JP2003113344A - 生分解性ヒートシールラッカー組成物および生分解性複合体 - Google Patents

生分解性ヒートシールラッカー組成物および生分解性複合体

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JP2003113344A JP2001306627A JP2001306627A JP2003113344A JP 2003113344 A JP2003113344 A JP 2003113344A JP 2001306627 A JP2001306627 A JP 2001306627A JP 2001306627 A JP2001306627 A JP 2001306627A JP 2003113344 A JP2003113344 A JP 2003113344A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた透明性、塗布性、ヒートシール強度、
耐ブロッキング性を有し、同時に優れた生分解性を有す
るヒートシールラッカー組成物を提供する。 【解決手段】 A成分として乳酸残基を80〜100質
量%含有し、乳酸残基のうちL−乳酸残基とD−乳酸残
基のモル比(L/D)が1〜19であり、還元粘度(η
SP/C)が0.4〜1.5dl/gである、生分解性ポリ
エステルと、B成分としてアンチブロッキング剤と、C
成分として溶剤とを含有し、A成分100質量部に対し
てB成分の配合量は0.1〜30質量部の範囲であるこ
とを特徴とする生分解性ヒートシールラッカー組成物。
前記の生分解性ポリエステルの水酸基濃度は100〜5
00eq/106gの範囲にあることが好ましく、前記
のアンチブロッキング剤はシリカゲル粒子であることが
望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性ヒートシ
ールラッカー組成物に関する。さらに詳しくは、本発明
は、生分解性ポリエステルと、アンチブロッキング剤
と、溶剤とを含有する生分解性ヒートシールラッカー組
成物に関する。
【0002】また、本発明は、生分解性基材と、その上
面に塗布される生分解性ヒートシールラッカー組成物を
用いた生分解性塗膜とを構成要素として含む生分解性複
合体に関する。
【0003】
【従来の技術】近年、廃棄物量の激増が大きな環境問題
となっている。また、プラスチック製品は、家庭廃棄物
および産業廃棄物の多くを占めている。そのため、一般
的なプラスチック製品は、その半永久的に分解しない特
性から、極めて処理困難な、環境に負荷をかける素材と
して指摘されている。このような社会的ニーズから、天
然素材または生分解性合成素材を利用した、土中の微生
物などによって自然分解可能な生分解性プラスチックの
開発が、現在、盛んに行なわれている。
【0004】また、近年、プラスチック類で覆われた生
分解性素材製品の激増も大きな環境問題となっている。
本来なら生分解性を有するはずの紙、生分解性繊維布、
生分解性不織布、木材などの生分解性素材が、プラスチ
ック類で覆われた結果、生分解されないためである。そ
のため、生分解性プラスチックのみならず、生分解性素
材と生分解性プラスチックの複合体の開発も、現在、盛
んに行なわれている。
【0005】生分解性プラスチックの中でも特に、ポリ
乳酸はコストおよび物性面で最も有望視され、透明性を
持つ熱可塑性樹脂として大いに期待されている。
【0006】ポリ乳酸は、燃焼熱量はポリエチレンの半
分以下と低いため、焼却処理をしても焼却炉に負担をか
けず、有毒ガスも発生しない。また、ポリ乳酸は、土中
または水中において、自然に加水分解が進行し、次いで
微生物により分解され、無害な物質となる。また、ポリ
乳酸には、融点が170℃〜180℃付近と高く、透明
性に優れるという特徴も有する。しかし、ポリ乳酸に
は、剛直な分子構造のために、伸びや柔軟性に劣り、耐
衝撃性が低いという欠点も存在する。
【0007】このようなポリ乳酸の欠点を改善する目的
で、ポリ乳酸にポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステルをブ
レンドしたり共重合することで、柔軟性に優れ、かつ、
耐衝撃性に優れた生分解性プラスチックが数多く開発さ
れている。
【0008】最も身近な例としては、特開2001−1
23055号公報、特開2001−122289号公
報、特開2001−122288号公報、特開2001
−123371号公報、特開2001−114997号
公報、特開2001−31853号公報、などに開示さ
れているように、包装用フィルムなどにも、ポリ乳酸系
フィルムなどを用いた生分解性フィルムが使用され始め
ている。
【0009】また、このような包装用フィルムにおいて
は、一般に、ヒートシール性を付与する目的で、包装用
フィルムの表面にヒートシール接着剤組成物を塗布する
ことが多い。ここで、ヒートシール性とは、高温条件下
で接着する性質を指し、ヒートシール接着剤組成物と
は、ヒートシール性を有する接着剤組成物を指す。
【0010】さらに、ヒートシール接着剤組成物には、
非溶液タイプとして、ホットメルト接着剤組成物があ
る。ホットメルト接着剤組成物は、常温で固体であっ
て、加熱することで溶融し、基材に塗布後冷却するだけ
で、短時間で接着が完了する性質を有する。ホットメル
ト接着剤組成物を塗布後、短時間の圧着で接着が完了で
きるのは、ホットメルト接着剤組成物は水や溶剤などを
含んでいないため、乾燥時間や乾燥装置を必要としない
からである。
【0011】ホットメルト接着剤組成物を基材へ塗布す
る方法としては、一般に、ホットメルトコータ法が用い
られる。あるいは、エクストルーダを用いた押出しラミ
ネーション法により、基材同士をホットメルト接着剤組
成物を用いて直接貼合せることも行なわれる。
【0012】また、ヒートシール接着剤組成物には、溶
液タイプとして、ヒートシールラッカー組成物がある。
ヒートシールラッカー組成物は、一般に、常温で液体で
あって、基材に塗布後乾燥させ、さらにその上に基材を
圧着した状態で熱をかけることにより、短時間で接着が
完了する性質を有する。ヒートシールラッカー組成物
は、一般に、溶剤を含んでいるため、乾燥工程を必要と
するが、基材への塗布の際に加熱することを要しないた
め塗布工程が簡単であるという長所がある。
【0013】ヒートシールラッカー組成物を基材へ塗布
する方法としては、グラビアコータ法、ロールコータ
法、バーコータ法、などが用いられる。本発明は、この
溶液タイプのヒートシールラッカー組成物に関する。
【0014】ここで、従来より使用されているホットメ
ルト接着剤組成物あるいはヒートシールラッカー組成物
用樹脂は、ウレタン系ポリマー、アクリル系ポリマー、
芳香族系ポリエステルなどの非生分解性樹脂である。そ
のため、前記樹脂成分を含むホットメルト接着剤組成物
あるいはヒートシールラッカー組成物を生分解性フィル
ムに塗布した場合、せっかくの生分解性素材が十分生か
されないという問題がある。また、ホットメルト接着剤
組成物あるいはヒートシールラッカー組成物は、透明な
