JP3738628B2 - 電子写真用ベルト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
LBP(レーザービームプリンタ)やPPC(電子写真複写機)などの静電転写方式を備えた画像形成装置に使用される電子写真用ベルト関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から電子写真複写機、LBP等の中間転写装置、現像装置、感光体装置等においては、エンドレスベルトが多用されている。例えば、エンドレスの電子写真用ベルトを中間転写ベルトとして用いる場合、図1における画像形成装置の概略構成図に示されるように、電子写真用ベルトはシームレス状態で数本のローラが挿入され、テンションローラを介して適度な張力に保持されながら長時間回転駆動する。
【0003】
このように適度なテンションを付与されながら、ローラーによって支持される電子写真用ベルトは、ベルト基材に柔軟性を有していないと、長期の使用に伴って、ローラ通過時の曲げ応力により端部に疲労割れ(以下、耐久割れともいう)が発生して問題となっていた。
【0004】
また、中間転写ベルトや感光体ベルト等のような画像が担持される電子写真用ベルト(以下、画像担持ベルトともいう)においては、当該ベルトは長期未使用時であっても張力がかかった状態で保持されるため、一定時間を経過したとき、そのときのローラ形状が保持されて、残留し、それが画像に対してスジ状の濃度ムラとなって現れるという問題が生じていた(クリープ特性の悪化)。このようにクリープ特性が悪いとメーカー側の保管、輸送時などの期間は張力を解除しておくなどの特別な対応が必要となり、コストアップの要因にもなっていた。
【0005】
そこで、フッ素系樹脂(エチレン−トリフルオロエチレン共重合体(ETFE))を用いたベルトが提案されているが、疲労割れに対しては非常に強いものの、クリープ特性が悪く長期放置時の品質が低下する。また、疲労割れを防ぐ手段としてエラストマーなどのゴム系樹脂をベースとした積層構成のベルトが知られているが、これは多層化のためのコストアップが避けられない。また、エラストマーは寸法安定性に劣るため位置検出などの余計な制御機構が必要となり、やはりコストアップになる。
【0006】
一方、クリープ特性の良い材料としてポリカーボネート(PC)樹脂が知られているが、耐久割れに対して非常に弱いため実用的ではない。また、PCの欠点を補うために、PCと、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂とのアロイ材料が提案されている。しかしながら、確かに耐久性はある程度向上するが、モルフォロジーから見てPBT、PET側が連続相(海)となり、PCが不連続相(島)になることからクリープ特性はPBT、PETの特性に依存し極端に低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、良好な耐久割れ特性とクリープ特性を両立した電子写真用ベルトを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくともポリアミド(A)、動的粘弾性測定における60℃時点でのtanδ(損失弾性係数E”/貯蔵弾性率E’)が0.05以下である熱可塑性樹脂(B)、および相溶化剤(C)からなり、Aを(A+B)基準に対して25〜75重量%、Bを(A+B)基準に対して75〜25重量%含んでなることを特徴とする電子写真用ベルトに関する。
【0009】
本発明の電子写真用ベルトは少なくとも、ポリアミド(A)、熱可塑性樹脂(B)、および相溶化剤(C)からなる。すなわち本発明は、耐久割れ特性に優れるポリアミド(A)とクリープ特性に優れる熱可塑性樹脂(B)を、相溶化剤(C)によってアロイ化することにより、耐久割れ特性とクリープ特性に優れる電子写真用ベルトを提供するものである。ここで「アロイ化」とは2種以上のポリマーおよび/またはコポリマーを均一に混合(ブレンド)することをいう。
【0010】
本発明において使用されるポリアミド(A)としては、公知のポリアミド類が使用可能であり、例えば、ポリアミド12(PA12)(12−ナイロン)、ポリアミド11(PA11)(11−ナイロン)、ポリアミド10(PA10)(10−ナイロン)、ポリアミド9(PA9)(9−ナイロン)、ポリアミド8(PA8)(8−ナイロン)、ポリアミド7(PA7)(7−ナイロン)、ポリアミド6(PA6)(6−ナイロン)、ポリアミド6,6(PA6,6)(6,6−ナイロン)、ポリアミド6,10(PA6,10)(6,10−ナイロン)等が挙げられる。ポリアミド(A)は単独で、または2種以上混合して用いてもよい。
【0011】
上記のポリアミドの中でも、低吸水性の観点からPA12およびPA11を用いることが好ましい。また、低吸水性を有し、寸法安定性に優れることからPA12を選択することがより好ましい。
【0012】
ポリアミド(A)は数平均分子量が20000〜40000程度であることが好ましい。
【0013】
上記のようなポリアミド(A)の市販品として、例えば、グリルアミドL25(エムス社製)(PA12)、リルサン BESN OTL(東レ社製)(PA11)等が入手可能である。
【0014】
