JP2003111599A - 分子エネルギー輸送標識を有する核酸増幅オリゴヌクレオチドおよびそれに基づく方法 - Google Patents
分子エネルギー輸送標識を有する核酸増幅オリゴヌクレオチドおよびそれに基づく方法Info
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】直鎖状もしくはヘアピンプライマーまたは
ブロックオリゴヌクレオチドであることができる、標識
した核酸増幅オリゴヌクレオチドを提供する。本発明の
オリゴヌクレオチドは、分子エネルギー輸送対の供与体
および/または受容体部分で標識される。この部分は、
供与体によって放出された蛍光エネルギーが受容体によ
って吸収されるように、フルオロフォアであることがで
きる。受容体は供与体部分とは異なる波長で蛍光を発す
るフルオロフォアであってもよく、消光剤であってもよ
い。本発明のオリゴヌクレオチドは、供与体部分および
受容体部分が増幅産物に組み込まれるように形成され
る。本発明はまた、核酸増幅プライマーを用いて増幅産
物を直接検出する方法およびキットを提供する。 【効果】標識した直鎖状プライマーを用いる場合、エキ
ソヌクレアーゼによる処置、または特殊な温度を用いれ
ば、組み込まれなかったプライマーを分離する必要がな
くなる。
ブロックオリゴヌクレオチドであることができる、標識
した核酸増幅オリゴヌクレオチドを提供する。本発明の
オリゴヌクレオチドは、分子エネルギー輸送対の供与体
および/または受容体部分で標識される。この部分は、
供与体によって放出された蛍光エネルギーが受容体によ
って吸収されるように、フルオロフォアであることがで
きる。受容体は供与体部分とは異なる波長で蛍光を発す
るフルオロフォアであってもよく、消光剤であってもよ
い。本発明のオリゴヌクレオチドは、供与体部分および
受容体部分が増幅産物に組み込まれるように形成され
る。本発明はまた、核酸増幅プライマーを用いて増幅産
物を直接検出する方法およびキットを提供する。 【効果】標識した直鎖状プライマーを用いる場合、エキ
ソヌクレアーゼによる処置、または特殊な温度を用いれ
ば、組み込まれなかったプライマーを分離する必要がな
くなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】1. 緒言
本発明は、分子エネルギー輸送(MET)標識で検出可能
に標識された核酸増幅のためのオリゴヌクレオチドに関
する。本発明はまた、これらのオリゴヌクレオチドを用
いて核酸増幅産物の検出法にも関する。さらに本発明
は、増幅産物の採取による汚染の可能性を大きく低下さ
せ、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、トリアンプリフィ
ケーション、および他の増幅系を含む、多くの核酸配列
増幅法に適応可能な、迅速で、感受性が高く、信頼でき
る増幅産物検出法に関する。
に標識された核酸増幅のためのオリゴヌクレオチドに関
する。本発明はまた、これらのオリゴヌクレオチドを用
いて核酸増幅産物の検出法にも関する。さらに本発明
は、増幅産物の採取による汚染の可能性を大きく低下さ
せ、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、トリアンプリフィ
ケーション、および他の増幅系を含む、多くの核酸配列
増幅法に適応可能な、迅速で、感受性が高く、信頼でき
る増幅産物検出法に関する。
【0002】
【従来の技術】2. 発明の背景
2.1. 蛍光共鳴エネルギー輸送(FRET)
分子エネルギー輸送(MET)は、供与体分子と受容体分
子との間をエネルギーが非放射的に通過するプロセスで
ある。蛍光共鳴エネルギー輸送(FRET)は、ある種のME
Tである。FRETは特定の化学化合物の特性から生まれ;
それらを特定の光の波長に暴露することによって励起さ
せると、異なる波長の光を放出する(すなわち蛍光を発
する)。そのような化合物はフルオロフォアと呼ばれて
いる。FRETでは、エネルギーは、フルオロフォアである
供与体分子と受容体分子との間を長距離(10〜100Å)
にわたって非放射的に通過する。供与体は、光子を吸収
し、このエネルギーを非放射的に受容体に輸送する(フ
ェルスター(Forster)、1949、Z. Naturforsch. A4:3
21〜327;クレッグ(Clegg)、1992、Methods Enzymo
l. 211:353〜388)。
子との間をエネルギーが非放射的に通過するプロセスで
ある。蛍光共鳴エネルギー輸送(FRET)は、ある種のME
Tである。FRETは特定の化学化合物の特性から生まれ;
それらを特定の光の波長に暴露することによって励起さ
せると、異なる波長の光を放出する(すなわち蛍光を発
する)。そのような化合物はフルオロフォアと呼ばれて
いる。FRETでは、エネルギーは、フルオロフォアである
供与体分子と受容体分子との間を長距離(10〜100Å)
にわたって非放射的に通過する。供与体は、光子を吸収
し、このエネルギーを非放射的に受容体に輸送する(フ
ェルスター(Forster)、1949、Z. Naturforsch. A4:3
21〜327;クレッグ(Clegg)、1992、Methods Enzymo
l. 211:353〜388)。
【0003】励起および放出スペクトルが重なる2つの
フルオロフォアが非常に近位に存在する場合、1つのフ
ルオロフォアを励起すると、それによって吸収される波
長での光の放出が起こり、第二のフルオロフォアを刺激
してそれに蛍光を発生させる。言い換えれば、第一の
(供与体)フルオロフォアの励起状態エネルギーは、共
鳴誘発双極子−双極子相互作用によって、隣接する第二
の(受容体)フルオロフォアに輸送される。その結果、
供与体分子の寿命は減少してその蛍光は消光するが、受
容体分子の蛍光強度は増強され、脱分極する。供与体の
励起状態エネルギーを非フルオロフォア受容体に輸送す
ると、供与体の蛍光は消光して、その後受容体による蛍
光の放出も認めない。このように、受容体は消光剤とし
て機能する。
フルオロフォアが非常に近位に存在する場合、1つのフ
ルオロフォアを励起すると、それによって吸収される波
長での光の放出が起こり、第二のフルオロフォアを刺激
してそれに蛍光を発生させる。言い換えれば、第一の
(供与体)フルオロフォアの励起状態エネルギーは、共
鳴誘発双極子−双極子相互作用によって、隣接する第二
の(受容体)フルオロフォアに輸送される。その結果、
供与体分子の寿命は減少してその蛍光は消光するが、受
容体分子の蛍光強度は増強され、脱分極する。供与体の
励起状態エネルギーを非フルオロフォア受容体に輸送す
ると、供与体の蛍光は消光して、その後受容体による蛍
光の放出も認めない。このように、受容体は消光剤とし
て機能する。
【0004】蛍光共鳴エネルギー輸送(FRET)に関与し
うる一対の分子はFRET対と呼ばれる。エネルギー輸送を
起こすために、供与体および受容体は典型的に、非常に
近位に存在しなければならない(70〜100Åまで)(ク
レッグ(Clegg)、1992、Methods Enzymol. 211:353〜
388;セルビン(Selvin)、1995、Methods Enzymol.24
6:300〜334)。エネルギー輸送の効率は、受容体と供
与体分子の距離によって急激に低下する。フェルスター
((Forster)、1949、Z. Naturforsch. A4:321〜32
7)によれば、エネルギー輸送の効率はD×10-6に比例
し、ここで、Dは供与体と受容体との距離である。実際
に、これは、約70Åの距離までであればFRETが最も効率
よく起こりうることを意味している。
うる一対の分子はFRET対と呼ばれる。エネルギー輸送を
起こすために、供与体および受容体は典型的に、非常に
近位に存在しなければならない(70〜100Åまで)(ク
レッグ(Clegg)、1992、Methods Enzymol. 211:353〜
388;セルビン(Selvin)、1995、Methods Enzymol.24
6:300〜334)。エネルギー輸送の効率は、受容体と供
与体分子の距離によって急激に低下する。フェルスター
((Forster)、1949、Z. Naturforsch. A4:321〜32
7)によれば、エネルギー輸送の効率はD×10-6に比例
し、ここで、Dは供与体と受容体との距離である。実際
に、これは、約70Åの距離までであればFRETが最も効率
よく起こりうることを意味している。
【0005】FRETにおいて一般的に用いられる分子に
は、フルオレセイン、5-カルボキシフルオレセイン(FA
M)、2' 7'-ジメトキシ-4' 5'-ジクロロ-6-カルボキシ
フルオレセイン(JOE)、ローダミン、6-カルボキシロ
ーダミン(R6G)、N,N,N',N'-テトラメチル-6-カルボキ
シローダミン(TAMRA)、6-カルボキシ-X-ローダミン
(ROX)、4-(4'-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸
(DABCYL)、および5-(2'-アミノエチル)アミノナフタ
レン-1-スルホン酸(EDANS)が含まれる。フルオロフォ
アが供与体であるか受容体であるかはその励起および放
出スペクトルによって決まり、それを有するフルオロフ
ォアを組み合わせる。例えば、FAMは波長488nmの光で最
も効率的に励起され、500〜650 nmのスペクトルの光で
消光し、最大放出は525 nmである。FAMはJOE、TAMRA、
およびROX(その全てが514 nmで最大励起を有する)と
共に用いるのに適した供与体フルオロフォアである。
は、フルオレセイン、5-カルボキシフルオレセイン(FA
M)、2' 7'-ジメトキシ-4' 5'-ジクロロ-6-カルボキシ
フルオレセイン(JOE)、ローダミン、6-カルボキシロ
ーダミン(R6G)、N,N,N',N'-テトラメチル-6-カルボキ
シローダミン(TAMRA)、6-カルボキシ-X-ローダミン
(ROX)、4-(4'-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸
(DABCYL)、および5-(2'-アミノエチル)アミノナフタ
レン-1-スルホン酸(EDANS)が含まれる。フルオロフォ
アが供与体であるか受容体であるかはその励起および放
出スペクトルによって決まり、それを有するフルオロフ
ォアを組み合わせる。例えば、FAMは波長488nmの光で最
も効率的に励起され、500〜650 nmのスペクトルの光で
消光し、最大放出は525 nmである。FAMはJOE、TAMRA、
およびROX(その全てが514 nmで最大励起を有する)と
共に用いるのに適した供与体フルオロフォアである。
【0006】1970年代に、FRET標識は特異的抗原を検出
するために用いられる免疫蛍光アッセイに組み込まれた
(ウルマンら(Ullman)、米国特許第2,998,943号;第
3,996,345号;第4,160,016号;第4,174,384号;第4,19
9,599号)。後に、1980年代初期に、ポリヌクレオチド
ハイブリダイゼーションへのエネルギー輸送の応用に関
するいつかの特許がヘラー&共同研究者によって受領さ
れた(米国特許第4,996,143号、第5,532,129号および第
5,565,322号)。ヨーロッパ特許出願第82303699.1号
(公開番号欧州特許第0 070 685 A2号、1983年1月26日
付)「非放射活性エネルギー輸送による相同核酸ハイブ
リダイゼーション診断」において、発明者らは2つのオ
リゴヌクレオチド、すなわち1つは供与体フルオロフォ
ア、もう一つは受容体を含むオリゴヌクレオチドによっ
て独特の1本鎖ポリヌクレオチド配列を検出することが
できると主張した。いずれのオリゴヌクレオチドも一定
の距離にある解析DNAの隣接する断片とハイブリダイズ
するため、エネルギー輸送を検出することができる。
するために用いられる免疫蛍光アッセイに組み込まれた
(ウルマンら(Ullman)、米国特許第2,998,943号;第
3,996,345号;第4,160,016号;第4,174,384号;第4,19
9,599号)。後に、1980年代初期に、ポリヌクレオチド
ハイブリダイゼーションへのエネルギー輸送の応用に関
するいつかの特許がヘラー&共同研究者によって受領さ
れた(米国特許第4,996,143号、第5,532,129号および第
5,565,322号)。ヨーロッパ特許出願第82303699.1号
(公開番号欧州特許第0 070 685 A2号、1983年1月26日
付)「非放射活性エネルギー輸送による相同核酸ハイブ
リダイゼーション診断」において、発明者らは2つのオ
リゴヌクレオチド、すなわち1つは供与体フルオロフォ
ア、もう一つは受容体を含むオリゴヌクレオチドによっ
て独特の1本鎖ポリヌクレオチド配列を検出することが
できると主張した。いずれのオリゴヌクレオチドも一定
の距離にある解析DNAの隣接する断片とハイブリダイズ
するため、エネルギー輸送を検出することができる。
【0007】「ポリヌクレオチドハイブリダイゼーショ
ンアッセイのための蛍光ストロークシフトプローブ」と
題するヨーロッパ特許出願第86116652.8号(公開番号欧
州特許第0 229 943 A2号、1987年7月29日付;「EP' 94
3」)において、ヘラー(Heller)らは同じ概要を提唱
したが、最大FRETを起こす供与体と受容体の間の特定の
距離においてであった。彼らはまた、供与体と受容体の
標識が同じプローブ上に存在することができることを開
示している(例えば、EP '943:請求項2および図1参
照)。
ンアッセイのための蛍光ストロークシフトプローブ」と
題するヨーロッパ特許出願第86116652.8号(公開番号欧
州特許第0 229 943 A2号、1987年7月29日付;「EP' 94
3」)において、ヘラー(Heller)らは同じ概要を提唱
したが、最大FRETを起こす供与体と受容体の間の特定の
距離においてであった。彼らはまた、供与体と受容体の
標識が同じプローブ上に存在することができることを開
示している(例えば、EP '943:請求項2および図1参
照)。
【0008】エネルギー輸送に関する同様の出願は、核
酸ハイブリダイゼーションの検出法においてカルデュロ
ら(Cardullo、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:8790
〜8794)によって開示された。フルオレセイン(供与
体)およびローダミン(受容体)を相補的オリゴデオキ
シヌクレオチドの5'末端に接着させる。ハイブリダイゼ
ーション時に、FRETを検出してもよい。言い換えれば、
FRETは2つのフルオロフォア標識オリゴヌクレオチドが
より長い非標識DNAとハイブリダイゼーションした後に
起こった。このシステムは米国特許出願第661,071号お
よびPCT出願PCT/US92/1591、1992年9月3日付の公開番
号WO 92/14845(「蛍光共鳴エネルギー輸送を用いた嚢
胞性繊維症および他の遺伝子疾患の診断」と題する「PC
T '845」)の主題である。PCT '845はハイブリダイゼー
ションによる嚢胞性繊維症に関連したヒト染色体DNAに
おける異常の検出法を開示している。この方法において
用いられるFRETシグナルは、ヘラーら(Heller)が開示
した方法と類似の方法で産生されている(PCT '845図1
参照)。その他の特許は、DNAの特定の部位間の距離の
推定法(オザキ&マクローリン(Ozaki and McLaughli
n)、1992、Nucl. AcidsRes. 20:5205〜5214)、4方
向DNA接合構造の解析法(クレッグら(Clegg)、1992、
Biochem. 31:4846〜4856)、およびDNAのらせん幾何学
の観察法(クレッグら(Clegg)、1993、Proc. Natl. A
cad. Sci. USA 90:2994〜2998)におけるエネルギー輸
送の利用を開示している。
酸ハイブリダイゼーションの検出法においてカルデュロ
ら(Cardullo、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:8790
〜8794)によって開示された。フルオレセイン(供与
体)およびローダミン(受容体)を相補的オリゴデオキ
シヌクレオチドの5'末端に接着させる。ハイブリダイゼ
ーション時に、FRETを検出してもよい。言い換えれば、
FRETは2つのフルオロフォア標識オリゴヌクレオチドが
より長い非標識DNAとハイブリダイゼーションした後に
起こった。このシステムは米国特許出願第661,071号お
よびPCT出願PCT/US92/1591、1992年9月3日付の公開番
号WO 92/14845(「蛍光共鳴エネルギー輸送を用いた嚢
胞性繊維症および他の遺伝子疾患の診断」と題する「PC
T '845」)の主題である。PCT '845はハイブリダイゼー
ションによる嚢胞性繊維症に関連したヒト染色体DNAに
おける異常の検出法を開示している。この方法において
用いられるFRETシグナルは、ヘラーら(Heller)が開示
した方法と類似の方法で産生されている(PCT '845図1
参照)。その他の特許は、DNAの特定の部位間の距離の
推定法(オザキ&マクローリン(Ozaki and McLaughli
n)、1992、Nucl. AcidsRes. 20:5205〜5214)、4方
向DNA接合構造の解析法(クレッグら(Clegg)、1992、
Biochem. 31:4846〜4856)、およびDNAのらせん幾何学
の観察法(クレッグら(Clegg)、1993、Proc. Natl. A
cad. Sci. USA 90:2994〜2998)におけるエネルギー輸
送の利用を開示している。
【0009】2.2. 他のタイプの分子エネルギー輸送
(MET) 第2.1章で述べたように、蛍光共鳴エネルギー輸送(FRE
T)は1つのタイプの分子エネルギー輸送(MET)であ
る。FRETでは、エネルギー供与体は蛍光性であるがエネ
ルギー受容体は蛍光性または非蛍光性であってもよい。
蛍光性エネルギー受容体の場合、エネルギー輸送の結果
供与体の放出の減少または受容体の放出の増加が起こる
(クレッグ(Clegg)、1992、Methods Enzymol. 211:
353〜388;セルビン(Selvin)、1995、Methods Enzym
ol. 246:300〜334;ストライヤー(Stryer)、1978、A
nn. Rev. Biochem. 47:819〜846)。非蛍光性の受容
体、例えば発色団または消光剤の場合、エネルギー輸送
の結果、供与体の放出の増加が起こる(マタヨシら(Ma
tayoshi)、1990、Science 247:954〜958;チアギ&ク
レイマー(Tyagi and Kramer)、1996、Nature Biotec
h. 14:303〜309;スタインバーグ(Steinberg)、199
1、Ann. Rev. Biochem. 40:83〜114)。
(MET) 第2.1章で述べたように、蛍光共鳴エネルギー輸送(FRE
T)は1つのタイプの分子エネルギー輸送(MET)であ
る。FRETでは、エネルギー供与体は蛍光性であるがエネ
ルギー受容体は蛍光性または非蛍光性であってもよい。
蛍光性エネルギー受容体の場合、エネルギー輸送の結果
供与体の放出の減少または受容体の放出の増加が起こる
(クレッグ(Clegg)、1992、Methods Enzymol. 211:
353〜388;セルビン(Selvin)、1995、Methods Enzym
ol. 246:300〜334;ストライヤー(Stryer)、1978、A
nn. Rev. Biochem. 47:819〜846)。非蛍光性の受容
体、例えば発色団または消光剤の場合、エネルギー輸送
の結果、供与体の放出の増加が起こる(マタヨシら(Ma
tayoshi)、1990、Science 247:954〜958;チアギ&ク
レイマー(Tyagi and Kramer)、1996、Nature Biotec
h. 14:303〜309;スタインバーグ(Steinberg)、199
1、Ann. Rev. Biochem. 40:83〜114)。
【0010】もう一つの型のMETにおいて、エネルギー
供与体は非蛍光性、例えば発色団で、エネルギー受容体
は蛍光性である。この場合、エネルギー輸送により、受
容体の放出の増加が起こる(ヘラー(Heller)、米国特
許第5,532,129号および第5,565,322号;スタインバーグ
(Steinberg)、1991、Ann. Rev. Biochem. 40:83〜11
4)。
供与体は非蛍光性、例えば発色団で、エネルギー受容体
は蛍光性である。この場合、エネルギー輸送により、受
容体の放出の増加が起こる(ヘラー(Heller)、米国特
許第5,532,129号および第5,565,322号;スタインバーグ
(Steinberg)、1991、Ann. Rev. Biochem. 40:83〜11
4)。
【0011】さらにもう一つ型のMETにおいて、エネル
ギー供与体は、発光性、例えば、生物発光、化学発光、
電気化学発光で、受容体は蛍光性である。この場合、エ
ネルギー輸送により、受容体の放出の増加が起こる(セ
ルビン(Selvin)、1995、Methods Enzymol. 246:300
〜334、ヘラーヨーロッパ特許公開番号0070685A2、1993
年1月26日付;シュッツバンク&スミス(Schutzbank a
nd Smith)、1995、J.Clin. Microbiol. 33:2036〜204
1)。そのようなエネルギー輸送システムの例は、セル
ビン(前記)によって記述されており、蛍光ランタニド
キレート、例えば、テルビウムキレートまたはランタニ
ドキレートが供与体で、フルオレセイン、ローダミンま
たはCY-5のような有機色素が受容体である。この戦略を
用いて特に効率のよいMETシステムには、供与体として
のテルビウムおよび受容体としてのフルオレセインまた
はローダミン、および供与体としてのユーロピウムおよ
び受容体としてのCY-5が含まれる。逆の状況、すなわち
供与体が蛍光性で、受容体が発光性の場合を「感作発
光」と呼び、エネルギー輸送により受容体の放出の増加
が起こる(デクスター(Dexter)、1953、J. Chem. Phy
sics 21:836〜850)。
ギー供与体は、発光性、例えば、生物発光、化学発光、
電気化学発光で、受容体は蛍光性である。この場合、エ
ネルギー輸送により、受容体の放出の増加が起こる(セ
ルビン(Selvin)、1995、Methods Enzymol. 246:300
〜334、ヘラーヨーロッパ特許公開番号0070685A2、1993
年1月26日付;シュッツバンク&スミス(Schutzbank a
nd Smith)、1995、J.Clin. Microbiol. 33:2036〜204
1)。そのようなエネルギー輸送システムの例は、セル
ビン(前記)によって記述されており、蛍光ランタニド
キレート、例えば、テルビウムキレートまたはランタニ
ドキレートが供与体で、フルオレセイン、ローダミンま
たはCY-5のような有機色素が受容体である。この戦略を
用いて特に効率のよいMETシステムには、供与体として
のテルビウムおよび受容体としてのフルオレセインまた
はローダミン、および供与体としてのユーロピウムおよ
び受容体としてのCY-5が含まれる。逆の状況、すなわち
供与体が蛍光性で、受容体が発光性の場合を「感作発
光」と呼び、エネルギー輸送により受容体の放出の増加
が起こる(デクスター(Dexter)、1953、J. Chem. Phy
sics 21:836〜850)。
【0012】理論的に可能な型のMETにおいて、エネル
ギー供与体は発光性であってもよく、エネルギー受容体
は非蛍光性であってもよい。この場合は、エネルギー輸
送により供与体の放出の減少が起こる。
ギー供与体は発光性であってもよく、エネルギー受容体
は非蛍光性であってもよい。この場合は、エネルギー輸
送により供与体の放出の減少が起こる。
【0013】2.3. 核酸増幅のモニター法
本発明の前まで、遺伝子増幅産物を直接検出するために
エネルギー輸送を応用することは試みられていない。先
行技術の、エネルギー輸送を用いる増幅反応のモニター
法では、標識は増幅産物に組み込まれていない。その結
果、これらの方法は増幅反応の間接的な測定に依存して
いた。
エネルギー輸送を応用することは試みられていない。先
行技術の、エネルギー輸送を用いる増幅反応のモニター
法では、標識は増幅産物に組み込まれていない。その結
果、これらの方法は増幅反応の間接的な測定に依存して
いた。
【0014】一般に用いられる核酸増幅産物の検出法
は、非反応プライマーからの増幅産物の分離を必要とす
る。これは、大きさの差に基づいてプライマーから増幅
産物を分離するゲル電気泳動を用いることによって、ま
たは遊離のプライマーを洗い流すことによって産物を固
定化することによって行われる。しかし、プライマーを
先に分離せずに増幅プロセスをモニターする3つの方法
が記述されている。それらの全てはFRETに基づいてお
り、それらのいずれも増幅産物を直接検出しない。その
代わりに3つの方法は全て増幅に関連した何らかのイベ
ントを検出する。その理由から、それらは、バックグラ
ウンドが高いという問題を伴い、下記に考察するように
定量的でない。
は、非反応プライマーからの増幅産物の分離を必要とす
る。これは、大きさの差に基づいてプライマーから増幅
産物を分離するゲル電気泳動を用いることによって、ま
たは遊離のプライマーを洗い流すことによって産物を固
定化することによって行われる。しかし、プライマーを
先に分離せずに増幅プロセスをモニターする3つの方法
が記述されている。それらの全てはFRETに基づいてお
り、それらのいずれも増幅産物を直接検出しない。その
代わりに3つの方法は全て増幅に関連した何らかのイベ
ントを検出する。その理由から、それらは、バックグラ
ウンドが高いという問題を伴い、下記に考察するように
定量的でない。
【0015】ワン(Wang)が記述した1つの方法(米国
特許第5,348,853号;ワンら(Wang)、1995、Anal. Che
m. 67:1197〜1203)は、エネルギー輸送がプローブ上
の2つのフルオロフォアの間に起こるエネルギー輸送シ
ステムを用いている。この方法では、増幅された分子の
検出は、分離段階を必要とすることなく増幅反応管の中
で起こる。この方法により、モノ標識プライマーに依存
する方法より高い感受性が得られる。
特許第5,348,853号;ワンら(Wang)、1995、Anal. Che
m. 67:1197〜1203)は、エネルギー輸送がプローブ上
の2つのフルオロフォアの間に起こるエネルギー輸送シ
ステムを用いている。この方法では、増幅された分子の
検出は、分離段階を必要とすることなく増幅反応管の中
で起こる。この方法により、モノ標識プライマーに依存
する方法より高い感受性が得られる。
【0016】ワンら(Wang)の方法では、リバースプラ
イマーと相補的な「エネルギーシンク」オリゴヌクレオ
チドを用いる。「エネルギーシンク」およびリバースプ
ライマーオリゴヌクレオチドは供与体および受容体標識
をそれぞれ有する。増幅の前に、標識したオリゴヌクレ
オチドは、エネルギー輸送が自由に起こるプライマー二
本鎖を形成する。次に標的鎖の1つを有意に過剰産生す
る前に、非対称PCRをその遅い対数期に実施する。
イマーと相補的な「エネルギーシンク」オリゴヌクレオ
チドを用いる。「エネルギーシンク」およびリバースプ
ライマーオリゴヌクレオチドは供与体および受容体標識
をそれぞれ有する。増幅の前に、標識したオリゴヌクレ
オチドは、エネルギー輸送が自由に起こるプライマー二
本鎖を形成する。次に標的鎖の1つを有意に過剰産生す
る前に、非対称PCRをその遅い対数期に実施する。
【0017】過剰産生された標的鎖と相補的なプライマ
ー二本鎖を加えて、過剰なプライマーと共に半ネスト状
反応を開始させる。半ネスト状増幅が進行するにつれ
て、プライマー二本鎖は、標的配列が複製されるにつれ
て解離し始める。その結果、エネルギー輸送のために形
成されたフルオロフォアは互いに分離し、プライマー二
本鎖の全てにおいて既に確立されたエネルギー輸送プロ
セスが、増幅プロセスに関係するプライマーに関して破
壊される。測定した蛍光強度は各増幅サイクルの最後に
残ったプライマー二本鎖の量に比例する。蛍光強度の減
少は、最初の標的用量および増幅の程度に正比例する。
ー二本鎖を加えて、過剰なプライマーと共に半ネスト状
反応を開始させる。半ネスト状増幅が進行するにつれ
て、プライマー二本鎖は、標的配列が複製されるにつれ
て解離し始める。その結果、エネルギー輸送のために形
成されたフルオロフォアは互いに分離し、プライマー二
本鎖の全てにおいて既に確立されたエネルギー輸送プロ
セスが、増幅プロセスに関係するプライマーに関して破
壊される。測定した蛍光強度は各増幅サイクルの最後に
残ったプライマー二本鎖の量に比例する。蛍光強度の減
少は、最初の標的用量および増幅の程度に正比例する。
【0018】しかし、この方法は増幅産物を検出しない
が、その代わりに、「エネルギーシンク」オリゴヌクレ
オチドからプライマーの解離を検出する。このように、
この方法は、放出の減少の検出に依存する;反応前後の
シグナルの信頼できる差を得るためには、標識されたプ
ライマーの有意な部分を利用しなければならない。この
問題はワンら(Wang)によって明らかに言及されてお
り、彼は初回標的濃度を増加させ、その結果標識プライ
マーの使用を増加させると思われる予備的な増幅段階
(非対称PCR)を加えることによって代償しようと試み
たが、これもプロセスを複雑にする。
が、その代わりに、「エネルギーシンク」オリゴヌクレ
オチドからプライマーの解離を検出する。このように、
この方法は、放出の減少の検出に依存する;反応前後の
シグナルの信頼できる差を得るためには、標識されたプ
ライマーの有意な部分を利用しなければならない。この
問題はワンら(Wang)によって明らかに言及されてお
り、彼は初回標的濃度を増加させ、その結果標識プライ
マーの使用を増加させると思われる予備的な増幅段階
(非対称PCR)を加えることによって代償しようと試み
たが、これもプロセスを複雑にする。
【0019】プライマーおよび産物を先に分離すること
なく増幅産物を検出する第二の方法は、5'ヌクレアーゼ
PCRアッセイである(登録商標タグマンアッセイとも呼
ばれる)(ホランドら(Holland)、1991、Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 88:7276〜7280;リーら(Lee)、199
3、Nucleic Acids. Res. 21:3761〜3766)。このアッ
セイは、増幅反応の際の、二重標識蛍光発生プローブ
(「タグマン」プローブ)のハイブリダイゼーションお
よび開裂によって、特異的なPCR産物の蓄積を検出す
る。蛍光発生プローブは蛍光リポーター色素および消光
色素の双方で標識したオリゴヌクレオチドを含む。PCR
の際に、このプローブが増幅されるべき部分とハイブリ
ダイズするならば、およびハイブリダイズする場合に限
り、このプローブはDNAポリメラーゼの5'-エキソヌクレ
アーゼ活性によって開裂される。プローブの開裂により
リポーター色素の蛍光強度は増加する。
なく増幅産物を検出する第二の方法は、5'ヌクレアーゼ
PCRアッセイである(登録商標タグマンアッセイとも呼
ばれる)(ホランドら(Holland)、1991、Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 88:7276〜7280;リーら(Lee)、199
3、Nucleic Acids. Res. 21:3761〜3766)。このアッ
セイは、増幅反応の際の、二重標識蛍光発生プローブ
(「タグマン」プローブ)のハイブリダイゼーションお
よび開裂によって、特異的なPCR産物の蓄積を検出す
る。蛍光発生プローブは蛍光リポーター色素および消光
色素の双方で標識したオリゴヌクレオチドを含む。PCR
の際に、このプローブが増幅されるべき部分とハイブリ
ダイズするならば、およびハイブリダイズする場合に限
り、このプローブはDNAポリメラーゼの5'-エキソヌクレ
アーゼ活性によって開裂される。プローブの開裂により
リポーター色素の蛍光強度は増加する。
【0020】タグマンアッセイにおいて、供与体および
消光剤は、フルオロフォアと消光剤の間で行われる5'-
3'加水分解の必要条件は、これらの2つの部分が互いに
近すぎない場合に限って満たされるため、プローブの3'
-および5'-末端に存在することが好ましい(リアミチェ
フら(Lyamichev)、1993、Science 260:778〜783)。
しかし、エネルギー輸送の効率はリポーターと消光剤と
の間の距離の10のマイナス6乗で減少するため、この必
要条件はアッセイの重大な欠点である。言い換えれば、
タグマンアッセイでは、最も効率のよい消光を得るため
に消光剤がリポーターに十分近づくことができない。結
果として、非ハイブリダイズプローブからのバックグラ
ウンド放出はかなり高くなりうる。
消光剤は、フルオロフォアと消光剤の間で行われる5'-
3'加水分解の必要条件は、これらの2つの部分が互いに
近すぎない場合に限って満たされるため、プローブの3'
-および5'-末端に存在することが好ましい(リアミチェ
フら(Lyamichev)、1993、Science 260:778〜783)。
しかし、エネルギー輸送の効率はリポーターと消光剤と
の間の距離の10のマイナス6乗で減少するため、この必
要条件はアッセイの重大な欠点である。言い換えれば、
タグマンアッセイでは、最も効率のよい消光を得るため
に消光剤がリポーターに十分近づくことができない。結
果として、非ハイブリダイズプローブからのバックグラ
ウンド放出はかなり高くなりうる。
【0021】さらに、タグマンアッセイは、増幅プライ
マーを標識していないため、増幅産物を直接測定しな
い。このアッセイは増幅に関連したイベント、すなわち
プライマー配列の間にある標的DNAとハイブリダイズす
るプローブの加水分解を測定する。その結果としてこの
アッセイ法は重要な問題を伴う。第一に、ハイブリダイ
ゼーションは、標識したオリゴヌクレオチドが大量に存
在するのでなければ定量的とはならない。しかし、そう
すればバックグラウンドが高くなる(消光が定量的でな
いため)。さらに、標的DNAの中心部とハイブダイズす
るオリゴヌクレオチドが大量であれば、PCR効率は低下
するであろう。さらに、DNAにハイブリダイズした必ず
しも全てのオリゴヌクレオチドが5'-3'エキソヌクレア
ーゼ加水分解を受けるわけではない:いくつかは加水分
解を受けずに置換され、その結果シグナルを喪失する。
マーを標識していないため、増幅産物を直接測定しな
い。このアッセイは増幅に関連したイベント、すなわち
プライマー配列の間にある標的DNAとハイブリダイズす
るプローブの加水分解を測定する。その結果としてこの
アッセイ法は重要な問題を伴う。第一に、ハイブリダイ
ゼーションは、標識したオリゴヌクレオチドが大量に存
在するのでなければ定量的とはならない。しかし、そう
すればバックグラウンドが高くなる(消光が定量的でな
いため)。さらに、標的DNAの中心部とハイブダイズす
るオリゴヌクレオチドが大量であれば、PCR効率は低下
するであろう。さらに、DNAにハイブリダイズした必ず
しも全てのオリゴヌクレオチドが5'-3'エキソヌクレア
ーゼ加水分解を受けるわけではない:いくつかは加水分
解を受けずに置換され、その結果シグナルを喪失する。
【0022】エネルギー輸送の使用に依存する増幅産物
のもう一つの検出法は、チアギ&クレイマー(Tyagi an
d Kramer、1996、Nature Biotech. 14:303〜309)が
記述した「ビーコンプローブ」法で、これもまた、リザ
ルディら(Lizardi)の米国特許第5,119,801号および第
5,312,728号の主題である。この方法は、ヘアピン構造
を形成することができるオリゴヌクレオチドハイブリダ
イゼーションを用いる。ハイブリダイゼーションプロー
ブの一端(5'または3'末端のいずれか)に、供与体フル
オロフォアが存在し、もう一端に受容体部分が存在す
る。チアギ&クレイマー(Tyagi and Kramer)法の場合
には、この受容体部分は消光剤で、すなわち受容体は供
与体によって放出されたエネルギーを吸収するが、それ
自身は蛍光を発しない。このように、ビーコンがオープ
ン立体構造である場合、供与体フルオロフォアの蛍光は
検出可能であるが、ビーコンがヘアピン(閉鎖)立体構
造であれば、供与体フルオロフォアの蛍光は消光する。
PCRにおいて用いると、PCR産物の鎖の1つとハイブリダ
イズする分子ビーコンプローブは「オープン立体構造」
であり、蛍光が検出されるが、ハイブリダイズされない
まま残っているプローブは蛍光を発しないであろう(チ
アギ&クレイマー(Tyagi and Kramer)、1996、Nature
Biotech. 14:303〜306)。その結果、蛍光の量はPCR
産物の量が増加すると増加し、このようにPCRの進行の
手段として用いてもよい。
のもう一つの検出法は、チアギ&クレイマー(Tyagi an
d Kramer、1996、Nature Biotech. 14:303〜309)が
記述した「ビーコンプローブ」法で、これもまた、リザ
ルディら(Lizardi)の米国特許第5,119,801号および第
5,312,728号の主題である。この方法は、ヘアピン構造
を形成することができるオリゴヌクレオチドハイブリダ
イゼーションを用いる。ハイブリダイゼーションプロー
ブの一端(5'または3'末端のいずれか)に、供与体フル
オロフォアが存在し、もう一端に受容体部分が存在す
る。チアギ&クレイマー(Tyagi and Kramer)法の場合
には、この受容体部分は消光剤で、すなわち受容体は供
与体によって放出されたエネルギーを吸収するが、それ
自身は蛍光を発しない。このように、ビーコンがオープ
ン立体構造である場合、供与体フルオロフォアの蛍光は
検出可能であるが、ビーコンがヘアピン(閉鎖)立体構
造であれば、供与体フルオロフォアの蛍光は消光する。
PCRにおいて用いると、PCR産物の鎖の1つとハイブリダ
イズする分子ビーコンプローブは「オープン立体構造」
であり、蛍光が検出されるが、ハイブリダイズされない
まま残っているプローブは蛍光を発しないであろう(チ
アギ&クレイマー(Tyagi and Kramer)、1996、Nature
Biotech. 14:303〜306)。その結果、蛍光の量はPCR
産物の量が増加すると増加し、このようにPCRの進行の
手段として用いてもよい。
【0023】しかし、この方法はプライマー配列の間に
ある鋳型とプローブとのハイブリダイゼーションに基づ
いているため、これに関連する多くの問題があり、その
いくつかはタグマン法に関連して先に記述した問題と同
様である。第一に、特に増幅産物がビーコンプローブよ
りはるかに長い場合、ビーコンプローブが二本鎖PCR産
物の1つの鎖に定量的にハイブリダイズする可能性は低
い。ハイブリダイズされたこれらのプローブも短時間で
第二のDNA鎖に置換されることがある;その結果、この
方法は定量的となり得ない。
ある鋳型とプローブとのハイブリダイゼーションに基づ
いているため、これに関連する多くの問題があり、その
いくつかはタグマン法に関連して先に記述した問題と同
様である。第一に、特に増幅産物がビーコンプローブよ
りはるかに長い場合、ビーコンプローブが二本鎖PCR産
物の1つの鎖に定量的にハイブリダイズする可能性は低
い。ハイブリダイズされたこれらのプローブも短時間で
第二のDNA鎖に置換されることがある;その結果、この
方法は定量的となり得ない。
【0024】ビーコンプローブの濃度を増加させること
によってハイブリダイゼーション効率を増加させようと
しても、反応の際に、ハイブリダイズしたビーコンを置
換するためにDNAポリメラーゼが必要となり、これが重
合速度を減少させるため、増幅効率は減少するであろ
う。過剰なプローブもまた、バックグラウンドを増加さ
せるであろう。さらに、増幅産物とビーコンプローブと
の間の比は増幅が進行するにつれて変化し、ハイブリダ
イゼーションの効率も変化するであろう。このように、
増幅した産物の検出は定量的でない可能性がある。
によってハイブリダイゼーション効率を増加させようと
しても、反応の際に、ハイブリダイズしたビーコンを置
換するためにDNAポリメラーゼが必要となり、これが重
合速度を減少させるため、増幅効率は減少するであろ
う。過剰なプローブもまた、バックグラウンドを増加さ
せるであろう。さらに、増幅産物とビーコンプローブと
の間の比は増幅が進行するにつれて変化し、ハイブリダ
イゼーションの効率も変化するであろう。このように、
増幅した産物の検出は定量的でない可能性がある。
【0025】したがって、先行技術の増幅産物の検出法
における欠点を考慮すると、当技術分野において、増幅
産物を迅速、感度よく、信頼性よく、および定量的に検
出する改善された方法が必要であることは明らかであ
る。本発明は、エネルギー輸送標識で検出可能に標識し
た核酸増幅プライマーを提供することによってこの問題
を解決する。同様に、核酸配列の増幅のための多くの方
法に適応可能で、および増幅産物採取の際に汚染する可
能性を大きく低下させる、増幅産物の検出法を提供する
ことによって、この問題を解決する。
における欠点を考慮すると、当技術分野において、増幅
産物を迅速、感度よく、信頼性よく、および定量的に検
出する改善された方法が必要であることは明らかであ
る。本発明は、エネルギー輸送標識で検出可能に標識し
た核酸増幅プライマーを提供することによってこの問題
を解決する。同様に、核酸配列の増幅のための多くの方
法に適応可能で、および増幅産物採取の際に汚染する可
能性を大きく低下させる、増幅産物の検出法を提供する
ことによって、この問題を解決する。
【0026】本明細書における参考文献の引用は、それ
らの参考文献が本発明に先行する技術であるとの認可で
あると見なすべきではない。
らの参考文献が本発明に先行する技術であるとの認可で
あると見なすべきではない。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】3. 発明の概要
本発明は、分子エネルギー輸送(MET)標識で検出可能
に標識された核酸の増幅のためのオリゴヌクレオチドに
関連する。MET対の供与体および/または受容体部分を
含む本発明の1つ以上のオリゴヌクレオチドを、増幅産
物がMET対の供与体および受容体部分の双方を含むよう
に、増幅反応の増幅産物の中に組み入れる。増幅産物が
二本鎖であれば、増幅産物に組み入れられるMET対は同
じ鎖上にあってもよく、増幅がトリアンプリフィケーシ
ョンであれば、反対の鎖上にあってもよい。増幅に用い
られるポリメラーゼが5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を
有する特定の例では、MET対部分の1つはこのエキソヌ
クレアーゼ活性による増幅産物の集団の少なくとも一部
から開裂してもよい。そのようなエキソヌクレアーゼ活
性は発明の増幅法に有害ではない。
に標識された核酸の増幅のためのオリゴヌクレオチドに
関連する。MET対の供与体および/または受容体部分を
含む本発明の1つ以上のオリゴヌクレオチドを、増幅産
物がMET対の供与体および受容体部分の双方を含むよう
に、増幅反応の増幅産物の中に組み入れる。増幅産物が
二本鎖であれば、増幅産物に組み入れられるMET対は同
じ鎖上にあってもよく、増幅がトリアンプリフィケーシ
ョンであれば、反対の鎖上にあってもよい。増幅に用い
られるポリメラーゼが5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を
有する特定の例では、MET対部分の1つはこのエキソヌ
クレアーゼ活性による増幅産物の集団の少なくとも一部
から開裂してもよい。そのようなエキソヌクレアーゼ活
性は発明の増幅法に有害ではない。
【0028】本発明はまた、本発明のこれらの標識オリ
ゴヌクレオチドを用いて、核酸増幅産物を検出する方法
に関する。本発明はさらに、増幅産物採取の際の汚染の
可能性を大きく少させ、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)、トリアンプリフィケーション、およびその他の増
幅システムを含む核酸配列の多くの増幅法に適応可能
な、迅速、高感度、かつ信頼性のある増幅産物検出法に
関する。
ゴヌクレオチドを用いて、核酸増幅産物を検出する方法
に関する。本発明はさらに、増幅産物採取の際の汚染の
可能性を大きく少させ、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)、トリアンプリフィケーション、およびその他の増
幅システムを含む核酸配列の多くの増幅法に適応可能
な、迅速、高感度、かつ信頼性のある増幅産物検出法に
関する。
【0029】本発明の核酸増幅オリゴヌクレオチドは、
供与体部分と受容体部分との間の分子エネルギー輸送
(MET)の原理を利用している。好ましい態様におい
て、METは、その中でオリゴヌクレオチドが供与体およ
び受容体部分で標識され、供与体部分から放出された蛍
光エネルギーが受容体部分によって吸収されるように供
与体部分はフルオロフォアであり、受容体部分はフルオ
ロフォアであってもよい、蛍光共鳴エネルギー輸送(FR
ET)である。本発明の一つの態様において、受容体部分
は供与体から異なる波長で吸収されたエネルギーを放出
するフルオロフォアである;次に、増幅反応の進行を評
価するために受容体の放出を測定してもよい。もう一つ
の態様において、受容体部分は消光剤である。
供与体部分と受容体部分との間の分子エネルギー輸送
(MET)の原理を利用している。好ましい態様におい
て、METは、その中でオリゴヌクレオチドが供与体およ
び受容体部分で標識され、供与体部分から放出された蛍
光エネルギーが受容体部分によって吸収されるように供
与体部分はフルオロフォアであり、受容体部分はフルオ
ロフォアであってもよい、蛍光共鳴エネルギー輸送(FR
ET)である。本発明の一つの態様において、受容体部分
は供与体から異なる波長で吸収されたエネルギーを放出
するフルオロフォアである;次に、増幅反応の進行を評
価するために受容体の放出を測定してもよい。もう一つ
の態様において、受容体部分は消光剤である。
【0030】好ましい態様において、増幅プライマーは
供与体および受容体部分を共に含むヘアピンプライマー
で、受容体部分が供与体の蛍光を消光するように形成さ
れる。プライマーを増幅産物に組み入れてその立体配置
が変化し、消光が消失する場青、供与体部分の蛍光を検
出してもよい。
供与体および受容体部分を共に含むヘアピンプライマー
で、受容体部分が供与体の蛍光を消光するように形成さ
れる。プライマーを増幅産物に組み入れてその立体配置
が変化し、消光が消失する場青、供与体部分の蛍光を検
出してもよい。
【0031】一つの態様において、本発明は、その中で
プライマーが増幅産物に組み入れられない場合にMETが
起こる、ヘアピン構造を形成する核酸増幅プライマーを
提供する。好ましい態様において、プライマーを増幅産
物に組み入れない場合、プライマーは、その中で供与体
フルオロフォアのエネルギーが非蛍光性フルオロフォア
によって消光されるヘアピン構造を形成する。
プライマーが増幅産物に組み入れられない場合にMETが
起こる、ヘアピン構造を形成する核酸増幅プライマーを
提供する。好ましい態様において、プライマーを増幅産
物に組み入れない場合、プライマーは、その中で供与体
フルオロフォアのエネルギーが非蛍光性フルオロフォア
によって消光されるヘアピン構造を形成する。
【0032】もう一つの態様において、本発明は、オリ
ゴヌクレオチドを増幅産物に組み入れた場合にMETが起
こるように、直鎖状であるオリゴヌクレオチド(非二本
鎖)ならびに供与体部分および受容体部分で別々に標識
されたオリゴヌクレオチドを提供する。例えば、ブロッ
キングオリゴヌクレオチドおよびブロッキングオリゴヌ
クレオチドに相補的なリバースプライマーは、トリアン
プリフィケーション反応においてそのように標識するこ
とができる。
ゴヌクレオチドを増幅産物に組み入れた場合にMETが起
こるように、直鎖状であるオリゴヌクレオチド(非二本
鎖)ならびに供与体部分および受容体部分で別々に標識
されたオリゴヌクレオチドを提供する。例えば、ブロッ
キングオリゴヌクレオチドおよびブロッキングオリゴヌ
クレオチドに相補的なリバースプライマーは、トリアン
プリフィケーション反応においてそのように標識するこ
とができる。
【0033】さらにもう一つの態様において、供与体部
分および受容体部分は、増幅反応において用いられる1
本鎖の直鎖状オリゴヌクレオチド上に存在する。
分および受容体部分は、増幅反応において用いられる1
本鎖の直鎖状オリゴヌクレオチド上に存在する。
【0034】本発明はまた、増幅産物を直接検出する方
法も提供する。この改善された技法は2つの主な必要条
件を満たす。第一に、それは組み入れられないオリゴヌ
クレオチドを先に分離することなく増幅産物の検出を可
能にする。第二に、標識オリゴヌクレオチドを産物に組
み入れることによって、増幅産物の直接検出が可能とな
る。
法も提供する。この改善された技法は2つの主な必要条
件を満たす。第一に、それは組み入れられないオリゴヌ
クレオチドを先に分離することなく増幅産物の検出を可
能にする。第二に、標識オリゴヌクレオチドを産物に組
み入れることによって、増幅産物の直接検出が可能とな
る。
【0035】本発明は、組み入れられないオリゴヌクレ
オチドを増幅産物から分離する代わりに、先行技術のア
プローチのように、残りの遊離のオリゴヌクレオチドか
らのシグナルが、以下の方法の1つ(以上)において消
失する、標識オリゴヌクレオチド(例えば、プライマ
ー、ブロッキングオリゴヌクレオチド)の組み込みを通
じて増幅産物を直接検出する方法を提供する: a) 3'−5'エキソヌクレアーゼによる処置; b) プライマーオリゴヌクレオチド二本鎖が解離し、そ
の結果としていかなるシグナルも産生しない温度まで増
幅産物を加熱すること;または c) 供与体および受容体部分の双方によって標識され、
およびプライマーが増幅産物に組み込まれない場合に限
り、供与体から受容体へのエネルギー輸送が起こるヘア
ピン構造を形成することができるプライマーの使用。
オチドを増幅産物から分離する代わりに、先行技術のア
プローチのように、残りの遊離のオリゴヌクレオチドか
らのシグナルが、以下の方法の1つ(以上)において消
失する、標識オリゴヌクレオチド(例えば、プライマ
ー、ブロッキングオリゴヌクレオチド)の組み込みを通
じて増幅産物を直接検出する方法を提供する: a) 3'−5'エキソヌクレアーゼによる処置; b) プライマーオリゴヌクレオチド二本鎖が解離し、そ
の結果としていかなるシグナルも産生しない温度まで増
幅産物を加熱すること;または c) 供与体および受容体部分の双方によって標識され、
およびプライマーが増幅産物に組み込まれない場合に限
り、供与体から受容体へのエネルギー輸送が起こるヘア
ピン構造を形成することができるプライマーの使用。
【0036】さらなる態様において、本発明は反応管を
開けることなく検出を行うことのできる増幅産物の直接
検出法を提供する。この態様の「閉鎖試験管」形式によ
り、多くの応用においてPCRの受容を遅らせる増幅産物
採取の際の汚染の可能性が大きく減少する。閉鎖試験管
法はまた、試料の処理量が高く、完全に自動化してもよ
い。本発明はまた、核酸増幅産物の検出または測定のた
めのキットに関する。該キットは、増幅されるべき核酸
の存在が疾患または障害の有無と相関する診断キットで
あってもよい。
開けることなく検出を行うことのできる増幅産物の直接
検出法を提供する。この態様の「閉鎖試験管」形式によ
り、多くの応用においてPCRの受容を遅らせる増幅産物
採取の際の汚染の可能性が大きく減少する。閉鎖試験管
法はまた、試料の処理量が高く、完全に自動化してもよ
い。本発明はまた、核酸増幅産物の検出または測定のた
めのキットに関する。該キットは、増幅されるべき核酸
の存在が疾患または障害の有無と相関する診断キットで
あってもよい。
【0037】3.1. 定義
本明細書で用いられるように、以下の用語は略語で示
す。 ARMS、増幅不応性変異システム ASP、対立遺伝子特異的ポリメラーゼ連鎖反応 bp、塩基対 CRCA、カスケードローリングサークル増幅 DABまたはDABCYL、4-(4'-ジメチルアミノフェニルアゾ)
安息香酸 EDANS、5-(2'-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スル
ホン酸 FAMまたはFlu、5-カルボキシフルオレセイン FRET、蛍光共鳴エネルギー輸送 JOE、2' 7'-ジメトキシ-4' 5'-ジクロロ-6-カルボキシ
フルオレセイン HPLC、高速液体クロマトグラフィー MET、分子エネルギー輸送 NASBA、核酸配列に基づく増幅 PSA、前立腺特異的抗原 Rhod、ローダミン ROX、6-カルボキシ-X-ローダミン R6G、6-カルボキシローダミン SDA、鎖置換増幅 TAMRA、N,N,N',N'-テトラメチル-6-カルボキシローダミ
ン TRAP、テロメアリピート増幅プロトコル。
す。 ARMS、増幅不応性変異システム ASP、対立遺伝子特異的ポリメラーゼ連鎖反応 bp、塩基対 CRCA、カスケードローリングサークル増幅 DABまたはDABCYL、4-(4'-ジメチルアミノフェニルアゾ)
安息香酸 EDANS、5-(2'-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スル
ホン酸 FAMまたはFlu、5-カルボキシフルオレセイン FRET、蛍光共鳴エネルギー輸送 JOE、2' 7'-ジメトキシ-4' 5'-ジクロロ-6-カルボキシ
フルオレセイン HPLC、高速液体クロマトグラフィー MET、分子エネルギー輸送 NASBA、核酸配列に基づく増幅 PSA、前立腺特異的抗原 Rhod、ローダミン ROX、6-カルボキシ-X-ローダミン R6G、6-カルボキシローダミン SDA、鎖置換増幅 TAMRA、N,N,N',N'-テトラメチル-6-カルボキシローダミ
ン TRAP、テロメアリピート増幅プロトコル。
【0038】
【課題を解決するための手段】4. 発明の詳細な説明
本発明は、分子エネルギー輸送(MET)標識で検出可能
に標識された核酸の増幅のためのオリゴヌクレオチドに
関する。MET対の供与体および/または受容体部分を含
む本発明の1つ以上のオリゴヌクレオチドは、増幅産物
がMET対の供与体部分と受容体部分との双方を含むよう
に、増幅反応の増幅産物の中に組み入れられる。増幅産
物が二本鎖であれば、増幅産物に組み入れられたMET対
は同じ鎖上にあってもよく、増幅がトリアンプリフィケ
ーションの場合は反対の鎖上にあってもよい。増幅にお
いて用いられるポリメラーゼが5'−3'エキソヌクレアー
ゼ活性を有する特定の場合、MET対部分の1つは、この
エキソヌクレアーゼ活性によって増幅産物の集団の少な
くとも一部から開裂してもよい。そのようなエキソヌク
レアーゼ活性は発明の増幅法に有害ではない。
に標識された核酸の増幅のためのオリゴヌクレオチドに
関する。MET対の供与体および/または受容体部分を含
む本発明の1つ以上のオリゴヌクレオチドは、増幅産物
がMET対の供与体部分と受容体部分との双方を含むよう
に、増幅反応の増幅産物の中に組み入れられる。増幅産
物が二本鎖であれば、増幅産物に組み入れられたMET対
は同じ鎖上にあってもよく、増幅がトリアンプリフィケ
ーションの場合は反対の鎖上にあってもよい。増幅にお
いて用いられるポリメラーゼが5'−3'エキソヌクレアー
ゼ活性を有する特定の場合、MET対部分の1つは、この
エキソヌクレアーゼ活性によって増幅産物の集団の少な
くとも一部から開裂してもよい。そのようなエキソヌク
レアーゼ活性は発明の増幅法に有害ではない。
【0039】本発明はまた、本発明のこれらの標識オリ
ゴヌクレオチドを用いて核酸増幅産物を検出する方法に
関する。本発明はさらに、増幅産物の採取による汚染の
可能性を大きく低下させ、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)、トリアンプリフィケーション、および他の増幅系
を含む核酸配列の増幅のための多くの方法に適応可能
な、迅速、高感度、かつ信頼性のある増幅産物検出法に
関する。
ゴヌクレオチドを用いて核酸増幅産物を検出する方法に
関する。本発明はさらに、増幅産物の採取による汚染の
可能性を大きく低下させ、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)、トリアンプリフィケーション、および他の増幅系
を含む核酸配列の増幅のための多くの方法に適応可能
な、迅速、高感度、かつ信頼性のある増幅産物検出法に
関する。
【0040】本発明の核酸増幅オリゴヌクレオチドは、
供与体部分と受容体部分との間のMETの原理を利用して
いる。好ましい態様において、METは、オリゴヌクレオ
チドが供与体および受容体部分で標識され、供与体部分
によって放出された蛍光エネルギーが受容体部分によっ
て吸収されるように、供与体部分がフルオロフォアで、
受容体部分がフルオロフォアであってもよい、蛍光共鳴
エネルギー輸送(FRET)である。本発明の一つの態様に
おいて、受容体部分は、供与体から吸収されるエネルギ
ーを異なる波長で放出するフルオロフォアで;次に、増
幅反応の進行を評価するために、受容体の放出を測定し
てもよい。
供与体部分と受容体部分との間のMETの原理を利用して
いる。好ましい態様において、METは、オリゴヌクレオ
チドが供与体および受容体部分で標識され、供与体部分
によって放出された蛍光エネルギーが受容体部分によっ
て吸収されるように、供与体部分がフルオロフォアで、
受容体部分がフルオロフォアであってもよい、蛍光共鳴
エネルギー輸送(FRET)である。本発明の一つの態様に
おいて、受容体部分は、供与体から吸収されるエネルギ
ーを異なる波長で放出するフルオロフォアで;次に、増
幅反応の進行を評価するために、受容体の放出を測定し
てもよい。
【0041】好ましい態様において、増幅プライマーは
供与体部分および受容体部分を共に含み、受容体部分が
供与体の蛍光を消光するように形成されるヘアピンプラ
イマーである。増幅産物にプライマーを組み入れて、立
体配座が変化し、消光が消失する場合には、供与体部分
の蛍光を検出してもよい。
供与体部分および受容体部分を共に含み、受容体部分が
供与体の蛍光を消光するように形成されるヘアピンプラ
イマーである。増幅産物にプライマーを組み入れて、立
体配座が変化し、消光が消失する場合には、供与体部分
の蛍光を検出してもよい。
【0042】一つの態様において、本発明はプライマー
が増幅産物に組み入れられない場合にMETが起こる、ヘ
アピン構造を形成する核酸増幅プライマーを提供する。
好ましい態様において、プライマーが増幅産物の中に組
み入れられない場合、プライマーは、供与体フルオロフ
ォアのエネルギーが非蛍光性のフルオロフォアによって
消光するヘアピン構造を形成する。
が増幅産物に組み入れられない場合にMETが起こる、ヘ
アピン構造を形成する核酸増幅プライマーを提供する。
好ましい態様において、プライマーが増幅産物の中に組
み入れられない場合、プライマーは、供与体フルオロフ
ォアのエネルギーが非蛍光性のフルオロフォアによって
消光するヘアピン構造を形成する。
【0043】もう一つの態様において、本発明は、オリ
ゴヌクレオチドが増幅産物に組み入れられる場合にMET
が起こるように、直鎖状(非二本鎖)である、ならびに
供与体部分および受容体部分で個別に標識されたオリゴ
ヌクレオチドを提供する。例えば、ブロッキングオリゴ
ヌクレオチドおよびブロッキングオリゴヌクレオチドと
相補的なプライマーは、トリアンプリフィケーション反
応においてそのように標識することができる。
ゴヌクレオチドが増幅産物に組み入れられる場合にMET
が起こるように、直鎖状(非二本鎖)である、ならびに
供与体部分および受容体部分で個別に標識されたオリゴ
ヌクレオチドを提供する。例えば、ブロッキングオリゴ
ヌクレオチドおよびブロッキングオリゴヌクレオチドと
相補的なプライマーは、トリアンプリフィケーション反
応においてそのように標識することができる。
【0044】さらにもう一つの態様において、直鎖状プ
ライマー対を用いて、供与体部分および受容体部分は増
幅反応において用いられる1つの直鎖状プライマー上に
存在する。増幅反応がトリアンプリフィケーションであ
る場合には、供与体および受容体部分の双方で標識され
たオリゴヌクレオチドはブロッキングオリゴヌクレオチ
ドではない。
ライマー対を用いて、供与体部分および受容体部分は増
幅反応において用いられる1つの直鎖状プライマー上に
存在する。増幅反応がトリアンプリフィケーションであ
る場合には、供与体および受容体部分の双方で標識され
たオリゴヌクレオチドはブロッキングオリゴヌクレオチ
ドではない。
【0045】本発明は、(a)核酸を含む試料を少なく
とも2つのオリゴヌクレオチドに接触させる段階であっ
て、第一のオリゴヌクレオチドが該試料において存在す
る可能性がある予め選択された標的配列と相補的な配列
を含み、該第一および第二のオリゴヌクレオチドが、該
標的配列が試料中に存在する場合、該プライマーが該増
幅反応の増幅製品に組み入れられるように、該増幅反応
において用いられるように適合されるプライマー対であ
り;該プライマーの少なくとも1つは、分子エネルギー
輸送対の供与体部分および受容体部分からなる群より選
択される第一の部分で標識され;および同じまたは異な
るオリゴヌクレオチドが、該第二の部分が該第一の部分
ではない該群のメンバーである該供与体部分および該受
容体部分からなる群より選択される第二の部分で標識さ
れ、該第一の部分で標識される該プライマーおよび該第
二の部分で標識される該オリゴヌクレオチドが該増幅産
物に組み入れられるように形成され、供与体部分は励起
されると一つ以上の特定の波長のエネルギーを放出し、
受容体部分が供与体部分によって放出された一つ以上の
特定の波長でエネルギーを吸収する段階;(b)増幅反
応を行う段階;(c)該供与体部分からの光放出を刺激
する段階;および(d)該供与体部分または受容体部分
によって放出されたエネルギーを検出または測定する段
階を含む、核酸増幅反応の産物を検出または刺激する方
法を提供する。
とも2つのオリゴヌクレオチドに接触させる段階であっ
て、第一のオリゴヌクレオチドが該試料において存在す
る可能性がある予め選択された標的配列と相補的な配列
を含み、該第一および第二のオリゴヌクレオチドが、該
標的配列が試料中に存在する場合、該プライマーが該増
幅反応の増幅製品に組み入れられるように、該増幅反応
において用いられるように適合されるプライマー対であ
り;該プライマーの少なくとも1つは、分子エネルギー
輸送対の供与体部分および受容体部分からなる群より選
択される第一の部分で標識され;および同じまたは異な
るオリゴヌクレオチドが、該第二の部分が該第一の部分
