JP4715213B2 - 乾燥したc.i.ピグメントレッド57:1、乾燥した顔料組成物及びそれらの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1、乾燥した顔料組成物及びそれらの製造方法に関する。
C.I.ピグメント レッド 57:1は、下記式で表される顔料である。
Figure 0004715213
この顔料は、通称、カーミン6Bやリソールルビンと呼ばれ、また、カルシウム ビス[2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォネート](IUPAC名)、2−ナフタレンカルボン酸,3−ヒドロキシ−4−[(4−メチル−2−スルフォフェニル)アゾ]−,カルシウム塩(1:1)(CAS名)とも称される紅顔料である。IUPACとは、International Union of Pure and Applied Chemistryの略称であり、CASとは、Chemical Abstracts Serviceの略称である。この顔料は、各種インキ、プラスチック成形品、塗料、静電荷像現像用トナー等の着色剤として広範囲に使用されている。
またこの顔料は、典型的なモノアゾレーキ顔料の一つであり、一般に、ジアゾカップリング反応とレーキ化反応とを水中において行うことで製造されている。こうして得られた顔料はウエットケーキ等の湿潤状態(ウエット)で被着色媒体の着色に供されるか、又は湿潤状態の顔料を乾燥して、パウダー等の乾燥状態(ドライ)の顔料として被着色媒体の着色に供される。
上記した様な着色剤として一般的に用いられているのは、窒素吸着法によるBET比表面積が60〜110m/gの乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1である。
この顔料は、乾燥状態ではワニス等の被着色媒体へ微分散させることが比較的難しく、優れた着色特性を有した着色物を得難いという欠点がある。そこでこの顔料は、乾燥状態ではなく湿潤状態から直接的に印刷インキ等の着色物が調製されている。しかしながら、湿潤状態の顔料から直接的に印刷インキ等の着色物を調製するには、弱い力かつ短時間で良好な分散を行うためのフラッシャー等の特別な装置が必要である。また湿潤状態の顔料は、冬季の保存では凍結したり、夏期の保存では雑菌等によるカビ等が発生しやすいという欠点があり、湿潤状態の顔料はその調製後に直ちに印刷インキ等を調製しなければならない。乾燥状態の顔料はこの様な問題はないが、優れた着色特性を有した着色物を得ようとすれば、この分散には強い力でかつ長時間に亘り混練する等、やはり手間のかかる作業が必要である。
C.I.ピグメント レッド 57:1は、上記した通り水中において製造されているので、乾燥を経ていない湿潤状態の顔料は、顔料粒子同士の凝集が比較的弱く、被着色媒体への微分散は容易である。これは、顔料の状態が、顔料の一次粒子同士が角や陵で付着している、柔らかい凝集(agglomerate)の状態であることに起因する。ところが、上記した様な湿潤状態に次いで乾燥を経ると、柔らかい凝集状態にあった顔料粒子同士が強く凝集し、一次粒子同士が面と面で付着して二次粒子となった、硬い凝集(aggregate)の状態となる。
顔料の凝集状態は、着色物の着色特性に大きな影響を及ぼしており、柔らかい凝集状態であると、より弱い力かつより短時間で被着色媒体へ分散でき、それにより得られた印刷インキ、塗料、プラスチック成型品等の着色物は、着色力等の着色特性に優れたものとなる。そこで、柔らかい凝集状態の乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1の製造方法が、種々提案されている。
特許文献1には、流動層乾燥機や噴霧乾燥機等を使用して、この乾燥機の装置機構や乾燥条件を工夫することで、顔料ウエットケーキから柔らかい凝集状態の含水率が2〜19%であるC.I.ピグメント レッド 57:1を得る製造方法が記載されている。
また特許文献2には、顔料水性懸濁液に、それと反応しない気体を吹き込み、激しい攪拌をしてから、濾過しストランド状に成形し乾燥させることで、空洞が多く嵩高い顆粒状の乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1を得る製造方法が記載されている。
さらに特許文献3には、嵩高い顆粒状の乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1を用いた印刷インキの製造方法も記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載された顔料は、2〜19%の範囲で含水率が高いほど柔らかい凝集状態となるが、下限含水率の2%となるまで乾燥した顔料は、結局硬い凝集状態となってしまい、弱い力かつ短時間では被着色媒体へは充分に分散できなくなる。その結果、着色特性に劣る着色物しか得られなかった。
また特許文献2及び3に記載された乾燥顔料は、特許文献1に記載された2%の含水率の乾燥顔料に比べれば柔らかい凝集状態の顔料粒子をより多く含む結果、弱い力かつ短時間では被着色媒体へ分散出来るが、硬い凝集状態の顔料粒子を依然多く含むため、やはり着色特性が不充分な着色物しか得られなかった。この硬い凝集状態の顔料粒子を無くすことで着色特性を向上させるようとすると、分散に要する力や時間をさらにかけなければならず、分散に要する力や時間の大きな削減にはやはり繋がらなかった。
そこで、上記した湿潤顔料共通の欠点がなく、湿潤顔料を使いこなすために必要な特別な装置等を必要とせず、乾燥顔料であるにもかかわらずより弱い力かつより短時間で被着色媒体に分散することが出来、従来の乾燥状態の顔料で着色を行った場合と同等以上の着色特性を発揮する、乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1が求められている。
特開昭59−191765号公報(第1頁左欄第4行〜第2頁左上欄第4行の特許請求の範囲、第3頁左上欄第3〜11行、第9頁左上欄下から第7行〜同頁右下欄下から第7行等) 特開平5−184901号公報(第2頁特許請求の範囲、同頁段落番号0022〜0024の例1等) 特開平9−188846号公報(第2頁特許請求の範囲、同頁段落番号0008、第4頁段落番号0016〜0017の実施例等)