ポリアミド(A)の含有量は、当該Aと後述のBとの合計量(A+B)基準に対して25〜75重量%、好ましくは30〜70重量%、より好ましくは40〜70重量%、さらに好ましくは45〜65重量%である。ポリアミド(A)の含有量が多すぎると、クリープ特性の低下に起因して画像上、スジ状の濃度ムラが発生する。一方、当該含有量が少なすぎると、耐折れ強さの低下に起因して、耐久時、ベルトの端部において割れが発生する。
【0015】
本発明において使用される熱可塑性樹脂(B)は動的粘弾性測定における60℃時点でのtanδ(損失弾性係数E”/貯蔵弾性率E’)が0.05以下、好ましくは0.04以下、より好ましくは0.035以下である。本発明の発明者は樹脂(B)の動的粘弾性におけるtanδ(損失弾性係数E”/貯蔵弾性率E’)とクリープ特性の関係を鋭意検討し、60℃時点でのtanδが上記範囲内であるとき良好なクリープ特性を維持することを見い出した。60℃時点でのtanδが0.05を超えると急激にクリープ特性が劣化し、濃度ムラ発生の原因となる。
【0016】
tanδは樹脂の挙動特性を示す値であり、すなわちtanδが小さいほど当該樹脂は弾性成分として挙動する傾向が強く、一方でtanδが大きいほど当該樹脂は粘性成分として挙動する傾向が強いことを示している。
【0017】
本明細書中、60℃時点でのtanδは動的粘弾性測定装置(DMS 6100型;セイコーインスツルメンツ社製)によって測定された値を用いているが、当該装置によって測定されなければならないというわけではなく、上記装置と同様の原理に従って測定可能な装置であればいかなる装置を用いて測定されてよい。
【0018】
熱可塑性樹脂(B)は上記のようなtanδを有する公知の熱可塑性樹脂であれば特に制限されないが、本発明においては主鎖に芳香族を含む熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。主鎖に芳香族を含む熱可塑性樹脂、すなわち主鎖にベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族環が組み込まれた熱可塑性樹脂は耐熱性が高く、剛直な構造となる。従って、主鎖に芳香族を含み、かつ上記のようなtanδを有する熱可塑性樹脂を用いることによりベルトのクリープ特性がより向上する。主鎖中における芳香族環の含有割合は特に制限されず、当該樹脂が所望の耐熱性および剛性を得られ、本発明のベルトが優れたクリープ特性を有し得る範囲内とする。
【0019】
このような熱可塑性樹脂としては、例えば、ハイインパクトポリスチレン変性ポリフェニレンエーテル(HIPS変性PPE(以下、単に変性PPEということがある))、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、非結晶ポリアミド(非結晶PA)、ポリフェニレンエーテル(PPE)等が挙げられる。好ましくは変性PPE、PPS、非結晶PA等が使用される。また、熱可塑性樹脂(B)としては、互いに相溶可能である限り、上記例示のポリマーを2種以上混合して用いてもよい。
【0020】
上記変性PPEはHIPSによって変性されたPPEであり、詳しくはHIPSがPPE中に分子レベルで分散された、HIPSとPPEとのアロイである。PPEとの相溶性はPSが最も優れており、そのブレンド系はTgがひとつであり、分子分散状態を形成している。これはPPEとPSの溶解度指数値が一致していることによる。HIPSは公知の耐衝撃用ポリスチレンであり、例えば、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリスチレンとスチレン−ブタジエン共重合体との相溶化物等が挙げられる。
【0021】
変性PPEにおけるPPE含有量は耐熱性の観点から45重量%以上であることが好ましい。
【0022】
このような変性PPEの市販品として、ユピエースAH60(tanδ=0.009(60℃);三菱エンプラ社製)等が入手可能である。
【0023】
上記PPSの市販品として、トレリナB672X01(tanδ=0.034(60℃);東レ社製)等が入手可能である。
【0024】
上記非結晶PAは非結晶性を有する公知のポリアミドであり、好ましくはジアミン類と芳香族ジカルボン酸類との重縮合物であって、ジアミン類が側鎖を有するか、またはジカルボン酸類が芳香族イソ型である重縮合物である。このような非結晶PAの具体例として、例えば、トリメチル・ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸との重縮合物、ビス(4−アミノ3−メチルシクロヘキシル)メタンとテレフタル酸との重縮合物、またはビス(アミノシクロヘキシル)メタンとイソフタル酸との重縮合物等が挙げられる。
【0025】
このような非結晶PAの市販品として、グリルアミドTR55(tanδ=0.028(60℃);エムス社製)等が入手可能である。
【0026】
上記のような熱可塑性樹脂(B)の含有量は、前記Aと当該Bとの合計量(A+B)基準に対して75〜25重量%、好ましくは70〜30重量%、より好ましくは60〜30重量%、さらに好ましくは55〜35重量%である。
【0027】
