JP2004204038A - 生分解性水分散体 - Google Patents

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Abstract

【課題】生分解性を維持しながら、耐水性、被膜破断強度、被膜伸びの向上した生分解性ポリエステル樹脂水分散体、並びに該水分散体を乾燥することによりそれらの微粒子及びその被膜を提供すること。
【解決手段】生分解性ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して生分解性を有する乳化剤(B)1〜25重量部及び架橋剤(C)0.1〜10重量部からなる水分散体とする。生分解性ポリエステル樹脂(A)としては、ポリ乳酸、テレフタル酸、アジピン酸およびブタンジオールからなるポリエステル、ポリブチレンサクシネートならびにポリカプロラクトン、生分解性を有する乳化剤(B)としては、ポリビニルアルコール、架橋剤(C)としては、ジルコニウム化合物、チタン化合物、ホウ素化合物が好ましい。
【選択図】なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、容易にコンポスト中で生分解し、土壌、河川、海洋中で水と二酸化炭素に分解することで廃棄が容易であり、耐水性、耐薬品性、耐油性、防湿性に優れ、樹脂、金属、紙、繊維、木材等の材料との密着性などにも優れた生分解性樹脂水分散体、その微粒子及びその被膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から塗料、インキ、コーティング剤、接着剤、プライマー及び繊維製品や紙等の各種処理剤の分野で、水系化、粉体化、ハイソリッド化等種々の方法が提案され実施されている。その中でも、特に水分散体はその取り扱い易さから最も汎用性があり、有望視されている。しかし、上述した用途における合成樹脂の水分散体は一般的に生分解性に乏しく、ゴミ処理等の観点からも廃棄後の土壌、水質、大気の汚染等の問題を抱えており、加水分解、光分解あるいは生分解作用により容易に分解される水分散体が望まれている。
【0003】
生分解性ポリエステル樹脂は土壌や海洋中で数年内に水と二酸化炭素に分解される性質を持ち、安全性が高く人体に無害である。さらにその水分散体は、優れた塗膜加工性、各種基材への密着性を利用して、塗料、防錆塗料、インキ、コーティング剤、接着剤、プライマー、ヒートシール剤、農薬乳剤等の工業製品及び優れた洗浄性、保水性、抗菌性、人体への低毒性などを利用して工業用、衣料用、食器用、室内外用石鹸や洗剤、歯磨、シャンプー、リンス、化粧品、乳液、整髪料、メイク落し、香水、ローション、軟膏、抗菌塗料などトイレタリー製品の利用分野で幅広く用いられる可能性がある。
【0004】
生分解性ポリエステル樹脂水分散体として、例えばポリ乳酸エマルション(特開平10―101911)が提案されている。しかし、これらの方法では低分子量の界面活性剤及びポリビニルアルコールを使用するため、エマルションから得られる被膜を水に含浸すると、溶出又は著しく膨潤するなどの問題があり、防湿性などに優れていない。また、得られる被膜は強度が弱く、耐衝撃性に優れていない。
【0005】
【特許文献1】
特開平10―101911号公報 特許請求の範囲
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決するために、生分解性を維持しながら、耐水性、被膜破断強度、被膜伸びを向上することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究の結果、生分解性ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して生分解性を有する乳化剤(B)1〜25重量部及び架橋剤(C)0.1〜10重量部からなる生分解性水分散体が、生分解性、耐水性が良好であることを見出し本発明を完成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される生分解性ポリエステル樹脂とは、主にポリオキシアルカン酸単量体重縮合体であり、3−ヒドロオキシプロピオン酸、乳酸、3−ヒドロオキシ吉草酸、3−ヒドロオキシヘキサン酸、3−ヒドロオキシオクタン酸、3−ヒドロオキシドデカン酸、4−ヒドロオキシ酪酸、4−ヒドロオキシ吉草酸などを単独あるいは複数の組み合わせで用いることができる。
【0009】
さらに、本発明に使用される生分解性ポリエステル樹脂は、主に酸成分単量体とアルコール成分単量体の重縮合体も含まれる。
【0010】
