JP2003114139A - レゾルバ付きモータ - Google Patents
レゾルバ付きモータInfo
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Abstract
ストなレゾルバ付きモータを提供する。 【解決手段】 モータ103の回転軸102の反負荷側
の端部に、径方向凹凸形状106を設け、レゾルバ10
1のロータとして使用する。この凹凸形状106は、炭
素鋼材よりなるモータ103の回転軸102を、負荷側
の軸受及び反負荷側の軸受107が挿入される部位と、
同一把握状態で把握し研削加工又は旋削加工することに
よって、形成する。モータ回転軸102に対するレゾル
バロータの回転中心位置精度を頗る高めることができ、
レゾルバステータ鉄心108をモータブラケット105
に比較的ラフに組み付けても検出精度上の支障がない。
レゾルバ101のステータ鉄心108は、仲介物無しに
モータ103のブラケット105へ直接固定できる。
Description
速度を検出するレゾルバを備えたモータ、即ちレゾルバ
付きモータに関する。
されるコンポーネントであるため、近年、その駆動特性
を向上させると共に小型化及び低コスト化させることが
強く要求されている。モータの駆動特性を向上させるに
は、モータの回転軸或いはロータの角度位置又は速度を
検出するためレゾルバ(検出器)を設け、このレゾルバ
の出力を制御・駆動系にフィードバックすることによっ
て、モータの回転位置・速度をフィードバック制御する
のが有効である。モータにレゾルバを設ける際に従来採
られていた構造としては、図3及び図4に示すようにレ
ゾルバ専用の回転軸を設ける構造と、図5に示すように
モータ回転軸にレゾルバロータをはめ込む構造とが、知
られている。なお、本願中の各図(図2を除く)に示さ
れているのは、モータの反負荷側の端部の構造である。
レゾルバが設けられるのは、多くは、回転駆動対象たる
負荷が連結されている負荷側の端とは逆側の端、即ち反
負荷側であるため、負荷側の端については図示を省略し
ている。
方向断面を示す図3に明示されているように、その回転
軸(以下、「レゾルバ回転軸」)202と、モータ20
3の回転軸(以下、「モータ回転軸」)204とを、そ
の中心を一致させた上でボルト205にて直結した構造
を有している。従って、モータ回転軸204が回転する
とレゾルバ回転軸202も同じ回転数で回転する。ま
た、レゾルバ回転軸202の端部には、ロータ(以下、
「レゾルバロータ」)206が固定されている。レゾル
バロータ206は、図3の上方から見た平面図である図
4に示されているように、径方向に沿い凹凸を有してい
る。モータ203が6ポール同期モータ203であるな
ら、例えば、図示のように、2π/3[rad]周期で
凹凸を繰り返すおむすび状の凹凸形状とする。レゾルバ
ロータ206は、珪素鋼板を図3の上下方向に沿って積
層し、図4中の218a、218b及び218cの各箇
所でかしめた構造を有している。更に、レゾルバロータ
206は、レゾルバ回転軸202の回転中心と、モータ
回転軸204の形状中心とが、図中の一点鎖線208で
一致するよう、レゾルバ201製造段階において位置調
整した上でレゾルバ回転軸202に対して接着固定され
る。従って、レゾルバロータ206は、モータ回転と正
確に同期してかつ正確に同軸で回転する。
図示しない負荷側の軸受を介して、また反負荷側の端は
反負荷側の軸受216を介して、それぞれモータブラケ
ット213により支持されており、レゾルバ回転軸20
2は、軸受207a及び207bを介してレゾルバ20
1のハウジング211により支持されている。ハウジン
グ211は、図示しない個所にてカップリング212に
締結されており、更にカップリング212はモータブラ
ケット213にボルト215a、215bにより固定さ
れている。従って、ハウジング211は、モータ回転軸
202の回転によっては回転しない。ハウジング211
には、その内周面がレゾルバロータ206の周縁部と対
向するよう、かつ、レゾルバロータ206の形状中心と
レゾルバステータ鉄心210の極歯先がなす円形状の中
心とが一致するよう、なべ小ねじ217a、217b、
217c、217dにより、レゾルバ201のステータ
