JP2003113161A - フッ素置換イリジウム錯体、その中間体及びその製造方法 - Google Patents
フッ素置換イリジウム錯体、その中間体及びその製造方法Info
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Abstract
たフッ素置換イリジウム錯体、その中間体及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】 次の式(1)で示され、窒素原子から数
えて1,6,7,10又は12位を除く位置に1つだけ
フッ素が置換されたフッ素置換2-フェニルピリジンとイ
リジウムとが錯体を形成したフッ素置換イリジウム錯
体。 【化34】 但し、整数m及びnの関係がm+n=1であって、0≦
m≦1かつ0≦n≦1である。
Description
ミネッセンス(EL;ElectroLuminescence)材料とし
て有効なフッ素置換されたイリジウム錯体、その中間体
及びその製造方法に関する。
による発光を利用した材料(以下、一重項発光材料とい
う。)が用いられており、主に、アルミキノリノールや
ナイルレッド、ペリレン等が用いられている。最近にな
り、トリス(フェニルピリジン)イリジウムが従来の一重
項発光材料をはるかに越える発光効率を示すことが判明
した(T.TSUTSUI et al.; Jpn. J. Appl. Phys. Vol.38
(1999) L1502-L1504, Part2, No.12B, 15 December 199
9, Express Letter)。このトリス(フェニルピリジン)
イリジウムは、励起三重項状態から基底状態への遷移に
よる発光を利用した材料(以下、三重項発光材料とい
う。)であり、今後この材料を契機に一重項発光材料か
ら三重項発光材料の開発にシフトしていくものと考えら
れる。
て上記トリス(フェニルピリジン)イリジウムを考えた場
合、その耐久性、特に耐熱性及び耐酸化性が不十分であ
ることが課題として挙げられる。上記課題を解決する手
段としてはイリジウム原子に配位しているフェニルピリ
ジン中の水素原子をフッ素原子で置換することが考えら
れる。フッ素原子は炭素原子との結合エネルギーが高い
ため、水素原子をフッ素原子で置換すると耐熱性及び耐
酸化性等の向上が期待される。
告例は、幾つかあるものの、このフッ素置換フェニルピ
リジンを配位子としたイリジウム錯体の報告例は、窒素
原子から数えて10位の位置にフッ素置換したイリジウ
ム錯体があるに過ぎない。本発明の目的は、発光効率が
高く、耐久性に優れたフッ素置換イリジウム錯体、その
中間体及びその製造方法を提供することにある。
次の式(1)で示され、窒素原子から数えて1,6,
7,10又は12位を除く位置に1つだけフッ素が置換
されたフッ素置換2-フェニルピリジンとイリジウムとが
錯体を形成したフッ素置換イリジウム錯体である。
m≦1かつ0≦n≦1である。
るイリジウム錯体はフッ素が配位子である2-フェニルピ
リジン内に置換されているため、炭素原子との結合エネ
ルギーが高まり、耐熱性及び耐酸化性等が向上する。
され、窒素原子から数えて3,4,5又は11位の位置
に1つだけフッ素が置換された錯体形成用第1中間体で
ある。
m≦1かつ0≦n≦1である。
され、置換基ZnClのオルト位にフッ素が置換された
錯体形成用第2中間体である。
される錯体形成用第3中間体である。
アセチルアセトネートと窒素原子から数えて1,6,7
又は12位を除く位置に1つだけフッ素が置換されたフ
ッ素置換2-フェニルピリジンとを反応させ、前記フッ素
置換2-フェニルピリジンとイリジウムとからなる錯体を
形成させることを特徴とするフッ素置換イリジウム錯体
の製造方法である。請求項6に係る発明は、請求項5に
係る発明であって、フッ素置換2-フェニルピリジンが次
の式(5)で示されるフッ素置換ハロゲン化ベンゼンを
有機リチウム化合物と反応させた後、塩化亜鉛(II)と反
応させることにより得られる次の式(6)で示されるフ
ッ素置換塩化亜鉛ベンゼンと次の式(7)で示される2-
ハロゲン化ピリジンとを反応させることにより得られる
フッ素置換イリジウム錯体の製造方法である。
明であって、フッ素置換2-フェニルピリジンが請求項6
記載の式(5)で示されるフッ素置換ハロゲン化ベンゼ
ンを金属マグネシウムと反応させることにより得られる
有機金属化合物と請求項6記載の式(7)で示される2-
ハロゲン化ピリジンとを反応させることにより得られる
フッ素置換イリジウム錯体の製造方法である。請求項8
に係る発明は、請求項5に係る発明であって、フッ素置
換2-フェニルピリジンが請求項6記載の式(7)で示さ
れる2-ハロゲン化ピリジンを金属マグネシウムと反応さ
せることにより得られる有機金属化合物と請求項6記載
の式(5)で示されるフッ素置換ハロゲン化ベンゼンと
を反応させることにより得られるフッ素置換イリジウム
錯体の製造方法である。
明であって、フッ素置換2-フェニルピリジンが次の式
(8)で示されるハロゲン化ベンゼンを有機リチウム化
合物と反応させた後、塩化亜鉛(II)と反応させることに
より得られる塩化亜鉛ベンゼンを次の式(9)で示され
るフッ素置換2-ハロゲン化ピリジンとを反応させること
により得られるフッ素置換イリジウム錯体の製造方法で
ある。
