JP2001261994A - オフセットインキ用レーキ顔料 - Google Patents

オフセットインキ用レーキ顔料

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JP2001261994A
JP2001261994A JP2000107256A JP2000107256A JP2001261994A JP 2001261994 A JP2001261994 A JP 2001261994A JP 2000107256 A JP2000107256 A JP 2000107256A JP 2000107256 A JP2000107256 A JP 2000107256A JP 2001261994 A JP2001261994 A JP 2001261994A
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vegetable oil
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ink
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JP2000107256A
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Masakatsu Noguchi
昌克 野口
Toshiji Shimada
利治 島田
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Daido Chemical Industry Co Ltd
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Daido Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構造的に揆水性の特に悪いレーキ顔料のオフセ
ット印刷時の水巾の向上並びに、インキ化時の分散性の
向上をはかるには、揆水性のある連続膜を如何に一次粒
子表面に形成させるかが、問題であり、これが発明が解
決しようとしている課題である。 【解決手段】石油樹脂とヨウ素価130以下の植物油を
含むO/Wエマルジョンでレーキ顔料の一次粒子の表面
を処理し、強い揆水性のある均一で且つ連続的な膜を形
成する事で、課題の解決を図った。又、単に分散性の向
上だけをはかるには、ヨウ素価130以下の植物油で処
理することで解決出来た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】オフセットインキに用いられ
るレーキ顔料に関するものである。オフセットインキと
は、枚葉印刷用平版インキ並びに、オフ輪印刷用平版イ
ンキの総称である。レーキ顔料とは、アゾレーキ顔料並
びに、染付レーキ顔料の総称を意味している。アゾレー
キ顔料は水溶性又は、水に難溶性のアゾ染料から沈殿剤
によって不溶化した顔料であり、ブリリアントカーミン
6B・レーキレッドC・ウオッチングレッド等で代表さ
れるものである。染付レーキ顔料は、塩基性染料をタン
ニン酸等の有機酸、並びに、燐タングステン酸・燐モリ
ブデン酸等の無機酸等を沈殿剤として不溶化した顔料で
あり、レーキ化される塩基性染料は、マラカイドグリー
ン・ローダミンB・メチルバイオレット等が代表的なも
のである。
【0002】顔料の処理に使用される石油樹脂は、石油
系炭化水素の重合によってえられる石油樹脂、又は、石
油樹脂を変性した変性石油樹脂を指す。単独でもブレン
ドでも問題なく使用出来る。又、ヨウ素価130以下の
植物油とは、一般には半乾性油・不乾性油と言われるも
ので、単独では大豆油・サフラワー油・ナタネ油・ヒマ
シ油等が代表的なものであり、ヨウ素価が130以下で
あれば、単独でも、乾性油を混合しても、変性しても問
題なく種類を限定するものではない。実際の使用に当た
っては、これ等を溶液とした後にO/Wエマルジョンの
形にして顔料の処理を行うものとする。特許請求範囲に
記載の顔料の形状としては、特別に記載のない限り、パ
ウダー、並びに任意に水分を含んだスラリーないしはウ
