JP2004094095A - 中間転写ベルト - Google Patents

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JP2004094095A JP2002257713A JP2002257713A JP2004094095A JP 2004094095 A JP2004094095 A JP 2004094095A JP 2002257713 A JP2002257713 A JP 2002257713A JP 2002257713 A JP2002257713 A JP 2002257713A JP 2004094095 A JP2004094095 A JP 2004094095A
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Masahiko Adachi
足立 雅彦
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Abstract

【課題】繰返し曲げ疲労および横滑り方向の応力に対する耐久性、転写性、難燃性、成形加工性および電気的特性のすべてに優れ、中抜け、トナー飛散りおよびノイズのない画像を長期にわたって提供可能な中間転写ベルトを提供すること。
【解決手段】画像形成装置において像担持体よりトナー像を転写される中間転写ベルトであって、ポリフェニレンサルファイド、エポキシ基含有オレフィン共重合体とビニル系(共)重合体とからなるグラフト共重合体、導電性フィラーおよび滑材を含んでなる中間転写ベルト。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンターなどの画像形成装置において、像担持体表面に形成したトナー像を、紙などの記録媒体へと転写する前に一旦自己の表面に転写保持し、これを上記記録媒体へと転写する中間転写ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置や静電記録装置などにおける中間転写ベルトは、使用時に数本のローラを介して回転駆動され、繰り返し曲げ疲労を受けるため、耐屈曲性を有し、割れ難いことが要求される。また、ベルトの蛇行時に受ける横滑り方向の応力に耐える剛性が必要である。優れた剛性を有しないと、ベルト端部付近で折れや坐屈が起こる。さらに、難燃性や、トナーを転写する際の転写効率等の転写性も必要となる。
【0003】
このような中間転写ベルトとしては、従来、ポリカーボネートにカーボンブラック等の導電剤を分散させてなるシームレスベルトが提案されていた(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この中間転写ベルトでは、押出成形によりベルト状に成形する際に、ポリカーボネートの配向性のために押出し方向に縦割れが生じる問題があった。また、ベルト状に成形できた場合でも、使用時の繰返し曲げ動作により割れが生じるという問題を有していた。
【0004】
繰返し曲げ疲労に対する耐久性に優れた中間転写ベルトとして熱可塑性ポリアルキレンテレフタレートと熱可塑性芳香族ポリカーボネートを混合した樹脂を用いたシームレスベルトが提案されている(例えば、特許文献2参照)。これは、繰り返し曲げ疲労に対する耐久性向上の効果はあるが、横滑り方向の応力に耐える剛性(耐久性)が十分ではなく、また、難燃性に関しても十分な性能を有さない。
【0005】
難燃性と耐熱性・剛性を得るための手段として、ポリフェニレンサルファイドおよびポリスルホン樹脂を中間転写ベルトに用いる技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、構成樹脂としてポリフェニレンサルファイド及びポリスルホン素材を用いるだけでは十分ではなく、張架している数本のローラを通過する際に受ける繰り返し屈曲に対する耐性は得られず、使用時に割れが生じる問題がある。
【0006】
耐屈曲性の改良を目的として、ポリアルキレンテレフタレートとポリフェニレンサルファイドを含む樹脂組成物を使用した画像形成装置用ベルトが開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、ポリフェニレンサルファイドの成形温度はポリアルキレンテレフタレートの成形温度よりも40〜50℃高いため、樹脂組成物は相溶系にならず、成型加工が可能であっても転写性の良い表面状態が得られないという問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特許第2592000号明細書
【特許文献2】
特許第2845059号明細書
【特許文献3】
特開平11−149222号公報
【特許文献4】
特開2001−34083号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、繰返し曲げ疲労および横滑り方向の応力に対する耐久性(耐屈曲性および剛性)、転写性、難燃性および成形加工性のすべてに優れ、ロングライフを達成する中間転写ベルトを提供することを目的とする。
【0009】
