JP2008150440A - モノアゾレーキ顔料の製造方法、該方法で製造されたモノアゾレーキ顔料、及びそれを用いた着色組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料製造時において、レーキ化工程が所定時間内に終了し、ろ過、精製工程での排水着色が少なく、インキ製造時においては、フラッシング性が良好で、排水の着色が少ないモノアゾレーキ顔料の製造方法の提供、および水可溶分が少なく、透明性、鮮明性、着色力、光沢、ブロンズに優れ、且つ印刷適性に優れる印刷インキとして好適な着色組成物の提供。
【解決手段】カップラー成分として、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の含有量が0.3重量%以下、且つ2−ヒドロキシ−8−ナフトエ酸の含有量が0.05重量%以下の2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸を使用するモノアゾレーキ顔料の製造方法、および該方法で製造されたモノアゾレーキ顔料とビヒクルとを含む着色組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種の用途、特に印刷インキの着色に有用なモノアゾレーキ顔料の製造方法、及び該方法で製造されたモノアゾレーキ顔料を含む着色組成物に関する。
可溶性基を有する芳香族アミンをジアゾ成分とし、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸(以下、BON酸という。)をカップラー成分としてカップリングして得られる染料を、金属でレーキ化したモノアゾレーキ顔料は、オフセットインキ、グラビアインキなどの印刷インキ、塗料、プラスチックの着色などの幅広い用途に使用されている。また、最近では、インクジェット用インキ、静電荷像用カラートナーなどの分野にも使用され始めている。
モノアゾレーキ顔料の製造時におけるレーキ化反応の終了の確認については、カップリングして得られた染料中にレーキ金属を添加後、少量スラリーを採取し、No.5Cのろ紙にスポットして、ブリードが消失する時点をレーキ化反応が終了したと判断している。しかし、所定時間が過ぎてもブリードが消えず、レーキ化が所定時間内に終了せず、作業工程上、また得られる顔料の品質上で大きな問題となっていた。
これに対して、特許文献1には、質量換算で0.15%以下の2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸を含むBON酸を用いるC.I.ピグメントレッド57:1の製造方法が開示されている。特許文献1には、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の含有量が少ないBON酸を用いることで、未レーキ染料量が低減し、顔料合成後の濾液の着色、フラッシング排水の着色が共に低減することが記載されている。
モノアゾレーキ顔料製造時の染料のレーキ化工程において、カップリング後の染料中にレーキ金属を添加して、通常は1時間以内にレーキ化反応が終了する。しかし、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の含有量が少ないBON酸を使用した場合でも、1時間攪拌してもレーキ化反応が終了しない工程異常が発生することがある。
工程異常が発生した場合には、1時間以上攪拌し続ける、或いは温度を上げるなど、条件を変えてレーキ化反応を終了させるが、得られるモノアゾレーキ顔料は、工程異常がなくレーキ化が終了したモノアゾレーキ顔料の品質に比べて、透明性、鮮明性、着色力などの低下を伴うことがあった。一方、一般的に、モノアゾレーキ顔料中には、レーキ化されていない未レーキ状態の染料が微量残存している。このような未レーキ状態の染料が多く含まれている顔料の水ペーストを用いてオフセットインキを製造すると、フラッシング性の低下や、フラッシング排水の着色が起こり、できあがったインキの透明性、鮮明性、光沢、耐水性などの低下が生じた。また、このような未レーキ状態の染料が多く含まれている顔料の乾燥粉末を用いてグラビアインキを製造すると、できあがったインキの粘度安定性の低下、透明性、鮮明性、光沢などの低下が生じた。
特開2006−89607号公報
排水処理には、処理設備、添加剤、エネルギーなど多大な費用がかかることから、モノアゾレーキ顔料の製造時、モノアゾレーキ顔料を用いたインキの製造時における排水着色は、重要な問題であった。そのため、本発明は、これらの原因である未レーキ染料の量を低減させ、排水処理負担を少なくするモノアゾレーキ顔料の製造方法を提供することを目的とする。
