JP2003086344A - 誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱装置

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JP2003086344A JP2001276978A JP2001276978A JP2003086344A JP 2003086344 A JP2003086344 A JP 2003086344A JP 2001276978 A JP2001276978 A JP 2001276978A JP 2001276978 A JP2001276978 A JP 2001276978A JP 2003086344 A JP2003086344 A JP 2003086344A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で加熱ローラの温度分布が均一に
なるように加熱昇温することができ、誘導コイルの製作
を容易にする。 【解決手段】 交番磁界を発生し加熱ローラ4を加熱す
る誘導コイル7は、加熱ローラ4の軸線方向に沿って延
びる一対の延在コイル部8,9と、加熱ローラ4の軸線
方向の両端部付近にそれぞれ配置され、各延在コイル部
8,9の両端部にそれぞれ連なり、加熱ローラ4の周方
向に沿い加熱ローラ4の軸線に平行な一仮想平面20へ
の投影形状が直線状に延びる一対のコイル端部10,1
1とを備える。誘導コイル7は、加熱ローラ4の両端部
に鎖交する磁束密度を均一化して加熱ローラ4の軸線方
向両端部における温度分布のむらを解消する。また誘導
コイル7の内方に形成される空隙部分22が広く形状矯
正し易いので、寸法精度のよい誘導コイル7の製作が容
易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば乾式電子
写真機器における定着装置、湿式電子写真機器における
乾燥装置、インクジェットプリンタにおける乾燥装置お
よびリライタブルメディア用消去装置用等で好適に実施
される誘導加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】加熱装置、たとえば乾式電子写真機器に
おける定着装置、湿式電子写真機器における乾燥装置、
リライタブルメディア用消去装置用の加熱装置におい
て、アルミニウムなどの中空芯金を有する加熱ローラ内
部にハロゲンランプを設け、ハロゲンランプによって加
熱ローラを加熱する構成が、従来から広く用いられてい
る。このハロゲンランプを用いる方式では、加熱効率が
悪いので、加熱開始時の立ち上がりが遅くウォームアッ
プ時間が長くなるという問題がある。そこで、加熱ロー
ラに導電層を設け、導電層に磁界発生手段によって交番
磁界を与えて渦電流を発生させ、この渦電流によるジュ
ール熱で加熱ローラを発熱させるという誘導加熱装置が
注目されている。
【0003】このような誘導加熱装置の加熱ローラの加
熱効率向上を目的とした先行技術が、たとえば特開20
00−181258公報に開示されている。この先行技
術に開示された誘導加熱装置は、加熱ローラの半径方向
外方に磁界発生手段である誘導コイルを設け、誘導コイ
ルのさらに外方に磁界を効率よく発生させるための磁場
遮断手段が設けられていることを特徴とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この先行技術には、以
下の問題点がある。誘導加熱装置の発熱は、加熱ローラ
に備わる導電層に誘導コイルによって発生される交番磁
界の磁束が鎖交し、導電層に渦電流が発生することによ
って起こる。すなわち導電層に渦電流が流れることによ
って、導電層が有する電気抵抗によってジュール発熱す
る。誘導加熱装置を効率よく加熱するためには、多くの
磁束を加熱ローラに鎖交させなければならない。加熱ロ
ーラに鎖交させる磁束密度に対しては誘導コイルの形状
が影響するけれども、前記先行技術には誘導コイルの適
正な形状については開示されていない。たとえばコイル
素線の巻回された誘導コイルの中心部に形成されるコイ
ル素線の存在しない空隙部分が小さな誘導コイルを磁界
発生手段として使用した場合、磁界は磁場遮断部材によ
って効率よく発生されるけれども、前記空隙部分で磁気
が容易に飽和してしまうので、加熱ローラに磁束を効率
的に鎖交させることができず加熱効率がよくないという
問題がある。
【0005】また加熱ローラの加熱効率を向上させるた
めに、誘導コイルの周囲に比透磁率の高いコア材を配置
して磁束密度を高くする方法があるけれども、比透磁率
の高い素材からなるコア材は高価なので、コア材を使用
することによって誘導加熱装置の製造コストが増大す
る。またコア材を使用することなく加熱ローラの加熱効
率を向上させるために、コイル素線の巻き密度を大きく
し高密度の磁束を発生させる方法があるけれども、コイ
ル素線の巻き密度を大きくすると誘導コイルのコイル端
部が円弧状に形成され、誘導コイルのコイル端部におけ
る誘導コイルの内方と外方との磁束密度が大きく異なる
ので、加熱ローラの軸線方向の温度分布にむらを生じ
る。
【0006】また、加熱ローラの軸線方向に沿って延び
る誘導コイルのコイル延在部同志の間隔が狭い場合、コ
イル素線の巻き癖の修正が難しいので、誘導コイルに巻
回されたコイル素線の形状が悪いまま交番磁界を発生さ
せることがある。誘導コイルの形状が悪いと、その形状
に従って磁束密度が不所望に変化するので、加熱ローラ
の加熱効率が悪く温度分布にむらを生じることがある。
【0007】本発明の目的は、簡易な構成で加熱ローラ
の温度分布が均一になるように加熱昇温することがで
き、誘導コイルの製作が容易な誘導加熱装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)交番磁
