JP2003107696A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物

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JP2003107696A JP2001302492A JP2001302492A JP2003107696A JP 2003107696 A JP2003107696 A JP 2003107696A JP 2001302492 A JP2001302492 A JP 2001302492A JP 2001302492 A JP2001302492 A JP 2001302492A JP 2003107696 A JP2003107696 A JP 2003107696A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 希アルカリ水溶液での現像性に特に優れ、且
つ硬化後の塗膜が、特に可撓性、耐熱性、半田耐熱性、
密着性、耐水性、耐屈曲性、耐薬品性等に優れた感光性
樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)フェノールノボラックおよび/ま
たはクレゾールノボラック変性ビスフェノール型エポキ
シ樹脂のエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加反応させ
た反応物(I)の水酸基に、さらに飽和および/または
不飽和多塩基酸無水物を付加反応させた樹脂、(B)エ
ポキシ樹脂、(C)光重合開始剤、および(D)重合性
不飽和化合物および/または溶剤を含有してなる感光性
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性樹脂組成物
に関する。さらに詳しくは、プリント配線板ソルダーレ
ジスト、高密度多層板層間絶縁膜、半導体パッケージ用
ソルダーレジスト、フレキシブルプリント配線板用レジ
ストインキ等の電子材料分野において、希アルカリ水溶
液での現像性に優れ、且つ硬化後の塗膜は、特に可撓
性、耐熱性、半田耐熱性、密着性、耐水性、耐屈曲性、
耐薬品性等に優れた感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント配線板製造における永久
マスクレジストは、熱あるいは紫外線硬化型レジストイ
ンキをスクリーン印刷する方法で製造されてきたが、現
在は生産性の面からアルカリ現像型の液状ソルダーフォ
トレジストへと移行している。例えば、特公平1−54
390号公報には、光硬化性、熱硬化性、耐熱性、耐溶
剤性、耐酸性に優れ、アルカリ水溶液で現像可能な液状
レジストインキ組成物として、ノボラック型エポキシ化
合物と不飽和モノカルボン酸との反応物に、飽和または
不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる光硬化性樹
脂、光重合開始剤、希釈剤および、2個以上のエポキシ
基を有するエポキシ化合物を含んでなる液状レジストイ
ンキ組成物が提案され、現在主流となっている。
【0003】しかしながら、近年、電子機器の小型化、
軽量化、高性能化に伴い、半導体パッケージの小型化、
多ピン化が実用化され、量産化が進んでいる。例えば、
BGA(ボールグリッドアレイ)、CSP(チップサイ
ズパッケージ)等の半導体パッケージにおいて、高信頼
性の点から特に耐PCT性が必要である。しかし、この
ような厳しい条件下において、従来の液状感光性レジス
トは数時間〜数十時間程度しか持たないのが現状であ
る。さらに、半導体パッケージの実装方法は、全体を赤
外線で加熱し、半田をリフローして固定するので、特公
平1−54390号公報のような従来のソルダーレジス
トと塗膜では熱衝撃で塗膜にクラックが発生したり、基
盤から剥離してしまうという、いわゆる耐リフロー性の
低下があり、その改善が求められている。これらの問題
点を解決するには、Tgを大きく低下させずに塗膜の伸び
を大きくする必要があり、そのためエポキシアクリレー
トの骨格の検討やエポキシアクリレート合成時に導入す
る不飽和一塩基酸の一部を飽和一塩基酸等に置き換えて
架橋密度を調整する方法、ゴム成分を導入する方法が検
討されてきたが、十分ではなかった。この中でエポキシ
アクリレートの骨格の検討では、ビスフェノール型のエ
ポキシアクリレートの検討がなされているが、特に炭酸
ナトリウム水溶液では現像性が不十分で、現像性の改良
が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、希アルカリ水溶液での現像性に特に優れ、且つ
硬化後の塗膜が、特に可撓性、耐熱性、半田耐熱性、密
着性、耐水性、耐屈曲性、耐薬品性等に優れた感光性樹
脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、
