JP2005060587A - 廃油脂のケミカルリサイクル方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】廃油脂を、比較的簡単かつ安価な処理手段により、高純度の脂肪酸アルキルエステル、高純度のグリセリンおよび重油代替燃料にもリサイクルできる廃油脂のケミカルリサイクル方法を提供する。
【解決手段】廃油脂1に、アルコール2およびアルカリ触媒3が混合された混合物をエステル交換反応させ(S11)、該反応により得られた反応生成物10を、重液22と軽液21とに相分離させ(S12)、重液22に、水11とアルコール12を添加して成分調整(S21)し、この調整溶液23に、この調整溶液23のpHが3.0〜7.0になるように、無機酸13を添加し(S22)、この調整溶液23から無機塩14を除去し(S23)、この調整溶液23を蒸留する(S24)ことによって、水15とアルコール16を除去した後(S24)、さらに第2蒸留し(S25)、得られた蒸留液を、精製グリセリン18と精製脂肪酸アルキルエステル19とに相分離する(S26)。
【選択図】図1

Description

本発明は、廃油脂のケミカルリサイクル方法に関する。
世界における油脂の生産量は、年間で約8,500万トン(1993年)であり、日本における油脂消費量は、年間で約280万トンであり、そのうち約235万トンが食用に使われている。
推算によると、日本において、油脂加工工場、食品製造工場、飲食店、一般家庭などから廃棄される廃油脂の年間発生量は約100万トンに達する。廃油脂のうち、石鹸などの原料としてリサイクルされているのは、廃油脂の10%に相当する10万トンに過ぎない。廃油脂の90%に相当する90万トンは、回収されずにごみとして捨てられたり、他の廃棄物に混在してごみ処理場に運ばれ、可燃性ごみと一緒に焼却されたり、不燃性ごみと一緒に埋立て処理されたりして、大量廃棄されている。
本発明は、大量廃棄されている廃油脂を、ディーゼル燃料や化学原料等に利用できる精製脂肪酸アルキルエステル、工業化学原料等に利用できる精製グリセリン、並びに、重油代替燃料にリサイクルする廃油脂のケミカルリサイクル方法に関する。
従来より、廃油脂を脂肪酸アルキルエステルにリサイクルする技術がある(例えば、特許文献1、2参照)。
これらのリサイクル技術は、廃油脂にアルコールおよびアルカリ触媒を加えて混合し、この混合物をエステル交換反応させ、得られた反応生成物を静置して、比重の違いにより軽液と重液に相分離させ、前記軽液を取り出して脂肪酸アルキルエステルに精製するものである。
しかるに、従来の廃油脂のリサイクル技術には、以下の(i)〜(ii)に示す問題がある。
(i)エステル交換反応により得られた反応生成物を相分離した後の軽液は、その主成分である脂肪酸アルキルエステルを精製して高純度の脂肪酸アルキルエステルにリサイクルしている。しかし、重液は主成分のグリセリン以外に多くの不純物が含まれており、工業化学原料や燃料などに使用できない。
(ii)廃油脂を高純度のグリセリンに、簡単にリサイクルする方法がない。
特開平10−245586号公報 特開平10−231497号公報
本発明は上記事情に鑑み、廃油脂を、比較的簡単かつ安価な処理手段により、高純度の脂肪酸アルキルエステル、高純度のグリセリンおよび重油代替燃料にもリサイクルできる廃油脂のケミカルリサイクル方法を提供することを目的とする。
第1発明の廃油脂のケミカルリサイクル方法は、廃油脂をケミカルリサイクルする方法であって、前記廃油脂に、アルコールおよびアルカリ触媒が混合された混合物をエステル交換反応させ、該エステル交換反応により得られた反応生成物を、重液と軽液とに相分離させて前記重液を取り出し、該重液に、水およびアルコールを添加して成分調整し、該成分調整により得られた調整溶液に、該調整溶液のpHが3.0〜7.0 になるように、無機酸を添加し、該無機酸が添加された調整溶液から無機塩を除去し、該無機塩が除去された調整溶液を蒸留して、水およびアルコールを除去し、該水およびアルコールが除去された調整溶液を蒸留し、該調整溶液の蒸留液を、第2重液と第2軽液とに相分離することを特徴とする。
第2発明の廃油脂のケミカルリサイクル方法は、廃油脂をケミカルリサイクルする方法であって、前記廃油脂に、アルコールおよびアルカリ触媒が混合された混合物をエステル交換反応させ、該エステル交換反応により得られた反応生成物に、水およびアルコールを添加して成分調整し、該成分調整された調整溶液に、該調整溶液のpHが3.0〜7.0になるように、無機酸を添加し、該無機酸が添加された調整溶液から、無機塩を除去し、該無機塩が除去された調整溶液を蒸留して、水およびアルコールを除去し、該水およびアルコールが除去された調整溶液を蒸留し、該調整溶液の蒸留液を、重液と軽液とに相分離することを特徴とする。
第3発明の廃油脂のケミカルリサイクル方法は、第1または第2発明において、前記成分調整された調整溶液のアルコール濃度が、20〜80%重量であることを特徴とする。
第4発明の廃油脂のケミカルリサイクル方法は、第1または第2発明において、前記無機酸の添加ステップを、5〜60℃の温度下で行うことを特徴とする。
請求項1の発明の作用効果を、図1に基づき説明する。
請求項1の発明は、以下の(1)〜(8)のステップを順に実行する。
(1)エステル交換反応ステップ(S11)により、廃油脂に含まれるトリグリセリド、ジグリセリドおよびモノグリセリドが、脂肪酸アルキルエステルとグリセリンに変換される。