ェットケーキのすべての形状を含むものとする。本発明
で得られる水巾並びに分散性の改善は、顔料の形状とは
全く関係なく得られる。形状として特別に、含水パウダ
ーと表示してあるものは、顔料分60%以上、100%
未満である水分を含んだパウダーの外観をしているもの
を意味する。本発明の顔料では、顔料分60%で完全に
パウダー状になる特性を有している。
【0003】
【従来の技術】オフセットインキは、印刷機上で常に湿
し水と接触し、W/Oエマルジョンになった状態で平版
印刷が行われている。これを一般にはオフセット印刷と
言っている。印刷中W/Oエマルジョンになる事で、オ
フセットインキに用いられるバインダーが乳化し、使用
している顔料粒子表面が湿し水の影響を受け、印刷機上
で乳化にまつわるトラブルが発生する。この様なオフセ
ット印刷の原理に着目したオフセットインキ用顔料の性
能向上の試みは、過去にはなされていなかったが、特開
平10−46087オフセットインキ用有機顔料、並び
に特開平10−25426平版インキ用有機顔料に於い
て、はじめてオフセット印刷の原理に着目して、乳化を
改善する試みがなされている。即ち、有機顔料の表面を
親油物質で処理する事で、顔料の種類に関係なく乳化耐
性の向上をはかっている。
【0004】本発明では、化学構造上、揆水性の特に悪
い顔料に対して従来技術では、出来なかったオフセット
印刷時の水巾の向上を処理物質を特定する事で、強い揆
水性のある連続膜を構成させ、可能にした。同時に分散
性の大幅な向上を可能にした。オフセット印刷時の水巾
とは、湿し水の供給量を変動させる事で、正常の印刷が
可能な水供給量の巾をチェックし、その巾が大きい方が
良いと言われ、印刷し易い事を意味している。水巾と
は、一般には印刷機の水量調整ゲージで計数化してお
り、揆水性が良いと水巾上限が大きくなり、又、汚れ耐
性が良いと水巾の下限値が小さくなる。同一の顔料の場
合、顔料が完全に強い揆水性のある連続膜で覆われてい
ると、湿し水とは間接的な接触となり揆水性が上がり、
汚れ耐性も上がる為、水巾がおのずと改善され大きくな
り、オフセット印刷がし易くなる。この様に、オフセッ
ト印刷時の水巾の向上を目的として、顔料の表面処理を
行う技術は今までに存在してない全く新しいものであ
る。水巾の向上と共に、本発明で取り上げている分散性
については、基本的には同じ原理・手段でなしとげてい
るが、本発明のように、揆水性のある連続膜で一次粒子
表面を完全にコートする原理・手段が今まで開発されて
いない。そのため、従来技術では、顔料の形状をパウダ
ーないしは含水パウダーにして、フラッシング法で作る
インキに遜色のないものを作ることが出来なかった。本
発明でなしえた分散性の向上は、このような、全く新し
い画期的な効果をうみ出すものである。以下の記述で
は、オフセット印刷時のこの水供給量に対応する巾を単
に水巾と表現する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】顔料本来の持っている
化学構造上、揆水性の特に悪いレーキ顔料のオフセット
印刷時の水巾、並びに、分散性の向上をはかるには顔料
の一次粒子の表面に揆水性のある連続膜を如何に形成さ
せるかが問題であり、これが本発明が解決しようとする
課題である。
【0006】
【課題を解決する為の手段】レーキ顔料のオフセット印
刷時の水巾の改善と分散性の向上には、一次粒子の表面
に揆水性のある均一な連続膜を如何に作るかが問題であ
り、この課題を解決する為に、本発明では、揆水性のあ
る均一な連続膜を形成するに必要な処理物質の成分を特
定する事で解決を図った。顔料本来の揆水性が特に悪い
レーキ顔料に於いては、揆水性のある連続膜を一次粒子
表面に形成させる必要があるが、従来技術では、揆水性
の高い物質では連続膜を作り難い。又、連続膜を作り易
い物質では、物質そのものの揆水性が不足し、水巾アッ
プは充分でない。即ち、揆水性の高い連続膜を一次粒子
の表面に作ってやらないと水巾を上げる事は難しい。水
巾を下げ、且つ分散性を上げるには、ヨウ素価130以
下の植物油での連続膜を一次粒子の表面に作ってやるこ
とで可能である。
【0007】本発明では、皮膜形成に関与する物質を特
定し、これを用いてO/Wエマルジョン処理を行う事
