JP2001302812A - エンドレスベルト、画像形成装置用ベルト及び画像形成装置 - Google Patents

エンドレスベルト、画像形成装置用ベルト及び画像形成装置

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JP2001302812A JP2000395383A JP2000395383A JP2001302812A JP 2001302812 A JP2001302812 A JP 2001302812A JP 2000395383 A JP2000395383 A JP 2000395383A JP 2000395383 A JP2000395383 A JP 2000395383A JP 2001302812 A JP2001302812 A JP 2001302812A
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紀宏 大津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い温度範囲にわたって引張弾性率が高く、
耐屈曲性や耐薬品性及び成形寸法安定性に優れたエンド
レスベルトと、このエンドレスベルトを用いた画像形成
装置用ベルトと、この画像形成装置用ベルトを用いた画
像形成装置を提供する。 【解決手段】 ベルト円周方向でのJIS P−811
5による耐屈曲性が5000回を超え、40℃での引張
弾性率が5℃での引張弾性率に対し60%以上であり、
60℃での引張弾性率が5℃での引張弾性率に対し20
%以上であり、表面電気抵抗率が1×10〜1×10
16Ωであるか、又は体積電気抵抗率が1×10〜1
×1016Ω・cmであり、かつ1本のエンドレスベル
トにあっては該抵抗率の最大値が最小値の100倍以下
であることを特徴とするエンドレスベルト。このエンド
レスベルトを用いた画像形成装置用ベルトと、この画像
形成装置用ベルトを用いた画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形寸法安定性及
び耐屈曲性などの物性に優れた無端(エンドレス)のエ
ンドレスベルト及び該エンドレスベルトを用いた、電子
写真式複写機、レーザービームプリンター、ファクシミ
リ機等に利用される中間転写ベルト、搬送転写ベルト、
感光体ベルト等の画像形成装置用ベルト並びにこの画像
形成装置用ベルトを含む画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりOA機器等などの画像形成装置
として、感光体、トナーを用いた電子写真方式や感光体
を用いずにトナーを直接エンドレスベルト上に転写させ
るトナージェット方式が考案され上市されている。これ
らの装置には継ぎ目の有無に関わらず感光体ベルト、中
間転写ベルト、搬送転写ベルト、転写分離ベルト、帯電
チューブ、現像スリーブ、定着用ベルト、トナー転写ベ
ルト等の導電性、半導電性、絶縁性の各種電気抵抗に制
御したエンドレスベルトが用いられている。
【0003】例えば、中間転写装置は、中間転写体上に
トナー像を一旦形成し、次に紙等へトナーを転写させる
ように構成されている。この中間転写体の表層における
トナーへの帯電、除電のためにシームレスベルトよりな
るエンドレスベルトが用いられている。このシームレス
ベルトは、マシーンの機種毎に異なった表面電気抵抗や
厚み方向電気抵抗(体積電気抵抗)に設定(導電、半導
電、絶縁)されている。
【0004】また、搬送転写装置は、紙を一旦搬送転写
体上に保持した上で感光体からのトナーを搬送転写体上
に保持した紙上へ転写させ、さらに除電により紙を搬送
転写体より離すように構成されている。この搬送転写体
表層においては紙への帯電、除電のためにシーム有り、
無しのエンドレスベルトが用いられている。このエンド
レスベルトは、上記と同様にマシーン機種毎に異なった
表面電気抵抗や厚み方向電気抵抗(体積電気抵抗)に設
定されている。
【0005】図3は従来のエンドレスベルトよりなる中
間転写ベルトを用いた電子写真装置の側面図である。図
中、1は感光ドラム、6は導電性エンドレスベルトであ
る。1の感光ドラムの周囲には、帯電器2、半導体レー
ザー等を光源とする露光光学系3、トナーが収納されて
いる現像器4及び残留トナーを除去するためのクリーナ
ー5よりなる電子写真プロセスユニットが配置されてい
る。導電性エンドレスベルト6は、搬送ローラ7,8,
9に掛け渡されて、矢印方向に回転する感光ドラムと同
調して矢印方向に移動するようになっている。
【0006】次に、動作について説明する。まず矢印A
方向に回転する感光ドラム1の表面を帯電器2により一
様に帯電する。次に、光学系3により図示しない画像読
み取り装置等で得られた画像に対応する静電潜像を感光
ドラム1上に形成する。静電潜像は現像器4でトナー像
に現像される。このトナー像を、静電転写機10により
導電性エンドレスベルト6へ静電転写し、搬送ローラ9
と押圧ローラ12の間で記録紙11に転写する。
【0007】ところで、電子写真式複写機等の画像形成
装置の導電性エンドレスベルトの場合には、機能上2本
以上のロールにより高張力で長時間駆動されるため、十
分な耐久性が要求される。さらに、中間転写装置等に使
用される場合は、ベルト上でトナーによる画像を形成し
て紙へ転写するため、駆動時にベルトが弛んだり、伸び
たりすると、画像ズレの原因となる。また、トナーの転
写を静電気的に行うため、ある程度の導電性も必要であ
る。
【0008】このようなエンドレスベルトは、トナー画
像を決定する重要部品であり、感光体、トナーとともに
3大重要部品の一つと考えられている。
【0009】そのため中間転写ベルトには次の〜が
要求される。 半導体領域にて所定の表面抵抗率と体積抵抗率を有
していること。 トナー離型性を有していること。 厚みが薄く均一であること。 機械的強度が強い(割れにくい)こと。 環境(温度湿度)による抵抗値の変動が少ないこ
と。 低コストであること。 シームレスで真円なベルトであること。
【0010】また、近年のマシーンの高速印刷化に伴
い、ベルトを駆動する速度が速まり、ベルトの耐久性を
向上させる必要が出てきている。
【0011】特に、感光体を4つ並べたタンデム型の搬
送転写、中間転写ベルトやトナージェット用ベルトでは
高速で印刷できる点で注目されており、特に耐久性と画
像ズレが重要となっている。
【0012】現在までエンドレスベルトとしては、例え
ば、ポリアミド、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、
エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリカーボ
ネート、ポリエステル等の樹脂組成物中に、アセチレン
ブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等
のカーボンブラックを添加し、これを数十〜数百μm程
度の厚さに成形することで所定の電気抵抗率(表面抵抗
率、体積抵抗率)に設定したベルトを中間転写体用ベル
ト、紙搬送とトナー転写を兼ねた搬送転写用ベルトを得
ていることが知られている(特開昭63−311267
号公報、特開平5−170946号公報、特開平6−2
28335号公報等)なお、エンドレスベルトの作製方
法としては次のような方法が考えられている。
【0013】(i) 回転成形法(又は遠心成形法とも表
現する場合がある) 円筒状金型の内周面に溶液を溶かした樹脂を入れ、金型
を回転させながら温度を加え、溶媒を半分以上揮発させ
てから金型の内部よりシームレス状のチューブを取り出
す工程と、別の円筒状金型の外部にシームレスチューブ
を装着し、温度を加えて熱硬化反応をさせる工程とから
なる(特開昭60−170862号公報)。この方法
は、主にポリイミド製転写ベルトの製造に用いられる。
【0014】(ii) 押出成形法 導電性フィラーをコンパウンドした樹脂を環状に溶融押
出しする方法である。この方法は、主にエチレンテトラ
フルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポ
リカーボネート系、ポリエステル系、ポリイミド系転写
ベルトの作製方法に用いられている。 (iii) ディッピング法 樹脂溶液を円筒状又は円柱状金型外面にディッピング塗
布等により一定厚みに塗布し、加熱成膜した後、金型よ
り成膜したチューブ状フィルムを引き抜く方法である。
この方法は、主にポリフッ化ビニリデン製転写フィルム
の作製に用いられている。
【0015】(iv) ゴム押出し成形法 ポリウレタンゴムを筒状に押し出し加硫した後、表面研
磨し、再外層表面にフッ素樹脂等をコートする方法が報
告されている(電子写真学会誌33(1)43(199
4))。
【0016】従来、このような導電性エンドレスベルト
としては、熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂にカーボ
ンブラックなどの導電性フィラーを配合して成形したも
のが主として用いられている。なかでも、熱可塑性樹脂
を主成分にしたものは、連続成形が容易であり、広く用