ではない該群のメンバーである該供与体部分および該受
容体部分からなる群より選択される第二の部分で標識さ
れ、該第一の部分で標識される該プライマーおよび該第
二の部分で標識される該オリゴヌクレオチドが該増幅産
物に組み入れられるように形成され、供与体部分は励起
されると一つ以上の特定の波長のエネルギーを放出し、
受容体部分が供与体部分によって放出された一つ以上の
特定の波長でエネルギーを吸収する段階;(b)増幅反
応を行う段階;(c)該供与体部分からの光放出を刺激
する段階;および(d)該供与体部分または受容体部分
によって放出されたエネルギーを検出または測定する段
階を含む、核酸増幅反応の産物を検出または刺激する方
法を提供する。
【0046】試料中の核酸は精製してもよく、または精
製しなくてもよい。
製しなくてもよい。
【0047】特殊な態様において、本発明のオリゴヌク
レオチドは、新鮮なまたは保存された組織または細胞試
料について実施される、インサイチューハイブリダイゼ
ーション反応において用いられる。インサイチュー反応
では、増幅段階後に標的を正確かつ高感度で直接的に検
出できる方法を用いることが有利である。対照的に、パ
ラフィン抱埋組織における従来のインサイチューPCR
は、DNA修復メカニズムが例えばCNS、リンパ節、および
脾臓からの組織試料に必ず存在するため、ハイブリダイ
ゼーション段階による検出を必要とし、PCR段階の際の
リポーターヌクレオチドの直接取り込みによる検出を行
わない。典型的に、インサイチューPCRでは、ビオチン
またはジゴキシゲニン部分で標識された従来の直鎖状プ
ライマーが用いられる。しかも、そのような部分で標識
されたヌクレオチドの取り込みを増強するように増幅反
応条件を修飾する場合には、許容されない程高いバック
グラウンドと擬陽性結果が得られる。これは、標識され
たヌクレオチドを試料中の切れ目を入れたDNAの中に組
み入れる内因性DNA修復酵素の活性に帰因することがで
きる。他の研究者は、他のタイプの単標識PCRプライマ
ーを用いることを試みた(ヌオボ(Nuovo)、1997、「P
CRインサイチューハイブリダイゼーション:プロトコル
と応用」第3版、リッピンコット・レイブンプレス、ニ
ューヨーク)が、擬陰性結果につながりうる適当な感度
を得ることはできなかった。ハイブリダイゼーション段
階後に洗浄段階を必要とするために、従来のインサイチ
ューPCRプロトコルでは、さらなる時間および費用を要
する。したがって、増幅段階後の直接的な標的の正確か
つ感度のよい検出を可能にする方法を用いることが有利
である。そのような方法は本発明によって提供される。
レオチドは、新鮮なまたは保存された組織または細胞試
料について実施される、インサイチューハイブリダイゼ
ーション反応において用いられる。インサイチュー反応
では、増幅段階後に標的を正確かつ高感度で直接的に検
出できる方法を用いることが有利である。対照的に、パ
ラフィン抱埋組織における従来のインサイチューPCR
は、DNA修復メカニズムが例えばCNS、リンパ節、および
脾臓からの組織試料に必ず存在するため、ハイブリダイ
ゼーション段階による検出を必要とし、PCR段階の際の
リポーターヌクレオチドの直接取り込みによる検出を行
わない。典型的に、インサイチューPCRでは、ビオチン
またはジゴキシゲニン部分で標識された従来の直鎖状プ
ライマーが用いられる。しかも、そのような部分で標識
されたヌクレオチドの取り込みを増強するように増幅反
応条件を修飾する場合には、許容されない程高いバック
グラウンドと擬陽性結果が得られる。これは、標識され
たヌクレオチドを試料中の切れ目を入れたDNAの中に組
み入れる内因性DNA修復酵素の活性に帰因することがで
きる。他の研究者は、他のタイプの単標識PCRプライマ
ーを用いることを試みた(ヌオボ(Nuovo)、1997、「P
CRインサイチューハイブリダイゼーション:プロトコル
と応用」第3版、リッピンコット・レイブンプレス、ニ
ューヨーク)が、擬陰性結果につながりうる適当な感度
を得ることはできなかった。ハイブリダイゼーション段
階後に洗浄段階を必要とするために、従来のインサイチ
ューPCRプロトコルでは、さらなる時間および費用を要
する。したがって、増幅段階後の直接的な標的の正確か
つ感度のよい検出を可能にする方法を用いることが有利
である。そのような方法は本発明によって提供される。
【0048】特殊な態様において、本発明の増幅反応を
実施した後に検出および測定される、供与体部分(例え
ば、消光剤が受容体部分である場合)または受容体部分
(例えば、フルオロフォアまたは発色団が受容体部分で
ある場合)によって放出されたエネルギーは、試料中に
最初から存在する予め選択された標的配列の量と相関す
るため、それによってもとの試料中に存在する予め選択
された標的配列の量を測定することが可能になる。この
ように、本発明の方法を用いて、予め選択された標的配
列を含む染色体の数、DNAまたはRNAの量を定量的に測定
することができる。
実施した後に検出および測定される、供与体部分(例え
ば、消光剤が受容体部分である場合)または受容体部分
(例えば、フルオロフォアまたは発色団が受容体部分で
ある場合)によって放出されたエネルギーは、試料中に
最初から存在する予め選択された標的配列の量と相関す
るため、それによってもとの試料中に存在する予め選択
された標的配列の量を測定することが可能になる。この
ように、本発明の方法を用いて、予め選択された標的配
列を含む染色体の数、DNAまたはRNAの量を定量的に測定
することができる。
【0049】PCRまたは鎖置換増幅において用いられる
フォワードプライマーとリバースプライマーとを含む一
対のプライマーは、核酸ポリメラーゼによって他のプラ
イマーの方向において1つのプライマーの伸長産物を生
じる場合に、伸長産物がもう一方のプライマーの伸長産
物合成の鋳型として作用することができるように、二つ
の相補的核酸鎖の異なる鎖とそれぞれ相補的であるプラ
イマーを含む。トリアンプリフィケーションにおいて用
いられる、フォワードプライマーとリバースプライマー
とを含む一対のプライマーは、核酸ポリメラーゼよび核
酸リガーゼによってもう一つのプライマーの方向におけ
る1つのプライマーの伸長ライゲーション産物を産生す
る場合、拡張ライゲーション産物がもう一つのプライマ
ーの伸長ライゲーション産物合成の鋳型として作用する
ことができるように、それぞれが2つの相補的核酸鎖の
異なる鎖と相補的であるプライマーを含む。これらの例
における増幅産物はプライマー配列の間またはプライマ
ー配列を含む試料中の核酸含量である。
フォワードプライマーとリバースプライマーとを含む一
対のプライマーは、核酸ポリメラーゼによって他のプラ
イマーの方向において1つのプライマーの伸長産物を生
じる場合に、伸長産物がもう一方のプライマーの伸長産
物合成の鋳型として作用することができるように、二つ
の相補的核酸鎖の異なる鎖とそれぞれ相補的であるプラ
イマーを含む。トリアンプリフィケーションにおいて用
いられる、フォワードプライマーとリバースプライマー
とを含む一対のプライマーは、核酸ポリメラーゼよび核
酸リガーゼによってもう一つのプライマーの方向におけ
る1つのプライマーの伸長ライゲーション産物を産生す
る場合、拡張ライゲーション産物がもう一つのプライマ
ーの伸長ライゲーション産物合成の鋳型として作用する
ことができるように、それぞれが2つの相補的核酸鎖の
異なる鎖と相補的であるプライマーを含む。これらの例
における増幅産物はプライマー配列の間またはプライマ
ー配列を含む試料中の核酸含量である。
【0050】本明細書で示すように、「相補的」である
核酸は、相補性に由来する望ましい特性、例えばハイブ
リダイズ能が失われない限り、完全または不完全に相補
的であることができる。
核酸は、相補性に由来する望ましい特性、例えばハイブ
リダイズ能が失われない限り、完全または不完全に相補
的であることができる。
【0051】特殊な態様において、本発明は、(a)少
なくとも2つのオリゴヌクレオチドプライマーに核酸を
含む試料を接触させる段階であって、予め選択された標
的配列が試料中に存在する場合、増幅反応の増幅産物の
中にプライマーが組み入れられるように、オリゴヌクレ
オチドプライマーを該増幅反応に用いられるように適合
させた;少なくとも1つの該オリゴヌクレオチドプライ
マーが、供与体部分および受容体部分で標識した発明の
ヘアピンプライマーである段階;(b)増幅反応を行う
段階;(c)該供与体部分からエネルギー放出を刺激す
る段階;および(d)該供与体部分によって放出された
エネルギーを検出または測定する段階を含む、核酸増幅
反応の産物を検出または測定する方法を提供する。
なくとも2つのオリゴヌクレオチドプライマーに核酸を
含む試料を接触させる段階であって、予め選択された標
的配列が試料中に存在する場合、増幅反応の増幅産物の
中にプライマーが組み入れられるように、オリゴヌクレ
オチドプライマーを該増幅反応に用いられるように適合
させた;少なくとも1つの該オリゴヌクレオチドプライ
マーが、供与体部分および受容体部分で標識した発明の
ヘアピンプライマーである段階;(b)増幅反応を行う
段階;(c)該供与体部分からエネルギー放出を刺激す
る段階;および(d)該供与体部分によって放出された
エネルギーを検出または測定する段階を含む、核酸増幅
反応の産物を検出または測定する方法を提供する。
【0052】本発明はまた、増幅産物を直接的に検出す
る方法を提供する。この改良された技法は二つの主な必
要条件を満たす。第一に、取り込まれていないオリゴヌ
クレオチドを分離する前に増幅産物を検出することが可
能になる。第二に、標識されたオリゴヌクレオチドを産
物に組み入れることによって、増幅産物を直接的に検出
することが可能になる。
る方法を提供する。この改良された技法は二つの主な必
要条件を満たす。第一に、取り込まれていないオリゴヌ
クレオチドを分離する前に増幅産物を検出することが可
能になる。第二に、標識されたオリゴヌクレオチドを産
物に組み入れることによって、増幅産物を直接的に検出
することが可能になる。
【0053】本発明は、未反応オリゴヌクレオチドを増
幅産物から分離する代わりに、先行技術のアプローチの
ように、残りの遊離のオリゴヌクレオチドからのシグナ
ルを以下の1つ(以上)の方法において消失させる、標
識されたオリゴヌクレオチド(例えば、プライマー、ブ
ロッキングオリゴヌクレオチド)の組み込みを通じて増
幅産物を直接検出する方法を提供する: a) 3'−5'エキソヌクレアーゼでの処置; b) プライマーオリゴヌクレオチド二本鎖が解離してそ
の結果いかなるシグナルも生じないような温度に増幅産
物を加熱すること;または c) プライマーが増幅産物に組み込まれない場合に限
り、供与体から受容体へのエネルギー輸送が起こる、供
与体および受容体部分の双方で標識され、ヘアピン構造
を形成することができるプライマーを用いること。
幅産物から分離する代わりに、先行技術のアプローチの
ように、残りの遊離のオリゴヌクレオチドからのシグナ
ルを以下の1つ(以上)の方法において消失させる、標
識されたオリゴヌクレオチド(例えば、プライマー、ブ
ロッキングオリゴヌクレオチド)の組み込みを通じて増
幅産物を直接検出する方法を提供する: a) 3'−5'エキソヌクレアーゼでの処置; b) プライマーオリゴヌクレオチド二本鎖が解離してそ
の結果いかなるシグナルも生じないような温度に増幅産
物を加熱すること;または c) プライマーが増幅産物に組み込まれない場合に限
り、供与体から受容体へのエネルギー輸送が起こる、供
与体および受容体部分の双方で標識され、ヘアピン構造
を形成することができるプライマーを用いること。
【0054】さらなる態様において、本発明は反応試験
管を開けることなく検出を行うことのできる増幅産物の
直接的検出法を提供する。この態様、すなわち「閉鎖試
験管」形式は、PCRの多くの適用での利用が遅れる一因
である、増幅産物採取の際の汚染の可能性を大きく減少
させる。閉鎖試験管法はまた試料の処理量が高く、完全
に自動化することができる。本発明はまた、核酸増幅産
物の検出または測定のためのキットに関する。そのよう
なキットは、増幅された核酸の存在が疾患または障害の
有無と相関する診断的キットであってもよい。
管を開けることなく検出を行うことのできる増幅産物の
直接的検出法を提供する。この態様、すなわち「閉鎖試
験管」形式は、PCRの多くの適用での利用が遅れる一因
である、増幅産物採取の際の汚染の可能性を大きく減少
させる。閉鎖試験管法はまた試料の処理量が高く、完全
に自動化することができる。本発明はまた、核酸増幅産
物の検出または測定のためのキットに関する。そのよう
なキットは、増幅された核酸の存在が疾患または障害の
有無と相関する診断的キットであってもよい。
【0055】開示を明らかにするために、制限する目的
ではなく、発明の詳細な説明を以下の章に分割する。
ではなく、発明の詳細な説明を以下の章に分割する。
【0056】4.1. オリゴヌクレオチド
本発明は、増幅された産物に取り込まれ、分子エネルギ
ー転移(MET)と、好ましくは、蛍光共鳴エネルギー転
移(FRET)とを利用する、核酸増幅のためのオリゴヌク
レオチドを提供する。本発明のオリゴヌクレオチドを、
供与体部分および/または受容体部分、すなわち「MET
対」で標識する。受容体部分は、単に、供与体部分の発
光を消光するか、または供与体部分からの発光により励
起されると、エネルギーを放出することができる。好ま
しい態様において、供与体部分から放出される蛍光エネ
ルギーが、受容体部分によって吸収されるように、供与
体部分はフルオロフォアであり、受容体部分は、フルオ
ロフォアであってもそうでなくてもよい。標識されたオ
リゴヌクレオチドは、フォワードプライマーおよび/も
しくはリバースプライマーであり、ならびに/またはト
リアンプリフィケーションの場合には、ブロッキングオ
リゴヌクレオチドである。少なくとも一組のMET対が、
増幅産物の中に取り込まれるよう(ただし、5'-3'エキ
ソヌクレアーゼ活性があると、引き続き、それによっ
て、増幅産物集団の少なくともいくつかから一部が除去
されるかもしれない)、増幅反応で用いるオリゴヌクレ
オチドを標識する。
ー転移(MET)と、好ましくは、蛍光共鳴エネルギー転
移(FRET)とを利用する、核酸増幅のためのオリゴヌク
レオチドを提供する。本発明のオリゴヌクレオチドを、
供与体部分および/または受容体部分、すなわち「MET
対」で標識する。受容体部分は、単に、供与体部分の発
光を消光するか、または供与体部分からの発光により励
起されると、エネルギーを放出することができる。好ま
しい態様において、供与体部分から放出される蛍光エネ
ルギーが、受容体部分によって吸収されるように、供与
体部分はフルオロフォアであり、受容体部分は、フルオ
ロフォアであってもそうでなくてもよい。標識されたオ
リゴヌクレオチドは、フォワードプライマーおよび/も
しくはリバースプライマーであり、ならびに/またはト
リアンプリフィケーションの場合には、ブロッキングオ
リゴヌクレオチドである。少なくとも一組のMET対が、
増幅産物の中に取り込まれるよう(ただし、5'-3'エキ
ソヌクレアーゼ活性があると、引き続き、それによっ
て、増幅産物集団の少なくともいくつかから一部が除去
されるかもしれない)、増幅反応で用いるオリゴヌクレ
オチドを標識する。
【0057】本発明の一つの態様において、受容体部分
は、異なる波長で供与体から吸収したエネルギーを放出
するフルオロフォアであり、次に、増幅反応の進行を評
価するために、供与体および受容体部分が、METが生じ
るのに十分な近位で増幅産物の中に取り込まれるか否か
に依存して、供与体および/または受容体の発光の利用
を測定することができる。別の態様において、受容体部
分は、供与体および受容体部分が、METが生じるのに十
分な近位で増幅産物の中に取り込まれたときに、供与体
の蛍光を消光する消光物質である。
は、異なる波長で供与体から吸収したエネルギーを放出
するフルオロフォアであり、次に、増幅反応の進行を評
価するために、供与体および受容体部分が、METが生じ
るのに十分な近位で増幅産物の中に取り込まれるか否か
に依存して、供与体および/または受容体の発光の利用
を測定することができる。別の態様において、受容体部
分は、供与体および受容体部分が、METが生じるのに十
分な近位で増幅産物の中に取り込まれたときに、供与体
の蛍光を消光する消光物質である。
【0058】さらに特異的な態様において(以下の5.1.
1節を参照のこと)、プライマーが増幅産物に取り込ま
れないときは、FRETが起こるヘアピン構造を形成するオ
リゴヌクレオチドプライマーが用いられる。好ましい態
様において、供与体-消光物質FRET対によって、ヘアピ
ンプライマーを標識する。ヘアピンプライマーが増幅産
物に取り込まれると、その構造が変化し(すなわち、直
鎖化し)、消光がなくなるため、供与体の蛍光が検出さ
れるようになる。
1節を参照のこと)、プライマーが増幅産物に取り込ま
れないときは、FRETが起こるヘアピン構造を形成するオ
リゴヌクレオチドプライマーが用いられる。好ましい態
様において、供与体-消光物質FRET対によって、ヘアピ
ンプライマーを標識する。ヘアピンプライマーが増幅産
物に取り込まれると、その構造が変化し(すなわち、直
鎖化し)、消光がなくなるため、供与体の蛍光が検出さ
れるようになる。
【0059】さらに別の態様において(以下の5.1.2節
を参照のこと)、標識されたオリゴヌクレオチドでプラ
イマーとなりうるもの、またはトリアンプリフィケーシ
ョンの場合にはブロッキングオリゴヌクレオチドとなり
うるものは、ヘアピンの形態を形成しない直鎖状分子で
ある。一つの態様において、供与体-受容体のFRET対
は、同一の一本鎖のオリゴヌクレオチドプライマーの上
に位置している。別の態様において、供与体部分は、第
一ヌクレオチドに位置しており、受容体は、第二のオリ
ゴヌクレオチド上に位置している。特異的な態様におい
て、2種類のFRET-標識したオリゴヌクレオチドの一方
は、トリアンプリフィケーションに対するプライマーで
あり、もう一つのFRET-標識したオリゴヌクレオチド
は、トリアンプリフィケーションに対するブロッカーで
ある(5.4.2節)。
を参照のこと)、標識されたオリゴヌクレオチドでプラ
イマーとなりうるもの、またはトリアンプリフィケーシ
ョンの場合にはブロッキングオリゴヌクレオチドとなり
うるものは、ヘアピンの形態を形成しない直鎖状分子で
ある。一つの態様において、供与体-受容体のFRET対
は、同一の一本鎖のオリゴヌクレオチドプライマーの上
に位置している。別の態様において、供与体部分は、第
一ヌクレオチドに位置しており、受容体は、第二のオリ
ゴヌクレオチド上に位置している。特異的な態様におい
て、2種類のFRET-標識したオリゴヌクレオチドの一方
は、トリアンプリフィケーションに対するプライマーで
あり、もう一つのFRET-標識したオリゴヌクレオチド
は、トリアンプリフィケーションに対するブロッカーで
ある(5.4.2節)。
【0060】本発明の増幅反応で用いるためのオリゴヌ
クレオチドは、適当なサイズであればよく、好ましく
は、10〜100ヌクレオチドの範囲、または10〜80ヌクレ
オチドの範囲にあり、より好ましくは、20〜40ヌクレオ
チドである。
クレオチドは、適当なサイズであればよく、好ましく
は、10〜100ヌクレオチドの範囲、または10〜80ヌクレ
オチドの範囲にあり、より好ましくは、20〜40ヌクレオ
チドである。
【0061】このオリゴヌクレオチドは、それが、望ま
しい増幅反応をプライミングできる限り、または、ブロ
ッキングオリゴヌクレオチドの場合にはブロッキングオ
リゴヌクレオチドとして機能することができる限り、DN
AもしくはRNA、またはそれらのキメラ混合物もしくは誘
導体もしくは修飾したものでもよい。オリゴヌクレオチ
ドは、MET部分で標識するほか、塩基部分、糖部分、ま
たはリン酸骨格で修飾することができ、また、それが、
望ましい増幅反応をプライミングできる限り、または場
合によっては、ブロッキングオリゴヌクレオチドとして
機能することができる限り、その他の付加基や標識を含
むことができる。
しい増幅反応をプライミングできる限り、または、ブロ
ッキングオリゴヌクレオチドの場合にはブロッキングオ
リゴヌクレオチドとして機能することができる限り、DN
AもしくはRNA、またはそれらのキメラ混合物もしくは誘
導体もしくは修飾したものでもよい。オリゴヌクレオチ
ドは、MET部分で標識するほか、塩基部分、糖部分、ま
たはリン酸骨格で修飾することができ、また、それが、
望ましい増幅反応をプライミングできる限り、または場
合によっては、ブロッキングオリゴヌクレオチドとして
機能することができる限り、その他の付加基や標識を含
むことができる。
【0062】例えば、オリゴヌクレオチドは、5-フルオ
ロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-
ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセ
チルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシ
ル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウルジ
ン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒド
ロウラシル、ベータ-D-ガラクトシルキューオシン、イ
ノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニ
ン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチ
ルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-
メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-
メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル
-2-チオウラシル、ベータ-D-マンノシルキューオシン、
5'-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウ
ラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウ
ラシル-5-オキシ酢酸(v)、ワイオシン、シュードウラ
シル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チ
オウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチ
ルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、
ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、5-メチル-2-チオウラシ
ル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシ
ル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリンからなる群よ
り選択されるが、これらに制限されない、少なくとも一
つの修飾塩基部分を含むことができる。
ロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-
ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセ
チルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシ
ル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウルジ
ン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒド
ロウラシル、ベータ-D-ガラクトシルキューオシン、イ
ノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニ
ン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチ
ルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-
メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-
メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル
-2-チオウラシル、ベータ-D-マンノシルキューオシン、
5'-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウ
ラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウ
ラシル-5-オキシ酢酸(v)、ワイオシン、シュードウラ
シル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チ
オウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチ
ルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、
ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、5-メチル-2-チオウラシ
ル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシ
ル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリンからなる群よ
り選択されるが、これらに制限されない、少なくとも一
つの修飾塩基部分を含むことができる。
【0063】別の態様において、オリゴヌクレオチド
は、アラビノース、2-フルオロアラビノース、キシルロ
ース、およびヘキソースからなる群より選択されるが、
これらに限定されない、少なくとも一つの修飾された糖
部分を含んでいる。
は、アラビノース、2-フルオロアラビノース、キシルロ
ース、およびヘキソースからなる群より選択されるが、
これらに限定されない、少なくとも一つの修飾された糖
部分を含んでいる。
【0064】さらに別の態様において、オリゴヌクレオ
チドは、ホスホロチオ酸、ホスホロジチオ酸、ホスホラ
ミドチオ酸、ホスホラミド酸、ホスホロジアミド酸、メ
チルホスホン酸、アルキルホスホトリエステル、および
ホルムアセタール、またはそれらの類似化合物からなる
群より選択される、少なくとも一つの修飾されたリン酸
骨格部分を含んでいる。
チドは、ホスホロチオ酸、ホスホロジチオ酸、ホスホラ
ミドチオ酸、ホスホラミド酸、ホスホロジアミド酸、メ
チルホスホン酸、アルキルホスホトリエステル、および
ホルムアセタール、またはそれらの類似化合物からなる
群より選択される、少なくとも一つの修飾されたリン酸
骨格部分を含んでいる。
【0065】当技術分野において既知の標準的な方法に
よって、例えば、自動DNA合成機(バイオサーチ社(Bio
search)、アプライド・バイオシステムズ社(Applied
Biosystems)などから購入可能なもの)を使用して、本
発明のオリゴヌクレオチドを合成することができる。実
施例としては、Steinらの方法(1988、Nucl. AcidsRes.
16:3209)によって、ホスホロチオ酸オリゴヌクレオチ
ドを合成することができ、制御された多孔質ガラス(co
ntrolled pore glass)ポリマー担体を使用して(Sarin
ら、1988、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:7448-745
1)、メチルホスホン酸オリゴヌクレオチドを合成する
ことができるなどである。
よって、例えば、自動DNA合成機(バイオサーチ社(Bio
search)、アプライド・バイオシステムズ社(Applied
Biosystems)などから購入可能なもの)を使用して、本
発明のオリゴヌクレオチドを合成することができる。実
施例としては、Steinらの方法(1988、Nucl. AcidsRes.
16:3209)によって、ホスホロチオ酸オリゴヌクレオチ
ドを合成することができ、制御された多孔質ガラス(co
ntrolled pore glass)ポリマー担体を使用して(Sarin
ら、1988、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:7448-745
1)、メチルホスホン酸オリゴヌクレオチドを合成する
ことができるなどである。
【0066】当技術分野において既知の標準的な方法に
よって、例えば、自動DNA合成機(バイオサーチ社(Bio
search)、アプライド・バイオシステムズ社(Applied
Biosystems)、および標準的なホスホルアミダイト化学
法を用いた、ポリヌクレオチドのデノボ化学合成によっ
て、または、非特異的な核酸切断する化学薬品もしくは
酵素、または部位特異的な制限エンドヌクレアーゼを用
いて、大きな核酸の断片を切断して、本発明のオリゴヌ
クレオチドを得ることができる。
よって、例えば、自動DNA合成機(バイオサーチ社(Bio
search)、アプライド・バイオシステムズ社(Applied
Biosystems)、および標準的なホスホルアミダイト化学
法を用いた、ポリヌクレオチドのデノボ化学合成によっ
て、または、非特異的な核酸切断する化学薬品もしくは
酵素、または部位特異的な制限エンドヌクレアーゼを用
いて、大きな核酸の断片を切断して、本発明のオリゴヌ
クレオチドを得ることができる。
【0067】当技術分野において既知の方法により、自
動DNA合成機を用いて、オリゴヌクレオチドを合成する
ための好ましい方法を行う。例えば、ホスホロチオ酸オ
リゴヌクレオチドは、Steinらの方法(1988、Nucl. Aci
ds Res. 16:3209-3221)によって合成することができ、
メチルホスホン酸オリゴヌクレオチドは、制御された多
孔質ガラス(controlled pore glass)ポリマー担体を
使用して(Sarinら、1988、Proc. Natl.Acad. Sci. USA
85:7448-7451)調製することができるなどである。所
望のオリゴヌクレオチドが合成されたら、存在する全て
の保護基を除去するための、当技術分野において既知の
方法によって、それが合成され、処理された固形担体か
ら、オリゴヌクレオチドを切断する。そして、抽出およ
びゲル精製を含む、当技術分野において既知の方法によ
って、オリゴヌクレオチドを精製することができる。ア
クリルアミドゲルで分離されたオリゴヌクレオチドを調
べるか、または分光光度計で260 nmにおける光学密度を
測定することによって、オリゴヌクレオチドの濃度およ
び純度を決定することができる。
動DNA合成機を用いて、オリゴヌクレオチドを合成する
ための好ましい方法を行う。例えば、ホスホロチオ酸オ
リゴヌクレオチドは、Steinらの方法(1988、Nucl. Aci
ds Res. 16:3209-3221)によって合成することができ、
メチルホスホン酸オリゴヌクレオチドは、制御された多
孔質ガラス(controlled pore glass)ポリマー担体を
使用して(Sarinら、1988、Proc. Natl.Acad. Sci. USA
85:7448-7451)調製することができるなどである。所
望のオリゴヌクレオチドが合成されたら、存在する全て
の保護基を除去するための、当技術分野において既知の
方法によって、それが合成され、処理された固形担体か
ら、オリゴヌクレオチドを切断する。そして、抽出およ
びゲル精製を含む、当技術分野において既知の方法によ
って、オリゴヌクレオチドを精製することができる。ア
クリルアミドゲルで分離されたオリゴヌクレオチドを調
べるか、または分光光度計で260 nmにおける光学密度を
測定することによって、オリゴヌクレオチドの濃度およ
び純度を決定することができる。
【0068】本発明のオリゴヌクレオチドを、化学合成
の過程で、供与体部分および受容体部分によって標識す
るか、または合成後に当技術分野において既知の方法に
よって標識を付着させることができる。特異的な態様に
おいて、次の供与体と受容体とのMET対が用いられる。
すなわち、例えば、テルビウムキレート化合物、または
ランタニドキレート化合物などの発光ランタニドキレー
ト化合物を供与体として用い、フルオロセイン、ローダ
ミン、またはCY-5などの有機染料を受容体として用い
る。好ましくは、テルビウムを供与体として用い、フル
オロセインもしくはローダミンを受容体として用いる
か、またはユウロピウムを供与体として用い、CY-5を受
容体として用いる。別の特異的な態様においては、供与
体は、例えば、フルオロセイン、ローダミン、またはCY
-5などの蛍光物質で、受容体は、例えば、ランタニドキ
レート化合物などの発光物質である。さらに別の態様に
おいて、エネルギー供与体は、例えば、ランタニドキレ
ート化合物などの発光物質で、エネルギー受容体は非蛍
光物質である。エネルギー転移により、供与体の発光の
減少がもたらされる。
の過程で、供与体部分および受容体部分によって標識す
るか、または合成後に当技術分野において既知の方法に
よって標識を付着させることができる。特異的な態様に
おいて、次の供与体と受容体とのMET対が用いられる。
すなわち、例えば、テルビウムキレート化合物、または
ランタニドキレート化合物などの発光ランタニドキレー
ト化合物を供与体として用い、フルオロセイン、ローダ
ミン、またはCY-5などの有機染料を受容体として用い
る。好ましくは、テルビウムを供与体として用い、フル
オロセインもしくはローダミンを受容体として用いる
か、またはユウロピウムを供与体として用い、CY-5を受
容体として用いる。別の特異的な態様においては、供与
体は、例えば、フルオロセイン、ローダミン、またはCY
-5などの蛍光物質で、受容体は、例えば、ランタニドキ
レート化合物などの発光物質である。さらに別の態様に
おいて、エネルギー供与体は、例えば、ランタニドキレ
ート化合物などの発光物質で、エネルギー受容体は非蛍
光物質である。エネルギー転移により、供与体の発光の
減少がもたらされる。
【0069】別の特異的な態様において、供与体部分
は、フルオロフォアである。別の特異的な態様において
は、供与体部分も受容体部分もフルオロフォアである。
FRET対における供与体または受容体として選択されうる
適当な部分が表1に示されている。
は、フルオロフォアである。別の特異的な態様において
は、供与体部分も受容体部分もフルオロフォアである。
FRET対における供与体または受容体として選択されうる
適当な部分が表1に示されている。
【表1】
────────────────────────────────────
表1.FRET対における供与体または受容体として選択されうる適当な部分
4-アセトアミド-4'-イソチオシアナトスチルベン-2,2'-ジスルホン酸
────────────────────────────────────
アクリジンおよび誘導体:
アクリジン
アクリジンイソチオシアネート
5-(2'-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS)
4-アミノ-N-[3-ビニルスルフォニル)フェニル]ナフタルイミド-3,5ジスルホン酸
(ルシファーイエロー VS)
N-(4-アニリノ-1- ナフチル)マレイミド
アントラニルアミド
ブリリアントイエロー
クマリンおよび誘導体:
クマリン
7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120)
7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン(クマリン151)
シアノシン
4',6-ジアミニヂノ-2-フェニルインドール(DAPI)
5',5''-ジブロモピロガロル-スルホンフタレイン(ブロモピロガロルレッド)
7-ジエチルアミノ-3-(4'-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン
ジエチレントリアミンペンタアセテート
4,4'-ジイソチオシアナトジヒドロ-スチルベン-2,2'-ジスルホン酸
4,4'-ジイソチオシアナトスチルベン-2,2'-ジスルホン酸
5-[ジメチルアミノ]ナフタレン-1-スルフォニルクロリド(DNS、ダンシルクロリ
ド)
4-(4'-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL)
4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4'-イソチオシアネート(DABITC)
エオシンおよび誘導体:
エオシン
エオシンイソチオシアネート
エリスロシンおよび誘導体:
エリスロシンB
エリスロシンイソチオシアネート
エチジウム
フルオロセインおよび誘導体:
5-カルボキシフルオロセイン(FAM)
5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノフルオレセイン(DTAF)
2'7'-ジメトキシ-4'5'-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)
フルオレセイン
フルオレセインイソチオシアネート
QFITC(XRITC)
フルオレサミン
IR144
IR1446
マラカイトグリーンイソチオシアネート
4-メチルウンベリフェロン
オルトクレゾールフタレイン
ニトロチロシン
パラローズアニリン
フェノールレッド
B-フィコエリスリン
O-フタルジアルデヒド
ピレンおよび誘導体:
ピレン
ピレン酪酸
サクシンイミジル 1-ピレン酪酸
リアクティブレッド4 (商標登録シバクロン(Cibacron)ブリリアントレッド3
B-A)
ローダミンおよび誘導体:
6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)
6-カルボキシローダミン(R6G)
リスアミンローダミンBスルフォニルクロリド
ローダミン(Rhod)
ローダミンB
ローダミン123
ローダミンXイソチオシアネート
スルフォローダミンB
スルフォローダミン101
スルフォローダミン101のスルフォニルクロリド誘導体(テキサスレッド)
N,N,N',N'-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)
テトラメチルローダミン
テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)
リボフラビン
ロゾール酸
テルビウムキレート化合物誘導体
────────────────────────────────────
【0070】当業者は、当技術分野において既知の分光
測定技術を用いて、どのフルオロフォアが、適当な供与
体-受容体のFRET対を作るかを、容易に判定することが
できる。例えば、FAM(525 nmの発光最大値をもつ)
は、FRET対において、TAMRA、ROX、およびR6G(これら
はすべて、514 nmの励起最大値をもつ)に対する適当な
供与体である。アミノ-モディファイアー(Amino-Modif
ier)C6 dT(グレンリサーチ社)を用いて、指定された
位置に修飾されたT-塩基が導入されるように、好ましく
は、プライマーを合成過程で修飾し、ジュ(Ju)ら(19
95、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:4347〜4351)によ
って説明されているところにしたがって、一次的なアミ
ノ基を修飾されたT-塩基に取り込む。これらの修飾は、
この後、オリゴヌクレオチドの指定された位置に、蛍光
色素を取り込むために用いることができる。
測定技術を用いて、どのフルオロフォアが、適当な供与
体-受容体のFRET対を作るかを、容易に判定することが
できる。例えば、FAM(525 nmの発光最大値をもつ)
は、FRET対において、TAMRA、ROX、およびR6G(これら
はすべて、514 nmの励起最大値をもつ)に対する適当な
供与体である。アミノ-モディファイアー(Amino-Modif
ier)C6 dT(グレンリサーチ社)を用いて、指定された
位置に修飾されたT-塩基が導入されるように、好ましく
は、プライマーを合成過程で修飾し、ジュ(Ju)ら(19
95、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:4347〜4351)によ
って説明されているところにしたがって、一次的なアミ
ノ基を修飾されたT-塩基に取り込む。これらの修飾は、
この後、オリゴヌクレオチドの指定された位置に、蛍光
色素を取り込むために用いることができる。
【0071】供与体部分と受容体部分との間の最適な距
離は、供与体部分の発光が、受容体部分によって吸収さ
れる距離である。この最適距離は、用いられる特異的な
部分によってさまざまであり、当業者は、当技術分野に
おいて既知の技術を用いて、容易に決定することができ
る。受容体部分が、検出されるべきエネルギーを放出す
るフルオロフォアであることが望ましいエネルギー転移
では、供与体フルオロフォアと受容体フルオロフォア
は、好ましくは、30ヌクレオチドまでの距離で、より好
ましくは3〜20ヌクレオチドまでの距離で、また、より
好ましくは6〜12ヌクレオチドまでの距離で隔てられて
いる。受容体部分が、供与体の発光を消光することが望
ましいエネルギー転移では、供与体部分と受容体部分
は、好ましくは、1ヌクレオチド以下の距離(例えば、
二本鎖構造の反対鎖上の相補的ヌクレオチド)で隔てら
れているが、5ヌクレオチドの距離(らせん一回転分)
も、用いる利点がある。
離は、供与体部分の発光が、受容体部分によって吸収さ
れる距離である。この最適距離は、用いられる特異的な
部分によってさまざまであり、当業者は、当技術分野に
おいて既知の技術を用いて、容易に決定することができ
る。受容体部分が、検出されるべきエネルギーを放出す
るフルオロフォアであることが望ましいエネルギー転移
では、供与体フルオロフォアと受容体フルオロフォア
は、好ましくは、30ヌクレオチドまでの距離で、より好
ましくは3〜20ヌクレオチドまでの距離で、また、より
好ましくは6〜12ヌクレオチドまでの距離で隔てられて
いる。受容体部分が、供与体の発光を消光することが望
ましいエネルギー転移では、供与体部分と受容体部分
は、好ましくは、1ヌクレオチド以下の距離(例えば、
二本鎖構造の反対鎖上の相補的ヌクレオチド)で隔てら
れているが、5ヌクレオチドの距離(らせん一回転分)
も、用いる利点がある。
【0072】さらに別の態様において、ヌクレオチド
は、さらに、32P、35S、3Hなどを含む、当技術分野にお
いて既知の検出可能なマーカーによって、または、アル
カリホスファターゼ、またはホースラディッシュパーオ
キシダーゼなど、特定の化学反応が行われると、検出可
能なシグナルを産生する酵素的マーカーによって標識す
ることができる。このような酵素マーカーは、増幅処理
の変性段階を生き延びるために、好ましくは熱に安定的
である。
は、さらに、32P、35S、3Hなどを含む、当技術分野にお
いて既知の検出可能なマーカーによって、または、アル
カリホスファターゼ、またはホースラディッシュパーオ
キシダーゼなど、特定の化学反応が行われると、検出可
能なシグナルを産生する酵素的マーカーによって標識す
ることができる。このような酵素マーカーは、増幅処理
の変性段階を生き延びるために、好ましくは熱に安定的
である。
【0073】また、オリゴヌクレオチドは、ハプテンま
たは標識されたアビジンが結合することができるビオチ
ンもしくは標識された抗-ジゴキシゲニン抗体が結合す
ることのできるジゴキシゲニンなどの分子に共有的に結
合されたヌクレオチドを取り込むことによって、間接的
に標識される。オリゴヌクレオチドは、化学合成の過程
で補助的に標識することができ、または合成後に、当技
術分野において既知の方法によって、補助的な標識を付
着させることができる。
たは標識されたアビジンが結合することができるビオチ
ンもしくは標識された抗-ジゴキシゲニン抗体が結合す
ることのできるジゴキシゲニンなどの分子に共有的に結
合されたヌクレオチドを取り込むことによって、間接的
に標識される。オリゴヌクレオチドは、化学合成の過程
で補助的に標識することができ、または合成後に、当技
術分野において既知の方法によって、補助的な標識を付
着させることができる。
【0074】本発明のオリゴヌクレオチドは、核酸の増
幅反応において、プライマーとして、またはトリアンプ
リフィケーションの場合には、ブロッキングオリゴヌク
レオチドとして、核酸の増幅産物を検出または測定する
ために用いられ、それによって、3'側プライマー配列に
相補的な、試料中の標的核酸が検出、測定される。した
がって、3'プライマー配列が、例えば、ウイルス、細
菌、寄生生物、および菌類を含むが、これらに限定はさ
れないヒトの病気の感染性病原体の(例えばゲノムの)
配列に相補的であり、それによって、患者の核酸試料中
に感染体が存在することを診断するという診断方法にお
いて、本発明のオリゴヌクレオチドを使用することがで
きる。標的核酸は、ゲノムでも、cDNAでも、mRNAでも、
合成されたものでもよく、ヒトもしくは動物、または微
生物などのものでもよい。病気や障害の診断または予測
で用いられる別の態様において、標的配列は、野生型の
ヒトのゲノム、またはRNA、またはcDNAの配列で、ヒト
に病気や障害がある場合には、突然変異が示唆される
が、または、その代わりに変異配列でもよい。このよう
な態様においては、選択的に、それぞれ、野生型配列か
変異配列を増幅する異なるプライマーセットによって、
同じ試料に対して増幅反応を繰り返すことができる。例
示すれば、変異には、1個以上のヌクレオチドの挿入、
置換、および/もしくは欠失、または転座がありうる。
幅反応において、プライマーとして、またはトリアンプ
リフィケーションの場合には、ブロッキングオリゴヌク
レオチドとして、核酸の増幅産物を検出または測定する
ために用いられ、それによって、3'側プライマー配列に
相補的な、試料中の標的核酸が検出、測定される。した
がって、3'プライマー配列が、例えば、ウイルス、細
菌、寄生生物、および菌類を含むが、これらに限定はさ
れないヒトの病気の感染性病原体の(例えばゲノムの)
配列に相補的であり、それによって、患者の核酸試料中
に感染体が存在することを診断するという診断方法にお
いて、本発明のオリゴヌクレオチドを使用することがで
きる。標的核酸は、ゲノムでも、cDNAでも、mRNAでも、
合成されたものでもよく、ヒトもしくは動物、または微
生物などのものでもよい。病気や障害の診断または予測
で用いられる別の態様において、標的配列は、野生型の
ヒトのゲノム、またはRNA、またはcDNAの配列で、ヒト
に病気や障害がある場合には、突然変異が示唆される
が、または、その代わりに変異配列でもよい。このよう
な態様においては、選択的に、それぞれ、野生型配列か
変異配列を増幅する異なるプライマーセットによって、
同じ試料に対して増幅反応を繰り返すことができる。例
示すれば、変異には、1個以上のヌクレオチドの挿入、
置換、および/もしくは欠失、または転座がありうる。
【0075】4.1.1 ヘアピンプライマー
本発明は、プライマーが増幅産物に取り込まれないと、
METが起こるヘアピン構造をとるオリゴヌクレオチドプ
ライマーを提供する。
METが起こるヘアピン構造をとるオリゴヌクレオチドプ
ライマーを提供する。
【0076】したがって、特異的な態様において、本発
明は、以下の連続的な配列を5'から3'の順に含むオリゴ
ヌクレオチドであるか、またはそれらを含むオリゴヌク
レオチドであるヘアピンプライマーを提供する。すなわ
ち、(a)6〜30ヌクレオチドの第一の塩基配列であっ
て、該第一塩基配列の中のヌクレオチドが、エネルギー
転移分子対の供与体部分および受容体部分からなる群よ
り選択される第一の部分によって標識されており、励起
されると、供与体部分が、一つ以上の特定の波長のエネ
ルギーを放出し、受容体部分が、供与体部分によって放
出された、一つ以上の特定の波長のエネルギーを吸収す
る第一の塩基配列、(b)3〜20ヌクレオチドの第二の一
本鎖塩基配列、(c)6〜30ヌクレオチドの第三の塩基配
列であって、該第三塩基配列の中のヌクレオチドが、該
供与体部分および該受容体部分からなる群より選択され
る第二の部分によって標識されていて、該第二の部分
が、第一の塩基配列を標識していない該基の一つであ
り、該第三の塩基配列と該第一塩基配列は、該第一塩基
配列と該第三塩基配列との間で二本鎖を形成するのに十
分逆方向に相補的であり、それによって、供与体部分が
励起されて、エネルギーを放出したときに、受容体部分
が、供与体部分の放出したエネルギーを吸収するよう、
該第一部分と第二部分とが十分近位にある第三の塩基配
列、および(d)核酸のポリメラーゼによって、該標的
配列を含む核酸鎖に相補的な塩基配列の合成をプライミ
ングすることができるようにするために、その3'末端
に、予め選択された標的配列に十分相補的な配列を含
む、該オリゴヌクレオチドの3'末端の第四の、8〜40ヌ
クレオチドからなるヌクレオチド配列で、該二本鎖が形
成されないと、該第一の部分と該第二の部分とは、該第
一の部分と該第二の部分との間で分子エネルギーの転移
ができない距離に隔てられる第四の塩基配列。
明は、以下の連続的な配列を5'から3'の順に含むオリゴ
ヌクレオチドであるか、またはそれらを含むオリゴヌク
レオチドであるヘアピンプライマーを提供する。すなわ
ち、(a)6〜30ヌクレオチドの第一の塩基配列であっ
て、該第一塩基配列の中のヌクレオチドが、エネルギー
転移分子対の供与体部分および受容体部分からなる群よ
り選択される第一の部分によって標識されており、励起
されると、供与体部分が、一つ以上の特定の波長のエネ
ルギーを放出し、受容体部分が、供与体部分によって放
出された、一つ以上の特定の波長のエネルギーを吸収す
る第一の塩基配列、(b)3〜20ヌクレオチドの第二の一
本鎖塩基配列、(c)6〜30ヌクレオチドの第三の塩基配
列であって、該第三塩基配列の中のヌクレオチドが、該
供与体部分および該受容体部分からなる群より選択され
る第二の部分によって標識されていて、該第二の部分
が、第一の塩基配列を標識していない該基の一つであ
り、該第三の塩基配列と該第一塩基配列は、該第一塩基
配列と該第三塩基配列との間で二本鎖を形成するのに十
分逆方向に相補的であり、それによって、供与体部分が
励起されて、エネルギーを放出したときに、受容体部分
が、供与体部分の放出したエネルギーを吸収するよう、
該第一部分と第二部分とが十分近位にある第三の塩基配
列、および(d)核酸のポリメラーゼによって、該標的
配列を含む核酸鎖に相補的な塩基配列の合成をプライミ
ングすることができるようにするために、その3'末端
に、予め選択された標的配列に十分相補的な配列を含
む、該オリゴヌクレオチドの3'末端の第四の、8〜40ヌ
クレオチドからなるヌクレオチド配列で、該二本鎖が形
成されないと、該第一の部分と該第二の部分とは、該第
一の部分と該第二の部分との間で分子エネルギーの転移
ができない距離に隔てられる第四の塩基配列。
【0077】供与体部分および受容体部分がFRET対であ
る、特異的な態様において、第二の部分が第一の部分の
蛍光を消光できない(第二の部分が消光物質のとき)た
めに、または第二の部分が第一の部分の蛍光を吸収でき
ない(第二の部分がフルオロフォアのとき)ために、そ
れ自体は蛍光発光できないために、第一の部分と第二の
部分が、FRETを起こせない距離に隔てられていることが
観察される。
る、特異的な態様において、第二の部分が第一の部分の
蛍光を消光できない(第二の部分が消光物質のとき)た
めに、または第二の部分が第一の部分の蛍光を吸収でき
ない(第二の部分がフルオロフォアのとき)ために、そ
れ自体は蛍光発光できないために、第一の部分と第二の
部分が、FRETを起こせない距離に隔てられていることが
観察される。
【0078】特異的な態様において、第二の塩基配列
(ループ構造)および/または第一の塩基配列(二本鎖
の)および/または第三の塩基配列(二本鎖の)は、標
的配列に相補的な配列を含まない。または、第二の塩基
配列および/または第一の塩基配列および/または第三の
塩基配列、または以上の配列の一部は、標的配列に相補
的な配列を含んでいてもよい。
(ループ構造)および/または第一の塩基配列(二本鎖
の)および/または第三の塩基配列(二本鎖の)は、標
的配列に相補的な配列を含まない。または、第二の塩基
配列および/または第一の塩基配列および/または第三の
塩基配列、または以上の配列の一部は、標的配列に相補
的な配列を含んでいてもよい。
【0079】好ましい態様において、プライマーは、プ
ライマーが増幅産物の中に取り込まれないと、非蛍光の
受容体部分によって、供与体のフルオロフォアのエネル
ギーが消光されるというヘアピン構造を形成する。当業
者は、所与のFRET対の既知の構造と疎水性から、この対
が、METにとって最も近い位置になるような立体的配置
を容易に決定することができよう。
ライマーが増幅産物の中に取り込まれないと、非蛍光の
受容体部分によって、供与体のフルオロフォアのエネル
ギーが消光されるというヘアピン構造を形成する。当業
者は、所与のFRET対の既知の構造と疎水性から、この対
が、METにとって最も近い位置になるような立体的配置
を容易に決定することができよう。
【0080】特異的な態様において、ヘアピンプライマ
ーは、4つの部分を含む(図1):(d)の部分は、3'末
端配列で、標的配列に相補的な配列を含み、DNAポリメ
ラーゼのプライマーである。(c)の部分は、プライマ
ー配列の5'末端配列にある第一ステム配列である。
(b)の部分は、ヌクレオチドの一本鎖ループを形成す
る。(a)の部分は、第二ステム配列で、第一ステム配
列に相補的である。(a)、(b)、および(c)の部
分、またはその一部は、増幅すべき標的DNAに相補的で
あってもなくてもよい。(d)の部分は、好ましくは8〜
30ヌクレオチドの長さであり、(c)の部分は、好まし
くは6〜30ヌクレオチドの長さであり、(b)の部分は、
好ましくは3〜20ヌクレオチドの長さであり、最も好ま
しくは、4〜6ヌクレオチドの長さである。
ーは、4つの部分を含む(図1):(d)の部分は、3'末
端配列で、標的配列に相補的な配列を含み、DNAポリメ
ラーゼのプライマーである。(c)の部分は、プライマ
ー配列の5'末端配列にある第一ステム配列である。
(b)の部分は、ヌクレオチドの一本鎖ループを形成す
る。(a)の部分は、第二ステム配列で、第一ステム配
列に相補的である。(a)、(b)、および(c)の部
分、またはその一部は、増幅すべき標的DNAに相補的で
あってもなくてもよい。(d)の部分は、好ましくは8〜
30ヌクレオチドの長さであり、(c)の部分は、好まし
くは6〜30ヌクレオチドの長さであり、(b)の部分は、
好ましくは3〜20ヌクレオチドの長さであり、最も好ま
しくは、4〜6ヌクレオチドの長さである。
【0081】第一ステム配列である(c)の部分は、供
与体フルオロフォアを含み、第二ステム配列である
(a)の部分は、受容体(例えば、消光物質)を含む
か、または、その逆でもよい。取り込まれなかったヘア
ピンプライマーにおいては、2つのステム配列が二本鎖
になると、供与体および受容体の2つの部分が互いに近
接するために、供与体の発光は受容体に転移される。
与体フルオロフォアを含み、第二ステム配列である
(a)の部分は、受容体(例えば、消光物質)を含む
か、または、その逆でもよい。取り込まれなかったヘア
ピンプライマーにおいては、2つのステム配列が二本鎖
になると、供与体および受容体の2つの部分が互いに近
接するために、供与体の発光は受容体に転移される。
【0082】供与体部分および受容体部分は、ヘアピン
ステム(二本鎖領域)の末端のヌクレオチドのどちらに
位置していても、または内側に位置していてもよい。こ
のように、本発明の一つの態様において、供与体部分と
受容体部分(または消光物質)は、それぞれ、標的に相
補的なヘアピンプライマーの5'末端に位置し、ヘアピン
ステム上の相補的なヌクレオチド残基の上に位置してい
る(図1)、または、この逆でもよい。または、各部分
は、相補的なステム配列の内部にあるヌクレオチド上に
位置していてもよい。または、一つの部分が、内側のヌ
クレオチド上にあり、もう一つの部分が5'末端のヌクレ
オチド上にあってもよい。または、一つの部分もしくは
両方の部分が、二本鎖領域の反対の末端に位置していて
もよい。
ステム(二本鎖領域)の末端のヌクレオチドのどちらに
位置していても、または内側に位置していてもよい。こ
のように、本発明の一つの態様において、供与体部分と
受容体部分(または消光物質)は、それぞれ、標的に相
補的なヘアピンプライマーの5'末端に位置し、ヘアピン
ステム上の相補的なヌクレオチド残基の上に位置してい
る(図1)、または、この逆でもよい。または、各部分
は、相補的なステム配列の内部にあるヌクレオチド上に
位置していてもよい。または、一つの部分が、内側のヌ
クレオチド上にあり、もう一つの部分が5'末端のヌクレ
オチド上にあってもよい。または、一つの部分もしくは
両方の部分が、二本鎖領域の反対の末端に位置していて
もよい。
【0083】好ましくは、供与体部分と受容体部分は、
一つの部分が5'末端上に、もう一つの部分が相補鎖上に
5 bp離れたところの、ステムに相補的な配列に付着して
いる。例えば、この2つの部分は、ステムの2つの相補鎖
によって形成される二重らせんの5 bpの回転(180度)
によって並置され、そのため、立体的に近接するように
なり、供与体からの発光が、受容体に転移される(例え
ば、消光される)。
一つの部分が5'末端上に、もう一つの部分が相補鎖上に
5 bp離れたところの、ステムに相補的な配列に付着して
いる。例えば、この2つの部分は、ステムの2つの相補鎖
によって形成される二重らせんの5 bpの回転(180度)
によって並置され、そのため、立体的に近接するように
なり、供与体からの発光が、受容体に転移される(例え
ば、消光される)。
【0084】または、この2つの部分は、ヘアピンが閉
じた形状になったとき、1ヌクレオチド(3.4Å)以下の
距離で隔てられている、ステムの相補鎖上に位置するこ
とができる。最も好ましくは、2つの部分は、ステム上
の相補的ヌクレオチド上にあり、ヘアピンが閉じた形状
になったとき、互いに直接反対側になる。
じた形状になったとき、1ヌクレオチド(3.4Å)以下の
距離で隔てられている、ステムの相補鎖上に位置するこ
とができる。最も好ましくは、2つの部分は、ステム上
の相補的ヌクレオチド上にあり、ヘアピンが閉じた形状
になったとき、互いに直接反対側になる。
【0085】ヘアピンプライマーが直鎖状になると、供
与体部分は、実質的にMETができなくなるのに十分な長
さの介在配列によって、受容体部分(例えば、消光物
質)と隔離されなければならない。供与体フルオロフォ
アと受容体フルオロフォアとからなるFRET対が用いられ
るとき、2つのFRET部分は、(a)第一ステム配列の少な
くとも一部、(b)ループ、および(c)第二ステム配列
の少なくとも一部を含む介在配列によって隔離される。
また、この介在配列は、好ましくは15〜25ヌクレオチド
の長さ、また、より好ましくは20ヌクレオチドの長さで
ある。
与体部分は、実質的にMETができなくなるのに十分な長
さの介在配列によって、受容体部分(例えば、消光物
質)と隔離されなければならない。供与体フルオロフォ
アと受容体フルオロフォアとからなるFRET対が用いられ
るとき、2つのFRET部分は、(a)第一ステム配列の少な
くとも一部、(b)ループ、および(c)第二ステム配列
の少なくとも一部を含む介在配列によって隔離される。
また、この介在配列は、好ましくは15〜25ヌクレオチド
の長さ、また、より好ましくは20ヌクレオチドの長さで
ある。
【0086】一つの態様において、受容体部分は、異な
った波長で供与体から供与されるエネルギーを再放出す
るフルオロフォアである。すなわち、プライマーが閉じ
た状態になると、供与体からではなく、受容体からの発
光が検出されるということである。好ましい態様におい
て、受容体部分は消光物質であり、蛍光を発することな
く、供与体からの発光を吸収する。どちらの場合も、プ
ライマーが直鎖化されているときにだけ、すなわち、開
いた状態のものが、二本鎖増幅産物の中に取り込まれた
ときにだけ、供与体の蛍光が検出されると考えられる。
この状態でのエネルギー転移は最低であるため、供与体
からの強い発光シグナルが検出される。
った波長で供与体から供与されるエネルギーを再放出す
るフルオロフォアである。すなわち、プライマーが閉じ
た状態になると、供与体からではなく、受容体からの発
光が検出されるということである。好ましい態様におい
て、受容体部分は消光物質であり、蛍光を発することな
く、供与体からの発光を吸収する。どちらの場合も、プ
ライマーが直鎖化されているときにだけ、すなわち、開
いた状態のものが、二本鎖増幅産物の中に取り込まれた
ときにだけ、供与体の蛍光が検出されると考えられる。
この状態でのエネルギー転移は最低であるため、供与体
からの強い発光シグナルが検出される。
【0087】本発明の重要な局面は、閉鎖状態から開放
状態への変化が、増幅中にのみ起こるという点である。
図2および3は、本発明のヘアピンプライマーのPCRでの
使用の概要を示している。図2では、PCRで用られるDNA
ポリメラーゼには、5'-3'エキソヌクレアーゼ活性がな
いが、図3では、5'-3'エキソヌクレアーゼ活性がある。
PCRでは、PCRプライマーの一方または両方が、ヘアピン
プライマーであればよい。
状態への変化が、増幅中にのみ起こるという点である。
図2および3は、本発明のヘアピンプライマーのPCRでの
使用の概要を示している。図2では、PCRで用られるDNA
ポリメラーゼには、5'-3'エキソヌクレアーゼ活性がな
いが、図3では、5'-3'エキソヌクレアーゼ活性がある。
PCRでは、PCRプライマーの一方または両方が、ヘアピン
プライマーであればよい。
【0088】図2および3において、(a)および(b)
は、増幅すべき標的配列の2つの相補鎖であり、「R」と
「F」は、それぞれ、PCR増幅のためのフォワードプライ
マーとリバースプライマーである。制限ではなく、例示
すれば、リバースヘアピンプライマーは、そこに取り込
まれた供与体フルオロフォアと消光物質が存在するよう
に設計されている。PCR産物に取り込まれなかったリバ
ースヘアピンプライマーは、近接したところに、フルオ
ロフォアと消光物質をもっており、そのため、遊離した
リバースプライマーからの蛍光は消光される。PCRにお
けるヘアピンプライマーの使用法については、下記の5.
