JP2003089274A - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JP2003089274A
JP2003089274A JP2001282658A JP2001282658A JP2003089274A JP 2003089274 A JP2003089274 A JP 2003089274A JP 2001282658 A JP2001282658 A JP 2001282658A JP 2001282658 A JP2001282658 A JP 2001282658A JP 2003089274 A JP2003089274 A JP 2003089274A
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Taro Suzuki
太郎 鈴木
Daisuke Fukui
大介 福井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 滑性、サーマルヘッドの耐磨耗性、走行安定
性、印画安定性などに優れた熱転写シートを提供するこ
と。 【解決手段】 基材フィルムの一方の面に加熱により溶
融または昇華する転写インキ層を設け、サーマルヘッド
が接する基材フィルムの他方の面に背面層を設けている
熱転写シートにおいて、上記背面層が、バインダーと滑
剤とフィラーとを含有する熱転写シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写シートに関
し、さらに詳しくは優れた耐熱性やスリップ性を有する
背面層を有する熱転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】熱転写シートの基材として、ポリエステ
ルフィルムなどのプラスチックフィルムを使用した場
合、印画時に基材フィルムがサーマルヘッドに融着して
スティッキングしてしまったり、スリップ性不足のため
に熱転写シートが破れたり、印画シワが発生してしまう
という問題がある。
【0003】このような問題点を解決するために、基材
フィルムの熱転写インキ層を設けた面の反対の面(背
面)に、耐熱性の樹脂による背面層を設けて耐熱性を向
上させたり、さらに、この背面層に滑剤やフィラーとし
て無機または有機の微粒子を添加させたりして、サーマ
ルヘッドの滑り性を付与することが提案されている。
【0004】しかしながら、上記の背面層に用いられる
無機または有機の微粒子は、種々の問題を残している。
有機フィラーの場合、印画時にサーマルヘッドと熱融着
が起こった場合、サーマルヘッドへのカスの付着やステ
ィッキングの原因となる。一方、無機フィラーの場合、
その粒径や硬度によって無機フィラーがサーマルヘッド
の磨耗の原因となるほか、背面層形成用インキの製造時
に無機フィラーの沈降や凝集が起こり、無機フィラーの
分散が困難な場合がある。また、有機および無機のフィ
ラーの粒径が大きい場合、背面層からフィラーが脱落
し、印画面にキズを発生させたりするなど、それぞれ問
題を抱えている。
【0005】また、近年、プリンターのスループット時
間を短縮させるため、印画速度を速くする傾向にある。
そのため短時間で所望の印画濃度を得るには単位時間当
たりの印画エネルギーを増加させなければならず、熱転
写シートへの熱的負担もますます厳しくなっており、上
記の問題も深刻となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、熱転写シートに優れた耐熱性やスリップ性を有する
背面層を設け、特に、添加するフィラーの平均粒径と硬
度を最適化することにより、滑性、サーマルヘッドの耐
磨耗性、走行安定性、印画安定性などに優れた熱転写シ
ートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。すなわち、本発明は、基材フィル
ムの一方の面に加熱により溶融または昇華する転写イン
キ層を設け、サーマルヘッドが接する基材フィルムの他
方の面に背面層を設けている熱転写シートにおいて、上
記背面層が、バインダーと滑剤とフィラーとを含有し、
バインダーが示差熱分析によるTgが200℃以上であ
るポリアミドイミド樹脂とTgが200℃以上であるポ
リアミドイミドシリコーン樹脂との混合物であり、上記
滑剤がアルキル燐酸エステルの多価金属塩とアルキルカ
ルボン酸の金属塩との混合物であり、かつフィラーが無