いられてきた。熱可塑性樹脂の中でも熱可塑性非晶性樹
脂は、熱可塑性結晶性樹脂よりも寸法精度に優れる。こ
のような熱可塑性非晶性樹脂製エンドレスベルトとして
は、例えばポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂に導
電性のカーボンブラックを配合し、円筒ダイを用いて筒
状フィルムに押出成形し、この筒状フィルムを輪切りに
したものが知られている(特開平3−89357号公報
等)。
【0017】しかしながら、熱可塑性樹脂非晶性樹脂は
熱可塑性結晶性樹脂よりも寸法精度には優れるが、耐屈
曲性に劣り、例えば中間転写ベルトなどとして電子写真
に用いた場合、使用中にクラックが発生しやすい。
【0018】この問題点を解決すべく、ポリカーボネー
トとポリブチレンテレフタレート等のポリアルキレンテ
レフタレートとを配合してなるエンドレスベルトが提案
されている(特開平4−313757号公報、特開平6
−149083号公報)。
【0019】しかしながら、ポリカーボネート(以下、
PCということがある。)とポリブチレンテレフタレー
ト(以下、PBTということがある。)等のポリアルキ
レンテレフタレート(以下、PATということがあ
る。)とを配合してなるエンドレスベルトは、上記のポ
リカーボネートからなるエンドレスベルトよりも耐屈曲
性が改良されているものの、改良の効果がまだ不十分で
ある。また、ポリアルキレンテレフタレート樹脂は、結
晶性が高いので、その配合量を多くするとエンドレスベ
ルトの寸法精度が低くなる。
【0020】なお、一般的な知見として、熱可塑性樹脂
は結晶性熱可塑性樹脂と非晶性熱可塑性樹脂に大別で
き、結晶性熱可塑性樹脂は耐屈曲性や耐薬品性に優れる
が成形収縮率が大きいので寸法安定性が悪く透明性を有
さず、逆に非晶性熱可塑性樹脂は成形寸法安定性及び透
明性に優れるが耐屈曲性が悪く耐薬品性が劣るなどの問
題点を有しているとされてきた。
【0021】しかしながら、多くの場合、耐屈曲性や耐
薬品性及び成形寸法安定性全てに優れることが要求され
ている。
【0022】これらの要求を満たすために、これまで結
晶性熱可塑性樹脂と非晶性熱可塑性樹脂とのアロイ化に
よる物性改良の検討が種々なされ、一定の成果があげら
れてきた。
【0023】これらの研究では、例えば熱可塑性エステ
ル系樹脂の分野においてはエステル交換反応(共重合
化)を促進させることで結晶性エステル系樹脂と非晶性
エステル系樹脂を微分散化できることが報告されてい
る。しかしながら、これまでの技術ではエステル交換
(共重合化)を促進させると、解重合による低分子量体
発生がエンドレスベルトの発泡を伴ったり、分子鎖切断
が進行して分子量低下によるエンドレスベルトの機械物
性低下(引張破断伸率が小さくなるなど)を伴う等の理
由により事実上実用化されるには至っていなかった。
【0024】実際にはエステル交換反応を抑制すること
で物性低下を防いだ樹脂製品が実用品として用いられて
きた。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ポリカーボネート(以
下PCと記載する。)からなるエンドレスベルトでは、
耐屈曲性が悪く、ローラーにてベルトを駆動させている
うちにベルトにクラックが入り破損するといった問題が
あった。
【0026】ポリアルキレンテレフタレート(以下PA
Tとする)からなるエンドレスベルトでは、PCベルト
より耐屈曲性が改良されているものの近年の装置寿命ま
で使用できるエンドレスベルトとしての市場ニーズを十
分満足させたレベルには達していなかった。
【0027】フッ素樹脂からなるエンドレスベルトで
は、耐屈曲性は満足させているもののヤング率が100
0〜1400MPaと低く、張力を架けると伸び易く、
色ズレを起こしたり、トナーが変形された状態で紙へ転
写されることがあったりする問題があった。
【0028】ポリイミド(以下PI)からなるエンドレ
スベルトでは、耐屈曲性は満足させているものの熱硬化
性樹脂のため連続成形ができないことと、プラスチック
の中で最も高価であること等に高価格のベルトになって
しまう問題があるのに加え、弾性率が約6000MPa
と高いため、ベルトを駆動する際にモータ負荷がかかる
ためか厚み設定を薄くするしかなく、一旦ローラーとベ
ルト間にゴミが入り込んだり、感光体との摩擦による傷
等が入るとクラックが入り易く信頼性に問題があった。
【0029】ゴムからなるエンドレスベルトでは、トナ
ー離型性が悪く、積層にする等の方法により解決しよう
と試みられているが、そのために加硫、表面研磨、外層
フッ素樹脂コート等工程が複雑となってしまい高価格と
なり易いことと、弾性率が低く伸び易いこと等の問題が
あった。
【0030】OA機器などの画像形成装置では、価格
や、耐屈曲性、ヤング率といった機械特性に加え、電気
特性が非常に重要であり、電気抵抗値がある範囲に均一
にコントロールされていなければならない。そのために
は、カーボンブラックや金属酸化物等の各種導電性フィ
ラーを添加させる検討されているが、導電性フィラーを
樹脂に混ぜると樹脂との親和性の無さが影響し、益々耐
屈曲性等の機械物性が低下するといった問題があった。
【0031】さらには、近年プリンター、複写機等につ
いては世界中に商品が出回るため5〜40℃の広い温度
環境を想定した部品設計、マシーン設計をする必要があ
る。
【0032】しかしながら、このような5〜40℃の広
い温度環境下においても、耐屈曲性、ヤング率等に代表
される機械物性や、電気抵抗に代表される電気物性を満
足させるエンドレスベルトは未だ提供されていないのが
現状である。
【0033】本発明の目的は、5〜40℃の広い温度環
境下でも耐屈曲性等の耐久性に優れ、長期にわたり安定
して画像を正常に形成でき、しかも安価なエンドレスベ
ルトと、このエンドレスベルトを用いた画像形成装置用
ベルト及び画像形成装置を提供するものである。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明のエンドレスベル
トは、ベルト円周方向でのJIS P−8115による
耐屈曲性が5000回を超え、40℃での引張弾性率が
5℃での引張弾性率に対し60%以上であり、60℃で
の引張弾性率が5℃での引張弾性率に対し20%以上で
あり、表面電気抵抗率が1×10〜1×1016Ωで
あるか、又は体積電気抵抗率が1×10〜1×10
16Ω・cmであり、かつ1本のエンドレスベルトにあ
っては該抵抗率の最大値が最小値の100倍以下である
ことを特徴とするものである。
【0035】また、本発明のエンドレスベルトは、水酸
基、カルボン酸基及びエステル結合の少なくとも1つを
有する結晶性樹脂、水酸基、カルボン酸基及びエステル
結合の少なくとも1つを有する非晶性樹脂並びに重合触
媒を加熱混合し、成形してなり、DSC(示差走査熱量
測定)による1回目の昇温による融解ピークを示すピー
ク温度と冷却後2回目の昇温による融解ピークを示すピ
ーク温度との差が30℃以下であることを特徴とするも
のである。
【0036】本発明のエンドレスベルトは好ましくは、
水酸基、カルボン酸基及びエステル結合の少なくとも1
つを有する結晶性樹脂、水酸基、カルボン酸基及びエス
テル結合の少なくとも1つを有する非晶性樹脂並びに重
合触媒を加熱混合し、成形してなり、DSC(示差走査
熱量測定)による1回目の昇温による融解ピークを示す
ピーク温度と冷却後2回目の昇温による融解ピークを示
すピーク温度との差が30℃以下であることを特徴とす
るものであり、且つ上記特性を有するものである。
【0037】本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意
検討した結果、長時間の耐久性を有し、かつ画像ズレを
発生させないエンドレスベルトに望まれる特性として、
アロイの構造と弾性率の温度依存性及び耐折れ性に着目
した。
【0038】つまり、高弾性率のベルトは一般に引張り
破断伸びが小さく、ベルト駆動時の負荷が大きくなるた
め厚みが厚くできない。そのためにわずかな傷がベルト
外、内面あるいは端部のいずれかより入るとクラックが
進行することがあるのではないかと推定し、弾性率と厚
みと引張り破断伸びと耐屈曲特性の関係を調査すべく検
討に入ったが、現状のプラスチック材料では、高弾性率
で引張り破断伸びが大きく、耐屈曲特性に優れた材料が
なく、新規な材料開発をしなければならないことに気づ
いた。
【0039】また、画像形成装置に用いられるプラスチ
ック等の機能性電気部品は、通常熱可塑性樹脂から形成
されるものが多く、温度による機械物性低下が生じ、こ
の機械物性の内、引張り弾性率について少なくともある
特定の温度条件での弾性率特性を示すものが広範囲下の
環境温度において正常な画像形成されることに気付い
た。
【0040】そこで、最近のエンプラ(エンジニアリン
グプラスチック)アロイのモルフォロジーに着目した。
つまり、結晶性エンプラと非晶性エンプラをアロイ化に
より共重合(ランダム、グラフト或いはブロック共重
合)させた構成のエンドレスベルトが最も安価で耐屈曲
性の優れたエンドレスベルトができるはずであるとの知
見に基づいて鋭意検討した結果、結晶性ポリエステル系
樹脂と他樹脂(例えば非晶性ポリエステル系樹脂)との