で、揆水性の特に悪いレーキ顔料の改質を行い、水巾の
大幅な向上を成し得た。同時に分散性を上げることを可
能とした。即ち、構造的に揆水性が特に悪い有機顔料で
あるレーキ顔料の場合、石油樹脂とヨウ素化130以下
の植物油を用いて、顔料の一次粒子表面を顔料製造時に
処理する事で、従来の方法では得られなかったオフセッ
ト印刷時の水巾の大幅な改善をする事が出来た。揆水性
が特に悪い顔料の一次粒子の表面を完全に連続的に強い
揆水性のある物質で覆う事で、揆水性と共に、汚れ耐性
の改善が出来、オフセット印刷に於ける水巾の大幅な改
善を可能にしている。水巾を上・下両方向に拡大可能と
なった。
【0008】同時に揆水性のある連続膜で一次粒子の表
面をコートする事で、顔料の分散性が大幅に改善され
た。分散性のみを上げるには、ヨウ素価130以下の植
物油のレベルの揆水性ある連続膜を一次粒子の表面に作
ることで可能となる。
【0009】顔料の分散性は、凝集との関連が特に大き
く、顔料粒子が凝集を起こす一つとして、粒子間の付着
水膜の表面張力による力による事が知られている。本発
明では、一次粒子の状態でヨウ素価130以下の植物油
を用い比較的揆水性のある物質を連続且つ均一に覆う事
により、画期的に分散性を改善する事が出来た。水巾を
アップさせるのと、揆水性のレベルは異なるが、全く同
一の原理・手段で、分散性を大幅に上げる事が出来る。
構造上、揆水性の特に悪い顔料について言える事である
が、植物油と石油樹脂を含む膜で顔料粒子を包む事で、
印刷適性、並びに分散性が格段に上げられる理由を纏め
てみると次の如くである。 (1)ヨウ素価130以下の植物油単独で、揆水性の特
に悪い顔料の表面に対してでも、存在する脂肪酸残基が
顔料表面への濡れ向上に有効で、完全な連続膜を容易に
作る事が出来る。これによって、汚れ耐性がアップし、
水巾の下限を大幅に下げる事が可能である。但し、揆水
性は不充分であり、水巾の上限を大幅に上げる事は出来
ない。分散性のみについていえば、前記の如く、ヨウ素
価130以下の植物油の揆水性のレベルで充分である。 (2)石油樹脂単独で、揆水性の特に悪い顔料の表面で
も揆水性を上げる事は出来るが、極性が低く濡れが悪く
連続膜は作り難い。その為、水巾の上限を或る程度に上
げる事は容易に出来るが、連続膜を作れないので汚れ耐
性のアップは難しく、水巾の下限を更に下げる事は難し
い。
【0010】本発明では、石油樹脂とヨウ素価130以
下の植物油を共存させ用いる事で、揆水性の特に悪い顔
料でも従来技術では得る事が出来なかった水巾を大幅に
改善する事が出来た。同時に分散性も大幅に改善するこ
とが出来た。分散性の改善には、ヨウ素価130以下の
植物油を用いることで可能で、この場合には、顔料が易
分散になるためメリットが大きい。即ち、ヨウ素価13
0以下の植物油で処理することで、顔料粒子表面が完全
にコートされ、乾燥による品質低下がないので、本来の
品質を犠牲にせずに、ウェットケーキの顔料分を自由に
コントロールすることが可能になるとか、パウダーにし
て分散性が良好で、石油樹脂を併用しなくても印刷適性
・効果が従来のフラッシング法で得たインキ並のものは
得られる。顔料の形状としては、スラリーからパウダー
(水分なし)まで自由に、品質を保持したままつくれ
る。水分なしのパウダーを得る少し前に、乾燥をやめ意
識的に顔料分の高いパウダー状の含水パウダーにするこ
とも出来る。これは、完全なパウダーと異なり、飛散し
ない粉体であるが、インキ化工程で、必要に応じ、若干
の脱水を行う必要がある。本発明の顔料は耐熱性が良好
で、従来のパウダー・並びにウェットケーキの欠点を大
幅にカバー出来る効果をもっている。パウダーの一歩手
前の形状である。植物油については、ヨウ素価が大きい
と酸化重合して、本発明の目的を達成する事が困難であ
るので、ヨウ素価130以下が必要条件である。尚、無
機顔料についても、本発明と全く同一の処理を施す事
で、一段とオフセット印刷時の水巾、並びに分散性を上
げる事が出来、構造的に揆水性の悪い顔料については、
共通して有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】スラリー形態の顔料の一次粒子の