フィルム状基材上に塗布されることが多いため、透明性
を有することが好ましい。そこで、生分解性を有する透
明なホットメルト接着剤組成物あるいは生分解性を有す
る透明なヒートシールラッカー組成物の開発が待ち望ま
れている。
【0015】上記の現状に基づき、現在、生分解性ホッ
トメルト接着剤組成物、あるいはヒートシールラッカー
組成物の研究開発は、各方面において活発に行なわれて
いる。たとえば、米国特許5,169,889号公報に
は、3−ヒドロキシ酪酸およびヒドロキシペンタン酸を
含むポリエステル樹脂(商品名バイオポール、ゼネカ社
製)を組み合わせることによるホットメルト接着剤組成
物が開示されているが、当該生分解性ホットメルト接着
剤組成物に用いられている樹脂は、樹脂混合物内に非生
分解性の物質を含むため完全に生分解性ではなく、硬く
て脆いという性質があるので、生分解性ホットメルト接
着剤組成物、あるいは生分解性ヒートシールラッカー組
成物のバインダとして好適に使用することはできない。
【0016】また、特開昭57−150393号公報、
特開昭59−220192号公報、特開平5−1057
36号公報、特開平5−148352号公報、特開平5
−179016号公報などに開示されているような、土
中の微生物などにより生分解可能な生分解性プラスチッ
クが開発されている。具体的な商品名としては、ビオノ
ーレ(昭和高分子株式会社製)、ラクティー(株式会社
島津製作所製)、マタービー(ノバモント社製)、ノボ
ン、デグラスター(エコスター社製)、などが挙げられ
る。しかし、前記生分解性樹脂は一般的に汎用溶剤に不
溶であるため、射出成形などの溶融成形以外の用途には
利用し難いものであり、また生分解性ホットメルト接着
剤組成物、あるいはヒートシールラッカー組成物のバイ
ンダとして使用した場合には、接着強度が十分満足でき
る水準ではない。
【0017】さらに、特開平5−339557号公報に
は、ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸か
ら誘導された乳酸共重合樹脂を用いたホットメルト接着
剤組成物が開示されている。しかし、前記生分解性ホッ
トメルト接着剤組成物に用いられている樹脂は、生分解
性ヒートシールラッカー組成物のバインダとして好適に
使用するには、溶解性、接着性の面で十分満足できる水
準ではない。
【0018】そして、特開平5−339557号公報に
は、分子量1万以上のポリ乳酸をジイソシアネート化合
物により変性させた、アルカリ水崩壊性および生分解性
に優れたホットメルト接着剤組成物が開示されている。
しかし、前記生分解性ホットメルト接着剤組成物に用い
られている樹脂も、生分解性ヒートシールラッカー組成
物のバインダとして好適に使用するには、接着性の面で
十分満足できる水準ではない。
【0019】さらに、特開平8−81897号公報に
は、乳酸残基を65〜95モル%含み、カプロラクト
ン、オキシ酸、コハク酸、プロピレングリコール、グリ
セリンにて変性させたポリエステル接着剤組成物が開示
されている。しかし、前記生分解性ポリエステル接着剤
組成物に用いられている樹脂も、生分解性ホットメルト
接着剤組成物、あるいは生分解性ヒートシールラッカー
組成物のバインダとして好適に使用するには、接着性の
面で十分満足できる水準ではない。
【0020】また、特開平10−251612号公報に
は、脂肪族ジカルボン酸あるいはその酸無水物あるいは
そのジエステルと、側鎖にアルキル基、またはアルケニ
ル基を有する脂肪族ジカルボン酸あるいはその酸無水物
あるいはそのジエステルと、脂肪族グリコールとを重縮
合反応させて生成してなる脂肪族ポリエステルを用いた
ホットメルト接着剤組成物が開示されている。しかし、
前記生分解性ホットメルト接着剤組成物に用いられてい
る樹脂は、生分解性ヒートシールラッカー組成物のバイ
ンダとして好適に使用するには、溶解性、接着性の面で
十分満足できる水準ではない。
【0021】また、特開平7−278510号公報に
は、生ロジンと天然ゴムと植物系もしくは鉱物系ワック
スとからなる生分解性ホットメルト接着剤組成物が開示
されている。しかし、前記生分解性ホットメルト接着剤
組成物に用いられている樹脂もまた、生分解性ヒートシ
ールラッカー組成物のバインダとして好適に使用するに
は、透明性、溶解性、接着性の面で十分満足できる水準
ではない。
【0022】さらに、特開平8−92359号公報に
は、ポリ乳酸系の生分解性ポリエステル樹脂を用いた、
ホットメルト接着剤組成物として使用可能な生分解性接
着剤組成物が開示されている。しかし、前記生分解性接
着剤組成物に用いられている樹脂は、生分解性ヒートシ
ールラッカー組成物のバインダとして好適に使用するに
は、耐ブロッキング性の面で十分満足できる水準ではな
い。
【0023】上記のように、生分解性ホットメルト接着
剤組成物のバインダ用樹脂に求められる特性と、生分解
性ヒートシールラッカー組成物のバインダ用樹脂に求め
られる特性とは必ずしも一致しない。そのため、透明
性、塗布性、ヒートシール強度、耐ブロッキング性にお
いて、十分に満足できる生分解性ヒートシールラッカー
組成物は未だ得られていないのが現状である。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上記の現状に基づき、
本発明の課題は、優れた透明性、塗布性、ヒートシール
強度、耐ブロッキング性を有し、同時に優れた生分解性
を有するヒートシールラッカー組成物を提供することで
ある。また、本発明の他の課題は、生分解性基材と、そ
の上面に塗布される生分解性ヒートシールラッカー組成
物を用いた生分解性塗膜とを構成要素として含む、優れ
た透明性、ヒートシール強度、耐ブロッキング性を有す
る生分解性複合体を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するには、優れた生分解性と透明性を有するポ
リ乳酸系樹脂に、アンチブロッキング剤を含有させるこ
とにより、耐ブロッキング性を付与すればよいことに着
目し、鋭意検討を行なった。そして、特定のポリ乳酸系
樹脂を用いて、アンチブロッキング剤の凝集、分離、沈
殿などを防ぐことにより、アンチブロッキング剤をヒー
トシールラッカー組成物中に安定に保持できることを見
出した。その結果、従来公知のヒートシールラッカー組
成物と同程度の透明性、塗布性、ヒートシール強度、耐
ブロッキング性を有しながら、従来公知のヒートシール
ラッカー組成物よりも著しく優れた生分解性を有するヒ
ートシールラッカー組成物を得ることに成功した。
【0026】さらに、各種アンチブロッキング剤のなか
でも、特定のアンチブロッキング剤を用いることによ
り、前記生分解性ヒートシールラッカー組成物の優れた
特性を損なうことなく、耐ブロッキング性をさらに向上
させることができることを見出し、本発明を完成させる
に至った。
【0027】すなわち、本発明の生分解性ヒートシール
ラッカー組成物は、A成分として乳酸残基を80〜10
0質量%含有し、乳酸残基のうちL−乳酸残基とD−乳