(2)相分離ステップ(S12)により、反応生成物を、脂肪酸アルキルエステルが主成分の軽液と、グリセリンが主成分の重液とに、相分離させることができる。
(3)成分調整ステップ(S21)により、重液の粘度を下げ、後続の無機酸添加ステップで発生する無機塩の懸濁を防止することができるので、グリセリン精製工程の負荷を低減することができる。このため、後の酸添加ステップにより無機金属塩が析出しやすい調整溶液を得ることができる。
(4)酸添加ステップ(S22)により、調整溶液に含まれるアルカリ触媒は中和されるとともに、調整溶液に含まれる石鹸は酸分解されるから、アルカリ触媒や石鹸がほとんど含まれていない調整溶液に変換できる。しかも酸添加ステップにより生じる金属塩は、脂肪酸アルキルエステルに不溶であるから、固体の金属塩結晶または金属塩の水和物結晶として析出させることができる。さらに、調整溶液のpHが3.0 〜7.0になるように溶液のpHを調整することにより、調整溶液に含まれるアルカリ触媒と脂肪酸石鹸を確実に分解きるので高純度の脂肪酸アルキルエステルを製造でき、容器腐食を防止できる。
(5)無機塩除去ステップ(S23)により、調整溶液に含まれる固体の無機塩を、重液の液相から分離できる。
(6)第1蒸留ステップ(S24)により、調整溶液に含まれる水およびアルコールを除去できる。
(7)第2蒸留ステップ(S25)により、調整溶液に含まれるグリセリンと脂肪酸アルキルエステルを蒸留することができる。蒸留されずに残った調整溶液は、重油の性状に極めて近いものである。
(8)相分離ステップ(S26)により、調整溶液の蒸留液を、第2軽液と第2重液とに分離することができる。
上記ステップ(1)〜(8)を順に実行することによって、つぎの効果が得られる。
分離された第2軽液は、未反応のアルコール、水およびグリセリンの残存濃度が極めて低く、精製しなくても、ディーゼル燃料としてそのまま使用できる高純度の脂肪酸アルキルエステルを得ることができる。また、分離された第2重液には、不純物の残存濃度が極めて低く、精製しなくても、工業化学原料等としてそのまま使用できる高純度のグリセリンを得ることができる。
よって、廃油脂を脂肪酸アルキルエステルに精製する精製工程で副産物として発生するグリセリンが主成分の重液を、ディーゼル燃料や化学原料等に利用できる脂肪酸アルキルエステル、工業化学原料等に利用できる高純度の精製グリセリン、ボイラー燃料等に利用でき重油に代替可能な重油代替燃料にリサイクルできる。
請求項2の発明の作用効果を、図2に基づき説明する。
請求項2の発明は、以下の(1)〜(7)のステップを順に実行する。
(1)エステル交換反応ステップ(S11)により、廃油脂に含まれるトリグリセリド、ジグリセリドおよびモノグリセリドが、脂肪酸アルキルエステルとグリセリンに変換される。
(2)成分調整ステップ(S21)により、反応生成物の粘度を下げ、後続の無機酸添加ステップで発生する無機金属塩の懸濁を防止することができるので、反応液の分離精製工程の負荷を低減することができる。このため、後の酸添加ステップにより無機塩が析出しやすい調整溶液を得ることができる。
(3)酸添加ステップ(S22)により、調整溶液に含まれるアルカリ触媒は中和されるとともに、調整溶液に含まれる石鹸は分解されるから、アルカリ触媒や石鹸がほとんど含まれていない調整溶液に変換できる。しかも酸添加ステップにより生じる金属塩は、脂肪酸アルキルエステルに不溶であるから、固体の金属塩結晶あるいは金属塩の水和物結晶として析出させることができる。さらに、調整溶液のpHが3.0 〜7.0になるように溶液のpHを調整することにより、調整溶液に含まれるアルカリ触媒を確実に中和できるので高純度の脂肪酸アルキルエステルを製造でき、容器腐食を防止できる。
(4)無機塩除去ステップ(S23)により、調整溶液に含まれる固体の無機塩を、液相から分離できる。
(5)第1蒸留ステップ(S24)により、調整溶液に含まれる水およびアルコールを除去できる。
(6)第2蒸留ステップ(S25)により、調整溶液に含まれるグリセリンと脂肪酸アルキルエステルを蒸留することができる。蒸留されずに残った調整溶液は、重油の性状に極めて近いものである。
(7)相分離ステップ(S26)により、調整溶液の蒸留液を、軽液と重液とに分離することができる。酸添加された反応生成物は石鹸を含んでいないため、相分離ステップにおいて、反応生成物を、脂肪酸アルキルエステルが主成分の軽液と、グリセリンが主成分の重液とに、確実に、かつ速やかに相分離させることができる。
上記ステップ(1)〜(7)を順に実行することによって、つぎの効果が得られる。
分離された軽液は、未反応のアルコール、水およびグリセリンの残存濃度が極めて低く、精製しなくても、ディーゼル燃料や化学工業原料としてそのまま使用できる高純度の脂肪酸アルキルエステルを得ることができる。また、分離された重液には、不純物の残存濃度が極めて低く、精製しなくても、工業化学原料等としてそのまま使用できる高純度のグリセリンを得ることができる。
よって、廃油脂を、ディーゼル燃料や化学原料等に利用できる脂肪酸アルキルエステル、工業化学原料等に利用できる高純度の精製グリセリン、ボイラー燃料等に利用できる重油代替燃料にリサイクルできる。
請求項3の発明によれば、後工程である酸添加ステップで発生する無機塩の調整溶液中への溶解と懸濁量が低下し、アルカリ金属イオン等の除去性が向上して、グリセリン精製ステップでの負荷を低減することができる。
