JP2003082148A - ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法

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JP2003082148A JP2001275784A JP2001275784A JP2003082148A JP 2003082148 A JP2003082148 A JP 2003082148A JP 2001275784 A JP2001275784 A JP 2001275784A JP 2001275784 A JP2001275784 A JP 2001275784A JP 2003082148 A JP2003082148 A JP 2003082148A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の倍率バ
ラツキを小さくする。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂粒子を耐圧容器内
で水系分散媒に分散させ、前記樹脂粒子を前記ポリオレ
フィン系樹脂の軟化温度以上の温度に加熱・昇圧後、耐
圧容器内の内圧よりも低圧の容器内に放出することによ
って予備発泡させる際に、放出部から放出された全ての
予備発泡粒子を、放出部から衝突板もしくは容器壁まで
の距離をLとしたとき、5mm<Lの距離に設置した衝
突板もしくは容器壁に衝突させることを特徴とするポリ
オレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂予備発泡粒子の製造方法に関する。さらに詳しく
は、例えば型内発泡成形品に原料として好適に使用し得
るポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、耐圧容器内でポリオレフィン
系樹脂粒子を水系分散媒に分散させて加熱し、揮発性発
泡剤を含浸させた後、低圧の容器内に放出してポリオレ
フィン系樹脂予備発泡粒子を製造する方法が一般に行わ
れている(例えば特公平7−5784号公報など)。し
かし、前記方法で発泡倍率が15倍以下の予備発泡粒子
を製造する場合には、発泡剤量を減らす必要があり、樹
脂粒子への発泡剤の含浸ムラが大きくなり、次式
(I):
【0003】
【数1】
【0004】で表される倍率バラツキが20%以上と高
くなり、良好な特性の予備発泡粒子を得ることができな
い。
【0005】予備発泡粒子の倍率バラツキが大きくなる
と、予備発泡粒子の製造工程において目標とする倍率の
予備発泡粒子が得られにくくなるために倍率管理が難し
くなるとともに収率が悪化してしまう。また、予備発泡
粒子を原料とする型内発泡成形体の重量バラツキが増加
し、良好な特性を有する型内発泡成形体を製造すること
が難しくなり、不良品が増加してしまう問題がある。
【0006】一方、特開平10−176077公報に
は、ブタン等の可燃性ガスおよび炭酸ガス等の地球温暖
化の原因になる温室効果ガスである発泡剤を使用せず
に、ポリオレフィン系樹脂100重量部および親水性ポ
リマー0.05〜20重量部を含有するポリオレフィン
系樹脂を加熱し含水樹脂粒子とした後に、低圧の雰囲気
中に放出させて予備発泡粒子を製造することが記載され
ている。該方法は発泡倍率が15倍以下の低倍の予備発
泡粒子でも倍率バラツキを15%以下にすることが可能
である画期的な予備発泡粒子の製造方法である。しか
し、予備発泡粒子の製造工程での収率向上および成形体
重量バラツキが少なく、かつ、良好な特性を有する成形
体を製造するためには、更なる倍率バラツキ低減が求め
られていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、更なる倍率バラツキを低減したポ
リオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法を提供する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記のご
とき実状に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成
するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹
脂粒子を耐圧容器内で水系分散媒に分散させ、前記樹脂
粒子を前記ポリオレフィン系樹脂の軟化温度以上の温度
に加熱・昇圧後、耐圧容器内の内圧よりも低圧の容器内
に放出することによって予備発泡させる際に、放出部か
ら放出された予備発泡粒子を、放出部から衝突板もしく
は容器壁までの距離をLとしたとき、5mm<Lの距離
に設置した衝突板もしくは容器壁に衝突させることを特
徴とするポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
に関する。
【0010】ポリオレフィン系樹脂はポリプロピレン系
樹脂であることが好ましい。また、ポリプロピレン系樹
脂はポリプロピレン系樹脂100重量部および親水性ポ
リマー0.05〜20重量部からなるポリオレフィン系
