JP2003084519A - 押出成形用フッ素系組成物、感光部用成形物製造方法及び感光部用成形物 - Google Patents

押出成形用フッ素系組成物、感光部用成形物製造方法及び感光部用成形物

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JP2003084519A
JP2003084519A JP2001278553A JP2001278553A JP2003084519A JP 2003084519 A JP2003084519 A JP 2003084519A JP 2001278553 A JP2001278553 A JP 2001278553A JP 2001278553 A JP2001278553 A JP 2001278553A JP 2003084519 A JP2003084519 A JP 2003084519A
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Japan
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fluorine
extrusion molding
energization
volume resistivity
molded product
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JP2001278553A
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English (en)
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Tatsuya Higuchi
達也 樋口
Hiroyuki Yoshimoto
洋之 吉本
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 体積抵抗率の通電による経時的変化を抑制す
ることができる画像形成装置の感光部における転写ベル
ト等の成形物、成形物製造方法を提供する。 【解決手段】 充填材及び含フッ素熱可塑性樹脂を含有
してなる押出成形用フッ素系組成物であって、押出成形
用フッ素系組成物は、画像形成装置の感光部における感
光部用成形物を得るために用いられるものであり、感光
部用成形物は、少なくとも一部の表面において表面粗度
(Rz)が0.5μm以下であり、感光部用成形物は、
印加電圧を5000V/mmにして1時間通電前後の体
積抵抗率をR1、R2とし、上記第1の通電の後に特定
試験を行った後、更に、同様な通電を行う前後の体積抵
抗率をR1′、R2′としそれぞれの比(A=R1/R
2)、(B=R1′/R2′)、(C=R1/R2′)
が次式を満たすものであることを特徴とする押出成形用
フッ素系組成物。0.1<(A),(B),(C)<1

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置の感
光部における転写ベルト等の成形物並びに上記成形物を
得るための押出成形用組成物及び成形物製造方法に関
し、詳しくは、成形物の表面粗度(Rz)を低いものに
することにより体積抵抗率の通電による経時変化を防止
することのできるものに関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は、化学的安定性や熱的安定
性に加え表面潤滑性、機械的特性、耐摩耗性等に優れて
おり、画像形成装置、特に、電子写真機分野の転写材担
持体、画像形成部等において広く利用されている。
【0003】フッ素樹脂は、また、通常、1016Ω・
cmを起える体積抵抗率を有する電気絶縁体である。従
って、電子複写機内の加圧ローラや給紙ローラ等に用い
られる場合、静電気により紙葉の吸着やトナー粉の吸着
・飛散を招き、トラブルの原因となっていた。このた
め、フッ素樹脂に、カーボンブラック、黒鉛粉、炭素繊
維のような炭素材料や、金属粉等の導電性物質を配合す
ることが試みられてきた。
【0004】フッ素樹脂に配合する導電性物質として、
カーボンブラックは、導電性を得るための充分量を用い
ると、そのストラクチャーのために樹脂粘度を上昇さ
せ、成形性が著しく損なわれるという問題があった。黒
鉛粉や炭素繊維等の非等方的形状をもつ粉体を用いる
と、得られる成形物表面の粗度が高くなり、ドラムや紙
葉との接触にムラを生じて画像の乱れを来すという問題
があった。金属粉を用いると、フッ素樹脂特有の優れた
耐薬品性が損われるという問題があった。
【0005】導電性物質を配合したフッ素樹脂は、この
ような問題があるものの、難燃性、耐久性、耐フィルミ
ング性(トナー離型性)等に優れるので、電子写真式複
写機、プリンター、ファクシミリ等の中間転写装置、転
写分離装置、搬送装置、帯電装置、現像装置等におい
て、導電性ベルトとして多用されている。この場合にお
ける導電性物質としては、一般的にカーボンブラックが
用いられている。
【0006】フッ素樹脂を用いた導電性ベルトは、その
表面にトナーを電気的に引き付ける等のために帯電させ
る必要があるので、コロナ放電等により繰り返し高電圧
が印加される。フッ素樹脂を用いた導電性ベルトは、こ
の高電圧により電気抵抗値が徐々に低下する結果、導電
性ベルトへのトナーの移行量が減少して画像に悪影響を
生じるという問題があった。
【0007】フッ素樹脂を用いた導電性ベルトにおいて
このような問題が生じる機構としては、導電性物質とフ
ッ素樹脂との界面剥離及びフッ素樹脂内部の結晶部欠陥
等による導電キャリアのトラップが原因となり、空間電
荷制限電流によって抵抗値が低下することが提案されて
いる。
【0008】得られる被膜表面の体積抵抗率が望ましい
特定範囲内であって、フッ素樹脂と導電性物質とからな
る組成物の配合量に依存した急激な変化を防止すること
を目的として、WO99/59033号公報には、少な
くとも一部がフッ素化された充填材及び含フッ素熱可塑
性樹脂からなる画像形成装置の感光部の転写層の形成に
適した溶融押出材料組成物であって、特定の特性を有す
るものが開示されている。しかしながら、この技術に
は、通電による体積抵抗率の経時的変化を低減すること
や、表面粗度Rzについては記載されていない。
【0009】なお、この技術には、得られる被膜表面の
表面粗度Raが0.5μm以下であることが開示されて
いる。表面粗度Raとは、JIS B 1982に規定
されている算術平均粗さである。表面粗度Raは、粗さ
曲線から、その平均線の方向に基準長さLだけ抜き取
り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差
の絶対値を合計し、平均した値として、下記式により求
められるものであり、表面粗度Rzとは異なるものであ
る。
【0010】
【数1】
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
に鑑み、体積抵抗率の通電による経時的変化を抑制する
ことができる画像形成装置の感光部における転写ベルト
等の成形物、並びに、このような成形物を得るための押
出成形用組成物及び成形物製造方法を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、充填材(a
1)及び含フッ素熱可塑性樹脂(a2)を含有してなる
押出成形用フッ素系組成物であって、上記押出成形用フ
ッ素系組成物は、画像形成装置の感光部における感光部
用成形物を得るために用いられるものであり、上記感光
部用成形物は、少なくとも一部の表面において表面粗度
(Rz)が0.5μm以下であり、上記感光部用成形物
は、印加電圧を5000V/mmにして1時間通電する
