JP2003089755A - アゾレーキ顔料の製造方法 - Google Patents
アゾレーキ顔料の製造方法Info
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Abstract
上と当該インキの乳化量が少なく、印刷機上で過乳化と
なりにくい優れた乳化適性とを有する平版印刷用インキ
を提供出来るアゾレーキ顔料を得る。 【解決手段】 ロジン類の多価金属塩とフェノール類又
はナフトール類とを含有する水性懸濁液と芳香族アミン
類のジアゾニウム塩成分を含む懸濁液とを、直接接触さ
せるか、或いは又、水に注入してカップリング反応を行
い、更にレーキ化を行う事により、従来のロジン類処理
方法に比べて、アゾレーキ顔料の顔料表面の疎水性を高
くする事が出来、これらの方法で得た顔料水ペーストを
用いると平版印刷用インキ調製時のフラッシング性が飛
躍的に向上すること、当該インキの乳化量が少なく印刷
機上で過乳化になりにくい優れた乳化適性を有する平版
印刷用インキを提供出来る。
Description
調製時のフラッシング性向上と当該インキの乳化量が少
なく、印刷機上で過乳化となりにくい優れた乳化適性と
を有する平版印刷用インキを提供できるアゾレーキ顔料
の製造方法に関する。
せる操作をフラッシングと呼び、このフラッシング性を
向上させる方法として、顔料自体のロジン類処理があ
る。この様なロジン類処理を、アゾ顔料に適用する場合
の方法としては、例えばフェノール類又はナフトール類
に水溶性一価金属塩溶液(いわゆるロジンソープ)を添
加し、これと芳香族アミン類のジアゾニウム塩成分を含
む懸濁液とをカップリング反応させてアゾ染料を形成さ
せた後、或いはアゾ染料の形成後に前記水溶性一価金属
塩溶液(いわゆるロジンソープ)を添加した後、塩化カ
ルシウム等のレーキ用金属塩を添加してアゾ染料と接触
するロジン類を水難溶性又は水不溶性の多価金属塩とし
てアゾ顔料の表面に析出させる、アゾレーキ顔料の製造
方法が記載されている(特開平10−73963号公報
等)。
ロジン類処理方法では、アゾレーキ顔料の顔料表面の疎
水性を高くする事ができず、こうして得られたアゾレー
キ顔料水ペーストのフラッシング性の向上効果は、不充
分であった。
記実用に鑑みて鋭意検討した結果、ロジン類の多価金属
塩とフェノール類又はナフトール類を含有する水性懸濁
液と芳香族アミン類のジアゾニウム塩成分を含む懸濁液
とを、直接接触させるか、或いは又、水に注入してカッ
プリング反応を行い、更にレーキ化を行う事により、従
来のロジン類処理方法に比べて、アゾレーキ顔料の顔料
表面の疎水性を高くすることができ、これらの方法で得
た顔料水ペーストを用いると平版印刷用インキ調製時の
フラッシング性が飛躍的に向上すること、当該インキの
乳化量が少なく印刷機上で過乳化になりにくい優れた乳
化適性を有する平版印刷用インキが提供できることを見
い出し本発明を完成するに至った。
ロジン類の多価金属塩処理されたアゾレーキ顔料の製造
方法を提供することを目的とする。 (1)ロジン類の多価金属塩とフェノール類又はナフト
ール類を含有する水性懸濁液と芳香族アミン類のジアゾ
ニウム塩成分を含む懸濁液とを、直接接触させカップリ
ング反応を行い、更にレーキ化を行う事を特徴とするロ
ジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料の製造方法。 (2)ロジン類の多価金属塩とフェノール類又はナフト
ール類を含有する水性懸濁液と芳香族アミン類のジアゾ
ニウム塩成分を含む懸濁液とを、水に注入してカップリ
ング反応を行い、更にレーキ化を行う事を特徴とするロ
ジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料の製造方法。 上記(1)と(2)の方法のうち、(2)の方法のほう
が、前記した主たる改良効果に加えてより球形度が高
い、流動性等の良い顔料粒子が得られる、より優れた方
法である。
は、公知慣用のロジン類、例えばアビエチン酸を主成分
とするロジン、不均化ロジン、部分水素添加ロジン、完
全水素添加ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマル酸変
性ロジン、重合ロジンと二価、三価または四価の多価金
属類、例えばCa、Ba、Sr、Al、Zn等の塩(無
機化合物)とを接触させる事により水難溶性又は水不溶
性化した多価金属塩を意味する。なかでも、ロジン類の
多価金属塩がCa塩によるものがフラッシング性の改良