本発明において使用される相溶化剤(C)は、上記のポリアミド(A)と熱可塑性樹脂(B)とのアロイ化を当該相溶化剤(C)によって達成できれば特に制限されず、本発明においてはAとBとのアロイ化容易性の観点から主鎖がポリオレフィンからなり、側鎖がビニル系ポリマーからなるグラフトコポリマーを用いることが好ましい。
【0028】
主鎖がポリオレフィンからなり、側鎖がビニル系ポリマーからなるグラフトコポリマーにおいて、主鎖としてのポリオレフィン部は前記のポリアミド(A)と相溶性を有し、一方で側鎖としてのビニル系ポリマー部は前記の熱可塑性樹脂(B)と相溶性を有するため、当該グラフトコポリマーは全体としてポリアミド(A)と熱可塑性樹脂(B)との相溶化を達成し、耐久割れとクリープ特性を両立した電子写真用ベルトの製造が可能になると考えられる。
【0029】
上記グラフトコポリマーの主鎖部を構成するポリオレフィンはポリアミド(A)と相溶性を有する公知のポリオレフィンであり、例えば、後述のオレフィン系単量体から選択される1種または2種以上の単量体からなる(共)重合体が挙げられる。本明細書中、「(共)重合体」は単独重合体または共重合体いずれであってもよいことを意味する。
【0030】
上記オレフィン系単量体としては、不飽和カルボキシル基含有単量体、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ブテントリカルボン酸、α−クロロアクリル酸、マレイン酸、クロトン酸およびフマル酸、ならびにそれらの酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、シクロヘキシルエステル、ドデシルエステル、オクタデシルエステルおよびグリシジルエステル、ならびに無水マレイン酸など;オレフィン類、例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、デセン−1、オクテン−1、スチレンなど;ビニルエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルベンゾエートなど;ビニルエーテル類、例えば塩化ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど;およびアクリル酸アミド系化合物が挙げられる。これらの中で好ましい単量体として、上記の不飽和カルボキシル基含有単量体およびオレフィン類、より好ましくはメタクリル酸グリシジル、エチレン、スチレン、アクリル酸エチル、無水マレイン酸を挙げることができる。
【0031】
上記グラフトコポリマーの主鎖部を構成するポリオレフィンの具体例としては、例えば、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、無水マレイン酸単独重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。中でも好ましいものは少なくとも1種の上記不飽和カルボキシル基含有単量体を含むポリオレフィンであり、例えば、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、無水マレイン酸単独重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体である。これらの重合体は前記ポリアミド(A)との相溶性がより高いためである。
【0032】
主鎖部として好ましいエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体はエチレン80〜90重量%およびグリシジルメタクリレート20〜10重量%からなっていることが好ましい。
【0033】
主鎖部として好ましいエチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体はエチレン80〜90重量%、エチルアクリレート15〜8重量%および無水マレイン酸5〜2重量%からなっていることが好ましい。
【0034】
主鎖部としてのポリオレフィンの製造法としては公知の重合法が使用可能であり、例えば、高圧ラジカル重合法を採用することができる。高圧ラジカル重合法においては、所定の上記単量体を、それらの全単量体の総重量に基づいて0.0001〜1重量%の公知のラジカル重合開始剤の存在下で重合圧力500〜4000kg/cm2、好ましくは1000〜3000kg/cm2、反応温度50〜400℃、好ましくは100〜350℃の条件下、公知の連鎖移動剤、必要に応じて助剤の存在下に槽型または管型反応器内で、同時に、あるいは段階的に接触、重合させる。
【0035】
本発明において使用されるグラフトコポリマーの側鎖部を構成するビニル系ポリマーは熱可塑性樹脂(B)と相溶性を有する公知のビニル系ポリマーであり、例えば、後述のビニル系単量体から選択される1種または2種以上の単量体からなる(共)重合体が挙げられる。
【0036】
上記ビニル系単量体としては、具体的にはアルキルメタクリレート、アルキルアクリレート、スチレン、核置換スチレン、例えばメチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルスチレン、α−置換スチレン、例えばα−メチルスチレン、α−エチルスチレンなどのビニル芳香族単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。好ましくはアルキルメタクリレート、アルキルアクリレート、スチレン、アクリロニトリルが挙げられる。
