JPH096152A - 電子写真装置用成形部材 - Google Patents
電子写真装置用成形部材Info
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- JPH096152A JPH096152A JP7178062A JP17806295A JPH096152A JP H096152 A JPH096152 A JP H096152A JP 7178062 A JP7178062 A JP 7178062A JP 17806295 A JP17806295 A JP 17806295A JP H096152 A JPH096152 A JP H096152A
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Abstract
材を開発し、これを特に電子写真装置用部材として使用
することにある。 【構成】 ポリフッ化ビニリデンにイオン導電性ポリマ
ー、例えばアルキルオキシドの親水性ユニットを結合す
るポリマー混練し、溶融押出成形し、無端円筒状フィル
ムを得る。該チューブの体積抵抗値は1010Ω・cmで全
面均一であり、印加電圧に対する体積抵抗値は電圧依存
性が極めて小さい。このような電気的特性を有する成形
部材であるので、例えばこれを複写機の感光ドラム帯電
用部材として使用するとトナーの色抜けとか、色ムラが
なく、極めて優れた画像品質を有するプリントを得るこ
とができる。
Description
存性に優れている電子写真装置用成形部材に関する。該
部材は、例えば無端円筒状フィルムとか繊維状ブラシの
形状で提供される。
画像を複写する場合、感光ドラム全面に帯電せしめる必
要がある。帯電手段としては、例えば、コロナ放電を利
用したコロナ帯電器、また帯電用部材、例えば帯電用ロ
ールとか、帯電用ブラシ等を直接感光体に接触させ、所
定の電圧を印加し、電荷注入を行う接触帯電器等が知ら
れている。後者の接触帯電器の帯電用部材としては、ナ
イロン樹脂、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂に適量のカー
ボンブラックを混合したものを原料として、無端円筒状
フィルム、繊維状等に成形加工され使用されている。
は、半導電性のシームレスベルトが使用されているが、
これらのシームレスベルトも高分子化合物(樹脂、ゴム
等)に電子伝導性の導電剤を均一に錬り込んで、均一分
散されたものが実使用されている。その他、除電部材、
現像部材等としても前述と同様に使用されている。
複写機に使用されているカーボンブラック含有のナイロ
ン製帯電部材は、その後の複写内容の多様化に伴って、
十分満足できる性能を有していないことが判った。特に
ベタ部の多いカラー画像の複写における画質の点におい
て、ベタ部分のあるカラー原稿を複写すると、あるベタ
色部分に一定の幅で帯状又は筋状になって、色抜けした
り、色ムラになったりして複写され問題になっている。
この現象は色とか場所とかに特定されることはなく不定
であり、勿論ベタ部分でない線画像の場合にも見られる
が、ピンホール的に発生しているので外観上は問題視さ
れない。しかし、一般に画像はルーペ等で拡大してチェ
ックする場合が多いのでこのような画像でも品質上問題
になっている。
でないが、感光ドラム上の微細欠点(感光面のピンホー
ル)が起因してより助長されると考えられている。その
メカニズムは明らかでないが、次のように推案される。
前記する従来の成形部材を介して電荷注入を行うと、感
光面の微少欠点に集中して電流を流す結果になり、他の
場所での電荷注入が一様に行われなくなる。これは該部
材の電気抵抗値の電圧依存性(以下単に電圧依存性と呼
ぶ)に関係があると考えられ、更にミクロ的には電気の
伝達手段が、イオン的よるか電子的よるかに関係がある
ものと考察している。
写体においては、電子伝導性の導電剤を均一分散したも
のは、高い電圧をかけたときの電圧依存性が大きいた
め、トナーの転写効率が電圧によって変動するので、転
