JP2010060899A - 導電性エンドレスベルト - Google Patents

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隆太 田中
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Abstract

【課題】本発明では、導電性エンドレスベルトに好適な樹脂を採用して該ベルトに要求される基本的特性を保持しつつ、樹脂相互の相溶性を改善し、ベルト表面により優れた光沢性を付与することのできる樹脂組成物から形成された導電性エンドレスベルトを提供すること。
【解決手段】本発明の導電性エンドレスベルトは、少なくともポリブチレンナフタレート樹脂を含む、エステル結合を有する2種以上の熱可塑性樹脂と、モンタン酸塩とを含有する樹脂組成物から形成されてなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の熱可塑性樹脂とモンタン酸塩とを含有する樹脂組成物から形成されてなり、優れた光沢度を有する導電性エンドレスベルトに関する。
あらゆる分野で用いられている樹脂組成物は、各々の用途に応じて、樹脂やエラストマー、添加剤などを組み合わせて配合することで所望の特性を発揮し得るものであり、多種多様の樹脂組成物が提案されている。
たとえば、特許文献1には、ポリエステルエラストマーにモンタン酸塩のようなカルボン酸塩を配合したポリエステルエラストマー組成物が開示されている。該組成物は、エラストマー単独では不充分であった成形性や透明性などを改善するために、モンタン酸塩を配合している。また、特許文献2には、ポリアミド樹脂に脂肪族アミンおよび脂肪族カルボン酸塩を配合したポリアミド樹脂組成物が開示されている。該組成物は、成形品を得る上で問題を有していたポリアミド樹脂に、モンタン酸塩を含む脂肪族カルボン酸塩などを添加することで、離型性などを向上させて成形サイクルの短縮化を図っている。
一方、複写機やレーザービームプリンター(LBP)、カラー複写機などの画像形成装置における導電性エンドレスベルトも例外ではなく、種々の樹脂組成物が用いられている。導電性エンドレスベルトは、転写搬送ベルトや中間転写部材のような画像の転写を行う部位に相当し、タンデム方式、中間転写方式、タンデム中間転写方式などの画像形成装置の方式があるが、いずれの方式であってもベルト特性と表面特性を兼ね備えることが要求される。
こうしたなか、特許文献3には、ポリブチレンナフタレート樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂とを含み得る樹脂組成物からなる導電性エンドレスベルトが開示されている。該組成物は導電性エンドレスベルトとして、優れた耐セット性や光沢度、導電性を発揮し得るものである。
特開昭52−4550号公報 特開平6−16927号公報 国際公開第07/015422号パンフレット
しかしながら、該文献に開示された組成物に含有される上記2種の樹脂の相溶性については依然として改善されるべき余地があり、これら2種の相溶性が不充分であるとベルト表面にうねりが生じるおそれがある。こうしたうねりは非常に微小なサイズではあるが、ベルト表面の粗さに影響を及ぼす可能性があり、光沢度が低下する要因ともなり得、転写性能にも影響を及ぼしかねない。
そこで、本発明では、導電性エンドレスベルトに好適な樹脂を採用して該ベルトに要求される基本的特性を保持しつつ、樹脂相互の相溶性を改善し、ベルト表面により優れた光沢性を付与することのできる樹脂組成物から形成された導電性エンドレスベルトを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、優れた相溶性を発揮し得る2種以上の樹脂を含有し、導電性エンドレスベルトに良好な光沢度を付与し得る樹脂組成物を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の導電性エンドレスベルトは、少なくともポリブチレンナフタレート樹脂を含む、エステル結合を有する2種以上の熱可塑性樹脂と、モンタン酸塩とを含有する樹脂組成物から形成されてなることを特徴とする。
また、前記熱可塑性樹脂は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含むのが好ましい。
前記樹脂組成物は、さらに熱可塑性エラストマーを含有するのが望ましい。
また、前記モンタン酸塩は、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.05〜5質量部の量で含有されるのが好ましく、モンタン酸カルシウムであるのが望ましい。
本発明の導電性エンドレスベルトは、2種以上の熱可塑性樹脂を含有しつつも良好な相溶性を有するので、ベルト表面に生じるうねりを抑制することができる。したがって、導電性エンドレスベルトに要求される転写性能など基本的な性能を有効に保持するとともに、ベルト表面に非常に優れた光沢度を付与することが可能となる。このような優れた光沢度は、より一層優れた転写性能を付与することとなる。