発明であって、フッ素置換2-フェニルピリジンが請求項
9記載の式(8)で示されるハロゲン化ベンゼンを金属
マグネシウムと反応させることにより得られる有機金属
化合物と請求項9記載の式(9)で示されるフッ素置換
2-ハロゲン化ピリジンとを反応させることにより得られ
るフッ素置換イリジウム錯体の製造方法である。
発明であって、フッ素置換2-フェニルピリジンが請求項
9記載の式(9)で示されるフッ素置換2-ハロゲン化ピ
リジンを金属マグネシウムと反応させることにより得ら
れる請求項4記載の式(4)で示される錯体形成用第3
中間体と請求項9記載の式(8)で示されるハロゲン化
ベンゼンとを反応させることにより得られるフッ素置換
イリジウム錯体の製造方法である。請求項5ないし11
いずれかに係る発明では、上記方法により、配位子であ
る2-フェニルピリジンの任意の位置にフッ素を導入する
ことができるため、耐久性特に耐熱性、耐酸化性に優れ
たフッ素置換イリジウム錯体を収率よく製造できる。
ウムにおいて、配位子であるフェニルピリジン任意の位
置にフッ素を導入することができれば、上記の耐久性、
耐酸化性等の面で大いに有効である。本発明者らは以上
の問題を鋭意検討した結果、任意の位置にフッ素を導入
したフッ素置換2-フェニルピリジンが得られることを確
認した。
ンゼンを有機リチウム化合物と反応させた後、塩化亜鉛
(II)と反応させることによりフッ素置換塩化亜鉛ベンゼ
ンとし、これと2-ハロゲン化ピリジンとを反応させる
か、若しくはフッ素置換ハロゲン化ベンゼンを金属マグ
ネシウムと反応させることにより有機金属化合物とし、
これと2-ハロゲン化ピリジンとを反応させるか、又は、
2-ハロゲン化ピリジンを金属マグネシウムと反応させる
ことにより有機金属化合物とし、これとフッ素置換ハロ
ゲン化ベンゼンとを反応させることにより、フェニル基
側にフッ素の入った第1中間体を含むフッ素置換2-フェ
ニルピリジンが得られることを確認した。
化合物と反応させた後、塩化亜鉛(II)と反応させること
により塩化亜鉛ベンゼンとし、これとフッ素置換2-ハロ
ゲン化ピリジンとを反応させるか、若しくはハロゲン化
ベンゼンを金属マグネシウムと反応させることにより有
機金属化合物とし、これとフッ素置換2-ハロゲン化ピリ
ジンとを反応させるか、又は、フッ素置換2-ハロゲン化
ピリジンを金属マグネシウムにより第3中間体とし、こ
れとハロゲン化ベンゼンとを反応させることにより、ピ
リジン環側にフッ素の入った第1中間体であるフッ素置
換2-フェニルピリジンが得られることを確認した。
フェニルピリジンとイリジウム(III)アセチルアセトネ
ート([CH3COCH=C(O-)CH3]3Ir)とを反応
させることにより、目的とする(フッ素置換2-フェニル
ピリジン)3Ir錯体が得られることが判明し、本発明に
至った。
る。イリジウム(III)アセチルアセトネートと窒素原子
から数えて1,6,7又は12位を除く位置に1つだけ
フッ素が置換されたフッ素置換2-フェニルピリジンとを
反応させ、錯体を形成することにより本発明のイリジウ
ム錯体が得られる。配位子となるフッ素置換2-フェニル
ピリジンの製造方法は、フッ素を置換させる位置によっ
て、フェニル基側にフッ素を置換させる方法と、ピリジ
ン環側にフッ素を置換させる方法の2通りの方法があ
る。
第1中間体を含むフッ素置換2-フェニルピリジンの製造
方法としては、有機リチウム化合物を用いた方法と、
金属マグネシウムを用いた方法が挙げられる。 有機リチウム化合物を用いた方法 先ず、上記式(5)に示すフッ素置換したハロゲン化ベ
ンゼンを用意する。次いで、下記式(10)に示すよう
に、このフッ素置換ハロゲン化ベンゼンに有機リチウム
化合物(式(10)中ではn-ブチルリチウム)を反応さ
せることにより、リチウム原子がハロゲン化ベンゼン中
のハロゲン原子と置換した有機リチウム化合物が得られ
る。
としては、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、te
rt-ブチルリチウム等が挙げられる。溶媒としては、一
般的にエーテル系溶媒を使用することができる。エーテ
ル系溶媒としては、テトラヒドロフラン(以下、THF
という。)、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。この式
(10)に示す反応では、反応温度が−78〜0℃の範
囲内で反応時間が0.5〜3時間である。反応温度が−
78℃未満では効果的に反応が進行せず、0℃を越える
と副反応が起きてしまうため、有機リチウム化合物の収
率が低下する。好ましい反応温度は−78〜−40℃で
ある。反応時間が0.5時間未満であると、反応が十分
に進行しない。好ましい反応時間は1〜3時間である。
リチウム化合物に塩化亜鉛(II)を反応させて第2中間体
を含むフッ素置換塩化亜鉛ベンゼンに変換する。
を含むフッ素置換塩化亜鉛ベンゼンに変換するのは、後
述する2-ハロゲン化ピリジンとの反応の際に、有機リチ
ウム化合物の求核性を制御するためである。溶媒として
は、一般的にエーテル系溶媒を使用することができる。
エーテル系溶媒としては、THF、1,2-ジメトキシエタ
ン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等が挙