2.1節を参照のこと。
は、増幅すべき標的配列の2つの相補鎖であり、「R」と
「F」は、それぞれ、PCR増幅のためのフォワードプライ
マーとリバースプライマーである。制限ではなく、例示
すれば、リバースヘアピンプライマーは、そこに取り込
まれた供与体フルオロフォアと消光物質が存在するよう
に設計されている。PCR産物に取り込まれなかったリバ
ースヘアピンプライマーは、近接したところに、フルオ
ロフォアと消光物質をもっており、そのため、遊離した
リバースプライマーからの蛍光は消光される。PCRにお
けるヘアピンプライマーの使用法については、下記の5.
2.1節を参照のこと。
【0089】4.1.1.1. ユニバーサルヘアピンおよびヘ
アピンプライマー 一つの態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、
選択されたプライマー配列に、化学的(例えば、臭化シ
アンを用いて)、または酵素的(例えば、リガーゼを用
いて)に結合させることができ、プライマー配列の相補
配列を含む標的核酸配列を増幅することができる「ユニ
バーサル」ヘアピンである。本発明は、オリゴヌクレオ
チドであり、その塩基配列が、5'から3'の順に、以下の
連続配列からなる「ユニバーサル」ヘアピンを提供す
る。すなわち、(a)1から10ヌクレオチドの一本鎖の第
一の塩基配列、(b)2〜30ヌクレオチドの第二の塩基配
列で、該第一の塩基配列または該第二の塩基配列の中の
ヌクレオチドが、分子エネルギー転移対の供与体部分お
よび受容体部分からなる群より選択される第一の部分に
よって標識され、ここで、該供与体部分は、励起される
と一つ以上の特定の波長のエネルギーを放出し、受容体
部分は、供与体部分が放出した一つ以上の特定の波長の
エネルギーを吸収するという第二の塩基配列、(c)3〜
20ヌクレオチドの第三の一本鎖塩基配列、(d)2〜30ヌ
クレオチドの第四の塩基配列で、該第四の塩基配列の中
のヌクレオチドが、該供与体部分と該受容体部分からな
る群より選択される第二の部分によって標識され、該第
二の部分が、該第一または第二のいずれも標識していな
い該基の一つであり、供与体部分が励起されて、エネル
ギーを放出したときに、受容体部分が、供与体部分の放
出したエネルギーを吸収できるように、該第一部分と第
二部分とが十分近くなるよう、第四の塩基配列が該第二
の塩基配列に対して、該第二の塩基配列と該第四の塩基
配列との間で二本鎖を形成するのに、逆方向に十分相補
的な第四の塩基配列。
アピンプライマー 一つの態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、
選択されたプライマー配列に、化学的(例えば、臭化シ
アンを用いて)、または酵素的(例えば、リガーゼを用
いて)に結合させることができ、プライマー配列の相補
配列を含む標的核酸配列を増幅することができる「ユニ
バーサル」ヘアピンである。本発明は、オリゴヌクレオ
チドであり、その塩基配列が、5'から3'の順に、以下の
連続配列からなる「ユニバーサル」ヘアピンを提供す
る。すなわち、(a)1から10ヌクレオチドの一本鎖の第
一の塩基配列、(b)2〜30ヌクレオチドの第二の塩基配
列で、該第一の塩基配列または該第二の塩基配列の中の
ヌクレオチドが、分子エネルギー転移対の供与体部分お
よび受容体部分からなる群より選択される第一の部分に
よって標識され、ここで、該供与体部分は、励起される
と一つ以上の特定の波長のエネルギーを放出し、受容体
部分は、供与体部分が放出した一つ以上の特定の波長の
エネルギーを吸収するという第二の塩基配列、(c)3〜
20ヌクレオチドの第三の一本鎖塩基配列、(d)2〜30ヌ
クレオチドの第四の塩基配列で、該第四の塩基配列の中
のヌクレオチドが、該供与体部分と該受容体部分からな
る群より選択される第二の部分によって標識され、該第
二の部分が、該第一または第二のいずれも標識していな
い該基の一つであり、供与体部分が励起されて、エネル
ギーを放出したときに、受容体部分が、供与体部分の放
出したエネルギーを吸収できるように、該第一部分と第
二部分とが十分近くなるよう、第四の塩基配列が該第二
の塩基配列に対して、該第二の塩基配列と該第四の塩基
配列との間で二本鎖を形成するのに、逆方向に十分相補
的な第四の塩基配列。
【0090】ユニバーサルヘアピンの例が、図4に示さ
れている。本発明のユニバーサルヘアピンは、3'末端状
の第一ステム配列(2〜30ヌクレオチド長、好ましく
は、4〜6ヌクレオチド長)、ループ(3〜20ヌクレオチ
ド長、好ましくは、4〜6ヌクレオチド長)、第一ステム
配列に本質的に相補的な第二ステム配列(2〜30ヌクレ
オチド長、好ましくは、4〜6ヌクレオチド長)、およ
び、5'側一本鎖の付着(「粘着性」)末端配列(例え
ば、1〜10ヌクレオチド長、好ましくは、3〜4ヌクレオ
チド長)を含む。
れている。本発明のユニバーサルヘアピンは、3'末端状
の第一ステム配列(2〜30ヌクレオチド長、好ましく
は、4〜6ヌクレオチド長)、ループ(3〜20ヌクレオチ
ド長、好ましくは、4〜6ヌクレオチド長)、第一ステム
配列に本質的に相補的な第二ステム配列(2〜30ヌクレ
オチド長、好ましくは、4〜6ヌクレオチド長)、およ
び、5'側一本鎖の付着(「粘着性」)末端配列(例え
ば、1〜10ヌクレオチド長、好ましくは、3〜4ヌクレオ
チド長)を含む。
【0091】標的DNA配列に相補的で、ユニバーサルヘ
アピンに連結させるのに適した、選択されたプライマー
配列は、例えば、自動DNA合成機および標準的なホスホ
ラミダイト化学法を用いた、ポリヌクレオチドのデノボ
化学合成によって、または、非特異的な核酸切断する化
学薬品もしくは酵素、または、部位特異的な制限エンド
ヌクレアーゼを用いて、大きな核酸の断片の切断による
など、当技術分野において既知の標準的方法によって作
製することができる。
アピンに連結させるのに適した、選択されたプライマー
配列は、例えば、自動DNA合成機および標準的なホスホ
ラミダイト化学法を用いた、ポリヌクレオチドのデノボ
化学合成によって、または、非特異的な核酸切断する化
学薬品もしくは酵素、または、部位特異的な制限エンド
ヌクレアーゼを用いて、大きな核酸の断片の切断による
など、当技術分野において既知の標準的方法によって作
製することができる。
【0092】選択されたプライマー配列をユニバーサル
ヘアピンに結合させるためには、選択されたプライマー
配列は、5'末端に、ユニバーサルヘアピンの付着配列
(図4)に本質的に相補的な付着配列を含んでいなけれ
ばならない。一つの態様において、選択されたプライマ
ー配列上の5'付着末端は、ユニバーサルヘアピンの上の
5'付着末端を相補するように、化学的に合成される。別
の態様において、選択されたプライマー配列上の5'付着
末端は、制限的エンドヌクレアーゼの付着的な切断によ
って作出される。
ヘアピンに結合させるためには、選択されたプライマー
配列は、5'末端に、ユニバーサルヘアピンの付着配列
(図4)に本質的に相補的な付着配列を含んでいなけれ
ばならない。一つの態様において、選択されたプライマ
ー配列上の5'付着末端は、ユニバーサルヘアピンの上の
5'付着末端を相補するように、化学的に合成される。別
の態様において、選択されたプライマー配列上の5'付着
末端は、制限的エンドヌクレアーゼの付着的な切断によ
って作出される。
【0093】ユニバーサルヘアピン上の標識部分を、後
に、その3'末端が、選択されたプライマー配列に連結さ
れるのを妨害するような位置に置いてはならない。した
がって、好ましくは、標識部分 は、ユニバーサルヘア
ピン(図4)の3'末端のヌクレオチド上は置かれていな
い。ヘアピンの5'末端では、標識部分は、5'末端にある
末端ヌクレオチド上に置かれていてもよいし、また、5'
末端から内側にあるヌクレオチド上に置かれていてもよ
い。
に、その3'末端が、選択されたプライマー配列に連結さ
れるのを妨害するような位置に置いてはならない。した
がって、好ましくは、標識部分 は、ユニバーサルヘア
ピン(図4)の3'末端のヌクレオチド上は置かれていな
い。ヘアピンの5'末端では、標識部分は、5'末端にある
末端ヌクレオチド上に置かれていてもよいし、また、5'
末端から内側にあるヌクレオチド上に置かれていてもよ
い。
【0094】図4に示されているようなユニバーサルプ
ライマーの供与体部分(蛍光物質)と受容体部分(消光
物質)は、供与体部分の発光が、受容体部分によって消
光されるような距離で隔てられていなければならない。
好ましくは、供与体部分と受容体部分は、ヘアピンが閉
じた形状になったとき、1ヌクレオチド(3.4Å)以下の
距離で隔てられている。
ライマーの供与体部分(蛍光物質)と受容体部分(消光
物質)は、供与体部分の発光が、受容体部分によって消
光されるような距離で隔てられていなければならない。
好ましくは、供与体部分と受容体部分は、ヘアピンが閉
じた形状になったとき、1ヌクレオチド(3.4Å)以下の
距離で隔てられている。
【0095】一つの態様において、2つのFRET対は、第
一ステム配列の一部、ループ、および第二ステム配列の
一部を含み、好ましくは、長さ15〜25ヌクレオチドの介
在配列によって隔離されている。より好ましくは、ユニ
バーサルヘアピン上のループは、ヘアピンが「開放」形
態になったときに、供与体(例えば、FAM)と消光物質
(例えば、DABCYL)との間に20ヌクレオチドの間隔を設
けるのに十分な長さをもっている。
一ステム配列の一部、ループ、および第二ステム配列の
一部を含み、好ましくは、長さ15〜25ヌクレオチドの介
在配列によって隔離されている。より好ましくは、ユニ
バーサルヘアピン上のループは、ヘアピンが「開放」形
態になったときに、供与体(例えば、FAM)と消光物質
(例えば、DABCYL)との間に20ヌクレオチドの間隔を設
けるのに十分な長さをもっている。
【0096】図4は、選択された標的配列(8〜40ヌクレ
オチド、好ましくは、〜15ヌクレオチド)とユニバーサ
ルヘアピンが、互いに連結される前の概略例を示してい
る。
オチド、好ましくは、〜15ヌクレオチド)とユニバーサ
ルヘアピンが、互いに連結される前の概略例を示してい
る。
【0097】別の態様において、本発明のユニバーサル
ヘアピンプライマーは、増幅すべく予め選択された標的
核酸配列に相補的ではなく、増幅反応で用いられる別の
プライマーの一本鎖配列に一致する3'配列を含むものが
使用される。もう一方のプライマーの3'側配列は、標的
核酸配列に相補的であるが、その5'側同一配列は、標的
核酸配列に相補的でない(実施例によって参照のこと、
図5と5.2.1節)。
ヘアピンプライマーは、増幅すべく予め選択された標的
核酸配列に相補的ではなく、増幅反応で用いられる別の
プライマーの一本鎖配列に一致する3'配列を含むものが
使用される。もう一方のプライマーの3'側配列は、標的
核酸配列に相補的であるが、その5'側同一配列は、標的
核酸配列に相補的でない(実施例によって参照のこと、
図5と5.2.1節)。
【0098】4.1.2 直鎖状オリゴヌクレオチド
別の態様において、オリゴヌクレオチドプライマーは、
どちらも、ヘアピン構造を採ることができない直鎖状の
分子である。供与体-受容体のFRET対は、どちらも、互
いの距離がFRETが起き得るような範囲内にある、同一の
一本鎖オリゴヌクレオチドプライマー上に位置するフル
オロフォアである。この態様において、FRET対による二
重標識は、標識の励起と発光振動数の分離を大きくす
る。この分離が大きくなると、発光シグナルの正確な定
量を妨害しうるバックグランドとなる蛍光を減少させ
る。
どちらも、ヘアピン構造を採ることができない直鎖状の
分子である。供与体-受容体のFRET対は、どちらも、互
いの距離がFRETが起き得るような範囲内にある、同一の
一本鎖オリゴヌクレオチドプライマー上に位置するフル
オロフォアである。この態様において、FRET対による二
重標識は、標識の励起と発光振動数の分離を大きくす
る。この分離が大きくなると、発光シグナルの正確な定
量を妨害しうるバックグランドとなる蛍光を減少させ
る。
【0099】例えば、特異的な態様において、フルオロ
セインを供与体部分として、ローダミンを受容体部分と
して用いることができる。フルオロセインは、488 nmで
励起のピークを示すが、励起スペクトラムが大きいた
め、その発光振動数である520nmで、いくらかの励起を
示す。このため、フルオロセインを単一の標識として用
いると、520 nmでのアーティファクトによる発光が起
き、定量的な分光光度測定の精度と感度を低下させるこ
とになる。しかし、フルオロセイン部分を供与体として
用い、ローダミン部分を受容体として用いれば(ローダ
ミンは、520 nmで励起のピークを示し、605 nmで発光の
ピークを示す)、励起は488 nmで起き、発光は605 nmで
起きるので、バックグランドとなるアーティファクトを
多いに減少させることになる。
セインを供与体部分として、ローダミンを受容体部分と
して用いることができる。フルオロセインは、488 nmで
励起のピークを示すが、励起スペクトラムが大きいた
め、その発光振動数である520nmで、いくらかの励起を
示す。このため、フルオロセインを単一の標識として用
いると、520 nmでのアーティファクトによる発光が起
き、定量的な分光光度測定の精度と感度を低下させるこ
とになる。しかし、フルオロセイン部分を供与体として
用い、ローダミン部分を受容体として用いれば(ローダ
ミンは、520 nmで励起のピークを示し、605 nmで発光の
ピークを示す)、励起は488 nmで起き、発光は605 nmで
起きるので、バックグランドとなるアーティファクトを
多いに減少させることになる。
【0100】別の特異的な態様において、供与体部分
が、第一のオリゴヌクレオチドプライマー上にあり、受
容体が、第二の、相補的なオリゴヌクレオチド上にあ
る。この態様の好ましい局面において、2つのFRET標識
されたプライマーのうちの一つは、トリアンプリフィケ
ーションのためのプライマーであり、もう一つのFRET標
識されたプライマーは、トリアンプリフィケーションの
ための、ブロッキング用オリゴヌクレオチド(ブロッカ
ー)である。
が、第一のオリゴヌクレオチドプライマー上にあり、受
容体が、第二の、相補的なオリゴヌクレオチド上にあ
る。この態様の好ましい局面において、2つのFRET標識
されたプライマーのうちの一つは、トリアンプリフィケ
ーションのためのプライマーであり、もう一つのFRET標
識されたプライマーは、トリアンプリフィケーションの
ための、ブロッキング用オリゴヌクレオチド(ブロッカ
ー)である。
【0101】4.2. ヘアピンプライマーを用いて、増幅
産物を検出するための方法 本発明のヘアピンプライマーの特異的な態様において、
受容体部分は、供与体部分によって伝達されたエネルギ
ーを吸収する、フルオロフォアまたは消光物質である。
好ましい態様において、受容体部分は消光物質であり、
プライマーは、遊離のプライマー上の受容体部分が、供
与体からの蛍光を消光させるような構造をとる。プライ
マーが、増幅産物の中に取り込まれると、その構造が変
化し、消光が減少し、供与体部分の蛍光が検出されるよ
うになる。
産物を検出するための方法 本発明のヘアピンプライマーの特異的な態様において、
受容体部分は、供与体部分によって伝達されたエネルギ
ーを吸収する、フルオロフォアまたは消光物質である。
好ましい態様において、受容体部分は消光物質であり、
プライマーは、遊離のプライマー上の受容体部分が、供
与体からの蛍光を消光させるような構造をとる。プライ
マーが、増幅産物の中に取り込まれると、その構造が変
化し、消光が減少し、供与体部分の蛍光が検出されるよ
うになる。
【0102】本発明の検出方法は、オリゴヌクレオチド
が増幅産物の中に取り込まれるような増幅システム、例
えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)システム(米国特
許第4,683,195号、および第4,683,202号)、トリアンプ
リフィケーションシステム(商標登録TriAmp、オンカー
社(Oncor Inc.);全部が、参照として本明細書に組み
入れられる、1995年6月5日に提出された米国特許出願第
08/461,823号;1994年8月4日付け、PCT国際公開公報第9
417206 A1号;1994年8月4日付け、PCT国際公開公報第94
17210 A1号)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)システ
ム(米国特許第5,409,818号;コンプトン(Compton)、
1991、Nature 350:91〜92)、およびストランド置換増
幅(SDA)システム(ウォーカー(Wlaker)ら、1992、N
ucl. AcidsRes. 20:1691〜1696)に応用することができ
る。増幅の結果、ヘアピンプライマーは、二本鎖ポリヌ
クレオチド増幅産物の中に取り込まれる。
が増幅産物の中に取り込まれるような増幅システム、例
えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)システム(米国特
許第4,683,195号、および第4,683,202号)、トリアンプ
リフィケーションシステム(商標登録TriAmp、オンカー
社(Oncor Inc.);全部が、参照として本明細書に組み
入れられる、1995年6月5日に提出された米国特許出願第
08/461,823号;1994年8月4日付け、PCT国際公開公報第9
417206 A1号;1994年8月4日付け、PCT国際公開公報第94
17210 A1号)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)システ
ム(米国特許第5,409,818号;コンプトン(Compton)、
1991、Nature 350:91〜92)、およびストランド置換増
幅(SDA)システム(ウォーカー(Wlaker)ら、1992、N
ucl. AcidsRes. 20:1691〜1696)に応用することができ
る。増幅の結果、ヘアピンプライマーは、二本鎖ポリヌ
クレオチド増幅産物の中に取り込まれる。
【0103】特異的な態様において、ヘアピンプライマ
ーを用いて、保存された細胞もしくは組織、または新鮮
な細胞もしくは組織の試料に対するインサイチューの増
幅をプライミングする(例えば、ヌオボ(Nuovo)、199
7、PCRインサイチューハイブリダイゼーション:プロト
コールと応用、第3版(PCR In Situ Hybridization:Pro
tocols and Applications, Third Edition、リッピンコ
ット-ラーフェンプレス(Lippincott-Raven Press)ニ
ューヨーク)を参照のこと)。
ーを用いて、保存された細胞もしくは組織、または新鮮
な細胞もしくは組織の試料に対するインサイチューの増
幅をプライミングする(例えば、ヌオボ(Nuovo)、199
7、PCRインサイチューハイブリダイゼーション:プロト
コールと応用、第3版(PCR In Situ Hybridization:Pro
tocols and Applications, Third Edition、リッピンコ
ット-ラーフェンプレス(Lippincott-Raven Press)ニ
ューヨーク)を参照のこと)。
【0104】FRET対を含む、さまざまな特異的態様が、
供与体フルオロフォア部分と消光物質受容体部分からな
る、好ましいFRET対を含むものとして、本明細書の下記
に説明されているが、このような態様は、受容体部分が
消光物質ではなくフルオロフォアに置き換えても、説明
することができたであろうと理解されるべきである。
供与体フルオロフォア部分と消光物質受容体部分からな
る、好ましいFRET対を含むものとして、本明細書の下記
に説明されているが、このような態様は、受容体部分が
消光物質ではなくフルオロフォアに置き換えても、説明
することができたであろうと理解されるべきである。
【0105】4.2.1. ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に
おけるヘアピンプライマーの使用法 一つの態様において、本発明のヘアピンプライマーが、
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)をプライミングするため
に用いられ、それによって、増幅産物の中に取り込まれ
るようになる(実施例は、図2と3A〜Dに図示されてい
る)。
おけるヘアピンプライマーの使用法 一つの態様において、本発明のヘアピンプライマーが、
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)をプライミングするため
に用いられ、それによって、増幅産物の中に取り込まれ
るようになる(実施例は、図2と3A〜Dに図示されてい
る)。
【0106】PCRプライマーは、5'末端上に、ヘアピン
ステム上の近接した位置(30ヌクレオチド以下)にあ
る、FRET供与体部分と受容体部分とともにヘアピン構造
を含んでいる。プライマーは、プライマーが増幅産物の
中に取り込まれたときにだけ、供与体部分からの蛍光シ
グナルが発生するように設計されている。修飾されたヘ
アピンプライマーは、DNAポリメラーゼの活性を妨害せ
ず、好ましい局面において、熱安定的なPfuポリメラー
ゼ、またはTaqポリメラーゼを用いることができる。フ
ォワードプライマーおよび/またはリバースプライマー
は、ヘアピンプライマーでもよい。
ステム上の近接した位置(30ヌクレオチド以下)にあ
る、FRET供与体部分と受容体部分とともにヘアピン構造
を含んでいる。プライマーは、プライマーが増幅産物の
中に取り込まれたときにだけ、供与体部分からの蛍光シ
グナルが発生するように設計されている。修飾されたヘ
アピンプライマーは、DNAポリメラーゼの活性を妨害せ
ず、好ましい局面において、熱安定的なPfuポリメラー
ゼ、またはTaqポリメラーゼを用いることができる。フ
ォワードプライマーおよび/またはリバースプライマー
は、ヘアピンプライマーでもよい。
【0107】図3に示されている実施例において、ヘア
ピンプライマーが、その5'末端ヌクレオチド上に消光物
質を持っており、その二本鎖反対側鎖に供与体フルオロ
フォアを含んでいるが、このフルオロフォアと消光物質
はFRET対である。PCRの第一サイクル(図3B)におい
て、両プライマーとも、それぞれの標的鎖にハイブリダ
イズし、DNAポリメラーゼによって伸長される。第二サ
イクルにおいて(図3C)、リバースプライマーから伸長
した産物が、フォワードプライマーの鋳型となり、フォ
ワードプライマーから伸長した産物が、リバースプライ
マーの鋳型となる。フォワードプライマーが、ヘアピン
構造の5'末端の方に伸長されると、用いられたポリメラ
ーゼによって、以下の2つのうちのどちらかが起こりう
る。すなわち、DNAポリメラーゼの5'-3'エキソヌクレア
ーゼ活性によって、消光物質をもつ5'側ヌクレオチドが
加水分解されるか、および/または、DNAポリメラーゼ
が、ヘアピンの5'末端を除去して、鋳型をコピーするか
のどちらかが起こりうる。どちらの場合にも、消光物質
とフルオロフォアは、互いに離れた位置にあり、シグナ
ルが発生する(図3D)。
ピンプライマーが、その5'末端ヌクレオチド上に消光物
質を持っており、その二本鎖反対側鎖に供与体フルオロ
フォアを含んでいるが、このフルオロフォアと消光物質
はFRET対である。PCRの第一サイクル(図3B)におい
て、両プライマーとも、それぞれの標的鎖にハイブリダ
イズし、DNAポリメラーゼによって伸長される。第二サ
イクルにおいて(図3C)、リバースプライマーから伸長
した産物が、フォワードプライマーの鋳型となり、フォ
ワードプライマーから伸長した産物が、リバースプライ
マーの鋳型となる。フォワードプライマーが、ヘアピン
構造の5'末端の方に伸長されると、用いられたポリメラ
ーゼによって、以下の2つのうちのどちらかが起こりう
る。すなわち、DNAポリメラーゼの5'-3'エキソヌクレア
ーゼ活性によって、消光物質をもつ5'側ヌクレオチドが
加水分解されるか、および/または、DNAポリメラーゼ
が、ヘアピンの5'末端を除去して、鋳型をコピーするか
のどちらかが起こりうる。どちらの場合にも、消光物質
とフルオロフォアは、互いに離れた位置にあり、シグナ
ルが発生する(図3D)。
【0108】例えば、PCR、トリアンプリフィケーショ
ン、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、およびストラン
ド置換増幅(SDA)(前記参照)など、ヘアピンプライ
マーが、反応混合液に用いられる他のどのようなオリゴ
ヌクレオチドにも相補的でなく、また、ヘアピンプライ
マーが二本鎖DNA増幅産物の中に取り込まれる方法にお
いて、ヘアピンプライマーを用いることができる。した
がって、例えば、ヘアピンプライマーを使用するトリア
ンプリフィケーションにおいて、もう一つの非ヘアピン
プライマーは、ブロッキングオリゴヌクレオチドに相補
的である。
ン、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、およびストラン
ド置換増幅(SDA)(前記参照)など、ヘアピンプライ
マーが、反応混合液に用いられる他のどのようなオリゴ
ヌクレオチドにも相補的でなく、また、ヘアピンプライ
マーが二本鎖DNA増幅産物の中に取り込まれる方法にお
いて、ヘアピンプライマーを用いることができる。した
がって、例えば、ヘアピンプライマーを使用するトリア
ンプリフィケーションにおいて、もう一つの非ヘアピン
プライマーは、ブロッキングオリゴヌクレオチドに相補
的である。
【0109】別の態様(図5)においては、2つの選択さ
れたプライマー、プライマー1とプライマー2とともに、
PCRをプライミングするために、ユニバーサルヘアピン
プライマーが用いられている。この場合、ユニバーサル
ヘアピンプライマーは、増幅産物の中に取り込まれ、2
つの直鎖プライマーのいずれかに連結されてはいない。
この態様において、ユニバーサルヘアピンプライマーの
3'配列は、増幅に用いられる直鎖上のフォワードプライ
マーとリバースプライマーの組のいずれかの5'側配列に
一致しており、この5'側配列(図5のプライマー2の配列
「A」)は、標的配列に相補的であってはならない。
れたプライマー、プライマー1とプライマー2とともに、
PCRをプライミングするために、ユニバーサルヘアピン
プライマーが用いられている。この場合、ユニバーサル
ヘアピンプライマーは、増幅産物の中に取り込まれ、2
つの直鎖プライマーのいずれかに連結されてはいない。
この態様において、ユニバーサルヘアピンプライマーの
3'配列は、増幅に用いられる直鎖上のフォワードプライ
マーとリバースプライマーの組のいずれかの5'側配列に
一致しており、この5'側配列(図5のプライマー2の配列
「A」)は、標的配列に相補的であってはならない。
【0110】PCRの第一サイクルの過程で、標的DNA
(+)鎖に相補的なプライマー1が伸長する。プライマー
2は、標的の(-)鎖に相補的な配列がある3'部位と、図
5で「A」と名付けられた、標的に相補的でない配列をも
つ5'部位とをもつ。配列Aは、好ましくは、10〜25ヌク
レオチドであり、より好ましくは、12〜15ヌクレオチド
の長さである。
(+)鎖に相補的なプライマー1が伸長する。プライマー
2は、標的の(-)鎖に相補的な配列がある3'部位と、図
5で「A」と名付けられた、標的に相補的でない配列をも
つ5'部位とをもつ。配列Aは、好ましくは、10〜25ヌク
レオチドであり、より好ましくは、12〜15ヌクレオチド
の長さである。
【0111】第二サイクルの過程で、プライマー2の伸
長産物(矢印で示されている)は、プライマー1の鋳型
となる。プライマー1は、伸長されるが、このとき、増
幅産物は、配列Aに相補的な「A'」と名付けられた配列
を含んでいる。
長産物(矢印で示されている)は、プライマー1の鋳型
となる。プライマー1は、伸長されるが、このとき、増
幅産物は、配列Aに相補的な「A'」と名付けられた配列
を含んでいる。
【0112】第三サイクルの過程で、ヘアピンプライマ
ーのA配列は、前回のサイクルによってできた増幅産物
のA'配列にアニールする。
ーのA配列は、前回のサイクルによってできた増幅産物
のA'配列にアニールする。
【0113】第四サイクルの過程で、伸長したヘアピン
プライマーが、プライマー1の鋳型となる。プライマー1
を伸長している過程で、消光物質とフルオロフォアが分
離し、蛍光シグナルが、増幅産物から発光される。同様
に、この方法は、トリアンプリフィケーションにも応用
することができる。この場合には、ヘアピンプライマー
は、ブロッカーに相補的でないプライマーである。
プライマーが、プライマー1の鋳型となる。プライマー1
を伸長している過程で、消光物質とフルオロフォアが分
離し、蛍光シグナルが、増幅産物から発光される。同様
に、この方法は、トリアンプリフィケーションにも応用
することができる。この場合には、ヘアピンプライマー
は、ブロッカーに相補的でないプライマーである。
【0114】4.2.1.1. 対立遺伝子特異的なPCR(ASP)
でのヘアピンプライマーの使用法 別の態様において、本発明のプライマーは、対立遺伝子
特異的なPCR(ASP)をプライミングするために用いられ
る。この態様において、増幅プライマーの一方または両
方が、ヘアピンプライマーである。ASPにおいては、標
的DNAがPCR増幅用プライマーの3'に完全に相補的であれ
ば、それが選択的に増幅される。ヘアピンプライマーの
3'末端は、遺伝子(標的DNA)の既知の突然変異部位の1
塩基か2塩基のところか、その内側で、相補的な配列に
なっているところまでで終結する。適当な反応条件の下
では、プライマーの3'末端に、1塩基のミスマッチ(例
えば、突然変異によって起こるヌクレオチド置換)があ
ったり、小さな欠失や挿入があると、標的DNAは増幅さ
れない(岡山ら、1989、J. Lab. Clin. Med. 114:105〜
113;ソマー(Sommer)ら、1992、BioTechniques 12:82
〜87)。したがって、ASPを用いて、予め選択された標
的配列に相補的なヘアピン配列と、試料中の核酸との間
に、少なくとも一つのミスマッチがあるかないかを検出
することができ、増幅があれば、そのようなミスマッチ
はないことが示される。
でのヘアピンプライマーの使用法 別の態様において、本発明のプライマーは、対立遺伝子
特異的なPCR(ASP)をプライミングするために用いられ
る。この態様において、増幅プライマーの一方または両
方が、ヘアピンプライマーである。ASPにおいては、標
的DNAがPCR増幅用プライマーの3'に完全に相補的であれ
ば、それが選択的に増幅される。ヘアピンプライマーの
3'末端は、遺伝子(標的DNA)の既知の突然変異部位の1
塩基か2塩基のところか、その内側で、相補的な配列に
なっているところまでで終結する。適当な反応条件の下
では、プライマーの3'末端に、1塩基のミスマッチ(例
えば、突然変異によって起こるヌクレオチド置換)があ
ったり、小さな欠失や挿入があると、標的DNAは増幅さ
れない(岡山ら、1989、J. Lab. Clin. Med. 114:105〜
113;ソマー(Sommer)ら、1992、BioTechniques 12:82
〜87)。したがって、ASPを用いて、予め選択された標
的配列に相補的なヘアピン配列と、試料中の核酸との間
に、少なくとも一つのミスマッチがあるかないかを検出
することができ、増幅があれば、そのようなミスマッチ
はないことが示される。
【0115】4.2.2. トリアンプリフィケーションにお
けるヘアピンプライマーの使用法 4.2.2.1. トリアンプリフィケーション反応における一
般的な段階 トリアンプリフィケーションにおいて、ヘアピンプライ
マーと直鎖プライマー(5.2節と5.4節を参照のこと)の
両方を用いることができる。
けるヘアピンプライマーの使用法 4.2.2.1. トリアンプリフィケーション反応における一
般的な段階 トリアンプリフィケーションにおいて、ヘアピンプライ
マーと直鎖プライマー(5.2節と5.4節を参照のこと)の
両方を用いることができる。
【0116】トリアンプリフィケーション反応は、3種
類のオリゴヌクレオチド、2つのプライマーオリゴヌク
レオチドとブロッキングオリゴヌクレオチド(ブロッカ
ー)に基づいている。実施例は、図6に示されている。2
つのプライマー、フォワードプライマーとリバース「伸
長」プライマーは、選択された標的(鋳型)DNAの2つの
鎖に相補的である。第三のオリゴヌクレオチドであるブ
ロッカーは、2つの伸長プライマーの一方に部分的に相
補的である。トリアンプリフィケーションは、2つの熱
安定的酵素、DNAポリメラーゼとDNAリガーゼを利用す
る。重合とライゲーションの段階を反復する過程で、伸
長されたプライマーの一つが、ブロッカーに連結され
る。
類のオリゴヌクレオチド、2つのプライマーオリゴヌク
レオチドとブロッキングオリゴヌクレオチド(ブロッカ
ー)に基づいている。実施例は、図6に示されている。2
つのプライマー、フォワードプライマーとリバース「伸
長」プライマーは、選択された標的(鋳型)DNAの2つの
鎖に相補的である。第三のオリゴヌクレオチドであるブ
ロッカーは、2つの伸長プライマーの一方に部分的に相
補的である。トリアンプリフィケーションは、2つの熱
安定的酵素、DNAポリメラーゼとDNAリガーゼを利用す
る。重合とライゲーションの段階を反復する過程で、伸
長されたプライマーの一つが、ブロッカーに連結され
る。
【0117】トリアンプリフィケーションの一つの方法
(「gap」法)では、フォワードオリゴヌクレオチド
は、増幅すべき標的配列の第一の末端の第一の分節に実
質的に相補的なプライマーである。リバースオリゴヌク
レオチドは、標的配列の鎖上の配列である、標的配列の
第二の末端の第二の分節に実質的に相補的なプライマー
である。第三のオリゴヌクレオチド(「ブロッカー」ま
たは「ブロッキングオリゴヌクレオチド」)は、フォワ
ードプライマーまたはリバースプライマーの少なくとも
一部に実質的に相補的である。
(「gap」法)では、フォワードオリゴヌクレオチド
は、増幅すべき標的配列の第一の末端の第一の分節に実
質的に相補的なプライマーである。リバースオリゴヌク
レオチドは、標的配列の鎖上の配列である、標的配列の
第二の末端の第二の分節に実質的に相補的なプライマー
である。第三のオリゴヌクレオチド(「ブロッカー」ま
たは「ブロッキングオリゴヌクレオチド」)は、フォワ
ードプライマーまたはリバースプライマーの少なくとも
一部に実質的に相補的である。
【0118】増幅産物の伸長と連結を反復することから
なるgapトリアンプリフィケーションの概略図が、図7に
示されている。ブロッカーは、フォワードプライマーお
よびリバースプライマーと同じ濃度、またはより高い濃
度で用いることができる。好ましくは、ブロッカーは
、フォワードプライマーおよびリバースプライマーの
濃度よりも、1.2から2倍高い濃度で用いられる。ブロッ
カーに相補的なプライマーは、増幅過程でストランド置
換が起こるのを避けるために修飾されている。すなわ
ち、好ましい態様においては、このプライマーは、スト
ランド置換が起こるのを防ぐために、ブロッカーの5'末
端に相補的な位置に2'-o-メチルを含む。
なるgapトリアンプリフィケーションの概略図が、図7に
示されている。ブロッカーは、フォワードプライマーお
よびリバースプライマーと同じ濃度、またはより高い濃
度で用いることができる。好ましくは、ブロッカーは
、フォワードプライマーおよびリバースプライマーの
濃度よりも、1.2から2倍高い濃度で用いられる。ブロッ
カーに相補的なプライマーは、増幅過程でストランド置
換が起こるのを避けるために修飾されている。すなわ
ち、好ましい態様においては、このプライマーは、スト
ランド置換が起こるのを防ぐために、ブロッカーの5'末
端に相補的な位置に2'-o-メチルを含む。
【0119】本発明の直鎖プライマーが用いられる場合
(5.4節)には、増幅中に、ブロッカーが、エキソヌク
レアーゼによって加水分解され(ヘアピンプライマーで
はなく、直鎖プライマーを用いた増幅法で用いられ
る)、また、望ましくない伸長が起こるのを防ぐため
に、好ましくは、ブロッカーを修飾する。好ましい態様
において、増幅中に、ブロッカーがエキソヌクレアーゼ
によって加水分解され、また、望ましくない伸長が起こ
るのを防ぐために、ブロッカーは、3'末端にビオチンを
持っている。
(5.4節)には、増幅中に、ブロッカーが、エキソヌク
レアーゼによって加水分解され(ヘアピンプライマーで
はなく、直鎖プライマーを用いた増幅法で用いられ
る)、また、望ましくない伸長が起こるのを防ぐため
に、好ましくは、ブロッカーを修飾する。好ましい態様
において、増幅中に、ブロッカーがエキソヌクレアーゼ
によって加水分解され、また、望ましくない伸長が起こ
るのを防ぐために、ブロッカーは、3'末端にビオチンを
持っている。
【0120】トリアンプリフィケーションの別の方法で
ある「gapでない方法」は、実質的には、上記のgap法と
同じであるが、フォワードプライマーの5'末端が、リバ
ースプライマーの3'末端に隣接している点が異なってい
る。
ある「gapでない方法」は、実質的には、上記のgap法と
同じであるが、フォワードプライマーの5'末端が、リバ
ースプライマーの3'末端に隣接している点が異なってい
る。
【0121】4.2.2.2. トリアンプリフィケーション反
応におけるヘアピンプライマーの使用 本発明の一つの態様において、ヘアピンプライマーが、
トリアンプリフィケーション反応をプライミングするの
に用いられ、それによって、増幅産物の中に取り込まれ
る。トリアンプリフィケーションにおいてヘアピンプラ
イマーを用いるとき、ヘアピン構造は、フォワードプラ
イマーかリバースプライマーのいずれのプライマーの一
部であってもよく、ブロッカーに相補的ではない(図
6)。ブロッカーが、増幅産物に取り込まれないプライ
マー上でヘアピン構造が形成されるのを妨害するため、
この場合には、ブロッカーに相補的なプライマーは用い
ることができない。
応におけるヘアピンプライマーの使用 本発明の一つの態様において、ヘアピンプライマーが、
トリアンプリフィケーション反応をプライミングするの
に用いられ、それによって、増幅産物の中に取り込まれ
る。トリアンプリフィケーションにおいてヘアピンプラ
イマーを用いるとき、ヘアピン構造は、フォワードプラ
イマーかリバースプライマーのいずれのプライマーの一
部であってもよく、ブロッカーに相補的ではない(図
6)。ブロッカーが、増幅産物に取り込まれないプライ
マー上でヘアピン構造が形成されるのを妨害するため、
この場合には、ブロッカーに相補的なプライマーは用い
ることができない。
【0122】ヘアピンプライマーは、好ましくは、ステ
ム上のFRET供与体-受容体対によって標識されている。
トリアンプリフィケーションの第一サイクルの過程で、
ヘアピンプライマーを伸長させ、ブロッカーに連結す
る。第二サイクルの過程で、伸長されたヘアピンプライ
マーが、第二のプライマーの鋳型となる。第二のプライ
マーを伸長させる過程で、ヘアピンが開放され、消光物
質がフルオロフォアから引き離されて、供与体が蛍光シ
グナルを放出する。
ム上のFRET供与体-受容体対によって標識されている。
トリアンプリフィケーションの第一サイクルの過程で、
ヘアピンプライマーを伸長させ、ブロッカーに連結す
る。第二サイクルの過程で、伸長されたヘアピンプライ
マーが、第二のプライマーの鋳型となる。第二のプライ
マーを伸長させる過程で、ヘアピンが開放され、消光物
質がフルオロフォアから引き離されて、供与体が蛍光シ
グナルを放出する。
【0123】4.2.2.3. 核酸配列に基づく増幅(NASB
A)におけるヘアピンプライマーの使用法 本発明のプライマーを用いて、図9にその実施例を示し
た、核酸配列に基づく増幅(NASBA)をプライミングす
ることができる。NASBAは、逆転写とRNA転写反応の連続
的な反復を行い、一定の温度で実施される。ここでは、
3種類の酵素(逆転写酵素、RNase H、およびT7 RNAポリ
メラーゼ)が用いられる。一つの態様において、この方
法は、2種類のプライマーを用いるが、そのうちの一つ
は、FRET供与体部分と受容体部分(消光物質)で標識さ
れた、本発明のヘアピンプライマーである。代替的な態
様において、両方のプライマーが、本発明のヘアピンプ
ライマーである。
A)におけるヘアピンプライマーの使用法 本発明のプライマーを用いて、図9にその実施例を示し
た、核酸配列に基づく増幅(NASBA)をプライミングす
ることができる。NASBAは、逆転写とRNA転写反応の連続
的な反復を行い、一定の温度で実施される。ここでは、
3種類の酵素(逆転写酵素、RNase H、およびT7 RNAポリ
メラーゼ)が用いられる。一つの態様において、この方
法は、2種類のプライマーを用いるが、そのうちの一つ
は、FRET供与体部分と受容体部分(消光物質)で標識さ
れた、本発明のヘアピンプライマーである。代替的な態
様において、両方のプライマーが、本発明のヘアピンプ
ライマーである。
【0124】好ましくは、プライマー1は、3'末端に、
標的RNAに相補的な約20塩基の配列と、T7RNAポリメラー
ゼによって認識される標的相補的な配列の5'側にあるプ
ロモーター配列をもっている。プライマー2は、RNA
(-)に相補的な、本発明のヘアピンプライマーであ
り、図9の例示によって図示されているようなエネルギ
ー転移部分によって標識されているヘアピン構造を5'末
端にもっている。
標的RNAに相補的な約20塩基の配列と、T7RNAポリメラー
ゼによって認識される標的相補的な配列の5'側にあるプ
ロモーター配列をもっている。プライマー2は、RNA
(-)に相補的な、本発明のヘアピンプライマーであ
り、図9の例示によって図示されているようなエネルギ
ー転移部分によって標識されているヘアピン構造を5'末
端にもっている。
【0125】非反復のNASBAの段階は、以下のようにし
て進行する(図9)。段階1では、プライマー1が、RNA標
的配列にアニールする。逆転写では、プライマー1の3'
末端を伸長させるためにdNTPが使用され、RNA/DNAハイ
ブリッドが形成される。段階2では、RNase Hが、このハ
イブリッドのRNA鎖を加水分解する。段階3では、ヘアピ
ンプライマー2が、ハイブリッドから残った一本鎖DNAに
アニールする。逆転写酵素が、第二のDNA鎖を合成し、
プロモーター領域を二本鎖化する。段階4では、混合液
中の第三の酵素であるT7 RNAポリメラーゼが、プロモー
ター配列に結合して、各鋳型分子から100分子にのぼるR
NAコピーを生成させる。
て進行する(図9)。段階1では、プライマー1が、RNA標
的配列にアニールする。逆転写では、プライマー1の3'
末端を伸長させるためにdNTPが使用され、RNA/DNAハイ
ブリッドが形成される。段階2では、RNase Hが、このハ
イブリッドのRNA鎖を加水分解する。段階3では、ヘアピ
ンプライマー2が、ハイブリッドから残った一本鎖DNAに
アニールする。逆転写酵素が、第二のDNA鎖を合成し、
プロモーター領域を二本鎖化する。段階4では、混合液
中の第三の酵素であるT7 RNAポリメラーゼが、プロモー
ター配列に結合して、各鋳型分子から100分子にのぼるR
NAコピーを生成させる。
【0126】そして、反復NASBAの段階は、以下のよう
にして進行する。段階5では、ヘアピンプライマー2が、
その3'末端のプライミング配列によって、RNA鋳型に結
合し、逆転写酵素が、それを伸長させて、RNA/DNAハイ
ブリッドを作出する。複製の結果、ヘアピンの5'末端が
除去されてコピーされる。このとき、消光物質とフルオ
ロフォアは、もうフルオロフォアを消光することができ
ないほど遠くに隔てられているため、その蛍光を検出す
ることができる。段階6では、RNase Hが、RNA鎖を加水
分解する。この結果できた一本鎖DNAは、ヘアピン構造
が再び形成されるために、まだ「サイレント」(蛍光が
消光している)。段階7では、プライマー1が、一本鎖DN
Aに結合する。逆転写酵素が、プライマーと鋳型DNAの両
方の3'末端に結合する。段階8では、一本鎖DNAの3'末端
が伸長され、二本鎖の、転写活性のあるプロモーターが
回収される。同時に、プライマー1の3'末端が伸長され
る。複製の結果として、ヘアピンの5'末端が除去され
て、コピーされる。このとき、消光物質とフルオロフォ
アは、フルオロフォアを消光できないほど離れているた
めに、このフルオロフォアを検出することができる。段
階9では、T7 RNAポリメラーゼが、各鋳型分子から多様
なRNAを生成させる。
にして進行する。段階5では、ヘアピンプライマー2が、
その3'末端のプライミング配列によって、RNA鋳型に結
合し、逆転写酵素が、それを伸長させて、RNA/DNAハイ
ブリッドを作出する。複製の結果、ヘアピンの5'末端が
除去されてコピーされる。このとき、消光物質とフルオ
ロフォアは、もうフルオロフォアを消光することができ
ないほど遠くに隔てられているため、その蛍光を検出す
ることができる。段階6では、RNase Hが、RNA鎖を加水
分解する。この結果できた一本鎖DNAは、ヘアピン構造
が再び形成されるために、まだ「サイレント」(蛍光が
消光している)。段階7では、プライマー1が、一本鎖DN
Aに結合する。逆転写酵素が、プライマーと鋳型DNAの両
方の3'末端に結合する。段階8では、一本鎖DNAの3'末端
が伸長され、二本鎖の、転写活性のあるプロモーターが
回収される。同時に、プライマー1の3'末端が伸長され
る。複製の結果として、ヘアピンの5'末端が除去され
て、コピーされる。このとき、消光物質とフルオロフォ
アは、フルオロフォアを消光できないほど離れているた
めに、このフルオロフォアを検出することができる。段
階9では、T7 RNAポリメラーゼが、各鋳型分子から多様
なRNAを生成させる。
【0127】このように、この態様においては、段階5
と8の増幅産物が、FRET標識したヘアピン構造を取り込
み、反復段階の過程で、蛍光シグナルを付与する。
と8の増幅産物が、FRET標識したヘアピン構造を取り込
み、反復段階の過程で、蛍光シグナルを付与する。
【0128】上記の実施例において、コンプトン(Comp
ton)(1991、Nature 350:91〜92)によって説明されて
いるように、NASBAにおいてヘアピンプライマーが用い
られる。しかし、逆転写酵素、RNase H、およびT7 RNA
ポリメラーゼ以外に、ポリメラーゼ特異的な5'-3'エキ
ソヌクレアーゼ活性が存在していると、複製の過程で、
ヘアピンプライマーの5'末端が加水分解されてしまう。
鋳型DNAに付着している消光物質がなくなるために、蛍
光シグナルが、段階5と8ではなく、段階6と7でも発生す
る。
ton)(1991、Nature 350:91〜92)によって説明されて
いるように、NASBAにおいてヘアピンプライマーが用い
られる。しかし、逆転写酵素、RNase H、およびT7 RNA
ポリメラーゼ以外に、ポリメラーゼ特異的な5'-3'エキ
ソヌクレアーゼ活性が存在していると、複製の過程で、
ヘアピンプライマーの5'末端が加水分解されてしまう。
鋳型DNAに付着している消光物質がなくなるために、蛍
光シグナルが、段階5と8ではなく、段階6と7でも発生す
る。
【0129】4.2.2.4. ストランド置換増幅(SDA)に
おけるヘアピンプライマーの使用法 本発明のヘアピンプライマーは、二本鎖DNA標的のスト
ランド置換増幅(SDA)において使用することができ
る。フォワードプライマー、および/またはリバースプ
ライマーは、ヘアピンプライマーでもよい。SDAは、ニ
ッキングと重合/置換の段階を連続的に反復することに
より、一定の温度で行われる。
おけるヘアピンプライマーの使用法 本発明のヘアピンプライマーは、二本鎖DNA標的のスト
ランド置換増幅(SDA)において使用することができ
る。フォワードプライマー、および/またはリバースプ
ライマーは、ヘアピンプライマーでもよい。SDAは、ニ
ッキングと重合/置換の段階を連続的に反復することに
より、一定の温度で行われる。
【0130】特異的な態様(図10)において、プライマ
ー1とプライマー2はどちらも、本発明のヘアピンプライ
マーである。各プライマーは、3'末端の一本鎖プライミ
ング配列、制限エンドヌクレアーゼ認識部位、および5'
末端にFRET標識されたヘアピン構造をもつ。
ー1とプライマー2はどちらも、本発明のヘアピンプライ
マーである。各プライマーは、3'末端の一本鎖プライミ
ング配列、制限エンドヌクレアーゼ認識部位、および5'
末端にFRET標識されたヘアピン構造をもつ。
【0131】SDAは、以下のようにして進行する。段階1
において、標的DNAを変性し、プライマー1とプライマー
2をそれらの3'側配列によってアニールする。段階2にお
いて、dNTPを用いて、プライマーの3'末端を伸長する
が、dNTPの一つは、5'-[-α-チオ]三リン酸である。改
変された鎖によって、二本鎖の制限酵素部位が形成され
る(チオ修飾された鎖は、エンドヌクレアーゼ加水分解
に対して抵抗性である)。同時に、複製の結果として、
ヘアピンプライマーの5'末端が除去されて、コピーされ
る。このとき、消光物質とフルオロフォアは、フルオロ
フォアを消光できないほど離れているために、このフル
オロフォアを検出することができる。段階3において、
制限酵素によって、二本鎖DNAの修飾されていない鎖に
ニックを入れる。段階4においては、5'-3'エキソヌクレ
アーゼ活性をもたないDNAポリメラーゼ、好ましくは、B
st DNAポリメラーゼのラージフラグメント(「Bst LFポ
リメラーゼ」)が、ニックの3'末端を伸長し、一本鎖DN
A標的を置換し、この同じサイクルを再び繰り返す。
において、標的DNAを変性し、プライマー1とプライマー
2をそれらの3'側配列によってアニールする。段階2にお
いて、dNTPを用いて、プライマーの3'末端を伸長する
が、dNTPの一つは、5'-[-α-チオ]三リン酸である。改
変された鎖によって、二本鎖の制限酵素部位が形成され
る(チオ修飾された鎖は、エンドヌクレアーゼ加水分解
に対して抵抗性である)。同時に、複製の結果として、
ヘアピンプライマーの5'末端が除去されて、コピーされ
る。このとき、消光物質とフルオロフォアは、フルオロ
フォアを消光できないほど離れているために、このフル
オロフォアを検出することができる。段階3において、
制限酵素によって、二本鎖DNAの修飾されていない鎖に
ニックを入れる。段階4においては、5'-3'エキソヌクレ
アーゼ活性をもたないDNAポリメラーゼ、好ましくは、B
