JP2003029537A - 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置

Info

Publication number
JP2003029537A
JP2003029537A JP2001210159A JP2001210159A JP2003029537A JP 2003029537 A JP2003029537 A JP 2003029537A JP 2001210159 A JP2001210159 A JP 2001210159A JP 2001210159 A JP2001210159 A JP 2001210159A JP 2003029537 A JP2003029537 A JP 2003029537A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
endless belt
conductive
image forming
belt
conductive endless
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001210159A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Shimomura
敏明 下村
Hiroshi Akaha
博 赤羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2001210159A priority Critical patent/JP2003029537A/ja
Publication of JP2003029537A publication Critical patent/JP2003029537A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンデム方式、中間転写方式およびタンデム
中間転写方式の画像形成装置に使用する樹脂フィルムベ
ルトにおいて、良好な強度、特には良好な屈曲耐久性を
備え、かつ、良好な帯電特性を有し、特には高電圧印加
時にも適正な抵抗値を安定して得ることができる導電性
エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置を提
供する。 【解決手段】 静電吸着により保持した記録媒体を、駆
動部材により循環駆動されて、4種の画像形成体に搬送
し、各トナー像を該記録媒体に順次転写するタンデム方
式の転写、搬送用導電性エンドレスベルトにおいて、基
材として熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂およ
び/または熱可塑性ポリブチレンテレフタレートエラス
トマーを含有し、高分子イオン導電剤が添加されてな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー等の電子写真装置や静電記録装置等における静電記録
プロセスにおいて、表面に静電潜像を保持した潜像保持
体等の画像形成体表面に現像剤を供給して形成されたト
ナー像を、紙等の記録媒体へと転写する際に用いられる
導電性エンドレスベルト(以下、単に「ベルト」とも称
する)およびこれを用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、複写機、プリンター等におけ
る静電記録プロセスでは、まず、感光体(潜像保持体)
の表面を一様に帯電させ、この感光体に光学系から映像
を投射して光の当たった部分の帯電を消去することによ
って静電潜像を形成し、次いで、この静電潜像にトナー
を供給してトナーの静電的付着によりトナー像を形成
し、これを紙、OHP、印画紙等の記録媒体へと転写す
ることにより、プリントする方法が採られている。
【0003】この場合、カラープリンターやカラー複写
機においても、基本的には前記プロセスに従ってプリン
トが行われるが、カラー印刷の場合には、マゼンタ、イ
エロー、シアン、ブラックの4色のトナーを用いて色調
を再現するもので、これらのトナーを所定割合で重ね合
わせて必要な色調を得るための工程が必要であり、この
工程を行うためにいくつかの方式が提案されている。
【0004】まず、第1には、モノクロ印刷を行う場合
と同様に、感光体上にトナーを供給して静電潜像を可視
化する際に、前記マゼンタ、イエロー、シアン、ブラッ
クの4色のトナーを順次重ねていくことにより現像を行
い、感光体上にカラーのトナー像を形成する多重現像方
式がある。この方式によれば比較的コンパクトに装置を
構成することが可能であるが、この方式では階調の制御
が非常に難しく、高画質が得られないという問題点があ
る。
【0005】第2に、4つの感光ドラムを設け、各ドラ
ムの潜像を夫々マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック
のトナーで現像することにより、マゼンタによるトナー
像、イエローによるトナー像、シアンによるトナー像お
よびブラックによるトナー像の4つのトナー像を形成
し、これらトナー像が形成された感光ドラムを1列に並
べて各トナー像を紙等の記録媒体に順次転写して記録媒
体上に重ねることにより、カラー画像を再現するタンデ
ム方式がある。この方式は、良好な画像が得られるもの
の、4つの感光ドラムと、各感光ドラムごとに設けられ
た帯電機構および現像機構が1列に並べられた状態とな
り、装置が大型化するとともに高価なものとなる。
【0006】図2にタンデム方式の画像形成装置の印字
部構成例を示す。感光体ドラム1、帯電ロール2、現像
ロール3、現像ブレード4、トナー供給ロール5および
クリーニングブレード6で構成する印字ユニットをイエ
ローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBの各トナー
に対応して4個並べており、駆動ローラ(駆動部材)9
により循環駆動されて転写搬送ベルト10で搬送した用
紙上に、トナーを順次転写しカラー画像を形成する。転
写搬送ベルトの帯電および除電は夫々帯電ロール7およ
び除電ロール8で行う。また、用紙をベルトへ吸着させ
るための用紙帯電には吸着ローラ(図示せず)が使用さ
れる。これらの対応により、オゾンの発生を抑えること
ができる。吸着ローラでは、用紙を搬送路から転写搬送
ベルトに乗せるとともに、転写搬送ベルトへの静電吸着
を行う。また、転写後の用紙分離は、転写電圧を低くす
ることにより用紙と転写搬送ベルトの吸着力を弱くし
て、曲率分離のみで行うことができる。
【0007】転写搬送ベルト10の材料としては抵抗体
と誘電体があり、夫々に長所、短所を持っている。抵抗
体ベルトは電荷の保持が短時間であるため、タンデム型
の転写に用いた場合、転写での電荷注入が少なく4色の
連続する転写でも比較的電圧の上昇が少ない。また、次
の用紙の転写に繰り返して使用されるときも電荷が放出
されており、電気的なリセットは必要としない。しか
し、環境変動により抵抗値が変化するため、転写効率に
影響すること、用紙の厚さや幅の影響を受けやすいこと
などが短所となっている。
【0008】一方、誘電体ベルトの場合は注入された電