また、モノアゾレーキ顔料中に含まれる未レーキ染料は、オフセットインキ、グラビアインキの品質の低下、具体的には耐水性、流動性、透明性、鮮明性、着色力の低下などを生じる原因となる。そのため、本発明は、未レーキ染料の量が低減されたモノアゾレーキ顔料を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、耐水性、流動性、透明性、鮮明性、着色力が良好な、モノアゾレーキ顔料を含有する着色組成物を提供することを目的とする。
本発明のモノアゾレーキ顔料の製造方法は、芳香族アミンのジアゾニウム塩と、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸とをカップリングさせ、金属でレーキ化させるモノアゾレーキ顔料の製造方法において、前記2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸として、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の含有量が0.3重量%以下、且つ2−ヒドロキシ−8−ナフトエ酸の含有量が0.05重量%以下の2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸を使用することを特徴とする。
また、本発明のモノアゾレーキ顔料は、上記方法で製造されたモノアゾレーキ顔料であることを特徴とする。
さらに、本発明の着色組成物は、上記方法で製造されたモノアゾレーキ顔料とビヒクルとを含むことを特徴とする。
本発明のモノアゾレーキ顔料の製造方法によれば、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の含有量が0.3重量%以下、且つ2−ヒドロキシ−8−ナフトエ酸の含有量が0.05重量%以下の2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸を使用するため、顔料製造時のレーキ化反応を1時間以内に終了させ、濾過、精製時の排水の着色が少なくなり、従来排水処理に費やしていた工程を大幅に減らすことができる。
また、本発明の方法で製造されたモノアゾレーキ顔料は、未レーキ染料の含有量が少ないため、インキ製造時にはフラッシング性に優れるためフラッシング時間を短縮でき、かつ排水の着色が少なくなる。
さらに、本発明の着色組成物は、未レーキ染料の含有量が少ないため、透明性、鮮明性、着色力、ブロンズ、光沢、耐水性が良好であり、粘度安定性などの印刷適性に優れる印刷インキや塗料として用いることができる。また、本発明の着色組成物は、透明性、鮮明性、着色力、マイグレーションに優れたプラスチック用着色剤として用いることができる。
まず、本発明のモノアゾレーキ顔料の製造方法について説明する。
本発明のモノアゾレーキ顔料の製造方法では、芳香族アミンのジアゾニウム塩と、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸とをカップリングさせ、金属でレーキ化させるモノアゾレーキ顔料の製造方法において、前記2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸として、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の含有量が0.3重量%以下、且つ2−ヒドロキシ−8−ナフトエ酸の含有量が0.05重量%以下の2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸を使用する。
モノアゾレーキ顔料の原料である市販の2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸(以下、BON酸という。)中には、主成分であるBON酸の他に、β−ナフトール、更にカルボキシル基の位置が異なる、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−8−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3,6−ナフトエ酸のような異性体が不純物として存在する。
上記の異性体から合成される染料は、カルボキシル基の位置がBON酸から合成される染料と異なることから、レーキ化反応が進行し難いと推察される。しかし、BON酸中に含有される2−ヒドロキシ−3,6−ナフトエ酸に関しては、通常の市販のBON酸中の含有量は0.01重量%以下と極微量であり、品質管理上問題視する必要がない。
