JP3824491B2 - 加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乾式電子写真機器における定着装置、湿式電子写真機器における乾燥装置、インクジェットプリンタにおける乾燥装置、リライタブルメディア用消去装置用で、好適に実施される誘導加熱方式を用いた加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
加熱装置、たとえば乾式電子写真機器における定着装置、湿式電子写真機器における乾燥装置、リライタブルメディア用消去装置用の加熱装置において、アルミニウムなどの中空芯金を有する加熱ローラ内部にハロゲンランプを設け、ハロゲンランプによって加熱ローラを加熱する構成が、従来から広く用いられている。このハロゲンランプを用いる方式では、加熱開始時の立ち上がりが遅く、ウォームアップ時間が長くなるという問題がある。そこで、加熱ローラに導電層を設け、導電層に磁界発生手段によって交番磁界を与えて渦電流を発生させ、この渦電流によるジュール熱で加熱ローラを発熱させるという誘導加熱装置が注目されている。
【0003】
このような誘導加熱装置の加熱ローラの加熱効率向上を目的とした先行技術として、特願平11−374940がある。この先行技術の誘導加熱装置においては、磁界発生手段に備えられる誘導コイル背面側、すなわち誘導コイルに対して加熱ローラと反対側に、磁束分布調整部材を配置する。この先行技術の特徴は、以下のようなものである。
【0004】
(1)誘導コイルによって発生する交番磁界のうち、誘導コイル背面側の磁束を磁束分布調整部材によって集中させることができる。誘導コイル背面側の磁束が磁束分布調整部材に集中すると、その影響を受けて、磁束分布調整部材の反対側に配置された加熱ローラの導電層に鎖交する磁束密度も大きくなる。このことによって、加熱ローラの導電層に発生する渦電流が大きくなり、発熱量が増大するので、加熱効率が改善される。
【0005】
(2)誘導コイルが、曲率を有して加熱ローラを外囲するように配置されているので、加熱ローラへの磁束集中効果が大きい。このことによって、少ない量の磁束分布調整部材で効果的に加熱ローラに磁束を集中させることができる。
【0006】
(3)磁束分布調整部材を設けることによって、加熱ローラに磁束を効率よく集中できるので、加熱ローラと誘導コイルとの距離を大きくとることができる。すなわち、誘導コイルが、加熱ローラの温度によって受ける影響を、より小さくすることができる。このことによって、誘導コイルの雰囲気温度を低くすることができるので、誘導コイルの抵抗が下がり、ジュール損が少なくなり、加熱効率を改善できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この先行技術には、以下の問題点がある。図21は、加熱装置1の平面図である。図21に示すように、加熱装置1に備えられる誘導コイル2は、加熱ローラ3の軸線方向と平行に延び、加熱ローラ3の軸線方向両端部4,5付近において巻回されることによって、屈曲したコイル端部6,7が形成される。誘導コイル2には、屈曲したコイル端部6,7以外に一対の延在コイル部8,9が形成され、誘導コイル2の延在コイル部8,9においては、磁束B1が加熱ローラ3の軸線方向に均しく形成されるので、磁束密度は均一である。それに対して、屈曲したコイル端部6,7においては、コイル端部6,7が曲率を有するので、形成される磁束B2の密度には、疎、密の不均一が生じる。すなわち、コイル端部6,7の半径方向内方側の磁束密度は大きくなり、コイル端部6,7の半径方向外方側である加熱ローラの端部4,5側では、磁束密度が小さくなる。磁束密度の小さな加熱ローラの端部4,5側では、磁束密度に対応して発熱量が少なくなるので、磁束密度の大きなコイル端部6,7の半径方向内方側である加熱ローラ3の中央よりの部分に比べて、加熱ローラ3の温度が低くなるという問題がある。すなわち、加熱ローラ3の軸線方向における温度分布が不均一となる。
【0008】
この問題を解決する手段として、誘導コイル2の延在コイル部8,9の長さL1を、加熱ローラ3の軸線方向の長さL2よりも長くすることができるけれども、誘導コイル2を長くすることによって加熱装置1が大型化するので、装置寸法に制約のある小型の複写機およびプリンタなどに適用するには好ましくない。
【0009】
本発明の目的は、装置を大型化することなく、加熱ローラの軸線方向における温度分布の均一性を改善することができる加熱装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)交番磁界中で発熱する導電層を備える加熱ローラと、
(b)加熱ローラの外周面から半径方向外方に間隔をあけて設けられ、加熱ローラの外周面を周方向に部分的に覆い交番磁界を発生する誘導コイルであって、
加熱ローラの軸線方向に沿って延びる一対の延在コイル部と、
加熱ローラの軸線方向の両端部付近にそれぞれ配置され、各延在コイル部の両端部にそれぞれ連なり、加熱ローラの周方向に沿って延び、各延在コイル部の一方および他方の端部同志に連結する一対の屈曲したコイル端部とを有する誘導コイルと、
(c)誘導コイルの屈曲したコイル端部付近に配置され、加熱ローラの外周面と誘導コイルとの間に設けられる磁性材料からなる磁束分布調整部材とを含むことを特徴とする加熱装置である。
【0011】
本発明に従えば、誘導コイルの屈曲したコイル端部付近に、磁性材料からなる磁束分布調整部材を設けるので、磁束分布調整部材が、誘導コイルによって発生される磁束を集中し、加熱ローラの軸線方向の両端部付近に鎖交する磁束密度を大きくすることができる。加熱ローラの発熱量は、加熱ローラの導電層に鎖交する磁束密度の増加にともなって増加するので、加熱ローラの軸線方向両端部付近の発熱量を増加し、加熱ローラの軸線方向における温度分布の均一性を向上することができる。
【0014】
磁束分布調整部材は、加熱ローラの外周面と誘導コイルとの間に設けられる。磁束分布調整部材が配置される部位においては、誘導コイルによって発生される磁束は、磁束分布調整部材に集中するので、ほとんど加熱ローラを通ることがない。磁束は磁束分布調整部材の端部から流出し、加熱ローラに鎖交する部位では、磁束分布調整部材によって磁束が集中されていたことによって磁束密度が高くなるので、加熱ローラの発熱量が大きくなる。したがって、磁束分布調整部材の端部を、加熱ローラの外周面と誘導コイルとの間において、加熱ローラの軸線方向に配置する位置を変化させることによって、加熱ローラの発熱量が増加する位置を選定することができる。
【0015】
また本発明は、(a)交番磁界中で発熱する導電層を備える加熱ローラと、
(b)加熱ローラの外周面から半径方向外方に間隔をあけて設けられ、加熱ローラの外周面を周方向に部分的に覆い交番磁界を発生する誘導コイルであって、
加熱ローラの軸線方向に沿って延びる一対の延在コイル部と、
加熱ローラの軸線方向の両端部付近にそれぞれ配置され、各延在コイル部の両端部にそれぞれ連なり、加熱ローラの周方向に沿って延び、各延在コイル部の一方および他方の端部同志に連結する一対の屈曲したコイル端部とを有する誘導コイルと、
