JP3934630B2 - 酸性油脂類および劣化油脂類からのバイオディーゼル燃料製造方法 - Google Patents

酸性油脂類および劣化油脂類からのバイオディーゼル燃料製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸性油脂類及び劣化油脂類等を原料油とするバイオディーゼル燃料の製造方法に関するものであり、より詳細には、菜種油、ごま油、大豆油、トウモロコシ油、向日葵油、パーム油、パーム核油、椰子油、コーン油および紅花油等の植物性油脂類や未精製油、牛油、豚油、魚油等の動物性油脂類における酸価の高い不良油、それらの廃油、イエログリース等を原料油とする酸性油脂類および劣化油脂類からのバイオディーゼル燃料製造方法に関する。
一般に、バイオディーゼル燃料は植物性油脂類や動物性油脂類をメチルエステル化させたものを含む燃料であり、硫黄分等をほとんど含まないことから黒煙などの有害排気ガスの排出がすくない。また植物由来であることから、京都議定書に示された規定上、炭酸ガスの排出がゼロカウントである。このようなことから、環境負荷の少ない軽油代替燃料として注目され、欧米では既に規格、法制度も整備され、大豆や菜種油から年間250万トン以上生産され使用されている。
このような油脂類の主成分であるモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド等をアルキルアルコールとエステル交換反応させることは広く知られている。また油脂類に含まれる遊離脂肪酸とアルキルアルコールとをエステル化反応することも種々知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
ところで、この反応を利用して、油脂類からバイオディーゼル燃料油を製造する技術についても様々な検討がされてきた(例えば、特許文献1、2、3、及び4を参照)。これらの方法においては、上記エステル化の効率を高め、不純物をなるべく残存しないようにすることの工夫が試みられている。
遊離脂肪酸のエステル化反応は平衡反応であることから、一方の原料であるアルキルアルコールを過剰に用いること、また副反応物として生成する水を除去することによって平衡を生成系にずらして収率を上げることが考えられている。更に反応速度を速めるために触媒が使用される。脂肪酸のエステル化反応における工業化プロセスでは通常、酸性触媒が多用され、例えば、硫酸や燐酸等は、非芳香族カルボン酸類のエステル化触媒とされている。しかしながら、このような触媒の使用では、反応溶液中に触媒が均一に溶解した状態で存在するため、生成液からの触媒の分離、回収が困難であるという問題がある。
このような問題を解決するため、従来から固体酸触媒もよく使用されている。固体酸触媒としてはスルホン酸系イオン交換樹脂やヘテロポリ酸をシリカゲルや活性炭に担持したものがある。
一方、これらの固体酸触媒の工業使用では、その後のエステル交換反応に対する活性が低いという欠点がある。また、エステル交換反応においてはアリカリ触媒下での生成方法があるが、この場合、原料油に遊離脂肪酸が多く含まれていると、これらがまず触媒であるアルカリ金属と反応し、アルカリ石鹸を生成してしまう。このような鹸化は反応収率を低下させ、更に精製においてもエマルジョンの発生の原因となる。従って、アルカリ触媒下でのエステル交換反応による脂肪酸アルキルエステル燃料の製造においては、原料油中の遊離脂肪酸量を制限する必要がある。
遊離脂肪酸を含む油脂類を原料油とする場合のバイオディーゼル燃料化法としては、先ず上記固体酸触媒によってエステル化し、その後アルカリ触媒によってエステル交換反応を行う方法が考えられる。しかしながら、反応が全く異なる性質の2触媒系を使用するために複雑となること、脂肪酸量によって第1反応を常時コントロールする必要があること等の点から操作性に欠ける。更に、原料油の遊離脂肪酸量が30質量%以上であれば、複雑なプロセスプラントを必要とし、基本的な大型投資をすればある程度採算が図れるが、10〜30質量%の範囲であれば、このような投資は返って過剰投資になる。
このため、遊離脂肪酸量が10〜30質量%の範囲にあるような原料油の場合には、遊離脂肪酸を不純物として除去し、原料油を脂肪酸グリセリン誘導体とした後にアルカリ触媒法を使用してエステル交換反応を実施して得ることが好ましいとされる。
遊離脂肪酸を不純物として除去する場合の方法としては、通常、弱アルカリ水溶液による洗浄方法が挙げられる。しかし、このような方法ではアルカリ廃液が生じるため、これの処理にコストがかさむという不具合がある。更に洗浄後の原料中の水分や石鹸分をエステル交換反応に先立って除去する工程が必要となり二度手間となる。