酸残基のモル比(L/D)が1〜19であり、還元粘度
(ηSP/C)が0.4〜1.5dl/gである生分解性ポ
リエステルと、B成分としてアンチブロッキング剤と、
C成分として溶剤とを含有し、A成分100質量部に対
してB成分の配合量は0.1〜30質量部の範囲であ
る。また、この生分解性ポリエステルの水酸基濃度は1
00〜500eq/106gの範囲にあることが好まし
い。
【0028】そして、このアンチブロッキング剤は無機
系粒子であることが好ましい。さらに、このアンチブロ
ッキング剤はシリカゲル粒子であることが好ましい。ま
た、このアンチブロッキング剤の平均粒径は1.0〜1
2.0μmの範囲にあることが好ましい。そして、この
アンチブロッキング剤の比表面積は50〜700m2
gの範囲にあることが好ましい。
【0029】加えて、本発明は、生分解性基材と、その
上面に塗布される前記生分解性ヒートシールラッカー組
成物を用いた生分解性塗膜とを構成要素として含む生分
解性複合体を含む。
【0030】また、この生分解性基材としては、生分解
性フィルム、生分解性プラスチック、紙、生分解性繊維
布、生分解性不織布、木材、からなる群のうちの一種ま
たは二種以上を構成要素として含むことが好ましい。さ
らに、この生分解性基材としては、ポリ乳酸系フィルム
を構成要素として含むことが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示して本発明
をより詳細に説明する。
【0032】<生分解性ヒートシールラッカー組成物の
説明>まず、本発明に係る生分解性ヒートシールラッカ
ー組成物について説明する。
【0033】本発明に係る生分解性ヒートシールラッカ
ー組成物は、A成分として特定の生分解性ポリエステル
と、B成分としてアンチブロッキング剤と、C成分とし
て溶剤とを含有する。
【0034】ここで、ヒートシールラッカー組成物と
は、溶液タイプのヒートシール接着剤組成物のことをい
う。ヒートシールラッカー組成物は、一般に常温で液体
であって、基材に塗布後乾燥させさらにその上に基材を
圧着した状態で熱をかけることにより、短時間で接着が
完了する。ヒートシールラッカー組成物は、一般に溶剤
を含んでいるため乾燥工程を必要とするが、基材への塗
布の際に加熱することを要しないため塗布工程が簡単で
ある。
【0035】また、本発明に係るヒートシールラッカー
組成物は、生分解性を有する。ここで、生分解性とは、
分解の一過程において生物の代謝が関与して低分子量化
合物に変換する性質をいう。
【0036】≪本発明に使用する生分解性ポリエステル
の説明≫次に、本発明に使用する生分解性ポリエステル
(A成分)について説明する。
【0037】生分解性ポリエステル(A成分)は、乳酸
残基を80〜100質量%含有し、乳酸残基のうちL−
乳酸残基とD−乳酸残基のモル比(L/D)が1〜19
であり、還元粘度(ηSP/C)が0.4〜1.5dl/g
である。
【0038】生分解性ポリエステル(A成分)において
原料として使用可能な乳酸以外のヒドロキシ酸として
は、グリコール酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、3−ヒド
ロキシ酪酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒ
ドロキシ−2−メチル酪酸、12−ヒドロキシステアリ
ン酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸などが挙げられ
る。カプロラクトンのようなヒドロキシ酸の分子内エス
テル、ラクチドのようなα−ヒドロキシ酸から水分子を
失って生成した環状エステルも用いられる。また、生分
解性ポリエステル(A成分)において、乳酸に加えて原
料として使用可能な、脂肪族系のジカルボン酸として
は、コハク酸、アジピン酸などが挙げられ、ジオール成
分としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ヘキサンジオールなどが挙げられ
る。
【0039】さらに、生分解性ポリエステル(A成分)
は、乳酸残基を80質量%以上含有していることが好ま
しく、より好ましくは、90質量%以上である。80質
量%未満では、十分に良好な生分解性および塗膜物性が
得られにくい。
【0040】なお、生分解性ポリエステル(A成分)の
原料として用いる乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸、
DL−乳酸のいずれも用いることができる。ここで、L
−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)が1〜19である
ことが好ましく、より好ましくは、4〜9である。
【0041】モル比(L/D)が19を超えると、生分
解性ポリエステル(A成分)の使用溶剤に対する溶解性
が悪くなり、ヒートシールラッカー用樹脂として十分な
性能が得られない。一方、モル比(L/D)が1未満
(D−乳酸過剰)であると、原料コストが高くなる。な
ぜなら、一般には、L−乳酸またはDL−乳酸の方が大
量かつ安価に入手しやすいためである。
【0042】もっとも、D−乳酸過剰の配合で生分解性
ポリエステル(A成分)を製造しても、L/Dが1〜1
9の範囲となる条件で製造した脂肪族ポリエステル(A
成分)と同様の物性のものを得ることができる。
【0043】生分解性ポリエステル(A成分)の還元粘
度(ηSP/C)は、0.4〜1.5dl/gの範囲にある
必要がある。還元粘度が0.4dl/gよりも低いと、
印刷時のハジキの原因となったり、ヒートシール強度低
下の原因となる。また、還元粘度(ηSP/C)が1.5d
l/gよりも高いと、ヒートシールラッカー組成物の塗
布性が低下したり、ヒートシール時の溶融性が低下し、
結果的にヒートシール強度が低下する。
【0044】前記還元粘度は、たとえば、ポリエステル
の重合時間、重合温度、減圧の程度(減圧しながら重合
させる場合)を変化させたり、共重合成分としてのアル
コール成分の使用量を変化させたりすることにより、調
整することができる。
【0045】なお、本発明において、還元粘度は、サン
プル濃度0.125g/25ml、測定溶剤クロロホル
ム、測定温度25℃で、ウベローデ粘度管を用いて測定
した値である。
【0046】生分解性ポリエステル(A成分)の水酸基
濃度は、100〜500eq/10 6gの範囲で含まれ
ていることが望ましい。水酸基濃度が100eq/10
6g未満であると、アンチブロッキング剤(B成分)が
シリカゲル粒子などの無機系粒子の場合、十分に良好な
分散性、安定性が得られにくい。また、水酸基濃度が5
00eq/106gを超えると塗膜の耐水性が悪化する
傾向にある。
【0047】ここで、水酸基濃度は、原料の仕込量およ
び生分解性ポリエステル(A成分)の酸価の測定値から
計算によって求めることができるが、計算方法は、使用
する原料および得られる生分解性ポリエステル(A成
分)の種類により異なる。また、水酸基濃度の測定は、
過剰のフェニルイソシアネートを加え生分解性ポリエス
