JP2003089958A - 熱接着性ポリエステル短繊維 - Google Patents
熱接着性ポリエステル短繊維Info
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Abstract
ド不織布に工程で、セルロース系繊維と均一に混ざり合
って、構成繊維同士を確実に接着させ、優れた品質の不
織布を作り出す熱接着性繊維を提供すること。 【解決手段】 熱接着性成分が融点110〜200℃で
あるポリエステルからなり、単糸繊度0.5〜100デ
シテックス、繊維長3〜25mmである熱接着性ポリエ
ステル短繊維とする。
Description
ース系繊維を主体繊維として成型されるエアレイド法に
よる不織布の熱接着性繊維に関する。更に詳しくは、セ
ルロース系繊維との混綿性および接着性が良好で、セル
ロース系繊維の剥離または脱落が起り難いポリエステル
系熱接着性繊維に関するものである。
して、エアレイド法がある。エアレイド法は、従来のカ
ード法では達成できなかった300m/分超の高速でウ
ェブが成型可能であり、カード成型不可であるパルプ等
のセルロース系繊維からも嵩高ウェブを得ることができ
る。また、抄紙工程では不可欠の排水処理が不要となる
等の利点があり、セルロース系繊維を主体繊維とする乾
式不織布の製造方法として広く採用されている。
イド不織布のバインダーとして、接着剤を含浸させるケ
ミカルボンド法の他に、熱接着性繊維を混綿し、熱処理
するサーマルボンド法が提案されている。
セルロース系繊維との接着性が良好であるポリオレフィ
ン系熱接着性繊維として、不飽和カルボン酸あるいはそ
の酸無水物から選ばれた少なくとも1種を含むビニルモ
ノマー変成ポリオレフィンを熱接着性成分とした複合繊
維を提案している。しかし、このような変成ポリオレフ
ィンは繊維摩擦が大きいためにエアレイド法による空気
開繊性は不良であり、開繊性が向上するまでの平滑性を
得るには同公報にあるようなポリオルガノシロキサンを
繊維表面に付与することが必要である。このようなポリ
オルガノシロキサンの付与は、繊維同士の接着性を阻害
したり、セルロースの親水性を低下させ静電気を誘発す
る等の問題を生ずる。さらに、そのような静電気を抑制
するためには、第4級アンモニウム塩のようなカチオン
系制電剤を10%以上も加える必要があり、皮膚刺激性
を誘発するという悪循環をもたらし、実用面で問題を生
じている。
術を背景になされたもので、その目的は、セルロース系
繊維を主体繊維とするエアレイド不織布において、セル
ロース系繊維との混綿性および接着性が良好で、かつセ
ルロース系繊維の剥離または脱落が起り難い熱接着性繊
維を提供することにある。
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達
した。即ち本発明の目的は、セルロース系繊維と併用し
て用いられる、熱接着性成分が少なくともその繊維表面
に露出してなるエアレイド用熱接着性短繊維であって、
熱接着性成分が融点110〜200℃であるポリエステ
ルからなり、単糸繊度0.5〜100デシテックス、繊
維長3〜25mmである熱接着性ポリエステル短繊維に
よって達成された。
細に説明する。先ず、本発明の熱接着性ポリエステル短
繊維の機能を明らかにするために、エアレイド法不織布
製造工程の概略を以下に説明する。本方式においては、
不織布の基質であるセルロース系繊維として、パルプを
粉砕機により繊維状に粉砕したものが使用される(以下
セルロース系繊維と称する)。粉砕されたセルロース系
繊維は送綿循環ダクトへ送られる。一方、熱接着性短繊
維は、開繊機に投入され、均一な状態に開繊させた後、
送綿循環ダクトへ送られる。熱接着性短繊維とセルロー
ス系繊維とは送綿循環ダクト内で混綿され、エアレイド
機に供給される。混綿された繊維は、エアレイド機に備
えられた回転しているメッシュドラム表面の小孔スクリ
ーン部位より吐出され、サクション装置で吸引され、積
層された繊維集合体となる。ここで、積層された繊維集
合体中における熱接着性短繊維は、何れの方向にも均一
分散されていなければならない。このように、熱接着性
短繊維が均一分散されていることによって、接合点が均
一に分散され、その結果、構成繊維成分の剥離または脱
落が少ない、優れた強度を持つ不織布強度が形成され
る。
ライヤー、カレンダーヒートローラー、エンボスヒート
ローラー等の方法で加熱処理し熱接着させる。熱接着性
成分の融点以上の温度で加熱処理を施すことによって、
熱接着性短繊維の熱接着性成分が溶融し熱接着性短繊維
同士、もしくはそれとセルロース系繊維との交点とが熱