界中で発熱する導電層を備える加熱ローラと、(b)加
熱ローラの外周面から半径方向外方に間隔をあけて設け
られ、加熱ローラの外周面を部分的に覆い交番磁界を発
生する誘導コイルであって、導電性を有する線状のコイ
ル素線が巻回されてなり、加熱ローラの軸線方向に沿っ
て延びる一対の延在コイル部と、加熱ローラの軸線方向
の両端部付近にそれぞれ配置され、各延在コイル部の両
端部にそれぞれ連なり、加熱ローラの周方向に沿い加熱
ローラの軸線に平行な一仮想平面への投影形状が直線状
に延びる一対のコイル端部とを備える誘導コイルと、
(c)加熱ローラの表面温度を検出する温度検出手段と
を含むことを特徴とする誘導加熱装置である。
【0009】本発明に従えば、誘導コイルは、加熱ロー
ラの軸線に平行な一仮想平面への投影形状が略長方形に
形成される。このことによって、一対のコイル端部にお
いてそれぞれ発生する磁界の磁束密度は、誘導コイルの
内方と外方とにおいてほぼ均一になるので、磁束の鎖交
によって渦電流が発生し発熱する加熱ローラの両端部付
近における温度分布のむらが解消される。またコイル延
在部が、加熱ローラの端部付近までより長く形成される
ので、加熱ローラ端部の発熱量の低下が抑制され、加熱
ローラの両端部付近における温度低下が防止される。
【0010】また本発明は、前記誘導コイルは、一対の
延在コイル部の最内方にそれぞれ配置されるコイル素線
同志の間隔W1が、12mm以上、より好ましくは20
mm以上に形成されることを特徴とする。
【0011】本発明に従えば、コイル延在部の最内方に
配置されるコイル素線同志の間隔W1が、12mm以
上、より好ましくは20mm以上になるように誘導コイ
ルが形成されるので、誘導コイル中央部のコイル素線が
存在しない空隙部分の面積を大きくすることができる。
このことによって、誘導コイルによって発生される磁束
の通過する前記空隙部分は、容易に磁気飽和することが
ないので、磁束を無駄なく効率的に加熱ローラに導き鎖
交させることができる。したがって、簡易な構成で効率
よく加熱ローラを加熱することができる。
【0012】また前記空隙部分の面積が大きく形成され
ることによって、誘導コイルの成形時にコイル素線の巻
き癖の矯正を容易に行うことができるので、捩れまたは
歪みの矯正された寸法精度のよい誘導コイルを容易に製
作することができる。このことによって、誘導コイルの
形状不良に基づく磁束密度の不所望な変化が抑制される
ので、効率よく加熱ローラを加熱し、加熱ローラの温度
分布むらの発生を防止することができる。
【0013】また本発明は、前記温度検出手段は、加熱
ローラの外周面から半径方向外方かつ延在コイル部同志
の中間に設けられることを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、温度検出手段は、加熱ロ
ーラの外周面から半径方向外方かつ延在コイル部同志の
中間に設けられる。加熱ローラの外周面から半径方向外
方かつ延在コイル部同志の中間にあたる位置は、誘導コ
イルによって形成される空隙部分の加熱ローラ周方向の
中間に該当する。空隙部分の加熱ローラ周方向の中間に
該当する位置の磁束密度は低いので、磁界ノイズの影響
を受けにくい。また加熱ローラ表面の温度分布は、誘導
コイルによって形成される空隙部分に対して線対称に形
成される。したがって、温度検出手段を空隙部分の加熱
ローラ周方向の中間に設けることによって、加熱ローラ
の表面温度を精度よく検出することができる。また温度
検出手段は、誘導コイルによって形成される空隙部分に
配置されるので、設置場所の取合いの問題を解決するこ
とが可能であるとともに、装置の小型化に寄与すること
ができる。
【0015】また本発明は、前記誘導コイルは、コイル
素線が加熱ローラの半径方向に2層以上積層して巻回さ
れて形成されることを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、誘導コイルは、コイル素
線が加熱ローラの半径方向に2層以上積層して巻回され
て形成されるので、コイル素線の巻数が同じでコイル素
線を積層することなく単層に形成される誘導コイルと比
較すると、誘導コイルの空隙部分の面積を大きくするこ
とができる。このことによって、磁束が通過する空隙部
分における磁気飽和が起こりにくいので、加熱ローラに
磁束を効率的に鎖交させて加熱効率を向上することが可
能になる。
【0017】また本発明は、前記誘導コイルは、コイル
素線を加熱ローラの外周面から半径方向外方に向って予
め定められた層数を積層して巻回すことを繰返して形成
されることを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、誘導コイルは、1本の連
続したコイル素線を加熱ローラの外周面から半径方向外
方に向って予め定められた層数を積層して巻回すことを
繰返して形成されるので、加熱ローラが加熱されて発生
する輻射熱を、加熱ローラに最も近接して巻回された最
内層のコイル素線から加熱ローラに最も離反して巻回さ
れた最外層のコイル素線にまで熱伝導することができ
る。このことによって、最外層のコイル素線からの放熱
効果を有効に利用することができるので、誘導コイルの
温度上昇を抑制し、誘導コイルの昇温による熱効率の低
下を防止することができる。また誘導コイル全体の温度
分布を均一化し、熱膨張に基づく誘導コイルの一方向へ
の変形である反りの発生を防止できる。
【0019】また本発明は、前記いずれかに記載の誘導
加熱装置と、記録媒体に可視像を形成する可視像形成手
段と、記録媒体を搬送する搬送手段とを含むことを特徴
とする画像形成装置である。
【0020】本発明に従えば、画像形成装置は、前記い