げられる。この反応は0℃〜溶媒の沸点の範囲内で1〜
5時間行うことにより反応が進行する。
素置換塩化亜鉛ベンゼンに2-ハロゲン化ピリジンを反応
させて第1中間体を含むフッ素置換2-フェニルピリジン
を製造する。
ム触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム[Pd(PPh3)4]を溶媒中に存在させることによ
り、フッ素置換塩化亜鉛ベンゼンと2-ハロゲン化ピリジ
ンとの反応が位置選択性よく進行する。溶媒としては、
一般的にエーテル系溶媒を使用することができる。エー
テル系溶媒としては、THF、1,2-ジメトキシエタン、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等が挙げら
れる。この反応では、反応温度は0℃〜溶媒の沸点の範
囲内で反応時間は1〜24時間である。反応温度が0℃
未満では効果的に反応が進行せず、フッ素置換2-フェニ
ルピリジンの収率が低下する。溶媒の沸点以上には温度
が上がらないため、上限値は溶媒の沸点とした。しか
し、沸点近傍の温度で溶媒が激しく還流するような状態
で反応を進行させると、収率が低下するため、溶媒が還
流しない程度が反応条件としては最適である。反応時間
が1時間未満であると、反応が十分に進行しない。好ま
しくは2〜24時間である。このように上記式(10)
〜式(12)に示す反応により、フェニル基側にフッ素
が置換した第1中間体を含むフッ素置換2-フェニルピリ
ジンが得られる。
化ベンゼンに金属マグネシウムを反応させることによ
り、ハロゲン原子とベンゼン環との間にマグネシウムが
挿入された有機金属化合物が得られる。
溶媒中でハロゲン化アルキルとマグネシウムとを作用さ
せることにより得られるグリニャール試薬(Grignard R
eagent)の製造方法と同様の方法である。エーテル系溶
媒としては、THF、1,2-ジメトキシエタン、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。こ
の反応では、反応温度が0℃〜使用溶媒の沸点の範囲内
で反応時間が1〜24時間である。反応温度が0℃未満
では効果的に反応が進行せず、有機金属化合物の収率が
低下する。反応温度の上限値を溶媒の沸点に規定したの
は、その温度以上には上がらないからである。溶媒の沸
点近傍の温度で溶媒が激しく還流するような状態として
反応を進行させると、収率が低下するため、溶媒が緩や
かに還流する程度が反応条件としては最適である。反応
時間が1時間未満であると、反応が十分に進行しない。
好ましい反応時間は2〜24時間である。
属化合物に2-ハロゲン化ピリジンと反応させて第1中間
体を含むフッ素置換2-フェニルピリジンを製造する。
に同一又は異なる元素である。
2)に示す反応と同様に、パラジウム触媒、例えばテト
ラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[Pd(PPh3)
4]を触媒として存在させることにより、2-ハロゲン化
ピリジンとの反応が進行する。溶媒としては、一般的に
エーテル系溶媒を使用することができる。エーテル系溶
媒としては、THF、1,2-ジメトキシエタン、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。こ
の反応では、反応温度が0℃〜使用溶媒の沸点の範囲内
で反応時間が1〜24時間である。反応温度が0℃未満
では効果的に反応が進行せず、フッ素置換2-フェニルピ
リジンの収率が低下する。反応温度の上限値を溶媒の沸
点に規定したのは、その温度以上には上がらないからで
ある。溶媒の沸点近傍の温度で溶媒が激しく還流するよ
うな状態として反応を進行させると、収率が低下するた
め、溶媒が還流しない程度が反応条件としては最適であ
る。反応時間が1時間未満であると、反応が十分に進行
しない。好ましい反応時間は2〜24時間である。この
ように上記式(13)及び式(14)に示す反応によ
り、前述した式(10)〜式(12)に示す反応と同様
に、フェニル基側にフッ素が置換した第1中間体を含む
フッ素置換2-フェニルピリジンが得られる。
ン化ピリジンに金属マグネシウムを反応させることによ
り、ハロゲン原子とピリジン環との間にマグネシウムが
挿入された有機金属化合物が得られる。
3)に示す反応と同じく、グリニャール試薬の製造方法
と同様の方法である。エーテル系溶媒としては、TH
F、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル等が挙げられる。この反応では、反応
温度が0℃〜使用溶媒の沸点の範囲内で反応時間が1〜
24時間である。反応温度が0℃未満では効果的に反応
が進行せず、有機金属化合物の収率が低下する。反応温
度の上限値を溶媒の沸点に規定したのは、その温度以上
には上がらないからである。溶媒の沸点近傍の温度で溶
媒が激しく還流するような状態として反応を進行させる
と、収率が低下するため、溶媒が緩やかに還流する程度
が反応条件としては最適である。反応時間が1時間未満
であると、反応が十分に進行しない。好ましい反応時間
は2〜24時間である。
属化合物にフッ素置換ハロゲン化ベンゼンと反応させて
フッ素がフェニル基側に置換された第1中間体を含むフ
ッ素置換2-フェニルピリジンを製造する。