荷の自然放出はなく、電荷の注入、放出とも電気的にコ
ントロールしなければならない。しかし、安定に電荷が
保持されるので、用紙の吸着が確実で高精度な紙搬送が
行える。誘電率は温湿度への依存性も低いため、環境に
対しても比較的安定な転写プロセスとなる。欠点は、転
写が繰り返されるごとにベルトに電荷が蓄積されるた
め、転写電圧が高くなることである。
【0009】第3に、紙等の記録媒体を転写ドラムに巻
き付けてこれを4回転させ、周回ごとに感光体上のマゼ
ンタ、イエロー、シアン、ブラックを順次記録媒体に転
写してカラー画像を再現する転写ドラム方式もある。こ
の方式によれば比較的高画質が得られるが、記録媒体が
葉書等の厚紙である場合には、これを前記転写ドラムに
巻き付けることが困難であり、記録媒体種が制限される
という問題点がある。
【0010】前記多重現像方式、タンデム方式および転
写ドラム方式に対して、良好な画質が得られ、かつ装置
が特に大型化するようなこともなく、しかも記録媒体種
が特に制限されるようなこともない方式として、中間転
写方式が提案されている。
【0011】即ち、この中間転写方式は、感光体上のト
ナー像を一旦転写保持するドラムやベルトからなる中間
転写部材を設け、この中間転写部材の周囲にマゼンタに
よるトナー像、イエローによるトナー像、シアンによる
トナー像およびブラックによるトナー像を形成した4つ
の感光体を配置して4色のトナー像を中間転写部材上に
順次転写することにより、この中間転写部材上にカラー
画像を形成し、このカラー画像を紙等の記録媒体上に転
写するものである。従って、4色のトナー像を重ね合わ
せて階調を調整するものであるから、高画質を得ること
が可能であり、かつタンデム方式のように感光体を1列
に並べる必要がないので装置が特に大型化することもな
く、しかも記録媒体をドラムに巻き付ける必要もないの
で記録媒体種が制限されることもないものである。ま
た、タンデム方式と中間転写方式とを組み合わせたタン
デム中間転写方式もある。
【0012】中間転写方式によりカラー画像の形成を行
う装置として、中間転写部材として無端ベルト状の中間
転写部材を用いた画像形成装置を図3に例示する。
【0013】図3中、11はドラム状の感光体であり、
図中矢印方向に回転するようになっている。この感光体
11は、一次帯電器12によって帯電され、次いで画像
露光13により露光部分の帯電が消去され、第1の色成
分に対応した静電潜像がこの感光体11上に形成され、
更に静電潜像が現像器41により第1色のマゼンタトナ
ーMで現像され、第1色のマゼンタトナー画像が感光体
11上に形成される。次いで、このトナー画像が、駆動
ローラ(駆動部材)30により循環駆動されて感光体1
1と接触しながら循環回転する中間転写部材20に転写
される。この場合、感光体11から中間転写部材20へ
の転写は、感光体11と中間転写部材20とのニップ部
において、中間転写部材20に電源61から印加される
一次転写バイアスにより行われる。この中間転写部材2
0に第1色のマゼンタトナー画像が転写された後、前記
感光体11はその表面がクリーニング装置14により清
掃され、感光体11の1回転目の現像転写操作が完了す
る。以降、感光体が3回転し、各周回ごとに現像器42
〜44を順次用いて第2色のシアントナー画像、第3色
のイエロートナー画像、第4色のブラックトナー画像が
順次感光体11上に形成され、これが周回ごとに中間転
写部材20に重畳転写され、目的のカラー画像に対応し
た合成カラートナー画像が中間転写部材20上に形成さ
れる。なお、図3の装置にあっては、感光体11の周回
ごとに現像器41〜44が順次入れ替わってマゼンタト
ナーM、シアントナーC、イエロートナーY、ブラック
トナーBによる現像が順次行われるようになっている。
【0014】次に、前記合成カラートナー画像が形成さ
れた中間転写部材20に転写ローラ25が当接し、その
ニップ部に給紙カセット19から紙等の記録媒体26が
給送される。これと同時に二次転写バイアスが電源29
から転写ローラ25に印加され、中間転写部材20から
記録媒体26上に合成カラートナー画像が転写されて加
熱定着され、最終画像となる。合成カラートナー画像を
記録媒体26へと転写した後の中間転写部材20は、表
面の転写残留トナーがクリーニング装置35により除去
され、初期状態に戻り次の画像形成に備えるようになっ
ている。
【0015】従来、かかる無端ベルト状の中間転写部材
20としては、半導電性の樹脂フィルムベルトと、繊維
補強体を有するゴムベルトとが主に用いられている。こ
れらのうち半導電性の樹脂フィルムベルトとしては、例
えば、ポリカーボネートにカーボンブラックを配合した
ものが知られているが、最近ではこの折り曲げに対する
耐久性面での改良を図ったポリアルキレンテレフタレー
トを基材とする樹脂フィルムベルト(特開平8−993
74号公報)や、弾性面での改良を図った熱可塑性ポリ
イミドを基材とする樹脂フィルムベルト(特開平11−
170389号公報)などが提案されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】導電性エンドレスベル
トを使用するタンデム方式、中間転写方式およびタンデ
ム中間転写方式の画像形成装置においては、いずれも導
電性エンドレスベルトが機構面で繰り返し連続使用に耐
える強度、特には屈曲耐久性を備えることが要求され
る。上記のように、これまで一部の半導電性の樹脂フィ
ルムベルトでは実用化に至っているものもあるが、画像
形成装置の高性能化に伴い、今日、前記要求特性をより
良好に満足するものが求められている。
【0017】また、かかる樹脂フィルムベルトにおいて
は、部材としての所望の帯電性能を得るために、電子導
電剤やイオン導電剤等の導電性材料を添加して導電性を
調整することが一般的に行われている。しかし、このう
ち、カーボンブラックフィラー等の導電性カーボンを始
めとする電子導電剤を用いた電子導電系のベルトでは、
抵抗の印加時における電圧依存性が大きく、特に高電圧
印加時にリークなどの不具合が発生することがあった。
また、低分子イオン系の帯電防止剤を使用した場合に
は、通電、経時により帯電防止性能が低下したり、低分
子イオン成分のブリードアウトにより接触する他の部材
の汚染が生じ、不具合を発生する等の問題があった。
【0018】さらに、導電性材料として高分子導電剤を
用いる場合には、これらの弾性率が低いために、通常の
熱可塑性樹脂、例えば、ポリプロピレン(PP)やポリ
エチレン(PE)等との組み合わせでは、ベルトを形成
した際の伸びが大きく、クリープ性が悪化するという問
題もあった。
【0019】そこで本発明の目的は、タンデム方式、中
間転写方式およびタンデム中間転写方式の画像形成装置
に使用する樹脂フィルムベルトにおいて、良好な強度、
特には良好な屈曲耐久性を備え、かつ、良好な帯電特性
を有し、特には高電圧印加時にも適正な抵抗値を安定し
て得ることができる導電性エンドレスベルトおよびこれ
を用いた画像形成装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、ベルト基材としての各種合成樹脂と導電
性材料とについて鋭意検討を行った結果、導電性エンド