本発明は、上記した湿潤顔料共通の欠点がなく、湿潤顔料を使いこなすために必要な特別な装置等を必要とせず、乾燥顔料としてより弱い力かつより短時間で被着色媒体に分散することが出来、従来の乾燥状態の顔料で着色を行った場合と同等以上の着色特性を発揮する、乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1又はC.I.ピグメント レッド 57:1とロジン類とを含有する乾燥した顔料組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、より弱い力かつより短時間で被着色媒体に分散することが出来、かつ従来と同等以上の着色特性を有する、乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1又はC.I.ピグメント レッド 57:1とロジン類とを含有する乾燥した顔料組成物を得るべく鋭意検討した結果、上記した既知の改良方法ではなく、カップリング反応により得られた2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォン酸水溶性塩のレーキ化方法として特定の方法を採用することで、その後に乾燥を行っても、上記した性質を満たす乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1又はC.I.ピグメント レッド 57:1とロジン類とを含有する乾燥した顔料組成物が得られることを見い出した。
また、こうして得られた特定レーキ化方法を経由して得られた乾燥した顔料又は乾燥した顔料組成物と、上記した既知の改良方法で得られた乾燥した顔料又は乾燥した顔料組成物との性状における相違点を見い出すべく、各種物性値の測定を行ったところ、BET比表面積等では両者に相違点は認められず、一次粒子の凝集体の細孔分布測定結果において、相違点を見い出した。また、凝集体の多孔性を表す乾燥した顔料又は乾燥した顔料組成物の粒子全ての細孔の総容積という指標よりも、乾燥した顔料又は乾燥した顔料組成物の粒子に広く分布する細孔の直径範囲のうちの特定の直径範囲の細孔の総容積という指標の方が、この乾燥した顔料又は乾燥した顔料組成物においては被着色媒体への分散しやすさにはより強い相関があり、この特定の直径範囲の細孔の総容積が特定範囲にある乾燥した顔料又は乾燥した顔料組成物だけが被着色媒体に対してより弱い力かつより短時間で分散出来ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、窒素吸着法により測定されたBET比表面積が60〜110m/gであり、かつ、水銀圧入法により測定された直径0.1〜3.0μmの範囲の細孔の総容積が1.30〜2.00ml/gであることを特徴とする乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1を提供する。
また本発明は、C.I.ピグメント レッド 57:1とロジン類とを、質量基準で、乾燥した前者100部当たり後者3〜50部含有する乾燥した顔料組成物において、窒素吸着法により測定されたBET比表面積が60〜110m/gであり、かつ、水銀圧入法により測定された直径0.1〜3.0μmの範囲の細孔の総容積が1.30〜2.00ml/gであることを特徴とする乾燥した顔料組成物を提供する。
更に本発明は、2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォン酸水溶性塩を含有する水溶液又は水懸濁液を、前記水溶性塩を全てカルシウム塩とするに足る無機カルシウム化合物を含有する水溶液に加えてレーキ化を行った後、熟成、濾過、次いで乾燥する、窒素吸着法により測定されたBET比表面積が60〜110m/g、かつ、水銀圧入法により測定された直径0.1〜3.0μmの範囲の細孔の総容積が1.30〜2.00ml/gであることを特徴とする、乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1の製造方法を提供する。
加えて本発明は、ロジン類と2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォン酸水溶性塩とを含有する水溶液又は水懸濁液を、少なくとも前記水溶性塩を全てカルシウム塩とするに足る無機カルシウム化合物を含有する水溶液に加えてレーキ化を行った後、熟成、濾過、次いで乾燥する、C.I.ピグメント レッド 57:1とロジン類とを、質量基準で、乾燥した前者100部当たり後者3〜50部含有する乾燥した顔料組成物において、窒素吸着法により測定されたBET比表面積が60〜110m/gであり、かつ、水銀圧入法により測定された直径0.1〜3.0μmの範囲の細孔の総容積が1.30〜2.00ml/gであることを特徴とする、乾燥した顔料組成物の製造方法を提供する。
本発明の乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1又はC.I.ピグメント レッド 57:1とロジン類とを含有する乾燥した顔料組成物は、特定比表面積値を有し、かつ特定細孔直径範囲において特定細孔容積値を有しているので、上記した湿潤顔料共通の欠点がなく、湿潤顔料を使いこなすために必要な特別な装置等を必要とせず、より弱い力かつより短い時間で被着色媒体へ分散することが出来、被着色媒体を従来の乾燥した顔料又は乾燥した顔料組成物で着色した場合と同等以上の着色特性でもって着色することが出来るという格別顕著な効果を奏する。
また、本発明の乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1又はC.I.ピグメント レッド57:1とロジン類とを含有する乾燥した顔料組成物の製造方法は、従来とは逆のレーキ化方法を行うので、レーキ化以降の製造工程を従来と同様に行っても、得られた乾燥した顔料又は乾燥した顔料組成物は、より弱い力かつより短い時間で被着色媒体へ分散することが出来、被着色媒体を従来の乾燥した顔料又は乾燥した顔料組成物で着色した場合と同等以上の着色特性でもって着色出来る、特定比表面積値を有しかつ特定細孔直径範囲において特定細孔容積値である上記乾燥した顔料又は乾燥した顔料組成物を容易に製造出来るという格別顕著な効果を奏する。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明においては、C.I.ピグメント レッド 57:1を、以下、顔料と略記する。本発明の顔料は、窒素吸着法により測定されたBET比表面積が60〜110m/gであり、かつ、水銀圧入法により測定された直径0.1〜3.0μmの範囲の細孔の総容積が1.30〜2.00ml/gであることを特徴とする、乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1である。
