JPH1025426A - 平版インキ用有機顔料 - Google Patents
平版インキ用有機顔料Info
- Publication number
- JPH1025426A JPH1025426A JP26222896A JP26222896A JPH1025426A JP H1025426 A JPH1025426 A JP H1025426A JP 26222896 A JP26222896 A JP 26222896A JP 26222896 A JP26222896 A JP 26222896A JP H1025426 A JPH1025426 A JP H1025426A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pigment
- emulsion
- lipophilic
- printing
- vegetable oil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】平版インキは常に印刷機上で水と接触し,大な
り,小なり,W/Oエマルジョンの状態となり,印刷さ
れるわけであるが,顔料粒子の表面は親油化が充分でな
いので乳化により,顔料の挙動に変化が生じ,平版イン
キとして乳化によるトラブルが多発する.この問題を解
決するには,平版インキ用有機顔料の粒子表面に如何に
して,必要且つ充分な親油層を設け,親油化するかが課
題である. 【解決手段】顔料粒子の表面を必要に応じ,水可溶性の
シランカップリング剤で前処理し,その後,安定なO/
Wエマルジョンにした植物油、重合植物油,植物油変性
ポリエステル樹脂などで処理し,顔料粒子の表面に親油
層を設け,親油化することで顔料の乳化耐性を上げるこ
とが出来,これを用いた平版インキは乳化にまつわる印
刷適性,印刷効果に関するトラブルが解消される.
り,小なり,W/Oエマルジョンの状態となり,印刷さ
れるわけであるが,顔料粒子の表面は親油化が充分でな
いので乳化により,顔料の挙動に変化が生じ,平版イン
キとして乳化によるトラブルが多発する.この問題を解
決するには,平版インキ用有機顔料の粒子表面に如何に
して,必要且つ充分な親油層を設け,親油化するかが課
題である. 【解決手段】顔料粒子の表面を必要に応じ,水可溶性の
シランカップリング剤で前処理し,その後,安定なO/
Wエマルジョンにした植物油、重合植物油,植物油変性
ポリエステル樹脂などで処理し,顔料粒子の表面に親油
層を設け,親油化することで顔料の乳化耐性を上げるこ
とが出来,これを用いた平版インキは乳化にまつわる印
刷適性,印刷効果に関するトラブルが解消される.
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】平版インキに用いられる有機
顔料に関するものである.ここで云う平版インキとは,
枚葉印刷用平版インキ並びにオフ輪印刷用平版インキを
意味している.又,有機顔料とはジスアゾイエロー,カ
ーミン6B,レーキレッドC,フタロシャニンブルーな
どで代表される不溶性アゾ顔料,溶性アゾレーキ顔料,
銅フタロシャニン顔料並びにカーボンブラックを含むも
のとする.特許請求項に記載した植物油,重合植物油,
植物油変性ポリエステル樹脂を一括して親油物質と以下
表示する.顔料表面をシランカップリング剤で処理した
のち,親油物質で処理したものは強固な親油層を顔料粒
子表面に形成するので,平版インキ以外のクラビアイン
キ,プラスチックス着色剤その他顔料粒子表面の親油化
が効果的な分野にも,はば広く利用出来るものである.
顔料に関するものである.ここで云う平版インキとは,
枚葉印刷用平版インキ並びにオフ輪印刷用平版インキを
意味している.又,有機顔料とはジスアゾイエロー,カ
ーミン6B,レーキレッドC,フタロシャニンブルーな
どで代表される不溶性アゾ顔料,溶性アゾレーキ顔料,
銅フタロシャニン顔料並びにカーボンブラックを含むも
のとする.特許請求項に記載した植物油,重合植物油,
植物油変性ポリエステル樹脂を一括して親油物質と以下
表示する.顔料表面をシランカップリング剤で処理した
のち,親油物質で処理したものは強固な親油層を顔料粒
子表面に形成するので,平版インキ以外のクラビアイン
キ,プラスチックス着色剤その他顔料粒子表面の親油化
が効果的な分野にも,はば広く利用出来るものである.
【0002】
【従来の技術】平版インキは,印刷機上で常に湿し水と
接触し,W/Oエマルジョンになった状態で平版印刷が
行われている.平版印刷に用いられる湿し水は水が主成
分であり,一般には,酸,アルコール,活性剤,コロイ
ド物質などからなる湿し水添加剤を微量添加しているケ
ースが多い.一般には湿し水が印刷機上でインキ中に混
入して来て,W/Oエマルジョンになり,平版インキに
用いられるバインダーが乳化するにつれ,使用している
顔料粒子表面が湿し水の影響をうけ,印刷機上で乳化に
まつわるトラブルが発生することになる.有機顔料の表
面が一次粒子の状態で親油化が充分になされたものはな
いので,結果的に耐水性が不足し,大なり,小なり,顔
料の種類に関係なく,湿し水の影響をうけているのが実
状である.今まで,色々な表面処理が行われて来ている
が,このような観点から顔料粒子表面に親油層を設け,
充分に親油化された平版インキ用有機顔料は存在してい
ない.そのため平版インキに用いているバインダーが乳
化すると,それにつれ,顔料粒子表面も湿し水の影響を
うけ,平版インキとして乳化によるトラブルが発生する
こととなり,バインダーの変更ではコントロールに限界
がある.顔料粒子表面の親油化処理が従来,効果的に出
来なかった理由として,次の事柄があげられる. (1)湿し水に対する耐性と云う観点から親油化処理が
なされていない. (2)親油化する物質で顔料が一次粒子の状態で容易に
確実に処理される方法が確立されていなかった.本発明
に於いては,顔料製造時に顔料粒子表面を必要に応じ水
可溶性のシランカップリング剤で前処理したのち,親油
物質の安定なO/Wエマルジョンで処理し、顔料表面に
親油層を設け,親油化することで,従来からかかえてい
る平版インキ用顔料の問題の解決を図った.
