JP2001117385A - 中間転写ベルト、その製造方法及び画像形成装置 - Google Patents

中間転写ベルト、その製造方法及び画像形成装置

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JP2001117385A JP2000222533A JP2000222533A JP2001117385A JP 2001117385 A JP2001117385 A JP 2001117385A JP 2000222533 A JP2000222533 A JP 2000222533A JP 2000222533 A JP2000222533 A JP 2000222533A JP 2001117385 A JP2001117385 A JP 2001117385A
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    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/25Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C48/36Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die
    • B29C48/395Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die using screws surrounded by a cooperating barrel, e.g. single screw extruders
    • B29C48/40Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die using screws surrounded by a cooperating barrel, e.g. single screw extruders using two or more parallel screws or at least two parallel non-intermeshing screws, e.g. twin screw extruders

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性ポリブチレンテレフタレートが有す
る繰返し曲げ疲労耐久性や耐衝撃性と熱可塑性ポリカー
ボネートが有する成形性や永久変形残留歪み性を兼ね備
えた中間転写ベルト、その製造方法、およびそのような
中間転写ベルトを装着した画像形成装置を提供するこ
と。 【解決手段】 熱可塑性ポリブチレンテレフタレート
(X)および熱可塑性ポリカーボネート(Y)からなるベ
ース樹脂成分(X+Y)と、導電性フィラー(β)と、エ
ポキシ基含有オレフィン共重合体部分により形成された
連続相中にビニル系(共)重合体部分の分散相を形成し
てなるグラフト共重合体(Z)とからなり、5×106〜1×
1011Ω・cmの体積抵抗値を有することを特徴とする中間
転写ベルト、その製造方法およびその中間転写ベルトを
装着した画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ーなどの電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装
置において、像保持体表面に形成したトナー像を、紙な
どの記録媒体へと転写する前に一旦自己の表面に転写保
持し、これを上記記録媒体へと転写する中間転写ベル
ト、その製造法及び該中間転写ベルトを用いた画像形成
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置や静電記録装置における中
間転写ベルトとしては、例えば、導電性カーボンを5〜2
0重量部配合したポリカーボネートで継ぎ目の無い半導
電性べルトが知られている(特許第2592000号)。しか
し、中間転写部材の膜厚は通常0.1〜0.2mmで、この膜厚
に成膜しようとしても、ポリカーボネートの配向性によ
り押出方向に縦割れが生じてしまうので、そのような成
膜加工ができない。たとえそのような加工が出来ても、
中間転写部材は数本のローラを介して回転駆動し繰返し
曲げ疲労を受けているので、直ぐに端部より割れが生じ
る。
【0003】中間転写ベルトとして、熱可塑性ポリカー
ボネート、熱可塑性ポリアルキレンテレフタレートおよ
びカーボンブラックから形成されたシームレスベルトが
知られている。熱可塑性ポリブチレンテレフタレートと
熱可塑性ポリカーボネートの組成比が前者70重量%で後
者30重量%から形成された樹脂組成物は商品名「H730
0」(帝人社製)としてまた商品名「ペバックス」(東レ
社製)等として販売されている。また、高分子学会編
集、「ポリマーアロイ」、井上隆・市原祥次共著、共立
出版(1988年初版発行)等にも記載されている。
【0004】また、適切な導電性を有し、耐久性に優
れ、かつ真円度の高い性能を引き出すことのできるシー
ムレスベルトとして、熱可塑性ポリアルキレンテレフタ
レート60〜95重量%、熱可塑性芳香族ポリカーボネート
40〜5重量%、および熱可塑性ポリアルキレンテレフタ
レートと熱可塑性芳香族ポリカーボネートの合計量100
重量部に対してカーボンブラック5〜25重量部配合して
形成されたものが知られている(特許第2845059号)。
【0005】上記と同じ様な材料成分で熱可塑性芳香族
ポリカーボネート60〜95重量%、熱可塑性ポリアルキレ
ンテレフタレート40〜5重量%、および熱可塑性芳香族
ポリカーボネートと熱可塑性ポリアルキレンテレフタレ
ートとの合計量100重量部に対してアセチレンカーボン
ブラック10〜25重量部配合して形成された中間転写べル
ト用シームレスチューブが知られている(特開平4-3137
57号公報)。更に、難燃剤や表面平滑化剤を添加された
技術も知られている(特開平5-117517号公報、特開平6-
93175号公報)。
【0006】熱可塑性ポリアルキレンテレフタレートと
熱可塑性ポリカーボネートと導電性フィラーからなる中
間転写ベルトは、熱可塑性ポリアルキレンテレフタレー
トと熱可塑性ポリカーボネートの化学構造が双方エステ
ル基を有しているため溶融混合するとエステル交換を起
こし易く、また導電フィラーを均一分散するためには強
せん断熱加工を行う方が有利であることからエステル交
換反応を生じてランダム共重合体化するため、中間転写
ベルトの表面粗度が荒れたり、繰返し曲げ疲労性が極端
に低下する。
【0007】熱可塑性ポリアルキレンテレフタレートと
熱可塑性芳香族ポリカーボネートを配合して形成された
中間転写ベルトは、ポリアルキレンテレフタレートと熱
可塑性芳香族ポリカーボネートとの間で生じるエステル
交換反応により、樹脂混練時から成膜加工時に到る熱加
工間で樹脂分解が進行し、更にはカーボンブラックを添
加配合していることによって生じる動的機械特性、特に
繰返し曲げ疲労性や永久変形残留歪み性の低下を加速さ
せる結果となる。
【0008】特に、熱可塑性ポリアルキレンテレフタレ
ートのうち、工業的な熱可塑性ポリブチレンテレフタレ
ートは一般的にチタン系触媒が残存することが多いので
他の熱可塑性ポリアルキレンテレフタレートに比べエス
テル交換が起こる可能性が大きい。
【0009】また、熱可塑性ポリブチレンテレフタレー
トは繰返し曲げ疲労耐久性や耐衝撃性に優れるという特
徴があるが熱可塑性ポリカーボネートと配合することに
よりエステル交換によってその特徴は損なわれ易い問題
があった。
【0010】一方、熱可塑性ポリカーボネートは成形性
や永久変形残留歪み性に優れるという特徴があるが熱可
塑性ポリブチレンテレフタレートと配合する際、熱可塑
性ポリカーボネート配合比率が高いと熱可塑性ポリカー
ボネートが組織構造において連続相になり熱可塑性ポリ
ブチレンテレフタレートが分散相になるため成膜加工時
に割れ易く、シームレスベルトになったとしても電子写
真装置や静電記録装置に装着し駆動した時早い時期に割
