に
よって誘発された渦電流によって加熱する電磁誘導加熱
器において、該電磁誘導部の加熱側を除く周囲を絶縁性
の軟磁性磁気シールド材によって磁気的に覆蔽したこと
を特徴とする電磁誘導加熱器。 (2) 上記電磁誘導部の加熱側を除く周囲を、保護カ
バーを兼用する絶縁性の軟磁性磁気シールド材によって
磁気的に覆蔽した上記(1) の電磁誘導加熱器。 (3) 樹脂中に軟磁性粉末を分散させてなる樹脂質磁
気シールド材によって電磁誘導部外周を磁気的に覆蔽し
た上記(1) の電磁誘導加熱器。 (4) 軟磁性材の箔と樹脂層を積層してなる樹脂質磁
気シールド材によって電磁誘導部外周を磁気的に覆蔽し
た上記(1) の電磁誘導加熱器。 (5) 軟磁性粉末を樹脂中に分散させてなる磁気シー
ルド層と樹脂層を積層してなる樹脂質磁気シールド材に
よって電磁誘導部外周を磁気的に覆蔽した上記(1) の電
磁誘導加熱器。 (6) 軟磁性粉末を有機結合剤と混合して樹脂シート
にコーテングし積層してなる樹脂質磁気シールド材によ
って電磁誘導部外周を磁気的に覆蔽した上記(1)の電磁
誘導加熱器。 (7) 合金系の軟磁性粉末と絶縁性の軟磁性粉末とを
樹脂中に分散させてなる樹脂質磁気シールド材によって
電磁誘導部外周を磁気的に覆蔽した上記(1) の電磁誘導
加熱器。 (8) 上記軟磁性粉末が高透磁率および低保磁力を有
しアスペクト比が5以上の鱗片状粉末である上記(1)(2)
(3)(5)(6) または(7) の電磁誘導加熱器。
【0006】
【発明の具体的な開示】以下、図面を参照して本発明を
具体的に説明する。図1は、本発明に係る電磁誘導加熱
装置の一例である電磁炊飯器の模式断面図であり、図2
はその底部を模式的に示す平面図である。本発明に係る
電磁炊飯器10は外釜11と該外釜11に嵌着した着脱
自在な内釜12を有し、外釜11の底面および底部内周
には、この部分を囲むように誘導加熱コイル13が設け
られている。上記基本構造は従来と同様であるが、本発
明の電磁炊飯器10は、上記誘導加熱コイル13が内装
されている部分(以下、電磁誘導部と云う)を囲むよう
に磁気シールド材20が設けられている点が従来と異な
る。該磁気シールド材20は図示するように電磁誘導部
の加熱側を除く周囲を磁気的に覆蔽するように設けられ
ている。磁気的に覆蔽するとは磁束の漏れを遮断するよ
うに覆蔽することを云い、電磁誘導加熱コイルを中心と
して発生する磁束を確実に遮蔽するためには該磁気シー
ルド材20を磁束に対して隙間のないように設ける。具
体的には、電磁炊飯器や電磁調理器では、上記電磁誘導
部の底部全体を覆うようにその底面から側面を磁気シー
ルド材20によって覆う。なお、該磁気シールド材20
は隙間無く設けるのが好ましいが、磁気的に覆蔽すれば
良いので、微小な隙間や細孔が存在しても、その周囲の
磁性材の磁気特性によって実質的にその隙間や細孔が磁
気的に遮蔽されていれば良い。
【0007】炊飯器や調理器は持ち運びの際に衝撃を受
け、また煮炊きの必要上、水滴が侵入する虞がある。上
記磁気シールド材20は電磁誘導部の加熱側を除く外
周、すなわち底面および側面を隙間無く覆うので該電磁
誘導部の保護カバーを兼用し、機械的な衝撃や水滴など
から電磁誘導部を保護する。
【0008】上記磁気シールド材として、パーマロイ合