テル(A成分)の水酸基と反応させ、次に未反応のフェ
ニルイソシアネートを過剰のジエチルアミンと反応さ
せ、未反応ジエチルアミン量を酸により滴定するなどの
公知の滴定法で求めることもできる。
【0048】≪本発明に使用する生分解性ポリエステル
の製造方法の説明≫続けて、生分解性ポリエステル(A
成分)の製造方法について説明する。
【0049】生分解性ポリエステル(A成分)の製造方
法としては、特に限定されず、従来の公知の方法を用い
ることができる。たとえば、ヒドロキシ酸の二量体であ
るラクチドと、他のヒドロキシ酸、ポリグリセリンなど
を溶融混合し、公知の開環重合触媒(たとえばオクチル
酸スズ、アルミニウムアセチルアセトナートなど)を使
用して、窒素雰囲気下、加熱開環重合させる方法や、加
熱および減圧により直接脱水重縮合を行う方法等が挙げ
られる。
【0050】なお、ラクチドの加熱開環重合反応は工程
がシンプルで容易であり、高純度生成物が得られやすい
ため、生分解性ポリエステル(A成分)の製造方法とし
ては、ラクチドの加熱開環重合反応を用いることが好ま
しい。
【0051】また、ラクチドの加熱開環重合反応におい
て、重合開始剤としてポリグリセリンを添加する場合
は、ポリグリセリンの重合度は3〜20の範囲にあるこ
とが好ましく、生分解性ポリエステル原料中のポリグリ
セリンの配合量は0.1〜5質量%の範囲にあることが
好ましい。
【0052】前記諸条件を満たすポリエステルは、生分
解性ポリエステルである。ここで生分解性とは、分解の
一過程において、生物の代謝が関与して、低分子量化合
物に変換する性質をいう。
【0053】従来は、本発明に使用する生分解性ポリエ
ステルのようなポリ乳酸系樹脂は、耐ブロッキング性に
難点があるとされていた。そのため、ポリ乳酸系樹脂が
ヒートシールラッカー組成物のバインダとして用いられ
た実績は、現在までのところない。本発明において初め
て、ポリ乳酸系樹脂は、ヒートシールラッカー組成物の
バインダとして好適に用いることができるようになっ
た。
【0054】その理由は、以下に述べるように、アンチ
ブロッキング剤をポリ乳酸系樹脂と溶剤の混合物中に安
定的に分散させることができるようになったため、ポリ
乳酸系樹脂に耐ブロッキング性を付与することが可能と
なったからである。
【0055】≪本発明に使用するアンチブロッキング剤
の説明≫次に、本発明に使用するアンチブロッキング剤
(B成分)について説明する。
【0056】アンチブロッキング剤(B成分)として
は、特に限定されず、従来公知の無機系粒子、有機系粒
子、ワックス類、などからなるアンチブロッキング剤を
用いることができる。
【0057】ここで、無機系粒子の具体例としては、マ
グネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニウ
ム、モリブデン、ケイ素、アンチモン、チタン、などの
金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、
などを含有する無機系粒子が挙げられる。さらに詳細な
具体例としては、シリカゲル、酸化アルミニウム、水酸
化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水
酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、鉛酸
化物、珪藻土、ゼオライト、アルミノシリケート、タル
ク、ホワイトカーボン、マイカ、ガラス繊維、ガラス粉
末、ガラスビーズ、クレー、ワラスナイト、酸化鉄、酸
化アンチモン、酸化チタン、リトポン、軽石粉、硫酸ア
ルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、炭酸バリウム、ドロ
マイト、二硫化モリブデン、砂鉄、カーボンブラック、
などを含有する無機系粒子が挙げられる。
【0058】前記無機系粒子の中でも、土壌中での環境
負荷などの観点からシリカゲル粒子が特に好ましい。ま
た、前記無機系粒子は、その特性を損なわない程度に不
純物を含んでいてもよい。また、粒子の形状は、粉末
状、粒状、顆粒状、平板状、繊維状、など、どのような
形状であってもよい。
【0059】また、有機系粒子の具体例としては、ポリ
メチルメタアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ナイ
ロン樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール
樹脂、ユリア樹脂、シリコン樹脂、メタクリレート樹
脂、アクリレート樹脂、などのポリマー粒子、あるい
は、セルロースパウダー、ニトロセルロースパウダー、
木粉、古紙粉、籾殻粉、澱粉、などが挙げられる。
【0060】前記ポリマー粒子は、乳化重合法、懸濁重
合法、分散重合法、ソープフリー重合法、シード重合
法、マイクロサスペンジョン重合法、などの重合法によ
り得ることができる。また、前記有機系粒子は、その特
性を損なわない程度に不純物を含んでいてもよい。ま
た、粒子の形状は、粉末状、粒状、顆粒状、平板状、繊
維状、など、どのような形状であってもよい。
【0061】そして、ワックス類の具体例としては、流
動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、合
成パラフィン、ポリエチレンワックス、などの炭化水素
系ワックス類、ステアリン酸などの脂肪酸系ワックス
類、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレ
ンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、
オレイン酸アミド、エシル酸アミド、などの脂肪酸アミ
ド系ワックス、脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪
酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエ
ステル、などのエステル系ワックス、セチルアルコー
ル、ステアリルアルコール、などのアルコール系ワック
ス、オレフィン系ワックス、カスターワックス、カルナ
バワックス、などの天然物ワックス、炭素数12〜30
の脂肪酸から誘導される金属石鹸類など、が挙げられ
る。
【0062】前記ワックス類の中でも、カスターワック
ス、カルナバワックスなどの天然物ワックスが、生分解
性に優れるため特に好ましい。また、前記ワックス類
は、その特性を損なわない程度に不純物を含んでいても
よい。また、前記ワックス類は、アンチブロッキング剤
としての目的ではなく、滑剤としての目的で、無機系粒
子や有機系粒子とともに配合されてもよい。
【0063】さらに、前記アンチブロッキング剤(B成
分)としては、前記無機系粒子、有機系粒子、ワックス
類のうち一種のみでなく二種以上を併用してもよい。
【0064】また、アンチブロッキング剤(B成分)が
無機系粒子あるいは有機系粒子の場合、当該粒子の平均
粒径の下限は、1.0μmであることが好ましく、1.
