JP2001328132A - ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の型内成形方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の型内成形方法

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JP2001328132A
JP2001328132A JP2000150221A JP2000150221A JP2001328132A JP 2001328132 A JP2001328132 A JP 2001328132A JP 2000150221 A JP2000150221 A JP 2000150221A JP 2000150221 A JP2000150221 A JP 2000150221A JP 2001328132 A JP2001328132 A JP 2001328132A
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expanded particles
polypropylene resin
molding method
particles
resin
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JP2000150221A
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Takayuki Aida
高之 合田
Takeshi Obayashi
毅 御林
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術では設備投資費が大きくなるという
欠点を有する内圧付与法でしか成形できなかった嵩密度
の大きな予備発泡粒子を、生産性、設備投資費の面で有
利である圧縮充填成形法で成形できるようにする。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とし、
嵩密度50〜130g/L、DSC2ndピーク比5〜
35%である予備発泡粒子を、予め40〜100℃に温
調し、その後成圧縮充填成形法で成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、断熱材、緩衝包
装材;通函、バンパー芯材、ピラー、プラットフォー
ム、側突材等の自動車部材;パレット材、ツールボック
スなどに用いられるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子
の型内成形方法に関する。さらに詳しくは、得られる型
内発泡成形体の重量ばらつき等の品質に優れ、生産性に
も優れたポリプロピレン系樹脂の低倍率予備発泡粒子の
型内成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 来より、ポリオレフィン系樹脂予備発
泡粒子を用いた型内発泡成形法としては、圧縮充填成形
法(例えば特開平1−136726号公報、特開平3−
53929号公報)、内圧付与法(例えば特公昭51−
22951号公報、特開平7―178747号公報)な
どが広く採用されている。前記圧縮充填成形法は、ポリ
オレフィン系樹脂予備発泡粒子を加圧ガスを用いてもと
の嵩体積の20〜80%に圧縮し、閉鎖しうるが密閉し
ない金型内に充填して型内のガス圧を除去した後、蒸気
にて発泡粒子を加熱、融着して成形体を製造する方法で
ある。また前記内圧付与法は予備発泡粒子を予め無機ガ
スで加圧処理して該粒子に無機ガスを含浸させたあとに
除圧し、該粒子の内圧が1.2気圧以上である間に閉鎖
しうるが密閉しない金型内に充填し、蒸気などで加熱融
着し、成形体を製造する方法である。しかしながら前記
内圧付与法は、工程上、型内成形前の内圧付与操作が不
可欠であり工程が複雑となるために生産性が低くなり、
また無機系気体で加圧処理を施すための設備が大型であ
るので、設備投資費が大きくなるという欠点がある。一
方、前記圧縮充填成形法では前記内圧付与操作が不要と
なるため、生産性、設備投資費の面で有利であるが、予
備発泡粒子を充填前にもとの嵩体積の20〜80%に圧
縮する必要があるため、圧縮時の変形量が小さい嵩密度
の大きな、倍率の低い予備発泡粒子を用いる場合には、
必要とする加圧ガス圧が高くなり、一方、型内成形に使
用する成形機には自ずから耐圧上限が存在するために、