(c)誘導コイルの屈曲したコイル端部付近に配置された磁性材料からなる磁束分布調整部材であって、加熱ローラの外周面と誘導コイルとの間に設けられる第1磁束分布調整部材と、誘導コイルに対して加熱ローラと反対側に設けられる第2磁束分布調整部材とを有する磁束分布調整部材とを含むことを特徴とする加熱装置である。
【0016】
本発明に従えば、誘導コイルの屈曲したコイル端部付近に設けられる磁性材料からなる磁束分布調整部材は、加熱ローラの外周面と誘導コイルとの間に設けられる第1磁束分布調整部材と、誘導コイルに対して加熱ローラと反対側に設けられる第2磁束分布調整部材とを含むので、誘導コイルによって発生される磁束を、誘導コイルの加熱ローラ外周面を臨む側とその反対側との両側において、磁束分布調整部材に集中させることができる。第1磁束分布調整部材と第2磁束分布調整部材とに磁束が集中されるので、磁束密度が小さくなることを抑制できる。このことによって、磁束をより効率的に集中させて、加熱ローラに導くことができるので、加熱ローラの発熱量を増加させることができる。
【0017】
また本発明は、前記磁束分布調整部材は、
第1磁束分布調整部材と第2磁束分布調整部材とを接続する磁束分布調整接続部材をさらに含むことを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、磁束分布調整部材は、第1磁束分布調整部材と第2磁束分布調整部材とを接続する磁束分布調整接続部材をさらに含むので、第2磁束分布調整部材に集中された磁束を、効率的に第1磁束分布調整部材に導くことができる。このことによって、磁束分布調整部材に集中される磁束を、効率的に加熱ローラに鎖交させることが可能となる。
【0019】
また本発明は、第1磁束分布調整部材と、第2磁束分布調整部材と、磁束分布調整接続部材とは、相互に着脱可能であることを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、第1磁束分布調整部材と、第2磁束分布調整部材と、磁束分布調整接続部材とは、相互に着脱可能である。このことによって、誘導コイルの屈曲したコイル端部付近への、磁束分布調整部材の設置が容易になる。また、磁束分布調整部材の断面形状が変化する部分のき裂および割れの発生を抑制することができるので、部材寿命を長くすることができる。また、磁束分布調整部材の形状を容易に変更することができる。
【0021】
また本発明は、誘導コイルの屈曲したコイル端部は、加熱ローラの長手方向外方側に湾曲しており、
前記磁束分布調整部材の磁束分布調整接続部材は、
誘導コイルの屈曲したコイル端部の半径方向内方に配置されることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、磁束分布調整接続部材は、誘導コイルの屈曲したコイル端部の半径方向内方に配置される。コイル端部の半径方向内方は、コイル端部半径方向外方に比べて磁束密度が大きいので、磁束分布調整接続部材をコイル端部の半径方向内方に配置することによって、磁束を効率的に集中させ、加熱ローラの発熱に利用することができる。
【0023】
また本発明は、磁束分布調整部材は、加熱ローラの軸線方向に延び、磁束分布調整部材の加熱ローラの軸線方向外方側の端部は、誘導コイルの端部付近に、または誘導コイルの端部から加熱ローラの軸線方向内方側に間隔をあけて配置されることを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、磁束分布調整部材の加熱ローラの軸線方向外方側の端部は、誘導コイルの端部付近に、または誘導コイルの端部から加熱ローラの軸線方向内方側に間隔をあけて配置される。このことによって、磁束分布調整部材の加熱ローラの軸線方向外方側の端部から流出する磁束を、加熱ローラの導電層に効果的に鎖交させることができる。
【0025】
また本発明は、前記いずれかに記載の加熱装置と、
記録媒体に可視像を形成する可視像形成手段と、
記録媒体を搬送する搬送手段とを含むことを特徴とする画像形成装置である。
【0026】
本発明に従えば、画像形成装置は、前記いずれか1つの加熱装置を含むので、記録媒体の搬送方向に垂直な方向に加熱むらのない良好な品質の画像を形成することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態の加熱装置である定着装置11の構成を簡略化して示す概略断面図であり、図2は加熱ローラ12、誘導コイル13および磁束分布調整部材14の構成を簡略化して示す分解斜視図であり、図3は図2の加熱ローラ12、誘導コイル13および磁束分布調整部材14の構成を簡略化して示す斜視図であり、図4は図3の切断面線IV−IVからみた断面図であり、図5は図1に示す定着装置11を備える画像形成装置15の構成を簡略化して示す概略断面図である。
【0028】
定着装置11は、大略的に加熱ローラ12と、誘導コイル13と、磁束分布調整部材14と、加圧ローラ16と、励磁回路17と、温度検出器18とを含む。加熱ローラ12は、中空構造を有するローラであり、記録媒体である記録紙19を加熱する。加圧ローラ16は、加熱ローラ12に対向して配置され、図示しない弾性部材によって加熱ローラ12を押圧する方向に付勢されている。誘導コイル13は、加熱ローラ12の半径方向外方に配置される。この構成の定着装置11は、加熱ローラ12と加圧ローラ16との間に、トナー像を担持する記録紙19を挟圧搬送することによって、記録紙19に転写されたトナー20を、加熱溶融させて定着させる。図1では、定着前のトナー20が、定着後のトナー21に変化したことを示す。
【0029】
加熱ローラ12は、中空円筒状の形状を有し、定着装置11の機体に回転自在に支持される。加熱ローラ12の軸線方向両端部には、図示しない歯車などが取付けられ、加熱ローラ12は歯車を介して電動機によって回転される。また加熱ローラ12は、交番磁界中で発熱する導電層22と、導電層22の外周に被覆される離型層23とを含む。
【0030】
導電層22は、円筒形状を有し、たとえば鉄またはSUS430ステンレス鋼などの導電性を有する金属製部材である。導電層22は、誘導コイル13によって形成される交番磁界中で電流が誘導されて発熱する発熱体であり、その素材としては、磁性を有し導電性のある材料であればよく、特に比透磁率の高い材料が適している。導電層22の素材としては、前述の材料以外でも珪素鋼板、電磁鋼板およびニッケル鋼なども使用することができる。
【0031】
また、SUS304ステンレス鋼のように非磁性であっても、体積抵抗率の大きい材料であれば、渦電流が発生するときの発熱量が大きいので、導電層22の素材として使用することができる。さらに、たとえばセラミックのような非磁性の材料が基材として用いられている場合であっても、前述のような比透磁率の高い材料が導電性を保持できるように基材に配置されていれば、導電層22として使用することができる。本実施の形態では、加熱ローラ12の導電層22として、直径が30mm、厚みが0.4mmの鉄ローラ、材質はJISG3445に規定されるSTKMを使用した。
【0032】
