JP2003299489A - 核酸構築物 - Google Patents

核酸構築物

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JP2003299489A
JP2003299489A JP2003030680A JP2003030680A JP2003299489A JP 2003299489 A JP2003299489 A JP 2003299489A JP 2003030680 A JP2003030680 A JP 2003030680A JP 2003030680 A JP2003030680 A JP 2003030680A JP 2003299489 A JP2003299489 A JP 2003299489A
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Naoto Nemoto
直人 根本
Toru Sasaki
亨 佐々木
Yoshikazu Shiratori
美和 白鳥
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 煩雑な操作をすることなくin vitro virus g
enomeにタグを付けmRNA側でin vitro virus virion
の精製に有用で、かつmRNAを支持体に固定化してプロテ
インチップ作成する際においても有用な技術を提供する
こと。 【解決手段】 一本鎖RNAの3'末端側の配列とアニ
ーリングすることができる一本鎖DNA配列を3'末端
側に含み、該一本鎖DNA配列が、その3'末端に、該
一本鎖RNAの逆転写のためのプライマー配列を有し、
かつ核酸誘導体を末端に有するスペーサー配列が枝分か
れした状態で結合しており、該一本鎖DNA配列の5'
末端側に親和性物質が結合している、一本鎖RNAとそ
れがコードするタンパク質との複合体を作製するための
核酸構築物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸とタンパク質
との複合体の作製のために使用する核酸構築物に関す
る。より詳細には、本発明は、標的mRNAと結合させ
た後に翻訳することにより、該標的mRNAとそれがコ
ードするタンパク質との複合体を作製させることができ
る核酸構築物に関する。本発明はさらに、該核酸構築物
を用いて作製された、RNA−DNA結合体、並びに核
酸とタンパク質との複合体にも関する。
【0002】
【従来の技術】1990年に開発されたファージディス
プレイ法(例えば、非特許文献1参照)は、様々なタン
パク質を大腸菌ファージ表面に提示して特定のターゲッ
ト分子に特異的に結合するタンパク質を迅速に見い出す
ことができる進化分子工学的手法の一つである。ファー
ジディスプレイ法の実用化により、この手法を利用して
様々な応用が始まった。また、大腸菌等の細胞表面の膜
タンパク質を利用してこのようなランダムな配列のペプ
チドを提示し、機能ペプチドを取得する方法も開発され
た(例えば、非特許文献2参照)。これらの方法はいず
れも機能ペプチドを取得する有効な方法であるが、生細
胞を用いるため、提示するペプチド配列に片寄りが生じ
るなどの問題点も有している。
【0003】一方、1997年に開発されたin vitro v
irus法は、無細胞翻訳系中においてmRNAとそれによ
りコードされたタンパク質をmRNAの3’末端側にピ
ューロマイシン付スペーサを介して連結させる方法であ
る(例えば、非特許文献3および4参照)。このように
して作成されたmRNAとタンパク質との複合体(以
下、これを単に「RNA−タンパク質複合体」と称する
ことがある)では、無細胞翻訳系でタンパク質を発現さ
せるために、生細胞を用いた場合に問題となる配列の片
寄りが生じにくく、また、1回でスクリーニングするラ
イブラリーサイズが大きいという利点を有する。しかし
ながら、下記するような幾つかの問題点も有している。
【0004】ファージディスプレイ法又は大腸菌の表面
にペプチド等を提示する方法の場合には、培地中からの
タンパク質又はペプチドの精製が容易であるが、無細胞
翻訳系は細胞を破砕した中からの抽出物であるため、R
NA分解酵素やDNA分解酵素等のような夾雑物の含有
量が極めて多い。また、in vitro virus法で作製される
in vitro virus virionは、核酸とタンパク質が結合し
た形態であるが、このうちの核酸部分は遺伝子情報をコ
ードしているため分解されることで大きなダメージを受
ける。従って、in vitro virus法では、in vitro virus
virion(核酸とタンパク質の複合体)を無細胞翻訳系
から迅速に分離することが重要な課題である。また、in
vitro virus virionのmRNAはなるべく早くDNA
に転化して分解されにくくすることが望ましい。しか
し、無細胞翻訳系の中での逆転写は困難であるため、無
細胞翻訳系からin vitro virus virionを迅速に分離す
ることが望ましい。
【0005】従来のin vitro virus virionの精製技術
としては大きく2つに分けることができる。一つは、po
ly Aを含むpuromycinスペーサを利用してoligo dTで精
製する方法(例えば、非特許文献5参照)であり(図1
の(1)を参照)、もう一つは、遺伝子の両端にFLAGと
His×6タグを連結させておき翻訳後、FLAG抗体及びNi-
NTAカラムで精製するやり方である(例えば、非特許文
献6参照)(図1の(2)を参照)。これらのスペーサ
によって精製は可能であるが、in vitro virusvirionを
安定化するために逆転写することが難しい。
【0006】そこで、逆転写可能なT型のpuromycinスペ
ーサが提案された(例えば、非特許文献7参照)(図1
の(3)を参照)。このようなT型のpuromycinスペーサ
を用いることにより、逆転写が可能になりin vitro vir
us virionをDNA化して安定化することができる。し
かし、この場合、精製に際し、図1の(1)の場合のよ
うにスペーサを用いて精製することができない。また、
図1の(2)の場合のようにタンパク質側で精製するこ
とは可能であるが、mRNAにアフィニティータグをコ
ードさせることが必要になる。
【0007】
【非特許文献1】Scott JK &Smith GP, (1990) Scienc
e, 249; 386-390
【非特許文献2】Lu, Z. et al. (1995) Bio/Technolog
y 13: 366-372
【非特許文献3】Nemoto, N. et al. (1997) FEBS Let
t. 414, 405-408
【非特許文献4】Roberts, R. W. et al (1997) Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 94, 12297-12302
【非特許文献5】RW Roberts & JW Szostack (1997) Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA, 94, 12297-12302
【非特許文献6】AD Keefe & JW Szostak, (2001) Natu
re, 410, 715-718
【非特許文献7】I Tabuchi, et al. (2001) FEBS let
t. 508(3); 309-312
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とし
た。即ち、本発明は、煩雑な操作をすることなくin vit
ro virus genomeに親和性物質を付け、in vitro virus
virionの精製に有用で、かつ支持体に固定化してプロテ
インチップを作成する際においても有用な技術を提供す