(A)フェノールノボラックおよび/またはクレゾール
ノボラック変性ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキ
シ基に、不飽和一塩基酸を付加反応させた反応物(I)
の水酸基に、さらに飽和および/または不飽和多塩基酸
無水物を付加反応させた樹脂、(B)エポキシ樹脂、
(C)光重合開始剤、および(D)重合性不飽和化合物
および/または溶剤を含有してなる感光性樹脂組成物で
ある。請求項2の発明は、(A)成分におけるフェノー
ルノボラックおよび/またはクレゾールノボラック変性
ビスフェノール型エポキシ樹脂が、ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対してフェノールノボ
ラックの水酸基を0.05〜0.5当量の割合で反応さ
せたものであることを特徴とする請求項1に記載の感光
性樹脂組成物である。請求項3の発明は、(A)成分に
おけるフェノールノボラックおよび/またはクレゾール
ノボラック変性ビスフェノール型エポキシ樹脂が、リン
系触媒で反応させて得られたものであることを特徴とす
る請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。請求項
4の発明は、(A)成分におけるビスフェノール型エポ
キシ樹脂が、ビスフェノール型エポキシ樹脂とジイソシ
アネート化合物の反応物であるイソシアネート変性エポ
キシ樹脂であることを特徴とする請求項1ないし3のい
ずれか1項に記載の感光性樹脂組成物である。請求項5
の発明は、(A)成分において、反応物(I)中の水酸
基1当量に対して、飽和および/または不飽和多塩基酸
無水物を0.1〜0.8当量反応させたものであること
を特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
感光性樹脂である。請求項6の発明は、(B)エポキシ
樹脂が、組成物に対して1〜50重量%配合される請求
項1ないし5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物
である。請求項7の発明は、(C)光重合開始剤が、組
成物に対して0.5〜20重量%配合される請求項1な
いし6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物であ
る。請求項8の発明は、(D)重合性不飽和化合物およ
び/または溶剤が、組成物に対して5〜80重量%配合
される請求項1ないし7のいずれか1項に記載の感光性
樹脂組成物である。
【0006】
【発明の実施の形態】(A)成分における、フェノール
ノボラックおよび/またはクレゾールノボラック変性ビ
スフェノール型エポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポ
キシ樹脂にフェノールノボラックを反応させて得たエポ
キシ樹脂である。使用するビスフェノール型エポキシ樹
脂は公知のものが使用でき、例えばビスフェノールA、
ビスフェノールF、ビスフェノールSおよびテトラブロ
モビスフェノールAなどのビスフェノール類とエピハロ
ヒドリンとを反応して得られるエーテル型のビスフェノ
ール型エポキシ樹脂やビスフェノールAジプロポキシジ
グリシジルエーテル等の脂肪族型のビスフェノール型エ
ポキシ樹脂等、ビスフェノール骨格が含まれる全てのエ
ポキシ樹脂を指す。また、水素添加のビスフェノール型
エポキシ樹脂を使用してもよい。
【0007】本発明で使用されるイソシアネート変性エ
ポキシ樹脂とは、ビスフェノール型エポキシ樹脂にジイ
ソシアネート化合物を反応して得られる骨格中にオキサ
ゾリドン環構造を有する公知のエポキシ樹脂であり、上
述のビスフェノール型エポキシ樹脂にジイソシアネート
化合物を反応させたものを使用することができる。反応
に使用するジイソシアネート化合物としては公知のもの
が使用でき、例えばメンタンジイソシアネート、ブタン
−1,1−ジイソシアネート、エタン−1,2−ジイソシア
ネート、プロパン−1,3−ジイソシアネート、ブタン−
1,2−ジイソシアネート、2−メチルブタン−1,4−ジ
イソシアネート、ペンタン−1,5−ジイソシアネート、
ω,ω'−1,3−ジメチルベンゼンジイソシアネート、
ω,ω'−1,4−ジメチルナフタレンジイソシアネート、
シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘ
キシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、1,3−フェ
ニレンジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,4−
ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイ
ソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、