本発明はまた、繰返し曲げ疲労および横滑り方向の応力に対する耐久性(耐屈曲性および剛性)、転写性、難燃性、成形加工性および電気的特性のすべてに優れ、中抜け、トナー飛散りおよびノイズのない画像を長期にわたって提供可能な中間転写ベルトを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は画像形成装置において像担持体よりトナー像を転写される中間転写ベルトであって、ポリフェニレンサルファイド、エポキシ基含有オレフィン共重合体とビニル系(共)重合体とからなるグラフト共重合体、導電性フィラーおよび滑材を含んでなる中間転写ベルトに関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る中間転写ベルトは、中間転写方式の画像形成装置に用いられる中間転写ベルト、特にシームレスベルトに適している。本発明に係る中間転写ベルトは、現像装置に単色トナーのみを持つモノカラー画像形成装置、像担持体ドラムにY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B(ブラック)の各色の現像器ごとに像担持体上での現像およびトナー像の中間転写ベルトへの一次転写を行うカラー画像形成装置、直列に配置された各色の画像形成ユニットごとにトナー像の中間転写ベルトへの一次転写を行うタンデム方式カラー画像形成装置などに適用することができる。また、像担持体は静電潜像を現像して画像を保持する感光体や、直接画像を作像して保持するものでも良い。画像を保持する担持体なら良く、感光体に限らない。
【0012】
図1、図2および図3に中間転写方式の画像形成装置の概略部分構成図を示す。図1において1は像担持体としての感光体、4が中間転写ベルトである。感光体の周囲には、通常、帯電器、感光体上に静電潜像を形成するための露光光学系、トナーを収容する現像器、残留トナーを除去するクリーナ一等が配置されているが、図1においては簡略化のため感光体1を帯電させるための帯電器2、感光体上に形成された静電潜像をトナー現像するための現像器3のみを図示している。
【0013】
中間転写ベルト4は転写・搬送ローラ6、6’および搬送ローラ6”に掛け渡され、矢印方向に回転する感光体1と同調して矢印方向に回転するようになっている。
【0014】
図1に示すような中間転写方式を有する画像形成装置においては、まず矢印方向に回転する感光体1の表面を帯電器2により一様に帯電し、図示しない露光光学系により画像に対応する静電潜像を形成する。静電潜像は現像器3でトナー像に現像される。このトナー像は転写・搬送ローラ6’により中間転写ベルト4に静電的に転写(一次転写)される。そして中間転写ベルト4上に形成されたトナー像は、搬送・転写ローラ6と押圧ローラ7の間で記録紙5に転写(二次転写)されるようになっている。
【0015】
このような中間転写方式を有する画像形成装置において中間転写ベルト4は、図1に示されているように数本のローラ6、6’および6”を介して感光体1に接し、かつ40〜60Nのテンション力により張られた状態になっている。また、中間転写ベルト4は、例えば感光体からトナーを一次転写させるために適した周速、例えば80〜150mm/sで回転させられるようになっている。
【0016】
また、図2に示すような中間転写方式を有する画像形成装置においては、各色の現像器ごとに現像および一次転写を行う。詳しくは、中間転写ベルト11は、例えば現像ユニットをY(イエロー)現像器10a、M(マゼンタ)現像器10b、C(シアン)現像器10c、B(ブラック)現像器10dと順次回転させ感光体8にトナー像を現像しながら逐次4回送りで一次転写ローラ13により一次転写させられ、中間転写ベルト11上に形成された4色トナー像は二次転写ローラー14と押圧ローラ15の間で記録紙12に転写するようになっている。感光体8は表面を帯電器9により一様に帯電され、図示しない露光光学系により画像に対応する静電潜像を形成され、現像された後、図示しないクリーナ等により残留トナーを除去されるようになっている。
【0017】
このような画像形成装置において中間転写ベルト11は、数本のローラ13、15、16等を介して感光体8に接し、かつ40〜60Nのテンションにより張られた状態になっている。また、中間転写ベルト11は、一次転写に適した周速、例えば80〜150mm/sで回転させられるようになっている。
【0018】
更に、図3に示すような中間転写方式を有する画像形成装置においては、直列に配置された画像形成ユニットごとに各色の現像および一次転写を行う。詳しくは、中間転写ベルト28は例えば、Y(イエロー)用感光体17、M(マゼンタ)用感光体22、C(シアン)用感光体23、B(ブラック)用感光体24の順で各感光体上のトナー像を1回送りで各一次転写ローラ21により一次転写させられ、中間転写ベルト28上に形成された4色トナー像は二次転写ローラ25と押圧ローラ26の間で記録紙27に転写するようになっている。各現像器(例えば、20)において感光体(例えば、17)は表面を帯電器(例えば、19)により一様に帯電され、露光器(例えば、18)により画像に対応する静電潜像を形成され、現像された後、図示しないクリーナ等により残留トナーを除去されるようになっている。
【0019】
このような画像形成装置において中間転写ベルト28は、数本のローラー26、29等を介して、Y(イエロー)用感光体17、M(マゼンタ)用感光体22、C(シアン)用感光体23、B(ブラック)用感光体24とそれぞれの一次転写ローラー21とを対面に一列に配したユニットにおいて各感光体と接し、かつ40〜60Nのテンション力により張られた状態になっている。また、中間転写ベルト28は、1回送りで4色のトナー像を一次転写させるために適した周速、例えば80〜150mm/sで回転させられるようになっている。