ることを解決すべき課題とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、一本鎖RNAの3’
末端側の配列とアニーリングすることができる一本鎖D
NA配列が、その3’末端に、該一本鎖RNAの逆転写
のためのプライマー配列を有し、かつ核酸誘導体を末端
に有するスペーサー配列が枝分かれした状態で結合した
T字型の構造を有する核酸構築物(以下、T-スペーサー
とも称する)において、5’末端側に親和性物質と制限
酵素認識部位を導入したT-スペーサーを用いることによ
り、親和性物質が付加した一本鎖RNAとそれがコード
するタンパク質との複合体を簡単に作製でき、かつ該親
和性物質を利用して簡単に精製できることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明によれば、一本鎖RNAの
3’末端側の配列とアニーリングすることができる一本
鎖DNA配列を3’末端側に含み、該一本鎖DNA配列
が、その3’末端に、該一本鎖RNAの逆転写のための
プライマー配列を有し、かつ核酸誘導体を末端に有する
スペーサー配列が枝分かれした状態で結合しており、該
一本鎖DNA配列の5’末端側に親和性物質が結合して
いる、一本鎖RNAとそれがコードするタンパク質との
複合体を作製するための核酸構築物が提供される。好ま
しくは、該一本鎖DNA配列の5’末端側に制限酵素認
識部位が存在する。
【0011】本発明の第一の好ましい態様によれば、一
本鎖RNAの3’末端側の配列とアニーリングすること
ができる一本鎖DNA配列を3’末端側に含む、一本鎖
RNAとそれがコードするタンパク質との複合体を作製
するための核酸構築物において、(1)該一本鎖DNA
配列が、その3’末端に、該一本鎖RNAの逆転写のた
めのプライマー配列を有し、かつ核酸誘導体を末端に有
するスペーサー配列が枝分かれした状態で結合してお
り、(2)該核酸構築物において該一本鎖RNAとアニ
ーリングしない5’末端側は、ループ領域を介して互い
に相補的な二本鎖配列を形成しており、(3)該ループ
領域に親和性物質が結合している、ことを特徴とする上
記の核酸構築物が提供される。
【0012】本発明の第二の好ましい態様によれば、一
本鎖RNAの3’末端側の配列とアニーリングすること
ができる一本鎖DNA配列を3’末端側に含む、一本鎖
RNAとそれがコードするタンパク質との複合体を作製
するための核酸構築物において、(1)該一本鎖DNA
配列が、その3’末端に、該一本鎖RNAの逆転写のた
めのプライマー配列を有し、かつ核酸誘導体を末端に有
するスペーサー配列が枝分かれした状態で結合してお
り、(2)該核酸構築物において該一本鎖RNAとアニ
ーリングしない5’末端側は、相補DNA鎖と化学的に
結合して互いに相補的な二本鎖配列を形成しており、
(3)該相補DNA鎖の3’末端に親和性物質が結合し
ている、ことを特徴とする上記の核酸構築物が提供され
る。
【0013】好ましくは、上記の二本鎖配列中には制限
酵素認識部位が存在する。好ましくは、核酸誘導体は、
ピューロマイシン、3’-N-アミノアシルピューロマイシ
ンアミノヌクレオシド、3’-N-アミノアシルアデノシン
アミノヌクレオシドの化学構造骨格を含む化合物又はそ
れらの類縁体である。好ましくは、スペーサーはポリエ
チレン又はポリエチレングリコールなどの高分子であ
る。好ましくは、親和性物質はビオチン又はポリA配列
である。
【0014】本発明の別の側面によれば、上記した核酸
構築物と一本鎖RNAとをアニーリングさせ、該核酸構
築物の二本鎖領域の5’末端と一本鎖RNAの3’末端
とをライゲーションさせることを含む、RNA−DNA
結合体の作製方法が提供される。好ましくは、ライゲー
ションはT4RNAリガーゼを用いて行なう。好ましく
は、一本鎖RNAはmRNA又はmRNAライブラリー
である。好ましくは、一本鎖RNAは、(1)プロモー
ター配列、(2)翻訳の際にリボソームによって認識さ
れるDNA配列、及び(3)目的タンパク質をコードす
る配列を有する。
【0015】本発明のさらに別の側面によれば、上記方
法により得られるRNA−DNA結合体、並びに該RN
A−DNA結合体を支持体上に固定化したチップが提供
される。本発明のさらに別の側面によれば、上記方法に
より得られるRNA−DNA結合体を逆転写反応に付し
てDNA結合体を製造する方法、上記方法により得られ
るDNA結合体、並びに該DNA結合体を支持体上に固
定化したチップが提供される。本発明のさらに別の側面
によれば、上記のRNA−DNA結合体をタンパク質翻
訳系に導入してRNAをタンパク質に翻訳することを特
徴とする、RNAと該RNAによりコードされるタンパ
ク質から成るRNA−タンパク質複合体の製造方法が提
供される。好ましくは、翻訳は無細胞翻訳系で行なう。
【0016】本発明のさらに別の側面によれば、上記の
RNA−DNA結合体をタンパク質翻訳系に導入してR
NAをタンパク質に翻訳することにより得られる、RN
Aと該RNAによりコードされるタンパク質から成るR
NA−タンパク質複合体、並びに該RNA−タンパク質
複合体を支持体上に固定化したチップが提供される。本
発明のさらに別の側面によれば、上記のRNA−タンパ
ク質複合体を逆転写反応に付することを特徴とする、核
酸と核酸によりコードされるタンパク質から成る核酸−
タンパク質複合体の製造方法、該製造方法により得られ
る核酸−タンパク質複合体、並びに、該核酸−タンパク
質複合体を支持体上に固定化したチップが提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
てより詳細に説明する。 (1)本発明の核酸構築物 本発明の核酸構築物は、一本鎖RNAとそれがコードす
るタンパク質との複合体又は核酸−タンパク質複合体を
作製するために使用するものであり、その構造は、一本
鎖RNAの3’末端側の配列とアニーリングすることが
できる一本鎖DNA配列を3’末端側に含み、該一本鎖
DNA配列の3’末端に、該一本鎖RNAの逆転写のた
めのプライマー配列を有し、さらに核酸誘導体を末端に
有するスペーサーが該一本鎖DNAのいずれかに枝分か
れした状態で結合しており、該一本鎖DNA配列の5’
末端側に親和性物質が結合していることを特徴とする。
親和性物質は、RNA−タンパク質複合体又は核酸−タ
ンパク質複合体を固相に結合させるためや、精製を行な
うために用いられる。
【0018】本発明の核酸構築物の一例の模式図を図2
に示す。図2に示す核酸構築物は、固定化したRNA−
タンパク質複合体又は核酸−タンパク質複合体(以下、
これらを「in vitro virus virion」と称することがあ
る。)を親和性物質を介して結合している固相(支持
体)上から切り離すための制限酵素認識部位をもつ2本
鎖DNAと、親和性物質としてビオチンまたはpoly Aを
有している。なお、図2は、該核酸構築物に一本鎖RN
A(mRNA)をアニーリングさせた状態を示してい
る。
【0019】親和性物質をin vitro virus virionの精
製に用いる例としては、親和性物質としてpolyAを用い
る場合、dTカラムによって精製する方法や、親和性物質
としてHis-tagを用いる場合はNiを用いて精製する方
法、並びに親和性物質としてFLAGペプチドを用いる場合
はこの抗体を用いて精製する方法などがある。
【0020】本発明の核酸構築物の具体例の構造を図3
に示す。一本鎖DNA配列の5’末端側の構造として
は、一本鎖DNA配列がループ領域を介して互いに相補
的な二本鎖配列を形成しており、該ループ領域に親和性
物質が結合しており、該二本鎖配列中に制限酵素認識部
位が存在している構造(図3のT-splint1FB、T-splint4
FB)、あるいは、相補DNA鎖と化学的に結合して互い
に相補的な二本鎖配列を形成しており、該相補DNA鎖
の3’末端に親和性物質が結合しており、該二本鎖配列
中に制限酵素認識部位が存在している構造(図3のT-sp