請求項4の発明によれば、脂肪酸アルキルエステルへの金属塩の溶解と懸濁量が少なく、しかも脂肪酸アルキルエステルから金属塩を容易に分離でき、経済的であるから、無機酸の添加ステップに好適である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の廃油脂の第1ケミカルリサイクル方法における処理ブロック図である。同図に示すように、本発明の廃油脂の第1ケミカルリサイクル方法は、廃油脂1を脂肪酸アルキルエステル20に精製する過程において生じる重液22(廃グリセリン)について、重油代替燃料17、精製グリセリン18および脂肪酸アルキルエステル19にリサイクルする方法である。
前記廃油脂1は、大豆油、菜種油、ひまわり油、綿実油、椰子油、胡麻油、落花生油、椿油などの植物油脂および牛脂、豚脂、馬脂、魚油、鯨油などの動物油脂およびこれらの使用済み廃油を用いることができる。これらの油脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上の混合物であってもよい。使用済み廃油としては、例えば油脂加工工場、食品製造工場、飲食店、一般家庭などから廃棄される廃油脂、食用油製造工程における油滓などの油脂残渣、金属熱圧延加工の潤滑油として使用する植物性油脂の廃油脂、マーガリン、ショートニング等の加工油脂類製造工程で発生する廃油脂、不良品および期間切れ等返品食用油脂、食用油魚肉加工工程で発生する動物油脂であってもよい。油脂1に含まれる遊離脂肪酸の含有量は特に制限がないが、5%以下のものが好ましい。
なお、前記廃油脂1に含まれるゴミ、料理かすなどの固形物質、水および遊離脂肪酸などの不純物を、エステル交換反応を行う前処理として除去しておくとよい。この場合、エステル交換反応を効率的に行うことができるので好適である。
前記アルコール2は、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜10の一価アルコールが好ましい。また、これらのアルコールの含水量は特に制限がないが、1%以下のものが好ましい。
前記アルカリ触媒3は、水酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、カリウムアルコラート、ナトリウムアルコラートなど、エステル交換反応において活性を示すアルカリ性物質であれば特に制限がない。
さて、本発明の廃油脂の第1ケミカルリサイクル方法を、ステップ順に説明する。
まず、前記油脂1、アルコール2およびアルカリ触媒3が混合された混合物を、エステル交換反応させることにより(S11)、反応生成物10を得ることができる。エステル交換反応は、通常使われる反応条件、例えば常圧で65℃前後の温度という反応条件下で行えばよい。
エステル交換反応(化式1)により、油脂1に含まれるトリグリセリド、ジグリセリドおよびモノグリセリドが、脂肪酸アルキルエステルとグリセリンに変換されており、これらの成分が反応生成物10に含まれている。この反応生成物10には、前記成分の他に、アルカリ触媒、アルコールおよび水分などが含まれている。
(化式1)
Figure 2005060587
つぎに、反応生成物10を、軽液21と重液22とに相分離させる(S12)。
反応生成物10を一定時間静置すると、反応生成物10は脂肪酸アルキルエステルが主成分となる軽液(上層)と、グリセリンが主成分となる重液(下層)との二相に分離する。
なお、この相分離ステップS12は、静置だけでなく、遠心分離機により分離させてもよいし、これらの分離方法を組み合わせてもよい。
例えば、反応生成物10を遠心分離機により分離する場合、デスク型遠心分離機で反応生成物10を、脂肪酸アルキルが主成分である軽液とグリセリンが主成分である重液とに分離することができる。
前記軽液21については、精製処理することにより、高純度の脂肪酸アルキルエステル20に精製することができる(S13)。
つぎに、成分調整ステップS21を説明する。
前記重液22を取り出し、この重液22に、水11およびアルコール12を添加して、調整溶液23を得る。この調整溶液23におけるアルコール濃度を、20〜80重量%に成分調整する(S21)。好ましくは40〜70重量%に、さらに好ましくは50〜60重量%に成分調整するとよい。
調整溶液23におけるアルコール濃度は、80重量%を超えると経済的でなく、20重量%未満になると、アルコールによる調整溶液23への無機塩の溶解性低下の効果が小さくなり、アルカリ金属イオン等の不純物の除去性が低下する。
したがって、アルコール濃度を20〜80重量%に成分調整することにより、経済的に調整溶液23の粘度を下げ、金属塩微粒子の懸濁を防止することができるので、グリセリン精製工程の負荷を低減することができる。このため、後の酸添加ステップにより無機塩が析出しやすい調整溶液23を得ることができる。この結果、後工程である酸添加ステップS22で発生する無機塩の調整溶液23への溶解と懸濁量が低下し、アルカリ金属イオン等の除去性が向上して、例えばイオン交換法、蒸発法などのグリセリン精製ステップでの負荷を低減することができる。
また、調整溶液23の水濃度は、0.5〜10重量%、好ましくは1.0〜5.0重量%に成分調整する。
調整溶液23の水濃度が10重量%を超えると、芒硝等の無機塩は水に溶け、酸分解工程で生成する無機塩が調製グリセリン溶液に多量に溶解するため、後工程でのアルカリ金属イオン等の不純物の負荷量が増大して好ましくない。
逆に、調整溶液23の水濃度が0.5重量%未満になると、酸分解ステップで発生する無機塩の結晶粒径が小さくなり分離性が悪くなる。