ずれか1つの誘導加熱装置を含むので、記録媒体の搬送
方向に直交する方向に加熱むらのない良好な品質の画像
を形成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態であ
る誘導加熱装置1の構成を簡略化して示す平面図であ
り、図2は図1に示す誘導加熱装置1の正面図であり、
図3は図1に示す誘導加熱装置1の側面図であり、図4
は図1に示す誘導加熱装置1の概略断面図であり、図5
は図1に示す誘導加熱装置1を備える画像形成装置2の
構成を簡略化して示す概略断面図である。
【0022】誘導加熱装置1である定着装置は、交番磁
界中で発熱する導電層3を備える加熱ローラ4と、加熱
ローラ4に対向して設けられ加熱ローラ4との間に記録
媒体5である記録紙を挟圧して搬送する加圧ローラ6
と、加熱ローラ4の外周面から半径方向外方に間隔をあ
けて設けられ、加熱ローラ4の外周面を部分的に覆い交
番磁界を発生する誘導コイル7であって、導電性を有す
る線状のコイル素線21が巻回されてなり、加熱ローラ
4の軸線方向に沿って延びる一対の第1および第2延在
コイル部8,9と、加熱ローラ4の軸線方向の両端部付
近にそれぞれ配置され、各延在コイル部8,9の両端部
にそれぞれ連なり、加熱ローラ4の周方向に沿い加熱ロ
ーラ4の軸線に平行な一仮想平面20への投影形状が直
線状に延びる一対の第1および第2コイル端部10,1
1とを備える誘導コイル7と、加熱ローラ4の表面温度
を検出する温度検出手段12と、励磁回路13とを含
む。
【0023】定着装置1は、加熱ローラ4と加圧ローラ
6との間に、トナー像を担持する記録紙5を挟圧搬送す
ることによって、記録紙5に転写されたトナー14を、
加熱溶融させて定着させる。図4では、定着前のトナー
14が、定着後のトナー15に変化したことを示す。
【0024】加熱ローラ4は、中空円筒状の形状を有
し、定着装置1の機体に回転自在に支持される。加熱ロ
ーラ4の軸線方向両端部にはフランジ18が装着され、
フランジ18には歯車などが取付けられ、加熱ローラ4
は歯車を介して電動機によって回転される。また加熱ロ
ーラ4は、交番磁界中で発熱する導電層3と、導電層3
の外周に被覆される離型層16とを含む。
【0025】導電層3は、円筒形状を有し、たとえば鉄
またはSUS430ステンレス鋼などの導電性を有する
金属製部材である。導電層3は、誘導コイル7によって
形成される交番磁界中で渦電流が誘導されて発熱する発
熱体であり、その素材としては、磁性を有し導電性のあ
る材料であればよく、特に比透磁率の高い材料が適して
いる。導電層3の素材としては、前述の材料以外でも珪
素鋼板、電磁鋼板およびニッケル鋼なども使用すること
ができる。
【0026】また、SUS304ステンレス鋼のように
非磁性であっても、体積抵抗率の大きい材料であれば、
渦電流が発生するときの発熱量が大きいので、導電層3
の素材として使用することができる。さらに、たとえば
セラミックのような非磁性の材料が基材として用いられ
ている場合であっても、前述のような比透磁率の高い材
料が導電性を保持できるように基材に配置されていれ
ば、導電層3として使用することができる。本実施の形
態では、直径:40mm,厚み:0.5mmの鉄ロー
ラ、材質は日本工業規格G3445に規定されるSTK
M鋼管材を使用した。
【0027】離型層16は、加熱ローラ4と加圧ローラ
6とが当接して押圧されている接触ニップ部17におい
て、加熱されて粘度が低下したトナーが、加熱ローラ4
の外周面に付着するオフセットを防止するために、導電
層3の外周面に被覆される。離型層16には、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)もしくはテトラフルオ
ロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの
共重合体(PFA)などのフッ素系の材料、シリコンゴ
ムおよびフッ素ゴムなどが適している。本実施の形態で
は、離型層16としてPTFEを厚み20μmに被覆し
た。
【0028】加圧ローラ6は、円柱状もしくは円筒状の
形状を有し、鉄、ステンレス鋼もしくはアルミニウム製
の芯金の外周面上にシリコンゴムなどの耐熱弾性層が設
けられた部材である。耐熱弾性層の外周面上には、PT
FEもしくはPFAなどからなるトナー付着防止のため
の離型層が設けられてもよい。加圧ローラ6には加圧ロ
ーラ6と軸線を共有する加圧ローラ軸19が設けられ、
加圧ローラ軸19が図示しない軸受に装着されて回転自
在に支持される。また加圧ローラ6は、ばね等の弾性部
材によって加熱ローラ4に対して押圧される。このこと
によって、加熱ローラ4および加圧ローラ6の軸線に対
して直交する方向に幅5mm程度の前記接触ニップ部1
7が形成される。
【0029】誘導コイル7は、直径:0.4mmのエナ
メル線を複数撚り合わせたリッツ線からなるコイル素線
21をコイル状に巻回して形成される。本実施の形態で
は、コイル素線21としてリッツ線を使用したけれど
も、これに限定されることなく、アルミニウム線、銅線
もしくは銅を基材とする複合材料の線であってもよい。
前述のいずれの材料を用いる場合であっても、誘導コイ
ル7自体の抵抗発熱によるエネルギ損失を抑制するため
に、誘導コイル7の全抵抗値は、0.5Ω以下であるこ
とが望ましく、さらに望ましくは0.1Ω以下である。
【0030】誘導コイル7は、前述のように加熱ローラ
4の軸線方向に沿って延びる一対の第1および第2延在
コイル部8,9と、加熱ローラ4の軸線方向の両端部付
近にそれぞれ配置され、各延在コイル部8,9の両端部
にそれぞれ連なり加熱ローラ4の周方向に沿って延びる
第1および第2コイル端部10,11とを含み、加熱ロ
ーラ4の軸線に平行な一仮想平面20への投影形状が、
