JP2003096473A - 廃食油からのディーゼル燃料油の製造方法 - Google Patents

廃食油からのディーゼル燃料油の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃食油からディーゼル燃料油を得る工程にお
いて副生するグリセリンの有効利用を図るとともに、プ
ロセス外への廃棄物の移動をゼロとする廃食油からのデ
ィーゼル燃料油の製造方法を提供する。 【解決手段】 エステル交換反応後に過剰のメタノール
を蒸留除去する工程と、脂肪酸エステルを主成分とする
軽液とグリセリンを主成分とする重液とを分層分離する
工程と、軽液を水洗して軽液中の水溶性成分を廃水とし
て除去する工程と、重液を燃料として廃水を焼却し排熱
から蒸気を得る工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃食油からのディ
ーゼル燃料油の製造方法に関する。より詳しくは、レス
トラン、食品工場、一般家庭等から廃棄される廃食油を
原料として、ディーゼル自動車等の燃料として用いられ
るディーゼル燃料油を製造する、廃食油からのディーゼ
ル燃料油の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、レストラン、食品工場、一般
家庭等で使用されて廃棄される食用油(廃食油)は、凝
固剤により処理して土中に埋めたり、家庭用ゴミとして
そのまま捨てられ、焼却する等の方法により処理される
のが一般的である。
【0003】近年、地球環境浄化の理念の高まり等に伴
い、これら廃食油から、アルカリ触媒を用いて、メタノ
ールとのエステル交換反応により脂肪酸メチルエステル
を得て、ディーゼル燃料油を製造する方法が用いられる
ようになっている。
【0004】例えば、特開平10―245586号公報
には、廃食油からのディーゼル燃料油の製造方法につい
て、詳細に記載されている。上記公報記載の技術では、
廃食油100重量部に対し、アルカリ触媒としての水酸
化カリウム1.3重量部、メタノール12重量部を加
え、反応温度65℃でエステル交換反応を行う反応条件
が開示されている。
【0005】また、廃食油からのディーゼル燃料油の製
造方法において副生するグリセリンの利用技術について
も検討が加えられている。例えば、特開平9−2355
73号公報には、副生グリセリン液の精製方法について
の開示がなされている。
【0006】上記公報記載の技術では、廃食油とメタノ
ールとのエステル交換反応において、アルカリ触媒とし
て水酸化ナトリウム(廃食油100重量部に対して水酸
化ナトリウム0.75〜1.2重量部)が使用されてい
る。
【0007】上記技術では、副生物のグリセリン液は、
中和後、メタノールを蒸留除去した後、静置して分層分
離させ、下層のグリセリンを回収する。上層の油分は、
硫酸を触媒としてメタノールとエステル化反応させた
後、硫酸を中和し水洗して重油代替のバーナー用燃料を
製造している。
【0008】上記のようにして回収されたグリセリン
は、廃食油由来のグリセリンのうち蒸留されたものとは
異なり、着色度の大きい低品位のグリセリンである。ま
た、得られる重油代替バーナー用燃料も複雑な工程を経
るため、高コストとなり、高価な燃料とならざるを得な
い。また、水洗工程を含むため廃水処理が必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】通常、上記エステル交
換反応で生ずる副生グリセリンは、アルカリ触媒を用い
ることで、極度に劣化しており、着色も大であり、工業
用グリセリン精製プロセスへの供給は、本流グリセリン
の品質に悪影響を与えるため困難である。従って、副生
グリセリンは、産業廃棄物として、プロセス外へ移動さ
せて処理されているのが現状である。
【0010】これに対し、グリセリン回収設備を併設し
て精製回収する回収プロセスを構築して用いる方法も考
えられるが、予想以上に回収プロセスが複雑になる。従
って、このような分散型回収設備は、コスト的にも採用