水濃度を0.5〜10重量%に調整することにより、酸分解ステップで生成する無機塩の結晶粒径を大きくすることが可能であり、生成した無機塩を例えば濾過等で分離・除去する場合の分離性が向上する。
なお、重液22のアルコール濃度が20〜80重量%の場合には、アルコールあるいは水は必ずしも添加して成分調整する必要はない。
さらになお、アルコール濃度の成分調整は、重液22のアルコール濃度が20〜80重量%になるようにエステル交換反応前にアルコールを添加した後、エステル交換反応を行ってもよい。この場合、過剰なアルコールの存在下でエステル交換反応を行うため、反応速度と平衡反応転化率とともに高められ、高品質な脂肪酸アルキルエステルを得ることができる。
また、水濃度の調整は、重液22の水濃度が0.5〜10重量%になるようにエステル交換後に水を添加したのち、相分離を行なってもよい。
つぎに、酸添加ステップS22を説明する。
前記調整溶液23に、硫酸や燐酸などの無機酸13を、調整溶液23のpHが3.0〜7.0になるように添加する(S22)。さらに好ましくはpH5.0〜7.0とした方がよい。
なお、無機酸13を添加した後、適宜撹拌するとよい。
調整溶液23に無機酸13を添加することにより、中和反応と酸分解の化学反応が起こる。
前者の中和反応により、調整溶液23に含まれるアルカリ触媒は中和されて、金属塩および水となる。下記化学反応式3は、例示として、アルカリ触媒が水酸化カリウムであり、無機酸13が硫酸である場合の中和反応を示している。
(化学反応式3)
2KOH + HSO → KSO + 2H
後者の酸分解により、調整溶液23に含まれる石鹸(脂肪酸塩)は酸分解されて、脂肪酸および金属塩となる。下記化学反応式4は、無機酸13が硫酸である場合の酸分解を示している。
(化学反応式4)
2R−COOK + HSO → 2R−COOH + KSO
前記中和反応および酸分解により生じた金属塩は、アルコール等の有機溶媒に不溶であるから、固体の金属塩結晶または金属塩の水和物結晶として析出する。
また、前記酸添加ステップS22において、調整溶液23のpHが3.0〜7.0になるようにpH調整するのは、つぎの理由による。
調整溶液23のpHが7.0を超える場合、アルカリ触媒の中和と脂肪酸石鹸の分解が不十分となり、アルコール回収の際に蒸留塔内で激しく泡がたち、アルコール回収を困難にさせる。
逆に、調整溶液23のpHが3未満の場合は、アルコール回収後において酸分解で発生する脂肪酸がグリセリン層に溶解しやすくなるとともに、過剰の酸のためにグリセリン精製工程での負荷が大きくなる。
よって、調整溶液23のpHが3.0〜7.0となるようにpH調整することにより、調整溶液23に含まれるアルカリ触媒を確実に中和し、脂肪酸石鹸を確実に分解できるので、高純度の脂肪酸アルキルエステルを製造でき、容器腐食の恐れがないので、好ましい。
調整溶液23に添加する無機酸13としては、硫酸、リン酸および塩酸からなる群から選ばれる1種類または2種類以上の酸を用いることができる。
酸添加ステップS22 における温度は5〜60℃、好ましくは5〜30℃で行う。
温度が60℃を超えると、酸分解により生成した無機塩の調整溶液23への溶解度が大きくなるため後工程での負荷が大きくなる。
逆に、5℃未満の場合は、調製グリセリン溶液への無機塩の溶解量という点においては少なくなるため有利といえるが、実設備においてそのような温度で運転することは経済的でない。
したがって、酸添加ステップS22 における温度は5〜60℃が好適であり、この場合、脂肪酸アルキルエステルへの無機塩の溶解が少なく、しかも脂肪酸アルキルエステルから無機塩を容易に分離でき、経済的である。
つぎに、無機塩除去ステップS23を説明する。
前記調整溶液23を、例えば濾過や遠心分離することにより、調整溶液23から無機塩14の結晶を分離除去することができるので、グリセリンの品質低下を防ぐことが可能となる。
なお、分離された無機塩14は、農業用肥料または化学原料として利用できる。
つぎに、第1減圧蒸留ステップS24 を説明する。
前記調整溶液23を蒸留塔に入れて減圧蒸留する(S24)。減圧蒸留は、温度が室温〜120℃の範囲で好ましくは60〜90℃、圧力が1〜760 mmHgの範囲で好ましくは1〜60mmHgの条件でバッチ式または連続式装置を用いて行ってもよい。
第1減圧蒸留ステップS24によれば、無機塩14が分離除去された調整溶液23からアルコール16と水15を分離除去することができる。
なお、気化した状態のアルコール16と水15の混合蒸気を冷却することによりアルコール16を分離し、回収することができる。しかも、アルコール16と水15の混合蒸気をアルコールの沸点温度以上で、かつ、水の沸点温度以下に冷却し、水蒸気のみを凝縮させ液体の水15として回収することもできる。
回収されたアルコール16は、水分含有量が極めて低いので、触媒含有アルコール溶液の調製のための原材料や、前記重液22の成分調整のためのアルコール12として再利用することができる。また、回収された水11は、不純物がほとんど含まれていないため、プロセス用水に使用することができるし、そのまま外部に排出してもよい。
つぎに、第2減圧蒸留ステップS25を説明する。
前記調整溶液23が収容された蒸留塔の温度を、所定温度(170〜360℃)にすることにより、この所定温度で調整溶液23を加熱し蒸留することができる(S25)。