第1の通電を行う場合における上記第1の通電の後の体
積抵抗率(R2)及び上記第1の通電の前の体積抵抗率
(R1)、並びに、上記第1の通電の後に特定試験を行
った後、更に、印加電圧を5000V/mmにして1時
間通電する第2の通電を行う場合における上記第2の通
電の後の体積抵抗率(R2′)及び上記第2の通電の前
の体積抵抗率(R1′)について、上記R1と上記R2
との比(R1/R2)、上記R1′と上記R2′との比
(R1′/R2′)、並びに、上記R1と上記R2′と
の比(R1/R2′)が下記式(A)、下記式(B)及
び下記式(C)を満たすものであることを特徴とする押
出成形用フッ素系組成物である。 0.1<(R1/R2)<10 (A) 0.1<(R1′/R2′)<10 (B) 0.1<(R1/R2′)<10 (C)
【0013】本発明は、また、上記押出成形用フッ素系
組成物を用いて成形することよりなる感光部用成形物を
製造するための感光部用成形物製造方法であって、上記
成形は、上記含フッ素熱可塑性樹脂(a2)の融点より
も40℃高い温度以上であり、上記含フッ素熱可塑性樹
脂(a2)の分解温度未満である温度で行うものである
ことを特徴とする感光部用成形物製造方法である。
【0014】本発明は、更に、上記押出成形用フッ素系
組成物を用いて成形することよりなる感光部用成形物を
製造するための感光部用成形物製造方法であって、上記
成形は、剪断速度が45.6s−1である場合における
溶融粘度が8×10poise以下となる温度で行う
ものであることを特徴とする感光部用成形物製造方法で
ある。
【0015】本発明は、また、上記押出成形用フッ素系
組成物を製造するために用いられる含フッ素熱可塑性樹
脂であって、上記押出成形用フッ素系組成物は、画像形
成装置の感光部における感光部用成形物を得るために用
いられるものであり、上記感光部用成形物は、少なくと
も一部の表面において表面粗度(Rz)が0.5μm以
下であり、上記感光部用成形物は、印加電圧を5000
V/mmにして1時間通電する第1の通電を行う場合に
おける上記第1の通電の後の体積抵抗率(R2)及び上
記第1の通電の前の体積抵抗率(R1)、並びに、上記
第1の通電の後に特定試験を行った後、更に、印加電圧
を5000V/mmにして1時間通電する第2の通電を
行う場合における上記第2の通電の後の体積抵抗率(R
2′)及び上記第2の通電の前の体積抵抗率(R1′)
について、上記R1と上記R2との比(R1/R2)、
上記R1′と上記R2′との比(R1′/R2′)、並
びに、上記R1と上記R2′との比(R1/R2′)が
下記式(A)、下記式(B)及び下記式(C)を満たす
ものであることを特徴とする含フッ素熱可塑性樹脂であ
る。 0.1<(R1/R2)<10 (A) 0.1<(R1′/R2′)<10 (B) 0.1<(R1/R2′)<10 (C) 上記含フッ素熱可塑性樹脂は、上記含フッ素熱可塑性樹
脂(a2)と同じである。
【0016】本発明は、更に、上記充填材(a1)及び
含フッ素熱可塑性樹脂(a2′)を含有してなるフッ素
系押出成形用組成物を用いて成形し、その後機械的手段
を用いることよりなる処理済成形物を製造するための処
理済成形物製造方法であって、上記処理済成形物は、画
像形成装置の感光部におけるものであり、上記処理済成
形物は、少なくとも一部の表面において表面粗度(R
z)が0.5μm以下であり、上記処理済成形物は、印
加電圧を5000V/mmにして1時間通電する第1の
通電を行う場合における上記第1の通電の後の体積抵抗
率(R2)及び上記第1の通電の前の体積抵抗率(R
1)、並びに、上記第1の通電の後に特定試験を行った
後、更に、印加電圧を5000V/mmにして1時間通
電する第2の通電を行う場合における上記第2の通電の
後の体積抵抗率(R2′)及び上記第2の通電の前の体
積抵抗率(R1′)について、上記R1と上記R2との
比(R1/R2)、上記R1′と上記R2′との比(R
1′/R2′)、並びに、上記R1と上記R2′との比
(R1/R2′)が下記式(A)、下記式(B)及び下
記式(C)を満たすものであることを特徴とする処理済
成形物製造方法である。 0.1<(R1/R2)<10 (A) 0.1<(R1′/R2′)<10 (B) 0.1<(R1/R2′)<10 (C) 以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明の押出成形用フッ素系組成物は、画
像形成装置の感光部における感光部用成形物を得るため
に用いられる。
【0018】上記画像形成装置としては、電子写真複写
機、ファクシミリ、レーザープリンタ等が挙げられる
が、これらに限られるものではなく、静電複写に基づい
てトナーの転写を行う装置が含まれる。
【0019】上記画像形成装置の感光部としては特に限
定されず、例えば、電子写真複写機の場合、通常、半導
電性ローラである帯電ローラ、現像ローラ、転写ベル
ト、転写ローラ等を含むものである。
【0020】上記感光部用成形物は、このような画像形
成装置の感光部における成形物である。上記感光部用成
形物としては、上記画像形成装置の感光部の少なくとも
一部を構成する成形物であれば特に限定されず、例え
ば、転写ローラ、帯電ローラ、現像ローラ等の各種ロー
ラの抵抗体層;転写ベルト等が挙げられ、なかでも、転
写ベルトが好適に用いられる。本明細書において、上記
画像形成装置の感光部の転写ベルトを上記転写ベルトと
いうことがある。
【0021】上記転写ベルトは、通常、エンドレスの輪
状ベルトとなっており、内壁に3個のローラを接触させ
て設置し、上記転写ベルトの一部の外側に感光体ドラム
を置き、この感光体ドラムの上記転写ベルトを挟んで対
面に静電転写機を置いて用いられる。この静電転写機
は、静電気を発生させることにより、トナーを上記転写
ベルトに電気的に引き寄せるものである。上記転写ベル
トは、上記ローラの回転により移送され、感光体ドラム
上のトナー像を上記転写ベルト又はこの上に耐熱性樹脂
織布を介して設置された転写層(転写紙)に転写させ、
転写させたトナー像を次いで記録紙等の被記録媒体に転
写させる働きをする。
【0022】上記感光部用成形物は、印加電圧を500
0V/mmにして1時間通電する第1の通電を行う場合
における上記第1の通電の後の体積抵抗率(R2)及び
上記第1の通電の前の体積抵抗率(R1)、並びに、上
記第1の通電の後に特定試験を行った後、更に、印加電
圧を5000V/mmにして1時間通電する第2の通電
を行う場合における上記第2の通電の後の体積抵抗率
(R2′)及び上記第2の通電の前の体積抵抗率(R
1′)について、上記R1と上記R2との比(R1/R
2)、上記R1′と上記R2′との比(R1′/R
2′)、並びに、上記R1と上記R2′との比(R1/
R2′)が下記式(A)、下記式(B)及び下記式
(C)を満たすものである。 0.1<(R1/R2)<10 (A) 0.1<(R1′/R2′)<10 (B) 0.1<(R1/R2′)<10 (C)
【0023】上記比(R1/R2)、上記比(R1′/
R2′)及び上記比(R1/R2′)の何れかが10以
上であると、通電時における上記体積抵抗率の経時的安
定性が悪化し、上記体積抵抗率が経時的に低下しすぎる
ので、トナーの移行量が減少して画像に悪影響が生じ、
0.1以下であると、工業的にこのような上記感光部用
成形物を得ることが困難となる。好ましくは、上記比
(R1/R2)、上記比(R1′/R2′)及び上記比
(R1/R2′)の何れもが0.5を超え、かつ、5未
満である。
【0024】上記体積抵抗率は、JIS K 6911
に準拠した方法により求められる値である。本明細書に
おいて、上記体積抵抗率は、この方法により厚さが0.