れが生じ、中間転写ベルトとして機能しないという問題
があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱可塑性ポ
リブチレンテレフタレートが有する繰返し曲げ疲労耐久
性や耐衝撃性と熱可塑性ポリカーボネートが有する成形
性や永久変形残留歪み性を兼ね備えた中間転写ベルトを
提供することを目的とする。
【0012】また、本発明は高温高湿下においても上記
特性が維持される中間転写ベルトを提供することを目的
とする。
【0013】さらに、本発明は上記特性を有する中間転
写ベルトの製造方法、およびそのような中間転写ベルト
を装着した画像形成装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性ポリ
ブチレンテレフタレート(X)および熱可塑性ポリカー
ボネート(Y)からなるベース樹脂成分(X+Y)と、導電
性フィラー(β)と、エポキシ基含有オレフィン共重合
体部分により形成された連続相中にビニル系(共)重合
体部分の分散相を形成してなるグラフト共重合体(Z)
とからなり、5×106〜1×1011Ω・cmの体積抵抗値を有す
ることを特徴とする中間転写ベルト、その製造方法およ
びその中間転写ベルトを装着した画像形成装置に関す
る。
【0015】本発明に係る中間転写ベルト(以下、中間
転写部材ともいう)は、中間転写方式の画像形成装置に
用いられる中間転写ベルト、特にシームレスベルトに適
している。本発明に係る中間転写ベルトは、現像装置に
単色トナーのみを持つモノカラー画像形成装置、Y(イ
エロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)およびB(ブ
ラック)の各色の現像器ごとに像担持体上での現像及び
トナー像の中間転写ベルトへの一次転写を行うカラー画
像形成装置、直列に配置された各色の画像形成ユニット
ごとにトナー像の中間転写ベルトへの一次転写を行うタ
ンデム方式のカラー画像形成装置などに適用することが
できる。また、像担持体は静電潜像を現像して画像を保
持する感光体や、直接画像を作像して保持するものでも
良い。画像を保持する担持体なら良く、感光体に限らな
い。
【0016】図1、図2および図3に中間転写方式の画
像形成装置の概略部分構成図を示す。図1において1は
像担持体としての感光体、4が中間転写ベルトである。
感光体の周囲には、通常、帯電器、感光体上に静電潜像
を形成するための露光光学系、トナーを収容する現像
器、残留トナーを除去するクリーナー等が配置されてい
るが、図1においては簡略化のため感光体1を帯電させ
るための帯電器2、感光体1上に形成された静電潜像を
トナー現像するための現像器3のみを図示している。
【0017】中間転写ベルト4は転写・搬送ローラー
6、6’および搬送ローラ6”に掛け渡され、矢印方向
に回転する感光体1と同調して矢印方向に回転するよう
になっている。
【0018】図1に示すような中間転写方式を有する画
像形成装置においては、まず矢印方向に回転する感光体
1の表面を帯電器2により一様に帯電し、図示しない露
光光学系により画像に対応する静電潜像を形成する。静
電潜像は現像器3でトナー像に現像される。このトナー
像は転写・搬送ローラー6’により中間転写ベルト4に
静電的に転写(一次転写)される。そして中間転写ベル
ト4上に形成されたトナー像は、搬送・転写ローラー6
と押圧ローラー7の間で記録紙5に転写(二次転写)す
るようになっている。
【0019】このような中間転写方式を有する画像形成
装置においては中間転写ベルト4は、図1に示されてい
るように数本のローラー6、6’および6”を介して感
光体1に接し、かつ40〜60Nのテンション力により張ら
れた状態になっている。また、中間転写ベルト4は、例
えば感光体からトナーを一次転写させるために適した周
速、例えば80〜150mm/sで回転させられている。その
際、数本のローラー6、6’および6”のローラー径と
中間転写ベルト4の巻き付け角度により繰返し曲げ疲労
ストレスを受け、中間転写ベルト4の設定寿命に満たず
割れ破壊に至ることがある。本発明の中間転写ベルトは
このような繰返し曲げ疲労ストレスに強い。
【0020】また、図2に示すような中間転写方式を有
する画像形成装置においては、各色の現像器ごとに現像
および一次転写を行う。詳しくは、中間転写ベルト11
は、例えば現像ユニットをY(イエロー)現像器10a、
M(マゼンタ)現像器10b、C(シアン)現像器10c、B
(ブラック)現像器10dと順次回転させ感光体8にトナ
ー像を現像しながら逐次4回送りで一次転写ローラ13に
より一次転写させられ、中間転写ベルト11上に形成され
た4色トナー像は二次転写ローラー14と押圧ローラー15
の間で記録紙12に転写するようになっている。感光体8
は表面を帯電器9により一様に帯電され、図示しない露
光光学系により画像に対応する静電潜像を形成され、現
像された後、図示しないクリーナ等により残留トナーを
除去されるようになっている。
【0021】このような画像形成装置において中間転写
ベルト11は、数本のローラー13、15、16等を介して感光
体8に接し、かつ40〜60Nのテンションにより張られた
状態になっている。また、中間転写ベルト11は、一次転
写に適した周速、例えば80〜150mm/sで回転させられる
と共に数本のローラーのローラー径と中間転写ベルト11
の巻き付け角度により繰返し曲げ疲労ストレスを受け、
中間転写ベルト11の設定寿命に満たずに割れ破壊に至る
ことがある。本発明の中間転写ベルトはこのような繰返
し曲げ疲労ストレスに強い。
【0022】更に、図3に示すような中間転写方式を有
する画像形成装置においては、直列に配置された画像形
成ユニットごとに各色の現像および一次転写を行う。詳
しくは、中間転写ベルト28は例えば、Y(イエロー)用
感光体17、M(マゼンタ)用感光体22、C(シアン)用
感光体23、B(ブラック)用感光体24の順で各感光体上
のトナー像を1回送りで各一次転写ローラ21により一次
転写させられ、中間転写ベルト28上に形成された4色ト
ナー像は二次転写ローラ25と押圧ローラ26の間で記録紙
27に転写するようになっている。各現像器(例えば、2
0)において感光体17は表面を帯電器19により一様に帯
電され、露光器18により画像に対応する静電潜像を形成
され、現像された後、図示しないクリーナ等により残留
トナーを除去されるようになっている。
【0023】このような画像形成装置において中間転写
ベルト28は、数本のローラー26、29等を介して、Y(イ
エロー)用感光体17、M(マゼンタ)用感光体22、C
(シアン)用感光体23、B(ブラック)用感光体24とそ
れぞれの一次転写ローラー21とを対面に一列に配したユ
ニットにおいて各感光体と接し、かつ40〜60Nのテンシ
ョン力により張られた状態になっている。また、中間転
写ベルト28は、1回送りで4色のトナー像を一次転写さ
せるために適した周速、例えば80〜150mm/sで回転させ
られる。中間転写ベルト28は、数本のローラーのローラ
ー径と中間転写ベルト28の巻き付け角度により繰返し曲
げ疲労ストレスを受け、中間転写ベルト28の設定寿命に
満たずに割れ破壊に至ることがある。本発明の中間転写
ベルトはこのような繰返し曲げ疲労ストレスに強い。
【0024】本発明の中間転写ベルトは、基本的には、
熱可塑性ポリブチレンテレフタレート(X)、熱可塑性
ポリカーボネート(Y)、グラフト共重合体(Z)および
導電性フィラー(β)から形成されている。
【0025】本発明で使用する熱可塑性ポリブチレンテ
レフタレートは、熱可塑性ポリカーボネートと相溶化さ
せる必要があることから240℃でのせん断速度175.3(1/
sec)で1000Pa・sの中粘度グレードから1800Pa・sの高
粘度グレードのものが望ましい。なお、本発明において
は、粘度はインストロン万能試験機1175を使い、キャ
ピラリー溶融粘度法で、キャピラリー径φ1.51mm、L/
D=26で行なった。
【0026】また、熱可塑性ポリブチレンテレフタレー
トが連続相になることから繰返し曲げ疲労を受けた時発