表面に確実に連続膜を設けるには、予め安定な水希釈性
の大きなO/Wエマルジョンにしておく事が必要であ
る。このような状態にするには、活性剤を併用する事が
効果的である。予め安定な均一になっているO/Wエマ
ルジョンを希釈してスラリーに添加する方法をとらない
と物理的に連続した揆水膜を容易に設ける事はむずかし
い。石油樹脂としては、顔料に対して、0.2%以上あ
る事が必要で、植物油は、顔料に対して、0.5%以上
ある事が好ましい。これ等を溶解して液状にした状態
で、O/Wエマルジョン化するわけであるが、必要に応
じ溶解する時に、粘度コントロールの為に他の物質、例
えば、石油系炭化水素溶剤等を併用する事は、本来の効
果が失われない範囲で可能である。600ポイズ以下位
がO/Wエマルジョンをより作り易い傾向にある。更に
は、O/Wエマルジョン処理をし、連続膜を形成させる
前に、シランカップリング剤を使用するとか、前もって
浸透性の高い活性剤で顔料の一次粒子表面を前処理して
からO/Wエマルジョン処理するなどケースバイケース
で色々な対応が可能である。安定なO/Wエマルジョン
になっていると、一次粒子の状態での処理が容易であ
り、確実である。石油樹脂とヨウ素価130以下の植物
油を含む溶液を均一な微細な油滴として、顔料製造時、
スラリー中に投入し、顔料の一次粒子と油滴が充分に接
触し、粒子表面に石油樹脂とヨウ素価130以下の植物
油を含んだ揆水性のある膜を連続的且つ均一に形成する
事が可能となる。
【0012】O/Wエマルジョンを作るには、前記の如
く、活性剤の使用が必要であり、オフセット適性のある
活性剤を用いる事が前提となるが、O/Wエマルジョン
を作る能力があり、且つ、結果として、オフセット適性
さえあれば特定のものに限定する必要はない。一般に使
用が可能な活性剤としては、アニオン活性剤があり、ア
ニオン以外でもカチオン・ノニオン活性剤等が利用出来
る。例えば、ソルビタン脂肪酸エステル・ポリアクリル
酸の部分脂肪酸エステル・アルキルアミン脂肪酸塩類・
金属石ケン等も状況に応じ利用できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明をより詳細に説明する。特に断
りのない限り、部は重量部を意味し、%は重量%を意味
している。又、顔料の形状であるが、パウダーとは水を
含まない粉末顔料を意味し、ウェットケーキとは水を含
んだ顔料を意味し、特に含水パウダーと表示してあるも
のは、顔料分が60%以上、100%未満の水分を含ん
だ粉末顔料を意味する。
【0014】実施例1 パラトルイジンメタスルホン酸とベータオキシナフトエ
酸を原料とし、水相中で合成させたブリリアントカーミ
ン6B(Red57:1)のスラリーにロジン石ケン及
び塩化カルシウム溶液を加えて、カーミン6Bに対し、
20%になる様にロジン処理した。このロジン処理する
時に、サーフィノールGA(アセチレンジオール/ノニ
オン活性剤)を顔料に対し、1%処理したのち、石油樹
脂が0.3%になる様にO/Wエマルジョン処理した。
使用したカーミン6Bのスラリー濃度は1%のものを用
いた。処理後、脱水し、カーミン6Bのウェットケーキ
(顔料分25%)を得た。O/Wエマルジョンは、先ず
ロジンソープの水溶液を作り、その中に少しずつ石油樹
脂と植物油を含む溶液を入れながら、小型ハイスピード
ミキサーで攪拌して、均一な安定なO/Wエマルジョン
を得た。O/Wエマルジョンが出来た後、その安定性を
確認後、水に1000倍に希釈して使用に供した。O/
Wエマルジョンの処方内容は、日石ネオポリマーNP1
30、1部と大豆油(原油)9部を混合し、150℃で
加熱1時間で完全な溶液とし、これを25℃で、25%
ロジンソープ20部、水20部とを攪拌し均一なO/W
エマルジョンにし、石油樹脂が顔料に対し0.3%にな
る様に処理した。処理後、若干の塩化カルシウム液を加
えた後、脱水した。
【0015】比較例1 比較例として、実施例1に於いて、処理しない顔料を比
較例1とした。未処理の状態で脱水し、カーミン6Bの
ウェットケーキ(顔料分25%)を得た。
【0016】比較例2 実施例1に於いて、処理剤を石油樹脂(日石ネオポリマ