ビフェニル4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメチル
ビスフェニル−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニル
メタン−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ
ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェ
ニルスルホン−4,4'−ジイソシアネート等を挙げるこ
とができる。これらの物は単独使用でも2種以上の併用
でもよい。
【0008】イソシアネート変性エポキシ樹脂は、上記
のビスフェノール型エポキシ樹脂とジイソシアネート化
合物を使用し、オキサゾリドン形成触媒を存在させ合成
する。オキサゾリドン環を有するイソシアネート変性エ
ポキシ樹脂の詳細は、例えば特公昭53−45757号
公報、特開平5−43657号公報等に記載されてい
る。また、オキサゾリドン環を有するイソシアネート変
性エポキシ樹脂の市販品として、商品名XAC415
1、XAC4152(旭化成エポキシ(株)製)等を使
用してもよい。
【0009】本発明に使用するフェノールノボラック、
クレゾールノボラックは公知のノボラック系、クレゾー
ル系等のフェノール樹脂が使用できる。具体的には昭和
高分子(株)製のBRG−553、BRG−553B、
BRG−556、BRG−557、BRG−558、B
RG−5833Y等のフェノールノボラックやCRM−
552、CRM−553等のクレゾールノボラックを使
用する。
【0010】ビスフェノール型エポキシ樹脂とフェノー
ルおよび/またはクレゾールノボラックとの反応は公知
の方法にしたがって行うことができる。例えば、アミン
系、リン系の触媒の存在下、無溶剤または溶剤存在下
で、100〜170℃程度の温度で付加反応させる。ア
ミン系の触媒としては3級アミン、4級アンモニウム塩
などのアミン類が挙げられ、リン系の触媒としてはトリ
フェニルホスフィンなどが挙げられる。反応の比率は、
ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対
してフェノールノボラックの水酸基を0.05〜0.5
当量、好ましくは0.1〜0.4当量の割合で反応させ
る。フェノールノボラックが0.05当量未満では現像
性の向上は見られず、0.5当量を越える粘度が高くな
りすぎ、硬化物の靭性も低下する。
【0011】本発明の(A)成分における不飽和一塩基
酸は、1個のカルボキシル基と1個以上の重合性不飽和
結合を有する一塩基酸であり、具体例としては、アクリ
ル酸またはメタクリル酸を好適に使用することができ
る。とくに高い活性エネルギー光硬化性を得るために
は、アクリル酸が好ましい。その他、クロトン酸,桂皮
酸,ソルビタン酸,アクリル酸ダイマー、モノメチルマ
レート、モノプロピルマレート、モノブチルマレート、
1個のヒドロキシル基と1個以上のアクリロイル基を有
する多官能アクリレートまたはメタクリレートと後述の
多塩基酸無水物のうち二塩基酸との反応物であるカルボ
キシル基含有多官能アクリレートまたはメタクリレート
が挙げられる。これら不飽和一塩基酸は、2種以上を併
用してもよい。
【0012】ノボラックおよび/またはクレゾールノボ
ラック変性エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸を反応させる
場合、ノボラック変性エポキシ樹脂のエポキシ基1当量
に対して、不飽和一塩基酸が0.8〜1.2モル、好ま
しくは、0.9〜1.1モルとなる割合で反応させるの
がよい。不飽和一塩基酸が0.8モルより少ない場合
は、保存安定性が悪くなり、また、合成時にゲル化など
の問題があり、1.2モルより多い場合は、臭気が発生
したり、耐熱性の低下の原因となる。
【0013】反応時に、使用する溶剤は公知のものが使
用でき、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンな
どの芳香族炭化水素類、ジプロピレングリコールジメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエー
テル類、酢酸エチル、ブチルセロソルブアセテート、カ
ルビトールアセテート等のエステル類、オクタン、デカ
ンなどの脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、
水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤等
の有機溶剤類を挙げることができる。また、カルビトー
ル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メ