1〜0.2mmであるシートを抵抗測定セル(レジステ
ィビティ・チャンバR12702A)及び抵抗計(デジ
タル超高抵抗計R8340A、何れもアドバンテスト社
製)を用いて測定することにより得られる値である。
【0025】上記体積抵抗率の比(R1/R2)及び
(R1′/R2′)は、特定試験の前においても後にお
いても上記範囲内であることが好ましい。上記特定試験
は、上記感光部用成形物を上記転写ベルトとして実際に
画像形成装置に取り付けて使用する場合を模したもので
ある。従って、上記比(R1/R2)及び上記比(R
1′/R2′)が上記特定試験の前後を問わず上記範囲
内であると、実際に上記転写ベルトとして用いる場合に
上記体積抵抗率の通電による経時変化が抑制され、トナ
ーの移行量の減少による画像の悪質化を防止することが
できる。
【0026】本明細書において、上記特定試験とは、上
記感光部用成形物として上記転写ベルトの形状を有し、
幅70mmである転写ベルト状成形物を用い、平行な2
本のφ20mmのゴムロールに上記転写ベルト状成形物
を取り付け、上記ゴムロールが相互に離れる方向に70
0gの力で引きながら上記転写ベルト状成形物を60r
pmで24時間回転させ、上記転写ベルト状成形物を裏
返して更に24時間回転させるものである。上記特定試
験は電圧を印加することなく行う。
【0027】上記感光部用成形物は、印加電圧が500
0V/mmである場合における体積抵抗率が10〜1
13Ω・cmであることが好ましい。上記範囲内であ
ると、優れたトナー移動が行われるほか、同一表面にお
ける体積抵抗率の最小値に対する最大値の比が10以下
となるので半導電性が均一となって絶縁破壊が生じにく
い。より好ましくは、1010〜1013Ω・cmであ
る。
【0028】上記感光部用成形物は、少なくとも一部の
表面において表面粗度(Rz)が0.5μm以下であ
る。上記感光部用成形物は、上記表面粗度(Rz)が
0.5μm以下であることにより、上記体積抵抗率の各
比(R1/R2)、(R1′/R2′)及び(R1/R
2′)は0.1を超え10未満に抑えることができ、ト
ナーの移行量が減少して画像が劣化することを防止する
ことができ、また、このように平滑な表面であると、上
記感光部用成形物上におけるトナー、紙粉等の汚染物質
の付着量が少ないので画像形成性及び使用耐久性に優れ
る。好ましくは、0.4μm以下であり、より好ましく
は、0.3μm以下である。
【0029】上記感光部用成形物は、上記範囲内の表面
粗度(Rz)を少なくとも一部の表面において有する。
従って、上記感光部用成形物は、上記範囲内の表面粗度
(Rz)を全表面において有している必要は必ずしもな
く、用途に応じて必要な表面部分において有していれば
よい。上記範囲内の表面粗度(Rz)を有する表面部分
としては、例えば上記転写ベルトにおいてトナーが付着
する面等が挙げられ、この場合、この面と反対側の面
(裏面)において上記範囲内の表面粗度(Rz)を有し
ている必要は必ずしもない。
【0030】上記表面粗度(Rz)とは、JIS B
0601に規定されている十点平均粗さである。即ち、
上記表面粗度(Rz)は、粗さ曲線から、その平均線の
方向に基準長さLだけ抜き取り、この抜き取り部分の平
均線から、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高
(Yp)の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目
までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平均値との和とし
て、下記式により求められるものである。
【0031】
【数2】
【0032】本明細書において、上記表面粗度(Rz)
は、測定長を2.5mmとして、表面粗度測定器(商品
名:Surfcom470A、東京精密社製)を用いて
測定した値である。
【0033】上記感光部用成形物は、25℃における引
張強度が400kg/cm以上であることが好まし
い。上記範囲内であると、特に上記感光部用成形物を上
記転写ベルトとして用いる場合、高速回転に付され、こ
の際大きなテンションがかかるところ、充分な使用耐久
性を呈することができる。
【0034】本明細書において、上記引張強度とは、A
STM D 638に従って測定することにより得られ
る値である。
【0035】上記感光部用成形物は、対水接触角が96
°以上であることが好ましい。対水接触角が上記範囲内
であると、非粘着性が良好であり、トナーの離型性に優
れ、長期間の使用耐久性を有することができる。より好
ましくは、98°以上である。
【0036】上記感光部用成形物の各物理的性質は、上
記感光部用成形物を実際に画像形成装置の感光部におけ
る成形物として使用するうちに磨耗等により変化し得る
ものであるが、本発明においては、このような使用をす
る前から上記各物理的性質を有するものを得ることがで
きる。
【0037】本発明の押出成形用フッ素系組成物は、充
填材(a1)及び含フッ素熱可塑性樹脂(a2)を含有
してなるものである。
【0038】上記充填材(a1)は、少なくとも一部が
フッ素化された充填材である。上記少なくとも一部がフ
ッ素化された充填材とは、分子中にフッ素原子を少なく
とも1個有する充填材である。上記充填材(a1)とし
ては、カーボンブラック、炭素繊維、石油コークス、黒
鉛粉等の炭素材料等であって、少なくとも一部がフッ素
化されたもの等が挙げられる。これらは、1種又は2種
以上を用いることができる。
【0039】上記充填材(a1)は、少なくとも一部が
フッ素化されたものであることが必要である。上記充填
材(a1)として少なくとも一部がフッ素化されたもの
を用いると、本発明の押出成形用フッ素系組成物が硬く
なりすぎず上記表面粗度(Rz)が0.5μm以下とな
り、この結果、上記体積抵抗率の各比(R1/R2)、
(R1′/R2′)及び(R1/R2′)を10未満に
抑えることができる。
【0040】上記充填材(a1)は、フッ素化されてい
ないものであると、カーボンブラック等の充填材の発達
したストラクチャーにより、得られる上記押出成形用フ
ッ素系組成物は溶融粘度が増大し、溶融混練が不充分と
なって、上記充填材(a1)の分散が不均一となる。
【0041】上記充填材(a1)としては、少なくとも
一部がフッ素化されたカーボンブラックが好ましい。本
明細書において、少なくとも一部がフッ素化されたカー
ボンブラックをフッ素化カーボンブラックということが
ある。上記フッ素化カーボンブラックは、ポリ(カーボ
ンモノフルオライド)が主成分をなすものである。
【0042】上記フッ素化カーボンブラックとしては、
分子中の炭素原子数とフッ素原子数との比(F/C)が
0.05以上であり、1.0未満であることが好まし
い。0.05未満であると、フッ素化の効果が不充分で
あり、フッ素化されていない炭素材料のもつ上記問題点
が残存する傾向にある。1.0以上であると、目的とす
る導電性を本発明の押出成形用フッ素系組成物に付与す
ることができない場合がある。より好ましくは、0.1
以上であり、0.5未満である。
【0043】本明細書において、上記F/Cは次のよう
にして求められる値である。まず、上記フッ素化カーボ
ンブラックを助燃剤Na及びポリエチレンフィル
ムとともに濾紙に包みこみ、酸素を充填した密閉フラス
コ内で燃焼し、発生したフッ化水素をフッ化物イオンメ
ータ(商品名:イオンアナライザ901、オリオン社
製)を用い、常法により測定する。次いで、この測定値
からフッ素含有量を算出する。得られたフッ素含有量に
基づいてF/Cを算出する。
【0044】上記フッ素化カーボンブラックとしては、
炭素材料としてカーボンブラックを用い、フッ素ガスに
よりフッ素化したものが好ましい。
【0045】上記炭素材料としてのカーボンブラック
は、平均粒子径が0.01〜50μmであるものが好ま
しい。この場合、得られるフッ素化カーボンブラック
は、通常、平均粒子径が0.01〜50μmである。5
0μmを超えると、上記フッ素化カーボンブラックの導
電性及び非粘着性を付与するための充分量が多くなり、
得られる感光部用成形物は上記表面粗度(Rz)が0.