鉄心(以下「レゾルバステータ鉄心」)210が固定さ
れている。レゾルバステータ鉄心210も、レゾルバロ
ータ206と同様、図3中の上下方向に沿って珪素鋼板
を積層した構造を有しており、その内周面には円周方向
に沿って極歯が設けられている。極歯はレゾルバロータ
巻線209を巻装するための歯状の凹凸であり、図4に
示すように、モータ203が6ポール同期モータである
なら12個の極歯を設ける。以上の構造は、更にカバー
214によって覆われ保護される。
いレゾルバロータ206が回転すると、レゾルバロータ
206外表面の凹凸部と、レゾルバステータ鉄心210
の極歯とのギャップが変化する。その結果各巻線にて生
じるインダクタンス変化は外部にて電気的に検出するこ
とができ、検出結果からレゾルバロータ206の回転位
置を、2π/3[rad]以内の範囲で検出することが
できる。また、検出した回転位置を時系列的に観測しそ
の時間的変化を求めることにより、回転速度を検出でき
る。即ち、レゾルバ201を使用することにより、モー
タ203の磁極位置や速度検出を行うことができる。
ルバ201には、高精度な検出を行うには、製造時にレ
ゾルバロータ206とレゾルバステータ鉄心210の位
置的関係を正確に調整する必要がある、という問題があ
る。無論、モータ回転軸204とレゾルバ回転軸202
との結合誤差は、カップリング212にて吸収すること
ができるものの、レゾルバ201専用の軸受207a、
207b、カップリング212及び回転軸202が必要
となるため、その形状が大きくなりやすくまたコストも
高くなりやすい。図5にその軸方向断面を示すレゾルバ
401においては、これらの問題に対処するため、モー
タとレゾルバの回転軸共通化、それによるカップリング
及び軸受の廃止、ひいては小型化及び低コスト化を実現
すべく、常用ハメアイによる構造を採用している。
回転軸402とモータ回転軸403とが一体となってお
り、従って両者の中心は一点鎖線404にて一致してい
る。レゾルバロータ406は、径方向に沿いおむすび状
(6ポールの場合)の凹凸形状を有する珪素鋼板を、図
3中の上下方向に沿い積層したものであり、間座411
を介してレゾルバ回転軸402に固定されている。即
ち、レゾルバロータ406は、間座411の内径の中心
とレゾルバロータ406の凹凸形状の形状中心とが一致
するように、間座411の外周面に接着固定されてお
り、間座411はレゾルバ回転軸402に常用ハメアイ
(印籠)にて挿入されている。その上で、間座411
は、ナット405にてレゾルバ回転軸402に固定され
ている。このように間座411を挟んでレゾルバロータ
406をレゾルバ回転軸402に装着するのは、仮にレ
ゾルバロータ406をレゾルバ回転軸402に直接に圧
入し或いは常用ハメアイ(印籠)等により挿入すると、
あらぬ応力がレゾルバロータ406へ加わり磁気的検出
の妨げとなることによる。
ウジング414の外周面の中心とレゾルバステータ鉄心
412の極歯先がなす円形状の中心とが一致するよう
に、ハウジング414に、なべ小ねじ410a、410
cにて固定されている。モータブラケット415は、軸
受407が入っている部位とハウジング414の外周が
挿入される部位とが同一把握状態で加工されているた
め、両部位の同軸度或いは同心度は高精度である。レゾ
ルバステータ鉄心412が固定されたハウジング414
は、モータブラケット415へ常用ハメアイにて挿入さ
れ、ボルト409a、409bにて固定されている。な
お、基本的な検出の原理は図3に示した従来技術とほぼ
同一である。
従来技術を図3に示した従来技術と比較すると、図5で
は新たにナット405、間座411が必要となったもの
の、図3では必要であった回転軸202、軸受207
a、207b、カップリング212が不要であるため、
図5の方が小型化、低コスト化に適しているといえる。
しかし、図5に示した従来技術においては、レゾルバロ
ータ406とレゾルバステータ鉄心412を、幾度かの
常用ハメアイや調整によって取り付けてあるため、それ
らの形状中心が、モータ403の回転中心(一点鎖線4
04)からずれる可能性がある。ずれた場合には、期待
している回転位置検出精度ひいては回転速度検出精度が
得られないことがある。
ある構造(図3及び図4)か小型化及び低コスト化が可