5μmであればさらに好ましく、2.0μmであれば最
も好ましい。また、当該粒子の平均粒径の上限は、1
2.0μmであることが好ましく、10.0μmであれ
ばさらに好ましく、8.0μmであれば最も好ましい。
平均粒径が1.0μm未満では、耐ブロッキング性の向
上効果が小さくなり、粒子が凝集しやすくなる傾向があ
る。一方、平均粒径が12.0μmを超えると、塗膜の
透明性や平滑性が損なわれ塗膜外観が不良となる場合が
ある。
【0065】そして、アンチブロッキング剤(B成分)
が無機系粒子の場合、当該粒子の比表面積の下限は、5
0m2/gであることが好ましく、80m2/gであれば
さらに好ましく、100m2/gであるのが最も好まし
い。また、当該粒子の比表面積の上限は、700m2
gであることが好ましく、600m2/gであればさら
に好ましく、500m2/gであるのが最も好ましい。
比表面積が50m2/g未満である場合、あるいは比表
面積が700m2/gを超える場合には、塗膜の透明性
が悪くなる場合がある。
【0066】そして、生分解性ポリエステル(A成分)
100質量部に対して、アンチブロッキング剤(B成
分)の配合量は0.1〜30質量部の範囲にある必要が
ある。前記配合量が0.1質量部未満のときは、耐ブロ
ッキング性が不十分となり、前記配合量が30質量部を
超えると、ヒートシール強度が低下するという問題が生
じる。
【0067】≪本発明に使用する溶剤の説明≫次に、本
発明に使用する溶剤(C成分)について説明する。
【0068】溶剤(C成分)としては、特に限定され
ず、ヒートシールラッカー組成物に通常に用いられる溶
剤を使用することができる。具体例としては、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢
酸イソブチル、などのエステル系溶剤、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノンなどのケトン系溶剤、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、イソブタノール、などのアルコール系溶剤、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなど
のグリコールエーテル系溶剤、前記グリコールエーテル
のアセチル化物であるグリコールエーテルエステル系溶
剤などが挙げられる。前記溶剤は、一種でも二種以上で
も用いることができる。
【0069】また、生分解性ポリエステル(A成分)1
00質量部に対して、溶剤(C成分)の配合量は100
〜2000質量部の範囲にあることが好ましい。配合量
が100質量部未満のときは、ヒートシールラッカー組
成物の粘度が高くなりすぎ、塗布作業性が低下する傾向
があり、2000質量部を超える場合には、乾燥膜厚が
薄くなりすぎ、ヒートシール性不良となる場合がある。
【0070】≪その他の成分≫なお、本発明の生分解性
ヒートシールラッカー組成物には、必要に応じて、たと
えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、粘
着付与剤、可塑剤、架橋剤、粘度調整剤、静電気防止
剤、香料、抗菌剤、消泡剤、分散剤、重合禁止剤、など
の各種添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で添
加することができる。
【0071】≪本発明の生分解性ヒートシールラッカー
組成物の製造方法≫次に、本発明に係る生分解性ヒート
シールラッカー組成物の製造方法を説明する。
【0072】本発明に係る生分解性ヒートシールラッカ
ー組成物の製造方法としては、従来の公知の方法であれ
ば、特に限定されない。たとえば、生分解性ポリエステ
ル(A成分)を溶剤(C成分)に溶解させ、これにアン
チブロッキング剤(B成分)を配合し、ボールミルやペ
イントシェーカーなどを用いて分散させることにより、
本発明に係る生分解性ヒートシールラッカー組成物を製
造することができる。
【0073】<本発明の生分解性複合体>次に、本発明
に係る生分解性複合体について説明する。
【0074】本発明に係る生分解性複合体は、生分解性
基材と、その上面に塗布される本発明に係る生分解性ヒ
ートシールラッカー組成物を用いた生分解性塗膜とを構
成要素として含む。
【0075】ここで、前記生分解性基材としては、生分
解性を有し、生分解性ヒートシールラッカー組成物の塗
布が可能なものであれば、任意の基材が利用できる。
【0076】また、前記生分解性基材は、シート状であ
ることが好ましいが、シート状のものに限定されるわけ
ではなく、生分解性ヒートシールラッカー組成物の塗布
が可能な一定の広さの面を有していれば、立体的な形状
を持つものにも適用可能である。また、前記一定の広さ
の面は、曲面であってもよく、凹凸を有していてもよ
い。
【0077】前記生分解性基材としては、たとえば、生
分解性フィルム、生分解性プラスチック、紙、生分解性
繊維布、生分解性不織布、木材、などが使用可能であ
る。また、本発明における生分解性基材としては、ポリ
乳酸系フィルム、および、パルプを主成分とする紙が、
特に好ましい。
【0078】そして、前記ポリ乳酸系フィルムとして
は、ポリL−乳酸系フィルムが、特に好ましい。また、
前記パルプを主成分とする紙としては、更紙、中質紙、
上質紙、段ボールなどの板紙、などが特に好ましい。
【0079】さらに、前記ポリ乳酸系フィルムを生分解
性ヒートシールラッカー組成物の受容性が高まるように
加工したものを用いてもよい。たとえば、(i)ポリ乳
酸系フィルムを発泡させて微細な孔を多数設け、この微
細孔によって生分解性インキ組成物の受容性を改善させ
たもの、(ii)溶剤溶解性の微粉末を混合して製膜し
たプラスチックフィルムから微粉末を溶剤により溶解除
去し、こうして除去された微粉末存在部位を微細な孔と
して、この微細孔によって生分解性ヒートシールラッカ
ー組成物の受容性を改善させたもの、あるいは、(ii
i)微粉末を混合して製膜したプラスチックフィルムを
延伸し、この延伸によって微粉末とプラスチックとの間
に微細な亀裂を生ぜしめ、この微細な亀裂によって生分
解性ヒートシールラッカー組成物の受容性を改善させた
もの、などが好適に利用できる。
【0080】本発明に係る生分解性ヒートシールラッカ
ー組成物の塗布の方法も、特に限定されず、従来の公知
の方法を利用可能である。たとえば、シルクスクリーン
