JP2010095714A - 燃焼装置に用いる燃料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】グリセリンを重油、灯油若しくは軽油等の他の燃料と混合して極めて経済的で秀れた性能を有する燃焼装置に用いる燃料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】グリセリンに界面活性剤が添加された燃焼装置に用いる燃料であって、前記界面活性剤は前記グリセリンを内部に取り込んで逆ミセルを形成しており、この逆ミセルが油相に均一に分散せしめられているものである。また、グリセリンに、水と界面活性剤と無機酸とを攪拌混合した混合溶液を加えて混合グリセリン液を作成し、続いて、この混合グリセリン液に重油、灯油若しくは軽油を加えて攪拌混合した後、静置して上層を分離する方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、グリセリンを含有する燃焼装置に用いる燃料及びその製造方法に関するものである。
近年の地球環境問題や、また特に重油など化石燃料の高騰をうけ、廃食油を活用したバイオディーゼル燃料が実用化されつつある。このバイオディーゼル燃料の製造工程には、(1)アルカリ触媒法、固体触媒法、酵素触媒法、無触媒法(亜臨界、超臨界)何れかによるエステル交換(若しくは、エステル化)を行う工程、(2)前記(1)の工程の反応生成物であるグリセリンとメチルエステルとを分層分離する工程、(3)前記(1)の工程で生成するメタノールを回収する工程、(4)メチルエステルを精製してバイオディーゼル燃料油を得る工程、がある。
ところで、現在は、水酸化カリウムを使用したアルカリ触媒法が多用されており、このアルカリ触媒法によってバイオディーゼル燃料を製造すると、精製してバイオディーゼル燃料となるメチルエステルの他に、メタノールおよび廃グリセリンが副生し、その生成比は、概ね、75%、1%で、24%であるとの報告がある(例えば、非特許文献1)。このうち、メタノールは前記(1)のエステル交換の工程で再使用されるが、廃グリセリンは、グリセリンに水分、アルカリ触媒成分(例えば、水酸化カリウム)、メタノール等が結合しており、流動性が低く再利用には不向きとされてきた。
上記した生成比は種々の条件で変動し得るが、現在多用されている上記したアルカリ触媒法でバイオディーゼル燃料を製造すると、大量の廃グリセリンが副生するため、バイオディーゼル燃料の普及にあたって、この廃グリセリンの処理が問題になっている。
最近、この廃グリセリン処理の問題に関し、例えば、廃グリセリンを高温高圧力下で分解してエステル交換の工程の原料であるメタノールに再生する方法(特許文献1)が提案されている。
しかしながら、この方法では、廃グリセリンは殆ど無くなるが、高温高圧処理を行う設備が必要になってしまい、バイオディーゼル燃料の製造コストの増大を招くという問題がある。
特開2005−154647号
環境施設,p32-39 No.98(2004)
上記したバイオディーゼル燃料の製造工程で副生する廃グリセリンは、粘度が高いが、アルコール成分を相当程度含有するものであるから、この粘度を低減して液体燃料として利用できるようになれば、廃グリセリン処理の問題の解決や廃グリセリンの再利用の途が開け、重油、灯油若しくは軽油の代替燃料にもなりうる為、極めて好ましい。
本発明者はこのような考えのもと、グリセリンを重油、灯油や軽油などの他の燃料と混合し得る方法を見出して本発明を完成したものであり、廃グリセリン等を重油、灯油や軽油等の他の燃料と混合することで極めて経済的で秀れた性能を有する燃焼装置に用いる燃料及びその製造方法を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
グリセリンに界面活性剤が添加された燃焼装置に用いる燃料であって、前記界面活性剤は前記グリセリンを内部に取り込んで逆ミセルを形成しており、この逆ミセルが油相に均一に分散せしめられていることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料に係るものである。
また、グリセリンに、水と界面活性剤と無機酸とを攪拌混合した混合溶液を加えて混合グリセリン液を作成し、続いて、この混合グリセリン液に重油、灯油若しくは軽油を加えて攪拌混合して燃焼装置に用いる燃料とすることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法に係るものである。
また、請求項2記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記混合グリセリン液に重油、灯油若しくは軽油を加えて攪拌混合した後、静置して上層を分離し、この上層を燃焼装置に用いる燃料とすることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法に係るものである。
