JPH10231497A - 廃食油からのディーゼル燃料油の製造装置 - Google Patents

廃食油からのディーゼル燃料油の製造装置

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JPH10231497A
JPH10231497A JP32701997A JP32701997A JPH10231497A JP H10231497 A JPH10231497 A JP H10231497A JP 32701997 A JP32701997 A JP 32701997A JP 32701997 A JP32701997 A JP 32701997A JP H10231497 A JPH10231497 A JP H10231497A
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茂人 早藤
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剛夫 清水
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祥生 王
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KANSAI SHIN GIJUTSU KENKYUSHO
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃食油を原料としてディーゼル燃料油を得る
ために使用される装置を提供する。 【解決手段】 廃食油から固体物質を除去する前処理部
1、廃食油を加熱し廃食油から水分および臭気物質を蒸
発させて除去する脱水・脱臭部2、アルコールにアルカ
リ性物質からなる触媒を溶解させて触媒含有アルコール
溶液を調製する触媒含有アルコール溶液調製部3、廃食
油と触媒含有アルコール溶液とを混合させ撹拌して反応
生成物を得る混合反応部4、反応生成物を軽液と重液と
に分離させる液−液分離部5、軽液を固体吸着剤と混合
させて軽液中の不純物を固体吸着剤に吸着させる精製処
理部6、不純物を吸着した固体吸着剤を軽液から分離さ
せて除去する固−液分離部7、および、重液を中和剤と
混合させて重液中のアルカリ性物質からなる触媒を中和
させる中和処理部8を備えて装置を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、菜種油、ごま
油、大豆油、トウモロコシ油、向日葵油、パーム油、パ
ーム核油、椰子油、コーン油、紅花油などの廃食油か
ら、セタン指数45〜70、引火点80℃〜210℃お
よび30℃での動粘度2.0mm2/s〜10.0mm2/s
の性状を有する、いわゆる植物ディーゼル燃料油を得る
ために使用される、廃食油からのディーゼル燃料油の製
造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、我が国では、毎年約70万トンの
大豆油、8万トンの椰子油、5万トンの綿実油、70万
トンの菜種油などの食用油を使っているが、その使用後
の廃食油のうちの90%は、回収されずにごみとして捨
てられている。そして、捨てられた廃食油の一部は、他
の廃棄物に混在してごみ処理場に運ばれ、可燃性ごみと
一緒に焼却され、また、廃食油の一部は、不燃性ごみと
一緒に埋立て処理されている。一方、残りの10%の廃
食油は、石鹸などの原料として再利用されており、この
廃食油の再利用技術に関しては、塩析法のバッチ式と、
連続煮沸法、連続ケン化法などの連続式とによる石鹸製
造技術が確立されており、これらの石鹸製造技術は、基
本的にケン化、塩析、洗浄および仕上煮の各工程から構
成されている。
【0003】また、植物油の主成分であるモノグリセリ
ド、ジグリセリドおよびトリグリセリドをアルキルアル
コールとエステル交換反応させることにより、脂肪酸ア
ルキルエステルを得ることは、以前から知られている
(有機化学ハンドブック、技報堂出版、1988、p.
1407〜1409)。そして、この反応を利用して植
物油脂または廃食油からディーゼル燃料油を製造する技
術に関して、従来、いくつかの提案がなされている。例
えば特開平7−197047号公報には、廃食用油10
0部に対し、メチルアルコール15部〜25部、苛性ソ
ーダ1部〜2部を反応温度45℃〜65℃に加熱して、
反応生成物を得た後、静置による分離、温水による洗浄
および乾燥剤による脱水乾燥の各工程を経て、最終的に
ディーゼル燃料油を得る、といった方法が開示されてい
る。
【0004】また、特開平7−310090号公報に
は、油脂原料に、油脂100重量%に対して15重量%
以上のメチルアルコールおよび油脂100重量%に対し
て0.2重量%〜1.5重量%のアルカリを添加して5
0℃〜64℃の温度で撹拌する第1工程と、この第1工
程で得られた生成物を静置した後または遠心分離によ
り、生じた沈殿を除去する第2工程と、この第2工程で
得られた上澄み液をメチルアルコールの沸点以上の温度
に加熱してメタノールを蒸発させ除去する第3工程と、
この第3工程で得られた生成物に水を添加し、70℃〜
90℃に加熱しつつ酸を添加して中和した後、油相と水
相とに相分離させ、相分離した2相のうち水相を分離除
去する第4工程と、この第4工程で得られた油相に水を
添加して70℃〜90℃の加熱下で水洗した後、水相を
分離除去する第5工程と、この第5工程で得られた油相
に、100℃〜140℃に加熱しつつ白土を添加し撹拌
した後ろ過して、精製された脂肪酸メチルエステルを得
る第6工程とからなる製造方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、僅かな
廃食油が石鹸の原料として再利用されているのを除い
て、大部分の廃食油が未利用のまま廃棄されるのは、省
資源の観点からみて甚だ不合理である。しかも、捨てら
れた廃食油が可燃性ごみと一緒に焼却された場合、大気
汚染物質となるSOx、NOx、CO2、CO、浮遊粒
状物質などが大量に発生し、さらに、猛毒性のダイオキ
シンも発生するとの報告もなされている。一方、捨てら
れた廃食油が不燃性ごみと一緒に埋立て処理された場合
は、土壌汚染をもたらすことになる。また、レストラン
や食品工場、一般家庭などから廃棄される廃食油の一部
は、下水道を経由して直接に川や湖などに流されてお
り、これは水質悪化の大きな原因の1つになる。
【0006】近年、地球環境問題に対する社会的な関心
が高まり、環境保全に関する新たな理念や多様な政策手