【0020】
従来の中間転写ベルトは上記のような画像形成装置において長期にわたって使用されると、掛け渡されている数本のローラのローラ径と中間転写ベルトの巻き付け角度により繰返し曲げ疲労ストレスを受け、中間転写ベルトの設定寿命に満たず、よく割れ破壊に至る。また、中間転写ベルトはベルト蛇行時に受ける横滑り方向の応力によって、ベルトの端部付近で折れたり坐屈したりし、また、ベルトの弾性変形内応力であっても繰返し受けることで疲労限界により破壊に至る。本発明の中間転写ベルトはこのような繰返し曲げ疲労ストレスや横滑り方向の応力に対する耐久性に著しく優れ、十分な耐屈曲性および剛性を有している。
【0021】
本発明の中間転写ベルトは、基本的には、ポリフェニレンサルファイド、エポキシ基含有オレフィン共重合体とビニル系(共)重合体とからなるグラフト共重合体、導電性フィラーおよび滑材から形成されている。本発明においては特に、ポリフェニレンサルファイドをグラフト共重合体とともに組み合わせて使用することによって、繰返し曲げ疲労および横滑り方向の応力に対する耐久性(耐屈曲性および剛性)が向上し、優れた転写性、難燃性、成形加工性および電気的特性を達成できる。その結果として、中抜け、トナー飛散りおよびノイズのない画像が長期にわたって提供できる。
【0022】
本発明で使用されるポリフェニレンサルファイド(PPS)はフェニレン単位と硫黄原子が交互に並んでなる構造を有する熱可塑性のプラスチックである。
フェニレン単位は置換基を有していてもよいo−フェニレン単位、m−フェニレン単位またはp−フェニレン単位であり、それらが混合されていてもよい。好ましいフェニレン単位は少なくともp−フェニレン単位を含み、その含有量は全フェニレン単位に対して50%以上である。フェニレン単位は特に無置換p−フェニレン単位のみからなっていることが好ましい。
【0023】
ポリフェニレンサルファイドは架橋構造を有していてもよいが、好ましくは架橋構造を有さないリニア型PPSである。リニア型PPSを用いることにより、靭性が高く、高温多湿雰囲気下でも寸法変化が少ない中間転写ベルトを作製できる。
【0024】
上記構造を有するポリフェニレンサルファイドはメルトフローレートが250(g/10分)以下、特に50〜200(g/10分)であることが好ましい。メルトフローレートが高すぎると、金型から取り出すときにドローダウンしやすく作業が困難になる。また、溶融後温度を下げていった時の結晶化温度Tmcが高いポリフェニレンサルファイドは結晶化しやすいため、結晶化すると得られるベルトが割れやすくなり、繰り返し曲げ疲労性が悪くなる一因となる。そのため、Tmcが220℃以下、特に160〜200℃が好ましい。
本明細書中、メルトフローレートはJIS K7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法、条件:315℃、50N)に準じて測定された値を用いている。
【0025】
またポリフェニレンサルファイドはガラス転移温度が70〜100℃、融点が270〜290℃であることが好ましい。
【0026】
上記のようなポリフェニレンサルファイドとして繊維やフィルム等の用途のために市販されているものが好適である。そのような市販品として、例えば、繊維グレードE2180(東レ社製)が入手可能である。
【0027】
本発明で使用されるグラフト共重合体はエポキシ基含有オレフィン共重合体とビニル系(共)重合体とからなる。詳しくはグラフト共重合体は主鎖としてのエポキシ基含有オレフィン共重合体にビニル系(共)重合体をグラフト化してなるものであり、エポキシ基含有オレフィン共重合体からなる連続層中にビニル系(共)重合体からなる層が球状に分散された構成を有している。分散しているビニル系(共)重合体の粒子径は0.001〜10μm、好ましくは0.01〜5μmである。
本明細書中、「(共)重合体」とは単独重合体または共重合体のいずれであってもよいことを意味する。
【0028】
グラフト共重合体の一方の重合体部分を構成するエポキシ基含有オレフィン共重合体とは、オレフィンと不飽和グリシジル基含有単量体との2元共重合体またはオレフィンと不飽和グリシジル基含有単量体と他の不飽和単量体との3元または多元の共重合体である。エポキシ基含有オレフィン共重合体におけるオレフィンとグリシジル基含有単量体との比率は、オレフィン5〜70重量%、グリシジル基含有単量体95〜30重量%、好ましくはオレフィン5〜55重量%、グリシジル基含有単量体95〜45重量%、より好ましくはオレフィン40〜55重量%とグリシジル基含有単量体60〜45重量%である。また、エポキシ基含有エチレン共重合体に所望により他の不飽和単量体を添加しても良く、この場合エチレン+グリシジル基含有単量体の合計量に対して0〜39.5重量%の不飽和単量体を用いて得られた共重合体が好ましい。
【0029】
オレフィン単量体としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、デセン−1、オクテン−1などが挙げられ、好ましいものとしてエチレンを挙げることができる。上記オレフィンは単独でまたは2種以上混合して使用可能である。
【0030】