機の微粒子であることを特徴とする熱転写シートを提供
する。
【0008】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明をさらに詳しく説明する。本発明の熱転写シート
は、基材フィルムの一方の面に、そして他方の面に転写
インキ層を形成してなる。 (基材フィルム)本発明の熱転写シートを構成する基材
フィルムとしては、従来公知のある程度の耐熱性と強度
を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、
0.5乃至50μm、好ましくは3乃至10μm程度の
厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィル
ム、ポエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレン
サルフイドフィルム、ポリスレンフィルム、ポリプロピ
レンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコール
フィルム、セロハン、酢酸セルロースなどのセルロース
誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィル
ム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノ
マーフィルムなどの他に、コンデンサー紙、パラフィン
紙、紙などの紙類や不織布または紙と不織布と樹脂の複
合体であってもよい。
【0009】(背面層)本発明の熱転写シートは、上記
の如き基材フィルムの一方の面に、加熱により溶融また
は昇華する転写インキ層を設け、サーマルヘッドが接す
る基材フィルムの他方の面に背面層を設けてなり、該背
面層の構成に特徴を有する。該背面層を構成するバイン
ダーとしては、ポリアミドイミド樹脂(A)とポリアミ
ドイミドシリコーン樹脂(B)とを混合して用いる。そ
の質量混合比はA:B=1乃至5:5乃至1の範囲が好
ましく、特に1乃至2:2乃至1の範囲が好ましい。
1:5よりポリアミドイミドシリコーン樹脂が多いと、
形成される背面層の耐熱性が不足してヘッドカスが生じ
易く、5:1よりポリアミドイミドシリコーン樹脂が少
ないと、形成される背面層の滑性が不足してサーマルヘ
ッドのスティッキングを生じる。
【0010】上記本発明で使用するポリアミドイミド樹
脂およびポリアミドイミドシリコーン樹脂は、特開平8
−244369号公報に記載されているものと同様で、
その中でも特に示差熱分析によるTgが200℃以上の
ものを用いることが好ましい。また、本発明で用いるポ
リアミドイミドシリコーン樹脂については、多官能シリ
コーン化合物として分子量1,000から6,000の
ものを用い、ポリアミドイミドと共重合するか、ポリア
ミドイミドをシリコーン変性して得られる。シリコーン
の量は、質量比にてポリアミドイミド樹脂1に対し0.
01乃至0.3のものが特に好ましい。
【0011】なお、本発明で使用するポリアミドイミド
樹脂は、アルコール系溶剤に可溶であるものが好まし
い。また、ポリアミドイミド樹脂と共重合または変性さ
せる多官能シリコーン化合物は、水酸基、カルボキシル
基、エポキシ基、アミノ基、酸無水物基のいずれかを有
するシリコーン化合物が好ましく用いられる。
【0012】ポリアミドイミド樹脂およびポリアミドイ
ミドシリコーン樹脂のTgが200℃未満では、耐熱性
が不足し、また、シリコーンによる共重合量または変性
量が少なすぎると上記混合範囲で充分な滑性を有する背
面層が得られず、サーマルヘッドのスティッキングを生
じ易くなる。また、シリコーンによる共重合量または変
性量が多すぎると、形成される背面層の耐熱性や皮膜強
度が低下する。
【0013】本発明における背面層は、アルキル燐酸エ
ステルの多価金属塩とアルキルカルボン酸の金属塩とを
含有する。アルキル燐酸エステルの多価金属塩はアルキ
ル燐酸エステルのアルカリ金属塩を多価金属で置換する
ことによって得られる。これ自体はプラスチック用添加
剤として公知のものであり、種々のグレードのものが入
手可能である。
【0014】本発明において、特に好ましいアルキル燐
酸エステルの多価金属塩は、下記構造式1 (上記式中のRは、炭素数12以上のアルキル基を、M
はアルカリ土類金属、亜鉛またはアルミニウムであり、
nはMの原子価を表す)で表され、そのRがセチル基、
ラウリル基およびステアリル基などの炭素数12以上の
