JP2000290419A - ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の洗浄方法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の洗浄方法

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JP2000290419A
JP2000290419A JP11100342A JP10034299A JP2000290419A JP 2000290419 A JP2000290419 A JP 2000290419A JP 11100342 A JP11100342 A JP 11100342A JP 10034299 A JP10034299 A JP 10034299A JP 2000290419 A JP2000290419 A JP 2000290419A
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water
polyolefin
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expanded particles
resin
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Takeishi Sato
武石 佐藤
Nobuhisa Ota
信久 太田
Yutaka Yanagihara
豊 柳原
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の揮発性発泡剤を使用せずに樹脂粒子を
予備発泡させる方法において、大量の水を消費すること
なく付着分散剤を除去し、さらに所望の発泡倍率を有す
る予備発泡粒子を得る。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂100重量部およ
び親水性ポリマー0.01〜20重量部を含有するポリ
オレフィン系樹脂組成物からなる樹脂粒子、分散剤とし
て難水溶性無機化合物および界面活性剤を密閉容器内で
水系分散媒に分散させ、前記樹脂粒子を前記ポリオレフ
ィン系樹脂組成物の軟化温度以上の温度に加熱し、含水
率が1〜50重量%の含水樹脂粒子にしたのち、密閉容
器内の内圧よりも低圧の雰囲気中に放出することによ
り、得られた予備発泡粒子を洗浄する方法において、分
散剤として使用した難水溶性無機化合物の表面に結合し
得る官能基と親水性官能基とを分子内にそれぞれ少なく
とも1個有する水溶性化合物を含む熱水中で前記ポリオ
レフィン系樹脂予備発泡粒子を洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂予備発泡粒子の洗浄方法に関する。さらに詳細に
は、たとえば型内発泡成形品の原料として好適に使用し
得るポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子を製造する技術
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
から、密閉容器内でポリオレフィン系樹脂粒子を水系分
散媒に分散させ、揮発性発泡剤を含有させたのちに、前
記ポリオレフィン系樹脂組成物の軟化温度以上に加熱し
たのち、低圧域に放出して、ポリオレフィン系樹脂予備
発泡粒子を得る方法はよく知られている(たとえば、特
開昭59−176336号公報など)。
【0003】一方、本発明者らは、前記ポリオレフィン
系樹脂および親水性ポリマーを基材樹脂とするポリオレ
フィン系樹脂粒子を水系分散媒に分散させ、前記ポリオ
レフィン系樹脂組成物の軟化温度以上に加熱し、含水率
が1〜50重量%の含水樹脂粒子としたのち、低圧の雰
囲気中に放出させ、含水樹脂粒子を発泡させることによ
って、揮発性発泡剤および(または)無機ガス系発泡剤
を用いることなく、分散媒である水を発泡剤として用
い、所望の物性を有するポリオレフィン系樹脂予備発泡
粒子を製造する画期的な方法を開発し、先に出願してい
る(特願平8−84124号明細書)。この技術は、発
泡剤に水を用いるため、可燃性もなく安全であるうえ、
発泡剤は安価であり、さらに地球環境に優しい、優れた
技術である。
【0004】かかる方法においては、高温高圧下での樹
脂粒子同士の融着を防ぐために、通常、分散剤として難
水溶性無機化合物(以下、無機分散剤ともいう)および
界面活性剤(以下、分散助剤ともいう)が使用されてい
るが、密閉容器内から低圧の雰囲気中に放出して予備発
泡粒子としたのちも、一部の無機分散剤は予備発泡粒子
に残存、付着している(以下、予備発泡粒子に残存、付
着している無機分散剤を付着分散剤ともいう)。付着分
散剤量が多いと、得られた予備発泡粒子を金型内に充填
して蒸気などで加熱して型内発泡成形体とするときに、
予備発泡粒子同士の融着不良がおこる。
【0005】かかる問題を解決するために、通常、予備
発泡後に、(ア)大量の水または温水で洗浄する方法
(たとえば特開昭60−56514号公報)、(イ)酸
水溶液で洗浄する方法(たとえば特開平9−12483
2号公報)がとられている。しかし(ア)の方法では洗
浄効果が低く、充分に付着分散剤を除去できない。ま
た、水または温水を大量に使用するために経済的に不利
である。一方、(イ)の方法では設備を耐酸性にする必
要があり、設備コストが高くなる。さらに、使用する分
散剤が酸に不溶な場合には効果がない。
【0006】これらの問題を解決するために、特開昭5
9−33123号公報では、密閉容器内から低圧に保持
した水中に放出することで、従来にくらべて少ない水量
で付着分散剤が除去できることが記載されているが、該