接触し,W/Oエマルジョンになった状態で平版印刷が
行われている.平版印刷に用いられる湿し水は水が主成
分であり,一般には,酸,アルコール,活性剤,コロイ
ド物質などからなる湿し水添加剤を微量添加しているケ
ースが多い.一般には湿し水が印刷機上でインキ中に混
入して来て,W/Oエマルジョンになり,平版インキに
用いられるバインダーが乳化するにつれ,使用している
顔料粒子表面が湿し水の影響をうけ,印刷機上で乳化に
まつわるトラブルが発生することになる.有機顔料の表
面が一次粒子の状態で親油化が充分になされたものはな
いので,結果的に耐水性が不足し,大なり,小なり,顔
料の種類に関係なく,湿し水の影響をうけているのが実
状である.今まで,色々な表面処理が行われて来ている
が,このような観点から顔料粒子表面に親油層を設け,
充分に親油化された平版インキ用有機顔料は存在してい
ない.そのため平版インキに用いているバインダーが乳
化すると,それにつれ,顔料粒子表面も湿し水の影響を
うけ,平版インキとして乳化によるトラブルが発生する
こととなり,バインダーの変更ではコントロールに限界
がある.顔料粒子表面の親油化処理が従来,効果的に出
来なかった理由として,次の事柄があげられる. (1)湿し水に対する耐性と云う観点から親油化処理が
なされていない. (2)親油化する物質で顔料が一次粒子の状態で容易に
確実に処理される方法が確立されていなかった.本発明
に於いては,顔料製造時に顔料粒子表面を必要に応じ水
可溶性のシランカップリング剤で前処理したのち,親油
物質の安定なO/Wエマルジョンで処理し、顔料表面に
親油層を設け,親油化することで,従来からかかえてい
る平版インキ用顔料の問題の解決を図った.
【0003】
【発明が解決しようとする課題】平版インキは常に印刷
機上で水と接触し,供給され,W/Oエマルジョンの状
態になっている.この場合,平版インキ用バインダーが
乳化するので使用している顔料粒子そのものも影響をう
け,乳化トラブルが多発するようになる.現実には平版
インキはこのトラブルが多くて困っているのであるが,
これを解決するには顔料粒子表面に必要且つ充分な親油
層を設け,親油化して,顔料粒子が湿し水の影響をうけ
ないようにすることが大事である.顔料粒子表面が親油
化されていると水に接触しても水でぬれることがないの
に加え,平版インキのバインダーとの親和性も維持する
ことが出来る.平版インキ用有機顔料の粒子表面に如何
にして,必要且つ充分な親油層を設け,親油化するか
が,発明が解決しようとする課題である.
機上で水と接触し,供給され,W/Oエマルジョンの状
態になっている.この場合,平版インキ用バインダーが
乳化するので使用している顔料粒子そのものも影響をう
け,乳化トラブルが多発するようになる.現実には平版
インキはこのトラブルが多くて困っているのであるが,
これを解決するには顔料粒子表面に必要且つ充分な親油
層を設け,親油化して,顔料粒子が湿し水の影響をうけ
ないようにすることが大事である.顔料粒子表面が親油
化されていると水に接触しても水でぬれることがないの
に加え,平版インキのバインダーとの親和性も維持する
ことが出来る.平版インキ用有機顔料の粒子表面に如何
にして,必要且つ充分な親油層を設け,親油化するか
が,発明が解決しようとする課題である.
【0004】
【課題を解決するための手段】如何にして,有機顔料の
一次粒子の表面を親油化するかが課題であり,本発明に
於いては顔料製造時に,顔料粒子表面を必要に応じシラ
ンカップリング剤で,前処理したのち,親油物質の安定
なO/Wエマルジョンで処理し,粒子表面に親油層を設
け,親油化することで,課題の解決をはかった.シラン
カップリング剤で前処理すると,親油物質での処理で出
来る親油層がより強固になるので,必要に応じ活用する
ことで,平版インキの乳化トラブルを解決することが出
来る.本発明は顔料製造時,スラリーの状態で親油層を
生成させ,親油化するものであり,対象となる有機顔料
はスラリー(水性懸濁液)になっているものであれば,
限定するものでない.スラリー状態の顔料の一次粒子の
表面に確実に親油層を設けるには,あらかじめ安定なO
/Wエマルジョンに,親油物質をしておくことが必要不
可欠である.O/Wエマルジョンがこわれないようにし
ておく必要がある.このような状態にするには,アニオ
ン活性剤を併用するのが効果的であるが限定するもので
ない.あらかじめ安定な均一になっているO/Wエマル
ジョンを希釈してスラリーに添加する方法をとらないと
親油物質を用いての一次粒子レベルでの親油化は出来な
い.親油物質として顔料に対し,0.5wt%以上であ
ることが必要で,一般的には2wt%以上がベターであ
る.
一次粒子の表面を親油化するかが課題であり,本発明に
於いては顔料製造時に,顔料粒子表面を必要に応じシラ
ンカップリング剤で,前処理したのち,親油物質の安定
なO/Wエマルジョンで処理し,粒子表面に親油層を設
け,親油化することで,課題の解決をはかった.シラン
カップリング剤で前処理すると,親油物質での処理で出
来る親油層がより強固になるので,必要に応じ活用する
ことで,平版インキの乳化トラブルを解決することが出
来る.本発明は顔料製造時,スラリーの状態で親油層を
生成させ,親油化するものであり,対象となる有機顔料
はスラリー(水性懸濁液)になっているものであれば,
限定するものでない.スラリー状態の顔料の一次粒子の
表面に確実に親油層を設けるには,あらかじめ安定なO
/Wエマルジョンに,親油物質をしておくことが必要不
可欠である.O/Wエマルジョンがこわれないようにし
ておく必要がある.このような状態にするには,アニオ
ン活性剤を併用するのが効果的であるが限定するもので
ない.あらかじめ安定な均一になっているO/Wエマル
ジョンを希釈してスラリーに添加する方法をとらないと
親油物質を用いての一次粒子レベルでの親油化は出来な
い.親油物質として顔料に対し,0.5wt%以上であ
ることが必要で,一般的には2wt%以上がベターであ
る.
