JP4273745B2 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大画面で、薄型、軽量のディスプレイ装置として知られているプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PDPは、液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり視野角が広いこと、大型化が容易であること、自発光型であるため表示品質が高いことなどの理由から、フラットパネルディスプレイ技術の中で最近特に注目を集めている。
【0003】
一般に、このPDPでは、ガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で蛍光体を励起して発光させカラー表示を行っている。そして、基板上に隔壁によって区画された表示セルが設けられており、これに蛍光体層が形成されている構成を有する。
【0004】
このPDPには、大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化及び製造の簡便性から、現状では、PDPの主流は、3電極構造の面放電型のもので、その構造は、一方の基板上に平行に隣接した表示電極を有し、もう一方の基板上に表示電極と交差する方向に配列されたアドレス電極と、隔壁、蛍光体層を有するもので、比較的蛍光体層を厚くすることができ、蛍光体によるカラー表示に適している。
【0005】
ところで、AC型として代表的な交流面放電型PDPは、一般的に、面放電を行う表示電極を配列して形成したガラス基板からなる前面板とアドレス電極を配列して形成したガラス基板からなる背面板とを、両電極がマトリックスを組むように、しかも間隙に放電空間を形成するように平行に対向配置され、その外周部をガラスフリットなどの封着部材によって封着することによりパネル本体が構成されている。そして、前記前面板、背面板から電極端子の引出しを行う場合は、それぞれの電極に外部から電圧が印加できるようにガラス基板の端面近傍まで形成された電極引出端子を設け、この電極引出端子にフレキシブル配線板を、異方性を有する異方導電性接着材を介して圧着することにより電極引出端子と外部回路との接続を行っている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−16502号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような電極引出構造を有するPDPにおいて、パネル本体の電極引出端子にフレキシブル配線板を接続する場合、生産設備により、パネル本体とフレキシブル配線板とに設けた位置合わせ用のマークを用いて、両者の位置合わせを行っているが、この生産設備が両者の位置合わせを行えないという障害が発生することがある。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、パネル本体の電極引出端子にフレキシブル配線板を位置合わせして取り付ける場合に、両者の位置合わせを確実に行えるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、フレキシブル配線板のパネル本体に取り付けられる部分の端部に、前記パネル本体の位置合わせ用マークとの間で位置合わせを行うための位置合わせ用マークと、このフレキシブル配線板の位置合わせ用マークからフレキシブル配線板の端までの距離の合否を判定するための合否判定マークとを設け、かつ前記フレキシブル配線板の位置合わせ用マークは、配線パターンの一部をフレキシブル配線板の端に向かって突出する突出部を形成することにより構成し、かつ前記合否判定マークは、前記突出部の先端とフレキシブル配線板の端との間の間隔をLとしたとき、合否判定マークの一端とフレキシブル配線板の端との間の間隔が前記間隔Lよりも短く、合否判定マークの他端とフレキシブル配線板の端との間の間隔が前記間隔Lよりも長くなるように設けたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項1記載の発明は、電極群を配置した一対の基板を基板間に放電空間が形成されるように対向配置しかつ前記一対の基板の端部に前記電極群に接続される電極引出端子を形成したパネル本体と、このパネル本体の電極引出端子に一端が接続され他端が駆動回路ブロックに接続される配線パターンを備えたフレキシブル配線板とを有し、前記フレキシブル配線板のパネル本体に取り付けられる部分の端部に、前記パネル本体の位置合わせ用マークとの間で位置合わせを行うための位置合わせ用マークと、このフレキシブル配線板の位置合わせ用マークからフレキシブル配線板の端までの距離の合否を判定するための合否判定マークとを設け、かつ前記フレキシブル配線板の位置合わせ用マークは、配線パターンの一部をフレキシブル配線板の端に向かって突出する突出部を形成することにより構成し、かつ前記合否判定マークは、前記突出部の先端とフレキシブル配線板の端との間の間隔をLとしたとき、合否判定マークの一端とフレキシブル配線板の端との間の間隔が前記間隔Lよりも短く、合否判定マークの他端とフレキシブル配線板の端との間の間隔が前記間隔Lよりも長くなるように設けたことを特徴とする
【0012】
以下、本発明の一実施の形態によるPDPについて、図1〜図7を用いて説明するが、本発明の実施の態様はこれに限定されるものではない。