離型層23は、加熱ローラ2と加圧ローラ4とが当接して押圧されている接触ニップ部31において、加熱されて粘度が低下したトナーが、加熱ローラ12の外周面に付着するオフセットを防止するために、導電層22の外周面に被覆される。離型層23には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)もしくはテトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体(PFA)などのフッ素系の材料、シリコンゴムおよびフッ素ゴムなどが適している。本実施の形態では、離型層23としてPTFEを厚み20μmに被覆した。
【0033】
加圧ローラ16は、円柱状もしくは円筒状の形状を有し、鉄、ステンレス鋼もしくはアルミニウム製の芯金の外周面上にシリコンゴムなどの耐熱弾性層が設けられた部材である。耐熱弾性層の外周面上には、PTFEもしくはPFAなどからなるトナー付着防止のための離型層が設けられてもよい。加圧ローラ16は、図示しない軸受によって定着装置11の機体に回転自在に支持され、またばね等の弾性部材によって、加熱ローラ12に対して、たとえば100Nの力で押圧される。このことによって、加熱ローラ12および加圧ローラ16の軸線に対して直角方向に幅3.5mm程度の接触ニップ部31が形成される。
【0034】
誘導コイル13は、加熱ローラ12の軸線方向に沿って延びる一対の延在コイル部24,25と、加熱ローラ12の軸線方向の両端部26(一端部26のみ図示)付近にて、各延在コイル部24,25の両端部にそれぞれ連なり、加熱ローラ12の周方向に沿って延び、各延在コイル部24,25の一方および他方の端部同志に連結する一対の屈曲したコイル端部27(一方のコイル端部27のみ図示)よりなる。誘導コイル13は、加熱ローラ12の外周面から半径方向外方に間隔をあけて設けられ、加熱ローラ12の外周面を周方向に部分的に覆い、交番磁界を発生する。
【0035】
誘導コイル13は、平面形状が円形の線材をコイル状に形成したものであり、たとえば酸化物の皮膜からなる表面絶縁層を有するアルミニウム単線からなる。誘導コイル13の素材としては、アルミニウム単線に限定されることなく、銅線もしくは銅を基材とする複合材料の線であってもよく、またエナメル線を撚り線にしたリッツ線であってもよい。前述のいずれの材料を用いる場合であっても、誘導コイル13自体の抵抗発熱によるエネルギ損失を抑制するために、誘導コイル13の全抵抗値は、0.5Ω以下であることが望ましく、さらに望ましくは0.1Ω以下である。
【0036】
誘導コイル13は、励磁回路17に接続され、励磁回路17によって誘導コイル13に高周波電流を流すことによって交番磁界を発生する。交番磁界によって、加熱ローラ12に設けられた導電層22に渦電流が発生し、導電層22は誘導加熱される。導電層22が誘導加熱されることによって、加熱ローラ12が昇温すると、加熱ローラ12の外周面に当接する温度検出器18が表面温度を検出し、その検出信号に応答して励磁回路17の動作が制御され、加熱ローラ12の表面温度が一定に保たれる。本実施の形態では、誘導コイル13は、加熱ローラ12の軸線方向に1つ設けられているけれども、トナーを定着させる記録紙19の寸法に応じて複数個が設けられてもよい。
【0037】
次に、前述のように構成された定着装置11の動作について説明する。まず、ウォームアップ時において、励磁回路17がONとなり、誘導コイル13が励磁されて加熱ローラ12の導電層22に渦電流が誘起され、ジュール熱によって発熱する。このときの発熱量は、たとえば800Wである。また、励磁回路17による通電が開始すると同時に、加熱ローラ12が回転駆動され、加熱ローラ12に押圧されている加圧ローラ16は従動回転する。加熱ローラ12の表面温度は、温度検出器18によって常時検知され、加熱ローラ12の表面温度が規定の設定温度たとえば180℃に達すると、ウォームアップが完了し、励磁回路17による誘導コイル13への通電が、ON−OFF制御に切換わり、加熱ローラ12の表面温度が前記規定の設定温度に維持される。
【0038】
ウォームアップが完了した状態の定着装置11の接触ニップ部31に、未定着トナー20の画像が転写された記録紙19を通過させることによって、未定着トナー20は、加熱ローラ12から熱を受け、また加熱ローラ12と加圧ローラ13との押圧による圧力を受けて、記録紙19上に溶融定着されて堅牢な画像となる。
【0039】
次に、磁束分布調整部材14について説明する。磁束分布調整部材14は、加熱ローラ12の軸線方向に平行な断面の形状が略U字状を有し、導電層22の比透磁率μ1を超える比透磁率μ2を有する高透磁率の磁性材料を用いるのが好ましい。磁束分布調整部材14は、誘導コイル13に通電されるときに発生する磁束を、磁束分布調整部材14に集中させることを目的として設けられる。したがって、磁束分布調整部材14は、導電層22よりも磁束が通りやすい素材、すなわち磁気抵抗の小さい素材で構成されなければならない。
【0040】
磁気抵抗は、透磁率が大きくなるのにともなって減少するので、導電層22の比透磁率μ1を超える比透磁率μ2を有する高透磁率の磁性材料を、磁束分布調整部材14の素材として選択することによって、誘導コイル13により発生される磁束を、磁束分布調整部材14へ集中させることができる。この磁束分布調整部材14の素材には、導電層22素材である前記鉄ロールの比透磁率μ1を超える比透磁率μ2を有する素材、たとえばフェライト(ニッケル−亜鉛系、銅−亜鉛系)、珪素鋼板および電磁鋼板などが適している。
【0041】
また、磁束分布調整部材14の導電性が良いと、磁束分布調整部材14自体に渦電流が発生し、鉄損というジュール発熱を生じるので、磁束分布調整部材14は、焼結または薄板の積層によって形成され、導電性を低下させることが望ましい。
【0042】
また、磁束分布調整部材14のキュリー温度が、トナーを定着する加熱ローラ12の設定温度よりも高い温度になるような素材を選定することが望ましい。磁束分布調整部材14のキュリー温度が、トナーを定着する加熱ローラ12の設定温度よりも低いと、加熱ローラ12が設定温度に達するとき、磁束分布調整部材14の透磁率が低下するので、磁束分布調整部材14を通る磁束が減少する。このことによって、加熱ローラ12に鎖交する磁束密度が小さくなり、加熱ローラ12の発熱量が減少する。
【0043】
磁束分布調整部材14は、誘導コイル13の屈曲したコイル端部27付近に配置され、加熱ローラ12の外周面と誘導コイル13との間に設けられる第1磁束分布調整部材28と、誘導コイル13に対して加熱ローラ12と反対側に設けられる第2磁束分布調整部材29と、第1磁束分布調整部材28と第2磁束分布調整部材29とを接続する磁束分布調整接続部材30とを含む。図2、図3および図4において、磁束分布調整部材14は、誘導コイル13の屈曲した一方のコイル端部27付近に配置されたもののみが図示されているけれども、図示されていない他方の屈曲したコイル端部にも設けられる。
【0044】
