JP2003098706A - 電子写真感光体、画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ

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JP2003098706A
JP2003098706A JP2001291131A JP2001291131A JP2003098706A JP 2003098706 A JP2003098706 A JP 2003098706A JP 2001291131 A JP2001291131 A JP 2001291131A JP 2001291131 A JP2001291131 A JP 2001291131A JP 2003098706 A JP2003098706 A JP 2003098706A
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electrophotographic photosensitive
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Masahiko Kurachi
雅彦 倉地
Satoru Uchino
哲 内野
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は電位安定性の良好な、且つ黒
ポチ等の画像欠陥を発生しない電子写真感光体を提供す
ることであり、更に詳しくは黒ポチ等の画像欠陥を発生
させず、初期電位変動が少ない良好な電子写真感光体、
画像形成装置、画像形成方法、プロセスカートリッジを
提供することにある。 【解決手段】 導電性支持体上に、中間層を介して電荷
発生層及び電荷輸送層の積層構造を有する電子写真感光
体において、該中間層が、複数回の表面処理が施され、
且つ最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いて
施されたN型半導性微粒子とバインダー樹脂を含有して
おり、該電子写真感光体の表面層が、ヒンダードアミン
化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ
ーの分野において用いられる電子写真感光体、及び該電
子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、プ
ロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体(以下単に感光体とも
云う)はSe、ヒ素、ヒ素/Se合金、CdS、ZnO
等の無機感光体から、公害や製造の容易性等の利点に優
れる有機感光体に主体が移り、様々な材料を用いた有機
感光体が開発されている。
【0003】近年では電荷発生と電荷輸送の機能を異な
る材料に担当させた機能分離型の感光体が主流となって
おり、なかでも電荷発生層、電荷輸送層を積層した積層
型の感光体が広く用いられている。
【0004】また、電子写真プロセスに目を向けると潜
像画像形成方式は、ハロゲンランプを光源とするアナロ
グ画像形成とLEDやレーザーを光源とするデジタル方
式の画像形成に大別される。最近はパソコンのハードコ
ピー用のプリンターとして、また通常の複写機において
も画像処理の容易さや複合機への展開の容易さからデジ
タル方式の潜像画像形成方式が急激に主流となりつつあ
る。
【0005】デジタル方式の画像形成では、デジタル電
気信号に変換された画像情報を感光体上に静電潜像とし
て書き込む際の光源としてレーザー、特に半導体レーザ
ーやLEDが用いられている。
【0006】また、デジタル方式の書き込みでは露光ビ
ーム径が小さいので書き込み速度が遅くなる。そのた
め、露光部分の現像方法として反転現像との組み合わせ
が主に用いられているが、この反転現像を用いた画像形
成方法の特有の問題として、本来白地部分として画像形
成されるべき箇所に、トナーが付着してカブリ発生させ
る現象、即ち、感光体の局部的な欠陥による黒ポチの発
生が知られている。
【0007】これらの問題を解決するため、感光体中に
中間層を用いる技術が開発されている。例えば、導電性
支持体と感光層の間に中間層を設け、該中間層には酸化
チタン粒子を樹脂中に分散した構成を有する電子写真感
光体が知られている。又、表面処理を行った酸化チタン
を含有させた中間層の技術も知られている。例えば、特
開平4−303846号の酸化鉄、酸化タングステンで
表面処理された酸化チタン、特開平9−96916号の
アミノ基含有カップリング剤で表面処理された酸化チタ
ン、特開平9−258469号の有機ケイ素化合物で表
面処理された酸化チタン、特開平8−328283号の
メチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された
酸化チタン等が挙げられる。
【0008】しかし、これらの技術を用いても高温高湿
や、低温低湿の厳しい環境下では、尚、黒ポチの発生防
止が十分でなく、或いは、繰り返し使用に伴う残留電位
の上昇、露光部電位の上昇が起こり、画像濃度が十分得
られないといった問題が発生している。更に、特開平1
1−344826号には金属酸化物、或いは有機化合物
で表面処理された樹枝状酸化チタンを用いた中間層を有
する電子写真感光体が提案されている。しかし、この特
許に開示された実施例の追試を行った結果では、尚、高
温高湿や低温低湿での黒ポチ発生の防止効果が十分でな
い。
【0009】一方、潜像形成の為の像露光光源として
は、主としてレーザ光やLED光が用いられている。現
在、最もよく使用される入力光の発振波長は、780n
mや660nmの近赤外光やそれに近い長波長光であ
る。デジタル的に画像形成を行う際に使用される感光体
にとって、まず第一に要求される特性としてはこれらの
長波長光に対して高感度であることであり、これまで多
種多様な材料についてそのような特性を有するか否かの
検討がなされてきている。その中でもフタロシアニン化
合物は、合成が比較的簡単であう上、長波長光に対して
高感度を示すものが多い点で、フタロシアニン化合物を
用いた感光体が、幅広く検討され、実用化されている。
【0010】例えば、特公平5−55860号公報には
チタニルフタロシアニンを用いた感光体が、特開昭59
−155851号公報にはβ型インジウムフタロシアニ
ンを用いた感光体が、特開平2−233769号公報に
はχ型無金属フタロシアニンを用いた感光体が、特開昭
61−28557号公報にはバナジルオキシフタロシア
ニンを用いた感光体が、それぞれ開示されている。
【0011】上記フタロシアニン系の顔料を用いた電子
写真感光体では、画像形成を一定時間休止し、その後画
像形成を再開した直後の帯電電位が2回目以降の帯電電
位よりも低くなる(以後、初期電位変動と云う)問題を
有する。この現象は特に反転現像では感光体1回転目に
画像形成したコピー画像が2回転目以降に比較して明ら
かに劣る原因となる。画像欠陥としては本来白地へのト
ナーカブリとして現れるため目立ちやすく深刻である。
【0012】特に、後述する中間転写体を用いた画像形
成装置は、高細密性の色再現/解像性に優れ、高画質/
高信頼性が要求されるカラー画像を形成できるが、中間
転写体へのトナー画像の転写を上述のような反転現像プ
ロセスによって行う場合、帯電とは逆極性の電荷による
1次転写が必要となり、フタロシアニン化合物を電荷発
生層に含有する積層型感光体は1次転写における逆極性
の影響を強く受け、前記の感光体1回転目の画像劣化が
顕著に現れる傾向にある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点に鑑み、電位安定性の良好な、且つ黒ポチ等
の画像欠陥を発生しない電子写真感光体を提供すること
であり、更に詳しくは黒ポチ等の画像欠陥を発生させ
ず、初期電位変動が少ない良好な電子写真感光体、及び
該電子写真感光体を用いた画像形成装置、画像形成方
法、プロセスカートリッジを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は感光体を
構成する各層に検討を加えた結果、上記課題に対し下記
のような感光体体構成を採ることにより達成された。
【0015】以下、本発明について詳細に説明する。 1.導電性支持体上に、中間層を介して電荷発生層及び
電荷輸送層の積層構造を有する電子写真感光体におい
て、該中間層が、複数回の表面処理が施され、且つ最後
の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いて施された
N型半導性微粒子とバインダー樹脂を含有しており、該
電子写真感光体の表面層が、ヒンダードアミン化合物を
含有することを特徴とする電子写真感光体。
【0016】2.前記反応性有機ケイ素化合物がメチル
ハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする
前記1に記載の電子写真感光体。
【0017】3.前記反応性有機ケイ素化合物が下記一
般式(1)で示されることを特徴とする前記1に記載の
電子写真感光体。
【0018】一般式(1) R−Si−(X)3 〔式中、Rはアルキル基、アリール基、Xはメトキシ
基、エトキシ基、ハロゲン原子を表す。〕 4.前記一般式(1)のRが炭素数4から8までのアル
キル基であることを特徴とする前記3に記載の電子写真
感光体。
【0019】5.導電性支持体上に、中間層を介して電
荷発生層及び電荷輸送層の積層構造を有する電子写真感
光体において、該中間層が、複数回の表面処理が施さ
れ、且つ最後の表面処理が反応性有機チタン化合物を用
いて施されたN型半導性微粒子とバインダー樹脂を含有
しており、該電子写真感光体の表面層が、ヒンダードア
ミン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光
体。
【0020】6.導電性支持体上に、中間層を介して電
荷発生層及び電荷輸送層の積層構造を有する電子写真感
光体において、該中間層が、複数回の表面処理が施さ
れ、且つ最後の表面処理が反応性有機ジルコニウム化合
物を用いて施されたN型半導性微粒子とバインダー樹脂
を含有しており、該電子写真感光体の表面層が、ヒンダ
ードアミン化合物を含有することを特徴とする電子写真
感光体。
【0021】7.前記複数回の表面処理のうち、少なく
とも1回の表面処理がアルミナ、シリカ及びジルコニア
の少なくとも1種以上の表面処理であることを特徴とす
る前記1〜6の何れか1項に記載の電子写真感光体。
【0022】8.前記N型半導性微粒子が、少なくとも
シリカ又はアルミナによる表面処理が施され、次いで反
応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理が施されたこと
を特徴とする前記1〜4及び7の何れか1項に記載の電
子写真感光体。
【0023】9.前記N型半導性微粒子が、少なくとも
シリカ又はアルミナによる表面処理が施され、次いで反
応性有機チタン化合物を用いた表面処理が施されたこと
を特徴とする前記5又は7に記載の電子写真感光体。
【0024】10.前記N型半導性微粒子が、少なくと
もシリカ又はアルミナによる表面処理が施され、次いで
反応性有機ジルコニウム化合物を用いた表面処理が施さ
れたことを特徴とする前記6又は7に記載の電子写真感
光体。
【0025】11.前記N型半導性微粒子が、酸化チタ
ン粒子であることを特徴とする前記1〜10の何れか1
項に記載の電子写真感光体。
【0026】12.前記N型半導性微粒子が、ルチル型
の結晶構造を有することを特徴とする前記1〜11の何
れか1項に記載の電子写真感光体。
【0027】13.前記N型半導性微粒子の数平均一次
粒径が10nm以上200nm以下であることを特徴と
する前記1〜12の何れか1項に記載の電子写真感光
体。
【0028】14.導電性支持体上に、中間層を介して
電荷発生層及び電荷輸送層の積層構造を有する電子写真
感光体において、該中間層が、表面処理された酸化チタ
ン粒子とバインダー樹脂を含有しており、該電子写真感
光体の表面層が、ヒンダードアミン化合物を含有するこ
とを特徴とする電子写真感光体。
【0029】15.前記表面処理が、フッ素原子を有す
る反応性有機ケイ素化合物を用いて施されたことを特徴
とする前記14に記載の電子写真感光体。
【0030】16.前記酸化チタン粒子の数平均一次粒
径が10nm以上200nm以下であることを特徴とす
る前記14又は15に記載の電子写真感光体。
【0031】17.前記表面層が電荷輸送性化合物を含