写性能のコントロールが難しいという難点があった。ま
た、高い電圧で長時間使用すると、経時的に抵抗値が安
定せず転写ムラが発生する等の問題点があった。
均一分散系の多くを高電圧で使用すると、導電剤がマト
リックス内で移動したり、導電剤間で電子もれが起こる
などの種々の原因が考えられる。特にこの電圧依存性や
抵抗値の経時的変化(以下単に時間依存性と呼ぶ)はゴ
ムエラストマー等の比較的柔らかい材料で顕著であっ
た。
オン的に電気を伝達する材料の使用が、より電圧依存性
の小さい成形部材が得られ、これが電子写真装置用、例
えば帯電部材とか転写部材等として有効であることが判
明し、本発明に到達した。従って、本発明の目的は、電
圧(電流)依存性のより小さいかつ時間依存性のより小
さい成形部材を開発し、これを特に電子写真装置用に提
供することにある。
の手段によって容易に達成される。即ちイオン導電性ポ
リマーを含む熱可塑性樹脂の成形によりなる体積抵抗値
あるいは表面抵抗値が106〜1014Ω・cmの成形部材
からなる電子写真装置用成形部材の提供によってなされ
る。以下に前記構成をより詳細に説明する。
は電流の流れがイオンの移動によって発生し、かつその
物質が高分子化合物からなる物である。従って、この電
流が電子によって運ばれる物質、つまりπ電子によって
運ばれる機能を持つ物質は本発明から除外される。ここ
でπ電子を持つ物質は、例えば共役二重結合を持つ物
質、具体的にはカーボンブラックとか、ポリアセチレン
等に見られる。イオン導電性ポリマーを用いることによ
って、熱可塑性樹脂との相溶性に優れ、かつ電圧依存性
および時間依存性をきわめて小さくすることが可能とな
る。
ルボキシル基に4級アンモニウム塩基を結合する(メ
タ)アクリレートとの各種(例えばスチレン)共重合
体、4級アンモニウム塩基と結合するマレイミドとメタ
アクリレートとの共重合体等の4級アンモニウム塩基を
結合するポリマー、ポリスルホン酸ナトリウム等に見ら
れるスルホン酸のアルカリ金属塩を結合するポリマー、
分子鎖中に少なくともアルキルオキシドの親水性ユニッ
トを結合するポリマー、例えばポリエチレンオキシド、
ポリエチレングリコール系−ポリアミド共重合体、ポリ
エチレンオキド−エピクロルヒドリン共重合体、ポリエ
ーテルアミドイミド、ポリエーテルを主セグメントとす
るブロック型のポリマー等を挙げることができる。これ
らのポリマーの選択はマトリックスとなる熱可塑性樹脂
との相溶性、耐熱性等との関係を十分チェックして行う
必要があるが、多くの場合前記のアルキルオキシドの親
水性ユニットを結合するより高分子量のポリマーを好ま
しいイオン導電性ポリマーとして選ぶことができる。
シート(フィルム)状、円筒状フイルム等の電子写真装
置用部材として容易に成形できるものであれば特に制限
はない。例えば熱可塑性ポリイミド、脂肪族ポリアミ
ド、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポ
リフッ化ビニリデン等のフッ素系ポリマー、ポリカーボ
ネイト、ABS樹脂、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、そし
て、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、
ポリスチレン系、の熱可塑性エラストマー等を列挙でき
る。この他により機能性の高い各種樹脂も使用可能であ
るがあまり溶融温度の高いものは望ましくない。
電性ポリマーを選択し、混合するかは前述の相溶性とか
耐熱性とかを考慮して決められるが、一例を挙げると次
のような組合せがある。好ましいイオン導電性ポリマー
として挙げられる中でポリエーテルを主セグメントとす
るブロック型ポリマーで例えば、三洋化成工業(株)製
のペレスタット6321(商品名)があるが、これはポ
リオレフィン系の熱可塑性エラストマー、ポリアミド
(脂肪族)、フッ素系ポリマー、ポリオレフィン、AB
S樹脂等の各樹脂との組み合わせが有効である。