第1磁束分布調整部材28は、加熱ローラ12の軸線方向に延び、加熱ローラ12の軸線方向の長さd1、加熱ローラ12の半径方向の厚みd2を有する。加熱ローラ12の周方向長さは、加熱ローラ12の軸線方向において断続的に変化する。すなわち、加熱ローラ12の軸線方向内方側で磁束分布調整接続部材30に連なって形成される第1磁束分布調整部材幅狭部58の加熱ローラ12の周方向長さd5よりも、加熱ローラ12の軸線方向外方側で、第1磁束分布調整部材幅狭部58に連なって形成される第1磁束分布調整部材幅広部59の加熱ローラ12の周方向長さd4の方が大きく形成される。このことによって、誘導コイル13の屈曲したコイル端部27付近に配置される第1磁束分布調整部材幅広部59は、加熱ローラ12の軸線方向に垂直な平面の断面積が大きくなるので、多くの磁力線を通すことが可能となる。
【0045】
磁束分布調整接続部材30は、略直方体形状を有する。磁束分布調整接続部材30は、誘導コイル13の屈曲したコイル端部27の半径方向内方に配置されるので、寸法変更に際しては、加熱ローラ12の周方向長さよりも、加熱ローラ12の軸線方向厚みd3を変更することが容易である。磁束分布調整接続部材30は、第1磁束分布調整部材28と第2磁束分布調整部材29とを接続し、第2磁束分布調整部材29に集中された磁束を、効率的に第1磁束分布調整部材28に導くことができるので、磁束分布調整部材14に集中される磁束を、効率的に加熱ローラ12に鎖交させることが可能となる。
【0046】
第2磁束分布調整部材29は、加熱ローラ12の軸線方向に延びる略直方体形状を有する。本実施の形態では、第1磁束分布調整部材28と磁束分布調整接続部材30とは一体に形成される。第2磁束分布調整部材29は、一体に形成される第1磁束分布調整部材28および磁束分布調整接続部材30の両者と、相互に着脱可能に形成される。このことによって、誘導コイル13の屈曲したコイル端部27付近への、磁束分布調整部材14の設置が容易になる。また、磁束分布調整部材14の断面形状が変化する部分のき裂および割れの発生を抑制することができるので、部材寿命を長くすることができるとともに、磁束分布調整部材14の形状を容易に変更することができる。
【0047】
また、磁束分布調整部材14は、加熱ローラ12の軸線方向に延び、磁束分布調整部材14の加熱ローラ12の軸線方向外方側の端部39,40は、誘導コイル13の端部32付近に、または誘導コイル13の端部32から加熱ローラ12の軸線方向内方側に間隔をあけて配置される。磁束分布調整接続部材30は、前述のように加熱ローラ12の軸線方向外方側に湾曲している誘導コイル13の屈曲したコイル端部27の半径方向内方に配置される。
【0048】
磁束分布調整部材14は、加熱ローラ12に鎖交する磁束分布を調整、すなわち加熱ローラ12に磁束が鎖交する位置および磁束密度を制御する部材である。次に、磁束分布調整部材14の機能について説明する。図6は磁束分布調整部材14がない場合の加熱ローラ12の軸線方向端部26付近の断面図であり、図7は図6の側面図および加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係を示す図である。
【0049】
図6に示すように、磁束分布調整部材14がない場合、誘導コイル13によって発生される第1磁力線33は、誘導コイル13の屈曲したコイル端部27の断面を中心とする円弧状に形成される。このとき第1磁力線33は、大気中から加熱ローラ12の導電層22に流入し、導電層22を通って大気中に流出して閉塞する曲線となる。誘導コイル13の屈曲したコイル端部27付近において、第1磁力線33が形成する磁束密度は、誘導コイル13の屈曲したコイル端部27の半径方向内方において密になり、誘導コイル13の屈曲したコイル端部27の半径方向外方において疎になる。
【0050】
加熱ローラ12の発熱量の分布は、加熱ローラ12の導電層22を通る磁束密度の分布にほぼ一致する。すなわち、加熱ローラ12の発熱量Qは、磁束密度が密の部分において大きく、疎の部分において小さい。図7(b)に示す第1曲線34は、加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係を示す。磁束分布調整部材14が設けられない場合には、加熱ローラ12の発熱量Qは、加熱ローラ12の軸線方向端部26から誘導コイル13の半径方向内方に向うに従って増加し、加熱ローラ12の軸線方向端部26から離間した軸線方向中央よりの位置35において最大となり、加熱ローラ12の軸線方向に沿って延びる一対の延在コイル部24,25による発熱量Qとほぼ同等となる。
【0051】
したがって、加熱ローラ12の軸線方向端部26の温度は、軸線方向中央よりの位置35の温度に比べて低くなり、加熱ローラ12の軸線方向に温度分布の不均一が生じる。このことによって、記録紙19上のトナーを定着するとき、記録紙19の搬送方向に垂直な方向に定着むらが生じるという問題がある。
【0052】
図8は磁束分布調整部材14がある場合の加熱ローラ12の軸線方向端部26付近の断面図であり、図9は図8の側面図および加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係を示す図である。
【0053】
図8に示すように、磁束分布調整部材14が定着装置11に設けられている場合、誘導コイル13によって発生される第2磁力線36は、磁束分布調整部材14に集中する。磁束分布調整部材14の比透磁率μ2が導電層22の比透磁率μ1を超える、すなわち磁束分布調整部材14の方が、導電層22よりも磁気抵抗が小さいので、磁束分布調整部材14が設けられた部位においては、第2磁力線36は、導電層22よりも磁束分布調整部材14を優先的に通る。
【0054】
したがって、磁束分布調整部材14が設けられた部位では、第2磁力線36は導電層22を通ることなく、第1磁束分布調整部材28、磁束分布調整接続部材30および第2磁束分布調整部材29を通って、第1および第2磁束分布調整部材28,29の加熱ローラ12の軸線方向外方側端部39,40から大気中に流出あるいは流入する。誘導コイル13には、励磁回路17より高周波電流が印加されるので、それに伴い発生する磁力線の方向は時間とともに変化する。ここでは、磁力線の方向は、ある時間に固定したときの状態を示している。
【0055】
第1磁束分布調整部材28の加熱ローラ12の軸線方向外方側端部39から大気中に流出した第2磁力線36は、大気中から導電層22に流入する。導電層22を通った第2磁力線36は、導電層22から再び大気中に流出し、第2磁束分布調整部材29の加熱ローラ12の軸線方向外方側端部40に流入する第2磁力線36と連なり閉塞する曲線となる。
【0056】
第2磁力線36は、磁束分布調整部材14を集中して通るので、磁束分布調整部材14内部の磁束密度は、大気中よりも、また導電層22よりも大きくなる。したがって、第1および第2磁束分布調整部材28,29の加熱ローラ12の軸線方向外方側端部39,40から大気中に流出する第2磁力線36は、大気中であっても前記端部39,40付近においては磁束密度が大きい。第1磁束分布調整部材28の加熱ローラ12の軸線方向外方側端部39から流出した第2磁力線36が、導電層22に鎖交する位置においては、磁束分布調整部材14が設けられていない場合に比べて磁束密度が高くなる。すなわち、磁束分布調整部材14が設けられていない場合には、磁束密度が小さくて発熱量Qが少なく、昇温不足であった加熱ローラ12の軸線方向端部26付近においても、磁束分布調整部材14を設けることによって、磁束密度を高くし発熱量Qを大きくすることができる。