レスベルトの基材と導電性材料とを、特定の熱可塑性樹
脂と高分子イオン導電剤との組み合わせとすることによ
り前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は下記に示す通りであ
る。
【0021】(1)静電吸着により保持した記録媒体
を、駆動部材により循環駆動されて、4種の画像形成体
に搬送し、各トナー像を該記録媒体に順次転写するタン
デム方式の転写、搬送用導電性エンドレスベルトにおい
て、基材として熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹
脂および/または熱可塑性ポリブチレンテレフタレート
エラストマーを含有し、高分子イオン導電剤が添加され
てなることを特徴とする導電性エンドレスベルトであ
る。
【0022】(2)画像形成体と記録媒体との間に配設
され、駆動部材により循環駆動されて、前記画像形成体
表面に形成されたトナー像を一旦自己の表面に転写保持
し、これを記録媒体へと転写する中間転写部材用の導電
性エンドレスベルトにおいて、基材として熱可塑性ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂および/または熱可塑性ポ
リブチレンテレフタレートエラストマーを含有し、高分
子イオン導電剤が添加されてなることを特徴とする導電
性エンドレスベルトである。
【0023】(3)前記(1)または(2)の導電性エ
ンドレスベルトにおいて、前記高分子イオン導電剤が、
ポリエーテルアミド成分またはポリエーテルエステルア
ミド成分を含有する導電性エンドレスベルトである。
【0024】(4)前記(3)の導電性エンドレスベル
トにおいて、前記高分子イオン導電剤が、低分子イオン
導電剤成分を含有する導電性エンドレスベルトである。
【0025】(5)前記(4)の導電性エンドレスベル
トにおいて、前記ポリエーテルアミド成分またはポリエ
ーテルエステルアミド成分の、ポリエーテル成分が(C
2−CH2−O)を含有し、ポリアミド成分がナイロン
12若しくはナイロン6を含有し、かつ、前記低分子イ
オン導電剤がNaClO4である導電性エンドレスベル
トである。
【0026】(6)前記(1)〜(5)のいずれかの導
電性エンドレスベルトにおいて、前記高分子イオン導電
剤の添加量が、前記基材の樹脂成分の総量100重量部
に対し、1〜200重量部の範囲内である導電性エンド
レスベルトである。
【0027】(7)前記(1)〜(6)のいずれかの導
電性エンドレスベルトにおいて、体積抵抗値が107
1014Ω・cmである導電性エンドレスベルトである。
【0028】(8)前記(1)〜(7)のいずれかの導
電性エンドレスベルトにおいて、前記駆動部材と接触す
る側の面に、該駆動部材と嵌合する嵌合部を有する導電
性エンドレスベルトである。
【0029】(9)前記(8)の導電性エンドレスベル
トにおいて、前記嵌合部が、回転方向に沿って連続して
突設された凸条である導電性エンドレスベルトである。
【0030】(10)前記(1)〜(9)のいずれかの
導電性エンドレスベルトを用いたことを特徴とする画像
形成装置である。
【0031】本発明の導電性エンドレスベルトは、特定
のポリマー材料からなる基材を用いたことにより、良好
な強度、特には良好な屈曲耐久性を有するとともに、高
分子イオン導電剤を用いたことにより、帯電特性におい
ても従来のような問題を生じない良好な性能を有するも
のである。また、前記駆動部材と導電性エンドレスベル
トとに互いに嵌合する嵌合部を設けた場合には、2以上
の軸に張架した導電性エンドレスベルトが回転とともに
幅方向にずれていく現象を防止することができる。従っ
て、かかる本発明の導電性エンドレスベルトを用いた本
発明の画像形成装置によれば、長期間にわたる使用にお
いても不良を生ずることがなく、良好な画像を提供する
ことができる。
【0032】なお、特開平8−99374号公報および
特開平10−6411号公報においては、本発明に係る
基材の樹脂成分である熱可塑性ポリブチレンテレフタレ
ート(PBT)および熱可塑性エラストマーに加えて、
導電性の機能性成分を含有するシームレスベルトが開示
されているが、これら公報中には、本発明に係る高分子
導電剤を導電性改良のための機能性成分として用いるこ
とについては開示も示唆もされていない。即ち、本発明
の導電性シームレスベルトは、優れた強度を実現できる
基材材料に対し、帯電性能向上に好適な導電性材料を用
いた点に特徴があるものである。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき
説明する。導電性エンドレスベルトには、一般に、ジョ
イントありのものとジョイントなしのもの(いわゆるシ
ームレスベルト)とがあるが、本発明においてはいずれ
のものであってもよい。好ましくはシームレスベルトで
ある。本発明の導電性エンドレスベルトは、前述したよ
うに、タンデム方式、中間転写方式およびタンデム中間
転写方式の転写部材等として用いることができるもので
ある。本発明の導電性エンドレスベルトが、例えば、図
2に参照符号10で示す転写搬送ベルトの場合、駆動ロ
ーラ9等の駆動部材により駆動され、これに伴い搬送さ
れる記録媒体上にトナーが順次転写され、カラー画像が
形成される。
【0034】また、本発明の導電性エンドレスベルト
が、例えば、図3に参照符号20で示す中間転写部材の
場合、これを駆動ローラ30等の駆動部材により循環駆
動させ、感光体ドラム(潜像保持体)11と紙等の記録
媒体26との間に配設することで、前記感光体ドラム1
1の表面に形成されたトナー像を一旦転写保持し、次い
でこれを記録媒体26へと転写する。なお、図3の装置
は、上述したように、中間転写方式によりカラー印刷を
行うものである。
【0035】本発明の導電性エンドレスベルトにおいて
は、基材として、熱可塑性ポリブチレンテレフタレート
(PBT)樹脂および/または熱可塑性PBTエラスト
マーを使用する。熱可塑性PBT樹脂は、耐熱性、耐薬
品性に優れたエンジニアリングプラスチックであり、成
形収縮率が小さいために寸法安定性に優れ、強度、特に
は屈曲耐久性が良好である。熱可塑性PBT樹脂の分子
量は、特には、10000〜30000程度であること
が好ましい。かかる熱可塑性PBT樹脂は市場で入手す
ることが可能であり、例えば、東レ(株)製、商品名:
トレコン1401等を挙げることができる。また、熱可
塑性PBTエラストマーも市場で容易に入手可能であ
り、例えば、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:
グリラックスEH900HV、東洋紡績(株)製、商品
名:ペルプレンE450B等を挙げることができる。
【0036】熱可塑性PBT樹脂または熱可塑性PBT
エラストマーを単独で用いてもよいが、これらを併用す
ることにより、基材のポリマー成分と、後述する本発明
に係る高分子イオン導電剤との相溶性を高めることがで
きる。特には、熱可塑性PBT樹脂と熱可塑性PBTエ
ラストマーとのエステル、後述する高分子イオン導電剤
の一例としてのIrgastat(登録商標)P18