不飽和グリシジル基含有単量体としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸ジグリシジルエステルおよびブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、α−クロロアクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸などのグリシジルエステル類、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルオキシエチルビニルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類およびp−グリシジルスチレンなどが挙げられるが、好ましいものとしてメタクリル酸グリシジル、アクリルグリシジルエーテル、より好ましくはメタクリル酸グリシジルを挙げることができる。
【0031】
他の不飽和単量体としては、ビニルエステル類、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、ビニルエーテル類、アクリル酸アミド系化合物、スチレン、塩化ビニルおよびそれらの誘導体などから選択された少なくとも1種の単量体で、具体的には酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルベンゾエートなどのビニルエステル類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸およびメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル、ドデシル、オクタデシルなどのエステル類、マレイン酸、マレイン酸無水物、イタコン酸、フマル酸およびマレイン酸のモノエステルおよびジエステル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類、およびアクリル酸アミド系化合物が挙げられるが、特にアクリル酸エステルが好ましい。
【0032】
エポキシ基含有オレフィン共重合体の具体例としては、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/アクリル酸グリシジル共重合体などが挙げられる。中でも好ましいものはエチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル/メタクリル酸グリシジル共重合体もしくはエチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体、特にエチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体である。これらのエポキシ基含有オレフィン共重合体は混合しても使用できる。
【0033】
エポキシ基含有オレフィン共重合体は高圧ラジカル重合法によって製造可能である。例えば、オレフィン単量体、不飽和グリシジル基含有単量体、および所望により他の不飽和単量体を、それらの全単量体の総重量に基づいて0.0001〜1重量%のラジカル重合開始剤の存在下で重合圧力50〜400MPa、好ましくは100〜300MPa、反応温度50〜400℃、好ましくは100〜350℃の条件下、連鎖移動剤、必要に応じて助剤の存在下に槽型または管型反応器内で同時に、あるいは段階的に接触、重合させる。
【0034】
グラフト共重合体の他方の重合体部分を構成するビニル系(共)重合体とは、具体的にはアルキルメタクリレート、アルキルアクリレート、ビニル芳香族単量体、(メタ)アクリロニトリル単量体からなる群から選択される1種または2種以上のビニル単量体を重合してなる(共)重合体が挙げられる。アルキルメタクリレートは特に制限されないが、C1〜C4アルキルメタクリレートが好ましい。アルキルアクリレートは特に制限されないが、C1〜C4アルキルアクリレートが好ましい。ビニル芳香族単量体としてはスチレン、核置換スチレン、例えばメチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルスチレン、α−置換スチレン、例えばα−メチルスチレン、α−エチルスチレンなどが挙げられる。
【0035】
好ましいビニル系(共)重合体は少なくともビニル芳香族単量体、特にスチレンを重合して得られるビニル芳香族(共)重合体であり、より好ましくはスチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリスチレンである。ビニル芳香族(共)重合体におけるビニル芳香族単量体の含有量は該(共)重合体を構成する全モノマーに対して30〜100重量%が好ましい。
【0036】
グラフト共重合体は、エポキシ基含有オレフィン共重合体部分を40〜90重量%、好ましくは50〜80重量%含有するものである。従ってビニル系(共)重合体部分を60〜10重量%、好ましくは50〜20重量%含有することになる。エポキシ基含有オレフィン共重合体部分が40重量%より小さいと繰返し曲げ疲労耐久性効果が不充分であり表面粗度が荒れて好ましくない。また、その含有量が90重量%を超えると転写ベルトの耐熱性や寸法安定性を損なうので好ましくない。
【0037】
グラフト共重合体中のビニル系(共)重合体部分の数平均重合度は5〜10000、好ましくは10〜5000の範囲である。数平均重合度が5未満であると、耐熱性が低下するので好ましくない。また数平均重合度が10000を超えると、溶融粘度が高くなり、成形性が低下したり、表面光沢が低下するので好ましくない。