【0005】植物油としては,キリ油,アマニ油,大豆
油,サフラワー油,ヒマシ油などで代表される液状の乾
性油,半乾性油,不乾性油のいずれも用いることが出来
る.重合植物油とは,各種の植物油を加熱重合したもの
を云い,,例えばアマニ油の重合油である00ニス,#
9ニス,吹込油などはその代表である.植物油変性ポリ
エステル樹脂は,各種の植物油を変性して得られるもの
で例えば,アマニ油変性ポリエステル樹脂,大豆油変性
ポリエステル樹脂などはその代表である.これらを用い
る場合,オフセット適性がよいものがよく,粘度は必要
に応じ,オフセットインキ用溶剤でコントロールして低
粘度にして用いることが好ましい.尚,これらを他の異
なる物質と混合して混合物として用いることも可能であ
る.但し,この場合,本来の性能が失われない範囲で,
混合する物質並びに混合量をケースバイケースでコント
ロールすることが好ましい.
油,サフラワー油,ヒマシ油などで代表される液状の乾
性油,半乾性油,不乾性油のいずれも用いることが出来
る.重合植物油とは,各種の植物油を加熱重合したもの
を云い,,例えばアマニ油の重合油である00ニス,#
9ニス,吹込油などはその代表である.植物油変性ポリ
エステル樹脂は,各種の植物油を変性して得られるもの
で例えば,アマニ油変性ポリエステル樹脂,大豆油変性
ポリエステル樹脂などはその代表である.これらを用い
る場合,オフセット適性がよいものがよく,粘度は必要
に応じ,オフセットインキ用溶剤でコントロールして低
粘度にして用いることが好ましい.尚,これらを他の異
なる物質と混合して混合物として用いることも可能であ
る.但し,この場合,本来の性能が失われない範囲で,
混合する物質並びに混合量をケースバイケースでコント
ロールすることが好ましい.
【0006】
【発明の実施の形態】顔料製造時に必要に応じ,シラン
カップリング剤で前処理したのち,親油物質の安定なO
/Wエマルジョンで処理することで粒子表面に親油層を
設け,親油化することが出来る.有機顔料の粒子表面が
親油化されることにより,平版印刷時,湿し水との接触
でも顔料表面はぬれにくく,且つ平版インキ用として用
いているバインダーの中に湿し水が大量に入っていても
バインダーとの親和性が失われにくい.そのため平版イ
ンキとしての乳化耐性,その他の平版印刷適性並びに効
果が改善される.
カップリング剤で前処理したのち,親油物質の安定なO
/Wエマルジョンで処理することで粒子表面に親油層を
設け,親油化することが出来る.有機顔料の粒子表面が
親油化されることにより,平版印刷時,湿し水との接触
でも顔料表面はぬれにくく,且つ平版インキ用として用
いているバインダーの中に湿し水が大量に入っていても
バインダーとの親和性が失われにくい.そのため平版イ
ンキとしての乳化耐性,その他の平版印刷適性並びに効
果が改善される.
【0007】親油物質に存在する脂肪酸残基が顔料表面
の親油化に効果的に作用し,脂肪酸の種類は特定するも
のでなく,いずれも親油化効果が良好である.このよう
に親油物質を上手に有機顔料の表面につけることで,平
版印刷適性が良好で,且つ乳化トラブルが改善された平
版インキ用有機顔料を作ることが出来る.顔料製造工程
で加熱乾燥する必要のある粉末顔料を作る場合などに
は,親油物質の乾燥性を考慮に入れて使用しないと,結
果的に顔料の凝集を促進することもあるので,このよう
な場合にはヨウ素価の低いものを用いることが好まし
い.
の親油化に効果的に作用し,脂肪酸の種類は特定するも
のでなく,いずれも親油化効果が良好である.このよう
に親油物質を上手に有機顔料の表面につけることで,平
版印刷適性が良好で,且つ乳化トラブルが改善された平
版インキ用有機顔料を作ることが出来る.顔料製造工程
で加熱乾燥する必要のある粉末顔料を作る場合などに
は,親油物質の乾燥性を考慮に入れて使用しないと,結
果的に顔料の凝集を促進することもあるので,このよう
な場合にはヨウ素価の低いものを用いることが好まし
い.
【0008】顔料を一次粒子の状態に近いレベルで親油
化するには,親油物質を均一で安定なO/Wエマルジョ
ンにして作用させる必要がある.即ち一次粒子に近い状
態の顔料スラリーに前もって安定なO/Wエマルジョン
にした親油物質を混合することで,親油層が粒子表面に
形成される.このO/Wエマルジョンは非常に安定で且
つ水で希釈した場合,無限大に近い希釈能力を有するよ
うに作ることで,一次粒子に充分な親油層を形成させる
ことが可能となる.安定なO/Wエマルジョンにしない
と,一次粒子の状態での親油化は不可能である.親油物
質を均一な微細な油滴として顔料製造時,スラリー中に
投入し,顔料粒子表面と油滴が充分に接触し,顔料粒子
の表面に親油層を作る.同時にこれはO/Wエマルジョ
ンを作りやすい特性があり,簡単にO/Wエマルジョン
の安定なものが作れ,且つ無限大に近い水希釈能力のあ
るものが得られる.