段が示され、1993年11月には国際環境開発会議で
オリ宣言が採択され、社会経済活動による環境負荷を可
能な限り低減させ、持続的に発展する社会が構築される
ことを旨とする、大量消費社会からの脱却の指針が打ち
出されている。これに応じて、日本政府は、1994年
12月に環境行政の基本計画が閣議決定され、この計画
を推進するために、今後5年間に取り込むべき具体的な
環境保全の行動計画として、(1)廃棄物量の25%削
減、(2)廃棄物中の可燃性ごみの量の30%削減、
(3)エネルギ−供給施設などの燃料使用量の10%削
減などの目標を設定した。また、これらの目標値を達成
するための手段として、プラスチックや容器・包装ごみ
などのリサイクル、ライフサイクルアセスメントなどが
取り入れられ、研究開発が進められている。例えば、プ
ラスチック液化技術やCO2固定化技術、自動車潤滑油
の再生技術や排気ガスの脱NOx技術などがすでに開発
されている。しかし、廃食油に関しては、ほんの一部が
石鹸の原料として利用されているだけで、大部分の廃食
油は未利用のまま、地球環境に排出されている。
【0007】また、特開平7−197047号公報や特
開平7−310090号公報などに開示されているよう
に、廃食油からディーゼル燃料油を製造する試みもなさ
れているが、これまでの製造方法には、以下のような問
題点が残されている。
【0008】(1)原料とする廃食油の前処理が行われ
ていないため、廃食油に含まれている水分や遊離脂肪酸
などが、エステル交換反応の触媒となるアルカリの活性
を低減させ、廃食油の転化率が低くなる。また、製品と
なる脂肪酸メチルエステル中に大量の水が残存すること
になり、また、高温加熱履歴を経た廃食油に、植物油の
熱分解や酸化などにより生成した臭気物質が含まれてお
り、これらの臭気物質が最終的に製品に残ることとなっ
て、製品の品質が悪くなる。さらに、廃食油中には大量
のごみやラード、固形分などの異物が含まれており、こ
れらの異物が製造装置の管線やバルブなどの詰りの原因
になり、また、製品の品質の低下をもたらすことにもつ
ながる。また、廃食油中に水分が存在すると、化1に示
した化学反応式(式中、R、R1,R2,R3:アルキル
基、M:金属である)において、脂肪酸石鹸を生成する
副反応(石鹸化反応)が進行しやすく、生成した脂肪酸
石鹸の一部分が、製品となる脂肪酸メチルエステル中に
残って、濁りの原因になり、その脂肪酸石鹸の分離は困
難であり、これによっても製品の品質が低下する、とい
った問題点がある。
【0009】
【化1】
【0010】(2)廃食油がメチルアルコールと反応し
て生成した脂肪酸メチルエステルの精製方法として、温
水による洗浄または酸による中和により、脂肪酸メチル
エステルに残存している水酸化ナトリウムを除去するよ
うにしているが、工程が複雑であるばかりでなく、温水
と水酸化ナトリウムとの共存下で石鹸化反応が一層加速
されることになり、洗浄後における水の完全除去も困難
である。 (3)廃食油とメチルアルコールとのエステル交換反応
の副産物であるグリセリンの処理または再利用方法が確
立されておらず、グリセリンは結局廃棄物となり、環境
汚染の問題が依然として残されている。 (4)廃食油からディーゼル燃料油を大量に生産するた
めの設備や工業的実施方法については、未だ実績報告が
無く、また、廃食油から、軽油に関する現行のJIS規
格を満たすディーゼル燃料油を得ることができるような
工業的製造技術は、未だ確立されていない。
【0011】なお、現在確立されている廃食油からの石
鹸製造の技術は、ケン化、塩析、洗浄および仕上煮の各
工程からなるものであり、この製造技術は、石鹸以外の
製造、例えばディーゼル燃料油の製造には利用すること
ができない。また、食油からアルコリシス反応によって
脂肪酸アルキルエステルを合成する反応は、実験室規模
では成功しているが、工業的にディーゼル燃料油を製造
する技術や設備は、未だ開発されていない。
【0012】また、ディーゼル燃料油は、これまで、主
に石油の軽油留分または残油の接触分解または熱分解の
生成物から、必要に応じてリフォ−ミング、脱硫、脱窒
素などの処理を行うことにより、製造されている。従っ
て、この技術は、廃食油からのディーゼル燃料油の製造
には適用することができない。
【0013】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、レストランや食品工場、一般家庭な
どから廃棄されて従来殆んど利用されていない廃食油を
原料として、石油由来の軽油を使用している在来のディ
ーゼル車を改造することなくそのまま使用することがで
きる植物ディーゼル燃料油を得るために好適に使用さ
れ、食物資源の有効利用を図るとともに、地球の環境保
護にも大いに寄与し得る、廃食油からのディーゼル燃料
油の製造装置を提供すること、また、それに加えて、廃
食油とアルコールとのエステル交換反応の副産物である
グリセリンを、ボイラーや熱回収式焼却炉などの燃料と
して、また分解・精製工程を経て工業用グリセリンを回
収し製造する場合の原料として再利用化することを可能
にして、地球の環境保護にさらに寄与し得る、廃食油か
らのディーゼル燃料油の製造装置を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
レストラン、食品工場、一般家庭などから廃棄される廃
食油を貯留する廃食油貯蔵タンクと、前記廃食油から、
それに含まれた固体物質を除去する固体物質除去手段
と、固体物質が除去された前記廃食油を所定温度に加熱
する廃食油加熱手段と、加熱された前記廃食油から、そ
れに含まれた水分および臭気物質を蒸発させて除去する
脱水・脱臭手段と、アルコールにアルカリ性物質からな
る触媒を混合させ撹拌して、アルコール中に触媒が溶解
した触媒含有アルコール溶液を調製する溶解撹拌槽と、
この溶解撹拌槽へアルコールを供給するアルコール供給
手段と、前記溶解撹拌槽へ触媒を供給する触媒供給手段
と、固体物質ならびに水分および臭気物質が除去された
前記廃食油と前記触媒含有アルコール溶液とを混合させ
撹拌して、廃食油とアルコールとの触媒反応を促進さ
せ、廃食油とアルコールとの反応生成物を得る撹拌反応
槽と、前記反応生成物を軽液と重液とに分離させる液−
液分離手段と、前記反応生成物から分離して得られた前
記軽液を固体吸着剤と混合させ撹拌して、軽液に含まれ
た残存触媒、臭気物質、着色物質、水分などの不純物を
固体吸着剤に吸着させる撹拌精製槽と、この撹拌精製槽
へ固体吸着剤を供給する吸着剤供給手段と、不純物を吸
着した前記固体吸着剤と前記軽液との混合物から、固体