金板、珪素鋼板、フェライトなどを用いることができ
る。但し、パーマロイ合金板や珪素鋼板は交流磁場内に
設置するとヒステリシス損や板材内部を流れる渦電流の
ために発熱する問題がある。フェライト焼結体は絶縁性
が高いために交流磁場内でもあまり発熱しないが、硬く
脆いために加工性に劣る。そこで、これらの軟磁性材料
については、薄い箔状の材料と絶縁性の高い樹脂層とを
積層した樹脂質の複合磁気シールド材とすれば良い。箔
の厚さは0.5μm 以下が好ましい。これより厚いと渦
電流による発熱量が多くなる。
【0009】この他に、絶縁性の高い樹脂中に軟磁性粉
末を混合し均一に分散させてなる磁気シールド材は電気
抵抗が大きく渦電流が発生し難いので発熱を抑えること
ができる。さらに保磁力の小さい鱗片状の軟磁性粉末を
樹脂中に層状に配向させたものを用いることによりヒス
テリシス損による発熱も小さくすることができる。ま
た、軟磁性粉末をバインダーと共に樹脂表面に塗布し、
あるいは吹き付けて磁気シールド層を形成した磁気シー
ルド材を用いても良い。このように、軟磁性材料の箔を
樹脂層と積層した磁気シールド材、樹脂中に軟磁性粉末
を平面状に分散配向させた磁気シールド材、あるいは軟
磁性粉末を樹脂中に分散させてなる磁気シールド層と樹
脂層とを積層した磁気シールド材など(以下、これらを
樹脂質磁気シールド材と云う)は渦電流による発熱が少
なく、しかも加工性に富むので電磁誘導部の覆蔽材とし
て好適である。
【0010】樹脂質磁気シールド材のマトリックスとな
る樹脂の種類は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂など使用
条件に応じて適宜用いられる。また成形体として剛性が
要求される場合には硬質の樹脂が用いられ、可塑性が必
要な場合には軟質樹脂が用いられる。樹脂中に分散配合
される軟磁性粉末としては、高い磁気遮蔽効果を得るに
は高透磁率を有することが望ましく、ヒステリシス損を
小さくするには低保磁力であることが望ましい。このよ
うな高透磁率および低保磁力を有する軟磁性粉末として
は、具体的には、パーマロイ合金、センダスト合金、鉄
やコバルト系の非晶質合金粉末が好適である。代表的な
これら軟磁性粉末の保磁力は1.0Oe以下である。
【0011】上記軟磁性粉末は鱗片状(偏平状)のもの
が好ましい。鱗片状の軟磁性粉末は平面に配向し易いの
で遮蔽平面全体を隙間無く覆うのに適し、また粉末が相
互に層状に配向し易いので接触面積が大きく磁気抵抗が
小さくなる利点もある。特にアスペクト比が5以上の鱗
片状軟磁性粉末が好適である。本発明においてアスペク
ト比とは鱗片状粉末の偏平面の平均直径に対する厚さの
比(平均直径/厚さ)を云う。鱗片粉の偏平面の平均直
径は顕微鏡下での観察により測定でき、また鱗片粉の厚
さは平面に配向した鱗片粉の断面を顕微鏡下で観察して
測定できる。アスペクト比が5以上の鱗片状軟磁性粉末
は偏平面に沿って配向し易いので平面を覆うのに適し、
かつ粉末が相互に重なり易く接触面積が増すので磁気抵
抗がかなり小さくなる。また樹脂中で層状に配向し易
い。
【0012】上記アスペクト比の粉末は、水アトマイズ
法などによって得られるほぼ球形の粒子を、例えば、ボ
ールミル等の機械的手段によって鱗片状に加工するか、
あるいは、溶融金属を鱗片状に固化して製造することが
