JP2009161776A - バイオディーゼル燃料の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 油脂原料からバイオディーゼル燃料を製造する製造方法において、油脂原料が遊離脂肪酸を設定量以上含むか否かを選別し、該原料の遊離脂肪酸が設定量未満の油脂原料であれば、アルカリ触媒法により低級アルコールでエステル交換反応させるエステル交換反応工程で処理し、該原料が遊離脂肪酸を設定量以上含む場合に、該遊離脂肪酸をエステル化するエステル化反応工程4で処理し、エステル交換反応工程及び/又はエステル化反応工程で得られる脂肪酸アルキルエステルを精製する燃料精製工程を含み、上記エステル交換反応工程の留去部で生じた遊離脂肪酸を油脂原料として再使用し、または、上記エステル化反応工程で生じるグリセリド未反応物を油脂原料として再使用することを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
【選択図】なし
Description
このような状況下、その供給量の確保という側面から、あらゆる脂肪酸誘導体、即ち、酸価状態の低い油脂から高い油脂に至る全ての油脂原料を効率よく使用することのできる技術が望まれている。
エステル交換反応及びエステル化反応を利用して、油脂類からバイオディーゼル燃料油を製造する技術についても様々な検討がされてきた(例えば、特許文献1、2、3、及び4を参照)。これらの方法においては、上記エステル交換、又はエステル化の効率を高め、不純物をなるべく残存しないようにすることの工夫が試みられている。
このような問題を解決するため、従来から固体酸触媒もよく使用されている。固体酸触媒としてはスルホン酸系イオン交換樹脂やヘテロポリ酸をシリカゲルや活性炭に担持したものがある。
このため、遊離脂肪酸量が10〜30質量%の範囲にあるような原料油の場合には、遊離脂肪酸を不純物として除去し、油脂原料を脂肪酸グリセリン誘導体とした後にアルカリ触媒法を使用してエステル交換反応を実施して得ることが好ましいとされる。
遊離脂肪酸を不純物として除去する場合の方法としては、通常、弱アルカリ水溶液による洗浄方法が挙げられる。しかし、このような方法ではアルカリ廃液が生じるため、これの処理にコストがかさむという不具合がある。更に洗浄後の原料中の水分や石鹸分をエステル交換反応に先立って除去する工程が必要となり二度手間となる。
そして、エステル交換反応工程を選択した場合には、先ず、遊離脂肪酸が存在するとき、油脂原料から必要により予め遊離脂肪酸及び水を分離したこと、即ち、油脂原料中の遊離脂肪酸、又はその加水分解などの不良により生じる遊離脂肪酸類の炭素数が殆ど6〜22の範囲にあることから、これらの遊離脂肪酸類が10mmHg、特に1mmHg以下の減圧下で、温度が50℃から150℃以下の範囲において完全に気化するか或いは適度な蒸気圧を有していることに着目して容易に分離したこと、更に、最初から遊離脂肪酸の含有が少ない油脂原料、又は上記遊離脂肪酸が分離された油脂原料のエステル交換反応には、アルカリ触媒法によって行う工程を踏むことが好ましいことを見出したものである。
(1) 油脂原料からバイオディーゼル燃料を製造する製造方法において、油脂原料が遊離脂肪酸を設定量以上含むか否かを選別し、該原料の遊離脂肪酸が設定量未満の油脂原料であれば、アルカリ触媒法により低級アルコールでエステル交換反応させるエステル交換反応工程で処理し、該原料が遊離脂肪酸を設定量以上含む場合に、該遊離脂肪酸をエステル化するエステル化反応工程で処理し、エステル交換反応工程及び/又はエステル化反応工程で得られる脂肪酸アルキルエステルを精製する燃料精製工程を含み、上記エステル交換反応工程で生じた遊離脂肪酸を油脂原料として再使用し、または、上記エステル化反応工程で生じるグリセリド未反応物を油脂原料として再使用することを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