また、遊離脂肪酸を除去した原料油等をアルカリ触媒法等のエステル交換法を使用して低級アルコール等の脂肪酸エステル等をバイオディーゼル燃料として生成する場合、その生成だけでなく、グリセリン等が副生成物として生成する。グリセリンはきわめて有用な化学物質であるため、グリセリンを高純度で得ることができれば有効利用が可能であり、バイオディーゼル燃料の製造上、総製造コストの低減にもつながる。しかしながら、上記従来の製造方法にあって、グリセリンの処理に関しては単に中和してボイラー燃料とするか一部は蒸留するのみである。このため、上記の方法では未だ効率的に純度の高いグリセリンを得ることを見出してはいない。
「有機ハンドブック」技報堂出版、1988、p1407〜p1409 特開2002−167356号公報 特開2002−2944277号公報 特開2000−44984号公報 特開2000−109883号公報
従って、本発明の課題は、遊離脂肪酸が含まれる原料油から効率的に遊離脂肪酸を除き、後続工程であるアルカリ触媒法に移行させることができ、複雑な工程を必要としない遊離脂肪酸を含む油脂類、及びそのような劣化油脂類等からなる原料油からのバイオディーゼル燃料の製造方法を提案することにある。
本発明の課題はまた、上記遊離脂肪酸を除去した原料油を低級アルコールでエステル交換反応して脂肪酸エステルを生成するアルカリ触媒法を使用した工程において、副生成物であるグリセリン及びグリセリン誘導体を高収率及び高純度で精製してその有効利用を可能とすることにより総製造コストを低減するバイオディーゼル燃料の製造方法を提供しようとするものである。
本発明者等は、鋭意研究した結果、植物、動物等の油脂類並びに廃食油等の原料油からアルカリ触媒法を用いてバイオディーゼル燃料を得る工程を含む場合に、これらの油脂類が加水分解などの不良により生じる遊離脂肪酸類の炭素数が殆ど6〜22の範囲にあり、これらの遊離脂肪酸類が1mmHg以下の減圧下で、温度が50℃から150℃以下の範囲において完全に気化するか或いは適度な蒸気圧を有していることに着目したものである。即ち、遊離脂肪酸を含む原料油とアルコールとをエステル交換反応させる前に、原料油から所定環境条件で遊離脂肪酸を留去すること、より好ましくは原料油を物理的諸条件を組み合わせて遊離脂肪酸の他に、水分、低沸点臭気物質等を適切な濃度まで除去できることを見出し、本発明に至ってものである。
本発明者等は更に、このような遊離脂肪酸を除いた後に原料油をアルカリ触媒法を使用する場合、メチルアルコール等の低級アルコールに水酸化カリウム等のアルカリ塩を触媒として溶解させた触媒含有アルコール溶液を原料油に混合して反応させたとき、その後、反応混合液に水を所定量を加えた希硫酸で中和する工程を含めると、反応混合液からの硫酸塩水和結晶を濾別などにより簡単に除かれ、蒸留、比重分離操作などによって、反応混合液から高比重物質であるグリセリン及びグリセリン誘導体等が高純度、高収率で得られることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(11)の構成或いは構造を有することにより、上記課題を解決したものである。
(1)原料油から遊離脂肪酸類を除去する工程、及びその後、アルカリ触媒を使用し、原料油を低級アルコールでエステル交換反応して該原料油から燃料となる脂肪酸エステルを生成する工程を含むバイオディーゼル燃料の製造方法であって、上記原料油から遊離脂肪酸を除去するに際して、該原料油を1mmHg以下の減圧下で、温度が50℃から150℃以下の条件下で遊離脂肪酸を留去する工程を含むことを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
(2)上記(1)記載の製造方法において、上記原料油を留去する工程で上記遊離脂肪酸と共に、上記原料油から水分及び臭気物質を留去することを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
(3)上記(1)又は(2)記載の製造方法において、上記原料油を留去する工程の前に、遠心分離操作を含む比重分離によって該原料油から固体物質、水分、塩類、並びに一部の遊離脂肪酸類を除去する工程を含むことを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法において、上記原料油中の遊離脂肪酸量が3質量%以下になるように遊離脂肪酸類を除去した後に、アルカリ触媒を使用することを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法において、アルカリ触媒を使用し、原料油を低級アルコールでエステル交換反応して上記脂肪酸エステルを生成する工程で、予め低級アルコールにアルカリ触媒を溶解させて調製した触媒含有アルコール溶液を上記原料油と混合して、エステル交換反応された反応混合液から過剰のアルコールを減圧留去すると共に、その後、上記反応生成物を軽液と重液に比重分離