【0013】
まず、PDPにおけるパネル本体の構造について図1を用いて説明する。図1に示すように、ガラス基板などの透明な前面側の基板1上には、スキャン電極とサステイン電極とで対をなすストライプ状の表示電極2が複数列形成され、そしてその電極群を覆うように誘電体層3が形成され、その誘電体層3上には保護膜4が形成されている。
【0014】
また、前記前面側の基板1に対向配置される背面側の基板5上には、スキャン電極及びサステイン電極の表示電極2と交差するように、オーバーコート層6で覆われた複数列のストライプ状のアドレス電極7が形成されている。このアドレス電極7間のオーバーコート層6上には、アドレス電極7と平行に複数の隔壁8が配置され、この隔壁8間の側面及びオーバーコート層6の表面に蛍光体層9が設けられている。
【0015】
これらの基板1と基板5とは、スキャン電極及びサステイン電極の表示電極2とアドレス電極7とがほぼ直交するように、微小な放電空間を挟んで対向配置されるとともに、周囲が封止され、そして前記放電空間には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンのうちの一種または混合ガスが放電ガスとして封入されている。また、放電空間は、隔壁8によって複数の区画に仕切ることにより、表示電極2とアドレス電極7との交点が位置する複数の放電セルが設けられ、その各放電セルには、赤色、緑色及び青色となるように蛍光体層9が一色ずつ順次配置されている。
【0016】
図2にこのパネル本体の電極配列を示しており、図2に示すようにスキャン電極及びサステイン電極とアドレス電極とは、M行×N列のマトリックス構成であり、行方向にはM行のスキャン電極SCN1〜SCNM及びサステイン電極SUS1〜SUSMが配列され、列方向にはN列のアドレス電極D1〜DNが配列されている。
【0017】
このような電極構成のPDPにおいては、アドレス電極とスキャン電極の間に書き込みパルスを印加することにより、アドレス電極とスキャン電極の間でアドレス放電を行い、放電セルを選択した後、スキャン電極とサステイン電極との間に、交互に反転する周期的な維持パルスを印加することにより、スキャン電極とサステイン電極との間で維持放電を行い、所定の表示を行うものである。
【0018】
図3はこのような構成のPDPにおいて、パネル本体に電極引出を行うためのフレキシブル配線板を取り付けた状態を示す図、図4はフレキシブル配線板を取り付ける前のパネル本体を示す図であり、図4(a)、(b)はそれぞれパネル本体を背面側、前面側から見た図である。
【0019】
図3において、10は図1に示すパネル本体で、このパネル本体10の前面板11及び背面板12はほぼ矩形状であり長辺と短辺を有している。図4(a)に示すように、前面板11の短辺である左右両端部の封着部材より外側の縁部には、スキャン電極及びサステイン電極の表示電極2それぞれに接続された複数本の電極引出端子が複数のブロックに分けられて形成されている。すなわち、所定の複数本の端子で1ブロックが構成された端子ブロック13が複数設けられており、各々の端子ブロック13には図3に示すように、フレキシブル配線板14が接続されている。また図4(b)に示すように、背面板12の長辺である上下両端部の封着材より外側の縁部には、アドレス電極7に接続された複数本の電極端子が複数のブロックに分けられて形成されている。すなわち、所定の複数本の端子で1ブロックが構成された端子ブロック15が複数設けられており、各々の端子ブロック15に同じく図3に示すように、フレキシブル配線板14が接続される。
【0020】
フレキシブル配線板14は、パネル本体10のスキャン電極及びサステイン電極の表示電極2の電極引出端子とスキャンドライバ回路、サステインドライバ回路のプリント配線板とを接続するとともに、パネル本体10のアドレス電極7の電極引出端子とアドレスドライバ回路のプリント配線板とを接続するもので、パネル本体10の外周部を通して、前面側から背面側に360度湾曲させて引き回される。
【0021】
図5は、パネル本体の電極引出端子にフレキシブル配線板を接続する場合における両者の位置合わせを行っている状況を示す図、図6はフレキシブル配線板の位置合わせ用マークにおける課題を説明するための図である。
【0022】
フレキシブル配線板14は、図5に示すように、樹脂からなる絶縁フィルム16間に銅箔などからなる複数本の配線パターン17を挟み込むことにより構成されており、パネル本体10の電極引出端子及び駆動回路ブロックに接続される両端部に配線パターン17を露出させた構成である。そして、フレキシブル配線板14のパネル本体10に取り付けられる部分の端部に、フレキシブル配線板14の複数本の配線パターン17のうち、端部の配線パターン17にフレキシブル配線板14の絶縁フィルム16の端に向かって突出する突出部18を形成することにより、位置合わせ用マークを設けている。また、パネル本体10の電極引出端子19が設けられた端部には、図5に示すように位置合わせ用マーク20が設けられている。
【0023】
すなわち、フレキシブル配線板14をパネル本体10に取り付ける場合には、パネル本体10の位置合わせ用マーク20と、フレキシブル配線板14に設けた突出部18とを用いて、両者の位置合わせを行うことができるのである。
【0024】