効果が高い点で好ましい。具体的には、ロジン類の多価
金属塩は、上述ロジン類の水溶性一価金属塩溶液である
Na又はK塩溶液と、塩化カルシウム、塩化バリウム、
塩化ストロンチウム、塩化アルミニウム、塩化亜鉛等に
代表される無機塩(無機化合物)とを接触させる事によ
り得られる。
方法は、特に限定されないが、ロジン類の多価金属塩を
微細な粒子として系内に存在させる事が、例えば顔料水
ペーストの様なウエット顔料のフラッシング性、乾燥顔
料粉末の様なパウダー顔料の分散性を改良する効果が高
い。この点から、ロジン類と無機塩(無機化合物)との
接触は、ロジン類成分が0.1〜10重量%の希薄溶液
状態、好ましくは、1〜5重量%の希薄溶液状態で、無
機塩(無機化合物)と接触させる事が好ましく、接触時
の混合速度を高めるため、高速攪拌条件下での接触が特
に好ましい。さらに好ましくは、ロジン類の多価金属塩
の懸濁液をビーズミル等の分散機を使用して更に微細化
させる事が推奨される。
多価金属塩の平均粒径は0.01〜10μmである事が
好ましく、さらに好ましくは、0.01〜2μm、最も
好ましくは0.01〜1μmである。本発明で用いる前
記懸濁液を調製するのに、必要であれば、有機溶媒中で
得られたロジン類の多価金属塩を水で希釈して水性懸濁
液とする事も可能である。
量は、ロジン類の多価金属塩として、得るべきアゾレー
キ顔料に対して3重量%〜20重量%相当量、好ましく
は、4重量%〜15重量%相当量である。ロジン類の多
価金属塩がこの範囲であると、フラッシング性の改良効
果が大きく、着色力も大きくなる傾向がある。特に、4
〜9重量%相当量であると、平版印刷用インキとして使
用した場合、印刷時に使用する湿し水に対する耐性、例
えば耐ブリード性が向上する。
はナフトール類を含有する液と、芳香族アミン類のジア
ゾニウム塩成分を含む懸濁液とを用い、カップリング反
応と金属塩類によるレーキ化を行うことで製造されるも
のであれば良い。ここでレーキ化とは、一般に水に可溶
性の種々な色素を金属塩類又はその他の沈殿剤で水に不
溶性の微粒子として沈殿させて顔料をつくる工程をい
う。
公知慣用のフェノール類又はナフトール類(以下、水性
懸濁液中に含まれるフェノール類又はナフトール類をカ
ップラーと称す)が使用できるが、例えば2−ヒドロキ
シ−3−ナフトエ酸、β−ナフトール等が挙げられる。
また、前記の誘導体、例えば、低級アルキル基、アルコ
キシ基またはハロゲン原子で置換された化合物であって
も良い。
は、公知慣用の方法がいずれも採用できるが、例えばフ
ェノール類や、ナフトール類を温水に分散させてアルカ
リ性として溶解させれば良い。液性をアルカリ性とする
には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が使用でき
る。
としては、公知慣用の芳香族アミン類のジアゾニウム塩
(以下、ジアゾニウム塩と称す)が使用できる。芳香族
アミン類としては、可溶性基を有するものが好ましく、
例えば4−アミノトルエン−3−スルホン酸(p−トル
イジン−m−スルホン酸:4B酸)、4−アミノ−2−
クロロトルエン−5−スルホン酸(2B酸)、3−アミ
ノ−6−クロロトルエン−4−スルホン酸(C酸)、2
−アミノナフタレン−1−スルホン酸(トビアス酸)等
が例示される
を含む懸濁液を得るには、公知慣用の方法がいずれも採
用できる。例えば芳香族アミン類を酸性かつ0℃〜5℃
とし、攪拌下に亜硝酸塩水溶液を加えてジアゾ化する様
にすれば良い。液性を酸性とするには塩酸や硫酸等の無
機酸が、亜硝酸塩としては亜硝酸ナトリウム等が使用で
きる。
と、ジアゾニウム塩成分との組合せ(好適なアゾレーキ
顔料)は、4−アミノ−2−クロロトルエン−5−スル
ホン酸(2B酸)と2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸と
の組合せ(バリウムレーキされたものはC.I.ピグメ
ントレッド48:1、カルシウムレーキされたものは同
48:2、ストロンチウムレーキされたものは同48:
3)、3−アミノ−6−クロロトルエン−4−スルホン
酸(C酸)と2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸との組合
せ(カルシウムレーキされたものは同52:1)、4−
アミノトルエン−3−スルホン酸(4B酸)と2−ヒド
ロキシ−3−ナフトエ酸との組合せ(カルシウムレーキ
されたものは同57:1)等があげられる。中でも、環
境面で優れる塩素不含のアゾレーキ顔料であるが、顔料
表面の親水性が高くフラッシング性が劣っているC.