できる。工程の簡素化、粉末表面の平滑性という点で
は、後者の方法が好ましいが、後者の方法では、比較的
小粒径の粉末を得ることが難しいため、用途により何れ
か適する方法を選択するのがよい。またアスペクト比は
製造条件を適宜変更することにより制御することができ
る。フェライト系の鱗片状軟磁性粉は、例えば酸化マン
ガン、酸化亜鉛と酸化第二鉄を混合し焼成して得た粉末
を、ボールミル等の機械的手段によって鱗片状に加工し
て得られる。
【0013】なお、絶縁性の軟磁性粉末を用いれば磁気
シールド材の電気抵抗が大きくなり渦電流を生じ難くな
るが、代表的な絶縁性の軟磁性材であるフェライトなど
は鱗片状に加工するのに手間がかかる。そこで、加工性
の良い合金系の軟磁性粉末とフェライトなどの絶縁性軟
磁性粉末を混合して樹脂中に分散させれば、電気抵抗が
大きいために渦電流を生じ難く、他方、磁気抵抗が小さ
いので磁気シールド効果に優れた樹脂質磁気シールド材
を得ることができる。該磁気シールド材によって電磁誘
導加熱器の電磁誘導部を覆蔽しても良い。混合粉末の絶
縁性軟磁性粉末の含有量は10〜80重量%が好まし
い。10重量%未満であるとその効果が不十分であり、
80重量%を越えると、鱗片状粉末でない場合に粉末相
互の接触が不十分になり磁気抵抗が高くなるので好まし
くない。
【0014】鱗片状の軟磁性粉末を樹脂に分散させてな
る磁気シールド層に絶縁層を積層することにより、磁気
シールド層に誘発される渦電流を該絶縁層によって分断
し、実質的に渦電流が流れないようにしてその発熱を防
止した磁気シールド材を用いることもできる。具体的に
は、パーマロイ合金、センダスト合金またはこれらのア
モルファス合金の鱗片状軟磁性粉末を樹脂中に分散させ
た磁気シールド層に、軟磁性粉末を含まない絶縁性樹脂
層、あるいは絶縁性の軟磁性粉末を樹脂に配合した絶縁
層を積層した磁気シールド材を用いることができる。
【0015】樹脂に複合する軟磁性粉末の平均粒径は1
μm 〜10mmの範囲が好ましい。平均粒径が1μm 未満
であると、接触点が多く磁気抵抗が増すので磁気シール
ド効果が低下する。また平均粒径が10mmを超えると樹
脂に配合したときに均一に分散し難い。なお、樹脂に混
合する場合は1mm以下が好ましい。
【0016】上記樹脂質磁気シールド材中の軟磁性粉末
の割合は5〜90重量%が適当であり、40〜90重量
%が好ましい。5重量%未満では磁気シールド効果が不
十分であり、90重量%を越えると粉末が樹脂に取り込
まれず成形が困難になる。上記磁気シールド材の成形過
程において、樹脂に軟磁性粉末を配合したものに磁場を
加えることにより樹脂中の軟磁性粉末を層状に配向させ
た磁気シールド材を得ることができる。
【0017】
【実施例および比較例】以下、本発明の実施例を比較例
と共に示す。 実施例1 図3に電磁調理器の漏洩磁束の測定系を示す構成図を示
す。電磁調理器31の内部に電磁誘導加熱コイル33が
内臓されており、該コイル33の下側には磁気シールド
材37が該コイルの下面全体を覆うように設けられてお
り、その下側にコイル制御部35、電源部36が設けら
れている。磁気シールド材37の下方にはガウスメータ
の検知端34が設置されており、該検知端34にはオシ
ロスコープ38とガウスメータ39が接続している。図