【0038】
本発明で使用するグラフト共重合体を製造する際のグラフト化法は、一般に良く知られている連鎖移動法、電離性放射線照射法などいずれの方法によってもよいが、最も好ましいのは下記に示す方法によるものである。その理由はグラフト効率が高く、熱による二次的凝集が起こらないため、性能の発現がより効果的であるためである。
【0039】
すなわち、エポキシ基含有オレフィン共重合体100重量部を水に懸濁させ、別に少なくとも1種のビニル単量体5〜400重量部に、t−ブチルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、t−ブチルペルオキシメタリルカーボネート等のラジカル(共)重合性有機過酸化物の1種または2種以上の混合物を該ビニル単量体100重量部に対して0.1〜10重量部と、10時間の半減期を得るための分解温度が40〜90℃であるラジカル重合開始剤をビニル単量体とラジカル(共)重合性有機過酸化物との合計100重量部に対して0.01〜5重量部とを溶解させた溶液を添加し、ラジカル重合開始剤の分解が実質的に起こらない条件で加熱し、ビニル単量体、ラジカル(共)重合性有機過酸化物およびラジカル重合開始剤をエポキシ基含有オレフィン共重合体に含浸させ、その含浸率が初めの50重量%以上に達したとき、この水性懸濁液の温度を上昇させ、ビニル単量体とラジカル(共)重合性有機過酸化物とをエポキシ基含有オレフィン共重合体中で共重合させて、グラフト化前駆体を得る。このグラフト化前駆体を100〜300℃で溶融下、混練すれば本発明で用いるグラフト共重合体が得られる。
【0040】
したがって、このグラフト化前駆体を直接ポリフェニレンサルファイド等と共に溶融混合しても、結果的にグラフト化前駆体はグラフト共重合体となる。なおグラフト化前駆体又はグラフト共重合体の製造時に副生するビニル系(共)重合体や未反応のエポキシ基含有オレフィン共重合体が含まれていてもかまわない。さらにグラフト化前駆体またはグラフト共重合体にビニル系(共)重合体やエポキシ基含有オレフィン共重合体を混合したものでも使用できる。最も好ましいのは、グラフト共重合体を用いることである。
【0041】
本発明において必要なのは、最終的にグラフト共重合体が中間転写ベルト中に所定量含まれていることである。
前記製造方法において、含浸率が50重量%未満では、グラフト共重合体の構成部分として有効に寄与するビニル系(共)重合体部分の割合が少なくなる。
なお、含浸率の測定方法は、反応容器からエポキシ基含有オレフィン共重合体粒子(ペレット)を所定量取りだし、加熱残分を測定することによって、加熱前後の重量差からその含浸率を求めることができる。
【0042】
グラフト共重合体は、例えば、モディパーA4400(日本油脂社製)、モディパーA4100(日本油脂社製)として入手可能である。
【0043】
グラフト共重合体の使用量は、ポリフェニレンサルファイド100重量部に対して0.01〜4重量部、好ましくは0.1〜3重量部、特に0.1〜0.3重量部である。その使用量が0.01重量部より少ないと中間転写ベルトの柔軟性・摺動性が劣り、繰り返し曲げ疲労性および剛性が悪くなり耐久性が低下する。さらに画像品質も低下する。また4重量部より多いとベルト表面が荒れるため、転写機能が損なわれる。
【0044】
本発明に使用される導電性フィラーとしては、カーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックとしては、中性カーボンブラックを使用することができる。導電性フィラーの使用量は、使用する導電性フィラーの種類によっても異なるが中間転写ベルトの体積抵抗値および表面抵抗値が所定の範囲になるように添加すれば良く、通常、ポリフェニレンサルファイド100重量部に対して10〜20重量部、好ましくは10〜16重量部である。
【0045】
本発明に使用される滑材はベルトへの成形加工性を改良させるものであり、例えば、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス等の脂肪族炭化水素系、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、メリシン酸、オレイン酸、エルカ酸等の炭素数9以上の高級脂肪酸、該高級脂肪酸のナトリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩等の高級脂肪酸金属塩、ステアリルアルコール等の高級脂肪族アルコール、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ステアリルステアレート、モンタンワックス等の高級脂肪酸エステル等が挙げられる。好ましくは高級脂肪酸金属塩、特にモンタン酸カルシウム、モンタン酸ナトリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等である。これらの滑材は単独で用いても良く、また二種以上のものを併用しても良い。滑材の使用量はポリフェニレンサルファイド100重量部に対して0.1〜0.5重量部、好ましくは0.1〜0.3重量部が好適である。
【0046】