st DNAポリメラーゼのラージフラグメント(「Bst LFポ
リメラーゼ」)が、ニックの3'末端を伸長し、一本鎖DN
A標的を置換し、この同じサイクルを再び繰り返す。
【0132】このように、この態様においては、段階
2、3および4の増幅産物が、FRET標識されたヘアピンプ
ライマーを取り込み、蛍光シグナルを付与する。
2、3および4の増幅産物が、FRET標識されたヘアピンプ
ライマーを取り込み、蛍光シグナルを付与する。
【0133】4.2.2.5. テロメア反復配列増幅プロトコ
ール(TRAPs)におけるヘアピンプライマーの使用法 テロメアは、真核生物の染色体の末端に見られる特異的
な構造である。ヒトの染色体においては、テロメアは、
6塩基(TTAGGG)の何千という繰り返しからなっている
(ブラックバーン(Blackburn)とゾスタック(Szosta
k)、1984、Ann.Rev. Biochem. 53:163;ブラックバー
ン(Blackburn)、1991、Nature 350:569;ザキタン(Z
akitan)、1989、Ann. Rev. Genet. 23:579)。テロメ
アは、染色体の末端を安定化させる。切断されてテロメ
アを失った染色体は、融合、再編成、および転座を起こ
す(ブラックバーン(Blackburn)、1991、Nature 350:
569)。体細胞では、DNAポリメラーゼ複合体が、ラギン
グ鎖の5'最末端を複製できないために、インビボ、イン
ビトロともに、細胞分裂のたびに、テロメアの長さは次
第に短くなって行く(ハーレイ(Harley)ら、Nature 3
45:458;ヘイスティー(Hastie)ら、1990、Nature 34
6:866;リンゼイ(Lindsey)ら、1991, Mutat. Res. 25
6:45;カウンター(Counter)ら、EMBO J. 11:1921)。
ール(TRAPs)におけるヘアピンプライマーの使用法 テロメアは、真核生物の染色体の末端に見られる特異的
な構造である。ヒトの染色体においては、テロメアは、
6塩基(TTAGGG)の何千という繰り返しからなっている
(ブラックバーン(Blackburn)とゾスタック(Szosta
k)、1984、Ann.Rev. Biochem. 53:163;ブラックバー
ン(Blackburn)、1991、Nature 350:569;ザキタン(Z
akitan)、1989、Ann. Rev. Genet. 23:579)。テロメ
アは、染色体の末端を安定化させる。切断されてテロメ
アを失った染色体は、融合、再編成、および転座を起こ
す(ブラックバーン(Blackburn)、1991、Nature 350:
569)。体細胞では、DNAポリメラーゼ複合体が、ラギン
グ鎖の5'最末端を複製できないために、インビボ、イン
ビトロともに、細胞分裂のたびに、テロメアの長さは次
第に短くなって行く(ハーレイ(Harley)ら、Nature 3
45:458;ヘイスティー(Hastie)ら、1990、Nature 34
6:866;リンゼイ(Lindsey)ら、1991, Mutat. Res. 25
6:45;カウンター(Counter)ら、EMBO J. 11:1921)。
【0134】テロメラーゼは、そのRNA成分を鋳型とし
て用いて、現存するテロメアの3'末端上にテロメア反復
配列を合成し誘発するリボ蛋白質である。テロメラーゼ
活性は、不死化された細胞である、癌細胞と生殖細胞で
特異的に発現されていることが分かっている(キム(Ki
m)ら、1994、Science 266:2011;シェイ(Shay)とラ
イト(Wright)、1996、Current Opinion in Cancer 8:
66〜71)が、そこでは、DNA複製の過程でテロメアが短
くなって行くのを補って行くため、テロメアの長さが安
定になる。これらの観察から、テロメアの長さが、細胞
の加齢を検知する「有糸分裂時計」として機能し、最終
的には、複製の老化とプログラムされた細胞死のシグナ
ルを出すのではないかという仮説が導き出された(シェ
イ(Shay)とライト(Wright)、1996、Current Opinio
n in Cancer 8:66〜71;ハーレイ(Harley)ら、1991,
Mutat. Res. 256:271;グライダー(Greider)、1990,
BioEssays 12:363;ピアティチェック(Piatyszek)
ら、Method in Cell Science17:1)。
て用いて、現存するテロメアの3'末端上にテロメア反復
配列を合成し誘発するリボ蛋白質である。テロメラーゼ
活性は、不死化された細胞である、癌細胞と生殖細胞で
特異的に発現されていることが分かっている(キム(Ki
m)ら、1994、Science 266:2011;シェイ(Shay)とラ
イト(Wright)、1996、Current Opinion in Cancer 8:
66〜71)が、そこでは、DNA複製の過程でテロメアが短
くなって行くのを補って行くため、テロメアの長さが安
定になる。これらの観察から、テロメアの長さが、細胞
の加齢を検知する「有糸分裂時計」として機能し、最終
的には、複製の老化とプログラムされた細胞死のシグナ
ルを出すのではないかという仮説が導き出された(シェ
イ(Shay)とライト(Wright)、1996、Current Opinio
n in Cancer 8:66〜71;ハーレイ(Harley)ら、1991,
Mutat. Res. 256:271;グライダー(Greider)、1990,
BioEssays 12:363;ピアティチェック(Piatyszek)
ら、Method in Cell Science17:1)。
【0135】TRAP(テロメア反復配列増幅プロトコー
ル)アッセイ法は、PCRを利用するインビトロのシステ
ムでは、非常に感度が高く、テロメラーゼ活性を検出す
るために用いられる。本発明のヘアピンプライマーをTR
APアッセイ法、例えば、商標登録TRAP-eze(オンカー社
(Oncor Inc.)、メリーランド州ゲティスバーグ)アッ
セイ法で用いることによって、テロメラーゼ陽性細胞を
検出することができる。
ル)アッセイ法は、PCRを利用するインビトロのシステ
ムでは、非常に感度が高く、テロメラーゼ活性を検出す
るために用いられる。本発明のヘアピンプライマーをTR
APアッセイ法、例えば、商標登録TRAP-eze(オンカー社
(Oncor Inc.)、メリーランド州ゲティスバーグ)アッ
セイ法で用いることによって、テロメラーゼ陽性細胞を
検出することができる。
【0136】好ましくは、TRAPアッセイ法は、商標登録
TRAP-ezeキット(オンカー社(Oncor Inc.)、メリーラ
ンド州ゲティスバーグ)によって提供されている指示に
従って、実施される。商標登録TRAP-ezeアッセイ法は、
PCRを利用する、一バッファー二酵素のシステムであ
る。しかし、下記ではPCRについて説明しているが、明
らかに、テロメラーゼのアッセイは、PCR以外の増幅法
を用いても実施することができる。商標登録TRAP-eze反
応の第一段階において、テロメラーゼは、基質オリゴヌ
クレオチド(TS、テロメラーゼ基質)の3'末端にテロメ
ア反復配列(GGTTAG)をいくつか付加する(図31)。
TRAP-ezeキット(オンカー社(Oncor Inc.)、メリーラ
ンド州ゲティスバーグ)によって提供されている指示に
従って、実施される。商標登録TRAP-ezeアッセイ法は、
PCRを利用する、一バッファー二酵素のシステムであ
る。しかし、下記ではPCRについて説明しているが、明
らかに、テロメラーゼのアッセイは、PCR以外の増幅法
を用いても実施することができる。商標登録TRAP-eze反
応の第一段階において、テロメラーゼは、基質オリゴヌ
クレオチド(TS、テロメラーゼ基質)の3'末端にテロメ
ア反復配列(GGTTAG)をいくつか付加する(図31)。
【0137】オリゴマーの3'末端の、例えば、AGAGTTま
たはTTAGGGなどの特異的な配列は、オリゴマーをTSとし
て用いるためには重要である(モーリン(Morin)、199
1、Nature 353:454〜456)。好ましくは、この配列は、
5〜6ヌクレオチドの長さであるが、これより短い配列、
例えば、4ヌクレオチドの配列を用いることもできる。
たはTTAGGGなどの特異的な配列は、オリゴマーをTSとし
て用いるためには重要である(モーリン(Morin)、199
1、Nature 353:454〜456)。好ましくは、この配列は、
5〜6ヌクレオチドの長さであるが、これより短い配列、
例えば、4ヌクレオチドの配列を用いることもできる。
【0138】第二の段階において、TS-テロメラーゼ伸
長産物のテロメア反復配列に相補的な配列を含む、TSお
よびリバースプライマー(RP)を用いたPCRによって、
伸長された産物を増幅し、50ヌクレオチドから始まり、
50、56、62、68などと、6塩基ずつ増加していく梯子状
の産物が生成される。このように、活性のあるテロメラ
ーゼの反応産物が、PCR増幅の鋳型として用いられるた
め、テロメラーゼが試料中に存在するときだけ、これら
の梯子状のバンドのPCR増幅を行う。テロメラーゼ活性
のレベルは、PCR産物の量を測定して評価する。
長産物のテロメア反復配列に相補的な配列を含む、TSお
よびリバースプライマー(RP)を用いたPCRによって、
伸長された産物を増幅し、50ヌクレオチドから始まり、
50、56、62、68などと、6塩基ずつ増加していく梯子状
の産物が生成される。このように、活性のあるテロメラ
ーゼの反応産物が、PCR増幅の鋳型として用いられるた
め、テロメラーゼが試料中に存在するときだけ、これら
の梯子状のバンドのPCR増幅を行う。テロメラーゼ活性
のレベルは、PCR産物の量を測定して評価する。
【0139】好ましい態様において、RPは、本発明のヘ
アピンプライマーである。一つの特異的な態様におい
て、MET対で標識された17-bp長のヌクレオチド、5'-ACG
CAATGTATGCGT*GG-3'(配列番号:29)を直鎖状のRPプラ
イマーに加え、RPとして用いるために、本発明のヘアピ
ンプライマーを形成させた(実施例15、図30Aを参照の
こと)。実施例によれば、供与体部分をオリゴマーの5'
末端に付着させることができ、受容体部分をT残基に付
着させることができる。
アピンプライマーである。一つの特異的な態様におい
て、MET対で標識された17-bp長のヌクレオチド、5'-ACG
CAATGTATGCGT*GG-3'(配列番号:29)を直鎖状のRPプラ
イマーに加え、RPとして用いるために、本発明のヘアピ
ンプライマーを形成させた(実施例15、図30Aを参照の
こと)。実施例によれば、供与体部分をオリゴマーの5'
末端に付着させることができ、受容体部分をT残基に付
着させることができる。
【0140】反応条件を最適化することによって、非常
に低いレベルのテロメラーゼ活性を検出することがで
き、このアッセイ法の感度は、PR産物のポリアクリルア
ミドゲル電気泳動を利用する従来からのアッセイ法の感
度に匹敵する(図30B)。
に低いレベルのテロメラーゼ活性を検出することがで
き、このアッセイ法の感度は、PR産物のポリアクリルア
ミドゲル電気泳動を利用する従来からのアッセイ法の感
度に匹敵する(図30B)。
【0141】別の態様において、TSプライマーの5'末端
に、ステム-ループのヘアピン構造を付着させることが
できる。そして、このように修飾されたTSオリゴマー
は、PCR増幅用プライマーとしてだけでなく、テロメラ
ーゼに対する基質としても用いられる。テロメラーゼの
基質特異性は、TSオリゴマーの3'末端にある塩基配列に
よって決定されると考えられるため、こうなる。
に、ステム-ループのヘアピン構造を付着させることが
できる。そして、このように修飾されたTSオリゴマー
は、PCR増幅用プライマーとしてだけでなく、テロメラ
ーゼに対する基質としても用いられる。テロメラーゼの
基質特異性は、TSオリゴマーの3'末端にある塩基配列に
よって決定されると考えられるため、こうなる。
【0142】さらに別の態様において、組織切片のイン
サイチューTRAPを用いて、また、本発明のヘアピンプラ
イマー、例えば、TRAP用のプライマーとして、図30Aに
示されているプライマーを用いて、テロメラーゼ陽性細
胞を組織切片の中で検出することができる。テロメラー
ゼ活性をもつ1種類の細胞を検出するために、本明細書
において説明されている方法を用いることができる。こ
のような検出感度レベルを得ることは、従来のチューブ
内での組織試料のTRAPアッセイでは困難である。
サイチューTRAPを用いて、また、本発明のヘアピンプラ
イマー、例えば、TRAP用のプライマーとして、図30Aに
示されているプライマーを用いて、テロメラーゼ陽性細
胞を組織切片の中で検出することができる。テロメラー
ゼ活性をもつ1種類の細胞を検出するために、本明細書
において説明されている方法を用いることができる。こ
のような検出感度レベルを得ることは、従来のチューブ
内での組織試料のTRAPアッセイでは困難である。
【0143】PCRによるTRAPアッセイ法は、細胞/組織抽
出物の中の微量のテロメラーゼ活性を検出できるほど感
度が高い(すなわち、細胞集団の1%にテロメラーゼ活
性があれば検出される)が、異質な細胞集団におけるテ
ロメラーゼ陽性細胞を個別に同定したり、細胞/組織の
形態をテロメラーゼ発現と相関させることは不可能であ
る。これに対して、インサイチューTRAPアッセイ法にお
いて、従来からの蛍光顕微鏡を用いた、テロメラーゼ陽
性細胞の同定によって、テロメラーゼ発現と一つの細胞
の病態生理学的状態の両方を研究することができるよう
になる。
出物の中の微量のテロメラーゼ活性を検出できるほど感
度が高い(すなわち、細胞集団の1%にテロメラーゼ活
性があれば検出される)が、異質な細胞集団におけるテ
ロメラーゼ陽性細胞を個別に同定したり、細胞/組織の
形態をテロメラーゼ発現と相関させることは不可能であ
る。これに対して、インサイチューTRAPアッセイ法にお
いて、従来からの蛍光顕微鏡を用いた、テロメラーゼ陽
性細胞の同定によって、テロメラーゼ発現と一つの細胞
の病態生理学的状態の両方を研究することができるよう
になる。
【0144】チューブ内TRAPアッセイ法と同様、インサ
イチューTRAPアッセイ法(15.1節、実施例2参照)に
は、酵素的活性のあるテロメラーゼが必要である。イン
サイチューTRAPアッセイ法は、増幅反応、好ましくは、
PCRのための鋳型DNAとして用いられる、テロメラーゼに
よって伸長された産物を増幅するという方法によって、
テロメラーゼ活性を検出する。
イチューTRAPアッセイ法(15.1節、実施例2参照)に
は、酵素的活性のあるテロメラーゼが必要である。イン
サイチューTRAPアッセイ法は、増幅反応、好ましくは、
PCRのための鋳型DNAとして用いられる、テロメラーゼに
よって伸長された産物を増幅するという方法によって、
テロメラーゼ活性を検出する。
【0145】チューブ内TRAPアッセイにおいてPCR産物
を検出するために、いくつかの処理方法が可能である。
例えば、一つの態様において、目的とする遺伝子ターゲ
ッティングのために標識されたプローブを、PCR産物に
ハイブリダイズさせることができ、その後で、結合した
プローブを抗体で検出する。または、PCR産物への標識
の取り込みを、抗体によって検出することもできる。
を検出するために、いくつかの処理方法が可能である。
例えば、一つの態様において、目的とする遺伝子ターゲ
ッティングのために標識されたプローブを、PCR産物に
ハイブリダイズさせることができ、その後で、結合した
プローブを抗体で検出する。または、PCR産物への標識
の取り込みを、抗体によって検出することもできる。
【0146】これに対して、インサイチューTRAPアッセ
イ法に、本発明のヘアピンプライマーを利用することに
よって、上記の検出段階を省くことができる。チューブ
内TRAPアッセイ法と同じく、インサイチューTRAPアッセ
イ法では、TSプライマー、またはRPプライマーとしてヘ
アピンプライマーを用いることができる。生成されたPC
R産物の中に取り込まれたヘアピンプライマーだけが蛍
光を発するため、増幅後に、PCR増幅後の検出/洗浄段階
なしに、直接、スライドを蛍光顕微鏡下で眺めることが
できる。目的とする遺伝子標的が増幅されたときにだ
け、細胞が蛍光を発する。
イ法に、本発明のヘアピンプライマーを利用することに
よって、上記の検出段階を省くことができる。チューブ
内TRAPアッセイ法と同じく、インサイチューTRAPアッセ
イ法では、TSプライマー、またはRPプライマーとしてヘ
アピンプライマーを用いることができる。生成されたPC
R産物の中に取り込まれたヘアピンプライマーだけが蛍
光を発するため、増幅後に、PCR増幅後の検出/洗浄段階
なしに、直接、スライドを蛍光顕微鏡下で眺めることが
できる。目的とする遺伝子標的が増幅されたときにだ
け、細胞が蛍光を発する。
【0147】インサイチューTRAPアッセイ法で本発明の
ヘアピンプライマーを利用することは、他の方法よりも
大きな利点がある。まず、検出段階がなくなる。インサ
イチューPCR法の技術的問題の一つは、PCR産物が拡散す
ることであり、これが、増幅産物の本来の部位を同定す
ることを著しく困難にしている。検出段階がなくなる
と、この問題が少なくなる。さらに、検出段階と洗浄段
階ともになくなると、組織の形態を保つことが可能にな
る。
ヘアピンプライマーを利用することは、他の方法よりも
大きな利点がある。まず、検出段階がなくなる。インサ
イチューPCR法の技術的問題の一つは、PCR産物が拡散す
ることであり、これが、増幅産物の本来の部位を同定す
ることを著しく困難にしている。検出段階がなくなる
と、この問題が少なくなる。さらに、検出段階と洗浄段
階ともになくなると、組織の形態を保つことが可能にな
る。
【0148】第二に、内部対照を取り込むことができる
ことである。スライド調製物の不均一性と、PCR増幅の
阻害因子が存在する可能性によって、偽陰性の結果がも
たらされることがある。PCR増幅のために、内部陽性対
照を取り込むことによって、この問題を未然に防ぐこと
ができる。内部対照は、プライマー対と鋳型DNAとから
なり、TRAP反応混合液に加えられる。内部対照の2つの
プライマーのうちの一つは、ローダミン/DABCYLで標識
された、FRETを行うヘアピンプライマーなど、MET対で
標識された、本発明のヘアピンプライマーである。非対
照用ヘアピンプライマー上の蛍光標識とは別個の発光プ
ロファイルをもつ、この第二の蛍光標識(例えば、ロー
ダミン)を利用することにより、例えば、FAMで標識さ
れたテロメラーゼ産物と、ローダミンで標識された内部
対照などのような、2つの異なった増幅産物を同時に同
定することが可能になる。FAM、およびローダミンに適
した、それぞれ異なるフィルターを通して、蛍光顕微鏡
で試料を見ることにより、対照の増幅が起きたか否かを
評価することができる。
ことである。スライド調製物の不均一性と、PCR増幅の
阻害因子が存在する可能性によって、偽陰性の結果がも
たらされることがある。PCR増幅のために、内部陽性対
照を取り込むことによって、この問題を未然に防ぐこと
ができる。内部対照は、プライマー対と鋳型DNAとから
なり、TRAP反応混合液に加えられる。内部対照の2つの
プライマーのうちの一つは、ローダミン/DABCYLで標識
された、FRETを行うヘアピンプライマーなど、MET対で
標識された、本発明のヘアピンプライマーである。非対
照用ヘアピンプライマー上の蛍光標識とは別個の発光プ
ロファイルをもつ、この第二の蛍光標識(例えば、ロー
ダミン)を利用することにより、例えば、FAMで標識さ
れたテロメラーゼ産物と、ローダミンで標識された内部
対照などのような、2つの異なった増幅産物を同時に同
定することが可能になる。FAM、およびローダミンに適
した、それぞれ異なるフィルターを通して、蛍光顕微鏡
で試料を見ることにより、対照の増幅が起きたか否かを
評価することができる。
【0149】内部対照の増幅は、試料中のテロメラーゼ
活性の有無とは無関係である。PCR阻害が存在すること
は、同じスライド上で、内部対照の増幅がないか、著し
く減少することによって評価することができる。したが
って、試料が、テロメラーゼ産物を示さないが、内部対
照の増幅を示したときは、その結果は、その試料は、本
当にテロメラーゼ陰性であることを示していて、PCR阻
害による偽陰性の結果ではないと解釈することができ
る。こうして、方法論の信頼性が大いに向上する。
活性の有無とは無関係である。PCR阻害が存在すること
は、同じスライド上で、内部対照の増幅がないか、著し
く減少することによって評価することができる。したが
って、試料が、テロメラーゼ産物を示さないが、内部対
照の増幅を示したときは、その結果は、その試料は、本
当にテロメラーゼ陰性であることを示していて、PCR阻
害による偽陰性の結果ではないと解釈することができ
る。こうして、方法論の信頼性が大いに向上する。
【0150】最後に、臨床実験場面でTRAPアッセイ法を
行うに当たって、最も大きな障害の一つとなるのは、こ
のアッセイ法が、非常に、PCRの持ち越し汚染をもたら
しやすいということである。従来のPCRプライマーでは
なく、本発明のヘアピンプライマーを用いる、上記のTR
APアッセイ法の閉鎖チューブ方式の方が、臨床実験室で
は大いに有用であろう。
行うに当たって、最も大きな障害の一つとなるのは、こ
のアッセイ法が、非常に、PCRの持ち越し汚染をもたら
しやすいということである。従来のPCRプライマーでは
なく、本発明のヘアピンプライマーを用いる、上記のTR
APアッセイ法の閉鎖チューブ方式の方が、臨床実験室で
は大いに有用であろう。
【0151】4.2.2.6. カスケード式ローリングサーク
ル増幅(CRCA)におけるヘアピンプライマーの使用法 本発明のヘアピンプライマーを、カスケード式ローリン
グサークル増幅(CRCA)において用いることができる
(リザルディ(Lizardi)とカプラン(Caplan)、1997
年5月29日に公開された国際公開公報第97/19193号)
(図31)。PCRと同じように、CRCAは、2つのプライマー
によって操作される。CRCAを用いる、本発明の一つの態
様において、プライマーの片方、または両方が、MET対
で標識されたヘアピンプライマーであり、好ましくは、
一つのヘアピンプライマーだけが、MET対によって標識
されている。このヘアピンプライマーは、それがカスケ
ード反応産物の中に取り込まれたときにだけ、METシグ
ナルを発生させる。しかし、PCRとは異なり、反応に
は、熱変性の反復サイクルが必要ではないため、等温で
行われる。このプロセスにおいて、第一のフォワードプ
ライマーは、環状化された鋳型プローブにハイブリダイ
ズし、例えば、Bst DNAポリメラーゼのラージフラグメ
ント(「Bst LFポリメラーゼ」)などのDNAポリメラー
ゼによって、サークルを回って伸長し、最後に、長い5'
側テールを形成するために、プライマー末端を置換す
る。第二のリバースプライマーが、第一のプライマーに
よる合成から置換したテールの上で、ストランド置換合
成を開始する。
ル増幅(CRCA)におけるヘアピンプライマーの使用法 本発明のヘアピンプライマーを、カスケード式ローリン
グサークル増幅(CRCA)において用いることができる
(リザルディ(Lizardi)とカプラン(Caplan)、1997
年5月29日に公開された国際公開公報第97/19193号)
(図31)。PCRと同じように、CRCAは、2つのプライマー
によって操作される。CRCAを用いる、本発明の一つの態
様において、プライマーの片方、または両方が、MET対
で標識されたヘアピンプライマーであり、好ましくは、
一つのヘアピンプライマーだけが、MET対によって標識
されている。このヘアピンプライマーは、それがカスケ
ード反応産物の中に取り込まれたときにだけ、METシグ
ナルを発生させる。しかし、PCRとは異なり、反応に
は、熱変性の反復サイクルが必要ではないため、等温で
行われる。このプロセスにおいて、第一のフォワードプ
ライマーは、環状化された鋳型プローブにハイブリダイ
ズし、例えば、Bst DNAポリメラーゼのラージフラグメ
ント(「Bst LFポリメラーゼ」)などのDNAポリメラー
ゼによって、サークルを回って伸長し、最後に、長い5'
側テールを形成するために、プライマー末端を置換す
る。第二のリバースプライマーが、第一のプライマーに
よる合成から置換したテールの上で、ストランド置換合
成を開始する。
【0152】前回の合成から置換した鎖上で、両方のプ
ライマーが、継続的に合成開始を繰り返すCRCAが起こ
る。本発明のヘアピンプライマーを、フォワードプライ
マーか、リバースプライマーとして使用すると、閉鎖系
の中でCRCA産物を直接検出することが可能になる。これ
を、二価の直鎖プローブを標的部位で環状化させるため
の最初の特殊なライゲーション反応(下記参照)と組み
合わせると、本発明のヘアピンプライマーを用いる反応
は、感染因子の検出、アロタイピング、および癌診断に
おけるような稀な事象の検出をするための、非常に感度
が高く、簡単なシステムとして利用することができる。
ライマーが、継続的に合成開始を繰り返すCRCAが起こ
る。本発明のヘアピンプライマーを、フォワードプライ
マーか、リバースプライマーとして使用すると、閉鎖系
の中でCRCA産物を直接検出することが可能になる。これ
を、二価の直鎖プローブを標的部位で環状化させるため
の最初の特殊なライゲーション反応(下記参照)と組み
合わせると、本発明のヘアピンプライマーを用いる反応
は、感染因子の検出、アロタイピング、および癌診断に
おけるような稀な事象の検出をするための、非常に感度
が高く、簡単なシステムとして利用することができる。
【0153】CRCAを始めるために、標的配列への直鎖プ
ローブ(好ましくは、長さ約90塩基)のライゲーション
を行わなければならない。これは、例えば、アンプリガ
ーゼ(Ampligase)(エピセンター・テクノロジーズ社
(Epicentre Technlogies)、ウィスコンシン州マディ
ソン)などの好熱的リガーゼによって触媒される。フォ
ワードプライマーを加えて、環状化したプローブにアニ
ールさせる。例えば、Bst DNAポリメラーゼのラージフ
ラグメント(8ユニット)など、強いストランド置換活
性をもつポリメラーゼを加えると、CRCAが開始する。こ
の好熱性酵素によって、テールを持った、数キロベース
の産物が生成され、標的配列が直列に反復した反復配列
が多数、したがって、リバースプライマーの結合部位が
多数産生される。
ローブ(好ましくは、長さ約90塩基)のライゲーション
を行わなければならない。これは、例えば、アンプリガ
ーゼ(Ampligase)(エピセンター・テクノロジーズ社
(Epicentre Technlogies)、ウィスコンシン州マディ
ソン)などの好熱的リガーゼによって触媒される。フォ
ワードプライマーを加えて、環状化したプローブにアニ
ールさせる。例えば、Bst DNAポリメラーゼのラージフ
ラグメント(8ユニット)など、強いストランド置換活
性をもつポリメラーゼを加えると、CRCAが開始する。こ
の好熱性酵素によって、テールを持った、数キロベース
の産物が生成され、標的配列が直列に反復した反復配列
が多数、したがって、リバースプライマーの結合部位が
多数産生される。
【0154】その一方または両方が、MET対で標識され
たヘアピンプライマーでありうるが、好ましくは、一方
だけがMET対で標識されている、フォワードプライマ
ー、およびリバースプライマーは両方とも、鋳型DNAへ
の迅速な結合を確かなものにするため、好ましくは、過
剰量(1μM)存在する。各プライマーが伸長するにつれ
て、ポリメラーゼが、その先で伸長している鎖を置換し
て、それによって、別のプライマーの結合部位をもつ、
新しい一本鎖テールの組が作出される(図31)。
たヘアピンプライマーでありうるが、好ましくは、一方
だけがMET対で標識されている、フォワードプライマ
ー、およびリバースプライマーは両方とも、鋳型DNAへ
の迅速な結合を確かなものにするため、好ましくは、過
剰量(1μM)存在する。各プライマーが伸長するにつれ
て、ポリメラーゼが、その先で伸長している鎖を置換し
て、それによって、別のプライマーの結合部位をもつ、
新しい一本鎖テールの組が作出される(図31)。
【0155】この処理を何サイクルも続けると、数百コ
ピーの最初のサークルから、取り込まれなかったヘアピ
ンプライマーを含む二本鎖増幅産物が、数マイクログラ
ム生成させることができる。MET発光を測定するために
温度を下げると、取り込まれなかったヘアピンプライマ
ーはすべて、ヘアピン構造に復帰する。MET対が供与体-
消光物質のFRET対であるとき、このヘアピン構造への復
帰によって、蛍光シグナルが消光される。したがって、
供与体-消光物質のFRET対で標識されたヘアピンプライ
マーで用いられれば、ライゲーション、またはカスケー
ド反応が起きなかった試料では、バックグランドを超え
るシグナルは生じないはずである。
ピーの最初のサークルから、取り込まれなかったヘアピ
ンプライマーを含む二本鎖増幅産物が、数マイクログラ
ム生成させることができる。MET発光を測定するために
温度を下げると、取り込まれなかったヘアピンプライマ
ーはすべて、ヘアピン構造に復帰する。MET対が供与体-
消光物質のFRET対であるとき、このヘアピン構造への復
帰によって、蛍光シグナルが消光される。したがって、
供与体-消光物質のFRET対で標識されたヘアピンプライ
マーで用いられれば、ライゲーション、またはカスケー
ド反応が起きなかった試料では、バックグランドを超え
るシグナルは生じないはずである。
【0156】CRCAは、一般的には約60〜65℃という一定
の温度で行われるので、プライマーは、これらの温度で
効果的に結合するのに十分な長さ(18マー以上の長さ)
にする必要がある。ヘアピンプライマーは、好ましく
は、室温で強いヘアピン構造を形成するが、ストランド
置換合成を阻害しないように(図32)、60〜65℃では、
比較的不安定なものを選択する。ヘアピンは、合成中の
ヘアピンをさらに不安定化させるように、プライマー結
合配列と部分的に重複させることができ、または、スペ
ーサー領域によって、プライマー結合部位から分離する
こともできる。
の温度で行われるので、プライマーは、これらの温度で
効果的に結合するのに十分な長さ(18マー以上の長さ)
にする必要がある。ヘアピンプライマーは、好ましく
は、室温で強いヘアピン構造を形成するが、ストランド
置換合成を阻害しないように(図32)、60〜65℃では、
比較的不安定なものを選択する。ヘアピンは、合成中の
ヘアピンをさらに不安定化させるように、プライマー結
合配列と部分的に重複させることができ、または、スペ
ーサー領域によって、プライマー結合部位から分離する
こともできる。
【0157】本発明のヘアピンプライマーを使用するCR
CAの好ましい態様において、この他の反応成分には、20
0μMのdNTPs、2 mMのMgSO4、20 mMのTris-HCl、pH 8.
8、10mMのKCl、10 mMの(NH4)2SO4、および0.1%トラ
イトンX-100が含まれる。ライゲーション反応とカスケ
ード反応は、リガーゼを、まず、NAD+(0.5 mM)存在下
で添加し、ポリメラーゼを加える前に10分間インキュベ
ートして、同じチューブで、同じ温度で行うことができ
る。
CAの好ましい態様において、この他の反応成分には、20
0μMのdNTPs、2 mMのMgSO4、20 mMのTris-HCl、pH 8.
8、10mMのKCl、10 mMの(NH4)2SO4、および0.1%トラ
イトンX-100が含まれる。ライゲーション反応とカスケ
ード反応は、リガーゼを、まず、NAD+(0.5 mM)存在下
で添加し、ポリメラーゼを加える前に10分間インキュベ
ートして、同じチューブで、同じ温度で行うことができ
る。
【0158】4.3 3'-5'エキソヌクレアーゼ、および/
または温度上昇を用いた、増幅産物の検出法 以下の小分節で説明される本発明の方法は、PCR、トリ
アンプリフィケーション、NASBA、およびSDAを含む核酸
増幅反応の過程で用いるために、5.4分節で説明されて
いる方法(直鎖プライマーを用いる)と組み合わせるこ
ともできる。3'-5'エキソヌクレアーゼ、または温度上
昇を用いることによって、取り込まれなかったプライマ
ーを分離する必要なし(したがって、「閉鎖チューブ」
方式も可能である)に、増幅産物を検出することができ
るので、直鎖プライマーとともに使用するとき、このよ
うな処理法が好ましい。ヘアピンプライマーを使用する
と、検出されるシグナルの型に基づいて、増幅産物と取
り込まれなかったプライマーとを区別することができる
ため、本発明のヘアピンプライマーを用いた処理におい
ては、エキソヌクレアーゼ処理や加熱は必要とされな
い。
または温度上昇を用いた、増幅産物の検出法 以下の小分節で説明される本発明の方法は、PCR、トリ
アンプリフィケーション、NASBA、およびSDAを含む核酸
増幅反応の過程で用いるために、5.4分節で説明されて
いる方法(直鎖プライマーを用いる)と組み合わせるこ
ともできる。3'-5'エキソヌクレアーゼ、または温度上
昇を用いることによって、取り込まれなかったプライマ
ーを分離する必要なし(したがって、「閉鎖チューブ」
方式も可能である)に、増幅産物を検出することができ
るので、直鎖プライマーとともに使用するとき、このよ
うな処理法が好ましい。ヘアピンプライマーを使用する
と、検出されるシグナルの型に基づいて、増幅産物と取
り込まれなかったプライマーとを区別することができる
ため、本発明のヘアピンプライマーを用いた処理におい
ては、エキソヌクレアーゼ処理や加熱は必要とされな
い。
【0159】4.3.1. 増幅反応における3'-5'エキソヌ
クレアーゼの使用 PCRおよびトリアンプリフィケーションに関する5.4分節
における一定の態様で説明されているように、また、増
幅反応が完了した後、NASBAとSDAで用いるために、すべ
ての遊離プライマーを切断するために、反応容器の中
に、3'-5'エキソヌクレアーゼを入れることができる。
すると、適当な波長の光によって、供与体のレベルが刺
激される。受容体部分がフルオロフォアのとき、発光す
る受容体の標識は、増幅産物の中に取り込まれていて、
切断を受けなかったものだけであるため、増幅の程度を
示すことができる。さらに増幅を続けるほど、シグナル
は強くなってゆく。受容体部分が、蛍光を発せず、転位
エネルギーを熱にして使ってしまう(すなわち、消光し
てしまう)ときには、増幅反応は、供与体の発光の減少
で測定することができる。
クレアーゼの使用 PCRおよびトリアンプリフィケーションに関する5.4分節
における一定の態様で説明されているように、また、増
幅反応が完了した後、NASBAとSDAで用いるために、すべ
ての遊離プライマーを切断するために、反応容器の中
に、3'-5'エキソヌクレアーゼを入れることができる。
すると、適当な波長の光によって、供与体のレベルが刺
激される。受容体部分がフルオロフォアのとき、発光す
る受容体の標識は、増幅産物の中に取り込まれていて、
切断を受けなかったものだけであるため、増幅の程度を
示すことができる。さらに増幅を続けるほど、シグナル
は強くなってゆく。受容体部分が、蛍光を発せず、転位
エネルギーを熱にして使ってしまう(すなわち、消光し
てしまう)ときには、増幅反応は、供与体の発光の減少
で測定することができる。
【0160】トリアンプリフィケーションが用いられる
(5.4.2分節)一つの態様において、増幅反応が完了し
た後、反応容器の中に、一本鎖特異的な3'-5'エキソヌ
クレアーゼを加える。図8に示されているように、3'-5'
エキソヌクレアーゼ処理によって、リバースプライマー
の対合しない末端が加水分解される。ブロッカーの3'末
端は、保護されているため処理を受けない。
(5.4.2分節)一つの態様において、増幅反応が完了し
た後、反応容器の中に、一本鎖特異的な3'-5'エキソヌ
クレアーゼを加える。図8に示されているように、3'-5'
エキソヌクレアーゼ処理によって、リバースプライマー
の対合しない末端が加水分解される。ブロッカーの3'末
端は、保護されているため処理を受けない。
【0161】増幅産物の中のFRETフルオロフォアの相互
作用は、2つの理由で、この処理による影響を受けな
い。まず、増幅産物の3'末端が塩基対合するため、エキ
ソヌクレアーゼにとってよい基質とならない。次に、増
幅産物に取り込まれたプライマーは、3'末端上で伸長
し、その標識されたヌクレオチド残基は、保護されてい
ない3'-ヒドロキシ基から比較的離れている。したがっ
て、ヌクレアーゼが修飾塩基に到達するまでには、ずっ
と長い時間がかかる。その結果、検出可能なFRETシグナ
ルだけが増幅産物から生じ、バックグランドがない。好
ましくは、供与体はフォワードプライマー上にあり、受
容体はブロッカー上にあるが、この逆も可能である。
作用は、2つの理由で、この処理による影響を受けな
い。まず、増幅産物の3'末端が塩基対合するため、エキ
ソヌクレアーゼにとってよい基質とならない。次に、増
幅産物に取り込まれたプライマーは、3'末端上で伸長
し、その標識されたヌクレオチド残基は、保護されてい
ない3'-ヒドロキシ基から比較的離れている。したがっ
て、ヌクレアーゼが修飾塩基に到達するまでには、ずっ
と長い時間がかかる。その結果、検出可能なFRETシグナ
ルだけが増幅産物から生じ、バックグランドがない。好
ましくは、供与体はフォワードプライマー上にあり、受
容体はブロッカー上にあるが、この逆も可能である。
【0162】直鎖プライマーを用いた核酸の増幅におい
て、3'-5'エキソヌクレアーゼを用いると、反応後に、
増幅産物を取り込まれなかったオリゴヌクレオチドから
分離する必要がなくなる。好ましい態様において、本発
明の方法は、増幅産物を分離させるために容器を開放す
ることなく、反応が進行している容器の中で実施するこ
とができる。ポリメラーゼとヌクレアーゼは、増幅の過
程、例えば、図11Aに示されているように、2室反応チュ
ーブの中で機械的に分離することができる。増幅後、図
11Bのように、反応チューブを反転させ、エキソヌクレ
アーゼが増幅用混合液と混合するようにし、反応しなか
った標識プライマーの加水分解を起こさせる。これによ
り、持ち越し汚染の機会は大幅に減少し、その結果、臨
床実験において偽陽性の結果が出ることは、ほとんどな
くなる。この「閉鎖チューブ」方式も、容易に自動化に
なじむ。
て、3'-5'エキソヌクレアーゼを用いると、反応後に、
増幅産物を取り込まれなかったオリゴヌクレオチドから
分離する必要がなくなる。好ましい態様において、本発
明の方法は、増幅産物を分離させるために容器を開放す
ることなく、反応が進行している容器の中で実施するこ
とができる。ポリメラーゼとヌクレアーゼは、増幅の過
程、例えば、図11Aに示されているように、2室反応チュ
ーブの中で機械的に分離することができる。増幅後、図
11Bのように、反応チューブを反転させ、エキソヌクレ
アーゼが増幅用混合液と混合するようにし、反応しなか
った標識プライマーの加水分解を起こさせる。これによ
り、持ち越し汚染の機会は大幅に減少し、その結果、臨
床実験において偽陽性の結果が出ることは、ほとんどな
くなる。この「閉鎖チューブ」方式も、容易に自動化に
なじむ。
【0163】別の態様において、熱安定性DNAポリメラ
ーゼが、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性をもつ酵素とも
たない酵素という2つの酵素と組み合わされて存在して
いる例外つきで、5.4.1節、5.4.2節、および6節で説明
されているようにして、トリアンプリフィケーションま
たはPCR増幅を行うことができる。エキソヌクレアーゼ
に対するポリメラーゼの比率は、増幅サイクルの過程で
重合が優位を占めるように調整することができる。増幅
後、サイクルが終了したときには、プライマーが結合で
きる一本鎖鋳型は、それ以上生成されない。このように
して、dNTPを取り込むためにDNAポリメラーゼが結合す
る鋳型/プライマー複合体はなくなる。したがって、DNA
ポリメラーゼには、その3'-5'エキソヌクレアーゼ活性
を用いて、反応しなかったプライマーに結合し、分解す
る機会がある。
ーゼが、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性をもつ酵素とも
たない酵素という2つの酵素と組み合わされて存在して
いる例外つきで、5.4.1節、5.4.2節、および6節で説明
されているようにして、トリアンプリフィケーションま
たはPCR増幅を行うことができる。エキソヌクレアーゼ
に対するポリメラーゼの比率は、増幅サイクルの過程で
重合が優位を占めるように調整することができる。増幅
後、サイクルが終了したときには、プライマーが結合で
きる一本鎖鋳型は、それ以上生成されない。このように
して、dNTPを取り込むためにDNAポリメラーゼが結合す
る鋳型/プライマー複合体はなくなる。したがって、DNA
ポリメラーゼには、その3'-5'エキソヌクレアーゼ活性
を用いて、反応しなかったプライマーに結合し、分解す
る機会がある。
【0164】4.3.2. 増幅反応における温度上昇の利用
トリアンプリフィケーションのような増幅反応のバック
グランド蛍光は、エキソヌクレアーゼを使用する代わり
に、増幅容器の温度を上げることによって大幅に減少さ
せることができる。検出過程で、使用されなかったブロ
ッカーとリバースプライマーとの間で形成された短い二
本鎖を解離させるのに充分高い温度まで、容器の温度を
上げて、FRETを防止する。同時に、これらよりもずっと
長い増幅産物は、二本鎖のまま残り、FRETシグナルを発
生させる(例えば、実施例5を参照のこと)。この態様
では、好ましくは、熱安定性キュベット、またはプレー
ト読み取り式蛍光測定器を用いて検出が行われる。本態
様は、また、増幅産物を使用されなかったプライマーか
ら分離する必要がないという点でも有利である。このよ
うに、エキソヌクレアーゼ処理を用いる前記の態様と同
じように、反応容器を開くことなく、直接、増幅産物を
検出することができる。
グランド蛍光は、エキソヌクレアーゼを使用する代わり
に、増幅容器の温度を上げることによって大幅に減少さ
せることができる。検出過程で、使用されなかったブロ
ッカーとリバースプライマーとの間で形成された短い二
本鎖を解離させるのに充分高い温度まで、容器の温度を
上げて、FRETを防止する。同時に、これらよりもずっと
長い増幅産物は、二本鎖のまま残り、FRETシグナルを発
生させる(例えば、実施例5を参照のこと)。この態様
では、好ましくは、熱安定性キュベット、またはプレー
ト読み取り式蛍光測定器を用いて検出が行われる。本態
様は、また、増幅産物を使用されなかったプライマーか
ら分離する必要がないという点でも有利である。このよ
うに、エキソヌクレアーゼ処理を用いる前記の態様と同
じように、反応容器を開くことなく、直接、増幅産物を
検出することができる。
【0165】4.4. 直鎖プライマーを用いた増幅産物の
検出法 例えば、PCR、NASBA、ストランド置換、およびインビト
ロまたはインサイチューのトリアンプリフィケーション
において、本発明の直鎖プライマーを用いることができ
る。閉鎖チューブ方式の増幅反応において、直鎖プライ
マーを用いるときは、好ましくは、3'-5'エキソヌクレ
アーゼ処理、および/または温度上昇(5.3節)を用い
て、プライマーと増幅産物を分ける。
検出法 例えば、PCR、NASBA、ストランド置換、およびインビト
ロまたはインサイチューのトリアンプリフィケーション
において、本発明の直鎖プライマーを用いることができ
る。閉鎖チューブ方式の増幅反応において、直鎖プライ
マーを用いるときは、好ましくは、3'-5'エキソヌクレ
アーゼ処理、および/または温度上昇(5.3節)を用い
て、プライマーと増幅産物を分ける。
【0166】4.4.1 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)にお
ける直鎖プライマーの使用 一つの態様において、本発明のプライマーは、ポリメラ
ーゼ連鎖反応(PCR)(実施例は、図25に示されてい
る)をプライミングするのに用いられ、それによって、
増幅産物の中に取り込まれる。供与体フルオロフォア部
分がプライマーに付着していて、フルオロフォアか消光
物質である受容体部分は、同じプライマー上の供与体か
ら少し離れたところ(30ヌクレオチド以下のところ)に
付着している。
ける直鎖プライマーの使用 一つの態様において、本発明のプライマーは、ポリメラ
ーゼ連鎖反応(PCR)(実施例は、図25に示されてい
る)をプライミングするのに用いられ、それによって、
増幅産物の中に取り込まれる。供与体フルオロフォア部
分がプライマーに付着していて、フルオロフォアか消光
物質である受容体部分は、同じプライマー上の供与体か
ら少し離れたところ(30ヌクレオチド以下のところ)に
付着している。
【0167】PCR増幅が完了した後、反応容器の中に3'-
5'エキソヌクレアーゼを入れる。エキソヌクレアーゼ
は、反応容器中のすべての遊離プライマーを切断する。
次に、この反応混合液を、供与体部分を励起するのに適
当な波長の光に当てる。
5'エキソヌクレアーゼを入れる。エキソヌクレアーゼ
は、反応容器中のすべての遊離プライマーを切断する。
次に、この反応混合液を、供与体部分を励起するのに適
当な波長の光に当てる。
【0168】受容体部分がフルオロフォアであるとき、
光を放出する受容体の標識だけが、増幅産物の中に取り
込まれている未切断のプライマーであり、これによっ
て、増幅の程度が示されることになる。増幅がさらに進
行するほど、受容体部分からのシグナルは大きくなる。
受容体部分が、蛍光を発せず、転位エネルギーを熱にし
て使ってしまう(すなわち、消光してしまう)ときに
は、反応の進行は、供与体の発光の減少で測定すること
ができる。
光を放出する受容体の標識だけが、増幅産物の中に取り
込まれている未切断のプライマーであり、これによっ
て、増幅の程度が示されることになる。増幅がさらに進
行するほど、受容体部分からのシグナルは大きくなる。
受容体部分が、蛍光を発せず、転位エネルギーを熱にし
て使ってしまう(すなわち、消光してしまう)ときに
は、反応の進行は、供与体の発光の減少で測定すること
ができる。
【0169】4.4.1.1 対立遺伝子特異的PCR(ASP)に
おける直鎖プライマーの使用 別の態様において、本発明の直鎖プライマーを用いて、
上記5.2.1.1節で説明されている、対立遺伝子特異的PCR
(ASP)がプライミングされる。本態様において、増幅
プライマーの一方または両方を直鎖プライマーにするこ
とができる。
おける直鎖プライマーの使用 別の態様において、本発明の直鎖プライマーを用いて、
上記5.2.1.1節で説明されている、対立遺伝子特異的PCR
(ASP)がプライミングされる。本態様において、増幅
プライマーの一方または両方を直鎖プライマーにするこ
とができる。
【0170】4.4.2 トリアンプリフィケーションにお
ける直鎖オリゴヌクレオチドの使用法 一つの態様において、本発明の一組の直鎖プライマー
が、トリアンプリフィケーションにおいて使用される
(5.2.2.1節で説明されている一般的段階)。トリアン
プリフィケーションのgap方式に応用されているよう
に、また、MET対の供与体部分と受容体部分が、それぞ
れ、別々の直鎖オリゴヌクレオチド上に位置している態
様において、前向きに伸長するプライマーか、逆向きに
伸長するプライマーのいずれか、および第三の、ブロッ
キングオリゴヌクレオチドが標識される。しかし、MET
供与体-受容体標識の組合せの一つが、ブロッカー上に
なければならず、もう一つの標識は、ブロッカーに相補
的なプライマーの一本鎖3'末端(例えば、7節および8節
を参照のこと)上になければならない。供与体フルオロ
フォアと受容体フルオロフォアからなるFRET対を用い
る、このような特異的な態様においては、プライマーと
ブロッカーのオリゴヌクレオチドは、両方のオリゴヌク
レオチドが近接していて(互いにハイブリダイズしてい
る)、供与体の標識が刺激されると、FRETが起こり、受
容体のフルオロフォアの発光波長で蛍光シグナルが産生
されるように、それぞれ、供与体と受容体のフルオロフ
ォアによって標識される。(または、受容体部分は、消
光物質でもよい)。特異的な態様において、ブロッカー
に相補的でないプライマーは、FRET対の供与体部分か受
容体部分によって非標識されているか、または、両方の
部分によって標識されている(下の段落を参照)。トリ
アンプリフィケーション後、好ましくは、取り込まれな
かったプライマーの分離を必要とすることなしに、増幅
産物の検出が可能になるよう、エキソヌクレアーゼ処
理、および/または温度上昇を用いる(5.3.1節および5.
3.2節を参照)。
ける直鎖オリゴヌクレオチドの使用法 一つの態様において、本発明の一組の直鎖プライマー
が、トリアンプリフィケーションにおいて使用される
(5.2.2.1節で説明されている一般的段階)。トリアン
プリフィケーションのgap方式に応用されているよう
に、また、MET対の供与体部分と受容体部分が、それぞ
れ、別々の直鎖オリゴヌクレオチド上に位置している態
様において、前向きに伸長するプライマーか、逆向きに
伸長するプライマーのいずれか、および第三の、ブロッ
キングオリゴヌクレオチドが標識される。しかし、MET
供与体-受容体標識の組合せの一つが、ブロッカー上に
なければならず、もう一つの標識は、ブロッカーに相補
的なプライマーの一本鎖3'末端(例えば、7節および8節
を参照のこと)上になければならない。供与体フルオロ
フォアと受容体フルオロフォアからなるFRET対を用い
る、このような特異的な態様においては、プライマーと
ブロッカーのオリゴヌクレオチドは、両方のオリゴヌク
レオチドが近接していて(互いにハイブリダイズしてい
る)、供与体の標識が刺激されると、FRETが起こり、受
容体のフルオロフォアの発光波長で蛍光シグナルが産生
されるように、それぞれ、供与体と受容体のフルオロフ
ォアによって標識される。(または、受容体部分は、消
光物質でもよい)。特異的な態様において、ブロッカー
に相補的でないプライマーは、FRET対の供与体部分か受
容体部分によって非標識されているか、または、両方の
部分によって標識されている(下の段落を参照)。トリ
アンプリフィケーション後、好ましくは、取り込まれな
かったプライマーの分離を必要とすることなしに、増幅
産物の検出が可能になるよう、エキソヌクレアーゼ処
理、および/または温度上昇を用いる(5.3.1節および5.