また、必要に応じ、耐久性や耐折れ性をさらに向上させることも可能となる。
以下、本発明について、好ましい実施の形態を挙げて、必要に応じて図面を参酌しつつ具体的に説明する。
本発明の導電性エンドレスベルトは、少なくともポリブチレンナフタレート樹脂を含む、エステル結合を有する2種以上の熱可塑性樹脂と、モンタン酸塩とを含有する樹脂組成物から形成されてなることを特徴としている。
一般に、導電性エンドレスベルトにはジョイントありのものとジョイントなしのもの(いわゆるシームレスベルト)とがあるが、本発明の導電性エンドレスベルトは、いずれのものであってもよい。図1に、本発明の導電性エンドレスベルトの一態様の幅方向断面図を示す。図1(a)は、1本の連続する凸条を嵌合部として設けた例を示したが、この嵌合部は多数の凸部をベルトの周方向(回転方向)に沿って一列に並べて突設してもよく、また嵌合部を2本以上設けたり(図1(b))、ベルトの幅方向中央部に設けてもよい。さらに、嵌合部として図1に示した凸条ではなく、ベルトの周方向(回転方向)に沿った溝を設け、これを前記駆動ローラ等の駆動部材の周面に周方向に沿って形成した凸条と嵌合させるようにしてもよい。
[エステル結合を有する熱可塑性樹脂]
本発明の導電性エンドレスベルトの形成には、エステル結合を有する2種以上の熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が用いられ、この熱可塑性樹脂のうち1種はポリブチレンナフタレート(PBN)樹脂である。PBN樹脂はそれ自体優れた光沢度および耐久性を発揮し得る樹脂であり、好適な弾性率をも有しているため、導電性エンドレスベルトを形成する樹脂として最適である。しかしながら、PBN樹脂を単独で用いると、充分な耐折れ性を付与できないおそれがある。本発明では、該樹脂とその他のエステル結合を有する熱可塑性樹脂とをブレンドした樹脂組成物を採用することにより、後述するモンタン酸塩の作用により相溶性を改善しつつ、より好適な耐折れ性が付与された導電性エンドレスベルトを実現することができる。PBN樹脂は、たとえば、TQB−OT(帝人化成(株)製)として上市されている。
上記PBN樹脂以外の他のエステル結合を有する熱可塑性樹脂としては、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。これらのエステル結合を有する熱可塑性樹脂は、上記PBN樹脂とエステル結合することによって、導電性エンドレスベルトに好適なポリエステル樹脂を形成する。
これらPBN樹脂以外の他のエステル結合を有する熱可塑性樹脂のなかでも、PBN樹脂との相溶性または入手容易性等の観点から、PBT樹脂が好ましい。PBT樹脂を用いれば、より一層優れた耐久性を付与することができる。PBT樹脂は、たとえば、トレコン1401(東レ(株)製)、またはジュラネックス800FP(ウィンテックポリマー(株)製)として上市されている。
[モンタン酸塩]
本発明に用いる樹脂組成物は、上記エステル結合を有する2種以上の熱可塑性樹脂のほか、さらにモンタン酸塩を含有する。通常、2種以上の熱可塑性樹脂を混合する場合、その相溶性が不充分であると、これが要因となってベルト表面に微小なうねりが生じるおそれがある。こうしたうねりは微小ながらもベルト表面に凹凸形状を付与することとなり、光沢性を低下させるだけでなく、凹形状部にトナーだけでなく紙や紙粉からの炭酸カルシウムなども堆積しやすくなるおそれがある。その結果、導電性エンドレスベルトの転写性能やトナークリーニング性が低下する可能性がある。
本発明では、モンタン酸塩を含有することにより、PBN樹脂を含む2種以上の熱可塑性樹脂の相溶性をより向上させることができ、これらの相溶性が不充分なことから引き起こされがちなベルト表面におけるうねりを有効に抑制することができ、より優れた光沢性が付与されるとともに、良好な転写性能を保持した導電性エンドレスベルトを実現することができる。
上記モンタン酸塩としては、たとえば、モンタン酸(CH3−(CH226−COOH)とアルカリ金属との塩、またはモンタン酸とアルカリ土類金属との塩などが挙げられ、より具体的にはモンタン酸リチウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸カルシウムなどが挙げられる。なかでも、より好適な相溶性を付与する観点から、モンタン酸カルシウムが好ましい。
上記モンタン酸塩は、上記熱可塑性樹脂100質量部に対し、通常0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜1質量部、より好ましくは0.2〜0.5質量部の量で配合される。上記上限値を超えると、樹脂組成物を混練する際に混練機のスクリューが空回りしやすく、各成分を充分に混合できない可能性がある。一方、上記下限値を下回ると、上記2種以上の熱可塑性樹脂の相溶性向上に充分に寄与することができないおそれがある。
[熱可塑性エラストマー]