に同一又は異なる元素である。
ム触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム[Pd(PPh3)4]を触媒として存在させることに
より、フッ素置換ハロゲン化ベンゼンとの反応が位置選
択性よく進行する。溶媒としては、一般的にエーテル系
溶媒を使用することができる。エーテル系溶媒として
は、THF、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。この反応
では、反応温度が0℃〜使用溶媒の沸点の範囲内で反応
時間が1〜24時間である。反応温度が0℃未満では効
果的に反応が進行せず、フッ素置換2-フェニルピリジン
の収率が低下する。反応温度の上限値を溶媒の沸点に規
定したのは、その温度以上には上がらないからである。
溶媒の沸点近傍の温度で溶媒が激しく還流するような状
態として反応を進行させると、収率が低下するため、溶
媒が還流しない程度が反応条件としては最適である。反
応時間が1時間未満であると、反応が十分に進行しな
い。好ましい反応時間は2〜24時間である。このよう
に上記式(15)及び式(16)に示す反応により、前
述した式(10)〜式(12)及び式(13)、式(1
4)にそれぞれ示す反応と同様に、フェニル基側にフッ
素が置換した第1中間体を含むフッ素置換2-フェニルピ
リジンが得られる。
第1中間体であるフッ素置換2-フェニルピリジンの製造
方法を説明する。ピリジン環側にフッ素を置換した第1
中間体であるフッ素置換2-フェニルピリジンの製造方法
としては、前述したフェニル基側にフッ素を置換したフ
ッ素置換2-フェニルピリジンの製造方法と同様、有機
リチウム化合物を用いた方法と、金属マグネシウムを
用いた方法により製造される。
示すように、このハロゲン化ベンゼンに有機リチウム化
合物(式(17)中ではn-ブチルリチウム)を反応させ
ることにより、リチウム原子がハロゲン化ベンゼン中の
ハロゲン原子と置換した有機リチウム化合物が得られ
る。
としては、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、te
rt-ブチルリチウム等が挙げられる。溶媒としては、一
般的にエーテル系溶媒を使用することができる。エーテ
ル系溶媒としては、THF、1,2-ジメトキシエタン、ジ
エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等が挙げられ
る。この式(17)に示す反応では、反応温度が−78
〜0℃の範囲内で反応時間が0.5〜3時間である。反
応温度が−78℃未満では効果的に反応が進行せず、0
℃を越えると副反応が起きてしまうため、有機リチウム
化合物の収率が低下する。好ましい反応温度は−78〜
−40℃である。反応時間が0.5時間未満であると、
反応が十分に進行しない。好ましい反応時間は1〜3時
間である。
リチウム化合物に塩化亜鉛(II)を反応させて塩化亜鉛ベ
ンゼンに変換する。
ンゼンに変換するのは、後述するフッ素置換2-ハロゲン
化ピリジンとの反応の際に、有機リチウム化合物の求核
性を制御するためである。溶媒としては、一般的にエー
テル系溶媒を使用することができる。エーテル系溶媒と
しては、THF、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエー
テル、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。この反
応は0℃〜溶媒の沸点の範囲内で1〜5時間行うことに
より反応が進行する。
亜鉛ベンゼンにフッ素置換2-ハロゲン化ピリジンを添加
して、第1中間体であるフッ素置換2-フェニルピリジン
を製造する。
触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラ
ジウム[Pd(PPh3)4]を溶媒中に存在させることによ
り、塩化亜鉛ベンゼンとフッ素置換2-ハロゲン化ピリジ
ンとの反応が位置選択性よく進行する。ここで使用され
るフッ素置換2-ハロゲン化ピリジンの製造方法として
は、アミノ基を有した2-ハロゲン化ピリジンのジアゾフ
ッ素化が適当である。溶媒としては、一般的にエーテル
系溶媒を使用することができる。エーテル系溶媒として
は、THF、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。この反応
では、反応温度は0℃〜溶媒の沸点の範囲内で反応時間
は1〜24時間である。反応温度が0℃未満では効果的
に反応が進行せず、第1中間体であるフッ素置換2-フェ
ニルピリジンの収率が低下する。溶媒の沸点以上には温
度が上がらないため、上限値は溶媒の沸点とした。しか
し、沸点近傍の温度で溶媒が激しく還流するような状態
で反応を進行させると、収率が低下するため、溶媒が還
流しない程度が反応条件としては最適である。反応時間
が1時間未満であると、反応が十分に進行しない。好ま
しくは2〜4時間である。
属マグネシウムを反応させることにより、ハロゲン原子
とベンゼン環との間にマグネシウムが挿入された有機金
属化合物が得られる。
溶媒中でハロゲン化アルキルとマグネシウムとを作用さ
せることにより得られるグリニャール試薬(Grignard R
eagent)の製造方法と同様の方法である。エーテル系溶