されるべきものでないことが明らかである。
【0011】また、上記従来の方法では、廃棄処理が必
要であるため、循環社会促進に向けて廃食油をリサイク
ルする技術でありながら、廃棄物処理場への移動量を生
ずるという問題点を有している。
【0012】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたものであり、その目的は、廃食油からデ
ィーゼル燃料油を得る工程において副生するグリセリン
の有効利用を図るとともに、プロセス外への廃棄物の移
動をゼロとする廃食油からのディーゼル燃料油の製造方
法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記目
的を達成するために鋭意検討した。その結果、エステル
交換反応に用いるアルカリ触媒量の大幅な低減等によ
り、副生グリセリンの品質を焼却炉用燃料として何ら問
題のないものになし得て、本発明を完成するに至った。
【0014】請求項1の廃食油からのディーゼル燃料油
の製造方法は、上記の課題を解決するために、廃食油と
アルコールとから、アルカリ触媒を用いたエステル交換
反応により脂肪酸エステルを製造する、廃食油からのデ
ィーゼル燃料油の製造方法であって、上記エステル交換
反応後に、過剰のアルコールを反応液より蒸留除去する
工程と、上記脂肪酸エステルを主成分とする軽液とグリ
セリンを主成分とする重液とを分層分離する工程と、上
記軽液を水洗して軽液中の水溶性成分を廃水として除去
する工程と、上記重液を燃料として上記廃水を焼却し排
熱から蒸気を得る工程とを含むことを特徴としている。
【0015】上記の構成によれば、上記軽液を水洗する
ことで、エステル交換反応後、分層分離により軽液中に
含有される水酸化カリウム、グリセリン等の水溶性成分
を廃水として除去できるので、より高純度の脂肪酸エス
テルを得ることができる。また、水洗により廃水中に移
行したグリセリン等の水溶性成分を、上記重液を燃料と
して用いて焼却し、かつ、排熱から蒸気を得る工程を含
むことで、副生グリセリンを工程に必要な熱源として利
用することができるとともに、廃水を完全に焼却処理す
ることができ、廃棄物ゼロエミッション化を実現するこ
とができる。
【0016】請求項2の廃食油からのディーゼル燃料油
の製造方法は、上記の課題を解決するために、上記アル
カリ触媒が、水酸化カリウムであることを特徴としてい
る。
【0017】上記の構成によれば、アルカリ性が比較的
強い水酸化カリウムをアルカリ触媒として用いること
で、反応工程中のアルカリ触媒量を最小限に抑えること
が出来るので、副生グリセリンの性状(粘度、着色度
等)を著しく改良することができる。
【0018】請求項3の廃食油からのディーゼル燃料油
の製造方法は、上記の課題を解決するために、上記エス
テル交換反応において、上記廃食油100重量部に対し
て上記アルカリ触媒が0.4重量部以下であることを特
徴としている。
【0019】上記の構成によれば、アルカリ触媒量を上
記範囲内に抑えることで、副生グリセリンの性状をさら
に改良することができる。
【0020】請求項4の廃食油からのディーゼル燃料油
の製造方法は、上記の課題を解決するために、上記エス
テル交換反応において、上記廃食油100重量部に対し
て上記アルコールが12〜30重量部の割合であること
を特徴としている。
【0021】請求項5の廃食油からのディーゼル燃料油
の製造方法は、上記の課題を解決するために、上記エス
テル交換反応が反応温度65℃〜100℃の範囲内で行
われることを特徴としている。
【0022】上記の構成によれば、アルカリ性による油
脂成分の分解反応を防止しつつ、より効率的に脂肪酸エ
ステルを得ることができる。
【0023】請求項6の廃食油からのディーゼル燃料油
の製造方法は、上記の課題を解決するために、上記アル
コールがメチルアルコールであることを特徴としてい
る。
【0024】請求項7の廃食油からのディーゼル燃料油
の製造方法は、上記の課題を解決するために、上記軽液