方法では所望の発泡倍率を有する予備発泡粒子を得るの
が困難である。
【0007】また、特開平10−120819号公報で
は、予備発泡直後に洗浄剤(ヘキサメタリン酸ソーダ)
水溶液でシャワリング洗浄することで、大量の水または
温水を消費することなく付着分散剤を除去できることが
記載されており、優れた洗浄方法であるが、該方法では
所望とする発泡倍率を有する予備発泡粒子を得るのが困
難である。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
少ない水量で付着分散剤を効率的に除去し、かつ所望と
する発泡倍率を有するポリオレフィン系樹脂組成物から
なる予備発泡粒子が得られるポリオレフィン系樹脂予備
発泡粒子の洗浄方法について鋭意研究を重ねた結果、ポ
リオレフィン系樹脂組成物からなる予備発泡粒子の製造
にあたって、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる予備
発泡粒子を、所定の水溶性化合物を含む熱水中で洗浄す
ることにより、前記課題が解決し得ることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、(A)ポリオレフィ
ン系樹脂100重量部および親水性ポリマー0.01〜
20重量部を含有するポリオレフィン系樹脂組成物から
なる樹脂粒子(以下、樹脂粒子(A)ともいう)、
(B)分散剤である難水溶性無機化合物、および(C)
界面活性剤を密閉容器内で水系分散媒に分散させ、前記
樹脂粒子(A)を前記ポリオレフィン系樹脂組成物の軟
化温度以上の温度に加熱し、含水率が1〜50重量%の
含水樹脂粒子にしたのち、密閉容器内の内圧よりも低圧
の雰囲気中に放出することにより得られたポリオレフィ
ン系樹脂予備発泡粒子を洗浄する方法において、難水溶
性無機化合物(B)の表面に結合し得る官能基と親水性
官能基とを分子内にそれぞれ少なくとも1個有する水溶
性化合物(以下、洗浄剤ともいう)を含む熱水中で前記
ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子を洗浄することを特
徴とするポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の洗浄方法
(請求項1)、密閉容器内の内圧を、チッ素、空気また
はこれらを主体とする無機ガスを導入することにより高
めたのちに、内圧よりも低圧の前記熱水中に放出するこ
とによって予備発泡させる請求項1記載のポリオレフィ
ン系樹脂予備発泡粒子の洗浄方法(請求項2)、および
前記熱水の温度が80℃以上である請求項1または2記
載の洗浄方法(請求項3)に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明においては、ポリオレフィ
ン系樹脂100重量部および親水性ポリマー0.01〜
20重量部を含有するポリオレフィン系樹脂組成物から
なる樹脂粒子(A)が予備発泡粒子の製造のために使用
される。
【0011】前記ポリオレフィン系樹脂は、発泡性、成
形性、得られる成形体の機械的強度、耐熱性、柔軟性の
バランスに優れた高発泡倍率の予備発泡粒子を得るため
に使用される成分であり、また、前記親水性ポリマーは
ポリオレフィン系樹脂組成物の含水率を高めるために使
用される成分である。
【0012】前記ポリオレフィン系樹脂は、オレフィン
単量体単位を50〜100重量%、さらには70〜10
0重量%含有し、オレフィン単量体と共重合可能な単量
体単位を0〜50重量%、さらには0〜30重量%含有
する樹脂である。オレフィン単量体単位を50重量%以
上含有するため、軽量で機械的強度、加工性、電気絶縁
性、耐水性、耐薬品性に優れた成形体が得られる。オレ
フィン単量体と共重合可能な単量体単位は、接着性、透
明性、耐衝撃性、ガスバリア性などの改質のために使用
される成分であり、使用することによる効果を得るため
には、2重量%以上、さらには5重量%以上使用するの
が好ましい。
【0013】前記オレフィン単量体の具体例としては、
エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、
ヘプテン、オクテンなどの炭素数2〜8のα−オレフイ
ン単量体やノルボルネン系モノマーなどの環状オレフィ
ンなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。これらのうちではエチレン、
プロピレンが安価であり、得られる重合体の物性が良好
になる点から好ましい。
【0014】前記オレフィン単量体と共重合可能な単量
体の具体例としては、酢酸ビニルなどのビニルアルコー
ルエステル、メチルメタクリレート、エチルアクリレー
ト、ヘキシルアクリレートなどのアルキル基の炭素数が
1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ビニル
アルコール、メタクリル酸、塩化ビニルなどがあげられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。これらのうちでは、酢酸ビニルが接着性、柔軟
性、低温特性の点から好ましく、メチルメタクリレート
が接着性、柔軟性、低温特性、熱安定性の点から好まし
い。
【0015】前記ポリオレフィン系樹脂のメルトインデ
ックス(MI)としては、たとえばポリプロピレン系樹
脂では0.2〜50g/10分、さらには1〜30g/
10分のものが好ましく、また曲げ弾性率(JIS K
7203)としては、たとえばポリプロピレン系樹脂
では5000〜20000kg/cm2G、さらには8
000〜16000kg/cm2G、融点としては、た
とえばポリプロピレン系樹脂では125〜165℃、さ
