JP2001131327A - ポリプロピレン系樹脂組成物の型内発泡成形体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物の型内発泡成形体

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JP2001131327A JP31502199A JP31502199A JP2001131327A JP 2001131327 A JP2001131327 A JP 2001131327A JP 31502199 A JP31502199 A JP 31502199A JP 31502199 A JP31502199 A JP 31502199A JP 2001131327 A JP2001131327 A JP 2001131327A
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Takeshi Obayashi
毅 御林
Yutaka Yanagihara
豊 柳原
Takayuki Aida
合田高之
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地球環境にやさしい水を発泡剤として用い、
型内成形時の生産性の向上、および品質の安定を同時に
達成しつつ、高密度領域における圧縮強度に代表される
機械的強度を改善する。 【解決手段】 (A)ポリプロピレン系樹脂100重量
部および(B)親水性ポリマー0.01〜20重量部を
含有する樹脂組成物を基材樹脂とし、示差走査熱量計測
定によるDSC曲線において、2つ以上の吸熱ピークを
有する予備発泡粒子からなり、密度90〜300g/L
であるポリプロピレン系樹脂組成物の型内発泡成形体の
連泡率を12%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断熱材、緩衝包装
材、通函;バンパー芯材、ピラー、プラットフォーム、
側突材などの自動車部材;パレット材、ツールボックス
などに用いられるポリプロピレン系樹脂組成物からの型
内発泡成形体に関する。さらに詳しくは、高密度でかつ
圧縮強度および引張強度の両機械的強度特性にすぐれた
ポリプロピレン系樹脂組成物の型内発泡成形体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系樹脂発泡成形体は、ポ
リスチレン系樹脂発泡成形体に比べて、耐薬品性、耐熱
性、圧縮後の歪み回復性などにすぐれており、緩衝包装
材、通函;バンパー芯材、ピラー、プラットフォーム、
側突材などの自動車部材;パレット材、ツールボックス
などに広く用いられている。
【0003】従来、かかるポリプロピレン系樹脂発泡成
形体を構成するポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の製
造には、CFC−12、HCFC−22、HCFC−1
42b、HFC−134aなどのハイドロカーボン系発
泡剤;プロパン、ブタン、ペンタンなどの炭化水素系発
泡剤などを代表とする揮発性発泡剤が用いられてきた
が、いずれもオゾン層の破壊、地球温暖化などの地球環
境問題、あるいは可燃性を有するために必然的に発生す
る安全性の問題などに対する対策の必要性から、近年、
窒素、空気、炭酸ガスなどの無機ガス系発泡剤が用いら
れるようになってきた(例えば特開平6−192462
号公報、特開平7−173321号公報、特開平8−2
59724号公報など)。この中でも、特に炭酸ガスを
発泡剤とする場合には、ポリプロピレン系樹脂に対する
相溶性が良好であり、所望とする物性を有する予備発泡
粒子およびそれからなる型内発泡成形体の製造が比較的
容易であるためか、炭酸ガスを発泡剤として用いた、ポ
リプロピレン系樹脂予備発泡粒子、およびそれからなる
発泡成形体に関する技術は広く知られている。
【0004】ところが、炭酸ガスは地球温暖化の原因と
なることも周知であり、無機ガス系発泡剤を用いた技術
の中においては、前記地球環境問題を依然として解決す
るには至っていないのが現状である。
【0005】本発明者らは、かかる現状に鑑み、前記地
球環境問題をも解決するための発泡剤の選定に関する研
究を行い、従来、発泡剤としては全く顧みられていなか
った、水を発泡剤とするポリプロピレン系樹脂予備発泡
粒子、およびそれからなる発泡成形体の開発に成功し、
これまでにも多くの出願を行ってきた(例えば特開平1
0−245437号公報、特開平11−21368号公
報、特開平11−100458号公報など)。
【0006】これらの技術は、いずれも地球環境にやさ
しいポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子、およびそれか
らなる型内発泡成形体として、前記課題を完全に解決す
ることの可能な、画期的な技術である。
【0007】また、例えば、特開平11−100458
号公報に記載されている技術は、特にポリプロピレン系
樹脂を基材樹脂とする発泡成形体における、従来の常識
を覆すような、すぐれた特長を有するものである。
【0008】前記すぐれた特長とは、発泡成形体の融着
率を、70%以下という、従来では考えられなかったほ
ど低く設定しても、引張強度を高く保つことができる点