また、請求項2,3いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記グリセリンは、廃食油からディーゼル燃料を製造する工程で副生される廃グリセリンであることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法に係るものである。
また、請求項2〜4いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記界面活性剤は、ポリオキシアルキルエーテルを主体とし、多価アルコール脂肪酸エステルを含有するものであることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法に係るものである。
また、請求項2〜5いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記無機酸は、リン酸、塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸のいずれかであることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法に係るものである。
また、請求項2〜6いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記無機酸の量は、前記グリセリンの体積と、前記重油、灯油若しくは軽油の体積との和に対してほぼ1%〜1.5%(体積比)であることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法に係るものである。
また、請求項2〜7いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記界面活性剤の量は、前記グリセリンの体積と、前記重油、灯油若しくは軽油の体積との和に対してほぼ0.2%〜0.7%(体積比)であることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法に係るものである。
また、請求項2〜8いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記水の量は、前記グリセリンの体積と、前記重油、灯油若しくは軽油の体積との和に対してほぼ1%〜3%(体積比)であることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法に係るものである。
また、請求項2〜9いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記グリセリンは、ほぼ20℃〜60℃に加温されたものであることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法に係るものである。
また、請求項2〜10いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記グリセリンは、濾過により固形物除去処理がなされたものであることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法に係るものである。
また、請求項2〜11いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記重油、灯油若しくは軽油と前記グリセリンとの混合比はほぼ5:5〜8:2(体積比)であることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法に係るものである。
本発明は上述のようにしたから、グリセリンと、重油、灯油若しくは軽油などの他の燃料とを混合した良好に使用しうる燃焼装置に用いる燃料及びその燃料の経済的な製造方法を提供し得ることになる。
本実施例に係る燃焼装置に用いる燃料の製造フローを示す図である。 本実施例に係る燃焼装置に用いる燃料の製造工程を示す図である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
本発明者は、適当な界面活性剤を用いると、グリセリンと、重油、灯油若しくは軽油とを一様に混合できることを見出し、本発明を完成した。
グリセリンに界面活性剤を添加すると、極性分子であるグリセリンと界面活性剤の極性基(若しくは親水基)との間に水素結合が形成され、界面活性剤はその極性基(若しくは親水基)側を内側にして前記グリセリンを内部に取り込み、無極性基(若しくは疎水基)側は外側を向くようになって、前記界面活性剤が前記グリセリンを内部に取り込んだ状態の、所謂逆ミセルが形成される。その結果、この逆ミセルは外面的には無極性的で疎水的な性状を有することになるから、疎水的な性状を有する油相(重油、灯油若しくは軽油)と親和し、この逆ミセルが前記油相に均一に分散し得ることになり、従って、前記グリセリンが前記油相に一様に混合されて可溶状態になった燃焼装置に用いる燃料となる。