略長方形になるように形成される。
【0031】誘導コイル7は励磁回路13に接続され、
励磁回路13から誘導コイル7に高周波電流を流すこと
によって交番磁界を発生する。交番磁界によって、加熱
ローラ4に設けられた導電層3に渦電流が発生し、導電
層3は誘導加熱される。導電層3が誘導加熱されること
によって、加熱ローラ4が昇温すると、加熱ローラ4の
外周面に当接する温度検出手段12が表面温度を検出
し、その検出出力に応答して励磁回路13の動作が、励
磁回路13に備えられるたとえばCPU(CentralProces
sing Unit)を搭載した制御回路によって制御され、加
熱ローラ4の表面温度が一定に保たれる。
【0032】温度検出手段12は、たとえばサーミスタ
などによって実現される温度計であり、加熱ローラ4の
外周面から半径方向外方かつ第1および第2延在コイル
部8,9同志の中間に設けられる。加熱ローラ4の外周
面から半径方向外方かつ第1および第2延在コイル部
8,9同志の中間にあたる位置は、誘導コイル7を形成
するコイル素線21が巻回されていない誘導コイル7の
中央部分である空隙部分22の加熱ローラ4周方向の中
間に該当する。空隙部分22の加熱ローラ4周方向の中
間に該当する位置の磁束密度は低いので磁界ノイズの影
響を受けにくく、また加熱ローラ4表面の温度分布は、
誘導コイル7によって形成される空隙部分22に対して
線対称に形成される。したがって、温度検出手段12を
空隙部分22の加熱ローラ4周方向の中間に設けること
によって、加熱ローラ4の表面温度を精度よく検出する
ことが可能になる。また設置場所の取合いの問題を解決
することが可能であり装置の小型化に寄与できる。
【0033】次に、前述のように構成された定着装置1
の動作について説明する。まず、ウォームアップ時にお
いて、励磁回路13がONとなり、誘導コイル7が励磁
されて加熱ローラ4の導電層3に渦電流が誘起され、ジ
ュール熱によって発熱する。このときの発熱量は、たと
えば900Wである。また、励磁回路13による通電が
開始すると同時に、加熱ローラ4が回転駆動され、加熱
ローラ4に押圧されている加圧ローラ6は従動回転す
る。加熱ローラ4の表面温度は、温度検出手段12によ
って常時検出され、加熱ローラ4の表面温度が規定の設
定温度たとえば180℃に達すると、ウォームアップが
完了し、励磁回路13による誘導コイル7への通電が、
ON−OFF制御に切換わり、加熱ローラ4の表面温度
が前記規定の設定温度に維持される。
【0034】ウォームアップが完了した状態の定着装置
1の接触ニップ部17に、定着前トナー14の画像が転
写された記録紙5を通過させることによって、定着前ト
ナー14は、加熱ローラ4から熱を受け、また加熱ロー
ラ4と加圧ローラ6との押圧による圧力を受けて、記録
紙5上に溶融定着されて堅牢な画像となる。定着むらの
ないよい品質の画像を記録紙5上に形成するためには、
記録紙5の搬送方向および搬送方向に直交する方向に記
録紙5を均一に加熱する必要がある。
【0035】しかしながら、搬送方向に直交する方向、
特に加熱ローラ4の軸線方向の両端部付近において加熱
ローラ4の温度は低下しやすく、両端部において温度低
下を生じた加熱ローラ4によって加熱し搬送された記録
紙5上の画像に定着むらを生じることがあった。図6は
誘導コイル7によって発生する磁束23の状態を示す部
分平面図であり、図7は屈曲したコイル端部65を有す
る誘導コイル61によって発生する磁束62の状態を示
す部分平面図であり、図8は加熱ローラ4の軸線方向の
温度分布を示す図である。
【0036】誘導コイル61は、加熱ローラ4の軸線方
向に沿って延びる一対の延在コイル部63,64と、加
熱ローラ4の軸線方向の両端部付近にそれぞれ配置さ
れ、加熱ローラ4の周方向に沿って延び、各延在コイル
部63,64の一方および他方の端部同志に連結する一
対の屈曲したコイル端部65(図7では一方の端部側の
み図示する)とを有する。コイル端部65は、誘導コイ
ル61の内方に曲率中心を有して屈曲しているので、誘
導コイル61によって発生する磁束62の密度は、誘導
コイル61の内方において大きくなり、外方において小
さくなる。加熱ローラ4の導電層3に渦電流が誘起され
て発熱する発熱量は、導電層3に鎖交する磁束密度に対
応するので、誘導コイル61によって誘導加熱される加
熱ローラ4は、磁束密度の小さくなる軸線方向の両端部
が中央部分に比べて温度低下を生じる。
【0037】図6に示す本実施の形態の誘導コイル7
は、前記一仮想平面20に対する投影形状が略長方形に
形成される。すなわち一仮想平面20に対する投影形状
でみると、第1および第2コイル端部10,11は、加
熱ローラ4の周方向に直線状に延びて形成される(図6
では加熱ローラ4の一端部側のみ図示)。したがって、
第1および第2コイル端部10,11において、誘導コ
イル7によって発生する磁束23の密度は、誘導コイル
7の第1および第2コイル端部10,11の内方と外方
とにおいてほとんど均一である。また第1および第2コ
イル延在部8,9が、加熱ローラ4の両端部付近までよ
り長く形成されるので、加熱ローラ4の両端部における
発熱量の低下が抑制され、加熱ローラ4の両端部付近に
おける温度低下が防止される。
【0038】図8中に示す第1ライン24は、本実施の
形態の誘導コイル7によって誘導加熱された加熱ローラ
4の軸線方向の温度分布を表し、第2ライン66は、コ
イル端部65の屈曲した誘導コイル61によって誘導加
熱された加熱ローラ4の軸線方向の温度分布を表す。第
1ライン24によって表される温度分布の方が、加熱ロ
ーラ4の軸線方向の端部により近接した位置まで軸線方
向中央部と同一温度が保持され、加熱ローラ4の軸線方
向端部付近における温度分布のむらが解消されている。