ところで、パネル本体10の電極引出端子19にフレキシブル配線板14を接続する場合、生産設備により、パネル本体10の位置合わせ用マーク20とフレキシブル配線板14の突出部18との位置関係を認識することにより、両者の位置合わせを行っているが、上述したように、生産設備が両者の位置合わせを行えないという障害が発生することがある。
【0025】
この点について検討したところ、図6に示すように、フレキシブル配線板14の突出部18とフレキシブル配線板14の端までの間隔によって、パネル本体10の位置合わせ用マーク20との間での位置合わせに影響があることが判明した。すなわち、図6(a)に示すように、フレキシブル配線板14の突出部18とフレキシブル配線板14の端までの間隔が所定の値以上の場合、フレキシブル配線板14の位置合わせ用マークである突出部18を認識し、パネル本体10の位置合わせ用マーク20との間での位置合わせを問題なく行うことができるが、図6(b)に示すように、フレキシブル配線板14の突出部18とフレキシブル配線板14の端までの間隔が狭いと、フレキシブル配線板14の位置合わせ用マークである突出部18を認識できず、パネル本体10の位置合わせ用マーク20との間での位置合わせを行うことができなくなることが判明した。
【0026】
そこで、本発明においては、フレキシブル配線板14の位置合わせ用マークである突出部18に近接する位置に、フレキシブル配線板14の突出部18からフレキシブル配線板14の端までの距離の合否を判定するための合否判定マークを設けたものである。
【0027】
図7は本発明の一実施の形態におけるフレキシブル配線板の要部を示す図で、図7において、21は逆L字形状の合否判定マークであり、この合否判定マーク21は、配線パターン17を設ける際に、その配線パターン17と同様に銅箔などにより形成される。また、この合否判定マーク21は、前記突出部18の先端とフレキシブル配線板14の端との間の間隔をLとしたとき、合否判定マーク21の一端とフレキシブル配線板14の端との間の間隔l1が前記間隔Lよりも短く、合否判定マーク21の他端とフレキシブル配線板14の端との間の間隔l2が前記間隔Lよりも長くなるように設けたものである。
【0028】
すなわち、この合否判定マーク21を設けることにより、合否判定マーク21からフレキシブル配線板14の端までの間隔l1が存在する、言い換えれば、フレキシブル配線板14の突出部18とフレキシブル配線板14の端までの間隔が所定の値以上あるかどうかを容易に判別することができ、フレキシブル配線板14をパネル本体10に取り付ける際に、パネル本体10の位置合わせ用マーク20との間での位置合わせを問題なく行うことができる。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によるPDPによれば、フレキシブル配線板に合否判定マークを設けるという簡単な構成で、パネル本体の電極引出端子にフレキシブル配線板を位置合わせして取り付ける場合に、両者の位置合わせを確実に行えるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるPDPのパネル本体の概略構成を示す斜視図
【図2】同PDPの電極配列を示す説明図
【図3】同PDPにおいて、パネル本体に電極引出を行うためのフレキシブル配線板を取り付けた状態を示す平面図
【図4】(a)、(b)は同PDPにおいて、フレキシブル配線板を取り付ける前のパネル本体を背面側、前面側から見た平面図
【図5】同PDPにおいて、電極引出端子部分を拡大して示す平面図
【図6】(a)、(b)はフレキシブル配線板の位置合わせ用マークにおける課題を説明するための平面図
【図7】本発明の一実施の形態によるPDPにおけるフレキシブル配線板の要部を示す平面図
【符号の説明】
1、5 基板
2 表示電極
7 アドレス電極
10 パネル本体
14 フレキシブル配線板
17 配線パターン
18 突出部
19 電極引出端子
20 位置合わせ用マーク
21 合否判定マーク

Claims (1)

  1. 電極群を配置した一対の基板を基板間に放電空間が形成されるように対向配置しかつ前記一対の基板の端部に前記電極群に接続される電極引出端子を形成したパネル本体と、このパネル本体の電極引出端子に一端が接続され他端が駆動回路ブロックに接続される配線パターンを備えたフレキシブル配線板とを有し、前記フレキシブル配線板のパネル本体に取り付けられる部分の端部に、前記パネル本体の位置合わせ用マークとの間で位置合わせを行うための位置合わせ用マークと、このフレキシブル配線板の位置合わせ用マークからフレキシブル配線板の端までの距離の合否を判定するための合否判定マークとを設け、かつ前記フレキシブル配線板の位置合わせ用マークは、配線パターンの一部をフレキシブル配線板の端に向かって突出する突出部を形成することにより構成し、かつ前記合否判定マークは、前記突出部の先端とフレキシブル配線板の端との間の間隔をLとしたとき、合否判定マークの一端とフレキシブル配線板の端との間の間隔が前記間隔Lよりも短く、合否判定マークの他端とフレキシブル配線板の端との間の間隔が前記間隔Lよりも長くなるように設けたことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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