タ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシ
ヌレートトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレートなどの反応性単量体
類を使用することも可能である。反応触媒としては公知
のものが使用でき、例えば、トリエチルアミン、ベンジ
ルジメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロ
ライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、
ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフ
ェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、オクタン酸
クロム、オクタン酸ジルコニウム等を挙げることができ
る。該触媒の使用量はノボラックおよび/またはクレゾ
ールノボラック変性エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との
合計に対して、好ましくは0.01〜5重量%である。
反応温度は、好ましくは60〜150℃である。また、
反応時間は、好ましくは5〜60時間である。このよう
にして、反応物(I)を得ることができる。
【0014】本発明において反応物(I)に反応させる
飽和または不飽和多塩基酸無水物としては、無水マレイ
ン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、
テトラハイドロ無水フタル酸、ヘキサハイドロ無水フタ
ル酸、エンドメチレンテトラハイドロ無水フタル酸、メ
チルテトラハイドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等
の2塩基酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリ
ット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフ
ェニルテトラカルボン酸無水物等の多塩基酸無水物が挙
げられ、とくにテトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク
酸、ヘキサハイドロ無水フタル酸の使用が好ましい。飽
和または不飽和多塩基酸無水物の反応量は、反応物
(I)中の水酸基1当量に対して、飽和および/または
不飽和多塩基酸無水物を0.1〜0.8当量、好ましく
は0.3〜0.7当量である。飽和および/または不飽
和多塩基酸無水物の付加量が0.1当量未満であると十
分なアルカリ現像性が得られず、0.8当量を超える
と、硬化塗膜の電気特性が低下してしまう。
【0015】本発明の組成物における(A)成分の量は
組成物中10〜80重量%が好ましく、特に15〜60
重量%が好ましい。
【0016】(B)エポキシ樹脂としては、例えば1分
子中にエポキシ基を1個以上有するものであって、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール−クレゾールノ
ボラック共縮合型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボ
ラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型
エポキシ樹脂あるいはそれらのハロゲン化エポキシ化合
物、トリフェニロールメタン型エポキシ樹脂、アルキル
置換トリフェニロールメタン型エポキシ樹脂、テトラフ
ェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官能フェノール
にエピクロルヒドリンを反応させて得られるエポキシ樹
脂、多官能ヒドロキシナフタレン類にエピクロルヒドリ
ンを反応させて得られるエポキシ樹脂、シリコーン変性
エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、
エピクロルヒドリンと一級または二級アミンとの反応に
よって得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、1,
3,5−トリグリシジルイソシアヌレートのようなトリ
グリシジルイソシアネート等の複素環式エポキシ樹脂等
が挙げられる。これらエポキシ樹脂の1種もしくは2種
以上を併用してもよい。また、Tgを確保した上で靭性を
向上させる目的からイソシアネート変性エポキシ樹脂の
使用や難燃性付与の観点からリン含有エポキシ樹脂など
を使用することも有効である。
【0017】(B)エポキシ樹脂は、熱硬化成分であ
り、その使用目的は、密着性、耐熱性、耐メッキ性等の
ソルダーレジストとしての諸特性を向上させるものであ
る。
【0018】エポキシ樹脂(B)は、単独または2種以