3.2節を参照)。
【0171】MET対の受容体部分と供与体部分の両方に
よって二重に標識された直鎖オリゴヌクレオチドを用い
ることが望ましく、また、取り込まれなかった標識オリ
ゴヌクレオチドを分離する必要を回避するために、トリ
アンプリフィケーション反応後にエキソヌクレアーゼ処
理(温度上昇ではない)が用いられるべき、トリアンプ
リフィケーションを用いる別の態様において、フォワー
ドプライマー、および/またはリバースプライマーはそ
れぞれ、FRET対の供与体部分と受容体部分(互いにFRET
距離のなかにある)の一つが、3'側一本鎖伸長部分にあ
れば、それらの部分の両方で標識することができる。
よって二重に標識された直鎖オリゴヌクレオチドを用い
ることが望ましく、また、取り込まれなかった標識オリ
ゴヌクレオチドを分離する必要を回避するために、トリ
アンプリフィケーション反応後にエキソヌクレアーゼ処
理(温度上昇ではない)が用いられるべき、トリアンプ
リフィケーションを用いる別の態様において、フォワー
ドプライマー、および/またはリバースプライマーはそ
れぞれ、FRET対の供与体部分と受容体部分(互いにFRET
距離のなかにある)の一つが、3'側一本鎖伸長部分にあ
れば、それらの部分の両方で標識することができる。
【0172】4.5. マルチプレックスアッセイ法におけ
るヘアピンまたは直鎖プライマーの使用法 いくつかの特異的なプライマーセットを使用して、同一
の反応混合液中で、いくつかの核酸標的の増幅を行うこ
とができる。好ましい態様において、各標的に対するプ
ライマーの一方、または両方が、蛍光部分とFRETを行う
ことができる消光物質によって標識されたヘアピンプラ
イマーであってもよい。数個の核酸標的の増幅には、各
プライマーセットを標識するために、異なった発光波長
をもつ別々の蛍光受容体部分を用いる必要がある。
るヘアピンまたは直鎖プライマーの使用法 いくつかの特異的なプライマーセットを使用して、同一
の反応混合液中で、いくつかの核酸標的の増幅を行うこ
とができる。好ましい態様において、各標的に対するプ
ライマーの一方、または両方が、蛍光部分とFRETを行う
ことができる消光物質によって標識されたヘアピンプラ
イマーであってもよい。数個の核酸標的の増幅には、各
プライマーセットを標識するために、異なった発光波長
をもつ別々の蛍光受容体部分を用いる必要がある。
【0173】増幅後の検出と解析の過程で、反応に用い
られた各プライマーセットに特徴的な特異的な波長で、
反応混合液が発光させられ読み取られる。このようにし
て、混合液の中のどの特異的な標的DNAが増幅され標識
されているかを判定することができる。特異的な態様に
おいて、各別の標的配列を増幅するために、2組以上の
プライマー対が用いられる。
られた各プライマーセットに特徴的な特異的な波長で、
反応混合液が発光させられ読み取られる。このようにし
て、混合液の中のどの特異的な標的DNAが増幅され標識
されているかを判定することができる。特異的な態様に
おいて、各別の標的配列を増幅するために、2組以上の
プライマー対が用いられる。
【0174】4.6. 本発明の増幅反応を用いて、DNAの
メチル化状態を測定すること グアノシンの5'側にあるシトシンのメチル化が、いくつ
かの真核生物の遺伝子の発現に大きな効果を与えている
ことが知られている(バード(Bird)、1992、Cell、7
0:5〜8)。正常な細胞において、メチル化は、主に、CG
-に乏しい領域で起こり、「CpGアイランド」と呼ばれる
CGに富んだ領域では、メチル化は起きない。この例外
は、インプリンティングされた遺伝子の調節領域の転写
不活性化(リ(Li)ら、1993、Nature 366: 362〜36
5)、および女性の不活性化されたX染色体上の全遺伝子
(プファイファー(Pfeifer)、1989、Science 246:810
〜813)に関係したCpGアイランドの広範なメチル化であ
る。通常はメチル化されていないCpGアイランドの無作
為のメチル化は、不死化され形質転換された細胞の中で
は、比較的よくある現象として記録されており(アンテ
クエラ(Antequera)ら、1990、Cell 62:503〜514)、
また、それは、ヒトの癌における腫瘍抑制遺伝子である
ことが明らかにされた遺伝子の転写不活性化に関係して
いる(ハーマン(Herman)ら、1996、Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA 93:9821〜9826)。感度よくCpGアイランド
のメチル化を検出すれば、腫瘍抑制遺伝子の機能を明ら
かにすることができるかもしれず、早期に腫瘍を検知す
るための新しい方法を提供することになる。
メチル化状態を測定すること グアノシンの5'側にあるシトシンのメチル化が、いくつ
かの真核生物の遺伝子の発現に大きな効果を与えている
ことが知られている(バード(Bird)、1992、Cell、7
0:5〜8)。正常な細胞において、メチル化は、主に、CG
-に乏しい領域で起こり、「CpGアイランド」と呼ばれる
CGに富んだ領域では、メチル化は起きない。この例外
は、インプリンティングされた遺伝子の調節領域の転写
不活性化(リ(Li)ら、1993、Nature 366: 362〜36
5)、および女性の不活性化されたX染色体上の全遺伝子
(プファイファー(Pfeifer)、1989、Science 246:810
〜813)に関係したCpGアイランドの広範なメチル化であ
る。通常はメチル化されていないCpGアイランドの無作
為のメチル化は、不死化され形質転換された細胞の中で
は、比較的よくある現象として記録されており(アンテ
クエラ(Antequera)ら、1990、Cell 62:503〜514)、
また、それは、ヒトの癌における腫瘍抑制遺伝子である
ことが明らかにされた遺伝子の転写不活性化に関係して
いる(ハーマン(Herman)ら、1996、Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA 93:9821〜9826)。感度よくCpGアイランド
のメチル化を検出すれば、腫瘍抑制遺伝子の機能を明ら
かにすることができるかもしれず、早期に腫瘍を検知す
るための新しい方法を提供することになる。
【0175】メチル化特異的PCRは、少量のDNA試料中
で、異常な遺伝子メチル化を検出するための感度のよい
方法である(ハーマン(Herman)ら、1996、Proc. Nat
l. Acad.Sci. USA 93:9821〜9826)。メチル化特異的PC
Rは、DNAを修飾するために、初期二亜硫酸反応が用いら
れる。全くメチル化されていないシトシンが、二亜硫酸
反応では主であり、ウラシルに転換する。メチル化され
たシトシンは、二亜硫酸反応による影響を受けない。こ
の結果、メチル化されたDNAの配列は、二亜硫酸反応後
には、メチル化されていない同一のDNA配列と異なるこ
とになる。したがって、これらの各配列を特異的に増幅
するために(例えば、メチル化されていない、二亜硫酸
処理されたDNAを増幅するためのプライマー対の2種のプ
ライマーのそれぞれが、メチル化されたか、または未処
理のDNAに対するプライマー対に比較して、(以前はメ
チル化されていないシトシンであったヌクレオチドに相
補的な)A残基で置き換えられた一つ以上のG残基をも
ち、また、T残基で置き換えられた一つ以上のC残基をも
つような)、異なっているプライマーセットを設計する
ことができる。
で、異常な遺伝子メチル化を検出するための感度のよい
方法である(ハーマン(Herman)ら、1996、Proc. Nat
l. Acad.Sci. USA 93:9821〜9826)。メチル化特異的PC
Rは、DNAを修飾するために、初期二亜硫酸反応が用いら
れる。全くメチル化されていないシトシンが、二亜硫酸
反応では主であり、ウラシルに転換する。メチル化され
たシトシンは、二亜硫酸反応による影響を受けない。こ
の結果、メチル化されたDNAの配列は、二亜硫酸反応後
には、メチル化されていない同一のDNA配列と異なるこ
とになる。したがって、これらの各配列を特異的に増幅
するために(例えば、メチル化されていない、二亜硫酸
処理されたDNAを増幅するためのプライマー対の2種のプ
ライマーのそれぞれが、メチル化されたか、または未処
理のDNAに対するプライマー対に比較して、(以前はメ
チル化されていないシトシンであったヌクレオチドに相
補的な)A残基で置き換えられた一つ以上のG残基をも
ち、また、T残基で置き換えられた一つ以上のC残基をも
つような)、異なっているプライマーセットを設計する
ことができる。
【0176】この他のPCRによる技術におけるように、
この方法は、非常に感度が高い。そのPCR以外の原因に
よる持ち越しによる汚染は、偽陽性をもたらす原因とな
る。本発明のMET標識されたヘアピンプライマーを使用
することによって、反応が閉鎖チューブ方式で行われ、
モニターされるために持ち越しによる汚染の危険がなく
なる。
この方法は、非常に感度が高い。そのPCR以外の原因に
よる持ち越しによる汚染は、偽陽性をもたらす原因とな
る。本発明のMET標識されたヘアピンプライマーを使用
することによって、反応が閉鎖チューブ方式で行われ、
モニターされるために持ち越しによる汚染の危険がなく
なる。
【0177】本発明の方法において二亜硫酸処理を用い
ることは、PCRを利用する方法に限定されず、それに代
わって用いられるその他の増幅方法にも用いることがで
きる。したがって、本発明は、ヘアピンプライマーか直
鎖プライマーを用いた本発明の増幅反応を用いて、DNA
のメチル化状態を測定する方法を提供する。この方法に
は、増幅反応を行う前に、精製された核酸を含む試料
を、試料中のメチル化されていないシトシンをウラシル
に転換させるのに充分な量の二亜硫酸と接触させるこ
と、および、増幅反応を、例えば、脆弱X遺伝子、プレ
イダー-ウイリー(Prader-Willi)症候群領域、アンゲ
ルマン(Angelman)症候群領域、p15遺伝子、p16遺伝
子、E-カドヘリン遺伝子、フォン・ヒッペル-リンダウ
(von Hippel-Lindau)症候群遺伝子などの予め選ばれ
た標的配列に特異的なプライマー対が存在下で行うこと
が含まれる。別々の反応容器で用いられるプライマー対
は、二亜硫酸処理されメチル化された、二亜硫酸処理さ
れメチル化さていない、および二亜硫酸処理されていな
い(野生型)核酸に、それぞれ特異的であることが好ま
しい。試料中の核酸のメチル化状態に関する結論は、ど
のプライマー対が増幅産物を生じたかによって導き出す
ことができる。好ましい態様において、増幅反応は、一
つ以上のヘアピンプライマーを用いたPCRである。
ることは、PCRを利用する方法に限定されず、それに代
わって用いられるその他の増幅方法にも用いることがで
きる。したがって、本発明は、ヘアピンプライマーか直
鎖プライマーを用いた本発明の増幅反応を用いて、DNA
のメチル化状態を測定する方法を提供する。この方法に
は、増幅反応を行う前に、精製された核酸を含む試料
を、試料中のメチル化されていないシトシンをウラシル
に転換させるのに充分な量の二亜硫酸と接触させるこ
と、および、増幅反応を、例えば、脆弱X遺伝子、プレ
イダー-ウイリー(Prader-Willi)症候群領域、アンゲ
ルマン(Angelman)症候群領域、p15遺伝子、p16遺伝
子、E-カドヘリン遺伝子、フォン・ヒッペル-リンダウ
(von Hippel-Lindau)症候群遺伝子などの予め選ばれ
た標的配列に特異的なプライマー対が存在下で行うこと
が含まれる。別々の反応容器で用いられるプライマー対
は、二亜硫酸処理されメチル化された、二亜硫酸処理さ
れメチル化さていない、および二亜硫酸処理されていな
い(野生型)核酸に、それぞれ特異的であることが好ま
しい。試料中の核酸のメチル化状態に関する結論は、ど
のプライマー対が増幅産物を生じたかによって導き出す
ことができる。好ましい態様において、増幅反応は、一
つ以上のヘアピンプライマーを用いたPCRである。
【0178】DNAのメチル化状態を判定するためのキッ
トと方法も提供される。特異的な態様において、そのよ
うなキットは、増幅を行うために、一つ以上の容器の中
に、本発明のオリゴヌクレオチドを1種類以上と、(選
択的には、ヒドロキノン粉末と一緒に)二亜硫酸ナトリ
ウムを含む。選択的には、さらに、そのようなキット
は、別の容器の中に、以下のものを一つ以上含む。すな
わち、ミネラルオイル、DNA結合基質、NaI溶液、グリコ
ーゲン、増幅バッファー、対照用非メチル化DNA、およ
び対照用メチル化DNA。
トと方法も提供される。特異的な態様において、そのよ
うなキットは、増幅を行うために、一つ以上の容器の中
に、本発明のオリゴヌクレオチドを1種類以上と、(選
択的には、ヒドロキノン粉末と一緒に)二亜硫酸ナトリ
ウムを含む。選択的には、さらに、そのようなキット
は、別の容器の中に、以下のものを一つ以上含む。すな
わち、ミネラルオイル、DNA結合基質、NaI溶液、グリコ
ーゲン、増幅バッファー、対照用非メチル化DNA、およ
び対照用メチル化DNA。
【0179】4.7. 選択された標的DNA配列を増幅し検
出するためのキット 本発明の付加的な局面は、核酸増幅産物の検出と測定を
行うためのキットに関する。特異的な態様において、こ
のキットは、一つ以上の容器の中に、ユニバーサルヘア
ピンプライマー、および/または直鎖プライマーを含む
が、これらに限定はされないヘアピンプライマーなど、
本発明のプライマーオリゴヌクレオチドを一つ以上含
む。さらに、このキットは、本発明の増幅反応を行うた
めの付加的成分を含む。増幅されている標的核酸配列
が、病気や障害を示すものであるとき、本キットは、診
断や予測に用いることができる。特異的な態様におい
て、一つ以上の容器、増幅を行うための本発明のフォワ
ードプライマーとリバースプライマー、および、選択的
には、DNAポリメラーゼ、または、2種類のDNAポリメラ
ーゼで、エキソヌクレアーゼ活性をもつものともたない
ものを含むキットが提供される。トリアンプリフィケー
ション用のキットは、さらに、一つ以上の容器、ブロッ
キングオリゴヌクレオチド、および、選択的には、DNA
リガーゼを含むことができる。
出するためのキット 本発明の付加的な局面は、核酸増幅産物の検出と測定を
行うためのキットに関する。特異的な態様において、こ
のキットは、一つ以上の容器の中に、ユニバーサルヘア
ピンプライマー、および/または直鎖プライマーを含む
が、これらに限定はされないヘアピンプライマーなど、
本発明のプライマーオリゴヌクレオチドを一つ以上含
む。さらに、このキットは、本発明の増幅反応を行うた
めの付加的成分を含む。増幅されている標的核酸配列
が、病気や障害を示すものであるとき、本キットは、診
断や予測に用いることができる。特異的な態様におい
て、一つ以上の容器、増幅を行うための本発明のフォワ
ードプライマーとリバースプライマー、および、選択的
には、DNAポリメラーゼ、または、2種類のDNAポリメラ
ーゼで、エキソヌクレアーゼ活性をもつものともたない
ものを含むキットが提供される。トリアンプリフィケー
ション用のキットは、さらに、一つ以上の容器、ブロッ
キングオリゴヌクレオチド、および、選択的には、DNA
リガーゼを含むことができる。
【0180】容器中のオリゴヌクレオチドは、例えば、
凍結乾燥されていたり、または溶液(例えば、蒸留水、
または緩衝溶液)中にあるなど、どのような形状であっ
てもよい。同一の増幅反応中で用いるために調製された
オリゴヌクレオチドを、一つの容器の中、または別個の
容器の中で組み合わせることができる。一つ以上の増幅
用(フォワードおよびリバース)プライマーを含み、例
えば、各プライマー対の供与体部分が、異なった波長で
蛍光を発するなど、各増幅産物から検出されるシグナル
が異なった波長をもつものである複合キットも提供され
る。このような複合キットには、少なくとも2組のプラ
イマー対が含まれる。
凍結乾燥されていたり、または溶液(例えば、蒸留水、
または緩衝溶液)中にあるなど、どのような形状であっ
てもよい。同一の増幅反応中で用いるために調製された
オリゴヌクレオチドを、一つの容器の中、または別個の
容器の中で組み合わせることができる。一つ以上の増幅
用(フォワードおよびリバース)プライマーを含み、例
えば、各プライマー対の供与体部分が、異なった波長で
蛍光を発するなど、各増幅産物から検出されるシグナル
が異なった波長をもつものである複合キットも提供され
る。このような複合キットには、少なくとも2組のプラ
イマー対が含まれる。
【0181】特異的な態様において、キットは、一つ以
上の容器の中にあり、好ましくは、10〜100、または10
〜80ヌクレオチドの範囲にあるプライマー対、および、
より好ましくは、20〜40ヌクレオチドの範囲にあるプラ
イマー対で、適当な反応条件下で、選択された標的核酸
の少なくとも一部を増幅(例えば、競合的PCRおよび競
合的逆転写酵素PCR(クレメンティ(Clementi)ら、199
4、Genet. Anal. Tech. Appl. 11(1):1〜6; ジーベルト
(Siebert)ら、1992、Nature 359:557〜558)などの、
ポリメラーゼ連鎖反応(例えば、イニス(Innis)ら、1
990、PCRプロトコール(PCR Protocol)、カリフォルニ
ア州サンディエゴ、アカデミックプレス社(Academic P
ress))、トリアンプリフィケーション、NASBA、スト
ランド置換法、または当技術分野において既知の他の方
法によって)をプライミングすることができるプライマ
ー対を含む。
上の容器の中にあり、好ましくは、10〜100、または10
〜80ヌクレオチドの範囲にあるプライマー対、および、
より好ましくは、20〜40ヌクレオチドの範囲にあるプラ
イマー対で、適当な反応条件下で、選択された標的核酸
の少なくとも一部を増幅(例えば、競合的PCRおよび競
合的逆転写酵素PCR(クレメンティ(Clementi)ら、199
4、Genet. Anal. Tech. Appl. 11(1):1〜6; ジーベルト
(Siebert)ら、1992、Nature 359:557〜558)などの、
ポリメラーゼ連鎖反応(例えば、イニス(Innis)ら、1
990、PCRプロトコール(PCR Protocol)、カリフォルニ
ア州サンディエゴ、アカデミックプレス社(Academic P
ress))、トリアンプリフィケーション、NASBA、スト
ランド置換法、または当技術分野において既知の他の方
法によって)をプライミングすることができるプライマ
ー対を含む。
【0182】別の態様において、選択された標的DNA標
的配列を検出するためのキットは、一つ以上の容器の中
に、(a)一方または両方が、METを行うことができる蛍
光部分と消光部分で標識されたヘアピンプライマーであ
るPCRプライマー、(b)対照用DNA標的配列、(c)増幅
用に最適化されたバッファー、(d)例えば、PCR、また
はトリアンプリフィケーション、またはSDA用のDNAポリ
メラーゼ、NASBA用の逆転写酵素など、想定された増幅
法に適した酵素、(d)例えば、温度、増幅サイクル数
など、最適な条件を説明してある、増幅を行うための説
明書のセットを含む。選択的には、本キットは、(e)
例えば、解析を行うための蛍光プレート読み取り器、ま
たはサーモサイクラー-プレート読み取り器などの、蛍
光発光を刺激し検出するための手段を提供する。
的配列を検出するためのキットは、一つ以上の容器の中
に、(a)一方または両方が、METを行うことができる蛍
光部分と消光部分で標識されたヘアピンプライマーであ
るPCRプライマー、(b)対照用DNA標的配列、(c)増幅
用に最適化されたバッファー、(d)例えば、PCR、また
はトリアンプリフィケーション、またはSDA用のDNAポリ
メラーゼ、NASBA用の逆転写酵素など、想定された増幅
法に適した酵素、(d)例えば、温度、増幅サイクル数
など、最適な条件を説明してある、増幅を行うための説
明書のセットを含む。選択的には、本キットは、(e)
例えば、解析を行うための蛍光プレート読み取り器、ま
たはサーモサイクラー-プレート読み取り器などの、蛍
光発光を刺激し検出するための手段を提供する。
【0183】さらに別の態様において、トリアンプリフ
ィケーションのためのキットが提供される。このキット
は、フォワードおよびリバースの伸長プライマー、およ
びブロッキングヌクレオチドを含む。フォワードプライ
マーかリバースプライマーを、一組のMET部分の一つの
部分で標識して、この組合せのMET部分の残りの部分で
ブロッキングオリゴヌクレオチドを標識する。このよう
なキットの一つの態様は、一つ以上の容器の中に、
(a)第一のオリゴヌクレオチド、(b)トリアンプリフ
ィケーション反応で用いるための該第一と第二のオリゴ
ヌクレオチドが直鎖プライマーである、第二のオリゴヌ
クレオチド、(c)該第一のオリゴヌクレオチドの配列
に相補的でハイブリダイズ可能な配列を含むブロッキン
グオリゴヌクレオチドである、第三のオリゴヌクレオチ
ドで、該第一と第三のオリゴヌクレオチドが互いにハイ
ブリダイズし、供与体部分が励起されて、エネルギーを
放出すると、受容体部分が、供与体部分によって放出さ
れるエネルギーを吸収するように、該第一と第三のオリ
ゴヌクレオチドが、それぞれ、供与体部分と受容体部分
からなる分子エネルギー転移対の一つである第一の部分
と第二の部分で標識されている第三のオリゴヌクレオチ
ド、および(d)別の容器に、核酸のリガーゼを含む。
ィケーションのためのキットが提供される。このキット
は、フォワードおよびリバースの伸長プライマー、およ
びブロッキングヌクレオチドを含む。フォワードプライ
マーかリバースプライマーを、一組のMET部分の一つの
部分で標識して、この組合せのMET部分の残りの部分で
ブロッキングオリゴヌクレオチドを標識する。このよう
なキットの一つの態様は、一つ以上の容器の中に、
(a)第一のオリゴヌクレオチド、(b)トリアンプリフ
ィケーション反応で用いるための該第一と第二のオリゴ
ヌクレオチドが直鎖プライマーである、第二のオリゴヌ
クレオチド、(c)該第一のオリゴヌクレオチドの配列
に相補的でハイブリダイズ可能な配列を含むブロッキン
グオリゴヌクレオチドである、第三のオリゴヌクレオチ
ドで、該第一と第三のオリゴヌクレオチドが互いにハイ
ブリダイズし、供与体部分が励起されて、エネルギーを
放出すると、受容体部分が、供与体部分によって放出さ
れるエネルギーを吸収するように、該第一と第三のオリ
ゴヌクレオチドが、それぞれ、供与体部分と受容体部分
からなる分子エネルギー転移対の一つである第一の部分
と第二の部分で標識されている第三のオリゴヌクレオチ
ド、および(d)別の容器に、核酸のリガーゼを含む。
【0184】キットの別の態様は、一つの容器の中に、
ユニバーサルヘアピンプライマーを含み、選択的には、
臭化シアン、または核酸リガーゼ(例えば、T4DNAリガ
ーゼなどのDNAリガーゼ)を含む第二の容器を含む。
ユニバーサルヘアピンプライマーを含み、選択的には、
臭化シアン、または核酸リガーゼ(例えば、T4DNAリガ
ーゼなどのDNAリガーゼ)を含む第二の容器を含む。
【0185】図5に示されているような反応を行うため
のキットは、一つ以上の容器の中に、(a)第一のオリ
ゴヌクレオチドプライマー、(b)核酸の配列を増幅す
るための増幅反応において、第一と第二のオリゴヌクレ
オチドプライマーが、DNA合成するためのフォワードプ
ライマーおよびリバースプライマーである第二のオリゴ
ヌクレオチドプライマーで、該第二のオリゴヌクレオチ
ドプライマーが、(i)該核酸配列中の予め選択された
標的配列に相補的ではない5'配列、および(ii)予め選
択された標的配列に相補的な3'配列、および(c)5'か
ら3'方向に(i)6〜30ヌクレオチドの第一の塩基配列で
あって、該第一塩基配列の中のヌクレオチドが、エネル
ギー転移分子対の供与体部分および受容体部分からなる
群より選択される第一の部分によって標識されており、
励起されると、供与体部分が一つ以上の特定の波長のエ
ネルギーを放出し、受容体部分が供与体部分によって放
出された、一つ以上の特定の波長のエネルギーを吸収す
る第一の塩基配列、(ii)3〜20ヌクレオチドの第二の
一本鎖塩基配列、(iii)6〜30ヌクレオチドの第三の塩
基配列であって、該第三塩基配列の中のヌクレオチド
が、該供与体部分および該受容体部分からなる群より選
択される第二の部分によって標識されていて、該第二の
部分が、第一の塩基配列を標識していない該基の一つで
あり、該第三の塩基配列と該第一塩基配列は、該第一塩
基配列と該第三塩基配列との間で二本鎖を形成するのに
十分逆方向に相補的であり、それによって、供与体部分
が励起されて、エネルギーを放出した際に、受容体部分
が、供与体部分の放出したエネルギーを吸収するよう、
該第一部分と第二部分とが十分近位にある第三の塩基配
列、(iv)その3'末端に、該第二のオリゴヌクレオチド
プライマーの該5'側配列に相当する配列を含む、該第三
のオリゴヌクレオチドプライマーの3'末端の、10〜25ヌ
クレオチドからなる第四の塩基配列を含む。このような
キットが、トリアンプリフィケーションに用いられる場
合には、ブロッキングオリゴヌクレオチも提供すること
ができる。
のキットは、一つ以上の容器の中に、(a)第一のオリ
ゴヌクレオチドプライマー、(b)核酸の配列を増幅す
るための増幅反応において、第一と第二のオリゴヌクレ
オチドプライマーが、DNA合成するためのフォワードプ
ライマーおよびリバースプライマーである第二のオリゴ
ヌクレオチドプライマーで、該第二のオリゴヌクレオチ
ドプライマーが、(i)該核酸配列中の予め選択された
標的配列に相補的ではない5'配列、および(ii)予め選
択された標的配列に相補的な3'配列、および(c)5'か
ら3'方向に(i)6〜30ヌクレオチドの第一の塩基配列で
あって、該第一塩基配列の中のヌクレオチドが、エネル
ギー転移分子対の供与体部分および受容体部分からなる
群より選択される第一の部分によって標識されており、
励起されると、供与体部分が一つ以上の特定の波長のエ
ネルギーを放出し、受容体部分が供与体部分によって放
出された、一つ以上の特定の波長のエネルギーを吸収す
る第一の塩基配列、(ii)3〜20ヌクレオチドの第二の
一本鎖塩基配列、(iii)6〜30ヌクレオチドの第三の塩
基配列であって、該第三塩基配列の中のヌクレオチド
が、該供与体部分および該受容体部分からなる群より選
択される第二の部分によって標識されていて、該第二の
部分が、第一の塩基配列を標識していない該基の一つで
あり、該第三の塩基配列と該第一塩基配列は、該第一塩
基配列と該第三塩基配列との間で二本鎖を形成するのに
十分逆方向に相補的であり、それによって、供与体部分
が励起されて、エネルギーを放出した際に、受容体部分
が、供与体部分の放出したエネルギーを吸収するよう、
該第一部分と第二部分とが十分近位にある第三の塩基配
列、(iv)その3'末端に、該第二のオリゴヌクレオチド
プライマーの該5'側配列に相当する配列を含む、該第三
のオリゴヌクレオチドプライマーの3'末端の、10〜25ヌ
クレオチドからなる第四の塩基配列を含む。このような
キットが、トリアンプリフィケーションに用いられる場
合には、ブロッキングオリゴヌクレオチも提供すること
ができる。
【0186】本発明の別のキットは、(a)第一のオリ
ゴヌクレオチド、(b)第二のオリゴヌクレオチドを一
つ以上の容器に含み、(c)別の容器に核酸リガーゼを
含むキットであって、該第一と第二のオリゴヌクレオチ
ドが、互いにハイブリダイズ可能で、該第一のオリゴヌ
クレオチドが、供与体部分によって標識されており、該
第二のオリゴヌクレオチドが、受容体部分によって標識
されており、該供与体部分および受容体部分が、分子エ
ネルギー転移対であり、励起されると、供与体部分が、
一つ以上の特定の波長のエネルギーを放出し、受容体部
分が、供与体部分によって放出された、一つ以上の特定
の波長のエネルギーを吸収する第二のオリゴヌクレオチ
ド、および、(c)別の容器に核酸リガーゼを含む。
ゴヌクレオチド、(b)第二のオリゴヌクレオチドを一
つ以上の容器に含み、(c)別の容器に核酸リガーゼを
含むキットであって、該第一と第二のオリゴヌクレオチ
ドが、互いにハイブリダイズ可能で、該第一のオリゴヌ
クレオチドが、供与体部分によって標識されており、該
第二のオリゴヌクレオチドが、受容体部分によって標識
されており、該供与体部分および受容体部分が、分子エ
ネルギー転移対であり、励起されると、供与体部分が、
一つ以上の特定の波長のエネルギーを放出し、受容体部
分が、供与体部分によって放出された、一つ以上の特定
の波長のエネルギーを吸収する第二のオリゴヌクレオチ
ド、および、(c)別の容器に核酸リガーゼを含む。
【0187】
【実施例】5. 実施例:一般的実験法
別に特記するものを除き、以下の実施例、第7〜13節に
詳細を記載したすべての実験には以下の実験法を用い
た。すべての実施例において、実験はトリアンプリフィ
ケーションまたはPCRのいずれかを用いて実施した。
詳細を記載したすべての実験には以下の実験法を用い
た。すべての実施例において、実験はトリアンプリフィ
ケーションまたはPCRのいずれかを用いて実施した。
【0188】5.1. オリゴヌクレオチド配列:合成およ
び修飾 ヒト前立腺特異的抗原(PSA)DNAのセグメントに対して
相補的な3つのオリゴデオキシヌクレオチドを合成した
(図12)。リバースプライマーは、ブロッカーの5'末端
に対して相補的な位置に2'-o-メチル部分を含む。この
修飾は、増幅過程における鎖置換を防止するために不可
欠であった(5.2.2.1節参照)。ブロッカーは、3'-5'エ
キソヌクレアーゼによる加水分解および増幅過程におけ
る望ましくない伸長からの保護のため、3'末端にビオチ
ンを有する。ジュ(Ju)ら(1995, Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 92:4347〜4351)に記載された通り、ブロッ
カーおよびフォワードプライマーの合成の間に、修飾T-
塩基に一級アミノ基が組み入れられる(アミノ修飾C6 d
T)。これらの修飾は、後にオリゴヌクレオチドの指定
位置に蛍光色素を組み入れるために用いた。合成された
オリゴヌクレオチドを脱塩処理し、ジュら(1995, Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 92:4347〜4351)によって発
表された方法により、リバースプライマーおよびブロッ
カーの修飾されたチミジン残基にそれぞれFAM(供与体
として)およびローダミン(受容体(receptor)とし
て)を結合させた。標識されたオリゴヌクレオチドを、
15%変性ポリアクリルアミドゲルにかけて精製した。プ
ライマーの吸収スペクトルは、ヒューレットパッカード
(Hewlett Packard)8452Aダイオードアレイ分光光度計
を用いて測定し、蛍光スペクトルは島津(Shimadzu)RF
- 5000分光蛍光光度計(Columbia, MD)を用いて記録し
た。
び修飾 ヒト前立腺特異的抗原(PSA)DNAのセグメントに対して
相補的な3つのオリゴデオキシヌクレオチドを合成した
(図12)。リバースプライマーは、ブロッカーの5'末端
に対して相補的な位置に2'-o-メチル部分を含む。この
修飾は、増幅過程における鎖置換を防止するために不可
欠であった(5.2.2.1節参照)。ブロッカーは、3'-5'エ
キソヌクレアーゼによる加水分解および増幅過程におけ
る望ましくない伸長からの保護のため、3'末端にビオチ
ンを有する。ジュ(Ju)ら(1995, Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 92:4347〜4351)に記載された通り、ブロッ
カーおよびフォワードプライマーの合成の間に、修飾T-
塩基に一級アミノ基が組み入れられる(アミノ修飾C6 d
T)。これらの修飾は、後にオリゴヌクレオチドの指定
位置に蛍光色素を組み入れるために用いた。合成された
オリゴヌクレオチドを脱塩処理し、ジュら(1995, Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 92:4347〜4351)によって発
表された方法により、リバースプライマーおよびブロッ
カーの修飾されたチミジン残基にそれぞれFAM(供与体
として)およびローダミン(受容体(receptor)とし
て)を結合させた。標識されたオリゴヌクレオチドを、
15%変性ポリアクリルアミドゲルにかけて精製した。プ
ライマーの吸収スペクトルは、ヒューレットパッカード
(Hewlett Packard)8452Aダイオードアレイ分光光度計
を用いて測定し、蛍光スペクトルは島津(Shimadzu)RF
- 5000分光蛍光光度計(Columbia, MD)を用いて記録し
た。
【0189】5.2. 前立腺特異的抗原(PSA)標的DNAの
増幅 トリアンプリフィケーションは、20 mM Tris-HC1(pH
8.5)、10 mM (NH4)2SO4、0.1 mg/ml BSA、2 mM NA
D、0.1%Triton X100、2 mM MgCl2、200μMの各dNTP、
10−11Mの鋳型、250 nMのフォワードプライマー、250
nMのFAM標識リバースプライマー、500 nMのRhod標識ブ
ロッカー、Pfu-exo−DNAポリメラーゼ(3'-5'エキソヌ
クレアーゼ活性を持たないポリメラーゼ、Stratagene)
6単位およびAmpligase(登録商標)DNAリガーゼ(Epice
ntre Technologies, Madison, WI)30単位を含む120μl
中にて実施した。ブロッカーおよびリガーゼをPCR反応
混合物に加えなかったことを除き、PCR増幅は同一条件
を用いて行った。熱サイクル処理は、94℃ 5分間の変性
に続いて、95℃ 30秒および60℃ 2分間を35サイクル行
うことによって実施した。最後に60℃で6分間の伸長を
行ってPCRを終了した。第1対照として、DNA鋳型の非存
在下にて同様のトリアンプリフィケーション反応を行っ
た。第2対照は、反応混合物をサーマルサイクラーでイ
ンキュベートしなかったものとした。
増幅 トリアンプリフィケーションは、20 mM Tris-HC1(pH
8.5)、10 mM (NH4)2SO4、0.1 mg/ml BSA、2 mM NA
D、0.1%Triton X100、2 mM MgCl2、200μMの各dNTP、
10−11Mの鋳型、250 nMのフォワードプライマー、250
nMのFAM標識リバースプライマー、500 nMのRhod標識ブ
ロッカー、Pfu-exo−DNAポリメラーゼ(3'-5'エキソヌ
クレアーゼ活性を持たないポリメラーゼ、Stratagene)
6単位およびAmpligase(登録商標)DNAリガーゼ(Epice
ntre Technologies, Madison, WI)30単位を含む120μl
中にて実施した。ブロッカーおよびリガーゼをPCR反応
混合物に加えなかったことを除き、PCR増幅は同一条件
を用いて行った。熱サイクル処理は、94℃ 5分間の変性
に続いて、95℃ 30秒および60℃ 2分間を35サイクル行
うことによって実施した。最後に60℃で6分間の伸長を
行ってPCRを終了した。第1対照として、DNA鋳型の非存
在下にて同様のトリアンプリフィケーション反応を行っ
た。第2対照は、反応混合物をサーマルサイクラーでイ
ンキュベートしなかったものとした。
【0190】5.3. 3'-5'エキソヌクレアーゼ処理
別に表記した場合を除き、増幅されたDNAまたは対照プ
ローブを含む増幅緩衝液120μlに、3'-5'エキソヌクレ
アーゼ活性を有するT4 DNAポリメラーゼ4単位を添加
し、37℃で15分間インキュベートした。
ローブを含む増幅緩衝液120μlに、3'-5'エキソヌクレ
アーゼ活性を有するT4 DNAポリメラーゼ4単位を添加
し、37℃で15分間インキュベートした。
【0191】5.4. エネルギー転移の測定
エネルギー転移の測定は、島津(Shimadzu)RF-5000分
光蛍光光度計を用いて行った。励起波長は488 nmとし、
発光スペクトルは500〜650 nmの範囲で記録した。
光蛍光光度計を用いて行った。励起波長は488 nmとし、
発光スペクトルは500〜650 nmの範囲で記録した。
【0192】6. 実施例1:DNAポリメラーゼはローダミ
ン修飾を有するDNA鋳型を複製する 本実験(図13A)は、ローダミンによるDNA鋳型の修飾が
DNAポリメラーゼの活性に及ぼす影響を明らかにするた
めに実施した。リバースプライマーのローダミン標識が
dNTPの組入れを遮断するのであれば、フォワードプライ
マーの伸長はこの修飾部に対向する塩基のところで停止
するはずである。この場合には、増幅された産物の2本
の鎖のサイズは異なると思われ、組入れを生じたフォワ
ードプライマーの方が短くなるはずである。PCR増幅
(図13A)は、ブロッカーを用いなかったことを除き、
第6節に記載したトリアンプリフィケーションに関する
条件を用いて実施した。図13Bに示した通り、修飾型お
よび非修飾型のリバースプライマーの存在下において合
成された鎖は同一サイズであり、このことは、ローダミ
ン修飾が増幅に干渉しなかったことを示している。増幅
反応の収量に対するローダミン標識の影響も評価した。
PCR増幅を実施し、対照として非修飾型のリバースプラ
イマーを用いた。図13Cのアガロースゲルに示されてい
る通り、ローダミンで修飾されたリバースプライマーま
たは非修飾型のリバースプライマーが存在した場合で産
物の量は同様であった。これらの結果から、DNA鋳型に
おける修飾はDNAポリメラーゼによって触媒される伸長
反応に悪影響を及ぼさないとの結論が得られる。
ン修飾を有するDNA鋳型を複製する 本実験(図13A)は、ローダミンによるDNA鋳型の修飾が
DNAポリメラーゼの活性に及ぼす影響を明らかにするた
めに実施した。リバースプライマーのローダミン標識が
dNTPの組入れを遮断するのであれば、フォワードプライ
マーの伸長はこの修飾部に対向する塩基のところで停止
するはずである。この場合には、増幅された産物の2本
の鎖のサイズは異なると思われ、組入れを生じたフォワ
ードプライマーの方が短くなるはずである。PCR増幅
(図13A)は、ブロッカーを用いなかったことを除き、
第6節に記載したトリアンプリフィケーションに関する
条件を用いて実施した。図13Bに示した通り、修飾型お
よび非修飾型のリバースプライマーの存在下において合
成された鎖は同一サイズであり、このことは、ローダミ
ン修飾が増幅に干渉しなかったことを示している。増幅
反応の収量に対するローダミン標識の影響も評価した。
PCR増幅を実施し、対照として非修飾型のリバースプラ
イマーを用いた。図13Cのアガロースゲルに示されてい
る通り、ローダミンで修飾されたリバースプライマーま
たは非修飾型のリバースプライマーが存在した場合で産
物の量は同様であった。これらの結果から、DNA鋳型に
おける修飾はDNAポリメラーゼによって触媒される伸長
反応に悪影響を及ぼさないとの結論が得られる。
【0193】7.実施例2:リバースプライマーの修飾
はDNAリガーゼによって触媒される反応に悪影響を及ぼ
さない トリアンプリフィケーションでは増幅のために耐熱性DN
Aリガーゼを用いるため、プライマーの修飾が連結効率
に影響を及ぼすか否かを明らかにすることは重要であっ
た。トリアンプリフィケーションは、ローダミン標識リ
バースプライマーを用いて、第6節に記載した通りに実
施した。図14Aに示した通り、ブロッカーはその3'末端
に、リバースプライマーの配列よりも長く伸長する、ビ
オチンが付加された4つのヌクレオチドを有する。伸長
したフォワードプライマーをブロッカーと連結させた場
合には、結果として得られる鎖は、反対側の鎖よりもほ
ぼ4ヌクレオチド分長いと予想され、それは伸長したリ
バースプライマーを組み入れていると思われる。連結が
全く起こらず、その代わりにブロッカーが置換された場
合には、両方の鎖は同じ長さになると予想される。[
32P]標識したフォーワードまたはリバースプライマー
を平行実験において用いることにより、連結効率を評価
した。図14Bに示した通り、標識されたフォワードプラ
イマーを用いて得られた産物の大部分は、標識されたリ
バースプライマーによる鎖よりも長く、このことから修
飾は連結反応に対して重大な影響を及ぼさないことが示
された。
はDNAリガーゼによって触媒される反応に悪影響を及ぼ
さない トリアンプリフィケーションでは増幅のために耐熱性DN
Aリガーゼを用いるため、プライマーの修飾が連結効率
に影響を及ぼすか否かを明らかにすることは重要であっ
た。トリアンプリフィケーションは、ローダミン標識リ
バースプライマーを用いて、第6節に記載した通りに実
施した。図14Aに示した通り、ブロッカーはその3'末端
に、リバースプライマーの配列よりも長く伸長する、ビ
オチンが付加された4つのヌクレオチドを有する。伸長
したフォワードプライマーをブロッカーと連結させた場
合には、結果として得られる鎖は、反対側の鎖よりもほ
ぼ4ヌクレオチド分長いと予想され、それは伸長したリ
バースプライマーを組み入れていると思われる。連結が
全く起こらず、その代わりにブロッカーが置換された場
合には、両方の鎖は同じ長さになると予想される。[
32P]標識したフォーワードまたはリバースプライマー
を平行実験において用いることにより、連結効率を評価
した。図14Bに示した通り、標識されたフォワードプラ
イマーを用いて得られた産物の大部分は、標識されたリ
バースプライマーによる鎖よりも長く、このことから修
飾は連結反応に対して重大な影響を及ぼさないことが示
された。
【0194】8.実施例3:エキソヌクレアーゼはロー
ダミンで標識されたヌクレオチド残基を除去することが
できる ローダミンで標識された[32P]標識リバースプライマ
ーのエキソヌクレアーゼ加水分解を、第6節に記載した
方法を用いるPCR増幅における増幅反応混合物中にて実
施した(図15A)。3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を有す
るT4 DNAポリメラーゼを用いた。加水分解産物を15%変
性アクリルアミドゲルによって分析した。図15Bに提示
した結果は、修飾されたオリゴヌクレオチドが5分後に
ほぼ定量的に加水分解されたことを示している。同様の
結果は、ローダミンで標識された[3 2P]標識リバース
プライマーがブロッカーとともに存在した場合にも得ら
れた。
ダミンで標識されたヌクレオチド残基を除去することが
できる ローダミンで標識された[32P]標識リバースプライマ
ーのエキソヌクレアーゼ加水分解を、第6節に記載した
方法を用いるPCR増幅における増幅反応混合物中にて実
施した(図15A)。3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を有す
るT4 DNAポリメラーゼを用いた。加水分解産物を15%変
性アクリルアミドゲルによって分析した。図15Bに提示
した結果は、修飾されたオリゴヌクレオチドが5分後に
ほぼ定量的に加水分解されたことを示している。同様の
結果は、ローダミンで標識された[3 2P]標識リバース
プライマーがブロッカーとともに存在した場合にも得ら
れた。
【0195】9.実施例4:ヌクレアーゼ処理後のエネ
ルギー転移による増幅産物の検出 FAM標識されたリバースプライマーとローダミン標識さ
れたブロッカーとの間のFRETによるトリアンプリフィケ
ーション産物を検出するために、第6節に記載した通り
に、トリアンプリフィケーションおよび引き続いてのエ
キソヌクレアーゼ処理を行った。対照として、DNA鋳型
の非存在下におけるトリアンプリフィケーション反応も
行った。発光スペクトルを図16に提示する。2本鎖増幅
産物からは605nmのFRETシグナルが放出されたが(図1
6、スペクトル1)、DNA鋳型なしで実施した対照反応物
からはFRETシグナルは全く放出されなかった(図16、ス
ペクトル2)。
ルギー転移による増幅産物の検出 FAM標識されたリバースプライマーとローダミン標識さ
れたブロッカーとの間のFRETによるトリアンプリフィケ
ーション産物を検出するために、第6節に記載した通り
に、トリアンプリフィケーションおよび引き続いてのエ
キソヌクレアーゼ処理を行った。対照として、DNA鋳型
の非存在下におけるトリアンプリフィケーション反応も
行った。発光スペクトルを図16に提示する。2本鎖増幅
産物からは605nmのFRETシグナルが放出されたが(図1
6、スペクトル1)、DNA鋳型なしで実施した対照反応物
からはFRETシグナルは全く放出されなかった(図16、ス
ペクトル2)。
【0196】10.実施例5:増幅産物およびブロッカ
ー/リバースプライマー複合体の耐熱性の差に基づく増
幅産物の検出 本実験の目標は、遊離型のブロッカーおよびリバースプ
ライマーが2本鎖を形成しなくなって両者の間にエネル
ギー転移が起こらなくなるような特定の温度を見いだせ
るか否かを明らかにすることにあった。しかし、この温
度では、2本鎖トリアンプリフィケーション産物は依然
として2本鎖であると思われ、このため、それに組み入
れられたプライマーはFRETシグナルを生じると思われ
る。トリアンプリフィケーションは、第6節に記載した
通りに実施した。対照反応はDNA鋳型の非存在下にて実
施した。増幅後に、反応混合物を75℃に加熱し、発光ス
ペクトルを記録した。その結果、この温度では増幅して
いないプライマーからは何らシグナルが得られないこと
が示された(図17A〜B)。しかし、増幅産物からは605
nmでのローダミン発光(すなわちFRETシグナル)を明瞭
に検出することができた。
ー/リバースプライマー複合体の耐熱性の差に基づく増
幅産物の検出 本実験の目標は、遊離型のブロッカーおよびリバースプ
ライマーが2本鎖を形成しなくなって両者の間にエネル
ギー転移が起こらなくなるような特定の温度を見いだせ
るか否かを明らかにすることにあった。しかし、この温
度では、2本鎖トリアンプリフィケーション産物は依然
として2本鎖であると思われ、このため、それに組み入
れられたプライマーはFRETシグナルを生じると思われ
る。トリアンプリフィケーションは、第6節に記載した
通りに実施した。対照反応はDNA鋳型の非存在下にて実
施した。増幅後に、反応混合物を75℃に加熱し、発光ス
ペクトルを記録した。その結果、この温度では増幅して
いないプライマーからは何らシグナルが得られないこと
が示された(図17A〜B)。しかし、増幅産物からは605
nmでのローダミン発光(すなわちFRETシグナル)を明瞭
に検出することができた。
【0197】11.実施例6:エネルギー転移に基づくD
NAの増幅および検出のためのヘアピンプライマーを用い
る閉鎖チューブ方式 11.1. 要旨 閉鎖系においてPCR増幅されたDNAを直接検出するための
新たな方法が記載される。本方法は、蛍光共鳴エネルギ
ー転移による標識がなされたプライマーを増幅産物に組
み入れることに基づく。PCRプライマーはそれらの5'末
端に、供与体および受容体の部分が近接してヘアピンの
ステム部に位置するようなヘアピン構造を含む。プライ
マーは、そのプライマーが増幅産物に組み込まれた場合
のみに蛍光シグナルを生じるように設計されている。FA
Mを供与体とし、DABCYLを消光剤として標識されたヘア
ピンプライマーを用いて得られた信号対バックグラウン
ド比は35:1であった。修飾されたヘアピンプライマー
はDNAポリメラーゼの活性を妨げず、耐熱性のPfuおよび
Taqポリメラーゼの両方を用いることができる。この方
法を、前立腺特異的抗原に関するcDNAの検出に適用し
た。その結果、増幅産物の蛍光強度は組み込まれたプラ
イマーの量と相関しており、最初の鋳型がわずか10分子
であっても検出しうることが示された。この技術によっ
て、持ち越し汚染のリスクは除かれ、増幅アッセイは単
純化され、極めて広いダイナミックレンジにわたって増
幅されたDNAのリアルタイム定量化を行うという新たな
可能性が切り開かれる。
NAの増幅および検出のためのヘアピンプライマーを用い
る閉鎖チューブ方式 11.1. 要旨 閉鎖系においてPCR増幅されたDNAを直接検出するための
新たな方法が記載される。本方法は、蛍光共鳴エネルギ
ー転移による標識がなされたプライマーを増幅産物に組
み入れることに基づく。PCRプライマーはそれらの5'末
端に、供与体および受容体の部分が近接してヘアピンの
ステム部に位置するようなヘアピン構造を含む。プライ
マーは、そのプライマーが増幅産物に組み込まれた場合
のみに蛍光シグナルを生じるように設計されている。FA
Mを供与体とし、DABCYLを消光剤として標識されたヘア
ピンプライマーを用いて得られた信号対バックグラウン
ド比は35:1であった。修飾されたヘアピンプライマー
はDNAポリメラーゼの活性を妨げず、耐熱性のPfuおよび
Taqポリメラーゼの両方を用いることができる。この方
法を、前立腺特異的抗原に関するcDNAの検出に適用し
た。その結果、増幅産物の蛍光強度は組み込まれたプラ
イマーの量と相関しており、最初の鋳型がわずか10分子
であっても検出しうることが示された。この技術によっ
て、持ち越し汚染のリスクは除かれ、増幅アッセイは単
純化され、極めて広いダイナミックレンジにわたって増
幅されたDNAのリアルタイム定量化を行うという新たな
可能性が切り開かれる。
【0198】11.2. 序
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびその他の核酸増幅
法は、微量の開始標的配列を幾何級数的に増幅させるた
めのツールを提供する(MullisおよびFaloona,1987, Me
thods in Enzymology 155:335〜350;Landegren, 199
3, Trends Genet. 9:199〜204に総説がある)。DNA/R
NA増幅法が極めて高感度であることから、癌および感染
菌の早期発見のための診断法の開発が促された。しか
し、核酸増幅を臨床利用する上での欠点には、持ち越し
汚染のために偽陽性の結果、ならびに反応の不成功およ
び/または標準化されていない反応条件によって生じる
偽陰性の結果の可能性があることが含まれる(Orrego,
1990, Innisら(編)、PCRプロトコール、方法および応
用に関する手引き(PCR Protocols, A guide to method
s and applications)、Academic Press, San Diego, C
A, pp.447〜454)。持ち越し汚染の主要な源は、以前の
増幅反応物から得られる増幅産物である。PCRは極めて
高感度であるため、極めてわずかな汚染があっても偽陽
性の結果が生じる恐れがあり、このため、この問題に対
処するためのいくつかの手法が考案されている。これら
には、ウラシルN-グリコシダーゼで続いて処理すること
によるdUTP組入れ(Longoら、1990, Gene 93:125〜12
8)、PCRプライマーにリボヌクレオチドを組み入れた後
に塩基処理を行うこと(Walderら、1993, Nucleic Acid
s Res. 21:4339〜4343)、または紫外光を照射すると
チミジン残基との付加環化反応を生じるイソソラレン誘
導体の使用(Ciminoら、1991, Nucleic AcidsRes. 19:
88〜107)がある。しかし、この問題に対するより単純
でより確実な解決策は、増幅反応および検出段階が両方
とも同一容器の中で起こるために増幅後に反応チューブ
が開かれることのないような閉鎖系であると思われる。
さらに、「閉鎖チューブ」方式は、検出過程を著しく単
純化し、ゲル電気泳動またはドットブロット分析などの
方法による増幅後分析を行う必要性をなくす。以下に記
載する方法は、標識したオリゴヌクレオチドプライマー
の反応産物への組入れによって、増幅されたDNAを直接
測定することを意図している。プライマーが起こすコン
フォメーション転移は、2種の標識の間のエネルギー転
移のためのスイッチとして働く。この方法では、供与体
および受容体(消光剤)の部分が両方とも、増幅プライ
マーの5'末端にあるヘアピン構造に結合される。プライ
マーは、標識されたオリゴヌクレオチドが2本鎖増幅産
物に組み入れられた場合のみに蛍光シグナルを生じるよ
うに設計される。この高感度な方法は、定量的または定
性的な結果のいずれかを得るために用いることもでき
る。特定のDNA配列を検出するためのこの系に関する応
用には、PCRに加えて、トリアンプリフィケーション、
核酸配列に基づく増幅(NASBA)および鎖置換増幅が含
まれる。
法は、微量の開始標的配列を幾何級数的に増幅させるた
めのツールを提供する(MullisおよびFaloona,1987, Me
thods in Enzymology 155:335〜350;Landegren, 199
3, Trends Genet. 9:199〜204に総説がある)。DNA/R
NA増幅法が極めて高感度であることから、癌および感染
菌の早期発見のための診断法の開発が促された。しか
し、核酸増幅を臨床利用する上での欠点には、持ち越し
汚染のために偽陽性の結果、ならびに反応の不成功およ
び/または標準化されていない反応条件によって生じる
偽陰性の結果の可能性があることが含まれる(Orrego,
1990, Innisら(編)、PCRプロトコール、方法および応
用に関する手引き(PCR Protocols, A guide to method
s and applications)、Academic Press, San Diego, C
A, pp.447〜454)。持ち越し汚染の主要な源は、以前の
増幅反応物から得られる増幅産物である。PCRは極めて
高感度であるため、極めてわずかな汚染があっても偽陽
性の結果が生じる恐れがあり、このため、この問題に対
処するためのいくつかの手法が考案されている。これら
には、ウラシルN-グリコシダーゼで続いて処理すること
によるdUTP組入れ(Longoら、1990, Gene 93:125〜12
8)、PCRプライマーにリボヌクレオチドを組み入れた後
に塩基処理を行うこと(Walderら、1993, Nucleic Acid
s Res. 21:4339〜4343)、または紫外光を照射すると
チミジン残基との付加環化反応を生じるイソソラレン誘
導体の使用(Ciminoら、1991, Nucleic AcidsRes. 19:
88〜107)がある。しかし、この問題に対するより単純
でより確実な解決策は、増幅反応および検出段階が両方
とも同一容器の中で起こるために増幅後に反応チューブ
が開かれることのないような閉鎖系であると思われる。
さらに、「閉鎖チューブ」方式は、検出過程を著しく単
純化し、ゲル電気泳動またはドットブロット分析などの
方法による増幅後分析を行う必要性をなくす。以下に記
載する方法は、標識したオリゴヌクレオチドプライマー
の反応産物への組入れによって、増幅されたDNAを直接
測定することを意図している。プライマーが起こすコン
フォメーション転移は、2種の標識の間のエネルギー転
移のためのスイッチとして働く。この方法では、供与体
および受容体(消光剤)の部分が両方とも、増幅プライ
マーの5'末端にあるヘアピン構造に結合される。プライ
マーは、標識されたオリゴヌクレオチドが2本鎖増幅産
物に組み入れられた場合のみに蛍光シグナルを生じるよ
うに設計される。この高感度な方法は、定量的または定
性的な結果のいずれかを得るために用いることもでき
る。特定のDNA配列を検出するためのこの系に関する応
用には、PCRに加えて、トリアンプリフィケーション、
核酸配列に基づく増幅(NASBA)および鎖置換増幅が含
まれる。
【0199】11.3. 材料および方法
オリゴヌクレオチドプライマー
ヒト前立腺特異的抗原(PSA)cDNAの172bpのセグメント
に対して相補的である以下のオリゴデオキシヌクレオチ
ドを化学合成した:上流プライマーとして5'-CCCTCAGAA
GGTGACCAAGTTCAT(配列番号:11)、下流プライマーと
して5'-GGTGTACAGGGAAGGCCTTTCGGGAC(配列番号:1
2)。エネルギー転移性標識を有する上流ヘアピンプラ
イマーの構造を図24A〜Gに示す。FAMは、化学合成の最
終段階においてFAMホスホルアミダイトを用いてヘアピ
ンプライマーの5'末端に組み入れた。修飾されたT-塩基
は、Amino-Modifier C6 dT(Glen Research)を用いる
ことによって指定位置に導入し、ジュ(Ju)ら(1995,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:4347〜4351)によっ
て記載された通りに、DABCYLを一級アミノ基に結合させ
た。標識されたオリゴヌクレオチドをHPLCによって精製
した。
に対して相補的である以下のオリゴデオキシヌクレオチ
ドを化学合成した:上流プライマーとして5'-CCCTCAGAA
GGTGACCAAGTTCAT(配列番号:11)、下流プライマーと
して5'-GGTGTACAGGGAAGGCCTTTCGGGAC(配列番号:1
2)。エネルギー転移性標識を有する上流ヘアピンプラ
イマーの構造を図24A〜Gに示す。FAMは、化学合成の最
終段階においてFAMホスホルアミダイトを用いてヘアピ
ンプライマーの5'末端に組み入れた。修飾されたT-塩基
は、Amino-Modifier C6 dT(Glen Research)を用いる
ことによって指定位置に導入し、ジュ(Ju)ら(1995,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:4347〜4351)によっ
て記載された通りに、DABCYLを一級アミノ基に結合させ
た。標識されたオリゴヌクレオチドをHPLCによって精製
した。
【0200】PBA cDNAの調製
実験には、ヒトPSA発現性のLNCaP細胞系列(American T
ype Culture Collection)を用いた。LNCaP細胞を、全
血から単離したリンパ球により、LNCaP細胞1個に対して
リンパ球102個からLNCaP細胞1個に対してリンパ球106
個までの範囲の比率で希釈した。メッセンジャーRNAはD
ynal精製キットを用いて単離した。cDNAは、推奨された
手順に従って、単離されたmRNAから、逆転写酵素(Appl
igene)およびオリゴdT12-18プライマー(Pharmacia)
を用いて合成した。
ype Culture Collection)を用いた。LNCaP細胞を、全
血から単離したリンパ球により、LNCaP細胞1個に対して
リンパ球102個からLNCaP細胞1個に対してリンパ球106
個までの範囲の比率で希釈した。メッセンジャーRNAはD
ynal精製キットを用いて単離した。cDNAは、推奨された
手順に従って、単離されたmRNAから、逆転写酵素(Appl
igene)およびオリゴdT12-18プライマー(Pharmacia)
を用いて合成した。
【0201】PCR条件
PSA cDNAの増幅は、20 mM Tris-HC1(pH 8.5)、50 mM
KCl、2 mM MgCl2、200 μMの各dNTP、それぞれ500 nM
の上流および下流プライマー、ならびにpfuex o− DN
Aポリメラーゼ(3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を持たな
いもの;Stratagene)5単位を含む100 μl中にて行っ
た。熱サイクル処理は、94℃ 5分間の変性に引き続い
て、95℃ 30秒、60℃ 45秒および72℃ 1.5分を20〜40サ
イクル行うことによって実施し、最後に72℃で5分間の
伸長を行って終了した。PCR産物は、QIAquick Spin PCR
精製キット(Qiagen)を用いて精製し、pUC19プラスミ
ド中にクローニングした。PCR産物のゲルに基づく検出
には、MDE(登録商標)ゲル(FMC BioProducts)を用い
た。増幅産物に組み入れられたプライマーの量の評価に
は、7M尿素を加えた6%ポリアクリルアミドゲル中での
電気泳動、および引き続いてのPhosphorImager-SP(Mol
ecular Dynamics)による定量化を用いた。
KCl、2 mM MgCl2、200 μMの各dNTP、それぞれ500 nM
の上流および下流プライマー、ならびにpfuex o− DN
