JP4815696B2 - 筒付き絞り盤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐圧容器中で熱可塑性樹脂粒子を水性分散媒に分散させ、発泡剤を含浸させてから低圧域に放出させて発泡粒子を製造する際に放出部に使用する筒付き絞り盤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、耐圧容器中で水性分散媒に分散させた熱可塑性粒子を加熱し、発泡剤を含浸させたのち、加圧下の熱可塑性樹脂粒子と水性分散媒との混合物を低圧域に放出することによって熱可塑性樹脂粒子を発泡させて発泡粒子を製造する方法が一般に行われている。
【0003】
熱可塑性樹脂粒子の放出は、通常は放出部に取り付けられたオリフィス型またはノズル型の絞り盤に設けられたオリフィス(スリットまたは孔)を1回通して行われる(たとえば特開昭58−197027号公報)。
【0004】
前記熱可塑性樹脂としては、たとえばスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などがあげられ、これらの樹脂から、球状、円柱状、楕円柱状、立方体状などの所望の形状の粒子が製造され、用いられている。
【0005】
前記発泡剤としては、揮発性発泡剤、無機ガス、水(たとえば国際公開第97/38048号パンフレット(1997))などが使用されている。
【0006】
前記放出部に設けられたオリフィス型またはノズル型の絞り盤としては、一般に幅が4〜20mm、高さが4〜20mmで、最狭部の奥行きが5〜200mmのスリットを1〜10個有するものや、面積が10〜400mm2、最狭部の奥行きが5〜200mmの孔を1〜10個有するものが使用されている。
【0007】
前記絞り盤を用いて発泡倍率が2〜15倍の低発泡粒子を製造する際、(数1)で表される倍率バラツキが20%以上と高くなり、良好な特性の発泡粒子を得ることができない。
【0008】
【数1】
【0009】
発泡粒子の倍率バラツキが大きくなると、製造工程での倍率管理が難しく収率が悪化してしまうことと、発泡粒子を原料とする型内発泡成形体の重量バラツキが悪化し、良好な特性を有する型内発泡成形体を製造することが難しくなり、不良品が増加してしまう問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、前記のごとき実状に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、放出部に使用する絞り盤の形状を従来とは異なる特定のものにすることにより、倍率バラツキが10%以下である発泡粒子を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、耐圧容器中で熱可塑性樹脂粒子を水性分散媒に分散させ、発泡剤を含浸させてから、容器内圧力よりも低圧域に放出させて発泡粒子を製造する際に放出部に使用する筒付き絞り盤であって、複数のオリフィスを有するオリフィス板を設け、前記オリフィスを個別に取り囲むように、前記オリフィス開口面積の3倍以上の開口面積を有し、筒内径をHa、筒長さをLとしたときに、Ha=3〜25mm、L=5〜300mmである複数の筒体をオリフィスと同数だけ、前記オリフィス板の放出側に一体的に立設してなることを特徴とする筒付き絞り盤(請求項1)、筒体が円錐形状の一部をなすものである請求項1記載の筒付き絞り盤(請求項2)、熱可塑性樹脂粒子がポリオレフィン系樹脂粒子である請求項1または2記載の筒付き絞り盤(請求項3)に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の筒付き絞り盤(以下単に絞り盤ともいう)は、耐圧容器中で熱可塑性樹脂粒子を水性分散媒に分散させ、発泡剤を含浸させてから低圧域に放出させて発泡粒子を製造する際に、放出部に使用されるものである。
【0013】
前記熱可塑性樹脂発泡粒子を製造する際に使用される耐圧容器は、絞り盤が本発明のものである以外に特別な限定はなく、従来から使用されているものをそのまま使用することができる。
【0014】
前記熱可塑性樹脂粒子としては、発泡粒子の製造に使用されるものである限りとくに限定はなく、たとえばスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などがあげられるが、ポリオレフィン系樹脂が、発泡性、成形性、得られる成形体の機械強度、耐熱性、柔軟性のバランスに優れた発泡粒子を得ることができる点から好ましい。
【0015】
前記のごとき特徴を有するポリオレフィン系樹脂としては、オレフィン単量体単位を50〜100重量%(以下、%という)、さらには70〜100%含有し、オレフィン単量体と共重合可能な単量体単位を0〜50%、さらには0〜30%含有する樹脂である。オレフィン単量体単位を50%以上含有するため、軽量で機械的強度、加工性、電気絶縁性、耐水性、耐薬品性にすぐれた成形体がえられる。