上の混合物として用いられ、本発明の組成物に含まれる
エポキシ樹脂の量は、組成物中の1〜50重量%、好ま
しくは3〜45重量%である。
【0019】また、密着性、耐薬品、耐熱性等の特性を
より一層向上するために、(B)エポキシ樹脂と併用し
てエポキシ硬化剤を併用することが望ましい。このよう
なエポキシ硬化剤としては、イミダゾール誘導体、フェ
ノール誘導体、ジシアンジアミド、ジシアンジアミド誘
導体、ヒドラジド誘導体、アミン類、酸無水物等が挙げ
られる。上記硬化剤は1種類または2種類以上混合して
使用する。上記硬化剤の使用量は(B)エポキシ樹脂の
エポキシ基1当量に対し硬化剤の活性水素量が0.5〜
1.2当量になる割合が好ましい。
【0020】(C)光重合開始剤の具体例としては、ベ
ンゾイン類、アセトフェノン類、アントラキノン類、チ
オキサントン類、ベンゾフェノン類等が挙げられ、例え
ば、ベンゾイン類では、ベンゾイン、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等の誘導
体、アセトフェノン類では、アセトフェノン、2,2-ジ
メトキシ-2-フェニルアセトフェノン等の誘導体、アン
トラキノン類では、2-メチルアントラキノン、2-クロ
ロアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-t-
ブチルアントラキノン等の誘導体、チオキサントン類で
は、チオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、
2,4−ジエチルチオキサントン等の誘導体、ベンゾフ
ェノン類では、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’
−メチルジフェニルサルファイド、4,4’―ジクロロ
ベンゾフェノン、N,N-ジメチルアミノベンゾフェノン
等の誘導体、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキサイド等、2−メチル−1−〔4−
(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパノン
−1等があり、単独あるいは2種類以上を組み合わせて
用いることができる。さらに、(C)光重合開始剤は、
公知の光増感剤を併用してもよい。具体的には、トリエ
タノールアミン、トリプロパノールアミン、トリエチル
アミン、N,N−ジメチルアミノ酸安息香酸エチルエス
テル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエス
テル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート等が
挙げられる。上記の光増感剤は1種類または2種類以上
混合して使用する。(C)光重合開始剤は、組成物に対
して0.5〜20重量%配合するのが好ましい。
【0021】(D)重合性不飽和化合物および/または
溶剤は、活性エネルギー光線に対する硬化性および/ま
たは感光性樹脂組成物をレジストインキとして使用する
場合の塗工性を向上させる目的で使用するものである。
重合性不飽和化合物としては、活性エネルギー光線硬化
性のあるモノマー類が好ましく、2-ヒドロキシエチル
アクリレート,2-ヒドロキシプロピルアクリレート,
N-ピロリドン,N-アクリロイルモルフォリン,N,N-
ジメチルアクリルアミド,N,N-ジエチルアクリルアミ
ド,N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート,N,N-
ジメチルアミノプロピルアクリレート,メトキシポリエ
チレングリコールアクリレート,エトキシポリエチレン
グリコールアクリレート,メラミンアクリレート,フェ
ノキシエチルアクリレート,フェノキシプロピルアクリ
レート,エチレングリコールジアクリレート,ジプロピ
レングリコールジアクリレート,ポリジプロピレングリ
コールジアクリレート,トリメチロールプロパントリア
クリレート,ペンタエリスリトールトリアクリレート,
ペンタエリスリトールテトラアクリレート,ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート,グリセリンジアクリ
レート,イソボロニルアクリレート,ジシクロペンテニ
ルオキシエチルアクリレートおよびこれらに対応する各
種メタクリレートが挙げられる。これら(D)重合性不
飽和化合物は1種もしくは2種以上を併用してもよい。
【0022】一方溶剤としては、メチルエチルケトン,
メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノン等のケトン
類,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素,エチルセ
ロソルブ,ブチルセロソルブ,カルビトール,ブチルカ