して該軽液を抽出して吸着剤に混合或いは通過接触させ、更に該軽液をフィルター及び/又は比重分離操作によって処理する工程を含むことを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法において、アルカリ触媒を使用し、原料油を低級アルコールでエステル交換反応して上記脂肪酸エステルを生成する工程で、予め低級アルコールにアルカリ触媒を溶解させて調製した触媒含有アルコール溶液を上記原料油と混合して、エステル交換反応された反応混合液に所定量の水で調節した希硫酸を加えて反応混合液を中和し、中和した反応混合液から硫酸塩結晶を濾別して、該濾液を蒸留し、比重分離操作により高比重のグリセリン成分を分離する工程を含むことを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
(7)上記(6)に記載の製造方法において、上記中和時に使用した水量が、生成する硫酸塩の量に対して、1〜20モル当量の範囲であるバイオディーゼル燃料の製造方法。
(8)上記(6)又は(7)記載の製造方法において、上記中和時に反応混合溶液の粘度を調製するために低級アルコールを反応混合溶液の全体量の50質量部%以下の範囲で加えるバイオディーゼル燃料の製造方法。
(9)上記(6)〜(8)の何れかに記載の製造方法において、上記濾液の蒸留が減圧下で行われるバイオディーゼル燃料の製造方法。
(10)上記(6)〜(9)の何れかに記載の製造方法において、上記アルカリ触媒が水酸化カリウムであることを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
(11)上記(6)〜(10)の何れかに記載の製造方法において、上記低級アルコールがメチルアルコールであることを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
本発明のバイオディーゼル燃料の製造方法によれば、上記前処理工程において10mmHg以下、特に好ましくは1mmHg以下で、加熱することにより原料油中の低沸点臭気物質や水分等は勿論のこと、遊離脂肪酸類までもが除去できるので、エステル交換反応時の触媒となるアルカリ性物質の活性が低減することなく、反応変換率も十分に維持できる。また、製品となる脂肪酸アルキルエステル中に大量の水、臭気物質、遊離脂肪酸、及びその他の不純物が残存することなく、製品としての品質低下を招くことがない。また、留去した遊離脂肪酸は化学的処理がなされないため、単離し易く有用物質としての利用も可能である。
また、本発明に係るバイオディーゼル燃料の製造方法によれば、アルカリ触媒の使用による反応混合処理或いは工程で、中和時に水を所定量加えて、触媒であるアルカリ塩と硫酸とが適宜な硫酸塩・水和物を形成し、これが沈澱濾別されることにより、原料油が高収率でエステル交換されて原料油から高収率の目的生成物が得られ、未反応原料油が殆どなく、グリセリン及びグリセリン誘導体が高比重分離により高純度で得られ、再利用性を高めることができ、バイオディーゼル燃料の総製造コストを低減させることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例であって、処理の流れを示す製造プロセス図である。
本発明の実施形態の製造方法は、図1及び図2に示すように、原料油から遊離脂肪酸類を除去する工程、及びその後、アルカリ触媒を使用し、原料油を低級アルコールでエステル交換反応して該原料油から燃料となる脂肪酸エステルを生成する工程を含むバイオディーゼル燃料の製造方法であって、上記原料油から遊離脂肪酸を除去するに際して、該原料油を1mmHg以下の減圧下で、温度が50℃から150℃以下の条件下で遊離脂肪酸を留去する工程を含むものである。
また、図1に示すように、アルカリ触媒を使用し、原料油を低級アルコールでエステル交換反応して上記脂肪酸エステルを生成する工程において、予め低級アルコールにアルカリ触媒を溶解させて調製した触媒含有アルコール溶液を上記処理した原料油と混合して、エステル交換反応された反応混合液から過剰のアルコールを減圧留去すると共に、その後、上記反応生成物を軽液と重液に比重分離して該軽液を抽出して吸着剤に混合或いは通過接触させ、更に該軽液をフィルター及び/又は比重分離操作によって処理する工程を含むことを実施形態の製造方法とするものである。
更に、図2に示すように、アルカリ触媒を使用し、原料油を低級アルコールでエステル交換反応して上記脂肪酸エステルを生成する工程で、予め低級アルコールにアルカリ触媒を溶解させて調製した触媒含有アルコール溶液を上記原料油と混合して、エステル交換反応された反応混合液に所定量の水で調節した希硫酸を加えて反応混合液を中和し、中和した反応混合液から硫酸塩結晶を濾別して、該濾液を蒸留し、比重分離操作により高比重のグリセリン成分を分離する工程を含むことも特徴とするものである。