接着され、不織布となる。交点が多くなるほど不織布が
強固となり、構成繊維素材の剥離または脱落が防止され
不織布自体の強度も向上するので、熱接着温度は注意深
く管理しなければならない。なお、熱接着性短繊維が複
数種のポリマーからなる複合繊維の場合は、高融点側ポ
リマーの融点より高い温度にならないように熱処理温度
を設定し、構成繊維間の過剰な融着を防ぐことが肝要で
ある。
熱接着性成分が融点110〜200℃であるポリエステ
ルからなり、単糸繊度0.5〜100デシテックス、繊
維長3〜25mmである特性を有しており、上記のよう
なエアレイド法不織布製造において、セルロース系繊維
との優れた混綿性および強固な接着性を発揮する。この
ように、エアレイド法不織布製造工程において、本発明
の熱接着性ポリエステル短繊維を使用すれば、セルロー
ス系繊維の剥離または脱落が起り難い優れた品質の不織
布を製造することができる。
ステルの場合は、熱接着性ポリエステル短繊維を製造す
る際の乾燥工程において、100℃近傍で単糸融着が発
生し、エアレイド開繊機での開繊が不良であり、セルロ
ース系繊維との均一な混綿ができない。あるいは熱接着
性ポリエステル短繊維の乾燥温度を100℃より低くす
ると、熱接着性ポリエステル短繊維中の水分含有率が高
いままとなり、エアレイド開繊機での開繊が不良であ
り、セルロース系繊維との均一な混綿ができない。な
お、繊維含水率としては、0.7重量%以下とすること
が空気開繊性の面で適切である。更に好ましい範囲は
0.5重量%以下である。
エステルの場合は、熱接着が起こり難くなり、熱接着交
点が少なく、不織布強度が低下する。また、高い温度で
の熱接着はセルロース系繊維の過剰な乾燥をもたらし、
不織布の寸法変化を来たす。
維の繊維長は3〜25mmの範囲にあることが、エアレ
イド法で十分な空気開繊性を得るために必要である。繊
維長が3mm未満ではバインダーとしてセルロース系繊
維を固着する性能が小さく、剥離または脱落し易くな
る。一方、繊維長が25mmを超えると、エアレイド法
での空気開繊性が不良となる。
維の繊度は0.5〜100デシテックスの範囲でなけれ
ばならない。繊度が0.5デシテックス未満ではバイン
ダーとしてセルロース系繊維を固着する性能が小さく、
剥離または脱落し易くなる。一方、100デシテックス
を越えると、セルロース系繊維との混綿性が悪くなり、
同じく剥離または脱落し易くなる。
熱接着性成分として用いられるポリエステルの一つの実
施態様は、酸成分の40〜100モル%がテレフタル酸
成分、60〜0モル%がイソフタル酸成分であり、グリ
コール成分の30〜100モル%がテトラメチレングリ
コール成分またはヘキサメチレングリコール成分であ
る、融点が110〜200℃の範囲である芳香族ポリエ
ステルが挙げられる。
して、40〜100モル%のテレフタル酸成分、60〜
0モル%がイソフタル酸成分であり、グリコール成分と
して、30モル%以上がテトラメチレングリコールまた
は/およびヘキサメチレングリコールであれば、その他
の酸成分として、アルカリ金属塩スルホイソフタル酸、
アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、その他の共重合
ジオール成分として、エチレングリコール、トリメチレ
ングリコール等のアルキレングリコールやジエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリア
ルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジ
オール、ビスフェノールA等の芳香族ジオール等を、融
点が110〜200℃となり得る範囲で含み得るもので
ある。
ル酸成分の標記は、該ポリエステルが、テレフタル酸お
よび/またはテレフタル酸ジメチルとイソフタル酸およ
び/またはイソフタル酸ジメチルとグリコール成分とを
重縮合触媒存在下で、エステル化反応またはエステル交
換反応せしめて得られることを示唆しており、重縮合触
媒としては、チタン化合物が好ましく、特にチタニウム
テトラブトキサイドが好ましい。このチタン化合物はエ
ステル交換反応触媒能も有しているため、エステル交換
触媒として用いてもよい。
0モル%を超えると、融点よりもかなり低い温度から軟
化が始まり、油剤エマルジョンを付与した後の熱風乾燥
工程において、乾燥温度を100℃近傍にすると、繊維
が融着を起こす。その結果、融着を生じない乾燥温度で
処理せざるを得ず、繊維の含水率が高くなるために空気
開繊性が悪化するといった不都合が生じる。
て用いられるポリエステルのもう一つの実施態様とし