混合比は、成形部材としての電気特性、体積抵抗値10
6〜1014Ω・cm好ましくは、107〜1012Ω・cmが、
表面抵抗値としても同様に106〜1014Ω/□好まし
くは、107〜1012Ω/□が発現されるように適宣選
定すればよい。しかし、各抵抗値の他に該樹脂自身の持
つ機能的特性の低下の懸念も考慮することが望ましいの
で、その点も考慮し、可能な限り、少さい混合比にする
ことが望ましい。かかる点から、イオン導電性ポリマー
は一般には約5〜50重量%(対熱可塑性樹脂)、好ま
しくは10〜45重量%の範囲内から選ばれる。尚、両
者の混合手段には、特に制限はないが押出成形前に両者
が十分均一に混合されていることが望ましいので、両者
共粉末状又はペレット状で混合し、これらを2軸混練押
出機によって混練しつつペレット化するのがよい。ま
た、この混合の際に他の添加剤、例えば各種滑剤、核剤
等の少量の添加は許される。
められた値である。既知の厚さ(tcm)を有する20×
20mmのフィルム状物をサンプルとして、該サンプルの
両面に直径10mmφの電極を銀ペーストにて設け、この
電極に電流計と電圧を印加するための電源を直列につな
いだものを測定用回路とする。そして、測定は電圧10
Vとしてこれを5秒間印加した後の電流計に表示される
アンペア(I)を知り、数1に示す計算式によって体積
抵抗値(ρv)(Ω・cm)を求める。尚、本発明の成形
部材がフィルム(シート)状物でない場合の体積抵抗値
の測定においては、得られたその部材を別途フィルム状
に成形して前記に従って測定する。
求められた値である。市販の抵抗測定機(三菱油化社製
のハイレスタ)を用いて、フィルムの表面抵抗値を測定
した。電極となるプローブはHAプローブを使用した。
の範囲を限定しているのは、その範囲内において、例え
ば複写機における帯電用部材として使用した場合、トナ
ーの色抜けとか、色ムラの欠点を最大限に解消すること
ができるからである。従って、例え本発明のイオン導電
性ポリマーが使用されたとしても、体積抵抗値106Ω
・cm未満、表面抵抗値106Ω/□未満、又は体積抵抗
値1014Ω・cmを超えた、あるいは、表面抵抗値1014
Ω/□を超えた成形部材では本発明の目的を達成するこ
とはできない。
の成形は、通常の押出成型機によって、該樹脂の軟化又
は溶融温度より以上の、ある程度高温で行えばよい。そ
の際に、必要ならば該成型機の先端に口金又は金型をセ
ットすればよい。電子写真装置用に使われる成形部材は
特定されないが、一般には前記のとおり繊維状ブラシ、
シート(フィルム)状、円筒状フイルム等であるが、中
でも円筒状、特に無端円筒状フィルム、繊維状での使用
が好ましい。これは例えば複写機の感光ドラムへの帯電
用部材として使用する場合に、前面均一により効果的に
帯電せしめるという理由による。また、中間転写体とし
て使用する場合にはベルト状で使用する場合が多いの
で、シームレスな無端円筒状フィルムが有効である。し
かし、実使用に応じて、形状を変更することは可能であ
りこの限りではない。
挙げた無端円筒状フィルムは、一般には単層〜多層状で
構成されるが、単層よりも多層での構成が望ましい。こ
れはイオン導電性ポリマーを添加することによって耐屈
曲性が、ベースとなる熱可塑性樹脂のそれよりも低下す
るので、イオン導電性樹脂を添加せず耐屈曲性を保った
樹脂と多層化することによって、該多層フィルムとして
の耐屈曲性(折れ、伸度等)が向上させ得るからであ
る。また、イオン導電性ポリマーを添加しない層(以下
ベース層と呼ぶ)は、絶縁層でも良いが、カーボンブラ
ック等の電子導電剤を混合して、ある程度導電性を付与
した方が好ましい。これは、耐屈曲性もより向上すると
共に、電子写真装置用部材等に用いる場合、主に該フィ
ルムの膜厚方向に電圧を印加し、所定の電流を流して使
用する場合が多いためである。従って、フィルムの表面
を電流が流れるような設計をする場合はこの限りではな
い。このベース層でのカーボンブラックの混合量は基本