【0016】
前記オレフィン単量体と共重合可能な単量体単位は、接着性、透明性、耐衝撃性、ガスバリア性などの改質のために使用される成分であり、使用することによる効果を得るためには2%以上、さらには5%以上使用するのが好ましい。
【0017】
前記オレフィン単量体の具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテンなどの炭素数2〜8のα−オレフイン単量体やノルボルネン系モノマーなどの環状オレフィンなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうちではエチレン、プロピレンが安価であり、得られる重合体の物性が良好になる点から好ましい。
【0018】
前記オレフィン単量体と共重合可能な単量体の具体例としては、酢酸ビニルなどのビニルアルコールエステル、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ヘキシルアクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ビニルアルコール、メタクリル酸、塩化ビニルなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、酢酸ビニルが接着性、柔軟性、低温特性の点から好ましく、メチルメタクリレートが接着性、柔軟性、低温特性、熱安定性の点から好ましい。
【0019】
前記ポリオレフィン系樹脂のメルトインデックス(MI)としては、たとえばポリプロピレン系樹脂では0.2〜50g/10分、さらには1〜30g/10分のものが好ましく、また曲げ弾性率(JIS K 7203)としては、たとえばポリプロピレン系樹脂では5000〜20000kg/cm2G、さらには8000〜16000kg/cm2G、融点としては、たとえばポリプロピレン系樹脂では125〜165℃、さらには130〜160℃のものが好ましい。前記MIが0.2g/10分未満の場合、溶融粘度が高すぎて高発泡倍率の発泡粒子が得られにくく、50g/10分をこえる場合、発泡時の樹脂の伸びに対する溶融粘度が低く破泡しやすくなり、高発泡倍率の予備発泡粒子が得られにくくなる傾向にある。また、前記曲げ強度が5000kg/cm2G未満の場合、機械的強度、耐熱性が不十分となり、20000kg/cm2Gをこえる場合、得られる発泡成形体の柔軟性、緩衝特性が不十分となる傾向にある。さらに、融点が125℃未満の場合、耐熱性が不足し、165℃をこえる場合、成形時の融着性、二次発泡力不足となる傾向にある。
【0020】
前記ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、たとえばエチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−ブテンランダム3元共重合体、ポリエチレン−ポリプロピレンブロック共重合体、ホモポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体などのポリエチレン系樹脂、ポリブテン、ポリペンテンなどがあげられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、無架橋の状態で用いてもよく、パーオキサイドや放射線などにより架橋させて用いてもよい。これらのポリマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0021】
これらのうちでは、ポリプロピレン系樹脂が、他のポリオレフィン系樹脂と比べて、倍率バラツキが小さく、高発泡倍率の発泡粒子が得られやすく、また、得られた発泡粒子から製造された成形体の機械的強度や耐熱性が良好であるため好ましい。
【0022】
後述する如く発泡剤として水を使用する場合には、ポリオレフィン系樹脂粒子を軟化温度以上の温度に加熱した場合の含水率が1〜50%の含水樹脂粒子とし、発泡しやすくするために、ポリオレフィン系樹脂100重量部(以下、部という)に対して親水性ポリマー0.05〜20部を含有するポリオレフィン系樹脂組成物からなる樹脂粒子として使用するのが好ましい。
【0023】
前記親水性ポリマーとは、ASTM D570に準拠して測定された吸水率が0.5%以上のポリマーのことであり、いわゆる吸湿性ポリマー、吸水性ポリマ一(水に溶けることなく、自重の数倍から数百倍の水を吸収し、圧力がかかっても脱水されがたいポリマー)および水溶性ポリマー(常温ないし高温状態で水に溶解するポリマー)を含有する概念である。前記親水性ポリマーの分子内には、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、エステル基、ポリオキシエチレン基などの親水性基が含有される。
【0024】