らには130〜160℃のものが好ましい。前記MIが
0.2g/10分未満の場合、溶融粘度が高すぎて高発
泡倍率の予備発泡粒子が得られにくく、50g/10分
をこえる場合、発泡時の樹脂の伸びに対する溶融粘度が
低く破泡しやすくなり、高発泡倍率の予備発泡粒子が得
られにくくなる傾向にある。また、前記曲げ強度が50
00kg/cm2G未満の場合、機械的強度、耐熱性が
不充分となり、20000kg/cm2Gをこえる場
合、得られる発泡成形体の柔軟性、緩衝特性が不充分と
なる傾向にある。さらに、融点が125℃未満の場合、
耐熱性が不足し、165℃をこえる場合、成形時の融着
性、二次発泡力不足となる傾向にある。
【0016】前記ポリオレフィン系樹脂の具体例として
は、たとえばエチレン−プロピレンランダム共重合体、
エチレン−プロピレン−ブテンランダム3元共重合体、
ポリエチレン−ポリプロピレンブロック共重合体、ホモ
ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂;低密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体な
どのポリエチレン系樹脂;ポリブテン、ポリペンテンな
どがあげられる。前記ポリオレフィン系樹脂は、無架橋
の状態で用いてもよく、パーオキサイドや放射線などに
より架橋させて用いてもよい。これらのポリマーは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの
うちでは、他のポリオレフィン系樹脂と比べて、高発泡
倍率の予備発泡粒子が得られやすく、また、得られた予
備発泡粒子から製造された成形体の機械的強度や耐熱性
が良好であるためポリプロピレン系樹脂が好ましい。
【0017】前記親水性ポリマーとは、ASTM D5
70に準拠して測定された吸水率が0.5重量%以上の
ポリマーのことであり、いわゆる吸湿性ポリマー、吸水
性ポリマ一(水に溶けることなく、自重の数倍から数百
倍の水を吸収し、圧力がかかっても脱水されがたいポリ
マー)および水溶性ポリマー(常温ないし高温状態で水
に溶解するポリマー)を含有する概念である。前記親水
性ポリマーの分子内には、カルボキシル基、水酸基、ア
ミノ基、アミド基、エステル基、ポリオキシエチレン基
などの親水性基が含有され得る。
【0018】前記吸湿性ポリマーの例としては、たとえ
ばカルボキシル基含有ポリマー、ポリアミド、熱可塑性
ポリエステル系エラストマー、セルロース誘導体などが
あげられる。
【0019】前記カルボキシル基含有ポリマーの具体例
としては、たとえばエチレン−アクリル酸−無水マレイ
ン酸3元共重合体(吸水率0.5〜0.7重量%)、エ
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体のカルボン酸基を
ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属
イオンで塩にし、分子間を架橋させたアイオノマー系樹
脂(吸水率0.7〜1.4重量%)、エチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体(吸水率0.5〜0.7重量
%)などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく
2種以上を併用してもよい。これらのカルボキシル基含
有ポリマーのなかでは、エチレン−(メタ)アクリル酸
共重合体の分子間をナトリウムイオン、カリウムイオン
などのアルカリ金属イオンで架橋させたエチレン系アイ
オノマーがポリオレフィン系樹脂中での分散性に優れ、
本発明においてはとくに好ましく使用し得るものであ
る。
【0020】前記ポリアミドの具体例としては、たとえ
ばナイロン−6(吸水率1.3〜1.9重量%)、ナイ
ロン−6,6(吸水率1.1〜1.5重量%)、共重合
ナイロン(イーエムエス ヘミー社(EMS−CHEM
IE AG)製、商品名グリルテックスなど)(吸水率
1.5〜3重量%)などがあげられる。これらは単独で
用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0021】前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー
の具体例としては、たとえばポリブチレンテレフタレー
トとポリテトラメチレングリコールとのブロック共重合
体(吸水率0.5〜0.7重量%)などがあげられる。
これらは単独で用いてもよく2種以上を併用してもよ
い。
【0022】前記セルロース誘導体の具体例としては、
たとえば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロースなど
があげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を
併用してもよい。
【0023】前記吸湿性ポリマーのうちでは、アイオノ
マー系樹脂が、ポリオレフィン系樹脂中での分散性に優
れ、比較的少量で高含水率の含水樹脂粒子が得られるた
め好ましい。
【0024】前記吸水性ポリマーの例としては、たとえ
ば架橋ポリアクリル酸塩系重合体、澱粉−アクリル酸グ
ラフト共重合体、架橋ポリビニルアルコール系重合体、
架橋ポリエチレンオキサイド系重合体、イソブチレン−
マレイン酸系共重合体などがあげられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】前記架橋ポリアクリル酸塩系重合体の具体
例としては、たとえば(株)日本触媒製のアクアリック
(商品名)、三菱化学(株)製のダイヤウェット(商品
名)などで代表される架橋ポリアクリル酸ナトリウム系