的には、使用する部材に要求される体積抵抗値になるよ
うに決めればよいが、大略1〜25重量%、好ましくは
5〜22重量%(対熱可塑性樹脂)を目標として決めれ
ばよい。尚、カーボンブラックは、その製法による種類
の差には関係なく使用できるが中でもアセチレンブラッ
ク、ケッチェンブラック、オイルファーネスブラックが
好ましい。また、その混合手段には特に制限はなく、前
記イオン導電性ポリマーの混合手段と同じ要領で行えば
よい。
に行われている溶融押出機による環状ダイスからの吐出
によって容易に成形することができる。また、複数層の
場合には、複数の溶融押出機によって、1つの共押出環
状ダイスに押し出すことにより多層構造の円筒状フィル
ムを得ることができる。この時、イオン導電層となる所
定量のイオン導電性ポリマーが含まれる熱可塑性樹脂
を、該押出機に供給すればよい。延伸は適宜行っても良
い。
ダイスのノズルサイズを変えればよい。膜厚は適度の柔
軟性と、耐屈曲性等を考慮して決めればよいが、妥当な
範囲は数値的に50〜300μm程度といえる。従っ
て、多層である場合でもかかる範囲を全厚として、各層
の膜厚が調整される。尚、多層構成で、ベース層をカー
ボンブラック等で電子導電性にする場合には、イオン導
電層があまりにも薄い(例えば5μm以下)と好ましく
ない。これはイオン導電層のイオン導電性による特徴、
つまり電圧依存性、及び時間依存性が改悪される方向に
作用するからである。
行われる口金からの溶融紡糸によるモノフィラメントで
も、マルチフィラメントでもよい。繊維径は1μm〜2
00μm程度、そして断面形状は一般には円形であるが
これが、三角形、十字形、四角形の異径断面であって
も、また中空であってもよい。
部品として実用される場合は、各々の使用目的、場所に
合わせて、適宜加工して使用される。例えば、複写機に
おける感光ドラムの帯電器として使用する場合、成形部
材として無端円筒状フィルムを使用するには、該フイル
ムをアルミ製の回転シャフトに嵌着し、これを感光ドラ
ムの潜像形成前の位置にセットして、軽タッチで接触さ
せ回転させつつ、該シャフトに電圧を印加する。また、
該部材が繊維状であるならば、例えば該繊維を緻密に起
毛した植毛布をアルミ製のシャフトに捲回したブラシロ
ールとして前期同様セットし、電圧を印加するとか、繊
維をアルミ製の治具にノレン状に垂直に狭持したブラシ
を、所定位置に固定し、感光ドラムの回転によって、前
面に均一に電荷注入を行う。
る手段が装置化されたもので、静電荷の付与は光、X
線、γ線により行い、光導電性の絶縁材料中に静電的に
画像を形成させる。この電荷を持つ画像(潜像)は、例
えばトナーを引きつける、トナー顕像を紙に転写し熱固
定するものが複写機である。トナーの色数で単色から多
色の複写ができる。その該装置に含まれるものは、電子
写真装置を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ等で
ある。その他でも電子写真装置を用いた画像形成装置も
例外とはならない。
むので、例えば無端円筒状フィルムを複写機の帯電部材
として、感光ドラムに接触させて電圧を印加した場合、
該ドラムにピンホールがあり、該ホールが電気伝導孔と
なっていても、そこに集中して電流が流れることはない
ので、該ドラムには全面に均一に電荷が注入されて帯電
することができる。イオン導電性ポリマーが、カーボン
ブラック等の電子導電性剤よりも、熱可塑性樹脂に対し
て、その電圧(電流)依存性が著しく小さい。これは同
ポリマーに印加された電流の移動が、電子的に発生する
かイオン的発生するかによるが、これを現象的に見る
と、該円筒状フィルムの特に体積抵抗値には一切変化が
生じ無いので、常にフイルムの前面の抵抗値が均一であ
るという事からも理解できる。実際の複写においても、
該ピンホールからの色抜けとか、色ムラ等が発生するこ
と無く、ベタ色部分もムラの無い品質の良い複写が可能
となる。
詳述するが、本発明が該例に制限を受けることはない。
F)粉体にイオン導電性ポリマーとして、三洋化成工業
