JP2003082040A - 積層成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

積層成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物

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JP2003082040A
JP2003082040A JP2001279753A JP2001279753A JP2003082040A JP 2003082040 A JP2003082040 A JP 2003082040A JP 2001279753 A JP2001279753 A JP 2001279753A JP 2001279753 A JP2001279753 A JP 2001279753A JP 2003082040 A JP2003082040 A JP 2003082040A
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Japan
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unsaturated polyester
resin composition
meth
laminate molding
acrylate
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JP2001279753A
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Yoshichika Kawabata
善周 川端
Yohei Futami
洋平 二見
Kumiko Fukakusa
久美子 深草
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低臭気でかつ安全性が高く、硬化性、乾燥
性、強度物性、積層成形における作業性に優れる積層成
形用不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 分子中にアリルエーテル基を1〜2個含
有する水酸基含有化合物を構成成分として含有する空乾
性不飽和ポリエステル(A)、アルキル基の炭素数が1
〜4であるヒドロキシアルキルメタクリレート(B)及
び繊維強化材(C)を必須成分とすることを特徴とする
積層成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化プラスチ
ック(FRP)の積層成形時に問題となるスチレン臭、
引火性を改善する低臭気で安全性が高く、硬化性、乾燥
性、強度物性、作業性に優れる積層成形用不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、積層成形用不飽和ポリエステ
ル樹脂は、優れた成形性、機械的、科学的、物理的、電
気特性を有する事から、FRP成形品に幅広く用いられ
ている。その主な用途は、浴槽、ユニットバス、ボー
ト、漁船、タンク、車輌、ハウジング等である。かかる
不飽和ポリエステル樹脂は、架橋性単量体として、硬化
性、物性等の面からスチレンモノマーが多用されてい
る。しかしながら、近年、環境問題の点から、揮発性、
臭気、毒性などの問題となるスチレンモノマーの使用を
規制する社会的な動きが高まっている。
【0003】この課題に対して、(1)不飽和ポリエス
テルの分子量を下げてスチレンモノマーの含有量を下げ
る方法、(2)不飽和ポリエステル樹脂にワックス等を
添加してスチレンモノマーの揮散を抑える方法、(3)
スチレンモノマーの代替として揮発性の低いモノマーを
使用する方法等が提案されているが、(1)(2)につ
いてはスチレンモノマーが含有されている為、抜本的な
対策になっておらず、(3)については、臭気、硬化
性、乾燥性、強度物性、積層成形における作業性の面で
未だ満足できるものが得られていない。
【0004】また、アリルエーテル基を含有する空気硬
化性の不飽和ポリエステルが提案されているが、スチレ
ン以外の架橋性モノマーとしてMMAやアクリル酸ブチ
ルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルを使用す
ることも示唆されているものの、臭気が強く安全性が低
いという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低臭
気でかつ安全性が高く、硬化性、乾燥性、強度物性、積
層成形における作業性に優れる積層成形用不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題について鋭意研究の結果、本発明を完成するに至っ
たものである。
【0007】即ち、本発明は、分子中にアリルエーテル
基を1〜2個含有する水酸基含有化合物を構成成分とし
て含有する空乾性不飽和ポリエステル(A)、アルキル
基の炭素数が1〜4であるヒドロキシアルキルメタクリ
レート(B)及び繊維強化材(C)を必須成分とするこ
とを特徴とする積層成形用不飽和ポリエステル樹脂組成
物を提供する。
【0008】次に本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明での空乾性不飽和ポリエス
テル(A)とは、アリルエーテル基を1〜2個含有する
水酸基含有化合物を構成成分として含有するものであ
る。即ち、α、β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸類と
多価アルコ−ル類と空乾性付与成分であるアリルエーテ
ル基を1〜2個含有する水酸基含有化合物をエステル反
応により得られるものである。その他の空乾性付与成分
も本発明の効果を損なわない範囲で併用することがで