生した亀裂を止める目的で、熱可塑性オレフィン系エラ
ストマー、熱可塑性アミド系エラストマー、熱可塑性ポ
リウレタン、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴ
ム、スチレン・ブタジエンゴム、ポリエーテルエステル
系ブロックポリマー、熱可塑性アクリロニトリル・ブタ
ジエン・スチレン共重合樹脂、シリコーン、アクリル複
合ゴム等の一種または混合物なるエラストマーを内添し
ているものが好ましい。その場合、エラストマーの配合
量はポリブチレンテレフタレート+エラストマーの合計
量に対して10重量%以下、好ましくは5重量%以下とす
ることがよい。10重量%を超えると、永久変形残留歪み
性を大きく損なう。
【0027】本発明で使用する熱可塑性ポリカーボネー
トは4,4−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパ
ン(通称ビスフェノール)をはじめとする4,4−ジヒ
ドロキシジアリールアルカン系ポリカーボネートであ
る。その中でも特に4,4−ジヒドロキシジフェニル−
2,2−プロパンのポリカーボネートで数平均分子量15
000〜80000のものが好ましい。さらに好ましくは、熱可
塑性ポリブチレンテレフタレートと相溶化させることか
ら240℃でのせん断速度175.3(1/sec)で2900Pa・s低粘
度グレード〜3700Pa・sの中粘度グレードが望ましい。熱
可塑性ポリカーボネートが3700Pa・sより高い粘度を有す
るもの、例えば5500Pa・s以上の高粘度のものでも、熱可
塑性ポリブチレンテレフタレート(X)の溶融粘度ζと
熱可塑性ポリカーボネート(Y)の溶融粘度ηが240℃〜
260℃範囲において0.1≦ζ/η≦1.0の関係を満たすの
であれば使用することができる。熱可塑性ポリカーボネ
ートの溶融粘度が高いために240℃〜260℃範囲において
0.1≦ζ/η≦1.0の範囲に合わせる方策として、ポリメ
チルメタクリレート(PMMA)、高密度ポリエチレン(HD
PE)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
樹脂(ABS)等を事前に熱可塑性ポリカーボネートと相
溶化させて使用しても良い。
【0028】熱可塑性ポリブチレンテレフタレート
(X)と熱可塑性ポリカーボネート(Y)との使用量は、
熱可塑性ポリブチレンテレフタレート(X)および熱可
塑性ポリカーボネート(Y)からなるベース樹脂成分(X
+Y)に対して、Xが30〜80重量%、Yが70〜20重量%、
好ましくはXが40〜80重量%、Yが60〜20重量%、より
好ましくはXが50〜80重量%、Yが50〜20重量%、さら
に好ましくはXが51〜70重量%、Yが30〜49重量%が望
ましい。熱可塑性ポリブチレンテレフタレートにエラス
トマーを添加して使用する場合は、それらの合計量をX
として計算するものとする。熱可塑性ポリカーボネート
についても同様で、溶融粘度を調整するために上記PMMA
等を添加するときはそれらの合計量をYとして計算する
ものとする。
【0029】グラフト共重合体(Z)の一方の重合体部
分を構成するエポキシ基含有オレフィン共重合体とは、
一つには高圧ラジカル重合によるオレフィンと不飽和グ
リシジル基含有単量体との2元共重合体またはオレフィ
ンと不飽和グリシジル基含有単量体および他の不飽和単
量体との3元または多元の共重合体である。上記共重合
体のオレフィンとしては特にエチレンが好ましく、グリ
シジル基含有単量体としてはメタクリル酸グリシジルが
好ましい。エポキシ基含有オレフィン共重合体における
オレフィン(エチレン)とグリシジル基含有単量体(メ
タクリル酸グリシジル)との比率は、オレフィン5〜70
重量%、グリシジル基含有単量体95〜30重量%、好まし
くはオレフィン5〜55重量%、グリシジル基含有単量体9
5〜45重量%、より好ましくはオレフィン40〜55重量%と
グリシジル基含有単量体60〜45重量%である。また、エ
ポキシ基含有エチレン共重合体に所望により他の不飽和
単量体を添加しても良く、この場合エチレン+グリシジ
ル基含有単量体の合計量に対して0〜39.5重量%の不飽
和単量体を用いて得られた共重合体が好ましい。
【0030】上記不飽和グリシジル基含有単量体として
は、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、
イタコン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボ
ン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸ジ
グリシジルエステルおよびブテントリカルボン酸トリグ
リシジルエステル、α−クロロアクリル酸、マレイン
酸、クロトン酸、フマル酸などのグリシジルエステル
類、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエー
テル、グリシジルオキシエチルビニルエーテル、スチレ
ン−p−グリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル
類およびp−グリシジルスチレンなどが挙げられるが、
好ましいものとしてメタクリル酸グリシジル、アクリル
グリシジルエーテル、より好ましくはメタクリル酸グリ
シジルを挙げることができる。
【0031】他の不飽和単量体としては、ビニルエステ
ル類、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、ビニルエ
ーテル類、アクリル酸アミド系化合物、スチレン、塩化
ビニルおよびそれらの誘導体などから選択された少なく
とも1種の単量体で、具体的には酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ビニルベンゾエートなどのビニルエステル
類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸およびメタ
クリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エ
チルヘキシル、シクロヘキシル、ドデシル、オクタデシ
ルなどのエステル類、マレイン酸、マレイン酸無水物、
イタコン酸、フマル酸およびマレイン酸のモノエステル
およびジエステル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテルなどのビニルエーテル類、およびアクリル酸
アミド系化合物が挙げられるが、特にアクリル酸エステ
ルが好ましい。
【0032】上記エポキシ基含有オレフィン共重合体の
具体例としては、エチレン/メタクリル酸グリシジル共
重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジ
ル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル/メタクリル
酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジ
ル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/アクリル酸グリシ
ジル共重合体などが挙げられる。中でも好ましいものは
エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン
/アクリル酸エチル/メタクリル酸グリシジル共重合体
もしくはエチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジ
ル共重合体、特にエチレン/メタクリル酸グリシジル共
重合体である。これらのエポキシ基含有オレフィン共重
合体は混合しても使用できる。
【0033】高圧ラジカル重合によるエポキシ基含有オ
レフィン共重合体の製造法は前記のエチレンと、1種以
上の不飽和グリシジル基含有単量体(好ましくはメタク
リル酸グリシジル)と、所望により他の不飽和単量体と
を、それらの全単量体の総重量に基づいて0.0001〜1重