一方、2−ヒドロキシ−8−ナフトエ酸は、モノアゾレーキ顔料の製造時にレーキ化を阻害する影響が最も大きいため、2−ヒドロキシ−8−ナフトエ酸の含有量が0.05重量%を超えるBON酸を用いると、レーキ金属添加後のレーキ化反応の終了まで時間がかかり、顔料製造時に濾液が着色する。また、得られたモノアゾレーキ顔料を用いてインキを製造する際に、フラッシング排水が着色する。これは、2−ヒドロキシ−8−ナフトエ酸から合成される染料の量以上の着色度合いであった。即ち、2−ヒドロキシ−8−ナフトエ酸の含有量が多いBON酸を使用すると、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸から得られる染料のレーキ化まで阻害していると考えられる。
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸は、2−ヒドロキシ−8−ナフトエ酸と比べると、モノアゾレーキ顔料の製造時にレーキ化を阻害する影響は小さい。しかし、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の含有量が0.30重量%を越えるBON酸を用いると、顔料製造時に濾液が着色する。また、得られたモノアゾレーキ顔料を用いてインキを製造する際に、フラッシング排水が着色する。
本発明のモノアゾレーキ顔料の製造方法では、芳香族アミンとして、可溶性基を有する芳香族アミン、または可溶性基のない芳香族アミンを用いることができる。可溶性基を有する芳香族アミンとしては、例えば、1−アミノ−4メチルベンゼン−2−スルホン酸、1−アミノ−4メチル−5−クロロベンゼン−2−スルホン酸、1−アミノ−5メチル−4−クロロベンゼン−2−スルホン酸、2−アミノナフタレン−1−スルホン酸、1−アミノ−4メチルベンゼン−3−スルホン酸、1−アミノ−4−クロル−5−クロル−3−スルホン酸などが例示される。可溶性基のない芳香族アミンとしては、例えば、3−アミノベンズアミド、3−アミノ−4−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−エチルベンズアミド、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドなどが例示される。芳香族アミンは、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記の芳香族アミンには、スルホン基の置換位置の異なる誘導体、或いはニトロ基、カルボアミド基などで置換された可溶性基のないアニリン誘導体を併用することができる。
カップラー成分としては、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の含有量が0.3重量%以下、且つ2−ヒドロキシ−8−ナフトエ酸の含有量が0.05重量%以下のBON酸を用いるが、そのナフトール類を併用することができる。また、BON酸は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換された化合物であっても良い。
レーキ化に使用する金属としては、例えば、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、マンガンなどが例示される。
本発明のモノアゾレーキ顔料の製造方法は、従来公知のモノアゾレーキ顔料の製造方法に準じて実施でき、ロジン、活性剤、分散剤を添加しても良い。
即ち、芳香族アミンを常法に従ってジアゾ化し、一方上述のカップラー成分を常法に従って調整し、両者を常法に従ってカップリングし、得られた染料を顔料レーキ化金属によりレーキ化する。また、ジアゾ成分中に顔料レーキ化用金属を加えておきカップリングしてもよい。ロジンは、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などの可溶性塩として、染料中、或いはカップラー中などに添加してレーキ化の際に存在させるようにする。
本発明の方法で製造されたモノアゾレーキ顔料は、含水顔料又は乾燥顔料の形態で用いることができる。
本発明の方法で製造されたモノアゾレーキ顔料とビヒクルとを含む着色組成物は、各種用途、例えばオフセットインキ、グラビアインキなどの印刷インキ、塗料、着色プラスチック成型品などの汎用用途に加え、カラートナー、カラーフィルター、インクジェットインキなどの用途にも適用できる。
オフセットインキ用ビヒクルとしては、例えば、ロジン変性フェノール系樹脂、石油系樹脂、アルキッド系樹脂、またはこれら乾性油変性系樹脂、植物油などを含んだ樹脂などが挙げられる。グラビアインキ用ビヒクルとしては、例えば、ニトロセルロース系樹脂、マレイン酸系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ラムロジン系樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。例中、特に断りのない限り、部は重量部、%は重量%を意味する。