有することを特徴とする前記1〜16の何れか1項に記
載の電子写真感光体。
【0032】18.電子写真感光体の周辺に設置された
現像手段により、該電子写真感光体上に形成されたトナ
ー像を、一旦中間転写体上に転写し、続いて中間転写体
上のトナー像を転写材に転写し、該電子写真感光体表面
の残留トナーをクリーニング手段により除去する画像形
成装置において、該電子写真感光体が前記1〜17の何
れか1項に記載の電子写真感光体であることを特徴とす
る画像形成装置。
【0033】19.前記18の画像形成装置を用いてト
ナー画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【0034】20.少なくとも前記1〜17の何れか1
項に記載の電子写真感光体と帯電器、像露光器、現像
器、転写器、クリーニング器の少なくとも1つを一体と
して有しており、該画像形成装置に出し入れ可能に構成
されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0035】本発明の電子写真感光体(以下、単に感光
体ともいう)は導電性支持体と感光層の間に設ける中間
層に特定の表面処理を施されたN型半導性微粒子とバイ
ンダ樹脂とを含有させることを特徴としている。そのN
型半導性微粒子の表面処理は、複数回の表面処理が施
され、かつ該複数回の表面処理のうち最後の表面処理が
反応性有機ケイ素化合物による表面処理であることを特
徴とするもの、フッ素原子を有する反応性有機ケイ素
化合物による表面処理であることを特徴とするもの、
複数回の表面処理が施され、かつ該複数回の表面処理の
うち最後の表面処理が反応性有機チタン化合物による表
面処理であることを特徴とするもの、及び複数回の表
面処理が施され、かつ該複数回の表面処理のうち最後の
表面処理が反応性有機ジルコニウム化合物による表面処
理であることを特徴としている。
【0036】これらの4つのうち何れか一つの表面処理
を施されたN型半導性微粒子を含有した中間層を導電性
支持体と感光層の間に設け、表面層として電荷輸送性構
造基を含むシロキサン系樹脂を含有する層を設けること
により、残電上昇や、帯電電位低下といった電子写真特
性を劣化させることなく、黒ポチの発生を著しく抑制す
ることができ、更には、レーザー露光によるモアレの発
生も改善できることを見出したものである。
【0037】更に、本発明においては、前述のN型半導
性微粒子として酸化チタン微粒子を用いることが特に好
ましい。
【0038】以下、本発明に用いられるN型半導性微粒
子及び酸化チタンについて、更に、上記表面処理につい
て詳細に説明する。
【0039】本発明に用いられるN型半導性微粒子と
は、導電性キャリアを電子とする性質をもつ微粒子を示
す。すなわち、導電性キャリアを電子とする性質とは、
該N型半導性微粒子を絶縁性バインダーに含有させるこ
とにより、基体からのホール注入を効率的にブロック
し、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性
を示さない性質を有するものをいう。
【0040】前記N型半導性微粒子は、具体的には酸化
チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ
(SnO2)等の微粒子が挙げられるが、本発明では、
特に酸化チタンが好ましく用いられる。
【0041】本発明に用いられるN型半導性微粒子の平
均粒径は、数平均一次粒径において10nm以上200
nm以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは10
nm〜100nm、特に好ましくは、15nm〜50n
mである。
【0042】数平均一次粒径の値が前記範囲内にあるN
型半導性微粒子を用いた中間層は層内での分散を緻密な
ものとすることができ、十分な電位安定性、及び黒ポチ
発生防止機能を有する。
【0043】前記N型半導性微粒子の数平均一次粒径
は、例えば酸化チタンの場合、透過型電子顕微鏡観察に
よって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒
子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の
数平均径として測定される。
【0044】本発明に用いられるN型半導性微粒子の形
状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このよ
うな形状のN型半導性微粒子は、例えば酸化チタン粒子
では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びア
モルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用い
てもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよ
い。その中でもルチル型のものが最も良い。
【0045】本発明のN型半導性微粒子の表面処理の1
つは、複数回の表面処理が施され、かつ該複数回の表面
処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物
を用いた表面処理が施されたものである。また、該複数
回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアル
ミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる1種類以上
の表面処理であり、最後に反応性有機ケイ素化合物を用
いて表面処理を施すことが好ましい。
【0046】尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニ
ア処理とはN型半導性微粒子表面にアルミナ、シリカ、
或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表
面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミ
ナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応
性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有
機ケイ素化合物を用いることを意味する。
【0047】また、本発明のN型半導性微粒子に施され
る表面処理の他の方法としては、複数回の表面処理を行
い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理に
反応性有機チタン化合物や或いは反応性有機ジルコニウ
ム化合物を用いて表面処理を施すものである。また、該
複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理が
上記同様アルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれ
る1種類以上の表面処理が施され、最後に反応性有機チ
タン化合物或いは反応性有機ジルコニウム化合物を用い
て表面処理を施すものであることが好ましい。
【0048】この様に、酸化チタン粒子の様なN型半導
性微粒子の表面処理を少なくとも2回以上施すことによ
り、N型半導性微粒子表面が均一に表面被覆(処理)さ
れ、該表面処理されたN型半導性微粒子を中間層に用い
ると、中間層内における酸化チタン粒子等のN型半導性
微粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発
生させない良好な感光体を得ることができるのである。
【0049】また、該複数回の表面処理をアルミナ及び
シリカの表面処理を施し、次いで反応性有機ケイ素化合
物を用いた表面処理を施すものや、アルミナ及びシリカ
の表面処理の後に反応性有機チタン化合物或いは反応性
有機ジルコニウム化合物を用いた表面処理を施したもの
が特に好ましい。
【0050】なお、前述のアルミナ及びシリカの処理は
同時に施しても良いが、特にアルミナ処理を最初に施
し、次いでシリカ処理を施すことが好ましい。また、ア
ルミナとシリカの処理をそれぞれ施す場合のアルミナ及
びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いもの
が好ましい。
【0051】前記酸化チタン等のN型半導性微粒子のア
ルミナ、シリカ、及びジルコニア等の金属酸化物による
表面処理は湿式法で行うことができる。例えば、シリ
カ、又はアルミナの表面処理を施したN型半導性微粒子
は以下の様に作製することができる。
【0052】N型半導性微粒子として酸化チタン粒子を
用いる場合、酸化チタン粒子(数平均一次粒子径:50
nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分散させて
水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又は水溶性
のアルミニウム化合物を添加する。その後、アルカリ又
は酸を添加して中和し、酸化チタン粒子の表面にシリ
カ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗浄、乾
燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記水溶性
のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場合に
は、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和することができる。
一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミニ
ウムを用いたときは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム
等のアルカリで中和することができる。
【0053】なお、上記表面処理に用いられる金属酸化
物の量は、前記表面処理時の仕込量にて酸化チタン粒子
等のN型半導性微粒子100質量部に対して、0.1〜
50質量部、更に好ましくは1〜10質量部の金属酸化
物が用いられる。尚、前述のアルミナとシリカを用いた
場合も例えば酸化チタン粒子の場合、酸化チタン粒子1
00質量部に対して各々1〜10質量部用いることが好
ましく、アルミナよりもシリカの量が多いことが好まし
い。
【0054】上記の金属酸化物による表面処理の次に施
される反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理は以下
の様な湿式法で行うことが好ましい。
【0055】即ち、有機溶剤や水に対して前記反応性有
機ケイ素化合物を溶解または懸濁させた液に前記金属酸
化物で処理された酸化チタンを添加し、この液を数分か
ら1時間程度撹拌する。そして場合によっては該液に加
熱処理を施した後に、濾過等の工程を経た後乾燥し、表
面を有機ケイ素化合物を用いて表面処理した酸化チタン
粒子を得る。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを
分散させた懸濁液に前記反応性有機ケイ素化合物を添加
しても構わない。
【0056】尚、本発明において酸化チタン粒子表面が
反応性有機ケイ素化合物により被覆されていることは、
光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Au
ger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反
射FI−IR等の表面分析手法を複合することによって
確認されるものである。
【0057】前記表面処理に用いられる反応性有機ケイ
素化合物の量は、前記表面処理時の仕込量にて前記金属
酸化物で処理された酸化チタン100質量部に対し、反
応性有機ケイ素化合物を0.1〜50質量部、更に好ま
しくは1〜10質量部が好ましい。表面処理量が上記範
囲よりも少ないと表面処理効果が十分に付与されず、中
間層内における酸化チタン粒子の分散性等が悪くなる。
また、上記範囲を超えてしまうと電子写真特性を劣化さ
せ、その結果残留電位上昇や帯電電位の低下を招いてし
まう。
【0058】本発明で用いられる反応性有機ケイ素化合
物としては下記一般式(2)で表される化合物が挙げら
れるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反