重合体などがあげられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0026】前記架橋ポリビニルアルコール系重合体の
具体例としては、たとえば日本合成化学工業(株)製の
アクアリザーブGPなどで代表される種々の架橋ポリビ
ニルアルコール系重合体があげられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】前記架橋ポリエチレンオキサイド系重含体
の具体例としては、たとえば住友精化(株)製のアクア
コークなどで代表される種々の架橋ポリエチレンオキサ
イド系重合体があげられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0028】前記イソブチレン−マレイン酸系共重合体
の具体例としては、たとえば(株)クラレ製のKIゲル
などで代表される種々のイソブチレン−マレイン酸系共
重合体があげられる。これらは単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0029】前記吸水性ポリマーのうちでは、架橋ポリ
エチレンオキサイドがポリオレフィン系樹脂中での分散
性、比較的少量で高含水率が得られる点から好ましい。
【0030】前記水溶性ポリマーの例としては、たとえ
ばポリ(メタ)アクリル酸系重合体、ポリ(メタ)アク
リル酸塩系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ポ
リエチレンオキサイド系重合体、水溶性セルロース誘導
体などがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0031】前記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の具
体例としては、たとえばポリアクリル酸、アクリル酸−
アクリル酸エチル共重合体、ポリメタクリル酸2−ヒド
ロキシエチルなどがあげられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0032】前記ポリ(メタ)アクリル酸塩系重合体の
具体例としては、たとえばポリアクリル酸ナトリウム、
ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウ
ム、ポリメタクリル酸カリウムなどがあげられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】前記ポリビニルアルコール系重合体の具体
例としては、たとえばポリビニルアルコール、ビニルア
ルコール−酢酸ビニル共重合体などがあげられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0034】前記ポリエチレンオキサイド系重合体の具
体例としては、たとえば分子量数万〜数百万のポリエチ
レンオキサイドなどがあげられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】前記水溶性セルロース誘導体の具体例とし
ては、たとえばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロースなどがあげられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0036】前記吸湿性ポリマー、吸水性ポリマーおよ
び水溶性ポリマーは単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0037】前記親水性ポリマーの使用量は、前記親水
性ポリマーの種類によって異なるが、ポリオレフィン系
樹脂組成物からなる樹脂粒子を密閉容器内で水系分散媒
に分散させ、ポリオレフィン系樹脂組成物の軟化温度以
上で軟化温度+20℃以下の温度に加熱したときの含水
率が1〜50重量%になるポリオレフィン系樹脂組成物
を得るためには、通常、ポリオレフィン系樹脂100重
量部に対して、0.01重量部以上、好ましくは0.1
重量部以上である。また、予備発泡粒子の製造時の生産
安定性や発泡特性を良好にし、予備発泡粒子から得られ
る成形体に優れた機械的強度や耐熱性を付与するととも
に、吸水時の寸法変化を小さくする点からは、20重量
部以下、好ましくは10重量部以下である。
【0038】本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂
組成物には、充填剤、すなわち無機充填剤および(また
は)有機充填剤を含有せしめるのが気泡が均一で高発泡
倍率の予備発泡粒子を得ることができるという点から好
ましい。
【0039】前記無機充填剤の具体例としては、たとえ
ばタルク、炭酸カルシウム、水酸化カルシウムなどがあ
げられる。これらの無機充填剤のなかでは、タルクが、
気泡が均一で高発泡倍率を有する予備発泡粒子を与える
点から好ましい。
【0040】前記有機充填剤としては、前記ポリオレフ
ィン系樹脂の軟化温度以上の温度で固体状のものであれ
ばよく、とくに限定はない。前記有機充填剤の具体例と
しては、たとえばフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉
末、熱可塑性ポリエステル樹脂粉末などがあげられる。
【0041】前記充填剤は、単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。
【0042】前記充填剤の平均粒子径は、気泡が均一で
高発泡倍率を有する予備発泡粒子を得ることができ、ま
た、該予備発泡粒子から機械的強度や柔軟性などに優れ
た成形体を得ることができる点から、50μm以下、さ