(3) 上記(1)又は(2)記載のバイオディーゼル燃料の製造方法において、上記エステル化反応工程は、遊離脂肪酸を主成分とする油脂原料にアルコール成分を混合し、加圧及び加熱して該アルコールの超臨界状態で且つエステル化反応で副産物として生成する水が液体である亜臨界水状態としてエステル化反応を行い、次いで該アルコールの超臨界状態を維持したまま、定温膨張させて降圧し、該水がより低圧の亜臨界状態またはドライスチーム状態となる条件で反応させることを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
(4) 油脂原料からバイオディーゼル燃料を製造する製造装置において、油脂原料が遊離脂肪酸を設定量以上含むか否かを選別するプロセス選択部と、アルカリ触媒法により低級アルコールでエステル交換反応させるエステル交換反応工程部と、エステル化反応工程部と、これら反応工程で得られる脂肪酸アルキルエステルを精製する燃料精製工程部とを備えると共に、該プロセス選択部で原料の遊離脂肪酸が設定量未満の油脂原料であれば、該エステル交換反応工程部へ移行せしめ、原料の遊離脂肪酸が設定量以上の油脂原料であれば、該エステル化反応工程へ移行せしめ、上記エステル交換反応工程部の留去部で生じた遊離脂肪酸を油脂原料として再使用し、上記エステル化反応工程部で生じるグリセリド未反応物を油脂原料として再使用するようになされていることを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造装置。
また、分離した遊離脂肪酸及び極めて遊離脂肪酸の含有量の高い油脂原料を所定の超臨界反応によりエステル化する工程を踏むことにより、あらゆる酸価状態にある油脂原料から高効率に脂肪酸アルキルエステル、即ち脂肪酸アルキルエステル中に大量の水、臭気物質、遊離脂肪酸、及びその他の不純物が残存することなく、製品としての品質を高く維持してなるバイオディーゼル燃料を得ることができ、またその製造工程システム自体は環境に優しいものとなる。
図1は、本発明に係るバイオディーゼル燃料の製造工程を示す概略図である。図1に示すように、貯留部1では油脂原料をそれぞれの酸価に応じて貯留できるようになっている。従って、油脂原料としては、植物及び動物等の油脂類、及び廃食油等を挙げることができ、具体的には、菜種油、ごま油、大豆油、トウモロコシ油、向日葵油、パーム油、パーム核油、椰子油、コーン油および紅花油等の植物油脂類、牛油、豚油、魚油等の動物油脂類、更にはその使用済みの廃食油等を原料とするものであり、本発明の製造方法にあっては、油脂原料中に遊離脂肪酸を広い濃度範囲で含む油脂類を原料とすることができる。
油脂原料にあっては、貯留部1での前段処理がされていなければ、かかるエステル交換反応工程3で、予め上記の処理をすることが望ましい。
また、油脂原料中の遊離脂肪酸の濃度が極めて少ない場合、例えば、5質量%以下、好ましくは3質量%以下であれば、留去部(留去工程)3aを省略してエステル交換反応工程3を直接実行しても良い。また、それ以上の遊離脂肪酸を含む油脂原料の場合には、以下のように前段として留去部3aを実行することが望ましい。
即ち、10mmHg以下、確実には1mmHg以下の減圧下で、温度が50から150℃までの範囲に加熱された原料は、その油中の水、臭気物質等が速やかに気化され系外へ放出されると共に、遊離脂肪酸類が系内で所定の蒸気圧となり、これもまた殆どが系外へ放出される。尚、この場合の処理時に水分等の低沸点物質が多く残存すると、好ましい減圧下に到達させにくいため、上述したように、貯留部1での前処理工程は、本実施の系において有効に作用する。