ーNP130)2部、石油系溶剤(#7ソルベント)8
部からなる溶液のO/Wエマルジョンにかえ、石油樹脂
が3%(対顔料)になる様に処理した。処理後、若干の
塩化カルシウム液を加えた後、脱水し、カーミン6Bの
ウェットケーキ(顔料分25%)を得た。
【0017】比較例3 実施例1に於いて、処理剤を大豆油(原油)8部、石油
系溶剤(#7ソルベント)2部の溶液からなるO/Wエ
マルジョンにかえ大豆油が3%(対顔料)になる様に処
理した。処理後、塩化カルシウム液を若干加えた後、脱
水し、カーミン6Bのウェットケーキ(顔料分25%)
を得た。
【0018】実施例2 実施例1のウェットケーキを130℃、5時間乾燥し、
その後粉砕し、カーミン6Bの水分のないパウダーを得
た。
【0019】比較例4 比較例1のウェットケーキを130℃、5時間乾燥し、
粉砕し、カーミン6Bの水分を含まないパウダーを得
た。
【0020】実施例3 パラトルイジンメタスルホン酸とベータオキシナフトエ
酸を原料とし、水相中で合成させたブリリアントカーミ
ン6B(Red57:1)のスラリーに、ロジンが20
%になるように、ロジン石ケン並びに、塩化カルシウム
を加えた。これを石油樹脂と植物油の入った溶液のO/
Wエマルジョンで、石油樹脂が顔料に対し、5%となる
ように処理した。これを脱水し、ウエットケーキ(顔料
分28%)を得た。O/Wエマルジョンは、活性剤の水
溶液の中に攪拌しながら少しずつ石油樹脂を植物油に溶
かしたものを加え、均一で安定なO/Wエマルジョンを
ハイスピードミキサーを用いて作った。O/Wエマルジ
ョンは、溶液10部、活性剤(アセタミン86)2部、
水88部で作り、溶液は変性石油樹脂(日石ネオレジン
660)50部とサフラワー油40部、石油系炭化水素
溶剤(スピンドル油)10部を溶かしてつくった。
【0021】実施例4 実施例3で得たウェットケーキを130℃、5時間乾燥
し、その後粉砕し、水分を含まないパウダーを得た。
【0022】比較例5 実施例3の途中で得た、未処理の顔料をウェットケーキ
にし、130℃、5時間乾燥したのちに粉砕し、水分を
含まないパウダーを得た。
【0023】実施例5 レーキレッドCの顔料を作り、実施例3と同一の処理
し、ウェットケーキとし、これを130℃、5時間乾燥
したのちに粉砕し、水分を含まないパウダーとした。
【0024】比較例6 実施例5の途中で得た未処理のレーキレッドCをウェッ
トケーキとし、これを130℃、5時間乾燥したのち粉
砕し、水分を含まないパウダーとした。
【0025】実施例6 ウオチングレッドの顔料を作り、実施例3と同一の処理
をし、ウェットケーキとし、これを130℃、5時間乾
燥したのち粉砕し、水分を含まないパウダーとした。
【0026】比較例7 実施例6の途中で得た未処理のウオッチングレッドをウ
ェットケーキとし、これを130℃、5時間乾燥したの
ち粉砕し、水分を含まないパウダーとした。
【0027】カーミン6B・レーキレッドC・ウオッチ
ングレッドの顔料はいずれも次の内容で作った。 ブリリアントカーミン6Bの製法 パラトルイジンメタスルホン酸18.7部を苛性ソーダ
4部を含む水溶液に溶解後、35%塩酸24.2部を加
え酸析する。この液を0℃に冷却し、これに20%亜硝
酸ソーダ水溶液35部を加えてジアゾ化する。別に苛性
ソーダ10部を含む水溶液にβオキシナフトエ酸19.
2部を溶解した液を作製し、これにジアゾ化液を加えて
カップリングを行う。これにロジン石ケン及び塩化カル
シウム溶液を加えてカーミン6Bに対し、20%になる
ようにロジン処理した。
【0028】ウオッチングレッドの製法 2−アミノ−4−クロル5−メチルベンゼンスルフォン
酸22.2部を苛性ソーダ4部を含む水溶液に加熱溶解
後、35%塩酸22部を加えて酸析する。この液を0℃
に冷却し、これに20%亜硝酸ソーダ水溶液35部を加
えてジアゾ化する。別に苛性ソーダ10部を含む水溶液
にβオキシナフトエ酸19部を溶解した液を作製し、こ
れにジアゾ化液を加えカップリングを行う。これにロジ
ン石ケン及び塩化カルシウム溶液を加えて、ウオッチン
グレッドに対し、10%になるようロジン処理した。
【0029】レーキレッドCの製法 3−アミノ−6クロルトルエン−4−スルホン酸22.