5μmを超えたり、上記体積抵抗率の各比(R1/R
2)、(R1′/R2′)及び(R1/R2′)が10
以上となったり、機械的強度が劣化したりする傾向にあ
る。より好ましくは、0.01〜1μmである。なお、
平均粒子径が50μmを超えるカーボンブラックとして
は、通常、例えば石油コークス、黒鉛粉末、炭素繊維等
の炭素材料を原料として得られるもの等が挙げられる。
【0046】上記炭素材料としてのカーボンブラック
は、例えば、市販品を用いることができ、例えば、旭#
55(旭カーボン社製)等のゴム用ファーネスブラッ
ク;レーベン7000(コロンビアカーボン社製)等の
カラー用チャネルブラック;セバカーボMT−C1(コ
ロンビアカーボン社製)等のサーマルブラック等が挙げ
られる。
【0047】上記フッ素化カーボンブラックとしては、
導電性を有するものが好ましい。上記フッ素化カーボン
ブラックは、導電性を有すると、比較的少ない配合量で
導電性を付与することができるので、得られる押出成形
用フッ素系組成物が硬くなりすぎず、上記表面粗度(R
z)を0.5μm以下にし、上記体積抵抗率の各比(R
1/R2)、(R1′/R2′)及び(R1/R2′)
を10未満にすることが容易となり、また、経済的でも
ある。
【0048】上記導電性を有するフッ素化カーボンブラ
ックは、一般に導電性カーボンブラックと称されている
ものをフッ素化することにより得ることができる。上記
導電性カーボンブラックとは、(1)平均粒子径が比較
的小さく、通常0.1μm以下である、(2)表面積が
大きく、通常、N表面積が50m/g以上である、
(3)ストラクチャーが発達しており、通常、吸油量が
100cc/g以上である、(4)不純物が少なく、通
常、灰分が0.1%未満である、(5)グラファイト化
が進んでいる、というファクターで定義されるものであ
る。
【0049】上記導電性カーボンブラックとしては、例
えば市販品を用いることができ、例えば、ケッチェンブ
ラックEC、ケッチェンブラックEC−600JD(以
上、ケッチェンブラックインターナショナル社製);ブ
ラックパールズ2000、バルカンXC−72、CSX
−99(以上、キャブラック社製);デンカブラック
(電気化学工業社製);コンダクテックス950(コロ
ンビアカーボン社製)等が挙げられる。
【0050】上記フッ素ガスによるフッ素化は、通常、
上記炭素材料を200〜600℃でフッ素ガスと接触さ
せ、フッ素化反応を行わせることにより行う。200℃
未満であると、フッ素化反応の進行が遅い、フッ素化度
が上昇しにくい、熱安定性が充分でない、上記フッ素化
カーボンブラック特有の非粘着性、潤滑性等の特性が発
揮されない等の問題が起こりやすい。600℃を超える
と、熱分解反応が起こりやすく、得られるフッ素化カー
ボンブラックの収率が低くなりやすい。600℃を超え
ると、また、急激な熱分解反応が生じ爆発に至る場合が
あるので、充分注意する必要がある。好ましくは、30
0〜500℃である。
【0051】上記フッ素ガスとしては、フッ素ガス単独
であってもよいし、チッ素、アルゴン、ヘリウム、四フ
ッ化炭素等の不活性ガスを用いて希釈されたフッ素ガス
であってもよいし、フッ化水素を含むものであってもよ
い。
【0052】上記フッ素化反応は、通常、常庄で行うこ
とができるが、減圧下又は加圧下であってもよい。上記
フッ素化反応のその他の条件として、反応時間、フッ素
ガス流量等は、用いる上記炭素材料のフッ素との反応性
や、上記F/Cの目的値に応じて適宜調節することがで
きる。
【0053】上記充填材(a1)は、上記充填材(a
1)及び後述の含フッ素熱可塑性樹脂(a2)の合計量
の1〜20質量%であることが好ましい。1質量%未満
であると、上記充填材(a1)を添加することによる効
果が充分に得られないことがあり、20質量%を超える
と、得られる感光部用成形物の上記表面粗度(Rz)が
0.5μmを超えたり、上記体積抵抗率の各比(R1/
R2)、(R1′/R2′)及び(R1/R2′)が1
0以上となったり、引張強度等の機械的強度が低下する
傾向にある。より好ましくは、5〜20質量%である。
【0054】上記含フッ素熱可塑性樹脂(a2)は、主
鎖の炭素原子に直接結合しているフッ素原子を有する熱
可塑性樹脂である。本発明の押出成形用フッ素系組成物
は、このような含フッ素熱可塑性樹脂(a2)を含有す
ることにより、得られる感光部用成形物において、汎用
樹脂を主として含有する場合に比べて優れた耐熱性、非
粘着性、撥水撥油性、潤滑性、耐薬品性を有することが
できるとともに、上記表面粗度(Rz)を0.5μm以
下にし、その結果、上記体積抵抗率の各比(R1/R
2)、(R1′/R2′)及び(R1/R2′)を10
未満にすることができる。
【0055】上記含フッ素熱可塑性樹脂(a2)として
は特に限定されず、例えば、テトラフルオロエチレン
(TFE)及びこれと共重合可能な少なくとも1種のそ
の他のエチレン性不飽和単量体との共重合体、ポリクロ
ロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデ
ンフルオライド(PVdF)等が挙げられる。
【0056】上記その他のエチレン性不飽和単量体とし
ては、例えば、パーフルオロ(プロピルビニルエーテ
ル)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル);ヘ
キサフルオロプロピレン(HFP)等のその他のパーフ
ルオロ系単量体;クロロトリフルオロエチレン(CTF
E)等のクロロフルオロオレフィン類;ビニリデンフル
オライド(VdF)、ビニルフルオライド(VF)等の
含水素フルオロオレフィン類;エチレン(ET)、プロ
ピレン等の非ハロゲン化オレフィン類等が挙げられる。
上記パーフルオロ系単量体とは、炭素原子に結合する原
子が全てフッ素原子であるエチレン性不飽和単量体であ
る。
【0057】上記含フッ素熱可塑性樹脂(a2)として
は、高強度が得られる点、加工性に優れる点から、分子
中に水素原子を有するものが好ましく、ET/TFE共
重合体(ETFE)、TFE/HFP/ET系共重合体
(EFEP)等のエチレン(ET)/テトラフルオロエ
チレン(TFE)系共重合体;PVdF、VdF/HF
P共重合体、VdF/CTFE共重合体等のビニリデン
フルオライド(VdF)系重合体がより好ましい。上記
ET/TFE系共重合体としては、ETとTFEのモル
比が、ET:TFEとして40:60〜60:40であ
るものが好ましい。
【0058】上記EFEPとは、単量体成分としてTF
E、HFP及びETを含有し、共重合させることにより
得られるものである。上記ET/TFE系共重合体と
は、単量体成分としてET及びTFEを含有し、共重合
させることにより得られるものである。上記EFEP及
び上記ET/TFE系共重合体は、単量体成分として、
更に、これらの共単量体以外のその他の単量体成分を少
量含有するものであってもよく、上記その他の単量体成
分としては、例えば、上記その他のエチレン性不飽和単
量体等が挙げられる。
【0059】上記VdF系重合体とは、単量体成分とし
てVdFを含有し、重合させることにより得られるもの
である。上記VdF系共重合体は、上記単量体成分とし
て、更に、VdF以外の単量体成分を少量含有するもの
であってもよく、上記VdF以外の単量体成分として
は、例えば、上記その他のエチレン性不飽和単量体等が
挙げられる。
【0060】上記含フッ素熱可塑性樹脂(a2)として
は、高強度、加工性の点から、ETFE、EFEP、P
VdF及びVdF/HFP共重合体が更に好ましく、E
TFE及びEFEPが最も好ましい。上記含フッ素熱可
塑性樹脂(a2)としては、1種又は2種以上を用いる
ことができる。
【0061】上記含フッ素熱可塑性樹脂(a2)として
は、融点が260℃以下であるものが好ましい。260