(株)製のペレスタット6321チップを40重量%混
合し、これを二軸押出機(バレル温度190〜250
℃)で混練しつつペレット化した。得られたペレットを
十分に乾燥後、次に一軸押出機に環状ダイスをセットし
て、チューブ状(ベルト状)に単層で押出成形を行っ
た。この際の該押出機のバレル温度は190〜230
℃、環状ダイスの温度は240℃であった。
150±15μmであり、体積抵抗値は1010Ω・cm
で、全面一定であった。
ットし、その両面に銀ペーストにより10mmφの円形電
極を設けた。この電極を介して10〜100Vの範囲で
種々に電圧を変えて印加し、電流を測定して、前記する
数1の式により体積抵抗値を求めた。各印加電圧に対す
る体積抵抗値の変化を図1の線グラフにまとめた。同図
1で横軸は印加電圧(V)、縦軸は体積抵抗値(Ω・c
m)であり、同図1に示す線グラフ1でその変化を示し
ている。
チューブを成形し、実施例1と同様に印加電圧に対する
体積抵抗値の変化を見た。まず、成形は次の条件によっ
て行った。ナイロン12に実施例1で使用したペレスタ
ット6321を40重量%混合して二軸押出機(バレル
温度220〜240℃)にて混練してペレット化した。
以下イオン導電層用ペレットと呼ぶ。一方、ナイロン1
2にアセチレンブラックを22重量%混合し、前記と同
様に二軸押出機により混練しつつ、ペレット化した。以
下、ベース層用ペレットと呼ぶ。
ットして、共押出を行い、2層からなるチューブを成形
した。この場合の成形条件は次のとうりであった。ま
ず、1つの押出機はバレル温度200〜220℃に制御
して、イオン導電層用ペレットを供給し(以下、その層
をイオン導電層と呼ぶ)、他の1つの押出機はバレル温
度220〜240℃に制御してベース層用ペレットを供
給し(以下、その層をベース層と呼ぶ)、240℃に制
御された該環状ダイスからチューブ状に押出し、成形し
た。
内径は10mmであった。また各層に剥離して、各々の厚
さと体積抵抗値を測定したらイオン導電層は50μm、
1010Ω・cm、ベース層は100μm、108Ω・cmで
あった。
サイズに切開して、印加電圧に対する体積抵抗値を測定
した。その結果は実施例1を記載する図1にまとめて、
線グラフ2で示した。
形し、実施例2と同様に印加電圧に対する体積抵抗値の
変化を見たが、その成形は次の条件によった。PVDF
粉末に40重量%のペレスタットを混合し、これを2軸
押出機(バレル温度190〜220℃)に供給して、混
練しつつペレット化した。一方、PVDF粉末に10重
量%のアセチレンブラックを混合して、これを二軸押出
機(バレル温度200〜230℃)に供給して混練しつ
つペレット化した。
セットして、共押出を行い、2層からなるチューブを成
形した。この場合、成形条件は次のとおりであった。1
つの押出機はバレル温度200〜220℃に制御して、
イオン導電層用ペレットを供給し、他の1つの押出機は
バレル温度200〜230℃に制御してベース層用ペレ
ットを供給し、230℃に制御された該環状ダイスから
チューブ状に押出し、成形した。
内径は10mmであった。また各層に剥離して、各々の厚
さと体積抵抗値を測定したらイオン導電層は50μm、
1010Ω・cm、ベース層は100μm、108Ω・cmで
あった。
サイズに切開して、これをサンプルとし、印加電圧の変
化に対する電流を測定し、前記数1の式にて体積抵抗値
を求めた。これを実施例1を記載する図1にまとめて、
線グラフ3で示した。
なように、何れの場合も印加電圧が変わっても体積抵抗
値は変化していない、あるいは電子導電性を付与したフ
ィルムと比較して変化量が減少している。このことは成
形部材に局部的に過大電流が印加されても、その部分の
体積抵抗値に何ら変化はなく、全体に均一に電圧が印加
されていることになる。従って例えば該部材が複写機の
帯電器に使用された場合に、感光ドラムにピンホールが
存在し、該ホールが導通状態にあっても、そこに集中し
て電流が流れることはないので、該ドラムには全面に均