嵩密度の大きな予備発泡粒子の型内成形には、圧縮充填
成形法が適用できないため、内圧付与法が用いられてき
た。
【0003】また、例えば特開平3−53929号公報
には、オレフィン系樹脂予備発泡粒子を金型内に圧縮充
填し、発泡成形するオレフィン系樹脂の発泡体の製造法
において、圧縮充填開始前にその被圧縮予備発泡粒子の
温度を測定し、その温度に適応する圧縮充填圧力を定め
ることを特徴とする重量バラツキの小さいオレフィン系
樹脂発泡成形体の製造方法が記載されている。しかしな
がら前記公報の実施例で用いられた予備発泡粒子の嵩密
度は最高でも45.5g/L、温度も最高で56.3℃
と従来に用いられている圧縮充填成形法の嵩密度範囲で
あり、前記の嵩密度の大きな予備発泡粒子を用いた時
に、必要とする加圧ガス圧が高くなりすぎるという問題
点が解決されているわけではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 そこで本発明者ら
は、上記従来技術を鑑みて、かかる問題点を解決しうる
型内成形方法をうるべく鋭意研究を重ねた結果、予備発
泡粒子を予め温調して圧縮充填成形を行うことで充填に
必要なガス圧を下げることができること、それに伴い圧
縮充填成形法が適用可能な予備発泡粒子の嵩密度の範囲
を広げることができることを発見し、本発明を完成する
に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明は、
ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とし、嵩密度50〜1
30g/L、DSC2ndピーク比5〜35%である予
備発泡粒子を、予め40〜100℃に温調し、その後成
形空間に無機ガスにより加圧しながら充填し、蒸気によ
り加熱、融着させる型内成形方法であって、前記予備発
泡粒子の温調温度X[℃]と嵩密度Y[g/L]がY≦
X+30を満足する範囲であることを特徴とするポリプ
ロピレン系樹脂予備発泡粒子の型内発泡成形方法(請求
項1)、ポリプロピレン系樹脂がエチレン含有量1〜1
0%のエチレンープロピレンランダム共重合体であるこ
とを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂予
備発泡粒子の型内成形方法(請求項2)、ポリプロピレ
ン系樹脂予備発泡粒子がポリプロピレン系樹脂100重
量部に対し、エチレン系アイオノマー0.01〜20重
量部を含有する樹脂組成物からなることを特徴とする請
求項1または2記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒
子の型内発泡成形方法(請求項3)、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】 本発明で用いる予備発泡粒子は
ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とし、嵩密度50〜1
30g/L、DSC2ndピーク比5〜35%を有す
る。前記ポリプロピレン系樹脂は、発泡性、成形性、得
られる成形体の機械的強度、耐熱性、柔軟性のバランス
に優れた予備発泡粒子をうるために使用される成分であ
る。前記ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単量体単
位を92%〜100%、さらには92〜99.95%含
有し、プロピレン単量体共重合可能な単量体単位を0〜
8%、さらには0.05〜8%含有する樹脂であるのが
好ましい。プロピレン単量体単位を92%以上含有する
場合には、機械的強度、加工性、電気絶縁性、耐水性、
耐薬品性にすぐれた発泡性形態が得られる傾向にある。
プロピレン単量体単位と共重合可能な単量体単位は、発
泡性、融着性、柔軟性、接着性、透明性、耐衝撃性、ガ
スバリア性などの改質のために使用される成分であり、
使用することによる効果をうるためには、0.05%以
上、さらには0.1%以上使用するのが好ましい。前記
プロピレン単量体単位と共重合可能な単量体の具体例と
しては、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプ
テン、オクテンなどの炭素数2〜8のα―オレフィン単
量体やノルボルネン系モノマーなどの環状ポリオレフィ
ン、酢酸ビニルなどのビニルアルコールエステル、メチ
ルメタクリレート、エチルアクリルレート、ヘキシルア