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・インコーポレー
テッド製)と熱可塑性PBTエラストマーとのエーテル
において、良好な親和性を得ることができる。
【0037】基材中の熱可塑性PBTエラストマーの配
合比は、ベルトの引っ張り弾性率、抵抗値により適宜決
定することができる。好適な引っ張り弾性率および後述
の好適な抵抗値を得るためには、配合比が、基材の樹脂
成分の総量に対し5〜150重量%程度であることが好
ましい。
【0038】本発明においては、かかる基材に対し、導
電性材料としての高分子イオン導電剤が添加されてい
る。かかる高分子イオン導電剤としては、例えば、特開
平9−227717号公報、特開平10−120924
号公報、および、特開2000−327922号公報に
記載されているものを用いることができるが、特に限定
されない。
【0039】具体的には、(A)有機ポリマー材料、
(B)イオン導電可能なポリマーまたはコポリマー、お
よび、(C)無機または低分子量有機塩、からなる混合
物を挙げることができ、ここで、成分(A)は、ポリア
クリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリア
クリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリビニルア
セテート、ポリアミド、ポリウレタンまたはポリエステ
ルであり、成分(B)は、オリゴエトキシ化アクリレー
トもしくはメタクリレート、芳香族環についてオリゴエ
トキシ化されたスチレン、ポリエーテルウレタン、ポリ
エーテル尿素、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエス
テルアミドまたはポリエーテルエステルであり、また、
成分(C)は、無機または低分子量有機プロトン酸のア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛またはアンモニウ
ム塩であり、好ましくは、LiClO4、LiCF3SO
3、NaClO4、LiBF4、NaBF4、KBF4、N
aCF3SO3、KClO4、KPF6、KCF3SO3、K
49SO3、Ca(ClO42、Ca(PF62、M
g(ClO42、Mg(CF3SO32、Zn(Cl
42、Zn(PF62またはCa(CF3SO32
である。
【0040】これらの中でも、成分(B)として、ポリ
エーテルアミド成分またはポリエーテルエステルアミド
成分を含有する高分子イオン導電剤が好適であり、さら
に、これに加えて成分(C)として低分子イオン導電剤
成分を含有することが好ましい。また、かかるポリエー
テルアミド成分およびポリエーテルエステルアミド成分
としては、ポリエーテル成分が(CH2−CH2−O)を
含有し、ポリアミド成分がナイロン12またはナイロン
6を含有するものが特に好ましく、これを成分(B)と
して含有し、さらに成分(C)の低分子イオン導電剤成
分としてNaClO4を含有する高分子イオン導電剤が
特に好適である。かかる好適な高分子イオン導電剤は、
市場においてIrgastat(登録商標)P18およ
びIrgastat(登録商標)P22(共に、チバ・
スペシャルティ・ケミカルズ・インコーポレーテッド
製)、ペレスタットNC6321(三洋化成(株)製)
として入手することができる。
【0041】かかる高分子イオン導電剤の添加量は、基
材100重量部に対し、好ましくは1〜200重量部、
より好ましくは5〜150重量部の範囲内であり、これ
により弾性材層の体積抵抗値を好ましくは107〜10
14Ω・cm、より好ましくは108〜1013.5Ω・cm
に調整することができる。本発明においては、上述の高
分子イオン導電剤を導電性材料として用いたことによ
り、特に、ベルトの抵抗率として、1011Ω・cm以下
の抵抗レベルを達成し得る点に特徴がある。高分子イオ
ン導電剤の添加量が1重量部未満であるとかかる抵抗レ
ベルを達成することができず、一方、200重量部を超
えると屈曲耐久性等の物性面に影響を及ぼすおそれがあ
るため、好ましくない。
【0042】また、本発明の導電性エンドレスベルトに
は、基材と高分子イオン導電剤との相溶性を向上するた
めに、相溶化剤を添加してもよい。本発明において好適
に用いることができる相溶化剤としては、例えば、EV
A/EPDM/ポリオレフィン系グラフトコポリマー、
ポリオレフィン系グラフトコポリマーおよび反応性(G
MA、MAH含有)ポリオレフィン系グラフトコポリマ
ー、P(St−co−GMA)、EGMA、P(Et−
co−EA−co−MAH)、オレフィン系グラフトコ
ポリマー、マレイン化ポリオレフィン、SEBSおよび
そのマレイン化物、オキサゾリン基含有スチレン系また
はアクリロニトリル−スチレン系ポリマー、マレイン化
EPDM、マレイン化PE、マレイン化PP、マレイン
化EVA、スチレン・無水マレイン酸コポリマー、SA
NグラフトEPDM、反応性ポリスチレン、ポリカプロ
ラクトン−b−ポリスチレン、反応性スチレン・アクリ
ロニトリルコポリマー、イミド化ポリアクリレート、エ
チレン・グリシジルメタクリレートアクリル酸コポリマ
ー、塩素化ポリエチレン、反応性フェノキシ、シラン化
合物、ペルオキシドポリマー、ポリカプロラクトン、E
VA/EPDM/ポリオレフィン系グラフトポリマー等
が挙げられる(上記列挙中の略称は、夫々、EVA:エ
チレン酢酸ビニル共重合体、EPDM:エチレン−プロ
ピレン−ジエン共重合体、EGMA:エチレン−メタク
リル酸グリシジル共重合体、SEBS:スチレン−エチ
レン−ブタジエン−スチレン共重合体、GMA:メタク
リル酸グリシジル、MAH:無水マレイン酸、EA:ア
クリル酸エチルである)等を挙げることができ、これら
相溶化剤を、基材と高分子イオン導電剤との総量100
重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部添加す
ることにより、両者の相溶性を向上して、高分子イオン
導電剤の基材への均質かつ良好な分散を可能にし、高性
能の導電性エンドレスベルトを得ることができる。
【0043】また、本発明においては、基材に対し、機
能性成分として他の導電性材料を添加して、補助的に導
電性の付与、調整を行うことができる。かかる導電性材
料としては、特に限定されず、ラウリルトリメチルアン
モニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタ
デシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルア
ンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変
性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、
塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェ
ート塩、ハロゲン化ベンジル塩(臭化ベルジル塩、塩化
ベンジル塩等)等の第4級アンモニウムなどの陽イオン
界面活性剤;脂肪族スルホン酸、高級アルコール硫酸エ
ステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸
塩、高級アルコール燐酸エステル塩等の陰イオン界面活
性剤;各種ベタイン等の両性イオン界面活性剤;高級ア
ルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非
イオン性帯電防止剤などの帯電防止剤、LiCF2
2、NaClO4、LiBF4、NaCl等の周期律表
第1族の金属塩;Ca(ClO42等の周期律表第2族
の金属塩:およびこれらの帯電防止剤がイソシアネート
と反応する活性水素を有する基(水素基、カルボキシル
基、一級乃至二級アミン基等)を1個以上有するものな
どが挙げられる。更に、これらと多価アルコール(1,
4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール等)またはその誘
導体との錯体、或いはエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等との
錯体などのイオン導電剤;ケッチェンブラック、アセチ
レンブラック等の導電性カーボン;SAF、ISAF、
HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム
用カーボン;酸化処理を施したカラーインク用カーボ
ン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファ
イト等;酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、
銅等の金属および金属酸化物;ポリアニリン、ポリピロ
ール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーなどを例示す
ることができる。
【0044】これら他の導電性材料の添加量は、基材1
00重量部に対して好ましくは0.01〜30重量部、
より好ましくは0.1〜20重量部程度である。
【0045】また、本発明においては、本発明の効果を
損なわない範囲内で上述の成分に加え他の機能性成分を
添加することができ、例えば、各種充填材、カップリン
グ剤、酸化防止剤、滑剤、表面処理剤、顔料、紫外線吸
収剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤、発泡剤、架橋剤等
を適宜配合することができる。着色剤を添加して着色を
施してもよい。
【0046】本発明の導電性エンドレスベルトの厚さ
は、転写搬送ベルトまたは中間転写部材等の形態に応じ
て適宜選定されるものであるが、好ましくは50〜20
0μmの範囲内である。
【0047】また、本発明の導電性エンドレスベルトに
は、図1に一点鎖線で示すように、図2の画像形成装置
における駆動ローラ9または図3の駆動ローラ30など
の駆動部材と接触する側の面に、該駆動部材に形成した
嵌合部(図示せず)と嵌合する嵌合部を形成してもよ
く、本発明の導電性エンドレスベルトは、このような嵌
合部を設け、これを駆動部材に設けた嵌合部(図示せ
ず)と嵌合させて走行させることにより、導電性エンド
レスベルトの幅方向のずれを防止することができる。
【0048】この場合、前記嵌合部は、特に制限される
ものではないが、図1に示すように、ベルトの周方向
(回転方向)に沿って連続する凸条とし、これを駆動ロ
ーラ等の駆動部材の周面に周方向に沿って形成した溝に
嵌合させるようにすることが好ましい。
【0049】なお、図1(a)では、1本の連続する凸
条を嵌合部として設けた例を示したが、この嵌合部は多
数の凸部をベルトの周方向(回転方向)に沿って一列に
並べて突設してもよく、また嵌合部を2本以上設けたり
(図1(b))、ベルトの幅方向中央部に設けてもよ
い。更に、嵌合部として図1に示した凸条ではなく、ベ
ルトの周方向(回転方向)に沿った溝を設け、これを前
記駆動ローラ等の駆動部材の周面に周方向に沿って形成
した凸条と嵌合させるようにしてもよい。
【0050】本発明の導電性エンドレスベルトは、特に
制限されるものではないが、表面粗さをJIS10点平
均粗さRzで10μm以下、特に6μm以下、更には3
μm以下とすることが好ましい。
【0051】また、本発明の導電性エンドレスベルトを
用いた本発明の画像形成装置としては、図2に示すタン
デム方式のものや図3に示す中間転写方式のもの、また
は、タンデム中間転写方式のものを例示することができ
るが、これらには限定されない。尚、図3の装置の場
合、本発明の中間転写部材20を回転させる駆動ローラ
または駆動ギアには適宜電源61から電圧を印加するこ
とができ、この場合の電圧は直流のみの印加または直流
に交流を重量する印加など、印加条件は適時選択するこ
とができる。
【0052】さらに、本発明の導電性エンドレスベルト
の製法は特に制限されるべきものではなく、例えば、二
軸混練機により基材の樹脂成分と導電性材料等の機能性
成分とを混練し、得られた混練物を環状ダイスを使って
押出し成形することにより製造することができる。また
は、静電塗装等の粉体塗装法、ディップ法または遠心注
型法も好適に採用することができる。
【0053】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づき詳細
に説明する。実施例1 熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ(株)
製、商品名:トレコン1401CH2)90重量部に対
し、高分子イオン導電剤としてのIrgastat P
18(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・インコーポ
レーテッド製)10重量部を混合して、所定の成型温度
(下記表2参照、以下の実施例および比較例についても
同様)において二軸混練機により溶融混練した。得られ
た混練物を一軸押出機の先頭に装着した環状ダイスによ
り押出し成形して、内径140mm、厚さ100μm、
幅247mmの導電性エンドレスベルトを得た。
【0054】実施例2〜5 熱可塑性PBT樹脂の量を夫々80、70、60、50
重量部とし、Irgastat P18の量を夫々2
0、30、40、50重量部とした以外は実施例1と同
様にして、導電性エンドレスベルトを作製した。
【0055】実施例6、7 熱可塑性PBT樹脂の量を夫々65、60重量部とし、
これに対し、高分子イオン導電剤として、Irgast
at P18に代えてペレスタットNC6321(三洋
化成(株)製)を、夫々35、40重量部にて混合した
以外は実施例1と同様にして、導電性エンドレスベルト
を作製した。
【0056】実施例8、9 熱可塑性PBT樹脂(東レ(株)製、商品名:トレコン
1401CH2)に代えてPBTエラストマー(大日本
インキ化学工業(株)製、商品名:グリラックスEH9
00HV)を夫々85、60重量部にて用い、これに対
し、高分子イオン導電剤としてのIrgastat P
18を夫々15、40重量部にて混合した以外は実施例
1と同様にして、導電性エンドレスベルトを作製した。
【0057】実施例10、11 熱可塑性PBT樹脂(東レ(株)製、商品名:トレコン