であり、これにより、発泡成形体の品質を同等以上に保
ちながら、かつ、型内成形時の生産性の向上、および品
質の安定を同時に達成することができる点にある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、かかるすぐれた特長を有する発泡成形体の製造技術
の完成度をさらに上げるために、鋭意研究を継続したと
ころ、発泡成形体の連泡率を12%以下とした場合に
は、引張強度のみならず、圧縮強度も向上させることが
可能である。またその効果は、特に密度90g/L以上
の高密度領域において特に顕著であることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(A)ポリプロピレン系樹脂樹脂100重量部および
(B)親水性ポリマー0.01〜20重量部を含有する
樹脂組成物を基材樹脂とし、示差走査熱量計測定による
DSC曲線において、2つ以上の吸熱ピークを有する予
備発泡粒子からなり、密度90〜300g/L、連泡率
12%以下であることを特徴とするポリプロピレン系樹
脂組成物発泡成形体(請求項1)、融着率が10〜70
%であることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレ
ン系樹脂組成物発泡成形体(請求項2)、引張強度が
0.6〜3.0MPaであり、かつ、密度xと圧縮強度
yが下記条件式(1)を満足することを特徴とする、請
求項1または2記載のポリプロピレン系樹脂組成物の型
内発泡成形体(請求項3)に関する。
【0011】 y−0.013x+0.645≧0 (1)
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の発泡成形体は、(A)ポ
リプロピレン系樹脂100重量部および(B)親水性ポ
リマー0.01〜20重量部含有する樹脂組成物を基材
樹脂とし、示差走査熱量計測定におけるDSC曲線にお
いて2つ以上の吸熱ピークを有する予備発泡粒子からな
る。
【0013】前記ポリプロピレン系樹脂は、発泡性、成
形性、えられる成形体の機械的強度、耐熱性、柔軟性の
バランスにすぐれた予備発泡粒子をうるために使用され
る成分であり、また、前記親水性ポリマーは、水を発泡
剤として用い、所望とする物性を有する予備発泡粒子を
製造するために使用される成分である。
【0014】前記ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン
単量体単位を92〜100%、さらには92〜99.9
5%含有し、プロピレン単量体共重合可能な単量体単位
を0〜8%、さらには0.05〜8%含有する樹脂であ
るのが好ましい。プロピレン単量体単位を92%以上含
有する場合には、機械的強度、加工性、電気絶縁性、耐
水性、耐薬品性にすぐれた発泡成形体がえられる傾向に
ある。プロピレン単量体単位と共重合可能な単量体単位
は、発泡性、成形性、融着性、柔軟性、接着性、透明
性、耐衝撃性、ガスバリア性などの改質のために使用さ
れる成分であり、使用することによる効果をうるために
は、0.05%以上、さらには0.1%以上使用するの
が好ましい。
【0015】前記プロピレン単量体単位と共重合可能な
単量体の具体例としては、エチレン、ブテン、ペンテ
ン、ヘキセン、ヘプテン、オクテンなどの炭素数2〜8
のα−オレフィン単量体やノルボルネン系モノマーなど
の環状オレフィン、酢酸ビニルなどのビニルアルコール
エステル、メチルメタクリレート、エチルアクリレー
ト、ヘキシルアクリレートなどのアルキル基の炭素数が
1〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ビニル
アルコール、メタクリル酸、塩化ビニルなどがあげられ
る。これらのうちでは、エチレンが発泡性、成形性、融
着性、えられる成形体の機械的強度、耐熱性、柔軟性の
バランスにすぐれており、好ましい。これらは単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】前記ポリプロピレン系樹脂のメルトインデ
ックス(MI)としては、例えばエチレン−プロピレン
ランダム共重合体の場合、0.2〜50g/10分、さ
らには1〜30g/10分のものが好ましく、また融点
としては、例えばエチレン−プロピレンランダム共重合
体の場合125〜165℃、好ましくは135〜165
℃、さらに好ましくは140〜155℃である。前記M
Iが0.2g/10分未満の場合、溶融粘度が高すぎ、
2次発泡力が低下するために、型内成形時の成形温度を
高く設定する必要があり、50g/10分をこえる場
合、発泡時および型内成形時の樹脂の伸びに対する溶融
粘度が低く、連泡率が高くなる傾向にある。また、前記
融点が165℃をこえる場合、成形時の融着性、2次発
泡力不足となり、125℃未満の場合、耐熱性が不足す
る傾向がある。
【0017】本発明における樹脂の融点とは、示差走査
熱量計を用いて、40℃から220℃まで、昇温速度1
0℃/分にて昇温したのち、同一速度にて40℃まで冷
却、さらに同一速度で220℃まで昇温した場合、2回
目の昇温過程においてえられるDSC曲線の吸熱ピーク
のピーク温度であり、通常、発泡成形体を構成する予備
発泡粒子を発泡成形体からはがしとり、示差走査熱量計