例えばディーゼル燃料油としての脂肪酸アルキルエステルを得ようとする場合、沸点温度範囲170 〜360℃の脂肪酸アルキルエステルを留出する必要がある。このため、蒸留温度と圧力を沸点温度範囲170〜360℃の脂肪酸アルキルエステルが蒸発するように設定すればよい。通常脂肪酸アルキルエステルの熱分解を防ぐために、できるだけ温度を低くして、圧力を低く設定する。例えば、温度を250℃にして、圧力を10mmHgに設定すると、前記ディーゼル燃料油として適した沸点範囲の脂肪酸アルキルエステルを留出することができる。
一方、大気圧でのグリセリンの沸点が290℃であるため、前記の脂肪酸アルキルエステルの蒸留条件では、脂肪酸アルキルエステルと一緒に留出することになり、結局グリセリンと脂肪酸アルキルエステルとの混合物を得ることになる。
第2減圧蒸留ステップS25によれば、アルコール16と水15が分離除去された調整溶液23を蒸留し、脂肪酸アルキルエステルとグリセリンの混合物と蒸留残油にわけることができる。所定温度に加熱された調整溶液23を減圧下に置いて、グリセリンと脂肪酸アルキルエステルが蒸発し、その蒸気を冷却することにより、液体のグリセリンと脂肪酸アルキルエステルの混合物を得ることができる。
前記第2減圧蒸留ステップS25により残った蒸留残油は、未反応のモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、沸点の高い脂肪酸アルキルエステル、少量のグリセリン、グリセリン誘導体およびグリセリン重縮合体が主成分となり、その引火点、動粘度、流動点などの特性がA重油ないしC重油に近いので、ボイラー燃料など重油代替燃料17として使うことができる。
つぎに、第2相分離ステップS26を説明する。
第2減圧蒸留ステップS25から得た留出液をグリセリンと脂肪酸アルキルエステルとの比重差および極性の違いを利用してグリセリン18と脂肪酸アルキルエステル19とに分離することができる。分離は自然沈降分離または遠心力を加える機械分離により行われる。自然沈降分離法を用いる場合、例えばグリセリンと脂肪酸アルキルエステルの混合物を100℃以下に冷却し、1〜8時間静置すると、脂肪酸アルキルエステル相(上層)とグリセリン相(下層)に相分離するので、それぞれ精製脂肪酸アルキルエステル19と精製グリセリン18が得られる。
第2相分離ステップS26によれば、前記第2減圧蒸留ステップS25から得たグリセリンと脂肪酸アルキルエステルとの混合物を、グリセリンと脂肪酸アルキルエステルに分離し、最終的に精製脂肪酸アルキルエステル19と精製グリセリン18を得ることができる。
このようにして得られる精製脂肪酸アルキルエステル19は、通常の精製方法で精製された脂肪酸アルキルエステルよりも高純度なので、例えばアメリカのバイオディーゼル燃料油に関する規格ASTM PS121-99を満たすことができ、軽液21の精製処理S13からの精製脂肪酸アルキルエステルと同様に取り扱うことができる。
また、精製グリセリン18は、例えば工業用グリセリンのJIS規格 K3351-95を満たすことができ、医薬品、各種化粧品、トイレタリー、タバコの保湿剤、食料品、溶剤、印刷インキ、ハミガキ、香料、火薬、不凍剤、製薬、製菓、インキ、セロハン、透明石鹸、繊維潤滑剤、接合剤、印画紙、つや出剤、ハミガキ、タバコ、界面活性剤、絵の具、アルキド樹脂、ポリウレタン、モノグリセライド、カプセル、アルキッド樹脂 、ポリウレタン、セロファン、フィルム、マウスウオッシュ、インキ、香料、タバコ、タバコのフィルター、火薬、不凍剤、石鹸、繊維、紙、溶剤、コンデンサーなどの用途に使える。
つぎに、本発明の第2ケミカルリサイクル方法を説明する。
図2は本発明の第2ケミカルリサイクル方法における処理ブロック図である。同図に示すように、本発明の第2ケミカルリサイクル方法は、原料である廃油脂1を、重油代替燃料17、精製グリセリン18および脂肪酸アルキルエステル19にリサイクルする方法である。
原料である廃油脂1、アルコール2、アルカリ触媒3、水11、アルコール12および無機酸13については、第1ケミカルリサイクル方法で使用したものと実質同様のものを使用すればよい。
また、エステル交換反応ステップS11は、第1ケミカルリサイクル方法におけるエステル交換反応ステップと同様に、前記油脂1、アルコール2およびアルカリ触媒3が混合された混合物を、通常使われる反応条件、例えば常圧で65℃前後の温度という反応条件下でエステル交換反応させればよい(S11)。エステル交換反応ステップS11により、反応生成物10を得ることができる。
第2ケミカルリサイクル方法は、反応生成物10を相分離せずに、反応生成物10に対して成分調整ステップS21、酸添加ステップS22、無機塩除去ステップS23、第1減圧蒸留ステップS24、第2減圧蒸留ステップS25、相分離ステップS26の順に実行するものである。
第2ケミカルリサイクル方法における各ステップS21〜S26は、第1ケミカルリサイクル方法における各ステップS21〜S26と実質同様である。
したがって、第2ケミカルリサイクル方法によって得られる精製脂肪酸アルキルエステル19は、第1ケミカルリサイクル方法によって得られる精製脂肪酸アルキルエステル19と同様の性状、すなわち通常の精製方法で精製された脂肪酸アルキルエステルよりも高純度なので、例えばアメリカのバイオディーゼル燃料油に関する規格ASTM PS121-99を満たす。
また、第2ケミカルリサイクル方法によって得られる精製グリセリン18は、例えば工業用グリセリンのJIS規格 K3351-95を満たすことができ、医薬品、各種化粧品、トイレタリー、タバコの保湿剤、食料品、溶剤、印刷インキ、ハミガキ、香料、火薬、不凍剤、製薬、製菓、インキ、セロハン、透明石鹸、繊維潤滑剤、接合剤、印画紙、つや出剤、ハミガキ、タバコ、界面活性剤、絵の具、アルキド樹脂、ポリウレタン、モノグリセライド、カプセル、アルキッド樹脂 、ポリウレタン、セロファン、フィルム、マウスウオッシュ、インキ、香料、タバコ、タバコのフィルター、火薬、不凍剤、石鹸、繊維、紙、溶剤、コンデンサーなどの用途に使える。