媒としては、THF、1,2-ジメトキシエタン、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。こ
の反応では、反応温度が0℃〜溶媒の沸点の範囲内で反
応時間が1〜48時間である。反応温度が0℃未満では
効果的に反応が進行せず、有機金属化合物の収率が低下
する。反応温度の上限値を溶媒の沸点に規定したのは、
その温度以上には上がらないからである。溶媒の沸点近
傍の温度で溶媒が激しく還流するような状態として反応
を進行させると、収率が低下するため、溶媒が緩やかに
還流するぐらいが反応条件としては最適である。反応時
間が1時間未満であると、反応が十分に進行しない。好
ましい反応時間は2〜48時間である。
属化合物にフッ素置換2-ハロゲン化ピリジンと反応させ
て第1中間体であるフッ素置換2-フェニルピリジンを製
造する。
に同一又は異なる元素である。
9)に示す反応と同様に、パラジウム触媒、例えばテト
ラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[Pd(PPh3)
4]を触媒として存在させることにより、フッ素置換2-
ハロゲン化ピリジンとの反応が位置選択性よく進行す
る。ここで使用されるフッ素置換2-ハロゲン化ピリジン
の製造方法としては、アミノ基を有した2-ハロゲン化ピ
リジンのジアゾフッ素化が適当である。溶媒としては、
一般的にエーテル系溶媒を使用することができる。エー
テル系溶媒としては、THF、1,2-ジメトキシエタン、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等が挙げら
れる。この反応では、反応温度が0℃〜溶媒の沸点の範
囲内で反応時間が1〜24時間である。反応温度が0℃
未満では効果的に反応が進行せず、第1中間体であるフ
ッ素置換2-フェニルピリジンの収率が低下する。反応温
度の上限値を溶媒の沸点に規定したのは、その温度以上
には上がらないからである。溶媒の沸点近傍の温度で溶
媒が激しく還流するような状態として反応を進行させる
と、収率が低下するため、溶媒が還流しない程度が反応
条件としては最適である。反応時間が1時間未満である
と、反応が十分に進行しない。好ましい反応時間は2〜
24時間である。
素置換2-ハロゲン化ピリジンに金属マグネシウムを反応
させることによりハロゲン原子とピリジン環との間にマ
グネシウムが挿入された第3中間体が得られる。ここで
使用されるフッ素置換2-ハロゲン化ピリジンの製造方法
としては、アミノ基を有した2-ハロゲン化ピリジンのジ
アゾフッ素化が適当である。
媒中でハロゲン化アルキルとマグネシウムとを作用させ
ることにより得られるグリニャール試薬の製造方法と同
様の方法である。エーテル系溶媒としては、THF、1,
2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル等が挙げられる。この反応では反応温度が0
℃〜反応溶媒の沸点の範囲内で反応時間が1〜48時間
である。反応温度が0℃未満では効果的に反応が進行せ
ず、第3中間体の収率が低下する。反応温度の上限値を
溶媒の沸点に規定したのは、その温度以上には上がらな
いからである。溶媒の沸点近傍の温度で溶媒が激しく還
流するような状態として反応を進行させると、収率が低
下するため、溶媒が緩やかに還流する程度が反応条件と
しては最適である。反応時間が1時間未満であると、反
応が十分に進行しない。好ましい反応時間は2〜48時
間である。
間体にハロゲン化ベンゼンを反応させて第1中間体であ
るフッ素置換2-フェニルピリジンを製造する。
に同一又は異なる元素である。
ム触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム[Pd(PPh3)4]を触媒として存在させることに
より、ハロゲン化ベンゼンとの反応が位置選択性よく進
行する。溶媒としては、一般的にエーテル系溶媒を使用
することができる。エーテル系溶媒としては、THF、
1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル等が挙げられる。この反応では、反応温度
が0℃〜溶媒の沸点の範囲内で反応時間が1〜24時間
である。反応温度が0℃未満では効果的に反応が進行せ
ず、第1中間体であるフッ素置換2-フェニルピリジンの
収率が低下する。反応温度の上限値を溶媒の沸点に規定
したのは、その温度以上には上がらないからである。溶
媒の沸点近傍の温度で溶媒が激しく還流するような状態
として反応を進行させると、収率が低下するため、溶媒
が還流しない程度が反応条件としては最適である。反応
時間が1時間未満であると、反応が十分に進行しない。
好ましい反応時間は2〜24時間である。
ジウム(III)アセチルアセトネートと上述した方法によ
り得られたフッ素置換2-フェニルピリジンとを反応さ
せ、錯体を形成することにより本発明のイリジウム錯体
が製造される。
m≦1かつ0≦n≦1である。
ム錯体化においては、溶媒としては、グリセロールを使
用することができる。この反応は、一般的に溶媒が還流
する温度で行われ、反応圧力0.266〜101.08
kPa、反応温度が130〜280℃の範囲内で反応時
間が1〜12時間である。反応温度が130℃未満では