I.ピグメント57:1のフラッシング速度の改良効果
が高い。
ナフトール類を含有する水性懸濁液は、カップラーを水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリに溶解さ
せる事により得られるアルカリ性のカップラー溶液と、
ロジン類の多価金属塩とを混合する事により得られる。
ナフトール類を含有する水性懸濁液に、ジアゾニウム塩
を直接接触させてカップリング反応を行う方法として
は、攪拌状態にあるロジン類の多価金属塩とフェノー
ル類又はナフトール類を含有する水性懸濁液に、ジアゾ
ニウム塩を添加する方法、攪拌状態にあるジアゾニウ
ム塩に、ロジン類の多価金属塩とフェノール類又はナフ
トール類を含有する水性懸濁液を添加する方法がある。
のような酸性溶液中では、分解する傾向があり、フラッ
シング性の改良効果は、よりのほうが高い。すなわ
ち、本発明において、ロジン類の多価金属塩とフェノー
ル類又はナフトール類を含有する水性懸濁液に、ジアゾ
ニウム塩を直接接触させてカップリング反応を行う方法
としては、攪拌状態にあるロジン類の多価金属塩とフェ
ノール類又はナフトール類を含有する水性懸濁液に、ジ
アゾニウム塩を添加する方法が好ましい。なかでも、液
温が−2℃〜10℃に調整されたカップラー成分に、1
0分から60分かけてジアゾニウム塩成分を添加するの
が好ましい。こうして、ロジン類の多価金属塩で処理さ
れたアゾ染料の懸濁液が得られる。
塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化アルミニウ
ム、塩化亜鉛等に代表される無機塩(無機化合物)とを
接触させる事により得られる。この多価金属塩として
は、ロジン類の多価金属塩を調製する際に用いた前記無
機塩(無機化合物)をいずれも用いることが出来る。こ
の多価金属塩は、水溶液としてレーキ化に用いることが
出来る。この多価金属塩を構成する多価金属類と水溶液
としてレーキ化に用いる多価金属類とは異なってもよい
し、同じであってもよい。好ましくは同じであった方が
よい。レーキ化に用いるこの多価金属塩の使用量は、ア
ゾ染料1モルに対して二価金属塩の場合は1〜2モルで
ある。
処理されたアゾ染料の懸濁液の液性を、アルカリ性、中
でもpH9〜14、特に好ましくは12.5〜14とす
ることは、系内のアゾ染料のレーキ化の速度を適当なも
のとし、粒子形態を整えながら必要な粒子径の顔料粒子
を得ることが出来るので好ましい。
類の多価金属塩処理されたアゾレーキ顔料を含む懸濁液
は、そのままアゾレーキ顔料として使用することも出来
るが、顔料の粒子形態を整えるため、さらに、温度70
〜90℃にて30分〜2時間熟成することが好ましい。
処理されたアゾレーキ顔料を含む懸濁液の液性を酸性〜
アルカリ性に調製することが出来るが、液性をpH11
〜14で熟成を行うと、前記したのと同様に粒子形態を
整える効果があるので好ましい。この熟成時のアゾ顔料
懸濁液のpHは、レーキ化に用いるロジン類の多価金属
塩で処理されたアゾ染料の懸濁液のpHよりも高くなる
様に調節する事が好ましい。
れたアゾレーキ顔料を含む懸濁液は、さらに濾過、洗浄
し、圧搾程度を調節することにより、所望の顔料分を含
む顔料水ペーストやスラリーを得ることが出来る。必要
ならば、これらの操作を繰り返して行い精製することも
可能である。
水、弱アルカリ性水または弱酸性水を用いることが出来
る。
トは、アゾレーキ顔料と水とを含有するものである。
ト中のアゾレーキ顔料の量は、顔料水ペーストの取り扱