クリルレートなどのアルキル基の炭素数が1〜6の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル、ビニルアルコール、
メタクリル酸、塩化ビニルなどがあげられる。これらの
うちでは、エチレンが発泡性、成形性、融着性、得られ
る成形体の機械的強度、耐熱性、柔軟性のバランスにす
ぐれており、好ましい。これら単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。前記ポリプロピレン系樹脂の
メルトインデックス(MI)としては、例えばエチレン
ープロピレンランダム共重合体の場合、0.2〜50g
/10分、さらには1〜30g/10分のものが好まし
く、また融点としては、例えばエチレンープロピレンラ
ンダム共重合体の場合125〜165℃、好ましくは1
35〜165℃、さらに好ましくは140〜155℃で
ある。前記MIが0.2g/10分未満の場合、溶融粘
度が高すぎ、2次発泡力が低下するために、型内成形時
の成形温度を高く設定する必要があり、50g/10分
をこえる場合、発泡時および型内成形時の樹脂の伸びに
対する溶融粘度が低く、連泡率が高くなる傾向にある。
また、前記融点が165℃をこえる場合、成形時の融着
性、2次発泡力不足となり、125℃未満の場合、耐熱
性が不足する傾向がある。本発明における樹脂の融点と
は、示差走査熱量計を用いて、40〜220℃まで、昇
温速度10℃/分にて昇温した後、同一速度にて40℃
まで冷却、さらに同一速度で220まで昇温した場合、
2回目の昇温過程においてえられるDSC曲線の吸熱ピ
ークのピーク温度であり、通常、発泡成形体を構成する
予備発泡粒子をはがしとり、示差走査熱量計にて、同様
の測定を実施した場合にも、同様のピーク温度を示す。
前記ポリプロピレン系樹脂の具体例としては、例えばエ
チレンープロピレンランダム共重合体、エチレンープロ
ピレンーブテンランダム3元共重合体、ポリエチレンー
ポリプロピレンブロック共重合体、ホモポリプロピレン
などがあげられる。また該ポリプロピレン系樹脂は、無
架橋の状態でも用いても良いが、パーオキサイドや放射
線などによって架橋させて用いても良い。これらのうち
では、エチレンープロピレンランダム共重合体、エチレ
ンープロピレンーブテンランダム3元共重合体が機械的
強度、耐熱性、柔軟性のバランスにすぐれた成形体がえ
られやすく、好ましい。前記嵩密度とは予備発泡粒子を
メスシリンダーなど体積が明確な入れ物にいれて重量を
測ることによって求められる。この時用いる入れ物とし
ては、断面積がより大きな物が好ましい。本発明で用い
られるポリプロピレン系予備発泡粒子の嵩密度範囲は5
0〜130g/L好ましくは60〜130g/Lさらに
好ましくは70〜130g/Lである。前記嵩密度範囲
が50g/L以下になると、後に比較例1と2に示すよ
うに、予備発泡粒子を温調しなくても、圧縮充填成形法
にて外観良好な成形体が得られる。また嵩密度が130
g/L以上になると後に実施例2に示すように、予備発
泡粒子を100℃に予熱しても外観良好な成形体を得ら
れない。
【0007】前記DSC2ndピーク比とは、示差走査
熱量計によって40℃から200℃まで10℃/分の速
度で昇温したときに得られるDSC曲線において、機材
樹脂が本来有していた結晶状態に基づく吸熱ピークの融
解熱量(α)〔J/g〕、このピークより高温側に現れ
る吸熱ピークの融解熱量(β)〔J/g〕が下記条件
(1)式によってえられる物理量である。
【0008】
【数1】 本発明で用いられるポリプロピレン系予備発泡粒子のD
SC2ndピーク比の範囲は5〜35%、好ましくは1
5〜35%、さらに好ましくは15〜30%である。前
記DSC2ndピーク比の範囲は後に実施例1〜7と比
較例1〜4に示すように18〜28%で問題なく外観良
好な成形体が得られた。また、 DSC2ndピーク比
が5%以下では予備発泡粒子の大部分が成形時に溶け
て、外観良好な成形体にならない。また、 DSC2n
dピーク比が35%以上になると成形時に予備発泡粒子
の二次発泡力が不足し、融着不良でかつ表面性が粗悪な
成形体になる。本発明による型内発泡成形方法とは、か
かる物性を有するポリオレフィン系樹脂組成物からなる
予備発泡粒子を予め40〜100℃好ましくは60〜1
00℃さらに好ましくは60〜80℃に温調し、その後
成形空間に、無機ガスにより加圧しながら充填し、蒸気
による加熱、融着することを特徴とするものである。前
記温調方法としては通常成形機に予備発泡粒子を加圧す