化するには,親油物質を均一で安定なO/Wエマルジョ
ンにして作用させる必要がある.即ち一次粒子に近い状
態の顔料スラリーに前もって安定なO/Wエマルジョン
にした親油物質を混合することで,親油層が粒子表面に
形成される.このO/Wエマルジョンは非常に安定で且
つ水で希釈した場合,無限大に近い希釈能力を有するよ
うに作ることで,一次粒子に充分な親油層を形成させる
ことが可能となる.安定なO/Wエマルジョンにしない
と,一次粒子の状態での親油化は不可能である.親油物
質を均一な微細な油滴として顔料製造時,スラリー中に
投入し,顔料粒子表面と油滴が充分に接触し,顔料粒子
の表面に親油層を作る.同時にこれはO/Wエマルジョ
ンを作りやすい特性があり,簡単にO/Wエマルジョン
の安定なものが作れ,且つ無限大に近い水希釈能力のあ
るものが得られる.
【0009】O/Wエマルジョンを作るには,活性剤を
併用する必要があり,必要に応じエマルジョンブレーク
が酸,塩などで容易に出来,エマルジョン生成に有効に
作用するアニオン活性剤が一般的には効果的である.使
用するアニオン活性剤の代表としては,ソープ(石ケ
ン),高級アルキルスルホン酸塩,アルコール硫酸エス
テル,アルキルベンゼンスルホン酸塩などがある.尚,
アニオン以外のカチオン,ノニオン活性剤でも安定なO
/Wエマルジョンを作ることが出来るものであればよ
く,アニオン活性剤に限定するものでない.
併用する必要があり,必要に応じエマルジョンブレーク
が酸,塩などで容易に出来,エマルジョン生成に有効に
作用するアニオン活性剤が一般的には効果的である.使
用するアニオン活性剤の代表としては,ソープ(石ケ
ン),高級アルキルスルホン酸塩,アルコール硫酸エス
テル,アルキルベンゼンスルホン酸塩などがある.尚,
アニオン以外のカチオン,ノニオン活性剤でも安定なO
/Wエマルジョンを作ることが出来るものであればよ
く,アニオン活性剤に限定するものでない.
【0010】親油物質を用い,より強固な親油層を形成
したい場合には,シランカップリング剤で前処理してか
ら,親油化処理することが効果的である.シランカップ
リング剤とは,その分子中に2個以上の異なった反応基
を持つ有機硅素単量体で,2個の反応基の一つは無機物
質と,もう一つは有機物質と化学結合する反応基を持っ
たものである.この場合,シランカップリング剤として
水可溶性のものを用い顔料に対し,0.1wt%〜2w
t%程度添加して処理する.これによって顔料表面にシ
ランカップリング剤の活性層が形成される.その後,親
油化するために親油物質をO/Wエマルジョンにしたも
のを加え,処理することで,シランカップリング剤で出
来た活性層と反応し,強固な親油層が粒子表面に形成さ
れる.このように,顔料粒子表面と親油層との結合にシ
ランカップリング剤が作用し,これによって一段と親油
層の付着が強固な顔料を作ることが出来る.
したい場合には,シランカップリング剤で前処理してか
ら,親油化処理することが効果的である.シランカップ
リング剤とは,その分子中に2個以上の異なった反応基
を持つ有機硅素単量体で,2個の反応基の一つは無機物
質と,もう一つは有機物質と化学結合する反応基を持っ
たものである.この場合,シランカップリング剤として
水可溶性のものを用い顔料に対し,0.1wt%〜2w
t%程度添加して処理する.これによって顔料表面にシ
ランカップリング剤の活性層が形成される.その後,親
油化するために親油物質をO/Wエマルジョンにしたも
のを加え,処理することで,シランカップリング剤で出
来た活性層と反応し,強固な親油層が粒子表面に形成さ
れる.このように,顔料粒子表面と親油層との結合にシ
ランカップリング剤が作用し,これによって一段と親油
層の付着が強固な顔料を作ることが出来る.
【0011】実施例 1.パラトルイジンメタスルホン
酸とベータオキシナフトエ酸を原料とし,水相中で合成
させたブリリアントカーミン6B(RED57:1.N
o15850:1)のスラリーにロジン石鹸及び塩化カ
ルシウム溶液を加えて,カーミン6Bに対し10wt%
になるようにロジン処理した.このロジン処理後に大豆
油が2wt%になる様処理した.使用したカーミン6B
のスラリー濃度は1wt%のものを用いた.処理後,脱
水し,カーミン6Bのウェットケーキ(顔料分25wt
%)を得た.大豆油のO/Wエマルジョンは,まず1
2.5wt%のロジンソープの水溶液40部に少しずつ
大豆油を入れながら小型ハイスピードミキサーで攪拌し
て均一で安定なO/Wエマルジョンを得た.O/Wエマ
ルジョンが出来たのち,その安定性を確認後,水に20
0倍に希釈して使用に供した.尚,大豆油処理しないも
のを標準として作った.
酸とベータオキシナフトエ酸を原料とし,水相中で合成
させたブリリアントカーミン6B(RED57:1.N
o15850:1)のスラリーにロジン石鹸及び塩化カ
ルシウム溶液を加えて,カーミン6Bに対し10wt%
になるようにロジン処理した.このロジン処理後に大豆
油が2wt%になる様処理した.使用したカーミン6B
のスラリー濃度は1wt%のものを用いた.処理後,脱
水し,カーミン6Bのウェットケーキ(顔料分25wt
%)を得た.大豆油のO/Wエマルジョンは,まず1
2.5wt%のロジンソープの水溶液40部に少しずつ
大豆油を入れながら小型ハイスピードミキサーで攪拌し
て均一で安定なO/Wエマルジョンを得た.O/Wエマ
ルジョンが出来たのち,その安定性を確認後,水に20
0倍に希釈して使用に供した.尚,大豆油処理しないも
のを標準として作った.