ルビトール等のカルビトール類,酢酸エチル,酢酸ブチ
ル,セロソルブアセテート,ブチルセロソルブアセテー
ト,エチルカルビトールアセテート等が挙げられる。こ
れらの溶剤は1種もしくは2種以上を併用してもよい。
【0023】(D)重合性不飽和化合物および/または
溶剤の使用量は、組成物に対して5〜80重量%、好ま
しくは10〜60重量%がよい。中でも重合性不飽和化
合物の使用量が、5重量%未満では、光感度が低すぎ、
一方80重量%を超えると感光性樹脂組成物をレジスト
インキとして使用する場合に粘度が低くなりすぎ、硬化
塗膜としての耐性が不十分になる。
【0024】この他、本発明の感光性樹脂組成物を液状
レジストインキとして使用する場合には、さらに必要に
応じて、シリカ,炭酸カルシウム,硫酸バリウム,クレ
ー,タルク等の無機充填剤、フタロシアニングリーン,
フタロシアニンブルー,酸化チタン,カーボンブラック
等の着色顔料、消泡剤、レベリング剤等の各種添加剤の
他、ハイドロキノン,レゾルシノール,カテコール,ピ
ロガノール,ハイドロキノンモノメチルエーテル,t-
ブチルカテコール,フェノチアジン等の重合防止剤を使
用してもよい。
【0025】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明の内容を
詳細にするが、各例中の「部」は重量基準を示す。本発
明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0026】合成例1(感光性樹脂−1の合成例) 攪拌機、還流管を備えたフラスコ内にビスフェノールA
型エポキシ樹脂〔エピコート828、油化シェルエポキ
シ(株)製、エポキシ当量186〕186部(1.0当
量)、クレゾールノボラック〔CRM−552、昭和高
分子(株)製、重量平均分子量550、水酸基当量12
2.2〕36.7部(0.3当量)を仕込み、100℃
に加熱、攪拌し、上記混合物を均一に溶解させた。次に
系内にトリフェニルホスフィン1.1部を仕込み、15
0℃で1時間反応させ、重量平均分子量2500のクレ
ゾールノボラック変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(エポキシ当量318)を得た。次に、温度を100℃
まで下げ、エチルカルビトールアセテート141部を仕
込み、アクリル酸50.4部(0.7モル)、メチルハ
イドロキノン0.08部を仕込み、110℃に加温して
6時間反応を続け、酸価0.5mgKOH/gの反応物
(I)を得た。これに、テトラヒドロ無水フタル酸5
6.2部(0.37モル)を仕込み、90℃でさらに6
時間反応させ、重量平均分子量3600、固形分酸価6
3mgKOH/g、固形分濃度70%の感光性樹脂−1
を得た。
【0027】合成例2(感光性樹脂−2の合成例) 攪拌機、還流管を備えたフラスコ内に、下記一般式を有
するイソシアネート変性エポキシ樹脂〔XAC415
2、旭化成エポキシ(株)社製、エポキシ当量338、
軟化点76℃〕338部(1.0当量)、フェノールノ
ボラック〔BRG−553、昭和高分子(株)製、重量
平均分子量1950、水酸基当量103.7〕20.7
部(0.2当量)を仕込み、100℃に加熱、攪拌し、
上記混合物を均一に溶解させた。次に系内にトリエチル
アミン1.1部を仕込み、150℃で1時間反応させ、
重量平均分子量4300のフェノールノボラック変性ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量448)
を得た。
【0028】
【化1】
【0029】次に、温度を100℃まで下げ、エチルカ
ルビトールアセテート218部を仕込み、アクリル酸5
7.6部(0.8モル)、メチルハイドロキノン0.0
8部を仕込み、110℃に加温して6時間反応を続け、
酸価0.5mgKOH/gの反応物(I)を得た。これ
に、テトラヒドロ無水フタル酸91.2部(0.6モ
ル)を仕込み、90℃でさらに6時間反応させ、重量平
均分子量6200、固形分酸価66mgKOH/g、固
形分濃度70%の感光性樹脂−2を得た。
【0030】比較合成例1(感光性樹脂−3の合成例) クレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔エポトートYD
CN−704、東都化成(株)社製、エポキシ当量21
0、軟化点90℃〕210部、アクリル酸72部(1モ
ル)、メチルハイドロキノン0.28部、カルビトール
アセテート149.5部を仕込み、95℃に加熱し、上
記混合物が均一に溶解したことを確認後、トリフェニル
ホスフィン1.4部を仕込み、100℃に加熱し、約3
0時間反応させ、酸価0.5mgKOH/gの反応物を
得た。これに、テトラヒドロ無水フタル酸66.9部
(0.44モル)を仕込み、90℃に加熱し約6時間反
応させ、固形分酸価70mgKOH/g、固形分濃度6
0%の感光性樹脂(A−3)を得た。