前記吸湿性ポリマーの例としては、たとえばカルボキシル基含有ポリマー、ポリアミド、熱可塑性ポリエステル系エラストマー、セルロース誘導体などがあげられる。
【0025】
前記カルボキシル基含有ポリマーの具体例としては、たとえばエチレン−アクリル酸−無水マレイン酸3元共重合体(吸水率0.5〜0.7%)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のカルボン酸基をナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオンで塩にし、分子間を架橋させたアイオノマー系樹脂(吸水率0.7〜1.4%)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(吸水率0.5〜0.7%)などがあげられる。また、前記ポリアミドの具体例としては、たとえばナイロン−6(吸水率1.3〜1.9%)、ナイロン−6,6(吸水率1.1〜1.5%)、共重合ナイロン(EMS−CHEMIE AG社製、商品名グリルテックスなど)(吸水率1.5〜3%)などがあげられる。さらに、前記熱可塑性ポリエステル系エラストマーの具体例としては、たとえばポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとのブロック共重合体(吸水率0.5〜0.7%)などがあげられる。そして、前記セルロース誘導体の具体例としては、たとえば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロースなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0026】
前記吸湿性ポリマーのうちでは、アイオノマー系樹脂が、ポリオレフィン系樹脂中での分散性にすぐれ、比較的少量で高含水率の含水ポリオレフィン系樹脂組成物が得られ、所望の発泡倍率を有し倍率バラツキの小さい発泡粒子を得られるため好ましい。
【0027】
前記吸水性ポリマーの例としては、たとえば架橋ポリアクリル酸塩系重合体、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、架橋ポリビニルアルコール系重合体、架橋ポリエチレンオキサイド系重合体、イソブチレン−マレイン酸系共重合体などがあげられる。
【0028】
前記架橋ポリアクリル酸塩系重合体の具体例としては、たとえば(株)日本触媒製のアクアリック(商品名)、三菱化学(株)製のダイヤウェット(商品名)などで代表される架橋ポリアクリル酸ナトリウム系重合体などがあげられる。 前記架橋ポリビニルアルコール系重合体の具体例としては、たとえば日本合成化学工業(株)製のアクアリザーブGP(商品名)などで代表される種々の架橋ポリビニルアルコール系重合体があげられる。また、前記架橋ポリエチレンオキサイド系重含体の具体例としては、たとえば住友精化(株)製のアクアコーク(商品名)などで代表される架橋ポリエチレンオキサイド系重合体があげられる。そして、前記イソブチレン−マレイン酸系共重合体の具体例としては、たとえば(株)クラレ製のKIゲル(商品名)などで代表されるイソブチレン−マレイン酸系共重合体があげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】
前記吸水性ポリマーのうちでは、架橋ポリエチレンオキサイドがポリオレフィン系樹脂中での分散性、比較的少量で高含水率がえられる点から好ましい。
【0030】
前記水溶性ポリマーの例としては、たとえばポリ(メタ)アクリル酸系重合体、ポリ(メタ)アクリル酸塩系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ポリエチレンオキサイド系重合体、水溶性セルロース誘導体などがあげられる。
【0031】
前記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の具体例としては、たとえばポリアクリル酸、アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体、ポリメタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどがあげられる。また、前記ポリ(メタ)アクリル酸塩系重合体の具体例としては、たとえばポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリメタクリル酸カリウムなどがあげられる。また、前記ポリビニルアルコール系重合体の具体例としては、たとえばポリビニルアルコール、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体などがあげられる。さらに、前記ポリエチレンオキサイド系重合体の具体例としては、たとえば分子量数万〜数百万のポリエチレンオキサイドなどがあげられる。そして、前記水溶性セルロース誘導体の具体例としては、たとえばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0032】