上記原料油としては、植物及び動物等の油脂類、及び廃食油等を挙げることができ、具体的には、菜種油、ごま油、大豆油、トウモロコシ油、向日葵油、パーム油、パーム核油、椰子油、コーン油および紅花油等の植物油脂類、牛油、豚油、魚油等の動物油脂類、更にはその使用済みの廃食油等を原料油とするものであり、本発明の製造方法にあっては、原料油中に遊離脂肪酸量が10〜30質量%の範囲で含む原料油に適用することが特に好ましい。
また、本発明のディーゼル燃料の製造方法を実施するのに使用される装置の概要としては図1及び図2に示すような製造プロセスであることが望ましい。
即ち、図1及び図2に示すように、本発明のバイオディーゼル燃料の製造方法にあっては、少なくとも前段で、原料油の前処理部1、脱水−脱臭−脱酸処理部2、触媒溶液調製部3、及び反応混合処理部4を有する工程を含むことが好ましい。
また、後段では、図1に示すような減圧留去処理部10、液−液分離処理部11、及び精製処理部12からなること、及び図2に示すような中和処理部5、蒸留部6、及び精製処理部7から構成して、副生成物であるグリセリンを再利用可能なプロセスとすることが良い。
図1及び図2に示す前処理部1では、原料油(例えば、固形分1質量%以上、水分5質量%以上、臭気物質等の不純物量2質量%以上、及び遊離脂肪酸10質量%以上、30質量%以下で含む原料油等)である廃食油導入口などにフィルタが装着され、原料油が所定メッシュのフィルタを通過することにより、原料油(廃食油等)に含まれる固形不純物が濾別される。その後、原料油を4時間以上静置した後、原料油に含まれる高比重不純物、その他のものや過剰水分などが比重差によって自然沈降させられ、前処理部1のドレン排出口等から排出される。更に、必要により原料油は熱交換器等により90〜100℃の範囲で加熱され、遠心分離器等によって更に比重分離処理される。これにより、原料油はの固形不純物が0.02質量%以下、水分が0.5質量%以下に抑えられる。
図1及び図2に示す脱水−脱臭−脱酸処理部2は、原料油が多管式熱交換器等に通され、多管式熱交換器等を通過する間に後続の減圧処理で要求される温度まで加熱され、真空脱水・脱臭塔(図示せず。)内へ導入される。導入の際に原料油は霧状に分散導入されるか、或いはスパイラル状に導入されるなどして気液相界面が広くなる方法が選択される。原料油が真空脱水・脱臭塔内を通過する間に、更なる脱水、脱臭、及び脱酸が行われる。
即ち、1mmHg以下の減圧下で、温度が50から150℃までの範囲に加熱された原料油はその油中の水、臭気物質等が速やかに気化され系外へ放出されると共に、遊離脂肪酸類が系内で所定の蒸気圧となり、これもまた殆どが系外へ放出される。
尚、この場合の処理時に水分等の低沸点物質が多く残存すると、好ましい減圧下に到達させにくいため、上述したように、前処理部1の遠心分離器による前処理は本実施の系において有効に作用する。
このような脱水−脱臭−脱酸処理部2での処理によって、原料油は、例えば水分含有量0.05質量%以下、臭気物質含有量0.01質量%以下、及び遊離脂肪酸量が3質量%以下、好ましくは1質量%以下になるように脱水、脱臭、及び脱酸がなされる。このような処理後の原料油は、熱交換器等によって後段の処理工程での反応温度まで冷却される。
触媒溶液調製部3は、例えば、触媒導入シュート、アルコール貯蔵タンク、アルコール計量ポンプ、冷却水ジャケットが付設された溶解撹拌槽からなっている。触媒としてのアルカリ塩としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ土類金属塩の水酸化物等を挙げることができが、特に好ましくは水酸化カリウムである。
また、アルコールとしては低級アルコールであり、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、及びその他の低級アルコールが挙げられるが、反応面及びコスト面からメチルアルコールが望ましい。
一般に、触媒含有アルコール溶液の調製は、バッチ式操作によって行われ、まず、計量して溶解撹拌槽内へアルコールが送り込まれ、次に、溶解撹拌槽内に導入されたアルコールを撹拌しながら、上記触媒をアルコールに対して所定の割合で溶解撹拌槽内へ投入され、触媒がアルコールに完全に溶解するまで撹拌される。アルコールに触媒が溶解する時に発生する溶解熱は、冷却水ジャケット等で冷却することにより除去される。溶解撹拌槽内への触媒の供給速度は、例えばアルコールがメチルアルコールであるときは、触媒含有アルコール溶液の温度が64℃を超えないように制御される。もしも触媒供給速度が速過ぎると、発生した溶解熱を除去するのが間に合わなくなる。そして、溶液の温度がアルコールの沸点温度以上になると、アルコールの蒸発が激しくなり、また、溶液の局部的過熱による突沸現象が起こることになって危険である。溶解撹拌槽への所定量の触媒の投入が終わって、触媒がアルコールに完全に溶解した後に、溶解撹拌槽から所定の触媒含有アルコール溶液タンク等に移される。一方、溶解撹拌槽では、上記した手順と同様の手順によりアルコールと触媒とを導入し、同様の溶解撹拌操作を繰り返す。