いの簡便さから規定できる。これを平版印刷用インキを
調製することを想定して説明すると、顔料水ペースト中
のアゾレーキ顔料の量が少なく、水が多量に含まれてい
ると顔料水ペーストが液状化し、運搬およびフラッシュ
ニーダー等の練肉機械への仕込みが難しくなり好ましく
ない。また、顔料水ペースト中のアゾレーキ顔料の量が
多いと、顔料水ペーストが堅くなり、フラッシュニーダ
ー等の負荷がかかる事になるため好ましくない。
アゾレーキ顔料の比率は、顔料水ペーストに対して20
重量%〜60重量%、好ましくは、25重量%〜50重
量%、最も好ましくは、30重量%〜40重量%であ
る。
形態が変化しない様に、湿潤した顔料分を加熱乾燥した
り、懸濁液をスプレードライヤー、フリーズドライヤー
等で、乾燥することにより、パウダー顔料を得ることが
出来る。本発明の製造方法で得られるパウダー顔料は、
水分を全く含まないか水分を2重量%以下しか含まない
状態まで乾燥したものである。
となった顔料を解す目的で、解砕や粉砕を行うことも出
来るし、粒子径分布を制御するために分級することも出
来る。
フェノール類又はナフトール類を含有する水性懸濁液と
ジアゾニウム塩成分を含む懸濁液とを、直接接触させて
カップリング反応を行う方法の他に、両者を水に注入し
てカップリング反応を行い、更にレーキ化を行う方法が
あり、例えば次の通り実施することが出来る。
成分を含む水性懸濁液全量とジアゾニウム塩成分を含む
懸濁液全量とを各々別個に複数に分割し、分割された個
々の両成分の見掛け注入モル比が一定となる様に、分割
された水性懸濁液と懸濁液とを「交互に」水に注入して
両成分全量をカップリング反応を行い、更にレーキ化を
行う方法。 (2)ロジン類の多価金属塩とカップラー成分を含む水
性懸濁液全量とジアゾニウム塩成分を含む懸濁液全量と
を、両成分の見掛け注入モル比が一定となる様に、少し
ずつ水性懸濁液と懸濁液とを「連続的に」水に注入して
両成分全量をカップリング反応を行い、更にレーキ化を
行う方法。
ング反応に関しては、順に、具体的に次の様にして行う
ことが出来る。 (A)バッチ式攪拌槽内に水を入れ、この攪拌下に、ロ
ジン類の多価金属塩とカップラー成分を含む水性懸濁液
とジアゾニウム塩成分を含む懸濁液とを別々の注入管を
通して、交互に供給する方法において、下記、を交
互に繰り返す方法。 ロジン類の多価金属塩とカップラー成分を含む水性懸
濁液全量のうちの一部を注入管を通して供給する操作。 ジアゾニウム塩成分を含む懸濁液全量のうちの一部を
注入管を通して供給する操作。 (B)バッチ式攪拌槽内に水を入れ、この攪拌下に、ロ
ジン類の多価金属塩とカップラー成分を含む水性懸濁液
とジアゾニウム塩成分を含む懸濁液とを別々の注入管を
通して連続的に供給する方法。
ング反応させる事により得られるアゾ染料は、高速撹拌
装置が付いた分散機で混合攪拌すると、アゾ染料同士が
凝集する傾向が若干あるため、上記(A)および(B)
の方法が推奨される。
ラー成分の一部およびジアゾニウム塩成分の一部とは、
バッチ式攪拌機槽内に供給されるべき水性懸濁液のカッ
プラー成分全量の一部および懸濁液のジアゾニウム塩成
分全量の一部を意味する。いずれの成分にせよ、その全
量を幾つかに分割した結果である一部は、その分割数が
大きくなるほど、より好ましい粒子形態を与える寄与が
大きくなる。
ラーとジアゾニウム塩とのカップリング反応時における
仕込みモル比は、カップラー:ジアゾニウム塩=1:1
で良いが、ややカップラーが過剰の範囲、なかでも1.