前記吸湿性ポリマー、吸水性ポリマーおよび水溶性ポリマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
前記親水性ポリマーの使用量は、前記親水性ポリマーの種類によって異なるが、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる樹脂粒子を密閉容器内で水系分散媒に分散させ、ポリオレフィン系樹脂組成物の軟化温度以上で軟化温度+20℃以下の温度に加熱したときの含水率が1〜50%になるポリオレフィン系樹脂組成物をえるためには、通常、ポリオレフィン系樹脂100部に対して、0.01部以上、好ましくは0.1部以上である。また、発泡粒子の製造時の生産安定性や発泡特性を良好にし、発泡粒子からえられる成形体にすぐれた機械的強度や耐熱性を付与するとともに、吸水時の寸法変化を小さくする点からは、20部以下、好ましくは10部以下である。
【0034】
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂組成物には、充填剤、すなわち無機充填剤および(または)有機充填剤を含有せしめるのが、倍率バラツキが小さく、かつ気泡が均一で比較的高発泡倍率の発泡粒子をえることができるという点から好ましい。
【0035】
前記無機充填剤の具体例としては、たとえばタルク、炭酸カルシウム、水酸化カルシウムなどがあげられる。これらの無機充填剤のなかでは、タルクが、倍率バラツキが小さく、気泡が均一で、比較的高発泡倍率の発泡粒子を与える点から好ましい。
【0036】
前記有機充填剤としては、前記ポリオレフィン系樹脂の軟化温度以上の温度で固体状のものであればよく、とくに限定はない。前記有機充填剤の具体例としては、たとえばフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、熱可塑性ポリエステル樹脂粉末などがあげられる。前記充填剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0037】
前記充填剤の平均粒子径は、気泡が均一で比較的高発泡倍率を有する発泡粒子を得ることができ、また、該予備発泡粒子から機械的強度や柔軟性などにすぐれた成形体を得ることができる点から、50μm以下、さらには10μm以下であるのが好ましく、2次凝集や取扱作業性の点から0.1μm以上、さらには0.5μm以上であるのが好ましい。
【0038】
前記充填剤を使用する場合の使用量は、比較的高発泡倍率の発泡粒子をうる点から、ポリオレフィン系樹脂100部に対して0.001部以上、さらには0.005部以上にするのが好ましく、また発泡粒子を成形する際に、すぐれた融着性を発現させ、該発泡粒子から機械的強度や柔軟性などにすぐれた成形体をえる点から、3部以下、好ましくは2部以下である。
【0039】
前記ポリオレフィン系樹脂、親水性ポリマー、必要により充填剤などを含有する前記ポリオレフィン系樹脂組成物は、通常、押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロールなどを用いて溶融混練し、ついで円柱状、楕円柱状、球状、立方体状、直方体状など発泡に利用しやすい所望の粒子形状に成形するのが好ましい。前記粒子を製造する際の条件、樹脂粒子の大きさなどにもとくに限定はないが、たとえば押出機中で溶融混練してえられる粒子は、通常0.5〜5mg/粒である。
【0040】
前記のごとき樹脂粒子を密閉容器内で水系分散媒に分散させ、前記樹脂粒子を前記ポリオレフィン系樹脂の軟化温度以上の温度に加熱し、発泡剤を樹脂粒子に含浸せしめる。
【0041】
前記樹脂粒子を分散させる水系分散媒は、前記ポリオレフィン系樹脂を溶解させない溶媒であればよく、通常水または水とエチレングリコール、グリセリン、メタノール、エタノールなどのうちの1種類またはそれらの2種以上との混合物が例示されるが、環境面、経済性などから水が好ましい。
【0042】
前記分散剤の具体例としては、たとえば第三リン酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性炭酸亜鉛、炭酸カルシウムなどの無機塩やベントナイト、カオリンなどの粘土類があげられる。これらのうちで第三リン酸カルシウムが、分散力が強く好ましい。また、前記界面活性剤としては、たとえばドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、n−パラフィンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダなどのアニオン性界面活性剤、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤があげられる。これらのうちでn−パラフィンスルホン酸ソーダが良好な分散力を与え、生分解されやすいことから好ましい。