て、脂肪族ポリエステル系重合体が挙げられる。例え
ば、ポリ(α−ヒドロキシ酸)のようなポリグリコール
酸やポリ乳酸からなる重合体またはこれらの共重合体
が、また、ポリ(ε−カプロラクトン),ポリ(β−プ
ロピオラクトン)のようなポリ(ω−ヒドロキシアルカ
ノエート)が、さらに、ポリ−3−ヒドロキシプロピオ
ネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−
ヒドロキシカプロレート、ポリ−3−ヒドロキシヘプタ
ノエート、ポリ−3−ヒドロキシオクタノエート及びこ
れらとポリ−3−ヒドロキシバリレートやポリ−4−ヒ
ドロキシブチレートとの共重合体のようなポリ(β−ヒ
ドロキシアルカノエート)が挙げられる。
体からなるものとして、例えば,ポリエチレンオキサレ
ート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペ
ート、ポリエチレンアゼレート、ポリブチレンオキサレ
ート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペ
ート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセ
バケート、ポリネオペンチルオキサレートまたはこれら
の共重合体が挙げられる。
化時においてセルロース系繊維との粘着性が大きいの
で、本発明の繊維とセルロース系繊維と混綿したエアレ
イド成形よりなる繊維集合体は、熱処理により両者が強
力に接着し、加工工程中などでセルロース系繊維の不織
布からの剥離、脱落が少なくなる。しかも、不飽和カル
ボン酸ビニルモノマー変成ポリオレフィン系の熱接着性
繊維と比べて接着障害となりうる平滑成分の油剤を使用
せずとも良好な空気開繊性が得られるので、剥離・脱落
率10%以内を達成することができる。
維中のバインダーとして用いるため、熱接着性成分のみ
からなる繊維であってもよいが、寸法安定性や立体捲縮
などの特殊形状を付与したりする目的で、熱接着性成分
より高融点のポリエステルを、熱接着性成分が繊維表面
の少なくとも一部を長さ方向に連続して形成するように
配した複合繊維としてもよい。
とも一部を形成するように並列型、または熱接着性成分
を鞘成分とし、高融点ポリエステルを芯成分とする鞘芯
型、若しくは偏芯鞘芯型があげられ、公知の複合紡糸口
金を用いて得ることができる。
ともそれなりの接着力を示すが、通常、繊維断面円周の
50%以上暴露していれば接着力は充分であり、特に5
0〜100%の場合極めて強力である。
レンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレン
テレフタレートや、ポリエチレンナフタレートが力学物
性の面で好ましいが、先に述べたポリアルキレンテレフ
タレート・イソフタレート共重合体や脂肪族ポリエステ
ルのうち、熱接着性成分より高融点のものを選択しても
よい。
0/80〜100/0の範囲が好ましく、熱接着性成分
が20%未満となると接着性が低下し、セルロース系繊
維の剥離または脱落が多くなる。
る樹脂には、本発明の効果を妨げない範囲内でさらに、
酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、造核
剤、エポキシ安定剤、滑剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止
剤、顔料、可塑剤などの添加剤を適宜必要に応じて添加
してもよい。
率で0.1〜5%のタルクを含有させることが好まし
い。これにより、繊維摩擦が低下し、空気開繊性が更に
向上するし、セルロース系繊維の剥離または脱落がより
少なくなる。
維に使用するため、できるだけ微粒子とすることが好ま
しく、粒度が1000メッシュ以下のものが使用され
る。更に好ましい粒度は2000メッシュ以下である。
離・脱落防止性に優位差が確認できず、また5重量%を
超えると、セルロース系繊維との接着性が小さくなるた
め、本目的の剥離・脱落率を達成することができない。
より好ましい含有率は1〜3重量%の範囲である。
説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で測
定した。 (1)融点 パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DSC−2型を用
い,昇温速度20℃/分の条件で測定し,得られた融解