の水洗において用いる水の量が、軽液100重量部に対
して70重量部以下であることを特徴としている。
【0025】上記の構成によれば、上記水の量を上記範
囲内とすることで、水洗水の焼却に必要な熱量として必
要最小量とすることで、ゼロエミッション化をさらに確
実なものとできる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について説
明すれば、以下のとおりである。
【0027】本発明の廃食油からのディーゼル燃料油の
製造方法は、廃食油とアルコールとから、アルカリ触媒
を用いたエステル交換反応により脂肪酸エステルを製造
する、廃食油からのディーゼル燃料油の製造方法であっ
て、エステル交換反応後に、過剰のアルコールを反応液
より蒸留除去する工程と、脂肪酸エステルを主成分とす
る軽液とグリセリンを主成分とする重液とを分層分離す
る工程と、上記軽液を水洗して軽液中の水溶性成分を廃
水として除去する工程と、上記重液を燃料として上記廃
水を焼却し排熱から蒸気を得る工程とを含んでいる。
【0028】本発明において、原料となる廃食油として
は、具体的には、なたね油廃油、ごま油廃油、大豆油廃
油、とうもろこし油廃油、ひまわり油廃油、パーム油廃
油、パーム核油廃油、ヤシ油廃油、紅花油廃油等が挙げ
られる。上記例示の廃食油は、1種類、あるいは複数種
類の混合物として用いられる。
【0029】上記廃食油中に、粗大ごみ、微小サイズの
ごみ、異物等の固形物質が含まれている場合には、必要
に応じて、フィルタによる濾過を行ってもよい。
【0030】廃食油と反応させるためのアルコールとし
ては、例えば、メチルアルコール(メタノール)、エチル
アルコール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜10
のアルキルアルコールより選ばれる1種類又は2種類以
上の混合物等が挙げられる。アルコールの純度に関して
は、特に限定されないが、水分含有量が少ない方がより
好ましい。また、炭素数1〜10のアルキルアルコール
の中では、メチルアルコール、エチルアルコール等が、
より高品質のディーゼル燃料油を得ることができ好まし
い。
【0031】上記エステル交換反応に用いられるアルカ
リ触媒としては、具体的には、例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、カリウムアルコラ
ート等のアルカリ物質が挙げられる。上記例示のアルカ
リ物質のうち、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等
が、アルカリ性が強く、触媒作用が強力であるので特に
好ましく、エステル交換反応においてより触媒作用の強
い水酸化カリウムが最も好ましい。水酸化カリウムを用
いることにより、副生グリセリン中のアルカリ物質量の
大幅な低減が可能となる。
【0032】エステル交換反応液中のアルコールの含有
量は、廃食油100重量部に対して、12〜30重量
部、より好ましくは、14〜20重量部である。12重
量部以下では、反応量論比に近い値で反応速度が小さく
なるおそれがある。一方、30重量部を超えると、反応
速度、反応率の更なる向上はほとんど見られなくなる。
【0033】エステル交換反応液中のアルカリ触媒の含
有量は、廃食油100重量部に対して、0.4重量部以
下が好ましく、0.3重量部以下がより好ましい。上記
アルカリ触媒の含有量は、アルカリ触媒として、水酸化
カリウム等を用いる方法のほか、エステル交換反応の反
応温度を高くする、反応時間を長くする、メタノール過
剰率を増大する等により大幅に低減することが可能であ
るが、廃食油が遊離脂肪酸を少量含むことを考慮すれ
ば、0.1重量部以上とすることがより好ましい。
【0034】上記エステル交換反応における反応温度
は、特に限定されないが、65〜80℃の範囲内がより
好ましい。反応温度を上昇させることでアルカリ触媒量
をさらに低減することもできるが、100℃以上の温度
では、油脂成分の分解反応が起こるおそれがある。