吸着剤を分離させて除去する固−液分離手段とを備え
て、廃食油からのディーゼル燃料油の製造装置を構成し
たことを要旨とする。
【0015】請求項2に係る発明は、請求項1記載の製
造装置において、反応生成物から分離して得られた重液
を中和剤と混合させ撹拌して、重液に含まれたアルカリ
性物質からなる触媒を中和させる中和処理撹拌槽と、こ
の中和処理撹拌槽へ中和剤を供給する中和剤供給手段と
をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】請求項3に係る発明は、請求項1または請
求項2記載の製造装置において、脱水・脱臭手段に、加
熱された廃食油を真空減圧下に置くための真空排気手段
を設けたことを特徴とする。
【0017】請求項4に係る発明は、請求項1ないし請
求項3のいずれかに記載の製造装置において、液−液分
離手段および固−液分離手段として、それぞれ遠心分離
機を使用したことを特徴とする。
【0018】請求項1に係る発明の製造装置において
は、レストランや食品工場、一般家庭などから廃棄され
た廃食油は、廃食油貯蔵タンクに貯留され、まず、固体
物質除去手段によって廃食油から固体物質が除去され
る。固体物質が除去された廃食油は、廃食油加熱手段に
よって所定温度に加熱された後、脱水・脱臭手段により
水分および臭気物質が蒸発させられて除去される。ま
た、アルコール供給手段によって溶解撹拌槽へアルコー
ルが供給されるとともに、触媒供給手段によって溶解撹
拌槽へアルカリ性物質からなる触媒が供給され、溶解撹
拌槽内においてアルコールに触媒が混合させられて撹拌
されることにより、アルコール中に触媒が溶解した触媒
含有アルコール溶液が調製される。そして、撹拌反応槽
内において、固体物質、水分および臭気物質が除去され
た廃食油と触媒含有アルコール溶液とが混合させられて
撹拌されることにより、廃食油が触媒によりアルコール
と反応させられ、廃食油とアルコールとのエステル交換
反応によって反応生成物が得られる。得られた反応生成
物は、液−液分離手段によって軽液と重液とに分離させ
られる。そして、反応生成物から分離して得られた軽液
は、撹拌精製槽内へ導入され、また、吸着剤供給手段に
よって撹拌精製槽へ固体吸着剤が供給され、撹拌精製槽
内において、軽液が固体吸着剤と混合させられて撹拌さ
れることにより、軽液に含まれた残存触媒、臭気物質、
着色物質、水分などの不純物が固体吸着剤に吸着され
る。不純物を吸着した固体吸着剤と軽液との混合物は、
固−液分離手段によって固体吸着剤と軽液とに分離させ
られ、脂肪酸アルキルエステルを主成分とする精製され
た軽液が得られる。この製造装置を使用すると、以上の
ようにして最終的に、セタン指数や引火点、動粘度など
のパラメーターが現在のディーゼル燃料油の基準に達
し、すなわち、セタン指数45〜70、引火点80℃〜
210℃、30℃での動粘度2.0mm2/s〜10.0m
m2/sの性状を有し、あらゆるディーゼルエンジンを動
かすことができるとともに、石油から得られる従来のデ
ィーゼル燃料油に比べて硫黄化合物および窒素化合物の
各含有量がはるかに低い植物ディーゼル燃料油が得られ
ることとなる。
【0019】そして、この発明の製造装置を使用したと
きは、撹拌反応槽内において廃食油をアルコールと反応
させる前に、固体物質除去手段および脱水・脱臭手段に
よって廃食油から固体物質ならびに水分および臭気物質
が除去されるので、エステル交換反応の触媒となるアル
カリ性物質の活性が低減して、廃食油の転化率が低くな
る、といったことはなく、また、製品となる脂肪酸アル
キルエステル中に大量の水が残存したり、臭気物質が残
ったり、また異物が残存したりして、製品の品質が低下
する、といったこともない。また、ごみやラード、固形
分などの異物が製造装置の管線やバルブなどの詰りの原
因になる、といったこともない。さらに、エステル交換
反応の際には廃食油中に水分が存在していないので、脂
肪酸石鹸を生成する副反応(石鹸化反応)の進行が抑え
られ、このため、脂肪酸石鹸の一部分が製品となる脂肪
酸アルキルエステル中に残ってその分離が困難であるた
めに濁りの原因となり製品の品質を低下させる、といっ
た心配も無い。
【0020】また、この発明の製造装置では、溶解撹拌
槽において触媒を予めアルコールに溶解させた後、撹拌
反応槽内で触媒含有アルコール溶液と廃食油とを混合さ
せて反応させるようにしており、これにより、廃食油と
アルコールとの混合液に触媒を直接に投入し撹拌して廃
食油とアルコールとを反応させる場合に比べて、反応速
度が格段と速くなる。
【0021】さらに、この発明の製造装置では、廃食油
とアルコールとの反応によって生成した脂肪酸アルキル
エステルを精製するのに、撹拌精製槽内において、軽液
に含まれた残存触媒、臭気物質、着色物質、水分などの
不純物を固体吸着剤に吸着させ、その後に、固−液分離
手段により、不純物を吸着した固体吸着剤を軽液から分
離させて除去するようにしており、このため、温水によ
る洗浄または酸による中和により脂肪酸アルキルエステ
ル中の残存触媒を除去する場合に比べて工程が簡単であ
り、また、石鹸化反応が加速される心配も無く、洗浄後
における水の除去工程も不要である。
【0022】請求項2に係る発明の製造装置を使用する
と、反応生成物から分離された重液を燃料あるいは工業
用グリセリンの原料として再利用することができる。す
なわち、反応生成物から分離された重液には、主成分で
あるグリセリンの他に、反応に使われた触媒の大部分が
含まれているため、そのまま燃料あるいは原料として使
うと、アルカリによる装置の腐食をもたらすことになる
が、請求項2に係る発明の製造装置では、中和処理撹拌
槽において重液を中和剤と混合させ、重液に含まれたア
ルカリ性物質からなる触媒を中和させるようにしている
ため、廃食油とアルコールとのエステル交換反応の副産
物であるグリセリンを、環境汚染の原因となるような廃
棄物とすることなく、そのままボイラーや熱回収式焼却
炉などの燃料として、また工業用グリセリンの原料とし
て再利用することが可能である。
【0023】請求項3に係る発明の製造装置では、加熱
された廃食油が真空排気手段によって真空減圧下に置か
れることにより、廃食油から水分および臭気物質が速や
かに蒸発するので、脱水・脱臭手段による廃食油からの
水分および臭気物質の除去が短時間にかつ高効率で行わ
れる。
【0024】請求項4に係る発明の製造装置では、それ
ぞれ遠心分離機により、脂肪酸アルキルエステルを主成
分とする軽液とグリセリンを主成分とする重液との分