量%のラジカル重合開始剤の存在下で重合圧力50〜400M
Pa、好ましくは100〜300MPa、反応温度50〜400℃、好ま
しくは100〜350℃の条件下、連鎖移動剤、必要に応じて
助剤の存在下に槽型または管型反応器内で同時に、ある
いは段階的に接触、重合させる方法である。上記ラジカ
ル重合開始剤としてはペルオキシド、ヒドロペルオキシ
ド、アゾ化合物、アミンオキシド化合物、酸素などの通
例の開始剤が挙げられる。
【0034】また連鎖移動剤としては水素、プロピレ
ン、ブテン−1、C1〜C20またはそれ以上の飽和脂肪
族炭化水素、脂環式炭化水素およびハロゲン置換炭化水
素、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブ
タン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロパラフィン
類、クロロホルムおよび四塩化炭素、C1〜C20または
それ以上の飽和脂肪族アルコール、例えばメタノール、
エタノール、プロパノールおよびイソプロパノール、C
1〜C20またはそれ以上の飽和脂肪族カルボニル化合
物、例えば二酸化炭素、アセトンおよびメチルエチルケ
トンならびに芳香族化合物、例えばトルエン、ジエチル
ベンゼンおよびキシレンのような化合物などが挙げられ
る。
【0035】エポキシ基含有オレフィン共重合体に使用
可能なオレフィン単量体としては、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−
1、デセン−1、オクテン−1などが挙げられ、好まし
いものとしてエチレンを挙げることができる。上記オレ
フィンは単独でまたは2種以上混合して使用可能であ
る。
【0036】エポキシ基含有オレフィン共重合体は、例
えばエチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、商品
名「レクスパールRA」(日本オレフィン社製)等として
入手可能である。
【0037】グラフト共重合体(Z)の他方の重合体部
分を構成するビニル系(共)重合体とは、具体的にはア
ルキルメタクリレート、アルキルアクリレート、ビニル
芳香族単量体、(メタ)アクリロニトリル単量体からな
る群から選択される1種または2種以上のモノマーを重
合してなる(共)重合体が挙げられる。ビニル芳香族単
量体としてはスチレン、核置換スチレン、例えばメチル
スチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプ
ロピルスチレン、クロルスチレン、α−置換スチレン、
例えばα−メチルスチレン、α−エチルスチレンなどが
挙げられる。好ましくは、アルキルメタクリレートおよ
びアルキルアクリレートからなる群、より好ましくはC
1〜C4アルキルメタクリレートおよびC1〜C4アル
キルアクリレートからなる群から選択される1またはそ
れ以上のモノマーを重合してなる(共)重合体が挙げら
れ、さらに好ましくはメチルメタクリレートとブチルア
クリレートとを共重合して得られるアクリル酸系重合体
部分からなるものである。そのようなアクリル酸系重合
体の中でも、30から100重量%のメチルメタクリレート
と70から0重量%のブチルアクリレートとを重合して得
られるアクリル酸系重合体が最も好ましい。なお、
「(共)重合体」と表現しているのは、単独重合体およ
び共重合体のいずれであってよいということを示すため
である。
【0038】グラフト共重合体(Z)は、エポキシ基含
有オレフィン共重合体部分を40〜90重量%、好ましくは
50〜80重量%含有するものである。従ってビニル系
(共)重合体部分を60〜10重量%、好ましくは50〜20重
量%含有することになる。エポキシ基含有オレフィン共
重合体部分が40重量%より小さいと繰返し曲げ疲労耐久
性効果が不充分であり表面粗度が荒れて好ましくない。
また、その含有量が90重量%を超えると転写ベルトの耐
熱性や寸法安定性を損なうので好ましくない。
【0039】グラフト共重合体(Z)中のビニル系
(共)重合体部分の数平均重合度は5〜10000、好ましく
は10〜5000の範囲である。数平均重合度が5未満である
と、転写ベルトの耐衝撃性を向上させることは可能であ
るが、耐熱性が低下するので好ましくない。また数平均
重合度が10000を超えると、溶融粘度が高くなり、成形
性が低下したり、表面光沢が低下するので好ましくな
い。
【0040】また、グラフト共重合体(Z)は、エポキ
シ基含有オレフィン共重合体部分とビニル系(共)重合
体とからなり、エポキシ基含有オレフィン共重合体部分
により形成された連続相中に他方の重合体部分が球状に
均一に分散して形成されている(以下、「多層構造」と
いう)。
【0041】分散しているビニル系(共)重合体の粒子
径は0.001〜10μm、好ましくは0.01〜5μmである。分散
樹脂粒子径が0.001μm未満の場合あるいは10μmを越え
る場合、熱可塑性ポリブチレンテレフタレートと熱可塑
性ポリカーボネートの相溶性が不充分となり、繰返し曲
げ疲労耐久性の低下や層状剥離が起こる。
【0042】本発明で使用するグラフト共重合体を製造
する際のグラフト化法は、一般に良く知られている連鎖
移動法、電離性放射線照射法などいずれの方法によって
もよいが、最も好ましいのは下記に示す方法によるもの
である。その理由はグラフト効率が高く、熱による二次
的凝集が起こらないため、性能の発現がより効果的であ
るためである。
【0043】すなわち、エポキシ基含有オレフィン共重
合体100重量部を水に懸濁させ、別に少なくとも1種の
ビニル単量体5〜400重量部に、下記一般式(a)または
(b)で表わされるラジカル(共)重合性有機過酸化物
の1種または2種以上の混合物を該ビニル単量体100重
量部に対して0.1〜10重量部と、10時間の半減期を得る
ための分解温度が40〜90℃であるラジカル重合開始剤を
ビニル単量体とラジカル(共)重合性有機過酸化物との
合計100重量部に対して0.01〜5重量部とを溶解させた溶
液を添加し、ラジカル重合開始剤の分解が実質的に起こ
らない条件で加熱し、ビニル単量体、ラジカル(共)重
合性有機過酸化物およびラジカル重合開始剤をエポキシ
基含有オレフィン共重合体に含浸させ、その含浸率が初
めの50重量%以上に達したとき、この水性懸濁液の温度
を上昇させ、ビニル単量体とラジカル(共)重合性有機
過酸化物とをエポキシ基含有オレフィン共重合体中で共
重合させて、グラフト化前駆体を得る。このグラフト化
前駆体を100〜300℃で溶融下、混練すれば本発明で用い
るグラフト共重合体が得られる。
【0044】したがって、このグラフト化前駆体を直接
ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリカーボネート樹
脂と共に溶融混合しても、結果的にグラフト化前駆体は
グラフト共重合体となる。なおグラフト化前駆体又はグ
ラフト共重合体の製造時に副生するビニル系(共)重合
体や未反応のエポキシ基含有オレフィン共重合体が含ま
れていてもかまわない。さらにグラフト化前駆体または
グラフト共重合体にビニル系(共)重合体やエポキシ基
含有オレフィン共重合体を混合したものでも使用でき
る。最も好ましいのは、グラフト共重合体を用いること
である。
【0045】本発明において必要なのは、最終的にグラ
フト共重合体が中間転写ベルト中に所定量含まれている
ことである。前記製造方法において、含浸率が50重量%
未満では、グラフト共重合体の構成部分として有効に寄
与するビニル系(共)重合体部分の割合が少なくなる。
なお、含浸率の測定方法は、反応容器からエポキシ基含
有オレフィン共重合体粒子(ペレット)を所定量取りだ
し、加熱残分を測定することによって、加熱前後の重量
差からその含浸率を求めることができる。
【0046】一般式(a)で表わされるラジカル(共)
重合性有機過酸化物とは、一般式:
【化1】 (式中、R1は水素原子または炭素数1〜2のアルキル
基、R2は水素原子またはメチル基、R3およびR4はそ
れぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、R5は炭素