らには10μm以下であるのが好ましく、2次凝集や取
扱作業性の点から0.1μm以上、さらには0.5μm
以上であるのが好ましい。
【0043】前記充填剤を使用する場合の使用量は、高
発泡倍率の予備発泡粒子を得る点から、ポリオレフィン
系樹脂100重量部に対して0.001重量部以上、さ
らには0.005重量部以上にするのが好ましく、また
予備発泡粒子を成形する際に、優れた融着性を発現さ
せ、該予備発泡粒子から機械的強度や柔軟性などに優れ
た成形体を得る点から、3重量部以下、好ましくは2重
量部以下である。
【0044】前記ポリオレフィン系樹脂、親水性ポリマ
ー、必要により充填剤などを含有する前記ポリオレフィ
ン系樹脂組成物は、通常、押出機、ニーダー、バンバリ
ーミキサー、ロールなどを用いて溶融混練し、ついで円
柱状、楕円柱状、球状、立方体状、直方体状など予備発
泡に利用しやすい所望の粒子形状に成形するのが好まし
い。前記粒子を製造する際の条件、樹脂粒子の大きさな
どにもとくに限定はないが、たとえば押出機中で溶融混
練して得られる粒子は、通常0.5〜5mg/粒であ
る。
【0045】本発明においては、前記ポリオレフィン系
樹脂組成物からなる樹脂粒子(A)、難水溶性無機化合
物(無機分散剤)(B)および界面活性剤(分散助剤)
(C)を密閉容器内で水系分散媒に分散させ、前記樹脂
粒子を前記ポリオレフィン系樹脂組成物の軟化温度以上
の温度に加熱し、含水率が1〜50重量%の含水樹脂粒
子にしたのち、密閉容器内の内圧よりも低圧の雰囲気中
に放出することによって予備発泡させることによりポリ
オレフィン系樹脂予備発泡粒子が製造される。
【0046】難水溶性無機化合物(B)としては、第三
リン酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性炭
酸亜鉛、炭酸カルシウムなどの無機塩やベントナイト、
カオリンなどの粘土類があげられる。これらのうちでは
第三リン酸カルシウムが、分散力が強く好ましい。
【0047】界面活性剤(C)としては、たとえばドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ、n−パラフィンスルホ
ン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ、アルキ
ルナフタレンスルホン酸ソーダなどのアニオン性界面活
性剤、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルトリメチル
アンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムな
どのカチオン性界面活性剤があげられる。これらのうち
でn−パラフィンスルホン酸ソーダが良好な分散力を与
え、生分解されやすいことから好ましい。
【0048】樹脂粒子(A)を分散させる水系分散媒
は、前記ポリオレフィン系樹脂組成物を溶解させない分
散媒であればよく、通常水または水とエチレングリコー
ル、グリセリン、メタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコールなどのうちの1種以上との混合物が例示さ
れるが、環境面、経済性などから水が好ましい.前記水
系分散媒に分散させる樹脂粒子(A)の量としては、前
記水系分散媒100重量部に対して樹脂粒子(A)3〜
100重量部、さらには10〜50重量部が好ましい。
樹脂粒子(A)の量が3重量部未満になると、生産性が
低下し、経済的でなくなり、100重量部をこえると、
加熱中に容器内で粒子同士が融着する傾向が生じる。
【0049】また、難水溶性無機化合物(B)および界
面活性剤(C)の使用量については特別な限定はなく、
一般に使用される量を使用すればよいが、難水溶性無機
化合物(B)は、樹脂粒子(A)100重量部に対して
0.05〜10重量部が好ましく、界面活性剤(C)
は、樹脂粒子(A)100重量部に対して0.0005
〜1重量部が好ましい。
【0050】樹脂粒子(A)を分散させて加熱する温度
は、使用するポリオレフィン系樹脂組成物の軟化温度以
上の温度、具体的には融点以上、好ましくは融点+5℃
以上で、好ましくは融点+20℃以下、さらに好ましく
は融点+15℃以下の温度であり、たとえば融点145
℃のエチレン−プロピレン共重合体の場合、145〜1
65℃、さらには150〜160℃が好ましく、145
℃未満では発泡しにくくなり、165℃をこえると、得
られる予備発泡粒子の機械的強度、耐熱性が充分でな
く、容器内で粒子が融着しやすくなる傾向が生じる。
【0051】このように、樹脂粒子(A)を水系分散媒
に分散させてポリオレフィン系樹脂組成物の軟化温度以
上に加熱し、30分〜12時間撹拌することにより、樹
脂粒子の含水率を1〜50重量%に調整することができ
る。含水率の調整は、加熱温度、加熱時間などを調整す
ることによって行なうことができる。含水率が1重量%
未満の場合、発泡倍率が3倍末満となりやすい。好まし
い含水率は3重量%以上である。また、50重量%をこ
えると、樹脂粒子の水系分散媒に対する分散性が低下
し、予備発泡粒子製造時に密閉容器内で樹脂粒子が塊状
になり、均一に予備発泡させることができなくなりやす
い。好ましい含水率は30重量%以下である。なお、親
水性ポリマーの吸水率は常温で測定する値であり、前記
含水率は高温(樹脂の軟化温度(融点)以上)で測定す
る値であるため、たとえば用いた親水性ポリマーの吸水
率が0.5重量%以上であれぱ、1重量%以上の含水率
が得られる。
【0052】樹脂粒子(A)をポリオレフィン系樹脂組
成物の軟化温度以上の温度に加熱して含水率を1〜50
重量%にするため、発泡倍率を3〜50倍、さらには4
〜40倍にすることができ、また、予備発泡粒子製造時