このような処理によって、油脂原料は、例えば、水分含有量0.05質量%以下、臭気物質含有量0.01質量%以下、及び遊離脂肪酸量が3質量%以下、好ましくは1質量%以下になる。ここで生じた遊離脂肪酸は、貯留部1又はプロセス選択部2に戻されて再使用原料とされる。一方、原料は、熱交換器等によって反応温度まで冷却される。
エステル交換反応工程3の調整部11では、予め低級アルコールにアルカリ触媒を溶解させて調整した触媒含有アルコール溶液がバッチ調整され、触媒含有アルコール溶液は反応混合部12で油脂原料と混合される。油脂原料は、エステル交換され、その反応混合液は減圧留去部13で過剰のアルコールが減圧留去される。過剰アルコールが除かれた反応混合液は、液−液分離部14で軽液と重液に比重分離され、その軽液が抽出される。
軽液は、後段の燃料精製部5で吸着剤と混合或いは通過接触させられ、更にフィルター及び/又は比重分離操作によって処理されて、バイオディーゼル燃料となる。
反応混合部12からのエステル交換反応された反応混合液は、中和部15において所定量の水で調節した希硫酸が加えられて中和し、中和した反応混合液には硫酸塩結晶が析出し、これが濾別される。濾液は、蒸留部16で蒸留される。蒸留された反応混合液は、燃料精製部5で比重分離操作により高比重の精製グリセリン成分を分離することができる。このため、図3に示すような中和部15、蒸留部16、及び燃料精製部5から構成して、副生成物である図1に示す様に精製グリセリンの実施的な工業利用可能なプロセスとすることが好ましい。
また、アルコールとしては低級アルコールであり、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、及びその他の低級アルコールが挙げられるが、反応面及びコスト面からメチルアルコールが望ましい。
アルコールに触媒が溶解する時に発生する溶解熱は、冷却水ジャケット等で冷却することにより除去される。溶解撹拌槽内への触媒の供給速度は、例えば、アルコールがメチルアルコールであるときは、触媒含有アルコール溶液の温度が64℃を超えないように制御される。触媒供給速度が速過ぎると、発生した溶解熱を除去するのが間に合わなくなる。そして、溶液の温度がアルコールの沸点温度以上になると、アルコールの蒸発が激しくなる。また、溶液の局部的過熱による突沸現象が起こることになって危険である。
溶解撹拌槽への所定量の触媒の投入が終わって、触媒がアルコールに完全に溶解した後に、溶解撹拌槽から所定の触媒含有アルコール溶液タンク等に移される。一方、溶解撹拌槽では、上記した手順と同様の手順によりアルコールと触媒とを導入し、同様の溶解撹拌操作を繰り返す。
先ず、図2に示す減圧留去部13は一般的に使用される通常の工程であり、かかる工程では、反応混合液から過剰のアルコールの除去がなされる。減圧留去においては、反応混合部12での反応容器そのものを減圧して容器を減圧留去処理装置と反応混合処理装置とに兼用しても良く、また、別容器において減圧処理をしても良い。アルコールの界面活性作用及び比重の関係からアルコールの除去により、グリセリンは生成した脂肪酸アルキルエステルとの分離が容易となり、脂肪酸アルキルエステルの収量を高める。
例えば、反応混合液中で過剰のアルコールが副生成したグリセリン量の30質量%以上を占めると、脂肪酸アルキルエステルとグリセリンとの比重差による分離が困難となり、また、アルコールが5質量%程度まで存在した場合でもグリセリン層への脂肪酸アルキルエステルの溶解量が脂肪酸アルキルエステルの10質量%にも及ぶ。
その後、充填剤の微粉末を除去するために遠心分離器処理を行う。この際、微量に残存するグリセリンも除去できる。その後、最終的にフィルター処理を必要により行う。
このようなバイオディーゼル燃料の製造にあっては、エステル転化率は90%以上、好ましくは95%以上である。また、その酸価は0.5mgKOH/g以下である。