【0037】
上記グラフトコポリマーの側鎖部を構成するビニル系ポリマーの具体例としては、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート等が挙げられる。好ましくはポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリメチルメタクリレートである。アクリロニトリル−スチレン共重合体はアクリロニトリル15〜35重量%、スチレン85〜65重量%からなっていることが好ましい。
【0038】
本発明で使用されるグラフトコポリマーのビニル系ポリマー部の数平均重合度はベルトの耐熱性、成形性の観点から、5〜10000、好ましくは10〜5000の範囲であることが好ましい。
【0039】
熱可塑性樹脂(B)との相溶性の観点からは、熱可塑性樹脂(B)が変性ポリフェニレンエーテルであるとき、グラフトコポリマーの側鎖としてのビニル系ポリマーはポリスチレンおよび/またはアクリロニトリル−スチレン共重合体であることが好ましく、特にHIPSとの相溶性の観点からはポリスチレンであることがより好ましい。このとき、さらに好ましくはグラフトコポリマーの主鎖はエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体である。
【0040】
また、熱可塑性樹脂(B)がポリフェニレンスルファイドであるとき、グラフトコポリマーの側鎖としてのビニル系ポリマーはポリスチレン、ポリメチルメタクリレートおよび/またはアクリロニトリル−スチレン共重合体であることが好ましい。このとき、より好ましくはグラフトコポリマーの主鎖は無水マレイン酸単独重合体である。
【0041】
また、熱可塑性樹脂(B)が非結晶ポリアミドであるとき、グラフトコポリマーの側鎖としてのビニル系ポリマーはアクリロニトリル−スチレン共重合体および/またはポリスチレンであることが好ましい。このとき、より好ましくはグラフトコポリマーの主鎖は無水マレイン酸単独重合体またはエチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体である。
【0042】
本発明におけるグラフトコポリマーは、得られるベルトにおける耐久割れ特性およびクリープ特性のさらなる向上、ならびにベルトの表面粗度、耐熱性および寸法安定性の向上の観点から)ポリオレフィン部分(主鎖)を50〜80重量%を含有することが好ましい。従ってビニル系ポリマー部分(側鎖)50〜20重量%を含有することになる。
【0043】
本発明で使用するグラフトコポリマーを製造する際のグラフト化法は、一般に良く知られている連鎖移動法、電離性放射線照射法などいずれの方法によってもよいが、最も好ましいのは下記に示す方法によるものである。その理由はグラフト効率が高く、熱による二次的凝集が起こらないため、性能の発現がより効果的であるためである。
【0044】
すなわち、直鎖としての上記ポリオレフィン100重量部を水に懸濁させ、別に側鎖を構成する少なくとも1種のビニル系単量体5〜400重量部に、公知のラジカル(共)重合性有機過酸化物の1種または2種以上の混合物を該ビニル系単量体100重量部に対して0.1〜10重量部と、10時間の半減期を得るための分解温度が40〜90℃であるラジカル重合開始剤をビニル系単量体とラジカル(共)重合性有機過酸化物との合計100重量部に対して0.01〜5重量部とを溶解させた溶液を添加し、ラジカル重合開始剤の分解が実質的に起こらない条件で加熱し、ビニル系単量体、ラジカル(共)重合性有機過酸化物およびラジカル重合開始剤をポリオレフィンに含浸させ、その含浸率が初めの50重量%以上に達したとき、この水性懸濁液の温度を上昇させ、ビニル系単量体とラジカル(共)重合性有機過酸化物とをポリオレフィン中で共重合させて、グラフト化前駆体を得る。このグラフト化前駆体を100〜300℃で溶融下、混練すれば本発明で用いるグラフトコポリマーが得られる。
【0045】
したがって、このグラフト化前駆体を直接、前記のポリアミド(A)と熱可塑性樹脂(B)と共に溶融混合しても、結果的にグラフト化前駆体はグラフトコポリマーとなる。
なおグラフト化前駆体又はグラフトコポリマーの製造時に副生するビニル系ポリマーや未反応のポリオレフィンが含まれていてもかまわない。
さらにグラフト化前駆体またはグラフトコポリマーにビニル系ポリマーやポリオレフィンを混合したものでも使用できる。
最も好ましいのは、グラフトコポリマーを用いることである。
【0046】
前記製造方法において、含浸率が50重量%未満では、グラフトコポリマーの構成部分として有効に寄与するビニル系ポリマー部分の割合が少なくなる。
なお、含浸率の測定方法は、反応容器からポリオレフィン粒子(ペレット)を所定量取りだし、加熱残分を測定することによって、加熱前後の重量差からその含浸率を求めることができる。
【0047】
ラジカル(共)重合性有機過酸化物としては、t−ブチルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、t−ブチルペルオキシメタリルカーボネートを用いることが好ましい。