一に電荷注入されて帯電することができる。
10重量%のアセチレンブラックを含有させる他は全く
同一条件で単層のPVDFチューブを成形した。得られ
たチューブの厚さは100μmで内径は10mmであっ
た。
ィルムとして、まず、実施例1と同様に円形の電極を設
け、これの体積抵抗値を測定したところ、全面均一な1
08Ω・cmであった。そして引き続き該サンプルの両面
に、同様に印加電圧の変化に対する体積抵抗値を求め
た。この結果は実施例1と同じ図1のグラフにまとめ線
グラフ4で示した。
クを22重量%混合し、2軸押出機(バレル温度220
〜240℃)にて混練しつつ、ペレット化した。このペ
レットを用いて1層でチューブ状に押し出し成形した。
成形条件は押出機のバレル温度220〜240℃、環状
ダイス温度は240℃として押出し、成形を行った。
径は10mmであった。これを20×20mmに切開して体
積抵抗値を測定したら全面均一で109Ω・cmであっ
た。そして、引き続き概算プルの両面に実施例2と同様
にして円形電極を設け、同様に印加電圧の変化に対する
体積抵抗値を求めた。この結果は実施例1を示す図1の
グラフにまとめ、これを線グラフ5で示す。
ように何れの場合も印加電圧の変化によって、体積抵抗
値が大きく下降して変化している。このような性質を有
する成形部材は、局部的に過大電圧が印加されると、他
の部分の体積抵抗値は上昇し、電流が流れにくくなり、
大きな抵抗バラツキとなって現れる。従ってこれを例え
ば複写機の感光ドラムの接触帯電器に使用しても、感光
ドラム上のピンホールによるトナーの色抜け、色ムラ等
の問題は解決されないことになる。
ューブを直径10mmの帯電チューブとして複写機の接触
帯電器に用いて複写テストをした結果を表1にまとめ
た。表1に示すとおり、電圧依存性、トナーのクリーニ
ング性、色抜け、色ムラ、長期使用時の抵抗値変化等を
比べると、イオン導電性層を持つ帯電チューブ(実施例
1、2、3)の性能は、それを持たないもの(比較例
1、2)に比べ良好な結果を示していることが分かる。
さ150±20μmのフィルムを成形した。得られたベ
ルト内径は190mm、厚さ150±20μmであり、体
積抵抗値1010Ω・cmで表面抵抗値1011Ω/□であっ
た。このフィルムを180℃で縦横各々3%延伸して内
径195.7mm、厚さ141±10μmのシームレスベ
ルトを得た。このベルトの全面の抵抗値が1桁以内のバ
ラツキであり安定であった。また、周長差も200μm
以内であった。該ベルトの表面抵抗値を10V、100
V、500Vで測定した結果を図2の線グラフ6に示
す。また、10Vを印加したときの経時的な変化を図3
の線グラフ11に示す。尚、図2は印可電圧と表面抵抗
値との関係を示す線グラフであり、図3は印可時間と表
面抵抗値との関係を示す線グラフである。
た。ベルト内径は190mm、厚さ150±20μmで且
つイオン導電層は50μmで1010Ω・cm、ベース層は
100μmで108Ω・cmであった。このフィルムを1
80℃で縦横各々3%延伸して内径195.7mm、厚さ
141±10μmのシームレスベルトを得た。このベル
トはイオン導電層側から測定した表面抵抗値は1011Ω
/□で、全面1桁以内のバラツキであり安定であった。
また、周長差も200μm以内であった。該ベルトの表
面抵抗値を10V、100V、500Vで測定した結果
を図2の線グラフ7に示す。また、10V印加したとき
の経時的な変化を図3の線グラフ12に示した。
た。ベルト内径は190mm、厚さ150±20μmで且
つイオン導電層は50μmで1010Ω・cm、ベース層は
100μmで108Ω・cmであった。このフィルムを1
80℃で縦横各々3%延伸して内径195.7mm、厚さ
141.3μmのシームレスベルトを得た。このベルト
はイオン導電層側から測定した表面抵抗値が1011Ω/
□、全面にわたり均一であった。また、左右周長差も2
00μm以内であった。該ベルトの表面抵抗値を10
V、100V、500Vで測定した結果を図2の線グラ