本発明においては、より弱い力かつより短時間で被着色媒体に分散することが出来る性質を、以下、易分散性と略記することがある。被着色媒体については詳しく下記する。
本発明の乾燥した顔料は、窒素吸着法により測定されたBET比表面積が特定範囲にあり、かつ水銀圧入法により測定された特定直径範囲の細孔の総容積が特定範囲にあることを特徴とする。本発明において使用する「乾燥した」という語彙の意義は、日本工業規格JIS K5101−1991に規定される「顔料試験方法」の23に従って測定したときの顔料の加熱減量が3%未満であることを意味する。この「顔料試験法」においては、試料の顔料を105±2℃の温度に保った乾燥器で2時間乾燥する。「加熱減量」は次式によって算出される。この加熱減量が小さい程、乾燥の程度は高いと言うことが出来る。
Figure 0004715213
〔但し式中、Wは加熱減量(%),mは試料の質量(g),mは試料の乾燥後の質量(g)である。〕
本発明における窒素吸着法により測定されるBET比表面積とは、日本工業規格JIS Z8830−1990の付属書2に規定される「1点法による気体吸着量の測定方法」に従って測定したときの乾燥した顔料の比表面積を意味する。このBET比表面積はBET理論に基づいて測定されるものであり、その測定対象は凝集体を構成する顔料一次粒子のマイクロポア〜メソポアの細孔である。IUPACでは、細孔の開口部を円と見立て、その開口部の直径の大きさに基づき、開口部直径2nm以下の細孔をマイクロポア、同2nmを越えて50nm未満の細孔をメソポア、50nm(0.05μm)を越え1000μmまでの細孔をマクロポアと定義している。
本発明の乾燥した顔料は、着色剤として用いられている従来の乾燥した顔料と同様のBET比表面積であり、60〜110m/gである。尚、一般に顔料一次粒子径は、この比表面積値及び着色特性と高い相関関係にあるとされ、当業界においては一般に、顔料の一次粒子径は小さい程、比表面積値が大きくなり、優れた着色特性を示すと考えられている。そこで、本発明における乾燥した顔料の着色特性は、同程度の比表面積を有する顔料間で行い、それらの優劣でもって比較評価するものとする。
一般に、比表面積値が比較的小さい乾燥した顔料は不透明タイプと呼ばれ、それが比較的大きい乾燥した顔料は透明タイプと呼ばれ、これらは用途により使い分けられる。BET比表面積が60m/g未満であると着色力が不充分であり、一方110m/gを越えると分散性が不充分となるので、いずれも好ましくない。中でも、上記BET比表面積が70〜85m/gの範囲の乾燥した顔料は、下記する様に平版印刷用ワニスを被着色媒体とする様な平版印刷用インキの調製に使用した場合、鮮明性や光沢により優れた着色画像が得られるので、好ましい。
次に細孔分布及び細孔容積について説明する。
乾燥した顔料は、上記凝集体の集合と見ることが出来、その凝集体の表面には、マクロポアと呼ばれる上記マイクロポア〜メソポアより大きな様々な直径の細孔が開いている。この細孔は、顔料の一次粒子同士が付着し形成する隙間、並びに二次粒子同士が付着し形成する隙間である。この様なマクロポアの細孔におけるガス吸着挙動には、上記したBET比表面積の様な、マイクロポア〜メソポア領域で適用されているBET理論を適用することが出来なかった。最近になって、粉体のマクロポア領域の細孔の測定手段が開発された。これが圧入法による細孔分布の測定である。この測定により、BET比表面積以外の測定手段から、初めて顔料の凝集体としての挙動を推定することが出来る様になった。
圧入法による細孔分布の測定からは、顔料一次粒子の凝集体のマクロポア領域の細孔の直径の分布や、細孔形状を円柱形と仮定した場合の細孔の容積を求めることが出来る。水銀圧入法では、試料を真空排気した後に液体水銀を含め圧力を加えることで、乾燥した顔料のマクロポア領域の細孔に液体水銀を圧入する。液体水銀は表面張力が高く、顔料と接触してもそれを濡らさない性質を持っており、液体水銀は圧力を加えない限り顔料の細孔には侵入していかない。また液体水銀は、BET比面積の測定に用いられる窒素ガスの様に自由に動き回れる気体分子としてランダムに細孔に侵入するのではなく、連続した流体である液体として細孔に侵入する。つまり、水銀圧入法では、大きな細孔から順に液体水銀が侵入し、一定の大きさの細孔が液体水銀で充填されてから、その次に大きい細孔に液体水銀が侵入しその細孔が液体水銀で充填されるという、過程が繰り返される。大きい細孔が液体水銀で満たされるまでは、それより小さい細孔には液体水銀は侵入していかない。この様な過程を経て、測定可能な範囲の全ての細孔に液体水銀が充填される。水銀は原子半径が窒素等に比べて大きいため、BET比面積での測定対象の様な顔料一次粒子のマイクロポア〜メソポア領域の直径の細孔には侵入することがない。従って水銀分子よりも小さい細孔は、水銀圧入法の測定対象とはならない。水銀圧入法で、水銀の圧入圧力を少しずつ高めていくと、上記した現象が繰り返し起こり、凝集体のより大きい細孔から順に水銀が侵入する。このとき幾つかの圧力範囲において細孔への水銀侵入液量が飽和する。この飽和は、一定の大きさの細孔に過不足なく水銀が充填された時に起こる。この時の水銀の侵入液量が、細孔容積に対応する。こうした水銀に固有な性質を利用することで、幾つかの所定直径範囲の細孔の各々の総容積を求めることが出来る。
水銀圧入法は、圧力を加えて試料の細孔に液体水銀を強制的に充填していくので、測定を行う試料の細孔に水銀以外の別の液体が侵入していたり充填されている場合は、そこに液体水銀が入っていかず正しい細孔容積を測定することが出来ない。従って、含水率が高かったり有機溶剤で湿潤した様な試料は、細孔容積の測定前に充分に乾燥しておく必要があるし、真空排気を行って細孔中に存在し得る極微量の水や有機溶剤を充分に除去しておく必要がある。本発明の顔料は、乾燥した状態での使用を意図していることに加え、上記した様に加熱減量が3%未満であるから、顔料に存在する細孔が実質的に全て気孔となっており、そのままで正しい細孔容積を測定することが出来る。
圧入法における細孔分布の測定において、圧入圧力と細孔直径との関係は、下記のウオッシュバーン(Washburn)の方程式により導かれる。
Figure 0004715213
〔但し式中、Dは細孔直径,Pは圧力,σは表面張力,θは接触角である。〕
本発明で採用するのは水銀圧入法なので、表面張力σと接触角θは、圧入する物質である液体水銀に基づく定数である。水銀の表面張力σと接触角θは、それぞれ順に、4.85mN/cm、130.0°である。