【0012】実施例 2.実施例1.のウェットケーキ
を130℃,5時間乾燥し,粉砕し,カーミン6Bの粉
末顔料とした.尚,大豆油処理しないものも,同様に粉
末顔料にして標準とした.実施例で用いたカーミン6B
は次の内容で作ったものを用いた.パラトルイジン・メ
タ・スルホン酸18.7部を,苛性ソーダ4部を含む水
溶液に溶解後,35%塩酸24.2部を加えて酸析す
る.この液を0℃に冷却し,これに20%亜硝酸ソーダ
水溶液35部を加えてジアゾ化する.別に苛性ソーダ1
0部を含む水溶液中にβオキシナフトエ酸19.2部を
溶解した液を作製し,これにジアゾ化溶液を加えてカッ
プリングを行う.
を130℃,5時間乾燥し,粉砕し,カーミン6Bの粉
末顔料とした.尚,大豆油処理しないものも,同様に粉
末顔料にして標準とした.実施例で用いたカーミン6B
は次の内容で作ったものを用いた.パラトルイジン・メ
タ・スルホン酸18.7部を,苛性ソーダ4部を含む水
溶液に溶解後,35%塩酸24.2部を加えて酸析す
る.この液を0℃に冷却し,これに20%亜硝酸ソーダ
水溶液35部を加えてジアゾ化する.別に苛性ソーダ1
0部を含む水溶液中にβオキシナフトエ酸19.2部を
溶解した液を作製し,これにジアゾ化溶液を加えてカッ
プリングを行う.
【0013】実施例 3.不溶性アゾ顔料であるジスア
ゾイエローAAA(イエロー12No21090)の出
来たばかりのスラリー(濃度1wt%)を植物油変性ポ
リエステル樹脂のO/Wエマルジョンで処理した.ジス
アゾイエローAAA顔料に対し,植物油変性ポリエステ
ル樹脂が5wt%になるように処理した.このものを脱
水し,ウエットケーキ(顔料分20wt%)にした.
O/Wエマルジョンは12.5wt%のロジンソープ水
溶液80部の中に,植物油変性ポリエステル樹脂を少し
ずつ入れながら,小型ハイスピードミキサーで攪拌して
均一で安定なO/Wエマルジョンを得た.O/Wエマル
ジョンが出来たのち,水で100倍に希釈して安定性を
確認した.植物油変性ポリエステル樹脂としては,低粘
度のアマニ油変性ポリエステル樹脂を用いた.尚,処理
しないものを標準として作った.実施例3.で用いたジ
スアゾイエローAAAは次の内容で作った.水約400
部に3.3’ジクロロベンジジン25.3部と35%塩
酸16.5部を加える.この溶液を0℃に冷却後,20
%亜硝酸ソーダ水溶液57部を加え,テトラゾ化を行
う.このテトラゾ液をアセトアセトアニリド36部を含
む苛性ソーダ水溶液中に加え,カップリング行い,ジス
アゾイエローAAAを得る.
ゾイエローAAA(イエロー12No21090)の出
来たばかりのスラリー(濃度1wt%)を植物油変性ポ
リエステル樹脂のO/Wエマルジョンで処理した.ジス
アゾイエローAAA顔料に対し,植物油変性ポリエステ
ル樹脂が5wt%になるように処理した.このものを脱
水し,ウエットケーキ(顔料分20wt%)にした.
O/Wエマルジョンは12.5wt%のロジンソープ水
溶液80部の中に,植物油変性ポリエステル樹脂を少し
ずつ入れながら,小型ハイスピードミキサーで攪拌して
均一で安定なO/Wエマルジョンを得た.O/Wエマル
ジョンが出来たのち,水で100倍に希釈して安定性を
確認した.植物油変性ポリエステル樹脂としては,低粘
度のアマニ油変性ポリエステル樹脂を用いた.尚,処理
しないものを標準として作った.実施例3.で用いたジ
スアゾイエローAAAは次の内容で作った.水約400
部に3.3’ジクロロベンジジン25.3部と35%塩
酸16.5部を加える.この溶液を0℃に冷却後,20
%亜硝酸ソーダ水溶液57部を加え,テトラゾ化を行
う.このテトラゾ液をアセトアセトアニリド36部を含
む苛性ソーダ水溶液中に加え,カップリング行い,ジス
アゾイエローAAAを得る.
【0014】実施例 4.β型フタロシャニンブルー
(ブルー15:3.No74160)の出来たばかりの
スラリー(顔料濃度2wt%)を重合植物油のO/Wエ
マルジョンで処理した.β型フタロシャニンブルー顔料
に対し,重合植物油が3wt%になるように処理した.
(処理時間15分,50℃).このものを脱水し,ウェ
ットケーキ(顔料分25wt%)を得た.O/Wエマル
ジョンはカチオン活性剤(アセタミン86)の2wt%
の水溶液89部に重合植物油11部を少しずつ入れなが
ら,ハイスピードミキサーで充分に攪拌して均一で安定
なO/Wエマルジョンを作った.重合植物油としては,
重合アマニ油である00ニスを用いた.尚,重合植物油
で処理しないものを標準として作製した.フタロシャニ
ンブルーは次の内容で作って用いた.無水フタル酸3
7.3部,尿素60部,塩化第一銅7部及び触媒1部を
高沸点ソルベント150部中に加え,180〜200℃
にて加熱反応させた.溶媒除去後,酸洗いし,粗製銅フ
タロシャニンブルーを得た.これをニーダーを用いて顔
料化した.