反応混合処理部4には、上記触媒含有アルコール溶液タンクから所定量の触媒アルコール溶液が導入される。一方、上述の処理した原料油は反応混合処理部(攪拌機能を有した反応塔など)の底部から導入する。これにより上部へ流動する原料油と触媒含有アルコール溶液とを連続的に混合させる。
次に、先ず図1に示すような実施形態の製造方法のプロセスについて説明する。
図1に示す減圧留去処理部10では、反応混合液から過剰のアルコールの除去がなされる。減圧留去処理においては、上記反応混合処理部4での反応容器そのものを減圧して容器を減圧留去処理装置と反応混合処理装置とに兼用しても良く、また別容器において減圧処理をしても良い。このようなアルコールの除去により、グリセリンはアルコールの界面活性作用及び比重の関係から、生成したアルキルエステルとの分離が容易となり、アルキルエステルの収量を高める。例えば、反応混合液中で過剰のアルコールが副生成したグリセリン量の30質量%以上を占めると、アルキルエステルとグリセリンとの比重差による分離が困難となり、またアルコールが5質量%程度まで存在した場合でもグリセリン層へのアルキルエステルの溶解量が生成アルキルエステルの10質量%にも及ぶ。
図1に示す液−液分離処理部11では、静置分離槽、或いは遠心分離器による強制分離の何れの方法でもよい。また、各処理工程が連続式の場合には遠心分離による液−液分離を行う。この処理によってアルキルエステル層とグリセリン層とが分離される。グリセリン層は中和処理などのより精製グリセリンとして使用可能である。目的生成物であるアルキルエステル層は精製処理部へ送り込まれる。
精製処理部12は、まずアルキルエステル層を吸着剤の充填されたカラムを通過させることによってアルカリ性不純物等を除去する。充填剤としては一般に油脂類の処理に良く用いられている活性白土が好適である。このほかに脱水用充填剤としてシリカゲルなどを用いることも出来る。その後、充填剤の微粉末を除去するために遠心分離器処理を行う。この際、微量に残存するグリセリンも除去できる。その後最終的にフィルター処理を必要により行う。
このようなバイオディーゼル燃料の製造方法にあっては、アルキルエステル層における遊離脂肪酸エステルはエステル転化率は90%以上、好ましくは95%以上である。また、その酸価は0.5以下であることが好ましい。
次に、図2に示すような実施形態の製造方法のプロセスについて説明する。
図2に示す中和処理部5では、反応混合処理部4から反応混合液に送液ポンプ等により硫酸が投入される。硫酸は、反応終了後の反応混合液に投入したアルカリ塩、例えば水酸化カリウムに対して、50〜55モル%の範囲で投入されることが好ましい。
上記範囲を下回る場合は、反応混合液は十分に中和されない一方、上記範囲を上回る場合には、反応混合液の反応状態が不安定となり目的物質の収率が低下する。
上記硫酸を投入する際、生成する硫酸塩に対して、1〜20モル当量の範囲、特に好ましくは2〜10モル当量の範囲の水で硫酸を希釈させることが好ましく、かかる希硫酸は反応混合液を攪拌させながら室温から65℃の環境下で滴下することが好ましい。
この際、反応混合液の粘度が高い場合には、その粘度調製剤として上述で添加したと同様な低級アルコール、例えば、メチルアルコール等を適宜量加えることが望ましい。これらの粘度調製剤は、反応混合溶液に対して50質量%以下の範囲で加えることが好ましい。
従って、上述の範囲の希硫酸の投入により、硫酸の中和塩、特に、アルカリ塩が水酸化カリウムであれば、硫酸塩・水和物として容易に析出して濾別されるので好ましい。
中和された反応混合液はグラスフィルターなどに通流させられ、上述の硫酸塩・水和物が濾別される。濾別された反応混合液は蒸留部6へと導入される。反応混合液は減圧蒸留され、例えば、0.1〜100mmHgの範囲、及び温度50〜250℃の環境下で減圧蒸留することが好ましい。このように蒸留された反応混合液は、精製処理部7で必要により遠心分離器などにより比重分離され、アルキルエステル層(軽液層:目的反応物)とグリセリン層(重液層:副反応物)に分離される。
このようなバイオディーゼル燃料の製造方法にあっては、アルキルエステル層における遊離脂肪酸エステルはエステル転化率は90%以上、好ましくは95%以上である。また、アルキルエステル層の遊離脂肪酸エステルの純度99%以上であることが好ましい。