図3に示す中和処理部15では、反応混合処理部12から反応混合液に送液ポンプ等により硫酸が投入される。硫酸は、反応終了後の反応混合液に投入したアルカリ塩、例えば、水酸化カリウムに対して、50〜55モル%の範囲で投入されることが好ましい。
上記範囲を下回る場合は、反応混合液は十分に中和されない、一方、上記範囲を上回る場合には、反応混合液の反応状態が不安定となり目的物質の収率が低下する。
この際、反応混合液の粘度が高い場合には、その粘度調整剤として上述で添加したと同様な低級アルコール、例えば、メチルアルコール等を適宜量加えることが望ましい。これらの粘度調整剤は、反応混合溶液に対して50質量%以下の範囲で加えることが好ましい。
従って、上述の範囲の希硫酸の投入により、硫酸の中和塩、特に、アルカリ塩が水酸化カリウムであれば、硫酸塩・水和物として容易に析出して濾別されるので好ましい。
一方、グリセリン層にあっては、その収率が90%以上で得られる。このような範囲にあれば、十分な回収率が達成されることとなる。また、グリセリン層で得られるグリセリンの純度は99%以上であり、かかる収率及び純度であれば、精製グリセリンとして利用が可能となり、システム全体のコストを低減することができる。
図4に示すようにエステル化反応工程4は、アルコール供給部18、第1反応部19、第2反応部20、及び蒸留部21とからなる。
エステル化反応工程4においては、アルコール供給部18からメチルアルコール等の低級アルコールを第1反応部19に流通された遊離脂肪酸と混合し、加圧及び加熱して、添加アルコールの超臨界状態で且つエステル化反応で副産物として生成する水が液体である亜臨界水状態として第1反応部19でエステル化反応を行う。また、後段の第2反応部20ではそのアルコールの超臨界状態を維持したまま、定温膨張させて降圧し、該水がより低圧の亜臨界状態またはドライスチーム状態となる条件で反応させる。そして、更に、後段の蒸留部21においては、反応液からアルコールを除去し、蒸留すると共に、燃料精製部5で該蒸留液を遠心分離して比重分離操作によって高比重物質を除去する。尚、蒸留におけるグリセリド残渣は、燃料精製部5(又は図示しないがエステル化反応工程4からでも良い)からのグリセリド残渣配送部7を介して油脂原料として再使用される。
このように反応させた後、蒸留部21では、反応終了後の反応液から過剰のアルコールを除去し、更に反応生成物を蒸留することが望ましい。そして、燃料精製部5にあっては、遠心分離処理を行い精製することが望ましい。また、上述した残存する未反応物のグリセリド残渣は、グリセリド残渣配送部7を介して油脂原料としてエステル交換反応工程で再使用する。脂肪酸アルキルエステルは、その後、最終的に上述したようなフィルター処理を行うことができる。
図1に示した構成の製造プロセス図に従って、かかる遊離脂肪酸を含んだ酸性油脂類からのバイオディーゼル燃料の製造を実施例で説明する。
(実施例)
油脂原料はイエローグリース(酸価18mgKOH/g:遊離脂肪酸9質量%、ヨウ素化68、引火点238℃、水分10質量%、灰分3.5質量%)を原料油1とし、パーム油の精製の際に生じる副生成物である遊離脂肪酸を原料油2として用いた。(遊離脂肪酸80質量%、モノ、ジ、トリグリセライド10質量%、水分5質量%、その他不純物5質量%、ヨウ素価50)
以下の原料を使用し、エステル交換反応工程を選択する場合の実施例を示す。
原料油1を、プロセス選択部によってエステル交換反応工程部へ導入した。反応工程部に設けられた原料油一次貯蔵タンクにメッシュ120のフィルターを通して流し込み、4時間静置した。ドレインを除去後、上澄み液を熱交換器によって95℃まで加熱しこれを遠心分離器(遠心力1000G:流量15リットル毎分)に通した(前処理工程)。