表面張力σと接触角θとを固定し、圧力単位を絶対圧力(psia)、細孔直径をμmにて単位系を統一した上で展開し直すことで、下記の簡略式が求められる。これから乾燥した顔料の細孔直径を求めることが出来る。
Figure 0004715213
〔但し式中、DとPは上記と同義。〕
液体水銀を細孔に圧入する際の圧力を連続的に徐々に増加させることで、特定細孔直径範囲における細孔容積を各々求めることが出来る。ここで圧力を増すことは、より小さい細孔への液体水銀の侵入に対応する。上記した通り、液体水銀の圧入圧力を増していっても、微小圧力区間において液体水銀の侵入液量が変化せずに一定値を示す現象(飽和)が起こる。しかも、これらの個々の微小圧力区間での飽和は、ある一定の大きさの細孔への液体水銀の過不足ない充填が完了したことを意味し、もう少し圧力を増すと、それよりも少し小さい細孔への液体水銀の侵入が開始されることを示唆する。またこの飽和は、細孔の直径の分布に応じて幾つもの微小圧力区間でランダムに発現する。
飽和がどこの微小圧力区間で起こるかは実測を行わないとわからないが、圧入圧力とその圧力で液体水銀を圧入可能な細孔直径は容易に求めることが出来る。ちなみに、上記した簡略式によれば、10psia(1.45×10−3N/m)の絶対圧力で液体水銀を圧入出来る乾燥した顔料の細孔の直径は約18μm、15psia(2.175×10−3N/m)の絶対圧力で圧入出来る乾燥した顔料の細孔の直径は約12μmということになる。
本発明においては、約0.003〜180μmの範囲の直径の細孔について、その細孔の容積を測定する。この細孔直径は圧力で表現すると約1〜60000psiaの範囲に相当する。
上では、大気圧から圧力を徐々に増しながら測定する昇圧過程での測定を基に細孔容積の測定方法を詳記したが、最大圧から圧力を徐々に減らしながら測定する降圧過程での同様な測定も可能である。測定結果の信頼性は、昇圧過程と降圧過程のどちらの測定結果も同じになることを確認することで高められる。
本発明者等は、広い測定可能な細孔直径範囲の総容積から、特定細孔直径範囲と細孔の総容積をどの様に選択するかにより、それと下記する乾燥した顔料の被着色媒体への分散性の難易度との相関係数が激変することを知見した。この知見から、特定細孔直径範囲の細孔の総容積が、乾燥した顔料の被着色媒体への分散性の難易度を知る大きな指標となることを突き止めた。上記の特定の細孔直径範囲内における細孔の総容積から、顔料の凝集状態を推定できる。即ち、特定の細孔直径範囲における細孔の総容積がより大きいことは、細孔により多くの水銀が充填出来ることを意味し、乾燥した顔料はより柔らかい凝集状態を形成していると考えることが出来る。
本発明者等の知見によれば、被着色媒体への分散性が良好な乾燥した顔料は、直径0.1〜3.0μmの範囲内にある細孔の総容積が、1.30〜2.00ml/g、好ましくは1.40〜2.00ml/gの範囲の乾燥した顔料である。中でも、上記要件を満たしかつ細孔の直径が0.1〜1.0μmの範囲内にある細孔の総容積が、1.10〜1.80ml/gである乾燥した顔料は、被着色媒体への分散性が最も良好であり、特に好ましい。詳しく下記するレーキ化における反応温度、pH、2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォン酸水溶性塩の注入速度等を最適化することにより、細孔の直径が0.1〜1.0μmの範囲の細孔の総容積が1.10〜1.80ml/gの条件をも満たす乾燥した顔料を得ることができる。
本発明の乾燥した顔料は、直径0.1〜3.0μmの範囲内にある細孔の総容積が、1.30〜2.00ml/gであれば、透明タイプ、不透明タイプを問わず共通して、乾燥した顔料としてより優れた分散性を有し、従来の乾燥した顔料で着色を行った場合と同等以上の着色特性を発揮するが、不透明タイプにおいては、乾燥した顔料としてより優れた分散性を有し、乾燥した顔料でありながら、湿潤した顔料で着色を行った場合と同等以上の着色特性を発揮する。
この様な乾燥した顔料の細孔分布の測定装置としては、例えば、(株)島津製作所が販売するマイクロメリティックス社製オートポアIV9500シリーズや、ユアサ アイオニクス株式会社製ポアマスター(登録商標)シリーズ等がある。
本発明における乾燥した顔料の平均粒径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定される乾燥した顔料の粉体の粒度分布において、その積算分布が50%の値をとる粒子径を意味する。本発明の乾燥した顔料の平均粒径は、特に制限されず、例えば、5〜100μmであるものが挙げられるが、中でも、5〜80μmであるものが粉末(パウダー)であり好ましい。
粉末は顆粒に比べて嵩が小さく単位体積当たりの質量を大きく出来るため、一定の体積の袋に充填する場合は、より多く充填することが出来るので物流の効率化の上では、より都合が良い。平均粒径100μm〜10mmの乾燥した顔料は、顆粒(グラニュール)と呼ばれることが多く、この顆粒と平均粒径5〜80μmの粉末(パウダー)とは容易に区別することが出来る。
本発明には、C.I.ピグメント レッド 57:1とロジン類とを、質量基準で、乾燥した前者100部当たり後者3〜50部含有する乾燥した顔料組成物において、窒素吸着法により測定されたBET比表面積が60〜110m/gであり、かつ、水銀圧入法により測定された直径0.1〜3.0μmの範囲の細孔の総容積が1.30〜2.00ml/gであることを特徴とする乾燥した顔料組成物も包含される。本発明の乾燥した顔料組成物においては、C.I.ピグメント レッド 57:1とロジン類とを含有する混合物が、上記した「乾燥した」の定義を満足していなければならない。
この本発明の乾燥した顔料組成物におけるロジン類としては、公知慣用のロジン類がいずれも挙げられるが、例えば、アビエチン酸を主成分とするロジン、不均化ロジン、部分水素添加ロジン、完全水素添加ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、重合ロジン及びこれらの塩等が挙げられる。上記各種ロジンのカルシウム塩は水不溶性の塩であり、中でもより高軟化点のものが、顔料の被着色媒体への分散性をより高めることが出来るので好ましい。また、105℃における加熱減量が、上記した乾燥した顔料と同様に3%未満の範囲であって、出来るだけ小さいロジン類であることが好ましい。従ってこの様な観点から、このロジン類は、不均化ロジンのカルシウム塩、部分水添ロジンのカルシウム塩、完全水添ロジンのカルシウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種のロジン類であることが好ましい。本発明の乾燥した顔料組成物において、ロジン類の含有量は、質量基準で、乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1の100部当たり、例えば、3〜50部、好ましくは5〜30部である。
