JP2004015911A - センサ駆動型ブラシレスモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータマグネットとセンサマグネットの磁極のズレを低減化して、センサ基板の回転調整を省略することにより組立工数の削減を図ると共に、モータ全長の小型化にも寄与するセンサ駆動型ブラシレスモータのセンサ構造を提供する。
【解決手段】強磁性体からなるシールドプレートの両平面に、ロータマグネットとセンサマグネットをそれぞれ固定することによって、ロータマグネットとセンサマグネットとを一体化するセンサ駆動型ブラシレスモータ。
【選択図】 図1
【解決手段】強磁性体からなるシールドプレートの両平面に、ロータマグネットとセンサマグネットをそれぞれ固定することによって、ロータマグネットとセンサマグネットとを一体化するセンサ駆動型ブラシレスモータ。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、センサ駆動型ブラシレスモータに関するものであり、より詳細には、ロータの回転位置をセンサマグネットと磁気検出部品によって検出し、その検出信号に応じて外部駆動回路によりステータ側コイルに通電動作を行うセンサ駆動型ブラシレスモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、センサ駆動型ブラシレスモータ18(以下、必要に応じてモータ18という)の基本構造を示す側断面図であり、図中、1はステータヨーク、2は円筒型の巻線コイル、3はロータマグネット、4はモータハウジング、5及び5’はフランジ、6はホールセンサ等の磁気検出部品、7は磁気検出部品6が実装されたセンサ基板、8はセンサマグネット、9及び9’は軸受、10はモータシャフト、19はコイル2の結線用基板、20はステータヨーク1と結線用基板19との間に設けられるスペーサ、21はマグネットヨークをそれぞれ指し示す。
【0003】
モータシャフト10に、円筒型のマグネットヨーク21とロータマグネット3とが各々、挿入、固定されると共に、モータシャフト10は2つの軸受9、9’によって回転可能に軸支され、ロータが形成されている。このロータの周囲にはステータ側のコイル2が備えられ、このコイル2に通電を行うことにより、ロータマグネット3の磁極との間で磁気作用が生じて、前記ロータは回転する。
【0004】
磁気検出部品6と面対向する側のセンサマグネット8の磁極は、ロータマグネット3の磁極と一致するように、モータシャフト10の一端側に挿入、固定される。更に、センサマグネット8はモータシャフト10、マグネットヨーク21、及びロータマグネット3と一体に回転し、センサマグネット8の磁極を、対向するように配置した磁気検出部品6で検出することにより、ロータマグネット3の磁極を正確に検出しながら最適なタイミングでコイル2に電流を供給して、ロータを回転駆動させることが可能となる。
【0005】
このようなモータ18の組立は以下の順に行われる。
【0006】
先ず、モータハウジング4にステータヨーク1を固定し、そのステータヨーク1の内側側面にコイル2を接着固定する。次に、軸受9’を嵌合固定したフランジ5’をモータハウジング4の一方の開口部に圧入すると共に、コイル2から引き出されたタップ線を基板19に結線する。
【0007】
一方、モータシャフト10にはマグネットヨーク21とマグネット3を挿入、固定し、そのモータシャフト10の片端を軸受9’に挿入する。次に、予め軸受9が嵌合固定されたフランジ5をモータハウジング4のもう一方の開口部に、モータシャフト10のもう一方の片端を軸受9に挿入しながら、固定する。
【0008】
次に、センサ基板7をフランジ5の外側に搭載し、センサマグネット8をモータシャフト10に挿入、固定し、モータ18を駆動させてセンサマグネット8を回転させ、センサ基板7に実装した磁気検出部品6とセンサマグネット8の磁極の位置関係を最適なものにした上で、センサ基板7を固定する。
【0009】