【0048】
本発明において好ましいグラフトコポリマー、例えば、主鎖がEGMA(エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体)、側鎖がAS(アクリロニトリル−スチレン共重合体)からなるグラフトコポリマーは、例えば商品名「モディパーA4400」(日本油脂社製)として入手可能である。
また、主鎖がEGMA(エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体)、側鎖がPS(ポリスチレン)からなる、本発明で好ましいグラフトコポリマーは、例えば商品名「モディパーA4101」(日本油脂社製)として入手可能である。
【0049】
また、主鎖が無水マレイン酸単独重合体、側鎖がPS(ポリスチレン)からなる、本発明で好ましいグラフトコポリマーは、例えば商品名「モディパーA8100」(日本油脂社製)として入手可能である。
また、主鎖が無水マレイン酸単独重合体、側鎖がPMMA(ポリメチルメタクリレート)からなる、本発明で好ましいグラフトコポリマーは、例えば商品名「モディパーA8200」(日本油脂社製)として入手可能である。
また、主鎖がE/EA/MAH(エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体)、側鎖がAS(アクリロニトリルスチレン共重合体)からなる、本発明で好ましいグラフトコポリマーは、例えば商品名「モディパーA8400」(日本油脂社製)として入手可能である。
【0050】
相溶化剤(C)の使用量は、得られるベルトの表面平滑性の観点から、ポリアミド(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計量(A+B)100重量部に対して3〜12重量部、好ましくは5〜10重量部であることが望ましい。
【0051】
本発明の電子写真用ベルトには、導電性を付与することを目的として、公知の導電性フィラーを配合することが好ましい。本発明の電子写真用ベルトに導電性を付与することにより、中間転写ベルトや感光体ベルト等の画像担持ベルトとして有効に用いることができる。
【0052】
本発明のベルトを中間転写ベルトとして用いる場合、当該ベルト表面の電気抵抗値が高すぎるとトナーの移動に必要な所定の電界強度が発生せず、トナー移送不良となり適正濃度に達しない。また、抵抗が低すぎれば過電流が流れ、異常放電などが発生し濃度ムラなどの不良となる。従って、ベルトを中間転写ベルトとして用いる場合においては、通常、表面電気抵抗値は105〜1013Ω/□、好ましくは107〜1010Ω/□の範囲に設定される。また、ベルトを感光体ベルト基材として用いる場合においては、通常、表面電気抵抗値は0〜106Ω/□、好ましくは0〜103Ω/□の範囲に設定される。ベルトを感光体ベルトとして用いる場合、表層に有機感光層をつける必要があり、本材料はその基材として使用される。
【0053】
ベルトを中間転写ベルトとして用いる場合においては、表面電気抵抗値を上記範囲内に制御するために、導電性フィラーの添加量は通常ポリアミド(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計量(A+B)100重量部に対して3〜20重量部、好ましくは5〜15重量部とされる。20重量部を超えて配合した場合は、導電性が高すぎ、電気抵抗値が105Ω/□未満になる上、機械的物性の劣化が大きくなり製品外観も悪くなる。また、3重量部より少ない場合は導電性が低すぎ、電気抵抗値が1013Ω/□を越え、先に述べたように電子写真用ベルトとして成立しない。
【0054】
また、ベルトを感光体ベルトとして用いる場合においては、表面電気抵抗値を上記範囲内に制御するために、導電性フィラーの添加量は通常ポリアミド(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計量(A+B)100重量部に対して15〜30重量部、好ましくは20〜25重量部とされる。
【0055】
導電性フィラーとしては公知のものが使用可能であり、一般的にはカーボンブラックが使用される。その中で好ましいものとして、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等が挙げられ、更にこの中でも分散性の良好なアセチレンブラックが特に好ましい。
【0056】
本明細書中、ベルト表面の電気抵抗値はJIS K-6911による値を意味し、高抵抗率計(ハイレスタIP;三菱油化社製)によって測定された値を用いているが、当該装置によって測定されなければならないというわけではなく、上記JIS規格に従って測定可能な装置であればいかなる装置を用いて測定されてよい。
【0057】
本発明においては、本発明の効果を著しく損なわない範囲で上記成分のほかに付加的成分を配合することができる。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂成分、ならびに酸化防止剤(フェノール系他)、安定化剤および滑剤(WAX)などの添加剤が挙げられる。
【0058】