効果的に反応が進行せず、イリジウム錯体の収率が低下
する。反応温度の上限値を280℃に規定したのは、使
用するグリセロールが290℃で分解してしまうからで
ある。反応時間が1時間未満であると、反応が十分に進
行しない。好ましい反応時間は8〜12時間である。
ウム錯体を質量分析、元素分析、IR、NMR等にて測
定したところ、それぞれ目的とする化合物が生成してい
ることが確認された。
に溶媒の1,2-ジメトキシエタンを30ml添加し、−3
0℃に保持した。ここに13mlのn-ブチルリチウムの
ヘキサン溶液を漏斗にてゆっくり滴下し、2時間撹拌し
て有機リチウム化合物を形成した。次いで、この有機リ
チウム化合物を室温に戻し、塩化亜鉛(II)のTHF溶液
を添加し、20℃で約2時間撹拌して塩化亜鉛ベンゼン
に変換した。別のフラスコには2-ブロモピリジン3.2
g、パラジウム触媒1.2gと1,2-ジメトキシエタン7
0mlを入れておき、前記塩化亜鉛ベンゼンを滴下して
30℃で5時間撹拌することにより2-(3-フルオロフェ
ニル)ピリジンを得た。次に、2-(3-フルオロフェニル)
ピリジン0.54gにイリジウムアセチルアセトネート
0.5g、グリセリン50mlを加え、2.66kP
a、190℃の条件下で10時間撹拌加熱をした。これ
に塩酸とジクロロメタンを添加し、有機層を濃縮して(2
-(3-フルオロフェニル)ピリジン)3Irを得た。
ベンゼン3gに溶媒のジエチルエーテルを30ml添加
し、−78℃に保持した。ここに13mlのn-ブチルリ
チウムのヘキサン溶液を漏斗にてゆっくり滴下し、3時
間撹拌して有機リチウム化合物を形成した。次いで、こ
の有機リチウム化合物を室温に戻し、塩化亜鉛(II)のT
HF溶液を添加し、30℃で約2時間撹拌して塩化亜鉛
ベンゼンに変換した。別のフラスコには2-ブロモピリジ
ン3.2g、パラジウム触媒1.2gと1,2-ジメトキシ
エタン70mlを入れておき、前記塩化亜鉛ベンゼンを
滴下して25℃で5時間撹拌することにより2-(2-フル
オロフェニル)ピリジンを得た。次に、2-(2-フルオロフ
ェニル)ピリジン0.54gにイリジウムアセチルアセ
トネート0.5g、グリセリン50mlを加え、2.6
6kPa、190℃の条件下で10時間撹拌加熱をし
た。これに塩酸とジクロロメタンを添加し、有機層を濃
縮して(2-(2-フルオロフェニル)ピリジン)3Irを得
た。
ム0.6gとTHF30mlにTHF50mlで希釈し
たブロモベンゼン3.5gを添加し、50℃で3時間撹
拌することによりグリニヤール試薬を調製した。次い
で、5-アミノ-2-クロロピリジンのジアゾフッ素化によ
り得られた5-フルオロ-2-クロロピリジン3g、パラジ
ウム触媒1.2gとTHF70mlをフラスコに入れて
おき、調製したグリニヤール試薬を滴下して40℃で2
時間反応させることにより、5-フルオロ-2-(フェニル)
ピリジンを得た。次に、5-フルオロ-2-(フェニル)ピリ
ジン0.54gにイリジウムアセチルアセトネート0.
5g、グリセリン50mlを加え、2.66kPa、1
90℃の条件下で10時間撹拌加熱をした。これに塩酸
とジクロロメタンを添加し、有機層を濃縮して(5-フル
オロ-2-(フェニル)ピリジン)3Irを得た。
ム0.6gとジイソプロピルエーテル30mlにジイソ
プロピルエーテル50mlで希釈したイオドベンゼン
4.5gを添加し、60℃で8時間撹拌することにより
グリニヤール試薬を調製した。次いで、3-アミノ-2-ク
ロロピリジンのジアゾフッ素化により得られた3-フルオ
ロ-2-クロロピリジン3g、パラジウム触媒1.2gと
ジイソプロピルエーテル70mlをフラスコに入れてお
き、調製したグリニヤール試薬を滴下して30℃で2時
間反応させることにより、3-フルオロ-2-(フェニル)ピ
リジンを得た。次に、3-フルオロ-2-(フェニル)ピリジ
ン0.54gにイリジウムアセチルアセトネート0.5
g、グリセリン50mlを加え、2.66kPa、19
0℃の条件下で10時間撹拌加熱をした。これに塩酸と
ジクロロメタンを添加し、有機層を濃縮して(3-フルオ
ロ-2-(フェニル)ピリジン)3Irを得た。
ム0.6gとジエチルエーテル30mlにジエチルエー
テル50mlで希釈したクロロベンゼン2.5gを添加
し、25℃で12時間撹拌することによりグリニヤール
試薬を調製した。次いで、2-アミノ-6-ブロモピリジン
のジアゾフッ素化により得られた2-フルオロ-6-ブロモ
ピリジン4g、パラジウム触媒1.2gとジエチルエー
テル70mlをフラスコに入れておき、調製したグリニ
ヤール試薬を滴下して25℃で4時間反応させることに
より、2-フルオロ-6-(フェニル)ピリジンを得た。次
に、2-フルオロ-6-(フェニル)ピリジン0.54gにイ
リジウムアセチルアセトネート0.5g、グリセリン5
0mlを加え、2.66kPa、190℃の条件下で1
0時間撹拌加熱をした。これに塩酸とジクロロメタンを
添加し、有機層を濃縮して(2-フルオロ-6-(フェニル)ピ
リジン)3Irを得た。
シウム1.0gに溶媒のTHFを30ml添加し、攪拌
しておく。2-ブロモピリジン6.5gをTHF10ml
にて希釈したものを滴下し、50℃で2時間攪拌するこ
とによりグリニャール試薬を調製した。次いで、1-ブロ
モ-4-フルオロベンゼン7.2g、パラジウム触媒0.