尚、本発明における乾燥した顔料とこの乾燥した顔料組成物は、ロジン類を特定量含有するか否かの点においてのみ相違する。従って用語の定義、測定方法、各種の好適数値範囲は、乾燥した顔料の場合もこの乾燥した顔料組成物の場合も同様である。
窒素吸着法により測定されたBET比表面積が60〜110m/gである乾燥した顔料は、2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォン酸水溶性塩の水溶液又は水懸濁液と、無機カルシウム化合物を含有する水溶液とを混合してレーキ化を行った後、熟成、濾過、次いで乾燥することで、製造することが出来る。以下、2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォン酸水溶性塩を、アゾ染料と言う。
アゾ染料の水溶液又は水懸濁液を、無機カルシウム化合物を含有する水溶液に加えてレーキ化を行う以外は上記と同様の操作を行うことで、水銀圧入法により測定された直径0.1〜3.0μmの範囲の細孔の総容積が1.30〜2.00ml/gであることを特徴とする本発明の乾燥した顔料を製造ることが出来る。
本発明の乾燥した顔料の製造方法は、従来とは逆に、アゾ染料の水溶液又は水懸濁液を、無機カルシウム化合物を含有する水溶液に加えてレーキ化を行う(従来とは逆のレーキ化を行う)ことが最大の特徴である。以下、上記アゾ染料の水溶液又は水懸濁液を、アゾ染料の水溶液と略記する。
上記アゾ染料は、例えば、4−アミノトルエン−3−スルホン酸のジアゾニウム塩成分(以下ジアゾ成分と略記する)を含む懸濁液と、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸のカップラー成分を含む水溶液とを混合しカップリング反応させることで製造することが出来る。
また必要であれば、上記ジアゾ成分中には、上記4−アミノトルエン−3−スルホン酸の異性体や誘導体のジアゾニウム塩、例えば1−アミノ−4−メチルベンゼン−3−スルホン酸のジアゾニウム塩や、トビアス酸等のその他の芳香族アミンのジアゾニウム塩を含ませることが出来る。その他の芳香族アミン等のジアゾニウム塩は、例えば、上記ジアゾ成分の15モル%以内とすることが好ましい。
同様に、必要であればカップラー成分中には、上記2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸の異性体や誘導体、例えば2−ヒドロキシナフタレン等のその他のフェノール類やナフトール類を含ませることが出来る。その他のフェノール類やナフトール類は、例えば、上記2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸の15モル%以内とすることが好ましい。
上記アゾ染料の水溶液を、例えば、無機カルシウム化合物を含有する水溶液に加えてレーキ化することで、水溶性であったアゾ染料を、水不溶性のカルシウム ビス[2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォネート]とすることが出来る。カルシウム ビス[2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォネート]は、C.I.ピグメント レッド 57:1で規定するのと同一化学構造の物質であり、それ自体が水不溶性であることから顔料と言うことも出来る。
上記アゾ染料の水溶液の濃度は特に制限されるものではないが、例えば、質量基準で、0.3〜20%であり、好ましくは1〜10%である。上記無機カルシウム化合物を含有する水溶液の濃度は特に制限されるものではないが、例えば、質量基準で、2〜20%であり、好ましくは5〜15%である。
上記アゾ染料の水溶液と無機カルシウム化合物を含有する水溶液とは、水溶性塩であるアゾ染料を全てカルシウム塩とするに足る量となる様に、両者の必要量を用いてレーキ化を行えば良い。アゾ染料はカルシウム塩となることで水不溶性のアゾ顔料となる。
アゾ染料の水溶液は、その全量を一度に無機カルシウム化合物を含有する水溶液に加えても良いが、好ましくは、その全量を幾つかに分割してから有る程度の纏まった量として無機カルシウム化合物を含有する水溶液に添加したり、一定の注入速度となる様に、少しずつ無機カルシウム化合物を含有する水溶液に連続滴下することが好ましい。レーキ化の際のアゾ染料の水溶液と無機カルシウム化合物を含有する水溶液の温度は、いずれも、例えば、0℃〜50℃好ましくは20〜40℃とし、この温度範囲内で、例えば、30分〜5時間好ましくは1時間〜3時間かけて、アゾ染料の水溶液と無機カルシウム化合物を含有する水溶液とを混合し、レーキ化反応を行うことが好ましい。
レーキ化に用いる無機カルシウム化合物の水溶液を調製する際に用いる無機カルシウム化合物としては、塩化カルシウム等の水溶性の高いものが好ましい。これらはレーキ化剤と呼ばれる。
比表面積を60〜110m/gの範囲でどの程度とするかによって、下記する熟成を行わずに、上記した従来とは逆のレーキ化だけでも、水銀圧入法により測定された直径0.1〜3.0μmの範囲の細孔の総容積が1.30〜2.00ml/gを満たすC.I.ピグメント レッド 57:1を製造し得る場合もあるが、上記した好ましいBET比表面積かつ好ましい細孔総容積を兼備したC.I.ピグメント レッド 57:1を製造する場合には、従来とは逆のレーキ化に加えて、以下の熟成を行うことが好ましい。
従来とは逆のレーキ化により得られた、カルシウム ビス[2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォネート]は、公知慣用の方法で熟成、濾過、次いで乾燥することで、容易かつ確実に、上記した本発明の特定の特性を有するC.I.ピグメント レッド 57:1とすることが出来る。従来とは逆のレーキ化により得られたカルシウム ビス[2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォネート]と水とを含有する反応混合物を熟成するには、例えば、50〜90℃好ましくは50〜80℃で、例えば、30分〜3時間を要して加熱する。こうすることで、熟成された顔料の水懸濁液を得ることが出来る。この熟成は、C.I.ピグメント レッド 57:1を、上記した好ましい細孔総容積とするために好適な単位操作であり、しかも、意図した使用用途に適した性質となる様に顔料の一次粒子径を制御する上でも好ましい単位操作である。よって熟成中に任意時間間隔でサンプリングを行い、所望の性質となった際に熟成を終える。尚、一定温度で加熱を行う場合はより長時間加熱することで、一定時間加熱を行う場合はより高い温度で加熱することで、顔料の一次粒子径をより大きくすることが出来る。