【0043】
前記水系分散媒に分散させる樹脂粒子の量としては、水系分散媒100部に対して樹脂粒子3〜100部、さらには10〜50部が好ましい。樹脂粒子の量が3部未満になると生産性が低下し、経済的でなく、100部をこえると加熱中に容器内で樹脂粒子同士が融着する傾向が生じる。
【0044】
また、難水溶性無機化合物(無機分散剤)、および界面活性剤(分散助剤)の使用量については、特別な限定はなく、一般に使用される量を使用すればよいが、難水溶性無機化合物(無機分散剤)は、樹脂粒子100部に対して0.05〜10部が好ましく、界面活性剤(分散助剤)は、樹脂粒子100部に対して0.0005〜1部が好ましい。
【0045】
前記樹脂粒子を分散させて加熱する温度は、使用するポリオレフィン系樹脂組成物の軟化温度以上の温度、具体的には融点以上、好ましくは融点+5℃以上で、好ましくは融点+20℃以下、さらに好ましくは融点+15℃以下の温度であり、たとえば融点145℃のエチレン−プロピレン共重合体の場合、145〜165℃、さらには150〜160℃が好ましく、145℃未満では発泡しにくくなり、165℃をこえると、えられる発泡粒子の機械的強度、耐熱性が充分でなく、容器内で粒子が融着しやすくなる。
【0046】
前記発泡剤が水の場合、樹脂粒子を水系分散媒に分散させて加熱し、たとえば30分〜12時間攪拌することにより、樹脂粒子の含水率を1〜50%の含水樹脂粒子にしたのち、無機ガスを耐圧容器内に導入して耐圧容器の圧力を6〜75kg/cm2Gとし、この圧力を保持しつつ前記耐圧容器の内圧よりも低圧の雰囲気中に筒付き絞り盤を通したのち放出させ、前記含水樹脂粒子を発泡させることにより、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子が製造される。
【0047】
前記含水率の調整は、加熱温度、加熱時間などを調整することによって行うことができる。含水率が1%未満のばあい、発泡倍率が2倍末満となりやすい。好ましい含水率は3%以上である。また、50%をこえると、樹脂粒子の水系分散媒に対する分散性が低下し、予備発泡粒子製造時に密閉容器内で樹脂粒子が塊状になり、均一に発泡させることができなくなりやすい。好ましい含水率は30%以下である。なお、親水性ポリマーの吸水率は常温で測定する値であり、前記含水率は高温(樹脂融点)で測定する値であるため、たとえば用いた親水性ポリマーの吸水率が0.5%以上であれば、1%以上の含水率がえられる。
【0048】
前記粒子をポリオレフィン系樹脂組成物の軟化温度以上の温度に加熱して含水率を1〜50%にするため、本発明の筒付き絞り盤を用いた場合には発泡倍率を約2〜43倍、さらには約3〜20倍で倍率バラツキが小さい発泡粒子にすることができ、また、発泡粒子製造時に密閉容器内で樹脂粒子が塊状にならず均一な発泡粒子にすることができる。
【0049】
なお、前記ポリオレフィン系樹脂の軟化温度は、DSC(示差走査熱量計)によって10℃/分の昇温速度で測定したときの、融解ピークの頂点の温度より求められる。また、含水率はその温度以上における水蒸気圧下での含水率であり、以下のようにして求められる。
【0050】
すなわち、300cc耐圧アンプル中に前記ポリオレフィン系樹脂組成物からなる粒子50g、水150g、難水溶性無機化合物(無機分散剤)としてパウダー状塩基性第三リン酸カルシウム0.5g、界面活性剤としてn−パラフィンスルホン酸ソーダ0.03gを入れ、密閉後に前記ポリオレフィン系樹脂組成物の軟化温度以上の温度に設定した油浴中で3時間加熱処理する。さらに室温まで冷却後、取り出し、充分水洗して難水溶性無機化合物(無機分散剤)を除去したのち、得られたポリオレフィン系樹脂組成物の含水粒子の表面付着水分を除去したものの重量(X)を求め、ついでその樹脂粒子の融点よりも20℃高い温度に設定されたオ一ブン中で3時間乾燥させ、デシケータ中で室温まで冷却させたあとの重量(Y)を求め、(数2)にしたがって求められる。ポリオレフィン系樹脂組成物からの粒子中に充填剤などを含むばあいの含水率は、ポリオレフィン系樹脂組成物および親水性ポリマーの合計量に対する含水率である。
【0051】
【数2】
【0052】
前記耐圧容器内の圧力の調整に用いる無機ガスとしては、チッ素、空気またはこれらを主体(通常、50容量%以上、さらには70容量%以上)とし、アルゴン、ヘリウム、キセノンなどの不活性ガスや水蒸気、酸素、水素、オゾンなどを少量(50容量%以下、さらには30容量%以下)含む無機ガスなどが使用できるが、経済性、生産性、安全性、環境適合性などの点からチッ素、空気が好ましい。
【0053】