応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
【0059】一般式(2) (R)n−Si−(X)4-n (式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が
直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表
し、nは0〜3の整数を表す。) 一般式(2)で表される有機ケイ素化合物において、R
で示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基とし
ては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニ
ル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ
−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキ
シプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メ
タ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3
−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、
ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプ
ロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−
β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ
基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプ
ロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチル
エチル等の含ハロゲン原子、その他ニトロ、シアノ置換
アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基とし
てはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン原
子、アシルオキシ基が挙げられる。
【0060】また、一般式(2)で表される有機ケイ素
化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用
しても良い。
【0061】また、一般式(2)で表される有機ケイ素
化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のR
は同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の
場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一
般式(2)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用
いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良
く、異なっていても良い。
【0062】nが0の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。テトラクロロシラン、ジエトキシジクロロ
シラン、テトラメトキシシラン、フェノキシトリクロロ
シラン、テトラアセトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラアリロキシシラン、テトラプロポキシシラ
ン、テトライソプロポキシシラン、テトラキス(2−メ
トキシエトキシ)シラン、テトラブトキシシラン、テト
ラフェノキシシラン、テトラキス(2−エチルブトキ
シ)シラン、テトラキス(2−エチルヘキシロキシ)シ
ラン等が挙げられる。
【0063】nが1の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。即ち、トリクロロシラン、メチルトリクロ
ロシラン、ビニルトリクロロシラン、エチルトリクロロ
シラン、アリルトリクロロシラン、n−プロピルトリク
ロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、クロロメチ
ルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
ルカプトメチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニ
ルシラン、エチルトリメトキシシラン、3,3,4,
4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリク
ロロシラン、フェニルトリクロロシラン、3,3,3−
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロ
プロピルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、3
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノ
メチルトリメトキシシラン、ベンジルトリクロロシラ
ン、メチルトリアセトキシシラン、クロロメチルトリエ
トキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、3−アリルチオプロピルトリメト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、3−ア
リルアミノプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリ
エトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、3−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、ビス(エチルメチルケト
オキシム)メトキシメチルシラン、ペンチルトリエトキ
シシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリ
エトキシシラン等が挙げられる。
【0064】nが2の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。ジメチルジクロロシラン、ジメトキシメチ
ルシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチル−3,
3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジエト
キシシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチ
ル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−ク
ロロプロピルジメトキシメチルシラン、クロロメチルジ
エトキシシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキ
シ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、3,3,
4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメ
チルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、
ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビ
ニルシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジクロ
ロシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラ
ン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキ
シメチルシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、
3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、
3−(3−シアノプロピルチオプロピル)ジメトキシメ
チルシラン、3−(2−アセトキシエチルチオプロピ
ル)ジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−2−
ピペリジノエチルシラン、ジブトキシジメチルシラン、
3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、
ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシ−3−グ
リシドキシプロピルメチルシラン、3−(3−アセトキ
シプロピルチオ)プロピルジメトキシメチルシラン、ジ
メトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエ
トキシメチルオクタデシルシラン等が挙げられる。
【0065】nが3の化合物例としては下記の化合物が
挙げられる。トリメチルクロロシラン、メトキシトリメ
チルシラン、エトキシトリメチルシラン、メトキシジメ
チル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−
クロロプロピルメトキシジメチルシラン、メトキシ−3
−メルカプトプロピルメチルメチルシラン等が挙げられ
る。
【0066】また、一般式(2)で表される有機ケイ素
化合物は、好ましくは下記一般式(1)で示される有機
ケイ素化合物が用いられる。
【0067】一般式(1) R−Si−(X)3 式中、Rはアルキル基、アリール基、Xはメトキシ基、
エトキシ基、ハロゲン原子を表す。
【0068】一般式(1)で表される有機ケイ素化合物
においては、更に好ましくはRが炭素数4から8までの
アルキル基である有機ケイ素化合物が好ましく、具体的
な好ましい化合物例としては、トリメトキシn−ブチル
シラン、トリメトキシi−ブチルシラン、トリメトキシ
ヘキシルシラン、トリメトキシオクチルシランが挙げら
れる。
【0069】又、最後の表面処理に用いる好ましい反応
性有機ケイ素化合物としてはハイドロジェンポリシロキ
サン化合物が挙げられる。該ハイドロジェンポリシロキ
サン化合物の分子量は1000〜20000のものが一
般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好であ
る。
【0070】特にメチルハイドロジェンポリシロキサン
を最後の表面処理に用いると良好な効果が得られる。
【0071】本発明の酸化チタンの表面処理の他の1つ
はフッ素原子を有する有機ケイ素化合物により表面処理
を施された酸化チタン粒子である。該フッ素原子を有す
る有機ケイ素化合物による表面処理、前記した湿式法で
行うのが好ましい。
【0072】即ち、有機溶剤や水に対して前記フッ素原
子を有する有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させ、こ
の中に未処理の酸化チタンを添加し、このような溶液を
数分から1時間程度撹拌して混合し、場合によっては加
熱処理を施した後に、濾過などの工程を経て乾燥し、酸
化チタン表面をフッ素原子を有する有機ケイ素化合物で
被覆する。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分
散した懸濁液に前記フッ素原子を有する有機ケイ素化合
物を添加しても構わない。
【0073】尚、前記酸化チタン表面がフッ素原子を有
する有機ケイ素化合物によって表面処理されていること
は、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法
(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や
拡散反射FI−IR等の表面分析装置を用いて複合的に
確認することができる。
【0074】本発明に用いられるフッ素原子を有する有
機ケイ素化合物としては、3,3,4,4,5,5,
6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラ
ン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロ
ロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオ
ロプロピルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,
6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン等が挙
げられる。
【0075】なお、本発明では、上記のN型半導性微粒
子に最後に施される表面処理を反応性有機チタン化合物
や反応性有機ジルコニウム化合物を用いて施されるもの
も含まれるが、具体的な表面処理方法は、上記反応性有
機ケイ素化合物による表面処理方法に準ずる方法によっ
て施されるものである。
【0076】また、前記N型半導性微粒子表面が反応性
有機チタン化合物や反応性有機ジルコニウム化合物によ
って表面処理されていることは、光電子分光法(ESC
A)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン
質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面
分析手法を複合的に用いることにより高精度に確認され
るものである。
【0077】前記N型半導性微粒子の表面処理に用いら
れる具体的な反応性有機チタン化合物としては、テトラ
プロポキシチタン、テトラブトキシチタン等の金属アル
コキシド化合物やジイソプロポキシチタニウムビス(ア
セチルアセテート)、ジイソプロポキシチタニウムビス
(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタニ
ウムビス(ラクテート)、ジブトキシチタニウムビス
(オクチレングリコレート)、ジイソプロポキシチタニ
ウムビス(トリエタノールアミナート)等の金属キレー
ト化合物が挙げられる。また、反応性有機ジルコニウム
化合物としては、テトラブトキシジルコニウムやブトキ
シジルコニウムトリ(アセチルアセテート)等の金属ア
ルコキシド化合物や金属キレート化合物が挙げられる。
【0078】次に、前記表面処理が施された酸化チタン
粒子等のN型半導性微粒子(以下、表面処理N型半導性
微粒子ともいう。また、特に、表面処理が施された酸化
チタン粒子を表面処理酸化チタンとも云う)を用いた中
間層の構成について説明する。
【0079】本発明の中間層は、前記複数回の表面処理
を行って得られた表面処理酸化チタン等の表面処理N型
半導性微粒子をバインダー樹脂とともに溶媒中に分散さ
せた液を導電性支持体上に塗布することにより作製され
る。
【0080】本発明の中間層は導電性支持体と感光層の
間に設けられ、該導電性支持体と感光層のとの接着性改
良、及び該支持体からの電荷注入を防止するバリア機能
を有する。該中間層のバインダー樹脂としては、ポリア
ミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニ
ルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビ
ニルアルコール樹脂やメラミン樹脂、エポキシ樹脂、ア
ルキッド樹脂等の熱硬化性樹脂やこれらの樹脂の繰り返
し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられ
る。これらバインダー樹脂の中でポリアミド樹脂が特に
好ましく、特には共重合、メトキシメチロール化等のア
ルコール可溶性ポリアミドが好ましい。
【0081】前記バインダー樹脂中に分散される本発明
の表面処理N型半導性微粒子の量は、例えば表面処理酸
化チタンの場合では、該バインダー樹脂100質量部に
対し、10〜10,000質量部、好ましくは50〜
1,000質量部である。該表面処理酸化チタンをこの
範囲で用いることにより、該酸化チタンの分散性を良好
に保つことができ、黒ポチが発生せず、初期電位変動が
小さい良好な中間層を形成することができる。
【0082】本発明の中間層の膜厚は0.5〜15μm
が好ましい。膜厚を前記範囲で用いることにより、黒ポ
チが発生せず、初期電位変動が小さい電子写真特性の良
好な中間層を形成できる。
【0083】本発明の中間層を形成するために作製する
中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等の表面処理N
型半導性微粒子、バインダー樹脂、分散溶媒等から構成
されるが、分散溶媒としては他の感光層の作製に用いら
れる溶媒と同様なものが適宜用いられる。
【0084】即ち、本発明の中間層、感光層、その他樹
脂層の形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−
ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イ
ソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエ
チレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケト
ン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロ
エタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリ
クロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリク
ロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノー
ル、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸
ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が
挙げられる。
【0085】中間層塗布液溶媒としては、これらに限定
されるものではないが、メタノール、エタノール、ブタ
ノール、1−プロパノール、イソプロパノール等が好ま
しく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種
以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0086】また、中間層塗布溶媒としては、中間層塗
布時の乾燥ムラの発生を防止するために高い樹脂溶解性
を有するメタノールと直鎖アルコールとの混合溶媒を用
いることが好ましく、好ましい溶媒の比率は、体積比で
メタノール1に対して直鎖アルコールを0.05〜0.
6の比率で混合したものがよい。この様に塗布溶媒を混
合溶媒とすることで溶媒の蒸発速度が適切に保たれ、塗
布時の乾燥ムラに伴う画像欠陥の発生を抑えることがで
きる。
【0087】中間層塗布液の作製に用いられる表面処理
酸化チタンの分散手段としてはサンドミル、ボールミ
ル、超音波分散等いずれの分散手段を用いても良い。
【0088】前記中間層を含め、本発明の電子写真感光
体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、
スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用い
られるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力
溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためス
プレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型が
その代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好まし
い。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−
90250号及び特開平3−269238号公報に詳細
に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特
開昭58−189061号公報に詳細に記載されてい
る。
【0089】次に、前記中間層上に積層される感光層に
ついて記載する。本発明の感光体としてはセレンやアモ
ルファスシリコン等を用いた無機感光体にも適用できる
が、本発明の目的からは有機電子写真感光体(有機感光
体とも云う)に本発明の中間層、表面層を適用すること
が好ましい。
【0090】本発明において、有機感光体とは電子写真
感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送
機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構
成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生
物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷
発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体
等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0091】有機感光体の層構成は、特に限定はない
が、前記中間層上に電荷発生層及び電荷輸送層を塗設し
た構成を有する。
【0092】本発明の電子写真感光体の表面層とは電荷
輸送層あるいは必要により設置された保護層を意味す
る。
【0093】本発明では、この電荷輸送層、あるいは保
護層の表面層にヒンダードアミン化合物を含有させるこ
とを特徴とする。
【0094】ヒンダードアミン化合物を表面層に含有さ
せることにより、反転現像で形成されたトナー画像を中
間転写体、あるいは記録紙に転写する際にトナー極性と
反対のバイアス電圧を印可した画像形成方法を用いて
も、初期電位変動を小さくできる。特に前記した中間層
とヒンダードアミン化合物を含有した表面層を併用する
ことにより、導電性基体からの自由電荷の注入が防止で
き、且つ、バイアス電圧印可による感光層の電位メモリ
ー現象を抑制し、黒ポチが発生せず、初期電位変動が小
さい、電子写真感光体を得ることができる。
【0095】前記ヒンダードアミン系とはN原子近傍に
かさ高い有機基を有する化合物である。かさ高い有機基
としては分岐状アルキル基があり、例えばt−ブチル基
が好ましい。例えば下記構造式で示される有機基を有す
る化合物類が好ましい。
【0096】
【化1】
【0097】式中のR13は水素原子又は1価の有機基、
14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素原
子、水酸基又は1価の有機基を示す。
【0098】ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化
防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P
7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれ
に限定されるものではない。
【0099】ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止
剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜
P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定
されるものではない。
【0100】以下ヒンダードアミン化合物の化合物例を
挙げる。
【0101】
【化2】
【0102】
【化3】
【0103】
【化4】
【0104】叉、製品化されているヒンダードアミン化
合物としては「サノールLS2626」、「サノールL
S765」、「サノールLS770」、「サノールLS
744」、「チヌビン144」、「チヌビン622L
D」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マ
ークLA62」、「マークLA68」、「マークLA6
3」等のヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
【0105】表面層のヒンダードアミン化合物の含有量
は、表面層中に0.05〜10質量%、好ましくは0.