lint3FB、T-splint3FA、T-splint6FB、T-splint6FA)な
どが挙げられる。
【0021】なおここで言う「化学的に結合」の具体例
としては、Psoralenを有する核酸と別の核酸とを混合し
て、紫外線を照射することによって両核酸を化学的に結
合する場合、架橋剤により結合する場合、RNAリガー
ゼなどによって結合する場合、あるいは前述のY−ライ
ゲーションによって結合する場合などが挙げられる。架
橋剤として具体的には、N−(6−マレイミドカプロイ
ルオキシ)スクシイミド等の2価性試薬が挙げられる。
【0022】以下、本発明の核酸構築物の各構成要素に
ついて説明する。 (RNAに相補的な一本鎖DNA配列)本発明の核酸構
築物は、一本鎖RNAの3’末端側の配列とアニーリン
グすることができる一本鎖DNA配列を3’末端側に含
む。これにより、本発明では、互いに相補的な配列を有
する一本鎖RNAと一本鎖DNAとを好適な条件下でア
ニーリングすることにより両者をアニーリングさせ、次
いで、RNAリガーゼで処理することにより両者を効率
よく連結することができる。
【0023】一本鎖RNAの3’末端側の配列とアニー
リングすることができる一本鎖DNA配列とは、互いに
アニーリングすることができる配列であり、RNA配列
に相補的な配列を有するDNA配列を言う。このような
相補的な配列の長さは、両鎖がアニーリングすることが
できるのに十分な長さであれば特に限定されないが、一
般的には10から50塩基、より好ましくは10から3
0塩基程度である。本発明で用いる一本鎖DNAとして
は、天然由来のDNAから作成した一本鎖DNAでもよ
いし、遺伝子組換え技術により作成した一本鎖DNAで
もよいし、化学合成により作成した一本鎖DNAでもよ
い。
【0024】また、一本鎖DNAの構成要素である核酸
の全てがデオキシリボヌクレオチドである必要はなく、
その一部のみがDNAタイプであるものでもよく、それ
以外の領域は、リボヌクレオチド(2’−O−メチルリ
ボヌクレオチドなどのRNAタイプ)でもデオキシリボ
ヌクレオチド誘導体でもPNAタイプでもよい。また、
ペプチドや糖などが結合したものでもよい。本発明で用
いる一本鎖DNAの長さは、特に限定されないが、一般
的には、数塩基から数百塩基程度であり、例えば10塩
基から500塩基程度であり、より好ましくは20塩基
から200塩基程度である。
【0025】(プライマー配列)本発明の核酸構築物の
一本鎖DNA配列の3’末端には、RNAの逆転写のた
めのプライマー配列が結合している。本明細書で言う
「一本鎖RNAの逆転写のためのプライマー配列」と
は、核酸構築物(T-スペーサー)と一本鎖RNAとのラ
イゲーションにより得られる核酸構築物を逆転写反応系
に導入した場合に、逆転写反応を開始するためのプライ
マー配列として作用する塩基配列を意味し、一般的に
は、一本鎖RNAの配列と相補的な配列から構成される
ことが好ましい。
【0026】このようなRNAの逆転写のためのプライ
マーを有することにより、本発明の核酸構築物を用いれ
ばRNA−タンパク質複合体のRNAのDNA化も容易
に可能である。即ち、本発明の核酸構築物は、逆転写プ
ライマーの役割も持つため、in vitro virus virionを
カラム等の固相に固定化するなどしてバッファー交換
後、ただちに逆転写してRNAをDNA化し、in vitro
virus virionを安定化することができる。従来のin vi
tro virus virionではタンパク質翻訳系の反応液中から
精製できず、しかも外から添加した逆転写プライマーを
一本鎖RNAにハイブリダイゼーションさせるために温
度を上げることが必要であったが、これは連結させたタ
ンパク質を変性させる可能性があり大きな問題となって
いた。本発明の核酸構築物ではこのような問題がなく、
in vitro virus virionのDNA化による安定化が容易
である。
【0027】(核酸誘導体を末端に有するスペーサー)
本発明の核酸構築物の一本鎖DNA配列には、核酸誘導
体を末端に有するスペーサーが、枝分かれした状態で結
合している。このような一本鎖DNAの誘導体を使用し
て無細胞タンパク質翻訳系又は生細胞中でタンパク質の
翻訳を行った場合、2本鎖でリボソームを止め、核酸誘
導体(例えば、ピューロマイシンなど)がリボソームの
Aサイトに入れることによりタンパク質と結合させるこ
とができる。
【0028】この核酸誘導体としては、無細胞タンパク
質翻訳系又は生細胞中でタンパク質の翻訳が行われた時
に、合成されたタンパク質のC末端に結合する能力を有
する化合物である限り限定されないが、その3’末端が
アミノアシルtRNAに化学構造骨格が類似しているものを
選択することができる。代表的な化合物として、アミド
結合を有するピューロマイシン(Puromycin)、3’-N-
アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシド(3'
-N-Aminoacylpuromycin aminonucleoside 、 PANS-アミ
ノ酸)、たとえば、アミノ酸部がグリシンのPANS-Gly、
アミノ酸部がバリンのPANS-Val、アミノ酸部がアラニン
のPANS-Ala、その他、アミノ酸部が全ての各アミノ酸に
対応するPANS−アミノ酸化合物が挙げられる。
【0029】また、3’−アミノアデノシンのアミノ基
とアミノ酸のカルボキシル基が脱水縮合して形成される
アミド結合で連結した3’-N-アミノアシルアデノシン
アミノヌクレオシド(3'-Aminoacyladenosine aminonuc
leoside, AANS-アミノ酸)、たとえば、アミノ酸部がグ
リシンのAANS-Gly、アミノ酸部がバリンのAANS-Val、ア
ミノ酸部がアラニンのAANS-Ala、その他、アミノ酸部が
全アミノ酸の各アミノ酸に対応するAANS-アミノ酸化合
物を使用できる。
【0030】また、ヌクレオシドあるいはヌクレオシド
とアミノ酸のエステル結合したものなども使用できる。
さらにまた、核酸あるいは核酸に類似した化学構造骨格
及び塩基を有する物質と、アミノ酸に類似した化学構造
骨格を有する物質とを化学的に結合した化合物は、すべ
て本発明で用いられる核酸誘導体に含まれる。
【0031】核酸誘導体としては、ピューロマイシン、
PANS−アミノ酸もしくはAANS−アミノ酸がリン
酸基を介してヌクレオシドと結合している化合物がより
好ましい。これらの化合物の中でピューロマイシン、リ
ボシチジルピューロマイシン、デオキシシチジルピュー
ロマイシン、デオキシウリジルピューロマイシンなどの
ピューロマイシン誘導体が特に好ましい。
【0032】本発明では、核酸誘導体はスペーサーを介
して一本鎖DNAに結合している。スペーサーとして
は、ポリエチレン又はポリエチレングリコールあるいは
その誘導体などの高分子物質や、オリゴヌクレオチドや
ペプチドあるいはその誘導体などの生体高分子物質等が
用いられ、好ましくはポリエチレングリコールが用いら
れる。スペーサーの長さは特に限定されないが、好まし
くは、分子量150〜6000であるか、または主鎖の
原子数は10原子から400原子であり、さらに好まし
くは、分子量600〜3000であるか、または主鎖の
原子数が40原子から200原子である。
【0033】上記したような核酸誘導体は、それ自体既
知の化学結合方法によって製造することができる。具体
的には、リン酸ジエステル結合で合成ユニットを結合さ
せる場合は、DNA合成機に一般的に用いられているホ
スホアミダイド法などにより固相合成で合成することが
可能である。ペプチド結合を導入する場合は、活性エス
テル法などにより合成ユニットを結合させるが、DNA
との複合体を合成する場合は、両方の合成法に対応が可
能な保護基が必要になる。
【0034】(制限酵素認識部位)本発明の核酸構築物
の好ましい態様においては、5’末端側には、制限酵素
認識部位が存在する。5’末端側とは親和性物質に隣接