前記無機ガスによる保持圧力は、6〜75kg/cm2Gが好ましく、10〜30kg/cm2Gがより好ましい。保持圧力が6kg/cm2G未満では樹脂粒子はほとんど発泡せず、所望とする発泡倍率を有する発泡粒子がえられない。また75kg/cm2Gをこえるとえられる発泡粒子の気泡が小さくなりすぎ、独立気泡率が低下して成形品の収縮、形状安定性、機械的強度、耐熱性が損われる傾向にある。
【0054】
また、前記無機ガスで加圧して所定の圧力に到達後、含水樹脂粒子を水系分散媒とともに低圧雰囲気中に放出するまでの時間にはとくに限定はないが、生産性向上の観点からできるだけ短いことが好ましい。なお、放出中の容器内圧力は前記到達圧力を維持することが好ましい。
【0055】
前記低圧雰囲気中の低圧とは、容器内圧力よりも低い圧力のことであるが、通常は大気圧付近の圧力が選ばれる。また、雰囲気とは、放出された粒子と水の混合物の飛散軌跡を包含する空間を意味する。
【0056】
前記放出は、放出部に取り付けられた本発明の筒付き絞り盤を通して行われる。
【0057】
発泡剤として揮発性発泡剤または無機ガス(たとえば二酸化炭素)を使用する場合には、ポリオレフィン系樹脂粒子に含水させる必要がないから、親水性ポリマーを含有させる必要はない。親水性ポリマーを使用しない以外は前記と同様にしてポリオレフィン系樹脂粒子を製造し、水系分散媒に分散させ、加熱し、発泡剤を添加・含浸させればよい。発泡剤添加後の圧力としては15〜75kg/cm2G、保持時間としては20〜60分が一般的である。
【0058】
前記揮発性発泡剤の具体例としては、たとえばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロブタンなどの脂環式炭化水素類;トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、メチルクロライド、メチレンクロライド、エチルクロライドなどのハロゲン化炭化水素類などがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの発泡剤の使用量は通常、ポリオレフィン系樹脂100部に対して5〜50部である。
【0059】
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造は、好ましくは耐圧容器の内圧を保持しつつ耐圧容器の内圧よりも低圧の雰囲気中に筒付き絞り盤(以下絞り盤ともいう)を通したのち内容物を放出させることにより行われる。
【0060】
前記絞り盤は、一般に放出時間の調整、発泡倍率の均一化のために使用されるものであるが、本発明ではオリフィス板に筒体を付けることにより、放出された粒子と水の混合物の飛散軌跡を小さくさせることができ、粒子を均一な大きさに発泡させて倍率バラツキを少なくできることを見出している。
【0061】
前記オリフィス板とは、オリフィス型、ノズル型、ベンチュリ型などを含む概念であり、またこれらを組み合わせても使用できるが、オリフィス型が流出速度を一定に保持でき、倍率バラツキの少ない発泡粒子をえることができ構造が簡単であるる点から好ましい。
【0062】
オリフィス板を使用する場合、オリフィスの口径は2.0〜6.0mm、さらには2.5〜4.0mmが好ましい。口径が2.0mm未満では、樹脂により開孔部が閉塞しやすくなり、6.0mmをこえると、放出時の流出速度を一定に保持するのが困難となり、えられる予備発泡粒子の倍率バラツキが悪化する。
【0063】
また、オリフィス板の厚みは0.2〜10mm、さらには0.5〜5mmが好ましい。厚みが0.2mm未満では、放出時の圧力により、オリフィス板が破損するおそれが大きく、10mmをこえると、えられる予備発泡粒子の発泡倍率が低下して、所望とする発泡倍率を有する予備発泡粒子をえるのが困難になると共に、樹脂により開孔部が閉塞するおそれがある。
【0064】
前記オリフィス板に取り付ける該筒体とは、オリフィスの放出側に一体的に立設される。該筒体の材質は特に限定されるものではないが一般的には金属が用いられ、オリフィス板と一体化されるのであるが、一体化する方法は溶接、嵌合、螺合、接着等を問わないし、場合によっては同一物として作られても差し支えはない。
【0065】
該筒体がオリフィス板に取り付けられる反対側の開口面積は、筒体の大きさや長さによっても一概には言えないが、一般的にはオリフィス開口面積の3倍以上であれば十分である。3倍以下の場合は、放出される粒子と水の混合物の飛散軌跡が乱されて粒子の凝集や詰まりが起こりやすくなる。筒体の長さが短ければ上記のような問題は起こらないが、筒体の効果は起こり難くなる。
【0066】
該筒体の形状は角柱や円柱状であってもよく、この場合該筒体の開口部形状はスリットまたは円となるが、その正面の幅または短径Haが2mm以上、好ましくは3〜25mm、筒長さLが5mm以上、好ましくは5〜300mmの形状のものである。筒体のスリットまたは円の正面の幅または短径Haが2mm未満になるとスリットまたは孔が閉塞しやすくなる。筒長さLが5mm未満の場合は、放出された粒子と水の混合物の飛散軌跡が筒の付いていない絞り盤を使用した場合と差がなくて倍率バラツキの低減効果がなく、300mmより長い場合は筒内部で粒子同士が衝突して融着し、発泡粒子が得られなくなる場合がある。