樹脂組成物であることが好ましい。上記耐圧容器内の内
圧を窒素、空気、またはこれらを主体とする無機ガスを
導入することにより昇圧後、内圧よりも低圧の容器内に
放出することによって発泡させることが好ましい。さら
に、昇圧時の圧力が、0.6〜7.5MPaであること
が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明においては、ポリオレフィ
ン系樹脂粒子を耐圧容器内で水系分散媒に分散させ、前
記樹脂粒子を前記ポリオレフィン系樹脂の軟化温度以上
の温度に加熱・昇圧後、耐圧容器内の内圧よりも低圧の
容器内に放出することによって予備発泡させる際に、放
出部から放出された粒子を、衝突板もしくは容器壁に衝
突させることによって、より倍率バラツキを低減したポ
リオレフィン系樹脂予備発泡粒子が製造される。さらに
は、衝突させない場合と比べて、発泡倍率が向上する効
果があることも確認でき、使用する発泡剤量を減らすこ
とができて、省エネが可能となる効果も確認できた。
【0012】また、本発明で用いられるポリオレフィン
系樹脂とは、オレフィン系単量体単位を50〜100重
量%(以下、%という)、さらには70〜100%含有
し、オレフィン系単量体と共重合可能な単量体単位を0
〜50%、さらには0〜30%含有する樹脂である。オ
レフィン系単量体単位を50%以上含有するため、軽量
で機械的強度、加工性、電気絶縁性、耐水性、耐薬品性
に優れた成形体が得られる。
【0013】前記オレフィン系単量体と共重合可能な単
量体単位は、接着性、透明性、耐衝撃性、ガスバリア性
などの改質のために使用される成分であり、使用するこ
とによる効果を得るためには全樹脂重量中2%以上、さ
らには5%以上使用するのが好ましい。
【0014】前記オレフィン系単量体の具体例として
は、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセ
ン、ヘプテン、オクテンなどの炭素数2〜8のα−オレ
フイン単量体やノルボルネン系モノマーなどの環状オレ
フィンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。これらのうちではエチ
レン、プロピレンが安価であり、得られる重合体の物性
が良好になる点から好ましい。
【0015】前記オレフィン系単量体と共重合可能な単
量体の具体例としては、酢酸ビニルなどのビニルアルコ
ールエステル、メチルメタクリレート、エチルアクリレ
ート、ヘキシルアクリレートなどのアルキル基の炭素数
が1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ビニ
ルアルコール、メタクリル酸、塩化ビニルなどが挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。これらのうちでは、酢酸ビニルが接着性、柔
軟性、低温特性の点から好ましく、メチルメタクリレー
トが接着性、柔軟性、低温特性、熱安定性の点から好ま
しい。
【0016】前記ポリオレフィン系樹脂のメルトインデ
ックス(MI)としては、たとえばポリプロピレン系樹
脂では0.2〜50g/10分、さらには1〜30g/
10分のものが好ましい。また、曲げ弾性率(JIS
K 7203)としては、たとえばポリプロピレン系樹
脂では500〜2000MPa、さらには800〜16
00MPaのものが、融点としては、たとえばポリプロ
ピレン系樹脂では125〜165℃、さらには130〜
160℃のものが好ましい。
【0017】前記MIが0.2g/10分未満の場合、
溶融粘度が高すぎて高発泡倍率の予備発泡粒子が得られ
にくく、50g/10分を超える場合、発泡時の樹脂の
伸びに対する溶融粘度が低く破泡しやすくなり、高発泡
倍率の予備発泡粒子が得られにくくなる傾向にある。ま
た、前記曲げ強度が500MPa未満の場合、機械的強
度、耐熱性が不十分となり、2000MPaを超える場
合、得られる発泡成形体の柔軟性、緩衝特性が不十分と
なる傾向にある。さらに、融点が125℃未満の場合、
耐熱性が不足し、165℃を超える場合、成形時の融着
性、二次発泡力不足となる傾向にある。
【0018】前記ポリオレフィン系樹脂の具体例として
は、例えばエチレン−プロピレンランダム共重合体、エ
チレン−プロピレン−ブテンランダム3元共重合体、ポ
リエチレン−ポリプロピレンブロック共重合体、ホモポ
リプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、低密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体などの
ポリエチレン系樹脂、ポリブテン、ポリペンテンなどが
挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、無架橋
の状態で用いてもよく、パーオキサイドや放射線などに
より架橋させて用いてもよい。これらのポリマーは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの
うちでは、ポリプロピレン系樹脂が、他のポリオレフィ