るために設置されている充填ホッパーに熱風を挿入する
方法であっても、充填ホッパーの周りにヒーターを巻く
方法、またはその他の方法であっても差し支えない。上
記温調温度としては高い方が本発明の効果が顕著に現れ
るが、100℃付近で長時間保持すると予備発泡粒子の
結晶化状態が変わり、また予備発泡粒子どうしが融着す
るために好ましくない。よって60〜80℃がより好ま
しい。40℃以下では本発明の効果がでないため好まし
くない。前記型内発泡成形方法としては温調以外は通常
の圧縮充填成形法である。すなわちポリオレフィン系樹
脂予備発泡粒子を加圧ガスを用いてもとの嵩体積の20
〜80%に圧縮し、閉鎖しうるが密閉しない金型内に充
填して型内のガス圧を除去した後、蒸気をいて発泡粒子
を加熱、融着して成形体を製造する方法である。
【0009】上記予備発泡粒子を加圧するときに用いら
れる充填タンクの耐圧は、高い方がそれだけ予備発泡粒
子に圧縮ガス圧を与えられるため圧縮充填成形が適用可
能な嵩密度範囲が拡がるためよいが、耐圧能力が高いと
設備投資費が大きくなるため、通常用いられている耐圧
0.5MPa付近が好ましい。
【0010】請求項3記載の親水性ポリマーとは水を発
泡剤として用い,所望とする物性を有する予備発泡粒子
を製造するために使用される成分である。またASTM
D570に準拠して測定された吸水率が0.5重量%
以上のポリマーのことであり、いわゆる吸湿性ポリマ
ー、吸水性ポリマ一(水に溶けることなく、自重の数倍
から数百倍の水を吸収し、圧力がかかっても脱水されが
たいポリマー)および水溶性ポリマー(常温ないし高温
状態で水に溶解するポリマー)を含有する概念である。
前記親水性ポリマーの分子内には、カルボキシル基、水
酸基、アミノ基、アミド基、エステル基、ポリオキシエ
チレン基などの親水性基が含有されうる。
【0011】前記吸湿性ポリマーの例としては、たとえ
ばカルボキシル基含有ポリマーなどがあげられる。
【0012】前記カルボキシル基含有ポリマーの具体例
としては、たとえばエチレン−アクリル酸−無水マレイ
ン酸3元共重合体(吸水率0.5〜0.7重量%)、エ
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体のカルボン酸基を
ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属
イオンで塩にし、分子間を架橋させたアイオノマー系樹
脂(吸水率0.7〜1.4重量%)、エチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体(吸水率0.5〜0.7重量
%)などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく
2種以上を併用してもよい。これらのカルボキシル基含
有ポリマーのなかでは、エチレン−(メタ)アクリル酸
共重合体の分子間をナトリウムイオン、カリウムイオン
などのアルカリ金属イオンで架橋させたエチレン系アイ
オノマーがポリプロピレン系樹脂中での分散性にすぐ
れ、本発明においてはとくに好ましく使用しうるもので
ある。
【0013】前記吸水性ポリマーの例としては、たとえ
ば架橋ポリエチレンオキサイド系重合体などがあげられ
る。
【0014】前記架橋ポリエチレンオキサイド系重含体
の具体例としては、たとえば住友精化(株)製のアクア
コークなどで代表される種々の架橋ポリエチレンオキサ
イド系重合体があげられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0015】前記水溶性ポリマーの例としては、たとえ
ばポリエチレンオキサイド系重合体などがあげられる。
【0016】前記ポリエチレンオキサイド系重合体の具
体例としては、たとえば分子量数万〜数百万のポリエチ
レンオキサイドなどがあげられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】前記吸湿性ポリマー、吸水性ポリマーおよ
び水溶性ポリマーは単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0018】前記親水性ポリマーの使用量は、前記親水
性ポリマーの種類によって異なるが、ポリプロピレン系
樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上、好ま
しくは0.05重量部以上である。また、予備発泡粒子