【0057】
図9(b)に示す第2曲線37は、加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係を示す。磁束分布調整部材14が設けられる場合には、加熱ローラ12の発熱量Qは、加熱ローラ12の軸線方向端部26から軸線方向内方に向うに従って急激に増加し、加熱ローラ12の軸線方向端部26よりの位置38において、最大となり飽和する。第2曲線37上の最大発熱量を示す位置38は、磁束分布調整部材14が設けられない場合に最大発熱量を示した前記第1曲線34上の位置35よりも、加熱ローラ12の軸線方向端部26に近い。磁束分布調整部材14を設けることによって、加熱ローラ12の軸線方向端部26により近い位置38において、加熱ローラ12は最大の発熱量を得ることができるので、加熱ローラ12の軸線方向の温度分布均一性が向上する。
【0058】
前述のように第1および第2磁束分布調整部材28,29の加熱ローラ12の軸線方向外方側端部39,40から磁束が流出あるいは流入し、導電層22に鎖交する部位では、磁束分布調整部材14によって磁束を集中し磁束密度を高くすることができるので、加熱ローラ12の発熱量Qを大きくすることができる。したがって、第1および第2磁束分布調整部材28,29の端部を、加熱ローラ12の軸線方向に配置する位置を変化させることによって、加熱ローラ12の発熱量Qが増加する位置を記録紙19の寸法に応じて適宜選定することができる。
【0059】
本実施の形態では、磁束分布調整部材14は、第1磁束分布調整部材28と、第2磁束分布調整部材29と、磁束分布調整接続部材30とを含むので、誘導コイル13によって発生される磁束を、大気中に漏洩して磁束密度が小さくなることを抑制できる。このことによって、磁束をより効率的に集中させて加熱ローラ12の導電層22に導き、鎖交させることができるので、加熱ローラの発熱量を増加させることができる。また、磁束分布調整接続部材30は、誘導コイル13の屈曲したコイル端部27半径方向外方に比べて、磁束密度の大きなコイル端部27半径方向内方に配置されるので、大気中に漏洩する磁束を一層少なくして効率的に集中させ、加熱ローラ12の発熱に利用することができる。
【0060】
さらに、本実施の形態では、磁束分布調整部材14は、第1磁束分布調整部材28および第1磁束分布調整部材28に連なって形成される磁束分布調整接続部材30と、第2磁束分布調整部材29とは、相互に着脱可能である。このことによって、誘導コイル13の屈曲したコイル端部27付近への、磁束分布調整部材14の設置が容易になる。また、磁束分布調整部材14の断面形状が変化する部分のき裂および割れの発生を抑制することができるので、磁束分布調整部材14の寿命を長くすることができる。また、磁束分布調整部材14の形状を容易に変更することができる。
【0061】
前述の定着装置11を備える本実施の形態の画像形成装置15は、記録紙19上に可視像を形成する4組の可視像形成手段41Y,41M,41C,41Bと、記録紙19を収納する記録紙トレー51と、記録紙19を搬送する搬送手段52を含む。記録紙トレー51は、矢符53に示す記録紙19の搬送方向最上流側に配置され、記録紙19を載置して蓄えるとともに、画像を形成するときには、記録紙19を1枚ずつ分離して給送する。
【0062】
4組の可視像形成手段41Y,41M,41C,41Bは、イエロー41Y、マゼンタ41M、シアン41C、ブラック41Bが、矢符53に示す記録紙19の搬送方向上流側から下流側に向ってこの順序で搬送手段52に沿って設けられる。
【0063】
イエローの可視像形成手段41Yは、感光体42と、帯電ローラ43と、レーザ照射手段44と、現像器45と、転写ローラ46と、クリーナ47とを含む。感光体42は、画像形成装置15の機体に回転自在に設けられ、表面には静電潜像が形成される。帯電ローラ43は、感光体42に対向配置され、感光体42の表面を一様に帯電させる。レーザ照射手段44は、画像情報に応じて感光体42の表面をレーザ露光し、静電潜像を形成させる。
【0064】
現像器45は、感光体42と予め定める間隔を有して対向配置され、感光体42にトナーを供給して静電潜像を現像し、顕像化する。転写ローラ46は、後述の無端状ベルト54を介して感光体42と対向配置され、トナーとは逆のバイアス電圧が印加されて、感光体42の表面に形成されるトナー像を記録紙19上に転写する。クリーナ47は、トナー像が感光体42から記録紙19上に転写された後、感光体42の表面に残留したトナーを除去し、次の現像に備えて感光体42の表面をクリーニングする。他の可視像形成手段41M,41C,41Bは、トナーの色が異なる点を除いて可視像形成手段41Yと同一の構成を有する。
【0065】
搬送手段は、駆動ローラ55と、アイドリングローラ56と、駆動ローラ55とアイドリングローラ56とによって架張されて回動可能な無端状ベルト54とを含む。駆動ローラ55は、図5の紙面に垂直方向の軸線まわりに電動機などによって回転駆動される。アイドリングローラ56は駆動源を持たないけれども、駆動ローラ55の回転駆動力が無端状ベルト54により伝えられて、駆動ローラ55と同一方向の軸線まわりに従動回転する。駆動ローラ55とアイドリングローラ56との間に架張された無端状ベルト54は、駆動ローラ55の回転駆動にともなって矢符53に示す方向に回動し、記録紙19を静電吸着させて搬送する。
【0066】
画像形成装置15においては、次のように画像が形成される。記録紙トレー51から1枚ずつ給送される記録紙19は、無端状ベルト54によって矢符53方向に搬送される。まず可視像形成手段41Yでは、感光体42が表面を帯電ローラ43によって一様に帯電され、その後感光体42の表面が、レーザ照射手段44により画像情報に応じてレーザ露光されて静電潜像が形成される。現像器45により感光体42上の静電潜像に対してトナー像が現像され、この顕像化されたトナー像がトナーとは逆極性のバイアス電圧が印加された転写ローラ46によって、無端状ベルト54上の記録紙19に転写される。
【0067】
記録紙19には、矢符53に示す方向に搬送される途上において、搬送方向下流側に配置された他の各可視像形成手段41M,41C,41Bによって、各色のトナーが順次多重転写される。4組の可視像形成手段41Y,41M,41C,41Bによる転写が終了した後、記録紙19は、駆動ローラ55に形成された曲率により、無端状ベルト54から剥離され、定着装置11に搬送される。定着装置11において、トナー像を担持した記録紙19は、加熱ローラ12と加圧ローラ16との間で挟圧されて適度な温度と圧力が与えられ、トナーは溶解して記録紙19に定着され堅牢な画像となる。
【0068】
図10は本発明の第2の実施の形態である定着装置要部の構成を簡略化して示す側面図であり、図11は図10に示す加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係を示す図である。本実施の形態の磁束分布調整部材61は、実施の第1形態の磁束分布調整部材14と類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0069】