き、例えば乾性油としてアマニ油及び桐油、環状脂肪族
不飽和多塩基酸などが挙げられる。
【0010】空乾性付与成分であるアリルエーテル基を
1〜2個含有する水酸基含有化合物としては、エチレン
グリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコール
モノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリ
ルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテ
ル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノアリルエーテル、トロプロピレン
グリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコ
ールモノアリルエーテル、1,2ブチレングリコールモ
ノアリルエーテル、1,3ブチレングリコールモノアリ
ルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテ
ル、オクレングリコールモノアリルエーテル、トリメチ
ロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリル
エーテル等がある。そのうちでも2個含有するものが特
に好ましい。
【0011】また、アリルエーテル基を1〜2個含有す
る水酸基含有化合物からなる構成成分は、空乾性不飽和
ポリエステル(A)中に 3〜20モル%、より好まし
くは4〜20モル%含有する。かかる含有量であれば、
硬化性、乾燥性が良好であり、強度物性も優れている。
【0012】空乾性不飽和ポリエステル(A)を調製す
るにあたって使用されるα,β−不飽和二塩基酸として
は、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、無水イタコン酸等を挙げることができる。飽和二塩
基酸としては、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無
水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒド
ロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ
テレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、
マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,
12−ドデカン2酸,2,6−ナフタレンジカルボン
酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタ
レンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無
水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、またこれら
のジアルキルエステル等を挙げることができる。
【0013】多価アルコ−ル類としては、例えばエチレ
ングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレング
リコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ
−ル、ジプロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ
−ル、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、1,3
−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、水素化ビ
スフェノ−ルA、1,4−ブタンジオ−ル、ビスフェノ
−ルAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドの
付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グ
リセリン、トリメチロ−ルプロパン、1,3−プロパン
ジオ−ル、1,2−シクロヘキサングリコ−ル、1,3
−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサン
グリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、パ
ラキシレングリコ−ル、ビシクロヘキシル−4,4’−
ジオ−ル、2,6−デカリングリコ−ル、2,7−デカ
リングリコ−ル等を挙げることができ、ジオールが好ま
しい。
【0014】本発明に用いられる空乾性不飽和ポリエス
テル(A)としては、アルキル基の炭素数が1〜4であ
るヒドロキシアルキルメタクレート(B)を希釈モノマ
ーとして使用することから、スチレンモノマーを使用し
た場合と同様の粘度を得ようとすると希釈モノマーを多
量に使用することになり、硬化性、乾燥性、物性が悪化
することを考慮して、スチレンモノマーで空乾性不飽和
ポリエステル含有量(固形分含有量)を70重量%に希
釈した場合にガードナー粘度が好ましくはJ〜R、より
好ましくはJ〜Pとなるのものが好ましい。また、良好
な重合性を考慮すると、アリルエーテル基を3個以上含
有する水酸基含有化合物以外の不飽和化合物、例えば上
記α,β−不飽和二塩基酸の併用によってもたらされる
重合性二重結合を分子中に含有する空乾性不飽和ポリエ
ステル(A)が好ましく、具体的にはα,β−不飽和二
塩基酸が酸成分中に好ましくは20〜100モル%、よ
り好ましくは30〜100モル%含有したものが望まし
い。
【0015】更にまた、本発明に用いられる空乾性不飽
和ポリエステル(A)は、より硬化性を向上せしめるた