最後に、カバー24を、モータハウジング4のフランジ5側開口部に被せて、剥き出しになっているセンサ基板7とセンサマグネット8を覆う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記の順にモータ18は組み立てられるので、センサマグネット8をモータシャフト10に固定する際に、磁気検出部品6と面対向する側の磁極を、ロータマグネット3の磁極に合わせようとしても、この時点でロータマグネット3はモータハウジング4とフランジ5、5’で形成される空間に収納されているので、直接、目視で互いのマグネット3、8の磁極を確認することは不可能である。
【0011】
前記解決手段として、モータシャフト10の外周面上に印を付け、その印を目印にして磁極を合わせる方法がとられている。しかし、この方法は、まず、ロータマグネット3の磁極とモータシャフト10の印を合わせ、次に、その印とセンサマグネット8の磁極を合わせるという2段階の作業になるため、ロータマグネット3とセンサマグネット8との磁極にズレが生じやすい。
【0012】
又、そのズレを、センサマグネット8に対するセンサ基板7の回転調整により補正する必要があり、その分、余分にモータ18の組立工数もかかる。
【0013】
更に、ロータマグネット3とセンサマグネット8とを互いに離れて固定すると、フランジ5、5’とモータハウジング4からなる空間に、センサマグネット8を納めることができず、フランジ5の外側にセンサマグネット8を配置せざるを得なくなる。するとセンサマグネット8やセンサ基板7等を保護するカバー24が必要不可欠となり、カバー24を設ける分モータ18の全長が長くなり(図5のB寸法分に相当)、小型化が困難になる。
【0014】
本発明は上記各課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、前記組立工数の削減を図ると共に、センサ駆動型ブラシレスモータの全長の小型化にも寄与するセンサ構造を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の発明は、モータシャフトとロータマグネットとで形成されるロータの周囲にコイルが備えられると共に、モータシャフトにセンサマグネットが固定され、更に、前記センサマグネットの磁極を検出する磁気検出部品を実装したセンサ基板をフランジに備えるセンサ駆動型ブラシレスモータにおいて、強磁性体からなるシールドプレートの両平面に、それぞれ前記ロータマグネットと前記センサマグネットとを固定することによって、前記ロータマグネットと前記センサマグネットとを一体化することを特徴とするセンサ駆動型ブラシレスモータを提供するものである。
【0016】
更に、請求項2記載の発明は、前記センサマグネットをアキシャル方向に着磁すると共に、前記ロータマグネットはラジアル方向に着磁することを特徴とするセンサ駆動型ブラシレスモータを提供するものである。
【0017】
更に、請求項3記載の発明は、前記センサ基板と前記フランジとの間に強磁性体からなるプレートを設置することを特徴とするセンサ駆動型ブラシレスモータを提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るセンサ駆動型ブラシレスモータの実施形態を、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、本発明のセンサ駆動型ブラシレスモータにおいて、図5に示す従来例と同一な構成部分には、同一番号を付し、説明が重複する箇所は省略、若しくは必要に応じて簡略化して説明する。
【0019】
図1は、本発明のセンサ駆動型ブラシレスモータ11(以下、必要に応じてモータ11と記す)の内部構造を示す側断面図である。図1のモータ11が、図5のモータ18と異なる箇所は、ロータマグネット3とセンサマグネット8とが離間されておらず、シールドプレート13を挟んで一体化されているということである。
【0020】
図2は、ロータマグネット3とセンサマグネット8との一体化と、シールドプレート13に入るマグネット3、8の磁力線15、14の状態を模式的に示す斜視図であり、図3はシールドプレート13を挟んで一体化された前記2つのマグネット3、8を、図2の矢印A方向から見た時の状態に加え、センサ基板7をセンサマグネット8に対して所定の位置に配置したときの状態を示す模式図である。
【0021】