1401CH2)に代えてPBTエラストマー(東洋紡
績(株)製、商品名:ペルプレンE450B)を夫々8
0、60重量部にて用い、これに対し、高分子イオン導
電剤としてのIrgastat P18を夫々20、4
0重量部にて混合した以外は実施例1と同様にして、導
電性エンドレスベルトを作製した。
【0058】実施例12〜15 熱可塑性PBT樹脂(東レ(株)製、商品名:トレコン
1401CH2)を夫々39、32.5、26、30重
量部と、PBTエラストマー(大日本インキ化学工業
(株)製、商品名:グリラックスEH900HV)を夫
々26、32.5、39、30重量部とを混合し、これ
に対し、高分子イオン導電剤としてのIrgastat
P18(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・インコ
ーポレーテッド製)を夫々35、35、35、40重量
部にて混合した以外は実施例1と同様にして、導電性エ
ンドレスベルトを作製した。
【0059】実施例16〜22 熱可塑性PBT樹脂(東レ(株)製、商品名:トレコン
1401CH2)を夫々39、32.5、26、30、
33、27.5、22重量部と、PBTエラストマー
(東洋紡績(株)製、商品名:ペルプレンE450B)
を夫々26、32.5、39、30、22、27.5、
33重量部とを混合し、これに対し、高分子イオン導電
剤としてのIrgastat P18(チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ・インコーポレーテッド製)を夫々
35、35、35、40、45、45、45重量部にて
混合した以外は実施例1と同様にして、導電性エンドレ
スベルトを作製した。
【0060】比較例 熱可塑性PBT樹脂(東レ(株)製、商品名:トレコン
1401CH2)に代えてポリカーボネート樹脂(帝人
化成(株)製、パンライトK1300Y)100重量部
を用い、これに対し、高分子イオン導電剤としてのIr
gastatP18(チバ・スペシャルティ・ケミカル
ズ・インコーポレーテッド製)に代えてFEFカーボン
(旭カーボン(株)製)30重量部を混合した以外は実
施例1と同様にして、導電性エンドレスベルトを作製し
た。
【0061】上記実施例および比較例で得られた導電性
エンドレスベルトにつき、以下の手順に従い各測定を行
った。 <動的引っ張り弾性率(E’)の測定>以下に示す条件
にて、動的引っ張り弾性率の測定を行った。装置:東洋
精機(株)製 Rheolograph solid
レオロジーメーター サンプル形状:5mm幅×0.15〜0.22mm厚×
30mm(チャック間距離) 測定条件:初期延伸3% 振幅±1% 周波数1Hz 温度 室温(22℃、50%)
【0062】<体積固有抵抗率の測定>温度23℃、相
対湿度50%にて、測定装置として、アドバンテスト
(ADVANTEST)社製の、抵抗計R8340Aに
サンプルチャンバーR12704Aを接続したものを用
いて、測定電圧100Vにおける体積固有抵抗率を測定
した。さらに、同条件下で同じ装置にて測定電圧100
0Vにおける体積固有抵抗率を測定し、下記式により電
圧依存性の桁数を求めた。 (式中、R100V、R1000Vは、夫々100V、1000
Vにおける体積固有抵抗率(Ω・cm)である。)
【0063】<耐折り曲げ回数の測定>東洋精機(株)
製のMIT耐揉疲労試験機を用いて耐折り曲げ回数を測
定し、この結果を、比較例を10とした指数で示した。
数値が大なるほど結果が良好である。
【0064】<画像特性>各ベルトを図2に示した転写
搬送ベルトを用いたタンデム方式の画像形成装置に装着
し、転写操作を繰り返してA4用紙10万枚の耐久試験
を行った。この試験の結果を画像性と汚染性について評
価した。各実施例および比較例の配合内容を下記の表1
に、上記各測定等の結果を下記の表2に夫々示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、良好な強度、特には良好な屈曲耐久性を備え、か
つ、良好な帯電性能を有し、特には高電圧印加時にも適
正な抵抗値を安定して得ることができる導電性エンドレ
スベルトを提供することができる。また、かかる本発明
の導電性エンドレスベルトを用いた本発明の画像形成装
置によれば、長期間の使用においても不良を生じない良
好な画像を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る導電性エンドレス
ベルトの幅方向断面図である。
【図2】本発明の画像形成装置の一例としての転写搬送
ベルトを用いたタンデム方式の画像形成装置を示す概略
図である。
【図3】本発明の画像形成装置の他の例としての中間転
写部材を用いた中間転写装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 帯電ロール 3 現像ロール 4 現像ブレード 5 トナー供給ロール 6 クリーニングブレード 7 帯電ロール 8 除電ロール 9 駆動ローラ(駆動部材) 10 転写搬送ベルト 11 感光体(ドラム) 12 一次帯電器 13 画像露光 14,35 クリーニング装置 19 給紙カセット 20 中間転写部材 25 転写ローラ 26 記録媒体 29,61 電源 30 駆動ローラ 41,42,43,44 現像器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H030 AA00 AB02 BB42 BB44 2H200 GA12 GA23 GA50 JB06 JB40 JB45 JB46 JC03 JC10 JC15 JC16 MA02 MA11 MA17 MA20 MB01 MB04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電吸着により保持した記録媒体を、駆
    動部材により循環駆動されて、4種の画像形成体に搬送
    し、各トナー像を該記録媒体に順次転写するタンデム方
    式の転写、搬送用導電性エンドレスベルトにおいて、 基材として熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂お
    よび/または熱可塑性ポリブチレンテレフタレートエラ
    ストマーを含有し、高分子イオン導電剤が添加されてな
    ることを特徴とする導電性エンドレスベルト。
  2. 【請求項2】 画像形成体と記録媒体との間に配設さ
    れ、駆動部材により循環駆動されて、前記画像形成体表
    面に形成されたトナー像を一旦自己の表面に転写保持
    し、これを記録媒体へと転写する中間転写部材用の導電
    性エンドレスベルトにおいて、 基材として熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂お
    よび/または熱可塑性ポリブチレンテレフタレートエラ
    ストマーを含有し、高分子イオン導電剤が添加されてな
    ることを特徴とする導電性エンドレスベルト。
  3. 【請求項3】 前記高分子イオン導電剤が、ポリエーテ
    ルアミド成分またはポリエーテルエステルアミド成分を