(ブルー15:3.No74160)の出来たばかりの
スラリー(顔料濃度2wt%)を重合植物油のO/Wエ
マルジョンで処理した.β型フタロシャニンブルー顔料
に対し,重合植物油が3wt%になるように処理した.
(処理時間15分,50℃).このものを脱水し,ウェ
ットケーキ(顔料分25wt%)を得た.O/Wエマル
ジョンはカチオン活性剤(アセタミン86)の2wt%
の水溶液89部に重合植物油11部を少しずつ入れなが
ら,ハイスピードミキサーで充分に攪拌して均一で安定
なO/Wエマルジョンを作った.重合植物油としては,
重合アマニ油である00ニスを用いた.尚,重合植物油
で処理しないものを標準として作製した.フタロシャニ
ンブルーは次の内容で作って用いた.無水フタル酸3
7.3部,尿素60部,塩化第一銅7部及び触媒1部を
高沸点ソルベント150部中に加え,180〜200℃
にて加熱反応させた.溶媒除去後,酸洗いし,粗製銅フ
タロシャニンブルーを得た.これをニーダーを用いて顔
料化した.
【0015】実施例 5.実施例1.と同じブリリアン
トカーミン6Bのスラリーにロジン石鹸及び塩化カルシ
ウム溶液を加えてカーミン6Bに対して10wt%にな
るように処理した.このロジン処理する時に大豆油を顔
料に対して2wt%になるようハイスピードミキサーで
強制攪拌しながら添加した.処理後,脱水し,カーミン
6Bのウエットケーキ(顔料分25wt%)を得た.実
施例5.では大豆油を前もって安定なエマルジョンにす
ることなしに処理を行ったため,スラリー中に若干大豆
油が浮遊しているのが確認された.尚,大豆油処理しな
いものを標準として作った.
トカーミン6Bのスラリーにロジン石鹸及び塩化カルシ
ウム溶液を加えてカーミン6Bに対して10wt%にな
るように処理した.このロジン処理する時に大豆油を顔
料に対して2wt%になるようハイスピードミキサーで
強制攪拌しながら添加した.処理後,脱水し,カーミン
6Bのウエットケーキ(顔料分25wt%)を得た.実
施例5.では大豆油を前もって安定なエマルジョンにす
ることなしに処理を行ったため,スラリー中に若干大豆
油が浮遊しているのが確認された.尚,大豆油処理しな
いものを標準として作った.
【0016】実施例 6.実施例1.に於いてスラリー
を前もってシランカップリング剤で処理したのち,O/
Wエマルジョンにした大豆油で実施例1.と同じく処理
した.シランカップリング剤としてはγ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン1wt%の水溶液を染料に対し,
1wt%添加し,50℃で10分間処理し,すぐ,後処
理に入った.大豆油処理後,脱水し,カーミン6Bのウ
ェットケーキ(顔料分25wt%)を得た.O/Wエマ
ルジョンの内容その他は全く実施例1.と同じにした.
尚,処理しないものを標準として作った.
を前もってシランカップリング剤で処理したのち,O/
Wエマルジョンにした大豆油で実施例1.と同じく処理
した.シランカップリング剤としてはγ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン1wt%の水溶液を染料に対し,
1wt%添加し,50℃で10分間処理し,すぐ,後処
理に入った.大豆油処理後,脱水し,カーミン6Bのウ
ェットケーキ(顔料分25wt%)を得た.O/Wエマ
ルジョンの内容その他は全く実施例1.と同じにした.
尚,処理しないものを標準として作った.
【0017】実施例 7.実施例1.で用いたスラリー
を前もってシランカップリング剤で処理したのち,O/
Wエマルジョンにしたアマニ油(原油)で処理した.シ
ランカップリング剤処理としてはγ−メタクロキシプロ
ピルトリメトキシシラン1wt%水溶液で30℃,10
分間処理し,染料に対し0.5wt%添加した.尚,水
溶液を作る際,酢酸1wt%水溶液に溶かした.O/W
エマルジョンはアマニ油30部,石油溶剤(日石#7ソ
ルベント)30部よりなる混合物を12.5wt%のロ
ジンソープ水溶液40部にまぜて作った.O/Wエマル
ジョンは安定で均一であり,水に対する希釈性も充分良
好であった.顔料に対しアマニ油(原油)が5wt%に
なるように処理した.シランカップリング剤での前処
理,アマニ油のO/Wエマルジョンでの後処理後に脱水
して,カーミン6B(顔料分25wt%)のウエットケ
ーキを得た.尚,処理しないものを標準として作った.
を前もってシランカップリング剤で処理したのち,O/
Wエマルジョンにしたアマニ油(原油)で処理した.シ
ランカップリング剤処理としてはγ−メタクロキシプロ
ピルトリメトキシシラン1wt%水溶液で30℃,10
分間処理し,染料に対し0.5wt%添加した.尚,水
溶液を作る際,酢酸1wt%水溶液に溶かした.O/W
エマルジョンはアマニ油30部,石油溶剤(日石#7ソ
ルベント)30部よりなる混合物を12.5wt%のロ
ジンソープ水溶液40部にまぜて作った.O/Wエマル
ジョンは安定で均一であり,水に対する希釈性も充分良
好であった.顔料に対しアマニ油(原油)が5wt%に
なるように処理した.シランカップリング剤での前処
理,アマニ油のO/Wエマルジョンでの後処理後に脱水
して,カーミン6B(顔料分25wt%)のウエットケ
ーキを得た.尚,処理しないものを標準として作った.