本発明の中間転写ベルトには、本発明の上記目的を達成できる限り、他の添加剤が含有されてもよい。他の添加剤として、酸化防止剤、表面平滑化剤等が挙げられる。
【0047】
本発明の中間転写ベルトはベルト形態への成形が可能な方法であればいかなる方法によって製造されてよい。特に、中間転写ベルトとしてシームレスベルト形態での使用を希望する場合は、例えば、単軸押出機に環状ダイスを取り付け、該押出機に上記した材料からなる混合物を投入し、環状ダイス先端のシームレスベルト形状の樹脂吐出口より溶融樹脂組成物を押出し、その後冷却機構を有する冷却筒に外挿することにより樹脂を固化させて、シームレス円筒形状に容易に成形することができる。
【0048】
このとき、結晶化を起させない工夫として、金型からベルトが吐出された直後に水、エアー、冷却された金属ブロック等で冷却を行なうことが好ましい。具体的には金型に断熱材を挟んで付設された冷却筒を用い、これによりベルトの熱を急速に奪う。冷却筒の内側には常に30℃以下に温度調整された水を循環させている。また、金型から吐出されたベルトを高速で引き取ることにより、薄膜化して冷却速度を高めてもよい。この場合、引き取り速度は1m/分以上、特に2〜7m/分が好ましい。
【0049】
環状ダイスの径ΦDと冷却筒の径Φdの比、D/dが0.9〜1.1である場合に環状ダイスから冷却筒へ押出しされた樹脂を外挿入しながら引取り装置により引き取る。その際、D/dが0.9〜0.98の場合は冷却筒に樹脂を沿わすために環状ダイスから冷却筒の間に真空引きすることが必要となる。しかし、D/dが0.99〜1.02の場合は環状ダイスから冷却筒の間での真空引きをすることなく冷却筒に樹脂を沿わすことが出来、また真空引きでの脈動が起こらず引取り方向での膜厚変動が起こり難い有利が得られる。
【0050】
最終的に形成される中間転写ベルトは以下の物性を有する。
厚さ;80〜150μm、好ましくは100〜120μm;
表面抵抗値;1×10〜1×1012Ω/□、好ましくは1×1010〜9×1011Ω/□;
体積抵抗値;1×10〜1×1010Ω・cm、好ましくは1×10〜9×10Ω・cm;
表面抵抗値/体積抵抗値の比r;r≧1、好ましくはr>2、特にr>4;
表面粗さ;0.3μm以上0.5μm以下、好ましくは0.3μm未満。
そのような中間転写ベルトはまた、表面抵抗値および体積抵抗値に関してベルト一本内での抵抗ばらつきおよび電圧印加前後の抵抗変動が顕著に小さく、さらに良好な転写性および難燃性を発揮する。
【0051】
【実施例】
本実施例において以下の材料を使用した。
ポリフェニレンサルファイド:
・繊維グレードE2180(東レ社製)
(高分子鎖がリニアタイプ、低結晶化速度、ガラス転移温度90℃、融点280℃、メルトフローレート:125g/10分(315℃、50N))
グラフト共重合体:
・モディパーA4400(日本油脂社製)
(エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体とアクリロニトリル−スチレン共重合体とのグラフト化された樹脂改質剤)
・モディパーA4100(日本油脂社製)
(A4400でアクリロニトリル−スチレン共重合体の替わりにポリスチレンを用いたもの)
・EGMA−g−(BAR−g−MMA)
(エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体とブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体とのグラフト化された樹脂改質剤)
導電性フィラー
・ファーネス#3030B(三菱化学工業社製)
・アセチレンブラックHS−100(電気化学工業社製)
【0052】
(中間転写ベルトの製造)
実施例1
ポリフェニレンサルファイド樹脂(E2180、東レ社製)  100重量部
導電フィラー(ファーネス#3030B、三菱化学社製)    16重量部
グラフト共重合体(モディパーA4400、日本油脂社製)   1重量部
滑材(モンタン酸カルシウム)             0.2重量部
上記材料を単軸押出機に投入し、溶融混練させて樹脂混合物とした。単軸押出機の先端にはスリット状でシームレスベルト形状の吐出口を有する環状ダイスが取り付けてあり、混練された上記樹脂混合物を、シームレスベルト形状に押し出した。押し出されたシームレスベルト形状の樹脂混合物を、吐出先に設けた円筒状の冷却筒に外挿させて冷却し、固化することによりシームレス円筒状の中間転写ベルトを得た。なお、環状ダイスの径Dと冷却筒の径dの比D/dは1.00とした。
【0053】
実施例2〜7及び比較例1〜3
表1〜表3に示したマトリックス樹脂、導電フィラー、グラフト共重合体および滑材を、該表に示した添加量で使用したこと以外、実施例1と同じ作製方法により中間転写ベルトを作製した。
【0054】
得られたベルトを以下の項目について評価した。結果をまとめて表1〜3に示した。
<表面抵抗値、体積抵抗値>
商品名「ハイレスタ」抵抗計(油化電子社製)を用い、表面抵抗値は測定電圧500V、測定時間10秒で測定し、体積抵抗値は測定電圧500Vであると測定可能な下限値を越えてしまうので測定電圧100V、測定時間10秒で測定した。表面抵抗値および体積抵抗値の測定は、いずれも押出し方向とその垂直方向について20mm間隔で20点の計測を行い、それらの平均値について評価した。表面抵抗値または体積抵抗値は低すぎると、転写時にトナーの飛び散り等が発生する。高すぎると、中間転写ベルトの自己除電性が低下し転写性が低下する。