℃を超えると、後述の押出成形温度では溶融時の流れ性
が不充分となって上記表面粗度(Rz)が0.5μmを
超え、その結果上記体積抵抗率の各比(R1/R2)、
(R1′/R2′)及び(R1/R2′)が10以上と
なることがある。より好ましくは、150〜260℃で
ある。なお、上記含フッ素熱可塑性樹脂(a2)として
上記範囲内の融点を有するものを用いる場合、通常、得
られる本発明の押出成形用フッ素系組成物の融点は上記
含フッ素熱可塑性樹脂(a2)の融点と同様の値を示す
こととなる。
【0062】上記含フッ素熱可塑性樹脂(a2)は、例
えば、懸濁重合、乳化重合等の従来公知の重合方法によ
り得ることができ、市販品を用いてもよい。
【0063】上記押出成形用フッ素系組成物は、上記充
填材(a1)及び上記含フッ素熱可塑性樹脂(a2)に
加えて、上記押出成形用フッ素系組成物及び上記感光部
用成形物の特性を損なわない程度の量であれば、一般の
成形用材料に通常用いられる成形助剤等の添加剤を含有
するものを排除するものではない。しかしながら、上記
押出成形用フッ素系組成物は、可塑剤を添加しなくても
良好な押出成形性が得られ、また界面活性剤を添加しな
くても安定した半導電性が得られる。従って、従来、浸
出(ブリーディング)や汚染の原因であった低電気抵抗
性のエステル系可塑剤やフッ素系界面活性剤は、添加す
る必要がない。
【0064】本発明の押出成形用フッ素系組成物は、例
えば通常の方法で混合し調製することができ、例えば、
上記充填剤(a1)、記合フッ素熱可塑性樹脂(a2)
及び必要に応じて用いられる添加物をV型ブレンダー、
タンブラー、ヘンシェルミキサー等の混合機で混合した
のち、二軸押出機等の溶融混練装置を用いて混合し、ペ
レット化する方法が挙げられる。
【0065】このようにして得られる本発明の押出成形
用フッ素系組成物としては、融点以上であり、上記融点
より50℃高い温度以下の温度において、剪断速度が4
5.6s−1となるように剪断力を加える場合、溶融粘
度が8×10poise以下であるものが好ましい。
8×10poiseを超えると、溶融時の流れ性が不
充分となり、上記表面粗度(Rz)が0.5μmを超え
たり、上記体積抵抗率の各比(R1/R2)、(R1′
/R2′)及び(R1/R2′)が10以上となったり
する場合があり、また、溶融成形性の低下により、上記
感光部用成形物の均質さに劣る場合がある。上記溶融粘
度は、2×10poise以上であってもよい。より
好ましくは、1×10〜4×10poiseであ
る。
【0066】本明細書において、上記溶融粘度とは、キ
ャピログラフPMD−C(商品名、東洋精機製作所社
製)を用いて測定することにより得られる値である。な
お、上記範囲内の溶融粘度を有する押出成形用フッ素系
組成物は、通常、上記含フッ素熱可塑性樹脂(a2)と
して上記範囲内の溶融粘度を有するものを用いることに
より、得ることができる。
【0067】本発明の押出成形用フッ素系組成物は、メ
ルトフローレート(MFR)が0.5g/10分以上で
あることが好ましい。上記押出成形用フッ素系組成物
は、上記範囲内のMFRを有すると、溶融成形性のみな
らず分散性や混練性も良好となりやすく、上記表面粗度
(Rz)を0.5μm以下にし、上記体積抵抗率の各比
(R1/R2)、(R1′/R2′)及び(R1/R
2′)を10未満にすることが容易である。より好まし
くは、0.7g/10分以上である。上記MFRは、通
常、5g/10分以下である。
【0068】本明細書において、上記MFRは、上記押
出成形用フッ素系組成物の融点以上の温度において、荷
重を5kgにして測定される値である。上記測定温度と
しては、上記含フッ素熱可塑性樹脂(a2)としてET
FEを用いる場合、297℃であり、PVdFを用いる
場合、230℃である。
【0069】本発明の感光部用成形物製造方法は、上記
押出成形用フッ素系組成物を用いて成形することよりな
る上記感光部用成形物を製造するためのものであって、
上記成形は、上記含フッ素熱可塑性樹脂(a2)の融点
よりも40℃高い温度以上であり、上記含フッ素熱可塑
性樹脂(a2)の分解温度未満である温度で行うもので
あることを特徴とするものである。
【0070】上記成形温度は、上記範囲内であることに
より、溶融成形性を高めることができ、上記表面粗度
(Rz)を0.5μm以下とし、その結果、上記体積抵
抗率の各比(R1/R2)、(R1′/R2′)及び
(R1/R2′)を10未満にすることができる。上記
下限は、上記含フッ素熱可塑性樹脂(a2)の融点より
も45℃高い温度以上の温度が好ましい。
【0071】本発明の感光部用成形物製造方法におい
て、上記成形は、剪断速度が45.6s −1である場合
における溶融粘度が8×10poise以下となる温
度で行うものであってもよい。上記範囲内の温度である
と、充分な剪断力が加えられ、溶融時の流れ性が良好で
充分な溶融成形性が得られるので、上記表面粗度(R
z)を0.5μm以下とし、上記体積抵抗率の各比(R
1/R2)、(R1′/R2′)及び(R1/R2′)
を10未満にすることができる。上記成形は、特に、上
記含フッ素熱可塑性樹脂(a2)として比較的低融点の
ものを用いる場合、上記範囲内の温度で行うことで足り
る。好ましくは、上記成形は、剪断速度が45.6s
−1である場合における溶融粘度が8×10pois
e以下となる温度で行う。
【0072】本発明の感光部用成形物製造方法におい
て、通常の押出成形機を用いて押出成形を行うことがで
きる。得られる上記感光部用成形物の形状としては特に
限定されず、用途に応じて選択することができ、例え
ば、ベルト状、板状、フィルム状、チューブ状等にする
ことができる。
【0073】上記感光部用成形物としては、上述のよう
に、上記転写ベルトであることが好ましい。上記転写ベ
ルトの厚さ、態様等としては特に限定されず、例えば、
従来の画像形成装置の感光部に適用し得るもの等が挙げ
られる。このような上記感光部用成形物としては、例え
ば、通常50〜250μmの厚さを有する単一のエンド
レスベルトであってもよいし、耐熱性樹脂織布を積層
し、この上に厚さ約10〜50μmの転写層を設けたエ
ンドレスベルトであってもよい。
【0074】上記感光部用成形物としては、また、上述
のように転写ローラ、帯電ローラ、現像ローラ等の抵抗
体層であってもよい。これらのローラは、通常、導電性
支持体、導電性弾性体層及び上記低抗体層が積層された
ものである。
【0075】上記導電性支持体の材料としては特に限定
されず、例えば、アルミニウム若しくはアルミニウムを
主成分とする合金又はステンレス等が挙げられる。
【0076】上記導電性弾性体層用の材料としては特に
限定されず、例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピ
レンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム、ウ
レタンゴム等の合成ゴム中にカーボンブラック、金属粉
末、カーボン繊維等の導電性粉末や導電性繊維等を混入
した組成物によって形成され、体積固有抵抗率が10
Ω・cm以下、好ましくは10Ω・cm以下であり、
かつゴム硬度(JISA)が20〜50度、好ましくは
25〜40度のもの等が挙げられる。可塑剤、界面活性
剤等は、経時的に滲出し、感光体等の表面の汚染及びロ
ーラ表面のトナーフィルミングを起すことを防止するた
め、用いない方がよい。
【0077】上記抵抗体層は、上記押出成形用フッ素系
組成物を用い、通常の溶融押出成形法によりチューブ状
に製膜されたものである。上記抵抗体層は、必要であれ
ば延伸してもよいし、熱収縮性を有していてもよいが、
通常、これらは必要ない。得られるチューブの厚さとし
ては、感光部のローラに適したものを得る点から、0.