図2又は図3に示すように、ロータマグネット3とセンサマグネット8は、ドーナツ型円盤状のシールドプレート13の両平面13aに固定されて一体化される。センサマグネット8はアキシャル方向に着磁されて、モータシャフト10の軸方向(矢印z方向)に磁極方向を形成する。
【0022】
一方、ロータマグネット3はラジアル方向に着磁されて、前記z方向に対して垂直な方向(矢印y方向)に磁極方向を形成する。従って、図3に示すように、N極からコイル2に向かう磁力線22が放出される。この磁力線22はステータヨーク1及びコイル2を通過してロータマグネット3のS極に戻る(磁力線23で示す)。図2において、ハッチングを施した箇所がN極、ハッチングが施されていない箇所がS極をそれぞれ表す。
【0023】
ロータマグネット3とセンサマグネット8を一体化する際は、センサマグネット8の磁極のうちシールドプレート13から離れている側の磁極(即ち、磁気検出部品6と面対向する側の磁極)と、ロータマグネット3の磁極とを例えば目視等で一致させて行う。本発明においては、ロータマグネット3とセンサマグネット8とは1枚のシールドプレート13を挟んで一体化するので、作業者は直接、互いのマグネット3、8の磁極を目視で確認しながら作業を行うことができる。従って、互いのマグネット3、8の磁極のズレを低減化してセンサ基板7の前記回転調整を省略できるため、前記組立工数を大幅に削減することが可能となる。
【0024】
仮にシールドプレート13が無いとすると、センサマグネット8から放出される磁力線14、16、17のうち磁力線14は、ロータマグネット3から放出される磁力線15と逆方向になり、互いに影響を及ぼし合うことになる。ロータマグネット3は、前記ロータの回転トルクの発生源として機能するため、ある程度、大きな磁力が必要不可欠となる。一方、センサマグネット8の磁力は、磁極の位置が磁気検出部品6で検出できれば十分なので、ロータマグネット3の磁力以上に大きくする必要性は無い。結果、ロータマグネット3の磁力はセンサマグネット8の磁力よりも大きくなる。
【0025】
よって、磁力線14が磁力線15からの影響を受けて、センサマグネット8の磁力は減磁される。その結果、磁気検出部品6による正確なセンサマグネット8の磁極検出に支障を来す事になる。
【0026】
しかし、本発明は、2つのマグネット3、8の間に強磁性体からなるシールドプレート13を配置することにより、シールドプレート13内に形成される磁力線14、15を、互いに影響を及ぼさない程度まで離す(破線で表示)ことが可能である(以下、この効果を分離効果と云う)。
【0027】
シールドプレート13の材料としては、鉄、ケイ素鋼板、又はパーマロイ等が挙げられる。又、シールドプレート13の外径はロータマグネット3及びセンサマグネット8の外径と一致させると共に、厚みは上記分離効果が現れる程に設定するものとする。
【0028】
更に、本発明に係るセンサ駆動型ブラシレスモータは、センサ基板7とフランジ5平面との間に強磁性体からなるプレート12を設置することにより、センサマグネット8から放出される磁力線16をプレート12で引きつけて、磁気検出部品6に磁力線16をより確実に通過させるようにした。従って、図5に示すような、プレート12を設けないモータ構造に比べ、より確実に、磁気検出部品6でセンサマグネット8の磁極を検知することが可能となるので、より精密な駆動を行わせることが可能となる。
【0029】
図4は、従来のモータ18(図中、(a))と、本発明に係るモータ11(図中、(b))との全長を比較するための部分側断面図である。図4(b)に示すように、本発明のモータ11は、センサマグネット8をシールドプレート13を介してロータマグネット3と一体化し、フランジ5、5’とモータハウジング4からなる空間の内部に納めることによって、カバー24を設ける必要が無くなった。従って、(b)のモータ11は(a)のモータ18に比べてB寸法分、モータ全長の短縮化を達成することが可能となる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、本発明のセンサ駆動型ブラシレスモータによれば、ロータマグネットとセンサマグネットとをシールドプレートを介して一体化することにより、フランジとモータハウジングからなる空間内部にセンサマグネットを納めたので、カバーを設ける必要が無くなった。この事により、モータ全長の短縮化を達成することが可能となった。