にて、同様の測定を実施した場合にも、同等のピーク温
度を示す。
【0018】前記ポリプロピレン系樹脂の具体例として
は、たとえばエチレン−プロピレンランダム共重合体、
エチレン−プロピレン−ブテンランダム3元共重合体、
ポリエチレン−ポリプロピレンブロック共重合体、ホモ
ポリプロピレンなどがあげられる。また該ポリプロピレ
ン系樹脂は、無架橋の状態で用いてもよいが、パーオキ
サイドや放射線などにより架橋させて用いてもよい。こ
れらのポリマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。これらのうちでは、エチレン−プロピレン
ランダム共重合体およびエチレン−プロピレン−ブテン
ランダム3元共重合体が、機械的強度、耐熱性、柔軟性
のバランスにすぐれた成形体がえられやすく、好まし
い。
【0019】前記親水性ポリマーとは、ASTM D5
70に準拠して測定された吸水率が0.5重量%以上の
ポリマーのことであり、いわゆる吸湿性ポリマー、吸水
性ポリマ一(水に溶けることなく、自重の数倍から数百
倍の水を吸収し、圧力がかかっても脱水されがたいポリ
マー)および水溶性ポリマー(常温ないし高温状態で水
に溶解するポリマー)を含有する概念である。前記親水
性ポリマーの分子内には、カルボキシル基、水酸基、ア
ミノ基、アミド基、エステル基、ポリオキシエチレン基
などの親水性基が含有されうる。
【0020】前記吸湿性ポリマーの例としては、たとえ
ばカルボキシル基含有ポリマー、ポリアミド、熱可塑性
ポリエステル系エラストマー、セルロース誘導体などが
あげられる。前記カルボキシル基含有ポリマーの具体例
としては、たとえばエチレン−アクリル酸−無水マレイ
ン酸3元共重合体(吸水率0.5〜0.7重量%)、エ
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体のカルボン酸基を
ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属
イオンで塩にし、分子間を架橋させたアイオノマー系樹
脂(吸水率0.7〜1.4重量%)、エチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体(吸水率0.5〜0.7重量
%)などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく
2種以上を併用してもよい。これらのカルボキシル基含
有ポリマーのなかでは、エチレン−(メタ)アクリル酸
共重合体の分子間をナトリウムイオン、カリウムイオン
などのアルカリ金属イオンで架橋させたエチレン系アイ
オノマーがポリプロピレン系樹脂中での分散性にすぐ
れ、本発明においてはとくに好ましく使用しうるもので
ある。
【0021】前記ポリアミドの具体例としては、たとえ
ばナイロン−6(吸水率1.3〜1.9重量%)、ナイ
ロン−6、6(吸水率1.1〜1.5重量%)、共重合
ナイロン(イーエムエス ヘミー社(EMS−CHEM
IE AG)製、商品名グリルテックスなど)(吸水率
1.5〜3重量%)などがあげられる。これらは単独で
用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0022】前記熱可塑性ポリエステル系エラストマー
の具体例としては、たとえばポリブチレンテレフタレー
トとポリテトラメチレングリコールとのブロック共重合
体(吸水率0.5〜0.7%)などがあげられる。これ
らは単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0023】前記セルロース誘導体の具体例としては、
たとえば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロースなど
があげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を
併用してもよい。
【0024】前記吸水性ポリマーの例としては、たとえ
ば架橋ポリアクリル酸塩系重合体、澱粉−アクリル酸グ
ラフト共重合体、架橋ポリビニルアルコール系重合体、
架橋ポリエチレンオキサイド系重合体、イソブチレン−
マレイン酸系共重合体などがあげられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記架橋
ポリアクリル酸塩系重合体の具体例としては、たとえば
(株)日本触媒製のアクアリック(商品名)、三菱化学
(株)製のダイヤウェット(商品名)などで代表される
架橋ポリアクリル酸ナトリウム系重合体などがあげられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
【0025】前記架橋ポリビニルアルコール系重合体の
具体例としては、たとえば日本合成化学工業(株)製の
アクアリザーブGPなどで代表される種々の架橋ポリビ
ニルアルコール系重合体があげられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】前記架橋ポリエチレンオキサイド系重含体
の具体例としては、たとえば住友精化(株)製のアクア
コークなどで代表される種々の架橋ポリエチレンオキサ