する位置を意味する。制限酵素認識部位は通常は、DNA
の2本鎖から構成される。このような制限酵素認識部位
を導入することにより、in vitro virus virionを親和
性物質から切り離すことができる。例えば、in vitro v
irus virionを親和性物質を介して固相に結合させてい
る場合、in vitro virus virionを固相(支持体)上か
ら切り離すことが可能になる。即ち、親和性物質同士
(例えば、ビオチン−ストレプトアビジンなど)の結合
等により支持体に強く結合したin vitro virus virion
を37℃という温和な条件下で制限酵素によって切り離
し精製することができる。制限酵素認識部位の配列は特
に限定されず、PvuIIなど任意の制限酵素認識配列を使
用することができる。
【0035】(親和性物質)本発明の核酸構築物には、
親和性物質が結合している。親和性物質を導入すること
により、本発明の核酸構築物を作成したin vitro virus
virion並びにそれを用いて作成した各種核酸構築物を
固相(支持体)に容易に結合させることができる。親和
性物質の種類は特に限定されないが、例えば、ビオチ
ン、ポリA、各種の抗原又は抗体、FLAG、Hisタグなど
が挙げられる。親和性物質は核酸構築物に上記したよう
なスペーサーを介して結合していてもよい。
【0036】(2)RNA−DNA結合体とその製造 本発明によれば、上記(1)に記載した核酸構築物と一
本鎖RNAとをアニーリングさせ、該核酸構築物の二本
鎖領域の5’末端と一本鎖RNAの3’末端とをライゲ
ーションさせることを特徴とする、RNA−DNA結合
体の製造方法、並びに当該製造方法により製造されるR
NA−DNA結合体が提供される。
【0037】本発明では、互いに相補的な配列を有する
一本鎖RNAと一本鎖DNAとを好適な条件下でアニー
リングすることにより両者をアニーリングさせ、次い
で、RNAリガーゼで処理することにより両者を効率よ
く連結することができる。本発明の方法では先ず、上記
した互いに相補的な配列を有する一本鎖RNAと本発明
の核酸構築物とをアニーリングさせる。アニーリングは
上記した2種の核酸を適当な緩衝液(以後の操作の便宜
上から言うと、RNAリガーゼ用の緩衝液が好ましい)
に溶解し、高温から段階的に低温にすることにより行な
うことができる。このような温度変化はPCR装置など
を用いて行なうこともできる。アニーリング条件の一例
としては、94℃から25℃まで10分かけて冷却する
という条件が挙げられるが、これは一例にすぎず、温度
および時間は適宜変更することができる。アニーリング
の条件(緩衝液の組成、アニーリング温度、及びアニー
リング時間など)は、アニーリング配列の長さや塩基組
成などに応じて適宜設定することができる。
【0038】アニーリング反応における一本鎖RNA
と、核酸構築物とのモル比はアニーリング反応が進行す
る限り、特に限定されないが、反応効率の観点からは、
1:1〜1:2.5程度であることが好ましい。
【0039】一本鎖RNAと核酸構築物とのアニーリン
グ後、アニーリング産物では、一本鎖RNAの3’末端
と核酸構築物の5’末端とが連結される。この連結は、
一本鎖RNAの3’末端と核酸構築物の5’末端とが連
結すればいずれの方法によってもよいが、例えば、RN
Aリガーゼ、架橋剤等、上述の「科学的結合」を行う具
体例に挙げた方法等を用いることができる。本発明で用
いるRNAリガーゼは2つの一本鎖核酸同士を連結でき
るものであればよく、好ましくはT4RNAリガーゼを
使用できる。
【0040】なお、アニーリングの際の溶液としてRN
Aリガーゼの緩衝液として適当なものを使用した場合に
は、アニーリング生成物を含む溶液をそのままリガーゼ
反応に使用することができ、そうでない場合には、アニ
ーリング生成物を通常の核酸精製方法により回収した
後、RNAリガーゼ用の緩衝液に溶解してリガーゼ反応
用の溶液を調製する。
【0041】連結反応(リガーゼ反応)の条件は、使用
するRNAリガーゼの活性が発揮される条件であればよ
く、例えば、好適な緩衝液(例えば、T4 RNA ligase bu
ffer(50mM Tris-HCl, pH7.5, 10mM MgCl2, 10mM DTT, 1
mM ATP)など)中で、25℃の温度一定で反応させた
り、あるいは25℃で30分間と45℃で2分間のサイ
クルを反復した後に25℃で30分間反応させたりする
ことができる。ここに示した温度及び反応時間は一例に
過ぎず反応効率が高くなるように適宜設定変更すること
ができる。
【0042】反応後にエタノール沈殿などの常法により
反応生成物を精製することにより、RNA−DNA結合
体を得ることができる。このようにして得られるRNA
−DNA結合体自体も本発明の範囲内である。
【0043】本発明で用いる一本鎖RNAの種類は特に
限定されず、天然の組織又は細胞由来のRNAでも、D
NAからインビトロで発現させたRNAでもよい。ま
た、一本鎖RNAの構成要素である核酸の全てがリボヌ
クレオチドである必要はなく、その一部のみがRNAタ
イプであるものでもよく、それ以外の領域は、リボヌク
レオチド誘導体でもデオキシリボヌクレオチドタイプで
もPNAタイプでもよい。また、ペプチドでも糖などが
結合したものでもよい。
【0044】本発明で用いる一本鎖RNAの長さは、連
結反応が可能である限り、特に限定されない。一般的に
は、一本鎖RNAの長さは、数十塩基から数十キロ塩基
程度であり、例えば10塩基から50,000塩基程度
であり、より好ましくは20塩基から10,000塩基
程度である。
【0045】本発明で用いる一本鎖RNAは、タンパク
質をコードする配列を含むことが好ましく、具体的には
mRNA又はmRNAライブラリーであることが好まし
い。本発明の方法で得られるRNA−DNA連結体を転
写翻訳系に導入するような場合には、連結すべき一本鎖
RNAは、(1)プロモーター配列、(2)翻訳の際に
リボソームによって認識されるDNA配列、及び(3)
目的タンパク質をコードする配列が含まれていることが
好ましい。さらに、FLAG、Hisタグ等のタグをコ
ードする配列、あるいはPCRにより増幅するための共
通配列を含むこともできる。
【0046】プロモーター配列の種類は、適用する発現
系に適したものを適宜選択すればよく特に限定されな
い。例えば、大腸菌ウイルスT7のRNA polymeraseによっ
て認識されるT7プロモーター配列、SP6プロモーター
配列などが挙げられる。
【0047】翻訳の際にリボソームによって認識される
DNA配列としては、翻訳の際に真核細胞のリボソーム
によって認識されるRNA配列(Kozak配列)に対応す
るDNA配列や原核細胞のリボソームによって認識され
るシャイン・ダルガノ配列(Shine-Dalgarno)、オメガ
配列等のtabacco mosaic virusのリボソームによって認
識される配列、rabbitβ−globlin、Xenopusβ-globlin
あるいはbromo mosaic virusのリボゾーム認識領域な
どが挙げられる。目的タンパク質をコードする配列の種
類は特に限定されず、目的に応じて適宜選択できる。
【0048】(3)RNA−タンパク質複合体とその製
造 さらに、本発明によれば、上記(2)に記載のRNA−
DNA結合体をタンパク質翻訳系に導入して一本鎖RN
Aをタンパク質に翻訳することを特徴とする、RNAと
該RNAによりコードされるタンパク質から成るRNA
−タンパク質複合体の製造方法、並びに当該製造方法に
より製造されるRNA−タンパク質複合体が提供され
る。
【0049】核酸からそれがコードするタンパク質を人
工的に生成させるための転写翻訳系は当業者に公知であ
る。具体的には、適当な細胞よりタンパク質合成能を有
する成分を抽出し、その抽出液を用いて目的のタンパク
質を合成させる無細胞タンパク質合成系が挙げられる。
このような無細胞タンパク質合成系には、リボゾ−ム、