2部を、苛性ソーダ4部を含む水溶液に加熱溶解後、3
5%塩酸23部を加えて酸析する。この液を0℃に冷却
し、これに20%亜硝酸ソーダ水溶液35部を加えてジ
アゾ化する。別に苛性ソーダ5部を含む水溶液にβナフ
トール15.5部を溶解した液を作製し、これにジアゾ
化液を加えカップリングを行う。これにロジン石ケン及
び塩化バリウム溶液を加えて、レーキレッドCに対し、
7%になるようロジン処理した。
【0030】実施例7 バイオレットレーキ顔料を作り、実施例3と同一の処理
をし、ウェットケーキを作り、130℃、5時間乾燥
し、その後粉砕し、水分の含まないパウダーとした。
【0031】比較例8 実施例7の途中で得た未処理のバイオレットレーキ顔料
を脱水し、ウェットケーキをつくり、これを130℃、
5時間乾燥したのち粉砕し、水分のないパウダーを得
た。バイオレットレーキは次の内容で作った。染料溶液
は、50℃で70%酢酸2gを含む500gの水に10
gメチルバイオレットを溶解して作る。沈殿剤は、60
℃で水に15gのタングステン酸ソーダ、5gのモリブ
デン酸ソーダ、3.4gの第二燐酸ソーダを溶解し、1
3gの濃硫酸を加え作る。沈殿生成は、攪拌しつつ沈殿
剤を15分間に同一速度で染料溶液に加えて煮沸し、放
冷して行う。
【0032】実施例8 実施例1に於いて、処理剤をナタネ油単独からなるO/
Wエマルジョンにかえ、ナタネ油が顔料に対し、15%
になる様に処理した。処理後、脱水し、ウェットケーキ
を得た。これを更に、130℃、4時間加熱し、完全乾
燥する手前でやめ、顔料分が90%の水を含んだ含水パ
ウダーを得た。含水率は10%である。
【0033】実施例9 実施例1のウエットケーキを130℃、3時間乾燥し、
完全乾燥する手前でやめ、カーミン6Bの水を含んだパ
ウダー状の含水パウダーを得た。これは顔料分75%、
水分25%であった。
【0034】実施例10 ウオチングレッドの顔料を作り、実施例3と同一の処理
をし、ウェットケーキ(顔料分30%)とし、これを1
30℃、2時間乾燥し、水を含んだパウダー状の含水パ
ウダーを得た。含水率は40%で、顔料分は60%であ
った。
【0035】実施例11 実施例1から実施例10で出来た顔料、並びに比較例1
から比較例8までに出来た顔料について、それぞれイン
キ化した。インキ化は、ウエットケーキはテストフラッ
シャーと三本ロールミルで、パウダー顔料は三本ロール
ミルで、同一条件で分散しインキ化した。含水パウダー
は三本ロールミルでインキ化し、その際、必要に応じ水
分除去をした。インキ化処方は、顔料約18部、バイン
ダー(東新油脂製GT50)60部、#7ソルベント
(石油溶剤)22部で行い、ロール1度通しでのグライ
ドメーター測定で分散レベルをチェックし、その後必要
に応じ練肉し、最終インキは、グラインドメーター測定
で3以下にした。インキ調子は、SR36・IR8にな
るように顔料とソルベントの量を動かしてコントロール
した。SRとは、スプレッドメーターを用い測定した値
で、直径1分値25℃で測定した。IRとは、インコメ
ーターを用い測定した値で、400回転1分値30℃で
測定した。このオフセットインキを用い小森スプリント
II単色機で、水道水(15℃)を湿し水とし、フジフ
イルム製PS版を使用して、アート紙に印刷し水巾を中
心に評価した。(印刷スピード4000RPM、室温湿
度20℃60%)各サンプル3000枚印刷し、その間
に水量調整ゲージを動かして水巾の上、下限を測定し
た。
【0036】各サンプルの評価結果は次の如くであっ
た。 分散テスト結果 同一条件でのロール1度通しでのレベルをグラインドメ
ーターを使用して、チェックした。これをGRと表示す
る。 (1)実施例1.2.3.8.9.10は、GR1.実
施例4.5.6は、GR2.実施例7は、GR3であっ
た。 (2)比較例1.2は、GR5.比較例3は、GR2.