【0035】本発明におけるエステル交換反応を経て生
成された脂肪酸エステルは、ディーゼル燃料油、例え
ば、トラック、ゴミ収集車等のディーゼル自動車用燃料
等として用いることができる。
【0036】本発明において、軽液の水洗工程は、軽液
中に含まれる微量のグリセリンを除去することを主目的
とするため、大量の水洗水を必要としない。従って、副
生グリセリンの総燃焼熱と、メタノール回収の熱量とか
ら、水洗水の焼却に必要な熱量を考慮し、水洗水の量
は、軽液100重量部に対して最大70重量部とするこ
とが好ましい。より好ましくは、上記水洗水の量は、熱
効率、蒸気発生量を考慮して、10〜50重量部、さら
に好ましくは、10〜30重量部である。
【0037】本発明において、上記重液は、上記水洗工
程で生じた廃水を焼却し蒸気を得るための燃料として用
いられる。焼却に当たっては、重液をそのまま燃料とし
て供してよいが、アルカリ性がハンドリング上不都合な
場合は中和してもよい。
【0038】図1は、本発明の一実施の形態に係る廃食
油からのディーゼル燃料油の製造方法の手順を示すフロ
ー図である。以下において、本実施の形態の廃食油から
のディーゼル燃料油の製造方法について、より詳しく説
明する。
【0039】本実施の形態では、廃食油10t/バッチの
規模で処理を行う。図1に示すように、まず、原料廃食
油について、水分の分層分離(脱水工程)(S1)を行
う。脱水後の廃食油100重量部は、必要に応じて、加
熱(S2)、真空脱水処理(S3)する。次いで、ジャケッ
ト・コイル付、攪拌機付の反応器(20m3)内で、上
記100重量部に対して0.26重量部の水酸化カリウ
ム(KOH)、12重量部のメタノールを添加し、攪拌
しながらエステル交換反応させる(S4)。エステル交換
反応の反応温度は、65℃、反応時間は、1時間であ
る。本実施の形態では、反応液中に含まれる水酸化カリ
ウムが0.26重量部と、従来の約5分の1量でありな
がら、従来と同様の反応率を得ることができる。
【0040】尚、このとき、メタノールは、以下S5に示
すメタノール蒸留除去工程(メタノールトッピング)に
おいて回収されるメタノール8重量部を加えて全部で2
0重量部を添加することとなる。エステル交換反応後、
必要に応じ、冷却した後、分層分離(S6)し、軽液と重
液とに分離する。
【0041】軽液中には、エステル交換反応生成物であ
る脂肪酸メチルエステルと、微量のグリセリンが含まれ
ている。上記軽液に対し、20重量部の水を加えて攪拌
し、水洗を行う(S7)。水洗により、軽液中の微量グリ
セリンをはじめとする水溶性成分が下層へ廃水として除
去される。
【0042】S8において、上記廃水は、上記重液を燃料
として焼却され、その排熱から蒸気が得られる。このよ
うに、S8により、重液中に含まれる低品位の副生グリセ
リンを工程に必要な熱源として利用することができるの
で、廃水が完全に焼却されると共に、その排熱が蒸気と
して使用され、プロセス外への廃棄物の移行をゼロとす
る廃棄物のゼロエミッション化が図れる。
【0043】一方、上記水洗後に得られた上層中に含ま
れる、脂肪酸メチルエステルは、必要に応じて加熱減圧
下で、水分・メタノールの蒸留除去(水分・メタノール
トッピング)(S9)を経て、フィルターにより濾過され
(S10)、ディーゼル燃料油が得られる。
【0044】上記において、重液(グリセリン層)中に
含まれる水酸化カリウム量は、S4で加えられる量が
0.26重量部と、少量である。これは、従来より一般
的に用いられているアルカリ触媒量、すなわち、廃食油
100重量部に対して1重量部前後とされていた場合と
比較し、大幅に低減される。具体的には、従来の場合、
残存アルカリ触媒量が5%程度となるのに対して、本実
施の形態では、最終的に1%程度に抑えられるので、粘
度、着色度等の性状が著しく改良されることとなる。
【0045】また、本実施の形態では、上記S7の水洗工
程により、軽液水洗後の上層に含まれるグリセリン量
は、わずか0.01%であり、EU規格値0.02〜0.