離、および、不純物を吸着した固体吸着剤と軽液との混
合物からの固体吸着剤の分離が行われるので、比重差を
利用した静置分層分離法による場合に比べて、それぞれ
の分離操作が短時間にかつ高効率で行われる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
について図1ないし図5を参照しながら説明する。
【0026】図1ないし図5は、この発明の1実施形態
を示し、図1は、廃食油からのディーゼル燃料油の製造
装置の全体構成をブロック図的に示す概略図であり、図
2ないし図5はそれぞれ、その製造装置を各構成部分に
分けて模式的に示す概略図である。図1に示すように、
このディーゼル燃料油の製造装置は、前処理部1、脱水
・脱臭部2、触媒含有アルコール溶液調製部3、混合反
応部4、液−液分離部5、精製処理部6、固−液分離部
7および中和処理部8から構成されている。なお、前処
理部1および脱水・脱臭部2の構成を図2に、触媒含有
アルコール溶液調製部3および混合反応部4の構成を図
3に、液−液分離部5および中和処理部8の構成を図4
に、精製処理部6および固−液分離部7の構成を図5
に、それぞれ示している。
【0027】前処理部1は、図2に示すように、フィル
タ12が装着された廃食油導入シュート10、廃食油貯
蔵タンク14およびカートリッジ式フィルタ18が装着
されたストレーナ16から構成されている。廃食油は、
廃食油導入シュート10から導入され、メッシュ数10
〜100のステンレス金網からなるフィルタ12を通過
することにより、廃食油に含まれる固体物質が一次的に
除去され、その後に、ストレーナ16に通されることに
より、廃食油に含まれる固体物質がさらに除去される。
また、廃食油貯蔵タンク14は2基設置されており、1
基の廃食油貯蔵タンク14から廃食油を供給している間
は、もう1基の廃食油貯蔵タンク14が待機させられ
る。待機状態の廃食油貯蔵タンク14内に貯留された廃
食油が静置させられることにより、廃食油に含まれる固
体物質や過剰水分(廃食油に飽和含水量以上の水分が含
まれると、水相と油相とに自然分相する)などの一部分
が比重差によって自然沈降し、この自然沈降した固体物
質や過剰水分などは、一定時間ごとに廃食油貯蔵タンク
14の底部のドレン排出口から排出される。さらに、固
体物質および水分が一次的に除去された廃食油は、メッ
シュ数100〜600のカートリッジ式フィルタ18が
装着されたストレーナ16に通されることにより、廃食
油に含まれる微細固体物質が二次的に除去され、固体物
質の含有量が、例えば0.05%以下となった廃食油が
得られる。図中の符号9は、バルブである。
【0028】脱水・脱臭部2は、水蒸気発生用のボイラ
ー20、廃食油計量ポンプ22、多管式熱交換器24、
内部に複数枚の円錐形多孔板28および分散ノズル30
が装着された真空脱水・脱臭塔26、コンデンサ32、
および、真空度計36が装着された真空装置34から構
成されている。前処理部1で固体物質が除去された廃食
油は、多管式熱交換器24を通過する間に水蒸気と熱交
換して、後続の真空脱水・脱臭プロセスで要求される温
度まで加熱された後に、分散ノズル30から真空脱水・
脱臭塔26内へ導入される。真空脱水・脱臭塔26内へ
導入された廃食油は、複数枚の円錐型多孔板28上へ順
次流下する間に、脱水および脱臭される。すなわち、所
定温度まで加熱された廃食油に含まれた水分および沸点
が低い臭気物質は、1〜100mmHgの真空状態下に
おいて速やかに蒸発(気化)し、真空脱水・脱臭塔26
の上部出口から排出された後、コンデンサ32において
冷却され、再び液体となって、系外へ排出される。これ
によって、廃食油は、例えば水分含有量0.03%以
下、臭気物質含有量10ppm以下となるように脱水お
よび脱臭される。
【0029】触媒含有アルコール溶液調製部3は、図3
に示すように、触媒導入シュート40と駆動モータ42
とスクリューコンベア44とから構成された触媒供給装
置38、アルコール貯蔵タンク46、アルコール計量ポ
ンプ48、冷却水ジャケット52が付設された溶解撹拌
槽50および触媒含有アルコール溶液タンク54から構
成されている。触媒含有アルコール溶液の調製は、バッ
チ式操作によって行われ、まず、計量ポンプ48により
アルコール貯蔵タンク46から溶解撹拌槽50内へアル
コールを送り、次に、溶解撹拌槽50内に導入されたア
ルコールを撹拌しながら、触媒供給装置38から送給さ
れる触媒をアルコールに対して所定の割合で溶解撹拌槽
50内へ投入し、触媒がアルコールに完全に溶解するま
で撹拌する。アルコールに触媒が溶解する時に発生する
溶解熱は、冷却水ジャケット52の内部に冷却水を流す
ことにより、冷却水と触媒含有アルコール溶液との熱交
換によって除去される。溶解撹拌槽50内への触媒の供
給速度は、例えばアルコールがメチルアルコールである
ときは、触媒含有アルコール溶液の温度が64℃を超え
ないように制御される。もしも触媒供給速度が速過ぎる
と、発生した溶解熱を除去するのが間に合わなくなる。
そして、溶液の温度がアルコールの沸点温度以上になる
と、アルコールの蒸発が激しくなり、また、溶液の局部
的過熱による突沸現象が起こることになって危険であ
る。溶解撹拌槽50への所定量の触媒の投入が終わっ
て、触媒がアルコールに完全に溶解した後に、溶解撹拌
槽50の側面のバルブ9を開け、溶液を触媒含有アルコ
ール溶液タンク54へ移す。そして、続いて溶解撹拌槽
50内へ、上記した手順と同様の手順によりアルコール
と触媒とを導入し、同様の溶解撹拌操作を繰り返す。
【0030】混合反応部4は、触媒含有アルコール溶液
計量ポンプ56、脱水・脱臭された廃食油の計量ポンプ
58、および、多段羽根62を取り付けた撹拌反応槽6
0から構成されている。撹拌反応槽60は、円筒形のベ
ッセル中心部に設置された回転軸64に多段羽根62を
取り付けて、その回転軸64を駆動モータ66によって
回転させることにより、撹拌反応槽60の内部において
底部から上部へ流動する脱水・脱臭廃食油と触媒含有ア
ルコール溶液とを連続的に混合させるとともに、廃食油
とアルコールとを反応させる。撹拌反応槽60は、カス
ケード方式で2基設置されており、真空脱水・脱臭塔2
6から送られる廃食油と触媒含有アルコール溶液タンク
54から送られる触媒含有アルコール溶液とが、それぞ
れ計量ポンプ58、56によって一定の割合で連続的に
第1の撹拌反応槽60の底部へ導入され、その撹拌反応
槽60の内部を通過した後、第1の撹拌反応槽60の出
口から流出し、さらに第2の撹拌反応槽60の底部へ導