に密閉容器内で樹脂粒子が塊状にならず均一な予備発泡
粒子にすることができる。前記発泡倍率が3倍未満の場
合、得られる成形体の柔軟性、緩衝特性などが不充分と
なり、また50倍をこえる場合、得られる成形体の機械
的強度、耐熱性などが不充分となる。
【0053】なお、ポリオレフィン系樹脂組成物の軟化
温度(融点)は、DSC(示差走査熱量計)によって1
0℃/分の昇温速度で測定したときの、融解ピークの頂
点の温度である。また、含水率は発泡温度における水蒸
気圧下での含水率である。前記含水率は、以下のように
して求められる値でおきかえることができる。
【0054】すなわち、300cc耐圧アンプル中に前
記ポリオレフィン系樹脂組成物からの樹脂粒子(A)5
0g、水150g、無機分散剤(難水溶性無機化合物
(B))としてパウダー状塩基性第三リン酸カルシウム
0.5g、界面活性剤(C)としてn−パラフィンスル
ホン酸ソーダ0.03gを入れ、密閉後に前記ポリオレ
フィン系樹脂組成物の軟化温度以上の温度(発泡温度)
に設定した油浴中で3時間加熱処理する。さらに室温ま
で冷却後、取り出し、充分水洗して無機分散剤を除去し
たのち、得られたポリオレフィン系樹脂組成物の含水樹
脂粒子の表面付着水分を除去したものの重量(X)を求
め、ついでその樹脂粒子の融点よりも20℃高い温度に
設定されたオ一ブン中で3時間乾燥させ、デシケータ中
で室温まで冷却させたあとの重量(Y)を求め、式
(1):
【0055】
【数1】
【0056】にしたがって求められる。ポリオレフィン
系樹脂組成物からなる樹脂粒子中に充填剤などを含む場
合の含水率は、ポリオレフィン系樹脂組成物および親水
性ポリマーの合計量に対する含水率である。
【0057】樹脂粒子(A)を含水率が1〜50重量%
の含水樹脂粒子にしたのちには、無機ガスを密閉容器内
に導入して密閉容器内の内圧を高めることが好ましく、
この圧力を保持しつつ(このときの圧力を保持圧力とも
いう)密閉容器内の内圧よりも低圧の雰囲気中に放出す
ることによって含水樹脂粒子を予備発泡させることが、
倍率バラツキの良好な予備発泡粒子が得られる点から好
ましい。前記保持圧力は、6〜75kg/cm2Gが好
ましく、10〜70kg/cm2Gがより好ましい。保
持圧力が6kg/cm2G未満の場合、高発泡倍率の予
備発泡粒子が得られにくくなる傾向にあり、75kg/
cm2Gをこえると、気泡径が微細化しすぎ、独立気泡
率が低下して成形品の収縮、形状安定性、機械的強度、
耐熱性が損われる傾向にある。
【0058】また、放出中の容器内圧力は前記保持圧力
を維持することが好ましい。前記無機ガスとしては、チ
ッ素、空気またはこれらを主体(通常、50容量%以
上、さらには70容量%以上)とし、アルゴン、ヘリウ
ム、キセノンなどの不活性ガスや水蒸気、酸素、水素、
オゾンなどを少量(50容量%以下、さらには30容量
%以下)含む無機ガスなどが使用できるが、経済性、生
産性、安全性、環境適合性などの点からチッ素、空気が
好ましい。
【0059】本発明においては、含水樹脂粒子を密閉容
器内圧力よりも低圧の雰囲気中に放出することにより得
られたポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子を、前記洗浄
剤、すなわち分散剤として使用した難水溶性無機化合物
(B)の表面に結合し得る官能基と親水性官能基とを分
子内にそれぞれ少なくとも1個有する水溶性化合物を含
む熱水中で洗浄する。
【0060】前記難水溶性無機化合物(B)の表面に結
合し得るとは、難水溶性無機化合物(B)の表面のイオ
ン性と反対のイオン性を有し、イオン結合し得ることを
意味し、難水溶性無機化合物(B)の表面に結合し得る
官能基とは、難水溶性無機化合物(B)の表面のイオン
性と反対のイオン性を有する官能基を意味する。
【0061】前記親水性官能基とは、静電相互作用や水
素結合などによって水分子と弱い結合をつくり、水に対
して親和性を示す極性基や解離基のことを意味する。
【0062】この具体例としては、たとえば使用した難
水溶性無機化合物(B)の表面が正に帯電する第3リン
酸カルシウムなどの場合には、難水溶性無機化合物
(B)の表面に結合し得る官能基として、リン酸基(イ
オン)、カルボキシル基(イオン)、ケイ酸イオンなど
のアニオン性官能基を含み、かつ、親水性官能基とし
て、リン酸基(イオン)、カルボキシル基(イオン)、
ケイ酸イオン、アルコール性水酸基などの親水性官能基
を分子内に含む水溶性化合物(常温の水に対する溶解度
が1g/100g水以上、さらには5g/100水以
上)が洗浄剤として使用される。前記難水溶性無機化合
物(B)の表面に結合し得る官能基と親水性官能基とは
同種のものであってもよく、異種のものであってもよ
い。具体的にはピロリン酸ソーダ、トリポリリン酸ソー
ダ、ヘキサメタリン酸ソーダなどの水溶性縮合リン酸
塩、第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウムなどの
水溶性リン酸塩、前記水溶性縮合リン酸塩および水溶性
リン酸塩の混合物、メタケイ酸ナトリウム、オルトケイ
酸ナトリウムなどの水溶性ケイ酸塩、エチレンジアミン
4酢酸2ナトリウム、エチレンジアミン4酢酸4ナトリ
ウムなどの水溶性エチレンジアミン4酢酸塩、クエン酸
ソーダなどの水溶性クエン酸、酒石酸ソーダなどの水溶
性酒石酸塩、前記水溶性クエン酸および水溶性酒石酸の
混合物、ポリアクリル酸ソーダなどが使用される。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうちでは洗浄効果がより大きい水溶性縮合リン
酸塩が好ましく、ヘキサメタリン酸ソーダが、水溶液の
pHが7.5前後となり取り扱いやすい点からより好ま
しい。