次いで、熟成されたこの顔料水懸濁液を、濾過し、次いで乾燥することで窒素吸着法により測定されたBET比表面積が60〜110m/gであり、かつ水銀圧入法により測定された直径0.1〜3.0μmの範囲の細孔の総容積が1.30〜2.00ml/gである乾燥した顔料が得られる。尚、乾燥は上記した通り105℃での加熱減量が3%未満となる様に行なえば良い。また、乾燥の後に、更に粉砕を行っても良い。この粉砕は、ランプ状となった乾燥した顔料を解す操作であり、その程度(粉砕の強度)を調節することで、粉末や顆粒(グラニュール)等の各種の形状の乾燥した顔料を得ることが出来る。乾燥した顔料を粉末とするためには、粉砕後の乾燥した顔料が平均粒径5〜100μmとなる様に粉砕条件を定めれば良い。尚、この粉砕の前後で、乾燥した顔料の平均粒径は変化するものの、BET比表面積値や特定直径の細孔の総容積値は、この粉砕の前後で、通常は変化しないし、変化してはならない。
尚、上記本発明の乾燥した顔料組成物は、上記本発明の乾燥した顔料の製造方法において、カルシウム ビス[2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォネート]を得るに当たってのカップリング反応やレーキ化反応等の任意の工程において、ロジン類を併用することで、容易に製造することが出来る。
本発明における乾燥した顔料の製造方法とこの乾燥した顔料組成物の製造方法は、ロジン類を特定量含有するか否かの点においてのみ相違する。従って用語の定義、製造方法、各種の好適数値範囲は、乾燥した顔料の製造方法の場合もこの乾燥した顔料組成物の製造方法の場合も同様である。
予め製造されたロジン類を含有しない乾燥した顔料に対して、上記した含有量となる様に乾燥したロジン類を含有させることで、本発明の乾燥した顔料組成物を製造することは出来るが、上記した本発明の乾燥した顔料組成物の製造方法によれば、顔料がこのロジン類で被覆され、乾燥した顔料のみを用いた場合に比べて、より透明性の優れた着色物を得ることが出来るので好ましい。また本発明の乾燥した顔料組成物を製造方法においては、レーキ化に用いるアゾ染料の水溶液として、ロジン類を含有するアゾ染料の水溶液を用いることが、上記した技術的効果を得る上で好ましい。
ロジン類としては、上記したロジン類がいずれも挙げられる。好適なロジン類の種類や使用量も上記と同様である。上記乾燥した顔料の製造方法において、各種ロジンの水溶性塩を含有するアゾ染料の水溶液を用いて、上記した製造方法に従って乾燥した顔料組成物を製造する場合には、少なくとも、上記アゾ染料中の水溶性塩を全てカルシウム塩とするに足る無機カルシウム化合物を水溶液として用いる。アゾ染料中の水溶性塩を全てカルシウム塩とするだけではなく、各種ロジンの水溶性塩をも水不溶性のカルシウム塩とするために、余剰の無機カルシウム化合物を用いることが出来る。こうすることで、アゾ染料からなる水溶性塩と各種ロジンの水溶性塩とを、同時に各々に対応する水不溶性のカルシウム塩とすることが出来るので好ましい。
上記の様にして得られる本発明の乾燥した顔料及び乾燥した顔料組成物の粒子は、柔らかい凝集状態であり、より弱い力かつより短時間で被着色媒体へ分散できる。本発明の乾燥した顔料及び乾燥した顔料組成物は、例えば印刷インキ、プラスチック、塗料、静電荷像現像用トナーなどの着色に適する。特に、印刷インキの中でも、平版印刷用インキやグラビア印刷用インキの着色に用いると対応して得られるインキは、優れた易分散性を示すことになる。
本発明において被着色媒体とは、上記乾燥した顔料や乾燥した顔料組成物により着色すべき液状又は固形の媒体を意味し、例えば印刷インキ用樹脂、塗料用樹脂、成形用樹脂、或いはこれらに有機溶剤、水、各種添加剤、充填剤等を含有した混合物等が挙げられる。
従来、C.I.ピグメント レッド 57:1は、上記ジアゾ成分を含む懸濁液とカップラー成分を含む水溶液とを用いて両者をカップリングさせ、得られたアゾ染料の水溶液にレーキ化剤の水溶液を添加してレーキ化するか、又はジアゾ成分を含む懸濁液、カップラー成分を含む水溶液にあらかじめレーキ化剤を加えておき、両者をカップリングさせ、更に熟成を行うことにより製造されてきた。この際、ロジン類はカップラー成分を含む水溶液もしくはアゾ染料の水溶液に添加されていた。
従来、カップリングとレーキ化により得られた反応物である、カルシウム ビス[2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォネート]は、常法に従って熟成し、濾過、次いで乾燥することで、乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1として使用に供せられる。こうして得られた乾燥した顔料は、窒素吸着法により測定されたBET比表面積が60〜110m/gの範囲内となるものの、水銀圧入法により測定された細孔の直径が0.1〜3.0μmの範囲内にある細孔の総容積の値が、本発明で規定する範囲に対し比較的小さく、被着色媒体への優れた分散性を示さないことが、本発明者等の知見からわかった。また、乾燥機の装置機構や乾燥条件を工夫して得られた乾燥した顔料についても、上記と同様に、その細孔の総容積は小さく、被着色媒体への優れた分散性を示さないことがわかった。本発明はこれらの知見に基づいてなされたものである。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