【0039】図5に戻って、定着装置1を備える本実施
の形態の画像形成装置2による画像形成について説明す
る。画像形成装置2は、記録紙5上に可視像を形成する
4組の可視像形成手段31Y,31M,31C,31B
と、記録紙5を収納する記録紙トレー41と、記録紙5
を搬送する搬送手段42とを含む。記録紙トレー41
は、矢符43に示す記録紙5の搬送方向最上流側に配置
され、記録紙5を載置して蓄えるとともに、画像を形成
するときには、記録紙5を1枚ずつ分離して給送する。
4組の可視像形成手段31Y,31M,31C,31B
は、イエロー31Y、マゼンタ31M、シアン31C、
ブラック31Bが、矢符43に示す記録紙5の搬送方向
上流側から下流側に向ってこの順序で搬送手段42に沿
って設けられる。
【0040】イエローの可視像形成手段31Yは、感光
体32と、帯電ローラ33と、レーザ照射手段34と、
現像器35と、転写ローラ36と、クリーナ37とを含
む。感光体32は、画像形成装置2の機体に回転自在に
設けられ、表面には静電潜像が形成される。帯電ローラ
33は、感光体32に対向配置され、感光体32の表面
を一様に帯電させる。レーザ照射手段34は、画像情報
に応じて感光体32の表面をレーザ露光し、静電潜像を
形成させる。
【0041】現像器35は、感光体32と予め定める間
隔を有して対向配置され、感光体32にトナーを供給し
て静電潜像を現像し、顕像化する。転写ローラ36は、
後述の無端状ベルト44を介して感光体32と対向配置
され、トナーとは逆のバイアス電圧が印加されて、感光
体32の表面に形成されるトナー像を記録紙5上に転写
する。クリーナ37は、トナー像が感光体32から記録
紙5上に転写された後、感光体32の表面に残留したト
ナーを除去し、次の現像に備えて感光体32の表面をク
リーニングする。他の可視像形成手段31M,31C,
31Bは、トナーの色が異なる点を除いて可視像形成手
段31Yと同一の構成を有する。
【0042】搬送手段42は、駆動ローラ45と、アイ
ドリングローラ46と、駆動ローラ45とアイドリング
ローラ46とによって架張されて回動可能な無端状ベル
ト44とを含む。駆動ローラ45は、図5の紙面に垂直
方向の軸線まわりに電動機などによって回転駆動され
る。アイドリングローラ46は駆動源を持たないけれど
も、駆動ローラ45の回転駆動力が無端状ベルト44に
より伝えられて、駆動ローラ45と同一方向の軸線まわ
りに従動回転する。駆動ローラ45とアイドリングロー
ラ46との間に架張された無端状ベルト44は、駆動ロ
ーラ45の回転駆動にともなって矢符43に示す方向
に、たとえば速度134mm/秒で回動し記録紙5を静
電吸着させて搬送する。
【0043】画像形成装置2においては、次のように画
像が形成される。記録紙トレー41から1枚ずつ給送さ
れる記録紙5は、無端状ベルト44によって矢符43方
向に搬送される。まず可視像形成手段31Yでは、感光
体32が表面を帯電ローラ33によって一様に帯電さ
れ、その後感光体32の表面が、レーザ照射手段34に
より画像情報に応じてレーザ露光されて静電潜像が形成
される。現像器35により感光体32上の静電潜像に対
してトナー像が現像され、この顕像化されたトナー像が
トナーとは逆極性のバイアス電圧が印加された転写ロー
ラ36によって、無端状ベルト44上の記録紙5に転写
される。
【0044】記録紙5には、矢符43に示す方向に搬送
される途上において、搬送方向下流側に配置された他の
各可視像形成手段31M,31C,31Bによって、各
色のトナーが順次多重転写される。4組の可視像形成手
段31Y,31M,31C,31Bによる転写が終了し
た後、記録紙5は、駆動ローラ45に形成された曲率に
より、無端状ベルト44から剥離され、定着装置1に搬
送される。定着装置1において、トナー像を担持した記
録紙5は、加熱ローラ4と加圧ローラ6との間で挟圧さ
れて適度な温度と圧力が与えられ、トナーは溶解して記
録紙5に定着され堅牢な画像となる。
【0045】図9は本発明の第2の実施の形態である定
着装置に備わる誘導コイル45の構成を簡略化して示す
概略断面図であり、図10は図9に示す誘導コイル45
の部分平面図である。本実施の形態の誘導コイル45
は、実施の第1形態の誘導コイル7と類似し、対応する
部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。第2
の実施の形態である定着装置に備わる誘導コイル45
は、コイル素線21が加熱ローラ4の半径方向に2層に
積層して巻回されて形成されることを特徴とする。
【0046】後述する図11および図12には、本実施
の形態の誘導コイル45との比較のために屈曲したコイ
ル端部70を有する誘導コイル71を示す。図11は屈
曲したコイル端部70を有する誘導コイル71の構成を
簡略化して示す概略断面図であり、図12は図11に示
す誘導コイル71の部分平面図である。
【0047】たとえば、コイル素線の巻数を12巻とし
て誘導コイルを形成する場合について説明する。コイル
素線74を積層することなく単層に巻回して形成される
誘導コイル71と、コイル素線21を加熱ローラ4の半
径方向に2層積層して巻回して形成される誘導コイル4
5とを比較すると、誘導コイル45の方が、誘導コイル
45によって形成される空隙部分22の面積を大きくす
ることができる。すなわち、誘導コイル45の第1およ
び第2延在コイル部8,9の最内方にそれぞれ配置され
るコイル素線21a,21b同志の間隔W1と、誘導コ
イル71の第1および第2延在コイル部72,73の最
内方にそれぞれ配置されるコイル素線74a,74b同
志の間隔W2とを比較すると、W1>W2である。した
がって、誘導コイル45では、磁束が通過する空隙部分