01〜0.15mmが好ましい。
【0078】上記ローラの製造方法としては特に限定さ
れず、例えば、上記導電性支持体としての芯金と上記抵
抗体層としてのチューブとの間に間隔をあけ、筒状成形
体の内表面と上記チューブの外表面とが接触するように
配置しておき、上記間隔に上記導電性弾性体層用の材料
を流し込み、所望により加硫し、必要なときに上記筒状
成形体から取り出す方法を用いることができる。上記チ
ューブは、上記導電性弾性体層と接触しやすいように、
内表面に予めエッチング処理、プライマー処理等の前処
理を施したものであってもよい。
【0079】上記ローラの製造方法としては、また、予
め作製しておいた上記導電性弾性体層の表面に、上記チ
ューブを被覆する方法を用いてもよい。この場合、上記
チューブとしては、熱収縮性を有するものが好ましい。
【0080】本発明の処理済成形物製造方法は、充填材
(a1)及び含フッ素熱可塑性樹脂(a2′)を含有し
てなるフッ素系押出成形用組成物を用いて成形し、その
後機械的手段を用いることよりなる処理済成形物を製造
するためのものであって、上記処理済成形物は、画像形
成装置の感光部におけるものであり、上記処理済成形物
は、少なくとも一部の表面において表面粗度(Rz)が
0.5μm以下であり、上記処理済成形物は、印加電圧
を5000V/mmにして1時間通電する第1の通電を
行う場合における上記第1の通電の後の体積抵抗率(R
2)及び上記第1の通電の前の体積抵抗率(R1)、並
びに、上記第1の通電の後に特定試験を行った後、更
に、印加電圧を5000V/mmにして1時間通電する
第2の通電を行う場合における上記第2の通電の後の体
積抵抗率(R2′)及び上記第2の通電の前の体積抵抗
率(R1′)について、上記R1と上記R2との比(R
1/R2)、上記R1′と上記R2′との比(R1′/
R2′)、並びに、上記R1と上記R2′との比(R1
/R2′)が下記式(A)、下記式(B)及び下記式
(C)を満たすものであることを特徴とするものであ
る。 0.1<(R1/R2)<10 (A) 0.1<(R1′/R2′)<10 (B) 0.1<(R1/R2′)<10 (C)
【0081】上記充填材(a1)、上記表面粗度(R
z)、上記体積抵抗率の各比(R1/R2)、(R1′
/R2′)及び(R1/R2′)並びに上記成形の方法
としては、本発明の押出成形用フッ素系組成物に関して
上述したものと同様である。
【0082】上記含フッ素熱可塑性樹脂(a2′)とし
ては、主鎖の炭素原子に直接結合しているフッ素原子を
有する熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、例えば、
上記含フッ素熱可塑性樹脂(a2)を用いてもよい。上
記含フッ素熱可塑性樹脂(a2′)としては、融点が2
60℃以下であるものに限られず、上記範囲を超える融
点を有するものであっても、後述の機械的手段を用い、
上記範囲内の表面粗度(Rz)並びに上記範囲内の上記
体積抵抗率の各比(R1/R2)、(R1′/R2′)
及び(R1/R2′)を達成することができる。
【0083】上記フッ素系押出成形用組成物としては上
記充填材(a1)及び上記含フッ素熱可塑性樹脂(a
2′)を含有してなるものであれば特に限定されず、例
えば上記押出成形用フッ素系組成物と同様のものであっ
てもよい
【0084】上記機械的手段としては、表面を平滑化し
得るものであれば特に限定されず、例えば、押出成形に
より得られた成形体の表面に対し、研磨、熱ロール、プ
レス等の機械的処理を施すこと等が挙げられ、1種又は
2種以上を用いることができる。上記機械的手段として
は、研磨を用いることが好ましい。上記研磨の方法とし
ては特に限定されず、例えば、ワイヤーブラシ等のブラ
シ類、バフ研磨等の研磨用の機械・器具を用いる方法等
が挙げられ、サンドブラスト等の研磨材を用いてもよ
い。上記研磨としては、バフ研磨が好ましい。
【0085】上記機械的手段は、上記表面粗度(Rz)
並びに上記体積抵抗率の各比(R1/R2)、(R1′
/R2′)及び(R1/R2′)が上記範囲内の値とな
るように、上記機械的手段を施す強度、時間等を調整す
ること以外は、通常の方法により行うことができる。例
えば、バフ研磨を行う場合、0.3〜0.7m/分、
7〜15kg/cmの条件を用いることができる。
【0086】上記処理済成形物とは、上記成形の後、上
記機械的手段を用いることより得られるものである。上
記処理済成形物としては、上記範囲内の表面粗度(R
z)並びに上記範囲内の上記体積抵抗率の各比(R1/
R2)、(R1′/R2′)及び(R1/R2′)を有
するものであれば特に限定されないが、通常の用途に鑑
み、上記感光部用成形物と同様のその他の物理的性質及
び形状を有することが好ましい。
【0087】上記処理済成形物としては、上記感光部用
成形物と同様に、転写ローラ、帯電ローラ、現像ローラ
等の上記ローラの抵抗体層;上記転写ベルト等が挙げら
れ、なかでも、上記転写ベルトが好適に用いられる。
【0088】本発明の押出成形用フッ素系組成物は、上
述のように、少なくとも一部がフッ素化された充填材
(a1)及び含フッ素熱可塑性樹脂(a2)を含有して
なるものであるので、得られる感光部用成形物は、上記
体積抵抗率の各比(R1/R2)、(R1′/R2′)
及び(R1/R2′)が10未満である程度にまで、体
積抵抗率の通電による経時的変化が抑制される。本発明
の感光部用成形物製造方法及び処理済成形物製造方法に
よっても、同様の効果を得ることができる。これらの本
発明がこのように有利な効果を奏する機構としては、明
確ではないが、以下のように考えられる。
【0089】即ち、従来の画像形成装置の感光部におけ