酸成分として、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、安息香酸、p−オキシ安息香酸、 p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グルタル酸、スベリン酸、ブラシリック酸、ドデカンジカルボン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、トリシクロデカンジカルボン酸、テトラヒドロテレフタル酸、及びテトラヒドロオルソフタル酸等のジカルボン酸、あるいはこれらの酸のメチルエステル、または無水物等も用いることができる。これらの中でも、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、無水トリメリット酸が好適に使用され、これらの酸成分は単独で、あるいは複数の組み合わせで用いることができる。
【0011】
また、アルコール成分として、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノール系−エチレンオキサイド付加物、ビスフェノール系プロピレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジオール、スピログリコール、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール、レゾルシノール、マンニトール、エリトリトール、ペンタエリトリトール及びそのエチレングリコールエーテル等が用いられ、中でもエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールが好適に使用され、これらのアルコール成分は単独で、あるいは複数の組み合わせで用いることができ、生分解性の性質を持つことが好適である。
【0012】
ヒドロキシアルカン酸としては、3―ヒドロオキシプロピオン酸、3−ヒドロオキシ酸酪酸、3−ヒドロオキシ吉草酸、3−ヒドロオキシヘキサン酸、3−ヒドロオキシオクタン酸、3−ヒドロオキシドデカン酸、4−ヒドロオキシ酪酸、4−ヒドロオキシ吉草酸等が挙げられるがこれらは、単独で又は二種以上の組合せて使用することができる。
【0013】
本発明において生分解性を有する乳化剤とは、上述したポリ乳酸及び他の生分解性樹脂を水中で安定させる物質であるが、ここではポリビニルアルコールが好ましい。また、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのアニオン又はノニオン系界面活性剤を組合せて使用することもできる。
【0014】
本発明において架橋剤とは、生分解性を有する乳化剤及び生分解性ポリエステル樹脂を架橋する分子のことを指すが、具体的にはジルコニム化合物として炭酸ジルコニウムアンモニウム、ジルコニウムフッ化水素酸、ジルコニウムフッ化アンモニウム、ジルコニウムフッ化カリウム、ジルコニウムフッ化ナトリウム、ジルコニウムアセチルアセテート、ジルコニウムブトキシド1−ブタノール溶液等が上げられる。チタニウム化合物としては、チタン酸イソプロピル、チタン酸テトライソプロピル、チタン酸n−ブチル、チタンフッ化カリウム、チタンフッ化ナトリウム等が上げられる。また、ホウ素化合物としてホウ酸、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸トリエタノールアミン、ホウ酸トリメチル、ホウ酸リチウム、ホウフッ化水素酸、ホウフッ化カリウム、ホウフッ化アンモニウム、ホウタングステン酸などが挙げられる。上記化合物は架橋剤単独又は組み合わせて使用することができる。
【0015】
本発明の乳化方法は、生分解性ポリエステル樹脂と乳化剤の溶融混練中に水を添加することで得る方法、生分解性ポリエステル樹脂の末端にスルホン酸基、リン酸、カルボキシル基、アミノ基などの極性基を導入し、乳化剤存在中の温水と攪拌して得る方法など、有機溶剤を使用しないで乳化する方法が好ましい。
【0016】
架橋剤の添加方法は、生分解性ポリエステル樹脂と生分解性を有する乳化剤とを混合して乳化した後、100℃以下で前記乳化液に架橋剤を添加する方法が好ましい。乳化後に架橋剤を添加した場合、乳化工程で架橋反応が起こる恐れがない。架橋剤の添加量は、耐水効果が十分となり可塑剤と併用した場合には目的の柔軟性を維持しすることが好ましく、高分子成分(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜4重量部が良い。
【0017】
本発明に係る生分解性ポリエステル樹脂は、目的(例えば、引張強度、耐熱性、耐候性等の向上)に応じて各種添加剤(可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、内部離型剤、無機添加剤、帯電防止剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、顔料、滑剤、増粘剤)などを添加することができる。