本発明に用いる樹脂組成物に、上記熱可塑性樹脂およびモンタン酸塩のほか、さらに熱可塑性エラストマーを含有させるのが望ましい。該熱可塑性エラストマーを配合すると、さらに良好な柔軟性を付与することができ、優れた耐折れ性を有する導電性エンドレスベルトを実現することができる。
熱可塑性エラストマーとしては、たとえば、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、1,2−ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素系、塩素化ポリエチレン系、シリコーン系等の熱可塑性エラストマー等が挙げられ、具体的には、ポリエステルエラストマー(PEE)、ポリウレタンエラストマー(PUE)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリスチレンエラストマー(PSE)、ポリブチレンテレフタレートエラストマー(PBTE)やポリブチレンナフタレートエラストマー(PBNE)等が挙げられる。なかでも、上記熱可塑性樹脂との相溶性等の観点から、PBTEまたはPBNEが好ましい。
[その他の成分]
本発明に用いる樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて適宜その他の成分を含有させてもよい。たとえば、印加される電圧の変動や環境の変化に順応して安定した導電性を発現することができるよう、導電性フィラーを配合してもよい。
このような導電性フィラーとしては、電子導電剤やイオン導電剤等があり、電子導電剤としては、たとえば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属および金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー、カーボンウィスカー、黒鉛ウィスカー、炭化チタンウィスカー、導電性チタン酸カリウムウィスカー、導電性チタン酸バリウムウィスカー、導電性酸化チタンウィスカー、導電性酸化亜鉛ウィスカー等の導電性ウィスカー等が挙げられる。
また、イオン導電剤としては、たとえば、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウ弗化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などのアンモニウム塩、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウ弗化水素酸塩、硫酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩等が挙げられる。
上記導電性フィラーのほか、たとえば、各種充填剤、カップリング剤、酸化防止剤、滑剤、表面処理剤、顔料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤、発泡剤、架橋剤等を適宜配合してもよい。
[導電性エンドレスベルトの製造方法およびその用途]
上記樹脂組成物を混練機などを用いて溶融混練し、得られた混練物を成形機などを用いて成形することによって、本発明の導電性エンドレスベルトを製造する。本発明の導電性エンドレスベルトの厚さは、転写搬送ベルトまたは中間転写部材等の形態に応じて適宜選定されるものであるが、通常、50〜200μmの範囲内である。また、その表面粗さとしては、好適には、JIS 10点平均粗さRzで10μm以下、特に6μm以下、さらには3μm以下であり、Raで0.3μm以下、特に0.2μm以下、さらには0.1μm以下である。さらに、体積抵抗率としては、102Ωcm〜1013Ωcmの範囲内程度であるのが好ましい。
本発明の導電性エンドレスベルトは、図2に示すタンデム方式による画像形成装置や、図3に示す中間転写方式による画像形成装置、図4に示すタンデム中間転写方式による画像形成装置に用いることができ、また特にこれらの画像形成装置に限定されない。
図2は、タンデム方式の画像形成装置の印字部構成例である。本発明の導電性エンドレスベルトは、転写搬送ベルト10として用いることができる。感光体ドラム1、帯電ロール2、現像ロール3、現像ブレード4、トナー供給ロール5およびクリーニングブレード6で構成する印字ユニットをイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBの各トナーに対応して4個並べており、駆動ローラ(駆動部材)9により循環駆動されて転写搬送ベルト10で搬送した用紙上に、トナーを順次転写しカラー画像を形成する。転写搬送ベルトの帯電および除電は、それぞれ帯電ロール7および除電ロール8で行う。また、用紙をベルトへ吸着させるための用紙帯電には吸着ローラ(図示せず)が使用される。これらの対応により、オゾンの発生を抑えることができる。吸着ローラでは、用紙を搬送路から転写搬送ベルトに乗せるとともに、転写搬送ベルトへの静電吸着を行う。また、転写後の用紙分離は、転写電圧を低くすることにより用紙と転写搬送ベルトの吸着力を弱くして、曲率分離のみで行うことができる。