22における磁気飽和が起こりにくいので、加熱ローラ
4に磁束を効率的に鎖交させて加熱効率を向上すること
が可能になる。
【0048】コイル素線74を単層に巻回した誘導コイ
ル71の前記間隔W2を大きくするようにコイル素線7
4を巻回して誘導コイル71を形成することができるけ
れども、誘導コイル71のコイル端部70が大きな曲率
を有するようになり、誘導コイル71を設置するスペー
スの確保が困難になるという問題があるので、コイル素
線を加熱ローラ4の半径方向に積層して巻回すことが好
ましい。
【0049】また本実施の形態の誘導コイル45では、
第1および第2延在コイル部8,9の最内方にそれぞれ
配置されるコイル素線21a,21b同志の間隔W1
が、12mm以上、より好ましくは20mm以上に形成
される。図13は間隔W1が大きく形成された誘導コイ
ル45を示す概略断面図であり、図14は間隔W3が小
さく形成された誘導コイル47を示す概略断面図であ
り、図15はコイル延在部の最内方に配置されるコイル
素線同志の間隔が加熱ローラ4の昇温特性に及ぼす影響
を示す図である。
【0050】図13〜図15に基づいて誘導コイルの一
対の延在コイル部の最内方にそれぞれ配置されるコイル
素線同志の間隔が、加熱ローラ4の昇温特性に及ぼす影
響について説明する。図13に示す誘導コイル45で
は、第1および第2延在コイル部8,9の最内方にそれ
ぞれ配置されるコイル素線21a,21b同志の間隔W
1は、20mmに設定される。このとき加熱ローラ4の
軸心46と第1および第2延在コイル部8,9の最内方
に配置されるコイル素線21a,21bとをそれぞれ結
ぶ直線によって形成される角度θ1は120度に設定さ
れる。図14に示す誘導コイル47では、第1および第
2延在コイル部48,49の最内方にそれぞれ配置され
るコイル素線50a,50b同志の間隔W3は、8mm
に設定される。このとき加熱ローラ4の軸心46と第1
および第2延在コイル部48,49の最内方に配置され
るコイル素線50a,50bとをそれぞれ結ぶ直線によ
って形成される角度θ2は30度に設定される。
【0051】誘導コイル45および誘導コイル47に9
00Wの電力を投入し、トナー画像を記録紙5上に定着
する定着装置1の運転時における加熱ローラ4の設定温
度である180℃に達するまでの所要時間を計測して昇
温特性を評価した。図15中に示す第3ライン51が、
前記間隔W1が20mmに設定された誘導コイル45に
よる加熱ローラ4の昇温特性を表し、第4ライン52
が、前記間隔W3が8mmに設定された誘導コイル47
による加熱ローラ4の昇温特性を表す。前記間隔W1が
20mmに設定された誘導コイル45によって加熱され
た加熱ローラ4が、180℃に達するまでの所要時間は
20秒であり、前記間隔W3が8mmに設定された誘導
コイル47によって加熱された加熱ローラ4の所要時間
は23秒であった。前記間隔W1を12mmに設定した
誘導コイルを形成し、同一の条件によって加熱ローラ4
を加熱し、180℃に達するまでの所要時間を計測した
結果は21秒であった。
【0052】誘導コイルに形成される一対の延在コイル
部の最内方にそれぞれ配置されるコイル素線同志の間隔
が大きくなるのにともなって、誘導コイルによって加熱
される加熱ローラ4が設定温度に達するまでの所要時間
が短くなり、昇温特性が向上する。定着装置1の実操業
においては、ウォームアップ時間短縮の要請に従い、加
熱ローラ4が設定温度である180℃に達するまでの所
要時間は20〜21秒以内であることが好ましい。した
がって、誘導コイル45に形成される第1および第2延
在コイル部8,9の最内方にそれぞれ配置されるコイル
素線21a,21b同志の間隔W1は、前述のように1
2mm以上、より好ましくは20mm以上に設定され
る。
【0053】このように前記間隔W1が大きくなるよう
に誘導コイル45を形成、すなわち空隙部分22が大き
くなるように誘導コイル45を形成することによって、
磁束の通過する空隙部分22は容易に磁気飽和すること
がないので、磁束を無駄なく効率的に加熱ローラ4に導
き鎖交させることができる。したがって、コイル素線2
1を加熱ローラ4の半径方向に2層に積層して巻回して
誘導コイル45を形成し、誘導コイル45の前記間隔W
1および空隙部分22を大きくするという簡易な構成で
効率よく加熱ローラ4を加熱し、設定温度まで到達する
のに要する時間を短くすることができる。
【0054】また空隙部分22の面積が大きく形成され
ることによって、誘導コイル45の成形時にコイル素線
21の巻き癖の矯正を容易に行うことができるので、捩
れまたは歪みの矯正された寸法精度のよい誘導コイル4
5を容易に製作することができる。このことによって、
誘導コイル45の形状不良に基づく磁束密度の不所望な
変化が抑制されるので、効率よく加熱ローラ4を加熱
し、加熱ローラ4の温度分布むらの発生を防止すること
ができる。
【0055】次に誘導コイルを形成するに際してコイル
素線を巻回して積層する順序が、加熱効率に及ぼす影響
について説明する。図16はコイル素線21を加熱ロー
ラ4の半径方向外方に向って積層して巻回す状態を示す
概略断面図であり、図17はコイル素線54を加熱ロー
ラ4の周方向に順次巻き位置をずらせながら巻回す状態
を示す概略断面図である。
【0056】誘導コイル45では、加熱ローラ4の外周
面に近接する側である内層の巻き順s1に示すコイル素
線21が巻回された後、巻き順s1の加熱ローラ4の半
径方向外方側である外層に積層し巻き順s2に示すコイ
ル素線21が巻回される。次いでコイル素線21の巻き
位置を加熱ローラ4の周方向にずらせて、前述と同様に
内層の巻き順s3に示すコイル素線21が巻回された
後、外層に積層し巻き順s4に示すコイル素線21が巻