実施例に先立ち、BON酸およびその異性体の定性、定量分析方法について説明する。
BON酸およびその異性体の定性、定量分析は、島津製作所製の液体クロマトグラフィにより、溶離液として酢酸アンモニウム水溶液及びアセトニトリル、イソプロピルアルコール、リン酸、pH調整液を使用し、カラムとしてDOSカラムを使用して行った。また、定量は、229nmの波長の吸収の面積比で行った。
まず、市販のBON酸(Sample−1)について、上記方法でBON酸およびその異性体の定性、定量分析を行ったところ、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の含有量が0.3%、2−ヒドロキシ−8−ナフトエの含有量が0.15%であった。ついで、Sample−1のBON酸をODSカラムにて分取後、混合してSample−2からSample−4を用意した。各サンプルの組成を上記方法で定性、定量した結果を表1に記す。
Figure 2008150440
(実施例1)
1−アミノ−4−メチルベンゼン−2−スルホン酸90.6部、1−アミノ−4−メチルベンゼン−3−スルホン酸2.9部、1−アミノナフタレン−1−スルホン酸1.8部を水1500部と水酸化ナトリウム20部からなる溶液に溶解した。これに35%塩酸124部を加え酸析後、氷1000部を加えて0℃に冷却した。水10部と亜硝酸ソーダ35部の溶液を加え、3℃以下で30分間攪拌してジアゾ成分を得た。
Sample−2のBON酸95部を水3000部と水酸化ナトリウム51部とからなる溶液に溶解し、15℃に冷却したものをカップラー成分とした。カップラー成分にジアゾ成分を20分間で滴下しカップリング反応を進め、30分間攪拌してモノアゾ染料を得た。次に、25%ロジンソープ84.8部(染料に対して樹脂固形分が10%)を添加し、1%水酸化ナトリウム水溶液でpHを11.5に調整した。これに35%塩化カルシウム水溶液300部を加え、15℃で1時間攪拌を続けてレーキ化反応を進めた。スラリーをろ紙へつけると、約20分攪拌時にブリードは消失し、レーキ化反応は終了した。 60℃に加熱後、ヌッチェでろ過し、2Lの水で置換水洗し、水分75%の含水モノアゾレーキ顔料を得た。さらに、一部を90℃15時間乾燥し、乾燥モノアゾレーキ顔料を得た。
(比較例1)
Sample−2のBON酸の代わりに、Sample−1のBON酸を同量使用した以外は、実施例1と同様にしてカップリング、レーキ化反応を行った。
300分間攪拌してもスラリーのろ紙へのブリードは止まらず、その後もレーキ化は終了しなかった。このため、顔料として単離できなかった。
(比較例2)
Sample−2のBON酸の代わりに、Sample−3のBON酸を同量使用した以外は、実施例1と同様にしてカップリング、レーキ化反応を行った。
60分間攪拌してもスラリーのろ紙へのブリードは止まらず、120分攪拌後に止まった。以後は、実施例1同様の処理を行い、水分75%の含水モノアゾレーキ顔料および乾燥モノアゾレーキ顔料を得た。
(比較例3)
Sample−2のBON酸の代わりに、Sample−4のBON酸を同量使用した以外は、実施例1と同様にしてカップリング、レーキ化反応を行った。
60分間攪拌してもスラリーのろ紙へのブリードは止まらず、100分攪拌後に止まった。以後は、実施例1同様の処理を行い、水分75%の含水モノアゾレーキ顔料および乾燥モノアゾレーキ顔料を得た。
実施例1、比較例2、3において、母液と水洗時のろ液の着色は、目視では実施例1が最も小さく、比較例3と比較例2では大きな差異はなかった。
レーキ化を正常に終了されるためには、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の含有量は0.3%以下であればよく、特許文献1に記載されているような0.15%以下とする制限は、実用上は必要なかった。また、2−ヒドロキシ−8ナフトエ酸の含有量は0.05%以下でなければならず、それを超える含有量では著しくレーキ化反応の進行を阻害した。即ち、2−ヒドロキシ−8ナフトエ酸は、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に比べて少量の含有率であってもレーキ化を阻害する効果が大きかった。
実施例1、比較例2、3で得られた含水モノアゾレーキ顔料については、顔料分を約30%に調整して、下記の方法でオフセットフラッシング試験、オフセット耐水性試験、オフセット光沢度、目視鮮明性、着色力、ブロンズ試験を行った。また、乾燥モノアゾレーキ顔料については、80メッシュ金網で粉砕後、グラビアインキ試験を行った。