1〜5質量%で含有させるのがよい。
【0106】0.05質量%未満だと初期電位変動を抑
止する効果が小さく、10質量%より多いと感度低下や
残留電位上昇を引き起こしやすい。
【0107】以下に本発明に用いられる具体的な感光体
の構成について記載する。 導電性支持体 本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシー
ト状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置
をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の
方が好ましい。
【0108】本発明の円筒状導電性支持体とは回転する
ことによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒
状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ
0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好まし
い。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像
形成が困難になる。
【0109】導電性の材料としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又
は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用
することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗
103Ωcm以下が好ましい。
【0110】本発明で用いられる導電性支持体は、その
表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを
用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム
酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等
の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最
も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場
合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイ
オン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電
圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定される
ものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常2
0μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0111】中間層 本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤ
ー機能を備えた前記した中間層を設ける。
【0112】感光層 本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生
機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感
光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電
荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した
構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることに
より繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御で
き、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやす
い。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(C
GL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取るこ
とが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が
負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好まし
い感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体
構成である。
【0113】以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成
について説明する。 電荷発生層 電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。そ
の他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他
添加剤を含有しても良い。
【0114】電荷発生物質(CGM)としては公知の電
荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフ
タロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニ
ウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り
返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGM
は複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位
構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を
有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙
げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θ
が27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシア
ニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイ
ミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣
化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができ
る。
【0115】電荷発生層にCGMの分散媒としてバイン
ダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用
いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマ
ール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコー
ン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バイン
ダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ま
しい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用
に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の
膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0116】電荷輸送層 電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分
散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質
としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても
良い。
【0117】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当な
バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これら
の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくで
きるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMと
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下
である。
【0118】CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは
表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0119】電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂と
しては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並
びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を
含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−
N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げら
れる。
【0120】これらCTLのバインダーとして最も好ま
しいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネ
ート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にする
ことにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸
送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し
10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚
は10〜40μmが好ましい。
【0121】保護層 必要により本発明の電子写真感光体は保護層を設けるこ
とができる。保護層としてはシロキサン系樹脂層が好ま
しい。
【0122】上記では本発明の最も好ましい感光体の層
構成を例示したが、本発明では上記以外の感光体層構成
でも良い。例えば、電荷輸送層を2層以上の多層構成と
してもよい。
【0123】次に、本発明の中間転写体を用いた画像形
成装置について説明する。図1は、本発明の実施の形態
を示すカラー画像形成装置100の構成断面図である。
【0124】本例は、ドラム型の中間転写体(中間転写
手段とも云う)を有する装置であり、転写手段上に現像
剤であるカラートナーを重ね合わせてカラー画像を形成
したのち、転写材(転写紙P)に転写を行う形態であ
る。
【0125】中間転写体の構造としては、一般的には多
層構造であり、例えば、導電性支持体上に、少なくとも
ゴム、エラストマー、樹脂等から形成される弾性層と、
少なくとも1層の被覆層とを設けてなる構造などが挙げ
られる。前記中間転写体の形状としては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することできるが、例えば、
ローラ形状、ベルト形状などが好適に挙げられる。
【0126】前記中間転写体の材料としては、例えば、
ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエ
チレン系樹脂、フッ素系樹脂等に対して、導電性のカー
ボン粒子や金属粉等を分散混合させたものが好適に用い
られる。これらの中でも、ポリウレタン系樹脂にカーボ
ン粒子を分散させたものを好適に用いることができる。
【0127】前記中間転写体の表面体積抵抗値として
は、例えば、108〜1016Ωcmが好ましい。前記表
面体積抵抗値が、108Ωcm未満であると画像に滲み
や太りが生じ、1016Ωcmを越えると画像の飛び散り
の発生や、中間転写体シートの除電の必要性が発生し、
いずれの場合も好ましくない。前記中間転写体の厚みと
しては、例えば50〜200μm程度が好ましい。
【0128】中間転写体(中間転写手段)10は、その
周囲に配置されている4組の画像形成ユニット20Y、
20M、20C、20Kにより形成されたイエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のト
ナー像を順次重ね合わせて担持する。前記中間転写体1
0は、ドラム状の中間転写体10であって、図2に図示
されているように円筒状の金属基体であるアルミニウム
基体11上に、弾性層として導電性ゴム層12(厚さ5
00〜5000μm、電気抵抗108〜1014Ω・cm
のウレタンゴム層)と、更に、その上に離形性フィルム
13(分離用として、厚さ20〜200μm、電気抵抗
1010〜1016Ω・cmのテフロン(R)層)が設けら
れている。中間転写体10の周囲には、4組の画像形成
ユニット20Y、20M、20C、20Kと、転写紙転
写手段30、中間転写体のクリーニング手段16が各々
配設されている。又、中間転写体10は、軸101によ
ってカラー画像形成装置100に回転自在に軸支されて
いる。
【0129】又、前記4組の画像形成ユニット20Y、
20M、20C、20Kは、各々枠体26Y、26M、
26C、26K内に設けられ、該枠体26Y、26M、
26C、26Kがカラー画像形成装置100内で移動可
能に設けられ、各画像形成ユニットを、ドラム状の中間
転写体10に対して使用色に応じて画像転写位置か、又
は非画像転写位置に移動させるための移動用部材27
Y、27M、27C、27Kが各々枠体26Y、26
M、26C、26Kと接触して設けられている。
【0130】前記4組の画像形成ユニット20Y、20
M、20C、20Kは、感光体ドラム21Y、21M、
21C、21Kを中心に、回転する帯電手段22Y、2
2M、22C、22Kと、露光手段23Y、23M、2
3C、23Kと、回転する現像手段24Y、24M、2
4C、24K、及び、感光体ドラム21Y、21M、2
1C、21Kをクリーニングするクリーニング手段25
Y、25M、25C、25Kより構成されている。
【0131】前記画像形成ユニット20Y、20M、2
0C、20Kは、中間転写体10にそれぞれ形成するト
ナー像の色が異なるだけで、同じ構成であり、図2によ
り画像形成ユニット20Yを例にして詳細に説明する。
【0132】枠体26Y内に設けた画像形成ユニット2
0Yは、像形成体である感光体ドラム21Yの周囲に、
像形成体帯電手段22Y(以下、単に帯電手段22Y、
あるいは、帯電器22Yという)、露光手段23Y、現
像手段24Y、像形成体クリーニング手段25Y(以
下、単にクリーニング手段25Y、あるいは、クリーニ
ングブレード25Yという)を配置し、感光体ドラム2
1Y上にイエロー(Y)のトナー像を形成するものであ
る。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニ
ット20Yのうち、少なくとも感光体ドラム21Y、帯
電手段22Y、現像手段24Y、クリーニング手段25
Yを一体化するように設けている。
【0133】帯電手段22Yは、感光体ドラム21Yに
対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態
においては、感光体ドラム21Yと接触しながら従動回
転をするローラ状のローラ帯電器22Yが用いられてい
る。
【0134】露光手段23Yは、ローラ帯電器22Yに
よって一様な電位を与えられた感光体ドラム21Y上
に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエ
ローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であっ
て、この露光手段23Yとしては、感光体ドラム21Y
の軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像
素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成される
もの、あるいは、レーザー光学系などが用いられる。
【0135】現像手段24Yは、現像剤であるイエロー
トナーを収容し、感光体ドラム21Y上に形成された静
電潜像を反転現像して、イエロートナー像を形成する手
段である。本実施の形態の現像手段24Yにおいては、
現像手段24Y内に収容されているイエロートナーを、
撹拌部材241Yにより撹拌した後、矢示の方向に回転
する表面が弾性(スポンジ)のトナー供給ローラ242
Yにより、現像スリーブ243Yへ供給する。このと
き、薄層形成部材244Yにより現像スリーブ243Y
上のイエロートナーを均一の薄層とする。現像手段24
Yの現像作用に際しては、矢示の方向に回転する現像ス
リーブ243Yに対し、直流あるいはさらに交流を加え
た現像バイアスが印加され、現像手段24Yの収容する
一成分によるジャンピング現像が行われて、接地されて
いる感光体ドラム21Yに対して、トナーと同極性の直
流成分と交流成分とを重畳したバイアスを印加して、非
接触の反転現像が行われる。なお、現像スリーブ243
Yの画像領域外の両端部に設けられた突当コロが、感光
体ドラム21Yに当接することにより、現像スリーブ2
43Yと感光体ドラム21Yとを非接触に保っている。
なお、非接触現像ではなく、接触現像を用いることもで
きる。
【0136】感光体ドラム21Y上に形成されたイエロ
ーのトナー像は、突当コロが、中間転写体10の位置決
め部に接触しながら回転し、トナーと逆極性のバイアス
電圧の印加される中間転写体10により、順次、中間転
写体10上に転写される。
【0137】前記バイアス電圧は接触或いは非接触の帯
電器を用いて、中間転写体に印加される。例えば、ベル
ト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型
転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯
電器やコロトロン転写帯電器などのそれ自体公知の転写
帯電器が挙げられる。なお、図1ではコロトロンの転写
帯電極を用いている。また、前記第1転写の際に、前記
第1転写手段から前記電子写真感光体に付与される転写
電流には、通常直流電流が使用されるが、本発明におい
ては更に交流電流を重畳させて使用してもよい。前記第
1転写手段における設定条件としては、帯電すべき画像
領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード
(周速)等により異なり一概に規定することはできない
が、例えば、1次転写電流としては+100〜+400
μA、1次転写電圧としては+500〜+2000Vを
設定値とすることができる。
【0138】クリーニング手段25Yは、イエロートナ
ー像が中間転写体10に転写された後に、感光体ドラム
21Y上に残留したイエロートナーを除去するための手
段であって、本実施の形態においては、クリーニング手
段25Yが感光体ドラム21Yに摺接することにより、
残留トナーの除去を行っている。
【0139】このようにして、画像形成ユニット20Y
により、帯電、露光、現像の行程により形成された画像
信号(イエロー)に対応したイエロートナー像は、中間
転写体10上に転写される。
【0140】そして、図1に示すように、その他の画像
形成ユニット20M、20C、20Kも同様に、それぞ
れ感光体ドラム21M、21C、21K上に、画像信号
(マゼンタ)に対応したマゼンタトナー像、画像信号
(シアン)に対応したシアントナー像、画像信号(黒)
に対応した黒トナー像が並列処理的に、同期をとりなが
ら形成される。このような操作により、各画像形成ユニ
ット20Y、20M、20C、20Kの各感光体ドラム
21Y、21M、21C、21K上に形成されたトナー
像は、順次、1〜2kVの転写バイアスを印加した中間
転写体10上に転写され、トナー像が重ね合わされる。
全てのトナー像が重ね合わさると、中間転写体10上
に、カラートナー像が形成される。
【0141】一方、中間転写体10の下部には、転写材
収納手段である給紙カセットCAが設けられ、給紙カセ
ットCA内に収容された転写材である転写紙Pは、給紙
ローラr1の作動により、給紙カセットCA内から搬出
され、タイミングローラ対r2へと送られる。タイミン
グローラ対r2は、中間転写体10上に形成されたカラ
ートナー像と同期するように、転写材(転写紙)Pを送
り出す。
【0142】送り出された転写紙Pは、転写位置で転写
紙転写手段30により、中間転写体10上に形成された
カラートナー像を転写される。この転写紙転写手段30
は、アースされたローラ31、転写ベルト32、紙帯電
器33、転写電極34、紙分離AC除電器35から構成
されている。
【0143】送り出された転写紙Pは、ローラ31に張
設され、中間転写体10の周速度に同期して矢示の方向
に回転する転写ベルト32により、転写位置へと搬送さ
れる。転写ベルト32は、106〜1010Ω・cmの高
抵抗のベルト状のものである。この際、転写紙Pは、紙
帯電器33によりトナーと同極性に紙帯電され、転写ベ
ルト32に吸着されて転写位置へと給送される。トナー
と同極性に紙帯電を行うことにより、中間転写体10上
のカラートナー像と引き合うことを防止して、カラート
ナー像の乱れを防止している。また、転写材帯電手段と
しては、転写ベルト32に接離可能な通電ローラやブラ
シ帯電器など用いることができる。
【0144】転写位置では、転写電極34により、中間
転写体10上のカラートナー像が、転写紙P上へと転写
される。この転写電極34により、転写紙Pの裏面に
は、転写体10のバイアスより高いトナーと反対極性の
電圧である1.5〜3kVの電位となるように、コロナ
放電がなされる。
【0145】カラートナー像の転写を受けた転写紙P
は、転写ベルト32によりさらに搬送され、転写材分離
用としての紙分離AC除電器35により除電され、転写
ベルト32より分離され、定着手段40へと搬送され
る。定着手段40において、加熱ローラ41と加圧ロー
ラ42とにより加熱・圧着されカラートナー像が転写紙
P上に容着・定着された後、転写紙Pは排紙ローラ対r
3によりカラー画像形成装置の上部に設けられたトレイ
上に排出される。
【0146】一方、カラートナー像が転写紙Pへ転写さ
れた中間転写体10は、中間転写体のクリーニング手段
16であるクリーニングブレード161によって、中間
転写体10上を摺擦され、中間転写体10上に残留した
残留トナーを除去・清掃される。また、転写ベルト32
上には、転写ベルトクリーニング手段36としてブレー
ドが摺接しており、紙分離後の転写ベルト32上をクリ
ーニングする。
【0147】次に図3は本発明の他のカラー画像形成装
置の構成断面図である。本実施の形態は転写材上にカラ
ートナー像を形成する画像形成装置である。
【0148】矢印で示す時計方向に回転する感光体ドラ
ム21の周囲には、帯電手段22、レーザを光源とする
露光手段23、イエロー現像手段24Y、マゼンタ現像
手段24M、シアン現像手段24C、黒現像手段24K
及びクリーニング手段25が配置される。感光体ドラム
21に対して、金属ドラムからなる導電性基体61と本
発明の導電性金属酸化物を含有する層62からなる中間
転写体10が接触して配置される。中間転写体の導電性
基体61には転写電圧が電源63により印加される。感
光体ドラム21から中間転写体10へのトナー像の転写
位置のほぼ真下に中間転写体10上のトナー像を転写材
に転写する転写ローラ65が配置される。該転写ローラ