4−アミノトルエン−3−スルホン酸165部を水1050部に分散後、35%塩酸102部を加え、0℃に保ちながら40%亜硝酸ナトリウム水溶液154部を一気に加え、4−アミノトルエン−3−スルホン酸のジアゾニウム塩を含む水懸濁液を得た。得られた水懸濁液をジアゾ成分調製液とする。次に2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸167.5部を50℃の水1300部に分散後、25%水酸化ナトリウム水溶液320部を加えてカップラー成分を含む水溶液を得た。この溶液をカップラー成分調製液とする。このカップラー成分調製液を15〜20℃に冷却し、攪拌しながら上記ジアゾ成分調製液を60分かけて滴下し、60分間攪拌してカップリング反応を終了させ、2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォン酸ナトリウム塩からなるアゾ染料の水懸濁液を得た。この水懸濁液を10〜15℃に冷却し、25%不均化ロジンカリウム水溶液254部を添加し、60分攪拌後、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH12.5に調整してアゾ染料水懸濁液を得た。
35%塩化カルシウム水溶液388.7部を水1800部に加えた後25〜30℃に調整して得た水溶液に、上記アゾ染料水懸濁液を、2時間かけて滴下し、カルシウム ビス[2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォネート]を得て、レーキ化反応を終了した。レーキ化反応終了後、顔料水懸濁液を60℃で90分間加熱しつつ攪拌し、熟成を行った。その後、濾過、水洗、次いで90℃で10時間乾燥し、更に平均粒径80μm以下となる様に粉砕の強度を調節の上で粉砕した。
こうして、加熱減量1.8%、平均粒径45.1μmである、C.I.ピグメント レッド 57:1とロジン類を含有する乾燥した顔料組成物の粉末41部を得た。
アゾ染料水懸濁液は実施例1と同様に調製した。
35%塩化カルシウム水溶液388.7部を水1800部に加えた後31〜35℃に調整して得た水溶液に、上記アゾ染料水懸濁液を、90分かけて滴下し、カルシウム ビス[2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォネート]を得て、レーキ化反応を終了した。レーキ化反応終了後、顔料水懸濁液を実施例1と同様に熟成、濾過、水洗、次いで乾燥し、更に粉砕した。
こうして、加熱減量1.1%、平均粒径36.3μmである、C.I.ピグメント レッド 57:1とロジン類を含有する乾燥した顔料組成物の粉末441部を得た。
比較例1
ジアゾ成分調製液及びカップラー成分調製液は実施例1と同様にして調製した。
このジアゾ成分調製液に、35%塩化カルシウム水溶液388.7部を添加した。また、このカップラー成分調製液に25%不均化ロジンカリウム水溶液254部を添加した。上記ジアゾ成分調製液及びカップラー成分調製液を、20〜30℃で、水520部を入れた反応槽に、上記各調製液のカップラー成分/ジアゾ成分の比が1.05〜1.10モル比となるように同時に滴下供給し、60分以上攪拌して、カップリングとレーキ化を両方行い、カルシウム ビス[2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォネート]を得た。カップリングとレーキ化の反応終了後、この顔料水懸濁液を実施例1と同様に熟成、濾過、水洗、次いで乾燥し、更に粉砕した。
こうして、加熱減量1.1%、平均粒径48.9μmである、C.I.ピグメント レッド 57:1とロジン類を含有する乾燥した顔料組成物の粉末441部を得た。
比較例2
実施例1と同様に調製したアゾ染料水懸濁液に35%塩化カルシウム水溶液388.7部を加え、カルシウム ビス[2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォネート]を得て、レーキ化反応を終了した。レーキ化反応終了後、顔料水懸濁液を実施例1と同様に熟成、濾過、水洗、次いで乾燥し、更に粉砕した。
こうして、加熱減量1.5%、平均粒径40.7μmである、C.I.ピグメント レッド 57:1とロジン類を含有する乾燥した顔料組成物の粉末441部を得た。
比較例3
比較例2の通り、顔料水懸濁液を実施例1と同様に熟成、濾過、水洗、次いで乾燥し、更に平均粒径100〜500μmとなる様に粉砕の強度を調整した上で粉砕した。
こうして、加熱減量1.5%の、C.I.ピグメント レッド 57:1とロジン類を含有する乾燥した顔料組成物の顆粒を得た。
尚、実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2で得られた各々の乾燥した顔料組成物の粉末について、加熱減量は、日本工業規格JIS K5101−1991に規定される「顔料試験方法」の23に従って測定し、一方、平均粒径は、日機装株式会社製のMICROTRAC(登録商標)9220〔レーザー回折式粒度分布測定装置〕にて測定した。実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2で得られた各々の乾燥した顔料組成物は、いずれも平均粒径5〜80μmの範囲にあり、いずれも粉末(パウダー)形状であった。
実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2で得られた各々の乾燥した顔料組成物の粉末について、窒素吸着法によるBET比表面積、水銀圧入法による細孔直径0.1〜3.0μmの範囲の細孔の総容積及び細孔直径0.1〜1.0μmの範囲の細孔の総容積を測定した結果を表1に示す。尚、これらの測定方法は、下記の通りである。
比表面積の測定方法:
乾燥した顔料組成物の粉末の比表面積を、(株)マウンテック社製のMacsorb HM model−1208〔日本工業規格JIS Z8830−1990に準拠した比表面積測定装置〕にて測定した。
細孔容積の測定方法:
乾燥した顔料組成物の粉末の細孔分布を、水銀圧入法に準拠した(株)島津製作所製の島津−マイクロメリティクス オートポアIV9520形にて、前処理として装置内で50μmHgまで真空排気処理後に測定した。昇圧過程と降圧過程のどちらの測定結果も同じになることを確認した。
尚、上記した様に、水銀の表面張力は4.85mN/cm、水銀の接触角は130.0°とした。また試料セル定数は10.79μl/pF、セル容積は0.392ml、測定圧力は1〜60000psia(=6.895kPa〜413.7MPa)とした。この測定圧力1〜60000psiaは、測定する細孔直径範囲180μm〜0.003μmに対応する。
Figure 0004715213
尚、比較例2の乾燥した顔料組成物と比較例3のそれとは、平均粒径が相違し、前者が粉末であるのに対して後者は顆粒であった。しかしながら、BET比表面積、細孔直径0.1〜3.0μmの範囲の細孔の総容積及び細孔直径0.1〜1.0μmの範囲の細孔の総容積の値は、両者で同一であった。