アロイ化においてある特殊なコンパウンド条件にてペレ
ット化し、ある特殊な成形条件にて作られた時に耐屈曲
性の優れ、高引張り弾性率を維持した低コストで伸びに
くいクラックの入りにくいエンドレスベルトになりうる
ことを見出した。
【0041】一般に、通常のプラスチックスのアロイ
は、相溶性アロイと非相溶性アロイとの2種に大別でき
る。
【0042】非相溶性アロイでは、2種類の熱可塑性樹
脂を溶融混合しても完全には混じり合わず、海島構造を
とることが知られている。両熱可塑性樹脂の体積分率に
大きな差がある場合は体積分率の大きい方が海で体積分
率が小さい方が島の構造をとり易く、体積分率の差が小
さい場合は溶融粘度差が海島構造に影響を与え、溶融粘
度の小さい方が海に、大きい方が島になり易いといわれ
ている。
【0043】この非相溶性アロイでは、必ず異種材料間
の海島の境界面が存在するのでその界面が最も破断し易
く耐屈曲性を低下させる原因を作っていると推測され
る。そこで本発明者等はその界面をグラフト重合、ブロ
ック重合等で補強することにより耐屈曲性に優れたエン
ドレスベルトができあがるはずであると推量した。
【0044】一方、相溶性アロイでは、異種材料間の界
面が存在せず、通常海島構造が認められない。このよう
な相溶状態の材料は耐屈曲性に代表される機械物性等は
双方の材料の配合割合に準じた物性になるといわれてい
る。そのため飛躍的な耐屈曲性の改善は見込まれそうに
ないため、本発明者等は相溶し、かつ共重合化していれ
ば耐屈曲性に代表される機械物性は大幅に改善されるは
ずであると推量した。
【0045】つまり非相溶性、相溶性いずれのアロイ化
材料でも共重合状態を作ってやることが最も機械的物性
に優れたエンドレスベルトができあがるはずであるとの
考えに至り実証すべく鋭意検討した。
【0046】そこで、まず低価格であるポリエステル系
樹脂に着目した。
【0047】一般にポリエステル系樹脂のアロイでは、
エステル交換反応と呼ばれるお互いの分子切断が行われ
相互に交換し合うことが知られている。また、このエス
テル交換反応は、一般的に分子鎖分断を伴うので結果と
して発泡したり脆くなったりして機械的物性を低下させ
る原因となっているともいわれている。
【0048】しかし、本発明者等はこのエステル交換反
応には共重合的な反応も同時進行しているはずであると
考え、ある特定の条件を設定すれば、分子鎖切断等によ
る機械的物性低下を抑制しつつエステル交換反応をさら
に共重合反応へと移行させることができるのではないか
との推測のもとに材料、コンパウンド条件、成形条件を
検討した結果、同じ配合のエンプラを用いて、海島構
造を有する構造のもの、海島構造を有しているが界面
が共重合化している構造のもの、海島構造が見受けら
れないものができることがわかり、それぞれについて耐
屈曲性に代表される機械物性がよりが、またより
が高くなっていることが判明した。
【0049】さらには、或いはの構造体では、導電
性フィラー等の第3成分を添加しても機械的な強度低下
は殆どないことが判明した。
【0050】さらには、導電性フィラーを添加しある特
定の電気抵抗に制御させた場合でも上記或いはの構
造体であれば導電性フィラーが共重合化された樹脂成分
に固定されているため、電気的にも安定であり経時的に
も変化が少ないことが判明した。
【0051】さらには、このような構造体であっても、
導電性フィラーの濃度コントロールや成形加工の条件変
更等による従来の技術を用いた電気抵抗制御にて任意に
設定できることが判明したのである。
【0052】また、これらの技術を用いることにより、
引張り弾性率、厚み、引張り破断伸びをコントロールす
るエンドレスベルトが可能となり、これらの物性とエン
ドレスベルトの画像ズレ、耐久性の関係を検証すること
ができた。
【0053】その結果、ある特定の引張り弾性率温度特
性、電気抵抗、耐屈曲性を有したベルトのみが長時間画
像ズレ、クラックの発生しないエンドレスベルトになり
うることを見出し、本発明のエンドレスベルトに想到し
た。
【0054】また、本発明者は、結晶性樹脂と非晶性樹
脂と重合触媒を加熱混練し、且つDSC(示差走査熱量
測定)による1回目の昇温による融解ピークを示すピー
ク温度と冷却後2回目の昇温による融解ピークを示すピ
ーク温度との差が30℃以下であるエンドレスベルト
は、エステル交換反応などの反応を抑制するこれまでの
手法で得たエンドレスベルトよりも長時間にわたり画像
ズレがなく、クラックも発生しないことを見出し、本発
明のエンドレスベルトに想到した。
【0055】即ち、上記のの構造体の内、又は
の結晶成分と非晶成分をそれぞれ残した構造体(海島
構造)であることが広範囲の温度環境下において伸びに
くく、高温環境下あるいは数日〜数年の経時によりベル
トが伸びてしまうことやクリープによる変形が生じにく
いことが判明した。
【0056】この現象を示差走査熱量測定(DSC)に
よる熱高分子の熱的特性にて解析した。(この熱特性で
は、熱を与えることにより高分子のミクロなセグメント
運動からマクロな運動までの動きを捉えることができ、
ガラス転移点ではミクロなブラウン運動を、融点では折
り畳み運動などを見ている)。
【0057】このDSC測定では、まず一定速度で昇温
し、次に一定速度で冷却し、更に一定速度で昇温し、融
解時での吸熱ピーク点を測定した。その結果、1回目の
昇温過程での融解ピーク点の温度と2回目の昇温過程で
の融解ピーク点の温度差が30℃より大きいと、恐らく
はまだ反応しきれずに残っている樹脂量が多いために、
高温時での引張り弾性率の低下が大きく、高温環境下あ
るいは、数日〜数年の経時によりベルトが伸びてしまう
ことやクリープによる変形が生じてしまうことがあるこ
とが認められた。そして、逆に、この温度差が30℃以
下であると、高温時での引張弾性率の低下が小さく、ク
リープも著しく小さいことが認められ、本発明のエンド
レスベルトに想到した。
【0058】なお、本発明のエンドレスベルトは、水酸
基、カルボン酸基及びエステル結合の少なくとも1つを
有する結晶性樹脂、水酸基、カルボン酸基及びエステル
結合の少なくとも1つを有する非晶性樹脂並びに重合触
媒を加熱混合してなり、上記融解ピーク温度差が30℃
以下の樹脂と、水酸基、カルボン酸基及びエステル結合
の少なくとも1つを有する結晶性樹脂、水酸基、カルボ
ン酸基及びエステル結合の少なくとも1つを有する非晶
性樹脂並びに重合触媒を加熱混合してなり、上記融解ピ
ーク温度差が30℃超の樹脂とを混合した樹脂よりなる
ものであってもよい。
【0059】本発明の画像形成装置用ベルトは、このエ
ンドレスベルトからなる中間転写ベルト、搬送転写ベル
ト又は感光体ベルトである。
【0060】本発明の画像形成装置は、この画像形成装
置用ベルトを含んでなるものである。
【0061】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。 (1) 本発明のエンドレスベルトは、電子写真式複写
機、レーザービームプリンター、ファクシミリ機等の画
像形成装置に中間転写ベルト,搬送転写ベルト,感光体
ベルトなどとして用いられる。
【0062】エンドレスベルトを得るには、結晶性樹
脂、非晶性樹脂、重合触媒を例えば二軸混練押出機によ
り混合し、ペレット化した後にエンドレスベルトとなる
ように成形する手法が特に好ましく用いられる。
【0063】成形方法については、特に限定されるもの
ではなく、連続溶融押出成形法、射出成形法、ブロー成
形法、あるいはインフレーション成形法など公知の方法
を採用して得ることができるが、特に望ましいのは、連
続溶融押出成形法である。特に押し出したチューブの内
径を高精度で制御可能な下方押出方式の内部冷却マンド
レル方式あるいはバキュームサイジング方式が好まし
く、内部冷却マンドレル方式が最も好ましい。
【0064】また、この成形時の温度,滞留時間適正化
により、より良好な物性のエンドレスベルトを得ること
ができるので各配合にあわせて条件を調整することが好
ましい。
【0065】本発明のエンドレスベルトはそのままベル
トとして使用しても良いし、ドラムあるいはロール等に
巻き付けて使用しても良い。
【0066】さらに蛇行防止や端面補強等の目的のため
に、所定の寸法のエンドレスベルトの内側及び/又は外
側端部近傍に耐熱テープを貼り付けたり、或いはウレタ
ンゴムやシリコンゴム等のテープをベルト内側の端部近
傍に貼り合わせても良い。
【0067】(2) エンドレスベルトの物性 本発明によれば、以下のような物性を有するエンドレス
ベルトが提供される。
【0068】(耐折回数)本発明に用いるエンドレスベ
ルトを例えば中間転写ベルトとして画像形成装置に用い
る場合には、耐屈曲性が悪いとクラックが発生して画像
が得られなくなるので耐屈曲性の良好なエンドレスベル
トが好ましい。
【0069】耐屈曲性の程度は、JIS P−8115
の耐折回数の測定方法に従うことで定量的に評価でき、
耐折回数の大きいエンドレスベルトほどクラックが入り
にくく、耐屈曲性に優れていると判断することができ
る。
【0070】具体的な数値としては、5000回を超え
ていれば装置寿命の間、エンドレスベルトとして優れた
機能を発揮して使用することができるが、実用的には8
