JP2003086103A - プラズマディスプレイパネルの欠陥検出方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの欠陥検出方法

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英樹 芦田
Hiroyuki Yonehara
浩幸 米原
Junichi Hibino
純一 日比野
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拓 渡邉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PDPの欠陥検査方法において、信頼性の高
い検査が行えるようにすることを目的とする。 【解決手段】 間に放電空間が形成されるように対向配
置する基板上に電極を形成するとともに、その電極を覆
うように誘電体層を形成したプラズマディスプレイパネ
ルにおいて、前面パネル101の欠陥を検査する際に、
前面パネル101の検査領域に前面パネル101とほぼ
垂直な方向から光照射手段201により光束を照射する
とともに、その照射光による前記検査領域からの散乱光
を光学センサで受け、この光学センサからの検出信号に
基づいて前記基板の欠陥を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(以下PDPという)の欠陥検出方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年双方向情報端末として大画面、壁掛
けテレビへの期待が高まっている。そのため、液晶T
V、フィールドエミッションディスプレイ、エレクトロ
ーラーミネッセンスディスプレイ等に代表されるディス
プレイパネルが数多くあり、一部は市販され、一部は開
発中である。
【0003】これらの中でもPDPは自発光型で美しい
画像表示ができる、大画面化が容易であるなど他のデバ
イスにはない特徴を持っている。
【0004】このPDPは、それぞれ電極を備えた前面
パネルと背面パネルからなり、前面パネルは、前面ガラ
ス基板上に、複数の表示電極(主に透明電極なる電極と
抵抗を下げるために導電性の高い金属からなる電極(行
電極))を形成し、その上に表示電極を覆うように誘電
体層及び酸化マグネシウム(MgO)を形成した構成で
ある。
【0005】また、背面パネルは、背面ガラス基板上
に、アドレス電極、誘電体層、隔壁、及び蛍光体層を形
成した構成であり、そしてこのような前面パネルと背面
パネルとを周辺シール材によって貼り合わせ、隔壁で仕
切られた空間に放電ガスを封入することで放電空間を形
成することによりPDPが構成されている。なお、カラ
ー表示のためには前記蛍光体層は、通常、赤、緑、青の
3色が順に配置されている。
【0006】ところで、このPDPにおいては、アドレ
ス電極、表示電極には、銀、Cr−Cu−Cr等が用い
られる。このうち銀による電極の製造方法としては、ス
クリーン印刷法のように銀、樹脂、溶剤などを含有する
銀ペーストを用いる方法や、ラミネート法のように、
銀、樹脂などを含有するフィルムを用いる方法などがあ
る。
【0007】さらに、前記電極を被覆する誘電体層は、
通常低融点鉛ガラスなどの粉末、結着樹脂および溶剤を
含有するガラスペースト組成物を調製し、これをスクリ
ーン印刷またはダイコート塗布等によって、ガラス基板
に塗工し、乾燥、焼成することで形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の電極または誘電
体形成工程において、異物、電極の欠陥、誘電体の欠陥
に起因する不良が生じることがある。そこで、それらの
欠陥を検出するために、撮影手段により撮影された画像
に画像処理をかけることによって欠陥及び欠陥位置を把
握する外観検査が行われることがある。この外観検査
は、欠陥部に修正を施す位置と必要性を判断するために
行われる場合と、欠陥が重大な場合には基板を前もって
選別するために、電極または誘電体層が形成された直後
において施される。
【0009】本発明はこのような現状に鑑みなされたも
ので、PDPの欠陥検査方法において、信頼性の高い検
査が行えるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、間に放電空間が形成されるように対向配置
する基板上に電極を形成するとともに、その電極を覆う
ように誘電体層を形成したプラズマディスプレイパネル
において、前記電極および誘電体層を形成した基板の欠
陥を検査する際に、前記基板の検査領域に基板とほぼ垂
直な方向から光束を照射するとともに、その照射光によ
る前記検査領域からの散乱光を光学センサで受け、この
光学センサからの検出信号に基づいて前記基板の欠陥を
検出することを特徴とするものである。
【0011】また、本発明では、基板の検査領域に照射
する光束が、欠陥部分以外は反射により画像として白色
として表示される強度であることを特徴としている。
【0012】さらに、本発明の検査装置は、間に放電空
間が形成されるように対向配置する基板上に電極を形成
するとともに、その電極を覆うように誘電体層を形成し