アルキル基、特にステアリル基であり、Mがバリウム、
カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金
属、亜鉛またはアルミニウムであるものが好ましい。
【0015】また、本発明において好ましいアルキルカ
ルボン酸の金属塩は下記構造式2 (上記式中のRは炭素数11以上のアルキル基を、Mは
アルカリ土類金属、亜鉛またはアルミニウムまたはリチ
ウムであり、nはMの原子価を表す)で表され、そのR
がヘキサデシル基、ドデシル基、ヘプタデシル基などの
炭素数が11以上のアルキル基、特にドデシル基、ヘプ
タデシル基であり、Mがバリウム、カルシウム、マグネ
シウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウムま
たはリチウムであるものである。
【0016】Rの炭素数が少ないと、工業用途での入手
が困難でコストがかかり、さらに全体の分子量が低下す
ることで滑剤の背面層からのブリードや他所への汚染性
が問題となるため適当でない。Mは熱転写時に使用する
温度条件によって金属種を選択することができる。参考
までに融点を示すと、バリウム系190℃以上、カルシ
ウム系140乃至180℃程度、マグネシウム系110
乃至140℃程度、亜鉛系110乃至140℃程度、ア
ルミニウム系110乃至170℃程度、リチウム系20
0℃以上である。本発明ではマグネシウム系、亜鉛系、
アルミニウム系が特に好ましい。
【0017】前記アルキル燐酸エステルの多価金属塩
(C)と上記アルキルカルボン酸の金属塩(D)との混
合物の混合比は、質量比でC:D=1:9乃至9:1で
あることが好ましく、より好ましくはC:D=2:8乃
至8:2である。アルキルカルボン酸の金属塩の添加量
が多すぎると、サーマルヘッドにカスが付着し易くな
り、一方、少なすぎると添加効果は無くなってくる。
【0018】上記混合物は、前記バインダー100質量
部当たり1乃至100質量部の割合であることが望まし
く、特に好ましくは5乃至20質量部の範囲である。ア
ルキル燐酸エステルの多価金属塩とアルキルカルボン酸
の金属塩との混合物の使用量が、上記範囲未満であると
熱印加時における充分なサーマルヘッドの離型性を得る
ことができず、サーマルヘッドにカスが付着し易くな
る。一方、その使用量が上記範囲を越えると、背面層の
物理的強度が低下するので好ましくない。
【0019】本発明ではさらに耐熱性を向上する目的か
ら背面層にフィラーとして、モース硬度が好ましくは3
以下の無機の微粒子を添加する。モース硬度が3を超え
ると、サーマルヘッドの磨耗が進行し易くなるほか、サ
ーマルヘッドとの摩擦係数が高くなり、特に非印画時と
印画時の摩擦係数の差が大きくなることで印画シワが発
生し易くなる。また、背面層からフィラーが脱離した場
合に、印画面に発生する印画キズが顕著になるので好ま
しくない。
【0020】本発明で使用する無機の微粒子それ自体は
種々公知であり、例えば、タルク、カオリン、マイカ、
セキボク、硝石、石膏、ブルース石、グラファイト、炭
酸カルシウム、二硫化モリブテンなどが挙げられるが、
耐熱性と滑性のバランスから特にタルク、マイカおよび
炭酸カルシウムが好ましい。
【0021】また、上記無機の微粒子の場合において天
然産の無機粒子の場合には、不純物としてモース硬度が
3を超えるものが含まれる場合は、これらの不純物粒子
の含有量が5質量%未満であれば本発明において問題無
く使用することができる。
【0022】モース硬度は、モース硬度計により測定さ
れる。モース硬度計は、F.Mohsにより案出された
もので、軟らかい鉱物より硬い鉱物に至る10種の鉱物
を箱に収め、軟らかいものから1度、2度、・・・・・
10度として硬度の順位を示したものである。標準鉱物
は次の通りである(数字は硬度を示す)。 1:カッ石 2:セッコウ 3:ホウカイ
石 4:ホタル石 5:リンカイ石 6:セイチョウ石 7:セキエイ
8:トパズ 9:コランダム 10:ダイヤモンド
【0023】硬さを求める鉱物試料の面を、これらの鉱
物で引っ掻いて傷を付けようとするとき、それに抵抗す
る力(傷が付くか付かないか)により硬さを比較するこ
とができる。例えば、ホウカイ石に傷が付くときは、試
料の硬さは3度より大きい。もし、ホタル石で傷が付
き、逆にホタル石に傷が付かないときは、この試料の硬
さは4度より小さい。このとき、試料の硬さは3乃至4
または3.5と示す。互いに多少傷が付くときは、試料