【0018】
本発明における微粒子とは、直径0.01μm〜100μmの生分解性水分散体を乾燥することで得られる粒子である。
【0019】
本発明における被膜とは、膜厚が0.01〜1μmの薄膜及び1μm〜500μmの厚膜であるが、生分解性水分散体を乾燥すること及び微粒子を熱処理することで得られる。
【0020】
本発明の生分解性水分散体は、優れた生分解性、耐候性、加工性、密着性、洗浄性さらには低温造膜性や低温での熱接着性を利用して、種々の用途に展開することが可能である。例えば工業分野として水分散体として各種プラスチックフィルム、アルミニウム、鉄、銅等の金属、紙、繊維、不織布、木材等の各種基剤のプライマー、接着剤、塗料、コーティング剤、防滑剤、潤滑剤として使用することができる。具体的には、農薬医薬コーティング剤、農業・園芸用肥料コーティング剤、ダンボール防滑剤、金属表面(Al、鋼板等)の防錆塗料バインダー、インクジェットのインクバインダー、インクジェットプリンター用紙及びフィルムの表面コート剤、OHPフィルムの表面コート剤、紙、熱転写インクリボン用バインダー、紙コーティングによる壁紙用バインダー、繊維コーテイング材、ナイロン、ポリエステル繊維収束剤、缶、不織布の目止め及び接着剤、ポリエステルフィルムの接着剤、滅菌紙の熱接着剤、インキ、塗料の耐摩剤及び滑り防止調整剤、自動車用塗料(中塗り、上塗り)の耐チッピング性改良剤、自動車外板の電着塗料、鋼管、道路標識、ガードレール塗装用工業用塗料等、牛乳パック等耐水コーティング剤である。紙パックの防水コーティングなどは、従来のラミネートでは紙の再生過程で分解し難いが、本生分解性水分散体ではアルカリで容易に分解し再生が容易になると考えられる。
【0021】
その他、トイレタリー分野や化粧品分野として、衣料用、食器用、室内外用石鹸や洗剤、歯磨、シャンプー、リンス、化粧品、乳液、整髪料、メイク落し、香水、ローション、軟膏、抗菌塗料等が考えられる。これらは下水を通じて環境中に放出されるが、容易に生分解し、毒性も極めて低く大変有用である。農業、園芸用農薬又は肥料の徐放剤では土壌で分解しながら持続的に効果を発揮し、コーティングした樹脂は土壌で分解するため、環境負荷が少ないなど大変有用である。
【0022】
コーティング方法としては、スプレー、カーテン、フローコーター、ロールコーター、グラビアコーター、刷毛塗り、浸漬等の方法で実施できる。乾燥は自然乾燥でも良いが、例えば100〜120℃で30〜120秒間加熱するのが好ましい。
【0023】
また、乾燥粉体化することにより、電子写真用トナー、トナー用添加材、トナー用表面処理剤、静電塗装用粉体塗料、流動浸漬用粉体塗料、レオロジー制御剤等にも応用することができる。
【0024】
また、被膜及びフィルム化することにより、マスキングフィルム、表面保護フィルム、手袋、絶縁フィルムなどに応用することができる。
【0025】
【実施例】
以下に本発明の好適な実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、これらの実施例はいかなる点においても本発明の範囲を限定するものではない。実施例中に部とあるのは重量部を表わす。
【0026】
各種の特性値の測定方法は以下の方法で行った。
1.生分解性水分散体の分散状態
100メッシュの金網に分散液を通過させることにより調べた。
2.生分解性水分散体の粒径(μm)
マイクロトラックHRA(ハネウエル社製)にて、体積50%平均粒径を測定した。
3.生分解性水分散体のpH
pHメーター(HORIBA製)により測定した。
4.生分解性水分散体被膜の生分解性
100μmのポリ乳酸フィルムに生分解性水分散体を10μmの厚さで塗工し、40℃にて乾燥した。被膜形成したフィルムを28日間、25℃にてコンポスト中に埋設し、生分解性評価を目視にて行った。その結果を○、△、×の3段階で評価した。
5.ポリ乳酸系フィルムの引張破断強度、引張破断伸び率試験
塗工膜が25μmになるようにポリエチレンテレフタレートフィルムに塗工し、120℃で2分間乾燥後、試験片を引張り試験機(AGS−500B,島津製作所製)を用い、フィルム破断強度、破断伸び率を測定した。測定条件としてはチャック間距離20mm、引張り速度50mm/分で行なった。
6.耐水性(面積膨潤倍率)
被膜を3.0×4.0cm四方に切り、25℃で24時間含浸後、その膨潤倍率を測定した。
【0027】
〔製造例:ポリ乳酸〕