開始因子、伸長因子及びtRNA等の転写・翻訳系に必
要な要素が含まれている。
【0050】このような無細胞タンパク質合成系(細胞
溶解物由来の系)としては、原核又は真核生物の抽出物
により構成される無細胞翻訳系が挙げられ、例えば大腸
菌、ウサギ網状赤血球抽出液、小麦胚芽抽出液などが使
用できるが、DNA又はRNAから目的とするタンパク
質を産生するものであればいずれでもよい。また、無細
胞翻訳系はキットとして市販されているものを使用する
ことができ、例えば、ウサギ網状赤血球抽出液 (Rabbit
Reticulocyte Lysate Systems, Nuclease Treated, Pr
omega)や小麦胚芽抽出液 (PRETEIOS, TOYOBO;Wheat Ge
rm Extract, Promega)などが挙げられる。
【0051】タンパク質翻訳系としては、生細胞を使用
してもよく、具体的には、原核又は真核生物、例えば大
腸菌の細胞などが使用できる。無細胞翻訳系又は生細胞
などは、その中にタンパク質をコードする核酸を添加又
は導入することによってタンパク質合成が行われるもの
である限り制限されない。本発明では、RNA−DNA
連結体を上記したような転写翻訳系に導入して一本鎖R
NAをタンパク質に翻訳した後、リボゾームを除去する
ことによって、RNAと該RNAによりコードされるタ
ンパク質から成るRNA−タンパク質複合体を製造する
ことができる。
【0052】(4)逆転写反応とその産物 本発明によれば、上記(2)に記載のRNA−DNA結
合体または上記(3)に記載のRNA−タンパク質複合
体を逆転写反応に付することを特徴とする、核酸−タン
パク質複合体の製造方法、並びに当該製造方法により製
造される核酸−タンパク質複合体が提供される。RNA
部分を含む核酸を逆転写酵素で処理することにより、R
NAからDNAへの逆転写が起こり、RNA部分の塩基
配列をDNAに転換することができる。逆転写反応に必
要な試薬及び反応条件は当業者に周知であり、必要に応
じて適宜選択することができる。
【0053】即ち、RNAと該RNAによりコードされ
るタンパク質から成るRNA−タンパク質複合体を逆転
写酵素で処理することにより、RNAからDNAへの逆
転写が起こり、RNAとDNAおよび該RNAとDNA
によりコードされるタンパク質から成るRNA−DNA
−タンパク質複合体が製造されることになる。さらに得
られたRNA−DNA−タンパク質複合体のRNAをR
NA分解酵素などを用いて分解することによればDNA
−タンパク質複合体が製造される。本明細書では、上記
RNA−DNA−タンパク質複合体およびDNA−タン
パク質複合体をあわせて「核酸−タンパク質複合体」と
称することがある。
【0054】(5)本発明の核酸構築物を用いて作製し
た核酸含有産物を固定化したチップ 本発明によれば、上記(2)に記載のRNA−DNA結
合体、上記(3)に記載のRNA−タンパク質複合体、
並びに上記(4)に記載の核酸−タンパク質複合体を支
持体上に固定化したチップが提供される。本発明の核酸
構築物には親和性物質が結合している。従って、この親
和性物質に親和性を有する物質を予め固定化した支持体
に、本発明の核酸構築物を用いて作製した上記の核酸−
タンパク質複合体を接触させることにより、当該核酸−
タンパク質複合体を支持体上に容易に固定化することが
できる。このようにして作製されるチップは、核酸の機
能の解析などにおいて有用である。
【0055】親和性物質の組み合わせとしては、ビオチ
ン/ストレプトアビジン、ポリA配列/オリゴdT配
列、抗原/抗体、Hisタグ配列/Ni、リガンド/レセ
プター、FLAG/抗FLAG抗体などが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0056】チップの作製に用いる支持体としては、通
常の核酸またはタンパク質の固定化に用いることができ
る支持体であれば特に限定されない。支持体としては、
親和性物質同士の間の結合形成に悪影響を及ぼさないも
のであれば、その形状は特に限定されず、例えば、平
板、マイクロウエル、ビーズ等の任意の形態をとること
ができる。支持体の材質としては、例えば、ガラス、セ
メント、陶磁器等のセラミックス;ポリエチレンテレフ
タレート、酢酸セルロース、ビスフェノールAのポリカ
ーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート
等のポリマー類;シリコン、活性炭、多孔質ガラス、多
孔質セラミックス、多孔質シリコン、多孔質活性炭、織
編物、不織布、濾紙、短繊維、メンブレンフィルター等
の多孔質物質を挙げることができる。以下の実施例によ
り本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例
によって限定されることはない。
【0057】
【実施例】実施例1:スペーサーの作製法 以下のような修飾DNAをスペーサーの原料としてDNA合成
機で合成した。 DNA 1: (thiol)(Spc)(Spc)(Spc)(Spc)CC(ZFP) DNA 2: CCCGGTGCAGCTGTTTCATC(Bt)CGGAAACAGCTGCACCCCCC(Ft)CCGCCCCCCG(At)CCGC DNA 3: (Pso)TACGCCAGCTGCACCCCCCGCCGCCCCCCG(At)CCGC DNA 4: CCCGG(Ft)GCAGCTGGCGTATAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
【0058】上記配列中の(thiol)、(Spc)、(Bt)、(F
t)、(At)及び(Pso)はユニットの略称であり、すべてグ
レンリサーチ社製の合成試薬を用いて配列中に導入し
た。これらユニットの略称、合成(導入)試薬の品名及
びその化学名は、それぞれ次の通りである。
【0059】 (thiol) 5'-Thiol-modifier C6 (S-Trityl-6-mercaptohexyl)-(2-cyanoehyl)-(N,N-diisopropyl)]-phosphoramid ite (Spc) Spacer Phosphoramidite 18 18-O-Dimethoxytritylhexaethyleneglycol,1-[(2-cyanoethyl)-(N,N-diisopropy l)]-phosphoramidite (Bt) Biotin-dT 5'-Dimethoxytrityl-5-[N-((4-t-butylbenzoyl)-biotinyl)-aminohexyl)-3-acry limido]-2'-deoxyUridine,3'-[(2-cyanoethyl)-(N,N-diisopropyl)]-phosphoram idite
【0060】 (Ft) Fluorescein-dT 5'-Dimethoxytrityl-5-[N-((3',6'-dipivaloylfluoresceinyl)-aminohexyl)-3-a crylimido]-2'-deoxyUridine,3'-[(2-cyanoethyl)-(N,N-diisopropyl)]-phospho ramidite (At) Amino-modifier C6 dT 5'-Dimethoxytrityl-5-[N-(trifluoroacetylaminohexyl)-3-acrylimido]-2'-deo xyUridine,3'-[(2-cyanoethyl)-(N,N-diisopropyl)]-phosphoramidite (Pso) Psoralen C6 Phosphoramidite 2-[4'-(hydroxymethyl)-4,5',8-trimethylpsoralen]-hexyl-1-O-(2-cyanoethyl) -(N,N-diisopropyl)-phosphoramidite
【0061】また、(ZFP)はN-α-(N-α-benzyloxycarbo