図3は、中間転写方式による画像形成装置の印字部構成例である。本発明の導電性エンドレスベルトは、中間転写部材20として用いることができる。図3中、11はドラム状の感光体であり、図中矢印方向に回転するようになっている。この感光体11は、一次帯電器12によって帯電され、次いで画像露光13により露光部分の帯電が消去され、第1の色成分に対応した静電潜像がこの感光体11上に形成され、さらに静電潜像が現像器41により第1色のマゼンタトナーMで現像され、第1色のマゼンタトナー画像が感光体11上に形成される。次いで、このトナー画像が、駆動ローラ(駆動部材)30により循環駆動されて感光体11と接触しながら循環回転する中間転写部材20に転写される。この場合、感光体11から中間転写部材20への転写は、感光体11と中間転写部材20とのニップ部において、中間転写部材20に電源61から印加される一次転写バイアスにより行われる。この中間転写部材20に第1色のマゼンタトナー画像が転写された後、前記感光体11はその表面がクリーニング装置14により清掃され、感光体11の1回転目の現像転写操作が完了する。以降、感光体が3回転し、各周回ごとに現像器42〜44を順次用いて第2色のシアントナー画像、第3色のイエロートナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次感光体11上に形成され、これが周回ごとに中間転写部材20に重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が中間転写部材20上に形成される。なお、図3の装置にあっては、感光体11の周回ごとに現像器41〜44が順次入れ替わってマゼンタトナーM、シアントナーC、イエロートナーY、ブラックトナーBによる現像が順次行われるようになっている。
次に、前記合成カラートナー画像が形成された中間転写部材20に転写ローラ25が当接し、そのニップ部に給紙カセット19から紙等の記録媒体26が給送される。これと同時に二次転写バイアスが電源29から転写ローラ25に印加され、中間転写部材20から記録媒体26上に合成カラートナー画像が転写されて加熱定着され、最終画像となる。合成カラートナー画像を記録媒体26へと転写した後の中間転写部材20は、表面の転写残留トナーがクリーニング装置35により除去され、初期状態に戻り次の画像形成に備えるようになっている。なお、中間転写部材20を回転させる駆動ローラまたは駆動ギアには適宜電源61から電圧を印加することができ、この場合の電圧は直流のみの印加または直流に交流を重量する印加など、印加条件は適時選択することができる。
図4は、タンデム方式と中間転写方式とを組み合わせたタンデム中間転写方式の印字部構成例である。本発明の導電性エンドレスベルトは、タンデム中間転写部材50として用いることができる。感光体ドラム52a〜52d上の静電潜像をそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックにより現像する第1現像部54a〜第4現像部54dが、タンデム中間転写部材50に沿って順次配置されており、このタンデム中間転写部材50を図中の矢印方向に循環駆動させて、各現像部54a〜54dの感光体ドラム52a〜52d上に形成された4色のトナー像を順次転写することにより、このタンデム中間転写部材50上にカラーのトナー像を形成し、このトナー像を紙等の記録媒体53上に転写することにより、プリントアウトを行う。符号55は、タンデム中間転写部材50を循環駆動するための駆動ローラ若しくはテンションローラを示し、符号56は記録媒体送りローラ、符号57は記録媒体送り装置、符号58は記録媒体上の画像を加熱等により定着させる定着装置を示す。また、符号59はタンデム中間転写部材50に電圧を印加する電源装置(電圧印加手段)を示し、この電源装置59は、トナー像を、感光ドラム52a〜52dから上記タンデム中間転写部材50に転写する場合と、タンデム中間転写部材50から記録媒体53上に転写する場合とで、印加する電圧の正負を反転させることができるようになっている。
このように、本発明によれば、図2〜図4に示される転写搬送ベルト10や中間転写部材20、タンデム中間転写部材50等として用いることができる導電性エンドレスベルトとして、良好な転写性能を保持しつつ優れた光沢性や耐久性、耐折れ性を付与することができる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
PBN樹脂(TQB−OT、帝人化成(株)製)60質量部、PBT樹脂(ジュラネックス800FP、ウィンテックポリマー(株)製)30質量部、PBNエラストマー(ペルプレンEN16000、東洋紡(株)製)10質量部、モンタン酸カルシウム(リコモントCaV、クラリアントジャパン(株)製)8質量部、および導電性フィラー(カーボンブラック、デンカブラック粒状、電気化学工業(株)製)15質量部を二軸混練機により溶融混練して、得られた混練物を環状ダイスを用いて押し出し成形することにより、厚さ80μmの導電性エンドレスベルトを得た。
[実施例2]
モンタン酸カルシウムの配合量を0.05質量部とした以外、実施例1にしたがって導電性エンドレスベルトを得た。
[実施例3]