吸熱曲線において極値を与える温度を融点とした。 (2)捲縮数 JIS−L−1015に準じて測定した。 (3)単糸繊度 JIS−L−1015に準じて測定した。 (4)繊維含水率 JIS−L−1096に準じて測定した。 (5)目付 面積50cm×50cmの不織布の重量を秤量し、単位
面積当たりの重量(g/m2)で表わした。 (6)剥離・脱落率 所定長の熱接着性短繊維とパルプを20:80の混綿率
でエアレイド法により、目付80g/m2のウェブと
し、スルーエアー加工温度140℃で熱処理を行って不
織布とした。面積10cm×10cmの不織布の重量
(W1)を測定し、次にカード機のフライコム部に取り
付け、振幅3cm、振幅回数1700rpmの条件で3
分間振動させた後の重量(W2)を測定し、次式より算
出した。 {(W1)−(W2)}÷(W1)×100=剥離・脱
落率(%)。 (7)熱接着性繊維分散性 エアレイド法で作成した不織布サンプルを0.1重量%
の赤インクの水溶液でパルプを染色し、インクに染まら
ない熱接着接着性繊維の不織布中の分散状態を観察し、
以下の3段階に格付けした。 レベル1:繊維塊が無く、表面が均一で濃淡がほとんど
認められない。 レベル2:小さな繊維塊が少し認められる。表面は軽度
の濃淡が認められる。 レベル3:繊維が凝集し毛玉状の塊が斑となっている。
表面が不均一で濃淡差が大きい。
で示すポリエステルを8時間減圧乾燥した後、紡出温度
240℃で孔径0.5mmの紡糸孔を36孔有する紡糸
口金を通して溶融紡出し、紡出糸条を25℃の冷風で冷
却した後、捲取速度1000m/分で一旦捲き取って未
延伸糸条を得た。
倍で延伸し、ラウリルホスフェートカリウム塩/ポリオ
キシエチレン変成シリコン=80/20からなる油剤の
水溶液に延伸糸条を浸漬した後、スタッフイングボツク
スを用いて11個/25mmの機械捲縮を付与し、13
0℃で乾燥した後、繊維長5.0mmに切断して、単糸
繊度2.0dtexの熱接着性ポリエステル短繊維を得
た。
繊維含水率は0.4重量%、エアレイド法で作成した不
織布サンプルの熱接着性繊維の分散は良好でレベル1に
格付けされた。剥離・脱落率は3.2%と良好であっ
た。
で示すポリエステルを8時間減圧乾燥した後、紡出温度
240℃で孔径0.5mmの紡糸孔を36孔有する紡糸
口金を通して溶融紡出し、紡出糸条を25℃の冷風で冷
却した後、捲取速度1000m/分で一旦捲き取って未
延伸糸条を得た。
倍で延伸し、ラウリルホスフェートカリウム塩/ポリオ
キシエチレン変成シリコン=80/20からなる油剤の
水溶液に延伸糸条を浸漬した後、スタッフイングボツク
スを用いて11個/25mmの機械捲縮を付与し、11
0℃で乾燥した後、繊維長5.0mmに切断して、単糸
繊度2.0dtexの熱接着性ポリエステル短繊維を得
た。
繊維含水率は0.5重量%、エアレイド法で作成した不
織布サンプルの熱接着性繊維の分散は良好でレベル1に
格付けされた。剥離・脱落率は2.4%と良好であっ
た。
製 「ラクティ」:融点175℃、重量平均分子量20
0,000)を8時間減圧乾燥した後、紡出温度240
℃で孔径0.5mmの紡糸孔を36孔有する紡糸口金を
通して溶融紡出し、紡出糸条を25℃の冷風で冷却した
後、捲取速度1000m/分で一旦捲き取って未延伸糸
条を得た。
倍で延伸し、ラウリルホスフェートカリウム塩/ポリオ
キシエチレン変成シリコン=80/20からなる油剤の
水溶液に延伸糸条を浸漬した後、スタッフイングボツク
スを用いて11個/25mmの機械捲縮を付与し、12
0℃で乾燥した後、繊維長5.0mmに切断して、単糸
繊度2.0dtexの熱接着性ポリエステル短繊維を得
た。
繊維含水率は0.6重量%であり、エアレイド法で作成
した不織布サンプルの熱接着性繊維の分散は良好でレベ
ル1に格付けされた。剥離・脱落率は4.1%と良好で
あった。
で示すポリエステルと固有粘度0.61(オルトクロロ
フェノールを溶媒として、35℃で測定)のポリエチレ
ンテレフタレート(帝人(株)製:融点254℃)と
を、各々8時間減圧乾燥した後、芯鞘型複合溶融装置に
供給し、重量比50/50の複合比率で、熱接着性成分
CPET−1(鞘側)は紡出温度240℃で、ポリエチ
レンテレフタレート(芯側)は紡出温度290℃で、孔
径0.5mmの紡糸孔を36孔有する紡糸口金を通して
溶融紡出し、紡出糸条を25℃の冷風で冷却した後、捲
取速度1000m/分で一旦捲き取って未延伸糸条を得
た。次いで、55℃の温水中で延伸倍率3.6倍で延伸
し、ラウリルホスフェートカリウム塩/ポリオキシエチ
レン変成シリコン=80/20からなる油剤の水溶液に
延伸糸条を浸漬した後、スタッフイングボツクスを用い
て11個/25mmの機械捲縮を付与し、130℃で乾
燥した後、繊維長5.0mmに切断して、単糸繊度2.