めに、グリコール成分として例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングルコール、トリエチレングリコールか
ら選ばれた1〜3種類を空乾性不飽和ポリエステル中に
15〜40モル%、より好ましくは20から40モル%
含有したものが望ましい。
【0016】本発明に用いられる空乾性不飽和ポリエス
テル(A)以外の不飽和ポリエステル、ウレタン(メ
タ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポ
リエステル(メタ)アクリレートなどのラジカル重合性
樹脂を併用しても良い。これらのラジカル重合性樹脂の
使用量は、本発明の効果を損なわない量であれば特に制
限されないが、好ましくは空乾性不飽和ポリエステル
(A)に対して0〜70重量%程度である。
【0017】ウレタン(メタ)アクリレートとは、好ま
しくはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリカ−ボネ−トポリオール、ポリブタジエンポリ
オール等のポリオール、ポリイソシアネートおよび2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート等の1分子に1個以上の水酸基を
有する(メタ)アクリレートの反応により得られるもの
であり、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基
を有する。
【0018】エポキシ(メタ)アクリレートとは、好ま
しくは1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を
有するもので、ビスフェノールタイプまたはノボラック
タイプのエポキシ樹脂単独、または、ビスフェノールタ
イプとノボラックタイプのエポキシ樹脂とを混合した樹
脂などのエポキシ樹脂と、アクリル酸、メタアクリル
酸、桂皮酸、クロトン酸、マレイン酸モノアルキルエス
テルなどの不飽和一塩基酸とをエステル化触媒の存在下
で反応して得られるものである。
【0019】また、ポリエステル(メタ)アクリレート
とは、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を
有する飽和若しくは不飽和ポリエステルであり、飽和若
しくは不飽和ポリエステルの末端に(メタ)アクリル化
合物を反応させたものである。かかる樹脂の数平均分子
量としては、好ましくは500〜5000である。
【0020】本発明に使用されるアルキル基の炭素数が
1〜4であるヒドロキシアルキルメタクリレート(B)
としては、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキ
シエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、ヒドロキシブチルメタクリレートが挙げられる
が、ヒドロキシエチルメタクリレートが特に臭気、安全
上好ましい。尚、ヒドロキシアルキルメタクリレートに
類似のヒドロキシアルキルアクリレート、例えばヒドロ
キシエチルアクリレートがあるが、これらは臭気が強い
うえ、発ガン性が強く使用に向かない。
【0021】上記アルキル基の炭素数が1〜4のヒドロ
キシアルキルメタクリレート(B)に、本発明の効果そ
こなわない範囲で、他のモノマーを併用する事ができ
る。そのうちでも特に代表的なもののみを例示するにと
めれば、スチレン、αメチルスチレン、クロルスチレ
ン、ビニルトルエン、メチルメタアクリレート、ジアリ
ルフタレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニ
ロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレン
グリコールモノブチルエーテル(メタ)アククリレー
ト、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)
アククリレート、エチレングリコールモノ2−エチルヘ
キシルエーテル(メタ)アククリレート、ジエチレング
リコールモノメチルエーテル(メタ)アククリレート、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アク
クリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル
(メタ)アククリレート、ジエチレングリコールモノヘ
キシルエーテル(メタ)アククリレート、エチレングリ
コールモノ2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクク
リレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ
ート、PTMGのジ(メタ)アクリレート、1,3ブタ
ンジオールジメタクリレート、1,6ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ1,3ジメチル
コロキシプロパン、2,2ビス〔4−(メタクロキシエ
トキシ)フェニル〕プロパン、2,2ビス〔4−(メタ
クロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2ビ
ス〔4−(メタクロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プ
ロパン、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ビスフェノールAEO変成(N=2)ジ(メタ)
アクリレート、イソシアヌル酸EO変成(n=3)ジ
(メタ)アクリレート等の樹脂と架橋可能なモノマー或
いはそれらの不飽和オリゴマー等が挙げられる。
【0022】上記ヒドロキシアルキルメタクリレート