第2ケミカルリサイクル方法における第2減圧蒸留ステップS25により残った蒸留残油は、未反応のモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、沸点の高い脂肪酸アルキルエステル、少量のグリセリン、グリセリン誘導体およびグリセリン重縮合体が主成分となり、その引火点、動粘度、流動点などの特性がA重油ないしC重油に近いので、ボイラー燃料など重油代替燃料17として使うことができる。
つぎに、本発明のケミカルリサイクル方法による実施例を説明する。
[実施例1]
実施例1において、原料の廃油脂1は、一般家庭から回収された廃食用油(酸価3.4 mgKOH/g、ヨウ素価112、水分0.9 %、灰分1.3 %)を用いた。
アルコール2は、メタノール(純度99.8%)を用いた。
アルカリ触媒3は、工業用水酸化カリウム(KOH含有量:95%)を用いた。
前記アルコール2の100体積部に対して9.66重量部のアルカリ触媒3を混合し、攪拌することによりアルコールとアルカリ触媒の混合溶液を調製した。
まず、エステル交換反応する前に、廃油脂1に対して以下の前処理を行った。
廃油脂1を、0.5×0.5 mm金網で1次濾過し、ついでメッシュ40のポリエステル長繊維製カートリッジから構成される濾過装置で濾過することにより、廃油脂1に含まれる固体夾雑物を取り除いた。この廃油脂1を、室温で4時間静置することにより廃油脂中の飽和溶解度以上の水分を沈降させ、水分を分離除去した。この廃油脂1を、圧力5mmHgの密閉容器中で廃油脂を70℃に保持しながら40分間攪拌することによって、真空脱水・脱遊離脂肪酸を行った。
つぎに、エステル交換反応を行った。
前処理済みの廃油脂100体積部に対して、前記アルコールとアルカリ触媒の混合溶液16.7体積部を混合し、この混合溶液を、温度65℃で20分間攪拌してエステル交換反応を行った。
エステル交換反応によって得られた反応生成物10を4時間静置し、脂肪酸メチルエステルが主成分となる軽液(上澄み)21と、グリセリンが主成分となる重液(下澄み)22に相分離させた。
軽液21については、活性白土(平均粒径1mm、比表面積250 cm/g、遊離酸価2.0 KOH mg/g)を充填したカラムに、2h−1の空間速度で通すことにより吸着精製した。次に活性白土により処理された軽液21を、蒸発缶中で20mmHg、60℃に保持しながら20分間攪拌し、真空フラッシュ蒸留することにより、残存メタノールを除去した。次にメタノールを除去した軽液21を、遠心効果3000Gの遠心分離機により、軽液21に含まれる活性白土などの少量固体物質を除去し精製することにより、精製脂肪酸メチルエステル20を得た。
図3は実施例1の重液22の組成表である。同表に示すように、実施例1の重液22には、グリセリン(46.7%)、メタノール(6.0%)、脂肪酸メチルエステル(35.4%)、石鹸(3.0%)、水酸化カリウム(5.0%)、水(1.7%)、その他不明物(2.2%)が含まれている。
この重液22について、以下の順に処理した。
まず、重液22に、メタノールおよび水を添加し、メタノール濃度が50%になり、水の濃度が3%になるように成分調整し、調整溶液23を得た。
つぎに、この調整溶液23の温度を15℃に保持し溶液を攪拌しながら、調整溶液23の最終pHが5.0になるまで、97%濃硫酸を一定速度で滴下した。
この調整溶液23を減圧吸引しながら滯留粒徑1の定量濾紙No.5Cに通すことにより、硫酸カリウムの結晶を濾別した。
濾過された調整溶液23を、20mmHgの圧力で減圧蒸留し、メタノール(留出温度43℃)と水(留出温度65℃)の第1蒸留を行った。
さらに、第1蒸留後の調整溶液23を、5mmHgの圧力で、第2蒸留を行いグリセリンと脂肪酸メチルエステル(留出温度140℃〜200℃)の蒸留液を得た。
第2蒸留後の蒸留残油については、そのまま蒸留釜から重油代替燃料17として回収した。
最後に、第2蒸留後の調整溶液23の蒸留液を4時間静置し、比重差による自然沈降分離させ、最終的に精製グリセリン18と精製脂肪酸メチルエステル19を得た。
図4は精製脂肪酸メチルエステルにおける実施例1〜4と比較例1〜2の比較表である。同表に示すように、実施例1の精製脂肪酸メチルエステルは、バイオディーゼル燃料に関するアメリカの基準ASTM PS121-99に定められた密度、粘度、水分、引火点、残留炭素分、硫黄分、灰分、残存メタノールなどの基準値を満たしており、そのままバイオディーゼル燃料油として使用することができる。
なお、精製脂肪酸メチルエステル19に含まれる残存アルコールの評価は、ガスクロマトグラフィにより行い、その他の性状評価は、軽油に関するJIS規格に定められている方法により行った。
図5は精製グリセリンにおける実施例1〜4と比較例1〜2の比較表である。同表に示すように、実施例1の精製グリセリンの品質評価は、精製グリセリンの工業規格に定められた方法に従い行った。
実施例1の精製グリセリンは、工業用グリセリンに関する日本のJIS規格 K3351-95に定められたグリセリン分、色、密度、酸度、けん化当量、還元性物質試験および強熱残分の基準値を満たしている。