0dtexの熱接着性ポリエステル短繊維を得た。
繊維含水率は0.4重量%、エアレイド法で作成した不
織布サンプルの熱接着性繊維の分散は良好でレベル1に
格付けされた。剥離・脱落率は2.8%と良好であっ
た。
で示すポリエステルに予め、タルク粉体(2000メッ
シュ通過)を該ポリエステルに対し2.0重量%となる
ようにブレンダーで混合して減圧乾燥する以外は実施例
1と同じ条件、方法で単糸繊度2.0dtexの熱接着
性ポリエステル短繊維を得た。
繊維含水率は0.4重量%、エアレイド法で作成した不
織布サンプルの熱接着性繊維の分散は良好でレベル1に
格付けされた。剥離・脱落率は2.3%と、極めて良好
であった。
テルの替わりに、表1に示す樹脂略号CPET−3を使
用し、乾燥温度を50℃とした以外は実施例4と同じ条
件、方法で単糸繊度2.0dtexの熱接着性ポリエス
テル短繊維を得た。
繊維含水率は1.3重量%と高く、エアレイド法で作成
した不織布サンプルの熱接着性繊維の分散は、空気分散
性の不良と繊維の収縮が相俟って毛玉状の塊となってお
り、レベル3に格付けされた。剥離・脱落率は25.0
%と多かった。
実施例1と同じ条件、方法で単糸繊度2.0dtexの
熱接着性ポリエステル短繊維を得た。
繊維含水率は0.4重量%と低かったが、繊維長が短す
ぎるため、繊維がパルプに絡んでおらず、熱接着繊維が
斑に凝集しているのが肉眼で観測され、レベル3に格付
けされた。剥離・脱落率は15.3%と多かった。
体繊維とするエアレイド成形不織布に関し、セルロース
系繊維との混綿性および接着性が良好で、かつセルロー
ス系繊維の剥離または脱落が起り難い熱接着性繊維を得
ることができる。接着障害の要因となる特殊な油剤の付
与も必要ないので、更にセルロース系繊維の剥離または
脱落防止効果を改善することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 セルロース系繊維と併用して用いられ
る、熱接着性成分が少なくともその繊維表面に露出して
なるエアレイド用熱接着性短繊維であって、熱接着性成
分が融点110〜200℃であるポリエステルからな
り、単糸繊度0.5〜100デシテックス、繊維長3〜
25mmである熱接着性ポリエステル短繊維。 - 【請求項2】 融点110〜200℃のポリエステル
が、酸成分の40〜100モル%がテレフタル酸成分、
60〜0モル%がイソフタル酸成分であり、グリコール
成分の30〜100モル%がテトラメチレングリコール
成分またはヘキサメチレングリコール成分から構成され
た芳香族ポリエステルである請求項1記載の熱接着性ポ
リエステル短繊維。 - 【請求項3】 融点110〜200℃のポリエステルが
脂肪族ポリエステルである請求項1記載の熱接着性ポリ
エステル短繊維。 - 【請求項4】 熱接着性成分より高融点の樹脂を、熱接
着性成分が繊維表面の少なくとも一部を長さ方向に連続
して形成するように配した複合繊維である、請求項1〜
3のいずれかに記載の熱接着性ポリエステル短繊維。 - 【請求項5】 熱接着性成分中に、該熱接着性成分基準
として重量比率で0.1〜5%のタルクを含む請求項1
〜4のいずれかに記載の熱接着性ポリエステル短繊維。
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