    含有する請求項1または2記載の導電性エンドレスベル
    ト。
  4. 【請求項4】 前記高分子イオン導電剤が、低分子イオ
    ン導電剤成分を含有する請求項3記載の導電性エンドレ
    スベルト。
  5. 【請求項5】 前記ポリエーテルアミド成分またはポリ
    エーテルエステルアミド成分の、ポリエーテル成分が
    (CH2−CH2−O)を含有し、ポリアミド成分がナイ
    ロン12若しくはナイロン6を含有し、かつ、前記低分
    子イオン導電剤がNaClO4である請求項4記載の導
    電性エンドレスベルト。
  6. 【請求項6】 前記高分子イオン導電剤の添加量が、前
    記基材の樹脂成分の総量100重量部に対し、1〜20
    0重量部の範囲内である請求項1〜5のうちいずれか一
    項記載の導電性エンドレスベルト。
  7. 【請求項7】 体積抵抗値が107〜1014Ω・cmで
    ある請求項1〜6のうちいずれか一項記載の導電性エン
    ドレスベルト。
  8. 【請求項8】 前記駆動部材と接触する側の面に、該駆
    動部材と嵌合する嵌合部を有する請求項1〜7のうちい
    ずれか一項記載の導電性エンドレスベルト。
  9. 【請求項9】 前記嵌合部が、回転方向に沿って連続し
    て突設された凸条である請求項8記載の導電性エンドレ
    スベルト。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のうちいずれか一項記載
    の導電性エンドレスベルトを用いたことを特徴とする画
    像形成装置。
JP2001210159A 2001-07-11 2001-07-11 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置 Pending JP2003029537A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001210159A JP2003029537A (ja) 2001-07-11 2001-07-11 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001210159A JP2003029537A (ja) 2001-07-11 2001-07-11 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003029537A true JP2003029537A (ja) 2003-01-31

Family

ID=19045672

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001210159A Pending JP2003029537A (ja) 2001-07-11 2001-07-11 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003029537A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005000964A1 (ja) * 2003-06-26 2005-01-06 Bridgestone Corporation 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
WO2005010621A1 (ja) * 2003-07-25 2005-02-03 Mitsubishi Chemical Corporation 画像形成装置用エンドレスベルト及び画像形成装置
JP2006194996A (ja) * 2005-01-11 2006-07-27 Seiko Epson Corp 画像形成装置
JP2007025130A (ja) * 2005-07-14 2007-02-01 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置
JP2007047772A (ja) * 2005-07-14 2007-02-22 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置
JP2008089981A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルト
JP2008139815A (ja) * 2006-03-29 2008-06-19 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルト
CN100444042C (zh) * 2003-07-25 2008-12-17 三菱化学株式会社 图像形成装置用环形带及图像形成装置
JP2009192603A (ja) * 2008-02-12 2009-08-27 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置
US20100290809A1 (en) * 2008-01-25 2010-11-18 Bridgestone Corporation Electroconductive endless belt
US20110008635A1 (en) * 2009-07-13 2011-01-13 Holger Kliesch Single- or multilayer, stabilized polyester film
US20110033205A1 (en) * 2008-04-10 2011-02-10 Bridgestone Corporation Electroconductive endless belt
CN101393411B (zh) * 2007-09-18 2012-07-18 株式会社普利司通 导电性环带
US8414991B2 (en) 2005-11-14 2013-04-09 Bridgestone Corporation Conductive endless belt

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01309083A (ja) * 1988-02-18 1989-12-13 Toray Ind Inc 制電性エンドレスベルト
JPH05193020A (ja) * 1992-01-23 1993-08-03 Mitsubishi Petrochem Co Ltd シームレスベルト
JPH096152A (ja) * 1995-06-20 1997-01-10 Gunze Ltd 電子写真装置用成形部材

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01309083A (ja) * 1988-02-18 1989-12-13 Toray Ind Inc 制電性エンドレスベルト
JPH05193020A (ja) * 1992-01-23 1993-08-03 Mitsubishi Petrochem Co Ltd シームレスベルト
JPH096152A (ja) * 1995-06-20 1997-01-10 Gunze Ltd 電子写真装置用成形部材