【0031】比較合成例2(感光性樹脂−4の合成例) ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔エピコート100
1、油化シェルエポキシ(株)社製、エポキシ当量47
3〕473部、アクリル酸72部(1モル)、メチルハ
イドロキノン0.54部、カルビトールアセテート23
4部を仕込み、95℃に加熱し、上記混合物が均一に溶
解したことを確認後、トリフェニルホスフィン1.4部
を仕込み、100℃に加熱し、約30時間反応させ、酸
価0.5mgKOH/gの反応物を得た。これに、テト
ラヒドロ無水フタル酸127.7部(0.84モル)を
仕込み、90℃に加熱し約6時間反応させ、固形分酸価
70mgKOH/g、固形分濃度60%の感光性樹脂−
4を得た。
【0032】実施例1〜2および比較例1〜2 前記の合成例および比較合成例より得られた感光性樹脂
を用い、表1に示す配合比率に従って、3本ロールミル
にて混練し感光性樹脂組成物を調製した。次いで上記感
光性樹脂組成物を予め脱脂を行なったプリント回路基板
に、乾燥膜厚で30から40μになるようにスクリーン
印刷法により塗布し、80℃で20分間予備乾燥後、室
温まで冷却し乾燥塗膜を得た。この塗膜にレジストパタ
ーンを有するネガフィルムを密着させ、紫外線露光装置
を用いて、350mJ/cm3露光し、ネガフィルムを
はずした後、1%炭酸ナトリウム水溶液を用い、スプレ
ー圧2.0kgf/cm2で60秒間現像し、未露光部
分を溶解除去した。その後、熱風乾燥機を用い、150
℃で30分間加熱硬化を行い、試験片を得た。得られた
塗膜は、以下に示す試験方法に従って、各種物性評価を
行った。これらの試験の評価結果を表2に示す。実施例
1および2は、クレゾールノボラック系の長所である耐
熱性とビスフェノール型の長所である可撓性を兼ね備え
た物性であることを確認した。
【0033】
【表1】
【0034】*1:1,3,5−トリグリシジルイソシ
アヌレート〔日産化学(株)製〕 *2:イルガキュア907、2−メチル−1−〔4−
(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパノン
−1〔チバ・ガイギー社製〕 *3:カヤキュアDETX−S、2,4−ジエチルチオ
キサントン〔日本化薬(株)製〕 *4:ライトアクリレートTMP−A、トリメチロール
プロパントリアクリレート〔共栄社化学(株)製〕 *5:アエロジル300、〔日本アエロジル(株)製〕
【0035】(現像性)予備乾燥時間を20分、40
分、60分、80分、100分とした乾燥塗膜を、1%
炭酸ナトリウム水溶液を用い、スプレー圧2.0kgf
/cm2で60秒間現像を行い、現像後の塗膜の有無を
観察し、以下の基準で評価した。 ○:現像時、完全にインキが除去され、現像できたも
の。 ×:現像時、少しでも現像できない部分があるもの。
【0036】(密着性)JIS D 0202の試験方
法に従って塗膜に碁盤目状にクロスカットを入れ、次い
でセロハンテープによるによるピーリングテスト後の剥
れの状態を目視判定した。評価は、以下の基準で行っ
た。 ○:全く剥がれの無いもの。 △:クロスカット部が少し剥がれたもの。 ×:塗膜に剥がれがあるもの。
【0037】(半田耐熱性)JIS C 6481の試
験方法に従って、試験片を260℃の半田浴に10秒
間、3回浸漬を行ない、取り出した後、外観の変化を観
察した。評価は、以下の基準で行った。 ○:外観変化なしのもの。 △:硬化膜の変色が認められたもの。 ×:硬化膜の浮き、剥れ、半田潜ありのもの。
【0038】(無電解金メッキ耐性)試験片の前処理と
して、30℃の酸性脱脂液に浸漬→浸漬水洗→ソフトエ
ッチング処理→浸漬水洗→触媒を付与(30℃のニッケ
ルメッキ触媒液に7分間浸漬)→浸漬水洗工程を行なっ
た。次に無電解ニッケルメッキ工程として、試験片をニ
ッケルメッキ液(85℃、PH=4.6)に20分間浸
漬→1分間酸浸漬(室温で10vol%硫酸水溶液)→
浸漬水洗を行ない、最後に無電解金メッキ工程として試
験片を金メッキ液(95℃、PH=6、シアン化金カリ
ウム3vol%水溶液)に10分間浸漬→浸漬水洗→6
0℃の温水で浸漬湯洗→十分に水洗後→水を良く切る→
乾燥の工程で無電解金メッキを行ない、その試験片につ
いて外観の変化およびセロハンテープを用いたピーリン
グ試験を行ない塗膜を観察した。評価は、以下の基準で
行った。 ○:外観変化もなく、レジストの剥離も全くないもの。 △:外観の変化はないが、レジストの剥離がわずかに見
られるもの。 ×:レジストの浮きやメッキ潜りが見られ、ピーリング
試験でレジストの剥がれが大きいもの。
【0039】(PCT試験)試験片を121℃、2at
m、飽和蒸気雰囲気下で100時間放置後の塗膜の外観
で判断した。評価は、以下の基準で行った。 ○:塗膜にふくれ、剥れがないもの。 ×:ふくれ、剥れのあるもの。
【0040】(可撓性試験)JIS K5400に準じ