入され、その撹拌反応槽60の内部を通過した後、第2
の撹拌反応槽60の出口から流出する。そして、それぞ
れの撹拌反応槽60内において、廃食油とアルコールと
が混合されるとともに廃食油のエステル交換反応が進行
し、第2の撹拌反応槽60の出口において反応がちょう
ど終了するように、廃食油および触媒含有アルコール溶
液の導入速度が制御される。
【0031】液−液分離部5は、図4に示すように、液
−液遠心分離機68、送液ポンプ70および重液貯蔵タ
ンク72から構成されている。液−液遠心分離機68
は、撹拌反応槽60の出口より低い位置に設置され、撹
拌反応槽60から流出してくる反応生成物は、撹拌反応
槽60と液−液遠心分離機68との高さ位置の差によ
り、自然に液−液遠心分離機68内へ流入するようにな
っている。そして、液−液遠心分離機68において、反
応生成物が、脂肪酸アルキルエステルを主成分とする軽
液とグリセリンを主成分とする重液とに分離される。重
液は、送液ポンプ70により重液貯蔵タンク72内に送
り込まれて貯留され、一方、軽液は、精製処理部6へ送
り込まれる。
【0032】精製処理部6は、図5に示すように、軽液
計量ポンプ74、吸着剤供給シュート78と駆動モータ
80とスクリューコンベア82とから構成された吸着剤
供給装置76、および、撹拌羽根86を備えた撹拌精製
槽84から構成されている。撹拌精製槽84は、パラレ
ル方式で2基設置されており、それぞれの撹拌精製槽8
4での操作はバッチ式であるが、それぞれの撹拌精製槽
84の導入口側に設けられた一対のバルブ9の切替え、
および、吸着剤供給装置76のスクリューコンベア82
に設けられた一対の投入口の切替えにより、半連続運転
が行われる。液−液分離部5から送られてきて撹拌精製
槽84内へ導入された軽液に対して所定の割合で、吸着
剤供給装置76から撹拌精製槽84内へ吸着剤が投入さ
れる。そして、撹拌精製槽84内において、軽液が、軽
液中のアルカリ成分、水分、臭気物質、着色物質などの
不純物が吸着剤に完全に吸着されるまで撹拌し続けられ
る。撹拌が終わった後に、撹拌精製槽84の側面のバル
ブ9を開け、撹拌精製槽84内の内容物が固−液遠心分
離部7へ送り込まれる。
【0033】固−液分離部7は、固−液遠心分離機8
8、送液ポンプ90および精製軽液貯蔵タンク92から
構成されている。固−液遠心分離機88は、撹拌精製槽
84の出口より低い位置に設置され、撹拌精製槽84か
ら流出してくる軽液と吸着剤との混合物は、撹拌精製槽
84と固−液遠心分離機88との高さ位置の差により、
自然に固−液遠心分離機88内へ流入するようになって
いる。そして、固−液遠心分離機88において、使用済
みの固体吸着剤と製品となる精製された軽液とに分離さ
れる。分離された軽液は、送液ポンプ90により精製軽
液貯蔵タンク92内に送り込まれて貯留され、一方、吸
着剤は、系外に排出されて、回収あるいは廃棄処理され
る。
【0034】中和処理部8は、図4に示すように、重液
計量ポンプ94、酸貯蔵タンク96、酸計量ポンプ9
8、撹拌羽根102を備えた中和処理撹拌槽100、送
液ポンプ104、および、中和処理された重液の貯蔵タ
ンク106から構成されている。重液の中和処理は、バ
ッチ式操作によって行われ、重液計量ポンプ94により
重液貯蔵タンク72から送られてきて中和処理撹拌槽1
00内へ導入された重液に対して所定量の酸が、酸計量
ポンプ98により酸貯蔵タンク96から中和処理撹拌槽
100内へ送り込まれる。そして、重液は、中和処理撹
拌槽100内において十分に撹拌させられ、撹拌が終わ
った後に、送液ポンプ104により重液貯蔵タンク10
6内に送り込まれて貯留され、ボイラーなどの燃料とし
て、あるいは工業用グリセリンを製造する場合の原料と
して使われる。
【0035】図1ないし図5に示したような構成の製造
装置を使用して、レストランや食品工場、一般家庭など
から出される廃食油から、触媒によるアルコールとの反
応によって高品質のディーゼル燃料油を製造するには、
(1)前処理部1の廃食油導入シュート10へ廃食油を
投入し、廃食油導入シュート10に装着されている金網
からなるフィルタ12により廃食油に含まれる固体物質
を一次的に除去し、さらに、廃食油貯蔵タンク14にお
いて固体物質を自然沈降させた後に、上澄液を脱水・脱
臭部2へ送り込む前に、廃食油貯蔵タンク14の出口側
に設置されたストレーナ16によって、廃食油に含まれ
た固体物質を二次的に除去する。(2)固体物質が除去
された廃食油を、廃食油計量ポンプ22により熱交換器
24へ送り込んで、熱交換器24において所定の温度ま
で加熱し、真空脱水・脱臭塔26において水分および低
沸点の臭気物質を蒸発させることにより、脱水および脱
臭する。(3)溶解撹拌槽50内へ所定量の触媒および
アルコールを、触媒供給装置38およびアルコール計量
ポンプ48によってそれぞれ導入し、溶解撹拌槽50内
において触媒およびアルコールを撹拌することによって
アルコールに触媒を溶解させた後に、溶液を触媒含有ア
ルコール溶液タンク54内に導入して貯留しておく。
(4)カスケードしている撹拌反応槽60内へそれぞれ
脱水・脱臭部2および触媒含有アルコール溶液タンク5
4からそれぞれ計量ポンプ58、56により、脱水・脱
臭された廃食油と触媒含有アルコール溶液とを所定の割
合で送り込む。そして、多段羽根62を有する撹拌反応
槽60において、所定温度まで加熱された脱水・脱臭廃
食油と触媒含有アルコール溶液とを撹拌して混合させる
とともに、廃食油とアルコールとの反応を進行させて、
廃食油とアルコールとの反応生成物を得た後、その反応
生成物を連続的に液−液遠心分離機68へ移送する。
(5)液−液遠心分離機68において、反応生成物を軽
液と重液とに分離させ、軽液を軽液計量ポンプ74によ
り精製処理部6へ送り込み、重液を重液貯蔵タンク72
内に導入して貯留する。(6)撹拌精製槽84内へ導入
された軽液に対して所定量の吸着剤を吸着剤供給装置7
6により添加し、撹拌精製槽84において、撹拌羽根8
6による強烈な撹拌により、軽液に含まれる不純物を吸
着剤に吸着させた後、不純物をした吸着剤と軽液との混
合物を固−液遠心分離機88へ送り込む。(7)固−液
遠心分離機88において、吸着剤と精製された軽液とを
分離させ、吸着剤を系外へ排出し、精製された軽液を製
品として精製軽液貯蔵タンク92に導入して貯留する。
(8)中和処理撹拌槽100内へ重液および酸を重液貯
蔵タンク72および酸貯蔵タンク96から、それぞれ計
量ポンプ94、98によって所定の割合で送り込み、中