また、グリセリンに、水と適当な界面活性剤と無機酸とを攪拌混合した混合溶液を加えて混合グリセリン液を作成し、続いて、この混合グリセリン液に、重油、灯油若しくは軽油を加えて攪拌混合すると、グリセリンと、重油、灯油若しくは軽油とが均一に混合された燃料となる。
また、この混合グリセリン液に、重油、灯油若しくは軽油を加えて攪拌混合した後、一定時間静置すると、ガム質や水やその他の不純物などを含む重液層と、グリセリンと、重油、灯油若しくは軽油とが一様に混合された上層とに分離し、この上層は、グリセリンと、重油、灯油若しくは軽油とが均一に混合された燃料となる。
詳述すると、例えば、バイオディーゼル燃料製造時に副生する廃グリセリンを使って燃料を製造する場合、この廃グリセリンには、前記バイオディーゼル燃料の製造時に用いた油脂や触媒などが含まれているが、この廃グリセリンに前記混合溶液を加え攪拌混合して混合グリセリン液を作成し、続いて、この混合グリセリン液に重油、灯油若しくは軽油とを攪拌混合した後、静置すると、廃グリセリンに含まれていた油脂や触媒成分は、無機酸と水和して下層に水及び固形物として沈殿する一方、上層では、界面活性剤がグリセリンを取り込んだ多数の逆ミセルが概ね疎水的な性状を有する重油、灯油若しくは軽油とは容易に一様に混合する。従って、この上層を分離して抽出すれば、グリセリンと、重油、灯油若しくは軽油とが一様に混合した燃料が容易に得られることになる。
また、この廃グリセリンの代わりにグリセリンを用いても、同様である。
本発明に係る燃料は、重油、灯油や軽油と遜色がない特性を有するから、これら重油、灯油若しくは軽油に混合しても、これら重油、灯油若しくは軽油の特性を阻害せず、よって、重油、灯油若しくは軽油に混合することで重油、灯油若しくは軽油を節約できると共に、従来バイオディーゼル燃料の普及の障害になっていた廃グリセリンの処理問題迄も解決できることになる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、グリセリン(分子式C3H8O3)を収集して、ボイラー等の燃焼装置に用いることのできる燃料の製造方法であって、図1に製造フローを、図2に製造工程を示している。尚、この燃料の製造は、大気圧下の常温で行われるものである。
本実施例で用いるグリセリンはバイオディーゼル燃料を製造した際に副生した廃グリセリンを収集して得たものである。この廃グリセリンは、バイオディーゼル燃料の製造工程で副生したグリセリンの他、エステル交換材としてのメタノール、アルカリ触媒としての水酸化カリウム、及び廃食油などの油脂などを含み、粘度が大きい黒褐色の液体である。
この廃グリセリンは、特に低温では粘性が大きくなり後工程での処理が困難になるので、図1の製造フローに示すように、まず、この廃グリセリンをタンク内で加温することによって粘度を低下させ流動性を増すようにしている。この後、この廃グリセリンの濾過を行ってごみを除去した後、水に界面活性剤を加えて攪拌混合してから無機酸としてリン酸を加えて攪拌混合した混合溶液を前記した濾過されたグリセリン液に加えて攪拌混合して混合グリセリン液を作成する。
続いて、この混合グリセリン液に灯油(若しくは重油)を加えて攪拌混合した後、一定時間静置する。この結果、リン酸とガム質等の不純物が結合した沈殿物からなる下層若しくは中間層と、逆ミセル化したグリセリンと、灯油若しくは重油とが均一に混合した上層とに分層分離され、この下層及び中間層の液体を廃棄して、上層となる液体を分離抽出して燃料を得ることができる。
ここで、無機酸としては、リン酸、塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸のいずれかを使用できるが、本実施例では、リン酸を用い、前記廃グリセリンの体積と前記灯油(若しくは重油)の体積との和に対して1.2%量(体積比)を用いた。
また、本実施例で用いた界面活性剤は、非イオン系界面活性剤であって、ポリオキシアルキルエーテルを主体とし、多価アルコール脂肪酸エステルを含むものであり、ポリオキシプロピレン誘導体、不飽和脂肪酸なども含有しており、前記廃グリセリンの体積と前記灯油(若しくは重油)の体積との和に対して0.4%量(体積比)を用いた。
尚、前記界面活性剤と前記リン酸は、前記廃グリセリンの体積と前記灯油(若しくは重油)の体積との和に対して2%量(体積比)の水に予め溶解させている。
前記混合溶液は、前記廃グリセリンの体積と、前記灯油(若しくは重油)の体積との和に対する体積比で2%量の水に、上記0.4%量(体積比)の界面活性剤を加えて溶解させた上で、更に上記1.2%量(体積比)のリン酸を溶解させて作成した。
尚、上述した水,界面活性剤及び無機酸の混合量は本実施例に係る燃料が最適な燃焼状態になるように実験的に決定されたものである。
図2は、具体的に廃グリセリンからこの燃料を製造する工程を示している。