本発明のベルトは、厚みを後述の範囲内に制御できれば、いかなる方法によって製造されてよい。例えば、本発明のベルトは上記材料を一旦、混練機により溶融・混練した後、公知の成形法を用いて製造され得る。混練機は公知のものが使用され、例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリミキサー、ロール、ニーダーなどが挙げられる。生産性と混練性のバランスから二軸押出機を用いることが好ましい。また、成形法としては、公知の方法が採用され、例えば、連続溶融押出成形法、射出成形法、インフレーション成形法、ブロー成形法等が挙げられる。生産性、寸法安定性の観点から好ましくは連続溶融押出成形法である。
【0059】
ベルトの厚みは50μm〜1000μm、好ましくは100〜300μmが望ましい。
【0060】
以上のような本発明の電子写真用ベルトは中間転写ベルト(中間転写部材)または感光体ベルトとしての使用に適している。
【0061】
本発明の導電性ベルトを中間転写ベルトとして用いる場合について説明する。図1に、本発明のベルトを中間転写ベルトとして適用した画像形成装置の概略部分構成図を示す。1は感光体、4が中間転写ベルトである。感光体の周囲には、通常、帯電器、感光体上に静電潜像を形成するための露光光学系、トナーを収容する現像器、感光体表面に形成されたトナー像を中間転写ベルトを介して記録媒体へと転写する中間転写装置、残留トナーを除去するクリーナー等が配置されているが、図1においては簡略化のため感光体1を帯電させるための帯電器2、感光体1上に形成された静電潜像をトナー現像するための現像器3、感光体1上に形成されたトナー像を記録媒体5に転写するための中間転写装置10のみを図示している。
【0062】
中間転写ベルト4は転写・搬送ローラー6に掛け渡され、矢印方向に回転する感光体1と同調して矢印方向に回転するようになっている。
【0063】
図1に示すような画像形成装置においては、まず矢印方向に回転する感光体1の表面を帯電器2により一様に帯電し、図示しない露光光学系により画像に対応する静電潜像を形成する。静電潜像は現像器3でトナー像に現像される。
【0064】
現像されたトナー像は中間転写装置10によって記録媒体5に転写される。詳しくは、中間転写ベルトに電圧印加装置(図示しない)により電圧を印加し、感光体1上のトナー像を中間転写ベルト4に静電的に転写する。そして中間転写ベルト上に形成されたトナー像は、搬送・転写ローラー6と押圧ローラー7の間で記録紙5に転写するようになっている。
【0065】
このような画像形成装置においては中間転写ベルト4は、図1に示されているように数本のローラ6を介して感光体1に接し、かつ4〜6kgのテンション力により張られた状態になっている。また、中間転写ベルト4は、例えば感光体からトナーをY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B(ブラック)と順次一次転写させるために、中間転写装置に適した周速、例えば80〜160mm/sで回転させられる。その際、数本のローラ6のローラ径と中間転写ベルト4の巻き付け角度により繰返し曲げ疲労ストレスを受け、中間転写ベルト4の設定寿命に満たず割れ破壊に至ることがある。本発明のベルトはこのような繰返し曲げ疲労ストレスに強い。また、上記のような画像形成装置においては中間転写ベルトが装着され、外力を付与された状態で出荷の前後で一定時間を経過することがよくあるが、このとき、外力付与時の形状が保持され、折り目が残留して変形が生じ(クリープ特性の悪化)、画像品質の低下(スジムラの発生)に至ることがある。本発明のベルトはこのような状況においても、変形が生じ難い。
【0066】
【実施例】
材料
A成分として以下の材料を用いた。
ポリアミド(PA)材:エムス社製PA12「グリルアミドL25」tanδ=0.105(60℃)(以下、単に「L25」という)
B成分として以下の材料を用いた。
変性PPE材:三菱エンプラ社製「ユピエースAH60」tanδ=0.009(60℃)(以下、単に「AH60」という)
PPS材:東レ社製「トレリナB672X01」tanδ=0.034(60℃)(以下、単に「トレリナ」という)
非結晶PA材:エムス社製透明ナイロン「グリルアミドTR55」tanδ=0.028(60℃)(以下、単に「TR55」という)
PBT材:三菱エンプラ社製「ノバドゥール5010S」tanδ=0.057(60℃)(以下、単に「5010S」という)
C成分として以下の相溶化剤(いずれも、日本油脂製「モディパー」)を用いた。
A4400:主鎖がEGMA(エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体)、側鎖がAS(アクリロニトリル−スチレン共重合体)からなるグラフトコポリマー
A4101:主鎖がEGMA(エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体)、側鎖がPS(ポリスチレン)からなるグラフトコポリマー
A8100:主鎖が無水マレイン酸単独重合体、側鎖がPS(ポリスチレン)からなるグラフトコポリマー
A8200:主鎖が無水マレイン酸単独重合体、側鎖がPMMA(ポリメチルメタクリレート)からなるグラフトコポリマー