の製造時の生産安定性や発泡特性を良好にし、発泡成形
体にすぐれた機械的強度や耐熱性を付与するとともに、
吸水時の寸法変化を小さくする点からは、20重量部以
下、好ましくは10重量部,さらに好ましくは5重量部
以下である。
【0019】本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂
組成物には、充填剤、すなわち無機充填剤および/また
は有機充填剤を含有せしめるのが、気泡径が均一,独立
な予備発泡粒子をえることができるため,好ましい。
【0020】前記無機充填剤の具体例としては、たとえ
ばタルク、マイカ,カオリン,ベントナイト,クレー,
シリカ,炭酸カルシウム、酸化アルミニウム,酸化チタ
ン,水酸化カルシウム,水酸化アルミニウム,ほう砂,
ゼオライト,ケイ藻土,ワラストナイト,マイクロバル
ーンなどがあげられる。これらの無機充填剤のなかで
は、タルクが、気泡が均一,独立な予備発泡粒子を与え
やすい点から好ましい。
【0021】前記有機充填剤としては、前記ポリオレフ
ィン系樹脂の軟化温度以上の温度で固体状のものであれ
ばよく、とくに限定はない。前記有機充填剤の具体例と
しては、たとえばポリテトラフルオロエチレンなどのフ
ッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、熱可塑性ポリエス
テル樹脂粉末などがあげられる。
【0022】前記充填剤は、単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。
【0023】前記充填剤の平均粒子径は、気泡が均一で
比較的高発泡倍率を有する予備発泡粒子をえることがで
き、また、該予備発泡粒子から機械的強度や柔軟性など
にすぐれた成形体をえることができる点から、50μm
以下、さらには20μm以下であるのが好ましく、2次
凝集や取扱作業性の点から0.1μm以上、さらには
0.5μm以上であるのが好ましい。
【0024】前記充填剤を使用するばあいの使用量は、
通常,ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.
001重量部以上、さらには0.005重量部以上にす
るのが好ましく、3重量部以下、好ましくは2重量部以
下である。
【0025】さらにポリプロピレン系樹脂組成物には,
必要に応じて,アゾ系,フタロシニアン系,キナクリド
ン系,ペリレン系,ペリノン系,アントラキノン系,チ
オインジゴ系,ジオキサジン系,イソインドリノン系,
キノフタロン系などの有機顔料,カーボンブラック,ケ
ッチェンブラック,鉄黒,カドミウムイエロー,カドミ
ウムレッド,コバルトバイオレット,コバルトブルー,
紺青,群青,黄鉛,亜鉛黄,バリウム黄などの無機顔料
のほか,染料,帯電防止剤,酸化防止剤,光安定剤,滑
材などの各種添加剤を含有させることもできる。
【0026】前記ポリプロピレン系樹脂、親水性ポリマ
ー、必要により充填剤,各種添加剤などを含有する前記
ポリプロピレン系樹脂組成物は、通常、押出機、ニーダ
ー、バンバリーミキサー、ロールなどを用いて溶融混練
し、ついで円柱状、楕円柱状、球状、立方体状、直方体
状など予備発泡に利用しやすい所望の粒子形状に成形す
るのが好ましい。前記粒子を製造する際の条件、樹脂粒
子の大きさなどにもとくに限定はないが、たとえば押出
機中で溶融混練してえられる粒子は、通常0.5〜10
mg/粒である。
【0027】
【実施例】 以下に実施例をあげて、本発明をさらに詳
細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定され
るものではない。
【0028】(実施例1〜7及び比較例1〜4) エチ
レンープロピレンランダム共重合体(エチレン含有3
%、 MI=6g/10分、融点145℃)100部
に、親水性ポリマーとしてエチレンーメタクリル酸共重
合体のカルボキシル基をナトリウムイオンで塩にして分
子間を架橋させたエチレン系アイオノマー2部、及び充
填剤(タルク、平均粒子径9.5μm)0.3部、及び
カーボンブラック2部をそれぞれ混合してえられた樹脂
組成物から、ペレット(樹脂粒子2mg/粒)を製造し
た。つぎに、このペレット100部、分散剤としてパウ
ダー状第3リン酸カルシウム0.5部およびn―パラフ
ィンスルホン酸ソーダ0.006部を水300部ととも
に密閉容器内に仕込み、153℃まで加熱した後、空気
を密閉容器内に導入して密閉容器内の圧力を所定圧力ま
で上げた後、この圧力を保持しつつ密閉容器のバルブを