000回以上が好ましく、10000回以上であればさ
らに好ましく、15000回以上であれば、特にクラッ
クが発生しにくくなり、クラック防止用補強テープ等の
二次加工を施さなくても十分な耐クラック性が得られる
ので特に好ましい。
【0071】(引張弾性率)エンドレスベルトの引張弾
性率が低いと、例えば中間転写ベルトとして画像形成装
置に用いる場合に張力により少し伸びが発生してしま
い、色ズレなど不具合を発生することがあるので引張弾
性率が高い方が好ましく、具体的には1500MPa以
上であることが必要であり、好ましくは2000MPa
以上、特に好ましくは3000MPaであり、3500
MPa以上であれば色ズレなどの不具合を大幅に抑える
ことができるので特に好ましい。
【0072】一般に柔らかいプラスチックは耐折回数が
高いが引張弾性率が低くなりやすく、逆に硬いプラスチ
ックは高い引張弾性率を得られるが脆くなりやすく耐折
回数は低いものしか得られないことが多い。本発明では
PBTやPCの有する固有の高い引張弾性率の特性を維
持したまま、高い耐折回数を得ることができる意味で有
用であると言える。
【0073】この引張弾性率は、過度に高いと、ベルト
を駆動する際モータ負荷が過大になると共に、クラック
が入り易くなるため、5000MPa以下であることが
必要であり、4500MPa以下が好ましい。
【0074】(引張弾性率の温度特性)引張弾性率の温
度特性としては、40℃で引張弾性率が5℃での引張弾
性率に対し60%以上であり、60℃での引張弾性率が
5℃での引張弾性率に対し20%以上であることが重要
である。言い換えると5℃〜40℃間では、引張弾性率
の変化は少なく、40〜60℃の間では、適度に低下す
ることが好ましい。
【0075】40℃での引張弾性率が5℃での引張弾性
率に対し60%未満であると、夏場あるいは高温条件下
でのプリンタや複写機等使用時にベルトが伸びてしまい
画像がずれたり、クリープ変形しやすくなったりする。
好ましくは、40℃での引張弾性率が5℃での引張弾性
率に対し70%以上であり、更に好ましくは80%以上
である。
【0076】また、60℃での引張弾性率が5℃での引
張弾性率に対し20%以上であることが重要である。6
0℃での引張弾性率が5℃での引張弾性率に対し20%
未満ならば、数日〜数年にかけての経時的にベルトのク
リープ、寸法変化が発生し易いため好ましくない。
【0077】特に好ましくは、60℃での引張弾性率が
5℃での引張弾性率に対し40%以上であり、更に好ま
しくは60%以上である。
【0078】(DSCによる融解ピーク特性)DSCに
よる1回目の昇温による融解ピークを示すピーク温度と
冷却後2回目の昇温による融解ピークを示すピーク温度
との差が30℃以下であることが好ましい。
【0079】上記ピークは、成形部材が経時的に変化す
る状態であるのかどうか(未反応状態である部分が残っ
ているかどうか)を示す指標となり、このピーク差が大
きいとエンドレスベルトは経時による寸法、機械物性等
の経時変化が大きいと考えられるため好ましくない。
【0080】好ましいピーク温度差は20℃以下であり
10℃以下が特に好ましい。
【0081】常温下でいくら耐久性、引張り弾性率等の
機械物性が良くても経時的に変化しては部品として使用
できるものではないため上記手法による融解ピーク差が
ある特定範囲に入っていることが重要である。
【0082】(アロイ構造)本発明の成形部材は、海島
構造を有するアロイ構造であることが好ましい。特に結
晶成分と非結晶成分をアロイ化した構造やフィラー等を
添加した構成の場合、加熱溶融した高分子材料は、冷却
過程において構造が変化する場合がある。例えば、急激
に冷却したり、フィラー等の存在下では本来結晶化すべ
き材料が結晶化しきれずに非晶状態で残る場合があるた
め、一旦成形された成形部材は、高温にさらされると再
度結晶化を進行させることがあり、寸法極度に小さく収
縮したり、機械強度が極度に低下したりする場合がある
ため注意する必要がある。
【0083】このような状態を阻止するためには、アロ
イ化する成分のうち結晶成分の材料においては成形部材
として結晶化させた状態の構造をとる必要がある。
【0084】このような海島構造は、四酸化ルテニウム
で2分以上染色した超薄切片を透過型電子顕微鏡写真に
て観察した状態にて観察される。
【0085】本発明の成形部材では、少なくとも海島構
造を有している部分が確認されかつ特定の弾性率、耐折
れ強度を有するものが好ましい。
【0086】(表面抵抗率)本発明に用いるエンドレス
ベルトは必要に応じて導電性フィラーあるいは導電性を
発現する物質を配合することにより導電性を得ることが
できる。
【0087】抵抗領域は目的により異なるが、表面抵抗
率1×10〜1×1016Ω又は体積抵抗率1×10
〜1×1016Ω・cmの範囲から選定される。
【0088】さらに好ましい範囲は用途により異なる
が、例えば感光体ベルトとして用いる場合には必要に応
じて外表面の電荷を内表面に逃がせるように表面抵抗率
1×10〜1×10Ω又は体積抵抗率1×10
1×10Ω・cmと低い抵抗率が好ましく、中間転写
ベルトとして用いる場合には帯電−転写の容易にできる
表面抵抗率1×10〜1×1013Ω又は体積抵抗率
1×10〜1×10 Ω・cmが好ましく、搬送転
写ベルトとして用いる場合には帯電しやすく高電圧でも
破損しにくい1×1010〜1×1016Ω又は体積抵
抗率1×1010〜1×1016Ω・cmと高い領域が
好ましい。
【0089】また、エンドレスベルト1本中の表面抵抗
率の分布は狭い方が好ましく、それぞれの好ましい表面
抵抗率領域において、1本中の最大値と最小値の差が2
桁以内であること(最大値が最小値の100倍以下であ
ること)が好ましい。
【0090】フィルムの表面抵抗率や体積抵抗率は例え
ばダイヤインスツルメント(株)製ハイレスタ,ロレス
タやアドバンテスト(株)製R8340Aなどにより容
易に測定することができる。
【0091】(エンドレスベルトの厚み)エンドレスベ
ルトの厚みが過度に大きいと、ローラとの曲率が大きい
場合、ベルト外側と内側の変形差が大きく割れ易くな
る。また、外側部に転写されたトナーが変形し、飛散し
画像が変形するようになる。一方、エンドレスベルトの
厚みが過度に小さいと、わずかなローラーとベルト間に
入り込んだゴミ、或いは感光体等との接触による傷によ
りクラックが入り易くベルトが破損し易くなる。従っ
て、エンドレスベルトの厚みは70〜300μmである
ことが必要であり、100〜200μmであれば特に好
ましい。
【0092】(3) エンドレスベルト材料 本発明においては、基本的に引張り弾性率、引張り破断
伸び、耐屈曲性、厚みがある範囲を満たしていれば良
く、材料の種類において制限はなく公知の熱可塑性、熱
硬化性樹脂を主成分とすることができる。ただし、材料
のもつ引張り弾性率は1500MPa以上が好ましく、
アロイ化する場合でも、それぞれのベース材料の引張り
弾性率が1500MPa以上が好ましい。
【0093】特に、本発明の機械物性を得るための好ま
しい材料は、水酸基、カルボン酸基及びエステル結合の
少なくとも1つを有する結晶性樹脂、水酸基、カルボン
酸基及びエステル結合の少なくとも1つを有する非晶性
樹脂並びに重合触媒を含んでいる。
【0094】(結晶性樹脂)本発明のエンドレスベルト
に用いる結晶性樹脂は、水酸基、カルボン酸基及びエス
テル結合の少なくとも1つを有するものであり、結晶化
度が10%以上100%以下であれば特に制限はなく汎
用の樹脂を用いることができる。
【0095】具体的には結晶性樹脂の中でもPAT(ポ
リアルキレンテレフタレート)が好ましく、なかでもP
BT(ポリブチレンテレフタレート)やPET(ポリエ
チレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタ
レート)はより好ましく、PBTは結晶加速度が早いの
で成形条件による結晶化度の変化が少なく、一般に30
%前後と結晶化度で安定しているので特に好ましい。
【0096】また、本発明に用いる結晶性樹脂は、本発
明の効果を著しく損なわない範囲で共重合成分を導入す
ることもできる。具体的な例としてエステル結合を主鎖
とし、ポリメチレングリコールなどエステル結合を導入
したものなどをあげることができる。
【0097】本発明のエンドレスベルトに用いる結晶性
樹脂の分子量に特に制限はなく、例えば、重量平均分子
量10,000〜100,000など一般的な分子量の
樹脂を用いることができるが、引張破断伸など機械物性
の高い要求がある場合には高分子量のものが好ましい。
具体的には20,000以上が好ましく、25,000
以上であればさらに好ましく、30,000以上であれ
ば特に好ましい。
【0098】(非晶性樹脂)本発明のエンドレスベルト
に用いる非晶性樹脂は、水酸基、カルボン酸基及びエス
テル結合の少なくとも1つを有するものであり、結晶化
度が0%以上、10%未満であれば特に制限はなく汎用
の樹脂を用いることができる。
【0099】具体的にはPC(ポリカーボネート)やP
Ar(ポリアリレート)などのポリエステルやPMMA
(ポリメチルメタクリレート)などの側鎖にエステル結
合を有する樹脂が好適な例としてあげることができる。