たプラズマディスプレイパネルの検査装置において、前
記電極および誘電体層を形成した基板の検査領域に基板
とほぼ垂直な方向から光束を照射する光照射手段と、前
記検査領域からの散乱光を検出する光学センサとを備え
たものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、図1〜図
3の図面を参照しながら説明する。
【0014】図1は、本実施の形態に係るプラズマディ
スプレイである。このプラズマディスプレイは図1に示
すようにそれぞれ電極を備えた前面パネル101と背面
パネル111からなる。
【0015】前面パネル101は、前面ガラス基板10
2上に、例えばインジウム錫酸化物又は酸化錫等からな
る透明電極104を互いに平行となるように配列して形
成し、その透明電極104上に透明電極のライン抵抗を
下げるために抵抗の低い金属、例えばCr/Cu/Cr
またはAgなどからなるバス電極105を形成すること
により、複数列の行電極103を形成している。なお、
この行電極103のバス電極105は発光光を遮らない
ように、透明電極104よりも十分に幅が狭く形成され
ている。
【0016】そして、この行電極103を覆うように前
面ガラス基板102上に誘電体層106が形成され、さ
らにこの誘電体層106上に酸化マグネシウム(Mg
O)からなる保護層107が形成されている。
【0017】また、背面パネル111は、背面ガラス基
板112上に、アドレス電極113、誘電体層114、
隔壁115、及び蛍光体層116(赤、緑、青の3色が
順に配置)が設けられて形成されている。
【0018】そして、このような前面パネル101と背
面パネル111とが周辺シール材(図示せず)によって
貼り合わせられ、この前面パネル101と背面パネル1
11との間の隔壁115で仕切られた放電空間に、例え
ばNe、XeガスやHe、Neガスのような放電ガスを
封入することにより構成されている。
【0019】ところで、従来においては、上記のような
構成のPDPにおいて、前面パネル101の欠陥を検査
する場合、前面パネル101に対して垂直な方向から照
射できる第1の照射光学系による落射光と、前面パネル
101に対して垂線から任意の傾きから光束を照射する
第2の照射光学系による反射光と、前面パネル101の
裏面から前面パネル101に対して垂直な方向から照射
できる第3の照射光学系による透過光により前面パネル
101に対して設定される検査領域に光束を照射し、第
1、第2および第3の照射光学系による検査領域からの
散乱光を光学センサで受けてこの光学センサからの検出
信号に基づいて前面パネル101の欠陥の検査を行って
いた。
【0020】このような検査方法によれば、前面パネル
101の裏面から前面パネル101に対して垂直な方向
から照射できる第3の照射光学系からの光速の照射によ
り、バス電極以外の光を通す部分の異物、電極の断線、
短絡、電極の形状異常、バス電極以外の誘電体中に存在
する異物、それらによる泡等は、全て光を遮るもしくは
散乱することによって、光学センサへの光を遮り黒い欠
陥として容易に認識でき、様々な種類の欠陥を同時に検
出することができるため、通常はこの方法を用いて検査
を行っている。また、この場合には電極上が完全に影の
部分となるため、通常は前記透過光とあわせて、落射光
および反射光を用いて電極上の欠陥も検出できるように
調整している。
【0021】ところが、透過光を含む場合には、それに
より欠陥で形成される濃度差が落射及び反射で形成され
る濃度差よりも大きくなるため、電極上の欠陥を検出す
るために感度を向上させると、膨大な欠陥を検出し、レ
ビューに多大な時間を必要とするため重要な欠陥の特定
が困難になるという課題があった。
【0022】一方、PDPの不具合が発生する要因につ
いて本発明者らが調査検討した結果、誘電体層の絶縁破
壊がバス電極付近に集中していることを見出した。
【0023】そこで、本発明者らがこのような検査方法
について検討を行った結果、バス電極付近を選択的に信
頼性良く検査できるようにすることが効果的であるとの
ことを見出したものである。
【0024】すなわち、本発明においては、間に放電空
間が形成されるように対向配置する基板としての前面ガ
ラス基板および背面ガラス基板上に電極を形成するとと
もに、その電極を覆うように誘電体層を形成したプラズ
マディスプレイパネルにおいて、前記電極および誘電体
層を形成した基板の欠陥を検査する際に、前記基板の検
査領域に基板とほぼ垂直な方向から光束を照射するとと
もに、その照射光による前記検査領域からの散乱光を光
学センサで受け、この光学センサからの検出信号に基づ
いて前記基板の欠陥を検出するものである。
【0025】すなわち、本発明においては、図2におい
て、前面パネル101に対して垂直な方向から照射でき
る光照射手段201による落射光により、前面パネル1
01に対して設定される検査領域に光束を照射し、検査
領域からの散乱光を光学センサで受けてこの光学センサ
からの検出信号に基づいて前面パネル101の欠陥の検
査を行うものである。図3に光学センサからの信号に基
づき検出結果を画像表示した状況を模擬的に示す図であ
り、この図3に示すようにバス電極105上の誘電体層