開いて水分散物(樹脂粒子および水系分散媒)を大気圧
下に放出して、表1に示す嵩密度およびDSC2ndピ
ーク比を有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる予
備発泡粒子を得た。次に、えられた各嵩密度およびDS
C2ndピーク比を有する予備発泡粒子を表1に示す温
度に温調したのち、公知な圧縮充填成形法により、29
0mm×270mm×50mmの直方体形状のポリプロ
ピレン系樹脂組成物発泡成形体を得た。実施例1〜7に
おいては60〜100℃に温調して圧縮充填成形した際
に外観良好な成形体を得ることができるかを調査した。
図1に示されるように温調温度Xと、嵩密度Yが下記条
件式を満足すると外観良好な成形体を得ることができ
た。
【0029】
【数2】 またDSC2ndピーク比18〜30で外観良好な成形
体を得ることができた。比較例1〜2においては温調せ
ずに圧縮充填成形を行った。予備発泡粒子の嵩密度70
g/L以上では外観の悪い成形体しか得られなかった。
比較例3においては40℃に温調して圧縮充填成形を行
った。比較例1、2と同様に、予備発泡粒子の嵩密度7
0g/L以上では外観の悪い成形体しか得られなかっ
た。比較例4においては、本発明の請求外である予備発
泡粒子のDSC2ndピーク比35以上および嵩密度1
30g/L以上で圧縮充填成形を行った。温調温度を1
00℃にしても外観の悪い成形体しか得られなかった。
これらの結果を表1に示す。
【0030】
【表1】 以上により、本発明におけるポリオレフィン系樹脂予備
発泡粒子の型内成形方法のすぐれた特長は明確である。
【0031】
【発明の効果】 本発明は、従来技術では設備投資費が
大きくなるという欠点を有する内圧付与法でしか成形で
きなかった嵩密度の大きな予備発泡粒子を、生産性、設
備投資費の面で有利である圧縮充填成形法で成形できる
ようにした、画期的な成形法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 温調温度と嵩密度の関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 23:00 B29C 67/22 Fターム(参考) 4F074 AA24 AA25 AA31 AA98 AB03 AB05 AC02 AC36 BA34 BC12 BC15 CA24 CA39 CA49 CC04W CC34X DA24 DA32 DA33 4F212 AA11 AE02 AE07 AG20 UA01 UB01 UC06 UC09 UE06 UE26 UF31 4J002 BB082 BB092 BB111 BB121 BB141 BB151 BB232 BP021 CH022 FD010 FD090 FD320 GG01 GG02 GN00 GR00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とし、
    嵩密度50〜130g/L、DSC2ndピーク比5〜
    35%である予備発泡粒子を、予め40〜100℃に温
    調し、その後成形空間に無機ガスにより加圧しながら充
    填し、蒸気により加熱、融着させる型内成形方法であっ
    て、前記予備発泡粒子の温調温度X[℃]と嵩密度Y
    [g/L]がY≦X+30を満足する範囲であることを
    特徴とするポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の型内発
    泡成形方法。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂がエチレン含有量
    1〜10%のエチレンープロピレンランダム共重合体で
    あることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系
    樹脂予備発泡粒子の型内成形方法。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子がポ
    リプロピレン系樹脂100重量部に対し、エチレン系ア
    イオノマー0.01〜20重量部を含有する樹脂組成物
    からなることを特徴とする請求項1または2記載のポリ
    プロピレン系樹脂予備発泡粒子の型内発泡成形方法。
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