ン系樹脂と比べて、倍率バラツキが小さく、高発泡倍率
の予備発泡粒子が得られやすく、また、得られた予備発
泡粒子から製造された成形体の機械的強度や耐熱性が良
好であるため好ましい。
【0019】後述する如く発泡剤として水を使用する場
合には、ポリオレフィン系樹脂粒子を軟化温度以上の温
度に加熱した場合の含水率が1〜50%の含水樹脂粒子
とし、発泡しやすくするために、ポリオレフィン系樹脂
100重量部(以下、部という)に対して親水性ポリマ
ー0.05〜20部を含有するポリオレフィン系樹脂組
成物からなる樹脂粒子として使用するのが好ましい。
【0020】前記親水性ポリマーとは、ASTM D5
70に準拠して測定された吸水率が0.5%以上のポリ
マーのことであり、いわゆる吸湿性ポリマー、吸水性ポ
リマ一(水に溶けることなく、自重の数倍から数百倍の
水を吸収し、圧力がかかっても脱水されがたいポリマ
ー)および水溶性ポリマー(常温ないし高温状態で水に
溶解するポリマー)を含有する概念である。前記親水性
ポリマーの分子内には、カルボキシル基、水酸基、アミ
ノ基、アミド基、エステル基、ポリオキシエチレン基な
どの親水性基が含有される。
【0021】前記吸湿性ポリマーの例としては、例えば
カルボキシル基含有ポリマー、ポリアミド、熱可塑性ポ
リエステル系エラストマー、セルロース誘導体などが挙
げられる。
【0022】前記カルボキシル基含有ポリマーの具体例
としては、例えばエチレン−アクリル酸−無水マレイン
酸3元共重合体(吸水率0.5〜0.7%)、エチレン
−(メタ)アクリル酸共重合体のカルボン酸基をナトリ
ウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオン
で塩にし、分子間を架橋させたアイオノマー系樹脂(吸
水率0.7〜1.4%)、エチレン−(メタ)アクリル
酸共重合体(吸水率0.5〜0.7%)などが挙げられ
る。また、前記ポリアミドの具体例としては、例えばナ
イロン−6(吸水率1.3〜1.9%)、ナイロン−
6,6(吸水率1.1〜1.5%)、共重合ナイロン
(EMS−CHEMIE AG社製、商品名グリルテッ
クスなど)(吸水率1.5〜3%)などが挙げられる。
さらに、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマーの具
体例としては、例えばポリブチレンテレフタレートとポ
リテトラメチレングリコールとのブロック共重合体(吸
水率0.5〜0.7%)などが挙げられる。そして、前
記セルロース誘導体の具体例としては、例えば酢酸セル
ロース、プロピオン酸セルロースなどが挙げられる。こ
れらは単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0023】前記吸湿性ポリマーのうちでは、アイオノ
マー系樹脂が、ポリオレフィン系樹脂中での分散性に優
れ、比較的少量で高含水率の含水ポリオレフィン系樹脂
組成物が得られ、所望の発泡倍率を有し倍率バラツキの
小さい予備発泡粒子を得られるため好ましい。
【0024】前記吸水性ポリマーの例としては、例えば
架橋ポリアクリル酸塩系重合体、澱粉−アクリル酸グラ
フト共重合体、架橋ポリビニルアルコール系重合体、架
橋ポリエチレンオキサイド系重合体、イソブチレン−マ
レイン酸系共重合体などが挙げられる。
【0025】前記架橋ポリアクリル酸塩系重合体の具体
例としては、例えば(株)日本触媒製のアクアリック
(商品名)、三菱化学(株)製のダイヤウェット(商品
名)などで代表される架橋ポリアクリル酸ナトリウム系
重合体などが挙げられる。前記架橋ポリビニルアルコー
ル系重合体の具体例としては、例えば日本合成化学工業
(株)製のアクアリザーブGP(商品名)などで代表さ
れる種々の架橋ポリビニルアルコール系重合体が挙げら
れる。また、前記架橋ポリエチレンオキサイド系重含体
の具体例としては、例えば住友精化(株)製のアクアコ
ーク(商品名)などで代表される架橋ポリエチレンオキ
サイド系重合体が挙げられる。そして、前記イソブチレ
ン−マレイン酸系共重合体の具体例としては、例えば
(株)クラレ製のKIゲル(商品名)などで代表される
イソブチレン−マレイン酸系共重合体が挙げられる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0026】前記吸水性ポリマーのうちでは、架橋ポリ
エチレンオキサイドがポリオレフィン系樹脂中での分散
性、比較的少量で高含水率がえられる点から好ましい。
【0027】前記水溶性ポリマーの例としては、例えば
ポリ(メタ)アクリル酸系重合体、ポリ(メタ)アクリ
ル酸塩系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ポリ
エチレンオキサイド系重合体、水溶性セルロース誘導体
などが挙げられる。
【0028】前記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の具
体例としては、例えばポリアクリル酸、アクリル酸−ア
クリル酸エチル共重合体、ポリメタクリル酸2−ヒドロ
キシエチルなどが挙げられる。また、前記ポリ(メタ)