4は漏洩磁気による発熱量の測定系を示す構成図であ
り、磁気シールド材37の下方に厚さ1mmの鉄板41が
磁気シールド材37と平行に設けられている。該鉄板4
1の裏側には温度センサー42が取付けられており、該
センサー42は温度計43に接続している。磁気シール
ド材37として表1の材料からなるものを用い、これを
電磁誘電加熱器の誘電コイルから10mm離して設置し、
図3および図4の測定系によって漏洩磁束と該漏洩磁束
による鉄板の温度を測定した。この結果を表2に示し
た。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】実施例2 鱗片状のFe系軟磁性合金粉末(平均長径 15 μm 、平
均短径 7μm 、平均厚さ 0.5μm )と、絶縁性の Mn-Zn
フェライト粉末(平均粒径 9.3μm )を重量比で80:
20の割合に混合した。この混合粉末を塩化ビニル樹脂
に添加し(粉末75重量%−樹脂25重量%)、2本ロ
ールを用いて混練した後に混練物をシート状に射出させ
た。このシートをプレスにて2mmの厚さに成形して磁気
シールド材(試料11)を得た。この磁気シールド材につ
いて、遮蔽前の初期磁気強度が100ガウス、80ガウ
ス、60ガウス、40ガウス、20ガウスである磁場を
試料の磁気シールド材によって遮蔽したときの漏洩する
磁束密度を測定した。また上記Fe系鱗片状軟磁性合金
粉末に上記絶縁性Mn-Zn フェライト粉末を混合しない以
外は試料11と同一の磁気シールド材(試料12)を製造
し、試料11と同一の方法でその磁気シールド効果を測定
した。表3がその結果である。表3に示すように、試料
11は鱗片状粉末を用いた試料12と大差ない遮蔽効果を達
成している。
【0021】
【表3】 磁場強度(G) 100 80.0 60.0 40.0 20.0 試料11(G) 31.1 27.2 21.6 15.2 8.4 試料12(G) 28.4 25.6 21.0 14.8 8.1
【0022】実施例3 市販されている電磁調理器を用い、その裏側に誘導加熱
コイルから2mm離れた位置に上記磁気シールド材(試料
11,12 )を装着し、加熱時間ごとの各磁気シールド材の
温度を表面温度計によって測定した。この結果を表4に
示した。この結果から明らかなように、本実施例に係る
試料11は従来の鱗片状粉末のみを配合した試料12に比べ
て発熱量が減少しており、顕著な発熱防止効果を達成し
ている。
【0023】
【表4】 加熱時間(分) 0 2 4 6 8 10 試料11(℃) 22.0 28.2 33.1 37.0 42.3 44.0 試料12(℃) 22.0 30.9 39.8 48.7 58.2 66.9
【0024】実施例4 鱗片状のFe系軟磁性合金粉末(平均長径 15 μm 、平
均短径 7μm 、平均厚さ 0.5μm )と塩化ビニル樹脂を
重量比で75:25の割合で混合し、2本ロールを用い
て混練した後に混練物をシート状に射出成形した。この
シートをプレスにて 0.5mmの厚さに成形して磁気シール
ドシートを得た。一方、上記軟磁性粉末を含有しない塩
化ビニル樹脂を厚さ0.3mm のシート状に成形して絶縁シ
ートを得た。該絶縁シート3枚と上記磁気シールドシー
ト4枚を交互に重ね、ロールミルで圧着接合して厚さ2.