○:表面抵抗が1×10〜1×1012Ω/□で、体積抵抗が1×10〜1×1010Ω・cm範囲に入っているもの;
×:上記範囲外のもの。
【0055】
<表面抵抗値/体積抵抗値>
表面抵抗値と体積抵抗値の比rを取り、「ハイレスタ」抵抗計での測定データの異方性を見ている。比率が大きい程、カーボンの分散性は等方導電であると見る。
◎:r>4
○:4≧r>2
△:2≧r≧1
×:r<1
【0056】
<表面粗さ>
表面粗さは一次・二次転写機能、およびクリーニング特性を判断する指標とし、東京精密社製表面粗さ計で10点平均粗さ(RZ)で測定し、以下のようにランク付けした。
◎:RZ=0.3μm未満;
○:RZ=0.3μm以上0.5μm以下;
×:RZ=0.5μmを越えたもの。
【0057】
<繰返し曲げ疲労強度>
JIS P−8115に準拠し、試験片を幅10mm、長さ80mmの大きさに切断し、MIT試験機(東洋精密社製)で折り曲げ速度180回/分、回転角度90°左右、引張り荷重10Nの条件で破壊までの回数を測定した。
【0058】
<耐久性試験>
ミノルタ社製magicolor2200(図2に示すタイプのプリンター)に、各実施例および比較例で得られたシームレスベルトを装着して、フルカラー画像を5枚/分のプリンター速度で印字し、ベルトが破壊するまでのフルカラー枚数を測定した。
◎:機種のマシンライフ越えた耐久性を有していた;
○:機種のマシンライフと同程度の耐久性を有していた;
×:機種のマシンライフに至らない耐久性を有していた。
【0059】
<難燃性>
米国アンダーライターズラボラトリーズ社が定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価を行なった。
○:UL94規格でのVTM−2以上;
×:UL94規格でのVTM−2に至らないもの。
【0060】
<抵抗ばらつき>
上記で測定した20点の表面抵抗値および体積抵抗値について、最大値と最小値との指数の差を抵抗ばらつきとして、以下にしたがって評価した。詳しくは、表面抵抗値の最大値および最小値をそれぞれ1×10A1Ω/□および1×10B1Ω/□で、ならびに体積抵抗値の最大値および最小値をそれぞれ1×10C1Ω・cmおよび1×10D1Ω・cmで表したとき、表面抵抗値のばらつきは「A1−B1」で、体積抵抗値のばらつきは「C1−D1」で表される。例えば、「A1−B1」=0.3のとき、表面抵抗値のばらつきは0.3桁であると表現するものとする。
◎:表面抵抗値、体積抵抗値共、ベルト一本内のばらつきが0.5桁以内;
○:表面抵抗値、体積抵抗値共、ベルト一本内のばらつきが1桁以内;
△:表面抵抗値、体積抵抗値のうち一方のベルト一本内のばらつきが1桁以内であり、他方のベルト一本内のばらつきが1桁を超えるもの;
×:表面抵抗値、体積抵抗値共、ベルト一本内のばらつきが1桁を超えるもの。
【0061】
<通電抵抗変動>
表面抵抗値および体積抵抗値のそれぞれについて、magicolor 2200で1000枚通紙した後のベルト上の通紙部を測定した20点の平均値と500V印加時の1時間後の20点の平均値との指数の差を抵抗変動として、以下にしたがって評価した。詳しくは、電圧印加前後の表面抵抗値の平均値をそれぞれ1×10A2Ω/□および1×10B2Ω/□で、ならびに電圧印加前後の体積抵抗値の平均値をそれぞれ1×10C2Ω・cmおよび1×10D2Ω・cmで表したとき、表面抵抗値の抵抗変動は「A2−B2」の絶対値で、体積抵抗値の抵抗変動は「C2−D2」の絶対値で表される。
◎:表面抵抗値、体積抵抗値共、抵抗変動が1桁以内;
○:表面抵抗値、体積抵抗値共、抵抗変動が1.5桁以内;
△:体積抵抗値の抵抗変動が1.5桁以内であり、表面抵抗値の抵抗変動が1.5桁越える;
×:表面抵抗値、体積抵抗値共、抵抗変動が1.5桁越える。
【0062】
<中抜けおよび飛散り>
平均粒径4.5μmの重合トナーおよび上記「耐久性試験」においてと同様のプリンターを使用し、2色重ね文字を印字したときの1次・2次転写での文字の中抜けおよびトナー飛散りを観察し、以下に従って評価した。
◎:十分な性能を有していた;
○:ユーザーに受け入れられる性能を有していた;
△:ユーザーに受け入れられる限界の性能を有していた;
×:ユーザー保証できない性能を有していた。
【0063】
<転写効率>
平均粒径6.5μmの重合トナーおよび上記「耐久性試験」においてと同様のプリンターを使用し、2色重ねベタ画像を印字したときの1次・2次転写でのトナー移動性を転写効率で評価した。1次転写効率は、感光体上に形成されたトナー像の重量に対する中間転写ベルト上に転写されたトナー像の重量の割合をいう。2次転写効率は、中間転写ベルト上に形成されたトナー像の重量に対する記録紙上に転写されたトナー像の重量の割合をいう。
○:1次・2次転写効率が共に90%以上であった;
△:1次・2次転写効率の一方が90%以上であるが、片方が90%未満であった;
×:1次・2次転写効率が共に90%未満であった。
【0064】
<画像ノイズ>
画像ノイズは中間転写の転写機能のみを判断した。詳しくは、中間転写ベルトから記録紙にイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4色トナー像を転写した後の画像品質を評価し、以下のようにランク付けした。