本実施の形態の磁束分布調整部材61は、第1磁束分布調整部材62と、第2磁束分布調整部材29と、磁束分布調整接続部材30とを含む。注目すべきは、第1磁束分布調整部材62の加熱ローラ12の軸線方向長さd6が、実施の第1形態における第1磁束分布調整部材28の加熱ローラ12の軸線方向長さd1よりも短いことである。したがって、第1磁束分布調整部材62の加熱ローラ12の軸線方向外方側端部63は、実施の第1形態の場合に比べて、距離(d1−d6)だけ加熱ローラ12の軸線方向内方側に位置し、第1磁束分布調整部材62の加熱ローラ12の軸線方向外方側端部63から流出した磁束が、加熱ローラ12に鎖交する位置も、ほぼ距離(d1−d6)だけ加熱ローラ12の軸線方向内方側に移動する。
【0070】
このことによって、磁束分布調整部材61を設けた場合、加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係は、前記実施の第1形態における第2曲線37から、図11中の矢符65に示す方向に移動した第3曲線64によって表され、加熱ローラ12の最大発熱量を発現する位置は、加熱ローラ12の軸線方向内方側にほぼ距離(d1−d6)だけ移動する。
【0071】
このように、第1磁束分布調整部材の加熱ローラ12の軸線方向の長さを変えることによって、最大発熱量を発現する加熱ローラ12の軸線方向の位置を制御することができる。本実施の形態では、第1磁束分布調整部材62の加熱ローラ12の軸線方向長さを変化させることによって、最大発熱量を発現する加熱ローラ12の軸線方向の位置を制御したが、第2磁束分布調整部材29の加熱ローラ12の軸線方向長さを変化させることによっても、同様の効果を得ることができる。
【0072】
図12は本発明の第3の実施の形態である定着装置要部の構成を簡略化して示す側面図であり、図13は図12に示す加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係を示す図である。本実施の形態の磁束分布調整部材66は、実施の第1形態の磁束分布調整部材14と類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0073】
本実施の形態の磁束分布調整部材66は、第1磁束分布調整部材67と、第2磁束分布調整部材29と、磁束分布調整接続部材30とを含む。注目すべきは、第1磁束分布調整部材67の加熱ローラ12の半径方向厚みd7が、実施の第1形態の第1磁束分布調整部材28の加熱ローラ12の半径方向厚みd2に比べて、厚み差(d7−d2)だけ厚いことである。したがって、第1磁束分布調整部材67の加熱ローラ12の軸線方向に垂直な平面の断面積は、前記実施の第1形態の第1磁束分布調整部材28に比べて大きくなり、より多くの磁力線を通すことが可能となる。
【0074】
このことによって、磁束分布調整部材66を設けた場合、加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係は、前記実施の第1形態における第2曲線37から、矢符68に示す方向に移動した第4曲線69によって表される。第4曲線69と第2曲線37とを比べると、加熱ローラ12の最大発熱量を発現する位置はほとんど変化せず、最大発熱量が増加する。逆に、第1磁束分布調整部材の加熱ローラ12の半径方向厚みを薄くすると、最大発熱量の値は減少する。
【0075】
このように、第1磁束分布調整部材の加熱ローラ12の半径方向厚みを変化させることによって、加熱ローラ12の最大発熱量の増減を制御することができる。本実施の形態では、第1磁束分布調整部材66の加熱ローラ12の半径方向厚みを変化させることによって、最大発熱量の増減を制御したが、第2磁束分布調整部材29の加熱ローラ12の半径方向厚みを変化させることによっても、同様の効果を得ることができる。
【0076】
図14は本発明の第4の実施の形態である定着装置要部の構成を簡略化して示す側面図であり、図15は図14に示す加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係を示す図である。本実施の形態の磁束分布調整部材70は、実施の第1形態の磁束分布調整部材14と類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0077】
本実施の形態の磁束分布調整部材70は、第1磁束分布調整部材28と、第2磁束分布調整部材29と、磁束分布調整接続部材71とを含む。注目すべきは、磁束分布調整接続部材71の加熱ローラ12の軸線方向厚みd8が、実施の第1形態の磁束分布調整接続部材30の加熱ローラ12の軸線方向厚みd3に比べて、厚み差(d8−d3)だけ厚いことである。したがって、磁束分布調整接続部材71の加熱ローラ12の軸線方向に平行、かつ記録紙19の搬送方向に平行な平面の断面積は、前記磁束分布調整接続部材30に比べて大きくなり、より多くの磁力線を通すことが可能となる。
【0078】
このことによって、磁束分布調整部材70を設けた場合、加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係は、前記実施の第1形態における第2曲線37から、矢符72に示す方向に移動した第5曲線73によって表される。第5曲線73と第2曲線37とを比べると、加熱ローラ12の最大発熱量を発現する位置はほとんど変化せず、最大発熱量が増加する。逆に、磁束分布調整接続部材の加熱ローラ12の軸線方向厚みを薄くすると、最大発熱量の値は減少する。このように、磁束分布調整接続部材の加熱ローラ12の軸線方向厚みを変化させることによって、加熱ローラ12の最大発熱量の増減を制御することができる。
【0079】
図16は本発明の第5の実施の形態である磁束分布調整部材74の構成を簡略化して示す斜視図であり、図17は図16に示す磁束分布調整部材74を含む本実施の形態の定着装置要部の構成を簡略化して示す側面図であり、図18は図17に示す加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係を示す図である。本実施の形態の磁束分布調整部材74は、実施の第1形態の磁束分布調整部材14と類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0080】
本実施の形態の磁束分布調整部材74は、第1磁束分布調整部材75と、第2磁束分布調整部材29と、磁束分布調整接続部材30とを含む。注目すべきは、第1磁束分布調整部材75の加熱ローラ12の周方向に沿った長さd9が、実施の第1形態の第1磁束分布調整部材28の加熱ローラ12の周方向に沿った長さd4に比べて、長さ(d9−d4)だけ長いことである。したがって、第1磁束分布調整部材75の加熱ローラ12の軸線方向に垂直な平面の断面積は、前記第1磁束分布調整部材28に比べて大きくなり、より多くの磁力線を通すことが可能となる。
【0081】