9mm の磁気シールド積層材を得た(試料21)。この磁気
シールド材について、実施例2と同様の方法で漏洩磁束
密度を測定した。また上記絶縁性シートを積層せずに磁
気シールドシートからなる厚さ2mmの磁気シールド材
(試料22)を製造し、試料21と同一の方法でその磁気シ
ールド効果を測定した。表5がその結果である。表5に
示すように、試料21と試料22はほぼ同等の遮蔽効果を達
成している。
【0025】
【表5】 磁場強度(G) 100 80.0 60.0 40.0 20.0 試料21(G) 29.0 25.9 21.2 15.1 8.3 試料22(G) 28.6 25.2 20.8 14.9 8.0
【0026】実施例5 市販されている電磁調理器を用い、その裏側に誘導加熱
コイルから2mm離れた位置に上記磁気シールド材(試料
21, 22)を装着し、加熱時間ごとの各磁気シールド材の
温度を表面温度計によって測定した。この結果を表6に
示した。この結果から明らかなように、絶縁層を有する
試料21は鱗片状粉末のみを配合した試料22に比べて発熱
量が減少しており、顕著な発熱防止効果を達成してい
る。
【0027】
【表6】 加熱時間(分) 0 2 4 6 8 10 試料21(℃) 22.0 27.8 32.6 36.3 41.5 43.5 試料22(℃) 22.0 31.1 40.2 49.0 58.6 67.2
【0028】
【発明の効果】本発明の電磁誘導加熱器は、電磁誘導加
熱コイルを設けた電磁誘導部が磁気シールド材によって
覆蔽されているので、外部への磁気漏れが遮断され、漏
洩磁気による影響を防止することができる。また、樹脂
質の磁気シールド材を用いることにより磁気シールド材
の発熱も少ない。さらに、上記磁気シールド材は電磁誘
導部の底面および側面全体を覆うので、これらの保護カ
バーを兼用でき、機械的衝撃や水滴の飛散に対して優れ
た耐久性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁炊飯器の模式断面図。
【図2】該電磁炊飯器の底部を模式的に示す平面図。
【図3】漏洩磁束の測定系を示す構成図。
【図4】漏洩磁束による発熱の測定系を示す構成図。
【図5】従来の電磁炊飯器の模式断面図。
【図6】従来の電磁炊飯器の底部を樹脂製カバーを取り
外して模式的に示す平面図。
【符号の説明】
10−電磁誘導加熱器、 11−外釜、 12−内
釜 13−電磁誘導加熱コイル、 20−磁気シールド材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土木田 芳彦 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社新素材開発センター内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁界を発生させる電磁誘導部を有し、該
    磁界によって誘発された渦電流によって加熱する電磁誘
    導加熱器において、該電磁誘導部の加熱側を除く周囲を
    絶縁性の軟磁性磁気シールド材によって磁気的に覆蔽し
    たことを特徴とする電磁誘導加熱器。
  2. 【請求項2】 上記電磁誘導部の加熱側を除く周囲を、
    保護カバーを兼用する絶縁性の軟磁性磁気シールド材に
    よって磁気的に覆蔽した請求項1の電磁誘導加熱器。
  3. 【請求項3】 樹脂中に軟磁性粉末を分散させてなる樹
    脂質磁気シールド材によって電磁誘導部外周を磁気的に
    覆蔽した請求項1の電磁誘導加熱器。
  4. 【請求項4】 軟磁性材の箔と樹脂層を積層してなる樹
    脂質磁気シールド材によって電磁誘導部外周を磁気的に
    覆蔽した請求項1の電磁誘導加熱器。
  5. 【請求項5】 軟磁性粉末を樹脂中に分散させてなる磁
    気シールド層と樹脂層を積層してなる樹脂質磁気シール
    ド材によって電磁誘導部外周を磁気的に覆蔽した請求項
    1の電磁誘導加熱器。
  6. 【請求項6】 軟磁性粉末を有機結合剤と混合して樹脂
    シートにコーテングし積層してなる樹脂質磁気シールド
    材によって電磁誘導部外周を磁気的に覆蔽した請求項1
    の電磁誘導加熱器。
  7. 【請求項7】 合金系の軟磁性粉末と絶縁性の軟磁性粉
    末とを樹脂中に分散させてなる樹脂質磁気シールド材に
    よって電磁誘導部外周を磁気的に覆蔽した請求項1の電
    磁誘導加熱器。
  8. 【請求項8】 上記軟磁性粉末が高透磁率および低保磁
    力を有しアスペクト比が5以上の鱗片状粉末である請求
    項1、2、3、5、6または7の電磁誘導加熱器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003115410A (ja) * 2001-07-30 2003-04-18 Fuji Xerox Co Ltd 磁心および磁場遮蔽部材、並びにこれらを用いた電子写真装置
JP2010010038A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Mitsubishi Electric Corp 誘導加熱調理器
JP2010240051A (ja) * 2009-04-02 2010-10-28 Panasonic Corp 炊飯器

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