る転写ベルト等の成形物は、使用するにつれてトナーの
移行量が減少し、得られる画像の質が次第に悪化するも
のであった。この現象の原因は、使用時の通電により上
記成形物の体積抵抗率が変化することにあるとされてい
た。しかしながら、上記成形物の表面には凹凸があり、
凸部が存在するので、抵抗測定時において上記成形物と
抵抗測定装置との接触面積が見かけよりも実際には少な
いと考えられることから、体積抵抗率の変化量よりも、
上記成形物表面の接触抵抗の変化の方が大きいと考えら
れる。
【0090】従って、本発明は、上記成形物表面の接触
抵抗を低くすることにより、上記成形物全体の電気抵抗
安定性を向上させたものである。接触抵抗を低くするた
めには、上記成形物の表面を上記表面粗度(Rz)が
0.5μm以下となるように平滑化するとよい。表面平
滑化の方法としては、例えば、低融点樹脂を使用するこ
とにより押出成形時の流れ性を向上させる方法、成形温
度を高くする方法、上記成形体表面を機械的手段により
平滑化する方法等が挙げられる。上述した本発明は、こ
れらの表面平滑化の方法を具現化したものである。
【0091】本発明により得られる上記感光部用成形物
及び上記処理済成形物は、このように電気抵抗安定性が
向上されたものであり、画像形成装置の感光部における
成形物として用いる場合、使用による画像への悪影響を
低減することができる。従って、上記感光部用成形物及
び上記処理済成形物は、上記転写ベルト;転写ローラ、
帯電ローラ、現像ローラ等の上記ローラの抵抗体層等に
好適に用いられ、上記転写ベルトが特に好適である。
【0092】上記押出成形用フッ素系組成物を用いて成
形されたことを特徴とする感光部用成形物も本発明の一
つである。上記処理済成形物製造方法を用いて製造され
たことを特徴とする処理済成形物も、また、本発明の一
つである。
【0093】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1 (押出成形用フッ素系組成物及びフィルムの作成)カー
ボンブラック(商品名:デンカブラック、電気化学工業
社製。平均粒子径0.04μm)を400℃でフッ素ガ
スと接触させてフッ素化したF/Cが0.1のフッ素化
カーボンブラック14部と、ETFE(ET:TFEの
モル比は48:52、融点251℃)86部をミキサー
を用いて混合し、二軸押出し機(商品名:ラボプラスト
ミル、東洋精機社製)を用いて300℃で溶融混練して
押し出し、ペレットを得た。このペレットについて、剪
断速度45.6s−1、温度290℃のときの溶融粘度
をキャピログラフPMD−C(商品名、東洋精機製作所
社製)を用いて測定したところ、3.9×10poi
seであった。このペレットを単軸押出成形機(30φ
二軸押出機、田辺プラスチック社製)を用いて300℃
でフィルム状に溶融押出しし、厚さ150μmのフィル
ムを作成した。
【0094】(評価)得られたフィルムについて、次の
物性を測定した。 1.体積抵抗率 得られたフィルムに対し、印加電圧を5000V/mm
にして1時間通電する第1の通電を行い、上記第1の通
電の後の体積抵抗率(R2)及び上記第1の通電の前の
体積抵抗率(R1)を測定し、次いで上記特定試験を行
った後、印加電圧を5000V/mmにして1時間通電
する第2の通電を行い、上記第2の通電の後の体積抵抗
率(R2′)及び上記第2の通電の前の体積抵抗率(R
1′)を測定した。体積抵抗率は、JIS K 691
1に準拠し、厚さが0.1〜0.2mmであるシートを
抵抗測定セル(レジスティビティ・チャンバR1270
2A)及び抵抗計(デジタル超高抵抗計R8340A、
何れもアドバンテスト社製)を用いて測定した。
【0095】2.表面粗度(Rz) 表面粗度測定器(商品名:Surfcom470A、東
京精密社製)を用い、触針先端2μmRのダイヤモンド
ピックアップによりサンプルの表面2.5mmをピック
アップ速度0.3mm/秒で自動測定した。
【0096】3.引張強度 ASTM D 638に従い、測定した。
【0097】(評価結果)体積抵抗率は、R1が8.2
×1010Ω・cm、R2が9.8×10Ω・cm、
R1′が1.4×1010Ω・cm、R2′が9.4×
10Ω・cmであり、従って、比(R1/R2)は
8.4、比(R1′/R2′)は1.5、比(R1/R
2′)は8.7であった。表面粗度(Rz)は、0.4
7μmであった。25℃における引張強度は、530k
g/cmであった。
【0098】比較例1 ETFEとして融点が267℃のものを用いること以外
は実施例1と同様にして押出成形用組成物及びフィルム
を作成し、評価した。体積抵抗率は、R1が8.5×1
11Ω・cm、R2が9.5×1010Ω・cm、R
1′が5.5×10Ω・cm、R2′が2.0×10
Ω・cmであり、従って、比(R1/R2)は8.
9、比(R1′/R2′)は2.8、比(R1/R
2′)は4250.0であった。表面粗度(Rz)は
1.20μmであった。
【0099】実施例2 比較例1で得られたフィルムを0.5m/分、10k
g/cmの条件下に5分間バフで研磨した。体積抵抗
率は、R1が3.0×1010Ω・cm、R2が1.1
×1010Ω・cm、R1′が1.5×1010Ω・c
m、R2′が9.8×10Ω・cmであり、従って、
比(R1/R2)は2.7、比(R1′/R2′)は
1.5、比(R1/R2′)は3.1であった。表面粗
度(Rz)は0.28μmであった。
【0100】実施例1及び比較例1から、表面粗度(R
z)が0.5μmを超える比較例では体積抵抗率の通電
による経時的変化が大きく、上述の式(C)を充足しな
いのに対し、本発明の範囲内にある押出成形用フッ素系
組成物を用いた実施例1では、表面粗度(Rz)が0.