なかでもポリエステルが好ましく、PCは特に好適に用
いることができる。
【0100】また、本発明のエンドレスベルトに用いる
非晶性樹脂は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で
共重合成分を導入することができる。具体的な例として
エステル結合を主鎖とし、ポリメチレングリコールなど
エステル結合を導入したものなどをあげることができ
る。
【0101】本発明のエンドレスベルトに用いる非晶性
樹脂の分子量に特に制限はなく、例えば、重量平均分子
量10,000〜100,000など一般的な分子量の
樹脂を用いることができるが、引張破断伸など機械物性
の高い要求がある場合には高分子量のものが好ましい。
具体的には20,000以上が好ましく、25,000
以上であればさらに好ましく、30,000以上であれ
ば特に好ましい。
【0102】(結晶性樹脂と非晶性樹脂の重量比)本発
明のエンドレスベルトに用いる結晶性樹脂と非晶性樹脂
の重量比に特に制限はない。ただし、一般に結晶性樹脂
は耐薬品性,耐屈曲性に優れ、非晶性樹脂は成形寸法安
定性に優れるので、使用目的に応じ、任意の比率を設定
することができるが、なかでも、結晶性樹脂/非晶性樹
脂の重量比が1/99〜99/1が好ましく、40/6
0〜97/3がより好ましく、60/40〜95/5が
さらに好ましく、70/30〜90/10が特に好まし
い。
【0103】特に好ましい比率として結晶性樹脂の比率
を多く選択しているのは、非晶性樹脂は少しの配合で十
分に成形寸法安定性の改良効果が期待できること、非晶
性樹脂のわずかな配合過多で塗装時の溶剤などの耐薬品
性悪化の影響が顕著に出ることがあるなどの理由によ
る。
【0104】(結晶性樹脂と非晶性樹脂の粘度差)両樹
脂の粘度差が大きすぎると、製造条件を調整しても良好
な分散が得られず、均一分散に至ることができなくなる
ことがあるので、粘度差は小さい方が好ましい。
【0105】具体的には両樹脂を同一条件でMFR測定
し、値が1/20〜20/1程度の範囲に収まることが
好ましく、1/10〜10/1の範囲となればさらに好
ましい。
【0106】測定方法としてはJIS K−7210に
準拠し、測定温度条件は樹脂の加工温度に近い条件を選
択することが好ましい。
【0107】例えばPBTとPCを選択した場合、加工
温度となる260℃を測定温度として設定し、両樹脂の
粘度差を比較することが好ましい。また、荷重としては
例えば2.16kgを選択することで好適に測定でき
る。
【0108】(重合触媒)重合触媒は、結晶性樹脂及び
非晶性樹脂を重合する能力を有していれば特に制限はな
い。
【0109】重合触媒のなかでもTi系重合触媒は好ま
しく、アルキルチタネートなどが好適に用いることがで
きる。
【0110】アルキルチタネートの中でもテトラブチル
チタネート又はテトラキス(2−エチルヘキシル)オル
ソチタネートが好ましく、これらはTYZOR TOT
(DuPont製)やTYZOR TBT(DuPon
t製)として市販品を容易に入手することができる。
【0111】また、Ti系重合触媒は、アルカリ金属、
アルカリ土類金属含有化合物又は亜鉛含有化合物と組み
合わせることで、より有効に作用するので好ましく、な
かでもMg含有化合物を重合触媒として有することは特
に好ましい。
【0112】Mgを含む化合物として特に制限はないが
有機酸Mg塩が特に好ましく、酢酸Mgが特に好まし
い。
【0113】重合触媒の含有量としては、少なすぎると
有効に作用しないことがあるので、ある程度高い方が好
ましく、具体的には重合触媒中の金属分の質量が全樹脂
に対し1ppm以上が好ましく、10ppm以上であれ
ばさらに好ましく、20ppm以上であれば特に好まし
い。一方、エステル系樹脂は重金属の多量存在下によ
り、解重合を起こすことがあると知られているので、あ
る程度は小さい方が好ましく、具体的には10000p
pm以下が好ましく、1000ppm以下であればさら
に好ましく、500ppm以下であれば特に好ましい。
【0114】(キレーター)本発明では重合触媒の活性
が高すぎると、樹脂の解重合を促進して分子量低下によ
る機械的物性低下,低分子量体発生に伴う発泡などが問
題になることがある。
【0115】本発明では、重合触媒中の金属にキレート
する能力を有するキレーターが存在すると、解重合を抑
制することができる。
【0116】キレーターの種類としては特に制限はな
く、公知のキレーターを用いることができる。
【0117】例としては、亜リン酸エステル、リン酸エ
ステル、リン酸塩、ヒドラジン類を挙げることができ、
これらは例えば、イルガホス168(日本チバガイギー
(株)製)、PEP36(旭電化工業(株)製)、PE
PQ(クラリアントジャパン(株)製)の亜リン酸エス
テル、IRGANOX MD1024(日本チバガイギ
ー(株)製)、CDA−6(旭電化工業(株)製)のヒ
ドラジン類などとして容易に市場から入手することがで
きる。
【0118】これらのキレーターの添加量は、本発明で
は成形条件の適正化により解重合及び低分子量体発生を
抑制することもできるので、キレーター添加量0重量部
とすることもできるが、解重合の抑制が必要な場合には
0.001重量部以上添加することが好ましく、より効
果を得るには0.1重量部以上添加することが好まし
い。
【0119】キレーターの量が多すぎると重合触媒が活
性を失い良好な物性のエンドレスベルトを得られないこ
とがあるので添加過多にはならない方が好ましく、樹脂
100重量部に対し、10重量部以下が好ましく、5重
量部以下であるとさらに好ましい。
【0120】一般的にはキレーターの使い方としては
0.1重量部以下の少量添加で使うことが好ましいとさ
れるが、本発明でキレーターを使う場合には、特に好ま
しい使い方の例としては、重合触媒の添加量を50〜5
00ppmと多く添加し、キレーターも0.5〜5重量
部、好ましくは0.7〜2重量部と常識より高い量を用
いて、さらにエンドレスベルトを得るための成形条件
(温度,滞留時間など)を適正化すると、結晶性樹脂と
非晶性樹脂の化学結合生成及び分子量UPが促進しつ
つ、解重合を抑制でき、従来に無い物性の優れたエンド
レスベルトを得ることができる。
【0121】(導電性物質)本発明において電気抵抗値
を調整する必要がある場合には導電性物質を配合しても
良い。特に画像形成装置に用いられるエンドレスベルト
等においては電気的にトナーや紙等を吸着、転写させる
ため、表面抵抗値や体積抵抗値を用途に合わせて調整す
る必要がある。
【0122】配合する導電性物質としては、用途に要求
される性能を満たすものであれば特に制限はなく、各種
のものを用いることができるが、具体的には、導電性フ
ィラーとして、カーボンブラックやカーボンファイバ
ー、グラファイトなどのカーボン系フィラー、金属系導
電性フィラー、金属酸化物系導電性フィラーなどが用い
られ、導電性フィラーの他には、イオン導電性物質、た
とえば四級アンモニウム塩等が例示される。
【0123】特に好ましい導電性物質は、分散性に優れ
ているカーボンブラックである。
【0124】カーボンブラックの種類としては、アセチ
レンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラッ
クなどが好適に使用でき、この中でも不純物としての官
能基が少なくカーボン凝集による外観不良を発生しにく
いアセチレンブラックが特に好適に使用できる。さらに
一次粒子径が10〜100nm、比表面積10〜200
/g,pH値3〜11のものがより好ましい。
【0125】また、使用するカーボンブラックは1種類
であっても2種類であっても良い。さらには、カーボン
ブラックには樹脂を被覆したカーボンブラックや、黒鉛
化処理したカーボンブラックや、酸性処理したカーボン
ブラック等の公知の後処理工程を施したカーボンブラッ
クを用いても何ら問題はない。
【0126】また、導電性フィラーの分散性を向上させ
る目的でシラン系、アルミネート系、チタネート系、又
はジルコネート系等のカップリング剤で処理したカーボ
ンブラック等の導電性フィラーを用いても良い。
【0127】このようなカーボンブラックの配合量はベ
ルト中の含有量で3〜30重量%とすることが好ましく
上記範囲内で特に好ましい範囲は、10〜25重量%で
ある。上記範囲を超えると、製品の外観が悪くなり、ま
た、材料強度が低下して好ましくない。
【0128】(付加的配合材;任意成分)本発明のエン
ドレスベルトには、各種目的に応じて任意の配合成分を
配合することができる。
【0129】具体的には、イルガホス168,イルガノ
ックス1010,リン系酸化防止剤などの酸化防止剤、
熱安定剤、各種可塑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和
剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ
剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散剤等の各
種添加剤を添加することができる。
【0130】さらに、本発明の効果を著しく損なわない
範囲内で、第2,第3成分として各種熱可塑性樹脂、各