0〜1.2:1の範囲とするのが好ましい。水性懸濁液
と懸濁液の注入速度は、カップラーとジアゾニウム塩の
仕込みモル比が上記範囲となる様に調節するのが好まし
い。
初に水と接触させるのは、カップラーであることが好ま
しい。
多価金属塩とカップラー成分を含む水性懸濁液とジアゾ
ニウム塩成分を含む懸濁液とを注入してカップリング反
応させる際の各液温度は、いずれも−2℃〜10℃であ
る事が好ましい。こうして、ロジン類の多価金属塩で処
理されたアゾ染料の懸濁液が得られる。
塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化アルミニウ
ム、塩化亜鉛等に代表される無機塩(無機化合物)とを
接触させる事により得られる。この多価金属塩として
は、ロジン類の多価金属塩を調製する際に用いた前記無
機塩(無機化合物)をいずれも用いることが出来る。こ
の多価金属塩は、水溶液としてレーキ化に用いることが
出来る。この多価金属塩を構成する多価金属類と水溶液
としてレーキ化に用いる多価金属類とは異なってもよい
し、同じであってもよい。好ましくは同じであった方が
よい。レーキ化に用いるこの多価金属塩の使用量は、ア
ゾ染料1モルに対して二価金属塩の場合は1〜2モルで
ある。
処理されたアゾ染料の懸濁液の液性を、アルカリ性、中
でもpH9〜14、特に好ましくは12.5〜14とす
ることは、系内のアゾ染料のレーキ化の速度を適当なも
のとし、粒子形態を整えながら必要な粒子径の顔料粒子
を得ることが出来るので好ましい。
類の多価金属塩処理されたアゾレーキ顔料を含む懸濁液
は、そのままアゾレーキ顔料として使用することも出来
るが、顔料の粒子形態を整えるため、さらに、温度70
〜90℃にて30分〜2時間熟成することが好ましい。
理されたアゾレーキ顔料を含む懸濁液の液性を酸性〜ア
ルカリ性に調製することが出来るが、液性をpH11〜
14で熟成を行うと、前記したのと同様に粒子形態を整
える効果があるので好ましい。この熟成時のアゾ顔料懸
濁液のpHは、レーキ化に用いるロジン類の多価金属塩
で処理されたアゾ染料の懸濁液のpHよりも高くなる様
に調節する事が好ましい。
れたアゾレーキ顔料を含む懸濁液は、さらに濾過、洗浄
し、圧搾程度を調節することにより、所望の顔料分を含
む顔料水ペーストやスラリーを得ることが出来る。必要
ならば、これらの操作を繰り返して行い精製することも
可能である。
水、弱アルカリ性水または弱酸性水を用いることが出来
る。
トは、アゾレーキ顔料と水とを含有するものである。
ト中のアゾレーキ顔料の量は、顔料水ペーストの取り扱
いの簡便さから規定できる。これを平版印刷用インキを
調製することを想定して説明すると、顔料水ペースト中
のアゾレーキ顔料の量が少なく、水が多量に含まれてい
ると顔料水ペーストが液状化し、運搬およびフラッシュ
ニーダー等の練肉機械への仕込みが難しくなり好ましく
ない。また、顔料水ペースト中のアゾレーキ顔料の量が
多いと、顔料水ペーストが堅くなり、フラッシュニーダ
ー等の負荷がかかる事になるため好ましくない。
アゾレーキ顔料の比率は、顔料水ペーストに対して20
重量%〜60重量%、好ましくは、25重量%〜50重
量%、最も好ましくは、30重量%〜40重量%であ
る。
形態が変化しない様に、湿潤した顔料分を加熱乾燥した
り、懸濁液をスプレードライヤー、フリーズドライヤー
等で、乾燥することにより、パウダー顔料を得ることが
出来る。本発明の製造方法で得られるパウダー顔料は、
水分を全く含まないか水分を2重量%以下しか含まない
状態まで乾燥したものである。
となった顔料を解す目的で、解砕や粉砕を行うことも出
来るし、粒子径分布を制御するために分級することも出
来る。
ーストやパウダー顔料は、公知慣用のアゾレーキ顔料の
用途にいずれも使用できる。本発明のアゾレーキ顔料
は、例えば印刷インキ、塗料、プラスチックス、文具、
化粧品、或いはインクジェット記録用インキ、静電荷像
現像用トナー、カラーフィルター等の様な先端技術用途
にも使用出来る。
ヒクル(ワニス)に顔料を分散させる事により生産され
る。顔料を分散させる方法には、3本ロールやビーズ
ミルに代表される分散機を使用して、水を除去したパウ
ダー顔料をビヒクルに分散させる方法、ニーダーフラ
ッシャーに代表される分散機を使用して、水を含有する
顔料水ペーストとビヒクルとを混練して、顔料をビヒク
ルに移行させて水を遊離させる方法により分散させる方
法(フラッシング法)とがある。
水ペーストとして平版印刷用インキに、パウダー顔料と
して平版印刷用インキやグラビア印刷用インキに特に好