5μm以下であり、体積抵抗率の通電による経時的変化
が低減され、上述の式(A)、式(B)及び式(C)の
何れをも充足することがわかった。また、実施例2か
ら、機械的手段を用いることによっても実施例1と同等
の効果が得られることがわかった。
【0101】
【発明の効果】本発明の押出成形用フッ素系組成物は、
上述の構成よりなるので、得られる成形物の表面粗度
(Rz)を低くすることにより、体積抵抗率の通電によ
る経時変化を抑えることができ、トナーの移行量の減少
による画像の悪影響を防止することができる。本発明の
感光部用成形物製造方法及び本発明の処理済成形物製造
方法は、このような有利な性質を有する成形物を得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 501 G03G 15/08 501C 501D 15/16 15/16 Fターム(参考) 2H071 BA42 BA43 DA06 DA08 DA09 2H077 AD06 FA00 FA01 FA13 FA22 FA25 GA03 2H200 FA02 FA18 FA19 FA20 GA41 GB50 HA02 HA28 HB12 HB22 HB43 HB45 HB46 HB47 HB48 JA02 JA23 JA25 JA26 JA27 JA28 JB06 JB10 JB45 JB46 JB47 JB48 LC02 LC03 LC09 MA03 MA04 MA14 MA17 MB01 MB04 MC03 MC06 MC10 MC15 MC18 NA03 NA09 4F071 AA15X AA26 AA27 AA84 AB03 AB13 AF15Y AF39Y AG24 AH16 BB06 BC03 BC16 4J002 BD141 BD151 DA036 FB076 FD116 GQ02

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充填材(a1)及び含フッ素熱可塑性樹
    脂(a2)を含有してなる押出成形用フッ素系組成物で
    あって、前記押出成形用フッ素系組成物は、画像形成装
    置の感光部における感光部用成形物を得るために用いら
    れるものであり、前記感光部用成形物は、少なくとも一
    部の表面において表面粗度(Rz)が0.5μm以下で
    あり、前記感光部用成形物は、印加電圧を5000V/
    mmにして1時間通電する第1の通電を行う場合におけ
    る前記第1の通電の後の体積抵抗率(R2)及び前記第
    1の通電の前の体積抵抗率(R1)、並びに、前記第1
    の通電の後に特定試験を行った後、更に、印加電圧を5
    000V/mmにして1時間通電する第2の通電を行う
    場合における前記第2の通電の後の体積抵抗率(R
    2′)及び前記第2の通電の前の体積抵抗率(R1′)
    について、前記R1と前記R2との比(R1/R2)、
    前記R1′と前記R2′との比(R1′/R2′)、並
    びに、前記R1と前記R2′との比(R1/R2′)が
    下記式(A)、下記式(B)及び下記式(C)を満たす
    ものであることを特徴とする押出成形用フッ素系組成
    物。 0.1<(R1/R2)<10 (A) 0.1<(R1′/R2′)<10 (B) 0.1<(R1/R2′)<10 (C)
  2. 【請求項2】 充填材(a1)は、少なくとも一部がフ
    ッ素化されたものである請求項1記載の押出成形用フッ
    素系組成物。
  3. 【請求項3】 感光部用成形物は、画像形成装置の感光
    部の転写ベルトである請求項1又は2記載の押出成形用
    フッ素系組成物。
  4. 【請求項4】 体積抵抗率は、印加電圧が5000V/
    mmである場合において10〜1013Ω・cmであ
    る請求項1、2又は3記載の押出成形用フッ素系組成
    物。
  5. 【請求項5】 含フッ素熱可塑性樹脂(a2)は、融点
    が260℃以下である請求項1、2、3又は4記載の押
    出成形用フッ素系組成物。
  6. 【請求項6】 充填材(a1)は、フッ素化されたカー
    ボンブラックであって、分子中の炭素原子数とフッ素原
    子数との比(F/C)が0.05以上であり、1.0未
    満である請求項1、2、3、4又は5記載の押出成形用
    フッ素系組成物。
  7. 【請求項7】 充填材(a1)は、前記充填材(a1)
    及び含フッ素熱可塑性樹脂(a2)の合計量の1〜20
    質量%である請求項1、2、3、4、5又は6記載の押
    出成形用フッ素系組成物。
  8. 【請求項8】 含フッ素熱可塑性樹脂(a2)は、分子
    中に水素原子を有するものである請求項1、2、3、
    4、5、6又は7記載の押出成形用フッ素系組成物。
  9. 【請求項9】 融点以上であり、前記融点より50℃高
    い温度以下である温度において、剪断速度が45.6s
    −1である場合における溶融粘度が8×10pois
    e以下である請求項1、2、3、4、5、6、7又は8
    記載の押出成形用フッ素系組成物。
  10. 【請求項10】 含フッ素熱可塑性樹脂(a2)は、エ
    チレン/テトラフルオロエチレン系共重合体又はビニリ
    デンフルオライド系重合体である請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8又は9記載の押出成形用フッ素系組
    成物。
  11. 【請求項11】 感光部用成形物は、25℃における引
    張強度が400kg/cm以上である請求項1、2、
    3、4、5、6、7、8、9又は10記載の押出成形用
    フッ素系組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10又は11記載の押出成形用フッ素系組成物
    を用いて成形されたことを特徴とする感光部用成形物。
  13. 【請求項13】 画像形成装置の感光部の転写ベルトで
    ある請求項12記載の感光部用成形物。
  14. 【請求項14】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10又は11記載の押出成形用フッ素系組成物
    を用いて成形することよりなる感光部用成形物を製造す
    るための感光部用成形物製造方法であって、前記成形
    は、含フッ素熱可塑性樹脂(a2)の融点よりも40℃
    高い温度以上であり、前記含フッ素熱可塑性樹脂(a
    2)の分解温度未満である温度で行うものであることを
    特徴とする感光部用成形物製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10又は11記載の押出成形用フッ素系組成物
    を用いて成形することよりなる感光部用成形物を製造す
    るための感光部用成形物製造方法であって、前記成形
    は、剪断速度が45.6s−1である場合における溶融
    粘度が8×10 poise以下となる温度で行うもの
    であることを特徴とする感光部用成形物製造方法。
  16. 【請求項16】 押出成形用フッ素系組成物を製造する
    ために用いられる含フッ素熱可塑性樹脂であって、前記
    押出成形用フッ素系組成物は、画像形成装置の感光部に
    おける感光部用成形物を得るために用いられるものであ
    り、前記感光部用成形物は、少なくとも一部の表面にお
    いて表面粗度(Rz)が0.5μm以下であり、前記感
    光部用成形物は、印加電圧を5000V/mmにして1
    時間通電する第1の通電を行う場合における前記第1の
    通電の後の体積抵抗率(R2)及び前記第1の通電の前
    の体積抵抗率(R1)、並びに、前記第1の通電の後に
    特定試験を行った後、更に、印加電圧を5000V/m
    mにして1時間通電する第2の通電を行う場合における
    前記第2の通電の後の体積抵抗率(R2′)及び前記第
    2の通電の前の体積抵抗率(R1′)について、前記R
    1と前記R2との比(R1/R2)、前記R1′と前記
    R2′との比(R1′/R2′)、並びに、前記R1と
    前記R2′との比(R1/R2′)が下記式(A)、下
    記式(B)及び下記式(C)を満たすものであることを
    特徴とする押出成形用フッ素系組成物。 0.1<(R1/R2)<10 (A) 0.1<(R1′/R2′)<10 (B) 0.1<(R1/R2′)<10 (C)
  17. 【請求項17】 押出成形用フッ素系組成物は、更に、
    充填材(a1)を含有するものであり、充填材(a1)
    は、少なくとも一部がフッ素化されたものである請求項
    16記載の含フッ素熱可塑性樹脂。
  18. 【請求項18】 充填材(a1)及び含フッ素熱可塑性
    樹脂(a2′)を含有してなるフッ素系押出成形用組成
    物を用いて成形し、その後機械的手段を用いることより
    なる処理済成形物を製造するための処理済成形物製造方
    法であって、前記処理済成形物は、画像形成装置の感光
    部におけるものであり、前記処理済成形物は、少なくと
    も一部の表面において表面粗度(Rz)が0.5μm以
    下であり、前記処理済成形物は、印加電圧を5000V
    /mmにして1時間通電する第1の通電を行う場合にお
    ける前記第1の通電の後の体積抵抗率(R2)及び前記
    第1の通電の前の体積抵抗率(R1)、並びに、前記第
    1の通電の後に特定試験を行った後、更に、印加電圧を
    5000V/mmにして1時間通電する第2の通電を行
    う場合における前記第2の通電の後の体積抵抗率(R
    2′)及び前記第2の通電の前の体積抵抗率(R1′)
    について、前記R1と前記R2との比(R1/R2)、
    前記R1′と前記R2′との比(R1′/R2′)、並
    びに、前記R1と前記R2′との比(R1/R2′)が
    下記式(A)、下記式(B)及び下記式(C)を満たす
    ものであることを特徴とする処理済成形物製造方法。 0.1<(R1/R2)<10 (A) 0.1<(R1′/R2′)<10 (B) 0.1<(R1/R2′)<10 (C)
  19. 【請求項19】 充填材(a1)は、少なくとも一部が
    フッ素化されたものである請求項18記載の処理済成形
    物製造方法。
  20. 【請求項20】 機械的手段は、バフ研磨である請求項
    18又は19記載の処理済成形物製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項18、19又は20記載の処理
    済成形物製造方法を用いて製造されたことを特徴とする
    処理済成形物。
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