回される。さらに巻き順s4〜s12までを前述同様に
内層外層の順に繰返しコイル素線21を巻回して誘導コ
イル45が形成される。
【0057】一方図17に示す誘導コイル53は、前記
誘導コイル45とは異なる順序でコイル素線54が巻回
されて形成される。誘導コイル53では、加熱ローラ4
の外周面に近接する側である内層の巻き順p1に示すコ
イル素線54が巻回された後、巻き位置を加熱ローラ4
の周方向にずらせて巻き順p2に示すコイル素線54が
巻回される。さらに加熱ローラ4の周方向に巻き位置を
順次ずらして巻き順p3〜p6に示すコイル素線54が
巻回されて、誘導コイル53の内層が形成される。内層
が形成された後、巻き位置を加熱ローラ4の半径方向外
方にずらせ、巻き順p7に示す外層のコイル素線54を
巻回す。さらに外層において加熱ローラ4の周方向であ
って内層を形成した方向と逆の方向に巻き位置を順次ず
らして巻き順p8〜p12に示すコイル素線54が巻回
されて、誘導コイル53の外層が形成される。
【0058】加熱ローラ4が加熱されて発生する輻射熱
の伝わり方を、誘導コイル45と誘導コイル53とにお
いて比較すると、以下のようである。誘導コイル53で
は、加熱ローラ4の輻射熱を巻き順p1〜p6に示され
る内層のコイル素線が受けるけれども、巻き順p1〜p
6に示す内層から巻き順p7〜p12に示す外層への熱
伝導は、1本のコイル素線54が連なる巻き順p6から
p7においてしか起こらないので、内層のコイル素線が
受けた輻射熱は、外層のコイル素線へ熱伝導されにく
い。
【0059】誘導コイル45では、内層のコイル素線2
1が受けた加熱ローラ4の輻射熱は、内層のコイル素線
21にそれぞれ連なる外層のコイル素線21に伝導され
るので、内層から外層への熱伝導が効率よく行われる。
外層のコイル素線21に伝導された熱は、外層のコイル
素線21から大気中へ放熱されるので、外層のコイル素
線21の放熱効果を有効に利用することができる。この
ことによって誘導コイル45の温度上昇が抑制され、誘
導コイル45の昇温による熱効率の低下が防止される。
また誘導コイル45全体の温度分布を均一化できるの
で、熱膨張に基づく誘導コイル45の一方向への変形で
ある反りの発生を防止できる。
【0060】以上に述べたように、本発明の実施の形態
では、誘導コイル7は、加熱ローラ4の軸線方向に1つ
設けられているけれども、これに限定されることなく、
トナーを定着させる記録紙5の寸法に応じて複数個が設
けられてもよい。また誘導コイル45は、加熱ローラ4
の半径方向外方にコイル素線21を2層に積層して巻回
して形成されるけれども、これに限定されることなく、
2層を超える層数に積層されてもよい。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、誘導コイルは、加熱ロ
ーラの軸線に平行な一仮想平面への投影形状が略長方形
に形成される。このことによって、一対のコイル端部に
おいてそれぞれ発生する磁界の磁束密度は、誘導コイル
の内方と外方とにおいてほぼ均一になるので、磁束の鎖
交によって渦電流が発生し発熱する加熱ローラの両端部
付近における温度分布のむらが解消される。またコイル
延在部が、加熱ローラの端部付近までより長く形成され
るので、加熱ローラ端部の発熱量の低下が抑制され、加
熱ローラの両端部付近における温度低下が防止される。
【0062】また本発明によれば、コイル延在部の最内
方に配置されるコイル素線同志の間隔W1が、12mm
以上、より好ましくは20mm以上になるように誘導コ
イルが形成されるので、誘導コイル中央部のコイル素線
が存在しない空隙部分の面積を大きくすることができ
る。このことによって、誘導コイルによって発生される
磁束の通過する前記空隙部分は、容易に磁気飽和するこ
とがないので、磁束を無駄なく効率的に加熱ローラに導
き鎖交させることができる。したがって、簡易な構成で
効率よく加熱ローラを加熱することができる。
【0063】また前記空隙部分の面積が大きく形成され
ることによって、誘導コイルの成形時にコイル素線の巻
き癖の矯正を容易に行うことができるので、捩れまたは
歪みの矯正された寸法精度のよい誘導コイルを容易に製
作することができる。このことによって、誘導コイルの
形状不良に基づく磁束密度の不所望な変化が抑制される
ので、効率よく加熱ローラを加熱し、加熱ローラの温度
分布むらの発生を防止することができる。
【0064】また本発明によれば、温度検出手段は、加
熱ローラの外周面から半径方向外方かつ延在コイル部同
志の中間に設けられる。加熱ローラの外周面から半径方
向外方かつ延在コイル部の中間にあたる位置は、誘導コ
イルによって形成される空隙部分の加熱ローラ周方向の
中間に該当する。空隙部分の加熱ローラ周方向の中間に
該当する位置の磁束密度は低いので、磁界ノイズの影響
を受けにくい。また加熱ローラ表面の温度分布は、誘導
コイルによって形成される空隙部分に対して線対称に形
成される。したがって、温度検出手段を空隙部分の加熱
ローラ周方向の中間に設けることによって、加熱ローラ
の表面温度を精度よく検出することができる。また温度
検出手段は、誘導コイルによって形成される空隙部分に
配置されるので、設置場所の取合いの問題を解決するこ
とが可能であるとともに、装置の小型化に寄与すること
ができる。
【0065】また本発明によれば、誘導コイルは、コイ
ル素線が加熱ローラの半径方向に2層以上積層して巻回
されて形成されるので、コイル素線の巻数が同じでコイ
ル素線を積層することなく単層に形成される誘導コイル
と比較すると、誘導コイルの空隙部分の面積を大きくす
ることができる。このことによって、磁束が通過する空
隙部分における磁気飽和が起こりにくいので、加熱ロー
ラに磁束を効率的に鎖交させて加熱効率を向上すること
が可能になる。