印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、グラビア印刷
法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、ロー
ルコータ塗工法、バーコータ塗工法、エアナイフ塗工
法、ドクターブレード法、などの方法を用いることがで
きる。
【0081】本発明に係る生分解性ヒートシールラッカ
ー組成物は、自然に、あるいは、温風によって乾燥させ
ることができる。乾燥後、本発明の生分解性ヒートシー
ルラッカー組成物は、実質的に透明な塗膜を形成する。
【0082】また、本発明に係る生分解性ヒートシール
ラッカー組成物の塗膜の膜厚は、用途に応じ、任意であ
るが、たとえば、一般的な使用方法の場合には、5〜1
00μmの範囲にあることが好ましい。
【0083】また、本発明に係る生分解性複合体を他の
生分解性基材と接着させる方法としては、特に限定され
ず、従来公知のヒートシールラッカー組成物を用いた接
着方法を用いることができる。
【0084】具体例としては、本発明に係る生分解性複
合体の本発明に係る生分解性ヒートシールラッカー組成
物を塗布した面を、他の生分解性基材と接触させ、温度
条件50〜250℃、圧力条件49〜294kPaの範
囲で、0.01〜5秒間圧着させることにより、容易に
当該生分解性複合体と他の生分解性基材を接着させるこ
とができる。なお、他の生分解性基材の接着面にも同様
に本発明に係る生分解性ヒートシールラッカー組成物が
塗布されていてもよい。
【0085】本発明の生分解性複合体のうち、ポリ乳酸
系フィルムなどの生分解性フィルムを基材とするもの
は、オーバーラッピングフィルムなどの包装材料として
好適に使用可能である。
【0086】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0087】<実施例1>L−ラクチド500部、DL
−ラクチド500部、乳酸1質量部、アルミニウムアセ
チルアセトナート1質量部を4つ口フラスコに仕込み、
窒素雰囲気下、180℃で3時間加熱溶融させることに
より、開環重合させ、その後、残留ラクチドを減圧下留
去し、ポリエステル(I)を得た。
【0088】次に、ポリエステル(I)100質量部を
メチルエチルケトン100質量部に溶解させ、そこへ平
均粒径4.5μm、比表面積95m2/gであるシリカ
ゲル粒子3質量部を加え、ボールミル中で混合分散化
し、その後、酢酸エチル100質量部で希釈することに
よりヒートシールラッカー組成物(I)を得た。
【0089】さらに、ヒートシールラッカー組成物
(I)を、グラビア印刷機を用いて、縦300mm×横
150mmの大きさのポリL−乳酸フィルム上に乾燥膜
厚2μmとなるように塗布し、ポリL−乳酸フィルムと
ヒートシールラッカー組成物の塗膜との複合体(以下、
単に複合体と称する)(I)を得た。
【0090】<実施例2>L−ラクチド500質量部、
DL−ラクチド500質量部、重合度が10であるポリ
グリセリン(ダイセル化学PGL10:水酸基濃度85
0KOHmg/g)10質量部、開環重合触媒として、
アルミニウムアセチルアセトナート1質量部を4つ口フ
ラスコに仕込み、窒素雰囲気下、180℃で3時間加熱
溶融させることにより開環重合させ、残留ラクチドを減
圧下留去させることにより、ポリエステル(II)を得
た。
【0091】次に、ポリエステル(II)を用い、実施
例1と同様な方法でヒートシールラッカー組成物(I
I)を得た。さらに、ヒートシールラッカー組成物(I
I)を用い、実施例1と同様な方法で複合体(II)を
得た。
【0092】<実施例3>L−ラクチド500質量部、
DL−ラクチド500質量部、重合度が10であるポリ
グリセリン(ダイセル化学PGL10:水酸基濃度85
0KOHmg/g)26.3質量部、開環重合触媒とし
て、アルミニウムアセチルアセトナート1質量部を4つ
口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、180℃で3時間
加熱溶融させることにより開環重合させ、残留ラクチド
を減圧下留去させることにより、ポリエステル(II
I)を得た。
【0093】次に、ポリエステル(III)を用い、実
施例1と同様な方法でヒートシールラッカー組成物(I
II)を得た。さらに、ヒートシールラッカー組成物
(III)を用い、実施例1と同様な方法で複合体(I
II)を得た。
【0094】<比較例1>ポリエステル(II)100
質量部をメチルエチルケトン100質量部に溶解させ、
そこへ、実施例1と同じシリカゲル粒子35質量部を加
え、ボールミル中で混合分散化し、その後、酢酸エチル
100質量部で希釈することによりヒートシールラッカ
ー組成物(IV)を得た。さらに、ヒートシールラッカ
ー組成物(IV)を用い、実施例1と同様な方法で複合
体(IV)を得た。
【0095】<比較例2>ポリエステル(II)100
質量部をメチルエチルケトン100質量部、酢酸エチル
100質量部からなる混合溶剤に溶解させることによ
り、ヒートシールラッカー組成物(V)を得た。さら
に、ヒートシールラッカー組成物(V)を用い、実施例
1と同様な方法で複合体(V)を得た。
【0096】<実施例4>ポリエステル(II)100
質量部をメチルエチルケトン100質量部に溶解させ、
そこへ、平均粒径1.0μm、比表面積130m2/g
であるシリカゲル粒子3質量部を加え、ボールミル中で
混合分散化し、その後、酢酸エチル100質量部で希釈
することによりヒートシールラッカー組成物(VI)を
得た。さらに、ヒートシールラッカー組成物(VI)を
用い、実施例1と同様な方法で複合体(VI)を得た。
【0097】<実施例5>ポリエステル(II)100
質量部をメチルエチルケトン100質量部に溶解させ、
そこへ、平均粒径2.5μm、比表面積110m2/g
であるシリカゲル粒子3質量部を加え、ボールミル中で
混合分散化し、その後、酢酸エチル100質量部で希釈
することによりヒートシールラッカー組成物(VII)
を得た。さらに、ヒートシールラッカー組成物(VI
I)を用い、実施例1と同様な方法で複合体(VII)
を得た。
【0098】<実施例6>ポリエステル(II)100
質量部をメチルエチルケトン100質量部に溶解させ、
そこへ、平均粒径3.0μm、比表面積110m2/g
であるシリカゲル粒子3質量部を加え、ボールミル中で
混合分散化し、その後、酢酸エチル100質量部で希釈
することによりヒートシールラッカー組成物(VII