【0067】
また、前記筒付き絞り盤には、オリフィス板のオリフィス(開孔数)と同数以下の筒体を設けられるが、絞り盤の開孔が複数個の場合には、生産速度が大きくなるので有利である。
【0068】
つぎに、筒付き絞り盤の筒体のスリット形状または円の形状の正面の幅または短径Ha、筒長さLの求め方について図1乃至図3に従って説明するが、筒体の寸法は筒体の内径寸法である。
【0069】
本明細書におけるスリット形状とは、矩形、正方形、菱形、台形、平行四辺形、他の四角形、三角形、五角形、六角形などの多角形の形状の貫通孔のことを意味し、円形孔とは円形、楕円形、矩形や正方形の相対する2辺に該辺を直径とする半円がつけ加えられた形状のものなどの形状の貫通孔のことを意味する。矩形の幅または長径および高さまたは短径はそれぞれ長辺および短辺(正方形の場合は同じ)、台形の場合は底辺と高さのうち大きい方が幅または長径で小さい方が高さまたは短径、その他の場合、開口部形状の重心点を通る直線で辺によって切りとられた線分のうち最も長いものが長径、最も短いものが短径となる。また、楕円形の場合は長軸と短軸がそれぞれ幅または長径および高さまたは短径、その他の場合、開口部形状の重心点を通る直線で辺によって切りとられた線分のうち最も長いものが長径、最も短いものが短径となる。
【0070】
前記筒付き絞り盤の筒を2個以上設ける場合、複数個の筒体はスリット形状または円形状であって、すべて同じ形状のものであってもよく、すべて異なる形状のものであってもよく、一部が同じで一部が異なる形状のものであってもよい。
【0071】
前記筒付き絞り盤1はたとえば図4に示すように、通常放出配管6の出口に設置して使用されるが、耐圧容器7の下部のバルブ8と耐圧容器7の間に設置してもよい。また、放出配管6の出口に限らず、放出配管6の途中に設置してもよい。なお、図4中の9は樹脂粒子、10は水性分散媒、11は発泡粒子を表す。
【0072】
このようにして得られるポリオレフィン系樹脂粒子からの発泡粒子は、発泡倍率約2〜43倍、好ましくは約3〜20倍で倍率バラツキが10%以下(従来の絞り盤を用いた場合は発泡倍率3.5倍で倍率バラツキが約20%)、独立気泡率80〜100%、好ましくは90〜100%、および平均気泡径10〜500μm、好ましくは50〜300μmを有し、従来の絞り盤を使用した場合と比較して倍率バラツキが半減の良好な発泡粒子を得ることができる。
【0073】
ここにいう発泡粒子の倍率バラツキとは、前記(数1)に示される式によって求められるのであり、当然、数値が小さいほど倍率バラツキが少ないことを意味する。
【0074】
前記発泡倍率が約2倍未満の場合、得られる成形体の柔軟性、緩衝特性などが不充分となり、また、約43倍をこえる場合、得られる成形体の機械的強度、耐熱性などが不充分となる。また、前記倍率バラツキが10%以下になると成形体の重量バラツキが少なくなり製品収率が向上する。また、前記独立気泡率が80%未満の場合、2次発泡力が不足するため、成形時に融着不良が発生し、得られる成形体の機械的な強度などが低下する。また、前記平均気泡径が10μm未満の場合、得られる成形体の形状が歪むなどの問題が生じ、500μmをこえる場合、得られる成形体の機械的強度が低下する。
【0075】
前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、80%以上の独立気泡率を有するので、要すればこの発泡粒子を耐圧容器中で加熱加圧下、一定時間処理することによって空気含浸を行ったのちに成形用金型に充填し、蒸気加熱することにより型内発泡成形して金型どおりの成形体を製造してもよい。
【0076】
かくして得られる発泡成形体は、柔軟性、緩衝性にすぐれ、しかも寸法収縮率が小さく、形状変形が小さいため、きわめて商品価値が高い。
【0077】
本発明の筒付き絞り盤の第2の実施形態について以下説明する。ここで用いられる筒体は、角柱や円柱形状ではなく角錐又は円錐形状の一部をなすものであり、オリフィス板と接する部分の面積はオリフィスの開口面積に近い狭いものであるが、筒体を通ってから分散液が放出される時点の筒体の開口面積は広くなっているものである。
【0078】
即ち粒子と水の混合物である分散液は、オリフィスを通過すると圧力が解放されて一挙に断熱膨張を始めるのであるが、その場合筒体の形状を放出液の飛散軌跡に沿った形、即ち角錐形や円錘形にしておくことによって、デッドスペースが少なくなるので粒子の付着や乱流の発生が少なく、飛散軌跡に沿った安定した流れとすることが可能となり、これが粒子の発泡倍率のバラツキ減少に寄与するものと考えられる。
【0079】