適に用いることが出来る。
キの調製時に使用した場合、フラッシング性向上と当該
インキの乳化量が少なく、印刷機上で過乳化になりにく
い優れた乳化適性とを有するインキを作る事ができる。
ストは、樹脂を含む印刷用インキビヒクルとフラッシュ
ニーダーや押し出し機、連続式混練機等の混練機で混練
されて平版印刷用インキに使用することができる。詳し
くは、アゾレーキ顔料を含有する顔料水ペーストと前記
ビヒクルとを混練して、アゾレーキ顔料を前記ビヒクル
に移行させて水を遊離、除去した後、アゾレーキ顔料と
ビヒクルとからなる混合物に残存する水を減圧脱水によ
り取り除いて平版印刷用インキが生産できる。
ーストを用いて平版印刷用インキを調製するに当たって
は、この顔料水ペーストに必要に応じて、第一〜三級の
各種有機アミンを添加することができる。
ダー顔料は、印刷用インキビヒクルとフラッシュニーダ
ーや、三本ロール、二本ロール、押し出し機、連続式混
練機等の混練機で混練されて平版印刷用インキに使用す
ることができる。
ロジン変成フェノール樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂等
の樹脂と、アマニ油、桐油、大豆油等の植物油と、n−
パラフィン、イソパラフィン、アロマティック、ナフテ
ン、α−オレフィン等の石油系溶剤からなるものが使用
できる。
まり、すなわち、石油に依存しない社会の構築を目指す
との観点および、生物分解性の高い物質を使用し生物濃
縮や環境残留期間が短い物質を選択するとの観点から、
平版印刷用インキに使用するビヒクルには、n−パラフ
ィン、イソパラフィン、アロマティック、ナフテン、α
−オレフィン等の石油系溶剤を使用する事が避けられつ
つある。したがって、n−パラフィン、イソパラフィ
ン、アロマティック、ナフテン、α−オレフィン等の石
油系溶剤を含む事なく、ロジン変成フェノール樹脂、石
油樹脂、アルキド樹脂等の樹脂と、植物油、特に大豆油
とからなる平版印刷用インキ用ビヒクルを使用する事が
好ましい。
(ドライヤー)を含めて着色硬化皮膜を得ることが出来
る。この際のドライヤーとしては、公知慣用のもの、例
えばナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン等の金属
石鹸を用いることが出来る。一方、ビヒクルとして、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの様な一官能単量
体やジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレートの様な多官能単
量体を用い、光重合開始剤を併用することによって、紫
外線硬化型とすることも出来る。尚、平版印刷用インキ
には、更に各種ワックス、皮張り防止剤等を添加するこ
とも出来る。
下に説明する機構に基づきフラッシング性が向上すると
考えられる。
ーキ顔料の疎水性を高くする効果があるロジン類の多価
金属塩が、反応に用いる液媒体中で、不溶性または難溶
性の微細な粒子として析出するため、アゾレーキ顔料の
表面を効率的に覆う事ができる。
効果があるロジン類の多価金属塩が、ジアゾカップリン
グ反応直後の凝集状態にないアゾ染料と接触するため、
アゾ染料とロジン類の多価金属塩との分布が均一とな
る。このため、レーキ化工程において、ロジン類の多価
金属塩がアゾレーキ顔料の表面を効率的に覆う事ができ
る。しかも、ロジン類の多価金属塩の大部分がアゾレー
キ顔料に強固に吸着している結果、単なるフリーのロジ
ン類の多価金属塩の粒子の含有率は少なくなるので、ア
ゾレーキ顔料の顔料表面の疎水性を高くする効果を妨げ
ない。したがって、平版印刷用インキ調製時、例えばフ
ラッシング工程において、ロジン類の多価金属塩を添加
してもフラッシング性を改良することはできない。
トまたはパウダー顔料として使用すると、ロジン類の多
価金属塩による表面処理が効率よくなされているので、
凝集性が小さく、乳化量の上昇を招くような表面処理剤
を添加する必要がない。また、乳化量が少ないゆえ印刷
機上で過乳化となりにくい。更に、フラッシング法によ
り、顔料を容易に分散でき、着色力の高い平版印刷用イ
ンキを得る事ができる。
詳細に説明する。以下、特に断りがない限り、すべての
温度は摂氏で、「部」および「%」は質量基準とする。
部に分散後、20%塩酸22部を加え、氷を加えて、0
℃に保ちながら30%亜硝酸ソーダ水溶液25.1部を
滴下し、ジアゾニウム塩懸濁液を得た。不均化ロジンの
カリウム塩溶液(不均化ロジンとしての純分25%)2