図2に示すように、この原料油を熱交換器によって65℃にまで冷却し反応に用いた。触媒として水酸化カリウムを用い、前もって触媒をメチルアルコール(純度99.5質量%)100重量部に対し11重量部の割合で溶解させた後に、得られた溶液を原料油と混合し、15分間反応させた。反応後反応容器内の絶対圧力を100mmHgとし65℃で約20分間攪拌した。
脂肪酸アルキルエステルの性状分析はガスクロマトグラフによる成分分析の他はJIS規格に定められた方法または通常の方法によって行った。収率は、原料油中の脂肪酸グリセリドに対する脂肪酸アルキルエステルの収量の百分率を示している。実際には、「収率=(脂肪酸アルキルエステル量/反応に使用した原料油中の脂肪酸グリセリド量)×100」で定義される(実質収率)。また、臭気物質濃度は、ガスクロマトグラフにおいてアルコール以外の脂肪酸アルキルエステル類保持時間未満のピーク面積から求めた。この数値は純度で表される。酸価は1gのサンプルを中和するのに必要な水酸化カリウムのmgで表した。
また、グリセライド残渣の計量によって、その回収率は95質量%であった。ここで得られたグリセリド残渣を、プロセス選択部を経由してエステル交換反応工程に配送し、上述のエステル交換反応を行ったところ、収率は99.5質量%であった。
図1に示した構成からなる製造装置の内のエステル交換反応工程を用いて行った。原料油はイエローグリース(酸価18mgKOH/g:遊離脂肪酸9質量%、ヨウ素化68、引火点238℃、水分10質量%、灰分3.5質量%)であった。
原料油を、反応工程部に設けられた原料油の一次貯蔵タンクにメッシュ120のフィルターを通して流し込み、4時間静置した。ドレインを除去後、上澄み液を熱交換器によって95℃まで加熱しこれを遠心分離器(遠心力1000G:流量15リットル毎分)に通した(前処理工程)。
触媒として水酸化カリウムを用い、前もって触媒をメチルアルコール(純度99.5%)100重量部に対し11重量部の割合で溶解させた後に、得られた溶液を原料油と混合し、15分間反応させた。反応後反応容器内の絶対圧力を100mmHgとし65℃で約20分間攪拌した(エステル交換反応工程)。
得られた生成物を遠心分離器(遠心力1000G、流量15リットル毎分)に通し脂肪酸アルキルエステル層(軽液)とグリセリン層(重液)とに分離した。脂肪酸アルキルエステル層を活性白土(アルキルエステル100重量部に対し1重量部の割合)を充填したカラムを15リットル毎分の流速で通過させた。通過後の脂肪酸アルキルエステル層を再び遠心分離器(遠心力1000G:流速15リットル毎分)にかけ固形物分離を行った。この脂肪酸アルキルエステルを最終的に1ミクロンのフィルターによって濾過して最終精製物を得た。
最終生成物の収率は、グリセリド誘導体ベースで99.5質量%であった。これをサンプリングし性状分析を行った(比較例1−1)。また真空脱酸塔から得られた遊離脂肪酸は、廃棄した。結果を下記表1に示した。
(実施例2)
原料油は、実施例1と同様な前段の処理、または酸価が3mgKOH/g以下の食品工場からの廃食油を使用して以下のエステル交換反応工程を図3に基づいて行った。
原料油1000kgに対して触媒として水酸化カリウム13kgを前もってメチルアルコール(純度99.5質量%)122kgで溶解したものと混合した。反応混合処理部において温度65℃、15分間反応させた。
上記した実施例2と同様の条件で行った。ただし加える水の量を硫酸カリウム1モル当量に対して10モル当量とした。結果を下記表2及び3に示した。
(実施例4)
上記した実施例2と同様の条件で行った。ただし加えるメチルアルコール量を100リットルとした。結果を下記表2及び3に示した。
上記した実施例2と同様の条件で行った。ただし、中和時に水を加えなかった。結果を下記表2及び3に示した。尚、ここで、参考比較例とは、前段で適宜な処理を実施したものであるが、後段のアルカリ触媒法で適切な実施をしなかった例を示すものである。