◎:ベルト表面の突起およびへこみが転写前の画像および転写後の画像のいずれの画像上においてもノイズとして現れないレベル;
○:ベルト表面の突起およびへこみが転写後の画像上ノイズとして現れないレベル;
△:ベルト表面の突起およびへこみが転写後の画像上ノイズとして現れるが許容レベル;
×:ベルト表面の突起およびへこみが転写後の画像上ノイズとしてかなり酷く現れ評価対象外のレベル。
【0065】
<成形加工性>
成形加工性は成膜加工する時の条件設定許容幅でもって判断し、以下のようにランク付けした。
◎:広い成膜温度領域に渡ってシームレスベルト表面が荒れずに加工できる;
○:少し狭い成膜温度領域になるが、量産を想定しても可能な温度領域が確保されている;
△:限定された温度で成膜加工できるが、量産を想定した場合かなりの条件設定を要する領域;
×:量産が不可能な条件領域。
【0066】
【表1】
Figure 2004094095
【0067】
【表2】
Figure 2004094095
【0068】
【表3】
Figure 2004094095
【0069】
表1〜3中、導電フィラー、グラフト共重合体および滑材の添加量はマトリックス樹脂100重量部に対する値である。
【0070】
比較例1は、熱可塑性ポリブチレンテレフタレートおよび熱可塑性ポリカーボネートからなるベース樹脂成分、導電性フィラー、グラフト共重合体および滑材からなるベルトを例示しており、難燃性が得られず、中抜けおよび飛散りが発生し、更に転写効率の低下が見られた。
【0071】
比較例2はグラフト共重合体を添加しない例示で、中間転写ベルトの柔軟性・摺動性に劣り繰返し曲げ疲労性が悪くなり機械的耐久が下がって来る。また、摺動性が悪くなるために中間転写ベルト表面が鏡面化して来ると二次転写後中間転写ベルト上に残ったトナーをクリーニングするクリーナーブレードがめくれ、拭き残しが起こったり、ブレード鳴きを起す原因になる。
【0072】
比較例3は滑材を添加しない例示で、ポリフェニレンサルファイド樹脂は押出成形する場合スクリューの噛み込みが悪いために押出成形で吐出出来ない。噛み込みを改善するために少量ずつホッパーヘ定量フィードすれば噛み込み始めるが中間転写ベルトを押出すだけの吐出量を確保できず中間転写ベルトの形状に至らなかった。
【0073】
【発明の効果】
本発明の中間転写ベルトは、繰返し曲げ疲労および横滑り方向の応力に対する耐久性、転写性、難燃性、成形加工性および電気的特性のすべてに優れ、中抜け、トナー飛散りおよびノイズのない画像を長期にわたって提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間転写方式の画像形成装置の概略部分構成図。
【図2】中間転写方式の画像形成装置の概略部分構成図。
【図3】中間転写方式の画像形成装置の概略部分構成図。
【符号の説明】
1:感光体、2:帯電器、3:現像器、4:中間転写ベルト、5:記録紙、6:転写・搬送ローラ、7:押圧ローラー、8:感光体、9:帯電器、10a:Y(イエロー)現像器、10b:M(マゼンタ)現像器、10c:C(シアン)現像器、10d:B(ブラック)現像器、11:中間転写ベルト、12:記録紙、13:一次転写ローラー、14:二次転写ローラー、15:押圧ローラー、16:テンションローラー、17:Y(イエロー)感光体、18:露光器、19:帯電器、20:現像器、21:一次転写ローラー、22:M(マゼンタ)感光体、23:C(シアン)感光体、24:B(ブラック)感光体、25:二次転写ローラー、26:押圧ローラー、27:記録紙、28:中間転写ベルト、29:テンションローラー。

Claims (3)

  1. 画像形成装置において像担持体よりトナー像を転写される中間転写ベルトであって、ポリフェニレンサルファイド、エポキシ基含有オレフィン共重合体とビニル系(共)重合体とからなるグラフト共重合体、導電性フィラーおよび滑材を含んでなる中間転写ベルト。
  2. 前記グラフト共重合体が、エポキシ基含有オレフィン共重合体からなる連続層中にビニル系(共)重合体からなる層が球状に分散された構成を有する請求項1記載の中間転写ベルト。
  3. 前記グラフト共重合体の添加量が、ポリフェニレンサルファイド100重量部に対して0.01〜4重量部である請求項1または2に記載の中間転写ベルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005000964A1 (ja) * 2003-06-26 2005-01-06 Bridgestone Corporation 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP2010060899A (ja) * 2008-09-04 2010-03-18 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルト
US8103202B2 (en) 2007-07-10 2012-01-24 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Transfer belt for electrophotography and image forming apparatus equipped therewith

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