数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェ
ニル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、
mは1または2である。)にて表わされる化合物であ
る。
【0047】また一般式(b)で表わされるラジカル
(共)重合性有機過酸化物とは、一般式:
【化2】 (式中、R6は水素原子または炭素数1〜4のアルキル
基、R7は水素原子またはメチル基、R8およびR9はそ
れぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、R10は炭素
数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェ
ニル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、
nは0、1または2である。)にて表わされる化合物で
ある。
【0048】一般式(a)で表わされるラジカル(共)
重合性有機過酸化物として、具体的には、t−ブチルペ
ルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート、t−ア
ミルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート、
t−ヘキシドペルオキシアクリロイロキシエチルカーボ
ネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキ
シアクリロイロキシエチルカーボネート、クミルペルオ
キシアクリロイロキシエチルカーボネート、p−イソプ
ロピルクミルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボ
ネート、t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチ
ルカーボネート、t−アミルペルオキシメタクリロイロ
キシエチルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシメタ
クリロイロキシエチルカーボネート、1,1,3,3−
テトラメチルブチルペルオキシメタクリロイロキシエチ
ルカーボネート、クミルペルオキシメタクリロイロキシ
エチルカーボネート、p−イソプロピルクミルペルオキ
シメタクリロイロキシエチルカーボネート、t−ブチル
ペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカーボネー
ト、t−アミルペルオキシアクリロイロキシエトキシエ
チルカーボネー、t−へキシルペルオキシアクリロイロ
キシエトキシエチルカーボネート、1,1,3,3−テ
トラメチルブチルペルオキシアクリロイロキシエトキシ
エチルカーボネート、クミルペルオキシアクリロイロキ
シエトキシエチルカーボネート、p−イソプロピルクミ
ルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカーボネ
ート、t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエトキ
シエチルカーボネート、t−アミルペルオキシメタクリ
ロイロキシエトキシエチルカーボネート、t−へキシル
ペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカーボネ
ート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ
メタクリロイロキシエトキシエチルカーボネート、クミ
ルペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカーボ
ネート、p−イソプロピルクミルペルオキシメタクリロ
イロキシエトキシエチルカーボネート、t−ブチルペル
オキシアクリロイロキシイソプロピルカーボネート、t
−アミルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカー
ボネート、t−へキシルペルオキシアクリロイロキシイ
ソプロピルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチ
ルブチルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカー
ボネート、クミルペルオキシアクリロイロキシイソプロ
ピルカーボネート、p−イソプロピルクミルペルオキシ
アクリロイロキシイソプロピルカーボネート、t−ブチ
ルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカーボネ
ート、t−アミルペルオキシメタクリロイロキシイソプ
ロピルカーボネート、t−へキシルペルオキシメタクリ
ロイロキシイソプロピルカーボネート、1,1,3,3
−テトラメチルブチルペルオキシメタクリロイロキシイ
ソプロピルカーボネート、クミルペルオキシメタクリロ
イロキシイソプロピルカーボネート、p−イソプロピル
クミルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカー
ボネートなどを例示することができる。
【0049】さらに、一般式(b)で表わされる化合物
としては、t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、
t−アミルペルオキシアリルカーボネート、t−ヘキシ
ルペルオキシアリルカーボネート、1,1,3,3−テ
トラメチルブチルペルオキシアリルカーボネート、p−
メンタンペルオキシアリルカーボネート、クミルペルオ
キシアリルカーボネート、t−ブチルペルオキシメタリ
ルカーボネート、t−アミルペルオキシメタリルカーボ
ネート、t−ヘキシルペルオキシメタリルカーボネー
ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシメ
タリルカーボネート、p−メンタンペルオキシメタリル
カーボネート、クミルペルオキシメタリルカーボネー
ト、t−ブチルペルオキシアリロキシエチルカーボネー
ト、t−アミルペルオキシアリロキシエチルカーボネー
ト、t−ヘキシルペルオキシアリロキシエチルカーボネ
ート、t−ブチルペルオキシメタリロキシエチルカーボ
ネート、t−アミルペルオキシメタクリロイロキシエチ
ルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキシアク
リロイロキシイソプロピルカーボネート、t−アミルペ
ルオキシアリロキシイソプロピルカーボネート、t−ヘ
キシルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボ
ネート、t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシイソ
プロピルカーボネート、t−アミルペルオキシメタクリ
ロイロキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキシルペ
ルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカーボネート
などを例示できる。
【0050】中でも好ましいものは、t−ブチルペルオ
キシアクリロイロキシエチルカーボネート、t−ブチル
ペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート、t
−ブチルペルオキシアリルカーボネート、t−ブチルペ
ルオキシメタリルカーボネートである。
【0051】グラフト共重合体(Z)は、例えば商品名
「モディパーA4200Mシリーズ、A4300Mシリーズ」(日本
油脂社製)として入手可能である。
【0052】グラフト共重合体(Z)の使用量は、熱可
塑性ポリブチレンテレフタレート(X)および熱可塑性
ポリカーボネート(Y)からなるベース樹脂成分(X+Y)
100重量部に対して1〜15重量部、好ましくは3〜10重量