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005000964A1 (ja) * 2003-06-26 2005-01-06 Bridgestone Corporation 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
CN100444042C (zh) * 2003-07-25 2008-12-17 三菱化学株式会社 图像形成装置用环形带及图像形成装置
WO2005010621A1 (ja) * 2003-07-25 2005-02-03 Mitsubishi Chemical Corporation 画像形成装置用エンドレスベルト及び画像形成装置
JP2006194996A (ja) * 2005-01-11 2006-07-27 Seiko Epson Corp 画像形成装置
JP4631441B2 (ja) * 2005-01-11 2011-02-16 セイコーエプソン株式会社 画像形成装置
JP2007047772A (ja) * 2005-07-14 2007-02-22 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置
JP2007025130A (ja) * 2005-07-14 2007-02-01 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置
US8414991B2 (en) 2005-11-14 2013-04-09 Bridgestone Corporation Conductive endless belt
JP2008139815A (ja) * 2006-03-29 2008-06-19 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルト
JP2008089981A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルト
CN101393411B (zh) * 2007-09-18 2012-07-18 株式会社普利司通 导电性环带
US20100290809A1 (en) * 2008-01-25 2010-11-18 Bridgestone Corporation Electroconductive endless belt
US8586162B2 (en) * 2008-01-25 2013-11-19 Bridgestone Corporation Electroconductive endless belt
JP2009192603A (ja) * 2008-02-12 2009-08-27 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置
US20110033205A1 (en) * 2008-04-10 2011-02-10 Bridgestone Corporation Electroconductive endless belt
US20110008635A1 (en) * 2009-07-13 2011-01-13 Holger Kliesch Single- or multilayer, stabilized polyester film
US8945703B2 (en) * 2009-07-13 2015-02-03 Mitsubishi Polyester Film Gmbh Single- or multilayer, stabilized polyester film

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003029537A (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP2007156424A (ja) 導電性エンドレスベルト
JP4863739B2 (ja) 導電性エンドレスベルト
JP2002132053A (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP4386775B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP5121272B2 (ja) 導電性エンドレスベルト
JP4979064B2 (ja) 導電性エンドレスベルト
JP4172953B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP4222562B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP2003029538A (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP2006235546A (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP4807837B2 (ja) 導電性エンドレスベルト
JP4197480B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP5057623B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP2001350347A (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP4473614B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP2005292649A (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP4863740B2 (ja) 導電性エンドレスベルト
JP4222555B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP4859448B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置
JP2002328541A (ja) 導電性エンドレスベルトおよび画像形成装置
JP2007192996A (ja) 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置
JP2001350346A (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP4226206B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP2006235547A (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110311

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110510

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110527