一方、グリセリン層にあっては、その収率が90%以上で得られることが好ましい。このような範囲にあれば、十分な回収率が達成されることとなる。また、グリセリン層で得られるグリセリン及びその誘導体の純度は99%以上であることが好ましく、かかる収率及び純度であれば、グリセリンの再利用が可能となり、システム全体のコストを低減することができる。
また、上記実施の形態においては、各処理、或いは工程をフロー方式とし、連続式で行うようにしても良いし、また、バッチ処理、或いは工程を多段方式としても良い。
以下、本発明に係るバイオディーゼル燃料の製造方法を実施例にて説明する。
図1に示した構成の製造プロセス図に従って以下の如く製造を行った。
(実施例1)
原料油はファーストフード店からの廃食油で以下の物性のものを用いた。
・原料油(酸価:10、ヨウ素価:105、引火点:230℃、水分:5質量%、灰分:2.5質量%)
上記原料油を、前処理部1における原料油貯蔵タンクにメッシュ120のフィルターを通して流し込み、4時間静置した。ドレインを除去後、上澄み液を熱交換器によって95℃まで加熱し、これを遠心分離器(遠心力1000G:流量15リットル毎分)に通した。通過後の原料油を多管式熱交換器に通過させて温度145℃まで加熱した。この原料油を真空脱酸塔に投入した。
真空塔の絶対圧力0.8mmHg、滞留時間15分であった。この原料油を熱交換器によって65℃にまで冷却し反応に用いた。触媒として水酸化カリウムを用い、前もって触媒をメチルアルコール(純度99.5%)100質量部に対し11質量部の割合で溶解させた後に、得られた溶液を原料油と混合し、15分間反応させた。反応後反応容器内の絶対圧力を100mmHgとし65℃で約20分間攪拌した。得られた生成物を遠心分離器(遠心力1000G:流量15リットル毎分)に通しアルキルエステル層(軽液)とグリセリン層(重液)とに分離した。
アルキルエステル層を活性白土(アルキルエステルの100質量部に対し1質量部の割合)を充填したカラムに上記軽液を15リットル毎分の流速で通過させた。通過後の軽液を再び遠心分離器(遠心力1000G:流速15リットル毎分)にかけ固形物分離を行った。この軽液を最終的に1ミクロンのフィルターによって濾過して最終精製物を得た。これをサンプリングし性状分析を行った。結果を表1に示した。
尚、アルキルエステルの性状分析はガスクロマトグラフによる成分分析の他はJIS規格に定められた方法または通常の方法によって行った。下記表1中の転化率は、原料油中の脂肪酸グリセリドに対するアルキルエステルの収量を示しており、実際には、[転化率=アルキルエステル量/反応に使用した原料油量]で定義される。また臭気物質濃度はガスクロマトグラフにおいてアルコール以外のアルキルエステル類の保持時間未満のピーク面積から求めた。
(実施例2)
原料油としてパーム油(酸化13、ヨウ素化55、引火点240℃、水分3%、灰分0.5%)を使用し、上記した実施例1と同様の製造装置を使用し、同様の条件により、脱酸を行ったのち、同様な反応及び精製を行い、そのサンプリングの性状分析を行った。結果を表1に示した。
(実施例3)
原料油としてイエローグリース(酸化18、ヨウ素化68、引火点238℃、水分10%、灰分3.5%)を使用し、上記した実施例1と同様の製造装置を使用し、同様の条件により、脱酸を行ったのち、同様な反応及び精製を行い、そのサンプリングの性状分析を行った。結果を表1に示した。
(比較例1)
上記した実施例1と同様の原料油及び製造装置を使用し、同様な反応及び精製を行い、そのサンプリングの性状分析を行った。結果を表1及び2に示した。但し、脱酸処理において脱酸真空塔の絶対圧力を10mmHgとして処理した。原料油はファーストフード店からの廃食油で以下の性状である。
以上の結果からアルコールの除去によってある程度の転化率が達成されたものの、酸価値については十分な結果が得られなかった。
(実施例4)
上記した実施例1と同様の原料油及び製造装置を使用し、同様な反応及び精製を行い、そのサンプリングの性状分析を行った。結果を表1に示した。但し、反応終了後減圧によるアルコールの除去を行わずに次工程に進んだ。原料油はファーストフード店からの廃食油で以下の性状である。
この結果、実施例4では、転化率が実施例1〜3に比べて若干低かった。
(比較例2)
上記した実施例1と同様の原料油及び製造装置を使用し、同様な反応及び精製を行い、そのサンプリングの性状分析を行った。結果を表1に示した。但し、脱酸処理において脱酸真空塔の絶対圧力を10mmHgとして処理し、また反応終了後、減圧によるアルコールの除去を行わずに次工程に進んだ。
(比較例3)
上記した実施例2と同様の原料油及び製造装置を使用し、同様な反応及び精製を行い、そのサンプリングの性状分析を行った。結果を表1に示した。但し、脱酸処理において脱酸真空塔の絶対圧力を10mmHgとして処理し、また反応終了後、減圧によるアルコールの除去を行わずに次工程に進んだ。
Figure 0003934630
(実施例5)