65には、トナー像を中間転写体10から転写材へ転写
させるための電圧が電源64により印加されている。
【0149】クリーニング手段25によりクリーニング
された感光体ドラム21は帯電手段22により一様に帯
電され、露光手段23により露光されて、感光体ドラム
21の周面にイエロー画像の静電潜像が形成される。イ
エロー画像の静電潜像はイエロー現像手段24Yにより
現像される。このとき、マゼンタ現像手段24M、シア
ン現像手段24C及び黒現像手段24Kは不作動状態に
あり、イエロートナー像の現像に影響することはない。
イエロートナー像は感光体ドラム21が中間転写体10
に接触する位置で、中間転写体10に転写される。この
転写は電源63による転写電界下で行われる。転写後の
感光体ドラム21はクリーニング手段25によりクリー
ニングされた後、再び帯電手段22により帯電された
後、露光手段23によるマゼンタ画像に対応する露光を
受けて、マゼンタ画像に対応した静電潜像が感光体ドラ
ム21の周面に形成される。続いて、マゼンタ現像手段
24Mによりマゼンタトナー像が形成され、中間転写体
10上に転写される。
【0150】続く感光体ドラム21の3回目、4回目の
回転で、シアントナー像、黒トナー像が中間転写体10
上に転写され形成される。中間転写体10上ではこれら
のトナー像が重ね合わされてカラートナー像が形成され
る。このカラートナー像が転写ローラ65の位置に到達
する時点で転写ローラ65に、電源64により転写電圧
が印加される。また、カラートナー像が転写ローラ65
に到達する時点にタイミングを合わせて、転写材Pが供
給される。電源64による転写電圧が転写ローラ65を
介して転写材Pに印加されて、カラートナーが転写材P
に転写される。転写材Pに転写されたカラートナー像は
定着手段40により定着される。
【0151】次に図4は本発明の他のカラー画像形成装
置(複写機あるいはレーザービームプリンタ)の構成断
面図である。ベルト状の中間転写体10は中程度の抵抗
の弾性体を使用している。
【0152】21は像形成体として繰り返し使用される
回転ドラム型の感光体ドラムであり、矢示の反時計方向
に所定の周速度をもって回転駆動される。
【0153】感光体ドラム21は回転過程で、帯電手段
22により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次
いで不図示の像露光手段により画像情報の時系列電気デ
ジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームに
よる走査露光光等による画像露光を受けることにより目
的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像に対応した
静電潜像が形成される。
【0154】次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の
現像手段(イエロー色現像器)24Yにより第1色であ
るイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4
の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラ
ック色現像器)24M、24C、24Kの各現像器は作
動オフになっていて感光体ドラム21には作用せず、上
記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現
像器により影響を受けない。
【0155】中間転写体10は時計方向に感光体ドラム
21と同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0156】感光体ドラム21上に形成担持された上記
第1色目のイエロートナー画像が、感光体ドラム21と
中間転写体10とのニップ部を通過する過程で、1次転
写ローラから中間転写体10に印加される1次転写バイ
アスにより形成される電界により、中間転写体10の外
周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
【0157】中間転写体10に対応する第1色のイエロ
ートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面は、ク
リーニング装置25により清掃される。
【0158】以下、同様に第2色のマゼンタトナー画
像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラッ
ク)トナー画像が順次中間転写体10上に重ね合わせて
転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラ
ートナー画像が形成される。
【0159】2次転写ローラ34′で、2次転写対向ロ
ーラ34″に対応し平行に軸受させて中間転写体10の
下面部に離間可能な状態に配設してある。
【0160】感光体ドラム21から中間転写体10への
第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次
転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から
印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2
kVの範囲である。
【0161】感光体ドラム21から中間転写体10への
第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2
次転写ローラ34′及び中間転写体クリーニング手段1
6は中間転写体10から離間することも可能である。
【0162】ベルト状の中間転写体10上に転写された
重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である
転写材Pへの転写は、2次転写ローラ34′が中間転写
体10のベルトに当接されると共に、給紙ローラr1か
ら転写紙ガイドを通って、中間転写体10のベルトに2
次転写ローラ34′との当接ニップに所定のタイミング
で転写材Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス
電源から2次転写ローラr1に印加される。この2次転
写バイアスにより中間転写体10から第2の画像担持体
である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写
(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材
Pは定着手段40へ導入され加熱定着される。
【0163】前述の中間転写体を用いたカラー電子写真
画像形成装置は、従来の技術である転写材を張り付けた
まま吸着せしめ、そこへ感光体ドラムから画像を転写す
る画像形成装置を有したカラー電子写真装置、例えば特
開昭63−301960号公報中で述べられたごとくの
転写装置と比較すると、第2の画像担持体である転写材
になんら加工、制御(例えばグリッパーに把持する、吸
着する、曲率をもたせる等)を必要とせずに中間転写体
から画像を転写することができるため、封筒、ハガキや
ラベル紙等、薄い紙(40g/m2紙)から厚い紙(2
00g/m2紙)まで、幅の広狭、長さの長短、あるい
は厚さの厚薄によらず、第2の画像担持体を多種多様に
選択することができるという利点を有している。
【0164】更に、図5は本発明の別のカラー画像形成
装置(複写機あるいはレーザービームプリンタ)の構成
断面図である。
【0165】いわゆるタンデム方式といわれるものであ
るが、通常のものと異なりベルト状の中間転写体10が
循環し、その上面側に画像形成ユニット20Y、20
M、20C、20Kが配置されており、順次画像形成し
たトナー像をベルト状の中間転写体10に転写して重ね
合わせカラートナー像を作る。このプロセスは図1に示
すものと同様である。これを定着手段において、二次転
写手段をかねた加熱ローラ41と加圧ローラ42との間
で、タイミングを合わせて送られてきた転写材(この場
合は普通紙を用いた)P上に転写する。
【0166】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中
「部」とは「質量部」を表す。
【0167】 感光体1の作製 〈中間層〉 酸化チタンSMT500SAS(1回目:シリカ・アルミナ処理、2回目:メ チルハイドロジェンポリシロキサン処理:テイカ社製) 300部 ポリアミド樹脂 CM8000(東レ社製) 100部 メタノール 1000部 酸化チタン、ポリアミド樹脂、メタノールを同一容器中
に加え超音波ホモジナイザーを用いて分散し、中間層用
の塗布液を調製した。この塗布液を円筒形アルミニウム
基体上に浸漬塗布し、110℃、1時間の加熱硬化を行
い、4μmの乾燥膜厚で中間層を設けた。
【0168】 〈電荷発生層〉 Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の 最大ピーク角度が2θで27.3) 60部 シリコーン変性ブチラール樹脂(X−40−1211M:信越化学社製) 700部 2−ブタノン 2000部 を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に
浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.2μmの電荷発生層
を形成した。
【0169】 〈電荷輸送層〉 電荷輸送物質〔N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ リル)フェニル}−p−トルイジン〕 225部 ポリカーボネート(粘度平均分子量20,000) 300部 ヒンダードアミン化合物(例示化合物2−1) 6部 ジクロロメタン 2000部 を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾
燥膜厚24μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製
した。
【0170】感光体2〜11の作製 感光体1の作製で用いた中間層の酸化チタン及びその表
面処理と粒径、バインダー樹脂、酸化チタン/バインダ
ー樹脂質量比、溶剤及び乾燥膜厚と電荷発生層のヒンダ
ードアミン化合物を表1、表2に示す様にした他は感光
体1と同様にしてそれぞれ感光体2〜11を作製した。
【0171】感光体12、13の作製(比較例) 感光体1で用いた中間層の代わりに表1、表2に示す中
間層塗布液を使用し、表1、表2に示した乾燥膜厚で中
間層を設けた他は感光体1と同様にして感光体12、1
3を作製した。
【0172】感光体14の作製(比較例) 感光体1の電荷輸送層中のヒンダードアミン化合物を除
いた他は感光体1と同様にして感光体14を作製した。
【0173】
【表1】
【0174】
【表2】
【0175】評価 評価機として図3の中間転写型デジタル複写機を用い、
該複写機に感光体1〜14を搭載し評価した。画像評価
は、画素率が7%の文字画像、人物顔写真、ベタ白画
像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル
画像をA4中性紙にコピーして行った。環境条件は最も
厳しいと思われる高温高湿環境(30℃、80%RH)
にて連続20万枚コピー行いハーフトーン、ベタ白画
像、ベタ黒画像を作製し下記の評価を行った。
【0176】評価基準 画像濃度(マクベス社製RD−918を使用して測定。
紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。
初期及び1万枚コピー毎20万枚コピーまで評価し
た。) ◎:黒ベタ画像が1.2以上 ○:黒ベタ画像が1.2未満〜1.0 ×:黒ベタ画像が1.0未満 カブリ(初期及び1万枚コピー毎20万枚コピーまでベ
タ白画像を目視で判定) ◎:20万枚コピーを通してカブリの発生なし ○:15万枚コピー後にカブリがわずかに発生 ×:10万枚コピーでカブリ発生 解像度(文字画像の判別容易性で判定) ○:初期と20万枚コピー後の解像度に差がない △:ハーフトーン画像で20万枚コピー後の解像度に軽