nyl-L-phenylalanyl)-puromycin残基を示し、支持体CPG
に固定してDNA合成機上で使えるようにしたものを特願2
002-044955号明細書に記載の方法に準じて次の通り合成
して配列の3'末端に導入した。
【0062】ピューロマイシン2塩酸塩(和光純薬工
業)250 mgを水3 mlに溶かし、ジメトキシエタン (DME)
2 ml、10%炭酸ナトリウム水溶液0.5 mlを加えた。撹拌
しながらこの溶液にZ-Phe-OSu (N-α-benzyloxycarbony
l-L-phenylalanine N-hydroxysuccinimide ester; BACH
EM社) 200 mg(1.1当量)をDME 2 mlに溶かした溶液を
加え、さらに10%炭酸ナトリウム水溶液0.5 mlを加え
た。1時間室温で撹拌したのち析出した固体をグラスフ
ィルター上で濾取し、50%DME水溶液2 mlで2回、水2 ml
で3回、冷却したDME 2 mlで2回洗浄したのち真空ポンプ
で乾燥してN-α-(N-α-benzyloxycarbonyl-L-phenylala
nyl)-puromycin (ZF-puromycin)を330 mg得た。
【0063】ZF-puromycin 315 mgをピリジン2.5 mlに
溶かし、塩化ジメトキシトリチル149mgを加えて室温で
1時間撹拌した。氷浴で冷却してから水0.1 mlを加え、
10分撹拌したのち水と酢酸エチルで分液し、有機層を水
で3回洗ってから濃縮し、真空ポンプで乾燥して粗5'-di
methoxytrityl ZF-puromycin (DMTr-ZF-puromycin)を45
0 mg得た。
【0064】DMTr-ZF-puromycin 450 mgをピリジン2 ml
に溶かし、無水コハク酸61 mg、ジメチルアミノピリジ
ンの0.5 Mピリジン溶液40μlを加えて、窒素雰囲気下、
室温で3日間撹拌した。氷浴で冷却してから水0.1 mlを
加え、10分撹拌したのち水と酢酸エチルで分液し、有機
層を水で3回、飽和食塩水で1回洗ったのち濃縮した。酢
酸エチルを展開溶媒としてシリカゲルクロマトグラフィ
で精製し、目的物であるDMTr-ZF-puromycin-3'-succina
teを385 mg得た。
【0065】DMTr-ZF-puromycin-3'-succinate 255 mg
をジメチルホルムアミド(DMF) 0.4 mlに溶かし、ジイソ
プロピルカルボジイミド(DIC)の1.0 M DMF溶液0.2 mlと
N-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の0.5 M DMF溶
液0.4 mlを加え、16時間室温で撹拌した。この溶液にCP
G (CPG LCA00500A ; 0.17 mmol/g) 500 mgを加えて2時
間室温で撹拌し、さらにDICの1.0 M DMF溶液0.15 mlとH
OBtの0.5 M DMF溶液0.3 mlを加えて16時間室温で撹拌し
た。CPGをグラスフィルター上に濾取し、DMF、50% DMF
水溶液、アセトニトリルで洗ったのちポンプで乾燥し
た。全量をDMF 2 mlに懸濁させ、ピリジン0.5 ml、無水
酢酸125 mgを加えて1時間室温で撹拌したのちCPGを濾
取してDMFとアセトニトリルで洗浄した。真空ポンプで
乾燥し、ZF-puromycin CPGを520 mg得た。一部を固相反
応用の容器に入れ、トリクロロ酢酸の3%塩化メチレン溶
液を加えて室温で1分撹拌し、アセトニトリルで洗浄し
たのち濃アンモニア水を加えて室温で2時間撹拌した。
回収されたZF-puromycinを定量し、CPG 1グラム当たり2
8 μmolと算出した。
【0066】(1)T-splint1FB DNA 2 (4 nmol)を0.1 M リン酸水素2ナトリウム水溶液1
5μlに溶かし、N-(6-maleimidocaproyloxy)succinimide
(EMCS)(架橋剤;同仁化学製)の5 mM DMF溶液4μlを
加えて20分室温で撹拌した。この溶液にDNA 1(20 nmo
l)を0.1 Mリン酸緩衝液(pH 7.1)40μlに溶かした溶
液を加え、さらに室温で16時間撹拌した。逆相高速液体
クロマトグラフィ(逆相HPLC)でDNA 1とDNA 2が架橋剤
を介して結合した目的物を単離し、50 mMリン酸緩衝液
(pH 8.0)に溶かしてキモトリプシン溶液を基質に対し
て酵素の重量比が10%程度になるように加えて36℃で1
時間放置した。逆相HPLCで精製し、T-splint1FBを得
た。
【0067】(2)T-splint3FA DNA 3 (12 nmol)とDNA 4 (12 nmol)をTBS緩衝液 (25 mM
Tris-HCl、pH7.0、100 mM NaCl) 0.48 mlに溶かし、85
℃で40秒加熱したのち室温で放冷した。氷浴上で5分放
置したのちハンディUVランプ(365 nm)で8分間光照射
し、反応生成物を逆相HPLCで精製した。これをT-splint
1FB調製の際と同様にEMCSでDNA 1と架橋し、キモトリプ
シン処理ののち精製してT-splint3FAを得た。
【0068】実施例2:転写用DNAの構築とmRNAの作製 転写効率の高い大腸菌ウィルスT7のRNA polymeraseによ
って認識されるDNA配列(T7プロモーター配列)と翻訳
の際に真核細胞のリボソームによって認識されるDNA配
列(Kozak配列)と原核細胞のリボソームによって認識
される(シャイン・ダルガノ配列:Shine-Dalgarno)を
有し、その下流にOct-1の一部 (POU)とFLAG配列、T-ス
ペーサーと連結するための配列(Y-tag)をコードしたD
NAを構築した。
【0069】 GATCCCGCGAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTTGAAAT AATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATTCCACCATGGACCTTGAGGAGCTTGAGCAGTTT GCCAAGACCTTCAAACAAAGACGAATCAAACTTGGATTCACTCAGGGTGATGTTGGGCTC GCTATGGGGAAACTATATGGAAATGACTTCAGCCAAACTACCATCTCTCGATTTGAAGCC TTGAACCTCAGCTTTAAGAACATGGCTAAGTTGAAGCCACTTTTAGAGAAGTGGCTAAAT GATGCAGAGGGGGGAGGCAGCGATTACAAGGATGACGATGACAAGGGCGGAAGCGGACGG GGGGCGGCGGGAAA (配列番号1)
【0070】上記の方法で作製したDNAを、反応液100μ
lあたり10μgを加え、RNA合成キットRibomax Large Sca
le RNA Production System(Promega製)を使ってmRNA
に転写した。翻訳効率をあげるためにキャップアナログ
(RNA Capping Analog ; Gibco BRL製)を最終濃度が7.
2mMになるように加え、mRNAの5'側を修飾した。キャッ
プアナログおよび過剰のNTP(ヌクレオチド3リン酸)
を除去するために、プライマー除去剤(Primer Remover
; Edge Biosystems製)を使ってエタノール沈澱を行っ
た。
【0071】実施例3:mRNAとT-スペーサーとのライゲ
ーション 上記の実施例2で作製したT-スペーサー (T-splint3FA)
と上記の実施例2で作製したmRNAとのライゲーション
は、特願2002-012820号明細書に記載の方法に準じて行
なった。具体的には以下の通りである。上記で作製した
mRNAとT-スペーサーを1:1.2〜1.5の割合(モル比)で
混合し、T4 RNA ligase buffer (50mM Tris-HCl、pH7.