【0031】
更に、磁気検出部品と面対向する側のセンサマグネットの磁極と、ロータマグネットの磁極を確認しながら一体化することが可能となる。従って、作業者は組み立てる際の互いのマグネットの磁極のズレを低減化することができ、センサ基板の回転調整を省略することができるため、センサ駆動型ブラシレスモータの組立工数を大幅に削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセンサ駆動型ブラシレスモータの内部構造を示す側断面図。
【図2】図1のロータマグネットとセンサマグネットとの一体化と、シールドプレートに入る各マグネットの磁力線の状態を模式的に示す斜視図。
【図3】シールドプレートを挟んで一体化されたセンサマグネット、及びロータマグネットを、図2の矢印A方向から見た時の状態に加え、センサ基板をセンサマグネットに対して所定の位置に配置したときの状態を示す模式図。
【図4】従来のセンサ駆動型ブラシレスモータと、本発明に係るセンサ駆動型ブラシレスモータとの全長を比較するための部分側断面図。
【図5】従来のセンサ駆動型ブラシレスモータの内部構造を示す側断面図。
【符号の説明】
1・・・ステータヨーク
2・・・コイル
3・・・ロータマグネット
4・・・モータハウジング
5、5’・・・フランジ
6・・・磁気検出部品
7・・・センサ基板
8・・・センサマグネット
9、9’・・・軸受
10・・・モータシャフト
11、18・・・センサ駆動型ブラシレスモータ
12・・・プレート
13・・・シールドプレート
13a・・・シールドプレートの平面
14、15、16、17、22、23・・・磁力線
19・・・結線用基板
20・・・スペーサ
21・・・マグネットヨーク
24・・・カバー
【発明の属する技術分野】
本発明は、センサ駆動型ブラシレスモータに関するものであり、より詳細には、ロータの回転位置をセンサマグネットと磁気検出部品によって検出し、その検出信号に応じて外部駆動回路によりステータ側コイルに通電動作を行うセンサ駆動型ブラシレスモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、センサ駆動型ブラシレスモータ18(以下、必要に応じてモータ18という)の基本構造を示す側断面図であり、図中、1はステータヨーク、2は円筒型の巻線コイル、3はロータマグネット、4はモータハウジング、5及び5’はフランジ、6はホールセンサ等の磁気検出部品、7は磁気検出部品6が実装されたセンサ基板、8はセンサマグネット、9及び9’は軸受、10はモータシャフト、19はコイル2の結線用基板、20はステータヨーク1と結線用基板19との間に設けられるスペーサ、21はマグネットヨークをそれぞれ指し示す。
【0003】
モータシャフト10に、円筒型のマグネットヨーク21とロータマグネット3とが各々、挿入、固定されると共に、モータシャフト10は2つの軸受9、9’によって回転可能に軸支され、ロータが形成されている。このロータの周囲にはステータ側のコイル2が備えられ、このコイル2に通電を行うことにより、ロータマグネット3の磁極との間で磁気作用が生じて、前記ロータは回転する。
【0004】
磁気検出部品6と面対向する側のセンサマグネット8の磁極は、ロータマグネット3の磁極と一致するように、モータシャフト10の一端側に挿入、固定される。更に、センサマグネット8はモータシャフト10、マグネットヨーク21、及びロータマグネット3と一体に回転し、センサマグネット8の磁極を、対向するように配置した磁気検出部品6で検出することにより、ロータマグネット3の磁極を正確に検出しながら最適なタイミングでコイル2に電流を供給して、ロータを回転駆動させることが可能となる。
【0005】
このようなモータ18の組立は以下の順に行われる。
【0006】
先ず、モータハウジング4にステータヨーク1を固定し、そのステータヨーク1の内側側面にコイル2を接着固定する。次に、軸受9’を嵌合固定したフランジ5’をモータハウジング4の一方の開口部に圧入すると共に、コイル2から引き出されたタップ線を基板19に結線する。
【0007】