8.5部(アゾレーキ顔料に対し約14重量%相当量)
を水500部に添加した。攪拌状態にある不均化ロジン
のカリウム塩の希釈液に、塩化カルシウム(純分72
%)1.82部を含む水溶液を添加し、不均化ロジンの
カルシウム塩を含有する懸濁液を得た。この塩の平均粒
径は、8μmであった(懸濁液A)。2−ヒドロキシ−
3−ナフトエ酸20.6部を60℃の温水380部に分
散後、48%苛性ソーダ水溶液20.1部を加えてカッ
プラー溶液を得た。不均化ロジンのカルシウム塩を含有
する懸濁液(懸濁液A)にカップラー溶液を添加し、カ
ップラー液(カップラー成分)とした。カップラー液
(カップラー成分)を0℃まで冷却後、攪拌しながら上
記ジアゾニウム塩懸濁液を30分間かけて滴下した。0
〜3℃で60分間攪拌してカップリング反応を終了さ
せ、染料懸濁液を得た。塩化カルシウム(純分72%)
20.18部を水90部に溶解した水溶液を加え、60
分間攪拌してレーキ化を終了させた。レーキ化反応終了
後、30℃で60分間加熱しつつ攪拌し、不均化ロジン
のカルシウム塩処理されたカルシウム(以下、Ca)レ
ーキアゾ顔料(C.I.ピグメントレッド57:1)の
水中懸濁液を得た。その後、60℃まで加熱し、60分
間攪拌した。塩酸にてpHを7.6に調整後、濾過、水
洗、圧搾して、含水率65%の顔料水ペースト1を得
た。
部に分散後、20%塩酸22部を加え、氷を加えて、0
℃に保ちながら30%亜硝酸ソーダ水溶液25.1部を
滴下し、ジアゾニウム塩懸濁液を得た。2−ヒドロキシ
−3−ナフトエ酸20.6部を60℃の温水880部に
分散後、48%苛性ソーダ水溶液20.1部を加えてカ
ップラー溶液を得た。カップラー溶液を0℃まで冷却
後、攪拌しながら上記ジアゾニウム塩懸濁液を30分間
かけて滴下した。0〜3℃で60分間攪拌してカップリ
ング反応を終了させ、染料懸濁液を得た。染料懸濁液に
不均化ロジンのカリウム塩溶液(不均化ロジンとしての
純分25%)28.5部(アゾレーキ顔料に対し約14
重量%相当量)を添加し、30分間攪拌した。塩化カル
シウム(純分72%)22部を水90部に溶解した水溶
液を加え、60分間攪拌してレーキ化を終了させた。レ
ーキ化反応終了後、30℃で60分間加熱しつつ攪拌
し、不均化ロジンのカリウム処理されたCaレーキアゾ
顔料(C.I.ピグメントレッド57:1)の水中懸濁
液を得た。その後、60℃まで加熱し、60分間攪拌し
た。塩酸にてpHを7.6に調整後、濾過、水洗、圧搾
して、含水率66%の顔料水ペースト2を得た。
部に分散後、20%塩酸22部を加え、氷を加えて、0
℃に保ちながら30%亜硝酸ソーダ水溶液25.1部を
滴下し、ジアゾニウム塩懸濁液を得た。2−ヒドロキシ
−3−ナフトエ酸20.6部を60℃の温水880部に
分散後、48%苛性ソーダ水溶液20.1部と、不均化
ロジンのカリウム塩溶液(不均化ロジンとしての純分2
5%)28.5部(アゾレーキ顔料に対し約14重量%
相当量)を加えてカップラー溶液を得た。カップラー溶
液を0℃まで冷却後、攪拌しながら上記ジアゾニウム塩
懸濁液を30分間かけて滴下した。0〜3℃で60分間
攪拌してカップリング反応を終了させ、染料懸濁液を得
た。塩化カルシウム(純分72%)22部を水90部に
溶解した水溶液を加え、60分間攪拌してレーキ化を終
了させた。レーキ化反応終了後、30℃で60分間加熱
しつつ攪拌し、不均化ロジンのカリウム塩処理されたC
aレーキアゾ顔料(C.I.ピグメントレッド57:
1)の水中懸濁液を得た。その後、60℃まで加熱し、
60分間攪拌した。塩酸にてpHを7.6に調整後、濾
過、水洗、圧搾して、含水率66%の顔料水ペースト3
を得た。
部に分散後、20%塩酸22部を加え、氷を加えて、0
℃に保ちながら30%亜硝酸ソーダ水溶液25.1部を
滴下し、60分攪拌後、さらに塩化カルシウム(純分7
2%)22部を水90部に溶解した水溶液を加え、ジア
ゾニウム塩懸濁液を得た。2−ヒドロキシ−3−ナフト
エ酸20.6部を60℃の温水880部に分散後、48
%苛性ソーダ水溶液20.1部と、不均化ロジンのカリ
ウム塩溶液(不均化ロジンとしての純分25%)28.
5部(アゾレーキ顔料に対し約14重量%相当量)を加
えてカップラー溶液を得た。カップラー溶液を0℃まで
冷却後、攪拌しながら上記ジアゾニウム塩懸濁液を30
分間かけて滴下した。0〜3℃で60分間攪拌してカッ
プリング反応とレーキ化反応を同時に終了させた。反応
終了後、30℃で60分間加熱しつつ攪拌し、不均化ロ
ジンのカリウム塩処理されたCaレーキアゾ顔料(C.