イド系重合体があげられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0027】前記イソブチレン−マレイン酸系共重合体
の具体例としては、たとえば(株)クラレ製のKIゲル
などで代表される種々のイソブチレン−マレイン酸系共
重合体があげられる。これらは単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0028】前記水溶性ポリマーの例としては、たとえ
ばポリ(メタ)アクリル酸系重合体、ポリ(メタ)アク
リル酸塩系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ポ
リエチレンオキサイド系重合体、水溶性セルロース誘導
体などがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0029】前記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の具
体例としては、たとえばポリアクリル酸、アクリル酸−
アクリル酸エチル共重合体、ポリメタクリル酸2−ヒド
ロキシエチルなどがあげられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0030】前記ポリ(メタ)アクリル酸塩系重合体の
具体例としては、たとえばポリアクリル酸ナトリウム、
ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウ
ム、ポリメタクリル酸カリウムなどがあげられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0031】前記ポリビニルアルコール系重合体の具体
例としては、たとえばポリビニルアルコール、ビニルア
ルコール−酢酸ビニル共重合体などがあげられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0032】前記ポリエチレンオキサイド系重合体の具
体例としては、たとえば分子量数万〜数百万のポリエチ
レンオキサイドなどがあげられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】前記水溶性セルロース誘導体の具体例とし
ては、たとえばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロースなどがあげられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0034】前記吸湿性ポリマー、吸水性ポリマーおよ
び水溶性ポリマーは単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0035】前記親水性ポリマーの使用量は、前記親水
性ポリマーの種類によって異なるが、ポリプロピレン系
樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上、好ま
しくは0.05重量部以上である。また、予備発泡粒子
の製造時の生産安定性や発泡特性を良好にし、発泡成形
体にすぐれた機械的強度や耐熱性を付与するとともに、
吸水時の寸法変化を小さくする点からは、20重量部以
下、好ましくは10重量部、さらに好ましくは5重量部
以下である。
【0036】本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂
組成物には、充填剤、すなわち無機充填剤および/また
は有機充填剤を含有せしめるのが、気泡径が均一、独立
な予備発泡粒子をえることができるため、好ましい。
【0037】前記無機充填剤の具体例としては、たとえ
ばタルク、マイカ、カオリン、クレー、シリカ、炭酸カ
ルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化カル
シウム、水酸化アルミニウム、ほう砂、ゼオライト、ケ
イ藻土、ワラストナイト、マイクロバルーンなどがあげ
られる。これらの無機充填剤のなかでは、タルクが、気
泡が均一、独立な予備発泡粒子を与えやすい点から好ま
しい。
【0038】前記有機充填剤としては、前記ポリオレフ
ィン系樹脂の軟化温度以上の温度で固体状のものであれ
ばよく、とくに限定はない。前記有機充填剤の具体例と
しては、たとえばポリテトラフルオロエチレンなどのフ
ッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、熱可塑性ポリエス
テル樹脂粉末などがあげられる。
【0039】前記充填剤は、単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。
【0040】前記充填剤の平均粒子径は、気泡が均一で
比較的高発泡倍率を有する予備発泡粒子をえることがで
き、また、該予備発泡粒子から機械的強度や柔軟性など
にすぐれた成形体をえることができる点から、50μm
以下、さらには20μm以下であるのが好ましく、2次
凝集や取扱作業性の点から0.1μm以上、さらには
0.5μm以上であるのが好ましい。
【0041】前記充填剤を使用するばあいの使用量は、
通常、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.