L−ラクタイドとD‐ラクタイドを90/10の比率で調製し、L−及びD−ラクタイドに対して触媒としてオクタン酸第一錫0.1%とラウリルアルコールの0.03%を仕込、真空で2時間脱気後、窒素置換して200℃/10mmHgで2時間攪拌しながら脱水縮合反応し、下部取り出し口からポリ乳酸溶融物を抜き出し、空冷し、ペレタイザーでカットした。最終的に得られたポリ乳酸は重量平均分子量170,000であった。
【0028】
〔実施例1〕
L−乳酸/D−乳酸の比率が90/10のポリ乳酸を85部、部分けん化ポリビニルアルコールを15部の混合物を、100部/時間の速度で、同方向回転型二軸押出機(池貝鉄工製、PCM−30、L/D=42)に供給し、設定温度180℃、スクリュー回転数150rpmで溶融混練するとともに、同押出機の中間部に設けた供給口より水を40部/時間の速度で連続的に供給した。押出された樹脂等混合物は、同押出機出口に設置した単軸押出機(池貝鉄工製、ES−4、L/D=15)を通過させることにより90℃まで冷却し、吐出させた。吐出物は白色又は白色透明の固体であり、乾燥前後の重量差から計算される固形分濃度は71重量%であった。この生分解性水分散体を温水中に加えると微細分散し、白色の生分解性水分散体が得られた。その固形分濃度が40〜50重量%となるよう調整し、100メッシュの金網にて濾過したが、未分散物は認められず、分散状態は良好であった。
【0029】
この生分解性水分散体の分散粒子の体積50%平均粒径は1.0μm、pHは3.3であった。この水分散体を、樹脂100部に対してアセチルクエン酸トリブチル20部を徐々に加えて、1時間程度攪拌することで当該生分解性水分散体を得た。さらに、炭酸ジルコニウムアンモニウム(ベイコート20:日本軽金属製)を樹脂100部に対して1部加えた。また、この生分解性水分散体を厚さ125μmのコロナ処理ポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の塗膜の厚さが25μmとなるようにバーコーターを用いて塗布した後、120℃で2分間乾燥した。またこれを25℃で1日間または水に浸漬した後の被膜の膨潤倍率を測定した。得られた被膜は、良好な生分解性を示した。評価結果を表1に示す。
【0030】
〔実施例2〕
ポリ乳酸の代わりにアジピン酸、テレフタル酸及びブタンジオールからなる生分解性ポリエステル樹脂(エコフレックス、BASF社製)を用い、アセチルクエン酸トリブチルを加えなかった以外は実施例1同様に生分解性水分散体を得て、評価した。評価結果を表1に示す。
【0031】
〔実施例3〕
炭酸ジルコニウムナトリウム1部の代わりにホウ酸アンモニウム0.1部を用いた以外は実施例1同様に生分解性水分散体を得て、評価した。評価結果を表1に示す。
【0032】
〔比較例1〕
炭酸ジルコニウムアンモニウムを加えなかったこと以外は実施例1と同様に生分解性水分散体を評価した。評価結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 2004204038
分散状態:○均一に分散している、×攪拌すると分散するが、数日に沈殿が認められる。
生分解性:○良好である、△一部残存物が認められる、×全く分解されていない。
耐水性:○面積膨張倍率10%未満、×面積膨張倍率10%以上または再乳化
【発明の効果】
本発明により、生分解性を維持しながら、耐水性、被膜破断強度、被膜伸びの向上した生分解性ポリエステル樹脂水分散体を提供することができる。更に、該ポリ乳酸系樹脂水分散体を乾燥することによりそれらの微粒子及びその被膜を提供することができる。

Claims (6)

  1. 生分解性ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して生分解性を有する乳化剤(B)1〜25重量部及び架橋剤(C)0.1〜10重量部からなる生分解性水分散体。
  2. 生分解性ポリエステル樹脂(A)が、ポリ乳酸、テレフタル酸、アジピン酸およびブタンジオールからなるポリエステル、ポリブチレンサクシネートならびにポリカプロラクトンからなる群から選択される少なくとも一つの生分解性ポリエステル樹脂である請求項1に記載の生分解性水分散体。
  3. 生分解性を有する乳化剤(B)が、ポリビニルアルコールである請求項1又は2に記載の生分解性水分散体。
  4. 架橋剤(C)が、ジルコニウム化合物、チタン化合物、ホウ素化合物からなる群から選択される少なくとも一つの無機系架橋剤である請求項1〜3の何れかに記載の生分解性水分散体。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の生分解性水分散体を乾燥することにより得られる粒子。
  6. 請求項1〜4の何れかに記載の生分解性水分散体又は請求項5に記載の粒子から形成される被膜。
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