【0063】また、たとえば使用した難水溶性無機化合
物(B)の表面が負に帯電するカオリンなどの場合に
は、難水溶性無機化合物(B)の表面に結合し得る官能
基として、アミノ基(イオン)、4級アンモニウムイオ
ン、ピリジニウム基などのカチオン性官能基を含み、か
つ親水性官能基として、アミノ基(イオン)、4級アン
モニウムイオン、ピリジニウム基、アルコール性水酸基
などの親水性官能基を分子内に含む水溶性化合物(常温
の水に対する溶解度が1g/100g水以上、さらには
5g/100水以上)が洗浄剤として使用される。前記
難水溶性無機化合物(B)の表面に結合し得る官能基と
親水性官能基とは同種のものであってもよく、異種のも
のであってもよい。具体的には、ポリ−4−ビニル−N
−エチルピリジニウム臭化物などの水溶性ポリビニルピ
リジニウム化合物、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム、エチレンジ
アミン4酢酸4ナトリウムなどのエチレンジアミン4酢
酸塩、エチレンジアミン塩酸塩などが使用される。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうちではエチレンジアミン塩酸塩が、洗浄効果
が大きい点から好ましい。
【0064】このように、使用した難水溶性無機化合物
(B)の表面に結合し得る官能基を分子内に1個以上、
好ましくは2〜500個有し、かつ親水性官能基を分子
内に1個以上、好ましくは2〜500個有する水溶性化
合物の水溶液のpHは、一般に6〜11(pHの高いも
のは酸でpH=7〜8に調整して使用可能)であるた
め、酸水溶液で洗浄する場合のように、設備を耐酸性に
する必要がない。また、酸水溶液で洗浄する場合のよう
に、洗浄廃液を中和・再沈殿、凝集・沈殿、場合によっ
ては吸着除去(中和・再沈殿すると沈殿粒子径が小さく
なり、凝集・沈殿しにくくなるため)したりすることが
なく、凝集・沈殿させるだけで処理することができ、工
程が簡単で、低コストとなる。
【0065】前記洗浄で付着分散剤の量が減少する理由
として、洗浄剤が難水溶性無機化合物(B)表面に結合
し、洗浄剤の親水性基によって難水溶性無機化合物
(B)表面が親水化されることにより、界面活性剤のバ
インダー効果が弱められるために付着分散剤の量が減少
する、と考えられる。
【0066】予備発泡粒子の洗浄を行なう段階にはとく
に限定はないが、洗浄効果が高くなる、工程がほとんど
長くならない点から、予備発泡直後に洗浄するのが好ま
しい。したがって、前記密閉容器内の内圧よりも低圧の
雰囲気中としては、前記洗浄剤を含む熱水中が好まし
い。前記洗浄剤を含む熱水中に含水樹脂粒子を放出して
予備発泡させることによって本発明の洗浄方法を予備発
泡工程と同時に行なうことができる。
【0067】前記洗浄剤の濃度は、難水溶性無機化合物
(B)および界面活性剤(C)の種類とその量などによ
って異なるが、通常、5〜1000ppm、さらには2
0〜500ppmであり、洗浄剤水溶液の量は、予備発
泡粒子1kgあたり5〜500L、さらには10〜20
0Lである。また、洗浄剤水溶液の温度は、所望の発泡
倍率を得るために80℃〜100℃、さらには90℃〜
100℃が好ましい。
【0068】また、本発明においては、洗浄効果をおと
すことなく、前記洗浄剤水溶液を何度も使用することが
できるため、従来のシャワーリング法よりもさらに経済
的であるだけでなく、洗浄廃水の処理も容易になる。
【0069】前記のように、密閉容器内の内圧よりも低
圧の雰囲気中に放出することにより得られる予備発泡粒
子を洗浄する方法において、分散剤として使用した難水
溶性無機化合物(B)の表面に結合し得る官能基と親水
性官能基とを分子内にそれぞれ少なくとも1個有する水
溶性化合物を含む熱水中に放出することで予備発泡粒子
を洗浄することによって、付着分散剤の量を1000〜
3000ppmから200〜600ppmに低減し、さ
らに所望の発泡倍率を有する予備発泡粒子を得ることが
できる。
【0070】
【実施例】以下に実施例および比較例をあげて、本発明
をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例の
みに限定されるものではない。
【0071】実施例1〜6 ポリオレフィン系樹脂であるエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体(密度0.91g/cm3、エチレン含有
率3重量%、融点145℃、MI=5.5g/10分、
曲げ弾性率10000kg/cm2G)100重量部に
対し、親水性ポリマー(エチレン−メタクリル酸共重合
体のカルボキシル基をナトリウムイオンで中和させたア
イオノマー(エチレン単位85重量%とメタクリル酸単
位15重量%とからなり、メタクリル酸単位の60重量
%が塩を形成しているもの、MI=0.9g/10分、
融点89℃、吸水率1重量%))2重量部およびタルク
(平均粒径7μm)1重量部を添加し、50mmφ単軸
押出機に供給し、溶融混練したのち、直径1.5mmφ
の円筒ダイより押出し、水冷後カッターで切断し、円柱
状のポリオレフィン系樹脂組成物からの粒子(ペレッ
ト)(1.8mg/粒)を得た。得られた粒子の融点は
145℃、JIS K 7112により測定した密度
0.90g/cm3であった。
【0072】得られた粒子(前記含水率の測定方法で油
浴の温度を155℃として測定した含水率は5重量%)
100重量部(1.5kg)、分散剤として第三リン酸
カルシウム1.4重量部および分散助剤としてn−パラ
フィンスルホン酸ソーダ0.03重量部を、水300重
量部とともに図1に示すごとき装置の耐圧密閉容器3内
に仕込み、容器内容物を攪拌しながら加熱し、155.