和処理撹拌槽100内において、重液と酸とを撹拌する
ことにより混合させるとともに、重液に含まれるアルカ
リ性物質からなる触媒を酸で中和させ、中和反応によっ
て中性となった重液を重液貯蔵タンク106内に送り込
んで貯留し、その重液をボイラーなどの燃料としてある
いは工業用グリセリン製造用の原料として使用する。以
上の8つの工程を経ることにより、廃食油から最終的
に、ディーゼルエンジンに使用することができる植物デ
ィーゼル燃料油、および、ボイラーなどの燃料として、
あるいは工業用グリセリンを製造する場合の原料として
使用することができる重液が得られる。
【0036】原料となる廃食油には、菜種油廃油、ごま
油廃油、大豆油廃油、トウモロコシ油廃油、向日葵油廃
油、パーム油廃油、パーム核油廃油、椰子油廃油、コー
ン油廃油、紅花油廃油などがあり、それらのうちの1種
類のものあるいは複数種類の混合物を原料として用い
る。廃食油の品質に関しては、特に要求はないが、水分
含有量および固形分の含有量が少ない方が望ましい。
【0037】前処理部1において固体物質を除去するた
めに廃食油導入シュート10に装着されたフィルタ12
は、メッシュ数10〜100のステンレス製の金網であ
り、主に廃食油中に含まれる粗大ごみや異物などを除去
する役割を果たす。また、廃食油貯蔵タンク14の出口
側に設置されているストレーナ16には、メッシュ数1
00〜600のカートリッジ式フィルタ18が装着され
ており、主に廃食油中に含まれる微小サイズのごみや異
物などを除去する役割を果たす。
【0038】廃食油貯蔵タンク14から計量ポンプ22
によって所定の流量で熱交換器24へ送り込まれる廃食
油は、ボイラー20からの水蒸気と熱交換することによ
り、25℃〜200℃の温度に加熱され、真空脱水・脱
臭塔26において完全脱水および脱臭されやすいように
調整される。また、真空脱水・脱臭塔26における水分
および臭気物質の蒸発熱および熱損失による廃食油の温
度低下を考慮し、撹拌反応槽60において脱水・脱臭廃
食油と室温の触媒含有アルコール溶液とが混合された後
の混合溶液の温度が、反応の起こりやすい温度範囲とな
るように、熱交換器24の出口における廃食油の温度を
制御する必要がある。
【0039】真空脱水・脱臭塔26の内部の絶対圧力
は、廃食油中に含まれる水分および臭気物質の各含有量
ならびに廃食油の温度によって異なるが、1〜100m
mHgの範囲内で調整される。真空脱水・脱臭塔26内
部の絶対圧力が高過ぎると、水分および臭気物質を十分
に除去することができなくなり、一方、絶対圧力が低過
ぎると、廃食油中の有用成分までも除去されてしまうと
ともに、余計な動力が消耗されることとなる。
【0040】廃食油と反応させるアルコールとしては、
メチルアルコール、エチルアルコール、イソブチルアル
コールなどの炭素数1〜10のアルキルアルコールから
選ばれる1種類のものあるいは2種類以上の混合物が用
いられる。アルコールの純度に関しては、特に要求がな
いが、水分の含有量が少ない方が望ましい。また、アル
コールの種類としては、炭素数1〜10の不飽和あるい
は飽和アルキルアルコールのいずれでも使用可能である
が、炭素数が少ない低級アルコール、例えばメチルアル
コールやエチルアルコールなどの方が、高品質の植物デ
ィーゼル燃料油を得るのには都合が良い。
【0041】アルコールと廃食油との反応触媒として
は、例えば水酸化カリウム、炭酸カリウム、カリウムメ
チラートやカリウムエチラートなどのアルカリ性物質が
用いられ、それらのうちから選ばれた1種類のアルカリ
性物質あるいは2種類以上のアルカリ性物質を組み合わ
せて使用される。また、それらにナトリウム系触媒を加
えた混合触媒を使用するようにしてもよい。これらの触
媒を使用すると、水酸化ナトリウムを触媒として用いた
場合に比べて、廃食油からの脂肪酸アルキルエステルへ
の転化率が向上し、高品質の植物ディーゼル燃料油が得
られ、また、上記した化1に示された石鹸化反応が抑え
られる。例えば、水酸化ナトリウムにより99.8%の
メチルアルコールと0.5%の水分が含まれている廃食
油とをエステル交換反応させ、反応生成物を遠心分離機
により分離したとき、得られた軽液には脂肪酸石鹸が含
まれており、濁りが観察され、また、重液中にも脂肪酸
石鹸が検出された。これに対して、同様な廃食油を使用
して水酸化カリウムにより99.8%のメチルアルコー
ルと反応させたとき、得られた軽液は透明であり、脂肪
酸石鹸は全く検出されなかった。
【0042】アルコールへの触媒の溶解量は、触媒対廃
食油の重量比に換算して、0.3重量%〜3.0重量%
であり、好ましくは0.6重量%〜2.0重量%であ
る。また、廃食油に対する触媒含有アルコール溶液の添
加量は、アルコール対廃食油の比率に換算して、100
gの廃食油に対してアルコールの添加量は、0.15モ
ル〜0.75モルであり、好ましくは0.25モル〜
0.35モルである。触媒の添加量は、一定範囲内であ
れば多ければ多いほど、〔廃食油の平衡転化率=脂肪酸
アルキルエステルに変換された廃食油/(原料廃食油−
不純物)×100%〕の式によって定義される廃食油の
平衡転化率が高くなるが、一定範囲を超えると、廃食油
の平衡転化率はほぼ一定となり、脂肪酸石鹸が発生する
副反応が起こりやすくなる。また、触媒の添加量が多過
ぎると、反応装置に対する腐食性が強くなり、反応生成
物の精製工程における条件を厳しくしなければならなく
なるので、適量の添加量であることが必要である。
【0043】また、廃食油に対するアルコールの添加量
は、一定範囲内であれば多ければ多いほど、廃食油の平
衡転化率が高くなるが、一定範囲を超えると、廃食油の
平衡転化率がほぼ一定となり、反応後の生成物に過剰の
アルコールが残って、アルコールが無駄となり、また、
製品の品質にも悪い影響をもたらすことになる。一般
に、廃食油の主成分であるモノグリセリド、ジグリセリ
ドおよびトリグリセリドを脂肪酸アルキルエステルに転
化させるためには、1モルの廃食油に対して、化学量論
的に約3モルのアルコールが必要であるが、化学量論的
に必要な量より若干多め、例えば化学量論的数量ないし
化学量論的数量より10%多い量を添加した方が、より
高品質なディーゼル燃料油を得るのに都合が良い。
【0044】溶解撹拌槽50において、アルコールへの
触媒の溶解は、溶解熱による局部的過熱によってアルコ
ールの沸騰または突沸を防ぐために、先にアルコールを
溶解撹拌槽50内へ導入した後、アルコールを撹拌しな
がら触媒を所定の速度で添加する必要がある。また、溶
解熱を排出するために、溶解撹拌槽50のジャケット5