種エラストマー、熱硬化性樹脂、フィラー等の配合材を
配合することができる。
【0131】熱可塑性樹脂としてはポリプロピレン、ポ
リエチレン(高密度,中密度,低密度,直鎖状低密
度)、プロピレンエチレンブロック又はランダム共重合
体、ゴム又はラテックス成分、例えばエチレン・プロピ
レン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレ
ン・ブタジエン・スチレンスチレンブロック共重合体又
は、その水素添加誘導体、ポリブタジエン、ポリイソブ
チレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセター
ル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、
液晶性ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレン
サルファイド、ポリビスアミドトリアゾール、ポリエー
テルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル、
ポリフッ素化ビニリデン、ポリフッ素化ビニル、ポリク
ロロトリフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエ
チレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレンテトラフル
オロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレンパーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体、アクリル酸ア
ルキルエステル共重合体、ポリエステルエステル共重合
体、ポリエーテルエステル共重合体、ポリエーテルアミ
ド共重合体、ポリウレタン共重合体等の1種又はこれら
の混合物からなるものが使用できる。熱硬化性樹脂とし
ては、例えばエポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の1種又はこれらの混
合物からなるものが使用できる。また、各種フィラーと
しては、例えば炭酸カルシウム(重質、軽質)、タル
ク、マイカ、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、
ゼオライト、ウオラストナイト、けいそう土、ガラス繊
維、ガラスビーズ、ベントナイト、アスベスト、中空ガ
ラス玉、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化チタン、炭素繊
維、アルミニウム繊維、スチレンスチール繊維、黄銅繊
維、アルミニウム粉末、木粉、もみ殻、金属粉、導電性
金属酸化物、有機金属化合物、有機金属塩等のフィラー
の他、添加剤として酸化防止剤(フェノール系、硫黄
系、リン酸エステル系など)、滑剤、有機・無機の各種
顔料、紫外線防止剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤、発
泡剤、可塑剤、銅害防止剤、難燃剤、架橋剤、流れ性改
良剤等をあげることができる。
【0132】(加熱混練)本発明においては、結晶性樹
脂、非晶性樹脂、重合触媒を加熱混練して樹脂組成物と
した後にエンドレスベルトを成形することも、結晶性樹
脂、非晶性樹脂、重合触媒を加熱混練してそのままエン
ドレスベルトを得ることもできる。
【0133】この場合、樹脂組成物を得る段階での加熱
混練か樹脂組成物をエンドレスベルトに成形する段階で
の加熱混練いずれかで結晶性樹脂と非晶性樹脂の結合が
生成できるように条件を調節すれば良い。いずれの場合
でも、加熱温度は溶融状態でないと十分な分散ができな
いので、ある程度は高い方が好ましく、具体的には結晶
性樹脂の融点を目安に用いて、結晶性樹脂の融点以上と
することが好ましく、融点+10℃以上であるとさらに
好ましい。また、加熱温度が高すぎると熱分解を引き起
こして物性劣化を招くことがあるのである程度は低い方
が好ましく、具体的には結晶性樹脂の融点を目安に用い
て、結晶性樹脂の融点+80℃以下が好ましく、融点+
60℃以下であることがさらに好ましい。
【0134】また、加熱混練前には原料の乾燥をするこ
とによりより良い物性のエンドレスベルトを得られるこ
とがあるので乾燥は施しておいた方が好ましい。
【0135】また、場合によっては、加熱混練して樹脂
組成物とした後に、融点以下で熱処理を施してエステル
結合を生成させた後、エンドレスベルトに成形すること
もできる。
【0136】本発明においては重合触媒が結晶性樹脂及
び非晶性樹脂の反応を促して物性の優れたエンドレスベ
ルトを得られると考えられる。促される反応は加熱混練
時の温度、圧力及び熱を受ける時間が重要となるので、
得られるエンドレスベルトの分散形態を把握しつつ、加
熱混練条件を設定することが必要になる。この反応時に
副生成物として低分子量体が発生し、系中から除去でき
ないとこれが分子量低下、成形品発泡を引き起こすので
注意が必要である。
【0137】加熱混練の手段であるが、これにも特に制
限はなく公知の技術を用いることができる。例えば、ま
ず結晶性樹脂、非晶性樹脂、重合触媒を加熱混練して樹
脂組成物とするのであれば、一軸押出機、二軸混練押出
機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、プラ
ストグラフ、ニーダーなどを用いることができる。ま
た、こうして得た樹脂組成物からエンドレスベルトを得
る場合でも公知の技術を用いることができる。例えば射
出成形機,押し出し成形機などである。
【0138】(熱処理)得られたエンドレスベルトを熱
処理することにより、より物性の向上した形成部材とす
ることが可能となる。特に、耐折回数や引張弾性率の向
上が見られる。
【0139】熱処理条件は用いる原料樹脂にもよるが、
通常60〜200℃の温度、好ましくは70〜120℃
の温度で5〜60分、好ましくは10〜30分程度であ
る。
【0140】(結晶性樹脂の分子鎖と非晶性樹脂の分子
鎖間の化学結合)本発明のエンドレスベルトにおいて
は、結晶性樹脂の分子鎖と非晶性樹脂の分子鎖間の化学
結合を形成することにより、両樹脂間の親和性UP、形
態の微分散化を促し、結晶性樹脂の高耐屈曲性、非晶性
樹脂の寸法安定性、(条件によっては透明性)を併せ持
つエンドレスベルトを得ることができる。
【0141】化学結合の存在比率としては特に制限は無
いが、基本的には多い方が好ましく、具体的には結晶性
樹脂の分子鎖と非晶性樹脂の分子鎖間の化学結合1mo
lあたりの、結晶性樹脂と非晶性樹脂合計質量が、1,
000,000g以下となることが好ましく、300,
000g以下となることがさらに好ましく、100,0
00g以下となると特に好ましい。
【0142】化学結合の量の測定方法に特に制限はない
が、例えばNMRにより測定することができる。
【0143】結晶性樹脂としてPBT、非晶性樹脂とし
てPCを用いた場合の測定例を次に示す。
【0144】 測定機種 JEOLGSX400 溶媒 1,1,1,2,2,2−ヘキサフルオロイ
ソプロパノール/d−クロロホルム=3/7(VOL) 積算回数 128回 基準 TMS この測定により、図1,2に示すチャートを得た。な
お、図2は図1のII部分を拡大したものである。
【0145】テレフタル酸(TPA)のベンゼン環水素
はカルボン酸がブタンジオールと結合している場合とビ
スフェノールA(BPA)とで化学シフトが異なる。
【0146】一般にPBT分子中のTPAベンゼン環水
素(d)は、化1の通り4ヶとも等価であり、化学シフ
ト8.07にシングレットピークを示す。
【0147】
【化1】
【0148】一方、化2の如くPCのBPAと結合した
PBTのTPA中のベンゼン環水素は、化学シフトが変
化し、水素(b)は8.25にダブレット,(c)は
8.13にダブレットピークを示す。
【0149】
【化2】
【0150】(d):{(b)+(c)}の面積比によ
り、PBT分子中のTPAと、PCと結合しているTP
Aの比を求めることができる。
【0151】本例では面積比は(d):{(b)+
(c)}=100:{0.4654+0.5635}≒
99.01:0.99となるので、PBT構成単位10
0molあたり、0.99molのTPA(PBT由
来)−BPA(PC由来)結合を有していることが解
る。また、本樹脂組成物中には同量のブタンジオール
(PBT由来)−炭素(PC)結合が存在することが容
易に推測できるので、合計でPBT構成単位100mo
lあたり1.98molのPBT−PC結合が存在する
ことが解る。
【0152】化3の通り、PBT構成単位(ブタンジオ
ール+TPA)の式量は220なので、PBT2200
0(220×100mol)gあたり、1.98mol
のPBT−PC結合が存在する。
【0153】PBT−PC結合1molあたりのPBT
の質量は約11000(22000/1.98)と計算
できる。
【0154】本例ではPBTとPCの重量比が7/3な
ので、PBT−PC結合1molあたりの樹脂分(PB
T質量+PC質量)は16000g(11000/0.