一方、モータシャフト10にはマグネットヨーク21とマグネット3を挿入、固定し、そのモータシャフト10の片端を軸受9’に挿入する。次に、予め軸受9が嵌合固定されたフランジ5をモータハウジング4のもう一方の開口部に、モータシャフト10のもう一方の片端を軸受9に挿入しながら、固定する。
【0008】
次に、センサ基板7をフランジ5の外側に搭載し、センサマグネット8をモータシャフト10に挿入、固定し、モータ18を駆動させてセンサマグネット8を回転させ、センサ基板7に実装した磁気検出部品6とセンサマグネット8の磁極の位置関係を最適なものにした上で、センサ基板7を固定する。
【0009】
最後に、カバー24を、モータハウジング4のフランジ5側開口部に被せて、剥き出しになっているセンサ基板7とセンサマグネット8を覆う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記の順にモータ18は組み立てられるので、センサマグネット8をモータシャフト10に固定する際に、磁気検出部品6と面対向する側の磁極を、ロータマグネット3の磁極に合わせようとしても、この時点でロータマグネット3はモータハウジング4とフランジ5、5’で形成される空間に収納されているので、直接、目視で互いのマグネット3、8の磁極を確認することは不可能である。
【0011】
前記解決手段として、モータシャフト10の外周面上に印を付け、その印を目印にして磁極を合わせる方法がとられている。しかし、この方法は、まず、ロータマグネット3の磁極とモータシャフト10の印を合わせ、次に、その印とセンサマグネット8の磁極を合わせるという2段階の作業になるため、ロータマグネット3とセンサマグネット8との磁極にズレが生じやすい。
【0012】
又、そのズレを、センサマグネット8に対するセンサ基板7の回転調整により補正する必要があり、その分、余分にモータ18の組立工数もかかる。
【0013】
更に、ロータマグネット3とセンサマグネット8とを互いに離れて固定すると、フランジ5、5’とモータハウジング4からなる空間に、センサマグネット8を納めることができず、フランジ5の外側にセンサマグネット8を配置せざるを得なくなる。するとセンサマグネット8やセンサ基板7等を保護するカバー24が必要不可欠となり、カバー24を設ける分モータ18の全長が長くなり(図5のB寸法分に相当)、小型化が困難になる。
【0014】
本発明は上記各課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、前記組立工数の削減を図ると共に、センサ駆動型ブラシレスモータの全長の小型化にも寄与するセンサ構造を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の発明は、モータシャフトとロータマグネットとで形成されるロータの周囲にコイルが備えられると共に、モータシャフトにセンサマグネットが固定され、更に、前記センサマグネットの磁極を検出する磁気検出部品を実装したセンサ基板をフランジに備えるセンサ駆動型ブラシレスモータにおいて、強磁性体からなるシールドプレートの両平面に、それぞれ前記ロータマグネットと前記センサマグネットとを固定することによって、前記ロータマグネットと前記センサマグネットとを一体化することを特徴とするセンサ駆動型ブラシレスモータを提供するものである。
【0016】
更に、請求項2記載の発明は、前記センサマグネットをアキシャル方向に着磁すると共に、前記ロータマグネットはラジアル方向に着磁することを特徴とするセンサ駆動型ブラシレスモータを提供するものである。
【0017】
更に、請求項3記載の発明は、前記センサ基板と前記フランジとの間に強磁性体からなるプレートを設置することを特徴とするセンサ駆動型ブラシレスモータを提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るセンサ駆動型ブラシレスモータの実施形態を、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、本発明のセンサ駆動型ブラシレスモータにおいて、図5に示す従来例と同一な構成部分には、同一番号を付し、説明が重複する箇所は省略、若しくは必要に応じて簡略化して説明する。