8gとTHF30mlをフラスコに入れておき、先に調
製したグリニャール試薬を滴下して45℃で3時間反応
させることにより、2-(4-フルオロフェニル)ピリジンを
得た。次に、2-(4-フルオロフェニル)ピリジン0.54
gにイリジウムアセチルアセトネート0.5g、グリセ
リン50mlを加え、2.66kPa、190℃の条件
下で10時間加熱攪拌した。これに塩酸とジクロロメタ
ンを添加し、有機層を濃縮して(2-(4-フルオロフェニ
ル)ピリジン)3Irを得た。
シウム1.0gに溶媒のジエチルエーテルを30ml添
加し、攪拌しておく。2-ブロモピリジン6.5gをジエ
チルエーテル10mlにて希釈したものを滴下し、25
℃で36時間攪拌することによりグリニャール試薬を調
製した。次いで、1-ブロモ-3-フルオロベンゼン7.2
g、パラジウム触媒0.8gとジエチルエーテル30m
lをフラスコに入れておき、先に調製したグリニャール
試薬を滴下して20℃で20時間反応させることによ
り、2-(3-フルオロフェニル)ピリジンを得た。次に、2-
(3-フルオロフェニル)ピリジン0.54gにイリジウム
アセチルアセトネート0.5g、グリセリン50mlを
加え、2.66kPa、190℃の条件下で10時間加
熱攪拌した。これに塩酸とジクロロメタンを添加し、有
機層を濃縮して(2-(3-フルオロフェニル)ピリジン)3I
rを得た。
シウム1.0gに溶媒の1,2-ジメトキシエタンを30m
l添加し、攪拌しておく。2-ブロモピリジン6.5gを
1,2-ジメトキシエタン10mlにて希釈したものを滴下
し、40℃で20時間攪拌することによりグリニャール
試薬を調製した。次いで、1-ブロモ-2-フルオロベンゼ
ン7.2g、パラジウム触媒0.8gと1,2-ジメトキシ
エタン30mlをフラスコに入れておき、先に調製した
グリニャール試薬を滴下して20℃で18時間反応させ
ることにより、2-(2-フルオロフェニル)ピリジンを得
た。次に、2-(2-フルオロフェニル)ピリジン0.54g
にイリジウムアセチルアセトネート0.5g、グリセリ
ン50mlを加え、2.66kPa、190℃の条件下
で10時間加熱攪拌した。これに塩酸とジクロロメタン
を添加し、有機層を濃縮して(2-(2-フルオロフェニル)
ピリジン)3Irを得た。
シウム1.0gに溶媒のジイソプロピルエーテルを30
ml添加し、攪拌しておく。5-アミノ-2-クロロピリジ
ンのジアゾフッ素化により得られた5-フルオロ-2-クロ
ロピリジン5gをジイソプロピルエーテル10mlにて
希釈したものを滴下し、60℃で5時間攪拌することに
よりグリニャール試薬を調製した。次いで、ブロモベン
ゼン5.8g、パラジウム触媒0.8gとTHF30m
lをフラスコに入れておき、先に調製したグリニャール
試薬を滴下して50℃で5時間反応させることにより、
5-フルオロ-2-(フェニル)ピリジンを得た。次に、5-フ
ルオロ-2-(フェニル)ピリジン0.54gにイリジウム
アセチルアセトネート0.5g、グリセリン50mlを
加え、2.66kPa、190℃の条件下で10時間加
熱攪拌した。これに塩酸とジクロロメタンを添加し、有
機層を濃縮して(5-フルオロ-2-(フェニル)ピリジン)3I
rを得た。
ネシウム1.0gに溶媒のTHFを30ml添加し、攪
拌しておく。3-アミノ-2-クロロピリジンのジアゾフッ
素化により得られた3-フルオロ-2-クロロピリジン5g
をTHF10mlにて希釈したものを滴下し、30℃で
5時間攪拌することによりグリニャール試薬を調製し
た。次いで、ブロモベンゼン5.8g、パラジウム触媒
0.8gとTHF30mlをフラスコに入れておき、先
に調製したグリニャール試薬を滴下して35℃で8時間
反応させることにより、3-フルオロ-2-(フェニル)ピリ
ジンを得た。次に、3-フルオロ-2-(フェニル)ピリジン
0.54gにイリジウムアセチルアセトネート0.5
g、グリセリン50mlを加え、2.66kPa、19
0℃の条件下で10時間加熱攪拌した。これに塩酸とジ
クロロメタンを添加し、有機層を濃縮して(3-フルオロ-
2-(フェニル)ピリジン)3Irを得た。
ネシウム1.0gに溶媒のジイソプロピルエーテルを3
0ml添加し、攪拌しておく。2-アミノ-6-ブロモピリ
ジンのジアゾフッ素化により得られた2-フルオロ-6-ブ
ロモピリジン5gをジイソプロピルエーテル10mlに
て希釈したものを滴下し、20℃で40時間攪拌するこ
とによりグリニャール試薬を調製した。次いで、ブロモ
ベンゼン5.8g、パラジウム触媒0.8gとジイソプ
ロピルエーテル30mlをフラスコに入れておき、先に
調製したグリニャール試薬を滴下して25℃で16時間
反応させることにより、2-フルオロ-6-(フェニル)ピリ
ジンを得た。次に、2-フルオロ-6-(フェニル)ピリジン
0.54gにイリジウムアセチルアセトネート0.5
g、グリセリン50mlを加え、2.66kPa、19
0℃の条件下で10時間加熱攪拌した。これに塩酸とジ
クロロメタンを添加し、有機層を濃縮して(2-フルオロ-
6-(フェニル)ピリジン)3Irを得た。
応条件及び得られた化合物を、表2に実施例3〜5の原
料、反応条件及び得られた化合物を、表3に実施例6〜
8の原料、反応条件及び得られた化合物を、表4に実施
例9〜11の原料、反応条件及び得られた化合物をそれ
ぞれ示す。
方法により、イリジウム錯体の配位子である2-フェニル
ピリジンの任意の位置にフッ素を導入することができ
る。
(1)に示す構造を有するイリジウム錯体はフッ素が配
位子である2-フェニルピリジン内に置換されているた
め、炭素原子との結合エネルギーが高まり、耐熱性及び