原料油は実施例1と同様な前段の処理、または酸価が3以下の食品工場からの廃食油を使用して以下の後段であるアルカリ触媒法の製造プロセスを図2に基づいておこなった。
原料油1000kgに対して触媒として水酸化カリウム13kgを前もってメチルアルコール(純度99.5%)122kgで溶解したものと混合した。反応混合処理部において温度65℃、15分間反応させた。
水6.4kgで希釈した濃硫酸12kgを上記反応混合物に50℃以上にならないように攪拌しながら滴下した。その後50リットルのメチルアルコールで希釈した。反応混合液を約1時間静置して、硫酸カリウム水和物の結晶析出を確認した。反応槽の下部に取り付けたガラスフィルターを通じて、溶液を吸引濾過し、濾液を蒸留塔に移送した。蒸留塔を100mmHgまで減圧し、温度50℃〜100℃までの留分を初留とした。その後減圧度を10mmHgまでとし、温度100℃〜220℃までの留分を本留とした。本留を遠心分離器(遠心力1000G:流量15リットル毎分)に通しアルキルエステル層(軽液)とグリセリン層(重液)とに分離した。これをそれぞれサンプリングし性状分析を行った。
上記アルキルエステル層、及びグリセリン層の性状分析はガスクロマトグラフによった。その結果を表2及び3に示した。尚、転化率は、上述の測定方法と同様であり、またグリセリンの収率については、反応に使用した原料油量をもとに脂肪酸がステアリン酸と仮定してグリセリン原料量を計算し、これに対する精製グリセリンの量を示している。
(実施例6)
上記した実施例5と同様の条件で行った。ただし加える水の量を硫酸カリウムに対して10モル当量とした。結果を下記表2及び3に示した。
(実施例7)
上記した実施例5と同様の条件で行った。ただし加えるメチルアルコール量を100リットルとした。結果を下記表2及び3に示した。
(参考比較例1)
上記した実施例5と同様の条件でおこなった。ただし、中和時に水を加えなかった。結果を下記表2及び3に示した。尚、ここで、参考比較例とは、前段で適宜な処理を実施したものであるが、後段のアルカリ触媒法で適切な実施をしなかった例を示すものである。
(実施例8)
上記した実施例5と同様の条件で行った。ただしメチルアルコールを加えなかった。結果を下記表2及び3に示した。
(参考比較例2)
上記した実施例5と同様の条件で行った。但し、反応混合液から過剰なアルコール等の減圧留去処理10をせずに、遠心分離機によってメチルエステル層とグリセリン層とに分離し、このグリセリン層に硫酸12kgを水6.4kgに希釈して加え中和し、さらにメチルアルコール10リットルを加えて粘度を調節した。これをガラスフィルターで濾過し、濾液を実施例5の条件で蒸留して精製グリセリンを得た。結果を下記表2及び3に示した。メチルエステルは蒸留していない。
以上の結果から、軽液と重液とを分離した後に、軽液部分を中和した場合、副生成物であるグリセリンの収率が他の実施例より、若干悪くなることが見られる。また、かかる段階で、比重分離操作を行うと、グリセリン層にメチルエステルが溶解しているため、転化率が悪くなるものと見られる。
(参考比較例3)
参考比較例2と同様に行った。ただし中和操作をまったく行わずに蒸留した。結果を表2及び3に示した。メチルエステルは蒸留していない。
Figure 0003934630
Figure 0003934630
以上のことから、表1に示すように、遊離脂肪酸類を所定量含んだ原料油からのディーゼル燃料の製造方法によると、遊離脂肪酸類が本質的にあるいは製造工程上生じやすい植物油類、回収システム上加水分解を受けやすいイエローグリース類ならびに劣化の進んだ廃食油類など、これまで利用が困難であったり、殆ど利用されていない原料油脂類から高効率でアルキルエステル化が行え、これらはディーゼル車やその他ディーゼル機関の燃料として用いることが出来る。
また、表2及び表3に示すように、エステル交換反応における所定の条件での中和法による精製処理では、全体のバイオディーゼル燃料製造コストを上げることなく、これまで高純度での回収が困難であった副産物的なグリセリンを高効率にかつ高純度で回収可能である。このことによって、これまで廃棄されてきたようなグリセリン廃液も容易に有効活用が可能となることで、二次汚染のような環境負荷を低減できる。
本発明のバイオディーゼル燃料の製造方法は、遊離脂肪酸酸が含まれる原料油から効率的に遊離脂肪酸を除き、後続工程であるアルキル触媒法に移行させることができ、複雑な工程を必要としない遊離脂肪酸油脂類及び劣化油脂類等からなる原料油のバイオディーゼル燃料の製造方法に係るものであり、またアルカリ触媒法による低級アルコールでエステル交換反応により原料油から脂肪酸エステルを生成する工程において、副生成物であるグリセリン及びグリセリン誘導体を高収率及び高純度で、その工程の流れの中で精製してその有効利用を可能とすることにより総製造コストを低減するので、その製造方法として極めて産業上利用可能性が高い。