この場合角錐や円錘の最適角度は一概に決まるものではなく、粒子と水の分散液の組成や添加物、耐圧容器内の温度や圧力、オリフィス開口面積等などの条件によって影響される飛散軌跡にマッチしたものを実験的に決定すればよいことである。
【0080】
【実施例】
つぎに、本発明の絞り盤を実施例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0081】
実施例1〜5
ポリオレフィン系樹脂であるエチレン−プロピレンランダム共重合体(密度0.91g/cm3、エチレン含有率3重量%、融点145℃、MI=5.5g/10分、曲げ弾性率10000kg/cm2G)100部に対し、親水性ポリマー(エチレン−メタクリル酸共重合体のカルボキシル基をナトリウムイオンで中和させたアイオノマー(エチレン単位85重量%とメタクリル酸単位15重量%とからなり、メタクリル酸単位の60重量%が塩を形成しているもの、MI=0.9g/10分、融点89℃、吸水率1重量%))2部および無機充填剤としてタルク(平均粒径7μm)0.3部を添加し、50mmφ単軸押出機に供給し、溶融混練したのち、直径1.5mmφの円筒ダイより押し出し、水冷後カッターで切断し、円柱状のポリオレフィン系樹脂組成物からの粒子(ペレット)(1.8mg/粒)をえた。得られた粒子の融点は145℃、JIS K 7112により測定した密度0.90g/cm3であった。
【0082】
得られた粒子(前記含水率の測定方法で油浴の温度を154.5℃として測定した含水率は5.0重量%)100部(1.5kg)、難水溶性無機化合物(無機分散剤)として第三リン酸カルシウム0.5部および界面活性剤(分散助剤)としてn−パラフィンスルホン酸ソーダ0.01部を、水300部と共に図4に示す装置の耐圧容器7内に仕込んだのち、容器内容物を攪拌しながら、155.0℃まで加熱した。このときの耐圧容器内の圧力は約5kg/cm2Gであった。そののち、空気加圧により耐圧容器の内圧を10kg/cm2Gとし、すぐに耐圧容器下部のバルブ8を開いて水分散物(樹脂粒子および水系分散媒)を表1に示す寸法のオリフィス型筒付き絞り盤を通じて大気圧下に放出して独立気泡構造を有する発泡粒子を得た。この際、放出中は耐圧容器内の圧力が低下しないように、空気で圧力を保持した。
【0083】
また、比較例1〜2として従来のオリフィス型絞り盤を用いて前記と同様にして発泡粒子を得た。
【0084】
得られた発泡粒子の発泡倍率を下記の方法にしたがって測定した。結果を表1に示す。
(発泡倍率)
発泡粒子3〜10g程度をはかりとり、60℃で6時間以上乾燥した後、重量wを測定後、水没法にて体積vを測定し、発泡粒子の真比重ρb=w/vを求め、原料組成物の密度ρrとの比により、発泡倍率K=ρr /ρbを求めた。
【0085】
【表1】
【0086】
【発明の効果】
本発明の筒付き絞り盤を用いることにより、倍率バラツキが10%以下と非常に少ない発泡粒子を得ることができる。この結果、製造工程での倍率的中率が向上し、発泡粒子を原料とする型内発泡成形体の重量バラツキが少なくなり、良好な特性を有する型内発泡成形体を製造することができる。
【0087】
又角錐又は円錘形状の一部を利用した筒体とすることによって、分散液が放出されるときの飛散軌跡を絞り加減にして乱流の発生を抑え、粒子の付着を少なくできることからより工程が安定し、且つ均一な発泡倍率を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スリット(角柱)タイプの筒体を有する筒付き絞り盤を正面からみた説明図。
【図2】円柱タイプの筒を有する筒付き絞り盤を正面からみた説明図。
【図3】オリフィス型の筒付き絞り盤の軸方向の断面の一例を示す説明図。
【図4】本発明の筒付き絞り盤が取り付けられた発泡粒子製造装置の説明図。
【符号の説明】
1 筒付き絞り盤
2 筒体
3 オリフィス板
4 スリットタイプの筒体
5 オリフィス
6 放出配管
7 耐圧容器
8 バルブ
9 樹脂粒子
10 水性分散媒
11 発泡粒子
12 筒付き絞り盤
Claims (3)
- 耐圧容器中で熱可塑性樹脂粒子を水性分散媒に分散させ、発泡剤を含浸させてから、容器内圧力よりも低圧域に放出させて発泡粒子を製造する際に放出部に使用する筒付き絞り盤であって、
複数のオリフィスを有するオリフィス板を設け、前記オリフィスを個別に取り囲むように、前記オリフィス開口面積の3倍以上の開口面積を有し、筒内径をHa、筒長さをLとしたときに、Ha=3〜25mm、L=5〜300mmである複数の筒体をオリフィスと同数だけ、前記オリフィス板の放出側に一体的に立設してなる
ことを特徴とする筒付き絞り盤。 - 筒体が円錐形状の一部をなすものである請求項1記載の筒付き絞り盤。
- 熱可塑性樹脂粒子がポリオレフィン系樹脂粒子である請求項1または2記載の筒付き絞り盤。
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