耐酸化性等が向上する。また、本発明の製造方法は、耐
久性特に耐熱性、耐酸化性に優れたフッ素置換イリジウ
ム錯体を収率よく製造でき、得られたフッ素置換イリジ
ウム錯体は、高発光効率有機EL材料として極めて有効
である。
Claims (11)
- 【請求項1】 次の式(1)で示され、窒素原子から数
えて1,6,7,10又は12位を除く位置に1つだけ
フッ素が置換されたフッ素置換2-フェニルピリジンとイ
リジウムとが錯体を形成したフッ素置換イリジウム錯
体。 【化1】 但し、整数m及びnの関係がm+n=1であって、0≦
m≦1かつ0≦n≦1である。 - 【請求項2】 次の式(2)で表され、窒素原子から数
えて3,4,5又は11位の位置に1つだけフッ素が置
換された錯体形成用第1中間体。 【化2】 但し、整数m及びnの関係がm+n=1であって、0≦
m≦1かつ0≦n≦1である。 - 【請求項3】 次の式(3)で表され、置換基ZnCl
のオルト位にフッ素が置換された錯体形成用第2中間
体。 【化3】 - 【請求項4】 次の式(4)で表される錯体形成用第3
中間体。 【化4】 但し、XはCl、Br又はI元素である。 - 【請求項5】 イリジウム(III)アセチルアセトネート
と窒素原子から数えて1,6,7又は12位を除く位置
に1つだけフッ素が置換されたフッ素置換2-フェニルピ
リジンとを反応させ、前記フッ素置換2-フェニルピリジ
ンとイリジウムとからなる錯体を形成させることを特徴
とするフッ素置換イリジウム錯体の製造方法。 - 【請求項6】 フッ素置換2-フェニルピリジンが次の式
(5)で示されるフッ素置換ハロゲン化ベンゼンを有機
リチウム化合物と反応させた後、塩化亜鉛(II)と反応さ
せることにより得られる次の式(6)で示されるフッ素
置換塩化亜鉛ベンゼンと次の式(7)で示される2-ハロ
ゲン化ピリジンとを反応させることにより得られる請求
項5記載のフッ素置換イリジウム錯体の製造方法。 【化5】 但し、XはCl、Br又はI元素である。 【化6】 【化7】 但し、XはCl、Br又はI元素である。 - 【請求項7】 フッ素置換2-フェニルピリジンが請求項
6記載の式(5)で示されるフッ素置換ハロゲン化ベン
ゼンを金属マグネシウムと反応させることにより得られ
る有機金属化合物と請求項6記載の式(7)で示される
2-ハロゲン化ピリジンとを反応させることにより得られ
る請求項5記載のフッ素置換イリジウム錯体の製造方
法。 - 【請求項8】 フッ素置換2-フェニルピリジンが請求項
6記載の式(7)で示される2-ハロゲン化ピリジンを金
属マグネシウムと反応させることにより得られる有機金
属化合物と請求項6記載の式(5)で示されるフッ素置
換ハロゲン化ベンゼンとを反応させることにより得られ
る請求項5記載のフッ素置換イリジウム錯体の製造方
法。 - 【請求項9】 フッ素置換2-フェニルピリジンが次の式
(8)で示されるハロゲン化ベンゼンを有機リチウム化
合物と反応させた後、塩化亜鉛(II)と反応させることに
より得られる塩化亜鉛ベンゼンを次の式(9)で示され
るフッ素置換2-ハロゲン化ピリジンとを反応させること
により得られる請求項5記載のフッ素置換イリジウム錯
体の製造方法。 【化8】 但し、XはCl、Br又はI元素である。 【化9】 但し、XはCl、Br又はI元素である。 - 【請求項10】 フッ素置換2-フェニルピリジンが請求
項9記載の式(8)で示されるハロゲン化ベンゼンを金
属マグネシウムと反応させることにより得られる有機金
属化合物と請求項9記載の式(9)で示されるフッ素置
換2-ハロゲン化ピリジンとを反応させることにより得ら
れる請求項5記載のフッ素置換イリジウム錯体の製造方
法。 - 【請求項11】 フッ素置換2-フェニルピリジンが請求
項9記載の式(9)で示されるフッ素置換2-ハロゲン化
ピリジンを金属マグネシウムと反応させることにより得
られる請求項4記載の式(4)で示される錯体形成用第
3中間体と請求項9記載の式(8)で示されるハロゲン
化ベンゼンとを反応させることにより得られる請求項5
記載のフッ素置換イリジウム錯体の製造方法。
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JP2002067917A JP3991725B2 (ja) | 2001-04-24 | 2002-03-13 | フッ素置換イリジウム錯体、その中間体及びその製造方法 |
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JP2001-126506 | 2001-04-24 | ||
JP2001-230758 | 2001-07-31 | ||
JP2001230758 | 2001-07-31 | ||
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2002
- 2002-03-13 JP JP2002067917A patent/JP3991725B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US10177322B2 (en) | 2013-09-27 | 2019-01-08 | Konica Minolta, Inc. | Iridium complex, method for producing iridium complex, organic electroluminescent element, display device, and lighting device |
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