I)を得た。さらに、ヒートシールラッカー組成物(V
III)を用い、実施例1と同様な方法で複合体(VI
II)を得た。
【0099】<実施例7>ポリエステル(II)100
質量部をメチルエチルケトン100質量部に溶解させ、
そこへ、平均粒径4.5μm、比表面積95m2/gで
あるシリカゲル粒子3質量部を加え、ボールミル中で混
合分散化し、その後、酢酸エチル100質量部で希釈す
ることによりヒートシールラッカー組成物(IX)を得
た。さらに、ヒートシールラッカー組成物(IX)を用
い、実施例1と同様な方法で複合体(IX)を得た。
【0100】<実施例8>ポリエステル(II)100
質量部をメチルエチルケトン100質量部に溶解させ、
そこへ、平均粒径7.0μm、比表面積330m2/g
であるシリカゲル粒子3質量部を加え、ボールミル中で
混合分散化し、その後、酢酸エチル100質量部で希釈
することによりヒートシールラッカー組成物(X)を得
た。さらに、ヒートシールラッカー組成物(X)を用
い、実施例1と同様な方法で複合体(X)を得た。
【0101】<実施例9>ポリエステル(II)100
質量部をメチルエチルケトン100質量部に溶解させ、
そこへ、平均粒径12.0μm、比表面積225m2
gであるシリカゲル粒子3質量部を加え、ボールミル中
で混合分散化し、その後、酢酸エチル100質量部で希
釈することによりヒートシールラッカー組成物(XI)
を得た。さらに、ヒートシールラッカー組成物(XI)
を用い、実施例1と同様な方法で複合体(XI)を得
た。前記ポリエステル(I)〜(III)の組成および
特性を表1に示す。また、前記ヒートシールラッカー組
成物(I)〜(XI)の配合を表2〜3に示す。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】なお、表1において、還元粘度は、サンプ
ル濃度0.125mg/25ml、測定溶剤クロロホル
ム、測定温度25℃、ウベローデ粘度管を用いて測定し
た。
【0106】また、表1において、ポリエステル組成中
の乳酸残基は仕込み量を規定している。ただし、500
MHzのNMRによりポリエステル中にも、同じ量が含
まれることが確認された。
【0107】さらに、表1において、ポリエステル中の
L−乳酸とD−乳酸のモル比は、仕込み量から求めてい
るが、ポリエステル中のL−乳酸とD−乳酸のモル比を
旋光度計(堀場製作所SEPA−200)を用い決定し
たものと同じであることを確認した。
【0108】<性能評価>前記複合体(I)〜(XI)
を用いて、前記複合体の生分解性ヒートシール材として
の性能である、ヒートシール強度、耐ブロッキング性、
さらに、透明性、生分解性を下記の試験方法に基づいて
評価した。評価結果を表4〜5に示す。また、前記ヒー
トシールラッカー組成物(I)〜(XI)を用いて、ア
ンチブロッキング剤の分散性を下記の試験方法に基づい
て評価した。評価結果を表2〜3に示す。
【0109】(i)ヒートシール強度の測定 複合体同士をヒートシールラッカー組成物を塗布した面
同士で重ね合わせ、110℃、98.1kPa加圧、加
圧時間0.5秒の条件でヒートシールした。その後、2
5℃、相対湿度65%の条件下、引張り速度100mm
/分で、T剥離強度(N/15mm)を測定した。
【0110】(ii)耐ブロッキング性試験 複合体同士をヒートシールラッカー組成物を塗布した面
同士で重ね合わせ、40℃、相対湿度65%の条件下、
98.1kPaの荷重をかけた。1日後、25℃、相対
湿度65%の条件下、複合体同士を引き剥がし、接着面
の塗膜の外観を目視にて観察し、耐ブロッキング性の程
度を下記の基準に従って4段階で評価した。 ◎:耐ブロッキング性優秀(容易に剥離可能、塗膜に異
常なし) ○:耐ブロッキング性良好(塗膜表面が多少荒れてい
る) △:耐ブロッキング性に劣る(一部の塗膜に損傷あり) ×:耐ブロッキング性なし(大部分の塗膜に損傷あり) (iii)透明性試験 ヒートシールラッカー組成物の塗膜を通して、あらかじ
め基材表面に印刷されている文字を目視にて観察し、下
記の基準に従って透明性を4段階で評価した。 ◎:文字が鮮明に観察できる。 ○:文字が少し滲んで見える。 △:文字がかなりぼやけて見える。 ×:文字がぼやけて読み取れない。
【0111】(iv)生分解性試験 複合体10cm×10cmをコンポスター(生ゴミ処理
機、三井ホーム社製(MAM))中に入れ、7日後にサ
ンプル形態を目視にて観察し、生分解性の程度を下記の
基準に従って4段階で評価した。 ◎:サンプルの形態が完全になし ○:サンプルの形態がほとんどなし △:サンプルの断片あり ×:サンプルの形態がほとんど残っている (v)アンチブロッキング剤の分散性 ヒートシールラッカー組成物1000mLを加圧式の農
薬用噴霧器で吹き付け、ノズルの詰まり具合を目視で観
察し、次の評価基準に従って評価した。 ○:良好 △:やや詰まり気味である ×:詰まりが激しい
【0112】
【表4】
【0113】
【表5】
【0114】上記の結果より、本発明のヒートシールラ
ッカー組成物は、優れた透明性、塗布性、ヒートシール
強度および耐ブロッキング性を有し、さらには生分解性
にも優れていることがわかる。
【0115】今回開示された実施の形態および実施例は
すべての点で例示であって制限的なものではないとかん
がえられるべきである。本発明の範囲は上記した説明で
はなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範
囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれ
ることが意図される。
【0116】
【発明の効果】本発明に係るヒートシールラッカー組成
物は、優れた生分解性を有し、シール強度、耐ブロッキ
ング性、透明性、塗布性においても優れている。
【0117】また、本発明に係る生分解性複合体も、優
れた生分解性を有し、シール強度、耐ブロッキング性、
本発明に係る生分解性ヒートシールラッカー組成物の塗
膜の透明性に優れている。
【0118】さらに、本発明に係る生分解性複合体は包
装材料として好適に用いることができる。前記包装材料
は、生分解性を有し、かつ、容易に内容物を密封するこ
とができるため、生産性の向上、生活の利便の向上、お
よび環境への負荷の低減が実現できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年11月28日(2001.11.