部である。その使用量が1重量部より少ないと熱可塑性
ポリブチレンテレフタレートと熱可塑性ポリカーボネー
トとの相溶性が不充分となり、繰返し曲げ疲労耐久性が
低下する。また15重量部より多いと熱可塑性組成物の表
面粗度が荒れ、かつ寸法安定性や耐熱性を損なうので好
ましくない。
【0053】本発明に使用される導電性フィラー(β)
としては、カーボンブラックを使用することができる。
カーボンブラックとしては、中性カーボンブラック、あ
るいは酸性カーボンブラック、好ましくは弱酸性カーボ
ンブラックを使用することができる。導電性フィラー
(β)の使用量は、使用する導電性フィラーの種類によ
っても異なるが転写ベルトの体積抵抗値が所定の範囲に
なるように添加すれば良く、上記ベース樹脂成分(X+
Y)100重量部に対して0.5〜25重量部、好ましくは1〜20
重量部である。
【0054】弱酸性とはpH=5.0〜6.9程度をいい、その
ようなカーボンブラックとしては弱酸性ファーネスカー
ボンブラック、キャボット社製、商品名「Vulcan XC-72
(粒状品)」が例示できる。好ましくは弱酸性ファーネ
スカーボンブラックである。このような弱酸性ファーネ
スカーボンを用いると熱可塑性ポリブチレンテレフタレ
ートと熱可塑性ポリカーボネートいずれもが極性基の強
い材料である為にカーボン表面のカルボニル基や水酸基
と反応することによって強固な密着力を得ることができ
る。
【0055】弱酸性カーボンブラックを導電性フィラー
として添加する場合には、その添加量は上記ベース樹脂
成分(X+Y)100重量部に対して3〜12重量部、好ましく
は4〜10重量部、より好ましくは5〜9重量部である。
【0056】中性カーボンブラックとしてはケッチェン
カーボン、中空のシェル状粒子の中性ファーネスカーボ
ンブラック、ライオン社製、商品名「ケッチェン EC」
および「ケッチェン EC600 JD」、pH=7.0が例示でき
る。それらの中でもケッチェンカーボン、中空のシェル
状粒子の中性ファーネスカーボンブラックが好ましい。
その他の中性カーボンとしてはアセチレンカーボンブラ
ック、電気化学工業社製、「アセチレンカーボン」、pH
=7.0が例示できる。
【0057】中空のシェル状粒子の中性カーボンブラッ
クを用いる場合は見掛けの密度が小さく添加量を極力少
なくして成膜加工で抵抗を調整することが好ましい。具
体的には、上記ベース樹脂成分(X+Y)100重量部に対し
て、ケッチェン ECでは1〜9重量部、好ましくは2〜8重
量部、より好ましくは3〜7重量部、ケッチェン EC600JD
では0.5〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部、より好ま
しくは1〜3重量部である。中性カーボンブラックとして
アセチレンカーボンブラックを用いる場合は、上記ベー
ス樹脂成分(X+Y)100重量部に対して7〜16重量部、好
ましくは9〜15重量部である。
【0058】中間転写ベルトに酸化防止剤(α)を添加
してもよく、酸化防止剤としてはホスファイト系酸化防
止剤が好ましい。ホスファイト系酸化防止剤としては、
モノ/ジステアリルアシッドホスフェード、サイクリッ
クネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファ
イト)、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェニル)ペンタエリスリトール−2−ホスファイト、ト
リス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイ
トが挙げられ、1種あるいは2種以上を混合して使用し
てもよい。これらの中でもビス(2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−2−
ホスファイトが好ましい。
【0059】また、ホスファイト系酸化防止剤として
は、例えば商品名「PEP36」(旭電化工業社製)、「IRG
AFOS 168」(チバ ケミストリ ジャパン社製)等として
入手可能である。
【0060】酸化防止剤(α)の添加量は、上記ベース
樹脂成分(X+Y)100重量部に対して0.1〜1重量部、好ま
しくは0.1〜0.5重量部、より好ましくは0.2〜0.3重量部
である。その使用量が0.1重量部より少ないと熱可塑性
ポリブチレンテレフタレートと熱可塑性ポリカーボネー
トとのエステル交換反応が進行したり、酸化劣化し中間
転写ベルトの機械的強度を低下させ表面粗度を荒くす
る。また1重量部より多いと酸化防止に使われなかった
残査がガス化して成形物に気泡を作り、中間転写ベルト
の機械的強度を著しく低下する。
【0061】上記中間転写ベルトは、所定量の熱可塑性
ポリブチレンテレフタレート(X)、熱可塑性ポリカー
ボネート(Y)、グラフト共重合体(Z)、導電性フィ
ラー(β)および所望により酸化防止剤(α)を溶け合
わせる工程を経て形成され得る。
【0062】上記材料を溶け合わせるに際しては、結果
として上記材料を均一に溶け合わせることができればい
かなる方法を採用してよいが、(1)溶融混練を1回行
う1回練り方法、(2)溶融混練を2回行う2回練り方
法を採用することが好ましい。
【0063】具体的には、1回練り方法は、(a)熱可
塑性ポリブチレンテレフタレート(X)と、導電性フィ
ラー(β)(カーボンブラック)と、グラフト共重合体
(Z)とを二軸押出混練機に投入し(第1次添加)、該
混合物を溶融混練して溶け合わせ、その溶け合った位置
で熱可塑性ポリカーボネート(Y)をサイドフィードで
二軸押出混練機に投入し(第2次添加)、溶融混練する
方法(図4に製造工程ブロック図を示す)と、(b)熱
可塑性ポリブチレンテレフタレート(X)と、熱可塑性
ポリカーボネート(Y)と、グラフト共重合体(Z)と
を二軸押出混練機に投入し(第1次添加)、該混合物を
溶融混練して溶け合わせ、その溶け合った位置で導電性
フィラー(β)をサイドフィードで二軸押出混練機に投
入し(第2次添加)、溶融混練する方法(図5に製造工
程ブロック図を示す)とがある。
【0064】第1次添加された材料が溶け合う位置と
は、通常、混練機の中流の位置である。 (a)法および(b)法において酸化防止剤(α)を添
加する場合は、第1次添加時に添加してもよいし、また
は第2次添加時に添加してもよいが、第1次添加時に添
加することが好ましい。
【0065】2回練り方法は、(c)熱可塑性ポリブチ
レンテレフタレート(X)と、熱可塑性ポリカーボネー
ト(Y)と、グラフト共重合体(Z)とを二軸押出混練
機に投入し、該混合物を溶融混練して溶け合わせ、冷却
し、ペレットにした後、そのペレットと導電性フィラー
(β)とをさらに二軸押出混練機に投入し、該混合物を
溶融混練する方法(図6に製造工程ブロック図を示す)
と、(d)熱可塑性ポリブチレンテレフタレート(X)
と、導電性フィラー(β)と、グラフト共重合体(Z)
とを二軸押出混練機に投入し、該混合物を溶融混練して
溶け合わせ、冷却し、ペレットにした後、そのペレット
と熱可塑性ポリカーボネート(Y)とをさらに二軸押出
混練機に投入し、該混合物を溶融混練する方法(図7に
製造工程ブロック図を示す)とがある。
【0066】(c)法においては、導電性フィラー
(β)を、2回目の溶融混練を行うために添加された材
料が溶け合う位置で添加することを妨げるものではな
い。(d)法においては、熱可塑性ポリカーボネート
(Y)を、2回目の溶融混練を行うために添加された材
料が溶け合う位置で添加することを妨げるものではな
い。また、(c)法および(d)法において酸化防止剤
(α)を添加する場合は、1回目の溶融混練工程の第1
次添加時または第2次添加時に添加してもよいし、また
は2回目の溶融混練工程の第1次添加時または第2次添
加時に添加してもよいが、1回目の溶融混練工程の第1
次添加時に添加することが好ましい。
【0067】上述した製造方法の中でも、特に1回練り
方法の(a)の方法が好ましい。この方法によれば混練
時間を短くすることができ、かつ熱可塑性ポリブチレン
テレフタレート(X)と熱可塑性ポリカーボネート(Y)