【0066】また本発明によれば、誘導コイルは、1本
の連続したコイル素線を加熱ローラの外周面から半径方
向外方に向って予め定められた層数を積層して巻回すこ
とを繰返して形成されるので、加熱ローラが加熱されて
発生する輻射熱を、加熱ローラに最も近接して巻回され
た最内層のコイル素線から加熱ローラに最も離反して巻
回された最外層のコイル素線にまで熱伝導することがで
きる。このことによって、最外層のコイル素線からの放
熱効果を有効に利用することができるので、誘導コイル
の温度上昇を抑制し、誘導コイルの昇温による熱効率の
低下を防止することができる。また誘導コイル全体の温
度分布を均一化し、熱膨張に基づく誘導コイルの一方向
への変形である反りの発生を防止できる。
【0067】また本発明によれば、画像形成装置は、前
記いずれか1つの誘導加熱装置を含むので、記録紙の搬
送方向に垂直な方向に加熱むらのない良好な品質の画像
を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である誘導加熱装置1の
構成を簡略化して示す平面図である。
【図2】図1に示す誘導加熱装置1の正面図である。
【図3】図1に示す誘導加熱装置1の側面図である。
【図4】図1に示す誘導加熱装置1の概略断面図であ
る。
【図5】図1に示す誘導加熱装置1を備える画像形成装
置2の構成を簡略化して示す概略断面図である。
【図6】誘導コイル7によって発生する磁束23の状態
を示す部分平面図である。
【図7】屈曲したコイル端部65を有する誘導コイル6
1によって発生する磁束62の状態を示す部分平面図で
ある。
【図8】加熱ローラ4の軸線方向の温度分布を示す図で
ある。
【図9】本発明の第2の実施の形態である定着装置に備
わる誘導コイル45の構成を簡略化して示す概略断面図
である。
【図10】図9に示す誘導コイル45の部分平面図であ
る。
【図11】屈曲したコイル端部70を有する誘導コイル
71の構成を簡略化して示す概略断面図である。
【図12】図11に示す誘導コイル71の部分平面図で
ある。
【図13】間隔W1が大きく形成された誘導コイル45
を示す概略断面図である。
【図14】間隔W3が小さく形成された誘導コイル47
を示す概略断面図である。
【図15】一対のコイル延在部の最内方に配置されるコ
イル素線同志の間隔が加熱ローラ4の昇温特性に及ぼす
影響を示す図である。
【図16】コイル素線21を加熱ローラ4の半径方向外
方に向って積層して巻回す状態を示す概略断面図であ
る。
【図17】コイル素線54を加熱ローラ4の周方向に順
次巻き位置をずらせながら巻回す状態を示す概略断面図
である。
【符号の説明】
1 誘導加熱装置 2 画像形成装置 4 加熱ローラ 6 加圧ローラ 7,45 誘導コイル 12 温度検出手段 31 可視像形成手段 42 搬送手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)交番磁界中で発熱する導電層を備
    える加熱ローラと、 (b)加熱ローラの外周面から半径方向外方に間隔をあ
    けて設けられ、加熱ローラの外周面を部分的に覆い交番
    磁界を発生する誘導コイルであって、 導電性を有する線状のコイル素線が巻回されてなり、加
    熱ローラの軸線方向に沿って延びる一対の延在コイル部
    と、加熱ローラの軸線方向の両端部付近にそれぞれ配置
    され、各延在コイル部の両端部にそれぞれ連なり、加熱
    ローラの周方向に沿い加熱ローラの軸線に平行な一仮想
    平面への投影形状が直線状に延びる一対のコイル端部と
    を備える誘導コイルと、 (c)加熱ローラの表面温度を検出する温度検出手段と
    を含むことを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記誘導コイルは、 一対の延在コイル部の最内方にそれぞれ配置されるコイ
    ル素線同志の間隔W1が、12mm以上に形成されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の誘導加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記間隔W1が、 より好ましくは20mm以上に形成されることを特徴と
    する請求項2記載の誘導加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記温度検出手段は、 加熱ローラの外周面から半径方向外方かつ延在コイル部
    同志の中間に設けられることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の誘導加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記誘導コイルは、 コイル素線が加熱ローラの半径方向に2層以上積層して
    巻回されて形成されることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の誘導加熱装置。
  6. 【請求項6】 前記誘導コイルは、 コイル素線を加熱ローラの外周面から半径方向外方に向
    って予め定められた層数を積層して巻回すことを繰返し
    て形成されることを特徴とする請求項5記載の誘導加熱
    装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項1〜6のいずれかに記載の誘
    導加熱装置と、 記録媒体に可視像を形成する可視像形成手段と、 記録媒体を搬送する搬送手段とを含むことを特徴とする
    画像形成装置。
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