5、10mM MgCl2、10mM DTT、1mMATP)に溶解し、特異性を
あげるため変性剤としてDMSO (Dimethyl sulfoxide)を
最終濃度5%になるように加えた。得られた混合物は、P
CR装置を用いて、94℃〜25℃まで10分かけて冷却するこ
とによりアニーリングした。
【0072】つづけて、上記のアニーリングした溶液中
にT4 Polynucleotide Kinase (Takara製)とT4 RNA liga
se(Takara製)を至適量加え、25℃で30分間反応させ
た。反応後、RNeasy Mini Kit (QIAGEN製)を使って、ラ
イゲーション産物を精製した。ライゲーションの効率を
確認するために、4%アクリルアミド8M尿素変性ゲル電
気泳動、65℃、250Vの条件でサンプルを泳動し、Vistra
Green (Amersham pharmacia製)で染色し、Molecular I
mager (Bio Rad)で画像化した。また、T-スペーサーに
導入してある蛍光(Fluoroscein)についても確認した。
この結果から、mRNAとT-スペーサーとの結合率(RNA-DN
A結合体の形成率)は80〜90%であることが確認され
た。
【0073】実施例4:T-スペーサーを用いたin vitro
virus virion形成 in vitro virus genomeが、実際にin vitro virus viri
onを形成できるかどうか確認した。in vitro virus gen
ome 4pmolを小麦胚芽無細胞翻訳系PROTEIOS (TOYOBO製)
を用いて、26℃で30分間反応し翻訳させ、ピューロマイ
シンに翻訳されたペプチドを結合させる(virion化)た
めに最終濃度が40mM MgCl2、1 M KClになるように塩を
加え、26℃で1時間反応させた。Virion化の効率を確認
するために、5M尿素変性5%SDS-PAGEゲル、20mAの条件
でサンプルを泳動した。
【0074】実施例5:T-スペーサーを用いた in vitr
o virusの精製 in vitro virus virionを形成した後、T-スペーサーを
用いて、実際に精製できるかどうかを確認した。(1)ビオチン (T-splint1FB) 8pmolのin vitro virus genomeを上記の方法でvirion化
し、buffer交換をするために、Micro BioSpin Column-6
(Bio-Rad製)を用いて脱塩後、1M NaCl、100mMTris-HCl
(pH8.0)、10mM EDTA、0.25% Triton-X100になるように
調整し、MAGNOTEX-SA (Takara製) 5μlと4℃、約2時間
結合させる。その後、上清をとり、洗浄buffer (1M NaC
l、100mM Tris-HCl (pH8.0)、10mM EDTA、0.25% Triton
-X100)20μlで3回洗い、その後、MAGNOTEX-SAを2つにわ
け、一方を制限酵素Pvu II (Takara製) 37℃、約1時間
処理し、その上清を得て、in vitro virus が精製でき
るかどうか確認した。
【0075】精製効率を確認するために、5M尿素変性5
%SDS-PAGEゲル、20mAの条件でサンプルを泳動した。ス
ペーサーに導入してある蛍光(Fluoroscein)を使って、M
olecular Imager (Bio Rad製)で画像化した。その結果
を図4に示す。図4において、レーン1は、virion化し
BioSpin Column-6を用いて脱塩されたin vitro virusを
泳動したものを示し、レーン2は、MAGNOTEX-SAと結合
させた後の上清を泳動したものを示し、レーン3〜5
は、上清を除いた後のMAGNOTEX-SAを洗浄したものを泳
動し、レーン6は、洗浄した後のMAGNOTEX-SAを泳動
し、レーン7は、洗浄したMAGNOTEX-SAを制限酵素で処
理した後の上清を泳動し、レーン8は、MAGNOTEX-SAを
制限酵素で処理した後のMAGNOTEX-SAを泳動したものを
示す。洗浄したMAGNOTEX-SAを制限酵素で処理した後の
上清に、in vitro virusが存在することから、T-splint
スペーサーを使ってin vitro virusが精製できることが
確認された。
【0076】(2)Poly A(T-splint3FA) 8pmolのin vitro virus genomeを上記(1)の方法でvi
rion化し、buffer交換をするために、Micro BioSpin Co
lumn-6 (Bio-Rad製)を用いて脱塩後、1M NaCl、100mM T
ris-HCl (pH8.0)、10mM EDTA、0.25% Triton-X100にな
るように調整し、Biotinylated Oligo(dT) Probe (Prom
ega製)を結合させたMAGNOTEX-SA (Takara製) 5μlと4
℃、約1時間結合させる。その後、上清をとり、洗浄bu
ffer A (1MNaCl、100mM Tris-HCl (pH8.0)、0.25% Trit
on-X100) 20μlで3回洗い、bufferB (500mM NaCl、100m
M Tris-HCl (pH8.0)、0.25% Triton-X100) 20μlで1回
洗い、 buffer C (250mM NaCl、100 mM Tris-HCl (pH8.
0)、0.25% Triton-X100) 20μlで1回洗い、その後、Dep
水 10μlで3回溶出してin vitro virus virionが精製で
きるかどうか確認した。
【0077】精製効率を確認するために、5M尿素変性5
%SDS-PAGEゲル、20mAの条件でサンプルを泳動した。ス
ペーサーに導入してある蛍光(Fluoroscein)を使って、M
olecular Imager (Bio Rad製)で画像化した。その結果
を図5に示す。図5において、レーン1は、virion化し
BioSpin Column-6を用いて脱塩されたin vitro virus g
enomeを泳動したものを示し、レーン2は、Biotinylate
d Oligo(dT) Probeを結合させたMAGNOTEX-SAと結合しな
かった上清を泳動したものを示し、レーン3〜7は、上
清を除いた後のBiotinylated Oligo(dT) Probeを結合さ
せたMAGNOTEX-SAを洗浄したものを泳動し、レーン8〜
10は、洗浄したBiotinylated Oligo(dT) Probeを結合
させたMAGNOTEX-SAを溶出したものを泳動し、レーン1
1は、溶出した後のBiotinylated Oligo(dT) Probeを結
合させたMAGNOTEX-SAを泳動したものを示す。Biotinyla
ted Oligo(dT) Probeを結合させたMAGNOTEX-SAを溶出し
たものin vitro virus virionが存在することから、T-s
plintスペーサーを使ってin vitro virus virionが精製
できることが確認された。
【0078】実施例6:T-スペーサーを用いた in vitr
o virusの精製後の逆転写反応 実施例5のT-スペーサーを用いた in vitro virusの精
製時の溶出画分の1と2をまぜ、TrueScript II Reverse
Transcriptase (sawady)を用いて逆転写した。さら
に、ネガティブコントロールとしてin vitro virus gen
ome、ポジティブコントロールとしてin vitro virus ge
nomeを逆転写したもの(図4)とともに、センスプライ
マー5'−GTT TAA CTT TAA GAA GGA GTT GCC ACC ATG−
3'(配列番号2)とアンチセンスプライマー5'−TTT CC
C GCC GCC CCC CGT CCG CTT CCGCCC TTG TCA TCG TCA T
CC TTG TAA TC−3'(配列番号3)をもちいて、ポリメ
ラーゼ連鎖反応 (PCR)を行った。 DNA合成酵素は、TaK
aRa Ex Taq (TAKARA)をもちいた。結果を確認するため
に、6M尿素変性6%ポリアクリルアミドゲル、250Vの条
件でサンプルを泳動し、Vistra Green (Amersham pharm
acia製)で染色し、Molecular Imager (Bio Rad)で画像
化した。結果を図6に示す。
【0079】図6において、レーン1は、in vitro vir
us genome、レーン2は、in vitrovirus genome を逆転
写したもの、レーン3は、ビリオン化後に精製して逆転
写したin vitro virusを鋳型としてPCRを行ったサンプ
ルを泳動したものを示す。ビリオン化後に精製して逆転
写したin vitro virusが、in vitro virus genomeを逆
転写したものを鋳型としてPCRを行ったものと同様に、
目的のDNAが増幅できていたことより、ビリオン化後に
精製してin vitro virusが、T-スペーサーをもちいて、
逆転写できたことが確認された。
【0080】
【発明の効果】本発明のT-スペーサーは、mRNAとライゲ
ーションすることにより、in vitro virus genomeを構
築することができ、さらにこれを翻訳することでin vit
ro virus virionを容易に作製することができる。ま
た、本発明のT-スペーサーには、mRNAの逆転写のための
プライマーとして作用するDNA配列を有していることか
ら、上記で得られたin vitro virus virionを逆転写反
応に付することにより、mRNAをDNAに転換することがで
きる。
【0081】また、本発明のT-スペーサーは親和性物質
を有することにより、mRNA側でin vitro virus virion
の精製を行なうことができるだけでなく、mRNAを支持体
に固定化してプロテインチップ作成する際においても有
用である。さらに、本発明のT-スペーサーを用いて製造
されたRNA−タンパク質複合体及び核酸−タンパク質
複合体は、核酸の機能の解析などにおいて有用な材料と
なり得るものである。