てJIS B7729 A法に規定するエリクセン試験
機を用いて、前記感光性樹脂組成物をボンデ鋼板上に塗
布→乾燥→露光→現像→加熱し、得られた試験片の裏面
から剛球を押し出して、試験片を変形させた時に塗膜の
割れおよび剥れを生じるまでの押し出し距離を測定し
た。評価は、以下の基準で行った。 ◎:剛球を押し出した距離が、6mm以上で塗膜の割れ
および剥がれが生じなかったもの。 ○:剛球を押し出した距離が、4mm以上で塗膜の割れ
および剥がれが生じなかったもの。 ×:剛球を押し出した距離が、4mm未満で塗膜の割れ
および剥がれが生じたもの。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、希アルカリ水溶液での
現像性に特に優れ、且つ硬化後の塗膜が、特に可撓性、
耐熱性、半田耐熱性、密着性、耐水性、耐屈曲性、耐薬
品性等に優れた感光性樹脂組成物が提供される。本発明
の感光性樹脂組成物は、プリント配線板ソルダーレジス
ト、高密度多層板層間絶縁膜、半導体パッケージ用ソル
ダーレジスト、フレキシブルプリント配線板用レジスト
インキ等の電子材料分野に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA04 AA09 AA10 AA14 AB15 AB16 AB17 AC01 AD01 BC13 BC42 BC74 BC85 BC86 BJ10 CA00 CC03 4J036 AC02 AC03 AD08 AF01 AF05 AF06 AF19 CA29 CB03 CC03 DB06 DB15 DC02 DC31 DC35 DC41 FB01 JA08 JA09 5E314 AA27 AA32 BB05 FF01 GG01 GG08 GG14 GG17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)フェノールノボラックおよび/ま
    たはクレゾールノボラック変性ビスフェノール型エポキ
    シ樹脂のエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加反応させ
    た反応物(I)の水酸基に、さらに飽和および/または
    不飽和多塩基酸無水物を付加反応させた樹脂、(B)エ
    ポキシ樹脂、(C)光重合開始剤、および(D)重合性
    不飽和化合物および/または溶剤を含有してなる感光性
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分におけるフェノールノボラッ
    クおよび/またはクレゾールノボラック変性ビスフェノ
    ール型エポキシ樹脂が、ビスフェノール型エポキシ樹脂
    のエポキシ基1当量に対してフェノールノボラックの水
    酸基を0.05〜0.5当量の割合で反応させたもので
    あることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 (A)成分におけるフェノールノボラッ
    クおよび/またはクレゾールノボラック変性ビスフェノ
    ール型エポキシ樹脂が、リン系触媒で反応させて得られ
    たものであることを特徴とする請求項1または2に記載
    の感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)成分におけるビスフェノール型エ
    ポキシ樹脂が、ビスフェノール型エポキシ樹脂とジイソ
    シアネート化合物の反応物であるイソシアネート変性エ
    ポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A)成分において、反応物(I)中の
    水酸基1当量に対して、飽和および/または不飽和多塩
    基酸無水物を0.1〜0.8当量反応させたものである
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記
    載の感光性樹脂。
  6. 【請求項6】 (B)エポキシ樹脂が、組成物に対して
    1〜50重量%配合される請求項1ないし5のいずれか
    1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (C)光重合開始剤が、組成物に対して
    0.5〜20重量%配合される請求項1ないし6のいず
    れか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (D)重合性不飽和化合物および/また
    は溶剤が、組成物に対して5〜80重量%配合される請
    求項1ないし7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成
    物。
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