001重量部以上、さらには0.005重量部以上にす
るのが好ましく、3重量部以下、好ましくは2重量部以
下である。
【0042】さらにポリプロピレン系樹脂組成物には、
必要に応じて、アゾ系、フタロシニアン系、キナクリド
ン系、ペリレン系、ペリノン系、アントラキノン系、チ
オインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、
キノフタロン系などの有機顔料、カーボンブラック、ケ
ッチェンブラック、鉄黒、カドミウムイエロー、カドミ
ウムレッド、コバルトバイオレット、コバルトブルー、
紺青、群青、黄鉛、亜鉛黄、バリウム黄などの無機顔料
のほか、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定剤、滑
材などの各種添加剤を含有させることもできる。
【0043】前記ポリプロピレン系樹脂、親水性ポリマ
ー、必要により充填剤、各種添加剤などを含有する前記
ポリプロピレン系樹脂組成物は、通常、押出機、ニーダ
ー、バンバリーミキサー、ロールなどを用いて溶融混練
し、ついで円柱状、楕円柱状、球状、立方体状、直方体
状など予備発泡に利用しやすい所望の粒子形状に成形す
るのが好ましい。前記粒子を製造する際の条件、樹脂粒
子の大きさなどにもとくに限定はないが、たとえば押出
機中で溶融混練してえられる粒子は、通常0.5〜10
mg/粒である。
【0044】前記示差走査熱量計測定によるDSC曲線
とは、ポリプロピレン系樹脂組成物発泡成形体を構成す
る予備発泡粒子1〜10mgを示差走査熱量計によって
10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温し
たときにえられるDSC曲線である。
【0045】本発明の発泡成形体を構成するポリプロピ
レン系樹脂組成物を基材樹脂とする予備発泡粒子のDS
C曲線の場合、吸熱ピークが2つ以上現れる。これは、
発泡成形体を構成する予備発泡粒子の組成、製造方法、
あるいは発泡成形体の成形方法等によってパターンは異
なるものの、主に発泡成形体を構成する予備発泡粒子
が、これまでに受けた熱履歴を反映したものである。例
えば、無架橋のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製
造に際して、発泡条件を注意深く設定することにより、
2つの吸熱ピークを有する予備発泡粒子をえることがで
きることは、広く知られており、本技術の導入により、
良好な型内成形性を持たせることができる。通常、前記
2つの吸熱ピークを有する予備発泡粒子を型内成形した
場合には、えられた発泡成形体を構成する予備発泡粒子
のDSC曲線にも、2つ、または成形、養生条件によっ
て3つの吸熱ピークが現れる。
【0046】かかる物性を有するポリプロピレン系樹脂
組成物からなる予備発泡粒子を閉鎖しうるが密閉しえな
い金型内に充填し、水蒸気などにより加熱融着させるこ
とにより、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の型内
発泡成形体がえられる。
【0047】ポリプロピレン系樹脂組成物を含む、ポリ
オレフィン系樹脂予備発泡粒子の加熱融着成形法は公知
であり、大別して圧縮充填成形法、内圧付与法、直接充
填法の3種の成形法がある。
【0048】前記圧縮充填成形法は、予備発泡粒子を成
形金型内に充填する前に、必要に応じて常温〜100℃
程度に予熱された予備発泡粒子を、前記予備発泡粒子と
同等の温度に加熱された耐圧容器に入れ、通常50〜5
00kPa程度の空気等を導入して、予備発泡粒子を気圧
により圧縮させ、速やかに成形金型内に充填し、その後
熱融着させる方法である。
【0049】前記内圧付与法は、成形開始に先立って、
通常50〜600kPa程度に空気等により加圧された耐
圧容器内に、必要に応じて40〜100℃に加温、保持
しながら、予備発泡粒子を通常10分程度以上放置し、
これにより予備発泡粒子内に空気等を含浸させた後、耐
圧容器から取出し、速やかに成形金型内に充填する方法
である。前記圧縮充填法が、予備発泡粒子を圧縮するこ
とを目的として、短時間(通常3〜30秒程度)、耐圧
容器内に放置するのに対し、内圧付与法は、予備発泡粒
子内に空気等を含浸させることを目的として、長時間放
置する点が特徴である。
【0050】前記直接充填法は、前記圧縮充填法および
内圧付与法のような、予備発泡粒子に対する前処理を一