【0082】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Mitsubishi Chemical Corporation <120> A nucleic acid construct <130> A31063A <160> 3
【0083】 <210> 1 <211> 374 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 1 gatcccgcga aattaatacg actcactata gggagaccac aacggtttcc ctcttgaaat 60 aattttgttt aactttaaga aggagattcc accatggacc ttgaggagct tgagcagttt 120 gccaagacct tcaaacaaag acgaatcaaa cttggattca ctcagggtga tgttgggctc 180 gctatgggga aactatatgg aaatgacttc agccaaacta ccatctctcg atttgaagcc 240 ttgaacctca gctttaagaa catggctaag ttgaagccac ttttagagaa gtggctaaat 300 gatgcagagg ggggaggcag cgattacaag gatgacgatg acaagggcgg aagcggacgg 360 ggggcggcgg gaaa 374
【0084】 <210> 2 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 2 gtttaacttt aagaaggagt tgccaccatg 30
【0085】 <210> 3 <211> 53 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA <400> 3 tttcccgccg ccccccgtcc gcttccgccc ttgtcatcgt catccttgta atc 53
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来のin vitro virus virionの精製
技術の具体例を示す。
【図2】図2は、本発明の核酸構築物の構造を示す。
【図3】図3は、本発明の核酸構築物の具体例を示す。
【図4】図4は、本発明のT-スペーサー(親和性物資と
してビオチンを使用)を用いてin vitro virusを精製し
た結果を示す。
【図5】図5は、本発明のT-スペーサー(親和性物資と
してPoly Aを使用)を用いて in vitro virusを精製し
た結果を示す。
【図6】図6は、本発明のT-スペーサーを用いた in vi
tro virusの精製後の逆転写反応の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白鳥 美和 東京都町田市成瀬2−12−3ポプラヶ丘6 号棟306号室 Fターム(参考) 4B024 AA20 BA80 CA01 CA05 CA09 CA11 CA12 HA11 4B064 AG01 CB30 CC24 CD20 CD30 CE07 CE14 DA13 DA20 4H045 AA10 AA20 BA54 BA56 BA60 EA50 EA60 FA10 FA70 GA21 GA22 GA31

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一本鎖RNAの3’末端側の配列とアニ
    ーリングすることができる一本鎖DNA配列を3’末端
    側に含み、該一本鎖DNA配列が、その3’末端に、該
    一本鎖RNAの逆転写のためのプライマー配列を有し、
    かつ核酸誘導体を末端に有するスペーサー配列が枝分か
    れした状態で結合しており、該一本鎖DNA配列の5’
    末端側に親和性物質が結合している、一本鎖RNAとそ
    れがコードするタンパク質との複合体を作製するための
    核酸構築物。
  2. 【請求項2】 該一本鎖DNA配列の5’末端側に制限
    酵素認識部位が存在する、請求項1に記載の核酸構築
    物。
  3. 【請求項3】 一本鎖RNAの3’末端側の配列とアニ
    ーリングすることができる一本鎖DNA配列を3’末端
    側に含む、一本鎖RNAとそれがコードするタンパク質
    との複合体を作製するための核酸構築物において、 (1)該一本鎖DNA配列が、その3’末端に、該一本
    鎖RNAの逆転写のためのプライマー配列を有し、かつ
    核酸誘導体を末端に有するスペーサー配列が枝分かれし
    た状態で結合しており、 (2)該核酸構築物において該一本鎖RNAとアニーリ
    ングしない5’末端側は、ループ領域を介して互いに相
    補的な二本鎖配列を形成しており、 (3)該ループ領域に親和性物質が結合している、 ことを特徴とする上記の核酸構築物。
  4. 【請求項4】 一本鎖RNAの3’末端側の配列とアニ
    ーリングすることができる一本鎖DNA配列を3’末端
    側に含む、一本鎖RNAとそれがコードするタンパク質
    との複合体を作製するための核酸構築物において、 (1)該一本鎖DNA配列が、その3’末端に、該一本
    鎖RNAの逆転写のためのプライマー配列を有し、かつ
    核酸誘導体を末端に有するスペーサー配列が枝分かれし
    た状態で結合しており、 (2)該核酸構築物において該一本鎖RNAとアニーリ
    ングしない5’末端側は、相補DNA鎖と化学的に結合
    して互いに相補的な二本鎖配列を形成しており、(3)
    該相補DNA鎖の3’末端に親和性物質が結合してい
    る、ことを特徴とする上記の核酸構築物。
  5. 【請求項5】 該二本鎖配列中に制限酵素認識部位が存
    在する、請求項3又は4に記載の核酸構築物。
  6. 【請求項6】 核酸誘導体が、ピューロマイシン、3’-
    N-アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシド、
    3’-N-アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシドの化
    学構造骨格を含む化合物又はそれらの類縁体である、請
    求項1から5の何れかに記載の核酸構築物。
  7. 【請求項7】 スペーサーがポリエチレン又はポリエチ
    レングリコールなどの高分子である、請求項1から6の
    何れかに記載の核酸構築物。
  8. 【請求項8】 親和性物質がビオチン又はポリA配列で
    ある、請求項1から7の何れかに記載の核酸構築物。
  9. 【請求項9】 請求項1から8の何れかに記載の核酸構
    築物と一本鎖RNAとをアニーリングさせ、該核酸構築
    物の二本鎖領域の5’末端と一本鎖RNAの3’末端と
    をライゲーションさせることを含む、RNA−DNA結
    合体の作製方法。
  10. 【請求項10】 ライゲーションをT4RNAリガーゼ
    を用いて行なう、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 一本鎖RNAがmRNA又はmRNA
    ライブラリーである、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 一本鎖RNAが、(1)プロモーター
    配列、(2)翻訳の際にリボソームによって認識される
    DNA配列、及び(3)目的タンパク質をコードする配
    列を有することを特徴とする、請求項9から11の何れ
    かに記載の方法。
  13. 【請求項13】 請求項9から12の何れかに記載の方
    法により得られるRNA−DNA結合体。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載のRNA−DNA結
    合体を支持体上に固定化したチップ。
  15. 【請求項15】 請求項9から12の何れかに記載の方
    法により得られるRNA−DNA結合体を逆転写反応に
    付してDNA結合体を製造する方法。
  16. 【請求項16】 請求項9から12の何れかに記載の方
    法により得られるRNA−DNA結合体を逆転写反応に
    付することにより得られるDNA結合体。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載のDNA結合体を支
    持体上に固定化したチップ。
  18. 【請求項18】 請求項13に記載のRNA−DNA結
    合体をタンパク質翻訳系に導入してRNAをタンパク質
    に翻訳することを特徴とする、RNAと該RNAにより
    コードされるタンパク質から成るRNA−タンパク質複
    合体の製造方法。
  19. 【請求項19】 翻訳を無細胞翻訳系で行なう、請求項
    18に記載の作製方法。
  20. 【請求項20】 請求項13に記載のRNA−DNA結
    合体をタンパク質翻訳系に導入してRNAをタンパク質
    に翻訳することにより得られる、RNAと該RNAによ
    りコードされるタンパク質から成るRNA−タンパク質
    複合体。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載のRNA−タンパク
    質複合体を支持体上に固定化したチップ。
  22. 【請求項22】 請求項20に記載のRNA−タンパク
    質複合体を逆転写反応に付することを特徴とする、核酸
    と該核酸によりコードされるタンパク質から成る核酸−
    タンパク質複合体の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項20に記載のRNA−タンパク
    質複合体を逆転写反応に付することにより得られる核酸
    −タンパク質複合体。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の核酸−タンパク質
    複合体を支持体上に固定化したチップ。
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