2に冷却水を流し、触媒含有アルコール溶液の温度をア
ルコールの沸点温度以下に維持することができるよう
に、冷却水の流量が調節される。
【0045】この発明に係る製造装置では、アルコール
と廃食油との反応を促進させる触媒を予めアルコールに
溶解させた後、触媒含有アルコール溶液と廃食油とを反
応させるようにしているが、このようにすることによ
り、触媒を直接に撹拌反応槽60内へ投入する場合に比
べて、反応速度が格段と速くなる。例えば、水酸化カリ
ウムを予めメチルアルコールに溶解させてから、触媒含
有アルコール溶液と廃食油とを混合させて反応させる場
合には、反応温度60℃、撹拌速度300rpmで、廃
食油の平衡転化率が99%に達するのに必要な反応時間
は1.0分以内である。これに対して、廃食油にメチル
アルコールと触媒とを同時に添加して反応させる場合に
は、同様な条件で、廃食油の平衡転化率が96%に達す
るのに必要な反応時間は30分間となる。このように、
この発明に係る装置においては、従来はバッチ式操作で
しかできなかったアルコールと廃食油との反応操作を、
連続操作で行うことができるようになったとともに、反
応速度も格段と向上させることができた。すなわち、図
3に示したように、多段羽根62を有する撹拌反応槽6
0を2基、カスケード方式で設置し、反応物(廃食油と
触媒含有アルコール溶液)を第1の撹拌反応槽60の底
部へ導入して撹拌反応槽60の内部を通過させた後、第
1の撹拌反応槽60の出口から流出した反応物を第2の
撹拌反応槽60の底部へ導入し、その撹拌反応槽60の
内部を通過させて第2の撹拌反応槽60の出口から流出
させるまでの、2基の撹拌反応槽60内における反応物
の合計停留時間が1.0分間以上となるように、撹拌反
応槽60の高さが設計されることとなる。
【0046】撹拌反応槽60内での廃食油とアルコール
との反応は、温度が室温(25℃)から240℃までの
範囲で、圧力は大気圧から78.5kg/cm2、好ま
しくは20kg/cm2までの範囲であり、この場合に
は、廃食油の平衡転化率が10%〜99.9%に達す
る。廃食油とアルコールとの反応は可逆反応であるた
め、廃食油の平衡転化率を最大にするためには、最適な
温度と圧力条件とが必要である。温度を高くすればする
ほど反応速度は速くなるが、系内の圧力が高くなり、高
圧反応装置が必要になってきて、コスト的に不利にな
る。また、温度がアルコールの沸点以上になると、アル
コールが蒸発し、気体のアルコールと液体の廃食油との
反応となり、平衡転化率が逆に低くなる。
【0047】撹拌反応槽60から流出してくる反応生成
物は、上記化1の化学反応式に示したように、植物油の
主成分であるトリグリセリドとアルコールとのエステル
交換反応によって生成する脂肪酸アルキルエステルとグ
リセリンとが主成分となる混合物である。脂肪酸アルキ
ルエステルとグリセリンとの分離は、従来は脂肪酸アル
キルエステルとグリセリンとの比重差を利用した静置分
層分離法によって行われていたが、この分離法では、脂
肪酸アルキルエステルとグリセリンとを完全分離させる
には、時間がかかり、生産性が悪い。この装置において
は、遠心分離法によって、脂肪酸アルキルエステルとグ
リセリンとの完全分離を効率良く行うことができた。液
−液遠心分離機68から流出してくる軽液には、主成分
となる脂肪酸アルキルエステルが含まれている他に、少
量の触媒、未反応のアルコール、臭気物質、有色物質な
どが残存しているため、軽液を精製処理部6へ送り込ん
で精製する必要がある。また、重液には、主成分となる
グリセリンの他に、反応に使われた触媒の大部分が含ま
れているため、そのまま燃料あるいはグリセリン製造用
の原料として使うと、アルカリによる装置の腐食をもた
らすことになる。このため、重液を中和処理部8へ送り
込んで酸による中和処理が行われる。
【0048】脂肪酸アルキルエステルが主成分となる軽
液の精製には、活性炭、活性炭素繊維、活性白土、酸性
白土、ベントナイト、珪藻土、活性アルミナ、モレキュ
ラーシーブなどの吸着剤が用いられ、それらのうちから
選ばれた1種類の吸着剤あるいは2種類以上の吸着剤の
混合物が使用される。これらのうち、粘土類、特に硫酸
で処理されたいわゆる酸性白土は、脱アルカリ効果、脱
色効果および脱臭効果が共に優れており、好適な吸着剤
である。粒子状吸着剤の粒径は、特に要求がないが、処
理時間を出来るだけ短縮するとともに、処理後において
吸着剤と軽液とを効率良く分離させるためには、粒径が
0.01mm〜5mmの範囲で、好ましくは0.1mm
〜1.5mmの範囲である吸着剤が好適である。吸着剤
の粒径は小さければ小さいほど、精製効果は良くなる
が、処理後の分離が困難になってくる。また、吸着剤の
粒径が大きければ大きいほど、精製後の分離が容易にな
るが、精製効果が悪くなる。撹拌精製槽84において、
軽液に対する吸着剤の添加量は、吸着剤の種類や粒径お
よび撹拌速度、温度などの精製条件により異なるが、平
均粒径1mmの活性白土を使用する場合には、室温、撹
拌速度300rpmおよび撹拌時間10分の条件で、活
性白土の添加量は、0.5重量%〜2.0重量%で十分
である。
【0049】精製した後の軽液と吸着剤との混合物は、
静置させれば軽液と吸着剤との比重差によって自然に分
層分離するが、完全に分層分離するのに要する時間が長
くなるので、生産性が悪い。この装置においては、固−
液遠心分離機88により、軽液と吸着剤との完全分離を
効率良く行うことができた。固−液遠心分離機88から
流出してくる軽液は、製品となるいわゆる植物ディーゼ
ル燃料油として精製軽液貯蔵タンク92内に導入して貯
留し、吸着剤は、再生あるいは廃棄処分のいずれかの方
法で処理される。
【0050】グリセリンが主成分となる重液の中和処理
には、リン酸または硫酸のいずれかの酸が用いられる。
また、中和剤としては、リン酸や硫酸などの酸の他、二
酸化炭素も使用可能である。二酸化炭素は、水の存在下
でアルカリ性物質からなる触媒、例えば水酸化カリウム
と反応して炭酸カリウムとなるので、リン酸や硫酸の酸
性物質と同様の作用がある。中和処理された重液に含ま
れる塩の融点または沸点が高ければ高いほど、中和処理
された重液がボイラーなどの燃料としてより好適であ
る。例えば、水酸化カリウムが含まれる重液をリン酸で
中和させると、リン酸と水酸化カリウムとが反応してリ
ン酸カリウムとなる。リン酸カリウムの融点は1,34
0℃であるため、重液の燃焼温度が800℃〜1,00
0℃である炉内では、リン酸カリウムは溶解せず、灰分
として残る。従って、炉壁に対する腐食問題や塩の分解