インキ分散性評価:
実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2で得られた乾燥した顔料組成物の粉末のインキ分散性試験を実施した結果を、表2に示した。平均粒径5〜80μmの範囲にある乾燥した顔料組成物の粉末6部、被着色媒体としてロジン変性フェノール樹脂を含有する平版印刷インキ用ビヒクル39部、軽油5部をヘラで混合しプレミキシングした後、ビュラー社の3本ロールにて評価した。この3本ロールの2本のロールを使って40℃、圧縮圧5バールで5分間分散させた後、同様に設定した3本ロールに最大3回パスし分散させて模擬平版印刷用インキ(硬化促進剤であるドライヤーを含める前の平版印刷用インキ)を調製した。
易分散性は、グラインドメーターにて、評価した。評価基準は、1(劣悪;凝集100μm以上)、2(やや劣悪;凝集50〜100μm未満)、3(標準;凝集25〜50μm未満)、4(良好;凝集10〜25μm未満)、5(非常に良好;凝集10μm未満)とする。
Figure 0004715213
表2からわかる通り、実施例2の乾燥した顔料組成物は、窒素吸着法により測定されたBET比表面積が60〜110m/gであり、かつ、水銀圧入法により測定された直径0.1〜3.0μmの範囲の細孔の総容積が1.30〜2.00ml/gの要件を満足しているため、例えば3本ロール1パスでの分散性を見ると、圧縮圧や前処理条件同一のもとでは、比較例1及び比較例2の従来法で得られた乾燥した顔料組成物に比べて、グラインドメーター評価「良好」と優れていることが明らかである。また3本ロール2パスで分散度合いが「非常に良好」で飽和していることがわかる。これは、比較例1及び比較例2の乾燥した顔料組成物に比べて、実施例2の乾燥した顔料組成物が、より少ないパス回数で目的の着色力が発現していることを意味しており、より少ない力かつより短時間で乾燥した顔料組成物の粒子が被着色媒体中に分散していることがわかる。尚、圧縮圧や前処理条件同一のもとで、実施例1の乾燥した顔料組成物は比較例1及び比較例2のそれらに比べて、乾燥した顔料組成物の粒子の凝集がより小さく、分散の最終到達点もより高いことがわかる。
また実施例1の乾燥した顔料組成物は、実施例2の要件に加えて、水銀圧入法により測定された直径0.1〜1.0μmの範囲の細孔の総容積が1.10〜1.80ml/gであるという要件をも満足しているため、実施例2の乾燥した顔料組成物よりも更に少ない力で乾燥した顔料組成物の粒子が被着色媒体中に分散したことがわかる。これに対して従来法で得られた乾燥した顔料組成物である比較例1の乾燥した顔料組成物は、3本ロール2パスで、実施例2の乾燥した顔料組成物の3本ロール1パスと同等の分散性を示し、分散の最終到達点は実施例2の乾燥した顔料組成物の3本ロール1パスの「良好」で飽和していることがわかる。
さらに、比較例1と同様に従来法で得られた乾燥した顔料組成物である、比較例2の乾燥した顔料組成物は、3本ロール3パスで、やっと実施例2の乾燥した顔料組成物の3本ロール1パスと同等の分散性を示し、分散の最終到達点は実施例2の乾燥した顔料組成物の3本ロール1パスの「良好」で飽和している。
尚、比較例3の乾燥した顔料組成物の顆粒は、実施例2の乾燥した顔料組成物の粉末よりも分散性が劣っており、しかも比較例2の乾燥した顔料組成物の粉末と同等以下の分散性であった。

Claims (10)

  1. 窒素吸着法により測定されたBET比表面積が60〜110m/gであり、かつ、水銀圧入法により測定された直径0.1〜3.0μmの範囲の細孔の総容積が1.30〜2.00ml/gであることを特徴とする乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1。
  2. 水銀圧入法により測定された直径0.1〜3.0μmの範囲の細孔の総容積が1.30〜2.00ml/gであり、かつ、同様に測定された直径0.1〜1.0μmの範囲の細孔の総容積が1.10〜1.80ml/gである請求項1記載の乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1。
  3. 平均粒径が5〜100μmである請求項1又は2記載の乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1。
  4. C.I.ピグメント レッド 57:1とロジン類とを、質量基準で、乾燥した前者100部当たり後者3〜50部含有する乾燥した顔料組成物において、窒素吸着法により測定されたBET比表面積が60〜110m/gであり、かつ、水銀圧入法により測定された直径0.1〜3.0μmの範囲の細孔の総容積が1.30〜2.00ml/gであることを特徴とする乾燥した顔料組成物。
  5. 水銀圧入法により測定された直径0.1〜3.0μmの範囲の細孔の総容積が1.30〜2.00ml/gであり、かつ、同様に測定された直径0.1〜1.0μmの範囲の細孔の総容積が1.10〜1.80ml/gである請求項4記載の乾燥した顔料組成物。
  6. 平均粒径が5〜100μmである請求項4又は5記載の乾燥した顔料組成物。
  7. 2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォン酸水溶性塩を含有する水溶液又は水懸濁液を、前記水溶性塩を全てカルシウム塩とするに足る無機カルシウム化合物を含有する水溶液に加えてレーキ化を行った後、熟成、濾過、次いで乾燥する、請求項1記載の乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1の製造方法。
  8. 乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1の平均粒径が5〜100μmとなる様に、前記乾燥後に粉砕を行う請求項7記載の乾燥したC.I.ピグメント レッド 57:1の製造方法。
  9. ロジン類と2−(3−カルボキシ−2−ヒドロキシナフチルアゾ)−5−メチルベンゼンスルフォン酸水溶性塩とを含有する水溶液又は水懸濁液を、少なくとも前記水溶性塩を全てカルシウム塩とするに足る無機カルシウム化合物を含有する水溶液に加えてレーキ化を行った後、熟成、濾過、次いで乾燥する、請求項4記載の乾燥した顔料組成物の製造方法。
  10. 乾燥した顔料組成物の平均粒径が5〜100μmとなる様に、前記乾燥後に粉砕を行う請求項9記載の乾燥した顔料組成物の製造方法。



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