(B)に、硬化物の硬さ、耐熱性、耐摩耗性、耐さっ傷
性、耐煽動性、耐薬品性等物性を向上する必要がある場
合には、多官能不飽和モノマー、好ましくは、3官能以
上の(メタ)アクリル酸エステルモノマーが併用され
る。具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)ア
クリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパンPO変性(n=1)ト
リ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸EO変性
(n=3)トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌール
酸EO(n=3)・ε−カプロラクトン変性トリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンター及
びヘキサー(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレ-ト等の重合性単量体を併用
することもできる。
【0023】空乾性不飽和ポリエステル(A)とアルキ
ル基の炭素数が1〜4であるヒドロキシアルキルメタク
リレート(B)の重量比率は、70/30〜30/70
の範囲が好ましく、より好ましくは70/30〜40/
60である。かかる重量比であれば、硬化性、乾燥性に
優れる。
【0024】アルキル基の炭素数が1〜4であるヒドロ
キシアルキルメタクリレート(B)の好ましいものとし
てヒドロキシエチルメタクリレートを使用する場合、そ
の含有量は、好ましくは該ヒドロキシアルキルメタクリ
レート(B)中に60重量%以上、さらに好ましくは8
0重量%以上、特に好ましくは100%含有する。ヒド
ロキシエチルメタクリレートの含有量がかかる範囲であ
れば、低臭性が一層向上し、樹脂粘度が適度となり、作
業性が良好となる。
【0025】本発明に使用される繊維強化材(C)とし
ては、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、ビニ
ロン繊維、テトロン繊維、金属繊維等を用いることがで
き、これらを組あせて使用しても良い。繊維強化材
(C)の形態としては、ひも状、布状、ストランド状、
ミルドファイバー状、ウイスカー状等のものを用いるこ
とができ、これらを組み合わせて使用しても良い。
【0026】かかる繊維強化材(C)の使用量は特に制
限されないが、積層成形性、強度物性の点を考慮する
と、空乾性不飽和ポリエステル(A)とアルキル基の炭
素数が1〜4であるヒドロキシアルキルメタクリレート
(B)と繊維強化材(C)の重量比率が(A+B)/
(C)で95/5〜40/60、好ましくは90/10
〜40/60となるような量が適切である。
【0027】本発明の組成物には、更に、ラジカル硬化
剤、硬化促進剤を添加するのが好ましく、必要により重
合禁止剤やその他の添加剤も添加される。
【0028】ラジカル硬化剤としては、有機過酸化物が
挙げられ、具体的にはジアシルパーオキサイド系、パー
オキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアル
キルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パー
オキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカー
ボネート系等公知公用のものが使用される。硬化剤の添
加量は、好ましくは樹脂組成物の合計量100重量部に
対して、0.1〜6重量部である。又、硬化促進剤の好
ましい添加量は、0.1〜5重量部である。
【0029】硬化促進剤としては、例えばナフテン酸コ
バルト、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチ
ル酸バナジウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム等
金属石鹸類、バナジウムアセチルアセテート、コバルト
アセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等の金属
キレート類、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、
N,N−ジエチルアニリン、p−トルイジン、N,N−
ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2-ヒドロ
キシエチル)−p−トルイジン、4-(N,N−ジメチル
アミノ)ベンズアルデヒド、4−[N,N−ビス(2-
ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4−
(N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンズア
ルデヒド、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−
p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエ
タノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミ
ン、ピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン、N,
N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノール
アニリン等のN,N−置換アニリン、N,N−置換−p
−トルイジン、4-(N,N−置換アミノ)ベンズアルデ
ヒド等のアミン類が挙げられる。本発明においてはアミ