(オフセットフラッシング試験)
オフセットインキ用ビヒクル200gを1リットルのテストフラッシャーに入れ、60℃に調整後、顔料分106gの含水顔料を加え攪拌した。実施例1の含水顔料は10分でフラッシングが終了したが、比較例2、3の含水顔料は約20分をフラッシングに要した。フラッシング排水の着色度は、目視判定では実施例1の含水顔料が最も小さく、比較例2の含水顔料が最も大きかった。
フラシャーから排水後、ビヒクル84gを加え、110℃、70mmHgで1時間減圧加熱攪拌してインキ中の水分、及び顔料中の結晶水を除去した。冷却後、ビヒクル110.5g、インキ溶剤78.5gを添加して取り出し、3本ロールで練肉分散し、ビヒクルと溶剤の合計45gを加えてタックが7.0になるよう、インキ調子を調整した。
(オフセット耐水性試験)
オフセットフラッシング試験で得られた調整インキを水に乳化して得られた水可溶分を含むインキ抽出水を作成し、抽出水の着色度合いを目視で判定、及び表面張力を測定した。着色度合いに関しては、実施例1の含水顔料を用いて調整されたインキの抽出水の着色が最も小さく、比較例2、3の含水顔料を用いて調整されたインキの抽出水の着色は大きかった。また、実施例1の含水顔料を用いて調整されたインキの抽出水の表面張力が63dyne/cmに対し、比較例2は61dyne/cm、比較例3は60.5dyne/cmであった。インキ抽出水の着色度が大きく、表面張力が小さいと、印刷適性に悪影響を及ぼすことが判っている。インキ抽出水の表面張力が低いと言うことは、湿し水中に有機成分が流出し易いことを意味し、その結果、非画線部を親油化し、地汚れの原因の一つになっている。
(オフセット光沢度、及び目視鮮明性、着色力、ブロンズ)
オフセットフラッシング試験で得られた調整インキをアート紙にRIテスターで展色し、日本電色株式会社製の光沢計で60°光沢を測定した。60°光沢は、実施例1の含水顔料を用いて調整されたインキの展色物が70%に対し、比較例2の含水顔料を用いて調整されたインキの展色物は66.0%、比較例3の含水顔料を用いて調整されたインキの展色物は67.5%と、抽出水の着色度合いが高いと光沢は低下する傾向にあった。目視によるブロンズ感も、抽出水の着色度が大きい方が大きい傾向にあり、着色力、鮮明性も低下する傾向にあった。
(グラビアインキ試験)
220mlのマヨネーズ瓶に、乾燥粉砕顔料12g、ウレタンワニス(ノントルエンタイプ)60g、メチルエチルケトン28g、3mmφのアルミナビーズ150gを加え、レッドデビル分散機で60分間分散してノントルウレタン紅インキを作成し、トリアセテートフィルムにNo.6バーコーターで展色し、自然乾燥後に光沢と目視による透明性、ブロンズを判定した。また、得られた紅インキについて、ザーンカップ#4にて、取り出し粘度、及び40℃7日静置後の経時促進粘度を測定した。
展色物の光沢は、実施例1の乾燥粉砕顔料を用いたものが62.0%に対し、比較例2の乾燥粉砕顔料を用いたものは55.5%、比較例3の乾燥粉砕顔料を用いたものは57.5%と、母液着色度合いが高いと光沢が低下する傾向にあった。透明性に関しても同様で、母液着色度合いが高いと低下し、ブロンズも大きくなる傾向にあった。粘度に関しては、実施例1の乾燥粉砕顔料を用いて作成した紅インキのザーンカップ粘度は、作成直後に11.5秒、40℃7日経時促進後に11.7秒と殆ど変化が無かったのに対し、比較例2の乾燥粉砕顔料を用いて作成した紅インキは、11.6秒から15.2秒に増粘し、比較例3の乾燥粉砕顔料を用いて作成した紅インキは、11.5秒から14.5秒に増粘した。これも母液着色度合いと相関があった。

Claims (3)

  1. 芳香族アミンのジアゾニウム塩と、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸とをカップリングさせ、金属でレーキ化させるモノアゾレーキ顔料の製造方法において、前記2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸として、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の含有量が0.3重量%以下、且つ2−ヒドロキシ−8−ナフトエ酸の含有量が0.05重量%以下の2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸を使用することを特徴とするモノアゾレーキ顔料の製造方法。
  2. 請求項1記載の方法で製造されたモノアゾレーキ顔料。
  3. 請求項2記載のモノアゾレーキ顔料とビヒクルとを含む着色組成物。
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