との混練中の接触時間を短くすることができるので、上
記ポリマーのエステル交換反応を極力抑制することがで
きる。すなわち、グラフト共重合体は熱可塑性ポリブチ
レンテレフタレートと熱可塑性ポリカーボネートとのエ
ステル交換反応を抑制するが、上記ポリマーの混練中の
接触時間を短くすることによって、さらに有効にエステ
ル交換反応を抑制することができる。
【0068】すなわち、グラフト共重合体の存在によ
り、熱可塑性ポリブチレンテレフタレートと熱可塑性ポ
リカーボネートの相溶性が改良され、繰返し曲げ疲労耐
久性、耐衝撃性、耐薬品性に優れた熱可塑性ポリブチレ
ンテレフタレートを連続相に、成形性、耐熱性、永久変
形残留歪み性その他機械的特性に優れた熱可塑性ポリカ
ーボネートを分散相になるように混練溶融できる。
【0069】また、上述のように少なくとも導電性フィ
ラー(β)とポリブチレンテレフタレート(X)とが溶
融したところへポリカーボネート(Y)を投入すること
により、熱可塑性ポリブチレンテレフタレートと熱可塑
性ポリカーボネートの特徴をより有効に両立させた中間
転写ベルトを得ることができる。
【0070】特に、熱可塑性ポリブチレンテレフタレー
ト(X)の溶融粘度ζと熱可塑性ポリカーボネート(Y)
の溶融粘度ηが240℃〜260℃範囲において0.1≦ζ/η
≦1.0の関係を満たす熱可塑性ポリブチレンテレフタレ
ート(X)と熱可塑性ポリカーボネート(Y)を使用する
ことにより、中間転写ベルトを製造しやすくなる。
【0071】最終的に形成される中間転写ベルトは、5
×106〜1×1011Ω・cm、好ましくは1×107〜1×1010Ω・c
m、より好ましくは1×108〜1×109Ω・cmの体積抵抗値を
有するシートとして得る。体積抵抗値が5×106Ω・cmよ
りも低くなると、転写時にトナーの飛び散り等が発生
し、また1×1011Ω・cmより高くなると中間転写ベルトの
自己除電性が低下し転写性が低下する。また、中間転写
ベルトの表面抵抗値は1×108〜1×1012Ω/□、好ましく
は1×109〜1×1011Ω/□であることが望ましい。また、
中間転写ベルトの厚さは100〜200μm、好ましくは140〜
160μmであることが望ましい。
【0072】中間転写ベルトとしてシームレスベルト形
態での使用を希望する場合は、単軸押出機に丸型を取り
付け、丸型先端のシームレスベルト形状の樹脂吐出口よ
り所望の製造工程を経た樹脂組成物を押出すことにより
形成することができる。
【0073】上記中間転写ベルトは繰返し疲労曲げ耐久
に優れ、かつ高温高湿下での永久変形残留歪み性に優れ
たものである。
【0074】上述した中間転写ベルトは、像担持体と、
中間転写ベルトと、像担持体表面に形成されたトナー像
を中間転写ベルト上に転写させる一次転写部材と、中間
転写ベルト上に転写されたトナー像を記録媒体に転写さ
せる二次転写部材とを備えた画像形成装置に好適に使用
できる。そのような画像形成装置として、例えば前記し
た図1〜図3に示す中間転写方式の画像形成装置が挙げ
られる。
【0075】
【実施例】下記表1〜表4に示したグラフト共重合体
(Z)、ポリブチレンテレフタレート(X)、導電性フィ
ラー(β)および酸化防止剤(α)からなる樹脂組成物
を二軸溶融混練押出機の材料ホッパーより投入し、ポリ
カーボネート(Y)のみを樹脂組成物が溶融した頃を見
計らいサイドフィードより投入した。そして、単軸押出
機より溶融物を押出し、表1〜表4に示した厚さの中間
転写部材用のシームレスベルトを作製した。
【0076】なお、表1〜表4中のグラフト共重合体
(Z)内のエポキシ基含有オレフィン共重合体部分のエ
チレンとメタクリル酸グリシジルの重量%は、その両者
の含有比率を表す。
【0077】PBTは熱可塑性ポリブチレンテレフタレー
トを表し、実施例1〜6、11、13〜22および比較例2〜4に
ついては商品名「ノバドール5505S」(三菱エンプラ社
製)を、実施例7〜10および比較例1については商品名
「ノバドール5040ZS」(三菱エンプラ社製)を、実施例
12については商品名「ノバドール5510S」(三菱エンプ
ラ社製)をそれぞれ使用した。
【0078】PCは熱可塑性ポリカーボネートを表し、商
品名「ユーピロン S3000」(三菱エンプラ社製)を使用
した。
【0079】酸化防止剤はホスファイト系酸化防止剤、
商品名「ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトール−2−ホスファイト」(旭電
化工業社製)を使用した。
【0080】カーボンブラックは、実施例1〜6、15およ
び16については、中性カーボンブラック商品名「アセチ
レンカーボン」(pH=7.0、電気化学工業社製)を、実
施例7〜14、21、22および比較例1〜4については、弱酸
性カーボンブラック:商品名「Vulcan XC-72(粒状
品)」(pH=5.0〜6.9、キャボット社製)を、実施例17
および18については、商品名「ケッチェンEC600JD」
(pH=7.0、ライオン社製)を、実施例19および20につ
いては、商品名「ケッチェンEC」(pH=7.0、ライオン
社製)を、それぞれ使用した。
【0081】表1〜表4中、グラフト共重合体(Z)、
酸化防止剤(α)およびカーボンブラック(β)の重量
部は、ポリブチレンテレフタレート(X)とポリカーボ
ネート(Y)からなるベース樹脂成分(X+Y)を100重量
部にした時の配合部数を示している。
【0082】また、ポリブチレンテレフタレート(X)
およびポリカーボネート(Y)の重量%は、X+Yの合計重
量に対するそれぞれの占める重量%を示している。
【0083】グラフト共重合体(Z)は、実施例1〜5お
よび9については、商品名「モディパーA4300Mシリー
ズ」(日本油脂社製)(エポキシ基含有オレフィン共重
合体/ビニル系(共)重合体部分=70重量%/30重量
%)の特注品を、実施例7については、商品名「モディ
パーA4300Mシリーズ」(日本油脂社製)のA4300Mを、実
施例6、8、10〜22および比較例2、3については、商品名
「モディパーA4300Mシリーズ」(日本油脂社製)のA431
0Mを使用した。また、比較例1については、グラフト共
重合体(Z)に代えてエチレン−メタクリル酸グリシジ
ル共重合体:商品名(レクスパールRA、日本オレフィン
社製)を使用した。
【0084】実施例1〜21、比較例1〜4で得られた各シ
ートについて、表面抵抗値、体積抵抗値、表面粗さ、繰
返し曲げ疲労強度、実機耐久性試験、画像ノイズおよび
成形加工性の評価を行った。結果をまとめて表1〜表4
に示した。
【0085】表面抵抗値、体積抵抗値 商品名「ハイレスタ」抵抗計(三菱油化電子社製)を用
い、測定電圧500V、測定時間10秒で測定した。 表面粗さ 表面粗さは一次・二次転写機能、およびクリーニング特
性を判断する指標とし、東京精密社製表面粗さ計で10点
平均粗さ(RZ)で測定し、以下のようにランク付けし
た。 小:RZ=0.3μm以下; 中:RZ=0.3μm〜0.5μm範囲; 大:RZ=0.5μmを越えたもの。
【0086】繰返し曲げ疲労強度 JIS P-8115に準拠し、試験片を幅10mm、長さ80mmの大き
さに切断し、MIT試験機(東洋精密社製)で折り曲げ速
度180回/分、回転角度90°左右、引張り荷重10Nの条
件で破壊までの回数を測定した。
【0087】耐久性試験 ミノルタ社製Color Page Proを用い、フルカラー時3枚
/分のプリンター速度で各実施例および比較例で得られ
たシートから作製されたシームレスベルトを装着し、ベ
ルトが破壊するまでのフルカラー枚数を測定した。同時
に画像ノイズを以下のようにして評価した。
【0088】画像ノイズ 画像ノイズは中間転写の転写機能のみを判断し、中間転
写ベルトから記録紙にイエロー・、マゼンタ・シアン・ブ
ラックの各トナーを転写した後の色ムラと、記録紙にト
ナーを転写した後中間転写ベルトに残留したトナーをク
リーニングブレードで拭いた後の拭き残し状態とを評価
し、以下のようにランク付けした。 ○:色ムラ無し、かつ拭き残し無い場合; △:色ムラ、拭き残し少しあるがユーザーに受け入れら