7)と求めることができる。
【0155】
【化3】
【0156】(分子量)本発明においては、結晶性樹
脂、非晶性樹脂、重合触媒を加熱混練し、結晶性樹脂の
分子鎖と、非晶性樹脂の分子鎖間に化学結合を生成し、
且つ、樹脂組成物としての総合の分子量を維持あるいは
増加させることで、得られるエンドレスベルトの物性向
上が図れると考えられるので、分子量は高い方が好まし
い。
【0157】分子量の測定方法であるが、本発明のよう
に共重合体が存在する場合には分子量の真値を求めるこ
とが難しい。
【0158】そこで本発明では全ての樹脂をGPCによ
り同一条件で測定し、PS換算重量平均分子量として得
た値を共通の代表値として用いることとした。
【0159】測定条件としては、試料20mgを0.5
mlの1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−
プロパノールと0.2mlのクロロホルムで一晩溶解
し、さらに移動相の溶媒25mlを加え、0.22μm
のフィルターにて濾過し、SEC測定溶液とした。移動
相を加えてから測定終了まで12時間以内に行った。
【0160】 SEC測定条件 溶媒 クロロホルム/酢酸:99.5:0.5(vol/vol) 流速 1.0ml/分 注入量 0.02ml カラム AD806M/S 2本(昭和電工社製) カラム温度 30℃ 検出器 UV 254nm 分子量500(A−500)から2,890,000
(F−288)までの分子量の異なる単分散標準ポリス
チレン(東ソー社製)12試料用い、較正曲線を作成
し、ポリスチレン換算の分子量を計算した。
【0161】本手法で、結晶性樹脂と、非晶性樹脂と、
重合触媒を加熱混練した後に得られる樹脂組成物のPS
換算重量平均分子量(Mwとする)の値としては、具
体的には、結晶性樹脂の配合比率をX重量部,ポリスチ
レン(PS)換算重量平均分子量をMw、非晶性樹脂
の配合比率をY重量部,PS換算重量平均分子量をMw
として、
【0162】
【数2】
【0163】であることが好ましく、
【0164】
【数3】
【0165】であるとさらに好ましく、
【0166】
【数4】
【0167】であると、十分に高い物性を得られるので
特に好ましい。
【0168】また、本発明においてはMwが加熱混合
によりMwとMwの算術平均値よりも高くなってい
ることが重要で、初めから高いMwやMwの樹脂を
用いても、加熱混合時に分子量低下していては最終的な
Mwが高くても良好な物性は期待できないと考えられ
るので、Mwの絶対値に特に制限はないが、それでも
総合的観点からは高い方が好ましく、具体的にはPS換
算重量平均分子量で130,000以上が好ましく、1
40,000以上であるとさらに好ましく、150,0
00以上であると特に好ましい。
【0169】なお、重量平均分子量真値とPS換算重量
平均分子量の相関の例を挙げると、重量平均分子量4
0,000のPBTを上記手法で測定するとPS換算重
量平均分子量122,000の値が得られ、重量平均分
子量28,000のPCを上記手法で測定するとPS換
算重量平均分子量64,000の値が得られることがわ
かっている。
【0170】(分散形態)一般に2種類の熱可塑性樹脂
を溶融混合しても完全には混じり合わず、流動構造をと
ることが知られている。両熱可塑性樹脂の体積分率に大
きな差がある場合は体積分率の大きい方が海で体積分率
が小さい方が島の構造をとりやすく、体積分率の差が小
さい場合は溶融粘度差が海島構造に影響をあたえ、溶融
粘度の小さい方が海に、大きい方が島になりやすいと言
われている。
【0171】分散状態の確認手法に特に制限はなく、R
uOで染色後、超薄切片を作成しTEMで観察するな
ど公知の方法を用いることができる。
【0172】(エンドレスベルトの用途)このエンドレ
スベルトの用途に特に制限はないが、寸法精度,耐屈曲
性,引張破断伸など要求物性の厳しいOA機器分野、特
に機能部材には好適に用いることができる。このエンド
レスベルトをシームレスベルト形状とした場合、割れ,
伸びなど不具合が少ないので好適である。
【0173】このエンドレスベルトは、例えば電子写真
の中間転写ベルト、搬送転写ベルト、感光体ベルトとし
て好適に用いることができる。
【0174】このエンドレスベルトには、必要に応じて
側縁に沿って補強テープを貼着してもよい。補強テープ
としては、2軸延伸ポリエステルテープがコスト、強度
の点で好ましく、そのテープ幅は4mm以上20mm以
下が装置レイアウト状コンパクトになり好ましい。補強
テープの厚みは、20μm以上200μm以下がフレキ
シブルを維持するため低テンションでエンドレスベルト
が駆動できる点と耐クラック発生防止の点で好ましい。
【0175】
【実施例】本発明を実施例、比較例を用いて、より具体
的に説明する。
【0176】(原料)原料は下記のものを用い、配合割
合は表1又は表2の通りとした。 PBT;重量平均分子量40,000;PS換算重量平
均分子量122,000 PC ;重量平均分子量28,000;PS換算重量平
均分子量 64,000 重合触媒;チタニウム(IV)ブトキシド 酢酸マグネシウム 熱安定剤;リン酸化酸化防止剤PEPQ クラリアント
ジャパン(株)社製 カーボンブラック;デンカブラック;電気化学(株)製 (加熱混練)各原料を、二軸混練押出機(IKG(株)
製 PMT32)を用いて材料ペレット化した。
【0177】(エンドレスベルトの成形方法)この材料
ペレットを乾燥し、直径φ180mm、リップ幅1mm
の6条スパイラル型環状ダイ付き40mmφの押出機に
より、環状ダイ下方に溶融チューブ状態で押し出し、押
し出した溶融チューブを、環状ダイと同一軸線上に支持
棒を介して装着した外径170mmの冷却マンドレルの
外表面に接しめて冷却固化させつつ、次に、シームレス
ベルトの中に設置されている中子と外側に設置されてい
るロールにより、シームレスベルトを円筒形に保持した
状態で引き取りつつ340mm長の長さで輪切りにして
表1記載の所定の厚み、滞留時間となるよう押出量、引
き取り速度を調整し、直径169mmの樹脂製シームレ
スベルトとした。
【0178】成形温度,滞留時間などの条件は表1の通
りとした。
【0179】(評価)評価は必要に応じ、エンドレスベ
ルトを必要な大きさに切り開いて実施した。 ・表面抵抗率 Ω 表面抵抗率は測定器により好適に測定できる領域が異な
るので以下のように使い分けた。
【0180】表面抵抗率が1〜1×10Ωとなるサン
プルは、ダイヤインスツルメント(株)製 ロレスタを
使用し、20mmピッチにてベルト円周方向を測定し
た。
【0181】表面抵抗率が10〜1×1013Ωとな
るサンプルは、ダイヤインスツルメント(株)製 ハイ
レスタ(HA端子)を使用し、500V、10秒の条件
にて20mmピッチにてベルト円周方向を測定した。
【0182】表面抵抗率が1013〜1×1016Ωと
なるサンプルは、アドバンテスト(株) 微小電流測定
器R8340A(JIS電極)を使用し、500V、1
0秒の条件にて100mmピッチにてベルト円周方向を
測定した。
【0183】DSC セイコー電子工業(株)製SSC−5200(商品名)
を使用し、昇温速度10℃/minにて測定した。1つ
の試料を300℃までDSC測定した後、室温まで、速
度10℃/minで冷却し、その後再度同一条件で第2
回目のDSC測定を行い、第1回目の融解ピーク温度と
第2回目の融解ピーク温度との差を求めた。 ・エンドレスベルトとしての耐久性の評価 得られたエンドレスベルトを中間転写ベルト、搬送転写
ベルト或いは感光体ベルトとして画像形成装置に搭載
し、連続で画像出力をし、何枚出力した段階でエンドレ
スベルトにクラックが発生するかを評価した。 ・耐屈曲性(耐折れ性) JISP−8115に準拠し、試験片を幅15mm、長
さ100mmの大きさに切断し、MIT試験機にて折り
曲げ速度175回/分、回転角度135°左右、引張り
荷重1.5Kgfの条件にて破壊回数を測定した。 ・引張り弾性率 ISO R1184−1970に準拠し、試験片を幅1
5mm、長さ150mmに切断し、引張り速度1mm/
min、つかみ具間距離を100mmとした。 ・厚み 東京精密(株)製のマイクロメータを用いてエンドレス
ベルトの円周方向20mmピッチにて測定した。 ・体積固有抵抗(Ω・cm) 高抵抗計ハイレスタHRSプローブ(ダイヤインスツル
メンツ(株)社製)を用い、測定電圧100V、測定時
間10秒でエンドレスベルトの円周方向20mmピッチ
にて測定した。
【0184】〔実施例1〜7〕PBT,PC,テトラブ
チルチタネート,酢酸マグネシウム,熱安定剤を事前に