(実施例5)
上記した実施例2と同様の条件で行った。ただしメチルアルコールを加えなかった。結果を下記表2及び3に示した。
上記した実施例5と同様の条件で行った。但し、反応混合液から過剰なアルコール等の減圧留去処理10をせずに、遠心分離機によって脂肪酸メチルエステル層とグリセリン層とに分離し、このグリセリン層に硫酸12kgを水6.4kgに希釈して加え中和し、さらにメチルアルコール10リットルを加えて粘度を調節した。これをガラスフィルターで濾過し、濾液を実施例5の条件で蒸留して精製グリセリンを得た。結果を下記表2及び3に示した。メチルエステルは蒸留していない。
以上の結果から、軽液と重液とを分離した後に、軽液部分を中和した場合、副生成物であるグリセリンの収率が他の実施例より、若干悪くなることが見られる。また、かかる段階で、比重分離操作を行うと、グリセリン層に脂肪酸メチルエステルが溶解しているため、転化率が悪くなるものと見られる。
参考比較例2と同様に行った。ただし中和操作をまったく行わずに蒸留した。結果を表2及び3に示した。メチルエステルは蒸留していない。
Claims (4)
- 油脂原料からバイオディーゼル燃料を製造する製造方法において、油脂原料が遊離脂肪酸を設定量以上含むか否かを選別し、該原料の遊離脂肪酸が設定量未満の油脂原料であれば、アルカリ触媒法により低級アルコールでエステル交換反応させるエステル交換反応工程で処理し、該原料が遊離脂肪酸を設定量以上含む場合に、該遊離脂肪酸をエステル化するエステル化反応工程で処理し、エステル交換反応工程及び/又はエステル化反応工程で得られる脂肪酸アルキルエステルを精製する燃料精製工程を含み、上記エステル交換反応工程の留去部で生じた遊離脂肪酸を油脂原料として再使用し、または、上記エステル化反応工程で生じるグリセリド未反応物を油脂原料として再使用することを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
- 請求項1記載のバイオディーゼル燃料の製造方法において、上記油脂原料が含む遊離脂肪酸の設定量が50質量%であるバイオディーゼル燃料の製造方法。
- 請求項1又は2に記載のバイオディーゼル燃料の製造方法において、上記エステル化反応工程は、遊離脂肪酸を主成分とする油脂原料にアルコール成分を混合し、加圧及び加熱して該アルコールの超臨界状態で且つエステル化反応で副産物として生成する水が液体である亜臨界水状態としてエステル化反応を行い、次いで該アルコールの超臨界状態を維持したまま、定温膨張させて降圧し、該水がより低圧の亜臨界状態またはドライスチーム状態となる条件で反応させることを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
- 油脂原料からバイオディーゼル燃料を製造する製造装置において、油脂原料が遊離脂肪酸を設定量以上含むか否かを選別するプロセス選択部と、アルカリ触媒法により低級アルコールでエステル交換反応させるエステル交換反応工程部と、エステル化反応工程部と、これら反応工程で得られる脂肪酸アルキルエステルを精製する燃料精製工程部とを備えると共に、該プロセス選択部で原料の遊離脂肪酸が設定量未満の油脂原料であれば、該エステル交換反応工程部へ移行せしめ、原料の遊離脂肪酸が設定量以上の油脂原料であれば、該エステル化反応工程へ移行せしめ、上記エステル交換反応工程部の留去部で生じた遊離脂肪酸を油脂原料として再使用し、上記エステル化反応工程部で生じるグリセリド未反応物を油脂原料として再使用するようになされていることを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造装置。
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