この製造工程は、加温機付きのタンク1と、一次濾過機2と、ギアポンプ3と、二次濾過機4と、定量供給機5と、攪拌混合機6と、攪拌混合機7と、原油タンク8と、廃液タンク9、燃料タンク10と各種バルブ11〜15から構成されている。
本実施例で用いる廃グリセリンは、バイオディーゼル燃料を製造する多数のプラントで発生したものを収集したものであって、極めて粘度が高く、しかも、ごみや不純物を多く含んでいる。このために、種々のごみを取るためにまず、ヒータ付きタンク1に設けたヒータで加温して、前記廃グリセリンの温度を約40℃に温めることで、前記廃グリセリンの粘度を低下させて流動性を高めて、一次濾過機2及び二次濾過機4がこの廃グリセリンの濾過を行いやすいようにしている。
一方、一次濾過機2と二次濾過機4との間に配置したギアポンプ3の吸引、排出動作によって、前記流動性を高められた廃グリセリンが、前記ヒータ付タンク1から一次濾過機2と二次濾過機4を経由して次段に配置される定量供給機5に供給されるように構成している。一次濾過機2は、荒いごみを除去するものであり、二次濾過機4は細いごみを除去するものであるが、いずれか一方のみ設けることでもよい。
また、予め、水に界面活性剤を溶解させよく攪拌混合後、更に、リン酸を溶解させて攪拌混合した混合溶液を調製しておく。
更に、二次濾過機4の次段に設けた定量供給機5は、前記二次濾過機4から排出される廃グリセリンの流量に対して、上記混合溶液と原油タンク8の灯油(若しくは重油)の各々が次段の攪拌混合機6へ供給される供給量を制御する。
尚、前記混合溶液は、前記廃グリセリンの体積と、前記灯油(若しくは重油)の体積との和に対する体積比で2%量の水に、0.4%量(体積比)の界面活性剤を加えて攪拌混合した上で、更に、1.2%量(体積比)のリン酸を加えて攪拌混合して調製した溶液である。
上記定量供給機5で流量が制御された、濾過済みの廃グリセリン液をバルブ13を開閉して攪拌混合機6に所定量流し入れて、バルブ12を開閉して所要量の前記混合溶液を攪拌混合機6に加えて攪拌混合を行ったうえで、次に、バルブ11を開閉して所定量の灯油(若しくは重油)を加えて攪拌混合を行う。その後、攪拌混合機6の攪拌を停止して10〜60分程度静置すると、ガム質や不純物が沈殿して下層及び中間層を形成し、グリセリンと灯油(若しくは重油)との混合液が上層を形成するように分層分離するから、バルブ14を開閉して下層及び中間層を廃棄し、バルブ15を開くと上層の液体を分離することができ、この分離した上層を燃料として燃料タンク10に貯蔵する。
尚、前記分層分離機6における静置時間は、前記分層分離機6を複数台設けることによって実質的に短縮することが可能である。
このようにして製造された本実施例の燃料と、重油、灯油及び廃グリセリンの各々をボイラーで燃焼させて燃焼試験を行った結果を表1に示す。
Figure 2010095714
この結果から、熱量が著しく劣る廃グリセリンを灯油若しくは重油に体積比で40%を混合した本実施例の燃料の熱量は、灯油単独の熱量の92%以上、また、重油単独の熱量の90%程度は維持できることがわかる。従って、廃グリセリンを灯油若しくは重油と混合しても、熱量的に問題がなく十分実用に供することが可能な燃料になることが確認された。
本実施例は上述のように、リン酸による廃グリセリンに含まれる不純物の除去を行うと共に適当な界面活性剤を用いてグリセリンの逆ミセル化を行うから、もともと燃料としては不向きであるグリセリンを灯油や重油などの化石燃料と良好に混合できるようになり、従って、灯油や重油などの化石燃料の使用量を大幅に低減できることになる(本実施例は灯油や重油の使用量を40%削減したことに相当する。)。
また、本実施例による燃料は、燃焼させた際の発熱量が、原料の灯油若しくは重油の発熱量の90%以上あり、原料の灯油若しくは重油と遜色ない燃焼能力を有しているから、極めて経済的で燃焼能力のよい燃焼装置用の燃料になる。
また、本実施例に係る製造方法は、特段複雑な装置を有しない為、極めて経済的に秀れた製造方法となる。
更に、従来困難とされていた廃グリセリンを再利用して廃グリセリン問題を解決し得るから、バイオディーゼル燃料の普及に当たっての前記障害を取り除くことができることになる。
尚、バイオディーゼル燃料の製造の際の副生物である廃グリセリンを用いず、他の工程で生成したグリセリン(純グリセリンを含む)であってもよいことはもちろんである。
また、本実施例は上述のように、グリセリンに、水と界面活性剤と無機酸とを攪拌混合した混合溶液を加えて混合グリセリン液を作成し、続いて、この混合グリセリン液に重油、灯油若しくは軽油を加えて攪拌混合した後、静置して上層を分離し、この上層を燃焼装置に用いたが、この静置して上層を分離する工程を省略し、混合グリセリン液に重油、灯油若しくは軽油を加え攪拌混合し、そのまま燃料としてもよい。
詳細には、混合グリセリン液に重油、灯油若しくは軽油を加え攪拌混合しながら、若しくは灯油若しくは軽油を加え攪拌混合したものを燃焼させることでもよく、例えば大豆由来の油脂に含まれているグリセリンを主要成分とする廃グリセリンを使用する場合には、このように上層を分離する手間を省略することが可能であり、また、前記上層を燃料とする場合と比較して燃焼能力もほぼ同等であることを確認している。