106の欠陥部301を検出することができる。
【0026】なお、前面パネル101の検査領域に照射
する光束は、欠陥部分以外は反射により画像として白色
として表示される強度としている。これは、バス電極上
のそれ自体が色を持たない誘電体の欠陥に対しても、十
分な濃度差を持たせるようにすればよいことを見出した
ことに基づくもので、通常落射光を用いる場合はバス電
極とそれ以外の部分がはっきりと認識できる光速の強度
を用いるが、本発明では、特定の欠陥以外の全ての領域
が落射光の反射により白い画像として認識されるに十分
な強度の光速を照射するもので、電極付近の欠陥の検出
にフォーカスしているにもかかわらず、電極が鮮明に見
える光速の強度をあえて用いないものである。
【0027】また、本発明の欠陥検査方法に用いる検査
装置は、前記電極および誘電体層を形成した基板の検査
領域に基板とほぼ垂直な方向から光束を照射する光照射
手段と、前記検査領域からの散乱光を検出する光学セン
サとを備えた構成としている。
【0028】以上説明したように、本発明によれば、誘
電体形成後に、誘電体に影響を与える行電極付近の欠陥
のみを選択的に検出することができるため、検出感度を
向上させても検出数が膨大になることを防ぐことができ
る。なお、この方法によれば、行電極自体の欠陥を検出
することはできないが、電極の欠陥は電極形成後で誘電
体層形成前に検査を行うことにより、電極自体の欠陥を
検出することができる。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電極およ
び誘電体層を形成した基板の欠陥を検査する際に、前記
基板の検査領域に基板とほぼ垂直な方向から光束を照射
するとともに、その照射光による前記検査領域からの散
乱光を光学センサで受け、この光学センサからの検出信
号に基づいて前記基板の欠陥を検出するものであり、誘
電体形成後のバス電極近傍の欠陥を選択的に検出するこ
とができ、歩留まりの向上による低コスト化に貢献でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマディスプレイパネルを示す分解斜視図
【図2】本発明の一実施の形態による欠陥検出方法を説
明するための概略図
【図3】本発明による欠陥検出結果の一例を示す概略図
【符号の説明】
101 前面パネル 102 前面ガラス基板 103 行電極 104 透明電極 105 バス電極 106 誘電体層 201 光照射手段 301 欠陥部
フロントページの続き (72)発明者 米原 浩幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 日比野 純一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 渡邉 拓 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C012 AA09 BE03 5C027 AA05 5C040 GD09 JA26 JA31 MA23 5C061 BB03 CC05 EE21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 間に放電空間が形成されるように対向配
    置する基板上に電極を形成するとともに、その電極を覆
    うように誘電体層を形成したプラズマディスプレイパネ
    ルにおいて、前記電極および誘電体層を形成した基板の
    欠陥を検査する際に、前記基板の検査領域に基板とほぼ
    垂直な方向から光束を照射するとともに、その照射光に
    よる前記検査領域からの散乱光を光学センサで受け、こ
    の光学センサからの検出信号に基づいて前記基板の欠陥
    を検出することを特徴とするプラズマディスプレイパネ
    ルの欠陥検出方法。
  2. 【請求項2】 基板の検査領域に照射する光束が、欠陥
    部分以外は反射により画像として白色として表示される
    強度であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ
    ディスプレイパネルの欠陥検出方法。
  3. 【請求項3】 間に放電空間が形成されるように対向配
    置する基板上に電極を形成するとともに、その電極を覆
    うように誘電体層を形成したプラズマディスプレイパネ
    ルの検査装置において、前記電極および誘電体層を形成
    した基板の検査領域に基板とほぼ垂直な方向から光束を
    照射する光照射手段と、前記検査領域からの散乱光を検
    出する光学センサとを備えたことを特徴とするプラズマ
    ディスプレイパネルの検査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006049078A (ja) * 2004-08-04 2006-02-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマディスプレイパネル用基板の検査方法
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