の硬さは用いた標準鉱物と同じ順位の硬さを示す。モー
スの硬度計の硬さは、あくまでもその順位であって絶対
値ではない。
【0024】また、前記のフィラーの添加量は、バイン
ダー100質量部当たり2乃至20質量部の割合で混合
されていると、上記の滑性および耐熱性が良好であり、
特に5乃至15質量部の範囲が好ましい。この範囲未満
であると耐熱性の向上が認められず、サーマルヘッドに
融着が見られ、一方、この範囲を越えると背面層の可撓
性や皮膜強度が低下する。
【0025】また、前記のフィラーの平均粒径も重要で
あって、形成する背面層の厚みによっても変化するが、
0.05乃至5μmの範囲が望ましく、特に好ましくは
0.1乃至2μmの範囲である。平均粒径が5μmを越
えると、サーマルヘッドの磨耗が進行し易くなるほか、
背面層からフィラーが脱離した場合に、印画面に発生す
る印画キズが顕著になるので好ましくない。一方、平均
粒径が0.05μmより小さいと、サーマルヘッドにカ
スが付着した場合のクリーニング性が劣るので好ましく
ない。
【0026】また、本発明では上記の材料から背面層を
形成するに当たり、本発明の目的達成を妨げない範囲に
おいて、ワックス、高級脂肪酸アミド、エステル、界面
活性剤などの熱離型剤や滑剤を包含させることができ
る。
【0027】本発明ではさらに背面層形成用インキ中に
ポリエステル樹脂を混合し、背面層と基材フィルムとの
接着性を高めることができる。その際に好ましいポリエ
ステル樹脂の配合量をバインダー100質量部当たり
0.5乃至10質量部であり、この範囲未満では背面層
の基材フィルムへの接着性が不足して剥離が生じ、この
範囲より多いと、耐熱性が低下するので好ましくない。
特に好ましい範囲は1乃至10質量部である。
【0028】背面層を形成するには、上記の如き材料を
バインダーの溶媒であるトルエン/エタノール=1/1
溶媒で溶解または分散させて塗工液を調製し、この塗工
液をグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバー
などの慣用の塗工方法で塗工し乾燥することで形成され
る。その塗工量、すなわち背面層の塗工量も重要で本発
明では乾燥固形基準で0.7g/m2以下、好ましくは
0.1乃至0.6g/m2の厚みで充分な性能を有する
背面層を形成することができる。背面層が厚すぎると印
画時の感度が低下するので好ましくない。
【0029】(転写インキ層)前記基材フィルムの他方
の面に形成する転写インキ層としては、昇華型熱転写シ
ートの場合には昇華性の染料を含む層、すなわち、熱昇
華性の染料層を形成し、一方、熱溶融型の熱転写シート
の場合には顔料などで着色した熱溶融性インキ層を形成
する。以下昇華型熱転写シートの場合を代表例として説
明するが、本発明は昇華型熱転写シートのみに限定され
るものではない。
【0030】昇華型の転写インキ層に用いられる染料と
しては、従来公知の熱転写用シートに使用されている染
料はいずれも本発明に使用可能であり特に限定されな
い。例えば、幾つかの好ましい染料としては、赤色染料
として、MS RED G、Macro RedVioret R、Ceres Red 7
B、Samaron Red HBSL、Resoin Red F3BSなどが挙げら
れ、また、黄色の染料としては、ホロンブリアントイエ
ロー6GL、PTY−52、マクロレックスイエロー6
Gなどが挙げられ、また、青色染科としては、カヤセッ
トブルー714、ワクソリンブルーAP−FW、ホロン
ブリリアントブルーS−R、MSブルー100などが挙
げられる
【0031】上記の如き染料を担持するためのバインダ
ー樹脂として好ましいものを例示すれば、エチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシ
セルース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセル
ロース、酢酸セルロース、三酪酸セルロースなどのセル
ロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセター
ル、ポリビニルピロリドンなどのビニル系樹脂、ポリ
(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミドな
どのアクリル樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらの
なかでは、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ウレ
タン系およびポリエステル系などの樹脂が耐熱性、染料
の移行性などの点から好ましい。
【0032】染料層は、前記基材フィルムの一方の面
に、以上の如き染料およびバインダーに必要に応じて添
加剤、例えば、離型剤や無機の微粒子などを加えたもの
を、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソ
プロピルアルコール、シクロヘキノン、DMFなどの適
当な有機溶剤に溶解したり、あるいは有機溶剤や水に分
散した分散体を、例えば、グラビア印刷法、スクリーン
印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティン
グ印刷法などの手段により塗布および乾燥して形成する
ことができる。
【0033】このようにして形成する染料層は0.2乃
至5.0μm、好ましくは0.4乃至2.0μm程度の
厚さであり、また、染料層中の昇華性染料は、染料層の
質量の5乃至90質量%、好ましくは10乃至70質量
%の量で存在するのが好適である。形成する染料層は所
望の画像がモノカラーである場合には、前記染料のうち
から1色を選んで形成し、また、所望の画像がフルカラ
ー画像である場合には、例えば、適当なシアン、マゼン
タおよびイエロー(さらに必要に応じてブラック)を選
択して、イエロー、マゼンタおよびシアン(さらに必要
に応じてブラック)の染料層を形成する。
【0034】上記の如き熱転写シートを用いて、画像を
形成するために使用する被転写材である受像シートは、
その記録面が前記の染料に対して染料受容性を有するも
のであればいかなるものでもよく、また、染料受容性を
有しない紙、金属、ガラス、合成樹脂などである場合に
は、その少なくとも一方の表面に染料受容層を形成すれ
ばよい。また、熱溶融型の熱転写シートの場合には、被
転写材は特に限定されず通常の紙やプラスチックフィル
ムであってもよい。上記の熱転写シートおよび上記の如
き受像シートを使用して熱転写を行う際に使用するプリ
ンターとしては、公知の熱転写プリンターがそのまま使
用可能であり、特に限定されない。
【0035】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて本発明を
より詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定さ
れるものではない。なお、文中「部」または「%」とあ
るのは質量基準である。
【0036】実施例1 下記の材料をそれぞれエタノール/トルエン=1/1溶
剤で固形分10%になるように調整し、撹拌後、ペイン
トシェーカーで3時間分散処理を行い背面層用インキと
した。これらのインキを各々ポリエステルフィルム(厚
み6μm、ルミラーF53、東レ(株)製)の一方の面
にワイヤーバーコーターを用い乾燥時の質量基準で所定
のコート量になるように塗工し、80℃のオーブン内で
1分間乾燥処理し、背面層を形成した。
【0037】 ・ポリアミドイミド樹脂(HR−15ET、東洋紡績(株)製) 50部 ・ポリアミドイミドシリコーン樹脂(HR-14ET、東洋紡績(株)製) 50 部 ・ジンクステアリルホスフェート(LBT1830、堺化学(株)製) 10 部 ・ジンクステアレート(GF200、日本油脂(株)製) 10部 ・ポリエステル樹脂(バイロン220、東洋紡績(株)製) 3部 ・フィラー 10部
【0038】上記基材フィルムの他方の面には、転写イ
ンキ層として染料層を設けて本発明の熱転写シートを得
た。染料層は、三菱電機(株)製昇華プリンターCP7
70用熱転写シートの染料層の条件に合わせた。また、
以下の評価で受像シートとして使用するものは、三菱電
機(株)製昇華プリンターCP770用受像シート(標
準タイプ)である。
【0039】実施例2乃至6および比較例1乃至4フィ
ラー種だけを以下の表1に示すものに変え、他は実施例
1と同様にして背面層を各々作製し、かつ実施例1と同
様に染料層を形成して、実施例および比較例の熱転写シ
ートを得た。
【0040】
【0041】以上の如くして得られた実施例および比較
例の熱転写シートについて下記の試験を行なった。 [サーマルヘッド磨耗性]昇華プリンター(三菱電機
(株)製 商品名CP−770)でベタ画像を連続10
km印画し、サーマルヘッドの保護膜の磨耗量を測定し