【0018】実施例 8.実施例7.に於いてシランカ
ップリング剤処理をせずに,その他は全く実施例7.と
同一な処理剤(アマニ油のO/Wエマルジョン),並び
に処理条件で処理した.処理後,脱水してカーミン6B
(顔料分25wt%)のウェットケーキを得た.
ップリング剤処理をせずに,その他は全く実施例7.と
同一な処理剤(アマニ油のO/Wエマルジョン),並び
に処理条件で処理した.処理後,脱水してカーミン6B
(顔料分25wt%)のウェットケーキを得た.
【0019】実施例 9.カーボンブラック(三菱カー
ボンMA#100)10部を水100部に混合し,一日
放置後ハイスピードミキサーで30分常温で撹拌し,均
一なカーボンブラックのスラリーを作った.その後,γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン1wt%水溶液を
カーボンブラックに対し,1wt%になるように添加
し,50℃,10分間攪拌処理した.引きつづき,O/
Wエマルジョンにした大豆油で処理し,大豆油がカーボ
ンブラックに対し,10wt%になるように処理した.
O/Wエマルジョンは大豆油50部,石油溶剤(日石#
7ソルベント)10部の混合物を12.5wt%のロジ
ンソープ水溶液40部にまぜて作った.このようにして
出来たカーボンブラックのスラリーを脱水し,カーボン
ブラックのコンテントが25wt%のウエットケーキを
得た.これを乾燥,粉砕してカーボンブラックの粉末に
した.尚,処理しないカーボンブラックを標準として残
した.
ボンMA#100)10部を水100部に混合し,一日
放置後ハイスピードミキサーで30分常温で撹拌し,均
一なカーボンブラックのスラリーを作った.その後,γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン1wt%水溶液を
カーボンブラックに対し,1wt%になるように添加
し,50℃,10分間攪拌処理した.引きつづき,O/
Wエマルジョンにした大豆油で処理し,大豆油がカーボ
ンブラックに対し,10wt%になるように処理した.
O/Wエマルジョンは大豆油50部,石油溶剤(日石#
7ソルベント)10部の混合物を12.5wt%のロジ
ンソープ水溶液40部にまぜて作った.このようにして
出来たカーボンブラックのスラリーを脱水し,カーボン
ブラックのコンテントが25wt%のウエットケーキを
得た.これを乾燥,粉砕してカーボンブラックの粉末に
した.尚,処理しないカーボンブラックを標準として残
した.
【0020】実施例10.実施例1.から実施例9.ま
でに出来た親油物質で処理した顔料と未処理の標準顔料
について,それぞれインキ化した.インキ化はウェット
ケーキはテストフラッシャーと3本ロールミルで,粉末
顔料は3本ロールミルで同一条件で行った.カーミン6
Bを用いた紅インキ,シャニンブルーを用いた藍イン
キ,カーボンブラックを用いた墨インキは,顔料18
部,バインダー60部,ソルベント22部を標準処方と
し,ジスアゾイエローを用いた黄インキは,顔料10
部,バインダー70部,ソルベント20部を標準処方と
して用いた.バインダーはGT500(東新油脂製),
ソルベントは#7ソルベント(日石石油溶剤)を用い
た.この平版インキを用いてハイデルKORDで湿し水
として水道水を用い,PS版を使用して上質紙に印刷し
て評価した.(印刷スピード3000RPM 温湿度2
0℃,60%) 標準とした親油物質で処理していないものが,いずれも
乳化してうまく刷れない湿し水過剰の状態で,親油物質
で処理したものを印刷テストし,乳化による流動性,光
沢,転移性劣化など乳化トラブルがあるかどうかの判断
をした.即ち,湿し水過剰での印刷適性と印刷効果を見
た. その結果 (1)標準インキは,いずれも500枚印刷して中止し
た.いずれも最初からうまく印刷が出来なかった.印刷
効果もいちじるしく悪かった. (2)実施例1.2.3.4.6.7.8.9.の親油
物質で処理したものは,5,000枚印刷しても良好で
あり,10,000枚印刷しても実施例6.7.9.で
得たものは良好であり,その他のものは若干転移性が劣
化した.印刷効果(光沢,再現性)は,いずれも良好で
あった. (3)実施例5.は最初からうまく印刷が出来なかっ
た.印刷効果も,悪かった.
でに出来た親油物質で処理した顔料と未処理の標準顔料
について,それぞれインキ化した.インキ化はウェット
ケーキはテストフラッシャーと3本ロールミルで,粉末
顔料は3本ロールミルで同一条件で行った.カーミン6
Bを用いた紅インキ,シャニンブルーを用いた藍イン
キ,カーボンブラックを用いた墨インキは,顔料18
部,バインダー60部,ソルベント22部を標準処方と
し,ジスアゾイエローを用いた黄インキは,顔料10
部,バインダー70部,ソルベント20部を標準処方と
して用いた.バインダーはGT500(東新油脂製),
ソルベントは#7ソルベント(日石石油溶剤)を用い
た.この平版インキを用いてハイデルKORDで湿し水
として水道水を用い,PS版を使用して上質紙に印刷し
て評価した.(印刷スピード3000RPM 温湿度2
0℃,60%) 標準とした親油物質で処理していないものが,いずれも
乳化してうまく刷れない湿し水過剰の状態で,親油物質
で処理したものを印刷テストし,乳化による流動性,光
沢,転移性劣化など乳化トラブルがあるかどうかの判断
をした.即ち,湿し水過剰での印刷適性と印刷効果を見
た. その結果 (1)標準インキは,いずれも500枚印刷して中止し
た.いずれも最初からうまく印刷が出来なかった.印刷
効果もいちじるしく悪かった. (2)実施例1.2.3.4.6.7.8.9.の親油
物質で処理したものは,5,000枚印刷しても良好で
あり,10,000枚印刷しても実施例6.7.9.で
得たものは良好であり,その他のものは若干転移性が劣
化した.印刷効果(光沢,再現性)は,いずれも良好で
あった. (3)実施例5.は最初からうまく印刷が出来なかっ
た.印刷効果も,悪かった.