図6は重油代替燃料における実施例1〜4と比較例1〜2の比較表である。実施例1の重油代替燃料の品質評価は、重油の品質規格K 2205に定められた方法によって行った。
実施例1の重油代替燃料は、図3に示すように、C重油の性状に近く、C重油の代替燃料として利用できる。
なお、か焼法により測定した硫酸カリウム結晶の含油率は12%であり、カールフィッシャー法により測定した回収メタノールの含水率は3540ppmであり、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)による回収水中の有機物含有量は300ppmであった。このため、硫酸カリウムは農業用化学肥料または化学原料として利用でき、回収メタノールは廃油脂とメタノールとのエステル交換反応の原料として再利用できる。また、回収水は、そのまま下水放流してもよい。
[実施例2]
実施例2において、原料の廃油脂1、副原料のアルコール2およびアルカリ触媒3は、実施例1と同様なものを用いた。
前記アルコール2の100体積部に対して前記アルカリ触媒4.03重量部を混合し、攪拌することにより、アルコールとアルカリ触媒の混合溶液を調製した。
前記処理済みの廃油脂1に、前記メタノールとアルカリ触媒の混合溶液40体積部を混合し、この混合溶液を、温度65℃で20分間攪拌してエステル交換反応を行った。
エステル交換反応によって得られた反応生成物10に、水の濃度が3%になるように水を添加し、成分調整し、調整溶液23Bを得た。
この調整溶液23Bについて、後の処理は、実施例1と同様の処理を行い、実施例2の精製グリセリン18と精製脂肪酸メチルエステル19を得た。
図4に示すように、実施例2の精製脂肪酸メチルエステル19は、バイオディーゼル燃料に関するアメリカの基準ASTM PS121-99に定められた密度、粘度、水分、引火点、残留炭素分、硫黄分、灰分、残存メタノールなどの基準値を満たしており、そのままバイオディーゼル燃料油として使用することができる。
図5に示すように、実施例2の精製グリセリン18は、工業用グリセリンに関する日本のJIS規格 K3351-95に定められたグリセリン分、色、密度、酸度、けん化当量、還元性物質試験および強熱残分の基準値を満たしている。
図6に示すように、実施例2の重油代替燃料の品質評価は、重油の品質規格K 2205に定められた方法によって行った。
なお、硫酸カリウム結晶の含油率測定値が12%、回収メタノールの含水率測定値が3610ppm、回収水中の有機物含有量測定値が310ppmとなった。このため、硫酸カリウムは農業用化学肥料または化学原料として利用でき、回収メタノールは廃油脂とメタノールとのエステル交換反応の原料として再利用できる。また、回収水は、そのまま下水放流してもよい。
[実施例3]
実施例3において、原料の廃油脂1、副原料のアルコール2およびアルカリ触媒3は、実施例1と同様なものを用いた。
廃油脂1の前処理およびエステル交換反応については、実施例1における廃油脂1の前処理およびエステル交換反応と同様に行った。
エステル交換反応により得られた反応生成物10について、以下の順に処理した。
まず、反応生成物10に、メタノールおよび水を添加し、メタノールおよび水の濃度が12.5%と0.75%になるように成分調整し、調整溶液23Bを得た。ついで調整溶液23Bの温度を15℃に保持し、調整溶液23Bを攪拌しながら、調整溶液23Bの最終pHが5.0になるまで、98%濃硫酸を一定速度で滴下した。
この調整溶液23を減圧吸引により滯留粒徑1の定量濾紙No.5Cに通すことにより、硫酸カリウムの結晶を濾別した。
濾過された調整溶液23を、20mmHgの圧力で減圧蒸留し、メタノール(留出温度43℃)と水(留出温度6.5℃)の蒸留を行った。
さらに、前記メタノールと水を蒸留除去したあとの調整溶液23を、5mmHgの圧力で蒸留し、グリセリンと脂肪酸メチルエステル(留出温度140℃〜200℃)の混合物を留出した。
グリセリンと脂肪酸メチルエステルを留出した後の蒸留残油を、そのまま蒸留釜から重油代替燃料17として回収した。
最後に、前記留出液を4時間静置し、比重差による自然沈降分離させ、最終的に精製グリセリン18と精製脂肪酸メチルエステル19を得た。
図4に示すように、実施例3の精製脂肪酸メチルエステルは、バイオディーゼル燃料に関するアメリカの基準ASTM PS121-99に定められた密度、粘度、水分、引火点、残留炭素分、硫黄分、灰分、残存メタノールなどの基準値を満たしており、そのままバイオディーゼル燃料油として使用することができる。
図5に示すように、実施例3の精製グリセリン18は、工業用グリセリンに関する日本のJIS規格 K3351-95に定められたグリセリン分、色、密度、酸度、けん化当量、還元性物質試験および強熱残分の基準値を満たしている。
図6に示すように、実施例3の重油代替燃料17は、図3に示すように、C重油の性状に近く、C重油の代替燃料として利用できる。
なお、硫酸カリウム結晶の含油率測定値が12%、回収メタノールの含水率測定値が3440ppm、回収水中の有機物含有量測定値が320ppmであった。このため、硫酸カリウムは農業用化学肥料または化学原料として利用でき、回収メタノールは廃油脂とメタノールとのエステル交換反応の原料として再利用できる。また、回収水は、そのまま下水放流してもよい。
[実施例4]
実施例4において、原料の廃油脂1、副原料のアルコール2およびアルカリ触媒3は、実施例1と同様なものを用いた。