I.ピグメントレッド57:1)の水中懸濁液を得た。
その後、60℃まで加熱し、60分間攪拌した。塩酸に
てpHを7.6に調整後、濾過、水洗、圧搾して、含水
率65%の顔料水ペースト4を得た。
ジンのカルシウム塩を含有する懸濁液(懸濁液A)を、
スラリー濃度約1.5%、流量8L/h、内温30℃、
内圧1Bar、ビーズ充填率90%、パス回数1回の分
散条件でダイノーミル(KDL−Special型)に
通して、平均粒径が0.9μmに微細化した不均化ロジ
ンのカルシウム塩を含有する懸濁液(懸濁液B)を使用
すること以外は、実施例1と同様にして、含水率67%
の顔料水ペースト5を得た。
較例2、比較例3、実施例2で得られた顔料の平版印刷
用インキ試験を実施した。平版印刷用インキ用ビヒクル
(ロジン変性フェノール樹脂を含有し、n−パラフィ
ン、イソパラフィン、アロマティック、ナフテン、α−
オレフィン等の石油系溶剤を含有しない液媒体)200
部と、90℃での乾燥固形分100部相当の顔料水ペー
ストを1Lフラッシャーに仕込み、1Lフラッシャーを
稼働し、60℃でフラッシングを行った。顔料水ペース
トを1Lニーダーに仕込み、1Lニーダーを稼働し始め
てから、顔料水ペースト中より透明なフラッシング排水
が遊離するまでの時間をフラッシング時間として記録し
た。このフラッシング時間が短い顔料水ペーストをフラ
ッシング性が優れた顔料水ペーストであると判定する。
生じたフラッシング排水を除去した後、100℃、70
mmHgで1時間の減圧加熱脱水を実施した。室温まで
冷却後、ビヒクル84.6部を添加して平版印刷インキ
用ベースインキを作製した。さらに、3本ロールを使用
して、このベースインキ66部をビヒクル34部ととも
に練肉分散し、模擬平版印刷用インキ(ドライヤーを含
める前の平版印刷用インキ)を調整した。
比較例1、比較例2、比較例3、実施例2で得られた顔
料を使用して平版印刷用インキ用ベースインキを作製す
る際のフラッシング時間を表1に示す。
用いて乳化試験を行った。試験法としては、平版インキ
50部と蒸留水50部とをデューク乳化試験機(Duk
e乳化試験機:INK-WATER EMULSIFICATION TESTER ,DUK
E CUSTOM SYSTEMS INC. MODEL D-10)に仕込み、混合し
た。混合開始15分後、乳化せずに遊離している水の量
を測定し、乳化した水の量を計算した。乳化した水の量
が少ない平版印刷用インキを与える顔料水ペーストを、
乳化適性が優れた顔料水ペーストであると判定する。
1、比較例2、比較例3、実施例2で得られた顔料を使
用して作製した、前記模擬平版印刷用インキを用いて、
乳化量の測定を行った。表1に試験結果を示す。
とフェノール類又はナフトール類を含有する水性懸濁液
と芳香族アミンのジアゾニウム塩成分を含む懸濁液と
を、直接接触させるか、或いは又、水に注入してカップ
リング反応を行い、更にレーキ化を行う事により、従来
のロジン類処理方法に比べて、アゾレーキ顔料の顔料表
面の疎水性を高くする事ができ、平版印刷用インキ調製
時のフラッシング性向上と、低乳化量ゆえ印刷機上で過
乳化となりにくい優れた乳化適性とを有する平版印刷用
インキを提供できるアゾレーキ顔料の製造方法を提供す
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 ロジン類の多価金属塩とフェノール類又
はナフトール類を含有する水性懸濁液と芳香族アミン類
のジアゾニウム塩成分を含む懸濁液とを、直接接触させ
てカップリング反応を行い、更にレーキ化を行う事を特
徴とするロジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料の製
造方法。 - 【請求項2】 ロジン類の多価金属塩とフェノール類又
はナフトール類を含有する水性懸濁液と芳香族アミン類
のジアゾニウム塩成分を含む懸濁液とを、水に注入して
カップリング反応を行い、更にレーキ化を行う事を特徴
とするロジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料の製造
方法。 - 【請求項3】 ロジン類の多価金属塩が、ロジン類のカ
ルシウム塩である請求項1または2記載の製造方法。 - 【請求項4】 アゾレーキ顔料が、C.I.Pigme
nt Red 57:1である請求項1、2または3の
いずれか記載の製造方法。
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JP2001283128A JP4797306B2 (ja) | 2001-09-18 | 2001-09-18 | アゾレーキ顔料の製造方法 |
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- 2001-09-18 JP JP2001283128A patent/JP4797306B2/ja not_active Expired - Lifetime
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