切行わずに、直接、成形金型内に充填する方法である。
【0051】これらの成形法は、いずれも予備発泡粒子
を閉鎖しうるが密閉しえない金型内に充填し、水蒸気に
より加熱融着させる方法であり、本発明における発泡成
形体をうる方法としていずれも適用可能である。この場
合、成形温度は通常、加熱融着時の金型内蒸気圧によっ
て調整され、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の場
合、樹脂または樹脂組成物の結晶特性によって、前記金
型内蒸気圧は通常200〜500kPa程度に設定され
る。前記金型内蒸気圧は、えられる発泡成形体の連泡率
に影響を与え、圧力が低すぎる場合にはえられる発泡成
形体を構成する予備発泡粒子相互の間に空間が形成さ
れ、また圧力が高すぎる場合には予備発泡粒子のセルが
破泡するために、いずれも発泡成形体の連泡率が高くな
る傾向にある。
【0052】一般に、前記内圧付与法および直接充填法
を用いて発泡成形体を製造する場合には、予備発泡粒子
の充填時には、雄雌型は閉鎖されておらず、クラッキン
グと呼ばれる若干のクリアランスを有している場合が多
い。蒸気による加熱時には、雄雌型は完全に閉鎖されて
いる必要があるため、通常、予備発泡粒子の金型内への
充填が終了次第、前記クラッキングは0、すなわち雄雌
型は完全に閉鎖される。したがって、前記クラッキング
の大きさを調整することにより、えられる発泡成形体の
密度を、ある程度調整することができる。
【0053】本発明における発泡成形体の製造において
は、例えば、実施例に示すように、融点145℃のエチ
レン−プロピレンランダム共重合体100重量部に対
し、エチレン系アイオノマー2重量部およびタルク0.
3重量部、カーボンブラック1重量部を含有した樹脂組
成物からなる予備発泡粒子を用いて成形する場合、発泡
成形体連泡率を12%以下とし、融着率を10〜70%
とするために必要な金型内蒸気圧は、ポリプロピレン系
樹脂組成物の融点等によって異なるが、通常、250〜
450kPaである。
【0054】ただし、本発明においては、えられる発泡
成形体の融着率が低くても、良好な物性を有する発泡成
形体が得られるため、前記内圧付与法においては内圧の
低減、前記圧縮充填法においては圧縮率の低減を図るこ
とができる上、前記3種の成形法のいずれにおいても、
成形時の金型内蒸気圧を低くすることができ、好まし
い。これにより、ユーティリティコスト削減の他、成形
サイクルの短縮が可能となり、型内成形時の生産効率を
飛躍的に向上させることができる。以上の効果をより効
果的に発現させるためには、発泡成形体の融着率は10
〜70%、好ましくは10〜60%、さらに好ましくは
20〜50%であることが好ましい。融着率が10%未
満の場合には、発泡成形体の連泡率が12%をこえて大
きくなりやすく、また、発泡成形体を構成する予備発泡
粒子同士の粘着力が低すぎるために、引張強度が低下す
るほか、耐薬品性や圧縮後の歪み回復性、耐水性などの
物性が低下する傾向にあり、著しい場合には、えられる
発泡成形体が金型通りの形状をとどめることができず、
外観不良のものとなるため、好ましくない。
【0055】本発明における発泡成形体の連泡率は、1
2%以下、好ましくは10%以下、さらに好ましくは8
%以下である。連泡率とは、通常、熱可塑性樹脂発泡体
を構成する気泡構造の独立性を表す指標であり、エアー
ピクノメータと呼ばれる測定装置を用い、ASTM D
2856に準拠して測定される。本指標は、通常、熱可
塑性樹脂発泡体のセル構造の独立性を判定するために用
いられ、連泡率の高い発泡体は、セル構造の独立性が低
いと判定される。
【0056】前記連泡率は、従来、本発明におけるよう
な、予備発泡粒子を加熱融着させてえられた発泡成形体
の場合には、物性を表す指標として使用されてこなかっ
た。これは、通常切削され、表層部が除かれた発泡成形
体内に、低圧の空気を浸透させ、試験片内部の閉空間の
体積と、試験片外形体積との比を求めるという、連泡率
の測定原理から、予備発泡粒子自体のセル構造の独立性
の判定と、予備発泡粒子同士の間隙の体積の判定を別個
に行うことができなかったことに主原因がある。セル構
造の独立性が損なわれた場合でも、粒子間隙体積が大き
くなった場合でも、いずれも連泡率は高くなってしまう
のである。本発明における発泡成形体の場合では、いず
れの場合においても、連泡率が12%をこえるような発
泡成形体の場合、圧縮強度が低下し、所望とする機械的