03%と比較して充分満足できる値である。
【0046】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について、実
験結果を示して説明する。但し、本発明は以下の実施例
に限定されるものではない。尚、以下において特に記載
のない限り、「%」は「重量%」を指す。
【0047】〔実施例1〕廃食油10kgに対して、水
酸化カリウム136g、メタノール1.2kgを攪拌槽
に仕込み、65℃、15分反応させた。分層分離して軽
液、重液をそれぞれ8.8kg、1.6kg得た。以
下、実施例1と同様の操作を行い、水洗後の軽液中の脂
肪酸メチルエステル含量及びグリセリン含量を分析した
結果、それぞれ、95%、0.01%であった。一方、
得られた重液を通常の焼却炉を想定して、バーナーによ
る燃焼試験を行ったところ、燃焼可能であった。焼却炉
内の無機塩の蓄積が大であるため特別仕様となるが、副
生グリセリンをプロセス内で熱源として利用できた。
【0048】〔実施例2〕廃食油10kgに対して、水
酸化カリウム26g、メタノール2kgを攪拌槽に仕込
み、65℃、1時間反応させた。反応後、メタノールを
回収し、反応液を分層分離して、軽液、重液をそれぞれ
8.9kg、1.5kg得た。軽液100重量部に対し
て、水を20重量部添加し、弱い攪拌下で2時間保持し
た。水洗後の軽液中の脂肪酸メチルエステル含量は、ガ
スクロマトグラフィー分析により95%の値を得た。同
じく水洗後の軽液中のグリセリン含量も同様に分析し、
0.01%の値を得た。一方、上記操作を繰り返して得
られた重液を、通常の焼却炉を想定して、バーナーによ
る燃焼試験を行ったところ、無機塩の蓄積も少なく、燃
焼燃料として優れていることがわかった。
【0049】
【発明の効果】本発明の廃食油からのディーゼル燃料油
の製造方法は、副生する低品位のグリセリンを工程内の
熱源に利用することにより、廃食油からディーゼル燃料
油を製造するプロセスにおいて、低コストで、廃棄物の
ゼロエミッション化を実現できるという効果を奏する。
また、廃食油とメタノールとのエステル交換反応に使用
する触媒としてのアルカリ物質量を大幅に低減すること
により、上記工程内での熱源利用を、より低コストで実
現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る廃食油からのディ
ーゼル燃料油の製造方法の手順を示すフロー図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 傳 慶一 京都府京都市下京区中堂寺南町17番地 株 式会社関西新技術研究所内 Fターム(参考) 4D056 AB14 AB17 AC22 BA03 CA14 CA15 CA39 DA03 4D076 AA13 AA16 FA02 FA12 FA16 HA03 HA06 JA02 4H013 BA02 4H059 BA12 BA30 BB02 BB03 BC03 BC13 CA36 CA94 EA17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃食油とアルコールとから、アルカリ触
    媒を用いたエステル交換反応により脂肪酸エステルを製
    造する、廃食油からのディーゼル燃料油の製造方法であ
    って、 上記エステル交換反応後に、過剰のアルコールを反応液
    より蒸留除去する工程と、上記脂肪酸エステルを主成分
    とする軽液とグリセリンを主成分とする重液とを分層分
    離する工程と、上記軽液を水洗して軽液中の水溶性成分
    を廃水として除去する工程と、上記重液を燃料として上
    記廃水を焼却し排熱から蒸気を得る工程と、を含むこと
    を特徴とする廃食油からのディーゼル燃料油の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記アルカリ触媒が、水酸化カリウムで
    あることを特徴とする請求項1記載の廃食油からのディ
    ーゼル燃料油の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記エステル交換反応において、上記廃
    食油100重量部に対して上記アルカリ触媒が0.4重
    量部以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の
    廃食油からのディーゼル燃料油の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記エステル交換反応において、上記廃
    食油100重量部に対して上記アルコールが12〜30
    重量部の割合であることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれか1項に記載の廃食油からのディーゼル燃料油
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記エステル交換反応が反応温度65℃
    〜100℃の範囲内で行われることを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれか1項に記載の廃食油からのディー
    ゼル燃料油の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記アルコールがメチルアルコールであ
    ることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に
    記載の廃食油からのディーゼル燃料油の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記軽液の水洗において用いる水の量
    が、軽液100重量部に対して70重量部以下であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の廃食油からのディーゼル燃料油の製造方法。
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