0℃になってから、同温度でさらに10分間加熱撹拌し
た。このときの圧力は約5kg/cm2Gであった。
【0073】そののち、空気加圧により15分間で容器
内の圧力を30kg/cm2Gとし、ただちに密閉容器
下部のバルブ4を開いて容器内容物(含水樹脂粒子およ
び水系分散媒)を直径4mmφのオリフィス5を通じて
低圧容器6(0kg/cm2G)の熱水中に放出して所
望の発泡倍率を有する予備発泡粒子9を得た。この際、
放出中は容器内の圧力が低下しないように、空気を用い
て圧力を保持した。
【0074】低圧容器内6の熱水7には、洗浄剤である
ヘキサメタリン酸ソーダを表1に記載の濃度で溶かし、
表1記載の熱水量および温度に調整した熱水中に樹脂粒
子を放出することで予備発泡粒子を洗浄した。
【0075】なお、図1中の1はポリオレフィン系樹脂
組成物からなる樹脂粒子、2は水系分散媒、8は温度記
録計である。
【0076】比較例1〜2 熱水中に洗浄剤であるヘキサメタリン酸ソーダを添加し
なかった以外は実施例1〜6と同様にして予備発泡粒子
を洗浄した。
【0077】得られた予備発泡粒子の発泡倍率および付
着分散剤の量をつぎの方法にしたがって測定した。結果
を表1に示す。
【0078】(発泡倍率(乾燥倍率))予備発泡粒子3
〜10g程度をはかりとり、60℃で6時間以上乾燥し
たのち重量wを測定後、水没法にて体積vを測定し、予
備発泡粒子の真比重ρb=w/vを求め、原料組成物の
密度ρrとの比により、発泡倍率K=ρr/ρbを求め
た。
【0079】(付着分散剤量)メタバナジン酸アンモニ
ウム0.022重量%、モリブデン酸アンモニウム0.
54重量%および硝酸3重量%を含む水溶液(比色液)
50.0mLとWgの予備発泡粒子をコニカルビーカー
に採り、1分間攪拌したのち10分間放置した。得られ
た液相を光路長1.0cmの石英セルに採り、分光光度
計により410nmでの吸光度Aを測定した。
【0080】同一比色液について、予め測定しておいた
第3リン酸カルシウムの410nmでの吸光度係数ε
(g/L・cm)を用いて、式2:
【0081】
【数2】
【0082】から付着分散剤量X(ppm)を求めた。
【0083】
【表1】
【0084】
【発明の効果】本発明の洗浄方法によれば、大量の水を
消費することなく付着分散剤の量を少なくすることがで
き、さらに所望の発泡倍率を有する予備発泡粒子を得る
ことができる。この結果、経済的に有利であり、かつ良
好な特性を有する型内発泡成形体を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いたポリオレフィン系樹脂
予備発泡粒子の製造・洗浄装置の概略説明図である。
【符号の説明】
1 ポリオレフィン系樹脂組成物からなる樹脂粒子 2 水系分散媒 3 耐圧密閉容器 4 バルブ 5 オリフィス 6 低圧容器 7 熱水(洗浄剤水溶液) 8 温度記録計 9 予備発泡粒子
フロントページの続き (72)発明者 柳原 豊 大阪府摂津市鳥飼西5−1−1鐘淵化学工 業株式会社大阪工場内 Fターム(参考) 4F074 AA16 AA18 AA19 AA20 AA21 AA22 AA23 AA24 AA25 AA26 AA31 AA42 AA47 AA65 AA71 AA76 AC26 AC27 AC31 AC32 AC36 AD13 AD15 AH04 BA33 BC01 BC03 CA32 CA39 CC27X CC62 DA02 4J002 AB012 BB031 BB042 BB061 BB071 BB082 BB121 BB151 BB171 BB232 BE022 BG012 BP021 CF062 CL012 CL032 DE236 DE266 DE276 DF008 DH046 DJ006 DJ036 EN137 EV257 FD206 FD317 FD328

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリオレフィン系樹脂100重量
    部および親水性ポリマー0.01〜20重量部を含有す
    るポリオレフィン系樹脂組成物からなる樹脂粒子、
    (B)分散剤である難水溶性無機化合物、および(C)
    界面活性剤を密閉容器内で水系分散媒に分散させ、前記
    樹脂粒子を前記ポリオレフィン系樹脂組成物の軟化温度
    以上の温度に加熱し、含水率が1〜50重量%の含水樹
    脂粒子にしたのち、密閉容器内の内圧よりも低圧の雰囲
    気中に放出することにより得られたポリオレフィン系樹
    脂予備発泡粒子を洗浄する方法において、難水溶性無機
    化合物(B)の表面に結合し得る官能基と親水性官能基
    とを分子内にそれぞれ少なくとも1個有する水溶性化合
    物を含む熱水中で前記ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒
    子を洗浄することを特徴とするポリオレフィン系樹脂予
    備発泡粒子の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 密閉容器内の内圧を、チッ素、空気また
    はこれらを主体とする無機ガスを導入することにより高
    めたのちに、内圧よりも低圧の前記熱水中に放出するこ
    とによって予備発泡させる請求項1記載のポリオレフィ
    ン系樹脂予備発泡粒子の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 前記熱水の温度が80℃以上である請求
    項1または2記載の洗浄方法。
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