強度がえられない。
【0057】また、本発明における発泡成形体の密度
は、90〜300g/L、好ましくは100〜300g
/L、さらに好ましくは110〜300g/Lである。
【0058】一般に、発泡成形体の圧縮強度に代表され
る機械的強度は、発泡成形体の密度に依存して変化し、
密度が高く、発泡倍率の低い発泡成形体ほど、機械的強
度は強くなるが、発泡成形体の密度が高く、発泡倍率が
低くなるほど、前記連泡率の上昇に伴う圧縮強度の低下
が著しくなる傾向にある。発泡成形体の密度が90g/
L未満の場合、本発明における圧縮強度改善効果が小さ
くなるため好ましくなく、300g/Lを越えて高密度
の場合には、前記公知の加熱融着成形法では、連泡率1
2%以下の物性の良好な発泡成形体をえることができな
くなるため好ましくない。
【0059】本発明の目的は、高密度で、かつ圧縮強度
および引張強度の両機械的強度特性にすぐれたポリプロ
ピレン系樹脂組成物発泡成形体を提供することにある。
したがって、引張強度が0.6〜3.0MPaであり、
かつ発泡成形体の密度xと圧縮強度yが下記条件式
(1)を満足することが好ましい。
【0060】 y−0.013x+0.645≧0 (1) 前述の通り、一般に熱可塑性樹脂発泡成形体の圧縮強度
は、発泡成形体の密度に依存して変化し、密度が大きい
ほど圧縮強度が強くなる。したがって、圧縮強度の改善
効果を評価する場合には、発泡成形体の密度を一定とす
ることが前提となるが、異なった密度の発泡成形体の圧
縮強度を比較する場合、式(1)のごとき不等式によっ
て密度因子を標準化することが便利である。
【0061】また、ポリプロピレン系樹脂に代表される
ような結晶性樹脂を基材樹脂とする発泡成形体の圧縮強
度は、結晶性樹脂の結晶化度や融点、結晶化温度等の結
晶化特性によって大きく変化し、また、本発明における
ように親水性ポリマーや、必要に応じて充填剤、顔料、
染料、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定剤、滑材等を含
むような樹脂組成物を用いる場合には、これら各添加物
の性質、量により大きく変化する。
【0062】さらに、本発明において開示されるよう
に、発泡成形体の連泡率によっても大きく変化し、連泡
率が12%をこえて大きくなったような場合には、発泡
成形体の密度が大きくなっても、圧縮強度の向上が全く
不十分となるのである。
【0063】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0064】(実施例1〜7および比較例1〜3)エチ
レン−プロピレンランダム共重合体(エチレン含量3
%、MI=6g/10分、融点145℃)100部に、
親水性ポリマーとしてエチレン−メタクリル酸共重合体
のカルボキシル基をナトリウムイオンで塩にして分子間
を架橋させたエチレン系アイオノマー2部、および充填
剤(タルク、平均粒子径9.5μm)0.3部、カーボ
ンブラック1部をそれぞれ混合してえられた樹脂組成物
から、ペレット(樹脂粒子、2mg/粒)を製造した
(このペレットの融点はエチレン−プロピレンランダム
共重合体の融点と同じであった)。
【0065】つぎに、このペレット100部、分散剤と
してパウダー状第3リン酸カルシウム0.5部およびn
−パラフィンスルホン酸ソーダ0.006部を水300
部とともに密閉容器内に仕込み、153℃まで加熱した
後、空気を密閉容器内に導入して密閉容器内の圧力を所
定圧力まで上げた後、この圧力を保持しつつ密閉容器の
バルブを開いて水分散物(樹脂粒子および水系分散媒)
を大気圧下に放出して、表1に示す各発泡倍率を有する
ポリプロピレン系樹脂組成物からなる予備発泡粒子をえ
た。
【0066】次に、えられた各発泡倍率を有する予備発
泡粒子から、圧縮充填法、内圧付与法、直接充填法の3
種の公知な型内成形法により、320mm×320mm
×60mmの直方体形状で、115g/Lおよび240
g/Lの2種類の密度を有するポリプロピレン系樹脂組
成物発泡成形体をえた。えられたポリプロピレン系樹脂
組成物発泡成形体の連泡率、融着率、25%歪み時の圧
縮強度、および発泡成形体を構成する予備発泡粒子の、
DSC曲線における吸熱ピーク数をそれぞれ測定した。
結果を表1に示す。
【0067】ここで、発泡成形体の密度はASTM D
1895に、連泡率はASTM D2856に、圧縮強
度はASTM D3575(25%歪み)にそれぞれ準