れるレベル; ×:色ムラ発生、あるいは拭き残し何れか一方があるか
双方ともある場合; ××:かなり酷く評価対象外のレベル。
【0089】成形加工性 成形加工性は単軸押出機で成膜加工する時の条件設定許
容幅でもって判断し、以下のようにランク付けした。 ◎:広い成膜温度領域に渡ってシームレスベルト表面が
荒れずに加工できる; ○:少し狭い成膜温度領域になるが、量産を想定しても
可能な温度領域が確保されている; △:限定された温度で成膜加工できるが、量産を想定し
た場合かなりの条件設定を要する領域; ×:量産が不可能な条件領域。
【0090】総合評価 総合評価は画像ノイズ、耐久性、成形加工性、繰り返し
曲げ疲労回数および表面粗さを総合し、ユーザーに受け
入れられる性能を有しているかを評価し、以下のように
ランク付けした。 ◎:十分な性能を有している場合; ○:ユーザーに受け入れられる性能を有している場合; △:ユーザーに受け入れられる限界性能の場合; ×:ユーザー保証できない性能である場合。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】
【発明の効果】本発明の中間転写ベルトは繰返し疲労曲
げ耐久に優れ、かつ高温高湿下での永久変形残留歪み性
に優れている。また、中間転写ベルトを加工する許容幅
が広くなり、歩留り向上にも貢献し製造コストを低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 中間転写方式の画像形成装置の概略部分構成
【図2】 中間転写方式の画像形成装置の概略部分構成
【図3】 中間転写方式の画像形成装置の概略部分構成
【図4】 中間転写部材の材料製造工程ブロック図
【図5】 中間転写部材の材料製造工程ブロック図
【図6】 中間転写部材の材料製造工程ブロック図
【図7】 中間転写部材の材料製造工程ブロック図
【符号の説明】
1:感光体、2:帯電器、3:現像器、4:中間転写部
材、5:記録紙、6:転写・搬送ローラ、7:押圧ロー
ラー、8:感光体、9:帯電器、10a:Y(イエロー)
現像器、10b:M(マゼンタ)現像器、10c:C(シア
ン)現像器、10d:B(ブラック)現像器、11:中間転
写部材、12:記録紙、13:一次転写ローラー、14:二次
転写ローラー、15:押圧ローラー、16:テンションロー
ラー、17:Y(イエロー)感光体、18:露光器、19:帯
電器、20:現像器、21:一次転写ローラー、22:M(マ
ゼンタ)感光体、23:C(シアン)感光体、24:B(ブ
ラック)感光体、25:二次転写ローラー、26:押圧ロー
ラー、27:記録紙、28:中間転写部材、29:テンション
ローラー。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/02 C08L 67/02 69/00 69/00 // B29K 33:04 B29K 33:04 63:00 63:00 69:00 69:00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成装置における像担持体よりトナ
    ー像を転写される中間転写ベルトにおいて、熱可塑性ポ
    リブチレンテレフタレート(X)および熱可塑性ポリカ
    ーボネート(Y)からなるベース樹脂成分(X+Y)と、導
    電性フィラー(β)と、エポキシ基含有オレフィン共重
    合体部分により形成された連続相中にビニル系(共)重
    合体部分の分散相を形成してなるグラフト共重合体
    (Z)とからなり、5×106〜1×1011Ω・cmの体積抵抗値
    を有することを特徴とする中間転写ベルト。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性ポリブチレンテレフタレー
    ト(X)の含有量が、前記ベース樹脂成分(X+Y)に対
    して30〜80重量%であり、前記熱可塑性ポリカーボネー
    ト(Y)の含有量が、前記ベース樹脂成分(X+Y)に対
    して20〜70重量%であることを特徴とする請求項1記載
    の中間転写ベルト。
  3. 【請求項3】 前記グラフト共重合体(Z)の含有量
    が、前記ベース樹脂成分(X+Y)100重量部に対して1〜
    15重量部であることを特徴とする請求項1または2記載
    の中間転写ベルト。
  4. 【請求項4】 前記グラフト共重合体(Z)が、エポキ
    シ基含有オレフィン共重合体部分40〜90重量%とビニル
    系(共)重合体部分10〜60重量%とからなることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  5. 【請求項5】 前記グラフト共重合体(Z)が、エポキ
    シ基含有オレフィン共重合体部分により形成された連続
    相中に粒子径0.001〜10μmのビニル系(共)重合体部分
    の分散相を形成してなることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性ポリブチレンテレフタレー
    ト(X)が、10重量%以下のエラストマーを含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の中間転写
    ベルト。
  7. 【請求項7】 前記中間転写ベルトが、前記ベース樹脂
    成分(X+Y)100重量部に対して0.1〜1重量部の酸化防
    止剤(α)を含有することを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の中間転写ベルト。
  8. 【請求項8】 前記グラフト共重合体(Z)のエポキシ
    基含有オレフィン共重合体部分が、5〜70重量%のエチレンと
    30〜95重量%のメタクリル酸グリシジルとを重合して得
    られるエチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体部分
    であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の
    中間転写ベルト。
  9. 【請求項9】 前記中間転写ベルトが1×108〜1×1012
    Ω/□の表面抵抗値を有することを特徴とする請求項1〜
    8のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  10. 【請求項10】 熱可塑性ポリブチレンテレフタレート
    (X)と、導電性フィラー(β)と、エポキシ基含有オ
    レフィン共重合体部分により形成された連続相中にビニ
    ル系(共)重合体部分の分散相を形成してなるグラフト
    共重合体(Z)とを二軸押出混練機に投入し、該混合物
    を溶融混練して溶け合わせ、その溶け合った位置で熱可
    塑性ポリカーボネート(Y)をサイドフィードで二軸押
    出混練機に投入し、溶融混練する工程を含むことを特徴
    とする中間転写ベルトの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記熱可塑性ポリブチレンテレフタレ
    ート(X)、導電性フィラー(β)およびグラフト共重
    合体(Z)と共に酸化防止剤(α)を二軸溶融混練機に
    投入することを特徴とする請求項10記載の中間転写ベル
    トの製造方法。
  12. 【請求項12】 像担持体と、中間転写ベルトと、像担
    持体表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト上に転
    写させる一次転写部材と、中間転写ベルト上に転写され
    たトナー像を記録媒体に転写させる二次転写部材とを備
    えた画像形成装置において、前記中間転写ベルトが、請
    求項1〜9のいずれか1項に記載の中間転写ベルトである
    ことを特徴とする画像形成装置。
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