によって発生する有害ガスによる環境汚染問題などは存
在しない。しかも、灰分となるリン酸カリウムは、かん
水剤、石油製品の脱硫剤、膨脹剤などの工業用途がある
とともに、重要な農業肥料ともなる。
【0051】
【発明の効果】請求項1に係る発明の廃食油からのディ
ーゼル燃料油の製造装置を使用すると、レストランや食
品工場、一般家庭などから廃棄されて従来殆んど利用さ
れていない廃食油を原料として、トラックやごみ収集
車、バスなどのディーゼルエンジン車に使用される燃料
油に対して要求される品質を十分に備え、しかも石油か
ら得られる従来のディーゼル燃料油に比べて硫黄化合物
や窒素化合物の含有量がはるかに少ない植物ディーゼル
燃料油を得ることができ、食物資源の有効利用の推進に
貢献することができるとともに、地球の環境保護にも大
いに寄与し得る。また、請求項2に係る発明の製造装置
を使用すると、上記したことに加えて、廃食油とアルコ
ールとのエステル交換反応の副産物であるグリセリン
を、ボイラーや熱回収式焼却炉などの燃料として、また
工業用グリセリンの原料として再利用化することが可能
になるため、地球の環境保護にさらに寄与し得ることと
なる。
【0052】請求項3および請求項4に係る各発明の製
造装置を使用すると、請求項1および請求項2に係る各
発明による上記効果が確実に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の1例を示し、廃食油から
のディーゼル燃料油の製造装置の全体構成をブロック図
的に示す概略図である。
【図2】図1に示したディーゼル燃料油の製造装置の一
部を構成する前処理部および脱水・脱臭部の構成を模式
的に示す概略図である。
【図3】同じく、触媒含有アルコール溶液調製部および
混合反応部の構成を模式的に示す概略図である。
【図4】同じく、液−液分離部および中和処理部の構成
を模式的に示す概略図である。
【図5】同じく、精製処理部および固−液分離部の構成
を模式的に示す概略図である。
【符号の説明】
1 前処理部 2 脱水・脱臭部 3 触媒含有アルコール溶液調製部 4 混合反応部 5 液−液分離部 6 精製処理部 7 固−液分離部 8 中和処理部 9 バルブ 10 廃食油導入シュート 12 フィルタ 14 廃食油貯蔵タンク 16 ストレーナ 18 カートリッジ式フィルタ 20 ボイラー 22 廃食油計量ポンプ 24 多管式熱交換器 26 真空脱水・脱臭塔 28 円錐形多孔板 30 分散ノズル 32 コンデンサ 34 真空装置 36 真空度計 38 触媒供給装置 40 触媒導入シュート 42 駆動モータ 44 スクリューコンベア 46アルコール貯蔵タンク 48 アルコール計量ポンプ 50 溶解撹拌槽 52 冷却水ジャケット 54 触媒含有アルコール容液タンク 56 触媒含有アルコール容液計量ポンプ 58 脱水・脱臭廃食油計量ポンプ 60 撹拌反応槽 62 多段羽根 64 回転軸 66 駆動モータ 68 液−液遠心分離機 70 送液ポンプ 72 重液貯蔵タンク 74 軽液計量ポンプ 76 吸着剤供給装置 78 吸着剤供給シュート 80 駆動モータ 82 スクリューコンベア 84 撹拌精製槽 86 撹拌羽根 88 固−液遠心分離機 90 送液ポンプ 92 精製軽液貯蔵タンク 94 重液計量ポンプ 96 酸貯蔵タンク 98 酸計量ポンプ 100 中和処理撹拌槽 102 撹拌羽根 104 送液ポンプ 106 重液貯蔵タンク
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10L 1/08 ZAB C10L 1/08 ZAB C11B 3/10 C11B 3/10 // C11B 13/00 13/00 (72)発明者 王 祥生 京都市中京区壬生坊城町48−3壬生坊城第 2団地2−1026 (72)発明者 在間 弘朗 京都市左京区北白川追分町1−4パークハ イム北白川104号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レストラン、食品工場、一般家庭などか
    ら廃棄される廃食油を貯留する廃食油貯蔵タンクと、 前記廃食油から、それに含まれた固体物質を除去する固
    体物質除去手段と、 固体物質が除去された前記廃食油を所定温度に加熱する
    廃食油加熱手段と、 加熱された前記廃食油から、それに含まれた水分および
    臭気物質を蒸発させて除去する脱水・脱臭手段と、 アルコールにアルカリ性物質からなる触媒を混合させ撹
    拌して、アルコール中に触媒が溶解した触媒含有アルコ
    ール溶液を調製する溶解撹拌槽と、 この溶解撹拌槽へアルコールを供給するアルコール供給
    手段と、 前記溶解撹拌槽へ触媒を供給する触媒供給手段と、 固体物質ならびに水分および臭気物質が除去された前記
    廃食油と前記触媒含有アルコール溶液とを混合させ撹拌
    して、廃食油とアルコールとの触媒反応を促進させ、廃
    食油とアルコールとの反応生成物を得る撹拌反応槽と、 前記反応生成物を軽液と重液とに分離させる液−液分離
    手段と、 前記反応生成物から分離して得られた前記軽液を固体吸
    着剤と混合させ撹拌して、軽液に含まれた残存触媒、臭
    気物質、着色物質、水分などの不純物を固体吸着剤に吸
    着させる撹拌精製槽と、 この撹拌精製槽へ固体吸着剤を供給する吸着剤供給手段
    と、 不純物を吸着した前記固体吸着剤と前記軽液との混合物
    から、固体吸着剤を分離させて除去する固−液分離手段
    とを備えた、廃食油からのディーゼル燃料油の製造装
    置。
  2. 【請求項2】 反応生成物から分離して得られた重液を
    中和剤と混合させ撹拌して、重液に含まれたアルカリ性
    物質からなる触媒を中和させる中和処理撹拌槽と、 この中和処理撹拌槽へ中和剤を供給する中和剤供給手段
    とを備えた請求項1記載の、廃食油からのディーゼル燃
    料油の製造装置。
  3. 【請求項3】 脱水・脱臭手段に、加熱された廃食油を
    真空減圧下に置くための真空排気手段が設けられた請求
    項1または請求項2記載の、廃食油からのディーゼル燃
    料油の製造装置。
  4. 【請求項4】 液−液分離手段および固−液分離手段
    が、それぞれ遠心分離機である請求項1ないし請求項3
    のいずれかに記載の、廃食油からのディーゼル燃料油の
    製造装置。
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