【0021】
(1)顔料の粒子表面に強固な親油層が出来た顔料を平
版インキを作るのに用いると,顔料が平版印刷中の湿し
水に影響を受けず,良好な印刷適性のあるインキが得ら
れる.即ち乳化による流動性,光沢,転移性をはじめと
するトラブルがなくなり,従来にない平版印刷適性,印
刷効果のよい平版インキが得られる. (2)顔料の種類に関係なく,粒子表面に同質の親油層
を設けることが出来,顔料の種類に関係なく,乳化挙動
を自由にコントロール出来る.
版インキを作るのに用いると,顔料が平版印刷中の湿し
水に影響を受けず,良好な印刷適性のあるインキが得ら
れる.即ち乳化による流動性,光沢,転移性をはじめと
するトラブルがなくなり,従来にない平版印刷適性,印
刷効果のよい平版インキが得られる. (2)顔料の種類に関係なく,粒子表面に同質の親油層
を設けることが出来,顔料の種類に関係なく,乳化挙動
を自由にコントロール出来る.
Claims (4)
- 【請求項1】顔料製造時に顔料粒子表面を植物油の安定
なO/Wエマルジョンで処理することを特徴とする平版
インキ用有機顔料. - 【請求項2】顔料製造時に顔料粒子表面を水可溶性のシ
ランカップリング剤で前処理したのち,植物油の安定な
O/Wエマルジョンで処理することを特徴とする平版イ
ンキ用有機顔料. - 【請求項3】顔料製造時に顔料粒子表面を水可溶性のシ
ランカップリング剤で,必要に応じ前処理したのち,重
合植物油の安定なO/Wエマルジョンで処理することを
特徴とする平版インキ用有機顔料. - 【請求項4】顔料製造時に顔料粒子表面を水可溶性のシ
ランカップリング剤で必要に応じ前処理したのち,植物
油変性ポリエステル樹脂の安定なO/Wエマルジョンで
処理することを特徴とする平版インキ用有機顔料.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26222896A JPH1025426A (ja) | 1996-05-09 | 1996-08-28 | 平版インキ用有機顔料 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15149196 | 1996-05-09 | ||
JP8-151491 | 1996-05-09 | ||
JP26222896A JPH1025426A (ja) | 1996-05-09 | 1996-08-28 | 平版インキ用有機顔料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1025426A true JPH1025426A (ja) | 1998-01-27 |
Family
ID=26480729
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26222896A Pending JPH1025426A (ja) | 1996-05-09 | 1996-08-28 | 平版インキ用有機顔料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1025426A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4645865B2 (ja) * | 2000-04-17 | 2011-03-09 | Dic株式会社 | 顔料添加剤、顔料組成物及び塗料用樹脂組成物 |
JP2019073667A (ja) * | 2017-10-19 | 2019-05-16 | Dic株式会社 | 着色剤及び水性顔料分散体 |
-
1996
- 1996-08-28 JP JP26222896A patent/JPH1025426A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4645865B2 (ja) * | 2000-04-17 | 2011-03-09 | Dic株式会社 | 顔料添加剤、顔料組成物及び塗料用樹脂組成物 |
JP2019073667A (ja) * | 2017-10-19 | 2019-05-16 | Dic株式会社 | 着色剤及び水性顔料分散体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5981625A (en) | Non-rub off printing inks | |
EP0819740B1 (en) | Process for producing printing ink | |
JPH0133502B2 (ja) | ||
US4323396A (en) | Process for the preparation of pigment formulations and their use | |
JP4073534B2 (ja) | 改善されたレオロジー特性を有する図版の凹版印刷用インキのための顔料混合物 | |
JP2987072B2 (ja) | 顔料組成物 | |
JPH1025426A (ja) | 平版インキ用有機顔料 | |
US2525835A (en) | Process for the preparation of coated pigment particles | |
WO1997001607A1 (fr) | Pate pigmentaire aqueuse pour encre offset, son procede de la fabrication et d'utilisation | |
US5190585A (en) | Production of pigment compositions | |
JPH0149751B2 (ja) | ||
JPH1046087A (ja) | オフセットインキ用有機顔料 | |
JP4419205B2 (ja) | 紅顔料ウエットケーキ組成物および平版インキ | |
JPS6071675A (ja) | 低粘度型平版印刷インキ | |
JP2001261994A (ja) | オフセットインキ用レーキ顔料 | |
JPH0885726A (ja) | 顔料分散体の製法、インキおよび塗料 | |
JP2007008990A (ja) | 平版インキ用アゾ顔料組成物の製造方法 | |
JPS6395270A (ja) | 粒状着色剤の製造方法 | |
JP3236804B2 (ja) | アゾレーキ顔料組成物、その製造方法及び顔料分散体 | |
JP2001354887A (ja) | オフセットインキ用ジスアゾイエロー顔料 | |
JP2002338841A (ja) | アゾレーキ顔料、アゾレーキ顔料の製造方法及び印刷インキ | |
JPS62153364A (ja) | 平版インキ用粒状着色剤およびこれを用いた顔料濃縮物 | |
JPH08259828A (ja) | 被覆処理顔料およびグラビアインキ組成物 | |
JP3669124B2 (ja) | ジスアゾ顔料組成物の製造方法およびその用途 | |
JPS63230776A (ja) | 粒状着色剤の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070320 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071009 |