アクリル酸塩系重合体の具体例としては、例えばポリア
クリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポ
リアクリル酸カリウム、ポリメタクリル酸カリウムなど
が挙げられる。また、前記ポリビニルアルコール系重合
体の具体例としては、例えばポリビニルアルコール、ビ
ニルアルコール−酢酸ビニル共重合体などが挙げられ
る。さらに、前記ポリエチレンオキサイド系重合体の具
体例としては、例えば分子量数万〜数百万のポリエチレ
ンオキサイドなどが挙げられる。そして、前記水溶性セ
ルロース誘導体の具体例としては、例えばカルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙
げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0029】前記吸湿性ポリマー、吸水性ポリマーおよ
び水溶性ポリマーは単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0030】前記親水性ポリマーの使用量は、前記親水
性ポリマーの種類によって異なるが、ポリオレフィン系
樹脂組成物からなる樹脂粒子を耐圧容器内で水系分散媒
に分散させ、ポリオレフィン系樹脂組成物の軟化温度以
上で軟化温度+20℃以下の温度に加熱したときの含水
率が1〜50%になるポリオレフィン系樹脂組成物を得
るためには、通常、ポリオレフィン系樹脂100部に対
して、0.05部以上、好ましくは0.1部以上であ
る。また、予備発泡粒子の製造時の生産安定性や発泡特
性を良好にし、予備発泡粒子から得られる成形体に優れ
た機械的強度や耐熱性を付与するとともに、吸水時の寸
法変化を小さくする点からは、20部以下、好ましくは
10部以下である。
【0031】本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂
組成物には、充填剤、すなわち無機充填剤および(また
は)有機充填剤を含有せしめるのが、倍率バラツキが小
さく、かつ気泡が均一で比較的高発泡倍率の予備発泡粒
子を得ることができるという点から好ましい。
【0032】前記無機充填剤の具体例としては、例えば
タルク、炭酸カルシウム、水酸化カルシウムなどが挙げ
られる。これらの無機充填剤の中では、タルクが、倍率
バラツキが小さく、気泡が均一で、比較的高発泡倍率の
予備発泡粒子を与える点から好ましい。
【0033】前記有機充填剤としては、前記ポリオレフ
ィン系樹脂の軟化温度以上の温度で固体状のものであれ
ばよく、とくに限定はない。前記有機充填剤の具体例と
しては、例えばフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、
熱可塑性ポリエステル樹脂粉末などが挙げられる。
【0034】前記充填剤は、単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。
【0035】前記充填剤の平均粒子径は、気泡が均一で
比較的高発泡倍率を有する予備発泡粒子を得ることがで
き、また、該予備発泡粒子から機械的強度や柔軟性など
に優れた成形体を得ることができる点から、50μm以
下、さらには10μm以下であるのが好ましく、2次凝
集や取扱作業性の点から0.1μm以上、さらには0.
5μm以上であるのが好ましい。
【0036】前記充填剤を使用する場合の使用量は、比
較的高発泡倍率の予備発泡粒子を得る点から、ポリオレ
フィン系樹脂100部に対して0.001部以上、さら
には0.005部以上にするのが好ましく、また予備発
泡粒子を用いて成形する際に、優れた融着性を発現さ
せ、該予備発泡粒子から機械的強度や柔軟性などに優れ
た成形体を得る点から、3部以下、好ましくは2部以下
である。
【0037】前記ポリオレフィン系樹脂、親水性ポリマ
ー、必要により充填剤などを含有する前記ポリオレフィ
ン系樹脂組成物は、通常、押出機、ニーダー、バンバリ
ーミキサー、ロールなどを用いて溶融混練し、ついで円
柱状、楕円柱状、球状、立方体状、直方体状など発泡に
利用しやすい所望の樹脂粒子形状に成形するのが好まし
い。前記樹脂粒子を製造する際の条件、樹脂粒子の大き
さなどにもとくに限定はないが、例えば押出機中で溶融
混練して得られる樹脂粒子は、通常0.5〜5mg/粒
である。
【0038】前記のごとき樹脂粒子を耐圧容器内で分散
剤および、分散助剤を含む水系分散媒に分散させ、前記
樹脂粒子を前記ポリオレフィン系樹脂の軟化温度以上の
温度に加熱し、発泡剤を樹脂粒子に含浸せしめる。
【0039】前記樹脂粒子を分散させる水系分散媒は、
前記ポリオレフィン系樹脂を溶解させない溶媒であれば
よく、通常水または水とエチレングリコール、グリセリ
ン、メタノール、エタノールなどのうちの1種類または
それらの2種以上との混合物が例示されるが、環境面、
経済性などから水が好ましい。
【0040】前記分散剤の具体例としては、例えば第三
リン酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性炭
酸亜鉛、炭酸カルシウムなどの無機塩やベントナイト、