能であっても検出精度が低下するかもしれない構造(図
5)の何れかを選択せねばならない、というトレードオ
フを解消し、位置検出精度を維持しつつ小型で低コスト
なレゾルバ付きモータを提供することを目的としてい
る。
るため、本発明に係るレゾルバ付きモータは、モータブ
ラケットと、磁性材により形成されこのモータブラケッ
トに対し所定間隙を以て対向するモータ回転軸であって
その一部表面に径方向凹凸部を有するモータ回転軸と、
この径方向凹凸部と対向するよう前記モータブラケット
に固定されたレゾルバステータ鉄心とを備え、前記モー
タ回転軸に設けられた前記径方向凹凸部をレゾルバロー
タとするレゾルバが一体形成されたことを特徴とする。
より好ましくは、前記モータブラケットにより前記モー
タ回転軸を支持するための軸受であって前記モータ回転
軸のうち前記レゾルバロータとして機能する部分に隣接
するよう配置された軸受と、この軸受の外周面を案内面
として前記レゾルバステータ鉄心を前記モータブラケッ
トに固定する部材とを備えるものとする。更に好ましく
は、前記モータ回転軸のうち、少なくとも、前記軸受が
配置される部位と、前記レゾルバロータとして機能させ
る部位とを、同一把握状態で研削又は旋削加工すること
によって、その同軸度又は同心度が所定水準以上となる
よう、前記モータ回転軸及びこれと一体の前記レゾルバ
ロータを形成する。一例として、前記モータ回転軸及び
その一部である前記レゾルバロータは、炭素鋼材より形
成する。
て、図面に従って説明する。まず、本発明の一実施形態
に係るレゾルバ付きモータ103、特にそのレゾルバ構
造形成部の断面を図1に、またそのモータ回転軸102
の斜視外観を図2に、それぞれ示す。モータ回転軸10
2は炭素鋼材等の磁性材より形成されており、図示しな
い負荷側の軸受と反負荷側の軸受107とを介して、モ
ータブラケット105により回転自在に支持されてい
る。このモータ回転軸102は、負荷側の軸受が挿入さ
れる部位112bと、反負荷側の軸受107が挿入され
る部位112aと、レゾルバ101のロータとなる凹凸
形状106とを、同一把握状態にて把握して、カム研削
盤やカム旋盤或いはミーリング軸付き旋盤等により加工
して得られたものである。研削盤や旋盤による加工の性
質上、同一把握状態で加工された部位の同軸度或いは同
心度は、高精度な状態となることから、モータ回転軸1
02の回転中心、即ち負荷側軸受挿入部位112bと反
負荷側軸受挿入部位112aの形状中心を結ぶ線と、レ
ゾルバロータたる凹凸形状106の形状中心は、互い
に、図中の一点鎖線104において高精度に一致する。
これにより、従来行われていた作業、特にレゾルバロー
タをレゾルバ回転軸或いはモータ回転軸に対し位置調整
して取り付けるという作業が不要となる。なお、図中1
13は負荷への出力軸である。
る部位と、レゾルバステータ鉄心108が固定される部
位は、旋盤による同時加工或いはそれに準ずる方法で、
両部位の同軸度或いは同心度が高精度となるよう加工さ
れている。モータブラケット105は、軸受107の外
周面を案内面としてモータ103に取り付けられる。レ
ゾルバステータ鉄心108は、モータブラケット105
のうちレゾルバステータ鉄心108が取り付けられる内
周面に接触しない程度に、なべ小ねじ110a、110
bにてモータブラケット105に固定される。レゾルバ
ロータとなる凹凸形状106は、上述したように十分に
位置精度がよいため、レゾルバステータ鉄心108は、
比較的ラフに取り付けることが可能である。基本的な検
出原理は、従来例で示したものとほぼ同一であるので、
説明を省略する。なお、111はカバーでありモータ1
03のレゾルバ構造形成部全体を覆う。
材質は、剛性が必要とされるモータ回転軸と一体である
ため、S45c等の炭素鋼材である。炭素鋼材は、従来
技術に係るレゾルバで使用していた珪素鋼やパーマロイ
等に比べ、渦電流損失やヒステリシス損失が大きい。こ
のため、レゾルバロータとレゾルバステータ鉄心の磁極
間のギャップ変動を電気信号に変換する際のエネルギー
変換効率は、珪素鋼やパーマロイを用いた従来技術に比
べ、本実施形態では低下を示す。そのため、エネルギー
変換効率を重視する従来の発想と、本実施形態ひいては
本発明の発想とは、相容れず、前者から後者を容易に想