ン系、金属石鹸系の硬化促進剤が好ましい。なお、硬化
促進剤は、2種以上の組み合わせで使用しても良く、予
め樹脂に添加しておいても良いし、使用時に添加しても
良い。
【0030】重合禁止剤としては、例えばトリハイドロ
ベンゼン、トルハイドロキノン、14−ナフトキノン、
パラベンゾキノン、ハイドロキノン、ベンゾキノン、ハ
イドロキノンモノメチルエーテル、p−ターシャリブチ
ルカテコール、2,6−ジ−ターシャリブチル−4−メ
チルフェノール、ナフテン酸銅等を挙げることができ
る。好ましくは樹脂組成物に、5〜1000ppm添加
しうるものである。なお、重合禁止剤あ、2種以上を組
み合わせて使用しても良い。
【0031】その他各種添加剤としては、減粘剤等の粘
度調節剤、チキソ剤、チキソ助剤、消泡剤、レベリング
剤、シランカップリング剤、パラフィン等の空気遮断剤
等が挙げられ、市販品が利用できる。
【0032】また、本発明の組成物では、例えば、充填
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、低収縮化剤、難
燃剤、安定剤等の添加剤も添加しても良い。
【0033】本発明の積層成形用不飽和ポリエステル樹
脂組成物は、FRP積層成形品全般に有用であり、通常
特性的には硬質であって、樹脂組成物を硬化した場合そ
の引っ張り伸び率が好ましくは1〜20%、より好まし
くは1〜15%のものである。
【0034】本発明の樹脂組成物を積層成形する場合に
は、通常繊維強化材に液状樹脂を含浸、脱泡しながら積
み重ね、所定の成形厚みまで成形する成形法で行われ
る。
【0035】
【実施例】以下本発明を実施例によって更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。また、文中「部」、「%」及び「ppm」とある
のは、特段の断りがない限り重量基準のものである。
【0036】(参考例1) (空乾性不飽和ポリエステ
ルの調製) 窒素ガス導入管、還流コンデンサ、攪拌機を備えた2L
のガラス製フラスコに、ジエチレングリコール7.0モ
ル、ジプロピレングリコール2.0モル、フマル酸1
0.0モル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル
2.5モル、トルハイドロキノン250ppmの割合で
仕込み窒素気流下、加熱を開始した。内温180℃に
て、常法にて脱水縮合反応を行い、粘度(固形分/スチ
レン=70/30の重量比の時の粘度)がK〜L、酸価
が20KOHmg/gになったところで、P−ターシャ
リブチルカテコール50ppmを添加した。さらに15
0℃まで冷却し、空乾性不飽和ポリエステル(UP−
1)を得た。このときのアリル基を含有する水酸基含有
化合物の含有量は11.6モル%であった。
【0037】(参考例2) (空乾性不飽和ポリエステ
ルの調製) 窒素ガス導入管、還流コンデンサ、攪拌機を備えた2L
のガラス製フラスコに、ジエチレングリコール10.0
モル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル1.0
モル、フマル酸10.0モル、トルハイドロキノン25
0ppmを仕込み窒素気流下、加熱を開始した。内温1
90℃にて、常法にて脱水縮合反応を行い、粘度(固形
分/スチレン=70/30の重量比の時の粘度)がK〜
L、酸価が25KOHmg/gになったところで、P−
ターシャリブチルカテコール50ppmを添加した。さ
らに150℃まで冷却し、空乾性不飽和ポリエステル
(UP−2)を得た。このときのアリルを含有する水酸
基含有化合物の含有量は4.76モル%であった。
【0038】(参考例3) (不飽和ポリエステルの調
製) 窒素ガス導入管、還流コンデンサ、攪拌機を備えた2L
のガラス製フラスコに、プロピレングリコール2.0モ
ル、無水マレイン酸1.0モル、無水フタル酸1.0モ
ルを仕込み窒素気流下、加熱を開始した。内温200℃
にて、常法にて脱水縮合反応を行い、粘度固形分/スチ
レン=70/30の重量比の時の粘度)がQ〜R、酸価
が26KOHmg/gになったところで、180℃まで
冷却し、トルハイドロキノン250ppm、ターシャリ
ブチルカテコール50ppmを添加した。さらに150
℃まで冷却し、不飽和ポリエステル(U−3)を得た。
【0039】[樹脂組成物の調製] (実施例1)参考例1で得られた空乾性不飽和ポリエス
テル(UP−1)50部を、ヒドロキシエチルメタクリレ
ート50部に溶解させ、6%ナフテン酸コバルト(大日
本インキ化学製)0.5部、アエロジル#200(日本
アエロジル製)1.0部、を配合した。
【0040】(実施例2)参考例2で得られた空乾性不
飽和ポリエステル(UP−2)50部を、ヒドロキシエチ
ルメタクリレート50部に溶解させ、6%ナフテン酸コ
バルト(大日本インキ化学製)0.5部、アエロジル#
200(日本アエロジル製)1.0部、を配合した。
【0041】(比較例1)参考例1で得られた空乾性不
飽和ポリエステル(UP−1)60部を、スチレンモノマ
ー40部に溶解させ、6%ナフテン酸コバルト(大日本
インキ化学製)0.5部、アエロジル#200(日本ア
エロジル製)0.8部、を配合した。
【0042】(比較例2)参考例1で得られた空乾性不
飽和ポリエステル(UP−1)60部を、メチルメタクリ
レート40部に溶解させ、6%ナフテン酸コバルト(大
日本インキ化学製)0.5部、アエロジル#200(日
本アエロジル製)1.0部、を配合した。
【0043】(比較例3)参考例1で得られた空乾性不
飽和ポリエステル(UP−1)50部を、ヒドロキシエチ
ルアクリレート50部に溶解させ、6%ナフテン酸コバ
ルト(大日本インキ化学製)0.5部、アエロジル#2
00(日本アエロジル製)1.0部、を配合した。
【0044】(比較例4)参考例3で得られた不飽和ポ
リエステル(UP−3)50部を、ヒドロキシエチルメタ