図1は本発明を実施する形態の一例であって、処理の流れを示す製造プロセス図である。 図2は本発明を実施する形態の他の一例であって、処理の流れを示す製造プロセス図である。
符号の説明
1 前処理部
2 脱水−脱臭−脱酸処理部
3 混合反応処理部
4 触媒溶液調製処理部
5 中和処理部
6 蒸留部
7 精製処理部
10 減圧留去処理部
11 液−液分離処理部
12 精製処理部

Claims (11)

  1. 原料油から遊離脂肪酸類を除去する工程、及びその後、アルカリ触媒を使用し、原料油を低級アルコールでエステル交換反応して該原料油から燃料となる脂肪酸エステルを生成する工程を含むバイオディーゼル燃料の製造方法であって、上記原料油から遊離脂肪酸を除去するに際して、該原料油をmmHg以下の減圧下で、温度が50℃から150℃以下の条件下で遊離脂肪酸を留去する工程を含むことを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
  2. 上記請求項1記載の製造方法において、上記原料油を留去する工程で上記遊離脂肪酸と共に、上記原料油から水分及び臭気物質を留去することを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
  3. 上記請求項1又は2記載の製造方法において、上記原料油を留去する工程の前に、遠心分離操作を含む比重分離によって該原料油から固体物質、水分、塩類、並びに一部の遊離脂肪酸類を除去する工程を含むことを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
  4. 上記請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法において、上記原料油中の遊離脂肪酸量が3質量%以下になるように遊離脂肪酸類を除去した後に、アルカリ触媒を使用することを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
  5. 上記請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法において、アルカリ触媒を使用し、原料油を低級アルコールでエステル交換反応して上記脂肪酸エステルを生成する工程で、予め低級アルコールにアルカリ触媒を溶解させて調製した触媒含有アルコール溶液を上記原料油と混合して、エステル交換反応された反応混合液から過剰のアルコールを減圧留去すると共に、その後、上記反応生成物を軽液と重液に比重分離して該軽液を抽出して吸着剤に混合或いは通過接触させ、更に該軽液をフィルター及び/又は比重分離操作によって処理する工程を含むことを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
  6. 上記請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法において、アルカリ触媒を使用し、原料油を低級アルコールでエステル交換反応して上記脂肪酸エステルを生成する工程で、予め低級アルコールにアルカリ触媒を溶解させて調製した触媒含有アルコール溶液を上記原料油と混合して、エステル交換反応された反応混合液に所定量の水で調節した希硫酸を加えて反応混合液を中和し、中和した反応混合液から硫酸塩結晶を濾別して、該濾液を蒸留し、比重分離操作により高比重のグリセリン成分を分離する工程を含むことを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
  7. 請求項6に記載の製造方法において、上記中和時に使用した水量が、生成する硫酸塩の量に対して、1〜20モル当量の範囲であるバイオディーゼル燃料の製造方法。
  8. 請求項6又は7記載の製造方法において、上記中和時に反応混合溶液の粘度を調製するために低級アルコールを反応混合溶液の全体量の50質量部%以下の範囲で加えるバイオディーゼル燃料の製造方法。
  9. 請求項6〜8の何れかに記載の製造方法において、上記濾液の蒸留が減圧下で行われるバイオディーゼル燃料の製造方法。
  10. 請求項6〜9の何れかに記載の製造方法において、上記アルカリ触媒が水酸化カリウムであることを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
  11. 請求項6〜10の何れかに記載の製造方法において、上記低級アルコールがメチルアルコールであることを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
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