このことによって、磁束分布調整部材75を設けた場合、加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係は、前記実施の第1形態における第2曲線37から、矢符76に示す方向に移動した第6曲線77によって表される。第6曲線77と第2曲線37とを比べると、加熱ローラ12の最大発熱量を発現する位置はほとんど変化せず、最大発熱量が増加する。逆に、第1磁束分布調整部材の加熱ローラ12の周方向長さを短くすると、最大発熱量の値は減少する。このように、第1磁束分布調整部材の加熱ローラ12の周方向長さを変化させることによって、加熱ローラ12の最大発熱量の増減を制御することができる。
【0082】
本実施の形態では、第1磁束分布調整部材75の加熱ローラ12の周方向長さを変化させることによって、最大発熱量の増減を制御したが、第2磁束分布調整部材29の加熱ローラ12の周方向長さを変化させることによっても、同様の効果を得ることができる。
【0083】
磁束分布調整部材は、以上の第1〜第5の実施の形態に述べた形状に限定されるものではない。図19は第1磁束分布調整部材および磁束分布調整接続部材における種々の形状変化の例を示す斜視図であり、図20は第2磁束分布調整部材における種々の形状変化の例を示す斜視図である。
【0084】
図19(a)に示す第1磁束分布調整部材28aおよび磁束分布調整接続部材30aは、実施の第1形態の第1磁束分布調整部材28および磁束分布調整接続部材30に類似するけれども、第1磁束分布調整部材28と磁束分布調整接続部材30とが一体に形成されていたのとは異なり、第1磁束分布調整部材28aと磁束分布調整接続部材30aとは相互に着脱可能に形成される。このことによって、第1磁束分布調整部材28aおよび磁束分布調整接続部材30aからなる部材の断面形状が変化する部分のき裂および割れの発生を抑制することができるので、部材寿命を長くすることができる。また、磁束分布調整部材の形状を容易に変更することができる。
【0085】
図19(b)に示す第1磁束分布調整部材28bと磁束分布調整接続部材30bとは、相互に着脱可能であり、第1磁束分布調整部材28bは、磁束分布調整接続部材30bに対して、加熱ローラ12の軸線方向外方側にさらに延びるように設けられる。このことによって、第1磁束分布調整部材28bの加熱ローラ12の軸線方向外方側端部の位置を変化させることができるので、磁束が第1磁束分布調整部材28bの前記端部から流出し、加熱ローラ12に鎖交する位置を制御することができる。
【0086】
図19(c)に示す第1磁束分布調整部材28cおよび図19(d)に示す第1磁束分布調整部材28dは、磁束分布調整接続部材30c,30dと一体にそれぞれ形成され、加熱ローラ12の軸線方向に垂直な平面の断面積が、加熱ローラ12の軸線方向において連続的に変化することを特徴とする。このことによって、第1磁束分布調整部材28c,28dから流出し、加熱ローラ12に鎖交する磁束の密度を制御することができる。
【0087】
図20(a)に示す第2磁束分布調整部材29aおよび図20(c)に示す第2磁束分布調整部材29cは、加熱ローラ12の軸線方向に垂直な平面の断面積が、加熱ローラ12の軸線方向において断続的に変化することを特徴とする。図20(b)に示す第2磁束分布調整部材29bおよび図20(d)に示す第2磁束分布調整部材29dは、加熱ローラ12の軸線方向に垂直な平面の断面積が、加熱ローラ12の軸線方向において連続的に変化することを特徴とする。このことによって、第2磁束分布調整部材29a,29b,29c,29dから流出し、加熱ローラ12に鎖交する磁束の密度を制御することができる。磁束分布調整部材は、図19および図20に示すいずれの形状であっても、第1〜第5の実施の形態において述べた効果と同様の効果を得ることができる。
【0088】
以上に述べたように、本発明の第1〜第5の実施の形態では、磁束分布調整部材14は、第1磁束分布調整部材28と、第2磁束分布調整部材29と、磁束分布調整接続部材30とによって構成されるけれども、これに限定されることなく、第1磁束分布調整部材28のみが、加熱ローラ12の外周面と誘導コイル13との間に設けられる構成であってもよく、さらに第1磁束分布調整部材28と第2磁束分布調整部材29との両者が設けられる構成であってもよい。また、磁束分布調整接続部材30は、誘導コイル13の屈曲したコイル端部27の半径方向内方に配置されるけれども、これに限定されることなく、誘導コイル13の屈曲したコイル端部27の半径方向外方に配置されてもよい。また、磁束分布調整部材14の加熱ローラ12の軸線方向外方側の端部39,40は、誘導コイル13の端部32付近、または誘導コイル13の端部32から加熱ローラ12の軸線方向内方側に間隔をあけて配置されるけれども、これに限定されることなく、誘導コイル13の端部32から加熱ローラ12の軸線方向外方側に間隔をあけて配置されてもよい。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、誘導コイルの屈曲したコイル端部付近に、磁性材料からなる磁束分布調整部材を設けるので、磁束分布調整部材が、誘導コイルによって発生される磁束を集中し、加熱ローラの軸線方向の両端部付近に鎖交する磁束密度を大きくすることができる。加熱ローラの発熱量は、加熱ローラの導電層に鎖交する磁束密度の増加にともなって増加するので、加熱ローラの軸線方向両端部付近の発熱量を増加し、加熱ローラの軸線方向における温度分布の均一性を向上することができる。
【0090】
磁束分布調整部材は、加熱ローラの外周面と誘導コイルとの間に設けられる。磁束分布調整部材が配置される部位においては、誘導コイルによって発生される磁束は、磁束分布調整部材に集中するので、ほとんど加熱ローラを通ることがない。磁束は磁束分布調整部材の端部から流出し、加熱ローラに鎖交する部位では、磁束分布調整部材によって磁束が集中されていたことによって磁束密度が高くなるので、加熱ローラの発熱量が大きくなる。したがって、磁束分布調整部材の端部を、加熱ローラの外周面と誘導コイルとの間において、加熱ローラの軸線方向に配置する位置を変化させることによって、加熱ローラの発熱量が増加する位置を選定することができる。
【0091】
また本発明によれば、誘導コイルの屈曲したコイル端部付近に設けられる磁性材料からなる磁束分布調整部材は、加熱ローラの外周面と誘導コイルとの間に設けられる第1磁束分布調整部材と、誘導コイルに対して加熱ローラと反対側に設けられる第2磁束分布調整部材とを含むので、誘導コイルによって発生される磁束を、誘導コイルの加熱ローラ外周面を臨む側とその反対側との両側において、磁束分布調整部材に集中させることができる。第1磁束分布調整部材と第2磁束分布調整部材とに磁束が集中されるので、磁束密度が小さくなることを抑制できる。このことによって、磁束をより効率的に集中させて、加熱ローラに導くことができるので、加熱ローラの発熱量を増加させることができる。
【0092】
また本発明によれば、磁束分布調整部材は、第1磁束分布調整部材と第2磁束分布調整部材とを接続する磁束分布調整接続部材をさらに含むので、第2磁束分布調整部材に集中された磁束を、効率的に第1磁束分布調整部材に導くことができる。このことによって、磁束分布調整部材に集中される磁束を、効率的に加熱ローラに鎖交させることが可能となる。