カオリンなどの粘土類が挙げられる。これらのうちで第
三リン酸カルシウムが、分散力が強く好ましい。
【0041】また、前記分散助剤としては、例えばドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ、n−パラフィンスルホ
ン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ、アルキ
ルナフタレンスルホン酸ソーダなどのアニオン性界面活
性剤、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルトリメチル
アンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムな
どのカチオン性界面活性剤が挙げられる。これらのうち
でn−パラフィンスルホン酸ソーダが良好な分散力を与
え、生分解されやすいことから好ましい。
【0042】前記水系分散媒に分散させる樹脂粒子の量
としては、水系分散媒100部に対して樹脂粒子3〜1
00部、さらには10〜50部が好ましい。樹脂粒子の
量が3部未満になると生産性が低下し、経済的でなく、
100部を超えると加熱中に容器内で樹脂粒子同士が融
着する傾向が生じる。
【0043】また、分散剤および分散助剤の使用量につ
いては、特別な限定はなく、一般に使用される量を使用
すればよいが、分散剤は、樹脂粒子100部に対して
0.05〜10部が好ましく、分散助剤は、樹脂粒子1
00部に対して0.0005〜1部が好ましい。
【0044】前記樹脂粒子を分散させて加熱する温度
は、使用するポリオレフィン系樹脂組成物の軟化温度以
上の温度、具体的には融点以上、好ましくは融点+5℃
以上で、好ましくは融点+20℃以下、さらに好ましく
は融点+15℃以下の温度であり、例えば融点145℃
のエチレン−プロピレン共重合体の場合、145〜16
5℃、さらには150〜160℃が好ましく、145℃
未満では発泡しにくくなり、165℃を超えると、得ら
れる予備発泡粒子の機械的強度、耐熱性が充分でなく、
容器内で樹脂粒子が融着しやすくなる。
【0045】ポリオレフィン系樹脂粒子を耐圧容器内で
水系分散媒に分散させた後、該樹脂粒子を発泡可能な温
度・圧力にするためには、予備発泡粒子の倍率および倍
率バラツキ等の品質に影響はないので加熱と加圧はどち
らが先でもよい。
【0046】加圧させるためのガスとしては、従来公知
の揮発性発泡剤および無機ガスを用いることができる。
【0047】前記揮発性発泡剤の具体例としては、例え
ばプロパン、i−ブタン、n−ブタン、i−ペンタン、
n−ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;シク
ロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環
式炭化水素類;トリクロロモノフルオロメタン、ジクロ
ロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、
トリクロロトリフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水
素類などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0048】前記揮発性発泡剤は、ポリオレフィン系樹
脂粒子に含浸させたのち使用される。ポリオレフィン系
樹脂粒子に含浸させる方法としては、耐圧容器内で発泡
剤とポリオレフィン系樹脂粒子とを水に分散させ、加
熱、加圧するなどの方法が挙げられ、該樹脂粒子100
部に対し発泡剤が2〜50部、好ましくは5〜40部使
用される。該使用量が2部未満になると所望の発泡倍率
が得られず、50部を超えて使用すると樹脂粒子に含浸
される限度を超え圧力上昇が起こるのみで無駄となる。
【0049】前記耐圧容器内の圧力の調整に用いる無機
ガスとしては、経済性、生産性、安全性、環境適合性な
どの点から二酸化炭素、チッ素、空気またはこれらを主
体(通常、50容量%以上、さらには70容量%以上)
とし、アルゴン、ヘリウム、キセノンなどの不活性ガス
や水蒸気、酸素、水素、オゾンなどを少量(50容量%
以下、さらには30容量%以下)含む無機ガスなどを使
用することが好ましいが、倍率バラツキ低減効果が大き
いことからチッ素、空気が更に好ましい。
【0050】前記無機ガスによる保持圧力は、0.6〜
7.5MPaが好ましく、1.0〜3.0MPaがより
好ましい。保持圧力が0.6MPa未満では樹脂粒子は
ほとんど発泡せず、所望とする発泡倍率を有する予備発
泡粒子が得られない。また7.5MPaを超えると得ら
れる予備発泡粒子の気泡が小さくなりすぎ、独立気泡率
が低下して成形品の収縮、形状安定性、機械的強度、耐
熱性が損われる傾向にある。
【0051】また、前記無機ガスで加圧して所定の圧力
に到達後、樹脂粒子を水系分散媒とともに低圧雰囲気中
に放出するまでの時間にはとくに限定はないが、生産性
向上の観点からできるだけ短いことが好ましい。なお、
放出中の容器内圧力は前記到達圧力を維持することが好
ましい。
【0052】前記低圧雰囲気中の低圧とは、容器内圧力