Aポリメラーゼ(3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を持たな
いもの;Stratagene)5単位を含む100 μl中にて行っ
た。熱サイクル処理は、94℃ 5分間の変性に引き続い
て、95℃ 30秒、60℃ 45秒および72℃ 1.5分を20〜40サ
イクル行うことによって実施し、最後に72℃で5分間の
伸長を行って終了した。PCR産物は、QIAquick Spin PCR
精製キット(Qiagen)を用いて精製し、pUC19プラスミ
ド中にクローニングした。PCR産物のゲルに基づく検出
には、MDE(登録商標)ゲル(FMC BioProducts)を用い
た。増幅産物に組み入れられたプライマーの量の評価に
は、7M尿素を加えた6%ポリアクリルアミドゲル中での
電気泳動、および引き続いてのPhosphorImager-SP(Mol
ecular Dynamics)による定量化を用いた。
【0202】蛍光検出
個々の試料の蛍光スペクトルの測定には、島津(Shimad
zu)RF-5000分光蛍光光度計を用いた。室温で反応混合
物100μlを20 mM Tris-HCl、pH 8.5、50 mM NaClおよび
2 mM MgCl2によって500 mlに希釈し、10×3キュベット
(NSG Precision Cells, Inc.)に入れた。FAM/DABCYL
(4-(4'-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸)のF
RET対については488 nmの励起波長を用い、500〜650 nm
のスペクトルを記録した。UVトランスイルミネーター画
像解析システム(Appligene)にチューブを直接かける
ことによる蛍光性PCR産物の可視化、およびD540/40フ
ィルター(Chroma Technology)を用いた据え付けカメ
ラによる写真撮影も行った。
zu)RF-5000分光蛍光光度計を用いた。室温で反応混合
物100μlを20 mM Tris-HCl、pH 8.5、50 mM NaClおよび
2 mM MgCl2によって500 mlに希釈し、10×3キュベット
(NSG Precision Cells, Inc.)に入れた。FAM/DABCYL
(4-(4'-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸)のF
RET対については488 nmの励起波長を用い、500〜650 nm
のスペクトルを記録した。UVトランスイルミネーター画
像解析システム(Appligene)にチューブを直接かける
ことによる蛍光性PCR産物の可視化、およびD540/40フ
ィルター(Chroma Technology)を用いた据え付けカメ
ラによる写真撮影も行った。
【0203】11.4. 結果
ヘアピンプライマーを用いるPCRの実験デザイン
この方法では、PCRプライマーの一方(または両方)の
5'末端にヘアピン構造が存在する(図1)。ヘアピンの
ステムおよびループの配列は標的DNA配列に対して部分
的に相補的であってもよいが、これは必要ではない。ヘ
アピンのステム配列には2つの部分が結合している:1つ
はヘアピンの5'末端にある消光剤であり、もう1つはヘ
アピンの反対側のステムにある発蛍光団である。発蛍光
団および消光剤の位置は、これらの部分の市販の前駆物
質が入手可能であるかどうかに応じて入れ替えてもよ
い。DABCYLは、吸収スペクトルがFAMの発光スペクトル
と一部重複する非蛍光性の発色団である。ピーク波長48
8 nmの光によって励起されると、FAMはピーク波長516 n
mの蛍光を放出する。しかし、DABCYLが供与体となる発
蛍光団に十分近い位置にある場合には、DABCYLへのエネ
ルギー転移および熱としての散逸が可能である。したが
って、修飾されたプライマーが「閉鎖型」の立体配置
(ヘアピン)をとっている場合には、FAMおよびDABCYL
は近接しており、フルオレセインの発光はDABCYLによっ
て消失させられる。PCRの最初のサイクルの間に(図2)
プライマーは伸長し、2回目のサイクルでは鋳型とな
る。ヘアピン構造は非常に安定であるため(Varani, 19
95, Annu. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 24:379〜4
04)、いかなる標的分子に対するPCRのアニーリング段
階においても、このステムが解離する可能性は低い。こ
の場合には、5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を持たないD
NAポリメラーゼがヘアピンステムの5'末端に到達する
と、ポリメラーゼがそれを置換してその配列を複製する
と考えられる。このため、ヘアピンプライマーはPCR過
程において2本鎖らせん構造に組み入れられることによ
って線状化し、供与体および受容体の間隔は約20ヌクレ
オチド(ほぼ70Å)になり、このため両者の間に明らか
なエネルギー転移は起こらなくなって(Selvin, 1995,
Methods Enzymol. 246:300〜334)、FAMによる蛍光が
顕著に増強されると考えられる。
5'末端にヘアピン構造が存在する(図1)。ヘアピンの
ステムおよびループの配列は標的DNA配列に対して部分
的に相補的であってもよいが、これは必要ではない。ヘ
アピンのステム配列には2つの部分が結合している:1つ
はヘアピンの5'末端にある消光剤であり、もう1つはヘ
アピンの反対側のステムにある発蛍光団である。発蛍光
団および消光剤の位置は、これらの部分の市販の前駆物
質が入手可能であるかどうかに応じて入れ替えてもよ
い。DABCYLは、吸収スペクトルがFAMの発光スペクトル
と一部重複する非蛍光性の発色団である。ピーク波長48
8 nmの光によって励起されると、FAMはピーク波長516 n
mの蛍光を放出する。しかし、DABCYLが供与体となる発
蛍光団に十分近い位置にある場合には、DABCYLへのエネ
ルギー転移および熱としての散逸が可能である。したが
って、修飾されたプライマーが「閉鎖型」の立体配置
(ヘアピン)をとっている場合には、FAMおよびDABCYL
は近接しており、フルオレセインの発光はDABCYLによっ
て消失させられる。PCRの最初のサイクルの間に(図2)
プライマーは伸長し、2回目のサイクルでは鋳型とな
る。ヘアピン構造は非常に安定であるため(Varani, 19
95, Annu. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 24:379〜4
04)、いかなる標的分子に対するPCRのアニーリング段
階においても、このステムが解離する可能性は低い。こ
の場合には、5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を持たないD
NAポリメラーゼがヘアピンステムの5'末端に到達する
と、ポリメラーゼがそれを置換してその配列を複製する
と考えられる。このため、ヘアピンプライマーはPCR過
程において2本鎖らせん構造に組み入れられることによ
って線状化し、供与体および受容体の間隔は約20ヌクレ
オチド(ほぼ70Å)になり、このため両者の間に明らか
なエネルギー転移は起こらなくなって(Selvin, 1995,
Methods Enzymol. 246:300〜334)、FAMによる蛍光が
顕著に増強されると考えられる。
【0204】ヘアピンプライマーの配列および分光学的
特性 前立腺特異的抗原(PSA)に関するcDNAを増幅するため
のヘアピンプライマーの構造を図18Aに示す(配列番
号:10)。このプライマーは、12ヌクレオチド長の1本
鎖プライミング配列、7bpのステムおよび6ヌクレオチド
のループからなる。蛍光性部分(FAM)はプライマーの
5'末端に位置し、消光剤(DABCYL)はステム配列の対側
鎖にあるFAMと交差する。図18Bは、DABCYL組入れの前お
よび後におけるFAM標識ヘアピンプライマーの発光スペ
クトルを提示している。消光剤が存在しない場合には、
波長488 nmで励起されたFAMはピーク波長516 nmの蛍光
を発する。同じオリゴヌクレオチドがDABCYLによっても
標識されると、蛍光エネルギーは消光剤に転移し、516
nmにはるかに弱いピークが検出される。FAM/DABCYLで
標識されたオリゴヌクレオチドに残留蛍光が認められる
ことは、一部には、FAMのみによって標識されたオリゴ
ヌクレオチドが少量存在することが理由である。このた
め、標識されたオリゴヌクレオチドを綿密にHPLC精製す
ることが、以後の実験でバックグラウンド値を低くする
上で非常に重要である。ローダミンを消光剤として用い
た場合にも同様の結果が得られた(データは提示せ
ず)。しかし、DABCYLには、消光剤として、非蛍光性の
発色団であるという利点がある。すなわち、これは自ら
が発光することなくフルオロセインのエネルギーを吸収
する。その結果として、受容体の放出による干渉を受け
ることなく、フルオロセインの発光をより正確に検出で
きると思われる。
特性 前立腺特異的抗原(PSA)に関するcDNAを増幅するため
のヘアピンプライマーの構造を図18Aに示す(配列番
号:10)。このプライマーは、12ヌクレオチド長の1本
鎖プライミング配列、7bpのステムおよび6ヌクレオチド
のループからなる。蛍光性部分(FAM)はプライマーの
5'末端に位置し、消光剤(DABCYL)はステム配列の対側
鎖にあるFAMと交差する。図18Bは、DABCYL組入れの前お
よび後におけるFAM標識ヘアピンプライマーの発光スペ
クトルを提示している。消光剤が存在しない場合には、
波長488 nmで励起されたFAMはピーク波長516 nmの蛍光
を発する。同じオリゴヌクレオチドがDABCYLによっても
標識されると、蛍光エネルギーは消光剤に転移し、516
nmにはるかに弱いピークが検出される。FAM/DABCYLで
標識されたオリゴヌクレオチドに残留蛍光が認められる
ことは、一部には、FAMのみによって標識されたオリゴ
ヌクレオチドが少量存在することが理由である。このた
め、標識されたオリゴヌクレオチドを綿密にHPLC精製す
ることが、以後の実験でバックグラウンド値を低くする
上で非常に重要である。ローダミンを消光剤として用い
た場合にも同様の結果が得られた(データは提示せ
ず)。しかし、DABCYLには、消光剤として、非蛍光性の
発色団であるという利点がある。すなわち、これは自ら
が発光することなくフルオロセインのエネルギーを吸収
する。その結果として、受容体の放出による干渉を受け
ることなく、フルオロセインの発光をより正確に検出で
きると思われる。
【0205】PCRプライマーとしてのヘアピン-オリゴヌ
クレオチドの使用 耐熱性Pfuexo-DNAポリメラーゼを用いて、PSA cDNAの断
片のPCRを実施した。ヒトPSA発現性のLNCaP細胞にリン
パ球を混合したものから得た全cDNAを増幅に用いた。臭
化エチジウムで染色したゲルをアッセイに用いた予備実
験では、リンパ球105個当たり1個のPSA細胞を検出しう
ることが示された。定量化のために、PCR産物のクロー
ニングを行い、ヘアピンプライマーの存在下における増
幅効率を、ヘアピン構造および修飾を持たない対照プラ
イマーを用いた場合と比較するために用いた。図19は、
対照プライマー、FAMのみを含むヘアピンプライマー、
およびFAM/DABCYLというFRET対によって標識されたヘ
アピンプライマーとも、増幅された産物の量は同様であ
ったことを示している。本方法に関する必須の必要条件
は、増幅過程の間にヘアピンプライマーが線状化するこ
とである。このため、DNAポリメラーゼは、5'末端に至
るまでのヘアピンの全体にわたって、ヘアピンプライマ
ーに対して相補的な鎖を合成する能力を有する必要があ
る。以下の実験は、ヘアピンプライマーの構造の修飾
が、以降の完全長PCR産物の合成に影響を及ぼすか否か
を明らかにするために実施した。PSAcDNAの増幅は以下
の2つのプライマーを用いて実施した:FAM/DABCYLで標
識された上流ヘアピンプライマー、および5'末端が32P
によって標識された下流プライマーである(図20A)。
ヘアピン構造を持たない上流プライマーを対照として用
いた。ヘアピンプライマーの構造および/または修飾が
DNAポリメラーゼの障害となるならば、このプライマー
の5'末端までの全体が複製されることはないと思われ、
[32P]標識された鎖は、対照プライマーの存在下にお
いて合成された対応する鎖よりも短いと考えられる。個
々の鎖の長さを測定するために、変性ゲル電気泳動を用
いた。図20Bの結果に示されている通り、ヘアピンプラ
イマーの存在下において合成された[32P]標識鎖は対
照プライマーを用いて合成された対応する鎖よりも長
く、このことはDNAポリメラーゼがヘアピン構造の全体
を読み取って完全長産物を合成しえたことを示してい
る。この方法のもう1つの重要な局面は、ヘアピンプラ
イマーの耐熱性である。高温にあった結果として、供与
体および/または受容体が連結しているオリゴヌクレオ
チドのホスホジエステル結合またはリンカーアームが切
断されるのであれば、消光剤が発蛍光団から分離してバ
ックグラウンド値が上昇すると考えられる。事実、50ピ
コモルのヘアピンプライマーを100μlの反応物中で40サ
イクルにわたってインキュベートした場合には、バック
グラウンド信号は蛍光強度にして3.8単位から12単位に
上昇した。しかし、観察されたバックグラウンド値は依
然として低く、アッセイに用いた量である、フルオロセ
インで標識したオリゴヌクレオチド50ピコモル(200単
位)から放出された蛍光のわずか6%を占めるのみであ
った。
クレオチドの使用 耐熱性Pfuexo-DNAポリメラーゼを用いて、PSA cDNAの断
片のPCRを実施した。ヒトPSA発現性のLNCaP細胞にリン
パ球を混合したものから得た全cDNAを増幅に用いた。臭
化エチジウムで染色したゲルをアッセイに用いた予備実
験では、リンパ球105個当たり1個のPSA細胞を検出しう
ることが示された。定量化のために、PCR産物のクロー
ニングを行い、ヘアピンプライマーの存在下における増
幅効率を、ヘアピン構造および修飾を持たない対照プラ
イマーを用いた場合と比較するために用いた。図19は、
対照プライマー、FAMのみを含むヘアピンプライマー、
およびFAM/DABCYLというFRET対によって標識されたヘ
アピンプライマーとも、増幅された産物の量は同様であ
ったことを示している。本方法に関する必須の必要条件
は、増幅過程の間にヘアピンプライマーが線状化するこ
とである。このため、DNAポリメラーゼは、5'末端に至
るまでのヘアピンの全体にわたって、ヘアピンプライマ
ーに対して相補的な鎖を合成する能力を有する必要があ
る。以下の実験は、ヘアピンプライマーの構造の修飾
が、以降の完全長PCR産物の合成に影響を及ぼすか否か
を明らかにするために実施した。PSAcDNAの増幅は以下
の2つのプライマーを用いて実施した:FAM/DABCYLで標
識された上流ヘアピンプライマー、および5'末端が32P
によって標識された下流プライマーである(図20A)。
ヘアピン構造を持たない上流プライマーを対照として用
いた。ヘアピンプライマーの構造および/または修飾が
DNAポリメラーゼの障害となるならば、このプライマー
の5'末端までの全体が複製されることはないと思われ、
[32P]標識された鎖は、対照プライマーの存在下にお
いて合成された対応する鎖よりも短いと考えられる。個
々の鎖の長さを測定するために、変性ゲル電気泳動を用
いた。図20Bの結果に示されている通り、ヘアピンプラ
イマーの存在下において合成された[32P]標識鎖は対
照プライマーを用いて合成された対応する鎖よりも長
く、このことはDNAポリメラーゼがヘアピン構造の全体
を読み取って完全長産物を合成しえたことを示してい
る。この方法のもう1つの重要な局面は、ヘアピンプラ
イマーの耐熱性である。高温にあった結果として、供与
体および/または受容体が連結しているオリゴヌクレオ
チドのホスホジエステル結合またはリンカーアームが切
断されるのであれば、消光剤が発蛍光団から分離してバ
ックグラウンド値が上昇すると考えられる。事実、50ピ
コモルのヘアピンプライマーを100μlの反応物中で40サ
イクルにわたってインキュベートした場合には、バック
グラウンド信号は蛍光強度にして3.8単位から12単位に
上昇した。しかし、観察されたバックグラウンド値は依
然として低く、アッセイに用いた量である、フルオロセ
インで標識したオリゴヌクレオチド50ピコモル(200単
位)から放出された蛍光のわずか6%を占めるのみであ
った。
【0206】ヘアピンプライマーを用いるPCRの観測
反応の観測にPCR産物の蛍光を用いうることを示すため
に、リンパ球104個当たりヒトPSA発現性のLNCaP細胞1個
を含む混合物から得た全cDNAを、FAM/DABCYLで標識し
たヘアピンプライマーを用いて増幅した。さまざまな数
のサイクルを実施した後に、分光蛍光光度計を用いて増
幅産物の蛍光強度を測定した(図21A)。その結果、わ
ずか20サイクル後に蛍光強度は増幅していない反応混合
物と比べて5倍上昇し、40サイクルの増幅後には35倍の
上昇が検出された。産物中に組み入れられた[32P]標
識プライマーの割合を測定するために、変性ゲル電気泳
動後にPhosphorImagerを用いて定量化を行うことによっ
て同一試料を分析した。図21Bの結果では、反応混合物
の蛍光強度は産物中に組み入れられたプライマーの量と
相関することが示されている。もう1つの実験では、本
方法の感度を調べた。定量化のために、クローン化した
PSA cDNAを鋳型として用いた。1反応物当たりクローン
化したPSA cDNAの0、10、102、103、104、105また
は106分子を用いて40サイクルのPCRを実施した。図22
の結果は、本方法は最初のDNA鋳型が10分子であれば分
光蛍光光度計を用いて十分に検出できるほどの感度があ
ることを示している。据え付けカメラおよびD540/40フ
ィルターを備えたUVトランスイルミネーターにチューブ
を直接かけることによる蛍光性PCR産物の可視化も行っ
た。このフィルターを用いると、515〜560 nmという狭
い波長幅における発光を検出することができる。図23に
示されている通り、最初の鋳型として104、105および
106分子を用いて実施したPCR反応による蛍光は、チュ
ーブの肉眼観察によって容易に検出することができた。
に、リンパ球104個当たりヒトPSA発現性のLNCaP細胞1個
を含む混合物から得た全cDNAを、FAM/DABCYLで標識し
たヘアピンプライマーを用いて増幅した。さまざまな数
のサイクルを実施した後に、分光蛍光光度計を用いて増
幅産物の蛍光強度を測定した(図21A)。その結果、わ
ずか20サイクル後に蛍光強度は増幅していない反応混合
物と比べて5倍上昇し、40サイクルの増幅後には35倍の
上昇が検出された。産物中に組み入れられた[32P]標
識プライマーの割合を測定するために、変性ゲル電気泳
動後にPhosphorImagerを用いて定量化を行うことによっ
て同一試料を分析した。図21Bの結果では、反応混合物
の蛍光強度は産物中に組み入れられたプライマーの量と
相関することが示されている。もう1つの実験では、本
方法の感度を調べた。定量化のために、クローン化した
PSA cDNAを鋳型として用いた。1反応物当たりクローン
化したPSA cDNAの0、10、102、103、104、105また
は106分子を用いて40サイクルのPCRを実施した。図22
の結果は、本方法は最初のDNA鋳型が10分子であれば分
光蛍光光度計を用いて十分に検出できるほどの感度があ
ることを示している。据え付けカメラおよびD540/40フ
ィルターを備えたUVトランスイルミネーターにチューブ
を直接かけることによる蛍光性PCR産物の可視化も行っ
た。このフィルターを用いると、515〜560 nmという狭
い波長幅における発光を検出することができる。図23に
示されている通り、最初の鋳型として104、105および
106分子を用いて実施したPCR反応による蛍光は、チュ
ーブの肉眼観察によって容易に検出することができた。
【0207】増幅および検出に対する標識ヘアピンプラ
イマーの構造の影響 ステム、ループおよび3' 1本鎖配列のサイズが異なるい
くつかのヘアピンプライマーを、これらのパラメーター
がPCR効率および信号対バックグラウンド比にどの程度
影響を及ぼすかを評価するために合成した。構造および
相対蛍光強度を図24A〜Gに提示した。検討したプライマ
ーはすべて、標的に対して相補的な少なくとも18ヌクレ
オチドの配列を有し、これには3' 1本鎖プライミング配
列、3'ステム配列およびループの一部が含まれる(図24
A〜Gにおいて太字で強調した部分)。3' 1本鎖プライミ
ング配列の長さは、PCR反応におけるヘアピンプライマ
ーの効率に極めて重要であることが判明した。プライミ
ング配列の長さを構造Aの12ヌクレオチドから構造Gの6
ヌクレオチドに短縮した場合には(図24)、ほとんど産
物が検出されなくなった。この結果に関して考えられる
説明は、このオリゴヌクレオチドでは60℃のアニーリン
グ温度でもヘアピンプライマーが好ましいコンフォメー
ションであり、標的DNAとのハイブリダイゼーションに
ステムおよびループのヌクレオチドは用いられないとい
うことである。この場合には、分子の2次構造に関与し
ない唯一の部分は3' 1本鎖配列である。しかし、構造G
の3'末端にある6ヌクレオチドは有効なPCRプライマーと
なるには長さが不十分である。ステムおよびループのサ
イズを少し変えた場合には、生成された産物の量にわず
かな差が認められた。ステムが7bpよりも長くなるとPCR
の効率はわずかに低下した。3'末端のAT塩基対をGCに置
換することによってステムを安定化することにより、信
号対バックグラウンド比は10%高まった。
イマーの構造の影響 ステム、ループおよび3' 1本鎖配列のサイズが異なるい
くつかのヘアピンプライマーを、これらのパラメーター
がPCR効率および信号対バックグラウンド比にどの程度
影響を及ぼすかを評価するために合成した。構造および
相対蛍光強度を図24A〜Gに提示した。検討したプライマ
ーはすべて、標的に対して相補的な少なくとも18ヌクレ
オチドの配列を有し、これには3' 1本鎖プライミング配
列、3'ステム配列およびループの一部が含まれる(図24
A〜Gにおいて太字で強調した部分)。3' 1本鎖プライミ
ング配列の長さは、PCR反応におけるヘアピンプライマ
ーの効率に極めて重要であることが判明した。プライミ
ング配列の長さを構造Aの12ヌクレオチドから構造Gの6
ヌクレオチドに短縮した場合には(図24)、ほとんど産
物が検出されなくなった。この結果に関して考えられる
説明は、このオリゴヌクレオチドでは60℃のアニーリン
グ温度でもヘアピンプライマーが好ましいコンフォメー
ションであり、標的DNAとのハイブリダイゼーションに
ステムおよびループのヌクレオチドは用いられないとい
うことである。この場合には、分子の2次構造に関与し
ない唯一の部分は3' 1本鎖配列である。しかし、構造G
の3'末端にある6ヌクレオチドは有効なPCRプライマーと
なるには長さが不十分である。ステムおよびループのサ
イズを少し変えた場合には、生成された産物の量にわず
かな差が認められた。ステムが7bpよりも長くなるとPCR
の効率はわずかに低下した。3'末端のAT塩基対をGCに置
換することによってステムを安定化することにより、信
号対バックグラウンド比は10%高まった。
【0208】11.5. 考察
「閉鎖チューブ」方式において増幅産物を検出するため
の方法は、それが反応の複雑性を軽減するだけでなく、
持ち越し汚染の可能性をなくし、その結果として偽陽性
の結果が生じる可能性を最小限に抑えることからも、PC
Rに基づく自動診断システムに向けての重要な段階であ
る。増幅プライマーはそのステムに、蛍光共鳴エネルギ
ー転移を生じうる2つの標識を有する1つのヘアピン構造
を含む。1つの標識は発蛍光団である供与体であり、も
う1つは発蛍光団によって放出されるエネルギーを吸収
しうる消光剤である。オリゴヌクレオチドプライマーが
ヘアピン型コンフォメーションにある場合には35倍の蛍
光消失が認められ、すなわち産物にプライマーが組み入
れられなかった場合に検出されたのは最大蛍光の3%未
満であった。ヘアピンから線状コンフォメーションへの
切り替えは、複製の結果として起こる。すなわち、ステ
ムの5'末端がDNAポリメラーゼによって置換されて相補
鎖が合成され、ヘアピンはもはや形成されない。組み入
れられたプライマーでは、発蛍光団と消光剤との間の距
離は20塩基対前後であって、これは70Åに近く、この距
離でのエネルギー転移は無視しうる程度であるため(Se
lvin, 1995, Methods Enzymol. 246:300〜334)、発蛍
光団の定量的発光を検出することができる。本方法の主
な利点は、蛍光シグナルが、これまでの方法のようにハ
イブリダイズさせたプローブからではなく(Holland,
ら、1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:7276〜728
0;Leeら、1993, Nucleic Acids Res. 21:3761〜376
6;TyagiおよびKramer, 1996, Nature Biotechnol. 1
4:303〜309)、産物自体から発生することにある。こ
れはバックグラウンドを低く保ち、極めて広いダイナミ
ックレンジにわたる増幅されたDNAのリアルタイム定量
化を可能とする。さらに、検出には、ハイブリダイゼー
ションに関係する方法に必要となる特定の緩衝液または
温度条件は必要でない。長い2本鎖DNA産物と短いヘアピ
ンプライマーとの間の区別は非常に効率的になされるた
め、信号対バックグラウンド比は、種々の反応条件にお
いて広い温度範囲にわたって同一であると思われる。こ
の方法は、1本鎖オリゴヌクレオチドが2本鎖産物に組み
入れられる多くの増幅システムに応用することができ、
任意の耐熱性DNAポリメラーゼと適合性がある。本実施
例では、5'-3'および3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を持
たない酵素であるPfuexo−DNAポリメラーゼを用い
た。5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を有するTaqポリメラ
ーゼを用いても同様の結果が得られた(データは提示せ
ず)。5'-3'エキソヌクレアーゼ活性はいくつかのDNAポ
リメラーゼの除去修復機能の一部であり、それは遊離プ
ライマーを攻撃することはないと思われる。しかし、伸
長したヘアピンプライマーが、鋳型DNAとアニーリング
した場合にも依然としてヘアピン型コンフォメーション
を維持しているならば、DNAポリメラーゼはヘアピンス
テムの5'末端を加水分解すると思われ、供与体または受
容体と連結した5'ヌクレオチドが溶液中に放出されると
考えられる。複製または加水分解のいずれの場合にも、
供与体の発蛍光団は受容体から離れ、消光作用はなくな
り、増幅産物からの蛍光シグナルを検出することができ
ることから、提案される増幅/検出法には任意の耐熱性
DNAポリメラーゼを用いることが可能になると思われ
る。本実施例で提示された35倍もの信号対バックグラウ
ンド比は、恐らくこれよりさらに高くなると思われる。
発表されているデータからは、発蛍光団および消光剤が
互いに共有結合で結ばれている場合には、200倍の消光
を達成しうることが示唆される(Wangら、1990, Tetrah
edron Lett. 31:6493〜6496)。このことは、ステム構
造に互いに密接してFRET標識を配置することによって消
光効率が高まるであろうことを意味する。この目標は、
リンカーアームの変化、標識の位置を変更すること、ま
たは供与体および受容体が互いにある程度の親和性を有
するようなFRET対を用いることなどのいくつかの手法に
よって達成しうると考えられる。このシステムを改良す
るためのもう1つのやり方は、標識の溶液中への自然放
出によって増幅中にバックグラウンド値が高まることを
防ぐために、FRETで標識されるオリゴヌクレオチドの耐
熱性を高めることである。本実施例に記載され、提示さ
れた方法は、標的核酸の存在を定性的または定量的に検
出しようとする任意の診断手順に応用することができ
る。これは、感染症の病原体および食物または水の微生
物汚染の検出のほか、一部の型の癌の検出に応用しうる
と思われる。本方法のあらゆる用途を開発する上で重要
な段階はプライマーの構造およびサイクリング条件の最
適化であり、これはあらゆる副産物がシグナルをもたら
す恐れがあるためである。しかし、標識されたヘアピン
プライマーによって増幅されたDNAは任意の伝統的な方
法によって分析することができるため、産物のサイズお
よび純度をゲル電気泳動によって確認しうるという事実
は最適化を容易にするものである。本実施例は、前立腺
特異的抗原のcDNAを検出するためのこの方法の有用性を
示す。その結果、検出の特異性および感度は他の増幅に
基づく方法と同等であることが示された。すなわち、最
初の標的がわずか10分子であっても検出は可能である。
この方法は、いくつかの標的が同一反応において増幅さ
れる「多重」分析にも用いることができる。この目的の
ために、さまざまな発蛍光団で標識されたヘアピンプラ
イマーを用いることができる。多数の試料を検討する必
要のある臨床的応用については、アッセイの結果を判読
するために、PCR装置と別々または組み合わせて蛍光プ
レート読み取り装置を用いることができると思われる。
の方法は、それが反応の複雑性を軽減するだけでなく、
持ち越し汚染の可能性をなくし、その結果として偽陽性
の結果が生じる可能性を最小限に抑えることからも、PC
Rに基づく自動診断システムに向けての重要な段階であ
る。増幅プライマーはそのステムに、蛍光共鳴エネルギ
ー転移を生じうる2つの標識を有する1つのヘアピン構造
を含む。1つの標識は発蛍光団である供与体であり、も
う1つは発蛍光団によって放出されるエネルギーを吸収
しうる消光剤である。オリゴヌクレオチドプライマーが
ヘアピン型コンフォメーションにある場合には35倍の蛍
光消失が認められ、すなわち産物にプライマーが組み入
れられなかった場合に検出されたのは最大蛍光の3%未
満であった。ヘアピンから線状コンフォメーションへの
切り替えは、複製の結果として起こる。すなわち、ステ
ムの5'末端がDNAポリメラーゼによって置換されて相補
鎖が合成され、ヘアピンはもはや形成されない。組み入
れられたプライマーでは、発蛍光団と消光剤との間の距
離は20塩基対前後であって、これは70Åに近く、この距
離でのエネルギー転移は無視しうる程度であるため(Se
lvin, 1995, Methods Enzymol. 246:300〜334)、発蛍
光団の定量的発光を検出することができる。本方法の主
な利点は、蛍光シグナルが、これまでの方法のようにハ
イブリダイズさせたプローブからではなく(Holland,
ら、1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:7276〜728
0;Leeら、1993, Nucleic Acids Res. 21:3761〜376
6;TyagiおよびKramer, 1996, Nature Biotechnol. 1
4:303〜309)、産物自体から発生することにある。こ
れはバックグラウンドを低く保ち、極めて広いダイナミ
ックレンジにわたる増幅されたDNAのリアルタイム定量
化を可能とする。さらに、検出には、ハイブリダイゼー
ションに関係する方法に必要となる特定の緩衝液または
温度条件は必要でない。長い2本鎖DNA産物と短いヘアピ
ンプライマーとの間の区別は非常に効率的になされるた
め、信号対バックグラウンド比は、種々の反応条件にお
いて広い温度範囲にわたって同一であると思われる。こ
の方法は、1本鎖オリゴヌクレオチドが2本鎖産物に組み
入れられる多くの増幅システムに応用することができ、
任意の耐熱性DNAポリメラーゼと適合性がある。本実施
例では、5'-3'および3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を持
たない酵素であるPfuexo−DNAポリメラーゼを用い
た。5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を有するTaqポリメラ
ーゼを用いても同様の結果が得られた(データは提示せ
ず)。5'-3'エキソヌクレアーゼ活性はいくつかのDNAポ
リメラーゼの除去修復機能の一部であり、それは遊離プ
ライマーを攻撃することはないと思われる。しかし、伸
長したヘアピンプライマーが、鋳型DNAとアニーリング
した場合にも依然としてヘアピン型コンフォメーション
を維持しているならば、DNAポリメラーゼはヘアピンス
テムの5'末端を加水分解すると思われ、供与体または受
容体と連結した5'ヌクレオチドが溶液中に放出されると
考えられる。複製または加水分解のいずれの場合にも、
供与体の発蛍光団は受容体から離れ、消光作用はなくな
り、増幅産物からの蛍光シグナルを検出することができ
ることから、提案される増幅/検出法には任意の耐熱性
DNAポリメラーゼを用いることが可能になると思われ
る。本実施例で提示された35倍もの信号対バックグラウ
ンド比は、恐らくこれよりさらに高くなると思われる。
発表されているデータからは、発蛍光団および消光剤が
互いに共有結合で結ばれている場合には、200倍の消光
を達成しうることが示唆される(Wangら、1990, Tetrah
edron Lett. 31:6493〜6496)。このことは、ステム構
造に互いに密接してFRET標識を配置することによって消
光効率が高まるであろうことを意味する。この目標は、
リンカーアームの変化、標識の位置を変更すること、ま
たは供与体および受容体が互いにある程度の親和性を有
するようなFRET対を用いることなどのいくつかの手法に
よって達成しうると考えられる。このシステムを改良す
るためのもう1つのやり方は、標識の溶液中への自然放
出によって増幅中にバックグラウンド値が高まることを
防ぐために、FRETで標識されるオリゴヌクレオチドの耐
熱性を高めることである。本実施例に記載され、提示さ
れた方法は、標的核酸の存在を定性的または定量的に検
出しようとする任意の診断手順に応用することができ
る。これは、感染症の病原体および食物または水の微生
物汚染の検出のほか、一部の型の癌の検出に応用しうる
と思われる。本方法のあらゆる用途を開発する上で重要
な段階はプライマーの構造およびサイクリング条件の最
適化であり、これはあらゆる副産物がシグナルをもたら
す恐れがあるためである。しかし、標識されたヘアピン
プライマーによって増幅されたDNAは任意の伝統的な方
法によって分析することができるため、産物のサイズお
よび純度をゲル電気泳動によって確認しうるという事実
は最適化を容易にするものである。本実施例は、前立腺
特異的抗原のcDNAを検出するためのこの方法の有用性を
示す。その結果、検出の特異性および感度は他の増幅に
基づく方法と同等であることが示された。すなわち、最
初の標的がわずか10分子であっても検出は可能である。
この方法は、いくつかの標的が同一反応において増幅さ
れる「多重」分析にも用いることができる。この目的の
ために、さまざまな発蛍光団で標識されたヘアピンプラ
イマーを用いることができる。多数の試料を検討する必
要のある臨床的応用については、アッセイの結果を判読
するために、PCR装置と別々または組み合わせて蛍光プ
レート読み取り装置を用いることができると思われる。
【0209】12. 実施例7:ヘアピンプライマーを用い
るPCRを用いてのCpG島のメチル化状態に関するアッセイ 12.1. 材料および方法 ゲノムDNAは、OH3(メチル化されていないP16 DNA)お
よびHN 12(メチル化されたP16 DNA)細胞系列(The Jo
hns Hopkins Medical InstitutionsのS. B. Baylinおよ
びD. Sidranskyの両博士から入手)から入手し、亜硫酸
水素塩によって処理した(Hermanら、1996, Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA, 93:9821〜9826)。亜硫酸水素処
理した非メチル化DNA(UupおよびUd(それぞれ配列番
号:19および20))、亜硫酸水素処理したメチル化DNA
(MupおよびMd)(それぞれ配列番号:21および22)お
よび亜硫酸水素処理を受けていないDNA(野生型、WT)
(WupおよびWd)(配列番号:23および24)のそれぞれ
を増幅するために3組のPCRプライマー(図26)を化学合
成した。それぞれの組における2つのプライマーのうち
一方は、5'末端にFAM/DABCYLで標識されたヘアピン構
造を有する。PCRは、10 mM Tris-HCl(pH 8.3)、50 mM
KCl、2 mM MgCl2、0.25 mMの各dNTP、0.5 μMの各プ
ライマー、対応するDNA鋳型100 ngおよびAmpliTaq Gold
(登録商標)ポリメラーゼ(Perkin Elmer)1単位を含
む40 μl中にて実施した。熱サイクル処理は、94℃ 12
分間の変性(これらの条件はAmpliTaq Gold(登録商
標)ポリメラーゼの活性化のためにも必要である)に続
いて、95℃ 45秒、65℃ 45秒および72℃ 1分を35サイク
ル行うことによって実施した。最後に72℃で5分間の伸
長を行ってPCRを終えた。
るPCRを用いてのCpG島のメチル化状態に関するアッセイ 12.1. 材料および方法 ゲノムDNAは、OH3(メチル化されていないP16 DNA)お
よびHN 12(メチル化されたP16 DNA)細胞系列(The Jo
hns Hopkins Medical InstitutionsのS. B. Baylinおよ
びD. Sidranskyの両博士から入手)から入手し、亜硫酸
水素塩によって処理した(Hermanら、1996, Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA, 93:9821〜9826)。亜硫酸水素処
理した非メチル化DNA(UupおよびUd(それぞれ配列番
号:19および20))、亜硫酸水素処理したメチル化DNA
(MupおよびMd)(それぞれ配列番号:21および22)お
よび亜硫酸水素処理を受けていないDNA(野生型、WT)
(WupおよびWd)(配列番号:23および24)のそれぞれ
を増幅するために3組のPCRプライマー(図26)を化学合
成した。それぞれの組における2つのプライマーのうち
一方は、5'末端にFAM/DABCYLで標識されたヘアピン構
造を有する。PCRは、10 mM Tris-HCl(pH 8.3)、50 mM
KCl、2 mM MgCl2、0.25 mMの各dNTP、0.5 μMの各プ
ライマー、対応するDNA鋳型100 ngおよびAmpliTaq Gold
(登録商標)ポリメラーゼ(Perkin Elmer)1単位を含
む40 μl中にて実施した。熱サイクル処理は、94℃ 12
分間の変性(これらの条件はAmpliTaq Gold(登録商
標)ポリメラーゼの活性化のためにも必要である)に続
いて、95℃ 45秒、65℃ 45秒および72℃ 1分を35サイク
ル行うことによって実施した。最後に72℃で5分間の伸
長を行ってPCRを終えた。
【0210】12.2. 結果
反応産物は第6節に記載した通りに分析した。PCR増幅後
に反応混合物の蛍光強度を測定した。DNA鋳型の存在下
にて増幅された反応混合物の蛍光強度(+)は、DNA鋳型
の非存在下において増幅された反応混合物の蛍光強度
(-)と有意差があった(表2)。例えば、U-プライマー
セット(配列U(亜硫酸水素処理されたメチル化されて
いない)DNAの増幅用、表2参照)をU DNAとともに用い
た場合には、それは増幅され、シグナルの強度は鋳型を
加えない反応混合物の強度とは有意差があった。同様
に、M-プライマーセットを用いるとM(亜硫酸水素処理
したメチル化された)DNAの増幅がもたらされ、W-プラ
イマーセットを用いるとW(野生型で化学修飾を受けて
いない)DNAの増幅がもたらされた。
に反応混合物の蛍光強度を測定した。DNA鋳型の存在下
にて増幅された反応混合物の蛍光強度(+)は、DNA鋳型
の非存在下において増幅された反応混合物の蛍光強度
(-)と有意差があった(表2)。例えば、U-プライマー
セット(配列U(亜硫酸水素処理されたメチル化されて
いない)DNAの増幅用、表2参照)をU DNAとともに用い
た場合には、それは増幅され、シグナルの強度は鋳型を
加えない反応混合物の強度とは有意差があった。同様
に、M-プライマーセットを用いるとM(亜硫酸水素処理
したメチル化された)DNAの増幅がもたらされ、W-プラ
イマーセットを用いるとW(野生型で化学修飾を受けて
いない)DNAの増幅がもたらされた。
【表2】
────────────────────────────────────
表2.DNA鋳型の存在下(+)および非存在下(-)におけるPCR後の反応混合物20
μlにおける蛍光強度(蛍光単位として表記)。U、亜硫酸水素塩による化学修飾
を受けたメチル化されていないゲノムDNA;M、亜硫酸水素塩による化学修飾を受けたメチル化されたゲノムDNA;W、化学修飾を受けていないゲノムDNA。
U DNA M DNA W DNA
+ - + - + - 18 6 20 6 23 9
【0211】12.3. 結論
以上の結果は、メチル化された、またはメチル化されて
いないDNAを確実かつ高感度に検出するために、METで標
識されたヘアピンプライマーを増幅反応に用いうること
を示している。
いないDNAを確実かつ高感度に検出するために、METで標
識されたヘアピンプライマーを増幅反応に用いうること
を示している。
【0212】13. 実施例8:汎用的なヘアピンプライマ
ーを用いてのPCR増幅 13.1. 序 この実施例では、汎用的なヘアピンプライマーを、PCR
増幅のプライミングを行うための2種の選択された線状
プライマーであるプライマー1および「テーリングされ
た(tailed)」プライマー2とともに用いた実験を提示
する(5.2.1節参照)。このユニバーサルヘアピンプラ
イマーは増幅産物に組み入れられ、2つの線状プライマ
ー配列の一方と連結されなかった。ユニバーサルヘアピ
ンプライマーの3'配列は、増幅に用いた線状のフォーワ
ードおよびリバースプライマーの対の一方の5'配列と同
一であり、この5'配列(図5のプライマー2の配列
「A」)は標的配列に対して相補的ではなかった。PCRの
最初のサイクルの間に、標的DNA(+)鎖に対して相補的
なプライマー1(図5)が伸長した。プライマー2(図5)
は、標的配列(-)鎖に対して相補的な配列を3'部分に
有し、標的配列に対して相補的でない配列を有する図5
の「A」と表記された5'部分を有する。(プライマー1お
よびプライマー2に関する配列は以下の14.2節で記載す
る)。配列Aは15ヌクレオチド長である。2回目のサイク
ルの間には、プライマー2の伸長による産物(図5で矢印
で示されている)がプライマー1に関する鋳型となっ
た。プライマー1は伸長し、その増幅産物としては配列A
に相補的である「A'」と命名された配列が得られた。3
回目のサイクルの間には、ユニバーサルヘアピンプライ
マーのA配列が以前のサイクルによる増幅産物のA'配列
とアニーリングした。鋳型の3'末端が伸長し、ユニバー
サルヘアピンプライマーはヘアピン状に折り返さず複製
され、消光剤および発蛍光団が分離され、蛍光シグナル
が増幅産物から放出された。4回目のサイクルでは、伸
長したユニバーサルヘアピンプライマーがプライマー1
に対する鋳型となった。プライマー1の伸長の間に、ヘ
アピンは折り返さず複製され、消光剤および発蛍光団が
分離され、蛍光シグナルが増幅産物から放出された。PC
R産物の>80%に汎用プライマーが組み入れられ、蛍光
検出によって検出しうるように、反応条件およびプライ
マーの濃度を最適化した。
ーを用いてのPCR増幅 13.1. 序 この実施例では、汎用的なヘアピンプライマーを、PCR
増幅のプライミングを行うための2種の選択された線状
プライマーであるプライマー1および「テーリングされ
た(tailed)」プライマー2とともに用いた実験を提示
する(5.2.1節参照)。このユニバーサルヘアピンプラ
イマーは増幅産物に組み入れられ、2つの線状プライマ
ー配列の一方と連結されなかった。ユニバーサルヘアピ
ンプライマーの3'配列は、増幅に用いた線状のフォーワ
ードおよびリバースプライマーの対の一方の5'配列と同
一であり、この5'配列(図5のプライマー2の配列
「A」)は標的配列に対して相補的ではなかった。PCRの
最初のサイクルの間に、標的DNA(+)鎖に対して相補的
なプライマー1(図5)が伸長した。プライマー2(図5)
は、標的配列(-)鎖に対して相補的な配列を3'部分に
有し、標的配列に対して相補的でない配列を有する図5
の「A」と表記された5'部分を有する。(プライマー1お
よびプライマー2に関する配列は以下の14.2節で記載す
る)。配列Aは15ヌクレオチド長である。2回目のサイク
ルの間には、プライマー2の伸長による産物(図5で矢印
で示されている)がプライマー1に関する鋳型となっ
た。プライマー1は伸長し、その増幅産物としては配列A
に相補的である「A'」と命名された配列が得られた。3
回目のサイクルの間には、ユニバーサルヘアピンプライ
マーのA配列が以前のサイクルによる増幅産物のA'配列
とアニーリングした。鋳型の3'末端が伸長し、ユニバー
サルヘアピンプライマーはヘアピン状に折り返さず複製
され、消光剤および発蛍光団が分離され、蛍光シグナル
が増幅産物から放出された。4回目のサイクルでは、伸
長したユニバーサルヘアピンプライマーがプライマー1
に対する鋳型となった。プライマー1の伸長の間に、ヘ
アピンは折り返さず複製され、消光剤および発蛍光団が
分離され、蛍光シグナルが増幅産物から放出された。PC
R産物の>80%に汎用プライマーが組み入れられ、蛍光
検出によって検出しうるように、反応条件およびプライ
マーの濃度を最適化した。
【0213】13.2 材料及び方法
PCR条件
一セットの実験(下記の表3参照)において、pUC 19プラ
スミド、クラミジアゲノムDNA、及び全ヒトゲノムに存
在するp16遺伝子にクローニングした前立腺特異性抗原
(PSA)cDNAの増幅を、Flu/DABCYL(「ユニバーサルヘアピ
ンプライマーの配列」参照)で標識したユニバーサルヘ
アピンプライマーを用いるPCR増幅法によって行い、そ
してPSA、クラジミア、及びP16にそれぞれ特異的な三つ
の対の線状プライマー1と線状テールプライマー2、106
個分子のPSA及びクラジミア配列、並びに100ngのヒトDN
Aを反応ごとに用いた。増幅は20mMトリス-HCl(pH8.8)、
50mMのKCl、1.5mMのMgCl2、0.001%のゼラチン、200μM
の各dNTP、0.5μMのプライマー1、0.1μMのプライマー
2、0.5μMのFlu/DABCYLで標識したユニバーサルヘアピ
ンプライマー及び1単位のTaq DNAポリメラーゼ(Takara,
Shiga, Japan)を含む20μl中で行った。しかしながらP
16遺伝子の増幅では、Tagの代わりにAmpliTag Gold(登
録商標)DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer)を用いるHot St
art(登録商標)増幅法を行った。最適な増幅条件におい
てテールプライマー(プライマー2)の濃度は、導入され
たユニバーサルヘアピンプライマーを用いて大部分のPC
R増幅産物が得られるように、低く維持される。熱サイ
クルは、94℃で5分間の変性を行った後、95℃で20秒
間、55℃で30秒間及び72℃で1分間のサイクルを20〜40
サイクル行い、更に72℃で最後の5分間の延長を行って
終了した。必要とされるサイクル数は、最初の標的の濃
度に依存する。ユニバーサルヘアピンプライマーを用い
たPCR反応は通常、匹敵量の生成物が得られる標準のPCR
よりも3〜5サイクル多く必要である。ユニバーサルヘア
ピンプライマーはサイクル3(図5)では単に導入し始め、
増幅過程でテールプライマーと競合も起こる。コントロ
ール反応はそれぞれのDNA標的ごとに行った。対照1は反
応混合物中にテールプライマーを含んでいなかった。こ
の場合ユニバーサルヘアピンプライマーがテイル配列の
みに相補的な配列に特異的であると、産物はないと予測
され、DNA標的のどれかの他の配列にハイブリダイゼー
ションすることができなかった。対照2は反応混合物中
にDNA標的を含んでいなかった。二つ目のセットの実験
(表4参照)では一セットのPCR増幅を、濃度を種々に変え
たPSA cDNA標的とPSA-特異性プライマー1とテールプラ
イマー2、及びユニバーサルヘアピンプライマーを用い
て行った。別のセットの(従来法の)PCR増幅は、PSA-特
異性プライマー1とテーリングしていない(untailed)プ
ライマー2を用いて行った。この第2セットの実験でのPC
Rは、10mMトリス-HCl(pH8.3)、50mMのKCl、2mMのMgC
l2、0.25mMの各dNTP、0.5μMの各プライマー、100ngの
対応するDNA鋳型及び1単位のAmpliTag Gold(登録商標)
ポリメラーゼ(Perkin Elmer)を含む40μl中で行った。
熱サイクルは、94℃で12分間の変性をして行った。また
これらの条件は、AmpliTag Gold(登録商標)ポリメラー
ゼの活性化にとっても利用されるものであり、それに続
いて95℃で45秒間、65℃で45秒間及び72℃で1分間のサ
イクルを35サイクル行った。このPCRは72℃で最後の5分
間の延長を行って終了した。線状の非標識プライマーを
用いて増幅した産物は、臭化エチジウム染色したゲル状
で可視化した。
スミド、クラミジアゲノムDNA、及び全ヒトゲノムに存
在するp16遺伝子にクローニングした前立腺特異性抗原
(PSA)cDNAの増幅を、Flu/DABCYL(「ユニバーサルヘアピ
ンプライマーの配列」参照)で標識したユニバーサルヘ
アピンプライマーを用いるPCR増幅法によって行い、そ
してPSA、クラジミア、及びP16にそれぞれ特異的な三つ
の対の線状プライマー1と線状テールプライマー2、106
個分子のPSA及びクラジミア配列、並びに100ngのヒトDN
Aを反応ごとに用いた。増幅は20mMトリス-HCl(pH8.8)、
50mMのKCl、1.5mMのMgCl2、0.001%のゼラチン、200μM
の各dNTP、0.5μMのプライマー1、0.1μMのプライマー
2、0.5μMのFlu/DABCYLで標識したユニバーサルヘアピ
ンプライマー及び1単位のTaq DNAポリメラーゼ(Takara,
Shiga, Japan)を含む20μl中で行った。しかしながらP
16遺伝子の増幅では、Tagの代わりにAmpliTag Gold(登
録商標)DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer)を用いるHot St
art(登録商標)増幅法を行った。最適な増幅条件におい
てテールプライマー(プライマー2)の濃度は、導入され
たユニバーサルヘアピンプライマーを用いて大部分のPC
R増幅産物が得られるように、低く維持される。熱サイ
クルは、94℃で5分間の変性を行った後、95℃で20秒
間、55℃で30秒間及び72℃で1分間のサイクルを20〜40
サイクル行い、更に72℃で最後の5分間の延長を行って
終了した。必要とされるサイクル数は、最初の標的の濃
度に依存する。ユニバーサルヘアピンプライマーを用い
たPCR反応は通常、匹敵量の生成物が得られる標準のPCR
よりも3〜5サイクル多く必要である。ユニバーサルヘア
ピンプライマーはサイクル3(図5)では単に導入し始め、
増幅過程でテールプライマーと競合も起こる。コントロ
ール反応はそれぞれのDNA標的ごとに行った。対照1は反
応混合物中にテールプライマーを含んでいなかった。こ
の場合ユニバーサルヘアピンプライマーがテイル配列の
みに相補的な配列に特異的であると、産物はないと予測
され、DNA標的のどれかの他の配列にハイブリダイゼー
ションすることができなかった。対照2は反応混合物中
にDNA標的を含んでいなかった。二つ目のセットの実験
(表4参照)では一セットのPCR増幅を、濃度を種々に変え
たPSA cDNA標的とPSA-特異性プライマー1とテールプラ
イマー2、及びユニバーサルヘアピンプライマーを用い
て行った。別のセットの(従来法の)PCR増幅は、PSA-特
異性プライマー1とテーリングしていない(untailed)プ
ライマー2を用いて行った。この第2セットの実験でのPC
Rは、10mMトリス-HCl(pH8.3)、50mMのKCl、2mMのMgC
l2、0.25mMの各dNTP、0.5μMの各プライマー、100ngの
対応するDNA鋳型及び1単位のAmpliTag Gold(登録商標)
ポリメラーゼ(Perkin Elmer)を含む40μl中で行った。
熱サイクルは、94℃で12分間の変性をして行った。また
これらの条件は、AmpliTag Gold(登録商標)ポリメラー
ゼの活性化にとっても利用されるものであり、それに続
いて95℃で45秒間、65℃で45秒間及び72℃で1分間のサ
イクルを35サイクル行った。このPCRは72℃で最後の5分
間の延長を行って終了した。線状の非標識プライマーを
用いて増幅した産物は、臭化エチジウム染色したゲル状
で可視化した。
【0214】蛍光検出
Shimadzu RF-5000分光蛍光光度計を個々の試料の蛍光ス
ペクトルを測定するために用いた。反応混合物の5μlの
分量を、20mMトリス-HCl、pH8.8、50mMのKCl、2mMのMgC
l2を用いて600μlに希釈し、室温にて10×3mmのキュベ
ット(NSG Precision Cells, Inc., Farmingdale, NY)に
入れた。フルオレセイン/4-(4'-ジメチルアミノフェニ
ルアゾ)安息香酸(DABCYL)FRET対に対しては488nmの励起
波長を用い、スペクトルを500nmと650nmの間で記録し
た。蛍光強度はバックグランドを差し引いた後で測定し
た。バックグランドは、このPCR増幅反応を行う前の反
応混合物中に含まれるユニバーサルヘアピンプライマー
の蛍光として定義した。最初の標的の量がそれほど少な
くない(1000分子またはそれ以上)と、蛍光PCR増幅産物
はUVトランスイルミネーター画像分析システム(Applige
ne, Strasbourg, France)に直接このチューブを置いて
も可視化でき、グリーンD540/40フィルター(Chroma Tec
hnology, Brattleboro, VT)を利用した据え付けカメラ
で写真がとれた。また定量的な結果を得るために、フル
オロメトリック プレートリーダーを用いてもよい。こ
の場合反応は、密閉型の96-ウェルPCRプレートにおいて
行えばよい。次にその同じプレートをプレートリーダー
に移し、プレートの上部から発生する蛍光を測定する。
この測定は、好適な量のサイクルの後で行うことができ
る。シグナルが充分に強くない場合には、その同じプレ
ートをPCR装置に戻して移し変え、短時間(1-2分間)の余
熱段階により更にサイクルを行えばよい。最初の標的の
正確な量を測定するために、適当な内部対照を含有させ
ておくべきである。異なる色のヘアピンプライマーが内
部対照として用いられるはずである。リアル-タイム検
出型PCR装置、例えばan Idaho Light-cycler(Idaho Tec
hmology, Inc., Idaho Falls, ID)を用いれば、最初の
標的の定量をより容易に行うことができる。
ペクトルを測定するために用いた。反応混合物の5μlの
分量を、20mMトリス-HCl、pH8.8、50mMのKCl、2mMのMgC
l2を用いて600μlに希釈し、室温にて10×3mmのキュベ
ット(NSG Precision Cells, Inc., Farmingdale, NY)に
入れた。フルオレセイン/4-(4'-ジメチルアミノフェニ
ルアゾ)安息香酸(DABCYL)FRET対に対しては488nmの励起
波長を用い、スペクトルを500nmと650nmの間で記録し
た。蛍光強度はバックグランドを差し引いた後で測定し
た。バックグランドは、このPCR増幅反応を行う前の反
応混合物中に含まれるユニバーサルヘアピンプライマー
の蛍光として定義した。最初の標的の量がそれほど少な
くない(1000分子またはそれ以上)と、蛍光PCR増幅産物
はUVトランスイルミネーター画像分析システム(Applige
ne, Strasbourg, France)に直接このチューブを置いて
も可視化でき、グリーンD540/40フィルター(Chroma Tec
hnology, Brattleboro, VT)を利用した据え付けカメラ
で写真がとれた。また定量的な結果を得るために、フル
オロメトリック プレートリーダーを用いてもよい。こ
の場合反応は、密閉型の96-ウェルPCRプレートにおいて
行えばよい。次にその同じプレートをプレートリーダー
に移し、プレートの上部から発生する蛍光を測定する。
この測定は、好適な量のサイクルの後で行うことができ
る。シグナルが充分に強くない場合には、その同じプレ
ートをPCR装置に戻して移し変え、短時間(1-2分間)の余
熱段階により更にサイクルを行えばよい。最初の標的の
正確な量を測定するために、適当な内部対照を含有させ
ておくべきである。異なる色のヘアピンプライマーが内
部対照として用いられるはずである。リアル-タイム検
出型PCR装置、例えばan Idaho Light-cycler(Idaho Tec
hmology, Inc., Idaho Falls, ID)を用いれば、最初の
標的の定量をより容易に行うことができる。
【0215】ユニバーサルヘアピンプライマーの配列
配列番号:30
この太字の配列は、特異的プライマーのテーリング部分
と同じである。 特異的線状プライマーの配列 それぞれの配列において、プライマー2のテーリング配
列は太字にされた小文字に表される。PSA: プライマー1: 5'-ggt gta cag gga agg cct ttc ggg ac 配列番号:31 プライマー2: 5'-cct gca ggc tga ggt gaa ggt gac caa gtt cat 配列番号:32クラミジアのゲノムDNA プライマー1: 5'-gta cta gag gac tta cct ctt ccc 配列番号:33 プライマー2: 5'-cct gca ggc tga ggt ctg taa caa caa gtc agg tt 配列番号:34P16 プライマー1: 5'-CAG AGG GTG GGG CGG ACC GC 配列番号:35 プライマー2: 5'-cct gca ggc tga ggt CCC GGG CCG CGG CCG TGG 配列番号:36
と同じである。 特異的線状プライマーの配列 それぞれの配列において、プライマー2のテーリング配
列は太字にされた小文字に表される。PSA: プライマー1: 5'-ggt gta cag gga agg cct ttc ggg ac 配列番号:31 プライマー2: 5'-cct gca ggc tga ggt gaa ggt gac caa gtt cat 配列番号:32クラミジアのゲノムDNA プライマー1: 5'-gta cta gag gac tta cct ctt ccc 配列番号:33 プライマー2: 5'-cct gca ggc tga ggt ctg taa caa caa gtc agg tt 配列番号:34P16 プライマー1: 5'-CAG AGG GTG GGG CGG ACC GC 配列番号:35 プライマー2: 5'-cct gca ggc tga ggt CCC GGG CCG CGG CCG TGG 配列番号:36
【0216】13.3.結果
表3に示されているようにユニバーサルヘアピンプライ
マーは、三種の異なる標的を特異的に検出するためにPC
R増幅反応で用いることができる。三種全てのゲノム配
列、すなわちPSA、クラミジアのゲノム配列、及びP16を