A8400:主鎖がE/EA/MAH(エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体)、側鎖がAS(アクリロニトリルスチレン共重合体)からなるグラフトコポリマー
導電性フィラーとしてカーボンブラック(アセチレンブラック;デンカ社製)を用いた。
【0067】
実験例1
実施例1〜3
実施例1
PA12(L25)、変性PPE(AH60)および相溶化剤(A4101、A4400)を表1に記載の割合で用い、これらの材料を東洋精機製ラボプラストミルにより60rpmで10分間、混練した後に熱プレス成形機により成形して厚み150μmのシートを製作した。
実施例2
PA12(L25)、PPS(トレリナB672X01)および相溶化剤(A8100、A8200)を表1に記載の割合で用いたこと以外、実施例1と同様にして、厚み150μmのシートを製作した。
実施例3
PA12(L25)、非結晶PA(TR55)および相溶化剤(A8100、A8400)を表1に記載の割合で用いたこと以外、実施例1と同様にして、厚み150μmのシートを製作した。
【0068】
得られたシートを以下に基づいて評価した。
(耐折強さ)
JIS P-8115に準拠し、試験片を幅15mm、長さ110mmの大きさに切断し、MIT耐揉試験機(東洋精機社製)で折り曲げ速度175回/分、回転角度90°、左右、引張り荷重1kgの条件で破壊回数を測定した。耐折強さと後述の実機耐久割れ(実機に搭載して連続的に回転させたときに生じる割れ)との相関から、破壊回数3000回以上では耐久割れが発生せず、破壊回数3000回以下では耐久途中で割れが発生する傾向がある。特に破壊回数1000回以下では耐久初期に割れが発生する。以上から破壊回数1000回以下を×、1000〜3000回を△、3000回以上を○、2万回以上を◎とした。
【0069】
(クリープ特性)
幅50mm、長さ130mmの大きさに切断した試験片を用いて評価した。まず、図2(A)に示すように試験片の初期状態の寸法aを測定した。次いで、試験片を内径φ28mmのアルミパイプに挿入し、40℃、95%rh環境に100時間投入後、パイプを取出し23℃、50%rh環境に12時間放置し、パイプから試験片を抜き取り、ただちに、図2(B)に示すように試験片の寸法bを測定した。次に示す計算式によりクリープ率を算出した。
クリープ率(%)=(a−b)/(a+X)×100
Xは図2(C)に示すようにパイプ内での試験片における試験片重なり部分の寸法を示す。すなわち、本評価においてはφ28mmのパイプを用いているため、Xは42.0mm(=シート長さ130−28π)である。
パイプから取り出した直後に試験片寸法bが元の長さaに戻った時、b=aとなるため、クリープ率は0で表される。一方、パイプから取り出した直後、試験片がパイプ内での形態を保っていた時、b=−Xとなるため、クリープ率は100で表される。クリープ率と後述の画像濃度ムラとの相関から、クリープ率が80%以上であると明らかに濃度ムラが発生し、75%以上であると濃度ムラが出やすくなる。従って、80%以上を×、75%以上80%未満を△、40%以上75%未満を○、40%未満を◎とした。
【0070】
(総合判定)
上記の耐折強さおよびクリープ特性についての評価結果に基づいて、特に優れているものを○、実用上問題ないものを△、実用上問題あるものを×とした。
【0071】
【表1】
Figure 0003738628
【0072】
【表2】
Figure 0003738628
【0073】
【表3】
Figure 0003738628
【0074】
実験例2
PA12、変性PPE、PPS、非結晶PA、またはPBT単独で用いたこと以外、実施例1と同様にして、シートを製作した。得られたシートの耐折強さおよびクリープ特性について、実験例1においてと同様にして評価した。また各シートの60℃におけるtanδを以下に従って測定した。結果を表4に示す。
【0075】
(tanδの測定)
動的粘弾性装置(セイコーインスツルメンツ(株)製;DMS 6100型)を用いて引張りモードでサンプル巾12mm×長さ20mm、厚み0.1〜0.2mmを使って温度範囲30℃〜180℃(昇温速度2k/min)、測定周波数1Hz条件で測定し、60℃時点でのtanδを読み取る。
【0076】
【表4】
Figure 0003738628
【0077】
実施例4
材料組成A+B+CのうちA成分としてPA12を用い、BおよびCとして表5に示した材料を用いたこと、および重量部割合(A:B:C)を55:36:9としたこと以外、実施例1と同様にしてシートを製作した。得られたシートの耐折強さおよびクリープ特性について、実験例1においてと同様にして評価した。総合判定における評価基準も実験例1においてと同様であった。
【0078】
【表5】
Figure 0003738628
【0079】
実験例3
実施例5〜10および比較例1〜5
表6に記載の材料を表記した量で混合し、二軸混練機により混練して得たペレットを用いて、連続溶融押出し成形方法により外径φ150mm、厚み150μmのシームレスベルト(250mm幅)を製作した。得られらたベルトを以下に従って評価した。
【0080】
(表面粗さおよび表面抵抗)