モンタン酸カルシウムの配合量を0.5質量部とした以外、実施例1にしたがって導電性エンドレスベルトを得た。
[実施例4]
モンタン酸カルシウムの配合量を5質量部とした以外、実施例1にしたがって導電性エンドレスベルトを得た。
[比較例1]
モンタン酸カルシウムを配合しなかった以外、実施例1にしたがって導電性エンドレスベルトを得た。
実施例1〜4および比較例1で得られた導電性エンドレスベルトを用い、下記評価項目にしたがって評価を行った。各評価結果を表1に示す。
〈表面粗さ(Ra)〉
得られたベルトの表面粗さ(Ra:単位μm)について、表面粗さ形状測定機「サーフコム」(東京精密社製)を用い、JIS B0601に準じて測定した。
〈光沢度〉
堀場製作所製、ハンディ光沢計IG−320形を用いて測定した。
〈押し出し性〉
押し出し成形した際の成形性について、下記評価基準にしたがって評価した。
○:押し出し性が良好であり、ベルトの厚みにムラが生じることがなかった。
×:押し出し性が芳しくなく、ベルトの厚みにムラが生じた。
〈表面性全体〉
表面性全体の評価として、Ra、光沢度、および表面のブツの結果を総合判断し、下記評価基準にしたがって評価した。
○:およそRa<0.1であり、光沢度50以上であり、かつ表面にブツが存在しなかった。
×:Ra、光沢度、および表面のブツのうち、ひとつでも上記条件を満たさなかった場合を×とした。
〈耐折れ性(耐屈曲疲労性)〉
東洋精機(株)製のMIT耐揉疲労試験機を用い、荷重2Kg、折り曲げ角度90°の条件下、耐折り曲げ回数を測定し、この結果を比較例1を1.0とした指数にて示した。数値が大きいほど結果が良好であることを示す。
〈転写性能〉
画像形成装置となるレーザビームプリンタに得られた導電性エンドレスベルトを組み込み、シアンまたはマゼンダの単色ハーフトーン画像を出力し、その画像を目視観察して転写ムラの有無を判定することにより、以下の評価基準にしたがって転写性能を評価した。
○:転写ムラが確認されなかった。
△:画像の一部に転写ムラが確認された。
×:画像全体に転写ムラが確認された。
Figure 2010060899
モンタン酸塩を配合した実施例1〜4は、モンタン酸塩を配合しなかった比較例1に比べ、表面粗さ(Ra)の値が低く、良好な光沢度を示すことがわかる。その結果、表面性全体の評価についても良好な結果が得られ、転写性能向上の要因となっていることがわかる。
なかでも、モンタン酸塩を0.05〜5質量部の量で配合した実施例2〜4は、モンタン酸塩を上記範囲外の量で配合した実施例1に比べて混練状態が好ましく、押し出し性だけでなく、より良好な光沢度や転写性能を発揮することがわかる。
本発明の導電性エンドレスベルトの一態様であり、該ベルトの幅方向断面図を示す図である。 本発明の導電性エンドレスベルトを転写搬送ベルトとして用いたタンデム方式による画像形成装置を示す概略図である。 本発明の導電性エンドレスベルトを中間転写部材として用いた中間転写方式による画像形成装置を示す概略図である。 本発明の導電性エンドレスベルトをタンデム中間転写部材として用いたタンデム中間転写方式による画像形成装置を示す概略図である。
符号の説明
1、11、52a〜52d 感光体ドラム
2、7 帯電ロール
3 現像ロール
4 現像ブレード
5 トナー供給ロール
6 クリーニングブレード
8 除電ロール
9、30、55 駆動ローラ(駆動部材)
10 転写搬送ベルト
12 一次帯電器
13 画像露光
14、35 クリーニング装置
19 給紙カセット
20 中間転写部材
25 転写ローラ
26、53 記録媒体
29、61 電源
41、42、43、44 現像器
50 タンデム中間転写部材
54a〜54d 第1現像部〜第4現像部
56 記録媒体送りローラ
57 記録媒体送り装置
58 定着装置
59 電源装置(電圧印加手段)

Claims (5)

  1. 少なくともポリブチレンナフタレート樹脂を含む、エステル結合を有する2種以上の熱可塑性樹脂と、モンタン酸塩とを含有する樹脂組成物から形成されてなることを特徴とする導電性エンドレスベルト。
  2. 前記熱可塑性樹脂が、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性エンドレスベルト。
  3. 前記樹脂組成物が、さらに熱可塑性エラストマーを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の導電性エンドレスベルト。
  4. 前記モンタン酸塩が、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.05〜5質量部の量で含有されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性エンドレスベルト。
  5. 前記モンタン酸塩が、モンタン酸カルシウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性エンドレスベルト。
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