拠して測定した。また、発泡成形体の融着率は、発泡成
形体の表面にナイフ等により約5〜10mmの深さの切
れ目を入れたのち、この切れ目に沿って成形体を衝撃破
断させ、破断面を観察した時の、粒子の全個数に対する
破壊粒子数の割合である。
【0068】実施例1〜5においては、各種発泡倍率を
有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる予備発泡粒
子を、各種成形法により成形し、いずれも密度115g
/Lのポリプロピレン系樹脂組成物発泡成形体をえた。
えられた発泡成形体の連泡率は2.9〜5.5%、融着
率は30〜50%であり、圧縮強度は1.05〜1.2
0MPaであった。比較例1に密度115g/L、融着
率50%で、連泡率が17.8%の成形体を示すが、圧
縮強度は0.90MPaであり、本発明における発泡成
形体においては、15%以上、最大33%もの圧縮強度
向上効果があることがわかる。
【0069】また、実施例6、7には、同様に作製した
密度240g/Lの発泡成形体の物性を示す。この場合
においても、比較例2に示す、連泡率19.1%の発泡
成形体に比べ、30%程度の圧縮強度向上効果があるこ
とがわかる。
【0070】なお、比較例3では、密度240g/Lに
て、連泡率32.8%、融着率5%の発泡成形体を作製
したが、本発泡成形体は、予備発泡粒子同士の接着が全
く不十分であり、金型通りの形状をとどめることができ
ず、外観不良のものであった。 (比較例4)樹脂組成物に親水性ポリマーを混合せず、
無機ガス系発泡剤として炭酸ガスを用い、予備発泡粒子
製造時の密閉容器の加熱温度を150℃とした以外は実
施例1〜7および比較例1〜3と同様にして、発泡倍率
7.0倍のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得、圧
縮充填法にて密度115g/L、連泡率18.4%、融
着率5%のポリプロピレン系樹脂発泡成形体をえた。え
られた発泡成形体は圧縮強度0.55MPa、引張強度
1.05MPaであり、実施例1〜5に示す、本発明に
おける、同一密度の発泡成形体の圧縮強度、引張強度と
比較して、全く機械的強度の低い、物性不十分な発泡成
形体であった。
【0071】
【表1】 以上より、本発明における、ポリプロピレン系樹脂組成
物発泡成形体のすぐれた特長は明確である。
【0072】
【発明の効果】本発明の発泡成形体は、型内発泡成形時
の生産性の向上、および品質の安定を同時に達成しつ
つ、高密度領域における圧縮強度および引張強度の両機
械的強度が、同時に、画期的に改善された型内発泡成形
体である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA24 AA25 AA31 AG17 BA34 CA34 CA39 CA49 CC03Z DA02 DA08 DA12 DA24 DA32 DA33 DA34 4J002 AB022 AB032 BB082 BB092 BB121 BB141 BB151 BB182 BB232 BE022 BG012 BG042 BG072 BH022 BN232 BP021 CF102 CH022 CL012 CL032 DE026 FD010 FD090 FD326

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリプロピレン系樹脂100重量
    部および(B)親水性ポリマー0.01〜20重量部を
    含有する樹脂組成物を基材樹脂とし、示差走査熱量計測
    定によるDSC曲線において、2つ以上の吸熱ピークを
    有する予備発泡粒子からなり、密度90〜300g/
    L、連泡率12%以下であることを特徴とするポリプロ
    ピレン系樹脂組成物の発泡成形体。
  2. 【請求項2】 融着率が10〜70%であることを特徴
    とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成物の型
    内発泡成形体。
  3. 【請求項3】 引張強度が0.6〜3.0MPaであ
    り、かつ、密度xと圧縮強度yが下記条件式(1)を満
    足することを特徴とする、請求項1または2記載のポリ
    プロピレン系樹脂組成物の型内発泡成形体。 y−0.013x+0.645≧0 (1)
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