各ベルトの表面粗さおよび表面抵抗を、それぞれ表面粗さ計(surfcom 550;東京精密社製)および高抵抗率計(ハイレスターIP;三菱油化社製)を用いて測定した。
【0081】
(実機耐久割れ)
250mm幅の各シームレスベルトを図1の構成の画像形成装置に搭載し、ロール径φ28mm、回転速度100mm/sec、ベルト張力5kg、23℃、50%rhの条件で12万回回転させた。ベルト割れの目視観察は1万回転毎に行った。12万回転終了時、割れが発生していなかったものを○、10万回転終了時、割れが発生していなかったものを△、10万回転終了時、割れが発生していたものを×とした。なお、表中には割れを初めて確認したときの回転回数を併記した。△以上は実用上問題ない。
【0082】
(画像濃度ムラ)
各ベルトを図1に示す構成の画像形成装置(ロール径φ28mm、ベルト張力5kg)に搭載し、当該装置を40℃、95%rh環境に100時間放置した後、さらに23℃、50%rh環境に12時間放置した。その後、ただちにマゼンタ色のハーフトーン画像を出力し、クリープ特性による濃度ムラ(スジ状)を評価した。目視上明らかにムラがあると判断したものを×、全く確認できないものを○、僅かに確認できるものを△とした。△以上は実用上問題ない。
【0083】
(画像ノイズ)
40℃、95%rh環境下での放置および23℃、50%rh環境下での放置を行わなかったこと以外、画像濃度ムラの評価方法においてと同様にして、マゼンタ色のハーフトーン画像を出力した。得られた画像を目視により観察した。クリープ特性に起因しない濃度ムラ(縦スジ・ナナメスジ状)および転写不良やクリーニング不良によるノイズ等の画像ノイズがあると判断したものを×、全く確認できないものを○、僅かに確認できるものを△とした。△以上は実用上問題ない。実施例6においては、相溶化剤の添加量が多すぎたため表面平滑性が損なわれ、当該画像ノイズが発生したと考えられる。
【0084】
【表6】
Figure 0003738628
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば耐久割れ特性に優れ、かつクリープ特性にも優れる画像品質の安定したベルトが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の導電性ベルトを中間転写ベルトとして適用した画像形成装置の主要部側面図を示す。
【図2】 クリープの評価方法を説明するための概念図であって、(A)は初期状態の試験片の概略断面図を示し、(B)はパイプから取り出した直後の試験片の概略断面図を示し、(C)はパイプ内での試験片の概略断面図を示す。
【符号の説明】
1;感光体、2;帯電器、3;現像器、4;転写ベルト、5;記録紙、6;転写・搬送ローラ、7;押圧ローラ。

Claims (9)

  1. 少なくともポリアミド(A)、動的粘弾性測定における60℃時点でのtanδ(損失弾性係数E”/貯蔵弾性率E’)が0.05以下である熱可塑性樹脂(B)、および相溶化剤(C)からなり、Aを(A+B)基準に対して25〜75重量%、Bを(A+B)基準に対して75〜25重量%含んでなることを特徴とする電子写真用ベルト。
  2. 相溶化剤(C)が、主鎖がポリオレフィンからなり、側鎖がビニル系ポリマーからなるグラフトコポリマーである請求項1に記載の電子写真用ベルト。
  3. 相溶化剤(C)を、ポリアミド(A)および熱可塑性樹脂(B)の合計量(A+B)100重量部に対して3〜12重量部配合した請求項1または2に記載の電子写真用ベルト。
  4. 熱可塑性樹脂(B)が主鎖に芳香族を含んでいる請求項1〜3いずれかに記載の電子写真用ベルト。
  5. 熱可塑性樹脂(B)が変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルファイドまたは非結晶ポリアミドである請求項1〜4いずれかに記載の電子写真用ベルト。
  6. 熱可塑性樹脂(B)が変性ポリフェニレンエーテルであり、相溶化剤(C)が、主鎖がエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体からなり、側鎖がポリスチレンおよび/またはアクリロニトリル−スチレン共重合体からなるグラフトコポリマーである請求項1〜5いずれかに記載の電子写真用ベルト。
  7. 熱可塑性樹脂(B)がポリフェニレンスルファイドであり、相溶化剤(C)が、主鎖が無水マレイン酸単独重合体からなり、側鎖がポリスチレン、ポリメチルメタクリレートおよび/またはアクリロニトリル−スチレン共重合体からなるグラフトコポリマーである請求項1〜5いずれかに記載の電子写真用ベルト。
  8. 熱可塑性樹脂(B)が非結晶ポリアミドであり、相溶化剤(C)が、主鎖が無水マレイン酸単独重合体またはエチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体からなり、側鎖がアクリロニトリル−スチレン共重合体および/またはポリスチレンからなるグラフトコポリマーである請求項1〜5いずれかに記載の電子写真用ベルト。
  9. 表面の電気抵抗が105〜1013Ω/□の範囲にある請求項1〜8いずれかに記載の電子写真用ベルト。
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