フ8に示す。また、500V印加したときの経時的な変
化を図3の線グラフ13に示した。
かなように、表面抵抗値は、印加電圧を変えても変化し
ていない。また、図3の線グラフ11、12、13から
明らかなように時間依存性も小さい。これは、複写機等
の中間転写体として使用する場合でも、電圧依存性が小
さいために、トナーの転写効率が電圧によって変動する
ことがなく、転写性能のコントロールが容易にできるよ
うになる共に、時間依存性が小さいために高電圧で長時
間使用しても抵抗値が変動することなく、転写ムラが発
生する問題を解決できたことを示している。
90mm、厚み150μmで体積抵抗値109Ω・cmのシ
ームレスベルトを成形し、縦横各々3%延伸して、内径
195.7mm、厚み141μm、体積抵抗値1010Ω・
cm、表面抵抗値1011Ω/□のベルトを得た。該ベルト
の表面抵抗値を10V、100V、500Vで測定した
結果を図2の線グラグ9に示す。また印加電圧500V
での時間依存性を図3の線グラフ14に示す。
50μmで内径160mm、体積抵抗値1010Ω・cmの
シームレスベルトを150℃で縦横3%延伸し直径19
5.7mm、厚み141μm、体積抵抗値1010Ω・cm、
表面抵抗値1011Ω/□のベルトを得た。該ベルトの表
面抵抗値を10V、100V、500Vで測定した結果
を図2の線グラフ10に示す。また、印加電圧500V
での時間依存性を図3の線グラフ15に示す。
の線グラフ14.15.から明らかなように、電圧依存
性及び時間依存性が極めて大きいため、例えば複写機の
中間転写体として使用しても、トナーの転写効率が電圧
によって変動し、また、長時間使用すると抵抗値の変動
が起こり、転写ムラが発生する。
レスベルトをカラー複写機の中間転写体として使用した
結果をまとめ、表2に示す。表2から明らかな様に、電
圧依存性、トナークリーニング性、色抜け、色ムラ、長
期間使用時の抵抗変化はイオン導電層を持ったベルトに
あっては、それを持たないものに比べ良好な結果を示し
ている。
で、次のような効果を奏する。
光ドラムの帯電用部材として使用すると、仮に該ドラム
の感光(光導電層)面にピンホールがあってもそこを中
心にトナーが乗らずに、帯状、筋状または薄い色ムラと
なって複写されるような問題は発生しない。
電子写真装置内の中間転写体として使用すると、印加す
る電圧によって、転写効率が悪化し、それによる転写ム
ラが起こり、得られた画像に画像ムラが発生することは
ない。また、時間依存性がないので、経時的に安定した
画像を得ることができた。
で、しかもベース層部がカーボンブラックを含む樹脂層
である場合には、より安定した非電圧依存性が発現され
ると共に、耐屈曲性においてもより優れた成形部材を得
ることができる。
たものである。
たものである。
のである。
Claims (6)
- 【請求項1】 イオン導電性ポリマーを含む熱可塑性樹
脂の成型によりなる体積抵抗値が106〜1014Ω・cm
の成形部材であることを特徴とする電子写真装置用成形
部材。 - 【請求項2】 前記請求項1において、表面抵抗値が1
06〜1014Ω/□であることを特徴とする電子写真装
置用成形部材。 - 【請求項3】 イオン導電性ポリマーが、主鎖中にアル
キルオキシドユニットを持つ親水性ポリマー、4級アン
モニウム塩基、スルホン酸のアルカリ金属塩基の内の1
個を含む請求項1、2に記載の電子写真装置用成形部
材。 - 【請求項4】 前記電子写真装置用成形部材が、無端円
筒状フィルムからなる請求項1、2、3に記載の電子写
真装置用成形部材。 - 【請求項5】 前記無端円筒状フィルムが、少なくとも
2層以上の多層からなり、かつ各層のうち少なくとも1
つがイオン導電性ポリマーを含んでなる請求項4に記載
の電子写真装置用成形部材。 - 【請求項6】 電子写真装置用成形部材が繊維状よりな
る請求項1、2、3に記載の電子写真装置用成形部材。
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