【0019】
図1は、本発明のセンサ駆動型ブラシレスモータ11(以下、必要に応じてモータ11と記す)の内部構造を示す側断面図である。図1のモータ11が、図5のモータ18と異なる箇所は、ロータマグネット3とセンサマグネット8とが離間されておらず、シールドプレート13を挟んで一体化されているということである。
【0020】
図2は、ロータマグネット3とセンサマグネット8との一体化と、シールドプレート13に入るマグネット3、8の磁力線15、14の状態を模式的に示す斜視図であり、図3はシールドプレート13を挟んで一体化された前記2つのマグネット3、8を、図2の矢印A方向から見た時の状態に加え、センサ基板7をセンサマグネット8に対して所定の位置に配置したときの状態を示す模式図である。
【0021】
図2又は図3に示すように、ロータマグネット3とセンサマグネット8は、ドーナツ型円盤状のシールドプレート13の両平面13aに固定されて一体化される。センサマグネット8はアキシャル方向に着磁されて、モータシャフト10の軸方向(矢印z方向)に磁極方向を形成する。
【0022】
一方、ロータマグネット3はラジアル方向に着磁されて、前記z方向に対して垂直な方向(矢印y方向)に磁極方向を形成する。従って、図3に示すように、N極からコイル2に向かう磁力線22が放出される。この磁力線22はステータヨーク1及びコイル2を通過してロータマグネット3のS極に戻る(磁力線23で示す)。図2において、ハッチングを施した箇所がN極、ハッチングが施されていない箇所がS極をそれぞれ表す。
【0023】
ロータマグネット3とセンサマグネット8を一体化する際は、センサマグネット8の磁極のうちシールドプレート13から離れている側の磁極(即ち、磁気検出部品6と面対向する側の磁極)と、ロータマグネット3の磁極とを例えば目視等で一致させて行う。本発明においては、ロータマグネット3とセンサマグネット8とは1枚のシールドプレート13を挟んで一体化するので、作業者は直接、互いのマグネット3、8の磁極を目視で確認しながら作業を行うことができる。従って、互いのマグネット3、8の磁極のズレを低減化してセンサ基板7の前記回転調整を省略できるため、前記組立工数を大幅に削減することが可能となる。
【0024】
仮にシールドプレート13が無いとすると、センサマグネット8から放出される磁力線14、16、17のうち磁力線14は、ロータマグネット3から放出される磁力線15と逆方向になり、互いに影響を及ぼし合うことになる。ロータマグネット3は、前記ロータの回転トルクの発生源として機能するため、ある程度、大きな磁力が必要不可欠となる。一方、センサマグネット8の磁力は、磁極の位置が磁気検出部品6で検出できれば十分なので、ロータマグネット3の磁力以上に大きくする必要性は無い。結果、ロータマグネット3の磁力はセンサマグネット8の磁力よりも大きくなる。
【0025】
よって、磁力線14が磁力線15からの影響を受けて、センサマグネット8の磁力は減磁される。その結果、磁気検出部品6による正確なセンサマグネット8の磁極検出に支障を来す事になる。
【0026】
しかし、本発明は、2つのマグネット3、8の間に強磁性体からなるシールドプレート13を配置することにより、シールドプレート13内に形成される磁力線14、15を、互いに影響を及ぼさない程度まで離す(破線で表示)ことが可能である(以下、この効果を分離効果と云う)。
【0027】
シールドプレート13の材料としては、鉄、ケイ素鋼板、又はパーマロイ等が挙げられる。又、シールドプレート13の外径はロータマグネット3及びセンサマグネット8の外径と一致させると共に、厚みは上記分離効果が現れる程に設定するものとする。
【0028】
更に、本発明に係るセンサ駆動型ブラシレスモータは、センサ基板7とフランジ5平面との間に強磁性体からなるプレート12を設置することにより、センサマグネット8から放出される磁力線16をプレート12で引きつけて、磁気検出部品6に磁力線16をより確実に通過させるようにした。従って、図5に示すような、プレート12を設けないモータ構造に比べ、より確実に、磁気検出部品6でセンサマグネット8の磁極を検知することが可能となるので、より精密な駆動を行わせることが可能となる。
【0029】