130℃程度で予備乾燥し、その後に加熱混練し、材料
ペレットを得た。
【0185】このときの加熱混練条件を表1に示すもの
とし、混練機内での反応は抑制するようにした。
【0186】この材料ペレットを押出成形してエンドレ
スベルトを製造した。
【0187】なお、この押出成形機内で反応が好ましい
程度に促進し、エンドレスベルトが得られるように、表
1に示す押出成形条件とした。
【0188】表1にエンドレスベルトの形態、特性を示
す。
【0189】〔比較例1〕重合触媒を用いなかったこと
以外は実施例1と同じ条件で得たエンドレスベルト。
【0190】PBTは不純物としての樹脂中の金属分の
影響を除去するために一度溶剤に溶解してカラムを用い
て濾過し、しかる後に溶剤を除去したものを用いた。
【0191】表1にこの比較例1,2のエンドレスベル
トの形態、特性を示す。
【0192】〔比較例2〕海島構造が生じないように混
練条件、押出条件を選定した。表1の比較例2に示す条
件とすることにより、PBTとPCとが均一に分散した
非海島構造のエンドレスベルトを製造した。
【0193】
【表1】
【0194】表1の通り、本発明例に係るエンドレスベ
ルトは、いずれも広い温度範囲にわたって引張弾性率が
高く、ベルト耐久性にも優れ、屈曲性が良好である。こ
れに対し、重合触媒を添加しなかった比較例1では、6
万枚でクラック及び画像ズレが生じ、耐屈曲性が不足す
る。比較例2は、重合触媒を添加してはいるものの、混
練及び成形時の温度が高目に設定され非海島構造となっ
ているために、1回目と2回目のDSC融解温度差が大
きく、そのために高温域(60℃)での引張弾性率が小
さい。そして、この結果、6万枚の複写により、エンド
レスベルトの伸びによる画像ズレが生じた。
【0195】
【発明の効果】以上の実施例及び比較例からも明らかな
通り、本発明によると、広い温度範囲にわたって引張弾
性率が高く、且つ耐屈曲性や耐薬品性及び成形寸法安定
性に優れ、溶融混合時の反応による物性劣化を抑えたエ
ンドレスベルトと、このエンドレスベルトを用いた画像
形成装置用ベルトと、この画像形成装置用ベルトを用い
た画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】PBTとPCとの混合反応物のNMRチャート
である。
【図2】図1のII部分の拡大図である。
【図3】従来の中間転写装置の側面図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 帯電器 3 露光光学系 4 現像器 5 クリーナー 6 導電性エンドレスベルト 7,8,9 搬送ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/16 G03G 15/16 21/00 350 21/00 350 // C08L 101:00 C08L 101:00 (72)発明者 大津 紀宏 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 (72)発明者 佐子川 広一 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト円周方向でのJIS P−811
    5による耐屈曲性が5000回を超え、 40℃での引張弾性率が5℃での引張弾性率に対し60
    %以上であり、 60℃での引張弾性率が5℃での引張弾性率に対し20
    %以上であり、 表面電気抵抗率が1×10〜1×1016Ωである
    か、又は体積電気抵抗率が1×10〜1×1016Ω
    ・cmであり、かつ1本のエンドレスベルトにあっては
    該抵抗率の最大値が最小値の100倍以下であることを
    特徴とするエンドレスベルト。
  2. 【請求項2】 水酸基、カルボン酸基及びエステル結合
    の少なくとも1つを有する結晶性樹脂、水酸基、カルボ
    ン酸基及びエステル結合の少なくとも1つを有する非晶
    性樹脂並びに重合触媒を加熱混合し、成形してなり、 DSC(示差走査熱量測定)による1回目の昇温による
    融解ピークを示すピーク温度と冷却後2回目の昇温によ
    る融解ピークを示すピーク温度との差が30℃以下であ
    ることを特徴とするエンドレスベルト。
  3. 【請求項3】 請求項2において、請求項1の特性を有
    することを特徴とするエンドレスベルト。
  4. 【請求項4】 該エンドレスベルトを構成する樹脂が海
    島構造を有することを特徴とする請求項2又は3に記載
    のエンドレスベルト。
  5. 【請求項5】 該エンドレスベルトにおいて、結晶性樹
    脂の分子鎖と、非晶性樹脂の分子鎖間に化学結合が存在
    することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項
    に記載のエンドレスベルト。
  6. 【請求項6】 結晶性樹脂の分子鎖と非晶性樹脂の分子
    鎖間の化学結合1molあたりの、結晶性樹脂と非晶性
    樹脂合計質量が、300,000g以下であることを特
    徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載のエン
    ドレスベルト。
  7. 【請求項7】 成分の重量比が下記条件を満たしている
    ことを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の
    エンドレスベルト。 結晶性樹脂/非晶性樹脂の重量比が、1/99〜99/
    1 重合触媒中の金属が(結晶性樹脂+非晶性樹脂)の重量
    に対し、1ppm〜10000ppm
  8. 【請求項8】 結晶性樹脂の配合比率をX重量部,ポリ
    スチレン(PS)換算重量平均分子量をMw、非晶性
    樹脂の配合比率をY重量部,PS換算重量平均分子量を
    Mw、結晶性樹脂、非晶性樹脂及び重合触媒を加熱混
    練した後に得られる樹脂組成物のPS換算重量平均分子
    量をMwとしたとき、下記関係を満たすことを特徴と
    する請求項2ないし7のいずれかに記載のエンドレスベ
    ルト。 【数1】
  9. 【請求項9】 PS換算重量平均分子量が130,00
    0以上であることを特徴とする請求項2ないし8のいず
    れかに記載のエンドレスベルト。
  10. 【請求項10】 該重合触媒がTiを含有することを特
    徴とする請求項2ないし9のいずれかに記載のエンドレ
    スベルト。
  11. 【請求項11】 該重合触媒が、アルカリ金属、アルカ
    リ土類金属及び亜鉛よりなる群の少なくとも1種と、T
    iとを含有することを特徴とする請求項2ないし9のい
    ずれかに記載のエンドレスベルト。
  12. 【請求項12】 該群の元素がMgであることを特徴と
    する請求項11に記載のエンドレスベルト。
  13. 【請求項13】 結晶性樹脂がPAT(ポリアルキレン
    テレフタレート)であることを特徴とする請求項2ない
    し12のいずれかに記載のエンドレスベルト。
  14. 【請求項14】 該PATがPBT(ポリブチレンテレ
    フタレート)であることを特徴とする請求項13に記載
    のエンドレスベルト。
  15. 【請求項15】 非晶性樹脂がPC(ポリカーボネー
    ト)であることを特徴とする請求項2ないし14のいず
    れかに記載のエンドレスベルト。
  16. 【請求項16】 導電性フィラーとしてカーボンブラッ
    クを3〜30重量%含有することを特徴とする請求項1
    ないし15のいずれか1項に記載のエンドレスベルト。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし16のいずれか1項に
    記載のエンドレスベルトからなる画像形成装置用中間転
    写ベルト、搬送転写ベルト、又は感光体ベルトである画
    像形成装置用ベルト。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の画像形成装置用ベ
    ルトを含むことを特徴とする画像形成装置。
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JP2013235265A (ja) * 2012-05-09 2013-11-21 Xerox Corp 内部放出添加剤を含有する中間転写部材

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