た。 (評価基準) ○:1μm未満 △:1乃至3μm ×:3μ超
【0042】[サーマルヘッドカス付着性]サーマルヘ
ッド(KST−105−13FAN21−MB(京セラ
製))に4kgfの荷重、印画エネルギー0.44mJ
/dotで50面積%斜線パターンを100m印画した
際、サーマルヘッド発熱体上の付着物の量を顕微鏡で観
測した。 (評価基準) ○:3,000Å未満 △:3,000乃至5,000Å ×:5,000Å超
【0043】[印画キズ]昇華プリンター(三菱電機
(株)製 商品名CP−770)でベタ画像を印画し、
1画面当たりに発生するキズの本数を目視にて確認し
た。 (評価基準) ○:3本未満 △:3乃至10本 ×:10本超
【0044】[印画シワ]昇華プリンター(三菱電機
(株)製 商品名CP−770)でベタ画像を印画し、
1画面当たりに発生するシワの本数を目視にて確認し
た。 (評価基準) ○:無し △:1乃至3本 ×:3本超
【0045】[動摩擦係数μ]熱転写シートを受像シー
トの受像面と重ねて、サーマルヘッドとプラテンロール
との間に上下で挟み、サーマルヘッドの上から4kgf
の荷重を掛ける。次に、重ねたシートを表面性測定機
(新東科学(株)製、トライボギア TYPE:HEIDON-14D
R)で水平方向に一定速度(1000mm/min)で
引っ張り、非印画時(サーマルヘッドに通電しない時)
と印画時(サーマルヘッドに通電したとき)の摩擦力F
を測定した。また、動摩擦係数はμは、μ=F/400
0で算出した。
【0046】(通電時の印画条件) ・サーマルヘッド:KST−105−13FAN21−
MB(京セラ製) ・電圧:22.0V ・印画スピード:6.0msec/line ・印画エネルギー:0.39mJ/dot 以上の結果を下記表2に示す。
【0047】
【0048】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、サーマルヘ
ッド磨耗が少なくなり、フィラーの脱落に起因する印画
面へのキズが発生しにくくなる。また、印画時と非印画
時のサーマルヘッドとの摩擦係数の差が少なくなり、印
画シワの発生が抑えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H111 AA15 AA26 AA27 BA08 BA35 BA53 BA55 BA61 BA64 BA65 BA71 BA73

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの一方の面に加熱により溶
    融または昇華する転写インキ層を設け、サーマルヘッド
    が接する基材フィルムの他方の面に背面層を設けている
    熱転写シートにおいて、上記背面層が、バインダーと滑
    剤とフィラーとを含有し、バインダーが示差熱分析によ
    るTgが200℃以上であるポリアミドイミド樹脂とT
    gが200℃以上であるポリアミドイミドシリコーン樹
    脂との混合物であり、上記滑剤がアルキル燐酸エステル
    の多価金属塩とアルキルカルボン酸の金属塩との混合物
    であり、かつフィラーが無機の微粒子であることを特徴
    とする熱転写シート。
  2. 【請求項2】 ポリアミドイミド樹脂(A)とポリアミ
    ドイミドシリコーン樹脂(B)との混合物の混合比が、
    質量比でA:B=1乃至5:5乃至1である請求項1に
    記載の熱転写シート。
  3. 【請求項3】 アルキル燐酸エステルの多価金属塩
    (C)とアルキルカルボン酸の金属塩(D)との混合物
    が、質量比でC:D=1:9乃至9:1である請求項1
    に記載の熱転写シート。
  4. 【請求項4】 無機の微粒子の平均粒径が0.05乃至
    5μmで、かつモース硬度が3以下である請求項1に記
    載の熱転写シート。
  5. 【請求項5】 無機の微粒子が、タルク、マイカおよび
    /または炭酸カルシウムである請求項1に記載の熱転写
    シート。
  6. 【請求項6】 滑剤混合物の量が、バインダー100質
    量部当たり1乃至100質量部である請求項1に記載の
    熱転写シート。
  7. 【請求項7】 無機の微粒子の量が、バインダー100
    質量部当たり2乃至20質量部である請求項1に記載の
    熱転写シート。
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