クリレート50部に溶解させ、6%ナフテン酸コバルト
(大日本インキ化学製)0.5部、アエロジル#200
(日本アエロジル製)1.0部、を配合した。
【0045】(比較例5)参考例3で得られた不飽和ポ
リエステル(UP−3)60部を、スチレンモノマー40
部に溶解させ、6%ナフテン酸コバルト(大日本インキ
化学製)0.5部、アエロジル#200(日本アエロジ
ル製)0.8部、を配合した。
【0046】<試験方法及び評価> [低臭性]の評価 得られた樹脂組成物をオープン容器に入れ、鼻から5c
mの位置で感じる臭気を以下の様に判定する。 低臭性 判定基準 ○鼻から5cmの位置で臭気を全く感じない △ 〃 若干感じる × 〃 強く感じる
【0047】[粘度、揺変度]の評価 得られた樹脂組成物をBM型粘度計を用い、JIS−K
−6901の4.5の試験法に従い、「粘度」及び「揺
変度」を測定した。
【0048】[引張り伸び率]の評価 得られた樹脂組成物100部に対して、メチルエチルケ
トンパーオキサイド(パーメックN、日本油脂社製)を
ガラス製ビーカー内で添加、攪拌し、3mmの隙間のガ
ラス板型に流し込み、12時間放置後、120℃で2時
間加温し、得られた樹脂注型板を用い引張り伸び率を測
定した。
【0049】[乾燥時間、ポットライフ]の評価 また、得られた樹脂組成物100部に対して、メチルエ
チルケトンパーオキサイド(パーメックN、日本油脂社
製)をガラス製ビーカー内で添加、攪拌し、25℃で離
型剤を塗布したガラス板上に450g/m2のガラスチ
ョップストランドマット(日東紡製)3枚に含浸、脱泡
し、試験板を作成した。その時に、含浸、脱泡にかかわ
るロール作業の軽さ/重さを「作業性」、積層表面の粘
着性が取れる時間を「乾燥時間」とする。又、ビーカー
内の樹脂がゲル化する時間を「ポットライフ」とした。
【0050】[強度物性]の評価 上記で得られた積層板を40℃で16時間硬化させ、J
ISの試験法に従い強度物性を測定した。
【0051】以下表中、β-HEMAは、ヒドロキシエチル
メタクリレート、SMは、スチレン、MMAは、メチル
メタクリレート、2−HEAは、ヒドロキシエチルアク
リレート、6%Coは、6%ナフテン酸コバルト、Si
O2は、アエロジル#200である。
【0052】
【表1】<低臭性評価>
【0053】
【表2】<作業性等評価>
【0054】
【表3】<FRPの強度物性評価>
【0055】(試験法) 引張り:JIS-K-7113 曲げ :JIS-K7203
【0056】尚、本発明で用いたヒドロキシエチルメタ
クリレートは、下表に示す様にスチレンに比べて、沸
点、引火点が高く、安全性が高い。
【0057】
【表4】
【0058】
【発明の効果】本発明は、低臭気で安全性に高く、硬化
性、乾燥性、強度物性、作業性に優れる積層成形用不飽
和ポリエステル樹脂組成物を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深草 久美子 大阪府堺市浜寺公園町1−27,パークサイ ド浜寺207 Fターム(参考) 4J002 BE002 CF002 CF231 CL062 DA036 DL006 FA042 FA046 FA062 FA066 FD14 FD15 4J027 AB01 AB06 AB07 AB08 AB09 AB10 AB15 AB16 AB17 AB18 AB19 AB22 AB23 AB25 AE02 AE03 AG03 AG04 AG05 BA05 BA06 BA07 BA09 BA12 BA19 BA22 BA24 BA26 BA27 CA38 CB03 CB08 CC01 CD01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中にアリルエーテル基を1〜2個含
    有する水酸基含有化合物を構成成分として含有する空乾
    性不飽和ポリエステル(A)、アルキル基の炭素数が1
    〜4であるヒドロキシアルキルメタクリレート(B)及
    び繊維強化材(C)を必須成分とすることを特徴とする
    積層成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシアルキルメタクリレート
    (B)がヒドロキシエチルメタクリレートである請求項
    1記載の積層成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 アリルエーテル基を含有する水酸基含有
    化合物が空乾性不飽和ポリエステル(A)中に3〜20
    モル%を含有する請求項1又は2記載の積層成形用不飽
    和ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 空乾性不飽和ポリエステル(A)とアル
    キル基の炭素数が1〜4であるヒドロキシアルキルメタ
    クリレート(B)の重量比率が70/30〜30/70
    である請求項1〜3のいずれかに記載の積層成形用不飽
    和ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 空乾性不飽和ポリエステル(A)とアル
    キル基の炭素数が1〜4であるヒドロキシアルキルメタ
    クリレート(B)と繊維強化材(C)の重量比率が(A
    +B)/(C)で95/5〜40/60である請求項1
    〜4のいずれかに記載の積層成形用不飽和ポリエステル
    樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008062188A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Noritake Co Ltd 酸素分離膜

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