増幅し、スペクトロ蛍光光度計を用いてその増幅反応の
蛍光スペクトルを測定することによってそれらの増幅産
物を検出した。
マーは、三種の異なる標的を特異的に検出するためにPC
R増幅反応で用いることができる。三種全てのゲノム配
列、すなわちPSA、クラミジアのゲノム配列、及びP16を
増幅し、スペクトロ蛍光光度計を用いてその増幅反応の
蛍光スペクトルを測定することによってそれらの増幅産
物を検出した。
【表3】
────────────────────────────────────
表3 異なるDNA標的に対するユニバーサルヘアピンプライマーを用いたPCR反応混
合物の蛍光強度
標的 終了反応 テールプライマーなし DNAなし
対照1 対照2
PSA 303 15 10
クラジミアの 286 14 5
ゲノムDNA
P16遺伝子 140 10 9
この蛍光強度は、PCR増幅反応を行う前に存在するバックグランドを差し引いた
後で測定した。
────────────────────────────────────
さらにPSA及びクラミジアの増幅産物をトランスイルミ
ネーターのチューブに配置し、グリーンフィルターを通
してそれらの写真を撮ることによって可視化した。その
結果が図28A-Bに現されている。対照と比較して蛍光は
増幅後に有意に大きくなったが、それはDNA標的が増幅
されたことを示している。プライマー1、テールプライ
マー2、及びユニバーサルヘアピンプライマーを用いたP
CR増幅の感度は、プライマー1及びテーリングしていな
いプライマー2を用いた従来のPCR増幅の感度と比較し
た。表4(下記)に明らかにされているように、プライマ
ー1、テールプライマー2及びユニバーサルヘアピンプラ
イマーを用いたPCR反応の感度はプライマー1及びテーリ
ングしていないプライマー2を用いたPCR反応で得られた
感度に匹敵する。14.2節において説明したように最適条
件とプライマー濃度を用いると、10モルと同じくらい少
量のPSA標的を、ユニバーサルヘアピンプライマーまた
は従来の線状の(テーリングしていない)配列-特異性の
プライマーのいずれかを用いて検出することができた。
蛍光強度はこのPCR増幅反応を行う前に存在するバック
グランドを差し引いた後で検出した。
ネーターのチューブに配置し、グリーンフィルターを通
してそれらの写真を撮ることによって可視化した。その
結果が図28A-Bに現されている。対照と比較して蛍光は
増幅後に有意に大きくなったが、それはDNA標的が増幅
されたことを示している。プライマー1、テールプライ
マー2、及びユニバーサルヘアピンプライマーを用いたP
CR増幅の感度は、プライマー1及びテーリングしていな
いプライマー2を用いた従来のPCR増幅の感度と比較し
た。表4(下記)に明らかにされているように、プライマ
ー1、テールプライマー2及びユニバーサルヘアピンプラ
イマーを用いたPCR反応の感度はプライマー1及びテーリ
ングしていないプライマー2を用いたPCR反応で得られた
感度に匹敵する。14.2節において説明したように最適条
件とプライマー濃度を用いると、10モルと同じくらい少
量のPSA標的を、ユニバーサルヘアピンプライマーまた
は従来の線状の(テーリングしていない)配列-特異性の
プライマーのいずれかを用いて検出することができた。
蛍光強度はこのPCR増幅反応を行う前に存在するバック
グランドを差し引いた後で検出した。
【表4】
────────────────────────────────────
表4 特異的で普遍のヘアピンプライマー及び異なる分子数からなる最初のPSA DN
A標的が存在するところでのPCR反応の蛍光強度
反応毎の標的分子数 0 10 102 104 106
標識されたプライマー
特異性 4 55 165 250 320
ユニバーサル 7 42 140 220 244
この蛍光強度は、PCR増幅反応を行う前に存在するバックグランドを差し引いた
後で測定した。
────────────────────────────────────
【0217】13.4.考察
この実施例で見られた結果は、PCR増幅において従来の
線状PCRプライマーに比べてユニバーサルヘアピンプラ
イマーの方が数個の顕著な利点があることを証明してい
る。第一に、ユニバーサルヘアピンプライマーは、先に
最適化したどれかのセットのPCRプライマーを用いて増
幅反応を行う際に用いることができる。第二にユニバー
サルヘアピンプライマーを用いると密閉されたチューブ
の形態が可能となり、すなわち増幅及び検出を同じチュ
ーブで、そのチューブを全く開口することなく行える。
これによってアンプリコン(以前の反応から得られる増
幅産物)による汚染が持ち越されず、そのため偽陽性の
結果が生じないことが確実になる。持ち越される汚染を
このように最小にすることは、非常に多くの臨床試料を
分析する場合に特に重要である。従来、非常に多くの臨
床試料を分析する場合に汚染を避けることは一般に困難
であって、偽陽性の結果が有害となっている。密閉され
たチューブでのPCR増幅において本発明のユニバーサル
ヘアピンプライマーを用いると、このような汚染の可能
性を回避できる。PCRに基づいたアッセイでこのような
密閉されたチューブの形態と本発明のヘアピンプライマ
ーを用いると、少なくとも三つの異なる標的を一つのア
ッセイで特異的に検出することができる。第三に、PCR
増幅で本発明のユニバーサルヘアピンプライマーを用い
ることによって、定量的な結果を得ることができる。例
えば、蛍光測定プレートリーダーを用いることによって
増幅産物の量を定量することができ、その際適当な内部
対照、例えば第2の既知の標的配列の既知の数とその標
的に対応するプライマーが用いられることになってい
る。第四に、PCR増幅で本発明のユニバーサルヘアピン
プライマーを用いることによって、ゲル電気泳動やドッ
ト-ブロットのような時間のかかる後処理の増幅を行う
必要がない。この段階を省略することでそれぞれのセッ
トの増幅反応において2-3時間は助かる。最後にここに
現れた結果は、ユニバーサルヘアピンプライマーがP16
遺伝子を増幅するために利用できることを示している。
したがってユニバーサルヘアピンプライマーは、腫瘍の
サプレッサーであるP16遺伝子のメチル化状態を検出す
るキットに包含させると好ましい。
線状PCRプライマーに比べてユニバーサルヘアピンプラ
イマーの方が数個の顕著な利点があることを証明してい
る。第一に、ユニバーサルヘアピンプライマーは、先に
最適化したどれかのセットのPCRプライマーを用いて増
幅反応を行う際に用いることができる。第二にユニバー
サルヘアピンプライマーを用いると密閉されたチューブ
の形態が可能となり、すなわち増幅及び検出を同じチュ
ーブで、そのチューブを全く開口することなく行える。
これによってアンプリコン(以前の反応から得られる増
幅産物)による汚染が持ち越されず、そのため偽陽性の
結果が生じないことが確実になる。持ち越される汚染を
このように最小にすることは、非常に多くの臨床試料を
分析する場合に特に重要である。従来、非常に多くの臨
床試料を分析する場合に汚染を避けることは一般に困難
であって、偽陽性の結果が有害となっている。密閉され
たチューブでのPCR増幅において本発明のユニバーサル
ヘアピンプライマーを用いると、このような汚染の可能
性を回避できる。PCRに基づいたアッセイでこのような
密閉されたチューブの形態と本発明のヘアピンプライマ
ーを用いると、少なくとも三つの異なる標的を一つのア
ッセイで特異的に検出することができる。第三に、PCR
増幅で本発明のユニバーサルヘアピンプライマーを用い
ることによって、定量的な結果を得ることができる。例
えば、蛍光測定プレートリーダーを用いることによって
増幅産物の量を定量することができ、その際適当な内部
対照、例えば第2の既知の標的配列の既知の数とその標
的に対応するプライマーが用いられることになってい
る。第四に、PCR増幅で本発明のユニバーサルヘアピン
プライマーを用いることによって、ゲル電気泳動やドッ
ト-ブロットのような時間のかかる後処理の増幅を行う
必要がない。この段階を省略することでそれぞれのセッ
トの増幅反応において2-3時間は助かる。最後にここに
現れた結果は、ユニバーサルヘアピンプライマーがP16
遺伝子を増幅するために利用できることを示している。
したがってユニバーサルヘアピンプライマーは、腫瘍の
サプレッサーであるP16遺伝子のメチル化状態を検出す
るキットに包含させると好ましい。
【0218】14.実施例9:テロメラーゼ-陽性細胞を検出
するテロメアの繰り返し増幅プロトコール(TRAP)アッセ
イでのヘアピンプライマーの利用 この実施例は、テロメラーゼ-陽性細胞の検出を明らか
にしており、そこではTRAPアッセイが本発明のヘアピン
プライマーとともに用いられている。
するテロメアの繰り返し増幅プロトコール(TRAP)アッセ
イでのヘアピンプライマーの利用 この実施例は、テロメラーゼ-陽性細胞の検出を明らか
にしており、そこではTRAPアッセイが本発明のヘアピン
プライマーとともに用いられている。
【0219】14.1.方法及び結果
実験1.17bp-長のヌクレオチド、5'-ACGCAATGTATGCGT*GG
-3'(配列番号:46)をRPプライマーの5'末端に添加した
(図30A)。FAMはオリゴマーの5'末端に結合し、またDABC
YLはT*残基に結合した。ヘアピンプライマーの内部-チ
ェインステム-ループが形成したとき、FAMとDABCYL残基
は互いに反対側に位置した(図30A)。この立体配置で
は、FAMとDABCYLとの間にFRETがあるため、5'FAMの蛍光
放出は導入されていないオリゴマーでは最小であった。
このヘアピンRPプライマーを用いる一連のTRAPアッセイ
により、RPの5'修飾がTRAPアッセイの効率を有意に変え
ないことが明らかになった(図30B)。TRAPアッセイは、T
Sプライマーと図30Aに示されたRPプライマー配列(配列
番号:37)を使用し、10,000個、1000個、100個、または1
0個の細胞に等価な細胞抽出物を用いて行った。三つの
負の対照も進行させた(図30B)。すなわち「Taqなし」で
は、Taqのないポリメラーゼをその反応に添加し(負の対
照1)、「CHAPS」では、CHAPS溶解緩衝液をその反応で細
胞抽出物の代わりに用い(負の対照2)、「+H」では、10,
000個の細胞から得られた細胞抽出物をアッセイを行う
前に熱処理した(負の対照3)。4つの反応チューブ(チュ
ーブあたり0.05ml)をそれぞれ抽出物または対照に対し
て調製し、熱サイクラー(サイクル条件:94℃で30秒間及
び55℃で30秒間)においてPCR増幅を図30Bに示されたサ
イクル数で行った。このサイクルを終えたとき、そのチ
ューブを熱サイクラーの加熱ブロックから除去し、蛍光
を測定するまで暗所に保存した。蛍光の測定を行うため
に0.02mlの反応混合液を0.60mlの緩衝液(10mMのトリス-
HCl、pH7.6、150mMのNaCl、2mMのMgCl2)とともに混合
し、488nm光によって励起された516nmでの放出をShimad
zu RF-5000U分光蛍光光度計を用いて測定した。反応条
件を最適化することによって、非常に低いレベルのテロ
メラーゼ活性を検出した。すなわちこのアッセイの感度
は、PR産物のポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた
従来のアッセイの感度と匹敵する(図30B)。
-3'(配列番号:46)をRPプライマーの5'末端に添加した
(図30A)。FAMはオリゴマーの5'末端に結合し、またDABC
YLはT*残基に結合した。ヘアピンプライマーの内部-チ
ェインステム-ループが形成したとき、FAMとDABCYL残基
は互いに反対側に位置した(図30A)。この立体配置で
は、FAMとDABCYLとの間にFRETがあるため、5'FAMの蛍光
放出は導入されていないオリゴマーでは最小であった。
このヘアピンRPプライマーを用いる一連のTRAPアッセイ
により、RPの5'修飾がTRAPアッセイの効率を有意に変え
ないことが明らかになった(図30B)。TRAPアッセイは、T
Sプライマーと図30Aに示されたRPプライマー配列(配列
番号:37)を使用し、10,000個、1000個、100個、または1
0個の細胞に等価な細胞抽出物を用いて行った。三つの
負の対照も進行させた(図30B)。すなわち「Taqなし」で
は、Taqのないポリメラーゼをその反応に添加し(負の対
照1)、「CHAPS」では、CHAPS溶解緩衝液をその反応で細
胞抽出物の代わりに用い(負の対照2)、「+H」では、10,
000個の細胞から得られた細胞抽出物をアッセイを行う
前に熱処理した(負の対照3)。4つの反応チューブ(チュ
ーブあたり0.05ml)をそれぞれ抽出物または対照に対し
て調製し、熱サイクラー(サイクル条件:94℃で30秒間及
び55℃で30秒間)においてPCR増幅を図30Bに示されたサ
イクル数で行った。このサイクルを終えたとき、そのチ
ューブを熱サイクラーの加熱ブロックから除去し、蛍光
を測定するまで暗所に保存した。蛍光の測定を行うため
に0.02mlの反応混合液を0.60mlの緩衝液(10mMのトリス-
HCl、pH7.6、150mMのNaCl、2mMのMgCl2)とともに混合
し、488nm光によって励起された516nmでの放出をShimad
zu RF-5000U分光蛍光光度計を用いて測定した。反応条
件を最適化することによって、非常に低いレベルのテロ
メラーゼ活性を検出した。すなわちこのアッセイの感度
は、PR産物のポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた
従来のアッセイの感度と匹敵する(図30B)。
【0220】実験2.インサイチューでのTRAPアッセイの
第1段階では、目的の選りすぐった組織または細胞のス
ライドを調製する。固定されていない組織は液体窒素で
素早く凍結し、ミクロトーム切断器によって凍結した薄
片を調製する。単細胞スプレッドを、例えばCytospin
(登録商標)(Shandon Lipshaw Inc., Pittsburgh, PA)を
用いて細胞懸濁液を遠心分離することで調製する。調製
したスライドを続いて、RNaseを含まないDNaseを40mMの
トリス-HCl pH7.4、6mMのMgCl2及び2mMのCaCl2中に含有
する溶液を用い、5-15時間処理する。Probe-Clips(Grac
eBio-Labs, Pontiac, MI)のようなスライド密封システ
ムを用いる。Probe-Clipsはスライド上に取り付け、そ
して試料をDNA溶液で被覆して5時間から15時間インキュ
ベートする。Probe-Clipsは接着剤や他の毒性の溶媒を
用いることなく試料の周りに密封容器を形成するもので
あり、それはまた、TRAP拡張増幅反応でも使用すること
ができる。TRAPアッセイを、TRAP-ese(登録商標)キット
とともに提供された使用説明書にしたがって調製したス
ライド上の試料に実施する。標準的なチューブ内TRAPア
ッセイでの実験条件は、わずかな改良を加えて利用する
ことができる。増幅した後でそのスライドは、PCR増幅
後の検出/洗浄段階を行うことなく蛍光顕微鏡で直接的
に可視化される。目的の遺伝子標的が増幅されると、細
胞は蛍光のみとなるであろう。
第1段階では、目的の選りすぐった組織または細胞のス
ライドを調製する。固定されていない組織は液体窒素で
素早く凍結し、ミクロトーム切断器によって凍結した薄
片を調製する。単細胞スプレッドを、例えばCytospin
(登録商標)(Shandon Lipshaw Inc., Pittsburgh, PA)を
用いて細胞懸濁液を遠心分離することで調製する。調製
したスライドを続いて、RNaseを含まないDNaseを40mMの
トリス-HCl pH7.4、6mMのMgCl2及び2mMのCaCl2中に含有
する溶液を用い、5-15時間処理する。Probe-Clips(Grac
eBio-Labs, Pontiac, MI)のようなスライド密封システ
ムを用いる。Probe-Clipsはスライド上に取り付け、そ
して試料をDNA溶液で被覆して5時間から15時間インキュ
ベートする。Probe-Clipsは接着剤や他の毒性の溶媒を
用いることなく試料の周りに密封容器を形成するもので
あり、それはまた、TRAP拡張増幅反応でも使用すること
ができる。TRAPアッセイを、TRAP-ese(登録商標)キット
とともに提供された使用説明書にしたがって調製したス
ライド上の試料に実施する。標準的なチューブ内TRAPア
ッセイでの実験条件は、わずかな改良を加えて利用する
ことができる。増幅した後でそのスライドは、PCR増幅
後の検出/洗浄段階を行うことなく蛍光顕微鏡で直接的
に可視化される。目的の遺伝子標的が増幅されると、細
胞は蛍光のみとなるであろう。
【0221】15.実施例10:増幅不応性突然変異システム
(ARMS)アッセイにおけるヘアピンプライマーの使用 15.1.序文 対立遺伝子-特異的PCRを、ヘアピンプライマーを用いて
正常配列とベータ-3-アドレナリン作動性受容体(B3AR)
遺伝子のW64R突然変異体とを増幅するために実施した。
この遺伝子の正常の産物は内臓の脂肪に顕著に発現する
G-タンパク質結合受容体である。それは安静時の代謝速
度と脂肪分解の調節因子であると考えられており、また
W64R突然変異体は肥満と関連している(Clementらの、19
95, NewEngl. J. Med. 333: 352-354)。
(ARMS)アッセイにおけるヘアピンプライマーの使用 15.1.序文 対立遺伝子-特異的PCRを、ヘアピンプライマーを用いて
正常配列とベータ-3-アドレナリン作動性受容体(B3AR)
遺伝子のW64R突然変異体とを増幅するために実施した。
この遺伝子の正常の産物は内臓の脂肪に顕著に発現する
G-タンパク質結合受容体である。それは安静時の代謝速
度と脂肪分解の調節因子であると考えられており、また
W64R突然変異体は肥満と関連している(Clementらの、19
95, NewEngl. J. Med. 333: 352-354)。
【0222】15.2.方法
増幅不応性突然変異システム(ARMS)アッセイ(Newton
ら、1989, Nucl.Acids Res. 17: 2503-2516)を、対立遺
伝子-特異PCRのために用いた。ARMSアッセイにおいて上
流側の対立遺伝子のプライマーはヘアピン構造を有して
おり、共通の下流側プライマーを用いた。ARMSアッセイ
は、プライマーが間違った対立遺伝子と対になる場合に
はそのプライマーの3'末端でミスマッチが存在するよう
に設計されている。B3AR遺伝子の配列と対立遺伝子のプ
ライマーが表5(下記)に示されている。太字形はB3AR配
列の最重要コドン64に用いられており、またアンダーラ
インをつけた配列は対立遺伝子特異的プライマーが設計
された領域を示している。ヘアピンプライマーは、表5
に示されているように、消光剤としてのDABCYLを用いて
内部のチミンで、また発蛍光団としてのFAMを用いて5'
末端で修飾した。
ら、1989, Nucl.Acids Res. 17: 2503-2516)を、対立遺
伝子-特異PCRのために用いた。ARMSアッセイにおいて上
流側の対立遺伝子のプライマーはヘアピン構造を有して
おり、共通の下流側プライマーを用いた。ARMSアッセイ
は、プライマーが間違った対立遺伝子と対になる場合に
はそのプライマーの3'末端でミスマッチが存在するよう
に設計されている。B3AR遺伝子の配列と対立遺伝子のプ
ライマーが表5(下記)に示されている。太字形はB3AR配
列の最重要コドン64に用いられており、またアンダーラ
インをつけた配列は対立遺伝子特異的プライマーが設計
された領域を示している。ヘアピンプライマーは、表5
に示されているように、消光剤としてのDABCYLを用いて
内部のチミンで、また発蛍光団としてのFAMを用いて5'
末端で修飾した。
【表5】
────────────────────────────────────
表5.B3AR遺伝子標的の配列とARMSアッセイに用いられるその対立遺伝子のプライ マー
W64対立遺伝子:
(5')...TGC TGG TCA TCG TGG CCA TCG CCT GGA...(3')
配列番号:38
R64対立遺伝子:
(5')...TGC TGG TCA TCG TGG CCA TCG CCC GGA...(3')
配列番号:39
W64対立遺伝子のプライマー:
配列番号:40
R64対立遺伝子のプライマー:
配列番号:41
下流側の共通プライマー:
(5')CCA A CCC TGA GGA CCA CC(3')
配列番号:42
────────────────────────────────────
ARMSアッセイは、10mMトリス-HCl、pH8.3、50mMのKCl、
2mMのMgCl2、400μMの各dATP、dCTP、dTTP、及びdGTPを
含む緩衝液、並びに10%のジメチルスルホキシド(DMSO)
中で実施した。プライマーはそれぞれ1μMの濃度で用
い、また20μLの反応あたり1.5UでTaqポリメラーゼ(Tak
ara, Shiga, Japan)を用いた。20μLのPCR反応はPE-240
0熱サイクラー(PE Applied Biosystems, Foster City,
CA)にて94℃で4分間、実施した後、94℃で30秒間、55℃
で30秒間及び72℃で30秒間のサイクルを35サイクル行
い、更に72℃で10分間の延インキュベートをしてから4
℃に維持した。
2mMのMgCl2、400μMの各dATP、dCTP、dTTP、及びdGTPを
含む緩衝液、並びに10%のジメチルスルホキシド(DMSO)
中で実施した。プライマーはそれぞれ1μMの濃度で用
い、また20μLの反応あたり1.5UでTaqポリメラーゼ(Tak
ara, Shiga, Japan)を用いた。20μLのPCR反応はPE-240
0熱サイクラー(PE Applied Biosystems, Foster City,
CA)にて94℃で4分間、実施した後、94℃で30秒間、55℃
で30秒間及び72℃で30秒間のサイクルを35サイクル行
い、更に72℃で10分間の延インキュベートをしてから4
℃に維持した。
【0223】15.3.結果
上記に記載した反応条件を用いて、クローニングした正
常体(W64)と突然変異体(R64)の鋳型を特異的に増幅し得
るためにテストした。標的のない負の対照もそれぞれの
反応とともに実施した。PCRを行った後、3μLのそれぞ
れのPCR反応をゲル上で実施し、そして臭化エチジウム
を用いて染色した。上記に記載したPCRシステムを用い
ると、正常のプライマーが存在する場合には正常体(W6
4)標的だけが可視バンドを形成し、また、突然変異標的
が存在する場合には突然変異体標的(R64)のみが可視バ
ンドを形成した。負の対照において、またミスマッチし
た標的を用いて実施したPCR反応においてはバックグラ
ンドのPCRアーティファクトは観察されなかった。それ
ぞれのPCR反応も、それぞれの反応液から得られる5μL
を15mMのトリス-HCl、pH8.0、50mMのNaCl、及び2mMのMg
Cl2の緩衝液、0.6mLに入れて希釈することで蛍光出力に
ついてテストした。各反応の蛍光は、488nmの励起波長
と516nmの放出波長を用いてShimadzu RF-5000U分光蛍光
光度計で測定した。それぞれの試料から負の対照のバッ
クグランドの蛍光を差し引いてから、正常の(W64)対立
遺伝子プライマーと正常の(W64)標的DNAを用いて行った
PCRは相対蛍光が37であり、一方正常の(W64)対立遺伝子
プライマーと突然変異の標的(R64)を用いて行ったPCRか
ら得られる蛍光は負の対照と同じであった。突然変異の
(R64)対立遺伝子プライマーと正常の(W64)標的DNAを用
いて行ったPCRは、相対蛍光が2であり、また突然変異の
(R64)対立遺伝子プライマーと突然変異の標的(R64)を用
いて行ったPCRは相対蛍光が19であった。これらの結果
は、良好なPCR産物と蛍光がARMSの設計でヘアピンプラ
イマーを用いた対立遺伝子-特異性のPCRからもたらされ
ること、また正常の対立遺伝子と突然変異の対立遺伝子
とを区別する能力は蛍光のみに基づいており、ゲル電気
泳動を行う必要がなかったことを示している。
常体(W64)と突然変異体(R64)の鋳型を特異的に増幅し得
るためにテストした。標的のない負の対照もそれぞれの
反応とともに実施した。PCRを行った後、3μLのそれぞ
れのPCR反応をゲル上で実施し、そして臭化エチジウム
を用いて染色した。上記に記載したPCRシステムを用い
ると、正常のプライマーが存在する場合には正常体(W6
4)標的だけが可視バンドを形成し、また、突然変異標的
が存在する場合には突然変異体標的(R64)のみが可視バ
ンドを形成した。負の対照において、またミスマッチし
た標的を用いて実施したPCR反応においてはバックグラ
ンドのPCRアーティファクトは観察されなかった。それ
ぞれのPCR反応も、それぞれの反応液から得られる5μL
を15mMのトリス-HCl、pH8.0、50mMのNaCl、及び2mMのMg
Cl2の緩衝液、0.6mLに入れて希釈することで蛍光出力に
ついてテストした。各反応の蛍光は、488nmの励起波長
と516nmの放出波長を用いてShimadzu RF-5000U分光蛍光
光度計で測定した。それぞれの試料から負の対照のバッ
クグランドの蛍光を差し引いてから、正常の(W64)対立
遺伝子プライマーと正常の(W64)標的DNAを用いて行った
PCRは相対蛍光が37であり、一方正常の(W64)対立遺伝子
プライマーと突然変異の標的(R64)を用いて行ったPCRか
ら得られる蛍光は負の対照と同じであった。突然変異の
(R64)対立遺伝子プライマーと正常の(W64)標的DNAを用
いて行ったPCRは、相対蛍光が2であり、また突然変異の
(R64)対立遺伝子プライマーと突然変異の標的(R64)を用
いて行ったPCRは相対蛍光が19であった。これらの結果
は、良好なPCR産物と蛍光がARMSの設計でヘアピンプラ
イマーを用いた対立遺伝子-特異性のPCRからもたらされ
ること、また正常の対立遺伝子と突然変異の対立遺伝子
とを区別する能力は蛍光のみに基づいており、ゲル電気
泳動を行う必要がなかったことを示している。
【0224】16.実施例11:ヘアピンプライマーを用いた
インサイチューでのPCRを利用するHIV-1ウイルスゲノム
のgag領域に対するアッセイ 16.1.序文 HIV-1プロウイルスは標準的なインサイチューハイブリ
ダイゼーションで検出することが非常に困難であるが、
インサイチューでのPCRの後では、ハイブリダイゼーシ
ョンと洗浄段階の追加の時間と費用が伴うものの、日常
的かつ容易に検出することができる。この実施例は、増
幅段階後に直接的に標的を精密かつ高い感度で検出する
ことを可能にした本発明の方法を説明している。以下の
方法は、HIV-1 DNA標的を検出するために用いられ、イ
ンサイチューでのPCRでFRET-標識されたヘアピンプライ
マーを使用する。これらの方法はハイブリダイゼーショ
ン段階を回避し、DNA修復により偽陽性の結果を生じさ
せないであろう。この方法の別の利点は、以前のインサ
イチューでのPCR法におけるようにハイブリダイズした
プローブによって蛍光信号の発生が起こるというよりは
むしろ、産物自体によって蛍光信号が発生することであ
る。ここでのインサイチューPCRの主要な利用はウイル
スDNAまたはRNAの検出である。本発明の標識されたプラ
イマーを用いることによってもたらされるような感度の
改善は、対立遺伝子特異的なインサイチューでのPCRに
よる小さな遺伝子の欠失の検出や突然変異の検出といっ
た、広範な応用を可能にする。
インサイチューでのPCRを利用するHIV-1ウイルスゲノム
のgag領域に対するアッセイ 16.1.序文 HIV-1プロウイルスは標準的なインサイチューハイブリ
ダイゼーションで検出することが非常に困難であるが、
インサイチューでのPCRの後では、ハイブリダイゼーシ
ョンと洗浄段階の追加の時間と費用が伴うものの、日常
的かつ容易に検出することができる。この実施例は、増
幅段階後に直接的に標的を精密かつ高い感度で検出する
ことを可能にした本発明の方法を説明している。以下の
方法は、HIV-1 DNA標的を検出するために用いられ、イ
ンサイチューでのPCRでFRET-標識されたヘアピンプライ
マーを使用する。これらの方法はハイブリダイゼーショ
ン段階を回避し、DNA修復により偽陽性の結果を生じさ
せないであろう。この方法の別の利点は、以前のインサ
イチューでのPCR法におけるようにハイブリダイズした
プローブによって蛍光信号の発生が起こるというよりは
むしろ、産物自体によって蛍光信号が発生することであ
る。ここでのインサイチューPCRの主要な利用はウイル
スDNAまたはRNAの検出である。本発明の標識されたプラ
イマーを用いることによってもたらされるような感度の
改善は、対立遺伝子特異的なインサイチューでのPCRに
よる小さな遺伝子の欠失の検出や突然変異の検出といっ
た、広範な応用を可能にする。
【0225】16.2.材料及び方法
中枢神経系、リンパ節、及び脾臓から得られる細胞など
の潜在的にHIV-1が感染した広い範囲の細胞を含む組織
を、本発明のFRET-標識したプライマー及び技術的に一
般に知られている標準的なインサイチューでのPCR法を
用いてHIV-1DNAについてアッセイする(例えば、Nuovo及
びBloch, 米国特許第5,538,871号、Bagasra及びSeshamm
a, 1994, Protocol: In situ amplification and hybri
dization, Second Ed., John Wiley and Sons, Somerse
t, NJ)。上流側と下流側のPCRプライマーの対(配列番
号:43-44、下記参照)を化学的に合成して用いることに
よって、HIV-1ウイルスゲノムDNAのgag領域から得られ
る配列の部分を増幅できる。用いられる一つまたは二つ
のオリゴヌクレオチドPCRプライマーは、例えばFAM/DAB
CYLのようなMMET対で標識したヘアピン構造を3'末端で
持っているとよい。例えばヘアピンプライマーは、gag
標的配列を含む核酸配列に相補的な核酸配列の核酸ポリ
メラーゼによる合成を刺激できるように、3'末端の一本
鎖のヌクレオチド配列が配列番号:43または配列番号:44
の配列を含んでいるものを用いるとよい。このようなヘ
アピンプライマーの一例であるBSK38(配列番号:26)が図
27に示されている。このプライマーは、そのプライマー
が増幅産物に組み入れられないときにはMETが生じるよ
うなヘアピン構造を形成している。それが増幅産物に導
入される場合にはその立体配置が変化し(すなわち、そ
れは線状になる)、FAM/DABCYL FRET対の場合では消光作
用が除去されてドナーの蛍光が検出される。また、プラ
イマーの対は、ヘアピンの配置を形成していないMET-標
識の線状プライマーであってもよい(セクション5.4参
照)。一方または両方のプライマーが線状のプライマー
であると、それらはgag配列に相補的な続く配列を有す
ることができる。プライマーSK 38 ATAATCCACCTATCCCAGTAGGAGAAAT (配列番号:43)プライマーSK 39 TTTGGTCCTTGTCTTATGTCCAGAATGC (配列番号:44) 対照の実験では、従来のインサイチュー PCR(例えば、N
uovo, 1997, PCR In situ Hybridization: Protocols a
nd Applications, Third Edition, Lippincott-Raven P
ress, New York)を、例えばSK38(配列番号:43)及びSK39
(配列番号:44)のようなgag配列に相補的な二つの線状プ
ライマーを用いて実施する。増幅産物は、プローブとし
てSK19配列を用いるインサイチューでのハイブリダイゼ
ーション段階を経て検出する。 SK19(ハイブリダイゼーションプローブ) ATCCTGGGATTAAATAAAATAGTAAGAATGTATAGCCCTAC(配列番
号:45) 本発明のFRET-標識したプライマーを用いるインサイチ
ューでのPCRは、次の段階を遂行することによって行
う。まず、一試料をガラス製顕微鏡スライドに載せてか
ら標準的な方法によって固定化する。普通に用いられる
固定液には、例えばエタノール、メタノール、メタノー
ル:酢酸、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド及
びグルタルアルデヒド、または他の当業者に既知の固定
液が含まれる。この試料は、例えばプロティナーゼKの
ようなプロテアーゼを用いて必要に応じて前処理するこ
とにより増幅試薬の浸透を助けることができる。プロテ
アーゼの濃度と処理の時間は、それぞれの試料について
経験的に決定する。ヌクレオチド、本発明のヘアピン状
(または線状)プライマー、増幅用緩衝液、及び熱安定性
DNAポリメラーゼ、すなわち例えばTaqポリメラーゼから
なる増幅用混合物を続いて添加する。カバーガラスまた
は他の適当な溶液封じ込み装置を取り付けることで、続
く熱サイクル段階の間、混合物の濃度を一定に保つこと
ができる。(インサイチューでのPCRの一般的な方法及び
緩衝液組成物については、例えばNuovo, 1997, PCR In
Situ Hybridizatyon: Protocols and Applications,Thi
rd Edition, Lippincott-Raven Oress, New York、Nuov
oらの、米国特許第5,538,871号参照) 次にインサイチューでの増幅は、溶液PCRによって以前
に確立したアニーリングおよび伸長を行うための条件を
用いて例えば30-40サイクルを熱サイクラーで行うが、
その例では、第1番目の熱サイクルは、94℃で3分間の変
性後、55℃で2分間のアニーリング/伸長が行われ、残り
の39サイクルは94℃で1分間の変性と2分間の伸長が行わ
れる。導入されなかったヘアピンプライマーはシグナル
後-増幅を生じないため、洗浄段階を減少させるか削除
する。これにより、増幅しなかった産物が後-増幅洗浄
段階の間になくなるため検出の感度が改善する。PCR増
幅後、この反応混合物のMETシグナル強度を例えば蛍光
顕微鏡を用いて測定する。HIV gag鋳型に陽性な細胞は
例えば蛍光のようなシグナルを示すはずであり、gagに
陰性な細胞はシグナルを示さないはずである。
の潜在的にHIV-1が感染した広い範囲の細胞を含む組織
を、本発明のFRET-標識したプライマー及び技術的に一
般に知られている標準的なインサイチューでのPCR法を
用いてHIV-1DNAについてアッセイする(例えば、Nuovo及
びBloch, 米国特許第5,538,871号、Bagasra及びSeshamm
a, 1994, Protocol: In situ amplification and hybri
dization, Second Ed., John Wiley and Sons, Somerse
t, NJ)。上流側と下流側のPCRプライマーの対(配列番
号:43-44、下記参照)を化学的に合成して用いることに
よって、HIV-1ウイルスゲノムDNAのgag領域から得られ
る配列の部分を増幅できる。用いられる一つまたは二つ
のオリゴヌクレオチドPCRプライマーは、例えばFAM/DAB
CYLのようなMMET対で標識したヘアピン構造を3'末端で
持っているとよい。例えばヘアピンプライマーは、gag
標的配列を含む核酸配列に相補的な核酸配列の核酸ポリ
メラーゼによる合成を刺激できるように、3'末端の一本
鎖のヌクレオチド配列が配列番号:43または配列番号:44
の配列を含んでいるものを用いるとよい。このようなヘ
アピンプライマーの一例であるBSK38(配列番号:26)が図
27に示されている。このプライマーは、そのプライマー
が増幅産物に組み入れられないときにはMETが生じるよ
うなヘアピン構造を形成している。それが増幅産物に導
入される場合にはその立体配置が変化し(すなわち、そ
れは線状になる)、FAM/DABCYL FRET対の場合では消光作
用が除去されてドナーの蛍光が検出される。また、プラ
イマーの対は、ヘアピンの配置を形成していないMET-標
識の線状プライマーであってもよい(セクション5.4参
照)。一方または両方のプライマーが線状のプライマー
であると、それらはgag配列に相補的な続く配列を有す
ることができる。プライマーSK 38 ATAATCCACCTATCCCAGTAGGAGAAAT (配列番号:43)プライマーSK 39 TTTGGTCCTTGTCTTATGTCCAGAATGC (配列番号:44) 対照の実験では、従来のインサイチュー PCR(例えば、N
uovo, 1997, PCR In situ Hybridization: Protocols a
nd Applications, Third Edition, Lippincott-Raven P
ress, New York)を、例えばSK38(配列番号:43)及びSK39
(配列番号:44)のようなgag配列に相補的な二つの線状プ
ライマーを用いて実施する。増幅産物は、プローブとし
てSK19配列を用いるインサイチューでのハイブリダイゼ
ーション段階を経て検出する。 SK19(ハイブリダイゼーションプローブ) ATCCTGGGATTAAATAAAATAGTAAGAATGTATAGCCCTAC(配列番
号:45) 本発明のFRET-標識したプライマーを用いるインサイチ
ューでのPCRは、次の段階を遂行することによって行
う。まず、一試料をガラス製顕微鏡スライドに載せてか
ら標準的な方法によって固定化する。普通に用いられる
固定液には、例えばエタノール、メタノール、メタノー
ル:酢酸、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド及
びグルタルアルデヒド、または他の当業者に既知の固定
液が含まれる。この試料は、例えばプロティナーゼKの
ようなプロテアーゼを用いて必要に応じて前処理するこ
とにより増幅試薬の浸透を助けることができる。プロテ
アーゼの濃度と処理の時間は、それぞれの試料について
経験的に決定する。ヌクレオチド、本発明のヘアピン状
(または線状)プライマー、増幅用緩衝液、及び熱安定性
DNAポリメラーゼ、すなわち例えばTaqポリメラーゼから
なる増幅用混合物を続いて添加する。カバーガラスまた
は他の適当な溶液封じ込み装置を取り付けることで、続
く熱サイクル段階の間、混合物の濃度を一定に保つこと
ができる。(インサイチューでのPCRの一般的な方法及び
緩衝液組成物については、例えばNuovo, 1997, PCR In
Situ Hybridizatyon: Protocols and Applications,Thi
rd Edition, Lippincott-Raven Oress, New York、Nuov
oらの、米国特許第5,538,871号参照) 次にインサイチューでの増幅は、溶液PCRによって以前
に確立したアニーリングおよび伸長を行うための条件を
用いて例えば30-40サイクルを熱サイクラーで行うが、
その例では、第1番目の熱サイクルは、94℃で3分間の変
性後、55℃で2分間のアニーリング/伸長が行われ、残り
の39サイクルは94℃で1分間の変性と2分間の伸長が行わ
れる。導入されなかったヘアピンプライマーはシグナル
後-増幅を生じないため、洗浄段階を減少させるか削除
する。これにより、増幅しなかった産物が後-増幅洗浄
段階の間になくなるため検出の感度が改善する。PCR増
幅後、この反応混合物のMETシグナル強度を例えば蛍光
顕微鏡を用いて測定する。HIV gag鋳型に陽性な細胞は
例えば蛍光のようなシグナルを示すはずであり、gagに
陰性な細胞はシグナルを示さないはずである。
【0226】17.実施例12:ヘアピンプライマーを用いた
インサイチューでのPCRを利用するHIA-1ウイルスゲノム
のgag領域の特徴付け 17.1.序文 この実施例では、脾臓、リンパ節、脳、及び頚部から得
られる一連のHIV-1感染した組織を、ヘアピンプライマ
ーを用いたインサイチューでのPCRを利用してHIV-1ウイ
ルスゲノムのgag領域についてアッセイした。
インサイチューでのPCRを利用するHIA-1ウイルスゲノム
のgag領域の特徴付け 17.1.序文 この実施例では、脾臓、リンパ節、脳、及び頚部から得
られる一連のHIV-1感染した組織を、ヘアピンプライマ
ーを用いたインサイチューでのPCRを利用してHIV-1ウイ
ルスゲノムのgag領域についてアッセイした。
【0227】17.2.材料及び方法
ヘアピンプライマーと線状プライマーは化学的に合成
し、HIV-1ウイルスゲノムDNAのgag領域からの配列の部
分を増幅するために用いた。用いた線状プライマーはSK
39(配列番号:44)であった。用いたヘアピンプライマー
はBSK38(配列番号:26)であり、図27に示されている(上
述のセクション17も参照)。このヘアピンプライマーの
一本鎖の核酸配列は、その3'末端に、SK38(配列番号:4
3)の配列の3'部分を含んでいた。このプライマーの5'部
分はFAM/DABCYL MET対で標識したヘアピンを構成してい
た。3'一本鎖配列はgag配列に相補的であるため、それ
はプライマーとして適していた。このプライマーは、そ
のプライマーが増幅産物に導入されない場合にMETが生
じるようなヘアピン構造を形成する。それが増幅産物に
導入される場合はその立体配置は変化し(すなわち、そ
れは線状になる)、FAM/DABCYL FRET対の場合では消光作
用が除去されてドナーの蛍光が検出される。対照の実験
では、従来のインサイチュー PCR(Nuovo, 1997, PCR In
situ Hybridization: Protocols and Applications, T
hird Edition, Lippincott-Raven Press, New York)
を、増幅混合物(下記参照)に存在するgag配列に相補的
な二つの線状のプライマーであるSK38(配列番号:43)及
びSK39(配列番号:44)を用いて実施した。増幅産物は、
プローブとしてSK19(配列番号:45)配列を用いるインサ
イチューでのハイブリダイゼーション段階を経て検出し
た。線状のプライマーと本発明のFRET-標識したヘアピ
ンプライマーを用いたインサイチューでのPCRは、数カ
所の変更を加えて本質的には17節に記載されているよう
に行った。組織の薄片はシランの被覆を施したガラス製
顕微鏡スライドに付着してから、10%の中性緩衝ホルマ
リンで1週間固定化し、続いて当業者に既知の標準的な
方法を用いてパラフィン包埋培地中に包埋した。薄片を
脱パラフィンした(5分間キシレンを用いて、続いて5分
間100%のエタノールによってインキュベートした)。そ
の試料を2mg/mlのペプシンを用いて30分間、前処理し
た。それから1試料あたり10-20μlの増幅混合物をその
スライドに添加し、続いてそれを高圧滅菌したポリプロ
ピレン製カバーガラスで覆ってから予め加熱したミネラ
ルオイルを塗布した。混合物50μlあたりの増幅混合物
は次の試薬からなる。 5μlのPCR緩衝液II(Perkin-Elmer) 9μlのMgCl2(最終濃度は4.5mM) 8μlのdNTP(最終濃度はそれぞれ200μM) 1.5μlの2%BSA 2μlの修飾したSK38オリゴヌクレオチド(最終濃度は0.2
μM) 2μlのSK39オリゴヌクレオチド(最終濃度は0.2μM) 21.5μlのDEPC-処置した水 1μlのTaq-ポリメラーゼ(Perkin-Elmer 5U/μl) 続いてインサイチューでの増幅を、「ホットスタート(h
ot start)」のプロトコールを用いて熱サイクラーで35
サイクル行った。Taqポリメラーゼは、そのブロックが5
5℃に到達するまで増幅混合物に使用させず、それからD
NA試料を94℃で3分間加熱することによって初めに変性
させ、その後、94℃で1分間の変性と、60℃で1.5分間の
アニーリング/伸長を行うサイクルを開始した。PCR増幅
を行った後で、非常に厳重に洗浄を行った(PCR後10分
間、15mMの塩と2%のBSA中、60℃で)。続いてその試料に
含まれる細胞のMETシグナル強度を蛍光顕微鏡を用いて
測定した。
し、HIV-1ウイルスゲノムDNAのgag領域からの配列の部
分を増幅するために用いた。用いた線状プライマーはSK
39(配列番号:44)であった。用いたヘアピンプライマー
はBSK38(配列番号:26)であり、図27に示されている(上
述のセクション17も参照)。このヘアピンプライマーの
一本鎖の核酸配列は、その3'末端に、SK38(配列番号:4
3)の配列の3'部分を含んでいた。このプライマーの5'部
分はFAM/DABCYL MET対で標識したヘアピンを構成してい
た。3'一本鎖配列はgag配列に相補的であるため、それ
はプライマーとして適していた。このプライマーは、そ
のプライマーが増幅産物に導入されない場合にMETが生
じるようなヘアピン構造を形成する。それが増幅産物に
導入される場合はその立体配置は変化し(すなわち、そ
れは線状になる)、FAM/DABCYL FRET対の場合では消光作
用が除去されてドナーの蛍光が検出される。対照の実験
では、従来のインサイチュー PCR(Nuovo, 1997, PCR In
situ Hybridization: Protocols and Applications, T
hird Edition, Lippincott-Raven Press, New York)
を、増幅混合物(下記参照)に存在するgag配列に相補的
な二つの線状のプライマーであるSK38(配列番号:43)及
びSK39(配列番号:44)を用いて実施した。増幅産物は、
プローブとしてSK19(配列番号:45)配列を用いるインサ
イチューでのハイブリダイゼーション段階を経て検出し
た。線状のプライマーと本発明のFRET-標識したヘアピ
ンプライマーを用いたインサイチューでのPCRは、数カ
所の変更を加えて本質的には17節に記載されているよう
に行った。組織の薄片はシランの被覆を施したガラス製
顕微鏡スライドに付着してから、10%の中性緩衝ホルマ
リンで1週間固定化し、続いて当業者に既知の標準的な
方法を用いてパラフィン包埋培地中に包埋した。薄片を
脱パラフィンした(5分間キシレンを用いて、続いて5分
間100%のエタノールによってインキュベートした)。そ
の試料を2mg/mlのペプシンを用いて30分間、前処理し
た。それから1試料あたり10-20μlの増幅混合物をその
スライドに添加し、続いてそれを高圧滅菌したポリプロ
ピレン製カバーガラスで覆ってから予め加熱したミネラ
ルオイルを塗布した。混合物50μlあたりの増幅混合物
は次の試薬からなる。 5μlのPCR緩衝液II(Perkin-Elmer) 9μlのMgCl2(最終濃度は4.5mM) 8μlのdNTP(最終濃度はそれぞれ200μM) 1.5μlの2%BSA 2μlの修飾したSK38オリゴヌクレオチド(最終濃度は0.2
μM) 2μlのSK39オリゴヌクレオチド(最終濃度は0.2μM) 21.5μlのDEPC-処置した水 1μlのTaq-ポリメラーゼ(Perkin-Elmer 5U/μl) 続いてインサイチューでの増幅を、「ホットスタート(h
ot start)」のプロトコールを用いて熱サイクラーで35
サイクル行った。Taqポリメラーゼは、そのブロックが5
5℃に到達するまで増幅混合物に使用させず、それからD
NA試料を94℃で3分間加熱することによって初めに変性
させ、その後、94℃で1分間の変性と、60℃で1.5分間の
アニーリング/伸長を行うサイクルを開始した。PCR増幅
を行った後で、非常に厳重に洗浄を行った(PCR後10分
間、15mMの塩と2%のBSA中、60℃で)。続いてその試料に
含まれる細胞のMETシグナル強度を蛍光顕微鏡を用いて
測定した。
【0228】17.3.結果
図34は、早期にHIV-1感染した患者から採取したリンパ
節組織に含まれるgag陽性細胞であって、線状プライマ
ーと本発明のFRET-標識したヘアピンプライマーを用い
てインサイチューでPCRを行った後のものを示す。図35
は、より増幅度を高めた組織試料についての同じ見方の
ものを示す。gag陽性細胞は強いシグナルを示し、調製
物中のバックグランドは小さかった。図36は負の対照を
示しており、そこではTaqポリメラーゼが増幅混合物に
含まれていなかった。gag陽性細胞は観察されなかっ
た。図37も、線状プライマーとFRET-標識したヘアピン
プライマーを用いてインサイチューでPCRを行った後
の、HIV-1感染した患者から採取したリンパ節組織を示
す。gag陽性細胞が見られる。しかしながらバックグラ
ンドに対するシグナルの比は図34及び35に示された比よ
りも小さい。不十分なPCR後の洗浄が行われたことで他
の細胞の細胞質のバックグランド以外のいくつかの細胞
にシグナルが存在している。図38は線状のプライマーと
FRET-標識したヘアピンプライマーを用いてインサイチ
ューでPCRを行った後の、AIDS痴呆で死亡した患者の大
脳におけるHIV-1陽性ニューロンを示している。バック
グランドに対するシグナルの良好な比について注目され
たい。
節組織に含まれるgag陽性細胞であって、線状プライマ
ーと本発明のFRET-標識したヘアピンプライマーを用い
てインサイチューでPCRを行った後のものを示す。図35
は、より増幅度を高めた組織試料についての同じ見方の
ものを示す。gag陽性細胞は強いシグナルを示し、調製
物中のバックグランドは小さかった。図36は負の対照を
示しており、そこではTaqポリメラーゼが増幅混合物に
含まれていなかった。gag陽性細胞は観察されなかっ
た。図37も、線状プライマーとFRET-標識したヘアピン
プライマーを用いてインサイチューでPCRを行った後
の、HIV-1感染した患者から採取したリンパ節組織を示
す。gag陽性細胞が見られる。しかしながらバックグラ
ンドに対するシグナルの比は図34及び35に示された比よ
りも小さい。不十分なPCR後の洗浄が行われたことで他
の細胞の細胞質のバックグランド以外のいくつかの細胞
にシグナルが存在している。図38は線状のプライマーと
FRET-標識したヘアピンプライマーを用いてインサイチ
ューでPCRを行った後の、AIDS痴呆で死亡した患者の大
脳におけるHIV-1陽性ニューロンを示している。バック
グランドに対するシグナルの良好な比について注目され
たい。
【0229】17.4.考察
HIV-感染した患者から得られ、したがってHIV gag鋳型
に対して陽性であることがわかっている細胞は蛍光シグ
ナルを示したが、gagに対して陰性であると予測された
細胞はシグナルを示さなかった。
に対して陽性であることがわかっている細胞は蛍光シグ
ナルを示したが、gagに対して陰性であると予測された
細胞はシグナルを示さなかった。
【0230】18.実施例13:カスケード回転サークル増幅
(CRCA)アッセイにおけるヘアピンプライマーの使用 18.1.方法及び結果 一つのヘアピン(MET)プライマーと一つの非-ヘアピンプ
ライマーを用いて行ったカスケード回転サークル増幅(C
RCA)を用いることによって、モデル標的配列、すなわち
PUC19へのハイブリダイゼーションでDNAリガーゼを用い
て連結反応を行うことにより環状にされる「パッドロッ
ク(padlock)」プローブを増幅することができる(Nilsso
nら、1994, Science 265: 2085-2088)とともに、バック
グランドに対するシグナルが高い比になるのを達成で
き、かつ10までの鋳型サークルの感度を達成できる。回
転サークル(前進)ヘアピンプライマー1もしくは2(配列
番号:46-47)または反転ヘアピンプライマー1もしくは2
(配列番号48-49)のいずれかが、FAM/DABCYL MET対を用
いて標識された(図32参照)場合、8単位のBstDNAポリメ
ラーゼ、すなわち増幅反応において大きな断片を用いて
アガロースゲル分析を行ったところ、正常のカスケード
産物が観察された。CRCA反応は以下のプライマーの対
(図32参照)を用いて行った。すなわちMET-標識したヘア
ピンの前進(回転サークル)プライマー1(配列番号:46)と
非-ヘアピン反転プライマー(配列番号51)、MET-標識し
たヘアピン前進プライマー2(配列番号:47)と非-ヘアピ
ン反転プライマー(配列番号:51)、非-ヘアピン前進(回
転サークル)プライマー(配列番号:50)とMET-標識したヘ
アピン反転プライマー1(配列番号:48)、及び非-ヘアピ
ン前進(回転サークル)プライマー2(配列番号:50)とMET-
標識したヘアピン反転プライマー2(配列番号:49)であ
る。数マイクログラムの二本鎖DNA産物が、64℃で1時間
かけた25μlの反応で発生した。強いMETシグナルが、対
照反応(リガーゼのないもの)でのバックグランドレベル
に比較した蛍光測定分析で検出された。蛍光産物はま
た、光透過装置上の反応チューブを直接可視化すること
によっても観察された。図33に図示されているように、
バックグランドにかぶさったMETシグナルが、10鋳型サ
ークル(+リガーゼ)と同じくらいの数で明らかに観察さ
れた。図33に図示されたCRCAは、標識されていない非-
ヘアピン前進(回転サークル)プライマー1(配列番号:46)
とMET-標識したヘアピン反転プライマー1(配列番号:48)
を用いて実施した。鋳型サークルは標的としてpUC19を
用いて作られた環状になったプローブであった。大きな
断片である8単位のBstポリメラーゼを用い、CRCA反応を
64℃で1時間実施した。リガーゼを含まないところでの
全てのプローブ濃度で、シグナルは低いままであり、こ
のことは環状になった鋳型がCRCAに対して必要であるこ
と、及びヘアピンプライマーが潜在的に導入される可能
性のある非-特異性の反応が抑制されることを証明して
いる。さらにCRCA産物は、最初のプローブの連結反応の
連結部位でのみ切断する制限的なエンドヌクレアーゼで
あるHaeIIIを用いて切断した。この切断によってそのプ
ローブの単位の長さの二本鎖産物が得られ、このことは
増幅された産物が真のCRCA産物であることを証明してい
る。CRCAはまた、反転プライマーがFAM/DABCYL MET対
(図32に示されたようなヘアピン反転プライマー1または
2のいずれか)で標識したヘアピンプライマーである場合
にも実施し、これに対して前進プライマーが修飾されて
いないヘアピンプライマー(図32に示されているような
前進ヘアピンプライマー1または2のいずれかに同じで、
MET部分を引いたもの)である場合にも実施した。ヘアピ
ン前進プライマーと非-ヘアピン反転プライマーを用い
た上述した結果と同様に、バックグランドにかぶさって
METシグナルが明らかに観察されたし、また正常の低い
バックグランドのシグナルが観察された。二つのヘアピ
ンプライマーを使用すると、標的やゲノムのDNAとプラ
イマーとの間の非-特異性の相互作用を抑制することに
よって、特異性を改善できるとともに、他の標的システ
ムの持つバックグランドを減少させる。非-ヘアピン前
方(回転サークル)プライマー(配列番号:50)、MET-標識
されたヘアピン反転プライマー1(配列番号:48)及びラス
標的特異性配列(配列番号:53)を用いたCRCAは、ラス突
然変異体及び野生型配列を検出するために行った。連結
反応を行ったが、そこでは連結部がラス配列(配列番号:
53)のコドン12で正しい塩基対または間違った塩基対を
含んでいた。METシグナルは、正しく対が形成されたA・
T連結反応が、〜104までの投入標的分子に希釈された場
合に検出されたが、これに対して間違った対が形成され
たA・G反応では108分子が検出のためには必要であり、
このことは正しい塩基対と間違った塩基対との間に約1
0,000倍の識別力があることを示している。本発明は、
この明細書に記載した特殊な態様によって範囲に制限を
加えるべきではない。実際に、ここに記載したそれらの
他の本発明のさまざまな変形は前述した説明と添付した
図面より当業者に明らかであろう。このような変形は付
随する請求の範囲の範囲内に含まれることが意図され
る。種々の刊行物を本明細書に引用したが、その開示内
容はその全体が参照文献として組み入れられる。
(CRCA)アッセイにおけるヘアピンプライマーの使用 18.1.方法及び結果 一つのヘアピン(MET)プライマーと一つの非-ヘアピンプ
ライマーを用いて行ったカスケード回転サークル増幅(C
RCA)を用いることによって、モデル標的配列、すなわち
PUC19へのハイブリダイゼーションでDNAリガーゼを用い
て連結反応を行うことにより環状にされる「パッドロッ
ク(padlock)」プローブを増幅することができる(Nilsso
nら、1994, Science 265: 2085-2088)とともに、バック
グランドに対するシグナルが高い比になるのを達成で
き、かつ10までの鋳型サークルの感度を達成できる。回
転サークル(前進)ヘアピンプライマー1もしくは2(配列
番号:46-47)または反転ヘアピンプライマー1もしくは2
(配列番号48-49)のいずれかが、FAM/DABCYL MET対を用
いて標識された(図32参照)場合、8単位のBstDNAポリメ
ラーゼ、すなわち増幅反応において大きな断片を用いて
アガロースゲル分析を行ったところ、正常のカスケード
産物が観察された。CRCA反応は以下のプライマーの対
(図32参照)を用いて行った。すなわちMET-標識したヘア
ピンの前進(回転サークル)プライマー1(配列番号:46)と
非-ヘアピン反転プライマー(配列番号51)、MET-標識し
たヘアピン前進プライマー2(配列番号:47)と非-ヘアピ
ン反転プライマー(配列番号:51)、非-ヘアピン前進(回
転サークル)プライマー(配列番号:50)とMET-標識したヘ
アピン反転プライマー1(配列番号:48)、及び非-ヘアピ
ン前進(回転サークル)プライマー2(配列番号:50)とMET-
標識したヘアピン反転プライマー2(配列番号:49)であ
る。数マイクログラムの二本鎖DNA産物が、64℃で1時間
かけた25μlの反応で発生した。強いMETシグナルが、対
照反応(リガーゼのないもの)でのバックグランドレベル
に比較した蛍光測定分析で検出された。蛍光産物はま
た、光透過装置上の反応チューブを直接可視化すること
によっても観察された。図33に図示されているように、
バックグランドにかぶさったMETシグナルが、10鋳型サ
ークル(+リガーゼ)と同じくらいの数で明らかに観察さ
れた。図33に図示されたCRCAは、標識されていない非-
ヘアピン前進(回転サークル)プライマー1(配列番号:46)
とMET-標識したヘアピン反転プライマー1(配列番号:48)
を用いて実施した。鋳型サークルは標的としてpUC19を
用いて作られた環状になったプローブであった。大きな
断片である8単位のBstポリメラーゼを用い、CRCA反応を
64℃で1時間実施した。リガーゼを含まないところでの
全てのプローブ濃度で、シグナルは低いままであり、こ
のことは環状になった鋳型がCRCAに対して必要であるこ
と、及びヘアピンプライマーが潜在的に導入される可能
性のある非-特異性の反応が抑制されることを証明して
いる。さらにCRCA産物は、最初のプローブの連結反応の
連結部位でのみ切断する制限的なエンドヌクレアーゼで
あるHaeIIIを用いて切断した。この切断によってそのプ
ローブの単位の長さの二本鎖産物が得られ、このことは
増幅された産物が真のCRCA産物であることを証明してい
る。CRCAはまた、反転プライマーがFAM/DABCYL MET対
(図32に示されたようなヘアピン反転プライマー1または
2のいずれか)で標識したヘアピンプライマーである場合
にも実施し、これに対して前進プライマーが修飾されて
いないヘアピンプライマー(図32に示されているような
前進ヘアピンプライマー1または2のいずれかに同じで、
MET部分を引いたもの)である場合にも実施した。ヘアピ
ン前進プライマーと非-ヘアピン反転プライマーを用い
た上述した結果と同様に、バックグランドにかぶさって
METシグナルが明らかに観察されたし、また正常の低い
バックグランドのシグナルが観察された。二つのヘアピ
ンプライマーを使用すると、標的やゲノムのDNAとプラ
イマーとの間の非-特異性の相互作用を抑制することに
よって、特異性を改善できるとともに、他の標的システ