よりも低い圧力のことであるが、通常は大気圧付近の圧
力が選ばれる。
【0053】発泡剤として揮発性発泡剤または無機ガス
(たとえば二酸化炭素)を使用する場合には、ポリオレ
フィン系樹脂粒子に含水させる必要がないから、親水性
ポリマーを含有させる必要はない。親水性ポリマーを使
用しない以外は前記と同様にしてポリオレフィン系樹脂
粒子を製造し、水系分散媒に分散させ、加熱し、発泡剤
を添加・含浸させればよい。発泡剤添加後の圧力として
は1.5〜7.5MPa、保持時間としては20〜60
分間が一般的である。
【0054】前記発泡剤が水の場合、樹脂粒子を水系分
散媒に分散させて加熱し、例えば30分〜12時間攪拌
することにより、樹脂粒子の含水率を1〜50%の含水
樹脂粒子にしたのち、無機ガスを耐圧容器内に導入して
耐圧容器の圧力を0.6〜7.5MPaとし、この圧力
を保持しつつ前記耐圧容器の内圧よりも低圧の雰囲気中
に筒付き絞り盤を通したのち放出させ、前記含水樹脂粒
子を発泡させることにより、ポリオレフィン系樹脂予備
発泡粒子が製造される。
【0055】前記含水率の調整は、加熱温度、加熱時間
などを調整することによって行うことができる。含水率
が1%未満の場合、発泡倍率が2倍末満となりやすい。
好ましい含水率は2%以上である。また、50%を超え
ると、樹脂粒子の水系分散媒に対する分散性が低下し、
予備発泡粒子製造時に耐圧容器内で樹脂粒子が塊状にな
り、均一に発泡させることができなくなりやすい。好ま
しい含水率は30%以下である。なお、親水性ポリマー
の吸水率は常温で測定する値であり、前記含水率は高温
(樹脂融点)で測定する値であるため、例えば用いた親
水性ポリマーの吸水率が0.5%以上であれば、1%以
上の含水率が得られる。
【0056】前記樹脂粒子をポリオレフィン系樹脂組成
物の軟化温度以上の温度に加熱して含水率を1〜50%
にするため、本発明では発泡倍率を約2〜43倍、さら
には約3〜15倍で倍率バラツキが小さい予備発泡粒子
にすることができ、また、予備発泡粒子製造時に耐圧容
器内で樹脂粒子が塊状にならず均一な予備発泡粒子にす
ることができる。
【0057】なお、前記ポリオレフィン系樹脂の軟化温
度は、DSC(示差走査熱量計)によって10℃/分の
昇温速度で測定したときの、融解ピークの頂点の温度よ
り求められる。
【0058】また、含水率はその温度以上における水蒸
気圧下での含水率であり、以下のようにして求められ
る。
【0059】すなわち、300cc耐圧アンプル中に前
記ポリオレフィン系樹脂組成物からなる樹脂粒子50
g、水150g、分散剤としてパウダー状塩基性第三リ
ン酸カルシウム0.5g、分散助剤としてn−パラフィ
ンスルホン酸ソーダ0.03gを入れ、密閉後に前記ポ
リオレフィン系樹脂組成物の軟化温度以上の温度に設定
した油浴中で3時間加熱処理する。さらに室温まで冷却
後、取り出し、充分水洗して分散剤を除去したのち、得
られたポリオレフィン系樹脂組成物の含水樹脂粒子の表
面付着水分を除去したものの重量(X)を求め、ついで
その樹脂粒子の融点よりも20℃高い温度に設定された
オ一ブン中で3時間乾燥させ、デシケータ中で室温まで
冷却させたあとの重量(Y)を求め、次式(II):
【0060】
【数2】
【0061】にしたがって求められる。ポリオレフィン
系樹脂組成物からの樹脂粒子中に充填剤などを含む場合
の含水率は、ポリオレフィン系樹脂組成物および親水性
ポリマーの合計量に対する含水率である。
【0062】ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造
は、好ましくは無機ガスなどを耐圧容器内に導入して耐
圧容器の内圧を保持しつつ耐圧容器の内圧よりも低圧の
雰囲気中に放出部に取り付けた絞り盤を通したのち水分
散物(樹脂粒子および水系分散媒)を放出させることに
より行われる。
【0063】前記放出部には、一般に放出時間の調整、
発泡倍率の均一化のために絞り盤を使用する。
【0064】前記絞り盤とは、オリフィス型、ノズル
型、ベンチュリ型、などが使用でき、またこれらを組み
合わせても使用できるが、オリフィス型が流出速度を一
定に保持でき、倍率バラツキの小さい予備発泡粒子を得
ることができる点から好ましい。これら絞り盤に設けら
れる放出口は、放出される樹脂粒子が放出口に閉塞しな
いような大きさであり、且つ所定の放出速度を達成する
ものであれば、開口面積や断面形状などは何ら制限され
るものではない。
【0065】本発明でいう衝突板もしくは容器壁とは、
放出部から放出される樹脂粒子の飛散方向を変化させる
ために設置する装置であり、通常、予備発泡時には樹脂
粒子の軟化温度以下になると樹脂が硬化して発泡は終了
する。しかし、本発明のように樹脂粒子と水系分散媒の
混合物を衝突板もしくは容器壁に衝突させた場合、発泡
雰囲気の温度、湿度がより均一になるためと考えられる
が、予備発泡粒子個々が均一に発泡し、倍率バラツキが
小さくなる。前記衝突板もしくは容器壁の大きさは、予
備発泡粒子を衝突させることができる大きさであればよ
く、形状は平板、あるいは予備発泡粒子の飛散方向に対
し凸板もしくは凹板でもよい。倍率バラツキの小さい予