28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】削除
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】削除
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正内容】
【0094】<比較例1>ポリエステル(II)100
質量部をメチルエチルケトン100質量部に溶解させ、
そこへ、実施例1と同じシリカゲル粒子35質量部を加
え、ボールミル中で混合分散化し、その後、酢酸エチル
100質量部で希釈することによりヒートシールラッカ
ー組成物(III)を得た。さらに、ヒートシールラッ
カー組成物(III)を用い、実施例1と同様な方法で
複合体(III)を得た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正内容】
【0095】<比較例2>ポリエステル(II)100
質量部をメチルエチルケトン100質量部、酢酸エチル
100質量部からなる混合溶剤に溶解させることによ
り、ヒートシールラッカー組成物(IV)を得た。さら
に、ヒートシールラッカー組成物(IV)を用い、実施
例1と同様な方法で複合体(IV)を得た。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正内容】
【0096】<実施例3>ポリエステル(II)100
質量部をメチルエチルケトン100質量部に溶解させ、
そこへ、平均粒径1.0μm、比表面積130m2/g
であるシリカゲル粒子3質量部を加え、ボールミル中で
混合分散化し、その後、酢酸エチル100質量部で希釈
することによりヒートシールラッカー組成物(V)を得
た。さらに、ヒートシールラッカー組成物(V)を用
い、実施例1と同様な方法で複合体(V)を得た。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正内容】
【0097】<実施例4>ポリエステル(II)100
質量部をメチルエチルケトン100質量部に溶解させ、
そこへ、平均粒径2.5μm、比表面積110m2/g
であるシリカゲル粒子3質量部を加え、ボールミル中で
混合分散化し、その後、酢酸エチル100質量部で希釈
することによりヒートシールラッカー組成物(VI)
得た。さらに、ヒートシールラッカー組成物(VI)
用い、実施例1と同様な方法で複合体(VI)を得た。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正内容】
【0098】<実施例5>ポリエステル(II)100
質量部をメチルエチルケトン100質量部に溶解させ、
そこへ、平均粒径3.0μm、比表面積110m2/g
であるシリカゲル粒子3質量部を加え、ボールミル中で
混合分散化し、その後、酢酸エチル100質量部で希釈
することによりヒートシールラッカー組成物(VII)
を得た。さらに、ヒートシールラッカー組成物(VI
I)を用い、実施例1と同様な方法で複合体(VII)
を得た。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正内容】
【0099】<実施例6>ポリエステル(II)100
質量部をメチルエチルケトン100質量部に溶解させ、
そこへ、平均粒径4.5μm、比表面積95m2/gで
あるシリカゲル粒子3質量部を加え、ボールミル中で混
合分散化し、その後、酢酸エチル100質量部で希釈す
ることによりヒートシールラッカー組成物(VIII)
を得た。さらに、ヒートシールラッカー組成物(VII
I)を用い、実施例1と同様な方法で複合体(VII
I)を得た。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正内容】
【0100】<実施例7>ポリエステル(II)100
質量部をメチルエチルケトン100質量部に溶解させ、
そこへ、平均粒径7.0μm、比表面積330m2/g
であるシリカゲル粒子3質量部を加え、ボールミル中で
混合分散化し、その後、酢酸エチル100質量部で希釈
することによりヒートシールラッカー組成物(IX)
得た。さらに、ヒートシールラッカー組成物(IX)
用い、実施例1と同様な方法で複合体(IX)を得た。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正内容】
【0101】<実施例8>ポリエステル(II)100
質量部をメチルエチルケトン100質量部に溶解させ、
そこへ、平均粒径12.0μm、比表面積225m2
gであるシリカゲル粒子3質量部を加え、ボールミル中
で混合分散化し、その後、酢酸エチル100質量部で希
釈することによりヒートシールラッカー組成物(X)
得た。さらに、ヒートシールラッカー組成物(X)を用
い、実施例1と同様な方法で複合体(X)を得た。前記
ポリエステル(I)〜(II)の組成および特性を表1
に示す。また、前記ヒートシールラッカー組成物(I)
〜(X)の配合を表2〜3に示す。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正内容】
【0102】
【表1】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正内容】
【0103】
【表2】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正内容】
【0104】
【表3】
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正内容】
【0108】<性能評価>前記複合体(I)〜(X)
用いて、前記複合体の生分解性ヒートシール材としての
性能である、ヒートシール強度、耐ブロッキング性、さ
らに、透明性、生分解性を下記の試験方法に基づいて評
価した。評価結果を表4〜5に示す。また、前記ヒート
シールラッカー組成物(I)〜(X)を用いて、アンチ
ブロッキング剤の分散性を下記の試験方法に基づいて評
価した。評価結果を表2〜3に示す。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0112
【補正方法】変更
【補正内容】
【0112】
【表4】
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0113
【補正方法】変更
【補正内容】
【0113】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 貴志 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 堀田 泰業 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 賀来 俊行 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 奥山 和紀 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 (72)発明者 鈴木 明 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 Fターム(参考) 4J038 DD011 GA03 HA446 KA06 KA07 KA20 MA07 MA09 MA14 MA15 NA01 NA10 NA11 NA27 PB03 PC06 PC08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A成分として乳酸残基を80〜100質
    量%含有し、乳酸残基のうちL−乳酸残基とD−乳酸残
    基のモル比(L/D)が1〜19であり、還元粘度(η
    SP/C)が0.4〜1.5dl/gである生分解性ポリエ
    ステルと、B成分としてアンチブロッキング剤と、C成
    分として溶剤とを含有し、A成分100質量部に対して
    B成分の配合量は0.1〜30質量部の範囲であること
    を特徴とする生分解性ヒートシールラッカー組成物。
  2. 【請求項2】 生分解性ポリエステルの水酸基濃度が1
    00〜500eq/106gの範囲にあることを特徴と
    する請求項1に記載の生分解性ヒートシールラッカー組
    成物。
  3. 【請求項3】 アンチブロッキング剤が無機系粒子であ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生
    分解性ヒートシールラッカー組成物。
  4. 【請求項4】 アンチブロッキング剤がシリカゲル粒子
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の生分解性ヒートシールラッカー組成物。
  5. 【請求項5】 アンチブロッキング剤の平均粒径が1.
    0〜12.0μmの範囲にあることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の生分解性ヒートシールラッカ
    ー組成物。
  6. 【請求項6】 アンチブロッキング剤の比表面積が50
    〜700m2/gの範囲にあることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載の生分解性ヒートシールラッカ
    ー組成物。
  7. 【請求項7】 生分解性基材と、その上面に塗布される
    請求項1〜6のいずれかに記載の生分解性ヒートシール
    ラッカー組成物を用いた生分解性塗膜とを構成要素とし
    て含む生分解性複合体。
  8. 【請求項8】 生分解性基材として、生分解性フィル
    ム、生分解性プラスチック、紙、生分解性繊維布、生分
    解性不織布、木材、からなる群のうちの一種または二種
    以上を構成要素として含むことを特徴とする請求項7に
    記載の生分解性複合体。
  9. 【請求項9】 生分解性基材として、ポリ乳酸系フィル
    ムを構成要素として含むことを特徴とする請求項7に記
    載の生分解性複合体。
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