ムの持つバックグランドを減少させる。非-ヘアピン前
方(回転サークル)プライマー(配列番号:50)、MET-標識
されたヘアピン反転プライマー1(配列番号:48)及びラス
標的特異性配列(配列番号:53)を用いたCRCAは、ラス突
然変異体及び野生型配列を検出するために行った。連結
反応を行ったが、そこでは連結部がラス配列(配列番号:
53)のコドン12で正しい塩基対または間違った塩基対を
含んでいた。METシグナルは、正しく対が形成されたA・
T連結反応が、〜104までの投入標的分子に希釈された場
合に検出されたが、これに対して間違った対が形成され
たA・G反応では108分子が検出のためには必要であり、
このことは正しい塩基対と間違った塩基対との間に約1
0,000倍の識別力があることを示している。本発明は、
この明細書に記載した特殊な態様によって範囲に制限を
加えるべきではない。実際に、ここに記載したそれらの
他の本発明のさまざまな変形は前述した説明と添付した
図面より当業者に明らかであろう。このような変形は付
随する請求の範囲の範囲内に含まれることが意図され
る。種々の刊行物を本明細書に引用したが、その開示内
容はその全体が参照文献として組み入れられる。
本発明は、以下の発明の詳細な説明、発明の特異的な態
様の実施例、および、以下に説明する添付図面を参照す
ることによって、より完全に理解することができよう。
様の実施例、および、以下に説明する添付図面を参照す
ることによって、より完全に理解することができよう。
【図1A〜B】 図1A〜Bは、本発明のヘアピンプライ
マーの構造の概要を、(A)閉じた状態(消光)、およ
び(B)開いた状態(発光シグナル)で図示したもので
ある。○、供与体フルオロフォア、●、消光物質フルオ
ロフォア。
マーの構造の概要を、(A)閉じた状態(消光)、およ
び(B)開いた状態(発光シグナル)で図示したもので
ある。○、供与体フルオロフォア、●、消光物質フルオ
ロフォア。
【図2】 図2は、使用されるDNAポリメラーゼが5'-3'
エキソヌクレアーゼ活性を欠いているPCRからの増幅産
物を直接測定するためのヘアピンプライマーの使用の概
要を図示している。(a)および(b)、増幅すべき標的
配列の相補鎖;○、供与体フルオロフォア、●、消光物
質フルオロフォア;F、フォワードプライマー;R、リバ
ースプライマー。
エキソヌクレアーゼ活性を欠いているPCRからの増幅産
物を直接測定するためのヘアピンプライマーの使用の概
要を図示している。(a)および(b)、増幅すべき標的
配列の相補鎖;○、供与体フルオロフォア、●、消光物
質フルオロフォア;F、フォワードプライマー;R、リバ
ースプライマー。
【図3】 図3(段階A〜D)は、使用されるDNAポリメラ
ーゼが5'-3'エキソヌクレアーゼ活性をもつPCRからの増
幅産物を図示している。(a)および(b)、増幅すべき
標的配列の相補鎖;○、供与体フルオロフォア、●、消
光物質フルオロフォア;F、フォワードプライマー;R、
リバースプライマー。
ーゼが5'-3'エキソヌクレアーゼ活性をもつPCRからの増
幅産物を図示している。(a)および(b)、増幅すべき
標的配列の相補鎖;○、供与体フルオロフォア、●、消
光物質フルオロフォア;F、フォワードプライマー;R、
リバースプライマー。
【図4】 図4は、ユニバーサルヘアピン(配列番号:
2)に連結した、選択された標的配列(配列番号:1)の
図解例を提示している。(d)は、8〜40ヌクレオチド
の、好ましくは、増幅すべき標的核酸配列に相補的な〜
15ヌクレオチドの選ばれたプライマー配列である。
(d')は、選択されたプライマー配列の5'付着末端で
ある。付着末端は、1〜10ヌクレオチド、好ましくは、3
〜4ヌクレオチドであり、ユニバーサルヘアピンの付着
末端(a')に相補的である。(b)は、ヘアピンが「開
いた」形状にあるとき、供与体(F、FAM)と消光物質
(D、DABCYL)との間が15〜25ヌクレオチド、好ましく
は、20ヌクレオチドの距離になるのに十分な長さのユニ
バーサルプライマー上のループである。(a)と(c)
は、ユニバーサルプライマーのステムの二本鎖である。
選択されたプライマー配列をユニバーサルプライマーに
連結させると、消光物質(DABCYL)は、3'末端の内側に
あるヌクレオチド上に位置することになる。供与体(FA
M)は、5'末端(図示されている)のヌクレオチド、ま
たは5'末端側の内側にあるヌクレオチド上に位置してい
よう。ただ一つ必要なのは、ヘアピンが「閉じた」
(「サイレントな」)コンフォメーションをとるとき
に、供与体と消光物質とが十分に近接していて、消光す
ることが可能になっていることである。
2)に連結した、選択された標的配列(配列番号:1)の
図解例を提示している。(d)は、8〜40ヌクレオチド
の、好ましくは、増幅すべき標的核酸配列に相補的な〜
15ヌクレオチドの選ばれたプライマー配列である。
(d')は、選択されたプライマー配列の5'付着末端で
ある。付着末端は、1〜10ヌクレオチド、好ましくは、3
〜4ヌクレオチドであり、ユニバーサルヘアピンの付着
末端(a')に相補的である。(b)は、ヘアピンが「開
いた」形状にあるとき、供与体(F、FAM)と消光物質
(D、DABCYL)との間が15〜25ヌクレオチド、好ましく
は、20ヌクレオチドの距離になるのに十分な長さのユニ
バーサルプライマー上のループである。(a)と(c)
は、ユニバーサルプライマーのステムの二本鎖である。
選択されたプライマー配列をユニバーサルプライマーに
連結させると、消光物質(DABCYL)は、3'末端の内側に
あるヌクレオチド上に位置することになる。供与体(FA
M)は、5'末端(図示されている)のヌクレオチド、ま
たは5'末端側の内側にあるヌクレオチド上に位置してい
よう。ただ一つ必要なのは、ヘアピンが「閉じた」
(「サイレントな」)コンフォメーションをとるとき
に、供与体と消光物質とが十分に近接していて、消光す
ることが可能になっていることである。
【図5】 図5は、PCRにおけるFRET供与体-受容体で標
識したヘアピンプライマーの使用の概要を図示してい
る。サイクル1〜4の詳細な説明については、5.2.1節を
参照のこと。
識したヘアピンプライマーの使用の概要を図示してい
る。サイクル1〜4の詳細な説明については、5.2.1節を
参照のこと。
【図6】 図6は、トリアンプリフィケーションにおけ
るFRET供与体-受容体で標識したヘアピンプライマーの
使用の概要を図示している。トリアンプリフィケーショ
ンのこの態様は、PCRとは異なり、第三のオリゴヌクレ
オチド(「ブロッカー」)をヘアピンプライマーを伸長
させた先に連結させる。PCRで生じるものではあるが、
蛍光シグナルは、複製の結果として発生する。
るFRET供与体-受容体で標識したヘアピンプライマーの
使用の概要を図示している。トリアンプリフィケーショ
ンのこの態様は、PCRとは異なり、第三のオリゴヌクレ
オチド(「ブロッカー」)をヘアピンプライマーを伸長
させた先に連結させる。PCRで生じるものではあるが、
蛍光シグナルは、複製の結果として発生する。
【図7】 図7は、それぞれFRET部分で標識された2種類
の直鎖状のプライマーを用いた概要図を示している。B
L、ブロッカー;R、リバースプライマー;F、フォワー
ドプライマー;■、DNAポリメラーゼによるオリゴヌク
レオチドの伸長、または、3'-5'エキソヌクレアーゼに
よるブロッカーの3'末端の加水分解を防止することがで
きる市販の3'修飾基;D、供与体フルオロフォア;A○、
受容体フルオロフォア。
の直鎖状のプライマーを用いた概要図を示している。B
L、ブロッカー;R、リバースプライマー;F、フォワー
ドプライマー;■、DNAポリメラーゼによるオリゴヌク
レオチドの伸長、または、3'-5'エキソヌクレアーゼに
よるブロッカーの3'末端の加水分解を防止することがで
きる市販の3'修飾基;D、供与体フルオロフォア;A○、
受容体フルオロフォア。
【図8A〜B】 図8A〜Bは、トリアンプリフィケーシ
ョンの過程における、(A)3'-5'エキソヌクレアーゼの
効果、および(B)取り込まれなかったFRET標識プライ
マーに対する、温度上昇の効果を示している。BL、ブロ
ッカー;R、リバースプライマー;F、フォワードプライ
マー;■、DNAポリメラーゼによるオリゴヌクレオチド
の伸長、または、3'-5'エキソヌクレアーゼによるブロ
ッカーの3'末端の加水分解を防止することができる市販
の3'修飾基;D、供与体フルオロフォア;A○、受容体フ
ルオロフォア。
ョンの過程における、(A)3'-5'エキソヌクレアーゼの
効果、および(B)取り込まれなかったFRET標識プライ
マーに対する、温度上昇の効果を示している。BL、ブロ
ッカー;R、リバースプライマー;F、フォワードプライ
マー;■、DNAポリメラーゼによるオリゴヌクレオチド
の伸長、または、3'-5'エキソヌクレアーゼによるブロ
ッカーの3'末端の加水分解を防止することができる市販
の3'修飾基;D、供与体フルオロフォア;A○、受容体フ
ルオロフォア。
【図9】 図9は、塩基配列に基づく増幅(NASBA)にお
けるヘアピンプライマーの使用の概要を図示している。
NASBAは、同じ温度での逆転写とRNA転写反応との連続的
なサイクルに依存している。段階1〜9の詳細な説明につ
いては、5.2.3節を参照のこと。
けるヘアピンプライマーの使用の概要を図示している。
NASBAは、同じ温度での逆転写とRNA転写反応との連続的
なサイクルに依存している。段階1〜9の詳細な説明につ
いては、5.2.3節を参照のこと。
【図10】 図10は、二本鎖DNA標的のストランド置換
増幅(SDA)におけるへアピンプライマーの使用の概要
を図示している。プライマー1と2は、それぞれ別のフォ
ワードプライマーとリバースプライマーである。SDA
は、同じ温度でのニッキングと重合/置換の段階を連続
して繰り返すことによる。段階1〜4の詳細な説明につい
ては、5.2.4節を参照のこと。pol、ポリメラーゼ;リス
トリクターゼ、制限酵素。
増幅(SDA)におけるへアピンプライマーの使用の概要
を図示している。プライマー1と2は、それぞれ別のフォ
ワードプライマーとリバースプライマーである。SDA
は、同じ温度でのニッキングと重合/置換の段階を連続
して繰り返すことによる。段階1〜4の詳細な説明につい
ては、5.2.4節を参照のこと。pol、ポリメラーゼ;リス
トリクターゼ、制限酵素。
【図11A〜B】 図11A〜Bは、「密封チューブ」方式
における、2室増幅チューブを図示している。このチュ
ープは、増幅を行った後に、チューブを開くことなく、
望ましいときにだけ逆転させ(図11B)て、3'-5'エキソ
ヌクレアーゼを増幅産物と混合するのに用いることがで
きる(12節、実施例6を参照のこと)。
における、2室増幅チューブを図示している。このチュ
ープは、増幅を行った後に、チューブを開くことなく、
望ましいときにだけ逆転させ(図11B)て、3'-5'エキソ
ヌクレアーゼを増幅産物と混合するのに用いることがで
きる(12節、実施例6を参照のこと)。
【図12】 図12は、12節で提供されている配列をもつ
ヘアピンプライマーを用いた実施例以外の、すべての実
施例で説明されている、ヒト前立腺特異的な抗原(PS
A)DNAの増幅で用いられた鋳型二本鎖の部位(上の鎖:
配列番号:3と配列番号:4;下の鎖:配列番号:8と配
列番号:9)、およびPSA-I(配列番号:5)、PSA-P(配
列番号:6)、ならびにPSA-B(配列番号:7)のオリゴ
ヌクレオチドを図示している。
ヘアピンプライマーを用いた実施例以外の、すべての実
施例で説明されている、ヒト前立腺特異的な抗原(PS
A)DNAの増幅で用いられた鋳型二本鎖の部位(上の鎖:
配列番号:3と配列番号:4;下の鎖:配列番号:8と配
列番号:9)、およびPSA-I(配列番号:5)、PSA-P(配
列番号:6)、ならびにPSA-B(配列番号:7)のオリゴ
ヌクレオチドを図示している。
【図13A〜C】 図13Aは、7節(実施例1)で説明さ
れている実験において用いられたPCR増幅法の概要を図
示している。図13Aの左側は、7節で説明されている実験
で用いられたPCR増幅の方法の概略を示したものであ
る。図13Aの右側は、修飾されていないリバースプライ
マーを用いたPCR増幅の方法を示したものである。結果
は、添付した変性6%ポリアクリルアミドゲル(図13B)
とアガロースゲル(図13C)に示されている。図13Bは、
非修飾のリバースプライマー(レーン1)、またはロー
ダミンで修飾されたリバースプライマー(レーン2)を
用いたとき、[32P]標識されたフォワードプライマー
によって増幅されたDNA鎖のサイズを比較している。図1
3Cは、非修飾のリバースプライマー(レーン1)、また
はローダミンで修飾されたリバースプライマー(レーン
2)によって得られた二本鎖PCR産物の量を比較したもの
である。
れている実験において用いられたPCR増幅法の概要を図
示している。図13Aの左側は、7節で説明されている実験
で用いられたPCR増幅の方法の概略を示したものであ
る。図13Aの右側は、修飾されていないリバースプライ
マーを用いたPCR増幅の方法を示したものである。結果
は、添付した変性6%ポリアクリルアミドゲル(図13B)
とアガロースゲル(図13C)に示されている。図13Bは、
非修飾のリバースプライマー(レーン1)、またはロー
ダミンで修飾されたリバースプライマー(レーン2)を
用いたとき、[32P]標識されたフォワードプライマー
によって増幅されたDNA鎖のサイズを比較している。図1
3Cは、非修飾のリバースプライマー(レーン1)、また
はローダミンで修飾されたリバースプライマー(レーン
2)によって得られた二本鎖PCR産物の量を比較したもの
である。
【図14A〜B】 図14Aは、8節(実施例2)で用いら
れた実験方法の概要を図示している。結果は、添付した
変性6%ポリアクリルアミドゲル(図14B)に示されてい
る。ゲルのレーン1は、取り込まれた[32P]標識された
リバースプライマーと、ローダミン標識されたリバース
プライマーとによって増幅されたDNAの鎖を表してお
り、一方、レーン2は、取り込まれた[32P]標識された
フォワードプライマー(F)によって増幅されたDNAの鎖
を表している。
れた実験方法の概要を図示している。結果は、添付した
変性6%ポリアクリルアミドゲル(図14B)に示されてい
る。ゲルのレーン1は、取り込まれた[32P]標識された
リバースプライマーと、ローダミン標識されたリバース
プライマーとによって増幅されたDNAの鎖を表してお
り、一方、レーン2は、取り込まれた[32P]標識された
フォワードプライマー(F)によって増幅されたDNAの鎖
を表している。
【図15A〜B】 図15Aは、9節(実施例3)で用いら
れた実験方法の概要を図示している。結果は、添付した
変性15%ポリアクリルアミドゲル(図15B)に示されて
いる。ゲルのレーン1は、[32P]およびローダミンで標
識したリバースプライマーを示しており、レーン2〜4
は、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性をもつT4DNAポリメラ
ーゼと、2分間(レーン2)、5分間(レーン3)、および
15分間(レーン4)インキュベートした後の[32P]およ
びローダミンで標識したリバースプライマーを示してい
る。
れた実験方法の概要を図示している。結果は、添付した
変性15%ポリアクリルアミドゲル(図15B)に示されて
いる。ゲルのレーン1は、[32P]およびローダミンで標
識したリバースプライマーを示しており、レーン2〜4
は、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性をもつT4DNAポリメラ
ーゼと、2分間(レーン2)、5分間(レーン3)、および
15分間(レーン4)インキュベートした後の[32P]およ
びローダミンで標識したリバースプライマーを示してい
る。
【図16】 図16は、ヌクレアーゼ処理後のFRETによ
る、増幅産物の検出を示している(10節、実施例4)。
発光スペクトラム1は、鋳型DNAとエキソヌクレアーゼ処
理によるトリアンプリフィケーションの後に得られた。
ペクトラム2は、鋳型DNAとエキソヌクレアーゼ処理のな
い(DNA対照のない)トリアンプリフィケーションの後
に得られた。
る、増幅産物の検出を示している(10節、実施例4)。
発光スペクトラム1は、鋳型DNAとエキソヌクレアーゼ処
理によるトリアンプリフィケーションの後に得られた。
ペクトラム2は、鋳型DNAとエキソヌクレアーゼ処理のな
い(DNA対照のない)トリアンプリフィケーションの後
に得られた。
【図17A〜B】 図17A〜Bは、鋳型DNAを入れない
(A)、または鋳型DNAを入れた(B)トリアンプリフィ
ケーションの後のFRETに対する、温度上昇(75℃)の効
果を示している(11節、実施例5)。
(A)、または鋳型DNAを入れた(B)トリアンプリフィ
ケーションの後のFRETに対する、温度上昇(75℃)の効
果を示している(11節、実施例5)。
【図18A〜B】 図18Aは、ヘアピンプライマー(配
列番号:10)の上流にあるPSA cDNAの構造を描いたもの
である。標的DNAに相補的な配列部分を太字で示してあ
る。図18Bは、DABCYL部分の不在下(1)および存在下
(2)で、フルオロセインで標識したヘアピンプライマ
ーの発光スペクトラムを示している。40nMのオリゴヌク
レオチド試料0.5 mlから得られたスペクトラムを、488
nmの励起波長を用いて、6.4節で述べたようにして測定
した。
列番号:10)の上流にあるPSA cDNAの構造を描いたもの
である。標的DNAに相補的な配列部分を太字で示してあ
る。図18Bは、DABCYL部分の不在下(1)および存在下
(2)で、フルオロセインで標識したヘアピンプライマ
ーの発光スペクトラムを示している。40nMのオリゴヌク
レオチド試料0.5 mlから得られたスペクトラムを、488
nmの励起波長を用いて、6.4節で述べたようにして測定
した。
【図19】 図19は、ヘアピンプライマーによる増幅効
率を示している。増幅産物を、商標登録MDEゲルで分離
した(FMCバイオプロダクツ社(FMC Bioproducts)、メ
リーランド州ロックランド)。エチジウムブロマイド染
色ゲルが示されている。レーン1〜3は、非標識の対照用
直鎖プライマー(レーン1)、FAM-ヘアピンプライマー
(レーン2)、およびFAM/DABCYL-ヘアピンプライマー
(レーン3)による10−9M PSA cDNAの増幅産物を示し
ている。レーン4〜6は、対照用プライマー(レーン
4)、FAM-ヘアピンプライマー(レーン5)、およびFAM/
DABCYL-ヘアピンプライマー(レーン6)による10−11
M PSA cDNAの増幅産物を示している。レーンMには、100
bpのマーカー(ギブコBRL社(Gibco BRL))を含んで
いる。
率を示している。増幅産物を、商標登録MDEゲルで分離
した(FMCバイオプロダクツ社(FMC Bioproducts)、メ
リーランド州ロックランド)。エチジウムブロマイド染
色ゲルが示されている。レーン1〜3は、非標識の対照用
直鎖プライマー(レーン1)、FAM-ヘアピンプライマー
(レーン2)、およびFAM/DABCYL-ヘアピンプライマー
(レーン3)による10−9M PSA cDNAの増幅産物を示し
ている。レーン4〜6は、対照用プライマー(レーン
4)、FAM-ヘアピンプライマー(レーン5)、およびFAM/
DABCYL-ヘアピンプライマー(レーン6)による10−11
M PSA cDNAの増幅産物を示している。レーンMには、100
bpのマーカー(ギブコBRL社(Gibco BRL))を含んで
いる。
【図20A〜B】 図20A〜Bは、それぞれ、ヘアピンプ
ライマー存在下でのPCR増幅の概略と、その結果とを示
している。2つのプライマー、FAMとDABCYLによって標識
した上流のヘアピンプライマー、および、5'末端上に
32Pで標識した下流プライマーによって、PSA cDNAのP
CR増幅を行った(図20A)。ヘアピン構造をもたない上
流プライマーを対照として用いた。ヘアピンプライマー
の構造は、図18Aで示されており、通常のプライマー配
列が、12.3節に示されている。図20Bは、合成されたPCR
産物のサイズを示すオートラジオグラムである。
[32P]で標識したPCR産物の鎖を、非標識の対照用直鎖
プライマー(レーン1)、またはFAM/DABCYL標識したヘ
アピンプライマー(レーン2)の存在下で合成し、変性6
%ポリアクリルアミドゲルで解析した。
ライマー存在下でのPCR増幅の概略と、その結果とを示
している。2つのプライマー、FAMとDABCYLによって標識
した上流のヘアピンプライマー、および、5'末端上に
32Pで標識した下流プライマーによって、PSA cDNAのP
CR増幅を行った(図20A)。ヘアピン構造をもたない上
流プライマーを対照として用いた。ヘアピンプライマー
の構造は、図18Aで示されており、通常のプライマー配
列が、12.3節に示されている。図20Bは、合成されたPCR
産物のサイズを示すオートラジオグラムである。
[32P]で標識したPCR産物の鎖を、非標識の対照用直鎖
プライマー(レーン1)、またはFAM/DABCYL標識したヘ
アピンプライマー(レーン2)の存在下で合成し、変性6
%ポリアクリルアミドゲルで解析した。
【図21A〜B】 図21Aは、FAM/DABCYLで標識したヘ
アピンプライマーで行った増幅反応の蛍光スペクトラム
を示している。FAM/DABCYLで標識したヘアピンプライマ
ーの構造が図18Aに示されており、通常の下流プライマ
ーの配列が12.3節に示されている。スペクトラム1〜6
は、0サイクル(1)、20サイクル(2)、25サイクル
(3)、30サイクル(4)、35サイクル(5)、または40
サイクル(6)後の増幅されたPSA cDNAの蛍光強度を示
している。図21Bは、サイクル数に対してプロットされ
た、増幅反応混合液の蛍光強度と、PCR産物に取り込ま
れた[32P]標識プライマーの画分を示す。PCR産物への
[32P]標識プライマーの取り込みが、6%変性ポリアク
リルアミドゲルでの電気泳動によって判定し、ホスフォ
ルイメージャー(PhosphorImager)を用いて定量した。
アピンプライマーで行った増幅反応の蛍光スペクトラム
を示している。FAM/DABCYLで標識したヘアピンプライマ
ーの構造が図18Aに示されており、通常の下流プライマ
ーの配列が12.3節に示されている。スペクトラム1〜6
は、0サイクル(1)、20サイクル(2)、25サイクル
(3)、30サイクル(4)、35サイクル(5)、または40
サイクル(6)後の増幅されたPSA cDNAの蛍光強度を示
している。図21Bは、サイクル数に対してプロットされ
た、増幅反応混合液の蛍光強度と、PCR産物に取り込ま
れた[32P]標識プライマーの画分を示す。PCR産物への
[32P]標識プライマーの取り込みが、6%変性ポリアク
リルアミドゲルでの電気泳動によって判定し、ホスフォ
ルイメージャー(PhosphorImager)を用いて定量した。
【図22】 図22は、ヘアピンプライマーによるPCRの
感度を示したものである。スペクトラム1〜6は、各反応
において、0個(1)、10個(2)、102個(3)、103個
((4)、104個(5)、105個(6)または106個(7)
の分子のクローニングされたPSA cDNAを、鋳型DNAとし
て、40サイクルのPCRに用いたときの増幅結果を示して
いる。FAM/DABCYLで標識したヘアピンプライマーの構造
が図18Aに示されており、通常の下流プライマーの配列
が12.3節に示されている。
感度を示したものである。スペクトラム1〜6は、各反応
において、0個(1)、10個(2)、102個(3)、103個
((4)、104個(5)、105個(6)または106個(7)
の分子のクローニングされたPSA cDNAを、鋳型DNAとし
て、40サイクルのPCRに用いたときの増幅結果を示して
いる。FAM/DABCYLで標識したヘアピンプライマーの構造
が図18Aに示されており、通常の下流プライマーの配列
が12.3節に示されている。
【図23】 図23は、ヘアピンプライマーで合成された
PCR産物の可視蛍光を示している。106個(チューブ
1)、104個(チューブ2)、103個(チューブ3)、お
よび0個(チューブ4)の分子のクローニングされたPSA
cDNA鋳型を、FAM/DABCYLで標識したヘアピンプライマー
による、40サイクルのPCRのための鋳型として用いた。U
Vトランスイルミネーター画像解析システムを用い、0.2
mlの薄壁PCRチューブの中で、DNA蛍光を可視化した。
PCR産物の可視蛍光を示している。106個(チューブ
1)、104個(チューブ2)、103個(チューブ3)、お
よび0個(チューブ4)の分子のクローニングされたPSA
cDNA鋳型を、FAM/DABCYLで標識したヘアピンプライマー
による、40サイクルのPCRのための鋳型として用いた。U
Vトランスイルミネーター画像解析システムを用い、0.2
mlの薄壁PCRチューブの中で、DNA蛍光を可視化した。
【図24A〜G】 図24A〜Gは、異なったFAM/DABCYLで
標識したヘアピンプライマーによって増幅されたPSA cD
NAの蛍光強度を示している(図24A〜Gは、それぞれ、配
列番号:13〜18、および25に対応している)。すべての
プライマーには、3'のステム配列とループの一部であ
る、3'の一本鎖プライミング配列からなる、標的に相補
的な、少なくとも18ヌクレオチドの配列があった。標的
DNAに相補的な配列が、影をつけた太字のイタリック体
で示されている。f、FAM;d、DABCYL;nucl、ヌクレオ
チド数;rel. (%)、プライマーAによって増幅したDNAに
対する蛍光強度の割合。
標識したヘアピンプライマーによって増幅されたPSA cD
NAの蛍光強度を示している(図24A〜Gは、それぞれ、配
列番号:13〜18、および25に対応している)。すべての
プライマーには、3'のステム配列とループの一部であ
る、3'の一本鎖プライミング配列からなる、標的に相補
的な、少なくとも18ヌクレオチドの配列があった。標的
DNAに相補的な配列が、影をつけた太字のイタリック体
で示されている。f、FAM;d、DABCYL;nucl、ヌクレオ
チド数;rel. (%)、プライマーAによって増幅したDNAに
対する蛍光強度の割合。
【図25】 図25は、PCRからの増幅産物を直接測定す
るための直鎖状プライマーの使用の概要を示している。
二本鎖PCR産物にプライマーが取り込まれると、エネル
ギー転移シグナルが発生する。増幅後、3'-5'エキソヌ
クレアーゼ加水分解によって、取り込まれなかったプラ
イマーからシグナルを取り除く。D、供与体部分;A、受
容体部分;F、フォワードプライマー;R、リバースプラ
イマー。
るための直鎖状プライマーの使用の概要を示している。
二本鎖PCR産物にプライマーが取り込まれると、エネル
ギー転移シグナルが発生する。増幅後、3'-5'エキソヌ
クレアーゼ加水分解によって、取り込まれなかったプラ
イマーからシグナルを取り除く。D、供与体部分;A、受
容体部分;F、フォワードプライマー;R、リバースプラ
イマー。
【図26】 図26は、13節の実施例7の実験で用いられ
た3組のPCRプライマーを示している。Uup(配列番号:1
9)とUd(配列番号:20)は、それぞれ、二亜硫酸処理
した非メチル化DNAの配列に対する上流プライマーと下
流プライマーである。Mup(配列番号:21)とMd(配列
番号:22)は、それぞれ、二亜硫酸処理したメチル化DN
Aの配列に対する上流プライマーと下流プライマーであ
る。Wup(配列番号:23)とWd(配列番号:24)は、そ
れぞれ、二亜硫酸で処理していないDNAに対する上流プ
ライマーと下流プライマーである。各組の2つのプライ
マーの一方は、5'末端に、図示された位置で、FAM/DAB
(DABCYL) FRETに対で標識されたヘアピン構造をもって
いる。
た3組のPCRプライマーを示している。Uup(配列番号:1
9)とUd(配列番号:20)は、それぞれ、二亜硫酸処理
した非メチル化DNAの配列に対する上流プライマーと下
流プライマーである。Mup(配列番号:21)とMd(配列
番号:22)は、それぞれ、二亜硫酸処理したメチル化DN
Aの配列に対する上流プライマーと下流プライマーであ
る。Wup(配列番号:23)とWd(配列番号:24)は、そ
れぞれ、二亜硫酸で処理していないDNAに対する上流プ
ライマーと下流プライマーである。各組の2つのプライ
マーの一方は、5'末端に、図示された位置で、FAM/DAB
(DABCYL) FRETに対で標識されたヘアピン構造をもって
いる。
【図27】 図27は、17節の実施例11で説明されてい
る、ウイルスのgag配列のインサイチューPCRで用いるこ
とができる、ヘアピンプライマーのBSK38(配列番号:2
6)の構造の例を示す。
る、ウイルスのgag配列のインサイチューPCRで用いるこ
とができる、ヘアピンプライマーのBSK38(配列番号:2
6)の構造の例を示す。
【図28A〜B】 図28A〜Bは、14節の実施例8で説明
されている、ユニバーサルプライマーによって合成され
たPCR産物の可視蛍光を示している。クローニングされ
たPSA cDNA(A;上の行)とクラミジアのゲノムDNA
(B;下の行)を標的として用いた。カラム(1)、完全
な反応混合液。カラム(2)、対照1、テールなしの反応
混合液。カラム(3)、対照2、鋳型DNAなしの反応混合
液。
されている、ユニバーサルプライマーによって合成され
たPCR産物の可視蛍光を示している。クローニングされ
たPSA cDNA(A;上の行)とクラミジアのゲノムDNA
(B;下の行)を標的として用いた。カラム(1)、完全
な反応混合液。カラム(2)、対照1、テールなしの反応
混合液。カラム(3)、対照2、鋳型DNAなしの反応混合
液。
【図29A〜B】 図29A〜Bは、PCRを利用して、テロ
メラーゼ活性について、目的の細胞または組織を測定す
るTRAP(テロメア反復配列増幅プロトコール)アッセイ
法を示している。図29A(段階1)においては、テロメラ
ーゼは、多数のテロメア反復配列(GGTTAG)(下の行に
示されている最も長い反復配列(配列番号:27)を、基
質オリゴヌクレオチドの3'末端(配列番号:28)(TS、
テロメラーゼ基質)に付加する。図29B(段階2)では、
TSとリバースプライマー(RP)を用いて、PCRによっ
て、伸長産物を増幅して、50ヌクレオチドから、50、5
6、62、68などと6塩基ずつ増加する梯子状の産物を生成
させた。
メラーゼ活性について、目的の細胞または組織を測定す
るTRAP(テロメア反復配列増幅プロトコール)アッセイ
法を示している。図29A(段階1)においては、テロメラ
ーゼは、多数のテロメア反復配列(GGTTAG)(下の行に
示されている最も長い反復配列(配列番号:27)を、基
質オリゴヌクレオチドの3'末端(配列番号:28)(TS、
テロメラーゼ基質)に付加する。図29B(段階2)では、
TSとリバースプライマー(RP)を用いて、PCRによっ
て、伸長産物を増幅して、50ヌクレオチドから、50、5
6、62、68などと6塩基ずつ増加する梯子状の産物を生成
させた。
【図30A〜B】 図30Aは、15節の実施例9で説明され
ているTRAPアッセイ法で用いられたヘアピンプライマー
の配列(配列番号:37)を示している。図30Bは、TSプ
ライマーと、図30Aに示された配列のヘアピンRPプライ
マーを用いて行ったTRAPアッセイの結果を示している。
10,000細胞、100細胞、または10細胞に相当する細胞抽
出物に対してアッセイを行った。3種類の陰性対照もア
ッセイされた。Taqなし、反応液にTaqポリメラーゼを加
えなかった(陰性対照1)。CHAPS、反応液中の細胞抽出
物の代わりに、CHAPS溶解緩衝液が用いられた(陰性対
照2)。+H、アッセイ前に、10,000細胞からの細胞抽出
物を熱処理した(陰性対照3)。10、10細胞からの細胞
抽出物によるTRAPアッセイ。100、100細胞からの細胞抽
出物によるTRAPアッセイ。1,000、1,000細胞からの細胞
抽出物によるTRAPアッセイ。10,000、10,000細胞からの
細胞抽出物によるTRAPアッセイ。
ているTRAPアッセイ法で用いられたヘアピンプライマー
の配列(配列番号:37)を示している。図30Bは、TSプ
ライマーと、図30Aに示された配列のヘアピンRPプライ
マーを用いて行ったTRAPアッセイの結果を示している。
10,000細胞、100細胞、または10細胞に相当する細胞抽
出物に対してアッセイを行った。3種類の陰性対照もア
ッセイされた。Taqなし、反応液にTaqポリメラーゼを加
えなかった(陰性対照1)。CHAPS、反応液中の細胞抽出
物の代わりに、CHAPS溶解緩衝液が用いられた(陰性対
照2)。+H、アッセイ前に、10,000細胞からの細胞抽出
物を熱処理した(陰性対照3)。10、10細胞からの細胞
抽出物によるTRAPアッセイ。100、100細胞からの細胞抽
出物によるTRAPアッセイ。1,000、1,000細胞からの細胞
抽出物によるTRAPアッセイ。10,000、10,000細胞からの
細胞抽出物によるTRAPアッセイ。
【図31】 図31は、5.2.6節で説明されているカスケ
ード・ローリングサークル・アンプリフィケーション
(CRCA)を概略的に描いたものである。Q、消光物質;
F、フルオロフォア。
ード・ローリングサークル・アンプリフィケーション
(CRCA)を概略的に描いたものである。Q、消光物質;
F、フルオロフォア。
【図32】 図32は、19節の実施例13で説明されてい
る、ローリングサークル(フォワード)ヘアピンプライ
マー1と2(それぞれ、配列番号:46と47)、リバースヘ
アピンプライマー1と2(それぞれ、配列番号:48と4
9)、非ヘアピンフォワード(ローリングサークル)プ
ライマー(配列番号:50)、非ヘアピンリバースプライ
マー(配列番号:51)を示している。プローブ、または
ローリングサークル産物に相補的なヘアピンプライマー
配列に下線を施した。非ヘアピン(すなわち、直鎖状)
のフォワードプライマー(配列番号:50)は、フォワー
ド(ローリングサークル)ヘアピンプライマー配列1と2
の下線部に相当する配列をもっていた。非ヘアピンのリ
バースプライマー(配列番号:51)は、リバースヘアピ
ンプライマー配列1と2の下線部に相当する配列をもって
いた。スペーサー配列を太字で示した。MET対の2つの部
分が結合するヌクレオチドにアスタリスク(*)で印を
付けた。図32には、pUC19の標的特異的配列(5'-TGTAGC
CGTAGTTAGGCCACCACTTCAAGAACTCT-3')(配列番号:52)
と、19節の実施例13で説明されているライゲーション結
合部分を含むスペーサー(一般的)配列を含むCRCAに対
する環状プローブの概略が描かれている。rasに対する
標的特異的配列(5'-GTTGGAGCTGGTGGCGTAG-3')(配列
番号:53)も示されている。19節の実施例13で説明され
ている補足実験における標的配列として、ras特異的な
配列を用いた。nucl、ヌクレオチド番号。bp、塩基対。
T*、DABCY部分が結合しているTヌクレオチド。A*、FAM
部分が結合しているAヌクレオチド。
る、ローリングサークル(フォワード)ヘアピンプライ
マー1と2(それぞれ、配列番号:46と47)、リバースヘ
アピンプライマー1と2(それぞれ、配列番号:48と4
9)、非ヘアピンフォワード(ローリングサークル)プ
ライマー(配列番号:50)、非ヘアピンリバースプライ
マー(配列番号:51)を示している。プローブ、または
ローリングサークル産物に相補的なヘアピンプライマー
配列に下線を施した。非ヘアピン(すなわち、直鎖状)
のフォワードプライマー(配列番号:50)は、フォワー
ド(ローリングサークル)ヘアピンプライマー配列1と2
の下線部に相当する配列をもっていた。非ヘアピンのリ
バースプライマー(配列番号:51)は、リバースヘアピ
ンプライマー配列1と2の下線部に相当する配列をもって
いた。スペーサー配列を太字で示した。MET対の2つの部
分が結合するヌクレオチドにアスタリスク(*)で印を
付けた。図32には、pUC19の標的特異的配列(5'-TGTAGC
CGTAGTTAGGCCACCACTTCAAGAACTCT-3')(配列番号:52)
と、19節の実施例13で説明されているライゲーション結
合部分を含むスペーサー(一般的)配列を含むCRCAに対
する環状プローブの概略が描かれている。rasに対する
標的特異的配列(5'-GTTGGAGCTGGTGGCGTAG-3')(配列
番号:53)も示されている。19節の実施例13で説明され
ている補足実験における標的配列として、ras特異的な
配列を用いた。nucl、ヌクレオチド番号。bp、塩基対。
T*、DABCY部分が結合しているTヌクレオチド。A*、FAM
部分が結合しているAヌクレオチド。
【図33】 図33は、19節の実施例13で説明されてい
る、ヘアピンプライマーによる、一連のカスケード・ロ
ーリングサークル・アンプリフィケーション(CRCAs)
の結果を示している。各反応において用いられた鋳型サ
ークル、すなわち、標的としてpUC19を用いて作製され
た環状プローブの数が、X軸上に示されている。対照反
応(リガーゼなし)におけるバックグランドレベルに対
する、CRCAs(リガーゼを加える)におけるシグナルの
レベルを蛍光測定解析することによって、蛍光単位で測
定されたMETシグナル(Y軸)を検出した。-□-、リガー
ゼなし;-△-、リガーゼあり。
る、ヘアピンプライマーによる、一連のカスケード・ロ
ーリングサークル・アンプリフィケーション(CRCAs)
の結果を示している。各反応において用いられた鋳型サ
ークル、すなわち、標的としてpUC19を用いて作製され
た環状プローブの数が、X軸上に示されている。対照反
応(リガーゼなし)におけるバックグランドレベルに対
する、CRCAs(リガーゼを加える)におけるシグナルの
レベルを蛍光測定解析することによって、蛍光単位で測
定されたMETシグナル(Y軸)を検出した。-□-、リガー
ゼなし;-△-、リガーゼあり。
【図34】 図34は、18節の実施例12で説明されている
ように、本発明の直鎖状プライマーと、FRET-標識した
ヘアピンプライマーを用いて、インサイチューPCRを行
った後の、HIV-1に初期感染した患者からのリンパ節組
織の中のgag陽性細胞を示している。
ように、本発明の直鎖状プライマーと、FRET-標識した
ヘアピンプライマーを用いて、インサイチューPCRを行
った後の、HIV-1に初期感染した患者からのリンパ節組
織の中のgag陽性細胞を示している。
【図35】 図35は、図34におけると同じ組織試料を、
より高い倍率で見た図を示している。gag陽性細胞は、
強いシグナルを示しており、調製物中のバックグランド
は低い。
より高い倍率で見た図を示している。gag陽性細胞は、
強いシグナルを示しており、調製物中のバックグランド
は低い。
【図36】 図36は、18節の実施例12で説明されている
増幅用混合液からTaqポリメラーゼを除いた陰性対照と
して用いられた組織試料を示している。
増幅用混合液からTaqポリメラーゼを除いた陰性対照と
して用いられた組織試料を示している。
【図37】 図37は、18節の実施例12で説明されている
ように、直鎖状プライマーと、FRET-標識したヘアピン
プライマーを用いて、インサイチューPCRを行った後
の、HIV-1に感染した患者からのリンパ節組織を示して
いる。しかし、シグナル対バックグランドの比率は、図
34と35におけるよりも低く、いくつかの細胞ではシグナ
ルが見られるが、PCR後の洗浄が不適切であったため
に、細胞質バックグランドが他の細胞に見られる。
ように、直鎖状プライマーと、FRET-標識したヘアピン
プライマーを用いて、インサイチューPCRを行った後
の、HIV-1に感染した患者からのリンパ節組織を示して
いる。しかし、シグナル対バックグランドの比率は、図
34と35におけるよりも低く、いくつかの細胞ではシグナ
ルが見られるが、PCR後の洗浄が不適切であったため
に、細胞質バックグランドが他の細胞に見られる。
【図38】 図38は、18節の実施例12で説明されている
ように、直鎖状プライマーと、FRET-標識したヘアピン
プライマーを用いて、インサイチューPCRを行った後
の、エイズ(AIDS)性痴呆で死亡した患者の大脳におけ
るHIV-I陽性ニューロンを示している。
ように、直鎖状プライマーと、FRET-標識したヘアピン
プライマーを用いて、インサイチューPCRを行った後
の、エイズ(AIDS)性痴呆で死亡した患者の大脳におけ
るHIV-I陽性ニューロンを示している。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 バットナガー サティッシュ ケイ.
アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 ガ
イサースバーグ ノアウィッチ コート
21
(72)発明者 ウィン−ディーン エミリー エス.
アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 ポ
トマック ベッツ トレイル ウェイ
1128
(72)発明者 ホフマン ロバート ジェイ.
アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 ガ
イサースバーグ ロイドミンスター ドラ
イブ 12625
Fターム(参考) 4B024 AA11 AA20 BA31 CA01 CA09
CA11 DA03 HA12 HA13 HA14
4B063 QA05 QA13 QA19 QQ41 QQ79
QR08 QR20 QR32 QR62 QR66
QS16 QS24 QS25 QS26 QS34
QS36 QX02 QX07
Claims (47)
- 【請求項1】 (a)ポリメラーゼ、(b)第一のオリゴヌク
レオチド、および(c)第二のオリゴヌクレオチドを含む
キットであって、第一のオリゴヌクレオチドが第二のオ
リゴヌクレオチドにアニーリングすることが可能であ
り、かつ第一または第二のオリゴヌクレオチドが、第一
のオリゴヌクレオチドが第二のオリゴヌクレオチドにア
ニーリングされない場合にのみ検出可能なシグナルを放
出するキット。 - 【請求項2】 第一のオリゴヌクレオチドが第二のオリ
ゴヌクレオチドにアニーリングされない場合に第一また
は第二のオリゴヌクレオチドによって放出される検出可
能なシグナルが、第一のオリゴヌクレオチドが第二のオ
リゴヌクレオチドにアニーリングされた場合に第一また
は第二のオリゴヌクレオチドによって放出されるシグナ
ルよりもより強い、請求項1記載のキット。 - 【請求項3】 第一または第二のオリゴヌクレオチド
が、第一のオリゴヌクレオチドが第二のオリゴヌクレオ
チドにアニーリングされない場合にのみ検出可能なシグ
ナルを放出する、請求項1記載のキット。 - 【請求項4】 検出可能なシグナルが実質的である、請
求項3記載のキット。 - 【請求項5】 エネルギーを放出することが可能なエネ
ルギー供与体部分および放出されたエネルギー量を吸収
することが可能なエネルギー受容体部分を含む分子エネ
ルギー輸送対をさらに含む、請求項1記載のキットであ
って、供与体部分が第一のオリゴヌクレオチドのヌクレ
オチドに結合し受容体部分が第二のオリゴヌクレオチド
のヌクレオチドに結合するか、または、受容体部分が第
一のオリゴヌクレオチドのヌクレオチドに結合し供与体
部分が第二のオリゴヌクレオチドのヌクレオチドに結合
し、かつ受容体部分が、第一のオリゴヌクレオチドが第
二のオリゴヌクレオチドにアニーリングされる場合にの
みエネルギー量を吸収するキット。 - 【請求項6】 以下の段階を含む、標的ヌクレオチド配
列が試料中に存在するか否かを判定する方法: (a)試料を第一および第二のヌクレオチドと接触させる
段階であって、第一のオリゴヌクレオチドは第二のオリ
ゴヌクレオチドにアニーリングし二重らせんを形成する
ことが可能であり、二重らせんが形成されない場合に第
一または第二のオリゴヌクレオチドが検出可能なシグナ
ルを放出する段階、(b)試料中に標的ヌクレオチド配列
が存在する場合は、第一または第二のオリゴヌクレオチ
ドをポリメラーゼを用いて二本鎖核酸に組み込み、これ
により第一および第二のヌクレオチドが二重らせんを形
成しないようにする段階、および(c)シグナルが検出さ
れる場合は試料中に標的ヌクレオチド配列が存在すると
決定され、または、シグナルが検出されない場合は試料
中に標的ヌクレオチドが存在しないと決定される段階。 - 【請求項7】 段階(b)と(c)との間に、増幅反応を行
い、これによって試料中に標的ヌクレオチドが存在する
場合に増幅産物へと第一または第二のオリゴヌクレオチ
ドが組み込まれる段階を含む、請求項6記載の方法。 - 【請求項8】 第一のオリゴヌクレオチドが第二のオリ
ゴヌクレオチドにアニーリングされない場合に第一また
は第二のオリゴヌクレオチドによって放出される検出可
能なシグナルが、第一のオリゴヌクレオチドが第二のオ
リゴヌクレオチドにアニーリングされる場合に第一また
は第二のオリゴヌクレオチドによって放出されるシグナ
ルよりも強い、請求項6記載の方法。 - 【請求項9】 第一または第二のオリゴヌクレオチド
が、第一のオリゴヌクレオチドが第二のオリゴヌクレオ
チドにアニーリングされない場合にのみ検出可能なシグ
ナルを放出する、請求項6記載の方法。 - 【請求項10】 検出可能なシグナルが実質的である、請
求項9記載の方法。 - 【請求項11】 第一および第二のオリゴヌクレオチド
が、エネルギーを放出することが可能なエネルギー供与
体部分と放出されたエネルギー量を吸収することが可能
なエネルギー受容体部分とを含む分子エネルギー輸送対
を含む請求項6記載の方法であって、供与体部分が第一
のオリゴヌクレオチドのヌクレオチドに結合し受容体部
分が第二のオリゴヌクレオチドのヌクレオチドに結合す
るか、または、受容体部分が第一のオリゴヌクレオチド
のヌクレオチドに結合し供与体部分が第二のオリゴヌク
レオチドのヌクレオチドに結合し;かつ受容体部分が、
二重らせんが形成される場合にのみエネルギー量を吸収
する方法。 - 【請求項12】 以下の段階を含む、テロメアーゼ活性の
検出方法: (a)テロメラーゼ活性を有することが疑われる試料を、
第一のプライマーおよび第二のプライマーを含む少なく
とも2種のオリゴヌクレオチドプライマーと接触させる
段階であって、第一のプライマーが5'から3'方向に連続
して下記の配列を含む段階: (i)6〜30ヌクレオチドの第一のヌクレオチド配列であっ
て、第一のヌクレオチド配列内のヌクレオチドが、分子
エネルギー輸送対の供与体部分および受容体部分からな
る群より選択される第一の部分で標識され、該供与体部
分が励起されると1種以上の特定の波長のエネルギーを
放出し、かつ該受容体部分は供与体部分によって放出さ
れた1種以上の特定の波長でエネルギーを吸収する第一
のヌクレオチド配列、 (ii)3〜20ヌクレオチドの第二の一本鎖ヌクレオチド配
列、 (iii)6〜30ヌクレオチドの第三のヌクレオチド配列であ
って、第三のヌクレオチド配列内のヌクレオチドが、供
与体部分および受容体部分からなる群より選択される第
二の部分で標識され、かつ該第二の部分が第一のヌクレ
オチド配列を標識したものでない群のメンバーであり、
供与体部分が励起されてエネルギーを放出すると受容体
部分が供与体部分によって放出されたエネルギーを吸収
するように、第一の部分および第二の部分が十分に近位
に存在するよう、この第三のヌクレオチド配列が、第一
ヌクレオチド配列と第三のヌクレオチド配列との間に二
重らせんを形成できるように第一のヌクレオチド配列と
逆方向に十分に相補的である第三のヌクレオチド配列、
ならびに (iv)第一のプライマーの3'末端に位置する、テロメラー
ゼの基質である配列をその3'末端に含む8〜40ヌクレオ
チドの第四の一本鎖ヌクレオチド配列であって、第二の
プライマーが、テロメラーゼの活性に起因するテロメア
リピートとハイブリダイズするのに十分相補的な配列を
その3'末端に含む、第四のヌクレオチド配列; (b)試料をテロメラーゼ活性に適した条件に供する段
階; (c)DNA合成をプライミングするために、第一および第二
のプライマーに適した条件下で核酸増幅反応を実施する
段階; (d)供与体部分からのエネルギー放出を刺激する段階; (e)エネルギーの存在又は量が試料中のテロメラーゼ活
性の存在または量を示す、供与体部分または受容体部分
によって放出されたエネルギーを検出または測定する段
階。 - 【請求項13】 標的ヌクレオチド配列を検出するために
プライマーとして使用するオリゴヌクレオチドであっ
て、(a)標的配列に隣接する配列と相補的な第一のヌク
レオチド配列と、(b)第一の配列の5'末端の第二のヌク
レオチド配列と、(c)第二の配列の5'末端の第三のヌク
レオチド配列と、(d)第三の配列の5'末端の第四のヌク
レオチド配列であって、第二の配列と相補的であり、そ
の結果二本鎖二重らせんを形成する第四の配列と、(e)
二重らせんの鎖が分離される場合に、検出可能なシグナ
ルを放出する手段とを含むオリゴヌクレオチド。 - 【請求項14】 シグナル放出手段が、互いにオリゴヌク
レオチドに結合し、かつ二重らせんの鎖が分離された場
合にのみシグナルが検出可能であるように間隔があいて
いる、エネルギー供与体部分とエネルギー受容体部分と
を含む、請求項13記載のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項15】 エネルギー供与体部分がフルオロフォア
であり、エネルギー受容体部分がフルオロフォアの消光
剤である、請求項14記載のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項16】 エネルギー供与体部分およびエネルギー
受容体部分が約15〜20ヌクレオチドの範囲の距離で隔て
られている、請求項14記載のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項17】 受容体部分が、供与体部分によって放出
されるものとは異なる波長で蛍光を放出するフルオロフ
ォアである、請求項14記載のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項18】 標的ヌクレオチド配列が、ゲノムDNA、c
DNA、mRNAおよび化学的に合成されたDNAからなる群より
選択される、請求項13記載のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項19】 標的ヌクレオチド配列が感染性疾患因子
の配列である、請求項13記載のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項20】 標的ヌクレオチド配列が野生型ヒトゲノ
ム配列であり、その変異がヒト疾患または障害の存在に
関与する、請求項13記載のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項21】 供与体部分が、フルオレセイン、5-カル
ボキシフルオレセイン(FAM)、ローダミン、5-(2'-アミ
ノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS)、ア
ントラニルアミド、クマリン、テルビウムキレート誘導
体、およびリアクティブレッド4からなる群より選択さ
れ;且つ、受容体部分が、DABCYL、ローダミン、テトラ
メチルローダミン、酪酸ピレン、エオジンニトロチロシ
ン、エチジウム、フルオレセイン、マラカイトグリー
ン、およびテキサスレッドからなる群より選択される、
請求項14記載のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項22】 供与体部分が、フルオレセインまたはそ
の誘導体であり、受容体部分がDABCYLである、請求項21
記載のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項23】 第一または第三のヌクレオチド配列が、
制限エンドヌクレアーゼ認識部位をさらに含む、請求項
13記載のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項24】 エネルギー供与体部分およびエネルギー
受容体部分が二重らせん中で互いに対向する相補的ヌク
レオチド上に位置している、請求項14記載のオリゴヌク
レオチド。 - 【請求項25】 エネルギー供与体部分およびエネルギー
受容体部分が二重らせん中で5ヌクレオチド離れて対向
する鎖のヌクレオチド上に位置している、請求項14記載
のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項26】 (a)少なくとも一方が下記を含む、第一
および第二のオリゴヌクレオチドプライマー: (i)標的ヌクレオチド配列に隣接する配列と相補的な3'
ヌクレオチド配列、(ii)標的配列に隣接する配列と相補
的でない5'ヌクレオチド配列、ならびに(b)下記を含む
第三のオリゴヌクレオチドプライマー: (i)5'ヌクレオチド配列と同一の第一の配列、(ii)第一
の配列の5'末端の第二の配列、(iii)第二の配列の5'末
端の第三の核酸配列、(iv)第三の配列の5'末端の第四の
ヌクレオチド配列であって、第二の配列と相補的であり
二本鎖二重らせんを形成する第四の配列、および(v)二
重らせんの鎖が分離した時に検出可能なシグナルを放出
する手段を含む、標的ヌクレオチド配列を検出するため
に使用されるキット。 - 【請求項27】 (a)第一のオリゴヌクレオチドと、(b)第
二のオリゴヌクレオチドとを、一つ以上の容器に含むキ
ットであって、該第一および第二のオリゴヌクレオチド
が、予め選択された標的核酸配列を増幅するための核酸
増幅反応において使用されるプライマーであり、第一お
よび第二のオリゴヌクレオチドの少なくとも一方は請求
項13記載のオリゴヌクレオチドであるキット。 - 【請求項28】 増幅反応が、ポリメラーゼ連鎖反応、鎖
置換、トリアンプリフィケーション、およびNASBAから
なる群より選択される、請求項27記載のキット。 - 【請求項29】 第一および第二のオリゴヌクレオチドが
オリゴデオキシヌクレオチドである、請求項27記載のキ
ット。 - 【請求項30】 別の容器の中にDNAリガーゼをさらに含
む、請求項27記載のキット。 - 【請求項31】 第一または第二のオリゴヌクレオチドの
配列と相補的でありかつハイブリダイズ可能な配列を含
むブロッキングオリゴヌクレオチドをさらに含む、請求
項27記載のキット。 - 【請求項32】 (c)最適化された増幅反応用緩衝液、(d)
予め選択された標的配列を含む対照核酸、および(e)DNA
ポリメラーゼを、一つ以上の容器にさらに含む請求項27
記載のキット。 - 【請求項33】 (a)第一のオリゴヌクレオチド、および
(b)第二のオリゴヌクレオチドであって、第一および第
二のオリゴヌクレオチドが、予め選択された第一の標的
核酸配列を増幅するための核酸増幅反応において使用さ
れるプライマーであり、第一および第二のオリゴヌクレ
オチドの少なくとも一方は請求項15記載のオリゴヌクレ
オチドであるもの、(c)第三のオリゴヌクレオチド、お
よび(d)第四のオリゴヌクレオチドであって、第三およ
び第四のオリゴヌクレオチドが、予め選択された第二の
標的核酸配列を増幅するための核酸増幅反応において使
用されるプライマーであり、第三および第四のオリゴヌ
クレオチドの少なくとも一方は請求項15記載のオリゴヌ
クレオチドであるものを、一つ以上の容器に含むキット
であって、第一および第二のオリゴヌクレオチドの供与
体部分が、第三または第四のオリゴヌクレオチドの供与
体部分とは異なる波長の蛍光を放出するキット。 - 【請求項34】 以下の段階を含む、試料中の標的ヌクレ
オチド配列を増幅および検出する方法: (a)それぞれが標的ヌクレオチド配列と相補的なプライ
マー対を提供する段階であって、プライマー対の少なく
とも一方が請求項13記載の検出されるオリゴヌクレオチ
ドを含む段階、(b)標的ヌクレオチド配列を含む核酸の
鎖を分離する段階、(c)分離された核酸の対向鎖にプラ
イマー対をアニーリングする段階、(d)分離された核酸
の鎖に相補的な新規の核酸鎖を合成する段階、(e)これ
らの相補的鎖から新規鎖を分離する段階、および(f)段
階(c)から(e)を繰り返す段階であって、新規鎖の合成に
より、オリゴヌクレオチドの二重らせん鎖が分離され、
これにより放出されるべき検出可能なシグナルが生じる
段階。 - 【請求項35】 以下の段階を含む、核酸増幅反応の産物
を検出または測定する方法: (a)核酸を含む試料と、少なくとも2種のオリゴヌクレ
オチドプライマーとを接触させる段階であって、オリゴ
ヌクレオチドプライマーが増幅反応における使用に適
し、その結果予め選択された標的配列が試料中に存在す
る場合にはプライマーが増幅反応の増幅産物に組み込ま
れ、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマーは
請求項14記載のオリゴヌクレオチドである段階、(b)増
幅反応を実施する段階、(c)供与体部分からのエネルギ
ー放出を刺激する段階、および(d)受容体部分によって
放出されたエネルギーを検出または測定する段階。 - 【請求項36】 供与体部分がフルオロフォアである、請
求項35記載の方法。 - 【請求項37】 受容体部分がフルオロフォアによって放
出される光の消光剤である、請求項36記載の方法。 - 【請求項38】 受容体部分が供与体部分によって放出さ
れるものと異なる波長の蛍光を放出する、請求項36記載
の方法。 - 【請求項39】 予め選択された標的配列が、ゲノムDN
A、cDNA、およびmRNAからなる群より選択される、請求
項35記載の方法。 - 【請求項40】 供与体部分が、フルオレセイン、5-カル
ボキシフルオレセイン(FAM)、ローダミン、5-(2'-アミ
ノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS)、ア
ントラニルアミド、クマリン、テルビウムキレート誘導
体、およびリアクティブレッド4からなる群より選択さ
れ;且つ、受容体部分が、DABCYL、ローダミン、テトラ
メチルローダミン、酪酸ピレン、エオジンニトロチロシ
ン、エチジウム、マラカイトグリーン、フルオレセイ
ン、およびテキサスレッドからなる群より選択される、
請求項35記載の方法。 - 【請求項41】 供与体部分が、フルオレセインまたはそ
の誘導体であり、受容体部分がDABCYLである、請求項35
記載の方法。 - 【請求項42】 オリゴヌクレオチドがオリゴデオキシヌ
クレオチドである、請求項35記載の方法。 - 【請求項43】 供与体部分および受容体部分が二重らせ
ん内で互いに対向する相補的ヌクレオチド上に位置して
いる、請求項40記載の方法。 - 【請求項44】 供与体部分および受容体部分が二重らせ
ん内で5ヌクレオチド離れて対向鎖ヌクレオチド上に位
置している、請求項40記載の方法。 - 【請求項45】 オリゴヌクレオチドプライマーが多数の
異なるオリゴヌクレオチドを含み、各オリゴヌクレオチ
ドがその3'末端に異なる予め選択された標的配列に相補
的な配列を含み、これにより試料中に各々異なる標的配
列が存在する場合には異なるオリゴヌクレオチドが異な
る増幅産物に組み込まれ、各オリゴヌクレオチドは他の
供与体部分によって放出される波長とは異なる光を放出
する供与体部分で標識され、かつ該方法の段階(d)にお
いて供与体部分の各々によって放出された光を検出また
は測定する段階を含む、請求項40記載の方法。 - 【請求項46】 増幅反応が、ポリメラーゼ連鎖反応、対
立遺伝子特異的ポリメラーゼ連鎖反応、トリアンプリフ
ィケーション、鎖置換、およびNASBAからなる群より選
択される、請求項40記載の方法。 - 【請求項47】 実施段階の前に、核酸を、試料中の非メ
チル化シトシンをウラシルに転換するのに十分量の亜硫
酸水素塩と接触させる段階をさらに含む、請求項35記載
の方法。
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