備発泡粒子を製造するには、放出部から衝突板もしくは
容器壁の距離(L)は、5mm<L、好ましくは5mm
<L<1500mm、より好ましくは5mm<L<10
00mm、さらに好ましくは10mm<L<800mm
である。5mmより距離が近いと放出部と衝突板もしく
は容器壁の間隔が狭すぎて、放出部で樹脂粒子同士が融
着して発泡しにくい傾向がある。また、耐圧容器内の加
熱、昇圧条件によっては、1500mmより遠いと倍率
バラツキ低減効果は小さくなる場合がある。
【0066】一例として図面を引用して説明する。図1
に示すように、衝突板1は、通常低圧容器8内の放出部
7の出口に設置し、耐圧容器2内で加熱、加圧された樹
脂粒子4はバルブ6を開けることにより放出配管5をと
おり放出部から低圧容器内に発泡される。なお、図1中
の3は水系分散媒、9は予備発泡粒子を表す。
【0067】このようにして得られるポリオレフィン系
樹脂粒子からの予備発泡粒子は、発泡倍率約2〜43
倍、好ましくは約3〜15倍で倍率、独立気泡率80〜
100%、好ましくは90〜100%、および平均気泡
径10〜500μm、好ましくは50〜300μmを有
する。また倍率バラツキは、発泡条件等にも左右される
が、通常、揮発性発泡剤を使用した場合、約20%以
下、無機ガスを使用した場合、約15%以下となる傾向
があり、従来の衝突させない発泡方法(発泡倍率3倍で
倍率バラツキが約30%)と比較して倍率バラツキの小
さい良好な予備発泡粒子を得ることができる。前記発泡
倍率が約2倍未満の場合、得られる成形体の柔軟性、緩
衝特性などが不充分となり、また、約43倍を超える場
合、得られる成形体の機械的強度、耐熱性などが不充分
となる。また、前記倍率バラツキが20%以下になると
成形体の重量バラツキが少なくなり製品収率が向上す
る。また、前記独立気泡率が80%未満の場合、2次発
泡力が不足するため、成形時に融着不良が発生し、得ら
れる成形体の機械的な強度などが低下する。また、前記
平均気泡径が10μm未満の場合、得られる成形体の形
状が歪むなどの問題が生じ、500μmを超える場合、
得られる成形体の機械的強度が低下する。
【0068】前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、8
0%以上の独立気泡率を有するので、要すればこの予備
発泡粒子を耐圧容器中で加熱加圧下、一定時間処理する
ことによって空気含浸を行ったのちに成形用金型に充填
し、蒸気加熱することにより型内発泡成形して金型どお
りの成形体を製造してもよい。
【0069】かくして得られる発泡成形体は、柔軟性、
緩衝性に優れ、しかも寸法収縮率が小さく、形状変形が
小さいため、きわめて商品価値が高い。
【0070】
【実施例】つぎに、本発明の製造方法を実施例に基づい
て説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0071】(実施例1、2および3)ポリオレフィン
系樹脂であるエチレン−プロピレンランダム共重合体
(密度0.91g/cm3、エチレン含有率3%、融点
145℃、MI=5.5g/10分、曲げ弾性率100
0MPa)100部に対し、親水性ポリマー(エチレン
−メタクリル酸共重合体のカルボキシル基をナトリウム
イオンで中和させたアイオノマー(エチレン単位85%
とメタクリル酸単位15%とからなり、メタクリル酸単
位の60%が塩を形成しているもの、MI=0.9g/
10分、融点89℃、吸水率1%))2部および無機充
填剤としてタルク(平均粒径7μm)0.3部を添加
し、50mmφ単軸押出機に供給し、溶融混練したの
ち、直径1.5mmφの円筒ダイより押し出し、水冷後
カッターで切断し、円柱状のポリオレフィン系樹脂組成
物からの樹脂粒子(ペレット)(1.8mg/粒)を得
た。得られた樹脂粒子の融点は145℃、JIS K
7112により測定した密度0.90g/cm3であっ
た。
【0072】得られた樹脂粒子(前記含水率の測定方法
で油浴の温度を154.5℃として測定した含水率は
5.0%)100部(1.5kg)、分散剤として第三
リン酸カルシウム0.5部および分散助剤としてn−パ
ラフィンスルホン酸ソーダ0.01部を、水300部と
共に図1に示す装置の耐圧容器2内に仕込んだのち、容
器内水分散物を攪拌しながら、155.0℃まで加熱し
た。このときの耐圧容器内の圧力は約0.5MPaであ
った。そののち、発泡倍率が15倍になるように、空気
加圧により耐圧容器の内圧を0.8〜3.0MPaと
し、すぐに耐圧容器下部のバルブ6を開いて水分散物
(樹脂粒子および水系分散媒)を放出部7から放出する
際に、放出部から表1に示す距離に衝突板1を設置し独
立気泡構造を有する予備発泡粒子を得た。この際、放出
中は耐圧容器内の圧力が低下しないように、空気で圧力
を保持した。
【0073】(実施例4および5)ポリオレフィン系樹
脂であるエチレン−プロピレンランダム共重合体(密度
0.91g/cm3、エチレン含有率3%、融点145
℃、MI=5.5g/10分、曲げ弾性率1000MP
a)100部に対し、無機充填剤としてタルク(平均粒
径7μm)0.1部を添加し、50mmφ単軸押出機に