アルコールとアルカリ触媒との混合溶液を得るための混合・溶解工程は、メタノール(純度99.8%)100体積部に対して工業用水酸化カリウム(KOH含有量:95%)4.03重量部の割合でメタノールに溶解させることにより調製した。
廃油脂とメタノールとのエステル交換反応は、前記真空脱水・脱酸された廃油脂100体積部に対して前記メタノールとアルカリ触媒の混合溶液40体積部の割合で混合し、温度60℃で20分間攪拌して行った。
反応生成物の成分調製工程は、反応生成物に、水の濃度が3%になるように水を添加し、成分調整反応生成物液を得た。図2に示すその他の工程は実施例3と同様に行った。
図4に示すように、実施例4の精製脂肪酸メチルエステルは、バイオディーゼル燃料に関するアメリカの基準ASTM PS121-99に定められた密度、粘度、水分、引火点、残留炭素分、硫黄分、灰分、残存メタノールなどの基準値を満たしており、そのままバイオディーゼル燃料油として使用することができる。
図5に示すように、実施例4の精製脂肪酸メチルエステルは、工業用グリセリンに関する日本のJIS規格 K3351-95に定められたグリセリン分、色、密度、酸度、けん化当量、還元性物質試験および強熱残分の基準値を満たしている。
図6に示すように、実施例2の重油代替燃料の品質評価は、重油の品質規格K 2205に定められた方法によって行った。
なお、硫酸カリウム結晶の含油率測定値が12%、回収メタノールの含水率測定値が3450ppm、回収水中の有機物含有量測定値が320ppmであった。
[比較例1]
比較例1において、原料としての廃油脂、副原料としてのアルコールおよび触媒としてのアルカリ性化合物は、実施例1と同様なものを用いた。
比較例1の処理工程は、重液の成分調整ステップを実行しなかった以外は、実施例1と実質同様の処理ステップを順に実行した。
なお、硫酸カリウム結晶の含油率が45%、回収メタノールの含水率測定値が3500ppm、回収水中の有機物含有量測定値が410ppmであった。
[比較例2]
比較例2において、原料としての廃油脂、副原料としてのアルコールおよび触媒としてのアルカリ性化合物は、実施例1と同様なものを用いた。
比較例2の処理工程は、反応生成物の成分調整ステップを実行しなかった以外は、実施例3と実質同様の処理ステップを順に実行した。
なお、硫酸カリウム結晶の含油率測定値が48%、回収メタノールの含水率測定値が4100ppm、回収水中の有機物含有量測定値が370ppmとなった。
本発明は、大量廃棄されていた廃油脂のリサイクルに利用できる。
本発明の廃油脂の第1ケミカルリサイクル方法における処理ブロック図である。 本発明の廃油脂の第2ケミカルリサイクル方法における処理ブロック図である。 実施例1の重液の組成表である。 精製脂肪酸メチルエステルにおける実施例1〜4と比較例1〜2の比較表である。 精製グリセリンにおける実施例1〜4と比較例1〜2の比較表である。 重油代替燃料における実施例1〜4と比較例1〜2の比較表である。
符号の説明
1 油脂
2 アルコール
3 アルカリ触媒
10 反応生成物
11 水
12 アルコール
13 無機酸
14 無機塩
15 水
16 アルコール
17 重油代替燃料
18 精製グリセリン
19 脂肪酸アルキルエステル
21 軽液
22 重液
30 脂肪酸アルキルエステル
S11 エステル交換反応
S12 相分離
S21 成分調整
S22 酸添加
S23 無機塩除去
S24 第1蒸留
S25 第2蒸留
S26 相分離

Claims (4)

  1. 廃油脂をケミカルリサイクルする方法であって、
    前記廃油脂に、アルコールおよびアルカリ触媒が混合された混合物をエステル交換反応させ、
    該エステル交換反応により得られた反応生成物を、重液と軽液とに相分離させて前記重液を取り出し、
    該重液に、水およびアルコールを添加して成分調整し、
    該成分調整により得られた調整溶液に、該調整溶液のpHが3.0〜7.0 になるように、無機酸を添加し、
    該無機酸が添加された調整溶液から無機塩を除去し、
    該無機塩が除去された調整溶液を蒸留して、水およびアルコールを除去し、
    該水およびアルコールが除去された調整溶液を蒸留し、
    該調整溶液の蒸留液を、第2重液と第2軽液とに相分離する
    ことを特徴とする廃油脂のケミカルリサイクル方法。
  2. 廃油脂をケミカルリサイクルする方法であって、
    前記廃油脂に、アルコールおよびアルカリ触媒が混合された混合物をエステル交換反応させ、
    該エステル交換反応により得られた反応生成物に、水およびアルコールを添加して成分調整し、
    該成分調整により得られた調整溶液に、該調整溶液のpHが3.0〜7.0になるように、無機酸を添加し、
    該無機酸が添加された調整溶液から、無機塩を除去し、
    該無機塩が除去された調整溶液を蒸留して、水およびアルコールを除去し、
    該水およびアルコールが除去された調整溶液を蒸留し、
    該調整溶液の蒸留液を、重液と軽液とに相分離する
    ことを特徴とする廃油脂のケミカルリサイクル方法。
  3. 前記成分調整された調整溶液のアルコール濃度が、20〜80%重量である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の廃油脂のケミカルリサイクル方法。
  4. 前記無機酸の添加ステップを、5〜60℃の温度下で行う
    ことを特徴とする請求項1または2記載の廃油脂のケミカルリサイクル方法。
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