【0093】
また本発明によれば、第1磁束分布調整部材と、第2磁束分布調整部材と、磁束分布調整接続部材とは、相互に着脱可能である。このことによって、誘導コイルの屈曲したコイル端部付近への、磁束分布調整部材の設置が容易になる。また、磁束分布調整部材の断面形状が変化する部分のき裂および割れの発生を抑制することができるので、部材寿命を長くすることができる。また、磁束分布調整部材の形状を容易に変更することができる。
【0094】
また本発明によれば、磁束分布調整接続部材は、誘導コイルの屈曲したコイル端部の半径方向内方に配置される。コイル端部の半径方向内方は、コイル端部半径方向外方に比べて磁束密度が大きいので、磁束分布調整接続部材をコイル端部の半径方向内方に配置することによって、磁束を効率的に集中させ、加熱ローラの発熱に利用することができる。
【0095】
また本発明によれば、磁束分布調整部材の加熱ローラの軸線方向外方側の端部は、誘導コイルの端部付近に、または誘導コイルの端部から加熱ローラの軸線方向内方側に間隔をあけて配置される。このことによって、磁束分布調整部材の加熱ローラの軸線方向外方側の端部から流出する磁束を、加熱ローラの導電層に効果的に鎖交させることができる。
【0096】
また本発明によれば、画像形成装置は、前記いずれか1つの加熱装置を含むので、記録媒体の搬送方向に垂直な方向に加熱むらのない良好な品質の画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の加熱装置である定着装置11の構成を簡略化して示す概略断面図である。
【図2】加熱ローラ12、誘導コイル13および磁束分布調整部材14の構成を簡略化して示す分解斜視図である。
【図3】図2の加熱ローラ12、誘導コイル13および磁束分布調整部材14の構成を簡略化して示す斜視図である。
【図4】図3の切断面線IV−IVからみた断面図である。
【図5】図1に示す定着装置11を備える画像形成装置15の構成を簡略化して示す概略断面図である。
【図6】磁束分布調整部材14がない場合の加熱ローラ12の軸線方向端部26付近の断面図である。
【図7】図6の側面図および加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離との関係を示す図である。
【図8】磁束分布調整部材14がある場合の加熱ローラ12の軸線方向端部26付近の断面図である。
【図9】図8の側面図および加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態である定着装置要部の構成を簡略化して示す側面図である。
【図11】図10に示す加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態である定着装置要部の構成を簡略化して示す側面図である。
【図13】図12に示す加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係を示す図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態である定着装置要部の構成を簡略化して示す側面図である。
【図15】図14に示す加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係を示す図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態である磁束分布調整部材74の構成を簡略化して示す斜視図である。
【図17】図16に示す磁束分布調整部材74を含む本実施の形態の定着装置要部の構成を簡略化して示す側面図である。
【図18】図17に示す加熱ローラ12の発熱量Qと加熱ローラ12の軸線方向端部26からの距離Dとの関係を示す図である。
【図19】第1磁束分布調整部材および磁束分布調整接続部材における種々の形状変化の例を示す斜視図である。
【図20】第2磁束分布調整部材における種々の形状変化の例を示す斜視図である。
【図21】加熱装置1の平面図である。
【符号の説明】
11 定着装置
12 加熱ローラ
13 誘導コイル
14,61,66,70,74 磁束分布調整部材
15 画像形成装置
Claims (7)
- (a)交番磁界中で発熱する導電層を備える加熱ローラと、
(b)加熱ローラの外周面から半径方向外方に間隔をあけて設けられ、加熱ローラの外周面を周方向に部分的に覆い交番磁界を発生する誘導コイルであって、
加熱ローラの軸線方向に沿って延びる一対の延在コイル部と、
加熱ローラの軸線方向の両端部付近にそれぞれ配置され、各延在コイル部の両端部にそれぞれ連なり、加熱ローラの周方向に沿って延び、各延在コイル部の一方および他方の端部同志に連結する一対の屈曲したコイル端部とを有する誘導コイルと、
(c)誘導コイルの屈曲したコイル端部付近に配置され、加熱ローラの外周面と誘導コイルとの間に設けられる磁性材料からなる磁束分布調整部材とを含むことを特徴とする加熱装置。 - (a)交番磁界中で発熱する導電層を備える加熱ローラと、
(b)加熱ローラの外周面から半径方向外方に間隔をあけて設けられ、加熱ローラの外周面を周方向に部分的に覆い交番磁界を発生する誘導コイルであって、
加熱ローラの軸線方向に沿って延びる一対の延在コイル部と、
加熱ローラの軸線方向の両端部付近にそれぞれ配置され、各延在コイル部の両端部にそれぞれ連なり、加熱ローラの周方向に沿って延び、各延在コイル部の一方および他方の端部同志に連結する一対の屈曲したコイル端部とを有する誘導コイルと、
(c)誘導コイルの屈曲したコイル端部付近に配置された磁性材料からなる磁束分布調整部材であって、加熱ローラの外周面と誘導コイルとの間に設けられる第1磁束分布調整部材と、誘導コイルに対して加熱ローラと反対側に設けられる第2磁束分布調整部材とを有する磁束分布調整部材とを含むことを特徴とする加熱装置。 - 前記磁束分布調整部材は、
第1磁束分布調整部材と第2磁束分布調整部材とを接続する磁束分布調整接続部材をさらに含むことを特徴とする請求項2記載の加熱装置。 - 第1磁束分布調整部材と、第2磁束分布調整部材と、磁束分布調整接続部材とは、相互に着脱可能であることを特徴とする請求項3記載の加熱装置。
- 誘導コイルの屈曲したコイル端部は、加熱ローラの長手方向外方側に湾曲しており、
前記磁束分布調整部材の磁束分布調整接続部材は、
誘導コイルの屈曲したコイル端部の半径方向内方に配置されることを特徴とする請求項3または4記載の加熱装置。 - 磁束分布調整部材は、加熱ローラの軸線方向に延び、磁束分布調整部材の加熱ローラの軸線方向外方側の端部は、誘導コイルの端部付近に、または誘導コイルの端部から加熱ローラの軸線方向内方側に間隔をあけて配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の加熱装置。
- 前記請求項1〜6のいずれかに記載の加熱装置と、
記録媒体に可視像を形成する可視像形成手段と、
記録媒体を搬送する搬送手段とを含むことを特徴とする画像形成装置。
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