供給し、溶融混練したのち、直径1.5mmφの円筒ダ
イより押し出し、水冷後カッターで切断し、円柱状のポ
リオレフィン系樹脂組成物からの樹脂粒子(ペレット)
(1.8mg/粒)を得た。得られた樹脂粒子の融点は
145℃、JIS K 7112により測定した密度
0.90g/cm3であった。
【0074】得られた樹脂粒子(前記含水率の測定方法
で油浴の温度を154.5℃として測定した含水率は
5.0%)100部(1.5kg)、分散剤として第三
リン酸カルシウム1.5部および分散助剤としてn−パ
ラフィンスルホン酸ソーダ0.03部を、水300部と
共に図1に示す装置の耐圧容器2内に仕込んだのち、容
器内水分散物を攪拌しながら、ブタン12部を圧入し1
40℃まで加熱した。このときの耐圧容器内の圧力は約
1.5MPaであった。そののち、耐圧容器2内の圧力
を発泡倍率が15倍になるようにブタンで保持しながら
バルブ6を開いて水分散物(樹脂粒子および水系分散
媒)を放出部7から放出する際に、放出部から表1に示
す距離に衝突板1を設置し独立気泡構造を有する予備発
泡粒子を得た。
【0075】(比較例1)衝突板1を設置しなかったこ
と以外は、実施例1、2および3と全く同様の操作を行
い予備発泡粒子を得た。
【0076】(比較例2)衝突板1を設置しなかったこ
と以外は、実施例4および5と全く同様の操作を行い予
備発泡粒子を得た。
【0077】(比較例3)放出部から衝突板1までの距
離を表1の距離に変更したこと以外は実施例4および5
と全く同様の操作を行い予備発泡粒子を得た。
【0078】(発泡倍率)予備発泡粒子3〜10g程度
を量りとり、60℃で6時間以上乾燥した後、重量wを
測定後、水没法にて体積vを測定し、発泡粒子の真比重
ρb=w/vを求め、原料組成物の密度ρrとの比によ
り、発泡倍率K=ρr /ρbを求めた。
【0079】
【表1】
【0080】表1に示すとおり、加圧ガスにブタン・空
気を用いた場合、いずれも、放出部から放出された全て
の予備発泡粒子を、5mm<Lの距離に設置した衝突板
に衝突させることにより、衝突板を設置しなかった場合
に比べ、倍率バラツキは小さくなり、倍率バラツキ低減
効果があることがわかる。また、加圧ガスがブタンの場
合よりも空気の方が倍率バラツキ低減効果が大きいこと
から、加圧ガスには無機ガスの空気を用いた方が、本発
明の効果が顕著に出るのでより好ましい。
【0081】
【発明の効果】本発明では、発泡させる際に、放出部か
ら放出された予備発泡粒子を衝突板もしくは容器壁に衝
突させることにより、倍率バラツキが低減し、非常に均
一な大きさの予備発泡粒子を得ることができる。この結
果、製造工程での倍率的中率の向上による収率アップお
よび予備発泡粒子を原料とする型内発泡成形体の重量バ
ラツキが少なくなり、良好な特性を有する型内発泡成形
体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衝突板が取り付けられた予備発泡粒子
製造装置の説明図。
【符号の説明】
1 衝突板 2 耐圧容器 3 水系分散媒 4 樹脂粒子 5 放出配管 6 バルブ 7 放出部 8 低圧容器 9 予備発泡粒子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂粒子を耐圧容器内
    で水系分散媒に分散させ、前記樹脂粒子を前記ポリオレ
    フィン系樹脂の軟化温度以上の温度に加熱・昇圧後、耐
    圧容器内の内圧よりも低圧の容器内に放出することによ
    って予備発泡させる際に、放出部から放出された予備発
    泡粒子を、放出部から衝突板もしくは容器壁までの距離
    をLとしたとき、5mm<Lの距離に設置した衝突板も
    しくは容器壁に衝突させることを特徴とするポリオレフ
    ィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン
    系樹脂である請求項1記載のポリオレフィン系樹脂予備
    発泡粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン系樹脂がポリプロピレン
    系樹脂100重量部および親水性ポリマー0.05〜2
    0重量部からなるポリオレフィン系樹脂組成物である請
    求項2記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 耐圧容器内の内圧を窒素、空気、または
    これらを主体とする無機ガスを導入することにより昇圧
    後、内圧よりも低圧の容器内に放出することによって発
    泡させる請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレ
    フィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 昇圧時の圧力が、0.6〜7.5MPa
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。
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