比較例4は、GR7.比較例5.8は、GR10.比較
例6.7は、GR9.であった。尚、グラインドメータ
ーはJIS、K5701平版インキ及び凸版インキの試
験方法に基づいて使用した。GRの数値が小さい程、分
散性が良い事を意味する。分散性は、ヨウ素価130以
下の植物油が存在することで、明らかに改善されてお
り、顔料の形状とは関係ない。分散性では、比較例3も
ヨウ素価130以下の植物油が存在し良い。
【0037】印刷テスト結果 小森スプリントII単色機での水量調整ゲージによる水
巾は、次の如くであった。上限が大きいほど揆水性が良
好で、下限が小さい程、汚れ耐性が良い事を意味する。 (1)実施例1.2.3.4.9は、水巾上限10、下
限1であった。実施例5.6.7.10は、水巾上限
9、下限3であった。実施例8は、水巾上限6、下限2
であった。 (2)比較例1は、水巾上限6、下限4であった。比較
例2は、水巾上限7、下限4であった。比較例3は、水
巾上限6、下限2であった。比較例4.5.6.7.
8.は、水巾6が上限であり、下限であった。水巾は、
石油樹脂とヨウ素価130以下の植物油が存在する実施
例においては、明らかに改善されている。顔料の形状に
は関係ない。ヨウ素価130以下の植物油を用い石油樹
脂のないものは、水巾の下限は下げられるが、上限の拡
大は出来ていない。尚、実施例の印刷物は、いずれも対
応する比較例の印刷物より、光沢が良好で、ブロンズレ
スであった。
【0038】
【発明の効果】化学構造的に揆水性が特に悪いレーキ顔
料の表面を一次粒子の状態で、石油樹脂とヨウ素価13
0以下の植物油を含むO/Wエマルジョンで処理し、均
一で連続した揆水性のある膜を作る事により、この顔料
を用いるとインキ化時の分散性が非常に良好であると同
時に、出来たインキは印刷適性が良好である結果を示し
た。即ち、顔料の形状に関係なく、 (1)本発明で得られた顔料を用いインキを作る場合、
従来の顔料を用いたものに比較して、一段と分散性が良
好であった。 (2)本発明で得られた顔料を用いたインキは、印刷適
性.特にオフセット印刷での水巾が大幅に拡大され、非
常に印刷し易くなった。又、少なくともヨウ素価130
以下の植物油を用い処理することで、分散性を大幅に上
げたパウダー、又は含水パウダーを用いると次の効果が
期待出来る。 (1).品質的な面で、ウェットケーキを用いフラッシ
ングして作る現在一般的に日本で用いられているインキ
製法にこだわる必要性が全くなくなる。 (2).現存インキ製法の改善・合理化に、非常に有効
に作用する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料製造時に顔料粒子表面を、石油樹脂と
    ヨウ素価130以下の植物油を含有するO/Wエマルジ
    ョンで処理する事を特徴とするオフセットインキ用アゾ
    レーキ顔料。
  2. 【請求項2】顔料製造時に顔料粒子表面を、石油樹脂と
    ヨウ素価130以下の植物油を含有するO/Wエマルジ
    ョンで処理する事を特徴とするオフセットインキ用染付
    レーキ顔料。
  3. 【請求項3】顔料製造時に顔料粒子表面を、少なくとも
    ヨウ素価130以下の植物油を用い、処理することを特
    徴とするオフセットインキ用レーキ顔料。
  4. 【請求項4】顔料製造時に顔料粒子表面を、少なくとも
    ヨウ素価130以下の植物油を用い、処理することを特
    徴とするオフセットインキ用レーキ顔料の含水パウダ
    ー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004203942A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Inagawa Pigment Mfg Co Ltd 低モリブデン染色レーキ顔料およびその製造法
KR100462109B1 (ko) * 2001-01-26 2004-12-16 리소 가가쿠 고교 카부시키가이샤 공판인쇄용 에멀젼 잉크 및 그 용도
WO2011081200A1 (ja) * 2009-12-28 2011-07-07 大日本印刷株式会社 レーキ化合物の製造方法

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