微な低下有り ×:20万枚コピー後の解像度に顕著な低下有り 黒ポチ(初期及び1万枚コピー毎20万枚コピーまでの
ベタ白画像で評価) 黒ポチの評価は、長径が0.4mm以上の黒ポチがA4
紙当たり何個あるかで判定した。尚、黒ポチ長径はビデ
オプリンター付き顕微鏡等で測定できる。黒ポチ評価の
判定基準は、下記に示す通りである。
【0177】 A・・・0.4mm以上の黒ポチ頻度:全ての複写画像
が3個/A4以下 B・・・0.4mm以上の黒ポチ頻度:4個/A4以
上、19個/A4以下が1枚以上発生 C・・0.4mm以上の黒ポチ頻度:20個/A4以上
が1枚以上発生 ΔV12の評価 上記20万枚コピー後、1時間の休止をはさんでΔV12
の評価を行った。現像位置に電位センサーを設置し、感
光体の1回目と2回目の帯電電位を測定し、その差の絶
対値をΔV12とした。
【0178】その他評価条件 尚、上記図3のデジタル複写機を用いたその他の評価条
件は下記の条件に設定した。
【0179】帯電条件 帯電器;スコロトロン帯電器、初期帯電電位を−750
V 露光条件 露光部電位を−50Vにする露光量に設定。
【0180】現像条件 DCバイアス;−550V 現像剤は、フェライトをコアとして絶縁性樹脂をコーテ
ィングしたキャリアと下記トナー1K、トナー1Y、ト
ナー1M、トナー1Cの各トナーをトナー濃度5質量%
で混合した現像剤1K、現像剤1Y、現像剤1M、現像
剤1Cを使用したトナーの現像剤を使用 転写条件(感光体から中間転写体へのトナーの転写時) 転写極;コロナ帯電方式 転写電圧;+900V クリーニング条件 クリーニング部に硬度70°、反発弾性34%、厚さ2
(mm)、自由長9mmのクリーニングブレードをカウ
ンター方向に線圧20(N/m)となるように重り荷重
方式で当接した。
【0181】*トナー1K、トナー1Y、トナー1M、
トナー1Cの作製 スチレン:ブチルアクリレート:ブチルメタクリレート
=75:20:5の質量比からなるスチレン−アクリル
樹脂100部、カーボンブラック10部、低分子量ポリ
プロピレン(数平均分子量=3500)4部とを溶融、
混練した後、機械式粉砕機を使用し、微粉砕を行い、風
力分級機により分級して体積平均粒径が4.2μmの着
色粒子を得た。この着色粒子に対して疎水性シリカ(疎
水化度=75/数平均一次粒子径=12nm)を1.2
質量%添加しトナーを得た。これを「トナー1K」とす
る。
【0182】トナー1Kの製造において、カーボンブラ
ック10部の代わりにC.I.ピグメントイエロー18
5を8部使用した以外同様にして「トナー1Y」を得
た。
【0183】トナー1Kの製造において、カーボンブラ
ック10部の代わりにC.I.ピグメントレッド122
を10部使用した以外同様にして「トナー1M」を得
た。
【0184】トナー1Kの製造において、カーボンブラ
ック10部の代わりにC.I.ピグメントブルー15:
3を5部使用した以外同様にして「トナー1C」を得
た。
【0185】評価結果を表3に示した。
【0186】
【表3】
【0187】表3から明らかなように本発明の中間層、
表面層を有する感光体1〜11は、画像濃度、カブリ、
解像度等の画像特性が良好であり、電位変動特性(ΔV
12)及び黒ポチの発生も少なく、又膜厚減耗量も少なく
全ての特性がバランスを持って改善されている。
【0188】一方、本発明外の中間層を有する感光体1
2は黒ポチの発生が著しく、解像度も劣っている。又、
感光体13は、本発明内の感光体に比し電位変動特性
(ΔV 12)が大きく、カブリが発生し、画像濃度が低下
している。又、本発明外の表面層を有する感光体14も
感光体13と同様な傾向を示している。
【0189】
【発明の効果】実施例からも明らかなように、本発明の
感光体を用いることにより、黒ポチ発生及び電位変動
(ΔV12)が改善され、良好な画像特性を有する電子写
真感光体、画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカ
ートリッジを提供する事が出来る。特に中間転写体を用
いた画像形成装置に本発明の電子写真感光体を用いる
と、顕著な改良効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラー画像形成装置の構成断面図であ
る。
【図2】本発明の画像形成ユニットの構成断面図であ
る。
【図3】本発明の他のカラー画像形成装置の構成断面図
である。
【図4】本発明の他のカラー画像形成装置の構成断面図
である。
【図5】本発明の別のカラー画像形成装置の構成断面図
である。
【符号の説明】
10 中間転写体(中間転写手段) 20Y,20M,20C,20K 画像形成ユニット 21,21Y,21M,21C,21K 感光体ドラム
(像形成体) 22,22Y,22M,22C,22K 帯電手段 23,23Y,23M,23C,23K 露光手段 24Y,24M,24C,24K 現像手段 25,25Y,25M,25C,25K クリーニング
手段 26Y,26M,26C,26K 枠体 27Y,27M,27C,27K 移動用部材 P 転写材(転写紙)

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、中間層を介して電荷
    発生層及び電荷輸送層の積層構造を有する電子写真感光
    体において、該中間層が、複数回の表面処理が施され、
    且つ最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いて
    施されたN型半導性微粒子とバインダー樹脂を含有して
    おり、該電子写真感光体の表面層が、ヒンダードアミン
    化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記反応性有機ケイ素化合物がメチルハ
    イドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする請
    求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記反応性有機ケイ素化合物が下記一般
    式(1)で示されることを特徴とする請求項1に記載の
    電子写真感光体。 一般式(1) R−Si−(X)3 〔式中、Rはアルキル基、アリール基、Xはメトキシ
    基、エトキシ基、ハロゲン原子を表す。〕
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)のRが炭素数4から8
    までのアルキル基であることを特徴とする請求項3に記
    載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 導電性支持体上に、中間層を介して電荷
    発生層及び電荷輸送層の積層構造を有する電子写真感光
    体において、該中間層が、複数回の表面処理が施され、
    且つ最後の表面処理が反応性有機チタン化合物を用いて
    施されたN型半導性微粒子とバインダー樹脂を含有して
    おり、該電子写真感光体の表面層が、ヒンダードアミン
    化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 導電性支持体上に、中間層を介して電荷
    発生層及び電荷輸送層の積層構造を有する電子写真感光
    体において、該中間層が、複数回の表面処理が施され、
    且つ最後の表面処理が反応性有機ジルコニウム化合物を
    用いて施されたN型半導性微粒子とバインダー樹脂を含
    有しており、該電子写真感光体の表面層が、ヒンダード
    アミン化合物を含有することを特徴とする電子写真感光
    体。
  7. 【請求項7】 前記複数回の表面処理のうち、少なくと
    も1回の表面処理がアルミナ、シリカ及びジルコニアの
    少なくとも1種以上の表面処理であることを特徴とする
    請求項1〜6の何れか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記N型半導性微粒子が、少なくともシ
    リカ又はアルミナによる表面処理が施され、次いで反応
    性有機ケイ素化合物を用いた表面処理が施されたことを
    特徴とする請求項1〜4及び7の何れか1項に記載の電
    子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記N型半導性微粒子が、少なくともシ
    リカ又はアルミナによる表面処理が施され、次いで反応
    性有機チタン化合物を用いた表面処理が施されたことを
    特徴とする請求項5又は7に記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 前記N型半導性微粒子が、少なくとも
    シリカ又はアルミナによる表面処理が施され、次いで反
    応性有機ジルコニウム化合物を用いた表面処理が施され
    たことを特徴とする請求項6又は7に記載の電子写真感
    光体。
  11. 【請求項11】 前記N型半導性微粒子が、酸化チタン
    粒子であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1
    項に記載の電子写真感光体。
  12. 【請求項12】 前記N型半導性微粒子が、ルチル型の
    結晶構造を有することを特徴とする請求項1〜11の何
    れか1項に記載の電子写真感光体。
  13. 【請求項13】 前記N型半導性微粒子の数平均一次粒
    径が10nm以上200nm以下であることを特徴とす
    る請求項1〜12の何れか1項に記載の電子写真感光
    体。
  14. 【請求項14】 導電性支持体上に、中間層を介して電
    荷発生層及び電荷輸送層の積層構造を有する電子写真感
    光体において、該中間層が、表面処理された酸化チタン
    粒子とバインダー樹脂を含有しており、該電子写真感光
    体の表面層が、ヒンダードアミン化合物を含有すること
    を特徴とする電子写真感光体。
  15. 【請求項15】 前記表面処理が、フッ素原子を有する
    反応性有機ケイ素化合物を用いて施されたことを特徴と
    する請求項14に記載の電子写真感光体。
  16. 【請求項16】 前記酸化チタン粒子の数平均一次粒径
    が10nm以上200nm以下であることを特徴とする
    請求項14又は15に記載の電子写真感光体。
  17. 【請求項17】 前記表面層が電荷輸送性化合物を含有
    することを特徴とする請求項1〜16の何れか1項に記
    載の電子写真感光体。
  18. 【請求項18】 電子写真感光体の周辺に設置された現
    像手段により、該電子写真感光体上に形成されたトナー
    像を、一旦中間転写体上に転写し、続いて中間転写体上
    のトナー像を転写材に転写し、該電子写真感光体表面の
    残留トナーをクリーニング手段により除去する画像形成
    装置において、該電子写真感光体が請求項1〜17の何
    れか1項に記載の電子写真感光体であることを特徴とす
    る画像形成装置。
  19. 【請求項19】 請求項18の画像形成装置を用いてト
    ナー画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  20. 【請求項20】 少なくとも請求項1〜17の何れか1
    項に記載の電子写真感光体と帯電器、像露光器、現像
    器、転写器、クリーニング器の少なくとも1つを一体と
    して有しており、該画像形成装置に出し入れ可能に構成
    されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009086538A (ja) * 2007-10-02 2009-04-23 Sharp Corp 電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置

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