本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。

Claims (12)

  1. グリセリンに界面活性剤が添加された燃焼装置に用いる燃料であって、前記界面活性剤は前記グリセリンを内部に取り込んで逆ミセルを形成しており、この逆ミセルが油相に均一に分散せしめられていることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料。
  2. グリセリンに、水と界面活性剤と無機酸とを攪拌混合した混合溶液を加えて混合グリセリン液を作成し、続いて、この混合グリセリン液に重油、灯油若しくは軽油を加えて攪拌混合して燃焼装置に用いる燃料とすることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法。
  3. 請求項2記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記混合グリセリン液に重油、灯油若しくは軽油を加えて攪拌混合した後、静置して上層を分離し、この上層を燃焼装置に用いる燃料とすることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法。
  4. 請求項2,3いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記グリセリンは、廃食油からディーゼル燃料を製造する工程で副生される廃グリセリンであることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法。
  5. 請求項2〜4いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記界面活性剤は、ポリオキシアルキルエーテルを主体とし、多価アルコール脂肪酸エステルを含有するものであることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法。
  6. 請求項2〜5いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記無機酸は、リン酸、塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸のいずれかであることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法。
  7. 請求項2〜6いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記無機酸の量は、前記グリセリンの体積と、前記重油、灯油若しくは軽油の体積との和に対してほぼ1%〜1.5%(体積比)であることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法。
  8. 請求項2〜7いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記界面活性剤の量は、前記グリセリンの体積と、前記重油、灯油若しくは軽油の体積との和に対してほぼ0.2%〜0.7%(体積比)であることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法。
  9. 請求項2〜8いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記水の量は、前記グリセリンの体積と、前記重油、灯油若しくは軽油の体積との和に対してほぼ1%〜3%(体積比)であることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法。
  10. 請求項2〜9いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記グリセリンは、ほぼ20℃〜60℃に加温されたものであることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法。
  11. 請求項2〜10いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記グリセリンは、濾過により固形物除去処理がなされたものであることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法。
  12. 請求項2〜11いずれか1項に記載の燃焼装置に用いる燃料の製造方法において、前記重油、灯油若しくは軽油と前記グリセリンとの混合比はほぼ5:5〜8:2(体積比)であることを特徴とする燃焼装置に用いる燃料の製造方法。
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