到できるものではない。また、エネルギー変換効率が低
くても、それを補うことができるよう出力信号を増幅す
ればよいのであり、本実施形態によれば珪素鋼やパーマ
ロイのロータと同等の位置検出が可能である。
形態について述べたが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。モータ回転軸102の凹凸形状106の加工
は、モータ回転軸102の負荷側軸受挿入部位112b
及び反負荷側軸受挿入部位112aを基準としローレッ
ト目を付して行ってもよいし、該部位112a、112
bを転動基準とし転造加工して行ってもよい。何れの方
法でも、本発明のレゾルバ付きモータを得ることができ
る。
磁性材により形成されたモータ回転軸の一部表面に径方
向凹凸部を設けてレゾルバロータとし、この径方向凹凸
部と対向するようモータブラケットにレゾルバステータ
鉄心を固定するようにしたため、そのロータの構造がモ
ータ回転軸に対して一体不離となったレゾルバを得るこ
とができる。モータ回転軸と別体のレゾルバロータ等を
組み込む必要はない。そのため、モータ回転軸に対する
レゾルバロータの回転中心位置精度を頗る高めることが
でき、レゾルバステータ鉄心を比較的ラフに組み付けて
も検出精度上の支障がない。即ち、レゾルバロータとな
る部位の回転振れが少なく高精度な位置検出が可能であ
ることから、カップリング(図3参照)等の部材を介さ
ずモータブラケットに直接レゾルバステータ鉄心を固定
することができる。これにより、従来であれば必ず必要
であったレゾルバのハウジングを不要とすることがで
き、更に小型化及び低コスト化できる。なお、レゾルバ
ロータ該当部分を含むモータ回転軸の加工については、
軸受等による支持部位とレゾルバロータ該当部分とを同
一把握状態或いはそれに準ずる状態にて把握して行うこ
とで、比較的容易に、モータ回転軸に対するレゾルバロ
ータの回転中心位置精度を頗る高めることができる。更
に、カップリングだけでなく、レゾルバ専用の回転軸や
軸受(図3)や間座(図5)を設ける必要がなくボル
ト、ナット等の使用個数も減少するため、この面でも、
小型化及び低コスト化の効果がある。
タにおけるレゾルバ構造形成部の断面図である。
示す斜視図である。
面図である。
す断面図である。
ータ、104 回転中心、105 モータブラケット、
106 凹凸形状、107 軸受、108 レゾルバス
テータ鉄心、109 巻線、110a,110b なべ
小ねじ、111カバー、112a 反負荷側軸受挿入部
位、112b 負荷側軸受挿入部位、113 出力軸。
Claims (4)
- 【請求項1】 モータブラケットと、磁性材により形成
されこのモータブラケットに対し所定間隙を以て対向す
るモータ回転軸であってその一部表面に径方向凹凸部を
有するモータ回転軸と、この径方向凹凸部と対向するよ
う前記モータブラケットに固定されたレゾルバステータ
鉄心とを備え、前記モータ回転軸に設けられた前記径方
向凹凸部をレゾルバロータとするレゾルバが一体形成さ
れたことを特徴とするレゾルバ付きモータ。 - 【請求項2】 前記モータブラケットにより前記モータ
回転軸を支持するための軸受であって前記モータ回転軸
のうち前記レゾルバロータとして機能する部分に隣接す
るよう配置された軸受と、この軸受の外周面を案内面と
して前記レゾルバステータ鉄心を前記モータブラケット
に固定する部材とを備えることを特徴とする請求項1記
載のレゾルバ付きモータ。 - 【請求項3】 前記モータ回転軸のうち、少なくとも、
前記軸受が配置される部位と、前記レゾルバロータとし
て機能させる部位とを、同一把握状態で研削又は旋削加
工することによって、その同軸度又は同心度が所定水準
以上となるよう、前記モータ回転軸及びこれと一体の前
記レゾルバロータを形成したことを特徴とする請求項1
又は2記載のレゾルバ付きモータ。 - 【請求項4】 前記モータ回転軸及びその一部である前
記レゾルバロータが、炭素鋼材より形成されていること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のレゾルバ
付きモータ。
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