図4は、従来のモータ18(図中、(a))と、本発明に係るモータ11(図中、(b))との全長を比較するための部分側断面図である。図4(b)に示すように、本発明のモータ11は、センサマグネット8をシールドプレート13を介してロータマグネット3と一体化し、フランジ5、5’とモータハウジング4からなる空間の内部に納めることによって、カバー24を設ける必要が無くなった。従って、(b)のモータ11は(a)のモータ18に比べてB寸法分、モータ全長の短縮化を達成することが可能となる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、本発明のセンサ駆動型ブラシレスモータによれば、ロータマグネットとセンサマグネットとをシールドプレートを介して一体化することにより、フランジとモータハウジングからなる空間内部にセンサマグネットを納めたので、カバーを設ける必要が無くなった。この事により、モータ全長の短縮化を達成することが可能となった。
【0031】
更に、磁気検出部品と面対向する側のセンサマグネットの磁極と、ロータマグネットの磁極を確認しながら一体化することが可能となる。従って、作業者は組み立てる際の互いのマグネットの磁極のズレを低減化することができ、センサ基板の回転調整を省略することができるため、センサ駆動型ブラシレスモータの組立工数を大幅に削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセンサ駆動型ブラシレスモータの内部構造を示す側断面図。
【図2】図1のロータマグネットとセンサマグネットとの一体化と、シールドプレートに入る各マグネットの磁力線の状態を模式的に示す斜視図。
【図3】シールドプレートを挟んで一体化されたセンサマグネット、及びロータマグネットを、図2の矢印A方向から見た時の状態に加え、センサ基板をセンサマグネットに対して所定の位置に配置したときの状態を示す模式図。
【図4】従来のセンサ駆動型ブラシレスモータと、本発明に係るセンサ駆動型ブラシレスモータとの全長を比較するための部分側断面図。
【図5】従来のセンサ駆動型ブラシレスモータの内部構造を示す側断面図。
【符号の説明】
1・・・ステータヨーク
2・・・コイル
3・・・ロータマグネット
4・・・モータハウジング
5、5’・・・フランジ
6・・・磁気検出部品
7・・・センサ基板
8・・・センサマグネット
9、9’・・・軸受
10・・・モータシャフト
11、18・・・センサ駆動型ブラシレスモータ
12・・・プレート
13・・・シールドプレート
13a・・・シールドプレートの平面
14、15、16、17、22、23・・・磁力線
19・・・結線用基板
20・・・スペーサ
21・・・マグネットヨーク
24・・・カバー
Claims (3)
- モータシャフトとロータマグネットとで形成されるロータの周囲にコイルが備えられると共に、モータシャフトにセンサマグネットが固定され、更に、前記センサマグネットの磁極を検出する磁気検出部品を実装したセンサ基板をフランジに備えるセンサ駆動型ブラシレスモータにおいて、強磁性体からなるシールドプレートの両平面に、それぞれ前記ロータマグネットと前記センサマグネットとを固定することによって、前記ロータマグネットと前記センサマグネットとを一体化することを特徴とするセンサ駆動型ブラシレスモータ。
- 前記センサマグネットをアキシャル方向に着磁すると共に、前記ロータマグネットはラジアル方向に着磁することを特徴とする請求項1記載のセンサ駆動型ブラシレスモータ。
- 前記センサ基板と前記フランジとの間に強磁性体からなるプレートが設置されることを特徴とする請求項1又は2記載のセンサ駆動型ブラシレスモータ。
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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-
2002
- 2002-06-06 JP JP2002165531A patent/JP2004015911A/ja not_active Withdrawn
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